(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態に係る電動アシスト自転車およびモータ駆動ユニットについて図面に基づき説明する。なお、以下の説明における左右方向および前後方向とは、進行方向に向って当該電動アシスト自転車1に搭乗した状態での方向を言う。また、この発明の構成が以下で述べる構成に限定されるものではない。
図1、図2における1は本発明の実施の形態に係る電動アシスト自転車である。図1、図2などに示すように、この電動アシスト自転車1は、ヘッドパイプ2a、前フォーク2b、メインパイプ2c、立パイプ2d、チェーンステー2e、シートステー2fなどからなる金属製のフレーム2と、前フォーク2bの下端に回転自在に取り付けられた前輪3と、チェーンステー2eの後端に回転自在に取り付けられた後輪4と、前輪3の向きを変更するハンドル5と、搭乗者が着座するサドル6と、踏力からなる人力駆動力がかけられるクランク7およびペダル8と、補助駆動力(アシスト力)を発生させる駆動源としての電動のモータ21(図4など参照)およびこのモータ21を含めた各種の電気的制御を行う制御部24(図4参照)などが設けられたモータ駆動ユニット20と、モータ21に駆動用の電力を供給する二次電池からなるバッテリ12と、クランク軸7aと同軸心で一体的に回転するように取り付けられ、人力駆動力および補助駆動力が合わされた合力を出力する駆動力出力輪体(この実施の形態では合力出力輪体でもある)としての駆動スプロケット(前スプロケット、クランクスプロケットや前ギヤとも称せられる)13と、後輪4のハブ(後ハブとも称する)9に取り付けられた後部輪体としての後スプロケット(後ギヤとも称せられることがある)14と、駆動スプロケット13と後スプロケット14とにわたって回転可能な状態で無端状に巻回された無端状駆動力伝達体としてのチェーン15と、チェーン15などを側方から覆うチェーンカバー17と、前照灯18などを備えている。
なお、クランク7は、左右にそれぞれ設けられるクランクアーム7bと、左右のクランクアーム7b同士を連結するクランク軸7aとからなり、クランクアーム7bの端部にペダル8が回転自在に取り付けられている。また、バッテリ12は蓄電器の一例であり、二次電池が好適であるが、これに限るものではなく、蓄電器の他の例としてはキャパシタなどであってもよい。
図1、図2に示すように、この電動アシスト自転車1ではモータ駆動ユニット20が、クランク軸7aの近傍箇所など、前輪3と後輪4との間の中間位置(より詳しくは中間位置の下部)に配置されている。そして、このような配置構成にすることで、重量が比較的大きいモータ駆動ユニット20が、電動アシスト自転車1の前後方向中央に配置されるため、前輪3や後輪4を持ち上げ易くて、走行路に段差があっても容易に乗り越えることができるなど、電動アシスト自転車1の車体(フレーム2など)の取り回しがよく、走行安定性も良好とされている。
図3に示すように、ハンドル5の左右両端部に取り付けられたグリップの下方には、左右のブレーキレバー90A、90Bが回動自在に枢支された状態で取り付けられている。一方(例えば右側)のブレーキレバー90Aには、ブレーキワイヤ91Aを介して、前輪3に対して機械的に制動力を与える前部ブレーキ装置92が物理的に連動するように連結されている。他方(例えば左側)のブレーキレバー90Bには、ブレーキワイヤ91Bを介して、後輪4に対して機械的に制動力を与える後部ブレーキ装置93が物理的に連動するように連結されている。
さらに、この電動自転車では、ブレーキ操作時にモータ21を発電機として作動させることによりモータ21による回生電力を発生させてバッテリ12を充電する回生動作を実行可能に構成しており、図示しないが、制御部24の一部に、モータ21を回生動作させて回生する回生制御部が設けられている。また、モータ21を回生動作させることによって、当該電動アシスト自転車1を制動させる作用も有する。ハンドル5の一部には、搭乗者などが操作可能で、当該電動アシスト自転車1の電源の切り替えや走行モードに加えて、補助駆動力の追加動作(いわゆるアシスト動作)を電気的にON・OFFするスイッチボタン(図示せず)などが設けられている手元設定操作部94が取り付けられている。
また、各ブレーキレバー90A、90Bの取付箇所には、各ブレーキレバー90A、90Bの操作状態を検知するブレーキスイッチ95A、95Bが配設され、これらのブレーキスイッチ95A、95Bによりブレーキレバー90A、90Bの操作状態を検知しながら、制御部24(詳しくは、制御部24の回生制御部)により回生発電機能(回生電力による充電機能や給電機能)を適切に働かせるように制御されている。
本実施の形態の電動アシスト自転車1では、後輪4が接地面から受ける回生用の受動回転力が、ハブ(後ハブ)9および後スプロケット14を介してチェーン15に伝達されるように構成されている。そして、後述するように、この実施の形態では、前記受動回転力がモータ駆動ユニット20の駆動スプロケット13を介してモータ21に伝達可能とされてこのモータ21が回転される。そして、このような状況(受動走行時と称す)下で、例えば、少なくとも一方のブレーキレバー90A、90Bが操作されてこの状態がブレーキスイッチ94A、94Bで検知された際などに、回生動作を実行するように制御部24により制御される(回生制御する方法の1例)。したがって、この際にはモータ21の回転を利用して回生動作が実行されてバッテリ12が充電される。なお、モータ21の回転を利用して前照灯18に給電するよう構成してもよい。
なお、ペダル8が踏み込まれていない状態では、チェーン15および駆動スプロケット13は後輪4の回転に伴って駆動(移動)されるが、後述するように、駆動スプロケット13とクランク軸7aとの間に補助駆動力切断用の一方向クラッチ30(図4、図5参照)が設けられているので、クランク軸7aやクランクアーム7b、ペダル8は回転しない。つまり、この補助駆動力切断用の一方向クラッチ30は、ペダル8が踏み込まれていない状態で、モータ21がまだ停止していないときなどに、モータ21からの補助駆動力がペダル8に伝達されないように機能するが、ペダル8が踏み込まれていない状態で、後輪4側からの受動回転力がチェーン15や駆動スプロケット13に伝達されても、この受動回転力がクランク軸7aやペダル8などに伝達されないようにも機能する。
次に、図4、図5などを用いて、モータ駆動ユニット20について説明する。図4はモータ駆動ユニット20の平面横断面図、図5はモータ駆動ユニット20の要部拡大平面断面図である。
図4、図5に示すように、モータ駆動ユニット20は、右側ケース22a、中央ケース22b、左側ケース22cからなるユニットケース22により外殻部などが構成され、モータ駆動ユニット20の前部(なお、後部や上部、下部などでもよい)をクランク軸7aが左右に貫通している。また、図2、図4に示すように、ユニットケース22の一部に、このモータ駆動ユニット20を当該電動アシスト自転車1における前輪3と後輪4との間の中間箇所(この実施の形態では、メインパイプ2cの後端部と立パイプ2dの下端部とチェーンステー2eの前端部との接合箇所)に取り付ける取付部22dが形成されている。また、図4、図5に示すように、クランク軸7aの外周に、クランク軸7aからの人力駆動力が伝達される略筒状の人力伝達体28と、人力伝達体28からの人力駆動力が伝達される連動筒体23と、連動筒体23からの人力駆動力が一方向クラッチ(補助駆動力切断用の一方向クラッチ)30などを介して伝達されるとともに、人力駆動力とモータ21からの補助駆動力とを合成した合力を駆動スプロケット13に伝達する合力伝達体29と、が配設されている。駆動スプロケット13は、モータ駆動ユニット20の外部に露出した状態で、合力伝達体29に取り付けられている。
