JP2018157840A - 液体コーヒー濃縮物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、環境温度において改善された貯蔵安定性を有する液体コーヒー濃縮物の製造のための方法に関する。【解決手段】本方法は、(a)焙煎され挽かれたコーヒーを抽出すること、(b)抽出中に分別又は抽出後に芳香回収のどちらかにより該抽出物を分離し、高芳香性コーヒー及び低芳香性コーヒーを得ること、(c)該低芳香性コーヒー抽出物を少なくとも10%の乾燥物質含有量にまで濃縮すること、(d)少なくとも25重量%の該濃縮された低芳香性コーヒー濃縮物を少なくとも150℃でせいぜい15分間の熱処理に付すること、(e)該低芳香性コーヒー濃縮物に該高芳香性コーヒー濃縮物を混合すること、を包含する。pHは工程(b)の後に増加させられる。【選択図】なし
Description
本発明は、環境温度で改善された貯蔵安定性を有する液体コーヒー濃縮物の製造方法に関する。
液体コーヒーおよび液体コーヒー濃縮物は、商用及び/又は産業目的のための需要が増加している。液体コーヒー、例えばコーヒー販売機用の液体コーヒー濃縮物、の生産および販売は、十分な保存寿命を有する液体コーヒーを提供することを望ましいものにしている。これまで、そのような液体コーヒー製品は、冷凍状態で、時には冷蔵保存されて大抵入手できる。非冷蔵保存は、サプライチェーンコストを低減させるであろう。しかし、非冷蔵保存用に販売された何らかの製品は、望ましくない短い保存寿命を未だに有している。
一般的に云えば、液体コーヒー(例えば、濃縮物または抽出物)は、経時的に不安定であり、室温で酸性を増すようになる。当業者に知られているように、pHの低下は、微生物作用と化学反応、例えばエステル及びラクトンのようないくつかの化合物の遅い加水分解反応、カルボニル基を含む化合物の酸化、または多糖類とタンパク質との間で生じるメイラード反応の故であろう。文献において、pH4.8は味の受容性の下限として一般に考えられている。このpH水準より下では、コーヒー抽出物は飲用に適さなくなる。
微生物酸性化に打ち勝つために、液体コーヒーは、超高温(UHT:Ultra High Temperature)でしばしば処理される。特に適した超高温の処理は120℃で2〜3秒間である。
化学的酸性化に取り組んでいる文献は、米国特許出願公開第2010/0316784号明細書である。そこでは、食用アルカリ源を液体コーヒー濃縮物へ添加することを含む処理が提案されている。これは人工的にpHを増加させるように働く。アルカリの添加の前または後で、人工的に酸生成反応をコーヒー濃縮物中で終了させるために、熱処理が実施される。より具体的には、熱処理は、140℃と146℃との間でせいぜい3分間の保持時間で実施される。しかし、この方法では十分な保存寿命と品質の製品を製造できない。
前述の方法の別の欠点は、アルカリの添加である。多くの司法地域において、そのような添加は望ましくないと考えられ、及び/又はEC食品規制の下でのように、得られた製品はもはや「コーヒー」と呼ばれる資格を与えられない。コーヒー抽出物自体から得られる以外の成分の添加が不要である液体コーヒーを作る方法を開発すること、なおかつ、貯蔵安定な良質の液体コーヒー濃縮物を提供することが望ましい。
アルカリを用いた処理による液体コーヒーの安定化に取り組んでいる別の文献は、欧州特許第861 596号公報である。ここでは、コーヒー抽出物は、アルカリを用いて処理され、該アルカリは、コーヒー抽出物に存在する酸前駆物質をそれら個々の酸塩へ転化するのに効果的な量で存在しており、その後、処理されたコーヒー抽出物を、第1段階からの在りうる過剰なアルカリを中和するのに十分な量の酸で中和する。前述のアルカリを用いる欠点はさておき、この方法も酸を加え、この酸は、液体コーヒー内に存在する外来の成分の量を増やす。さらにこの方法は、基本的に、風味に悪影響を与える傾向にあるイオン性物質(塩)を導入することに基づいている。
液体コーヒーの保存寿命に取り組んでいるさらにもう一つの文献は、欧州特許第1 374 690号公報である。ここでは、コーヒー抽出物は、基本的に調製の直後に、塩基または陰イオン樹脂の添加によって酸性度の修正を受ける。得られた抽出物は加熱殺菌を受ける。加熱殺菌は、コーヒー抽出物の官能特性に影響を与えない保持時間および温度に言及しつつ議論されている。典型的な温度範囲は、せいぜい1分間の保持時間で100℃〜140℃である。この方法も十分な保存寿命と品質を有する製品を製造できない。
本発明の目的は、コーヒー濃縮物の品質の改善が、香りおよび貯蔵安定性について得られる方法を提供することである。
前述の要請の1以上により良く取り組むために、本発明は、1の局面において、以下の工程を含む、pH4.8〜6の液体コーヒー濃縮物の製造方法を提供する。
a)焙煎され挽かれたコーヒーを、水による1回以上の抽出工程に付して、コーヒー抽出物を得ること、
b)上記抽出工程中の分別によって、または上記抽出工程後の芳香回収によって、該コーヒー抽出物を分離に付して、高芳香性コーヒー抽出物および低芳香性コーヒー抽出物を得ること、
c)該低芳香性コーヒー抽出物を、少なくとも10重量%の乾燥物質含有量まで濃縮すること、
d)該低芳香性コーヒー濃縮物の少なくとも25重量%の乾燥物質を、少なくとも150℃でせいぜい15分間の保持時間の熱処理に付すこと、
e)少なくとも該低芳香性コーヒー濃縮物と該高芳香性コーヒー抽出物を混合すること、
を含み、
そこにおいて、工程b)の後に、pH増加工程が実行され、
それにより、液体コーヒー濃縮物を得る。
a)焙煎され挽かれたコーヒーを、水による1回以上の抽出工程に付して、コーヒー抽出物を得ること、
b)上記抽出工程中の分別によって、または上記抽出工程後の芳香回収によって、該コーヒー抽出物を分離に付して、高芳香性コーヒー抽出物および低芳香性コーヒー抽出物を得ること、
c)該低芳香性コーヒー抽出物を、少なくとも10重量%の乾燥物質含有量まで濃縮すること、
d)該低芳香性コーヒー濃縮物の少なくとも25重量%の乾燥物質を、少なくとも150℃でせいぜい15分間の保持時間の熱処理に付すこと、
e)少なくとも該低芳香性コーヒー濃縮物と該高芳香性コーヒー抽出物を混合すること、
を含み、
そこにおいて、工程b)の後に、pH増加工程が実行され、
それにより、液体コーヒー濃縮物を得る。
別の局面において、本発明は、上述された該方法によって得ることが可能なpH4.8〜6の液体コーヒー濃縮物を提供する。上記コーヒー濃縮物は、乾燥固形物質1kg当り1.25mgまたはそれ以上の2-フェニル-3-(2-フリル)-2-プロペナールを含有することによって特に特徴付けられる。
また別の局面において、本発明は、5〜5.2のpHおよび10〜100の間、好ましくは30〜100の間のQA/QaL(キナ酸/キナ酸ラクトン)モル/モル比を有する液体コーヒー濃縮物を提供する。
