JP2018159557A - 膜厚測定装置および膜厚測定方法 - Google Patents

膜厚測定装置および膜厚測定方法 Download PDF

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真左文 大槻
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Abstract

【課題】反射光量が視野内で一様でない透明膜の複数の点の膜厚を一括して推定することが可能な膜厚測定装置を提供する。
【解決手段】この膜厚測定装置100は、カラーカメラ40により撮像された干渉画像の観測点の位置に対応する観測点番号をi、単色光の波長の種類に対する番号をj、単色光の波長をλ(j)、観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの平均輝度をa(i,j)、観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの干渉変調度をb(i,j)、観測点番号iにおける透明膜60の膜厚をt(i)、観測点番号iにおいて観測された波長の種類に対する番号jの輝度値をg(i,j)とした場合において、a(i,j)、b(i,j)およびt(i)のうちの少なくともt(i)を未知変数として、式(1)に基づいて、未知変数を推定する制御部50を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、膜厚測定装置および膜厚測定方法に関する。
従来、膜厚測定装置および膜厚測定方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1では、透明膜の複数の点の反射光の情報を用いて、複数の点の膜厚を一括して推定する膜厚測定装置および膜厚測定方法が開示されている。この膜厚測定装置および膜厚測定方法では、複数の波長の単色光を含む光が測定対象である透明膜に照射される。そして、透明膜の表面からの反射光と裏面からの反射光とにより生成される干渉画像から複数の観測点が選択され、選択された観測点の干渉画像の輝度信号と、所定の干渉縞モデル(透明膜についての干渉縞モデル)とに基づいて、複数の点の膜厚が一括して推定されるように構成されている。
ここで、上記特許文献1の所定の干渉縞モデルでは、表面および裏面が平坦(平面)である透明膜の複数の点の膜厚が一括して推定されるように構成されている。すなわち、同軸落射(透明膜に対して垂直に光を照射すること)による透明膜からの反射光量が、視野内で一様である透明膜(試料)のみを、膜厚推定の対象としている。
特開2013−145229号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の膜厚測定装置および膜厚測定方法では、同軸落射による透明膜からの反射光量が視野内で一様である透明膜の複数の点の膜厚が一括して推定されるように構成されている一方、同軸落射による透明膜からの反射光量が視野内で一様でない透明膜(曲面などを有する透明膜)の膜厚を推定することは困難である。そこで、透明膜からの反射光量が視野内で一様でない透明膜の複数の点の膜厚を一括して推定することが望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、反射光量が視野内で一様でない透明膜の複数の点の膜厚を一括して推定することが可能な膜厚測定装置および膜厚測定方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による膜厚測定装置は、測定対象である透明膜に複数の波長の単色光を含む光を照射する光源と、光源から照射され、透明膜の表面からの反射光と裏面からの反射光とにより生成される干渉画像を撮像する撮像部と、撮像部により撮像された干渉画像の観測点の位置に対応する観測点番号をi、単色光の波長の種類に対する番号をj、単色光の波長をλ(j)、観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの平均輝度をa(i,j)、観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの干渉変調度をb(i,j)、観測点番号iにおける透明膜の膜厚をt(i)、観測点番号iにおいて観測された波長の種類に対する番号jの輝度値をg(i,j)とした場合において、a(i,j)、b(i,j)およびt(i)のうちの少なくともt(i)を未知変数として、下記の式(1)に基づいて、未知変数を推定する制御部とを備える。なお、平均輝度a(i,j)は、観測点番号iにおける干渉縞波形の直流成分を意味し、干渉変調度b(i,j)は、観測点番号iにおける干渉縞波形の交流成分を意味する。