また、ユニットケース22の前側右寄り箇所から前後方向中央部などにかけて、複数対の減速用歯車36〜39などを有する減速機構25が配設されている。また、ユニットケース22内の後部左側にモータ21が配設され、ユニットケース22内の後部右側に、各種の電気的制御を行う電子部品が設けられた制御基板24aや各種情報の記憶部などを有する制御部24が配設されている。
モータ駆動ユニット20についてさらに詳しく述べると、図4、図5に示すように、クランク軸7aが、モータ駆動ユニット20の前部を左右に貫通した状態で軸受26、27により回転自在に配設され、このクランク軸7aにおける左側寄り部分の外周に、セレーション部(またはスプライン部)7cを介して、筒状の人力伝達体28が一体的に回転する状態で嵌め込まれて、人力駆動力(回転力)が伝達される。なお、人力伝達体28の内周におけるクランク軸7aのセレーション部(またはスプライン部)7cに対応する箇所にもセレーション部(またはスプライン部)28bが形成されてクランク軸7aのセレーション部(またはスプライン部)7cと噛み合っており、これにより人力駆動力(回転力)が伝達される。
人力伝達体28の外周表面には、磁気異方性を付与した磁歪発生部31bが形成されているとともに、その外周に一定の隙間(空間)を介してコイル31aが配設され、これらの磁歪発生部31bおよびコイル31aにより磁歪式のトルクセンサ(人力検知部)31が構成されている。これにより、クランク軸7aからの人力駆動力が人力伝達体28に伝達されるとともに、トルクセンサ31により人力駆動力に対応するトルクが検出される。
連動筒体23は、クランク軸7aの外周における人力伝達体28の右側に隣接した箇所で、クランク軸7aに対して回転自在の状態で配設されているが、人力伝達体28の右端部外周に形成されたセレーション部(またはスプライン部)28aと、連動筒体23の左端部内周に形成されたセレーション部(またはスプライン部)23aとで嵌合されて、人力伝達体28と一体的に回転する。
また、この実施の形態では、連動筒体23の左側部分の外周に、連動筒体23の回転状態を検出するための回転検出体11が取り付けられている。また、回転検出体11を左右から微小隙間をあけて挟むように、回転検出器10がユニットケース22側に取り付けられて固定されている。例えば、回転検出器10は、出射部と受光部とからなる対となった光センサが回転検出体11の回転方向に2つ並べられて構成され、回転検出体11は、くし(櫛)歯状に外周方向に延びる多数の歯部(遮光部)を有している。そして、回転検出体11の歯部が回転検出器10の出射部と受光部との間を通過することにより、光の入射状態と遮光状態とを回転検出器10により電気的に検知して、この信号を入力する制御部24において、連動筒体23の回転量および回転方向を検知する。なお、光センサに代えて磁気センサを設けて連動筒体23の回転量および回転方向を検知してもよい。ここで、連動筒体23は人力伝達体28と一体的に回転し、人力伝達体28はクランク軸7aと一体的に回転するため、連動筒体23の回転量および回転方向を検知することで、クランク軸7aやペダル8の回転量や回転方向も検知できるよう構成されている。
そして、ペダル8を漕いで前進している場合には、踏力による人力駆動力がクランク軸7aから人力伝達体28および連動筒体23に伝達されるとともに、この連動筒体23に伝達された人力駆動力が一方向クラッチ(補助駆動力切断用の一方向クラッチ)30を介して合力伝達体29に伝達されるように構成されている。一方、ペダル8を漕ぐことを止めた直後などにモータ21がまだ回転している場合に、このモータ21の回転(補助駆動力)が一方向クラッチ30で切断されてペダル8に伝達されないよう構成されている。また、この実施の形態では、合力伝達体29がクランク軸7との間に設けられた回転支持材29a、29bによってもクランク軸7に対して回転自在に支持されている。
図4に示すように、モータ21は、左側ケース22aに固定されているステータ部21cと、ロータ部21bと、モータ回転軸21aとを有しており、回転軸21aおよびロータ部21bがモータ軸受32、33により回転自在に支持されている。モータ21のモータ回転軸21aが右側方に突出され、この突出している軸部分の外周に減速機構25のモータ軸減速歯車40が形成されている。
図4、図5に示すように、減速機構25は、合力伝達体29に一体形成された大径の減速歯車36と、クランク軸7aとモータ回転軸21aとの間でクランク軸7aに平行に設けられた中間軸44と、中間軸44に取り付けられた大径の第1の中間軸減速歯車37および小径の第2の中間軸減速歯車38と、人力駆動力切断用の一方向クラッチ47などから構成されている。
人力駆動力切断用の一方向クラッチ47は、中間軸44の外周と第1の減速歯車37の内周との間に配設されており、ペダル8からの人力駆動力を切断するためのものである。すなわち、この一方向クラッチ47により、モータ21が駆動されずに補助駆動力が発生していない場合には、ペダル8からの人力駆動力が、人力駆動力切断用の一方向クラッチ47により切断されて、モータ21のロータ部21bを回転させなくても済むように構成されている。一方、モータ21が駆動されて回転している場合には、中間軸44と第1の減速歯車37とが一方向クラッチ47を介して接続され、第1および第2の中間軸減速歯車37、38は中間軸44とともに一体的に回転する。
そして、モータ21の回転軸21aに形成された小径のモータ軸減速歯車40が大径の第1の中間軸減速歯車37に噛み合っているため、モータ21が回転されて補助駆動力が出力される場合に、モータ21の回転が減速され、モータ21からの補助駆動力のトルクが増幅されて中間軸44側に伝達される。また、小径の第2の中間軸減速歯車38は、合力伝達体29に一体形成された大径の減速歯車36に噛み合っているため、中間軸44に伝達された補助駆動力のトルクがさらに増幅されて減速歯車36に伝達される。そして、減速歯車36が一体形成されている合力伝達体29において、人力駆動力とモータ21からの補助駆動力とが合成されて、駆動スプロケット13から出力される。
しかしながら、上記構成のみでは、人力駆動力切断用の一方向クラッチ47が設けられているため、ペダル8が回転されていないとともにモータ21も回転していない(すなわち、人力駆動力も補助駆動力も発生していない)惰性走行時などの駆動力非発生時に、後輪4が接地面から受ける受動回転力が、人力駆動力切断用の一方向クラッチ47で切断されて伝達されないため、モータ21を回転させて回生動作を行わせることができなくなる。
つまり、惰性走行時などの駆動力非発生時には、後輪4が接地面から受ける受動回転力が、チェーン15および駆動スプロケット13を介して合力伝達体29に伝達され、さらに、減速歯車36を介して中間軸44の第2の中間軸減速歯車38に伝達されるが、この後、中間軸44と第1の中間軸減速歯車37との間に介装されている人力駆動力切断用の一方向クラッチ47で切断されて、第1の中間軸減速歯車37や、モータ軸減速歯車40に伝達されない。したがって、モータ21を回転させて回生動作を行わせることもできない。
