JP2018159297A - 内燃機関制御装置 - Google Patents

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玲 多田
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透 小無田
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Abstract

【課題】内燃機関が主目的の運転を開始するときに、主目的ではない他の目的の運転を極力早く停止する技術を提供する。【解決手段】本開示の一態様における内燃機関制御装置は、S404において、内燃機関が主目的の運転を停止しているときに、主目的の運転を開始させる第1のタイミングを予測する。S410において内燃機関制御装置は、内燃機関が主目的の運転を停止しているときに、他の目的で内燃機関を運転するか停止するかを判定するパラメータを取得する。S412において内燃機関制御装置は、他の目的で運転している内燃機関が停止すると、パラメータが低下して第1のタイミングで第1の閾値に達するか、あるいは、パラメータが上昇して第1のタイミングで第2の閾値に達するように、内燃機関を停止する第2のタイミングを設定する。S418において内燃機関制御装置は、第2のタイミングで内燃機関を停止するように制御部に指令する。【選択図】図2

Description

本開示は、内燃機関が主目的の運転を停止してから主目的の運転を開始するまでの間に、主目的ではない他の目的で運転する内燃機関を制御する技術に関する。
車両の動力源として電動モータと内燃機関とを備えるハイブリッド車両、あるいはアイドルストップを実行する車両では、所定条件が成立すると、車両を走行させるトルクを発生するという内燃機関の主目的の運転を停止することがある。ハイブリッド車両では電動モータだけで走行する場合、あるいは、アイドルストップを実行する車両では車両が所定時間以上停止してアイドルストップの開始条件が成立する場合、内燃機関の主目的の運転が停止される。
内燃機関が主目的の運転を停止しているときに、主目的ではない他の目的で内燃機関を運転することがある。特許文献1には、電動モータが発生するトルクによりハイブリッド車両が走行しているときに冷却水温が下限値以下になると、車両の走行トルクを発生する主目的ではない他の目的として、冷却水温を上昇させる目的で内燃機関を運転する技術が記載されている。冷却水温が上限値以上になると、内燃機関は他の目的の運転を停止する。
このように、内燃機関が主目的の運転を停止しているときに、冷却水温に基づいて主目的ではない他の目的で内燃機関が運転を開始したり停止したりすることにより、冷却水温は下限値と上限値との間で維持される。
特開2016−013800号公報
内燃機関が冷却水温を上昇させる他の目的のために運転しているときに、内燃機関が主目的の運転を開始する可能性がある。内燃機関が主目的の運転を開始すると冷却水温は上昇する。したがって、内燃機関が主目的の運転を開始するときに冷却水温が下限値以下でなければ、主目的の運転を開始するまで、内燃機関は冷却水温を上昇させる他の目的の運転を継続する必要はない。
特許文献1に記載の技術では、内燃機関が主目的の運転を開始するまで他の目的で運転を継続する可能性があるという課題が見出された。
本開示は、内燃機関が主目的の運転を開始するときに、主目的ではない他の目的の運転を極力早く停止する技術を提供できることが望ましい。
本開示の一態様における内燃機関制御装置(30)は、パラメータ取得部(S408、S448)と、第1の指令部(S402、S442)と、開始タイミング予測部(S404、S420〜S424、S444)と、停止タイミング設定部(S412、S450)と、第2の指令部(S416、S418、S452、S454)と、を備えている。
パラメータ取得部は、内燃機関(2)が主目的の運転を停止しているときに、主目的ではない他の目的で内燃機関を運転するか停止するかを判定するためのパラメータを取得する。
第1の指令部(S402、S444)は、内燃機関が主目的の運転を停止しているときに、パラメータ取得部が取得するパラメータが第1の閾値以下になるか、あるいはパラメータが第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上になると、内燃機関を他の目的で運転し、パラメータが第1の閾値以下になると内燃機関を他の目的で運転する場合はパラメータが第2の閾値以上になると内燃機関を停止し、パラメータが第2の閾値以上になると内燃機関を他の目的で運転する場合はパラメータが第1の閾値以下になると内燃機関を停止するように、内燃機関を制御する制御部(70)に指令する。
開始タイミング予測部は、内燃機関が主目的の運転を停止しているときに、内燃機関に主目的の運転を開始させる第1のタイミングを予測する。
停止タイミング設定部は、他の目的で運転している内燃機関が停止すると、パラメータが低下して開始タイミング予測部が予測する第1のタイミングでパラメータが第1の閾値に達するか、あるいは、パラメータが上昇して第1のタイミングでパラメータが第2の閾値に達するように、内燃機関を停止する第2のタイミングを設定する。
第2の指令部は、停止タイミング設定部が設定する第2のタイミングで内燃機関を停止するように制御部に指令する。
ここで、内燃機関が主目的の運転を停止している状態で、内燃機関が他の目的の運転を停止しても、パラメータが第1の閾値と第2の閾値との間であれば、内燃機関を他の目的で運転する必要はない。
そこで、本開示では、内燃機関が他の目的で運転しているときに、内燃機関が主目的の運転を開始する第1のタイミングを予測する。そして、他の目的で運転している内燃機関を停止すると、パラメータが低下して第1のタイミングでパラメータが第1の閾値に達するか、あるいはパラメータが上昇して第1のタイミングでパラメータが第2の閾値に達するように、内燃機関を停止する第2のタイミングを設定する。
これにより、内燃機関が主目的の運転を開始する第1のタイミングまで他の目的のために内燃機関を運転する必要はなく、第1のタイミングよりも早い第2のタイミングで内燃機関を停止できる。その結果、内燃機関の他の目的での運転時間が短くなるので、内燃機関の燃料消費量を低減できる。