Figure 2018159557
この第1の局面による膜厚測定装置では、上記の式(1)に基づいて、未知変数を推定する制御部を備える。ここで、観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの平均輝度a(i,j)、および、観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの干渉変調度b(i,j)は、観測点(透明膜)の位置に対応する観測点番号iに依存している。すなわち、上記の式(1)は、同軸落射(透明膜に対して垂直に光を照射すること)による透明膜からの反射光量が視野内で一様でない(平均輝度、干渉変調度が視野内で一様でない)透明膜の輝度値g(i,j)を表している。そこで、上記式(1)に基づいて、未知変数である少なくともt(i)を推定することによって、反射光量が視野内で一様でない曲面などを有する透明膜の複数の点の膜厚t(i)を一括して推定することができる。
上記第1の局面による膜厚測定装置において、好ましくは、制御部は、測定対象である透明膜の表面および裏面のうちの一方が球面の場合、rを、球面を測定面に投影した際の円の中心から観測点番号iまでの距離とし、平均輝度を下記の式(2)で表されるa(r,j)とし、干渉変調度を下記の式(3)で表されるb(r,j)として、下記の式(4)に基づいて、a0(j)、b0(j)、α、βおよびt(i)のうちの少なくともt(i)を未知変数として、未知変数を推定するように構成されている。
Figure 2018159557
ここで、透明膜の表面(または裏面)が球面(中心から遠ざかるにつれて膜厚が大きくなる球面)である場合、反射光量は、球の中心から離れるほど減衰する。そこで、平均輝度および干渉変調度を、それぞれ、上記の式(2)および(3)のように、球面を測定面に投影した際の円の中心からの距離rの2乗に応じて小さくなるように構成することによって、表面(または裏面)が球面である透明膜の複数の点の膜厚t(i)を一括して推定することができる。
この場合、好ましくは、複数の単色光の波長の数をm、干渉画像の観測点の数をNとした場合、下記の式(5)に基づいて、未知変数を推定するための干渉画像の観測点の数Nを設定するように構成されている。
Figure 2018159557
このように構成すれば、未知変数に対して最低限必要な干渉画像の観測点の数を、上記の式(5)に基づいて、容易に求めることができる。
上記第1の局面による膜厚測定装置において、好ましくは、制御部は、未知変数に初期値を設定するとともに、未知変数を含む関数から算出される値に基づいて、目的関数を最小化する非線形計画法により、未知変数を推定するように構成されている。このように構成すれば、未知変数を含む関数が解析的に解けない場合(非線形関数の場合)でも、未知変数を推定することができる。
上記第1の局面による膜厚測定装置において、好ましくは、複数の単色光は、青、緑および赤の3色の単色光を含む。このように構成すれば、3色の単色光の波長が各々異なるので、3色の単色光の干渉により生成される干渉色が膜厚によって変化する。これにより、観測点において観測された輝度値g(i,j)に基づいて、膜厚を推定することができる。
上記第1の局面による膜厚測定装置において、好ましくは、制御部は、上記の式(1)に基づいて求められた、波長の種類に対する番号jの平均輝度a(i,j)および干渉変調度b(i,j)と、観測点番号iにおける観測輝度値gijとから、下記の式(6)に基づいて、観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの位相φ(i,j)を推定するとともに、下記の式(7)に基づいて、縞次数(整数)であるN(i,j)および観測点番号iにおける膜厚t(i)を推定するように構成されている。
Figure 2018159557
このように構成すれば、数個乃至数十個の観測点より上記の式(1)に基づいて平均輝度a(i,j)および干渉変調度b(i,j)を予め求めておき、他の大多数の観測点の膜厚t(i)を上記の式(7)に基づいて、比較的簡単な計算(短時間)で推定することができる。
