(第一実施形態)
(システムの全体像)
以下、本発明の第一実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、緊急通報システム100の全体像の一例を示すシステム構成図である。図1に示すように、緊急通報システム100は、通報装置2、プロバイダサーバー3(第二サーバー)及びメーカーサーバー4(第一サーバー)を備えている。通報装置2、プロバイダサーバー3及びメーカーサーバー4は、所定のネットワーク9を介して相互に通信可能に構成されている。ネットワーク9には、携帯電話の通信網やインターネット等が含まれる。
通報装置2は、ネットワーク9を介して無線通信可能な通信装置である。通報装置2には、車両の乗員が携帯するスマートフォン等の携帯電話や、車両に配設された緊急通報装置等が含まれる。
プロバイダサーバー3は、緊急通報サービスを提供するプロバイダが所有するサーバー装置である。緊急通報サービスとは、緊急事態が発生した事故車両の乗員の救助を提携先の救助機関へ依頼するサービスである。救助機関には、警察、消防及び病院等が含まれる。プロバイダサーバー3は、更に、提携先の救助機関が所有する救助機関サーバー5とネットワーク9を介して相互に通信可能に構成されている。
尚、救助機関サーバー5は、ネットワーク9又は不図示の専用通信網を介して、事故車両が存在する場所(以降、事故現場)に派遣される救助機関の救助隊員が携帯する端末装置6と相互に通信可能に構成されている。
端末装置6は、ネットワーク9を介して無線通信可能な通信装置である。端末装置6には、例えば、タブレット端末やスマートフォン等が含まれる。端末装置6は、ネットワーク9を介して受信した情報を表示する液晶ディスプレイ等の表示部を備えている。端末装置6には、ポータブルドキュメントフォーマット(以降、PDF)等の電子文書フォーマットの電子ファイルを表示部に表示して閲覧するためのソフトウェアがインストールされている。また、端末装置6には、ウェブページを表示部に表示して閲覧するためのウェブブラウザがインストールされている。
メーカーサーバー4は、事故車両を販売した車両メーカーが所有するサーバー装置である。
通報装置2、プロバイダサーバー3、メーカーサーバー4及び救助機関サーバー5は、それぞれ、自身を制御する不図示のコントローラーと、ネットワーク9を介して通信を行う不図示の通信回路とを備えている。コントローラーは、不図示のCPU(Central Processing Unit)、EEPROM等の不図示の不揮発性メモリー、データを一時的に記憶するための不図示のRAM(Random Access Memory)、現在日時を計時する不図示のタイマー回路、及び、これらの周辺回路等を備えている。
通報装置2は、更に、各種情報を入力するための操作キー、音声を入力するための不図示のマイク及び音声を出力するための不図示のスピーカー等を備えている。プロバイダサーバー3、メーカーサーバー4及び救助機関サーバー5は、更に、HDD(Hard Disk Drive)等の不図示の記憶装置、各種情報を表示するディスプレイ及び各種情報を入力するための操作キー等を備えている。
(機能構成)
次に、緊急通報システム100の機能構成について説明する。図2は、緊急通報システム100の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、通報装置2は、通報部21として機能する。通報部21は、車両に緊急事態が発生した場合に、当該緊急事態に関する事故情報をプロバイダサーバー3へ通報する。
事故情報には、緊急事態が発生した事故車両を識別する識別情報(例:ナンバープレートに記載の情報)、事故車両の位置情報(例:事故車両が存在する位置の緯度、経度及び高度を示す情報)、事故車両の状態を示す状態情報等が含まれる。
事故車両の状態には、例えば、車両の推進源(例:ガソリン)、車両に搭載された各エアバッグ装置の作動状態(例:運転席及び助手席作動、右サイド及び左サイド非作動等)、車両に搭載された各プリテン装置の作動状態(例:運転席及び助手席作動)、車両の衝突回数及び各衝突箇所(例:1回目後突、2回目前突)、衝突時の車速(例:30km/h)、乗員位置(例:運転席、助手席)、各シートベルトの着用有無(例:運転席及び助手席着用)、燃料漏れの有無(例:燃料漏れあり)、高電圧システムの作動状態(例:利用不可(NA))等が含まれる。
通報装置2が緊急通報装置である場合、通報部21は、緊急通報装置が備えるコントローラー及び通信回路によって構成される。具体的には、コントローラーは、車両に搭載された各種センサーの検出値が所定の異常値を示した場合に緊急事態の発生を検知する。コントローラーは、緊急事態の発生を検知した場合、各種センサーの検出値を用いて事故情報を生成する。そして、コントローラーは、通信回路を制御することにより、当該生成した事故情報を、ネットワーク9を介してプロバイダサーバー3へ無線送信する。
一方、通報装置2が携帯電話である場合、通報部21は、プロバイダに電話をかける操作を行うための操作キー、コントローラー、携帯電話の通信網を介して音声通信(電話)を行う通信回路、及び当該音声通信の通信対象の音声を入出力するマイク及びスピーカーによって構成される。具体的には、車両の乗員は、車両に緊急事態が発生したと自己判断した場合、前記操作キーを用いてプロバイダに電話をかける操作を行う。コントローラーは、当該操作が行われると、マイク、通信回路及びスピーカーを制御することにより、プロバイダの電話機との間で音声通信を行う。車両の乗員は、当該音声通信において、車両に搭載された各種計器類を参照する等して事故情報をプロバイダのオペレータへ通報する。オペレータは、通報された事故情報をプロバイダサーバー3に入力する。
プロバイダサーバー3は、データベース30及び転送部31として機能する。
データベース30は、プロバイダサーバー3が備える記憶装置によって構成される。尚、データベース30は、プロバイダサーバー3が備えるコントローラーが、プロバイダサーバー3が備える通信回路を制御することにより、ネットワーク9を介してアクセス可能な車両の外部に設けられた記憶装置によって構成されてもよい。
データベース30には、緊急通報サービスの顧客に関する顧客情報が事前に登録されている。顧客情報には、例えば、顧客の性別、年齢、電話番号及び住所を示す情報や、顧客が所有する車両に関する車両情報等が含まれる。データベース30に登録されている車両情報には、車両を識別する識別情報(以降、車両ID)や、車体色を示す情報等が含まれる。
転送部31は、プロバイダサーバー3が備えるコントローラー及び通信回路によって構成される。転送部31は、プロバイダサーバー3が備える通信回路が通報部21から通報された事故情報を受信すると、当該通信回路を制御することにより、当該受信した事故情報を救助機関サーバー5及びメーカーサーバー4に転送する。
また、転送部31は、プロバイダサーバー3が備える通信回路がメーカーサーバー4から送信された後述の救助情報を受信すると、当該通信回路を制御することにより、当該受信した救助情報を端末装置6に転送する。具体的には、当該転送において、転送部31は、当該通信回路を制御することにより、受信した救助情報とともに、当該救助情報を端末装置6に転送することを要求する要求情報を救助機関サーバー5に送信する。救助機関サーバー5は、当該送信された救助情報及び要求情報を受信すると、当該受信した要求情報に従って、当該受信した救助情報を端末装置6に転送する。
メーカーサーバー4は、通信部41(受信部)、第一データベース42、第二データベース43、及び制御部40として機能する。
通信部41は、メーカーサーバー4が備える通信回路によって構成される。通信部41は、転送部31が転送した事故情報を受信すると、当該受信した事故情報を制御部40へ出力する。また、通信部41は、制御部40による制御の下、制御部40によって指示された情報を指示された装置に送信する。
第一データベース42及び第二データベース43は、メーカーサーバー4が備える記憶装置によって構成される。尚、第一データベース42及び第二データベース43は、メーカーサーバー4が備えるコントローラーが、メーカーサーバー4が備える通信回路を制御することにより、ネットワーク9を介してアクセス可能な、車両の外部に設けられた記憶装置によって構成してもよい。