このような課題に対処すべく、本発明の実施の形態では、上記構成に加えて、駆動力出力輪体としての駆動スプロケット13に伝達された受動回転力をモータ21に伝達する受動回転力伝達経路に、伝達状態と非伝達状態とに切り替える回転力伝達切替手段が設けられている。
この実施の形態では、駆動スプロケット13に受動回転力が伝達されると、この受動回転力は、受動回転力伝達経路である、合力伝達体29、減速歯車36、第2の中間軸減速歯車38、中間軸44、第1の中間軸減速歯車37、モータ軸減速歯車40を介して(すなわち、この実施の形態では、合力伝達体29と減速機構25を介して)モータ21に伝達される。また、図6に示すように、この実施の形態では、第1の中間軸減速歯車37の内周側に筒状体41が第1の中間軸減速歯車37と一体的に回転するように嵌め込まれており、この筒状体41と中間軸44との間に、人力駆動力切断用の一方向クラッチ47が設けられている。さらに、筒状体41と中間軸44との間に、回転力を伝達する係合部材(係合用爪)52を有する一方向クラッチからなる受動回転力伝達クラッチ50が設けられているとともに、受動回転力伝達クラッチ50の係合部材52の姿勢を切り替える(この実施の形態では外部から切り替える)クラッチ切替体54が、中間軸44と同軸心で移動自在に設けられている。なお、この実施の形態では、第1の中間軸減速歯車37と筒状体41とが別体であるが、第1の中間軸減速歯車37と筒状体41とを一体形成してもよい。
上記構成に加えて、図7に示すように、モータ駆動ユニット20には、クラッチ切替体54を中間軸44の軸心方向に沿って移動させる切替移動体55と、切替移動体55を移動させる切替体移動機構の1例である電動移動機構60とが設けられている。すなわち、この実施の形態では、中間軸44の外周箇所に設けられた受動回転力伝達クラッチ50と、クラッチ切替体54と、切替移動体55と、電動移動機構60とにより回転力伝達切替手段が構成されている。
図4、図6〜図8などに示すように、受動回転力伝達クラッチ50は、人力駆動力切断用の一方向クラッチ47に隣接する箇所で中間軸44の外周に組み付けられて、中間軸44と一体的に回転するクラッチ基体51と、クラッチ基体51から径方向に起立傾倒自在なラチェット爪(係合爪)からなる複数の係合部材52と、係合部材52が起立するように径方向外側へ付勢する円環状のスプリングからなる付勢ばね53とを有している。
図6〜図8などに示すように、第1の中間軸減速歯車37の内周に組み付けられている筒状体41はその右側部分が右側方に突出されるとともに内周に歯部41aが形成され、このうち歯部41aは、受動回転力伝達クラッチ50の係合部材52に臨んで係脱自在とされている。そして、図6〜図8は、係合部材52が傾倒姿勢に切り替えられた場合を示しているが、この際には、係合部材52は筒状体41の歯部41aから離脱する。一方、図11、図12に示すように、係合部材52が起立姿勢に切り替えられた場合には、係合部材52は筒状体41の歯部41aに係合するようになっている。なお、受動回転力伝達クラッチ50の係合部材52はクラッチ切替体54にも係脱自在である。また、受動回転力伝達クラッチ50は、人力駆動力切断用の一方向クラッチ47とは逆方向で、中間軸44と筒状体41(第1の中間軸減速歯車37)とを接続、切断状態とする。
図9に示すように、クラッチ切替体54は、概略的には円環状の部材であり、クラッチ基体51の外周面に摺接し、かつ中間軸44の軸心方向に移動自在(スライド自在)の状態で外嵌されている。そして、クラッチ切替体54の外周に、切替移動体55の切替体移動部55aが組付けられている。なお、図9、図10に示すように、切替移動体55の切替体移動部55aと、これに対向するクラッチ切替体54の外周部とには、互いに噛み合う凹凸部55e、54cが形成され、これにより、クラッチ切替体54が周方向に回転しないように規制されている。
図6などに示すように、クラッチ切替体54の左側部内周には、端面に近づくほど径方向外側へ傾斜しながら拡がる傾斜面54aが形成されている。この傾斜面54aは、クラッチ切替体54が中間軸44の軸心方向に沿って左方向に移動されることで受動回転力伝達クラッチ50の係合部材52に右側方から当接してこの係合部材52を傾倒させる。
なお、図6、図9に示すように、この実施の形態では、クラッチ切替体54の傾斜面54aの一部を外周側楕円円弧形状に窪ませるように、側面視して周方向所定角度(この実施の形態では90度)毎に複数(この実施の形態では4つ)のカム面54bも形成されている。このクラッチ切替体54のカム面54bは、当該電動アシスト自転車1が走行中であり、中間軸44が回転する際に、係合部材52が嵌り込んで徐々に内径側に押圧することで、係合部材52がより傾倒姿勢に導かれ易いように案内している(傾倒姿勢に導くように荷重を与えている)。なお、カム面54bは、必要に応じて設ければよい。
図7に示すように、切替移動体55は、クラッチ切替体54に嵌合する切替体移動部55aと、この切替体移動部55aを支持する移動用フォーク部55bと、ガイドロッド部55cと、ガイドロッド部55cから突出する切替用突部55dなどを有する。そして、
ニットケース22内に一体形成された支持部58A、58Bに、ガイドロッド部55cの両端部が出退自在に嵌合され、切替移動体55を所定方向(中間軸44の軸心などと平行な方向(この実施の形態では左右方向))に移動自在に支持している。なお、59は、切替移動体55を左側に付勢する付勢ばねである。
電動変速機構60は、切替移動体55を電動で移動させる機構である。図7に示すように、電動変速機構60は、2分割可能なケース部61と、基板68上に載せられた小型の切替用モータ62と、この切替用モータ62などに接続されたコネクタ63と、切替用モータ62の回転を減速して伝達する減速歯車64A〜64E(但し、64Cはウォームホイールである)と、減速歯車64Eにその円弧状歯部65aで噛み合うとともに、切替移動体55に左側から係合する駆動体65などを有する。駆動体65にはアーム部65bが設けられ、この駆動体65のアーム部65bが、切替移動体55の切替用突部55dに左側から当接可能とされている。
そして、切替用モータ62が駆動されることで、減速歯車64A〜64Eを介して減速されながら(つまり、駆動用トルクを増加させながら)、駆動体65のアーム部65bが駆動され、これにより、切替移動体55を駆動可能とされている。また、駆動体65には扇形状の磁石66が貼り付けられているとともに、駆動体65の位置を検出する位置検出センサ67が基板68に取り付けられている。そして、この位置検出センサ68により、駆動体65の位置を検出可能とされている。
また、電動変速機構60の切替用モータ62や位置検出センサ67は、コネクタ63に接続された配線を介して制御部24に接続されている。そして、制御部24は、条件に応じて切替用モータ62を駆動して切替移動体55やクラッチ切替体54を移動させ、後述するように、受動回転力伝達クラッチ50の係合部材52が筒状体41に係合可能な作動可能状態(伝達可能状態)と、受動回転力伝達クラッチ50の係合部材52が筒状体41から離反する非作動状態(非伝達状態)とに切り替えられるように構成されている。