この発明の第2の局面による膜厚測定方法は、測定対象である透明膜に複数の波長の単色光を含む光を照射する工程と、透明膜の表面からの反射光と裏面からの反射光とにより生成される干渉画像を撮像する工程と、撮像された干渉画像の観測点の位置に対応する観測点番号をi、単色光の波長の種類に対する番号をj、単色光の波長をλ(j)、観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの平均輝度をa(i,j)、観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの干渉変調度をb(i,j)、観測点番号iにおける透明膜の膜厚をt(i)、観測点番号iにおいて観測された波長の種類に対する番号jの輝度値をg(i,j)とした場合において、a(i,j)、b(i,j)およびt(i)のうちの少なくともt(i)を未知変数として、下記の式(8)に基づいて、未知変数を推定する工程とを備える。
Figure 2018159557
この第2の局面による膜厚測定方法では、上記のように、観測点番号iに依存している平均輝度a(i,j)および干渉変調度b(i,j)が含まれる上記式(8)に基づいて、未知変数である少なくともt(i)を推定することによって、反射光量が視野内で一様でない曲面などを有する透明膜の複数の点の膜厚t(i)を一括して推定することが可能な膜厚測定方法を提供することができる。
本発明によれば、上記のように、反射光量が視野内で一様でない透明膜の複数の点の膜厚を一括して推定することができる。
本発明の一実施形態による膜厚測定装置を示す図である。 測定対象である球面を有する透明膜を示す図である。 膜厚と輝度値(光量)との関係を示す図である。 球面を有する透明膜の干渉画像と、輝度値(光量)とを示す図である。 本発明の一実施形態によるGMFT法を説明するための図である。 本発明の一実施形態による合致法を説明するための図である。 本発明の一実施形態による膜厚測定方法のフロー図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[本実施形態]
(膜厚測定装置の構成)
図1を参照して、本実施形態による膜厚測定装置100の構成について説明する。
図1に示すように、膜厚測定装置100は、白色光源10と、3波長帯域フィルタ20と、顕微鏡30と、カラーカメラ40と、制御部50とを備えている。なお、白色光源10およびカラーカメラ40は、それぞれ、特許請求の範囲の「光源」および「撮像部」の一例である。
白色光源10は、測定対象である透明膜60に複数の波長の単色光を含む光を照射するように構成されている。本実施形態では、複数の単色光は、青(B)、緑(G)および赤(R)の3色の単色光を含む。
3波長帯域フィルタ20は、白色光源10から照射された白色の光のうち、青(B)、緑(G)および赤(R)の3色の単色光を透過させるように構成されている。
顕微鏡30の内部には、ハーフミラー31が設けられている。そして、ハーフミラー31は、3波長帯域フィルタ20を透過した青(B)、緑(G)および赤(R)の3色の単色光を測定対象である透明膜60に照射するように構成されている。
カラーカメラ40は、白色光源10から照射され、透明膜60の表面60a(図2参照)からの反射光と裏面60bからの反射光とにより生成される干渉画像を撮像するように構成されている。また、カラーカメラ40は、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどにより構成されている。
また、図2に示すように、測定対象である透明膜60は、表面60aは平面(平坦)である一方、裏面60bは球面である。たとえば、透明膜60は、薄膜のトライボロジーの特性評価の試験において、透明な基板70と鋼球71との間に設けられた油膜などが想定される。具体的には、透明膜60(油膜)を、透明な基板70側(Z方向側)から見た場合の、透明膜60の球面の部分が測定対象とされる。なお、トライボロジーとは、2つの物体が互いに滑り合うような相対運動を行った場合の相互作用を及ぼし合う接触面、および、それに関連する問題についての科学技術の一分野である。