尚、この欄および特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態の内燃機関制御システムを示すブロック図。 内燃機関制御処理を示すフローチャート。 運転開始タイミングの予測処理を示すフローチャート。 冷却水温の低下特性設定処理を示すフローチャート。 内燃機関制御処理による冷却水温の変化を示すタイムチャート。 主目的の運転停止からの経過時間と主目的の運転開始回数との関係を示す特性図。 車両内外からの情報毎に経過時間と主目的の運転開始回数との関係を作成することを示す説明図。 経過時間と経過時間での主目的の運転開始確率との関係を示す特性図。 経過時間と経過時間での主目的の運転開始確率との他の関係を示す特性図。 第2実施形態の内燃機関制御処理を示すフローチャート。 第3実施形態の冷却水温とSOCと主目的の運転開始タイミングとの関係を示すタイムチャート。 第4実施形態の内燃機関制御処理によるSOCの変化を示すタイムチャート。 第5実施形態における内燃機関の停止時間の合計と主目的の運転開始確率との関係を説明する示す特性図。 第6実施形態における信号手前での車速の変化を示すタイムチャート。 信号手前での減速開始時の車速と車速の変化とを示すタイムチャート。
以下、本開示の実施形態を図に基づいて説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示す内燃機関制御システム10は、ハイブリッド車両に搭載され、内燃機関2と図示しない電動モータとが発生するトルクを制御する。以下、ハイブリッド車両をHVとも言い、内燃機関をエンジンとも言う。内燃機関制御システム10は、HV−ECU30と、周辺環境センサ群40と、ナビゲーション装置50と、通信装置60と、エンジンECU70とを備えている。ECUはElectronic Control Unitの略である。
HV−ECU30は、エンジン2に設置された水温計4から冷却水温を取得し、電動モータに電力を供給するバッテリ6からバッテリ6のSOCを取得する。SOCはState of Chargeの略である。HV−ECU30は、カメラ、ミリ波レーダ、LIDAR等の周辺環境センサ群40から自車両の周辺環境に関する情報を取得する。LIDARはLight Detection and Rangingの略である。自車両の周辺環境は、歩行者、他車両、信号機等の車両の周囲の物体である。
HV−ECU30は、ナビゲーション装置50から自車両の位置と、自車両が走行している道路の勾配および曲率等の道路形状と、自車両が走行している道路に設置されている信号機の位置と、自車両の走行ルート等を取得する。ナビゲーション装置50は、GPS衛星等の測位衛星から測位信号を取得し、自車両の現在位置を緯度、経度により測位する。ナビゲーション装置50は、測位した自車両の現在位置を地図DBの地図データ上にマッピングし、地図データ上の自車両の現在位置を検出する。
HV−ECU30は、通信装置60を使用する車車間通信、路車間通信等により、前方車両の発進タイミング、自車両前方の信号機の信号が変化するタイミング、道路の混雑状況を車両の外部から取得する。
HV−ECU30は、水温計4とバッテリ6と周辺環境センサ群40とナビゲーション装置50と通信装置60と図示しない車両センサとから取得する情報に基づき、バッテリ6から図示しない電動モータに供給する電力の制御処理と、エンジン2を運転するか停止するかをエンジンECU70に指令する内燃機関制御処理とを実行する。
HV−ECU30とエンジンECU70とは、それぞれCPUとROMとRAMとフラッシュメモリとなどを備えるマイクロコンピュータにより構成されている。ROMとRAMとフラッシュメモリとは、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリである。HV−ECU30とエンジンECU70とは、それぞれ一つのマイクロコンピュータを搭載してもよいし、複数のマイクロコンピュータを搭載してもよい。
HV−ECU30とエンジンECU70との各種機能は、CPUが非遷移的実体的記録媒体に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。このプログラムをCPUが実行することで、プログラムに対応する方法が実行される。
HV−ECU30とエンジンECU70との各種機能を実現する手法は、ソフトウェアに限るものではなく、その一部または全部の要素を、論理回路やアナログ回路等を組み合わせたハードウェアを用いてもよい。
HV−ECU30は、車両を走行させるトルクを発生する主目的の走行用運転以外にも、暖房中に冷却水温を上昇させたり、バッテリ6を充電したり、排気触媒の温度を上昇させたり、冷房時に空調装置のコンプレッサーを駆動したりする他の目的のために、エンジン2を運転するようにエンジンECU70に指令する。
HV−ECU30は、エンジン2が主目的の走行用運転を停止しているときに、冷却水温、SOC、触媒温度のそれぞれの値が冷却水温、SOC、触媒温度に応じて設定された第1の閾値以下になると、エンジン2の他の目的の運転を開始するようにエンジンECU70に指令する。
そして、HV−ECU30は、エンジン2が主目的の走行用運転を停止しているときに、冷却水温、SOC、触媒温度のそれぞれの値が第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上になると、他の目的でのエンジン2の運転を停止するようにエンジンECU70に指令する。
また、HV−ECU30は、エンジン2が主目的の走行用運転を停止しているときに、空調装置のエバポレータの温度がエバポレータの温度に応じて設定された第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上になると、他の目的でエンジン2の運転を開始してコンプレッサーを駆動するようにエンジンECU70に指令する。エンジン2が運転を開始しコンプレッサーを駆動すると、エバポレータの温度が低下する。
そして、HV−ECU30は、エンジン2が主目的の走行用運転を停止しているときに、エバポレータの温度がエバポレータの温度に応じて設定された第1の閾値以下になると、コンプレッサーを駆動する他の目的でのエンジン2の運転を停止するようにエンジンECU70に指令する。
[1−2.処理]
以下、HV−ECU30が実行する内燃機関制御処理について説明する。
(1)メイン処理
