JP2018155809A5 - - Google Patents

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偏光板および画像表示装置
本発明は、偏光板および画像表示装置に関する。
画像表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置)には、その画像形成方式に起因して、多くの場合、表示セルの少なくとも一方の側に偏光板が配置されている。一般的な偏光板は、偏光子と偏光子の片側または両側に配置された保護フィルムとを備える。近年、耐久性の向上を目的として、架橋弾性体を含有する(メタ)アクリル系樹脂フィルムからなる保護フィルムを用いることが提案されている(特許文献1)。
特開2016−218478号公報
近年、画像表示装置の薄型化の要望に伴い、画像表示装置を構成する各光学部材を近接して配置する必要が生じている。その結果、偏光板が、隣接して配置された拡散シート等の光学部材と接触することにより、偏光板の保護フィルムに傷が生じ得る。このような問題に対して、従来から、偏光板の表面にハードコート層または拡散層を形成することにより、保護フィルムの傷を抑制することが提案されている。しかしながら、これらの手法では、製造工程が増えることによって生産性が低下し得、コストがかかるという問題が生じ得る。
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、簡易な構成によって表面の傷が抑制された偏光板および上記偏光板を備える画像表示装置を提供することにある。
本発明の偏光板は、偏光子と、上記偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護フィルムと、を有し、保護フィルムは、アクリル系樹脂と、該アクリル系樹脂に分散されたコアシェル型粒子とを含み、保護フィルムの表面の算術平均粗さRaが6.0nm以上である。
1つの実施形態においては、上記アクリル系樹脂が、グルタルイミド単位、ラクトン環単位、無水マレイン酸単位、マレイミド単位および無水グルタル酸単位からなる群から選択される少なくとも1つを有する。
1つの実施形態においては、保護フィルムの上記偏光子とは反対側の表面に上記コアシェル型粒子による凹凸が形成されている。
1つの実施形態においては、上記保護フィルムが、上記アクリル系樹脂100重量部に対して、上記コアシェル型粒子を3重量部〜50重量部含有する。
1つの実施形態においては、上記コアシェル型粒子が、ゴム状重合体で構成されたコアと、ガラス状重合体で構成され該コアを被覆する被覆層と、を有する。
1つの実施形態においては、上記保護フィルムが二軸延伸フィルムである。
1つの実施形態においては、上記保護フィルムの表面に拡散層を有しない。
本発明の別の局面によれば、画像表示装置が提供される。この画像表示装置は、表示セルと、上記偏光板と、拡散シートと、光源と、をこの順に備え、上記偏光板の上記保護フィルムが上記拡散シートに対向して配置されている。
本発明によれば、簡易な構成によって表面の傷が抑制された偏光板および上記偏光板を備える画像表示装置を提供し得る。
本発明の1つの実施形態による偏光板の断面図である。 本発明の別の実施形態による偏光板の断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.偏光板の全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による偏光板の断面図である。偏光板10は、偏光子1と、偏光子1の一方の側に配置された保護フィルム2と、を有する。保護フィルム2は、アクリル系樹脂と、アクリル系樹脂に分散されたコアシェル型粒子とを含む。保護フィルム2の表面の算術平均粗さRaは6.0nm以上である。好ましくは、保護フィルム2の偏光子1とは反対側の表面にコアシェル型粒子による凹凸が形成されている。保護フィルム2は、好ましくは、アクリル系樹脂100重量部に対して、コアシェル型粒子を3重量部〜50重量部含有する。コアシェル型粒子は、代表的には、ゴム状重合体で構成されたコアと、ガラス状重合体で構成されコアを被覆する被覆層とを有する。保護フィルム2は、好ましくは二軸延伸フィルムである。1つの実施形態においては、偏光板10は、保護フィルム2の表面に拡散層を有しない。本発明の偏光板は、例えば画像表示装置に組み込まれて拡散シート等の他の光学部材と接触した場合であっても、上記他の光学部材との摩擦による傷の発生を抑制し得る。
図2は、本発明の別の実施形態による偏光板の断面図である。偏光板11は、偏光子1と、偏光子1の一方の側に配置された保護フィルム2(第1の保護フィルム)と、偏光子1の他方の側に配置された第2の保護フィルム3とを有する。第2の保護フィルム3は、第1の保護フィルム2と同じ材料で形成されたフィルムであってもよいし、別の材料で形成されたフィルムであってもよい。偏光板11は、第2の保護フィルム3に代えて、目的および用途に応じた任意の適切な光学機能フィルムを有し得る。
偏光板10および偏光板11は、枚葉状であってもよいし、長尺状であってもよい。また、偏光板10は、偏光子1の表面に粘着剤層(図示せず)を有してしてもよいし、偏光板11は、第2の保護フィルム3の表面に粘着剤層(図示せず)を有していてもよい。
B.偏光子
偏光子としては、任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、偏光子を形成する樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の具体例としては、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理および延伸処理が施されたもの、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。好ましくは、光学特性に優れることから、PVA系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸して得られた偏光子が用いられる。
上記ヨウ素による染色は、例えば、PVA系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。上記一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは3〜7倍である。延伸は、染色処理後に行ってもよいし、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。必要に応じて、PVA系フィルムに、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にPVA系フィルムを水に浸漬して水洗することで、PVA系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、PVA系フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