ここで、本実施形態では、制御部50は、カラーカメラ40により撮像された干渉画像の観測点の位置に対応する観測点番号をi、単色光の波長の種類に対する番号をj、単色光の波長をλ(j)、観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの平均輝度をa(i,j)、観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの干渉変調度をb(i,j)、観測点番号iにおける透明膜60の膜厚をt(i)、観測点番号iにおいて観測された波長の種類に対する番号jの輝度値をg(i,j)とした場合において、a(i,j)、b(i,j)およびt(i)のうちの少なくともt(i)を未知変数として、後述する式(11)に基づいて、未知変数を推定するように構成されている。なお、本実施形態では、a(i,j)、b(i,j)およびt(i)の全てを未知変数として推定する。また、制御部50は、未知変数に初期値を設定するとともに、未知変数を含む関数から算出される値に基づいて、目的関数を最小化する非線形計画法により、未知変数を推定するように構成されている。以下、詳細に説明する。
(推定原理)
〈透明膜における干渉色と膜厚との関係〉
まず、透明膜60における干渉色と膜厚との関係について説明する。
透明膜60の表面60aからの反射光と、裏面60bからの反射光とによる干渉の和は、多重反射を無視すれば、下記の式(9)により表される。
Figure 2018159557
ここで、I1およびI2は、それぞれ、表面60aからの反射光の強さ(光量)、および、裏面60bからの反射光の強さ(光量)を表す。また、λは、透明膜60に照射される光の波長を表し、δは、表面60aからの反射光と裏面60bからの反射光との位相差を表す。また、±の符号は、裏面60bの反射光の位相反転の有無に依存する。すなわち、透明膜60の屈折率nが、透明膜60の裏面60b側に配置される基板などの屈折率nBよりも小さければ+であり、透明膜60の屈折率nが屈折率nBよりも大きければ−である。
また、透明膜60の物理的な膜厚をtとし、膜屈折率をn(λ)として、透明膜60に対して光が垂直に入射すると仮定すると、表面60aからの反射光と裏面60bからの反射光との光路差(optical path difference;OPD)は、OPD=2n(λ)×tとなる。よって、位相差δ(λ)は、δ(λ)=2π×OPD/λ=4πn(λ)×t/λとなる。この式を、上記の式(9)に代入するとともに、屈折率の波長依存性がない(すなわち、n(λ)=n)と仮定することにより、下記の式(10)が得られる。
Figure 2018159557
ここで、白色光源10から照射され、3波長帯域フィルタ20を透過する単色光である青(B)、緑(G)および赤(R)の各々の波長を、それぞれ、λB=470nm、λG=560nm、および、λR=600nm、とする。また、I1=I2=1/4とする。そして、反射光量と膜厚との関係を、上記の式(10)により算出することにより、図3に示すように、膜厚と輝度値(光量)との関係(図3の下段参照)、および、膜厚と干渉色との関係(図3の上段参照)が得られる。
図3の下段では、横軸は、物理膜厚tと屈折率nとを積である光学膜厚(nm)を表し、縦軸は輝度値を表している。なお、以下では、膜厚とは、光学膜厚を意味する。図3の下段に示すように、波長(周期)は、青(B)、緑(G)および赤(R)の順で長くなる。
図3の上段は、各膜厚(nm)に対する干渉色のカラーチャーチ―トを表している。すなわち、図3の上段では、各膜厚において、図3の下段の青(B)、緑(G)および赤(R)が加算された色が示されている。なお、図3の上段では、グレーの濃淡で示されているが、実際には、カラーの濃淡の干渉色である。このように、各膜厚に対して異なる干渉色が得られる。
また、図4の上段の画像は透明膜60(油膜)(図2参照)を、透明な基板70側(Z方向側)から撮像した際の画像である。カラーカメラ40からは、青(B)、緑(G)および赤(R)の3種類の光が出射されている。図4の上段の画像は、透明膜60の表面60a(基板70との界面)において反射した光と、裏面60b(鋼球71との界面)において反射した光とが干渉した干渉画像(3種類の光の干渉画像)である。
また、図4の下段では、横軸は、透明膜60の座標(図4の上段の中心線Lに沿った座標)の値を表し、縦軸は、青(B)、緑(G)および赤(R)の3種類の光の輝度値を表している。図2に示すように、透明膜60の膜厚は、透明膜60の中心Cが最も薄く、中心Cから離れるにしたがって徐々に厚くなる。そして、図4の下段に示すように、輝度値は、透明膜60の中心Cから離れるにしたがって徐々に小さくなる。
〈GMFT法〉
次に、未知変数であるa(i,j)、b(i,j)およびt(i)を推定するアルゴリズムについて説明する。このアルゴリズムを、GMFT(Global Model Fitting for Thickness)法と呼ぶ。