図2のフローチャートは、図5に示すように、HV−ECU30が、エンジン2の走行用運転フラグをオフにし、エンジンECU70に主目的でのエンジン2の運転の停止を指令すると実行される。エアコン暖機フラグがオフの状態で走行用運転フラグがオフになることにより、エンジン運転フラグはオフになる。図5には、他の目的の運転として、冷却水を加熱するためにエンジン2を運転する例が示されている。
尚、第1実施形態において、エンジン運転フラグは、走行用運転フラグとエアコン暖機フラグとの少なくともいずれかがオンであればオンになり、走行用運転フラグとエアコン暖機フラグとの両方がオフであればオフになるフラグである。
走行用運転フラグは、オンであれば主目的でエンジン2を運転することを示し、オフであれば主目的でのエンジン2の運転を停止することを示す。エンジン運転フラグは、オンであれば主目的または他の目的でエンジン2を運転することを示し、オフであれば主目的または他の目的でのエンジン2の運転を停止することを示す。
HV−ECU30が、エンジンECU70に主目的でのエンジン2の運転を停止するように指令するのは、例えば中速までの定常走行などのエンジン効率の悪い運転領域、ならびに車両が停止するときなどである。
S400においてHV−ECU30は、所定の条件に基づいて冷却水温の下限値TLを設定する。例えば暖房中であれば、下限値TLは車室温度の設定値である。暖房中ではない場合、下限値TLは、例えば排気触媒の活性温度の最低温度に対応すると推定される冷却水温である。冷却水温の上限値THは、例えば冷却水の沸点よりも低い固定値に設定される。
HV−ECU30は、冷却水温が下限値TL以下になると、図5に示すようにエアコン暖機フラグをオンにする。エアコン暖機フラグがオンになることにより、エンジン運転フラグはオンになる。そして、HV−ECU30は、冷却水温を上昇させるためにエンジンECU70に主目的ではない他の目的でのエンジン2の運転開始を指令する。エアコン暖機フラグとエンジン運転フラグとは、冷却水温が下限値TL以下になるとオンになり、冷却水温が上限値TH以上になるとオフになる。
S402においてHV−ECU30は、冷却水温を下限値TLと上限値THとの間で維持するように、主目的ではない他の目的でエンジン2を運転するか停止するかをエンジンECU70に指令する冷却水温制御を実行する。
具体的には、HV−ECU30は、冷却水温が下限値TL以下になると、主目的ではない他の目的でエンジン2を運転するようにエンジンECU70に指令し、冷却水温が上限値TH以上になると、エンジン2を停止するようにエンジンECU70に指令する。
S404においてHV−ECU30は、エンジンECU70に主目的でのエンジン2の運転開始を指令する運転開始タイミングt1を予測する。S404の処理の詳細は後述される。
S406においてHV−ECU30は、エンジン2の運転が停止しているときの冷却水温の低下特性THWp1を設定する。S406の処理の詳細は後述される。S408においてHV−ECU30は、現在のタイミングtpの冷却水温THW(tp)を水温計4から取得する。
S410においてHV−ECU30は、主目的ではない他の目的でエンジン2が運転しているときに、冷却水温が上昇する上昇特性THWp2を設定する。HV−ECU30は、例えば、S408で水温計4から取得する冷却水温の上昇率に基づいて上昇特性THWp2を設定する。
S412においてHV−ECU30は、冷却水温の低下特性THWp1と冷却水温の上昇特性THWp2とが交差するタイミングを算出する。HV−ECU30は、低下特性THWp1と上昇特性THWp2とが交差するタイミングを、エンジンECU70に他の目的でのエンジン2の運転を停止するように指令する運転停止タイミングt2として設定する。
S414においてHV−ECU30は、t2≦tpであるか否か、つまり現在のタイミングtpが運転停止タイミングt2に達したか否かを判定する。S414の判定がNoである、つまりt2>tpの場合、現在のタイミングtpは運転停止タイミングt2にまだ達していないので、HV−ECU30は、エンジンECU70にエンジン2の停止を指令せず、処理をS402に移行する。
S414の判定がYesである、つまりt2≦tpの場合、HV−ECU30は現在のタイミングtpが運転停止タイミングt2に達したと判断する。そこで、S416においてHV−ECU30は、t1−tp≧所定時間であるか否か、つまり運転開始タイミングt1と現在のタイミングtpとの時間差が所定時間以上であるか否かを判定する。S416の所定時間は、エンジン2を停止して低減できる燃料消費量と、エンジン2の運転を開始するときの燃料消費量とが同じになる時間に設定されている。
S416の判定がNoである、つまりt1−tp<所定時間の場合、つまりt1とtpとの時間差が所定時間未満の場合、HV−ECU30は、現在のタイミングtpでエンジン2を停止してからエンジン2が主目的の走行用運転を開始するまでの時間が短すぎるので、燃料消費量を低減できないと判断する。その結果、HV−ECU30は、エンジン2を停止せずに本処理を終了する。
S416の判定がYesである、つまりt1−tp≧所定時間の場合、HV−ECU30は、現在のタイミングtpでエンジン2を停止すると燃料消費量を低減できると判断する。その結果、S418においてHV−ECU30は、冷却水を加熱する他の目的でのエンジン2の運転を停止するようにエンジンECU70に指令し、エアコン暖機フラグをオフにする。
走行用運転フラグがオフの状態でエアコン暖機フラグがオフになることにより、エンジン運転フラグはオフになる。
尚、HV−ECU30がエンジン2を停止するように実際にエンジンECU70に指令するのは、t2≦tpとなる現在のタイミングtpであるが、t2≒tpであるから、図5ではエンジン2の停止タイミングをt2で示している。
t2≦tpとなる現在のタイミングtpでエンジン2を停止することにより、エンジン2が主目的の走行用運転を開始するまでにエンジン2が停止する時間ΔT1は、冷却水温が上限値TH以上になるタイミングt3までエンジン2の運転が継続する場合にエンジン2が停止する時間ΔT2よりも長くなる。
したがって、t2≦tpとなる現在のタイミングtpでエンジン2を停止することにより、エンジン2が主目的の走行用運転を開始するまでのエンジン2の運転時間が短くなり、燃料消費量が低減する。
(2)運転開始タイミング予測処理
図3のフローチャートは、図2のS404で実行される。
S420においてHV−ECU30は、前回、エンジン2が主目的の走行用運転を終了してからの経過時間を計測する。S420で計測する経過時間の使用目的は後述される。