積層体を用いて得られる偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。得られた樹脂基材/偏光子の積層体はそのまま用いてもよく(すなわち、樹脂基材を偏光子の保護層としてもよく)、樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離し、当該剥離面に目的に応じた任意の適切な保護層を積層して用いてもよい。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012−73580号公報に記載されている。当該公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
偏光子の厚みは、例えば1μm〜80μmである。1つの実施形態においては、偏光子の厚みは、好ましくは1μm〜15μmであり、さらに好ましくは3μm〜10μmであり、特に好ましくは3μm〜8μmである。
C.保護フィルム
C−1.保護フィルムの特性
保護フィルムは、上記のとおり、アクリル系樹脂と、アクリル系樹脂に分散されたコアシェル型粒子とを含み、保護フィルムの表面の算術平均粗さRaは6.0nm以上である。上記算術平均粗さRaは、好ましくは6nm〜50nmであり、より好ましくは6nm〜40nmである。算術平均粗さRaを上記の範囲内の値とすることにより、保護フィルム表面の滑り性が高くなりすぎることを抑制し、その結果、保護フィルム(および偏光板)を長尺化した場合の巻きずれを抑制し得る。上記算術平均粗さRaは、保護フィルム中のコアシェル型粒子の含有量、後述する保護フィルムの製造方法における延伸条件等によって所望の範囲内に調整され得る。保護フィルムの厚みは、好ましくは5μm〜150μmであり、より好ましくは10μm〜100μmである。
保護フィルムは、好ましくは、実質的に光学的に等方性を有する。本明細書において「実質的に光学的に等方性を有する」とは、面内位相差Re(550)が0nm〜10nmであり、厚み方向の位相差Rth(550)が−10nm〜+10nmであることをいう。面内位相差Re(550)は、より好ましくは0nm〜5nmであり、さらに好ましくは0nm〜3nmであり、特に好ましくは0nm〜2nmである。厚み方向の位相差Rth(550)は、より好ましくは−5nm〜+5nmであり、さらに好ましくは−3nm〜+3nmであり、特に好ましくは−2nm〜+2nmである。保護フィルムのRe(550)およびRth(550)がこのような範囲であれば、偏光板を画像表示装置に適用した場合に表示特性に対する悪影響を防止することができる。なお、Re(550)は、23℃における波長550nmの光で測定したフィルムの面内位相差である。Re(550)は、式:Re(550)=(nx−ny)×dによって求められる。Rth(550)は、23℃における波長550nmの光で測定したフィルムの厚み方向の位相差である。Rth(550)は、式:Rth(550)=(nx−nz)×dによって求められる。ここで、nxは面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、nyは面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、nzは厚み方向の屈折率であり、dはフィルムの厚み(nm)である。
保護フィルムの厚み80μmにおける380nmでの光線透過率は、高ければ高いほど好ましい。具体的には、光線透過率は、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上、さらに好ましくは90%以上である。光線透過率がこのような範囲であれば、所望の透明性を確保することができる。光線透過率は、例えば、ASTM−D−1003に準じた方法で測定され得る。
保護フィルムのヘイズは、低ければ低いほど好ましい。具体的には、ヘイズは、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは1.5%以下、特に好ましくは1%以下である。ヘイズが5%以下であると、フィルムに良好なクリヤー感を与えることができる。さらに、画像表示装置の視認側偏光板に使用する場合でも、表示内容が良好に視認できる。
保護フィルムの厚み80μmにおけるYIは、好ましくは1.27以下、より好ましくは1.25以下、さらに好ましくは1.23以下、特に好ましくは1.20以下である。YIが1.3を超えると、光学的透明性が不十分となる場合がある。なお、YIは、例えば、高速積分球式分光透過率測定機(商品名DOT−3C:村上色彩技術研究所製)を用いた測定で得られる色の三刺激値(X、Y、Z)より、次式によって求めることができる。
YI=[(1.28X−1.06Z)/Y]×100
保護フィルムの厚み80μmにおけるb値(ハンターの表色系に準じた色相の尺度)は、好ましくは1.5未満、より好ましくは1.0以下である。b値が1.5以上である場合、所望でない色味が出る場合がある。なお、b値は、例えば、保護フィルムサンプルを3cm角に裁断し、高速積分球式分光透過率測定機(商品名DOT−3C:村上色彩技術研究所製)を用いて色相を測定し、当該色相をハンターの表色系に準じて評価することにより得られ得る。
保護フィルムの透湿度は、好ましくは300g/m・24hr以下、より好ましくは250g/m・24hr以下、さらに好ましくは200g/m・24hr以下、特に好ましくは150g/m・24hr以下、最も好ましくは100g/m・24hr以下である。保護フィルムの透湿度がこのような範囲であれば、耐久性および耐湿性に優れた偏光板が得られ得る。
保護フィルムの引張強度は、好ましくは10MPa以上100MPa未満であり、より好ましくは30MPa以上100MPa未満である。10MPa未満の場合には、十分な機械的強度を発現できない場合がある。100MPaを超えると、加工性が不十分となるおそれがある。引張強度は、例えば、ASTM−D−882−61Tに準じて測定され得る。
保護フィルムの引張伸びは、好ましくは1.0%以上、より好ましくは3.0%以上、さらに好ましくは5.0%以上である。引張伸びの上限は、例えば100%である。引張伸びが1%未満である場合には、靭性が不十分となる場合がある。引張伸びは、例えば、ASTM−D−882−61Tに準じて測定され得る。
保護フィルムの引張弾性率は、好ましくは0.5GPa以上、より好ましくは1GPa以上、さらに好ましくは2GPa以上である。引張弾性率の上限は、例えば20GPaである。引張弾性率が0.5GPa未満である場合には、十分な機械的強度を発現できない場合がある。引張弾性率は、例えば、ASTM−D−882−61Tに準じて測定され得る。
保護フィルムは、目的に応じて任意の適切な添加剤を含んでいてもよい。添加剤の具体例としては、紫外線吸収剤;ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤;耐光安定剤、耐候安定剤、熱安定剤等の安定剤;ガラス繊維、炭素繊維等の補強材;近赤外線吸収剤;トリス(ジブロモプロピル)ホスフェート、トリアリルホスフェート、酸化アンチモン等の難燃剤;アニオン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤等の帯電防止剤;無機顔料、有機顔料、染料等の着色剤;有機フィラーまたは無機フィラー;樹脂改質剤;有機充填剤や無機充填剤;可塑剤;滑剤;などが挙げられる。添加剤はアクリル系樹脂の重合時に添加されてもよく、フィルム形成時に添加されてもよい。添加剤の種類、数、組み合わせ、添加量等は、目的に応じて適切に設定され得る。