図3は、第一データベース42に登録されている情報の一例を示す図である。第一データベース42には、図3に示すように、車両ID(例:A)と当該車両IDの車両に関する車両情報とが事前に対応付けて登録されている。
第一データベース42に登録されている車両情報には、車両の車種を識別する情報(以降、車種ID)(例:T1)、車両の車体色を示す情報(例:赤)、車両の推進源を示す情報(例:HEV)、車両を購入した顧客に関する顧客情報等が含まれる。顧客情報には、車両を所有する顧客の氏名(例:顧客A)、性別(例:男)、生年月日(例:YYYY/MM/DD)及び電話番号(xxx−xxxx−xxxx)等が含まれる。つまり、第一データベース42には、車両IDと車種ID(車種)とが事前に対応付けて登録されている。
第二データベース43には、事故車両の乗員を救助する際の注意事項を含む車種別の救助情報が事前に登録されている。図4は、第一実施形態における第二データベース43に登録されている情報の一例を示す図である。具体的には、図4に示すように、第二データベース43には、車種ID(例:T1)と救助情報とが事前に対応付けて登録されている。
救助情報には、事故車両の乗員の救助における初動時の注意事項を示す初動情報(例:初動情報X1)と、事故車両の乗員の救助における初動後の具体的な注意事項を含む詳細情報と、が含まれる。
事故車両の乗員の救助における初動には、例えば、救助機関から事故車両までの移動や、事故車両の乗員が怪我をしている場合の応急処置等が含まれる。初動情報には、例えば、救助隊員に事故車両を早期に発見させるために、当該初動情報に対応する車種の車両の外観に関する特徴を示す情報等が含まれる。また、初動情報には、救助隊員に応急処置を円滑に行わせるために、応急処置に必要な準備品の一覧を示す情報等が含まれる。また、初動情報には、救助隊員に応急処置を安全に行わせるために、当該初動情報に対応する車種の車両に搭載されている燃料タンク、バッテリー等の二次災害を発生させる虞のある車両搭載物の配置位置を示す情報等が含まれる。
詳細情報は、事前に車両の状態別に分類されている。例えば、図4に示す例では、車種ID「T1」で識別される車種の救助情報に含まれる詳細情報は、事故車両の四個の状態「状態A」、「状態B」、「状態C」、「状態D」のそれぞれに対応付けるようにして、四個の詳細情報「詳細情報A1」、「詳細情報B1」、「詳細情報C1」、「詳細情報D1」に分類されている。
例えば、事故車両に搭載されたエアバッグ装置又はプリテン装置が作動していない状態であるとする。この状態(例:状態A)に対応する詳細情報(例:詳細情報A1)には、乗員を救助する際に切断すると爆発する虞がある、エアバッグ及びプリテンをそれぞれ作動させるインフレーターの詳細な配置位置及び構造を示す情報等が含まれる。一方、事故車両に搭載された全てのエアバッグ装置及びプリテン装置が作動した状態であるとする。この状態(例:状態B)に対応する詳細情報(例:詳細情報B1)には、エアバッグ装置及びプリテン装置を作動させるインフレーターが配置されている車室側面の切断が可能であることを示す情報等が含まれる。
また、事故車両が燃料漏れの状態であるとする。この状態(例:状態C)に対応する詳細情報(例:詳細情報C1)には、火災が生じる虞がある旨の警告を示す情報(例:「火災発生の虞があります。」)や、消火に必要な準備品の一覧を示す情報等が含まれる。また、事故車両の推進源に高電圧バッテリーが含まれており、且つ、当該事故車両の高電圧システムがレディー状態であるとする。この状態(例:状態D)に対応する詳細情報(例:詳細情報D1)には、作業前に高電圧システムのシステム電源を遮断することを案内する情報(例:「作業前にシステム電源を切ってください。」)や、高電圧システムのシステム電源を遮断する手順を示す情報等が含まれる。
図2に参照を戻す。制御部40は、メーカーサーバー4が備えるコントローラーによって構成される。制御部40は、抽出部401及び送信部402として機能する。
抽出部401は、通信部41によって受信された事故情報に含まれる車両ID(例:A)に対応する車種ID(例:T1)を第一データベース42(図3)から特定する。抽出部401は、当該特定した車種ID(例:T1)が示す車種の救助情報(例:初動情報X1、詳細情報A1〜D1)を、第二データベース43(図4)から抽出する。
送信部402は、抽出部401によって抽出された救助情報を、メーカーサーバー4が備える通信回路を制御することにより、プロバイダサーバー3に送信する。
(救助機関に事故車両の乗員の救助を依頼する動作の詳細)
以下、緊急通報システム100において救助機関に事故車両の乗員の救助を依頼する動作の詳細について説明する。図5及び図6は、救助機関に事故車両の乗員の救助を依頼する動作の一例を示すフロー図である。
図5に示すように、事故車両において緊急事態が発生した場合(S21)、通報部21は、事故情報をプロバイダサーバー3へ通報する(S22)。
プロバイダサーバー3では、プロバイダサーバー3が備える通信回路が通報部21から通報された事故情報を受信すると、転送部31は、当該受信した事故情報をメーカーサーバー4に転送する(S31)。そして、プロバイダサーバー3が備えるコントローラーは、S31で受信した事故情報に含まれる車両IDを含む顧客情報をデータベース30から抽出する(S32)。
メーカーサーバー4では、通信部41が転送部31によって転送された事故情報を受信すると(S41)、抽出部401は、第一データベース42(図3)において、当該受信された事故情報に含まれる車両ID(例:A)に対応付けられている車種ID(例:T1)を特定する(S42)。
次に、抽出部401は、第二データベース43(図4)から、S42で特定した車種ID(例:T1)に対応付けられている初動情報(例:初動情報X1)を第一の救助情報として抽出する(S43)。送信部402は、当該抽出された第一の救助情報をプロバイダサーバー3に送信する(S44)。
プロバイダサーバー3では、プロバイダサーバー3が備える通信回路が、送信部402によって送信された第一の救助情報を受信すると、転送部31は、事故車両の乗員の救助を依頼するための救助依頼情報を、提携先の救助機関が備える救助機関サーバー5に送信する(S33)。
救助依頼情報には、通報部21から受信した事故情報、S32で抽出した顧客情報、送信部402から受信した第一の救助情報及び当該第一の救助情報を端末装置6に転送することを要求する要求情報が含まれる。つまり、S33において、転送部31は、救助依頼情報を救助機関サーバー5に送信することで、救助機関サーバー5に、救助依頼情報に含まれる要求情報に従って、救助依頼情報に含まれる第一の救助情報を端末装置6に転送させる。これにより、転送部31は、送信部402によって送信された第一の救助情報を端末装置6に転送する。
尚、提携先の救助機関は、図6に示すように、警察、消防署及び病院であるとする。以降では、警察が備える救助機関サーバー5を救助機関サーバー5aと記載する。消防署が備える救助機関サーバー5を救助機関サーバー5bと記載する。病院が備える救助機関サーバー5を救助機関サーバー5cと記載する。
図6に示すように、救助機関サーバー5a、5b、5cでは、各自が備える通信回路が救助依頼情報を受信すると(S51a、S51b、S51c)、各自が備えるコントローラーが所定の受付処理を実行する(S52a、S52b、S52c)。
救助機関サーバー5a、5b、5cが備えるコントローラーは、受付処理において、例えば、受信した救助依頼情報に含まれる顧客情報及び事故情報を、救助機関サーバー5a、5b、5cが備える通信回路を制御することにより、担当者が使用する装置(以降、使用装置)に送信する。
警察(消防署)の担当者は、使用装置に送信された顧客情報及び事故情報を参照して、事故現場へ派遣する救助隊員である警官(消防隊員)を決定する。そして、警察(消防署)の担当者は、当該決定した救助隊員を事故現場へ派遣することを示す出動情報を、使用装置又は救助機関サーバー5a(5b)が備える操作キー等を用いて救助機関サーバー5a(5b)に入力する。救助機関サーバー5a(5b)が備えるコントローラーは、救助機関サーバー5a(5b)に出動情報が入力されると、救助機関サーバー5a(5b)が備える通信回路を制御することにより、当該入力された出動情報をプロバイダサーバー3に送信する(S53a(S53b))。