S422においてHV−ECU30は、エンジン2が主目的の走行用運転を終了してからの経過時間と、経過時間までに実際にエンジン2が運転を開始する運転開始確率とを示す確率特性から、エンジン2の運転開始確率が所定値になる経過時間Txを取得する。
以下、確率特性について説明する。
図6に示すように、HV−ECU30は、エンジン2が主目的の走行用運転を終了してからの経過時間と、各経過時間でエンジン2が実際に主目的の走行用運転を開始する回数との関係を示す運転開始特性200を取得する。運転開始特性200は、走行実験等により予め作成されていてもよいし、走行中に学習しながら更新して作成されてもよい。
図3のS420で計測する経過時間は、例えば、運転開始特性200を学習しながら更新するときに、エンジン2が主目的の走行用運転を終了してから実際に主目的の走行用運転を開始するまでの経過時間を取得するために使用される。
第1実施形態では、図6に示すような単純な運転開始特性200ではなく、SOCと周辺環境センサ群40とナビゲーション装置50とから取得する車両内外の情報をパラメータとして、パラメータ毎にパラメータの値に応じた経過時間と走行用運転の開始回数との関係を示す運転開始特性を作成する。
例えば、図7に示すように、車内のバッテリ6から取得するSOCについては、SOCの値に応じた運転開始特性が作成される。周辺環境センサ群40については、例えばカメラから取得する画像データを解析し、信号が赤のために車両が停止しているときに車両の前に停止している他車両の台数に応じた運転開始特性が作成される。
信号機については、信号機から取得する「信号が赤から青に切り替わる時間」に応じて運転開始特性が作成される。ナビゲーション装置50については、車両の現在位置、走行ルートに応じた運転開始特性が作成される。例えば、車両の現在位置または走行ルートに応じて、エンジン2が主目的の走行用運転を開始するまでの経過時間は異なる。
そして、作成された図7に示すパラメータ毎の運転開始特性が経過時間を変数として積分され、経過時間の最大値までの積分値に対する各経過時間までの部分積分値の割合を示す特性が、図8に示すような確率特性210、212として作成される。経過時間の最大値までの積分値に対する各経過時間までの部分積分値の割合が運転開始確率である。
そして、図7に示すパラメータ毎に確率特性から運転開始確率が基準確率である90%になるときの経過時間を取得し、取得した経過時間の平均が算出される。そして、算出された経過時間の平均に対応するタイミングを、エンジン2が主目的の走行用運転を開始する運転開始タイミングt1とする。基準確率は90パーセントに限るものではなく、要求仕様によって適宜設定される。
図7に示すパラメータ毎に作成された運転開始特性ではなく、すべてのパラメータを入力とする運転開始特性が作成されてもよい。つまり、各パラメータの値が特定されると、運転開始特性が一つ作成される。そして、各パラメータの値が特定された運転開始特性から、確率特性が一つ作成される。
図8の確率特性210では、経過時間が長くなるにしたがい運転開始確率の上昇率が大きくなっている。確率特性212では、経過時間が短い区間で運転開始確率の上昇率が大きくなっている。したがって、確率特性212において基準確率の90%から80%に運転開始確率を下げたときの経過時間の減少時間ΔT4は、確率特性210において90%から80%に運転開始確率を下げたときの経過時間の減少時間ΔT3よりも長くなっている。
つまり、確率特性212において90%から80%に運転開始確率を下げると、確率特性210において90%から80%に運転開始確率を下げるよりも、予測される運転開始タイミングt1は早まる。運転開始タイミングt1が早まると、他の目的でのエンジン2の運転を停止する運転停止タイミングt2が早くなるので、エンジン2が他の目的で運転する時間が短くなる。このように、確率特性212のような形状の場合、運転開始確率を下げることでエンジン2が他の目的で運転する時間が短くなるようにする。
一方、図8の確率特性210の場合、90%から80%に運転開始確率を下げても、他の目的でのエンジン2の運転を停止する運転停止タイミングt2は確率特性210ほど早くならない。したがって、確率特性210の場合には、運転開始タイミングt1を予測するための経過時間を設定する運転開始確率を90%から80パーセントに下げる必要はない。
次に、運転開始タイミングt1を予測するための経過時間を設定する運転開始確率を上げることにより、エンジン2が運転開始タイミングt1で主目的の走行用運転を開始しないリスクを抑制する例について、図9の確率特性220、222に基づいて説明する。
確率特性222において90%から95%に運転開始確率を上げたときの経過時間の増加時間ΔT6は、確率特性220において90%から95%に運転開始確率を上げたときの経過時間の増加時間ΔT5よりも長い。つまり、確率特性222において90%から95%に運転開始確率を上げるときの運転開始タイミングt1は、確率特性220において90%から95%に運転開始確率を上げるときの運転開始タイミングt1よりも遅くなる。
これにより、確率特性222において95%の運転開始確率で予測する運転開始タイミングt1よりも実際にエンジン2が主目的の走行用運転を開始するタイミングが遅れるときの遅れ時間は、確率特性222において90%の運転開始確率で運転開始タイミングt1を予測するときの遅れ時間よりも短くなる。
予測する運転開始タイミングt1よりも実際にエンジン2が主目的の走行用運転を開始するタイミングが遅れると、冷却水温が下限値を下回ることを防止するために、遅れ時間の間、エンジン2を他の目的で運転させることになる。
したがって、確率特性222のような形状の場合、基準確率よりも運転開始確率を上げることにより、予測する運転開始タイミングt1よりも実際にエンジン2が主目的の走行用運転を開始するタイミングが遅れても、エンジン2が他の目的で運転する時間が短くなる。
一方、確率特性220の場合、基準確率の90%から95%に運転開始確率を上げても、経過時間の増加時間ΔT5は確率特性222よりも短い。その結果、確率特性220の場合、予測する運転開始タイミングt1よりも実際にエンジン2が主目的の走行用運転を開始するタイミングが遅れると、遅れ時間が長くなる。
したがって、確率特性220の場合には、運転開始タイミングt1を予測するための経過時間を設定する運転開始確率を基準確率の90%から95パーセントに上げることは不適切である。