1つの実施形態においては、第2の保護フィルムは、第1の保護フィルムと同じ材料で形成され得る。別の実施形態においては、第2の保護フィルムは、第1の保護フィルムとは異なる材料で形成され得る。第2の保護フィルムが第1の保護フィルムとは異なる材料で形成される場合、第2の保護フィルムの形成材料としては、例えば、コアシェル型粒子を含有しないアクリル系樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重合体樹脂等が挙げられる。第2の保護フィルムの厚みは、好ましくは10μm〜100μmである。
C−2.アクリル系樹脂
C−2−1.アクリル系樹脂の構成
アクリル系樹脂としては、任意の適切なアクリル系樹脂が採用され得る。アクリル系樹脂は、代表的には、モノマー単位として、アルキル(メタ)アクリレートを主成分として含有する。本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。アクリル系樹脂の主骨格を構成するアルキル(メタ)アクリレートとしては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の炭素数1〜18のものを例示できる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。さらに、アクリル系樹脂には、任意の適切な共重合モノマーを共重合により導入してもよい。このような共重合モノマーの種類、数、共重合比等は目的に応じて適切に設定され得る。アクリル系樹脂の主骨格の構成成分(モノマー単位)については、一般式(2)を参照しながら後述する。
アクリル系樹脂は、好ましくは、グルタルイミド単位、ラクトン環単位、無水マレイン酸単位、マレイミド単位および無水グルタル酸単位から選択される少なくとも1つを有する。ラクトン環単位を有するアクリル系樹脂は、例えば特開2008−181078号公報に記載されており、当該公報の記載は本明細書に参考として援用される。グルタルイミド単位は、好ましくは、下記一般式(1)で表される:
Figure 2018155809
一般式(1)において、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示し、Rは、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数6〜10のアリール基を示す。一般式(1)において、好ましくは、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、Rは水素原子、メチル基、ブチル基またはシクロヘキシル基である。より好ましくは、Rはメチル基であり、Rは水素原子であり、Rはメチル基である。
上記アルキル(メタ)アクリレートは、代表的には、下記一般式(2)で表される:
Figure 2018155809
一般式(2)において、Rは、水素原子またはメチル基を示し、Rは、水素原子、あるいは、置換されていてもよい炭素数1〜6の脂肪族または脂環式炭化水素基を示す。置換基としては、例えば、ハロゲン、水酸基が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシルおよび(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチルが挙げられる。一般式(2)において、Rは、好ましくは、水素原子またはメチル基である。したがって、特に好ましいアルキル(メタ)アクリレートは、アクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルである。
上記アクリル系樹脂は、単一のグルタルイミド単位のみを含んでいてもよいし、上記一般式(1)におけるR、RおよびRが異なる複数のグルタルイミド単位を含んでいてもよい。
上記アクリル系樹脂におけるグルタルイミド単位の含有割合は、好ましくは2モル%〜50モル%、より好ましくは2モル%〜45モル%、さらに好ましくは2モル%〜40モル%、特に好ましくは2モル%〜35モル%、最も好ましくは3モル%〜30モル%である。含有割合が2モル%より少ないと、グルタルイミド単位に由来して発現される効果(例えば、高い光学的特性、高い機械的強度、偏光子との優れた接着性、薄型化)が十分に発揮されないおそれがある。含有割合が50モル%を超えると、例えば、耐熱性、透明性が不十分となるおそれがある。
上記アクリル系樹脂は、単一のアルキル(メタ)アクリレート単位のみを含んでいてもよいし、上記一般式(2)におけるRおよびRが異なる複数のアルキル(メタ)アクリレート単位を含んでいてもよい。
上記アクリル系樹脂におけるアルキル(メタ)アクリレート単位の含有割合は、好ましくは50モル%〜98モル%、より好ましくは55モル%〜98モル%、さらに好ましくは60モル%〜98モル%、特に好ましくは65モル%〜98モル%、最も好ましくは70モル%〜97モル%である。含有割合が50モル%より少ないと、アルキル(メタ)アクリレート単位に由来して発現される効果(例えば、高い耐熱性、高い透明性)が十分に発揮されないおそれがある。上記含有割合が98モル%よりも多いと、樹脂が脆くて割れやすくなり、高い機械的強度が十分に発揮できず、生産性に劣るおそれがある。
上記アクリル系樹脂は、グルタルイミド単位およびアルキル(メタ)アクリレート単位以外の単位を含んでいてもよい。
1つの実施形態においては、アクリル系樹脂は、後述する分子内イミド化反応に関与していない不飽和カルボン酸単位を例えば0〜10重量%含有することができる。不飽和カルボン酸単位の含有割合は、好ましくは0〜5重量%であり、より好ましくは0〜1重量%である。含有量がこのような範囲であれば、透明性、滞留安定性および耐湿性を維持することができる。
1つの実施形態においては、アクリル系樹脂は、上記以外の共重合可能なビニル系単量体単位(他のビニル系単量体単位)を含有することができる。その他のビニル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、アリルグリシジルエーテル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチル、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン、アリルアミン、メタアリルアミン、N−メチルアリルアミン、2−イソプロペニル−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクロイル−オキサゾリン、N−フェニルマレイミド、メタクリル酸フェニルアミノエチル、スチレン、α−メチルスチレン、p−グリシジルスチレン、p−アミノスチレン、2−スチリル−オキサゾリンなどがあげられる。これらは、単独で用いてもよく併用してもよい。好ましくは、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体である。他のビニル系単量体単位の含有割合は、好ましくは0〜1重量%であり、より好ましくは0〜0.1重量%である。このような範囲であれば、所望でない位相差の発現および透明性の低下を抑制することができる。
