JP2018155558A - 汚損監視装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】汚損の程度をより信頼性をもって監視することが可能な汚損監視装置を提供する。
【解決手段】汚損監視装置50は、監視対象物の設置場所と同じ湿度条件を持つ環境に設置される第1のセンサ100と、第1のセンサ100の設置環境と同じ湿度条件を持ち、かつ、汚損がないと見なされる環境に設置される第2のセンサ200と、各センサの出力値をそれぞれ相対湿度に換算する湿度換算部310及び320と、各湿度換算部で換算された換算値が入力される演算処理部410とを含む。演算処理部410は、第1のセンサ100の出力値から換算された湿度換算値及び第2のセンサ200の出力値から換算された湿度換算値との差分値を算出し、記録装置420に順次記録する。演算処理部410はさらに、記録装置420に記録された複数の差分値のうち、値が大きい一部の差分値の平均値を用いて汚損量を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、汚損監視装置に関し、特に、所定の環境に設置された監視対象物の汚損の程度を監視する汚損監視装置に関する。
受配電設備等に設置されている各種電気機器では、その設置環境に応じて経年劣化が起こる。特に、電気機器を構成する各種絶縁物の表面では、塩分又は塵埃等の堆積による汚損によって絶縁劣化又は発錆が進行する。絶縁劣化又は発錆が進行すると、電気機器の特性が変化したり、電気機器が正常に動作しなくなったりすることがある。最悪の場合は短絡事故に至る。そのため、こうした絶縁劣化等に起因する電気機器の特性変化又は動作不良を未然に防止するための技術が求められる。
後掲の特許文献1には、絶縁劣化に起因する不具合の発生を未然に防止するために、汚損の程度を監視する汚損監視装置が開示されている。特許文献1に開示の汚損監視装置は、感湿材がそれぞれ塗布された2つの電極部(湿度センサ)を用いる。2つの電極部は湿度条件が同一と見なされる場所に設置される。ただし、2つの電極部の一方は汚損され易い場所に設置され、2つの電極部の他方は汚損がないと見なされる場所に設置される。一方の電極部の表面が汚損されると、その電極部に流れる電流量が他方の電極部に比べて増加する。汚損監視装置は、各電極部に流れる電流量を比較し、その比較結果、すなわち差分値に基づいて汚損の程度を判定する。
特許第5488755号
汚損による差分の発生が顕著になるのは、汚損物質が例えば海水塩分の主成分である塩化ナトリウムの場合、相対湿度65%RH以上である。すなわち、相対湿度に応じて、2つの電極部の差分値が変化する。そのため、瞬時の差分値から塩分付着の程度を確認することは困難である。瞬時の差分値を順次記録することによって差分トレンドを得たとしても、当該差分トレンドにて塩分付着を連続的に監視することは困難である。差分トレンドのピーク値(差分の最大値)をホールドすることによって塩分付着の程度を検出することは可能であるものの、こうした方法では、電極部の一時的な湿潤等による外乱によって塩分付着を誤検出するおそれがある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の1つの目的は、汚損の程度をより信頼性をもって監視することが可能な汚損監視装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本願発明者らが鋭意検討した結果、差分値のトレンドデータ(差分トレンド)から最大値付近の差分値の平均を算出し、この平均値を用いることによって、汚損の程度を連続的に監視できることを見出した。
すなわち、本発明の一の局面に係る汚損監視装置は、監視対象物の汚損の程度を監視する汚損監視装置であって、各々、導電性高分子材料を用いた第1の湿度センサ及び第2の湿度センサを含む。第1の湿度センサは、監視対象物の設置場所と同じ湿度条件を持つ環境に設置されるものであり、第2の湿度センサは、第1の湿度センサの設置環境と同じ湿度条件を持ち、かつ、汚損がないと見なされる環境に設置されるものである。汚損監視装置はさらに、第1の湿度センサ及び第2の湿度センサの各出力値をそれぞれ相対湿度に換算するための換算手段と、第1の湿度センサの出力値から換算された第1の相対湿度と、第2の湿度センサの出力値から換算された第2の相対湿度との差分値を算出するための差分算出手段と、第2の相対湿度が予め設定されたX%RH(Xは正の定数)以上であることに応答して、差分算出手段が算出した差分値の時系列を所定の記録装置に順次記録するための記録手段と、記録装置に記録された差分値の時系列の平均値、標準偏差、及び差分値の最大値近傍の値である所定個数の差分値を用いて汚損量を算出するための汚損量算出手段とを含む。