以上説明したように、S422においてエンジン2の運転開始確率が所定値になる経過時間Txを取得すると、S424においてHV−ECU30は、経過時間Txに対応するタイミングをエンジン2が主目的の走行用運転を開始する運転開始タイミングt1として予測する。
尚、HV−ECU30は、確率特性から取得する経過時間だけではなく、車速と車両の走行に必要な走行用トルクとを予測し、エンジン2が主目的の走行用運転を開始する運転開始タイミングt1を予測してもよい。例えば、HV−ECU30は、以下の(a)〜(d)に示す情報に基づいて、車速を予測する。
(a)ナビゲーション装置50から取得する道路の勾配と曲率等の道路の形状、制限速度、走行ルート等。
(b)信号機との通信により取得する信号待ちの有無、信号待ちの残り時間。
(c)周辺環境センサ群40のカメラから取得する追い越し中か否か、車両前方の走行車両の有無、停止車両の有無等の情報。
(d)車車間通信、路車間通信により取得する道路の混雑状況。
(3)冷却水温の低下特性設定処理
図2のS406で実行する低下特性の設定処理について、図4のフローチャートに基づいて説明する。図4の低下特性の設定処理は、図2のS406が実行されるときに実行されてもよいし、所定時間間隔で常時実行されてもよい。
S430においてHV−ECU30は、暖房のためにヒータコアから奪われる冷却水の熱量Qacを、外気温と冷却水温との温度差等をパラメータとする特性マップ等から取得する。S432においてHV−ECU30は、暖房以外に、エンジン2と冷却水の配管となどから外部に奪われる冷却水の熱量Qotを、車速と外気温となどをパラメータとする特性マップ等から取得する。
S432において使用する車速は、冷却水温が低下する間にも変化する可能性がある。そこで、HV−ECU30は、前述した走行開始タイミング予測処理で説明した(a)〜(d)に示す情報に基づいて、冷却水温が低下している間の車速の変化を予測して、外部に奪われる冷却水の熱量Qotを取得することが望ましい。
S434においてHV−ECU30は、熱量Qacと熱量Qotとに基づいて、冷却水温の低下速度を算出する。S436においてHV−ECU30は、S434で算出した低下速度に基づいて冷却水温の低下特性THWp1を設定する。
[1−3.効果]
上記第1実施形態では、以下の効果を得ることができる。
(1)エンジン2が主目的の走行用運転ではなく冷却水を加熱するための他の目的で運転しているときに、エンジン2が主目的の走行用運転を開始する運転開始タイミングt1を予測する。そして、他の目的で運転しているエンジン2を停止すると、冷却水温が低下して運転開始タイミングt1で冷却水温が下限値TLに達するように、エンジン2を停止する運転停止タイミングt2を設定する。
これにより、運転開始タイミングt1まで冷却水を加熱するためにエンジン2を他の目的で運転する必要はなく、運転開始タイミングt1よりも早い運転停止タイミングt2でエンジン2を停止できる。その結果、エンジン2による燃料消費量を低減できる。
(2)確率特性210、212、220、224の形状に基づいて、運転開始タイミングt1を予測するための経過時間を取得する運転開始確率が設定されるので、確率特性212のように基準確率よりも運転開始確率を低下させて運転停止タイミングt2を早めることができる。これにより、エンジン2が他の目的で運転している時間を短縮し、燃料消費量を低減できる。
また、確率特性222のような形状の場合、基準確率よりも運転開始確率を上げることにより、予測する運転開始タイミングt1よりも実際にエンジン2が主目的の走行用運転を開始するタイミングが遅れても、エンジン2が他の目的で運転する時間を短縮できる。これにより、燃料消費量の増加を抑制できる。
以上説明した第1実施形態では、HV−ECU30が内燃機関制御装置に対応し、運転開始タイミングt1が第1のタイミングに対応し、運転停止タイミングt2が第2のタイミングに対応し、冷却水温が、主目的ではない他の目的でエンジン2を運転するか停止するかを判定するためのパラメータに対応し、冷却水温の下限値TLが第1の閾値に対応し、冷却水温の上限値THが第2の閾値に対応し、低下特性THWp1が第1の低下特性に対応し、上昇特性THWp2が第2の上昇特性に対応する。
また、第1実施形態において、エンジン2が主目的の運転を停止しているときに、エバポレータの温度を低下させるためにコンプレッサーを駆動する他の目的でエンジン2を運転する場合、エバポレータの温度の上昇特性が第1の上昇特性に対応し、エバポレータの温度の低下特性が第2の低下特性に対応する。
また、S402が第1の指令部の処理に対応し、S404、S420〜S424が開始タイミング予測部の処理に対応し、S406、S410、S430〜S436が特性取得部の処理に対応し、S408がパラメータ取得部の処理に対応し、S412が停止タイミング設定部の処理に対応し、S418が第2の指令部の処理に対応する。
[2.第2実施形態]
[2−1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態の内燃機関制御システムの構成は、第1実施形態の内燃機関制御システムと実質的に同じであるが、内燃機関制御処理の内容が第1実施形態と異なる。第1実施形態と同じ構成部分については同一符号を用いる。第1実施形態と同一符号については、先行する説明を参照する。
図10に示すフローチャートにおいて、S440〜S448、S452、S454の処理は、第1実施形態の図2のS400〜S408、S416、S418の処理と実質的に同一であるから説明を省略する。
S450においてHV−ECU30は、現在のタイミングtpにおける冷却水温THW(tp)が冷却水温の低下特性THWp1上に達しているか否かを判定する。S450の判定がNoである、つまり冷却水温THW(tp)が低下特性THWp1上に達していない場合、処理はS442に移行する。
S450の判定がYesである、つまり冷却水温THW(tp)が低下特性THWp1上に達している場合、現在のタイミング(tp)が冷却水を加熱する他の目的でのエンジン2の運転を停止する運転停止タイミングt2であるとHV−ECU30は判断する。そして、処理はS452に移行する。
[2−2.効果]
第2実施形態では、第1実施形態の効果(1)、(2)に加え、以下の効果を得ることができる。