上記アクリル系樹脂におけるイミド化率は、好ましくは2.5%〜20.0%である。イミド化率がこのような範囲であれば、耐熱性、透明性および成形加工性に優れた樹脂が得られ、フィルム成形時のコゲの発生や機械的強度の低下が防止され得る。上記アクリル系樹脂において、イミド化率は、グルタルイミド単位とアルキル(メタ)アクリレート単位との比で表される。この比は、例えば、アクリル系樹脂のNMRスペクトル、IRスペクトル等から得ることができる。本実施形態においては、イミド化率は、HNMR BRUKER AvanceIII(400MHz)を用いて、樹脂のH−NMR測定により求めることができる。より具体的には、3.5から3.8ppm付近のアルキル(メタ)アクリレートのO−CHプロトン由来のピーク面積をAとし、3.0から3.3ppm付近のグルタルイミドのN−CHプロトン由来のピークの面積をBとして、次式により求められる。
イミド化率Im(%)={B/(A+B)}×100
上記アクリル系樹脂の酸価は、好ましくは0.10mmol/g〜0.50mmol/gである。酸価がこのような範囲であれば、耐熱性、機械物性および成形加工性のバランスに優れた樹脂を得ることができる。酸価が小さすぎると、所望の酸価に調整するための変性剤の使用によるコストアップ、変性剤の残存によるゲル状物の発生といった問題が生じる場合がある。酸価が大きすぎると、フィルム成形時(例えば、溶融押出時)の発泡が起こりやすくなり、成形品の生産性が低下する傾向がある。上記アクリル系樹脂において、酸価は、当該アクリル系樹脂におけるカルボン酸単位およびカルボン酸無水物単位の含有量である。本実施形態においては、酸価は、例えば、WO2005/054311または特開2005−23272号公報に記載の滴定法により算出することができる。
上記アクリル系樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1000〜2000000、より好ましくは5000〜1000000、さらに好ましくは10000〜500000、特に好ましくは50000〜500000、最も好ましくは60000〜150000である。重量平均分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフ(GPCシステム,東ソー製)を用いて、ポリスチレン換算により求めることができる。なお、溶剤としてはテトラヒドロフランが用いられ得る。
上記アクリル系樹脂は、Tg(ガラス転移温度)が、好ましくは110℃以上、より好ましくは115℃以上、さらに好ましくは120℃以上、特に好ましくは125℃以上、最も好ましくは130℃以上である。Tgが110℃以上であれば、このような樹脂から得られた保護フィルムを含む偏光板は、耐久性に優れたものとなりやすい。Tgの上限値は、好ましくは300℃以下、より好ましくは290℃以下、さらに好ましくは285℃以下、特に好ましくは200℃以下、最も好ましくは160℃以下である。Tgがこのような範囲であれば、成形性に優れ得る。
C−2−2.アクリル系樹脂の重合
上記アクリル系樹脂は、例えば、以下の方法で製造することができる。この方法は、(I)一般式(2)で表されるアルキル(メタ)アクリレート単位に対応するアルキル(メタ)アクリレート単量体と、不飽和カルボン酸単量体および/またはその前駆体単量体と、を共重合して共重合体(a)を得ること;および、(II)該共重合体(a)をイミド化剤にて処理することにより、当該共重合体(a)中のアルキル(メタ)アクリレート単量体単位と不飽和カルボン酸単量体および/またはその前駆体単量体単位の分子内イミド化反応を行い、一般式(1)で表されるグルタルイミド単位を共重合体中に導入すること;を含む。
不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−置換アクリル酸、α−置換メタクリル酸が挙げられる。その前駆体単量体としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミドなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく併用してもよい。好ましい不飽和カルボン酸単量体はアクリル酸またはメタクリル酸であり、好ましい前駆体単量体はアクリルアミドである。
共重合体(a)をイミド化剤により処理する方法としては、任意の適切な方法を用いることができる。具体例としては、押出機を用いる方法、バッチ式反応槽(圧力容器)を用いる方法が挙げられる。押出機を用いる方法は、押出機を用いて共重合体(a)を加熱溶融し、これをイミド化剤で処理することを含む。この場合、押出機としては、任意の適切な押出機を用いることができる。具体例としては、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機が挙げられる。バッチ式反応槽(圧力容器)を用いる方法においては、任意の適切なバッチ式反応槽(圧力容器)を用いることができる。
イミド化剤としては、上記一般式(1)で表されるグルタルイミド単位を生成できる限りにおいて任意の適切な化合物を用いることができる。イミド化剤の具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン等の脂肪族炭化水素基含有アミン、アニリン、ベンジルアミン、トルイジン、トリクロロアニリン等の芳香族炭化水素基含有アミン、シクロヘキシルアミン等などの脂環式炭化水素基含有アミンが挙げられる。さらに、例えば加熱によりこのようなアミンを発生する尿素系化合物を用いることもできる。尿素化合物としては、例えば、尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素、1,3−ジプロピル尿素が挙げられる。イミド化剤は、好ましくはメチルアミン、アンモニア、シクロヘキシルアミンであり、より好ましくはメチルアミンである。
イミド化においては、上記イミド化剤に加えて、必要に応じて、閉環促進剤を添加してもよい。
イミド化におけるイミド化剤の使用量は、共重合体(a)100重量部に対して、好ましくは0.5重量部〜10重量部であり、より好ましくは0.5重量部〜6重量部である。イミド化剤の使用量が0.5重量部より少ないと、所望のイミド化率が達成されない場合が多い。その結果、得られる樹脂の耐熱性がきわめて不十分となり、成形後のコゲなどの外観欠陥を誘発する場合がある。イミド化剤の使用量が10重量部を超えると、樹脂中にイミド化剤が残存し、当該イミド化剤により成形後のコゲなどの外観欠陥や発泡を誘発する場合がある。
本実施形態の製造方法は、必要に応じて、上記イミド化に加え、エステル化剤による処理を含むことができる。
エステル化剤としては、例えば、ジメチルカーボネート、2,2−ジメトキシプロパン、ジメチルスルホキシド、トリエチルオルトホルメート、トリメチルオルトアセテート、トリメチルオルトホルメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルサルフェート、メチルトルエンスルホネート、メチルトリフルオロメタンスルホネート、メチルアセテート、メタノール、エタノール、メチルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシアネート、ジメチルカルボジイミド、ジメチル−t−ブチルシリルクロライド、イソプロペニルアセテート、ジメチルウレア、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、ジメチルジエトキシシラン、テトラ−N−ブトキシシラン、ジメチル(トリメチルシラン)フォスファイト、トリメチルフォスファイト、トリメチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、ジアゾメタン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテルが挙げられる。これらの中でも、コストおよび反応性などの観点から、ジメチルカーボネートが好ましい。