記録装置には、第1の湿度センサの出力値から換算された第1の相対湿度と、第2の湿度センサの出力値から換算された第2の相対湿度との差分値が順次記録される。汚損量算出手段は、記録装置に記録された複数の差分値のうち、値が大きい一部の差分値の平均値を用いて汚損量を算出する。過去の差分値を含めて汚損量を算出するため、相対湿度に関わらず現時点の汚損量を算出できる。これにより、汚損の程度を連続的に監視できる。加えて、ユーザは所望のタイミングで汚損量を確認できる。さらに、記録装置に記録された差分値の時系列の平均値、標準偏差、及び差分値の最大値近傍の値である所定個数の差分値を汚損量算出に用いることによって、一時的な湿潤等の外乱に起因する誤検出を抑制できる。
好ましくは、汚損量算出手段は、以下の式(a)によって汚損量を算出するための手段を含む。
Figure 2018155558
より好ましくは、算出するための手段は、記録装置に記録された差分値の時系列の平均値ΔHAVを算出するための手段と、記録装置に記録された差分値の時系列の標準偏差ΔHσを算出するための手段と、記録装置に記録された差分値の時系列のうち、値が上位のn番目〜m番目(ただしm,nは0<n<mかつ5≦m−n≦40を満たす整数)の差分値の平均値ΔHを算出するための手段と、ΔHAVと予め設定された定数A1とを比較し、値の低い方又は同じ場合はいずれかを変数Aに代入するとともに、ΔHσを3倍した3ΔHσと予め設定された定数B1とを比較し、値の低い方又は同じ場合はいずれかを変数Bに代入する処理を実行するための手段と、ΔH、変数A、変数B、及び予め設定された定数Cの各値を用いて、以下の式により仮汚損量Sを求めるための手段と、
Figure 2018155558
仮汚損量Sと数値0とを比較し、値の大きい方を汚損量と推定するための手段とを含む。
上述のように、従来技術では2つの電極部に流れる電流量の差分値に基づいて汚損の程度を判定する。一方、電極部には特性のバラツキがあり、汚損がない状態でも、2つの電極部に流れる電流量が一致しないことがある。こうした特性のバラツキが誤差要因となることがある。特に、汚損量が少ないときに、この特性のバラツキによる誤差が問題となる。
こうした点を考慮した場合、記録装置に順次記録された複数の差分値の平均値ΔHAV、及び複数の差分値の標準偏差ΔHσを算出し、これらを利用して上記式(1)により汚損量を算出するよう構成されていると好ましい。これにより、第1の湿度センサと第2の湿度センサとの特性のバラツキ等に起因する誤差をキャンセルできるので、汚損量が少ない場合も含めて、汚損量を精度よく測定できる。
さらに好ましくは、Xの値は40〜70の範囲内であり、nは1〜10の範囲内のいずれかの整数であり、mは10〜50の範囲内のいずれかの整数であり、m―nは5〜40の範囲内のいずれかの整数であり、定数A1の値は2〜6の範囲内であり、定数B1の値は3〜6の範囲内であり、定数Cの値は0.005〜0.010の範囲内である。
好ましくは、汚損監視装置は、X、m、n、m−n、定数A1、定数B1及び定数C1の任意の組み合わせを設定するための設定手段をさらに含む。これにより、種々の条件に応じて設定を変更できるので、汚損量の測定精度をより向上させることができる。
より好ましくは、汚損監視装置は、差分値の時系列を測定する測定装置と、測定装置から差分値の時系列を取得して、当該時系列を用いて汚損量を求めるための演算処理を実行する演算処理装置とに分けられ、測定装置は、第1の湿度センサ、第2の湿度センサ、換算手段、差分算出手段、及び記録手段を含み、演算処理装置は、汚損量算出手段を含む。
さらに好ましくは、汚損監視装置はさらに、第1及び第2の湿度センサのうちの少なくとも第1の湿度センサを換算手段に着脱自在に接続するための接続手段を含む。
以上のように、本発明によれば、汚損の程度をより信頼性をもって監視することが可能な汚損監視装置を得ることができる。
