JP2018160630A - ホール素子及びホール素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板10と、基板10上に形成された感磁部20と、感磁部20上に形成された絶縁膜40と、絶縁膜40上に形成された電極部31〜34と、絶縁膜40を貫通して電極部31〜34と感磁部20とを電気的に接続するコンタクト部51〜54と、を備えたホール素子100において、コンタクト部51〜54で囲まれた領域全てが感磁部20の領域内に含まれ、コンタクト部51〜54で囲まれた領域により形成される四角形において、電極部31〜34のそれぞれ対応するコンタクト部51〜54を基点として延長した領域の占める割合が所定値以下となるようにする。
【選択図】 図1A
Description
r2=(a2−b2)/a2
また、本発明の他の態様に係るホール素子の製造方法は、基板と、当該基板上に形成された感磁部と、当該感磁部上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に、四角形の角部となる位置に配置され且つ前記絶縁膜を貫通して前記感磁部と電気的に接続された四つの導電部と、を備え、前記導電部はそれぞれ、前記絶縁膜上に前記導電部同士が互いに近づく方向に延長して形成された電極部と、前記絶縁膜を貫通して前記電極部と前記感磁部とを電気的に接続するコンタクト部と、を有し、前記四つの導電部を角部とする前記四角形状の領域が、上面視で前記感磁部の領域内に含まれているホール素子の製造方法であって、前記四つの導電部のうちの二つを含む導電部対において、当該導電部対に含まれる前記コンタクト部間の距離が最小となる点間の距離と前記導電部対に含まれる前記電極部間の距離が最小となる点間の距離との割合を導電部間比率として、前記ホール素子の特性変動が目標値以下となる前記導電部間比率の目標値を決定するステップと、前記感磁部の形状を決定するステップと、前記コンタクト部の配置位置及び形状を決定するステップと、前記導電部間比率の目標値を満足するように、前記コンタクト部の配置位置及び形状に基づき前記電極部の配置位置及び形状を決定するステップと、を備えることを特徴としている。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一部分には同一符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。
図1Aは、本発明の一実施形態に係るホール素子100の一例を示す上面図である。図1Bは、図1AのA−A′断面の断面図を示す。図1Cは、図1AのB−B′断面の断面図を示す。
本発明の一実施形態に係るホール素子100は、基板10、感磁部20、電極部31〜電極部34、絶縁膜40、及びコンタクト部51〜コンタクト部54を備える。感磁部20は、導電層21及び表面層22を備える。電極部31〜電極部34及びコンタクト部51〜コンタクト部54は、導電部を構成する。
感磁部20を略正方形、あるいは四つのコンタクト部51〜コンタクト部54に囲まれた領域全てが感磁部20に含まれる形状とすることにより、電流集中を生じにくい形状とすることができる。また、基板10に対する感磁部20の面積を最大限大きくすることができる。これにより1/fノイズを抑制することができ、また、ホール素子100の出力特性の変動を抑制することができる点で好ましい。
表面層22は、導電層21上に導電性の材料で形成される。表面層22は、導電層21よりも導電性の低いGaAs層、AlGaAs又はAlAs等の高抵抗な結晶からなる。本発明の一実施形態に係る表面層22の膜厚は、150nm以上である。表面層22の膜厚は、200nm以上であってもよい。表面層22の膜厚の上限は、800nm以下であっても、600nm以下であってもよい。なお、感磁部20には、表面層22が形成されなくてもよい。
絶縁膜40には、コンタクト用の開口部40aが設けられている。絶縁膜40の厚みは、例えば100nm以上であるがこれに限るものではない。絶縁膜40は、例えば、シリコン窒化膜(Si3N4膜)、シリコン酸化膜(SiO2膜)、アルミナ膜(Al2O3)、ポリイミド膜及びこれらの膜の少なくとも1つを積層した多層膜である。なお、図1Aに示す上面図では、簡略化のため絶縁膜40を省略している。
電極部31〜電極部34は、それぞれ対応するコンタクト部51〜コンタクト部54上に形成される。後述のようにコンタクト部51〜コンタクト部54は略正方形の頂点となる位置に配置されるため、コンタクト部51〜コンタクト部54上に配置される電極部31〜電極部34も、略正方形の頂点となる位置に配置されることになる。
すなわち、基板10を個片化する際にダイシングを行うが、基板10の外周部と感磁部20の外周部の間に電極部31〜電極部34が配置されていない場合、チッピングにより感磁部20が欠け、当該欠けを原因とした電流集中を生じる場合がある。特に、感磁部20の角が丸みを帯びていない場合、絶縁膜40からの応力やダイシング時の応力が感磁部の角へ集中し、亀裂の起点となる場合がある。感磁部20の少なくとも1つの角が丸みを帯びている場合、上記応力等を緩和し、チッピングによる感磁部20の端の欠けを抑制することで、電流集中を緩和することができる。