病院の担当者は、使用装置に送信された顧客情報及び事故情報を参照して、ドクターヘリを事故現場へ出動させるか否かを判断する。病院の担当者は、ドクターヘリを出動させると判断した場合、事故現場へ派遣する救助隊員であるパイロット、医者、看護師等を決定する。そして、病院の担当者は、ドクターヘリを出動させると判断した場合(S521c;YES)、当該決定した救助隊員を事故現場へ派遣することを示す出動情報を、使用装置又は救助機関サーバー5cが備える操作キー等を用いて救助機関サーバー5cに入力する。救助機関サーバー5cが備えるコントローラーは、救助機関サーバー5cに出動情報が入力されると、救助機関サーバー5cが備える通信回路を制御することにより、当該入力された出動情報をプロバイダサーバー3に送信する(S53c)。
救助機関サーバー5a、5b、5cが備えるコントローラーは、出動情報の送信後(S53a、S53b、S53c)、救助機関サーバー5a、5b、5cが備える通信回路を制御することにより、救助依頼情報に含まれる要求情報に従って当該救助依頼情報に含まれている第一の救助情報を端末装置6に転送する(S54a、S54b、S54c)。
尚、S54a、S54b、S54cにおいて、救助機関サーバー5a、5b、5cが備えるコントローラーが、第一の救助情報と共に、救助依頼情報に含まれている事故情報及び顧客情報を端末装置6に転送してもよい。
次に、救助機関サーバー5a、5b、5cが備えるコントローラーは、救助機関サーバー5a、5b、5cが備える通信回路を制御することにより、事故現場への出動指示を示す情報を端末装置6に送信する(S55a、S55b、S55c)。端末装置6に当該出動指示を示す情報が送信されると、救助隊員は事故現場へ出動する。これにより、救助隊員は、事故現場へ出動する前に、端末装置6に転送された第一の救助情報である初動情報を閲覧することで、事故車両の乗員の救助における初動時の注意事項を把握することができる。
尚、S53aの後、S55aを行い、S55aの後にS54aを行うようにしてもよい。これと同様にして、S53bの後、S55bを行い、S55bの後にS54bを行うようにしてもよい。また、S53cの後、S55cを行い、S55cの後にS54cを行うようにしてもよい。これにより、救助隊員が事故現場への出動を開始した後、第一の救助情報が端末装置6へ転送されるようにしてもよい。これらの場合、救助隊員は、事故現場に向かう移動中、又は、事故現場に到着してから長時間が経過しないうちに、端末装置6に転送された初動情報を閲覧することで、事故車両の乗員の救助における初動時の注意事項を把握することができる。
図5に参照を戻す。一方、メーカーサーバー4では、S44の後、抽出部401は、第二データベース43(図4)においてS42で特定した車種ID(例:T1)に対応付けられている詳細情報のうち、S41で受信された事故情報に含まれる状態情報が示す事故車両の状態(例:状態A、D)に対応する詳細情報(例:詳細情報A1、D1)のみ、第二の救助情報として抽出する(S45)。送信部402は、当該抽出された第二の救助情報をプロバイダサーバー3に送信する(S46)。
尚、S45において、抽出部401は、第二データベース43に、S41で受信された事故情報に含まれる状態情報が示す事故車両の状態に対応する詳細情報が登録されていなかった場合、何も抽出しない。この場合、送信部402は、S46においてプロバイダサーバー3に何も送信しない。
プロバイダサーバー3において、プロバイダサーバー3が備える通信回路が、送信部402によって送信された第二の救助情報及び救助機関サーバー5a、5b、5cによって送信された出動情報を受信したとする(S34;YES)。この場合、転送部31は、送信部402から受信した第二の救助情報を、事故現場へ派遣する救助隊員が携帯する端末装置6に転送する(S35)。
具体的には、プロバイダサーバー3が備える通信回路が第二の救助情報を受信してから所定時間が経過するまでの間に出動情報を受信した場合、及び通信回路が出動情報を受信した後に第二の救助情報を受信した場合に(S34;YES)、S35が行われる。その他の場合は(S34;NO)、S35は行われない。S35では、転送部31は、送信部402から受信した第二の救助情報及び当該第二の救助情報を端末装置6に転送することを要求する要求情報を救助機関サーバー5a、5b、5cに送信する。
図6に示すように、救助機関サーバー5a、5b、5cにおいて、各自が備える通信回路が第二の救助情報及び要求情報を受信したとする(S56a;YES、S56b;YES、S56c;YES)。この場合、各自が備えるコントローラーは、S54a、S54b、S54cと同様、受信した要求情報に従って、受信した第二の救助情報を救助隊員が携帯する端末装置6に転送する(S57a、S57b、S57c)。
以上のように、第一実施形態によれば、車両の外部に設けられた第二データベース43に、事故車両の乗員を救助する際の注意事項を含む車種別の救助情報が事前に登録されている。そして、第二データベース43から抽出された、事故車両の車種IDに対応付けられた救助情報が、救助機関の救助隊員が携帯する端末装置6に送信される。
このため、救助隊員は、衝突事故等が原因で事故車両に搭載された記憶装置等の備品が破損していた場合でも、自身が携帯する端末装置6に送信された救助情報に含まれる、事故車両と同じ車種の車両の乗員を救助する際の注意事項を参照することができる。その結果、救助隊員は、参照した注意事項を守り、事故車両の乗員の救助を安全且つ円滑に行うことができる。
また、第一実施形態によれば、端末装置6には、事故車両の乗員の救助における初動時の注意事項を示す初動情報が送信された後、事故車両の状態に対応する詳細情報のみが送信される。
このため、救助隊員は、端末装置6に初動情報が送信され次第、迅速に、当該初動情報が示す注意事項を参照して、乗員の救助における初動を安全且つ円滑に行うことができる。また、救助隊員は、乗員の救助における初動後、事故車両の状態に対応していない詳細情報に含まれる注意事項を参照することなく、事故車両の状態に対応する詳細情報に含まれる注意事項を参照して、事故車両の状態に応じた乗員の救助を安全且つ円滑に行うことができる。
また、第一実施形態によれば、メーカーサーバー4において抽出された救助情報が、プロバイダサーバー3を介して救助隊員が携帯する端末装置6に送信される。このため、メーカーサーバー4において、救助情報を端末装置6に送信するために必要な、救助機関サーバー5a、5b、5cの宛先等の情報を管理する手間を省略することができる。
(第一実施形態の第一変形実施形態)
第一実施形態の緊急通報システム100において、通報部21が、事故情報を通報後、定期的に、事故車両の現在の状態を示す状態情報(以降、現状態情報)を含む事故情報を、プロバイダサーバー3へ通報するようにしてもよい。これに合わせて、転送部31が、現状態情報を含む事故情報をメーカーサーバー4に転送し、抽出部401及び送信部402が、図7に示すフローに従って動作するようにしてもよい。図7は、メーカーサーバー4における動作の変形例を示すフローチャートである。
以下、図7に示すメーカーサーバー4の動作について説明する。図7に示すように、上述のS41及びS42が行われた後、抽出部401は、直前のS41で受信された事故情報が、最初に受信された事故情報であるか否かを判断する(S401)。
具体的には、抽出部401は、メーカーサーバー4が備えるコントローラーのRAMに、通報部21が受信した事故情報に含まれる車両IDが記憶されていない場合、直前のS41で受信された事故情報が、最初に受信された事故情報であると判断し(S401;YES)、RAMに当該車両IDを記憶する。一方、抽出部401は、メーカーサーバー4が備えるコントローラーのRAMに、通報部21が受信した事故情報に含まれる車両IDが記憶されていた場合、直前のS41で受信された事故情報が、最初に受信された事故情報ではないと判断する(S401;NO)。