カラーカメラ40によって撮像された透明膜60の干渉画像内の観測点番号i(i=1,2,...,N)における、単色光の波長の種類に対する番号j(j=1,2,...,m)の干渉縞の輝度値g(i,j)は、上記の式(10)を変形して、下記の式(11)により表される。
Figure 2018159557
ここで、平均輝度a(i,j)および干渉変調度b(i,j)は、干渉画像の観測点の位置に依存する(位置毎に異なる)値である。
ここで、本実施形態では、制御部50は、測定対象である透明膜60の裏面60b(鋼球71との界面)が球面の場合、rを、球面を測定面に投影した際の円の中心Cから観測点番号iまでの距離とし、平均輝度を下記の式(12)で表されるa(r,j)とし、干渉変調度を下記の式(13)で表されるb(r,j)として、下記の式(14)に基づいて、a0(j)、b0(j)、α、βおよびt(i)のうちの少なくともt(i)を未知変数として、未知変数を推定する。具体的には、a0(j)、b0(j)、α、βおよびt(i)の全てを未知変数として、未知変数を推定する。
Figure 2018159557
そして、上記の式(14)により表される干渉縞の輝度値g(i,j)と、複数点において観測された輝度値とに基づいて、未知変数であるa0(j)、b0(j)、α、βおよびt(i)を推定する。具体的には、下記の式(15)の誤差二乗和を最小にする非線形計画法(最小二乗法)により、未知変数(パラメータ)であるa0(j)、b0(j)、α、βおよびt(i)を推定する。
Figure 2018159557
ここで、g(i,j)は、上記の式(14)のモデル輝度値を表し、gijは、観測点番号i(波長の種類に対する番号j)における観測輝度値を表す。
次に、上記の未知変数a0(j)、b0(j)、α、βおよびt(i)が求められる条件について説明する。単色光の波長の数をm個、観測点数をN個とすると、未知変数の数は、2m+N+2個になる。また、N個の観測点の数からmN個の輝度信号が得られる。これにより、本実施形態では、下記の式(16)に基づいて、未知変数を求めるための干渉画像の観測点の数Nを設定するように構成されている。
Figure 2018159557
たとえば、本実施形態では、単色光の波長の数は、青、緑および赤の3(m=3)であるので、Nは、4以上になる。すなわち、少なくとも4個の観測点のデータがあれば、未知変数を推定することが可能になる。
単色光の波長の数が3(m=3)であり、観測点の数がN個の場合、推定(計測)アルゴリズムは、図5に示すように、模式的に表される。すなわち、3N個の観測輝度値(g(1,B)、g(1,G)、g(1,R),...,g(N,B)、g(N,G)、g(N,R))から、N個の膜厚(t(1),...,t(N))と、8個のパラメータ(a0(B)、a0(G)、a0(R)、b0(B)、b0(G)、b0(R)、α、β)が推定される。
上記の式(14)の輝度値は、周期関数である余弦関数(cos関数)を含むため、本実施形態の推定アルゴリズムにおいて最小二乗法を用いた場合、局所的極小値(ローカルミニマム)が多数存在する。したがって、適切な初期値を設定する必要がある。たとえば、初期値は、実際の透明膜60の膜厚t(i)から所定の範囲内の値である。また、適切な初期値を設定できない場合には、初期値を変更しながら大域最適解を求めるマルチスタート法が有効である。
〈合致法〉
上記の非線形計画法(最小二乗法)では、未知変数の数が多くなると、計算の負荷が高くなる。そこで、本実施形態では、制御部50は、上記の式(11)に基づいて求められた、平均輝度a(i,j)および干渉変調度b(i,j)と、観測点番号iにおける観測輝度値gijとから、下記の式(17)に基づいて、観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの位相φ(i,j)を推定する。そして、制御部50は、下記の式(18)に基づいて、縞次数(整数)であるN(i,j)および観測点番号iにおける膜厚候補t(i,j)を推定する。
Figure 2018159557
なお、透明膜60の裏面60bが球面の場合、上記の式(14)に基づいて、非線形計画法(最小二乗法)により得られた未知変数であるa0(j)、b0(j)、αおよびβを用いて、位相φ(i,j)を推定し、上記の式(18)に基づいて、縞次数(整数)であるN(i,j)および観測点番号iにおける膜厚候補t(i,j)を推定する。また、式(17)のcos-1は、逆余弦関数であるので、その値域は、[0,π]である。