なお、図示しないが、バッテリ12が設けられている箇所には、バッテリ12の電圧などを検知するセンサが設けられているとともに、この電圧情報などが制御部に送られるようになっている。そして、例えば、バッテリ12の電圧が低下してバッテリ切れとなりそうな場合には、制御部24により、受動回転力伝達クラッチ50を非作動状態に切り替えるようになっている。
上記構成によれば、モータ21を備えたモータ駆動ユニット20が前輪3と後輪4との間の中間位置に配置されているので、モータ21が後輪4(または前輪3)のハブに内蔵されているものと比較して、後輪4(または前輪3)を持ち上げ易くて、走行路に段差があっても容易に乗り越えることができるなど、車体(フレーム2など)の取り回しがよく、走行安定性も良好である。
上記構成において、補助駆動力を加えて走行するいわゆるアシスト走行時や、車速が所定速度(例えば、時速24km)を越えて補助駆動力が加えられなくなった非アシスト領域に達した際には、図7に示すように、電動変速機構60の駆動体65の先端部が左側位置とされ、これに伴って、図6、図7に示すように、切替移動体55や移動用フォーク56とともにクラッチ切替体54も左側位置(位置A)とされる。これにより、図8に示すように、クラッチ切替体54により受動回転力伝達クラッチ50の係合部材52が傾倒姿勢とされ、係合部材52は、図4、図6、図7に示すように、第1の中間軸減速歯車37の内周に組み付けられている筒状体41から離反している(受動回転力伝達クラッチ50の非作動状態(非伝達状態))。
したがって、第1の中間軸減速歯車37の筒状体41と中間軸44とが直結状態とならず、アシスト走行時には、モータ21の補助駆動力が減速機構25を介して減速されてトルクを増加させた状態で合力伝達体29に伝達される。そして、ペダル8からクランク軸7a、人力伝達体28、連動筒体23および補助駆動力切断用の一方向クラッチ30を介して伝達された人力駆動力が、合力伝達体29で補助駆動力と合成され、合力が駆動スプロケット13から出力されて、チェーン15を介して後輪4に伝達される。これにより、補助駆動力が加えられた状態で後輪4が回転され、上り坂等でも楽に走行できる。
また、搭乗者がペダル8を回転し続けて、アシスト走行状態から、車速が所定速度(例えば、時速24km)を越えて非アシスト領域に達した際(いわゆる高速走行時)でも、受動回転力伝達クラッチ50は非作動状態に維持され、これにより、人力駆動力切断用の一方向クラッチ47が作動可能な状態となる。一方で、車速が非アシスト領域であるため、モータ21は停止されている(あるいは停止状態に近い低回転状態となっている)。この際は、合力伝達体29に伝達された人力駆動力が、合力伝達体29に一体形成されている減速歯車36を介して中間軸44に伝達されるが、モータ21とともに第1の中間軸減速歯車37が停止(あるいは停止状態に近い低回転状態となっている)ため、人力駆動力切断用の一方向クラッチ47により人力駆動力がモータ21に伝達されなくなる。
これにより、モータ21の引きずり抵抗に起因してペダル8を回す回転トルクが重くなることがなくなり、搭乗者のペダル8を回す負担を軽減できるとともに、モータ21による回転トルクの変動がペダル8に伝わることが防止されて搭乗者は違和感なく、良好な乗り心地を感じることができる。
また、バッテリ12の電圧が低下してバッテリ切れとなりそうな場合には、上記の高速走行時などと同様に、制御部24により受動回転力伝達クラッチ50が非作動状態とされる。これにより、バッテリ12の電圧が低下してバッテリ切れとなり、モータ21が駆動されなくなった際にも、人力駆動力切断用の一方向クラッチ47により人力駆動力がモータ21に伝達されなくなる。これにより、バッテリ切れとなった場合も、モータ21の引きずり抵抗に起因してペダル8を回す回転トルクが重くなることがなくなり、搭乗者のペダル8を回す負担を軽減できるとともに、モータ21による回転トルクの変動がペダル8に伝わることが防止されて搭乗者は違和感なく、良好な乗り心地を感じることができる。
一方、例えば、走行中でのブレーキ操作時には、このブレーキ操作が制御部24で検知されて、制御部24により受動回転力伝達クラッチ50が作動可能状態とされる。つまり、図11、図12に示すように、電動変速機構60の駆動体65の先端部が右側位置(B位置)とされ、これに伴って、切替移動体55や移動用フォーク56とともにクラッチ切替体54も右側位置とされる。これにより、図13に示すように、クラッチ切替体54により受動回転力伝達クラッチ50の係合部材52が起立可能な姿勢とされ、係合部材52は、第1の中間軸減速歯車37の内周に組み付けられている筒状体41に係合可能とされている(受動回転力伝達クラッチ50の作動可能状態)。
したがって、ブレーキ操作時に、後輪4が受動回転力を受けて、後輪4からチェーン15を介して駆動力出力輪体としての駆動スプロケット13に受動回転力が伝達されると、この受動回転力が受動回転力伝達経路である合力伝達体29、減速歯車36、第2の中間軸減速歯車38を介して中間軸44に伝達される。ここで、受動回転力伝達クラッチ50が作動可能状態であるため、受動回転力伝達クラッチ50の係合部材52が第1の中間軸減速歯車37の筒状体41に係合し、受動回転力が第1の中間軸減速歯車37からモータ軸減速歯車40を介してモータ回転軸21aに伝達され、モータ21(モータ21のロータ部21bなど)が回転される。すなわち、この実施の形態では、駆動スプロケット13からモータ21への受動回転力伝達経路である合力伝達体29、減速歯車36、第2の中間軸減速歯車38、中間軸44、第1の中間軸減速歯車37、モータ軸減速歯車40がモータ駆動ユニット20に設けられており、受動回転力伝達クラッチ50が作動可能状態とされて、係合部材52が第1の中間軸減速歯車37の筒状体41に係合することにより、前記受動回転力伝達経路が伝達状態とされ、受動回転力が前記受動回転力伝達経路を介してモータ21に伝達される。そして、モータ21を発電機として作動させることによりモータ21による回生電力を発生させて(回生動作を実行して)バッテリ12を充電する(あるいは前照灯18などの電気機器に給電する)ことができる。
このように、受動回転力伝達経路を伝達状態と非伝達状態とに切り替える回転力伝達切替手段(受動回転力伝達クラッチ50)を設けることにより、受動回転力をモータ21に伝達することができるため、回生電力を発生させて回生電力を発生させてバッテリ12を充電したり前照灯18などの電気機器に給電したりすることができる。
なお、回生動作はブレーキ時だけでなく、他の状態でも行わせるように構成してもよく、例えば、惰性走行時に回生動作を行わせるべく、走行しているにもかかわらず、ペダル8が回されておらず、クランク軸7aが回転されていない際に、受動回転力伝達経路を伝達状態として(受動回転力伝達クラッチ50を作動可能状態として)、モータ21を発電機として作動させてもよい。また、この場合に、例えば、ある程度高速走行の状態で惰性走行時に回生動作を行わせてもよい。
また、ハンドル5などに取り付けられている手元設定操作部94に、回生動作を指示するためスイッチボタンを設けて、この際に受動回転力伝達経路の伝達状態切替動作や回生動作を実行させるように構成してもよく、その他の状況や条件などを設定して受動回転力伝達経路の伝達状態切替動作や回生動作を実行させるようにしてもよい。