エステル化剤の添加量は、アクリル系樹脂の酸価が所望の値になるように設定され得る。
C−2−3.他の樹脂の併用
本発明の実施形態においては、上記アクリル系樹脂と他の樹脂とを併用してもよい。すなわち、アクリル系樹脂を構成するモノマー成分と他の樹脂を構成するモノマー成分とを共重合し、当該共重合体をD項で後述するフィルム形成に供してもよく;アクリル系樹脂と他の樹脂とのブレンドをフィルム形成に供してもよい。他の樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどの他の熱可塑性樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。併用する樹脂の種類および配合量は、目的および得られるフィルムに所望される特性等に応じて適切に設定され得る。例えば、スチレン系樹脂(好ましくは、アクリロニトリル−スチレン共重合体)は、位相差制御剤として併用され得る。
アクリル系樹脂と他の樹脂とを併用する場合、アクリル系樹脂と他の樹脂とのブレンドにおけるアクリル系樹脂の含有量は、好ましくは50重量%〜100重量%、より好ましくは60重量%〜100重量%、さらに好ましくは70重量%〜100重量%、特に好ましくは80重量%〜100重量%である。含有量が50重量%未満である場合には、アクリル系樹脂が本来有する高い耐熱性、高い透明性が十分に反映できないおそれがある。
C−3.コアシェル型粒子
上記保護フィルムにおいて、コアシェル型粒子は、アクリル系樹脂100重量部に対して、好ましくは3重量部〜50重量部、より好ましくは3重量部〜40重量部配合される。これにより、保護フィルムの表面の算術平均粗さRaを所望の範囲内に調整し得る。コアシェル型粒子は、一部が保護フィルムの表面に露出することによって保護フィルムの表面に凹凸を形成してもよいし、保護フィルムの表面に露出することなく(アクリル系樹脂に覆われた状態で)保護フィルムの表面に凹凸を形成してもよい。
コアシェル型粒子は、代表的には、ゴム状重合体で構成されたコアと、ガラス状重合体で構成され該コアを被覆する被覆層と、を有する。コアシェル型粒子は、最内層または中間層として、ガラス状重合体で構成された層を一層以上有していてもよい。
コアを構成するゴム状重合体のTgは、好ましくは20℃以下であり、より好ましくは−60℃〜20℃であり、さらに好ましくは−60℃〜10℃である。コアを構成するゴム状重合体のTgが20℃を超えると、アクリル系樹脂の機械的強度の向上が十分ではないおそれがある。被覆層を構成するガラス状重合体(硬質重合体)のTgは、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは50℃〜140℃であり、さらに好ましくは60℃〜130℃である。被覆層を構成するガラス状重合体のTgが50℃より低いと、アクリル系樹脂の耐熱性が低下するおそれがある。
コアシェル型粒子におけるコアの含有割合は、好ましくは30重量%〜95重量%、より好ましくは50重量%〜90重量%である。コアにおけるガラス状重合体層の割合は、コアの総量100重量%に対して0〜60重量%、好ましくは0〜45重量%、より好ましくは10重量%〜40重量%である。コアシェル型粒子における被覆層の含有割合は、好ましくは5重量%〜70重量%、より好ましくは10重量%〜50重量%である。
1つの実施形態においては、アクリル系樹脂中に分散されたコアシェル型粒子は扁平形状を有し得る。コアシェル型粒子は、C−4項で後述する延伸によって扁平化され得る。扁平化されたコアシェル型粒子の長さ/厚みの比は7.0以下である。長さ/厚みの比は、好ましくは6.5以下であり、より好ましくは6.3以下である。一方、長さ/厚みの比は、好ましくは4.0以上であり、より好ましくは4.5以上であり、さらに好ましくは5.0以上である。本明細書において「長さ/厚みの比」とは、コアシェル型粒子の平面視形状の代表長さと厚みとの比を意味する。ここで、「代表長さ」とは、平面視形状が円形の場合には直径、楕円形の場合には長径、矩形または多角形の場合には対角線の長さをいう。当該比は、例えば、以下の手順で求められ得る。得られたフィルム断面を透過型電子顕微鏡(例えば、加速電圧80kV、RuO染色超薄切片法)で撮影し、得られた写真に存在するコアシェル型粒子のうち長いもの(代表長さに近い断面が得られているもの)から順に30個を抽出し、(長さの平均値)/(厚みの平均値)を算出することにより、当該比が得られ得る。
コアシェル型粒子のコアを構成するゴム状重合体、被覆層を構成するガラス状重合体(硬質重合体)、これらの重合方法、およびその他の構成の詳細については、例えば特開2016−33552号公報に記載されている。この公報の記載は、本明細書に参考として援用される。
C−4.保護フィルムの形成
本発明の実施形態による保護フィルムは、代表的には、上記アクリル系樹脂(その他の樹脂を併用する場合には、当該その他の樹脂とのブレンド)およびコアシェル型粒子を含む組成物をフィルム形成することを含む方法により形成され得る。さらに、保護フィルムを形成する方法は、上記フィルムを延伸することを含み得る。
フィルム形成に用いられるコアシェル型粒子の平均粒子径は、好ましくは1nm〜500nmである。このような平均粒子径であれば、得られる保護フィルムの表面の算術平均粗さRaを所望の範囲内に調整し得る。コアの平均粒子径は、好ましくは50nm〜300nmであり、より好ましくは70nm〜300nmである。
フィルムを形成する方法としては、任意の適切な方法を採用することができる。具体例としては、キャスト塗工法(例えば、流延法)、押出成形法、射出成形法、圧縮成形法、トランスファー成形法、ブロー成形法、粉末成形法、FRP成形法、カレンダー成形法、熱プレス法が挙げられる。好ましくは、押出成形法またはキャスト塗工法である。得られるフィルムの平滑性を高め、良好な光学的均一性を得ることができるからである。特に好ましくは、押出成形法である。残存溶媒による問題を考慮する必要がないからである。中でも、Tダイを用いた押出成形法が、フィルムの生産性および以降の延伸処理の容易性の観点から好ましい。成形条件は、使用される樹脂の組成や種類、得られるフィルムに所望される特性等に応じて適宜設定され得る。
延伸方法としては、任意の適切な延伸方法、延伸条件(例えば、延伸温度、延伸倍率、延伸速度、延伸方向)が採用され得る。延伸方法の具体例としては、自由端延伸、固定端延伸、自由端収縮、固定端収縮が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、同時に用いてもよく、逐次に用いてもよい。アクリル系樹脂に対するコアシェル型粒子の配合量が適切に調整されたフィルムを適切な延伸条件で延伸することにより、コアシェル型粒子がフィルムの表面に移動(ブリード)し、その結果、フィルムの表面に凹凸が形成され、得られる保護フィルムの表面の算術平均粗さRaが上記所望の範囲内に調整され得る。