S401において、抽出部401が最初に受信された事故情報であると判断した場合(S401;YES)、上述のS43からS46の処理が行われた後、処理はS41に戻る。その後は、通報部21が定期的に現状態情報を含む事故情報を送信する度に、S41以降の処理が行われる。
一方、S401において、抽出部401が最初に受信された事故情報ではないと判断したとする(S401;NO)。この場合、抽出部401は、S45と同様にして、第二データベース43(図4)においてS42で特定した車種ID(例:T1)に対応付けられている詳細情報のうち、当該S41で受信された事故情報に含まれる現状態情報が示す事故車両の現在の状態(例:状態A、C、D)に対応する詳細情報(例:詳細情報A1、C1、D1)のみ、第三の救助情報として抽出する(S402)。
次に、送信部402は、S402で抽出された第三の救助情報のうち、送信済みの第二の救助情報に含まれていない第三の救助情報が存在するか否かを判定する(S403)。
S403において、送信部402が、S402で抽出された第三の救助情報(例:詳細情報A1、C1、D1)のうち、送信済みの第二の救助情報(例:詳細情報A1、D1)に含まれていない第三の救助情報(例:詳細情報C1)が存在すると判定したとする(S403;YES)。この場合、送信部402は、S46と同様にして、送信済みの第二の救助情報(例:詳細情報A1、D1)に含まれていない第三の救助情報(例:詳細情報C1)を新たな第二の救助情報としてプロバイダサーバー3に送信する(S404)。その後、メーカーサーバー4では、S41以降の処理が行われ、プロバイダサーバー3では、S34(図5)以降の処理が行われる。
S403において、送信部402が、S402で抽出された第三の救助情報のうち、送信済みの第二の救助情報に含まれていない第三の救助情報が存在しないと判定した場合(S403;NO)、処理はS41に戻る。その後はS41以降の処理が行われる。
本構成によれば、メーカーサーバー4において、事故車両の現在の状態を示す現状態情報を含む事故情報が、プロバイダサーバー3を介して定期的に受信される。そして、第三の救助情報として抽出された、現状態情報が示す事故車両の現在の状態に対応する詳細情報のうち、第二の救助情報として送信されていない詳細情報のみ、新たな第二の救助情報として救助隊員が携帯する端末装置6に送信される。
このため、同じ内容の詳細情報を救助隊員が携帯する端末装置6に定期的に送信することを回避して、事故車両の状態が変化したことで救助隊員に新たに参照させる必要が生じた注意事項を含む詳細情報のみ、救助隊員が携帯する端末装置6に送信することができる。
(第一実施形態の第二変形実施形態)
また、上記第一実施形態及び第一実施形態の第一変形実施形態におけるS45(図5、図7)において、抽出部401が、第二データベース43(図4)において、S42で特定した車種ID(例:T1)に対応付けられている全ての詳細情報(例:詳細情報A1、B1、C1、D1)を抽出するようにしてもよい。
(第一実施形態の第三変形実施形態)
また、上記第一実施形態と第一実施形態の第一及び第二変形実施形態におけるS44(図5、図7)を省略してもよい。そして、S46(図5、図7)において、送信部402が、S43で抽出された第一の救助情報とS45で抽出された第二の救助情報とを、第二の救助情報(救助情報)として、同一のタイミングでプロバイダサーバー3に送信するようにしてもよい。これに合わせて、転送部31が、S33(図5)において送信する救助依頼情報に、第一の救助情報及び要求情報を含めないようにし、且つ、S54a、S54b、S54c(図6)を省略してもよい。
(第一実施形態の第四変形実施形態)
また、上記第一実施形態と第一実施形態の第一乃至第三変形実施形態における転送部31がS33(図5)において第一の救助情報を端末装置6に転送しないようにしてもよい。これに合わせて、送信部402が、S44(図5)を行う場合に、第一の救助情報をプロバイダサーバー3に代えて端末装置6に送信するようにしてもよい。
具体的には、転送部31が、S33において、救助機関サーバー5a、5b、5cに送信する救助依頼情報に、第一の救助情報及び要求情報を含めないようにすればよい。そして、送信部402が、S44において、第一の救助情報と、当該第一の救助情報を端末装置6に転送することを要求する要求情報と、を救助機関サーバー5a、5b、5cに送信するようにすればよい。
そして、S54a、S54b、S54c(図6)において、送信部402から送信された第一の救助情報及び要求情報を、救助機関サーバー5a、5b、5cが備える通信回路が受信したとする。この場合に、救助機関サーバー5a、5b、5cが備えるコントローラーが、当該受信した要求情報に従って当該受信した第一の救助情報を端末装置6に転送するようにすればよい。
同様にして、S34及びS35(図5)を省略してもよい。そして、送信部402が、S46(図5)を行う場合に、第二の救助情報をプロバイダサーバー3に代えて端末装置6に送信するようにしてもよい。
具体的には、送信部402が、S46において、第二の救助情報と、当該第二の救助情報を端末装置6に転送することを要求する要求情報と、を救助機関サーバー5a、5b、5cに送信するようにすればよい。これにより、救助機関サーバー5a、5b、5cが備えるコントローラーが、当該受信した要求情報に従って当該受信した第二の救助情報を端末装置6に転送するようにすればよい。
尚、本変形実施形態では、送信部402によって救助機関サーバー5a、5b、5cに救助依頼情報を送信させるため、メーカーサーバー4において救助機関サーバー5a、5b、5cの宛先を把握する必要がある。このため、例えば、送信部402が、救助機関サーバー5へ救助依頼情報を送信する前に、前記宛先を送信するように要求する宛先要求情報をプロバイダサーバー3に送信し、プロバイダサーバー3が当該宛先要求情報を受信した場合に、救助機関サーバー5a、5b、5cの宛先を示す情報をメーカーサーバー4に返信するように構成すればよい。又は、転送部31が、S31(図5)において、事故情報を救助機関サーバー5a、5b、5cに転送する際に用いる救助機関サーバー5a、5b、5cの宛先を示す情報を、事故情報と共にメーカーサーバー4に転送するように構成すればよい。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について説明する。尚、当該説明において第一実施形態と同じ構成及び動作については説明を省略する。第二実施形態では、車種別の救助情報は、事故車両の乗員を救助する際の注意事項を含む冊子をポータブルドキュメントフォーマット(以降、PDF)で記述した電子文書として、第二データベース43に事前に登録されている。
図8は、第二実施形態における第二データベース43に登録されている情報の一例を示す図である。具体的には、図8に示すように、第二実施形態における第二データベース43には、車種ID(例:T1)と対応付けて、車種別の救助情報を示すPDFの電子ファイル(例:救助情報T1PDFファイル)が事前に登録されている。
このため、第二データベース43にアクセス可能であり、且つ、PDFで記述された電子文書を閲覧可能なパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて、第二データベース43に事前に登録されている車種別の救助情報が示す冊子に含まれている注意事項を、当該冊子の頁単位で閲覧することができる。
第二実施形態においても、車種別の救助情報は、事前に車両の状態別に分類されている。図9は、第二実施形態における第二データベース43に登録されている情報の一例を示す図である。具体的には、図9に示すように、第二データベース43には、車種ID(例:T1)と車両の状態(例:燃料漏れ)と目次情報とを対応付ける目次テーブルが事前に登録されている。目次情報とは、当該目次情報に対応する車種ID(例:T1)の車種の救助情報が示す冊子に含まれる救助情報の内容(例:準備品一覧(火災))と、当該救助情報の掲載頁の頁番号(例:13)と、を対応付ける情報である。
第二実施形態においても、車種別の救助情報には初動情報と詳細情報とが含まれる。図9に示すように、初動情報の内容(例:クイックリファレンス)は、目次テーブルにおいて、車両が何れの状態でもよいことを示す状態「−」と対応付けられている。詳細情報の内容(例:切断してはいけない箇所)は、目次テーブルにおいて、車両の状態(例:エアバック非作動又はプリテン非作動)と対応付けられている。