第1の実施の形態に係る汚損監視装置の構成を示すブロック図である。 汚損監視装置のセンサの構成を示す平面図である。 汚損監視装置のセンサの構成を示す平面図である。 汚損監視装置のセンサの設置例を示す断面図である。 図1に示す汚損監視装置で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図5のステップS1400の詳細なフローである。 湿度センサの相対湿度と抵抗値の特性を示す図(神栄テクノロジー株式会社製湿度センサ(CL−M53R)のデータシート)である。 塩分付着による湿度センサ1及び湿度センサ2の挙動を示す図である。 検知試験の結果を示す図である。 検知試験の結果を示す図である。 塩分付着量の計算結果と実測値との関係を示す図である。 塩分付着量の計算結果と実測値との関係を示す図である。 第2の実施の形態に係る汚損監視装置の構成を示すブロック図である。 第3の実施の形態に係る汚損監視装置の構成を示すブロック図である。 図14に示す汚損監視装置で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
以下、本発明を具体化した実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明及び図面においては、同一の部品又は構成要素には同一の参照符号及び名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
(第1の実施の形態)
本実施の形態に係る汚損監視装置は、2つのセンサの差分値の時系列を記録し、記録した差分値を演算処理することによって汚損量を算出する。この汚損監視装置は、所定の時間間隔で汚損量を算出することによって監視対象物(図示せず)の汚損の程度を連続的に監視する。
[構成]
図1を参照して、本汚損監視装置50は、第1のセンサ100、第2のセンサ200、電源300、第1の湿度換算部310、第2の湿度換算部320、及び制御部400を含む。第1のセンサ100及び第2のセンサ200は、いずれも、いわゆる高分子抵抗式の湿度センサであり、同一の構成及び形状を備える。以下、第1のセンサ100及び第2のセンサ200を代表して第1のセンサ100の構造について説明する。
図2を参照して、第1のセンサ100は、絶縁基板110と、この絶縁基板110の表面(一方の主面)上に形成された一対の電極120及び122と、電極120及び122の間に跨がって形成された感湿膜130とを含む。絶縁基板110は、例えばセラミック、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の絶縁材料から構成されている。電極120及び122の各々の一方端部は櫛形に形成されており、両者の櫛形が交互に並ぶように、絶縁基板110の表面上に所定の距離だけ互いに離間して配置されている。これらの電極120及び122において、櫛形に形成された部分とは反対側の端部にはパッド部がそれぞれ形成されており、各パッド部にはリード端子140及び142がそれぞれハンダによって電気的に接続されている。なお、第2のセンサ200には、リード端子140及び142に代えてリード端子240及び242が接続されている。
感湿膜130は、イオン導電性高分子を材料とする膜である。感湿膜130は絶縁基板110の表面上に電極120及び122の櫛形の部分を覆うように形成されている。この感湿膜130は例えば塗布又は蒸着等の成膜方法により絶縁基板110上に形成される。感湿膜130を構成するイオン導電性高分子は、ポリイミド系、ポリアミド系、ポリアクリル酸系、シリコン系及びポリスチレン系のポリマー、並びにセルロースからなる群から選択されるポリマーを主として含有するイオン導電性高分子である。以下、絶縁基板110の電極120及び122が形成されている側を第1のセンサ100及び第2のセンサ200の表面と呼ぶ。
図3(A)を参照して、第1のセンサ100は、リード端子140及び142を除き、ケース150の内部に収容される。ケース150には、第1のセンサ100の表面と対向する部分に開口部152が形成されている。この開口部152は比較的大きな開口面積を有しており、電極120及び122の少なくとも櫛形の部分を外部に露出させる。