現在のタイミングtpにおける実際の冷却水温THW(tp)が冷却水温の低下特性THWp1に達しているか否かを判定して運転停止タイミングt2を設定するので、運転停止タイミングt2を高精度に設定できる。
第2実施形態得では、S442が第1の指令部の処理に対応し、S444が開始タイミング予測部の処理に対応し、S446が特性取得部の処理に対応し、S448がパラメータ取得部の処理に対応し、S450が停止タイミング設定部の処理に対応し、S454が第2の指令部の処理に対応する。
[3.第3実施形態]
[3−1.第1実施形態との相違点]
第3実施形態の内燃機関制御システムの構成は、第1実施形態の内燃機関制御システムと実質的に同じであるが、内燃機関制御処理の内容が第1実施形態と異なる。第1実施形態と同じ構成部分については同一符号を用いる。第1実施形態と同一符号については、先行する説明を参照する。
図11の矢印に示すように、予測した運転開始タイミングt1よりもエンジン2が実際に主目的の走行用運転を開始するタイミングが遅くなり、エンジン2が実際に主目的の走行用運転を開始する前に冷却水温が下限値TLに達することがある。この場合、HV−ECU30は、ヒータコアを流れる冷却水の流量を低減して暖房により奪われる冷却水の熱量を低減する。そして、HV−ECU30は、バッテリ6のSOCがバッテリ6を充電する必要のあるSOC下限値よりも十分に大きい場合、バッテリ6の電力でヒータ等により冷却水を加熱する。これにより、エンジン2が実際に主目的の走行用運転を開始するまで、冷却水温が下限値TLを下回ることを抑制する。
[3−2.効果]
第3実施形態では、第1実施形態の効果(1)、(2)に加え、以下の効果を得ることができる。
(1)エンジン2が実際に主目的の走行用運転を開始する前に冷却水温が下限値TLに達しそうになると、バッテリ6の電力でヒータ等により冷却水を加熱する。これにより、冷却水温が下限値TL以下になってエンジン2が他の目的で運転することを抑制できる。その結果、エンジン2の燃料消費量を低減できる。
(2)第1実施形態で説明した確率特性から経過時間を取得するときの運転開始確率を基準確率よりも下げて予測した運転開始タイミングt1に対し、実際にエンジン2が主目的の走行用運転を開始するタイミングが遅くなっても、冷却水温が下限値TL以下になることを抑制できる。
[4.第4実施形態]
[4−1.第1実施形態との相違点]
第4実施形態の内燃機関制御システムの構成は、第1実施形態の内燃機関制御システムと実質的に同じであるが、内燃機関制御処理の内容が第1実施形態と異なる。第1実施形態と同じ構成部分については同一符号を用いる。第1実施形態と同一符号については、先行する説明を参照する。
第4実施形態では、図12に示すように、HV−ECU30は、バッテリ6のSOCが下限値CL以下になると、バッテリ充電フラグをオンにする。バッテリ充電フラグがオンになることにより、エンジン運転フラグはオンになる。そして、HV−ECU30は、SOCを上昇させるためにエンジンECU70に主目的ではない他の目的でのエンジン2の運転開始を指令する。
尚、第4実施形態において、エンジン運転フラグは、走行用運転フラグとバッテリ充電フラグとの少なくともいずれかがオンであればオンになり、走行用運転フラグとバッテリ充電フラグとの両方がオフであればオフになるフラグである。
HV−ECU30は、エンジン2が主目的の走行用運転を終了してからの経過時間と、経過時間までに実際にエンジン2が運転を開始する運転開始確率とを示す確率特性から、エンジン2の運転開始確率が所定値になる経過時間を取得する。そして、HV−ECU30は、経過時間からエンジンECU70に主目的でのエンジン2の運転開始を指令する運転開始タイミングt1を予測する。
そして、HV−ECU30は、運転開始タイミングt1から設定するSOCの低下特性230と、SOCの上昇率から設定する上昇特性232とに基づいて、バッテリ6を充電する他の目的でのエンジン2の運転を停止する運転停止タイミングt2を設定する。
[4−2.効果]
第4実施形態では、第1実施形態の効果(2)に加え、以下の効果を得ることができる。
エンジン2が主目的の走行用運転ではなくバッテリ6を充電するための他の目的で運転しているときに、エンジン2が主目的の走行用運転を開始する運転開始タイミングt1を予測する。そして、他の目的で運転しているエンジン2を停止すると、SOCが低下して運転開始タイミングt1でSOCが下限値CLに達するように、エンジン2を停止する運転停止タイミングt2を設定する。
これにより、運転開始タイミングt1までバッテリ6を充電するためにエンジン2を運転する必要はなく、運転開始タイミングt1よりも早い運転停止タイミングt2でエンジン2を停止できる。その結果、エンジン2による燃料消費を低減できる。
第4実施形態では、SOCが主目的ではない他の目的でエンジン2を運転するか停止するかを判定するためのパラメータに対応し、低下特性230が第1の低下特性に対応し、上昇特性232が第2の上昇特性に対応する。
[5.第5実施形態]
[5−1.第1実施形態との相違点]
第5実施形態の内燃機関制御システムの構成は、第1実施形態の内燃機関制御システムと実質的に同じであるが、内燃機関制御処理の内容が第1実施形態と異なる。第1実施形態と同じ構成部分については同一符号を用いる。第1実施形態と同一符号については、先行する説明を参照する。
第1実施形態では、周辺環境センサ群40とナビゲーション装置50と通信装置60となどから取得する車外の周囲環境の情報に基づいて作成された確率特性から、通常、基準確率の90%を運転開始確率として運転開始確率に対応する経過時間を取得した。
しかし、走行環境によっては、車外の周囲環境の情報を十分に得られないために、車外の周囲環境の情報に基づいて確率特性を作成できないことがある。このような場合、図6に示すような、エンジン2が主目的の走行用運転を終了してからの経過時間と、各経過時間でエンジン2が実際に主目的の走行用運転を開始する回数との関係を示す運転開始特性200から確率特性が生成される。
このような場合、第5実施形態では、運転開始タイミングt1を予測して運転停止タイミングt2でエンジン2を停止することにより生じたエンジン停止時間の合計に応じて、運転開始特性200から生成された確率特性に基づいて、運転開始タイミングt1を予測するための経過時間を取得する運転開始確率が設定される。