第二実施形態において救助機関に事故車両の乗員の救助を依頼する動作は、第一実施形態と同様である。ただし、メーカーサーバー4では、S43及びS45(図5)において下記の処理が行われる。
S43(図5)において、抽出部401は、第二データベース43(図8)に登録されているS42(図5)で特定した車種IDに対応付けられた車種の救助情報に含まれる初動情報を、第一の救助情報(第一の状態別救助情報)として、当該車種の救助情報が示す冊子の頁単位で抽出する。
具体的には、抽出部401は、第二データベース43に登録されている目次テーブル(図9)から、S42で特定した車種ID(例:T1)及び状態「−」に対応付けられている頁番号(例:1−5、5−10、11−12)を取得する。
そして、抽出部401は、第二データベース43(図8)から、S42で特定した車種ID(例:T1)に対応付けられた車種の救助情報を示す電子ファイル(例:救助情報T1PDFファイル)を取得する。抽出部401は、当該取得した電子ファイルが示す冊子に含まれる前記取得した頁番号(例:1−5、5−10、11−12)の頁に掲載されている全情報が初動情報であるものとして、当該全情報を第一の救助情報として抽出する。
S45(図5)において、抽出部401は、第二データベース43(図8)に登録されているS42で特定した車種IDに対応付けられた車種の救助情報のうち、S41で受信された事故情報に含まれる状態情報が示す事故車両の状態に対応する詳細情報(救助情報)のみ、第二の救助情報(第二の状態別救助情報)として、当該車種の救助情報が示す冊子の頁単位で抽出する。
具体的には、抽出部401は、第二データベースに登録されている目次テーブル(図9)から、S42で特定した車種ID(例:T1)及びS41で受信された事故情報に含まれる状態情報が示す事故車両の状態(例:エアバック非作動又はプリテン非作動)に対応付けられている頁番号(例:19−25)を取得する。
そして、抽出部401は、第二データベース43(図8)から、S42で特定した車種ID(例:T1)に対応付けられた車種の救助情報を示す電子ファイル(例:救助情報T1PDFファイル)を取得する。抽出部401は、当該取得した電子ファイルが示す冊子に含まれる前記取得した頁番号(例:19−25)の頁に掲載されている全情報が、事故車両の状態に対応する詳細情報であるものとして、当該全情報を第二の救助情報として抽出する。
尚、第二データベース43(図8)に、車種の救助情報を示す電子ファイルを、当該電子ファイルが示す冊子の頁単位に分割して登録してもよい。これに合わせて、抽出部401が、S45(S43)において、S42で特定した車種IDに対応する車種の救助情報を示す全頁分の電子ファイルを取得せずに、目次テーブル(図9)から取得した頁番号の頁に対応する電子ファイルのみを取得するようにしてもよい。そして、抽出部401が、当該取得した電子ファイルに掲載されている全情報が事故車両の状態に対応する詳細情報(初動情報)であるものとして、当該全情報を第二の救助情報(第一の救助情報)として抽出するようにしてもよい。
(具体例)
以下、車両が時速30km/hで電柱に前から衝突する事故が発生した場合の具体例について説明する。尚、第二データベース43には、図8及び図9に示す情報が事前に登録されているとする。抽出部401がS42(図5)で特定した車種IDは「T1」であるとする。また、S22(図5)において、通報部21がプロバイダサーバー3へ通報した事故情報に含まれる状態情報が示す事故車両の状態は、以下の通りであるとする。
車両の推進源:ディーゼル、各エアバッグ装置の作動状態:運転席及び助手席作動、右サイド及び左サイド非作動、各プリテン装置の作動状態:運転席及び助手席作動、車両の衝突回数及び各衝突箇所:1回目前突、衝突時の車速:30km/h、乗員位置:運転席、後席左、各シートベルトの着用有無:運転席及び後席左着用、燃料漏れの有無:燃料漏れ有、高電圧システムの作動状態:利用不可(NA)。
この場合、S43(図5)において、抽出部401は、第二データベース43に登録されている目次テーブル(図9)から、車種ID「T1」及び状態「−」に対応付けられている頁番号「1−5、5−10、11−12」を取得する。そして、抽出部401は、第二データベース43(図8)に登録されている、車種ID「T1」に対応付けられた車種の救助情報を示す電子ファイル「救助情報T1PDFファイル」から、頁番号「1−5、5−10、11−12」の頁に掲載されている全情報を第一の救助情報として抽出する。
これにより、S44(図5)では、目次テーブル(図9)において、頁番号「1−5、5−10、11−12」に対応付けられている「クイックリファレンス、初動時の注意事項、準備品一覧(共通)」を示す救助情報を含んだ第一の救助情報がプロバイダサーバー3に送信される。その結果、端末装置6に当該第一の救助情報が送信される。
事故情報に含まれる状態情報が示す事故車両の状態には、「エアバッグ装置の作動状態:右サイド及び左サイド非作動」が含まれている。このため、S45(図5)において、抽出部401は、目次テーブル(図9)において車両の状態「エアバック非作動又はプリテン非作動」に対応付けられている頁番号「19−25」を取得する。
また、事故情報に含まれる状態情報が示す事故車両の状態に、「燃料漏れの有無:燃料漏れ有」が含まれている。このため、S45(図5)において、抽出部401は、目次テーブル(図9)において、車両の状態「燃料漏れ」に対応付けられている頁番号「13」と、車両の状態「高電圧Ready又は燃料漏れ」に対応付けられている頁番号「26−30、30−32」と、を取得する。
そして、抽出部401は、第二データベース43(図8)に登録されている車種ID「T1」に対応付けられた車種の救助情報を示す電子ファイル「救助情報T1PDFファイル」から、上記の取得した頁番号「13、26−30、30−32」の頁に掲載されている全情報を第二の救助情報として抽出する。
これにより、S46(図5)では、目次テーブル(図9)において、頁番号「13、26−30、30−32」に対応付けられている、「準備品一覧(火災)、内装部品の操作・取り外し、火災時の対応」を示す救助情報を含んだ第二の救助情報がプロバイダサーバー3に送信される。その結果、端末装置6には当該第二の救助情報が送信される。
以上のように、第二実施形態によれば、第二データベース43に登録されている事故車両の車両IDに対応する車種の救助情報から抽出された、事故車両の状態に対応する救助情報が、救助機関の救助隊員が携帯する端末装置6に送信される。
このため、救助隊員は、衝突事故等が原因で事故車両に搭載された記憶装置等の備品が破損していた場合でも、事故車両の状態に対応していない注意事項を参照することなく、自身が携帯する端末装置6に送信された救助情報に含まれる事故車両の状態に対応する注意事項のみ参照することができる。その結果、救助隊員は、参照した注意事項を守り、事故車両の状態に適した事故車両の乗員の救助を安全且つ円滑に行うことができる。
また、第二実施形態によれば、第一(第二)の救助情報が、S42で特定した車種IDに対応する車種の救助情報が示す冊子の頁単位で抽出される。このため、第一(第二)の救助情報を含む頁に含まれている全情報の中から、第一(第二)の救助情報だけを抽出する手間をかけずに、少なくとも第一(第二)の救助情報を含む頁に含まれている全情報を、第一(第二)の救助情報として迅速に抽出することができる。
(第二実施形態の第一変形実施形態)
第二実施形態の緊急通報システム100においても、第一実施形態の第一変形実施形態と同様に、通報部21が、事故情報を通報後、定期的に、現状態情報を含む事故情報を、プロバイダサーバー3へ通報するようにしてもよい。これに合わせて、転送部31が、現状態情報を含む事故情報をメーカーサーバー4に転送し、抽出部401及び送信部402が、図7に示すフローに従って動作するようにしてもよい。
この場合、S402(図7)では、抽出部401は、第二実施形態のS45における処理と同様にして、第二データベース43(図8)に登録されているS42で特定した車種IDに対応付けられた車種の救助情報のうち、S41で受信された事故情報に含まれる現状態情報が示す事故車両の現在の状態に対応する詳細情報のみ、第三の救助情報(第三の状態別救助情報)として、当該車種の救助情報が示す冊子の頁単位で抽出する。