なお、このような回生動作を行わない場合(例えば、上記のように、アシスト走行時やいわゆる高速走行時)には、上記のように、受動回転力伝達クラッチ50を非作動状態として、受動回転力伝達経路を非伝達状態とする。
また、極めて高速で走行する惰性走行時には、受動回転力伝達経路を伝達状態として回生充電を行うと、モータ21の発電電圧が大きくなりすぎて、充電用の回路などを損傷するおそれがある。したがって、このような不具合を解消すべく、モータ21の回転数を検知する検知センサを設けて、回生時のモータ21の回転数が大きすぎる場合(所定の回転数を越えた場合)には、受動回転力伝達クラッチ50を非作動状態として、受動回転力伝達経路を非伝達状態としてもよい。これにより、充電用の回路などを保護することができる。
また、このように、回転力伝達切替手段の受動回転力伝達クラッチ50を、中間軸44の軸心と同軸心で設ける構成を採用することで、中間軸44の周りは、クランク軸7aの周りと比較して、設ける部品の数が少なくて空いているスペースもあるため、受動回転力伝達クラッチ50を設けてもモータ駆動ユニット20の幅を増加させなくても済み、モータ駆動ユニット20としての幅を比較的小さめに抑えることができる利点もある。
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、回転力伝達切替手段の受動回転力伝達クラッチ50および人力駆動力切断用の一方向クラッチ47を、クランク軸7aの軸心およびモータ21の軸心とは異なる軸心である中間軸44の軸心と同軸心で移動自在に設けられている場合を述べたが、これに限るものではない。例えば、図14〜図17に示すように、回転力伝達切替手段の受動回転力伝達クラッチ50人力駆動力切断用の一方向クラッチ47を、クランク軸7aと同軸心で移動自在に設けてもよい。
図14〜図17に示すように、この実施の形態では、合力伝達体29が減速歯車(クランク軸側減速歯車)36と分離されており、これらの合力伝達体29と減速歯車36との間に、受動回転力伝達クラッチ50と人力駆動力切断用の一方向クラッチ47とが設けられている。受動回転力伝達クラッチ50は、上記実施の形態と同様に、起立傾倒自在の係合部材52を有しており、係合部材52は、減速歯車36の筒状部36bに設けられた歯部36aに係脱自在とされている。また、受動回転力伝達クラッチ50の係合部材52の姿勢を切り替えるクラッチ切替体54が、クランク軸7aと同軸心で移動自在に設けられている。なお、この実施の形態では、クラッチ切替体54は、受動回転力伝達クラッチ50の外周および合力伝達体29の左端太径筒状部の外周で摺動自在に設けられている。また、中間軸44と第1の中間軸減速歯車37との間に人力駆動力切断用の一方向クラッチ47は設けられておらず、直結されている。
なお、図示しないが、クラッチ切替体54を移動させる移動用フォーク56などを有する切替移動体55や電動移動機構60も設けられており、これらの回転力伝達切替手段によりクラッチ切替体54が移動される。
この構成においても、アシスト走行時や、アシスト走行時に続く非アシスト状態の高速走行時やバッテリ切れ時には、上記実施の形態と同様に、受動回転力伝達クラッチ50を非作動状態として、受動回転力伝達経路を非伝達状態にする(図14、図15参照)。
また、アシスト走行時には、合力伝達体29と減速歯車36との間に設けられた人力駆動力切断用の一方向クラッチ47が接続状態とされ、クランク軸7aの外周に配設されている減速歯車36に伝達された補助駆動力が、人力駆動力切断用の一方向クラッチ47を介して合力伝達体29に伝達されて人力駆動力と合成され、合わされた合力が駆動スプロケット13から後輪4側に出力される。
また、アシスト走行時に続く非アシスト状態の高速走行時やバッテリ切れ時(すなわち、非アシスト走行時でかつ非回生走行時)には、合力伝達体29と減速歯車36との間に設けられた人力駆動力切断用の一方向クラッチ47が切断状態とされ、人力駆動力が、減速歯車36からモータ21側へ伝達されない。したがって、上記実施の形態と同様に、搭乗者のペダル8を回す負担を軽減できるとともに、モータ21による回転トルクの変動がペダル8に伝わることが防止されて搭乗者は違和感なく、良好な乗り心地を感じることができる。
また、回生動作時には、図16、図17に示すように、受動回転力伝達クラッチ50を作動状態として、受動回転力伝達経路を伝達状態にすることで、後輪4の受動回転力をモータ21に伝達することができて、回生動作を良好に行うことができる。
また、この実施の形態においても、モータ21の回転数を検知する検知センサを設けて、回生時のモータ21の回転数が大きすぎる場合(所定の回転数を越えた場合)には、受動回転力伝達クラッチ50を非作動状態として(受動回転力伝達経路を非伝達状態として)もよく、これにより、充電用の回路などを保護することができる。
また、この実施の形態では、非回生時でかつ、非アシスト走行時に、人力駆動力が、合力伝達体29と減速歯車36との間に設けられている人力駆動力切断用の一方向クラッチ47で切断されるので、上記第1の実施の形態と比較して、人力駆動力により減速歯車36や中間軸44を回転させなくても済み、その分、搭乗者の負荷をより軽減できる利点がある。
(第2の実施の形態の変形例)
なお、上記第2の実施の形態では、クラッチ切替体54が、直接に、受動回転力伝達クラッチ50の係合部材52に直接当接して姿勢を切り替えるように構成していたが、これに限るものではない。すなわち、図18、図19に示すように、受動回転力伝達クラッチ50の係合部材52に外周側から当接可能なピンまたはボールなどからなる当接部材48を減速歯車36の筒状部36bから内周側に出退自在に設けて、クラッチ切替体54が当接部材48に当接して、係合部材52を傾倒することにより、受動回転力伝達クラッチ50を作動可能状態から非作動状態に切替自在としている。
この構成によっても、図14〜図17に示す第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、このように、当接部材48を介して、受動回転力伝達クラッチ50の係合部材52を起立傾倒させる構成を、図4、図5などに示す第1の実施の形態のモータ駆動ユニット20や、後述する第3の実施の形態のモータ駆動ユニットに適用してもよい。
(第3の実施の形態)
また、図20〜図23に示すように、回転力伝達切替手段の受動回転力伝達クラッチ50および人力駆動力切断用の一方向クラッチ47を、モータ21におけるモータ回転軸21aとロータ部21bとの間に設けてもよい(第3の実施の形態)。すなわち、この第3の実施の形態では、回転力伝達切替手段の受動回転力伝達クラッチ50が、モータ回転軸21aと同軸心で設けられている。
図20〜図23に示すように、この実施の形態では、モータ21においてモータ回転軸21aとロータ部21bとが分離されており、これらのモータ回転軸21aとロータ部21bとの間に、受動回転力伝達クラッチ50と人力駆動力切断用の一方向クラッチ47とが設けられている。受動回転力伝達クラッチ50は、上記実施の形態と同様に、起立傾倒自在の係合部材52(図23参照)を有しており、受動回転力伝達クラッチ50の係合部材52の姿勢を切り替えるクラッチ切替体54が、モータ回転軸21aと同軸心で移動自在に設けられている。なお、この実施の形態では、クラッチ切替体54は、モータ回転軸21aの外周で摺動自在に設けられている。また、第2の実施の形態と同様に、中間軸44と第1の中間軸減速歯車37との間に人力駆動力切断用の一方向クラッチ47は設けられておらず、直結されている。