そして、求められた膜厚候補t(i,j)から合致法により、膜厚t(i)を求める。具体的には、合致法では、図6に示すように、各波長毎の膜厚候補t(i,j)の中で、最も誤差の小さい膜厚候補t(i,j)の組み合わせを求める。図6の例では、500nm近傍の膜厚候補t(i,j)の組み合わせの誤差が最も小さくなる。そして、500nm近傍の各波長(3つ)の膜厚候補t(i,j)を平均することにより、膜厚t(i)(=510nm)が求められる。
このように、上記の式(11)、式(14)、または、式(17)および式(18)を用いて、透明膜60の膜厚t(i)が推定されるので、分光器や偏光光学系などの比較的複雑な光学系を用いる必要がない分、膜厚測定装置100の構成を簡略化することが可能になる。また、撮像した画像(干渉色)から膜厚t(i)への変換テーブル(校正データ)などを用いることなく、膜厚t(i)を推定することが可能になる。また、観測点毎(つまり、干渉画像の画素毎)に膜厚t(i)を推定することができるので、比較的水平分解能の高い膜厚測定装置100を構成することが可能になる。
(膜厚測定の手順)
次に、図7を参照して、本実施形態による膜厚測定の手順について説明する。
図7に示すように、ステップS1において、白色光源10から3波長帯域フィルタ20およびハーフミラー31を介して、測定対象である透明膜60に複数の波長(青、緑、赤)の単色光を含む光が照射される。そして、透明膜60の表面60aからの反射光と裏面60bからの反射光とにより生成される干渉画像がカラーカメラ40により撮像されて、観測輝度値が取得される。
次に、ステップS2において、上記の式(16)に基づいて定められる数の観測点が選択される。
次に、ステップS3において、未知変数であるa0(j)、b0(j)、α、βおよびt(i)のそれぞれの初期値が設定される。
次に、ステップS4において、GMFT法(上記の式(14))に基づいて、未知変数であるa0(j)、b0(j)、α、βおよびt(i)が推定される。これにより、複数の観測点(i)に対するa0(j)、b0(j)、α、βおよびt(i)が一括して推定される。すなわち、透明膜60の複数の点の膜厚t(i)が一括して推定される。
次に、ステップS5において、GMFT法により推定されたa0(j)、b0(j)、α、βを用いて、合致法(上記の式(17)および式(18))に基づいて、所望の観測点(GMFT法において使用された観測点以外の観測点)における未知変数であるt(i)が推定される。
(本実施形態の効果)
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態では、上記のように、上記の式(11)に基づいて、未知変数を推定する制御部50を備える。ここで、観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの平均輝度a(i,j)、および、観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの干渉変調度b(i,j)は、観測点(透明膜60)の位置に対応する観測点番号iに依存している。すなわち、上記の式(11)は、同軸落射(透明膜60に対して垂直に光を照射すること)による透明膜60からの反射光量が視野内で一様でない(平均輝度a(i,j)、干渉変調度b(i,j)が視野内で一様でない)透明膜60の輝度値g(i,j)を表している。そこで、上記式(11)に基づいて、未知変数である少なくともt(i)を推定することによって、反射光量が視野内で一様でない曲面などを有する透明膜60の複数の点の膜厚t(i)を一括して推定することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部50は、測定対象である透明膜60の裏面60bが球面の場合、上記の式(14)に基づいて、a0(j)、b0(j)、α、βおよびt(i)のうちの少なくともt(i)を未知変数として、未知変数を推定するように構成されている。ここで、透明膜60の裏面60bが球面(中心Cから遠ざかるにつれて膜厚が大きくなる球面)である場合、反射光量は、球の中心Cから離れるほど減衰する。そこで、平均輝度a(i,j)および干渉変調度b(i,j)を、それぞれ、上記の式(12)および(13)のように、球面を測定面に投影した際の円の中心Cからの距離rの2乗に応じて小さくなるように構成することによって、裏面60bが球面である透明膜60の複数の点の膜厚t(i)を一括して推定することができる。