(第二実施形態の第二変形実施形態)
また、第二実施形態と第二実施形態の第一変形実施形態では、抽出部401は、S43(S45、S402)において、第一(第二、第三)の救助情報を車種の救助情報が示す冊子の頁単位で抽出していた。しかし、これに代えて、抽出部401が、S43(S45、S402)において、目次テーブル(図9)から取得した頁番号の頁に掲載されている初動情報(事故車両の状態に対応する詳細情報)のみ、第一(第二、第三)の救助情報として抽出するようにしてもよい。
具体的には、初動情報と一以上の車両の状態に対応する詳細情報とを含む頁(例:12頁(図9))における初動情報及び各詳細情報の先頭に、目次情報(図9)に含まれる当該初動情報及び各詳細情報の内容(例:準備品一覧(共通)、準備品一覧(電圧システム異常))を示す情報(タイトル)を事前に含めておけばよい。同様に、複数の車両の状態に対応する詳細情報を含む頁(例:30頁(図9))における各詳細情報の先頭に、目次情報(図9)に含まれる当該各詳細情報の内容(例:内装部品の操作・取り外し、火災時の対応)を示す情報(タイトル)を事前に含めておけばよい。
抽出部401は、目次テーブル(図9)から取得した頁番号の頁に、目次情報(図9)において当該頁番号と対応付けられている救助情報の内容を示す情報(タイトル)が含まれている場合、当該救助情報の内容を示す情報が掲載されている位置から、他の救助情報の内容を示す情報(タイトル)が掲載されている位置、又は、当該頁の終端位置よりも前に掲載されている情報のみ抽出すればよい。また、抽出部401は、目次テーブル(図9)から取得した頁番号の頁に、目次情報(図9)において当該頁番号と対応付けられている救助情報の内容を示す情報が含まれていない場合、当該頁に掲載されている全情報を抽出すればよい。
(第二実施形態の第三変形実施形態)
また、第二実施形態と第二実施形態の第一及び第二変形実施形態においても、第一実施形態の第三変形実施形態と同様に、S44(図5、図7)を省略し、S46(図5、図7)において、送信部402が、S43の処理において抽出された第一の救助情報とS45の処理において抽出された第二の救助情報とを、第二の救助情報(状態別救助情報)として、同一のタイミングでプロバイダサーバー3に送信するようにしてもよい。これに合わせて、転送部31が、S33(図5)において送信する救助依頼情報に、第一の救助情報及び要求情報を含めないようにし、且つ、S54a、S54b、S54c(図6)を省略してもよい。
(第二実施形態の第四変形実施形態)
また、第二実施形態と第二実施形態の第一乃至第三変形実施形態においても、第一実施形態の第四変形実施形態と同様に、転送部31がS33(図5)で第一の救助情報を端末装置6に転送せず、送信部402がS44を行う場合に第一の救助情報を端末装置6に送信するようにしてもよい。また、S34及びS35(図5)を省略し、送信部402がS46(図5)を行う場合に第二の救助情報を端末装置6に送信するようにしてもよい。
(第二実施形態の第五変形実施形態)
また、第二実施形態と第二実施形態の第一乃至第四変形実施形態において、第二データベース43に事前に登録される車種別の救助情報は、事故車両の乗員を救助する際の注意事項を含む冊子をXPS(XML Paper Specification)等のPDFとは異なる電子文書フォーマットで記述した電子文書であってもよい。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態について説明する。尚、当該説明において、第一及び第二実施形態と同じ構成及び動作については説明を省略する。第三実施形態では、事故車両の乗員を救助する際の注意事項を含む救助情報が掲載されたウェブページが車種別に事前に第二データベース43に登録されている。
ウェブページとは、ウェブブラウザによって表示されるページ全体を示し、救助情報を示す一以上のウェブコンテンツによって構成される。救助情報を示すウェブコンテンツ(以降、救助コンテンツ)には、救助情報を示すテキスト、静止画及び動画等が含まれる。また、救助コンテンツには、端末装置6と通信可能な記憶装置に記憶されている救助コンテンツのURLが含まれる。
ウェブページは、当該ウェブページに含まれる各救助コンテンツのソースファイルと、各救助コンテンツをウェブページに含めることを指定するHTMLタグ(例:<object data=”各救助コンテンツのソースファイル名”>)を含んだHTMLファイルと、の組み合わせにより構成される。
図10は、第三実施形態における第二データベース43に登録されている情報の一例を示す図である。具体的には、図10に示すように、第三実施形態における第二データベース43には、車種ID(例:T1)と対応付けて、当該車種IDの車種の救助情報が掲載されたウェブページ(例:救助情報T1ウェブページ)が事前に登録されている。
このため、第二データベース43にアクセス可能であり、且つ、ウェブブラウザを備えたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて、第二データベース43に事前に登録されている車種別のウェブページに掲載された救助情報に含まれている注意事項を、必要に応じてウェブブラウザ上でスクロールさせながら閲覧することができる。
第三実施形態においても、車種別の救助情報は、事前に車両の状態別に分類されている。つまり、第二データベース43に事前に登録されている車種別のウェブページに掲載された車種別の救助情報を示す救助コンテンツは、事前に車両の状態別に分類されている。図11は、第三実施形態における第二データベース43に登録されている情報の一例を示す図である。具体的には、図11に示すように、第二データベース43には、車種ID(例:T1)と、車両の状態(例:燃料漏れ)と、当該車種IDの車種のウェブページに含まれる救助コンテンツのソースファイル(例:準備品一覧(火災).jpg)と、が事前に対応付けて登録されている。
第三実施形態においても、車種別の救助情報には初動情報と詳細情報とが含まれる。図11に示すように、初動情報を示す救助コンテンツのソースファイル(例:クイックリファレンス.jpg)は、車両が何れの状態でもよいことを示す状態「−」と対応付けられている。詳細情報を示す救助コンテンツのソースファイル(例:切断してはいけない箇所.mp4)は、車両の状態(例:エアバック非作動又はプリテン非作動)と対応付けられている。
尚、第二データベース43(図11)に事前に登録される救助コンテンツのソースファイルには、救助情報を示すテキストのソースファイル(例:初動時の注意事項.txt)、救助情報を示す静止画のソースファイル(例:準備品一覧(火災).jpg)、救助情報を示す動画のソースファイル(例:高電圧遮断手順.mp4)、及び端末装置6と通信可能な記憶装置に記憶されている救助情報を示すウェブコンテンツのURLのソースファイル(例:火災時の対応.url)のうち、少なくとも一種類のウェブコンテンツのソースファイルが含まれていればよい。
第三実施形態において救助機関に事故車両の乗員の救助を依頼する動作は、第一実施形態と同様である。ただし、メーカーサーバー4では、S43からS46(図5)において下記の処理が行われる。
S43(図5)において、抽出部401は、第二データベース43(図10)に登録されているS42(図5)で特定した車種IDに対応付けられた車種の救助情報が掲載されたウェブページ(以降、特定ウェブページ)に含まれる初動情報を示す救助コンテンツを、第一の状態別救助コンテンツとして抽出する。
具体的には、抽出部401は、第二データベース43(図11)から、S42で特定した車種ID(例:T1)及び状態「−」に対応付けられている、初動情報を示す救助コンテンツのソースファイル(例:クイックリファレンス.jpg、初動時の注意事項.txt、準備品一覧(共通).jpg)を、第一の状態別救助コンテンツとして抽出する。
S44(図5)において、送信部402は、抽出部401によって抽出された第一の状態別救助コンテンツからなるウェブページ(以降、第一の状態別救助ウェブページ)を、第一の救助情報としてプロバイダサーバー3に送信する。