延伸方向は、目的に応じて適切な方向が採用され得る。具体的には、長さ方向、幅方向、厚さ方向、斜め方向が挙げられる。延伸方向は、一方向であってもよく(一軸延伸)、二方向であってもよく(二軸延伸)、三方向以上であってもよい。本発明の実施形態においては、代表的には、長さ方向の一軸延伸、長さ方向および幅方向の同時二軸延伸、長さ方向および幅方向の逐次二軸延伸が採用され得る。好ましくは、二軸延伸(同時または逐次)である。面内位相差の制御が容易であり、光学的等方性を実現しやすいからである。
延伸温度は、保護フィルムに所望される光学的特性、機械的特性および厚み、使用される樹脂の種類、使用されるフィルムの厚み、延伸方法(一軸延伸または二軸延伸)、延伸倍率、延伸速度等に応じて変化し得る。具体的には、延伸温度は、好ましくはTg〜Tg+50℃、さらに好ましくはTg+15℃〜Tg+50℃、最も好ましくはTg+35℃〜Tg+50℃である。このような温度で延伸することにより、適切な特性を有する保護フィルムが得られ得る。具体的な延伸温度は、例えば110℃〜200℃であり、好ましくは120℃〜190℃である。延伸温度がこのような範囲であれば、延伸倍率および延伸速度を適切に調整することにより、コアシェル型粒子がフィルムの表面にブリードし、得られる保護フィルムの表面の算術平均粗さRaを上記所望の範囲内に調整し得る。
延伸倍率もまた、延伸温度と同様に、保護フィルムに所望される表面の算術平均粗さRa、光学的特性、機械的特性および厚み、使用される樹脂の種類、使用されるフィルムの厚み、延伸方法(一軸延伸または二軸延伸)、延伸温度、延伸速度等に応じて変化し得る。二軸延伸を採用する場合、幅方向(TD)の延伸倍率と長さ方向(MD)の延伸倍率との比(TD/MD)は、好ましくは1.0〜1.5であり、より好ましくは1.0〜1.4であり、さらに好ましくは1.0〜1.3である。また、二軸延伸を採用する場合の面倍率(長さ方向の延伸倍率と幅方向の延伸倍率との積)は、好ましくは2.0〜6.0であり、より好ましくは3.0〜5.5であり、さらに好ましくは3.5〜5.2である。延伸倍率がこのような範囲であれば、延伸温度および延伸速度を適切に調整することにより、コアシェル型粒子がフィルムの表面にブリードし、得られる保護フィルムの表面の算術平均粗さRaを上記所望の範囲内に調整し得る。
延伸速度もまた、延伸温度と同様に、保護フィルムに所望される表面の算術平均粗さRa、光学的特性、機械的特性および厚み、使用される樹脂の種類、使用されるフィルムの厚み、延伸方法(一軸延伸または二軸延伸)、延伸温度、延伸倍率等に応じて変化し得る。延伸速度は、好ましくは3%/秒〜20%/秒であり、より好ましくは3%/秒〜15%/秒であり、さらに好ましくは3%/秒〜10%/秒である。二軸延伸を採用する場合、1つの方向の延伸速度ともう1つの方向の延伸速度とは、同一であってもよく異なっていてもよい。延伸速度がこのような範囲であれば、延伸温度および延伸倍率を適切に調整することにより、コアシェル型粒子がフィルムの表面にブリードし、得られる保護フィルムの表面の算術平均粗さRaを上記所望の範囲内に調整し得る。
以上のようにして、保護フィルムが形成され得る。
D.画像表示装置
上記AからC項に記載の偏光板は、画像表示装置に適用され得る。したがって、本発明は、そのような偏光板を用いた画像表示装置も包含する。画像表示装置の代表例としては、液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置が挙げられる。画像表示装置は、代表的には、表示セルと、偏光板と、拡散シートと、光源(バックライト)と、をこの順に備え、偏光板の保護フィルムが拡散シートに対向して配置される。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。各特性の測定方法は以下の通りである。なお、特に明記しない限り、実施例における「部」および「%」は重量基準である。
(1)厚み
デジタルマイクロメーター(アンリツ社製、製品名「KC−351C」)を用いて測定した。
(2)保護フィルムの表面の算術平均粗さRa
算術平均粗さRaは、光学式プロファイロメーター(Veeco Instruments社製、商品名「Optical Profilometer NT3300」)を用いて測定した。
(3)傷評価
ガラス板(MICRO SLIDE GLASS Pre−cleaned 水緑磨t1.3(MATSUNAMI社製)、製品型番「S200423」、サイズ:65mm×165mm、Thickness1.2〜1.5mm)に、50mm×1500mmのサイズに裁断した上記偏光板を、粘着剤層を介して貼り合わせることにより、ガラス板と偏光板との積層体を作製した。上記積層体は、液晶パネルの構成を擬似的に再現するものである。
トレーの中に、拡散シート(住友スリーエム株式会社製、製品名「DBEF−D2−400」)を配置し、上記拡散シートの上に、上記積層体を、偏光板側の面を下にして配置した。次いで、上記トレーを、200回/min×10minの条件で振とうさせた。その後、積層体を取り出し、偏光板の第1の保護フィルムの摩耗傷(擦れ傷の塊)の有無を目視にて確認した。
<実施例1>
(偏光板の作製)
1.保護フィルムの作製
MS樹脂(MS−200;メタクリル酸メチル/スチレン(モル比)=80/20の共重合体,新日鐵化学(株)製)をモノメチルアミンでイミド化(イミド化率:5%)した。得られたイミド化MS樹脂は、一般式(1)で表されるグルタルイミド単位(RおよびRはメチル基、Rは水素原子である)、一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸エステル単位(RおよびRはメチル基である)、およびスチレン単位を有していた。なお、上記イミド化には、口径15mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機を用いた。押出機の各温調ゾーンの設定温度を230℃、スクリュー回転数150rpmとし、MS樹脂を2.0kg/hrで供給し、モノメチルアミンの供給量はMS樹脂100重量部に対して2重量部とした。ホッパーからMS樹脂を投入し、ニーディングブロックによって樹脂を溶融および充満させた後、ノズルからモノメチルアミンを注入した。反応ゾーンの末端にはシールリングを入れて樹脂を充満させた。反応後の副生成物および過剰のメチルアミンを、ベント口の圧力を−0.08MPaに減圧して脱揮した。押出機出口に設けられたダイスからストランドとして出てきた樹脂は、水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化した。得られたイミド化MS樹脂のイミド化率は5.0%、酸価は0.5mmol/gであった。
上記で得られたイミド化MS樹脂100重量部とコアシェル型粒子10重量部とを単軸押出機に投入して溶融混合し、Tダイを通してフィルム形成することにより厚さ40μmの押出フィルムを得た。得られた押出フィルムを、延伸温度160℃で長さ方向および幅方向にそれぞれ2倍に同時二軸延伸した。延伸速度は、長さ方向および幅方向ともに10%/秒であった。
このようにして、保護フィルムを作製した。得られた保護フィルムの厚さは10μm、算術表面粗さRaは22.18nm、面内位相差Re(550)は2nm、厚み方向位相差Rth(550)は2nmであった。