また、本実施形態では、上記のように、複数の単色光の波長の数をm、干渉画像の観測点の数をNとした場合、上記の式(16)に基づいて、未知変数を推定するための干渉画像の観測点の数Nを設定する。これにより、未知変数に対して最低限必要な干渉画像の観測点の数を、上記の式(16)に基づいて、容易に求めることができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部50は、未知変数に初期値を設定するとともに、未知変数を含む関数から算出される値に基づいて、目的関数を最小化する非線形計画法により、未知変数を推定する。これにより、未知変数を含む関数が解析的に解けない場合(非線形関数の場合)でも、未知変数を推定することができる。
また、本実施形態では、上記のように、複数の単色光は、青、緑および赤の3色の単色光を含む。これにより、3色の単色光の波長が各々異なるので、3色の単色光の干渉により生成される干渉色が膜厚t(i)によって変化する。その結果、観測点において観測された輝度値g(i,j)に基づいて、膜厚t(i)を推定することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部50は、上記の式(11)(式(14))に基づいて求められた、平均輝度a(i,j)および干渉変調度b(i,j)と、輝度値g(i,j)とから、上記の式(17)に基づいて位相φ(i,j)を推定するとともに、上記の式(18)に基づいて、膜厚候補t(i,j)を推定し、各波長毎に最も誤差の小さい膜厚候補t(i,j)の組み合わせにより膜厚t(i)を推定する。これにより、数個乃至数十個の観測点より上記の式(11)(式(14))に基づいて平均輝度a(i,j)および干渉変調度b(i,j)を予め求めておき、他の大多数の観測点の膜厚t(i)を上記の式(18)に基づいて、比較的簡単な計算(短時間)で推定することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、3波長帯域フィルタを白色光源の直後に配置している例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、3波長帯域フィルタをカラーカメラの前に配置するなど、白色光源からカラーカメラまでの光路中のいずれかに配置すればよい。
また、上記実施形態では、3波長帯域フィルタを介して、青、緑および赤の単色光が透明膜に照射される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、青、緑および赤の単色光を照射する光源から、透明膜に光を照射してもよい。
また、上記実施形態では、青、緑および赤の3つの単色光が透明膜に照射される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、2つまたは4つ以上の単色光が透明膜に照射されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、上記の式(14)を用いて球面を有する透明膜の膜厚を推定する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、上記の式(11)を用いて、球面でない曲面を有する透明膜の膜厚を推定してもよい。
また、上記実施形態では、上記の式(14)により求められた未知変数であるa0(j)、b0(j)、αおよびβを用いて、合致法により観測点番号iにおける膜厚t(i)を推定する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、全ての観測点の膜厚t(i)を、上記の式(14)により求めてもよい。
また、上記実施形態では、透明膜の裏面が球面であり、表面が平面である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、裏面が平面であり、表面が球面である透明膜にも本発明を適用することができる。
10 白色光源(光源)
40 カラーカメラ(撮像部)
50 制御部
60 透明膜
60a 表面
60b 裏面
100 膜厚測定装置

Claims (7)

  1. 測定対象である透明膜に複数の波長の単色光を含む光を照射する光源と、
    前記光源から照射され、前記透明膜の表面からの反射光と裏面からの反射光とにより生成される干渉画像を撮像する撮像部と、