また、図示しないが、クラッチ切替体54を移動させる移動用フォーク56などを有する切替移動体55や電動移動機構60も設けられており、これらの回転力伝達切替手段によりクラッチ切替体54が移動される。
この構成においても、アシスト走行時や、アシスト走行時に続く非アシスト状態の高速走行時やバッテリ切れ時には、上記実施の形態と同様に、受動回転力伝達クラッチ50を非作動状態として、受動回転力伝達経路を非伝達状態にする(図20、図21参照)。
また、アシスト走行時には、モータ回転軸21aとロータ部21bとの間に設けられた人力駆動力切断用の一方向クラッチ47が接続状態とされ、ロータ部21bで発生する補助駆動力が、人力駆動力切断用の一方向クラッチ47を介してモータ回転軸21aから中間軸44や合力伝達体29に伝達されて人力駆動力と合成され、合わされた合力が駆動スプロケット13から後輪4側に出力される。
また、アシスト走行時に続く非アシスト状態の高速走行時やバッテリ切れ時(すなわち、非アシスト走行時でかつ非回生走行時)には、モータ回転軸21aとロータ部21bとの間に設けられた人力駆動力切断用の一方向クラッチ47が切断状態とされ、人力駆動力が、モータ21のロータ部21bへ伝達されない。したがって、上記実施の形態と同様に、搭乗者のペダル8を回す負担を軽減できるとともに、モータ21による回転トルクの変動がペダル8に伝わることが防止されて搭乗者は違和感なく、良好な乗り心地を感じることができる。
また、回生動作時には、図22、図23に示すように、受動回転力伝達クラッチ50を作動状態として、受動回転力伝達経路を伝達状態にすることで、後輪4の受動回転力をモータ21のロータ部21bに伝達することができて、回生動作を良好に行うことができる。
また、この実施の形態においても、モータ21の回転数を検知する検知センサを設けて、回生時のモータ21の回転数が大きすぎる場合(所定の回転数を越えた場合)には、受動回転力伝達クラッチ50を非作動状態として(受動回転力伝達経路を非伝達状態として)もよく、これにより、充電用の回路などを保護することができる。
また、回転力伝達切替手段の受動回転力伝達クラッチ50を、モータ回転軸21aと同軸心で設ける構成を採用することで、受動回転力伝達クラッチ50を設けてもモータ駆動ユニット20の幅を増加させなくても済み、モータ駆動ユニット20としての幅を比較的小さめに抑えることができる利点もある。つまり、上記第2の実施の形態のように、クランク軸7aの外周領域に受動回転力伝達クラッチ50を設けると、クランク軸7aの外周領域には、多くの部品が設けられるため、モータ駆動ユニット20としての幅を大きくせざるを得ないが、本実施の形態ではこのようなことがない。
(第4の実施の形態)
また、図24〜図29に示すように、クラッチ切替部80により中間軸44などの軸の中央側(軸心側)から切り替える構造としてもよい。この実施の形態のモータ駆動ユニット20では、図24、図25などに示すように、中間軸44と幅方向に長い第1の中間軸減速歯車37との間に、回転力伝達切替手段の受動回転力伝達クラッチ85および人力駆動力切断用の一方向クラッチ47が設けられている。また、クラッチ切替部80において電動移動機構60により移動されるクラッチ切替体81がロッド状(軸状)とされ、このクラッチ切替体81が中間軸44の中心部に形成された中空部44cに突入されているとともに、ユニットケース22の一部に形成された支持部22fにより、中間軸44と同じ軸心で軸心方向に沿って移動自在に配置されている。なお、クラッチ切替体81の一端部には、電動移動機構60の駆動体65のアーム部65bに当接するアダプタ81aが組み付けられている。
クラッチ切替体81の先端部には、周囲に細径部82aと太径部82bとこれらを接続する傾斜面82cとを有する移動部材(クラッチ切替体81の一部)82が装着されている。また、クラッチ切替部81の外周側におけるユニットケース22の支持部22fと移動部材82との間には、これらのクラッチ切替部81および移動部材82を右側に付勢するばね86が外装されている。また、図26などに示すように、中間軸44には厚み方向(径方向)に貫通する貫通孔44dが複数設けられており、この貫通孔44dにはボール(切替部材)83が配置されている。なお、この実施の形態では、各貫通孔44d内に2つのボール83が径方向に並べられて配置されている場合を示しているが、中間軸44の厚みを貫通して、突出するように構成すればよく、貫通孔44d内のボール83の数は1つでもよいし、3つ以上でもよく、貫通孔44dを出退自在であれば、両端が半円形などのピン形状体であってもよい。
外側のボール83は中間軸44の外周面から外側に出退自在とされ、また内側のボール83は、移動部材82における貫通孔44dに臨む箇所の部位(すなわち、移動部材82の細径部82a、太径部82bまたは傾斜面82c)に摺接する。そして、クラッチ切替体81が左右に移動されることにより、移動部材82における当接位置が変わるが、図28に示すように、内側のボール83が移動部材82の細径部82aに当接している場合には、外側のボール83は中間軸44の外周面から突出しない。一方、図25に示すように、内側のボール83が移動部材82の太径部82bに当接している場合には、外側のボール83が中間軸44の外周面から突出する。
この実施の形態では、第1の中間軸減速歯車37は幅方向に長く形成され、この幅方向に長い第1の中間軸減速歯車37と中間軸44との間に、回転力伝達切替手段の受動回転力伝達クラッチ85および人力駆動力切断用の一方向クラッチ47が設けられている。受動回転力伝達クラッチ85は、中間軸44に係合可能な係合部材85aが内周側に突出可能な状態で起立傾倒自在とされている。また、図26などに示すように、クラッチ基体85bの内周部に装着されたばね86により、係合部材85aは内側に突出する方向に付勢されている。また、中間軸44における係合部材85aに臨む箇所には、係合部材85aの先端部に係合可能な歯部44cが、貫通孔44dに対応する外周面箇所から左右に延びるように形成されている。
図28、図29に示すように、係合部材85aが内側に向けて起立した場合には、中間軸44に係合して、第1の中間軸減速歯車37と中間軸44とが接続状態となるが、図26、図27に示すように、係合部材85aが傾倒した場合は、中間軸44から離反して、第1の中間軸減速歯車37と中間軸44とは切断状態となる。そして、外側のボール83が係合部材85aに内部側から当接可能とされており、図28に示すように、内側のボール83が移動部材82の細径部82aに当接して、外側のボール83が中間軸44の外周面から突出しない状態では、係合部材85aが起立して中間軸44に係合し、第1の中間軸減速歯車37と中間軸44とが接続状態となる。一方、図25に示すように、内側のボール83が移動部材82の太径部82bに当接して、外側のボール83が中間軸44の外周面から突出した状態では、係合部材85aが傾倒して中間軸44から離反し、第1の中間軸減速歯車37と中間軸44とが切断状態となる。