2.偏光子の作製
厚み30μmのポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルム(クラレ製、製品名「PE3000」)の長尺ロールを、ロール延伸機により長手方向に5.9倍になるように長手方向に一軸延伸しながら同時に膨潤、染色、架橋、洗浄処理を施し、最後に乾燥処理を施すことにより厚み12μmの偏光子を作製した。
具体的には、膨潤処理は20℃の純水で処理しながら2.2倍に延伸した。次いで、染色処理は得られる偏光子の単体透過率が45.0%になるようにヨウ素濃度が調整されたヨウ素とヨウ化カリウムの重量比が1:7である30℃の水溶液中において処理しながら1.4倍に延伸した。更に、架橋処理は、2段階の架橋処理を採用し、1段階目の架橋処理は40℃のホウ酸とヨウ化カリウムを溶解した水溶液において処理しながら1.2倍に延伸した。1段階目の架橋処理の水溶液のホウ酸含有量は5.0重量%で、ヨウ化カリウム含有量は3.0重量%とした。2段階目の架橋処理は65℃のホウ酸とヨウ化カリウムを溶解した水溶液において処理しながら1.6倍に延伸した。2段階目の架橋処理の水溶液のホウ酸含有量は4.3重量%で、ヨウ化カリウム含有量は5.0重量%とした。また、洗浄処理は、20℃のヨウ化カリウム水溶液で処理した。洗浄処理の水溶液のヨウ化カリウム含有量は2.6重量%とした。最後に、乾燥処理は70℃で5分間乾燥させて偏光子を得た。
3.偏光板の作製
(第2の保護フィルム)
上記偏光子の一方の面に、ポリビニルアルコール系接着剤を介して、第1の保護フィルムとして上記で得られた保護フィルムを貼り合わせ、上記偏光子の他方の面に、ポリビニルアルコール系接着剤を介して、第2の保護フィルムとしてTACフィルム(大日本印刷社製、商品名「DSG−03」、厚み70μm)を貼り合わせた。
(粘着剤層)
冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に、アクリル酸ブチル94.9部、アクリル酸5部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル0.1部、及びジベンゾイルパーオキサイドを前記モノマー合計(固形分)100部に対して0.3部を酢酸エチルと共に加えて、窒素ガス気流下、60℃で7時間反応させた後、その反応液に酢酸エチルを加えて、重量平均分子量220万、分散比3.9のアクリル系ポリマー(B)を含有する溶液を得た(固形分濃度30%)。前記アクリル系ポリマー(B)を含有する溶液の固形分100部あたり、0.6部のトリメチロールプロパントリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートL)と、0.075部のγ−グリシドキシプロピルメトキシシラン(信越化学工業(株)製:KBM−403)を配合して、粘着剤の溶液を得た。前記の溶液を、固形分濃度が15%になるように、酢酸エチルで希釈して粘着剤塗工液を調製した。シリコーン処理を施した、38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製,MRF38)の片面に、上記で調製した粘着剤塗工液を、塗工厚みが134.0μmになるように、ファウンテンダイコーターを用いて塗工した。次いで、155℃で1分間乾燥を行い、厚み20μmの粘着剤層を形成した。当該粘着剤層を、上記TACフィルムの表面に転写し、偏光板(粘着剤層付き)を作製した。得られた偏光板を上記の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例2>
厚さ80μmの押出フィルムを形成し、この押出フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして保護フィルムを作成した。得られた保護フィルムの厚さは20μm、算術平均粗さRaは12.37nmであった。上記保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。上記偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例3>
厚さ160μmの押出フィルムを形成し、この押出フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして保護フィルムを作成した。得られた保護フィルムの厚さは40μm、算術平均粗さRaは6.48nmであった。上記保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。上記偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例4>
厚さ120μmの押出フィルムを形成し、この押出フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして保護フィルムを作成した。得られた保護フィルムの厚さは30μm、算術平均粗さRaは8.17nmであった。上記保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。上記偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例5>
イミド化MS樹脂100重量部とコアシェル型粒子3重量部とを単軸押出機に投入して溶融混合することにより押出フィルムを形成し、この押出フィルムを用いたこと以外は実施例4と同様にして保護フィルムを作成した。得られた保護フィルムの厚さは30μm、算術平均粗さRaは6.11nmであった。上記保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。上記偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例6>
イミド化MS樹脂100重量部とコアシェル型粒子5重量部とを単軸押出機に投入して溶融混合することにより押出フィルムを形成し、この押出フィルムを用いたこと以外は実施例4と同様にして保護フィルムを作成した。得られた保護フィルムの厚さは30μm、算術平均粗さRaは6.79nmであった。上記保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。上記偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例7>
イミド化MS樹脂100重量部とコアシェル型粒子20重量部とを単軸押出機に投入して溶融混合することにより押出フィルムを形成し、この押出フィルムを用いたこと以外は実施例4と同様にして保護フィルムを作成した。得られた保護フィルムの厚さは30μm、算術平均粗さRaは23.45nmであった。上記保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。上記偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例8>
イミド化MS樹脂100重量部とコアシェル型粒子30重量部とを単軸押出機に投入して溶融混合することにより押出フィルムを形成し、この押出フィルムを用いたこと以外は実施例4と同様にして保護フィルムを作成した。得られた保護フィルムの厚さは30μm、算術平均粗さRaは31.37nmであった。上記保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。上記偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例9>