    前記撮像部により撮像された前記干渉画像の観測点の位置に対応する観測点番号をi、前記単色光の波長の種類に対する番号をj、前記単色光の波長をλ(j)、前記観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの平均輝度をa(i,j)、前記観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの干渉変調度をb(i,j)、前記観測点番号iにおける前記透明膜の膜厚をt(i)、前記観測点番号iにおいて観測された波長の種類に対する番号jの輝度値をg(i,j)とした場合において、a(i,j)、b(i,j)およびt(i)のうちの少なくともt(i)を未知変数として、下記の式(1)に基づいて、前記未知変数を推定する制御部とを備える、膜厚測定装置。
    Figure 2018159557
  2. 前記制御部は、前記測定対象である透明膜の表面および裏面のうちの一方が球面の場合、rを、球面を測定面に投影した際の円の中心から前記観測点番号iまでの距離とし、前記平均輝度を下記の式(2)で表されるa(r,j)とし、前記干渉変調度を下記の式(3)で表されるb(r,j)として、下記の式(4)に基づいて、a0(j)、b0(j)、α、βおよびt(i)のうちの少なくともt(i)を前記未知変数として、前記未知変数を推定するように構成されている、請求項1に記載の膜厚測定装置。
    Figure 2018159557
  3. 前記複数の単色光の波長の数をm、前記干渉画像の観測点の数をNとした場合、下記の式(5)に基づいて、前記未知変数を推定するための前記干渉画像の観測点の数Nを設定するように構成されている、請求項2に記載の膜厚測定装置。
    Figure 2018159557
  4. 前記制御部は、前記未知変数に初期値を設定するとともに、前記未知変数を含む関数から算出される値に基づいて、目的関数を最小化する非線形計画法により、前記未知変数を推定するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の膜厚測定装置。
  5. 前記複数の単色光は、青、緑および赤の3色の単色光を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の膜厚測定装置。
  6. 前記制御部は、上記の式(1)に基づいて求められた、波長の種類に対する番号jの前記平均輝度a(i,j)および前記干渉変調度b(i,j)と、前記観測点番号iにおける観測輝度値gijとから、下記の式(6)に基づいて、前記観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの位相φ(i,j)を推定するとともに、下記の式(7)に基づいて、縞次数(整数)であるN(i,j)および前記観測点番号iにおける膜厚t(i)を推定するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の膜厚測定装置。
    Figure 2018159557
  7. 測定対象である透明膜に複数の波長の単色光を含む光を照射する工程と、
    前記透明膜の表面からの反射光と裏面からの反射光とにより生成される干渉画像を撮像する工程と、
    撮像された前記干渉画像の観測点の位置に対応する観測点番号をi、前記単色光の波長の種類に対する番号をj、前記単色光の波長をλ(j)、前記観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの平均輝度をa(i,j)、前記観測点番号iにおける波長の種類に対する番号jの干渉変調度をb(i,j)、前記観測点番号iにおける前記透明膜の膜厚をt(i)、前記観測点番号iにおいて観測された前記波長の種類に対する番号jの輝度値をg(i,j)とした場合において、a(i,j)、b(i,j)およびt(i)のうちの少なくともt(i)を未知変数として、下記の式(8)に基づいて、未知変数を推定する工程とを備える、膜厚測定方法。
    Figure 2018159557
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113790674A (zh) * 2021-08-06 2021-12-14 河北光兴半导体技术有限公司 用于玻璃制品的测量方法、处理器和测量装置

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