図3(B)を参照して、第2のセンサ200も、第1のセンサ100と同様、リード端子240及び242を除き、ケース250の内部に収容される。ケース250には、第2のセンサ200の表面と対向する部分に複数の開口部252が形成されている。これらの開口部252は、第2のセンサ200の表面が汚損されるのを抑制するために、いずれも小さな開口面積となっている。
図4を参照してケース150とケース250とは、その背面(開口部が形成されていない側の面)が互いに接するように背中合わせに配置される。第1のセンサ100は、第1の場所60内において、その表面を汚損の生じやすい方向に向けて設置される。その方向は、通常、垂直上方(重力方向に対して上向き)である。すなわち、第1のセンサ100は、その表面を上側(矢印Z1方向)に向けてケース150の内部に設置される。第1のセンサ100が収容されているケース150の内部は、開口部152を介して監視対象物が設置される環境に対して開かれている。そのため、第1のセンサ100が設置されるケース150の内部、すなわち第1の場所60は、湿度及び塩分・塵埃の各条件が、監視対象物が設置される環境と同じである。したがって、第1の場所60に設置された第1のセンサ100の表面では、監視対象物が設置される環境と同様に塩分又は塵埃が堆積する。
一方、第2のセンサ200は、第1のセンサ100の近傍であるケース250内部に、その表面を汚損の生じにくい方向に向けて設置される。その方向は、通常、垂直下方(重力方向に対して下向き)である。すなわち、第2のセンサ200は、その表面を下側(矢印Z2方向)に向けてケース250の内部に設置される。ケース250の開口部252はその開口面積が小さく、かつ、その開口部252が下側(矢印Z2方向)を向くように配置される。そのため、第2のセンサ200が設置されるケース250の内部、すなわち第2の場所62には、塩分及び塵埃が流入しにくい。こうした環境に第2のセンサ200を設置することにより、第2のセンサ200の表面への塩分又は塵埃の堆積する程度は第1のセンサ100に比べて著しく小さくなる。さらに、第2の場所62は第1の場所60の近傍であるため、第1の場所60の湿度と第2の場所62の湿度とは実質的には差がない。このことより、第2のセンサ200が設置される第2の場所62は、第1のセンサ100の設置環境と同じ湿度条件を持ち、かつ、汚損がないと実質的に見なされる環境と言える。
このように、第1のセンサ100は監視対象物の設置場所と同じ湿度条件を持つ環境である第1の場所60(図1参照)に設置されることによって、当該監視対象物の設置された環境における塩分又は塵埃等の堆積の程度を監視するためのセンサとして機能する。第2のセンサ200は第1の場所60と同じ湿度条件であって、汚損の生じにくい環境である第2の場所62(図1参照)に設置されることによって、第1のセンサ100の出力から湿度に依存する分を補償するためのセンサとして機能する。
再び図1を参照して、第1のセンサ100において、リード端子140には電源300が電気的に接続されている。この電源300によってリード端子140及び142(電極120及び122)間に所定の交流電圧が印加される。リード端子142は第1の湿度換算部310と電気的に接続されている。さらに、リード端子142と接地電位との間には抵抗器70(分流器)が第1の湿度換算部310と並列に接続されている。第1の湿度換算部310は、抵抗器70を流れる電流に比例した電圧を検出することで、抵抗器70によって分流された電流を、第1のセンサ100における感湿膜130の沿面抵抗の指標となる第1の電流信号として測定する。第1の湿度換算部310はさらに、測定した第1の電流信号を相対湿度に換算する。
同様に、第2のセンサ200において、リード端子240には電源300が電気的に接続されている。この電源300によってリード端子240、242の間に所定の交流電圧が印加される。リード端子242は第2の湿度換算部320と電気的に接続されている。さらに、リード端子242と接地電位との間には抵抗器72(分流器)が第2の湿度換算部320と並列に接続されている。第2の湿度換算部320は、抵抗器72を流れる電流に比例した電圧を検出することで、抵抗器72によって分流された電流を、第2のセンサ200における感湿膜230の沿面抵抗の指標となる第2の電流信号として測定する。第2の湿度換算部320はさらに、測定した第2の電流信号を相対湿度に換算する。