広い意味で本発明は、濃縮前に芳香成分が回収されたコーヒー濃縮物に、比較的強い熱処理をある特定の保持時間で実施するという思慮深い洞察に基づいている。さらに、本発明は、そのような熱処理工程とpH上昇処理(即ち、pH増加工程)の思慮深い組み合わせを提供する。より好ましくは、pH増加工程は、アルカリの添加を含まない。最も好ましくは、該方法は、最終製品における少なくとも120mモルの酸/kg乾燥物質固形成分含有量の加水分解をもたらす。これは、熱処理される前と後の、処理されるべき低芳香性コーヒー濃縮物における酸mモル量/kg乾燥物質固形成分含有量の差に、最終製品における低芳香性コーヒー濃縮物の合計の乾燥物質固形成分含有量重量/重量比を乗じられたものである。好ましくは、該方法は、最終製品における少なくとも150mモルの酸/kg乾燥物質固形成分含有量、より好ましくは180mモルの酸/kg乾燥物質固形成分含有量の加水分解をもたらす。
工程a)における抽出のために選択されるコーヒーは、焙煎されたコーヒーの任意の種類でよい。焙煎されたコーヒーの準備は、当業者によく知られている。例えば、出発物質は、工業的抽出方法用の普通のコーヒー豆原材料でよく、それらコーヒー原料は普通のやり方で焙煎される。一般にこの目的のために、様々な種類のコーヒー原料の混合物が使用される。焙煎されたコーヒー豆は挽かれ、一般的に挽く程度に関して、できる限り大きな表面を得ることと抽出槽内での圧力低下をできる限り小さくすることとの間で妥協点が探し求められる。一般に、挽かれた豆は2.0mmの平均サイズを有している。
コーヒーの芳香をより良く保存するために、本発明の方法は、低芳香性コーヒー抽出物について実行される。これは以下によって得られる。
a)焙煎され挽かれたコーヒーを、水による1回以上の抽出工程に付して、コーヒー抽出物を得ること、および
b)a)における抽出工程中の分別によって、または工程a)の後の芳香回収によって、該コーヒー抽出物を分離して(即ち、該コーヒー抽出物を分離に付して)、高芳香性コーヒー抽出物および低芳香性コーヒー抽出物を得ること。
a)焙煎され挽かれたコーヒーを、水による1回以上の抽出工程に付して、コーヒー抽出物を得ること、および
b)a)における抽出工程中の分別によって、または工程a)の後の芳香回収によって、該コーヒー抽出物を分離して(即ち、該コーヒー抽出物を分離に付して)、高芳香性コーヒー抽出物および低芳香性コーヒー抽出物を得ること。
当業者は、分別による分離が該抽出物の分別収集をもたらすこと、および別の分離方法または、例えば該抽出物の分別された収集と芳香回収の組合せが、採用されうることを理解するであろう。
工程a)の後の芳香回収の例は、水蒸気ストリッピング、超臨界CO2抽出、およびパーベーパレイションを含む。別の実施態様において、コーヒー抽出物は抽出工程a)中に分別される。そこから得られる高芳香性コーヒー抽出物に存在する特定のコーヒーの芳香は、工程a)の後の全体抽出物から水蒸気ストリッピングによって回収されたコーヒーの芳香に比べて、より自然なコーヒー特性を有する。高芳香性コーヒー抽出物および低芳香性コーヒー抽出物が得られる。当業者に知られているように、高芳香性コーヒー抽出物は、準揮発性芳香化合物に比べて比較的に多量の揮発性芳香化合物を有することによって、低芳香性コーヒー抽出物と区別される。そのような化合物は、例えば、Clarke R.J. and Vitzthum O.G., Coffee Recent Developments, 2001(ISBN 0-632-05553-7)の第71ページの表3.3から知られる。この表から、一方において、プロパナール、メチルプロパナール、および2,3ブタンジオンはかなり揮発性の芳香化合物であることが明らかである。他方、ピラジン化合物およびグアイアコール化合物は準揮発性芳香化合物である。例えば、揮発性コーヒー芳香化合物の例として2,3ブタンジオンを取り上げ、そして準揮発性コーヒー芳香化合物の例としてエチルグアイアコール(4-エチル2-メトキシフェノール)を取り上げると、これら化合物が、特定のコーヒー抽出物において、2,3ブタンジオン/エチルグアイアコールの重量比>30のとき、該抽出物は高芳香性コーヒー抽出物として記載されうる。その結果、低芳香性コーヒー抽出物は、2,3ブタンジオン/エチルグアイアコールの重量比<30を有する。
高芳香性コーヒー抽出物は保存される。
低芳香性コーヒー抽出物は、熱処理の前に濃縮される。濃縮物は、実質的な水除去工程、例えば水分蒸発を受けたことによって抽出物と区別される。該低芳香性コーヒー濃縮物は一般的に、少なくとも10重量%、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは15〜55重量%、最も好ましくは15〜40重量%の乾燥物質固形成分含有量を有している。
低芳香性コーヒー濃縮物の少なくとも25重量%乾燥物質、好ましくは50重量%乾燥物質、より好ましくは75重量%乾燥物質、最も好ましくは全て(100%)が、少なくとも150℃でせいぜい15分間の保持時間で熱処理を受ける。一般に、温度が高いほど保持時間は短くなる。この点に関して、上述した「刊行物」は、開示された温度と保持時間が150℃未満で3分未満である故に、本発明から乖離したことを教示している。好ましくは、熱処理は、少なくとも150℃でせいぜい10分間の保持時間で実施される。より好ましくは、熱処理は、150℃〜200℃で10分間〜10秒間の保持時間で実施される。最も好ましくは、熱処理は、150℃〜180℃で10分間〜10秒間の保持時間で実施される。特別の例として、熱処理は、160〜170℃で約5分間〜30秒間の保持時間で実施されうる。
加熱時間は、1〜8分間での、好ましくは3〜5分間での環境温度から保持温度への加熱を含みうる。
冷却時間は、1〜8分間での、好ましくは3〜5分間での環境温度への冷却を含みうる。
方法はまた、pH増加工程(脱酸またはpH調整工程)を含み、それにより工程b)の後にpH増加工程は実行されうる。
pH増加工程で、pHは、より少ない酸性(よりアルカリ性)pHへ引き上げられる。この引き上げは開始時のpHに相対的である。すなわち、もし開始時のpHが4であれば、pH上昇は、依然として酸性である値、例えば5まででありうる。しかし、好ましくは、コーヒー流体の開始時のpHは、4.5〜6.5、より好ましくは、4.9〜5.7である。処理工程の後で、pHは再び、正常な水準、例えば4.8〜6の間になるであろう。好ましくは、工程b)の後かつ工程e)の前で、低芳香性コーヒー抽出物、または熱処理される(べき)ところの低芳香性コーヒー濃縮物は、pH増加工程に付される。より好ましくは、pH増加工程は、工程b)とc)の間で、工程c)とd)の間で、及び/又は、工程d)とe)の間で実行されうる。もしpH増加工程が、工程b)とc)の間で、または工程c)とd)の間で実行されるならば、低芳香性コーヒー濃縮物は好ましくは、6〜8のpH値を有する。好ましくは、低芳香性コーヒー濃縮物の一部分のみが熱処理される場合には、当該一部分のみがpH増加工程に付されるであろう。もしpH増加工程が工程d)とe)の間で実行されるならば、低芳香性コーヒー濃縮物は好ましくは、5〜6のpH値を有する。好ましくは、低芳香性コーヒー濃縮物の一部分のみが熱処理されるという場合には、このpH増加工程は好ましくは、低芳香性コーヒー濃縮物の全体に実行されるであろう。代わりに、pH増加工程は工程e)の後に実行され、それにより低芳香性コーヒー濃縮物が高芳香性コーヒー抽出物と混ぜられてpH増加工程に付される。該液体コーヒー濃縮物は、好ましくは5〜6のpH値を有する。