また、本発明の一実施形態に係る電極部31〜電極部34は上面視で感磁部20の領域内に形成されているが、これらの電極部の少なくとも一部が上面視で感磁部20の領域の外側まで延出していてもよい。なお、上面視で感磁部20の領域内に電極部31〜電極部34が形成されていると、ホール素子100の出力電圧の揺らぎを小さくできる点で好ましい。これは、感磁部20と電極部31〜電極部34との熱膨張係数の差による応力が感磁部20にかかりにくくなるためである。
本発明の一実施形態に係るコンタクト部51〜コンタクト部54は、例えば、電極部31〜電極部34と同一の材料で形成される。電極部31〜電極部34及びコンタクト部51〜コンタクト部54は、導電部として、同一のプロセスにより同時に一体に形成されていてもよい。なお、コンタクト部51〜コンタクト部54は、電極部31〜電極部34とは異なる材料で形成されてもよい。
図2Aは、図1Aに示すホール素子100のA−A′断面を簡略化した断面図である。図2Bは、図1Aに示すホール素子100のC−C′断面を簡略化した断面図である。
図2Aに示すように、コンタクト部51〜コンタクト部54を頂点とする略正方形の対角線上に位置する二つのコンタクト部、例えばコンタクト部51及びコンタクト部52それぞれの上の、これらコンタクト部51とコンタクト部52との間の距離が最小となる点間の距離をa1とする。また、コンタクト部51及びコンタクト部52それぞれと電気的に接続された電極部31及び電極部32上の、これら電極部31及び電極部32間の距離が最小となる点間の距離をb1とする。
r1=(a1−b1)/(a1)
r1≦75% ……(1)
r2=(a2−b2)/(a2)
r2≦75% ……(2)
(1)式中の75%及び(2)式中の75%の値は、好ましくはr1は60%以下であり、好ましくはr2は60%以下である。上記r1及びr2の上限は、例えば、寄生容量の影響が小さくなる範囲、または、隣接する電極部間の十分な絶縁耐圧が得られる範囲に基づいて設定されたものである。
つまり、導電部間比率r1、r2は、感磁部20のコンタクト部51〜コンタクト部54で囲まれる領域内における、電極部31〜電極部34のうちの、それぞれ対応するコンタクト部51〜コンタクト部54を基点として延出した領域が占める割合を表す。すなわち、r1は感磁部20にコンタクト部51〜コンタクト部54で囲まれる領域により形成される四角形の対角線方向の感磁部20について、当該感磁部20上に延出した電極部の割合を示す。また、r2は上記四角形の辺方向の感磁部20について、当該感磁部20上に延出した電極部の割合を示す。
なお、コンタクト部51〜コンタクト部54の平面形状は、少なくとも、感磁部20と電極部31〜電極部34との間を電気的に接続することの可能な大きさに設定される。また、電極部31〜電極部34の平面形状は、少なくともコンタクト部51〜コンタクト部54に電気的に接続可能な大きさであり、且つ、ボンディングワイヤ等の外部接続用の接続部材を電気的に接続可能な大きさに設定される。
また、b1/b2は好ましくは1≦b1/b2≦3、さらに好ましくは1.4≦b1/b2≦2.5である。b1/b2の値が上記範囲にあることで、電極部間の絶縁耐性が向上する点で好ましい。
ホールセンサ200は、ホール素子100、リード端子211〜リード端子214、保護層220、モールド部材230、外装めっき層240及びボンディングワイヤ251〜ボンディングワイヤ254を備える。なお、ホールセンサ200の構成は一例であり、これに限るものではない。
リード端子211〜リード端子214は、外装めっき層240を介して外部と電気的に接続される。リード端子211〜リード端子214は、ボンディングワイヤ251〜ボンディングワイヤ254と接続された面と反対側の面とに外装めっき層240が形成される。これにより、ホール素子100は、ホールセンサ200の外部と電気的に接続される。なお、外装めっき層240は、例えばスズ(Sn)で形成されているが、これに限るものではない。
図4A〜図4Gは、ホール素子100の製造工程の一例を示す断面図である。なお、ホール素子100の製造方法は、これに限るものではない。なお、ここでは、コンタクト部51〜コンタクト部54をコンタクト部50として説明する。
そして、距離a1、a2、b1、b2を満足するように、コンタクト部51〜コンタクト部54、及び電極部31〜電極部34を形成する。
次に、基板10上に感磁部20を形成する(図4B)。具体的には、基板10上に導電層21を形成し、導電層21上に表面層22を形成する。感磁部20の成膜段階では、導電層21及び表面層22の平面形状は、基板10の平面形状と同一であってよい。例えば、感磁部20は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition、有機金属気相成長)法やMBE(分子線エピタキシー)法を用いて、基板10上に化合物半導体をエピタキシャル成長することにより形成される。