第1の湿度換算部310及び第2の湿度換算部320は、その換算結果を制御部400に出力する。制御部400は、汚損監視装置50を制御するための所定の演算処理を実行する演算処理部410と、汚損監視装置50が測定したデータを記録するための記録装置420とを含む。演算処理部410は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリ(いずれも図示せず)等を含む。メモリには、汚損監視装置50を制御するためのプログラム、及び汚損監視装置50の制御に用いる設定条件等が予め記憶されている。記録装置420は、フラッシュメモリ等の不揮発性の記録装置を含む。第1の湿度換算部310及び第2の湿度換算部320によって換算された各相対湿度は、演算処理部410に入力される。
ここで、センサには特性バラツキがあり、汚損がない状態でも相対湿度の換算値が一致しないことがある。そのため、第1の湿度換算部310及び第2の湿度換算部320によって換算された各相対湿度の差分値のみで汚損量を評価しようとすると、センサ毎の特性バラツキ、又は時間に対する測定値のバラツキにより誤差が生じる。
こうした点を考慮して、本汚損監視装置50の演算処理部410は、入力された相対湿度に対して、以下の比較・演算処理を行なって汚損量を算出する。以下、塩分付着による汚損を例にして説明する。
(1)所定時間毎に第2の湿度換算部320から入力された相対湿度(第2のセンサ200の出力値から換算された相対湿度換算値H2)を測定し、相対湿度がX%RH以上のときに、第1の湿度換算部310から入力された相対湿度(第1のセンサ100の出力値から換算された相対湿度換算値H1)と、第2の湿度換算部320から入力された相対湿度との差分値ΔHを算出する。これは、汚損による差分が見られるのが相対湿度の比較的高いときであるためである。
(2)算出した差分値ΔHを記録装置420に記録する。
(3)記録装置420に記録された過去の全差分値ΔHを読出して、
差分値ΔHの平均値ΔHAV
差分値ΔHの標準偏差ΔHσ
差分値ΔHの上位のn番目〜m番目(ただしn及びmは0<n<mかつm−n=定数を満たす整数)の差分値の平均値ΔH
をそれぞれ算出する。
(4)ΔHAVと定数A1とを比較し、値が低い方をAとする。値が同じ場合は、どちらの値をAとしてもよい。本実施形態では、ΔHAVの値と定数A1の値とが同じ場合はΔHAVの値をAとする。すなわちA=min(ΔHAV、A1)である。
(5)ΔHσを3倍した3×ΔHσ(以下「3ΔHσ」と記す。)と定数B1とを比較し、値が低い方をBとする。値が同じ場合は、どちらの値をBとしてもよい。本実施形態では、3ΔHσの値と定数B1の値とが同じ場合は3ΔHσの値をBとする。すなわち、B1=min(3ΔHσ,B1)である。
(6)ΔH、A、B、及び予め設定された定数Cの各値を用いて、以下の式(2)により仮汚損量Sを求める。
Figure 2018155558
(7)仮汚損量Sと数値「0」とを比較し、高い方の値を塩分付着量(汚損量)Sとする。すなわち、S=max(S,0)である。
演算処理部410には、上記処理に用いる各設定条件(定数)として、上記したX、n、m、定数A1、定数B1、及び定数Cの各値が予め設定(登録)される。
制御部400(演算処理部410)は、上記した各設定条件(定数)を少なくとも以下の範囲で設定可能に構成されている。
X%RH:40%RH〜70%RH
nの値:1〜10
mの値:10〜50
ただしm、nは0<n<m、5≦m−n≦40を満たす整数
定数A1:2〜6
定数B1:3〜6
定数C:0.005〜0.010
本実施の形態では、各設定条件(定数)は、例えば、X=50、n=3、m=12、A1=3、B1=4.5、及びC=0.008に設定される。
これらの設定条件(定数)についてより詳細に説明する。
《Xについて》
一般に高分子抵抗式の湿度センサは低湿度時において測定誤差が大きい。そのため、低湿度時は、塩分付着の有無にかかわらず、大きな差分値が発生するおそれがある。計算に用いる差分値を一定湿度(X%RH:例えば50%RH)以上の高湿度条件で得られたものに限定することで、塩分付着量の推定精度が向上する。X%RHを40%RH〜70%RHの範囲内とすることで、こうした効果が得られる。そのため、X%RHは40%RH〜70%RHの範囲内で設定されていると好ましい。
《n及びmについて》