この構成においても、アシスト走行時や、アシスト走行時に続く非アシスト状態の高速走行時やバッテリ切れ時には、図24〜図26に示すように、上記実施の形態と同様に、受動回転力伝達クラッチ85を非作動状態として、受動回転力伝達経路を非伝達状態にする。
そして、アシスト走行時には、中間軸44と第1の中間軸減速歯車37との間に設けられた人力駆動力切断用の一方向クラッチ47が接続状態とされ、モータ21で発生する補助駆動力が、第1の中間軸減速歯車37から人力駆動力切断用の一方向クラッチ47を介して中間軸44や合力伝達体29に伝達されて人力駆動力と合成され、合わされた合力が駆動スプロケット13から後輪4側に出力される。
また、アシスト走行時に続く非アシスト状態の高速走行時やバッテリ切れ時(すなわち、非アシスト走行時でかつ非回生走行時)には、人力駆動力切断用の一方向クラッチ47が切断状態とされ、人力駆動力が、モータ21側へ伝達されない。したがって、上記実施の形態と同様に、搭乗者のペダル8を回す負担を軽減できるとともに、モータ21による回転トルクの変動がペダル8に伝わることが防止されて搭乗者は違和感なく、良好な乗り心地を感じることができる。
また、回生動作時には、図27〜図29に示すように、受動回転力伝達クラッチ85を作動状態として、受動回転力伝達経路を伝達状態にすることで、後輪4の受動回転力をモータ21に伝達することができて、回生動作を良好に行うことができる。
また、この実施の形態においても、モータ21の回転数を検知する検知センサを設けて、回生時のモータ21の回転数が大きすぎる場合(所定の回転数を越えた場合)には、受動回転力伝達クラッチ85を非作動状態として(受動回転力伝達経路を非伝達状態として)もよく、これにより、充電用の回路などを保護することができる。
上記第4の実施の形態では、回転力伝達切替手段の受動回転力伝達クラッチ85や人力駆動力切断用の一方向クラッチ47を中間軸44の外周などに設けたが、これに限るものではなく、第2の実施の形態と同様に、クランク軸7aの外周や、第3の実施の形態と同様にモータ回転軸21aの外周に設けてもよい。すなわち、回転力伝達切替手段の受動回転力伝達クラッチ85や人力駆動力切断用の一方向クラッチ47など回転力伝達切替手段の少なくとも一部の構成部品を、合力伝達体29からモータ21のロータ部21bとの間の受動回転力伝達経路に設ければよい。
(第5の実施の形態)
また、上記実施の形態では、回転力伝達切替手段の受動回転力伝達クラッチ50および人力駆動力切断用の一方向クラッチ47が設けられている場合を述べたが、これに限るものではなく、これらに代えて、図30〜図35に示すように、接続状態(直結状態)と切断状態(空転状態)とを切り替えるツーウェイクラッチなどからなる受動回転力伝達クラッチ70を設けてもよい。
図30〜図35に示すように、この実施の形態では、中間軸44と第1の中間軸減速歯車37との間に、受動回転力伝達クラッチ(ツーウェイクラッチ)70が設けられている。また、受動回転力伝達クラッチ70が設けられている中間軸44の外周部が多角形状(六角形の場合を示している)とされ、この多角形状の多角形状軸部44bと、第1の中間軸減速歯車37の内周面(単なる円形状)との間に、円柱状あるいはボール状のころ71がそれぞれ配設されている。また、複数のころ71同士を保持する円環状の保持器72と、この保持器72に両端部で係合して保持器72をニュートラル位置(ころ71が中間軸44の多角形状部44bや第1の中間軸減速歯車37の内周面に対して僅かに隙間を有し、中間軸44の多角形状部44bと第1の中間軸減速歯車37との間で力を伝達しない状態となる位置)に付勢するばね73などが設けられている。
保持器72には、ころ71を回転自在な状態で保持する孔が形成されている。また、保持器72の右端部には、第1の中間軸減速歯車37(この実施の形態では、第1の中間軸減速歯車37の筒状体41)よりも右側に突出しているとともに径方向外側に広がる鍔状部72aが形成されており、この保持器72の鍔状部72aに、クラッチ切替体54が右側から当接可能とされている。また、図示しないが、クラッチ切替体54を移動させる移動用フォーク56などを有する切替移動体55や電動移動機構60も設けられており、これらの回転力伝達切替手段によりクラッチ切替体54が移動される。上記実施の形態と同様に、クラッチ切替体54は中間軸44と同じ軸心で左右に移動自在に配置されているが、周方向には回転しない。
アシスト走行時には、図30、図31に示すように、クラッチ切替体54が左側に移動されて保持器72に当接する。クラッチ切替体54は回転していないため、このクラッチ切替体54に当接したことで発生する接触摩擦により保持器72の回転を抑制する力が作用し、図32に示すように、中間軸44の多角形状部44bところ71と第1の中間軸減速歯車37の内周面とが互いに隙間なく当接して、力を伝達する接続状態(直結状態)となる。そして、モータ21で発生する補助駆動力が第1の中間軸減速歯車37から受動回転力伝達クラッチ(ツーウェイクラッチ)70を介して中間軸44や合力伝達体44に一体形成された減速歯車36に伝達されて合力伝達体44で人力駆動力と合成され、合わされた合力が駆動スプロケット13から後輪4側に出力される。
一方、アシスト走行時に続く非アシスト状態の高速走行時やバッテリ切れ時には、図33、図34に示すように、クラッチ切替体54が右側寄りの位置とされて、保持器72から離反される。これにより、保持器72は回転が抑制されない状態となるため、図35に示すように、ばね73の付勢力でニュートラル位置となり、中間軸44と第1の中間軸減速歯車37との間で力が伝達されない切断状態(受動回転力伝達クラッチ(ツーウェイクラッチ)70の空転状態)となる。その結果、人力駆動力がモータ21側に伝達せず、搭乗者のペダル8を回す負担を軽減できるとともに、モータ21による回転トルクの変動がペダル8に伝わることが防止されて搭乗者は違和感なく、良好な乗り心地を感じることができる。
また、回生動作時には、図30、図31に示すように、クラッチ切替体54が左側に移動されて保持器72に当接し、保持器72の回転を抑制する力が作用し、図32に示すように、中間軸44の多角形状部44bところ71と第1の中間軸減速歯車37の内周面とが互いに隙間なく当接して、力を伝達する接続状態(直結状態)となる。したがって、後輪4側から駆動スプロケット13、合力伝達体44などを介して中間軸44に伝達された受動回転力が、受動回転力伝達クラッチ(ツーウェイクラッチ)70を介して第1の中間軸減速歯車37からモータ回転軸21aおよびロータ部21bに伝達され、回生動作が良好に行われる。
上記第5の実施の形態では、受動回転力伝達クラッチ(ツーウェイクラッチ)70を中間軸44の外周などに設けたが、これに限るものではなく、第2の実施の形態と同様に、クランク軸7aの外周や、第3の実施の形態と同様にモータ回転軸21aの外周に設けてもよい。すなわち、受動回転力伝達クラッチ(ツーウェイクラッチ)70など回転力伝達切替手段の少なくとも一部の構成部品を、合力伝達体29からモータ21のロータ部21bとの間の受動回転力伝達経路に設ければよい。