pH増加工程は、食用アルカリの添加によって実施されうる。食用アルカリの原料は公知であり、上述した米国特許出願公開第2010/0316784号明細書にも記載されている。
しかし、より好ましくは、pH増加工程は、アルカリの添加なしに実施される。外来物質の添加を回避することによって、処理後の製品は、多くの司法地域において適用される食品規制に従う「コーヒー」であると見なされ続けることが保証される。そのような司法地域において、抽出から得られる以外の物質の添加は、コーヒーとして表示されることが許されない製品を生じるであろう。そのような製品は消費者によって違う認識を受けるということが理解されよう。したがって、基本的な技術上の問題は、外来物質、例えば食用アルカリの添加をせずに、十分な貯蔵安定性および芳香品質の製品を生み出すように、コーヒーを十分に処理する方法を提供することである。
これは、本発明の好ましい実施態様において保証され、そこでは、pH増加工程において、イオン交換樹脂及び/又は吸着材が使用される。吸着材は、炭、ポリアクリレート、またはポリスチレンに基づきうる。市販吸着材の例は、Purolite(商標)MN 200、Purolite(商標)MN 202、およびLewatit(商標)AF5である。イオン交換樹脂の例は、強または弱塩基性陰イオン交換樹脂を含む。好ましくは、イオン交換樹脂は、弱塩基性陰イオン交換樹脂である。該樹脂は、ポリアクリレート、またはポリスチレン、好ましくはポリアクリレートに基づく。官能基は、例えば、アミン官能基、例えば第1級、第3級および第4級アミン基、およびポリアミン基、好ましくは第3級アミン基である。次の表において、市販イオン交換樹脂の例が列記されている。
本発明の方法の好ましい実施態様において、低芳香性濃縮物のpH上昇は、熱処理(工程d)の前に実行される。pH増加工程は、すると、濃縮工程c)の前または後に実行されうる。この選択は、低芳香性コーヒー濃縮物の乾燥物質含有量および用いられたイオン交換樹脂の構成に依存しうる。好ましくは、低芳香性コーヒー濃縮物の乾燥物質含有量が25%以上、好ましくは30%以上であるとき、pH増加工程は、濃縮の前に実行されうる。低芳香性コーヒー濃縮物の乾燥物質含有量が35%未満、好ましくは30%未満であるとき、pH増加工程は、濃縮工程c)の前または後に実行されうる。
低芳香性コーヒー濃縮物の一部分(すなわち、少なくとも25%)がすでに処理されている場合には、処理されていない低芳香性コーヒー濃縮物は、工程e)の前に、処理された低芳香性コーヒー濃縮物と一緒にされてもよい。
一般に、加熱処理(および未処理の低芳香性コーヒー濃縮物の任意的な追加)の後に、該処理された低芳香性コーヒー濃縮物は、高芳香性抽出物と混合される。これは、任意的な別の処理および梱包の前に工場でなされ、または消費者による摂取の直前になされる。後者の場合、2つの別々のパッケージが消費者に提供されて、コーヒー調製装置に導入される。
工場では、一時的な、好ましくは冷却された、好ましくは25℃以下の温度での、より好ましくは10℃以下での、最も好ましくは0℃以下での貯蔵の後、高芳香性コーヒー抽出物は、別の処理をしないで直接に、低芳香性コーヒー濃縮物に添加されうる。高芳香性抽出物は、低芳香性コーヒー濃縮物へ添加するために、好ましくは不活性ガス、例えば窒素の雰囲気でできるだけ短期間貯蔵され、そして冷却されることが好ましい。これらの工程の故に、芳香の減少および芳香の劣化反応は、可能な限り制限される。
その結果、本方法は、許容される保存寿命で、酸化が起きることなしに、環境温度(一般に5℃〜25℃、かつ好ましくは冷蔵装置の必要なしの温度を指す)で貯蔵でき、そして実質的なオフフレーバーなしに維持されることができる、pH4.8〜6の液体コーヒー濃縮物を提供する。
好ましい実施態様において、工程a)における抽出は、好ましくは、分割抽出として行われる。分割抽出の方法は公知である。これに関する文献は、国際公開第2007/043873号である。より具体的には、この方法は一次および二次抽出を含む。
分割抽出の好ましい実施態様において、本発明はコーヒー濃縮物を調製するための下記の方法において使用される。この方法において、焙煎され挽かれたコーヒーは、水による一次抽出を受け、それにより第1の一次抽出物(すなわち、高芳香コーヒー抽出物)が、せいぜい2.5、好ましくはせいぜい2.0、より好ましくはせいぜい1.5、および最も好ましくはせいぜい1.0のドローオフファクターで得られる。その後、任意的に、第2の一次抽出物が得られる。
一次的に抽出された、焙煎され挽かれたコーヒーは、それから二次抽出セクションに供給される。該セクションにおいて、120℃〜210℃の供給温度を有する水で、二次抽出物(低芳香性コーヒー抽出物)が得られる。二次抽出物の少なくとも25重量%の乾燥物質、好ましくは50重量%の乾燥物質、より好ましくは75重量%の乾燥物質、最も好ましくは全て(100%)は、それから本発明の処理工程を受ける。任意的に、第2の一次抽出物は、本発明の処理工程の前または後で、二次抽出物(低芳香性コーヒー抽出物)へ添加され得、好ましくは、第2の一次抽出物が処理の前に二次抽出物に添加される。
「ドローオフファクター」という用語は、抽出物の質量と、一次抽出槽内の乾燥した焙煎され挽かれたコーヒーの質量との比を意味するものと理解される。実際に、このドローオフファクターは、一方において、第1の一次抽出物における十分な程度のコーヒー芳香の回収と、他方において、第1の一次抽出物のできる限り小さな体積との間の妥協によって決定される。この問題についてのドローオフファクターは、焙煎されたコーヒーの挽きの使用された荒さ、すなわち粉砕の程度、抽出槽、特に直列に設置されたパーコレーターの数、使用される水とコーヒーとの比率、サイクル時間、供給水の温度、および最終製品の所望の濃縮などに依存する。
分割抽出の別の好ましい実施態様において、同様に、第2の一次抽出物は一次抽出槽から回収される。この目的のために、第1の一次抽出物の抜き出し及び貯蔵の後で、更なる抽出が一次抽出槽内で起きる。
第1と第2の一次抽出物の両方の回収は、高い水‐コーヒー比率が適用されるときに、特に魅力的である。好ましくは、水‐コーヒー比率は5.0〜15である。より好ましくは、水‐コーヒー比率は10未満であり、そして最も好ましくは、水‐コーヒー比率は6.5〜8.5である。
第2の一次抽出物が回収される場合に、好ましくは、二次抽出物の第一の画分が、一次供給水として第1抽出槽内で実際に使われる。この実施態様について、欧州特許出願公開第0 352 842 号の教示が、引用されることによって本明細書に組み入れられる。