上位のn番目〜m番目の差分値の平均値、すなわち差分最大値付近の複数の値の平均値を用いて塩分付着量を算出することで、算出結果の信頼性を高めている。定数n及び定数mは、n=1〜10、m=10〜50、及びm−n=5〜40を満たすよう設定されていると好ましい。こうした範囲内で設定されていると、算出結果の信頼性を十分に高めることができる。なお、第1のセンサ100への水分付着等による外乱要因を考慮すると、差分の最大値(n=1)を採用した場合には計算値に誤差が生じる可能性がある。そこで、例えばn=3、m=12とし、ΔHを上位付近10データの平均値とすることで外乱要因による誤差を回避できる。
《A1について》
塩分付着がない場合の第1のセンサ100と第2のセンサ200との特性バラツキをキャンセルする目的で、ΔHから差分値全体の平均値(ΔHAV)を引き算して正確な差分値を出す。ただし、塩分付着がある場合はこの平均値(ΔHAV)が塩分付着時の差分値によって増大する。そのため、塩分付着時においても、差分値全体の平均値(ΔHAV)を引き算すると、塩分付着量の算出結果に誤差が生じる。こうした誤差が生じるのを抑制するために、引き算する平均値の最大値を定数A1によって規定する。塩分付着がない場合は、センサ毎の特性バラツキによる平均値(ΔHAV)のズレは概ね−3〜3の範囲に収まるため、定数A1は3に設定されていると好ましい。一方、平均値(ΔHAV)のズレは、湿度センサの特性によっても変化する。その場合のズレは概ね2〜6の範囲である。こうした点を考慮すると、定数A1は2〜6であるのが好ましい。
《B1について》
塩分付着がない場合の差分値の時間的なバラツキが、通常の場合にはいわゆる「3σ」の範囲に収まると考え、ΔHから3ΔHσを引き算することで差分値の有意な増加を検出する。この場合も、平均値(ΔHAV)と同様、塩分付着がある場合はこの標準偏差(ΔHσ)が塩分付着時の差分値によって増大する。そのため、塩分付着時においても、3σ(3ΔHσ)を引き算すると、塩分付着量の算出結果に誤差が生じる。こうした誤差が生じるのを抑制するために、引き算する3σの最大値を定数B1によって規定する。塩分付着がない場合、標準偏差は概ね1.5程度であるため、定数B1は4.5に設定されていると好ましい。一方、差分値の3σは、湿度センサの特性、又は測定環境等によっても変化する。その場合の3σは概ね3〜6の範囲である。こうした点を考慮すると、定数B1は3〜6であるのが好ましい。
《Cについて》
この定数Cは、塩分付着量の計算結果と実測値とを比較して決定される換算係数である。本実施の形態では、実測値をもとに0.008とされている。ただし、定数Cの値は湿度センサの特性等によっても変わるため、こうした点を考慮すると0.005〜0.010であるのが好ましい。
このように、本実施の形態に係る汚損監視装置50は、種々の条件に応じて各定数を設定する。以上をまとめると、汚損量Sは以下の式により求められる。
Figure 2018155558
[ソフトウェア構成]
図5を参照して、監視対象物の汚損の程度を連続的に監視するために、汚損監視装置50で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、ユーザの操作に応じて開始する。
このプログラムは、第2の湿度換算部320によって換算された相対湿度がX%RH(例えば50%RH)以上であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1000と、ステップS1000において、相対湿度がX%RH以上であると判定された場合に実行され、第1の湿度換算部310及び第2の湿度換算部320によって換算された各相対湿度の差分値ΔHを算出するステップS1100と、ステップS1100の後に実行され、算出した差分値ΔHを記録装置420に記録するステップS1200と、ステップS1200の後、又はステップS1000において、相対湿度がX%RH以上ではないと判定された場合に実行され、差分値ΔHの記録数が所定数以上であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1300とを含む。ステップS1300では、監視を開始してから記録された一連のデータの数が、塩分付着量を算出することが可能な数か否かが判定される。例えばデータの数がm個に満たなければ塩分付着量の算出は不可能である。また、データの数がmよりある程度大きな数に達しなければ十分に信頼性の高い測定はできない。したがって、この判定を行うためのしきい値は予め実験等により定めておくことが望ましい。