具体的には、送信部402は、抽出部401によって第一の状態別救助コンテンツとして抽出された初動情報を示す救助コンテンツのソースファイルと、当該ソースファイルが示す救助コンテンツをウェブページに含めることを指定するHTMLタグ(例:<object data=”救助コンテンツのソースファイルのファイル名”>)を含んだHTMLファイルと、の組み合わせを第一の状態別救助ウェブページとして生成する。
送信部402は、当該生成した第一の状態別救助ウェブページ(初動情報を示す救助コンテンツのソースファイル及び前記HTMLファイル)を、第一の救助情報としてプロバイダサーバー3に送信する。
S45(図5)において、抽出部401は、特定ウェブページに含まれる、S41で受信された事故情報に含まれる状態情報が示す事故車両の状態に対応する詳細情報(救助情報)を示す救助コンテンツのみ、第二の状態別救助コンテンツとして抽出する。
具体的には、抽出部401は、第二データベース43(図11)から、S42で特定した車種ID(例:T1)及びS41で受信された事故情報に含まれる状態情報が示す事故車両の状態(例:エアバック非作動又はプリテン非作動)に対応付けられている、詳細情報を示す救助コンテンツのソースファイル(例:切断してはいけない箇所.mp4)を、第二の状態別救助コンテンツとして抽出する。
S46(図5)において、送信部402は、抽出部401によって抽出された第二の状態別救助コンテンツからなるウェブページ(以降、第二の状態別救助ウェブページ)を第二の救助情報としてプロバイダサーバー3に送信する。
具体的には、送信部402は、上述のS44における処理と同様に、抽出部401によって第二の状態別救助コンテンツとして抽出された詳細情報を示す救助コンテンツのソースファイルと、当該ソースファイルが示すウェブコンテンツをウェブページに含めることを指定するHTMLタグを含んだHTMLファイルと、の組み合わせを第二の状態別救助ウェブページとして生成する。
送信部402は、当該生成した第二の状態別救助ウェブページ(詳細情報を示す救助コンテンツのソースファイル及び前記HTMLファイル)を、第二の救助情報としてプロバイダサーバー3に送信する。
(具体例)
以下、車両が時速80km/hで後突された後、前の車と衝突する事故が発生した場合の具体例について説明する。尚、第二データベース43には、図10及び図11に示す情報が事前に登録されているとする。抽出部401がS42(図5)で特定した車種IDは「T1」であるとする。また、S22(図5)において、通報部21がプロバイダサーバー3へ通報した事故情報に含まれる状態情報が示す、当該事故が発生した事故車両の状態は、以下の通りであるとする。
車両の推進源:HEV、各エアバッグ装置の作動状態:運転席及び助手席作動、右サイド及び左サイド非作動、各プリテン装置の作動状態:運転席及び助手席作動、車両の衝突回数及び各衝突箇所:1回目後突、2回目前突、衝突時の車速:80km/h以上、乗員位置:運転席、助手席、各シートベルトの着用有無:運転席及び助手席着用、燃料漏れの有無:燃料漏れ無、高電圧システムの作動状態:Ready。
この場合、S43(図5)において、抽出部401は、第二データベース43(図11)から、車種ID「T1」及び状態「−」に対応付けられているソースファイル「クイックリファレンス.jpg、初動時の注意事項.txt、準備品一覧(共通).jpg」を、第一の状態別救助コンテンツとして抽出する。
これにより、S44(図5)では、当該抽出された第一の状態別救助コンテンツからなる第一の状態別救助ウェブページ(ソースファイル「クイックリファレンス.jpg、初動時の注意事項.txt、準備品一覧(共通).jpg」、HTMLファイル)が、第一の救助情報としてプロバイダサーバー3に送信される。その結果、端末装置6に当該第一の救助情報が送信される。
事故情報に含まれる状態情報が示す事故車両の状態には、「高電圧システムの作動状態:Ready」、「衝突時の車速:80km/h以上」、「車両の衝突回数及び各衝突箇所:1回目後突、2回目前突」が含まれている。このため、S45(図5)において、抽出部401は、第二データベース43(図11)から、車種ID「T1」及び車両の状態「高電圧Ready且つ30km/h以上で走行且つ後突」に対応付けられているソースファイル「高電圧遮断手順.mp4」を第二の状態別救助コンテンツとして抽出する。また、抽出部401は、車種ID「T1」及び車両の状態「高電圧Ready又は燃料漏れ」に対応付けられているソースファイル「内装部品の操作・取り外し.mp4、乗員の安全確保要メッセージ.txt、火災時の対応.url」を第二の状態別救助コンテンツとして抽出する。
また、事故情報に含まれる状態情報が示す事故車両の状態には、「エアバッグ装置の作動状態:右サイド及び左サイド非作動」が含まれている。このため、S45(図5)において、抽出部401は、第二データベース43(図11)から、車種ID「T1」及び車両の状態「エアバック非作動又はプリテン非作動」に対応付けられているソースファイル「切断してはいけない箇所.mp4」を第二の状態別救助コンテンツとして抽出する。
これにより、S46(図5)では、S45において抽出された第二の状態別救助コンテンツからなる第二の状態別救助ウェブページ(ソースファイル「高電圧遮断手順.mp4、内装部品の操作・取り外し.mp4、乗員の安全確保要メッセージ.txt、火災時の対応.url、切断してはいけない箇所.mp4」、HTMLファイル)が、第二の救助情報としてプロバイダサーバー3に送信される。その結果、端末装置6に当該第二の救助情報が送信される。
以上のように、第三実施形態によれば、第二データベース43に登録されている事故車両の車両IDに対応する車種の救助情報が掲載された特定ウェブページに含まれる、事故車両の状態に対応する状態別救助コンテンツが抽出される。そして、当該抽出された状態別救助コンテンツからなる状態別救助ウェブページが、救助機関の救助隊員が携帯する端末装置6に送信される。
このため、救助隊員は、衝突事故等が原因で事故車両に搭載された記憶装置等の備品が破損していた場合でも、事故車両の状態に対応していない注意事項を参照することなく、自身が携帯する端末装置6に送信された状態別救助ウェブページ内の状態別救助コンテンツが示す救助情報に含まれる事故車両の状態に対応する注意事項のみ参照することができる。その結果、救助隊員は、参照した注意事項を守り、事故車両の状態に適した事故車両の乗員の救助を安全且つ円滑に行うことができる。
また、第三実施形態によれば、救助隊員は、自身が携帯する端末装置6に送信された第一又は第二の状態別救助ウェブページに、事故車両の状態に対応する救助情報を示すテキスト(例:初動時の注意事項.txt(図11))が含まれていた場合、当該テキストを読むことで、当該救助情報に含まれる注意事項を把握することができる。
また、第三実施形態によれば、救助隊員は、自身が携帯する端末装置6に送信された第一又は第二の状態別救助ウェブページに、事故車両の状態に対応する救助情報を示す静止画(例:準備品一覧(火災).jpg(図11))が含まれていた場合、当該静止画を見ることで、当該救助情報に含まれる注意事項を直感的に把握することができる。
また、第三実施形態によれば、救助隊員は、自身が携帯する端末装置6に送信された第一又は第二の状態別救助ウェブページに、事故車両の状態に対応する救助情報を示す動画(例:切断してはいけない箇所.mp4(図11))が含まれていた場合、当該動画を見ることで、当該救助情報に含まれる注意事項を直感的に且つより的確に把握することができる。
また、第三実施形態によれば、救助隊員は、自身が携帯する端末装置6に送信された第一又は第二の状態別救助ウェブページに、当該端末装置6と通信可能な記憶装置に記憶されている事故車両の状態に対応する救助情報を示すウェブコンテンツのURL(例:火災時の対応.url(図11))が含まれていた場合、必要に応じて、当該URLをウェブブラウザに入力する等して、当該URLが示すウェブコンテンツを参照することができる。