第2の一次抽出物は、芳香の回収を受けうる。回収された芳香物は、高芳香性抽出物に添加される。芳香回収後の第2の一次抽出物は、本発明の処理工程の前または後で二次抽出物(低芳香性コーヒー抽出物)に添加されうる。好ましくは、第2の一次抽出物は、該処理前に二次抽出物に添加される。処理の後に、低芳香性コーヒー濃縮物および高芳香性コーヒー抽出物(回収された芳香物を含む)が混合される。
本発明のこの実施態様において、一次抽出が、二次抽出において使用される温度未満の供給水温の水で実行される。好ましくは、一次抽出が実行される温度は70℃〜120℃である。
一次抽出は、徹底的な抽出として実行されうる。「徹底的な抽出」は、抽出物が、抽出槽内へ導入された水とほとんど、あるいは全く異ならないまで、抽出が行われること意味すると理解される。実際にはしかし、特に引き続く濃縮工程の故に、抽出が徹底的になされていないときが処理全体の効率に対して有益である。
この事項についての「水」は、公知の工業的抽出処理においても使用されうる慣用の水性溶液を包含すると理解される。
一次および二次抽出は、慣用の抽出槽内で実行されうる。好ましい実施態様において、一次および二次抽出の両方が、1のパーコレーター内でまたは直列に設置された複数のパーコレーター内で実行される。特に、二次抽出は、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも4つの直列接続されたパーコレーター内で有利に実行される。一般に、一次抽出セクションにおいて用いられるパーコレーターの数は、少なくとも0.5であり、これは、サイクル期間の50%の間、1のパーコレーターが一次抽出セクションにおいて接続されることを意味する。好ましくは、少なくとも1または2のパーコレーターが一次抽出セクションにおいて接続される。
本発明に従う方法の好ましい実施態様において、低芳香性コーヒー抽出物は、二次抽出物の、少なくとも部分、しかし好ましくは全体である。これに関する更に好ましい実施態様において、処理された低芳香性コーヒー抽出物は、濃縮工程の前に、第2の一次抽出物と混合される。これに関するもう一つの好ましい実施態様において、低芳香性コーヒー抽出物は、二次抽出物の少なくとも部分のしかし好ましくは全部と、第2の一次抽出物との混合物である。
第2の一次抽出物が本発明の処理を受けうることも見出された。この点について、第2の一次抽出物と二次抽出物の両者は、低芳香性コーヒー抽出物と考えられ、そのうちの、第2の一次抽出物の少なくとも部分が処理され、処理されるべきその部分は、低芳香性コーヒー抽出物の少なくとも25重量%乾燥物質、より好ましくは少なくとも35重量%乾燥物質、最も好ましくは少なくとも50重量%乾燥物質を含む。処理の後、第2の一次抽出物の処理された部分は、第2の一次抽出物の処理されなかった部分および二次抽出物へ添加され、濃縮される。好ましくは、第2の一次抽出物の全てが処理される。
慣用の、液体または乾燥充填材成分の使用も好ましい。充填材成分は、第1の一次抽出物の顕著な香り特性をある程度中和するために時々使用される。充填材は好ましくは高回収コーヒー製品である。それは、処理工程の前に低芳香性コーヒー抽出物に添加されうる。
本発明はまた、本発明に従う方法によって得ることが可能なpH4.8〜6の液体コーヒー濃縮物に関係する。該液体コーヒー濃縮物は、6重量%〜80重量%のコーヒー固形分(すなわち乾燥物質)、好ましくは10重量%〜65重量%の、より好ましくは15重量%〜50重量%のコーヒー固形分を含む。このコーヒー濃縮物は、減らされた又は好ましくは存在しないpH低下および減らされた又は好ましくは存在しない異臭に関して確認されうるように、環境温度でのより良い貯蔵安定性の理由で、本発明に従わないコーヒー濃縮物と区別される。好ましくは、液体コーヒー濃縮物は、6ヶ月を超える貯蔵安定性、より好ましくは12ヶ月を超える、最も好ましくは18ヶ月を超える貯蔵安定性を有する。
本発明に従う方法によって処理された製品は、2-フェニル-3-(2-フリル)-2-プロペナールの少なくとも1.25mg/kg乾燥物質を含有することによってそれ自体を区別する。
したがって、本発明はまた、2-フェニル-3-(2-フリル)-2-プロペナールの少なくとも1.25mg/kg乾燥物質固形分、好ましくは1.5mg/kg乾燥物質固形分と80mg/kg乾燥物質固形分との間、より好ましくは2mg/kg乾燥物質固形分と40mg/kg乾燥物質固形分との間、最も好ましくは4mg/kg乾燥物質固形分と40mg/kg乾燥物質固形分との間の、2-フェニル-3-(2-フリル)-2-プロペナールを含有する、pH4.8〜6の液体コーヒー濃縮物に関係する。
代わりに、本発明に従う方法での処理による製品は、pH5〜5.2で10〜100の間のQA/QaLモル/モル比を有することによって、それ自体を区別する。より具体的には、保存寿命の間、液体コーヒー濃縮物はpHの窓5〜5.2に入るであろう。このpHの窓において、それは、10〜100の間のQA/QaLモル/モル比を有するべきである。
したがって、本発明はまた、pH5〜5.2で、QA/QaLモル/モル比が10〜100、好ましくは、30〜100、および最も好ましくは60〜100の液体コーヒー濃縮物質に関係している。好ましい実施態様において、この液体コーヒー濃縮物は、kg乾燥物質当たり55g以下の、好ましくは20〜55g/kgのカリウム含有量、及び/又はkg乾燥物質当たり4g以下の、好ましくは0.1〜4g/kgのナトリウム含有量を有するであろう。
略語QAは、キナ酸、即ち、1,3,4,5-テトラヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸を表す。略語QaLは、キナ酸ラクトン、即ち、1,3,4-トリヒドロキシ-6-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オンを表す。
代わりに、本発明に従う方法での処理による製品は、8.5μg/kg乾燥物質固形分またはそれ未満のβ-ダマセノン含有量を含むことによって、それ自体を区別する。本発明者たちによって、β-ダマセノンの含有量は、出来上がった液体コーヒー濃縮物が異味を有するかどうかの正確な指標を提供することが確立された。8.5μg/kg乾燥物質固形物またはそれ未満のβ-ダマセノンを有する液体コーヒー濃縮物は、実際上は異味を有さない。したがって、本発明はまた、β-ダマセノンの8.5μg/kg乾燥物質固形分またはそれ未満を含むpH4.8〜6の液体コーヒー濃縮物に関する。
本発明の様々な実施態様は、実施例およびスキーム1および2を参照しつつさらに説明される。これらスキームは、コーヒー濃縮物を作るための方法の発明の処理工程を実行するための方法の構成を与える。これらのスキームは、説明目的に奉仕し、本発明を限定するものではない。
スキーム1
スキーム1
スキーム1に、本発明の好ましい実施態様が図示されている。焙煎されたコーヒーは、分岐蛇口を用いて(第1および第2の一次抽出と、二次抽出を与える)で、分割抽出を受ける。第2の一次抽出物は、第2の二次抽出物(および任意的に充填材成分)と混合され、それからこの流れは、最初に蒸発、それからpH調整(陰イオン交換による)および極熱処理(上述した温度で)を受ける。低芳香性コーヒー濃縮物は、第1の一次抽出物と混合されて、本発明の液体コーヒー濃縮物となる。代わりに、pH調整は、蒸発工程の前に又は熱処理工程の後で実行され得る。