このプログラムはさらに、ステップSにおいて、差分値ΔHの記録数が所定数以上であると判定された場合に実行され、塩分付着量の算出処理を実行するステップS1400と、ステップS1400の後、又はステップS1300において、差分値ΔHの記録数が所定数以上ではないと判定されたことに応答して、所定の時間が経過したか否かを判定し、所定の時間が経過するまで待機するステップS1500とを含む。ステップS1500では、ロギング間隔として設定された所定時間が経過したか否かが判定される。ステップS1500において、所定の時間が経過したと判定された場合は、制御はステップS1000に戻る。
図6は、図5のステップS1400の詳細なフローである。図6を参照して、このルーチンは、記録装置420に記録された一連の差分値データを読出して、差分値ΔHの平均値ΔHAV、差分値ΔHの標準偏差ΔHσ、差分値ΔHの上位n番目〜m番目(例えば上位3番目〜12番目)の平均値ΔHをそれぞれ算出するステップS2000と、ステップS2000の後に実行され、算出したΔHAVが予め設定された定数A1以下か否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS2010と、ステップS2010において、ΔHAVが定数A1以下であると判定された場合に実行され、ΔHAVの値を変数Aに代入するステップS2020と、ステップS2010において、ΔHAVが定数A1以下ではないと判定された場合に実行され、定数A1の値を変数Aに代入するステップS2030とを含む。
このルーチンはさらに、ステップS2020又はステップS2030の後に実行され、算出した標準偏差ΔHσを3倍した3ΔHσが予め設定された定数B1以下か否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS2040と、ステップS2040において、3ΔHσが定数B1以下であると判定された場合に実行され、3ΔHσの値を変数Bに代入するステップS2050と、ステップS2040において、3ΔHσが定数B1以下ではないと判定された場合に実行され、定数B1の値を変数Bに代入するステップS2060と、ステップS2050又はステップS2060の後に実行され、上記した式(2)により仮汚損量を算出し、その値を変数Sに代入するステップS2070とを含む。
このルーチンはさらに、ステップS2070の後に実行され、変数Sが0未満か否か、すなわち、変数Sの値がマイナスか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS2080と、ステップS2080において、変数Sが0未満であると判定された場合に実行され、塩分付着量Sとして「0」を記録装置420に記録するステップS2090と、ステップS2080において、変数Sが0未満ではないと判定された場合に実行され、塩分付着量Sとして変数Sの値(仮汚損量の値)を記録装置420に記録するステップS2100とを含む。ステップS2090又はステップS2100の処理が終了すると、このルーチンは終了する。
[動作]
本実施の形態に係る汚損監視装置50は以下のように動作する。
汚損監視装置50の電源がONされ、ユーザによって、汚損監視の開始指示がされる。データの記録間隔として所定のロギング間隔(例えば1時間)が設定されているものとする。なお、ロギング間隔は所望の時間間隔に設定できる。
図1を参照して、第1のセンサ100は監視対象物の設置場所と同じ湿度条件を持つ環境である第1の場所60に設置される。第2のセンサ200は第1の場所60と同じ湿度条件であって、汚損の生じにくい環境である第2の場所62に設置される。電源300は第1のセンサ100及び第2のセンサ200に所定の交流電圧を印加する。
第1のセンサ100からの第1の電流信号が第1の湿度換算部310に入力され、第2のセンサ200からの第2の電流信号が第2の湿度換算部320に入力される。第1の湿度換算部310は第1の電流信号を相対湿度に換算し、その換算結果(相対湿度換算値H1)を制御部400に出力する。第2の湿度換算部320は第2の電流信号を相対湿度に換算し、その換算結果(相対湿度換算値H2)を制御部400に出力する。第1の湿度換算部310及び第2の湿度換算部320から出力された各相対湿度は、演算処理部410に入力される。