具体的には、図13の上側に示すように、これまでの走行において、運転開始タイミングt1を予測せずにエンジン2を他の目的で運転させた場合のエンジン停止時間を基準とし、運転開始タイミングt1を予測して運転停止タイミングt2でエンジン2を停止することにより、停止時間が増加すると+、減少すると−とする。
そして、図13の下側に示す特性240ように、エンジン停止時間の合計が0の場合の運転開始確率を基準確率の90%とし、エンジン停止時間の合計が+であれば増加分に応じて運転開始確率を下げ、エンジン停止時間の合計が−であれば減少分に応じて運転開始確率を上げる。図13では、エンジン停止時間の合計が+であり、運転開始確率は基準確立の90%よりも低下して80%になっている。
運転開始確率を下げると運転停止タイミングt2が早くなるので、運転開始タイミングt1までにエンジン2が主目的の走行用運転を開始すれば、基準確率のときよりもエンジン停止時間は増加する。
これに対し、運転開始タイミングt1までにエンジン2が主目的の走行用運転を開始しないと、例えば冷却水温が下限値TLまで低下してエンジン2が他の目的で運転を開始し、エンジン停止時間が減少するおそれがある。しかし、これまでのエンジン停止時間の合計が+であれば、今回エンジン停止時間が減少しても、減少分を補える。
[5−2.効果]
第5実施形態では、第1実施形態の効果(1)に加え、以下の効果を得ることができる。
これまでの走行において、運転開始タイミングt1を予測して運転停止タイミングt2でエンジン2を停止することにより、増減した停止時間に応じて、確率特性において、運転開始タイミングt1を予測するための経過時間を取得する運転開始確率が設定される。
このように、車外の周囲環境の情報を十分に得られない場合であっても、これまでの走行におけるエンジン停止時間の実績に基づいて運転開始確率を設定できる。
[6.第6実施形態]
[6−1.第1実施形態との相違点]
第6実施形態の内燃機関制御システムの構成は、第1実施形態の内燃機関制御システムと実質的に同じであるが、内燃機関制御処理の内容が第1実施形態と異なる。第1実施形態と同じ構成部分については同一符号を用いる。第1実施形態と同一符号については、先行する説明を参照する。
第6実施形態では、車両の速度パターンから運転開始タイミングt1を予測する。具体的には、図14に示すように、車両が赤信号のために信号機の手前で停止する場合、同じ車速から減速しても、速度パターン250と速度パターン252とでは、速度パターン250の方が減速の開始タイミングが早く減速率が大きい。
これは、速度パターン250による停止は、速度パターン252による停止よりも信号機に近い位置で信号が赤に変わったためだと考えられる。この場合、信号が赤に変わってから車両が停止するまでの時間は、速度パターン250の方が速度パターン252よりも短い。
したがって、車両が停止してから、信号が赤から青に変わりエンジン2が主目的の走行用運転を開始するまでの時間は速度パターン250の方が速度パターン252よりも長くなると予測できる。
したがって、HV−ECU30は、速度パターン250、252に基づいて、信号が赤から青に変わる信号タイミングを予測できる。そして、HV−ECU30は、信号タイミングから、エンジン2が主目的の走行用運転を開始する運転開始タイミングt1を予測できる。
また、図15に示すように、車両が信号が赤のために減速を開始するときの車速が速度パターン260では60km/h、速度パターン252では40km/hの場合、車両は異なる道路を走行していると考えられる。そして、速度パターン260の道路の方が速度パターン262の道路よりも制限速度が速いと考えられる。例えば、速度パターン260の道路は幹線道路であり、速度パターン252の道路は幹線道路と交差する道路であると考えられる。
通常、幹線道路の方が幹線道路と交差する道路よりも信号が赤になっている時間は短い。したがって、車両が停止してから、信号が赤から青に変わりエンジン2が主目的の走行用運転を開始するまでの時間は、速度パターン250の方が速度パターン262よりも短いと予測できる。したがって、HV−ECU30は、速度パターン260、262に基づいて、エンジン2が主目的の走行用運転を開始する運転開始タイミングt1を予測できる。
[6−2.効果]
第6実施形態では、第1実施形態の効果(1)に加え、以下の効果を得ることができる。
ナビゲーション装置50から車両の現在位置を取得できず車両が走行している道路が分からなかったり、信号機から信号の色が変わるタイミングを通信により取得できないときに、車両の速度パターンに基づいて運転開始タイミングt1を予測できる。
[7.他の実施形態]
(1)上記実施形態では、車両に搭載されたエンジン2が主目的の走行用運転を停止し、走行用運転ではない他の目的で運転しているときに、エンジン2が主目的の走行用運転を開始する運転開始タイミングを予測した。車両以外にも、例えば船舶、列車、発電用に使用される内燃機関において、内燃機関が主目的の運転を停止し、主目的ではない他の目的で運転しているときに、内燃機関が主目的の運転を開始する運転開始タイミングを予測してもよい。
(2)上記実施形態で説明したハイブリッド車両以外に、アイドルストップを実行する車両において、アイドルストップ中に、内燃機関が主目的の走行用運転を停止し、主目的の走行用運転ではない他の目的で運転しているときに、内燃機関が主目的の走行用運転を開始する運転開始タイミングt1を予測してもよい。
(3)第1実施形態で説明した冷却水温の低下特性と上昇特性とが交差するタイミングを運転停止タイミングに設定する処理と、第2実施形態で説明した現在の冷却水温が冷却水音の低下特性上に達するタイミングを運転停止タイミングに設定する処理とを併用してもよい。この場合、併用する運転停止タイミングの設定処理において、設定されたタイミングの早いほうを運転停止タイミングにすることが望ましい。
(4)上記実施形態における一つの構成要素が有する複数の機能を複数の構成要素によって実現したり、一つの構成要素が有する一つの機能を複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を一つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される一つの機能を一つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。尚、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(5)上述した内燃機関制御装置の他、当該内燃機関制御装置を構成要素とする内燃機関制御システム、当該内燃機関制御装置としてコンピュータを機能させるための内燃機関制御プログラム、この内燃機関制御プログラムを記録した記録媒体、内燃機関制御方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