スキーム2は、別の好ましい実施態様を図示する。そこでは、第2の二次抽出物若しくは第2の一次抽出物のどちらかまたは両方およびこれらの混合物は、第1の一次抽出物と混合される前に、濃縮され、そして陰イオン交換によるpH調整および熱処理を受ける。第2の一次抽出物は芳香回収を受けうる。その結果、処理の後に、該低芳香性コーヒー濃縮物は、該芳香回収製品ならびに第1の一次抽出物と混合される。任意的に、処理の前または後のいずれかにおいて、充填材成分が添加されうる。代わりに、pH調整は、蒸発工程の前に又は熱処理の後に実行されうる。
キナ酸ラクトン(QaL)は、オランダGroningenのSyncomから入手された。約0.5mg/mlの作業溶液が、QaLをアセトニトリルで希釈することによって得られた。この作業溶液は、15ng/ml〜15000ng/mlのキャリブレーション溶液を得るために、アセトニトリル中の0.1%酢酸でさらに希釈された。
濃縮されたコーヒー製品は、0.28%乾燥物質まで水で希釈された。希釈されたコーヒー製品の50μlは、さらにアセトニトリル中の0.1%酢酸の950μlで希釈される。
濃縮されたコーヒー製品は、0.28%乾燥物質まで水で希釈された。希釈されたコーヒー製品の50μlは、さらにアセトニトリル中の0.1%酢酸の950μlで希釈される。
定量化は、Thermo ScientificからのAccela UPLCと結合されたTriple Quad MS, TSQ Quantum Ultra;Thermo Scientific Massspectrometer(質量分析器)によって行われた。
濃度は、校正曲線から計算された。
濃度は、校正曲線から計算された。
キナ酸(QA)はAldrichから入手された。1ml当たり約1mgの作業溶液が、該化合物を水に溶かすことによって得られた。この作業溶液は、10μg/ml〜40μg/mlのキャリブレーション溶液を得るために、さらに0.4mMのヘプタフルオロ酪酸で希釈された。
濃縮されたコーヒー製品は、0.4mMヘプタフルオロ酪酸で、乾燥物質と乾燥コーヒー固形物の重量比が0.1%まで希釈された。
濃縮されたコーヒー製品は、0.4mMヘプタフルオロ酪酸で、乾燥物質と乾燥コーヒー固形物の重量比が0.1%まで希釈された。
定量化は、Dionex ICS 5000 DC、サプレッサ式伝導度クラマトグラフによって行われた。
濃度は、校正曲線から計算された。
2-フェニル-3-(2-フリル)-2-プロペナールの分析法
濃度は、校正曲線から計算された。
2-フェニル-3-(2-フリル)-2-プロペナールの分析法
2-フェニル-3-(2-フリル)-2-プロペナールは、Chemos GmbH, Werner-von-Siemens-Strasse, D-93128 Regenstauf,ドイツから入手された(純度97%)。1ml当たり1mgの作業溶液は、該化合物をヘキサンに希釈することによって得られた。この作業溶液は、ヘキサンml当たり0、0.6、1、3、6、10および50μgの2-フェニル-3-(2-フリル)-2-プロペナールのキャリブレーション溶液を得るために、さらに希釈された。
液体コーヒー濃縮物は、水によって2.5%乾燥物質まで希釈された。コーヒーの上部の空間内の揮発性物質が、基本的に、Tikunov et al., 2005, Plant Physiology 139, 1125-1137に記載されたように、ガスクロマトグラフィー/質量分析機(GC/MS)と結合された固相微量抽出(SPME)によって分析され、コーヒー母材の信頼できる標準の線形校正曲線から算出された。
β-ダマセノンの分析方法
β-ダマセノンの分析方法
この技術において、サンプルは、吸収材料(ポリジメチルシロキサン(PDMS))で被覆された攪拌子(Stir Bar)で混ぜられた。抽出された化合物は、毛管GCカラムの開始部上に熱脱着の手段により注入され、その後、温度プログラムされたGC分析の間に分離され、そして質量分析器で検出された。
ガスクロマトグラフィー質量分析が、Finnigan Trace GC ultra(Thermo Fisher Scientific, Waltham, Massachussets)およびISQ質量検出器(Thermo Fisher Scientific, Waltham, Massachussets)により実行された。校正曲線は、商用的に入手可能なβ-ダマセノンの標準添加により0〜15ppbの範囲で準備された。β-ダマセノンの濃度は、校正曲線から計算された。
<実施例1>
ガスクロマトグラフィー質量分析が、Finnigan Trace GC ultra(Thermo Fisher Scientific, Waltham, Massachussets)およびISQ質量検出器(Thermo Fisher Scientific, Waltham, Massachussets)により実行された。校正曲線は、商用的に入手可能なβ-ダマセノンの標準添加により0〜15ppbの範囲で準備された。β-ダマセノンの濃度は、校正曲線から計算された。
<実施例1>
挽かれたコーヒーの単一バッチから、コーヒー抽出物は、国際公開第2007/043873号に記載されているように、分割流抽出によって得られる。これは、第1の一次抽出物(PE1)、第2の一次抽出物(PE2)、および二次抽出物(SE)をもたらす。香りが高いPE1は、高芳香性コーヒー抽出物であり、処理されないままにされた。第2の一次抽出物と二次抽出物の全ては、混合され、乾燥物質で表して50重量%の二次抽出物および50重量%の第2の一次抽出物から構成された抽出物流れ(PE2+SE)をもたらす。
一次抽出物、すなわち高芳香性コーヒー抽出物、は、全コーヒー乾燥物質の15重量%を含有し、かつ56のBD/EG重量/重量比を有する。低芳香性コーヒー抽出は、全コーヒー乾燥物質の85重量%を含有する。
後者の抽出物流れ(PE2+SE)は、蒸発を施されて濃縮される。第1バッチは、15%の乾燥物質固形成分含有量まで濃縮され、第2バッチは30%の乾燥物質固形成分含有量まで濃縮される。両濃縮物は、比較のための更なる処理を受ける。一方の濃縮物の50%は、そのpHを6まで増加させるように、陰イオンカラム(Novasep(商標) XA945、Applexion社から)に通される。濃縮物の他方の50%は、pH増加工程を受けず、変化されないままである。
陰イオン処理された濃縮物の2つのサンプルは、その後、160℃で0.5分間(15%濃縮物)の、1分間(30%濃縮物)の熱処理をそれぞれ受ける。
このようにして、4つのサンプルは、以下の表に与えられる概要になる。
一次抽出物、すなわち高芳香性コーヒー抽出物、は、全コーヒー乾燥物質の15重量%を含有し、かつ56のBD/EG重量/重量比を有する。低芳香性コーヒー抽出は、全コーヒー乾燥物質の85重量%を含有する。