また、受動回転力伝達クラッチ70が上記の構造のツーウェイクラッチや配置構成に限るものではなく、配置構成が異なったものを採用したり、その他の摩擦切替型のものを採用したり、外部から電気的に切り替えられるクラッチユニットを備えたツーウェイクラッチを用いたりしてもよい。さらに、接続状態(直結状態)と切断状態(空転状態)とを切り替え可能な構造のものであれば、その他の構造の回転力伝達切替手段でもよく、例えば、回転力伝達切替手段の受動回転力伝達クラッチとして、摩擦クラッチあるいは、突部と凹部とが互いに突入、離反可能な切替機構を設けてもよい。
(第6の実施の形態)
また、上記実施の形態では、モータ駆動ユニット20が、人力駆動力と補助駆動力とを合わせた合力を駆動スプロケット13から出力するいわゆる一軸式とも呼ばれる構造のものである場合を述べたが、これに限るものではない。すなわち、図36〜図40に示すように、補助駆動力を出力する補助駆動力出力輪体としての補助スプロケット102をモータ駆動ユニット100に組み付けてなるいわゆる二軸式とも呼ばれるモータ駆動ユニット100に、上記と同様な構成の回転力伝達切替手段の受動回転力伝達クラッチ50などを設ける構成としてもよい。
図36〜図40に示すように、この実施の形態では、駆動力出力輪体として、人力駆動力を出力する人力駆動力出力輪体としての人力駆動スプロケット101と、補助駆動力を出力する補助駆動力出力輪体としての補助スプロケット102と、が設けられ、これらの人力駆動スプロケット101と補助スプロケット102とが、互いに異なる軸心で、それぞれ無端状駆動力伝達体としてのチェーン15に噛み合う状態で配置され、受動回転力(回生用回転力)が、補助スプロケット102を介してモータ21に伝達されるように構成されている。
詳しく述べると、図36〜図40に示すように、このモータ駆動ユニット100では、中間軸44に伝達されたモータ21からの人力駆動力が、第1の中間軸減速歯車37を介して中間軸44に伝達されるが、この中間軸44の一端部に補助駆動力出力輪体としての補助スプロケット102が取り付けられている。また、この補助スプロケット102が、モータ駆動ユニット100における駆動スプロケット101よりも後方の箇所から、モータ駆動ユニット100のユニットケース22より外側に突出された状態で配設されている。そして、人力駆動力が出力される駆動スプロケット101と補助駆動力が出力される補助スプロケット102とのそれぞれが、無端状駆動力伝達体としてのチェーン15に噛み合わされており、チェーン15によって人力駆動力と補助駆動力が合成されて後輪4側に伝達される。
なお、クランク軸7aの外周箇所において、連動筒体23からの人力駆動力が一方向クラッチ(補助駆動力切断用の一方向クラッチ)30を介して人力出力筒体103に伝達され、人力出力筒体103の端部に、人力駆動力が出力される駆動スプロケット101が取り付けられている。
また、第1の実施の形態と同様に、第1の中間軸減速歯車37との内周側に筒状体41が第1の中間軸減速歯車37と一体的に回転するように嵌め込まれており、この筒状体41と中間軸44との間に、人力駆動力切断用の一方向クラッチ47が設けられている。さらに、筒状体41と中間軸44との間に、回転力を伝達する係合部材(係合用爪)52を有する一方向クラッチからなる受動回転力伝達クラッチ50が設けられているとともに、受動回転力伝達クラッチ50の係合部材52の姿勢を切り替えるクラッチ切替体54が、中間軸44と同軸心で移動自在に設けられている。また、図示しないが、クラッチ切替体54を移動させる移動用フォーク56などを有する切替移動体55や電動移動機構60も設けられており、これらの回転力伝達切替手段によりクラッチ切替体54が移動される。上記実施の形態と同様に、クラッチ切替体54は中間軸44と同じ軸心で左右に移動自在に配置されているが、周方向には回転しない。
この構成において、アシスト走行時や、アシスト走行時に続く非アシスト状態の高速走行時やバッテリ切れ時には、図37、図38に示すように、上記実施の形態と同様に、受動回転力伝達クラッチ50を非作動状態として、受動回転力伝達経路を非伝達状態にする。
また、アシスト走行時には、中間軸44と第1の中間軸減速歯車37との間に設けられた人力駆動力切断用の一方向クラッチ47が接続状態とされ、モータ21で発生する補助駆動力が、第1の中間軸減速歯車37から人力駆動力切断用の一方向クラッチ47を介して中間軸44に伝達され、補助駆動力が補助スプロケット102に出力される。そして、チェーン15により人力駆動力と補助駆動力が合わされて後輪4側に伝達される。
また、アシスト走行時に続く非アシスト状態の高速走行時やバッテリ切れ時(すなわち、非アシスト走行時でかつ非回生走行時)には、チェーン15を介して、補助スプロケット102や中間軸44には人力駆動力が伝達されるが、人力駆動力切断用の一方向クラッチ47が切断状態とされ、人力駆動力が、モータ21側へ伝達されない。したがって、上記実施の形態と同様に、搭乗者のペダル8を回す負担を軽減できるとともに、モータ21による回転トルクの変動がペダル8に伝わることが防止されて搭乗者は違和感なく、良好な乗り心地を感じることができる。
また、回生動作時には、図39、図40に示すように、受動回転力伝達クラッチ50を作動状態として、受動回転力伝達経路を伝達状態にすることで、後輪4側からの受動回転力が、チェーン15を介して、補助スプロケット102や中間軸44に伝達されるだけでなく、受動回転力伝達クラッチ50および第1の中間軸減速歯車37を介して、モータ21に伝達され、この結果、回生動作を良好に行うことができる。
なお、この実施の形態でも、回転力伝達切替手段の受動回転力伝達クラッチ50や人力駆動力切断用の一方向クラッチ47を中間軸44の外周などに設けたが、これに限るものではなく、第2の実施の形態と同様にクランク軸7aの外周や、第3の実施の形態と同様にモータ回転軸21aの外周に設けてもよい。すなわち、回転力伝達切替手段の受動回転力伝達クラッチ50や人力駆動力切断用の一方向クラッチ47など回転力伝達切替手段の少なくとも一部の構成部品を、補助スプロケット102からモータ21のロータ部21bとの間の受動回転力伝達経路に設ければよい。
また、回転力伝達切替手段の受動回転力伝達クラッチ50に代えて、図25などに示すような受動回転力伝達クラッチ85を設けたり、受動回転力伝達クラッチ50や人力駆動力切断用の一方向クラッチ47に代えて、図30などに示すような、ツーウェイクラッチ式の受動回転力伝達クラッチ70を設けたりしてもよい。また、回転力伝達切替手段の受動回転力伝達クラッチとして、摩擦クラッチあるいは、突部と凹部とが互いに突入、離反可能な切替機構を設けてもよい。
また、上記実施の形態ではブレーキ時や手元設定操作部94により手動で指示した場合に回生動作を行う場合を述べたが、これに限るものではない。また、上記実施の形態では、クランク軸7aよりモータ21などが後方となるようにモータ駆動ユニット20を配置した場合を述べたが、これに限るものではなく、クランク軸7aよりモータ21などが前方となるように配置したり(すなわち、クランク軸7aを中心として、略180度回転させた配置としたり)、あるいは、上方または下方となるように配置したり(すなわち、クランク軸7aを中心として、略90度回転させた配置としたり)してもよい。また、上記実施の形態では無端状駆動力伝達体としてチェーン15が用いられている場合を述べたが、これに限るものではなく、無端状駆動力伝達体として歯付きベルトを用いてもよい。