2:エンジン(内燃機関)、30:HV−ECU(内燃機関制御装置)、70:エンジンECU(制御部)

Claims (7)

  1. 内燃機関制御装置(30)であって、
    内燃機関(2)が主目的の運転を停止しているときに、前記主目的ではない他の目的で前記内燃機関を運転するか停止するかを判定するためのパラメータを取得するパラメータ取得部(S408、S448)と、
    前記内燃機関が主目的の運転を停止しているときに、前記パラメータ取得部が取得する前記パラメータが第1の閾値以下になるか、あるいは前記パラメータが前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上になると、前記内燃機関を前記他の目的で運転し、前記パラメータが前記第1の閾値以下になると前記内燃機関を前記他の目的で運転する場合は前記パラメータが前記第2の閾値以上になると前記内燃機関を停止し、前記パラメータが前記第2の閾値以上になると前記内燃機関を前記他の目的で運転する場合は前記パラメータが前記第1の閾値以下になると前記内燃機関を停止するように、前記内燃機関を制御する制御部(70)に指令するように構成された第1の指令部(S402、S442)と、
    前記内燃機関が前記主目的の運転を停止しているときに、前記内燃機関に前記主目的の運転を開始させる第1のタイミングを予測するように構成された開始タイミング予測部(S404、S420〜S424、S444)と、
    前記他の目的で運転している前記内燃機関が停止すると、前記パラメータが低下して前記開始タイミング予測部が予測する前記第1のタイミングで前記パラメータが前記第1の閾値に達するか、あるいは、前記パラメータが上昇して前記第1のタイミングで前記パラメータが前記第2の閾値に達するように、前記内燃機関を停止する第2のタイミングを設定するように構成された停止タイミング設定部(S412、S450)と、
    前記停止タイミング設定部が設定する前記第2のタイミングで前記内燃機関を停止するように前記制御部に指令するように構成された第2の指令部(S416、S418、S452、S454)と、
    を備える内燃機関制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関制御装置であって、
    前記他の目的で運転している前記内燃機関が停止すると前記パラメータが低下する場合、前記第1のタイミングで前記第1の閾値に達する前記パラメータの低下特性を取得し、前記他の目的で運転している前記内燃機関が停止すると前記パラメータが上昇する場合、前記第1のタイミングで前記第2の閾値に達する前記パラメータの上昇特性を取得するように構成された特性取得部(S446)をさらに備え、
    前記停止タイミング設定部(S450)は、前記他の目的で前記内燃機関が運転しているときに、前記パラメータ取得部が取得する前記パラメータが前記低下特性上または前記上昇特性上に達するタイミングを前記第2のタイミングとして設定するように構成されている、
    内燃機関制御装置。
  3. 請求項1に記載の内燃機関制御装置であって、
    前記他の目的で運転している前記内燃機関が停止すると前記パラメータが低下する場合、前記第1のタイミングで前記第1の閾値に達する前記パラメータの第1の低下特性を取得し、前記他の目的で運転している前記内燃機関が停止すると前記パラメータが上昇する場合、前記第1のタイミングで前記第2の閾値に達する前記パラメータの第1の上昇特性を取得し、前記他の目的で前記内燃機関が運転すると前記パラメータが上昇する場合、前記パラメータの第2の上昇特性を取得し、前記他の目的で前記内燃機関が運転すると前記パラメータが低下する場合、前記パラメータの第2の低下特性を取得するように構成された特性取得部(S406、S410)をさらに備え、
    前記停止タイミング設定部(S412)は、前記第1の低下特性と前記第2の上昇特性とが交差するタイミング、あるいは前記第1の上昇特性と前記第2の低下特性とが交差するタイミングを前記第2のタイミングとして設定するように構成されている、
    内燃機関制御装置。
  4. 請求項2または3に記載の内燃機関制御装置であって、
    前記第2の指令部(S416、S452)は、前記第2のタイミングと前記第1のタイミングとの時間差が所定時間未満の場合、前記制御部に前記第2のタイミングで前記内燃機関を停止するように指令しないように構成されている、
    内燃機関制御装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関制御装置であって、
    前記開始タイミング予測部は、前記内燃機関が前記主目的の運転を停止してからの経過時間と、前記経過時間で前記内燃機関が前記主目的の運転を開始する回数との運転開始特性を前記経過時間の最大値まで積分し、前記最大値までの積分に対するそれぞれの前記経過時間までの部分積分の比を運転開始確率とし、前記運転開始確率が所定の確率になるときの前記経過時間に基づいて前記第1のタイミングを予測するように構成されている、
    内燃機関制御装置。
  6. 請求項5に記載の内燃機関制御装置であって、
    前記開始タイミング予測部は、前記経過時間と前記運転開始確率の確率特性に基づいて、前記所定の確率を設定するように構成されている、
    内燃機関制御装置。
  7. 請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関制御装置であって、
    前記内燃機関は車両に搭載されており、
    前記開始タイミング予測部は、前記車両が信号機の信号が赤のために停止を開始するときの車速と、前記車両が減速してから停止するまでの時間との少なくとも一方に基づいて、前記信号が赤から青に切り替わる信号タイミングを予測し、前記信号タイミングに基づいて前記第1のタイミングを予測するように構成されている、
    内燃機関制御装置。
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