後者の抽出物流れ(PE2+SE)は、蒸発を施されて濃縮される。第1バッチは、15%の乾燥物質固形成分含有量まで濃縮され、第2バッチは30%の乾燥物質固形成分含有量まで濃縮される。両濃縮物は、比較のための更なる処理を受ける。一方の濃縮物の50%は、そのpHを6まで増加させるように、陰イオンカラム(Novasep(商標) XA945、Applexion社から)に通される。濃縮物の他方の50%は、pH増加工程を受けず、変化されないままである。
陰イオン処理された濃縮物の2つのサンプルは、その後、160℃で0.5分間(15%濃縮物)の、1分間(30%濃縮物)の熱処理をそれぞれ受ける。
このようにして、4つのサンプルは、以下の表に与えられる概要になる。
その後、第1の一次抽出物流れ(PE1)の等量が、4つの濃縮物の全てに加えられる。このことは、4つの液体コーヒー濃縮物(LCC#1〜4)をもたらす。
処理された液体コーヒー濃縮物について、kg乾燥物質固形物当たりにどれくらいの酸が加水分解されるかが決定される。これは熱処理の後かつPE1の添加の前に測定される。酸の量は、pH8までの滴定により評価された。
下の表1において、もたらされた液体コーヒー濃縮物、および最終製品中のmモル酸/kg乾燥物質固形物成分含有量として酸加水分解についての処理の効果の概要が与えられている。「参照」とマークされた液体コーヒー濃縮物は、本発明に従うものではない。
該pHは、LCC#1(■)、2(▲)、3(×)および4(●)について、時間とともに、図1に示されたように変化した。20週間の保存寿命中、本発明に従う該製品は5未満のpHに下がらない。QA/QaLモル比はその結果、LCC#2については54、そしてLCC#4については72である。
<実施例2>
<実施例2>
アラビカコーヒーの単一バッチは抽出を受け、それにより、欧州特許第0352842号公報に記載された水蒸気蒸留によって、高芳香性のコーヒーから芳香が分別された。コーヒー抽出物の以下の流れが得られる:
i)高芳香性コーヒー抽出物(AR);
ii)別の一次抽出物(PE);
iii)二次抽出物(SE)。
i)高芳香性コーヒー抽出物(AR);
ii)別の一次抽出物(PE);
iii)二次抽出物(SE)。
抽出物i)は、処理されないままにされる。抽出物ii)およびiii)は混合され、そして3つのバッチ(2a、2b、および2c)に分割され、該3つのバッチは次の並列処理を受ける:
2a 乾燥物質固形物の38%の濃度への蒸発
2b 乾燥物質固形物の38%の濃度への蒸発、続いて160℃で10分間の熱処理、そしてその後KOHの添加による5.5へのpH増加工程、
2c 実施例1において規定されたようなpH増加工程、続いて乾燥物質固形物の38%濃度への蒸発、そしてその後160℃で10分間の熱処理。
2a 乾燥物質固形物の38%の濃度への蒸発
2b 乾燥物質固形物の38%の濃度への蒸発、続いて160℃で10分間の熱処理、そしてその後KOHの添加による5.5へのpH増加工程、
2c 実施例1において規定されたようなpH増加工程、続いて乾燥物質固形物の38%濃度への蒸発、そしてその後160℃で10分間の熱処理。
その後、該高芳香性コーヒー抽出物が添加される。これは、3つの液体コーヒー濃縮物(LCC#5〜7)をもたらす。これら液体コーヒー濃縮物について、実行された処理の結果としてkg乾燥物質固形物当たりにどれくらいの酸が加水分解されたかが、決定される。結果は、下の表2に与えられる。
該pHは、LCC#5(■)、6(◆)、および7(▲)について、時間とともに、図2に示されたように変化した。12週間の保存寿命中、本発明に従う該製品は5未満のpHに下がらない。
<実施例3>
<実施例3>
分割流抽出は、実施例1におけるように実行される。該一次抽出物は、74のBD/EG重量比を有する。抽出物流(PE2+SE)は、蒸発に付されることにより、15%の乾燥物質固形成分含有量まで濃縮される。
その結果の濃縮物は、4つのバッチ(3a、3b、3c、および3d)に分割され、該4つのバッチは、以下の並列処理に付される:
3a 処理なし;
3b 実施例1において実行されたようなpH増加工程(pH=6)、引き続き160℃での30秒間の熱処理;
3c 3bと同様であるが、180℃での熱処理を伴う;
3d 3bと同様であるが、200℃での熱処理を伴う。
3a 処理なし;
3b 実施例1において実行されたようなpH増加工程(pH=6)、引き続き160℃での30秒間の熱処理;
3c 3bと同様であるが、180℃での熱処理を伴う;
3d 3bと同様であるが、200℃での熱処理を伴う。
その後、該高芳香性抽出物が添加される。このことは4つの液体コーヒー濃縮物(LCC#8〜11)をもたらす。これら液体コーヒー濃縮物について、実行された処理の結果としてkg乾燥物質固形物当たりにどれくらいの酸が加水分解されたかが、決定される。結果は、下の表3に与えられる。14週間の保存寿命中、本発明に従う該製品は5未満のpHに下がらない。QA/QaLモル比は、LCC#9については38、LCC#10については51、およびLCC#11については66である。カリウムの量は、54.8g/kg乾燥物質であり、ナトリウムの量は2.3g/kg乾燥物質である。
この実施例は、実施例3に類似している。一次抽出物は、51のBD/EG重量比を有する。サンプル毎の正確な処理条件は次の通りである:
4a 処理なし;
4b pH増加工程(pH=6)、引き続き180℃での10秒間の熱処理;
4c 4bと同様であるが、30秒間の熱処理を伴う;
4d 4bと同様であるが、60秒間の熱処理を伴う;
その後、該高芳香性抽出物が添加される。この実施例において、4つの液体コーヒー濃縮物(LCC#12〜15)が得られる。この結果は下の表4に与えられる。
4a 処理なし;
4b pH増加工程(pH=6)、引き続き180℃での10秒間の熱処理;
4c 4bと同様であるが、30秒間の熱処理を伴う;
4d 4bと同様であるが、60秒間の熱処理を伴う;
その後、該高芳香性抽出物が添加される。この実施例において、4つの液体コーヒー濃縮物(LCC#12〜15)が得られる。この結果は下の表4に与えられる。
該pHは、LCC#12(■)、13(◆)、14(▲)、および15(×)について、時間とともに、図3に示されたように変化した。13週間の保存寿命中、本発明に従う該製品は5未満のpHに下がらない。QA/QaLモル比はその結果、LCC#13については20、LCC#14については22、およびLCC#15については24である。カリウムの量は、48.5g/kg乾燥物質であり、ナトリウムの量は2g/kg乾燥物質である。
<実施例5>
<実施例5>
分割流抽出が、実施例1におけるように実行される。該一次抽出物は、48のBD/EG重量比を有する。抽出物流(PE2+SE)は、蒸発に付されることにより、25%の乾燥物質固形成分含有量まで濃縮される。
その結果の濃縮物は、3つのバッチ(5a、5b、および5c)に分割され、それらは、以下の並列処理に付される:
5a 処理なし;
5b pH増加工程(pH=6)、引き続き180℃での30秒間の熱処理;