イミド化MS樹脂100重量部とコアシェル型粒子40重量部とを単軸押出機に投入して溶融混合することにより押出フィルムを形成し、この押出フィルムを用いたこと以外は実施例4と同様にして保護フィルムを作成した。得られた保護フィルムの厚さは30μm、算術平均粗さRaは32.79nmであった。上記保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。上記偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例10>
得られた押出フィルムを延伸温度140℃で延伸したこと以外は実施例4と同様にして保護フィルムを作成した。得られた保護フィルムの厚さは30μm、算術平均粗さRaは8.06nmであった。上記保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。上記偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例11>
得られた押出フィルムを延伸温度130℃で延伸したこと以外は実施例4と同様にして保護フィルムを作成した。得られた保護フィルムの厚さは30μm、算術平均粗さRaは6.72nmであった。上記保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。上記偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例12>
得られた押出フィルムを延伸温度170℃で延伸したこと以外は実施例4と同様にして保護フィルムを作成した。得られた保護フィルムの厚さは30μm、算術平均粗さRaは15.76nmであった。上記保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。上記偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例13>
得られた押出フィルムを延伸温度180℃で延伸したこと以外は実施例4と同様にして保護フィルムを作成した。得られた保護フィルムの厚さは30μm、算術平均粗さRaは17.29nmであった。上記保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。上記偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例1>
イミド化MS樹脂のみを単軸押出機に投入して溶融混合することにより押出フィルムを形成し、得られた押出フィルムを延伸温度145℃で延伸したこと以外は実施例3と同様にして保護フィルムを作成した。得られた保護フィルムの厚さは40μm、算術平均粗さRaは4.2nmであった。上記保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。上記偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例2>
イミド化MS樹脂100重量部とコアシェル型粒子1重量部とを単軸押出機に投入して溶融混合することにより押出フィルムを形成し、この押出フィルムを用いたこと以外は実施例3と同様にして保護フィルムを作成した。得られた保護フィルムの厚さは40μm、算術平均粗さRaは4.93nmであった。上記保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。上記偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例3>
イミド化MS樹脂100重量部とコアシェル型粒子5重量部とを単軸押出機に投入して溶融混合することにより押出フィルムを形成し、得られた押出フィルムを延伸温度100℃で延伸したこと以外は実施例3と同様にして保護フィルムを作成した。得られた保護フィルムの厚さは40μm、算術平均粗さRaは5.14nmであった。上記保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。上記偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
Figure 2018155809
表1から明らかなように、比較例1〜3の偏光板は、拡散シートと接触させた状態で振とうさせることによって摩耗傷が生じたが、実施例1〜13の偏光板は、拡散シートと接触させた状態で振とうさせても摩耗傷が生じなかった。
本発明の偏光板は、画像表示装置に好適に用いられる。本発明の画像表示装置は、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯ゲーム機などの携帯機器;パソコンモニター,ノートパソコン,コピー機などのOA機器;ビデオカメラ、テレビ、電子レンジなどの家庭用電気機器;バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオなどの車載用機器;デジタルサイネージ、商業店舗用インフォメーション用モニターなどの展示機器;監視用モニターなどの警備機器;介護用モニター、医療用モニターなどの介護・医療機器;などの各種用途に用いることができる。
1 偏光子
2 保護フィルム
3 第2の保護フィルム
10 偏光板
11 偏光板

Claims (8)

  1. 偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護フィルムと、を有し、
    前記保護フィルムは、アクリル系樹脂と、該アクリル系樹脂に分散されたコアシェル型粒子とを含み、
    前記保護フィルムの表面の算術平均粗さRaが6.0nm以上である、偏光板。
  2. 前記アクリル系樹脂が、グルタルイミド単位、ラクトン環単位、無水マレイン酸単位、マレイミド単位および無水グルタル酸単位からなる群から選択される少なくとも1つを有する、請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記保護フィルムの前記偏光子とは反対側の表面に前記コアシェル型粒子による凹凸が形成されている、請求項1または2に記載の偏光板。
  4. 前記保護フィルムが、前記アクリル系樹脂100重量部に対して、前記コアシェル型粒子を3重量部〜50重量部含有する、請求項1から3のいずれかに記載の偏光板。
  5. 前記コアシェル型粒子が、ゴム状重合体で構成されたコアと、ガラス状重合体で構成され該コアを被覆する被覆層と、を有する、請求項1から4のいずれかに記載の偏光板。
  6. 前記保護フィルムが二軸延伸フィルムである、請求項1から5のいずれかに記載の偏光板。
  7. 前記保護フィルムの表面に拡散層を有しない、請求項1から6のいずれかに記載の偏光板。
  8. 表示セルと、請求項1から7のいずれかに記載の偏光板と、拡散シートと、光源と、をこの順に備え、
    前記偏光板の前記保護フィルムが前記拡散シートに対向して配置されている、画像表示装置。
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