なお、ここでは、コンタクト部51〜コンタクト部54を形成する段階は、絶縁膜40を形成する段階の前に実行されているが、コンタクト部51〜コンタクト部54を形成する段階は、絶縁膜40を形成する段階の後に実行されてもよい。
また、上記実施形態においては、感磁部20の角部にコンタクト部51〜コンタクト部54を配置した場合について説明したが、これに限るものではなく、四つのコンタクト部51〜コンタクト部54で囲まれる感磁領域が、上面視で感磁部20内に含まれるように配置されていれば、感磁部20に対して、コンタクト部51〜コンタクト部54は、どのような位置関係に配置されていてもよい。
20 感磁部
21 導電層
22 表面層
31〜34 電極部
40 絶縁膜
51〜54 コンタクト部
100 ホール素子
200 ホールセンサ
211〜214 リード端子
251〜254 ボンディングワイヤ
230 モールド部材
Claims (5)
- 基板と、
当該基板上に形成された感磁部と、
当該感磁部上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に、前記絶縁膜を貫通して前記感磁部と電気的に接続された四つの導電部と、
を備え、
前記導電部はそれぞれ、
前記絶縁膜上に前記導電部同士が互いに近づく方向に延長して形成された電極部と、
前記絶縁膜を貫通して前記電極部と前記感磁部とを電気的に接続するコンタクト部と、
を有し、
前記四つのコンタクト部に囲まれた領域全てが前記感磁部に含まれ、
前記四つのコンタクト部に囲まれた領域により形成される四角形の対角線上に位置する導電部対に含まれる前記コンタクト部間で距離が最も近い二点間の距離をa1とすると共に、前記対角線上に位置する導電部対に含まれる前記電極部間で距離が最も近い二点間の距離をb1とし、
さらに、前記四角形の同一辺上で隣り合う導電部対に含まれる前記コンタクト部間で距離が最も近い二点間の距離をa2とすると共に、前記隣り合う導電部対に含まれる前記電極部間で距離が最も近い二点間の距離をb2としたとき、下記式で定義される第一比率r1が75%以下であり且つ第二比率r2が75%以下であるホール素子。
r1=(a1−b1)/a1
r2=(a2−b2)/a2 - 前記第一比率r1は13%以上であり且つ前記第二比率r2は5%以上である請求項1に記載のホール素子。
- 前記第一比率r1は60%以下であり且つ前記第二比率r2は60%以下である請求項1または2に記載のホール素子。
- 基板と、
当該基板上に形成された感磁部と、
当該感磁部上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に、四角形の角部となる位置に配置され且つ前記絶縁膜を貫通して前記感磁部と電気的に接続された四つの導電部と、
を備え、
前記導電部はそれぞれ、
前記絶縁膜上に前記導電部同士が互いに近づく方向に延長して形成された電極部と、
前記絶縁膜を貫通して前記電極部と前記感磁部とを電気的に接続するコンタクト部と、
を有し、前記四つの導電部を角部とする前記四角形状の領域が、上面視で前記感磁部の領域内に含まれているホール素子の製造方法であって、
前記四つの導電部のうちの二つを含む導電部対において、当該導電部対に含まれる前記コンタクト部間の距離が最小となる点間の距離と前記導電部対に含まれる前記電極部間の距離が最小となる点間の距離との割合を導電部間比率として、前記ホール素子の特性変動が目標値以下となる前記導電部間比率の目標値を決定するステップと、
前記感磁部の形状を決定するステップと、
前記コンタクト部の配置位置及び形状を決定するステップと、
前記導電部間比率の目標値を満足するように、前記コンタクト部の配置位置及び形状に基づき前記電極部の配置位置及び形状を決定するステップと、
を備えるホール素子の製造方法。 - 前記導電部間比率は下記式で定義される第一比率r1と第二比率r2とを含み、
前記第一比率r1が75%以下であり且つ前記第二比率r2が75%以下である請求項4に記載のホール素子の製造方法。
r1=(a1−b1)/a1
r2=(a2−b2)/a2
a1は、前記四つの導電部のうちの対角線上に位置する導電部対に含まれる前記コンタクト部間の距離が最小となる点間の距離である。
b1は、前記対角線上に位置する導電部対に含まれる前記電極部間の距離が最小となる点間の距離である。
a2は、前記四つの導電部のうちの隣り合う導電部対に含まれる前記コンタクト部間の距離が最小となる点間の距離である。
b2は、前記隣り合う導電部対に含まれる前記電極部間の距離が最小となる点間の距離である。
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