また、第三実施形態によれば、救助機関の救助隊員が携帯する端末装置6には、第一の状態別救助ウェブページが第一の救助情報として送信された後、第二の状態別救助ウェブページが第二の救助情報として送信される。このため、救助隊員は、自身が携帯する端末装置に第一の状態別救助ウェブページが送信され次第、迅速に、当該第一の状態別救助ウェブページ内のウェブコンテンツか示す初動情報によって示される注意事項を参照して、乗員の救助における初動を安全且つ円滑に行うことができる。また、救助隊員は、乗員の救助における初動後、事故車両の状態に対応していない救助情報に含まれる注意事項を参照することなく、第二の状態別救助ウェブページ内のウェブコンテンツか示す事故車両の状態に対応する救助情報に含まれる注意事項を参照して、事故車両の状態に応じた乗員の救助を安全且つ円滑に行うことができる。
(第三実施形態の第一変形実施形態)
第三実施形態の緊急通報システム100においても、第一実施形態の第一変形実施形態と同様に、通報部21が、事故情報を通報後、定期的に、現状態情報を含む事故情報を、プロバイダサーバー3へ通報するようにしてもよい。これに合わせて、転送部31が、現状態情報を含む事故情報をメーカーサーバー4に転送し、抽出部401及び送信部402が、図7に示すフローに従って動作するようにしてもよい。
この場合、S402(図7)では、抽出部401は、第三実施形態のS45における処理と同様にして、特定ウェブページに含まれる、S41で受信された事故情報に含まれる現状態情報が示す事故車両の現在の状態に対応する詳細情報(救助情報)を示す救助コンテンツを、第三の状態別救助コンテンツとして抽出する。
そして、送信部402が、抽出部401によって抽出された第三の状態別救助コンテンツのうち、第二の救助情報として送信済みの第二の状態別救助ウェブページに含まれていない第三の状態別救助コンテンツが存在すると判定したとする(S403;YES(図7))。この場合、S404(図7)では、送信部402は、第三実施形態のS46における処理と同様にして、送信済みの第二の状態別救助ウェブページに含まれていない第三の状態別救助コンテンツからなるウェブページを、新たな第二の救助別ウェブページとして生成する。そして、送信部402は、当該生成した新たな第二の救助別ウェブページを第二の救助情報としてプロバイダサーバー3に送信する。
例えば、第二データベース43に、図11に示す情報が登録されているとする。また、S41で受信された事故情報に含まれる現状態情報が示す事故車両の現在の状態が、「高電圧NotReady」且つ「燃料漏れ」の状態であるとする。この場合、S402(図7)では、抽出部401は、当該現状態情報が示す事故車両の現在の状態に対応する詳細情報を示す救助コンテンツのソースファイル「準備品一覧 (電圧システム異常).jpg」、「準備品一覧(火災).jpg」、「内装部品の操作・取り外し.mp4」、「火災時の対応.url」を、第三の状態別救助コンテンツとして抽出する。
そして、送信済みの第二の状態別救助ウェブページに、「高電圧NotReady」の状態に対応するソースファイル「準備品一覧 (電圧システム異常).jpg」が示すウェブコンテンツが含まれているとする。この場合、送信部402は、S403(図7)において、送信済みの第二の状態別救助ウェブページに含まれていない第三の状態別救助コンテンツ(「準備品一覧(火災).jpg」、「内装部品の操作・取り外し.mp4」、「火災時の対応.url」が示すウェブコンテンツ)が存在すると判定する。
この場合、S404(図7)において、送信部402は、送信済みの第二の状態別救助ウェブページに含まれていない第三の状態別救助コンテンツのソースファイル「準備品一覧(火災).jpg」、「内装部品の操作・取り外し.mp4」、「火災時の対応.url」と、当該ソースファイルが示すウェブコンテンツをウェブページに含めることを指定するHTMLタグ「<object data=”準備品一覧 (火災).jpg”>」、「<object data=” 内装部品の操作・取り外し.mp4”>」、「<object data=” 火災時の対応.url”>」を含んだHTMLファイルと、の組み合わせを、新たな第二の救助別ウェブページとして生成する。そして、送信部402は、当該生成した新たな第二の救助別ウェブページを第二の救助情報としてプロバイダサーバー3に送信する。
本構成によれば、第三の状態別救助コンテンツとして抽出された、当該現状態情報が示す事故車両の現在の状態に対応する救助コンテンツのうち、送信済みの第二の状態別救助ウェブページに含まれていない救助コンテンツからなる新たな第二の状態別救助ウェブページが端末装置6に送信される。
このため、同じ内容の救助コンテンツを救助隊員が携帯する端末装置6に定期的に送信することを回避して、事故車両の状態が変化したことで救助隊員に新たに参照させる必要が生じた注意事項を含む救助コンテンツのみ、端末装置6に送信することができる。
(第三実施形態の第二変形実施形態)
また、第三実施形態と第三実施形態の第一変形実施形態においても、第一実施形態の第三変形実施形態と同様に、S44(図5、図7)を省略してもよい。そして、S46(図5、図7)において、送信部402が、S43の処理において抽出された第一の状態別救助コンテンツとS45で抽出された第二の状態別救助コンテンツとからなるウェブページ(状態別救助ウェブページ)を第二の救助情報(救助情報)として、同一のタイミングでプロバイダサーバー3に送信するようにしてもよい。これに合わせて、転送部31が、S33(図5)において送信する救助依頼情報に、第一の救助情報及び要求情報を含めないようにし、且つ、S54a、S54b、S54c(図6)を省略してもよい。
(第三実施形態の第三変形実施形態)
また、第三実施形態と第三実施形態の第一及び第二変形実施形態においても、第一実施形態の第四変形実施形態と同様に、転送部31がS33(図5)で第一の救助情報を端末装置6に転送せず、送信部402がS44(図5)を行う場合に第一の救助情報を端末装置6に送信するようにしてもよい。また、S34及びS35(図5)を省略し、送信部402がS46(図5)を行う場合に第二の救助情報を端末装置6に送信するようにしてもよい。
尚、上記各実施形態及びその変形実施形態は、本発明に係る実施形態の例示に過ぎず、本発明をこれらに限定する趣旨ではない。
例えば、第一実施形態及び第一実施形態の各変形実施形態において、第二及び第三実施形態のうちの少なくとも一実施形態における第二データベース43に事前に登録されている情報(図8及び図9に示す情報と図10及び図11に示す情報とのうちの少なくとも一の情報)を、第二データベース43に更に事前に登録してもよい。これに合わせて、S43からS46(図5、図7)及びS402からS404(図7)において、適宜、第二実施形態、第二実施形態の各変形実施形態、第三変形実施形態、及び第三実施形態の各変形実施形態のS43からS46(図5、図7)における処理及びS402からS404(図7)における処理を更に行うようにしてもよい。
同様に、第二実施形態及び第二実施形態の各変形実施形態において、第一及び第三実施形態のうちの少なくとも一実施形態における第二データベース43に事前に登録されている情報(図4に示す情報と図10及び図11に示す情報とのうちの少なくとも一の情報)を、第二データベース43に更に事前に登録してもよい。これに合わせて、S43からS46(図5、図7)及びS402からS404(図7)において、適宜、第一実施形態、第一実施形態の各変形実施形態、第三変形実施形態、及び第三実施形態の各変形実施形態のS43からS46(図5、図7)における処理及びS402からS404(図7)における処理を更に行うようにしてもよい。
また、第三実施形態及び第三実施形態の各変形実施形態において、第一及び第二実施形態のうちの少なくとも一実施形態における第二データベース43に事前に登録されている情報(図4に示す情報と図8及び図9に示す情報とのうちの少なくとも一の情報)を、第二データベース43に更に事前に登録してもよい。これに合わせて、S43からS46(図5、図7)及びS402からS404(図7)において、適宜、第一実施形態、第一実施形態の各変形実施形態、第二変形実施形態、及び第二実施形態の各変形実施形態のS43からS46(図5、図7)における処理及びS402からS404(図7)における処理を更に行うようにしてもよい。