5c 5bと同様であるが、pH7.1までのpH増加工程を受ける。
5a 処理なし;
5b pH増加工程(pH=6)、引き続き180℃での30秒間の熱処理;
5c 5bと同様であるが、pH7.1までのpH増加工程を受ける。
その後、該高芳香性抽出物が添加される。このことは3つの液体コーヒー濃縮物(LCC#16〜18)をもたらす。これら液体コーヒー濃縮物について、実行された処理の結果としてkg乾燥物質固形物当たりにどれくらいの酸が加水分解されたかが、決定される。結果は、下の表5に与えられる。
該pHは、LCC#16(■)、17(◆)、および18(▲)について、時間とともに、図4に示されたように変化した。9週間の保存寿命中、本発明に従う該製品は5未満のpHに下がらない。QA/QaLモル比はその結果、LCC#19および20の両方について30である。カリウムの量は、44.4g/kg乾燥物質であり、ナトリウムの量は2.2g/kg乾燥物質である。
実施例2と同様の実験において、抽出物ii)およびiii)は、混合され、それから2つのバッチ(6a、6b)に分割され、それらは次の並列処理に付される:
6a 乾燥物質固形物の38%の濃度への蒸発;
6b pH増加工程(pH=6)、引き続き、乾燥物質固形物の38%の濃度への蒸発、およびその後160℃での10分間の熱処理。
6a 乾燥物質固形物の38%の濃度への蒸発;
6b pH増加工程(pH=6)、引き続き、乾燥物質固形物の38%の濃度への蒸発、およびその後160℃での10分間の熱処理。
該2つのバッチは混合され、3つの液体コーヒー濃縮物をもたらす:
6c− 100%6a;
6d− 50%6a+50%6b;
6e− 25%6a+75%6b。
6c− 100%6a;
6d− 50%6a+50%6b;
6e− 25%6a+75%6b。
その後、該高芳香性抽出物が添加される。このことは3つの液体コーヒー濃縮物(LCC#19〜21)をもたらす。これら液体コーヒー濃縮物について、実行された処理の結果としてkg乾燥物質固形物当たりにどれくらいの酸が加水分解されたかが、決定される。結果は、下の表6に与えられる。
該pHは、LCC#19(■)、20(◆)、および21(▲)について、時間とともに、図5に示されたように変化した。8週間の保存寿命中、本発明に従う該製品は5未満のpHに下がらない。QA/QaLモル比はその結果、LCC#20について72、LCC#21について91である。カリウムの量は、45.7g/kg乾燥物質であり、ナトリウムの量は2.4g/kg乾燥物質である。
分割流抽出が、実施例1におけるように実行される。該一次抽出物は、45のBD/EG重量比を有する。抽出物流(PE2+SE)は、蒸発に付されることにより、30%の乾燥物質固形成分含有量まで濃縮される。
その結果の濃縮物は、3つのバッチ(7a、7b、および7c)に分割され、それらは、以下の並列処理に付される:
7a 処理なし;
7b pH増加工程(pH=6)、引き続き160℃での120秒間の熱処理;
7c 7bと同様であるが、180℃での熱処理を伴う。
7a 処理なし;
7b pH増加工程(pH=6)、引き続き160℃での120秒間の熱処理;
7c 7bと同様であるが、180℃での熱処理を伴う。
その後、該高芳香性抽出物が添加される。このことは3つの液体コーヒー濃縮物(LCC#22〜24)をもたらす。これら液体コーヒー濃縮物について、実行された処理の結果としてkg乾燥物質固形物当たりにどれくらいの酸が加水分解されたかが、決定される。結果は、下の表7に与えられる。9週間の保存寿命中、本発明に従う該製品は5未満のpHに下がらない。
この実施例の組立ては実施例7のそれと同一である。該一次抽出物は、58のBD/EG重量比を有する。
サンプル(8a)は、蒸発(ここでは、30%乾燥物質固形物まで)に直接に付される。2つの他のサンプルは、実施例7におけるのと同じpH増加工程を最初に、そしてその後、30%乾燥物質固形物の濃度まで蒸発を実行されることにより得られる。
後者の濃縮物は、2つのサンプル(8b、8c)に分割され、それらは次のような熱処理に付される:
8b 160℃で450秒間;
8c 180℃で450秒間。
8b 160℃で450秒間;
8c 180℃で450秒間。
その後、該高芳香性抽出物が添加される。このことは3つの液体コーヒー濃縮物(LCC#25〜27)をもたらす。これら液体コーヒー濃縮物について、実行された処理の結果としてkg乾燥物質固形物当たりにどれくらいの酸が加水分解されたかが、決定される。結果は、下の表8に与えられる。
分割流抽出が、実施例1におけるように実行される。該一次抽出物は、78のBD/EG重量比を有する。抽出物流(PE2+SE)は、蒸発に付されることにより、30%の乾燥物質固形成分含有量まで濃縮される。
その結果の濃縮物は、3つのバッチ(9a、9b、9c)に分割され、それらは、以下の並列処理に付される:
9a 処理なし;
9b pH増加工程(pH=7)、引き続き160℃での45秒間の熱処理;
9c 9bと同様であるが、180℃での熱処理を伴う。
9a 処理なし;
9b pH増加工程(pH=7)、引き続き160℃での45秒間の熱処理;
9c 9bと同様であるが、180℃での熱処理を伴う。
その後、該高芳香性抽出物が添加される。このことは3つの液体コーヒー濃縮物(LCC#28〜30)をもたらす。これら液体コーヒー濃縮物について、実行された処理の結果としてkg乾燥物質固形物当たりにどれくらいの酸が加水分解されたかが、決定される。結果は、下の表9に与えられる。
分割流抽出が、実施例1におけるように実行される。該一次抽出物、即ち該高芳香性コーヒー抽出物は、全コーヒー乾燥物質の15重量%を含有し、54のBD/EG重量比を有する。該低芳香性コーヒー抽出物(PE2+SE)は、乾燥物質に基づいて68重量%の二次抽出物および32重量%の第2の一次抽出物を含む。
該低芳香性コーヒー抽出物(PE2+SE)は、2つのバッチ(10a、10b)に分割され、それらは、以下の並列処理に付される:
10a 38%乾燥物質への蒸発
10b 実施例1において実行されたようなpH増加工程(pH=6)、38%乾燥物質への蒸発工程、それに続く180℃での2分間の熱処理。
10a 38%乾燥物質への蒸発
10b 実施例1において実行されたようなpH増加工程(pH=6)、38%乾燥物質への蒸発工程、それに続く180℃での2分間の熱処理。
別に、濃縮されていない高回収抽出物(充填材(流れF、スキーム2))がコーヒーの第2バッチから作られる。この抽出物は、5.8のBD/EG重量比を有する.この充填材は、2つのバッチ(10cおよび10d)に分割され、それらは次の並列処理に付される:
10c 48%乾燥物質への蒸発;
10d 実施例1において実行されたようなpH増加工程(pH=6)、48%乾燥物質への蒸発工程、引き続く、180℃での2分間の熱処理。
10c 48%乾燥物質への蒸発;
10d 実施例1において実行されたようなpH増加工程(pH=6)、48%乾燥物質への蒸発工程、引き続く、180℃での2分間の熱処理。
この実施例における該低芳香性画分は、PE2+SEおよび充填材の混合物から成る。
4つの低芳香性濃縮物が、充填材のバッチの、乾燥物質に基づいて39重量%と(PE2+SE)のバッチの、乾燥物質に基づいて61重量%を混合することによって用意される:
10e− 10a+10c;
10f− 10b+10d;
10g− 10b+10c;
10h− 10a+10d。
4つの低芳香性濃縮物が、充填材のバッチの、乾燥物質に基づいて39重量%と(PE2+SE)のバッチの、乾燥物質に基づいて61重量%を混合することによって用意される:
10e− 10a+10c;
10f− 10b+10d;
10g− 10b+10c;
10h− 10a+10d。
その後、該高芳香性コーヒー抽出物が添加される。これは、3つの液体コーヒー濃縮物(LCC#31〜34)をもたらす。これら液体コーヒー濃縮物について、実行された処理の結果としてkg乾燥物質固形物当たりにどれくらいの酸が加水分解されたかが、決定される。結果は、下の表10に与えられる。
該pHは、LCC#31(■)、32(◆)、33(×)、および34(▲)について、時間とともに、図6に示されたように変化した。8週間の保存寿命中、本発明に従う該製品は5未満のpHに下がらない。
約30重量/重量%乾燥物質固形成分を有する液体コーヒー濃縮物は、50%のアラビカおよび50%のロブスタのコーヒー豆の混合物を抽出し、そして米国特許出願公開第2010/0316784号明細書で記載された工程に従って処理されることによって得られた。
液体コーヒー抽出物は、食用アルカリ、すなわち水酸化カリウムの添加によってpH5.7に調整された。
得られたコーヒー濃縮物は、145℃で90秒間の保持時間で処理され、その後、環境条件へ急速に冷却された。
最終製品のpHは、約5.2であった。
最終製品中に、わずか100mモル酸/kg乾燥物質含有量が放出された。該pHは、8週間以内で5.0未満に低下した。
専門家によって評価されると、該製品は酸っぱい異味があった。
液体コーヒー抽出物は、食用アルカリ、すなわち水酸化カリウムの添加によってpH5.7に調整された。
得られたコーヒー濃縮物は、145℃で90秒間の保持時間で処理され、その後、環境条件へ急速に冷却された。
最終製品のpHは、約5.2であった。
最終製品中に、わずか100mモル酸/kg乾燥物質含有量が放出された。該pHは、8週間以内で5.0未満に低下した。
専門家によって評価されると、該製品は酸っぱい異味があった。
Claims (21)
- pH4.8〜6の液体コーヒー濃縮物の製造方法であって、以下の工程:
a)焙煎され挽かれたコーヒーを、水による1回以上の抽出工程に付して、コーヒー抽出物を得ること、
b)前記抽出工程中の分別によって、または前記抽出工程後の芳香回収によって、該コーヒー抽出物を分離に付して、高芳香性コーヒー抽出物および低芳香性コーヒー抽出物を得ること、
c)該低芳香性コーヒー抽出物を、少なくとも10重量%の乾燥物質含有量まで濃縮すること、
d)該低芳香性コーヒー濃縮物の少なくとも25重量%の乾燥物質を、少なくとも150℃でせいぜい15分間の保持時間の熱処理に付すこと、
e)少なくとも該低芳香性コーヒー濃縮物と該高芳香性コーヒー抽出物を混合すること、
を含み、
そこにおいて、工程b)の後に、pH増加工程が実行され、
それにより、液体コーヒー濃縮物をうる、
上記方法。 - 該熱処理は、少なくとも150℃の温度で、せいぜい10分間の保持時間で実行される、請求項1に記載の方法。
- 該熱処理は、150℃から200℃までで、10分間から10秒間の保持時間で実行される、請求項2に記載の方法。
- 該熱処理は、150℃から180℃までで、10分間から10秒間の保持時間で実行される、請求項3に記載の方法。
- 該熱処理は、160℃から170℃までで、5分間から30秒間の保持時間で実行される、請求項4に記載の方法。
- 工程b)の後かつ工程e)の前に、該低芳香性コーヒー抽出物または熱処理を受ける(べき)ところの該低芳香性コーヒー濃縮物が、pH増加工程に付される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 該pH増加工程は、工程b)と工程c)の間で実行される、請求項6に記載の方法。
- 該pH増加工程は、工程c)と工程d)の間で実行される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 該pHは、6〜8の値に上昇させられる、請求項7または8に記載の方法。
- 該pH増加工程は、工程d)と工程e)の間で実行される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 該pH増加工程は、工程e)の後で実行される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 該pHは、5〜6の値に上昇させられる、請求項10または11に記載の方法。
- 該pH上昇は、陰イオン交換装置、好ましくは陰イオン交換カラムにより実行される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 該低芳香性コーヒー抽出物は、10〜60重量%、好ましくは15〜50重量%、最も好ましくは15〜40重量%の乾燥物質まで濃縮される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
- 該低芳香性コーヒー濃縮物の少なくとも50重量%乾燥物質、好ましくは75重量%乾燥物質、最も好ましくは該低芳香性コーヒー濃縮物の全てが、該熱処理に付される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
- 該方法は、最終製品における少なくとも120mモルの酸/kg乾燥物質固形成分含有量、好ましくは少なくとも150mモルの酸/kg乾燥物質固形成分含有量、最も好ましくは180mモルの酸/kg乾燥物質固形成分含有量、の加水分解をもたらす、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
- 2-フェニル-3-(2-フリル)-2-プロペナールの1.25mg/kg乾燥物質固形物、またはそれ以上を含む、pH4.8〜6の液体コーヒー濃縮物。
- pH5〜5.2を有し且つQA/QaL(キナ酸/キナ酸ラクトン)のモル比が10〜100、好ましくは30〜100である液体コーヒー濃縮物。
- 乾燥物質のkg当たり55g以下のカリウム含有量、及び/又は乾燥物質のkg当たり4g以下のナトリウム含有量を有する、請求項18に記載の液体コーヒー濃縮物。
- β-ダマセノンの8.5μg/kg乾燥物質固形物、またはそれ以下を含む、請求項17〜19のいずれか1項に記載の液体コーヒー濃縮物。
- 請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法により得られうる、請求項17〜20のいずれか1項に記載の液体コーヒー濃縮物。
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