図5を参照して、演算処理部410は、第2の湿度換算部320からの相対湿度に基づいて、相対湿度がX%RH(例えば50%RH)以上であるか否かを判定する。相対湿度がX%RH以上である場合(ステップS1000においてYES)、演算処理部410は入力された相対湿度換算値H1と相対湿度換算値H2との差分値ΔHを算出し(ステップS1100)、算出した差分値ΔHを差分トレンドデータとして記録装置420に記録する(ステップS1200)。相対湿度がX%RH未満の場合(ステップS1000においてNO)は差分値を記録しない。ロギング間隔として設定された1時間が経過すると(ステップS1500においてYES)、上記処理を繰返す。これにより、相対湿度がX%RH以上の間は1時間間隔で差分値ΔHが記録装置420に順次記録される。
監視を開始してから記録された一連のデータ数が塩分付着量を算出することが可能な数に達すると(ステップS1300においてYES)、演算処理部410は塩分付着量の算出処理を実行する(ステップS1400)。
図6を参照して、演算処理部410は、記録装置420に記録された一連の差分値データを読出し、差分値ΔHの平均値ΔHAV(差分トレンドデータ全体の平均値)、差分値ΔHの標準偏差ΔHσ(差分トレンドデータ全体の標準偏差)、差分値ΔHの上位n番目〜m番目の平均値ΔH(上位一部の平均値)をそれぞれ算出する(ステップS2000)。演算処理部410は、ΔHAVと定数A1とを比較し、値の低い方を変数Aに代入するとともに、3ΔHσと定数B1とを比較し、値の低い方を変数Bに代入する。ΔHAVと定数A1とが同じ値の場合、演算処理部410は、ΔHAVの値を変数Aに代入する。同様に、3ΔHσと定数B1とが同じ値の場合、演算処理部410は、3ΔHσの値を変数Bに代入する。ただし、ΔHAVと定数A1とが同じ値の場合、いずれの値を変数Aに代入しても同じであるため、定数A1の値を変数Aに代入してもよい。3ΔHσと定数B1とが同じ値の場合も同様である。
続いて、演算処理部410は、ΔH、変数A、変数B、及び定数Cの各値を用いて、上記した式(2)により仮汚損量Sを求める(ステップS2070)。演算処理部410は、仮汚損量Sの値が0未満の場合(ステップS2080においてYES)は、塩分付着量Sを「0」とし、その値(「0」)を記録装置420に記録する。一方、仮汚損量Sの値が0以上の場合(ステップS2080においてNO)、演算処理部410は、仮汚損量Sの値を塩分付着量Sとし、その値を記録装置420に記録する。
再び図5を参照して、算出処理が終了すると、演算処理部410は、ロギング間隔として設定された1時間が経過するまで待機する。1時間が経過すると、演算処理部410は、差分値ΔHを記録する処理(ステップS1000〜ステップS1200)を実行した後、再び、塩分付着量の算出処理(ステップS1400)を実行する。汚損監視装置50は、時間の経過に伴って差分値ΔHを差分トレンドデータとして記録装置420に順次記録し、それに応じて塩分付着量の算出処理を実行する。このようにして、汚損監視装置50は監視対象物の汚損の程度を連続的に監視する。
[本実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る汚損監視装置50を利用することにより、以下に述べる効果を奏する。
汚損監視装置50は、第1のセンサ100の出力値から換算された相対湿度と、第2のセンサ200の出力値から換算された相対湿度との差分値ΔHをトレンドデータとして記録装置420に順次記録する。演算処理部410は、記録装置420に記録された一連の差分値データ(トレンドデータ)のうち、値が大きい一部の差分値の平均値(差分値ΔHの上位n番目〜m番目の平均値ΔH)を用いて汚損量を算出する。これにより、過去の差分値(トレンドデータ)を含めて汚損量を算出できるので、相対湿度に関わらず現時点の汚損量をユーザに提示できる。差分値ΔHの上位n番目〜m番目の平均値ΔHを用いることによって、一時的な湿潤等の外乱に起因する誤検出を抑制できる。これにより、汚損の程度を連続的に監視できる。また、nの値を1ではなく1より大きな値(たとえば3)とすることで、外乱による突発的な悪影響を避け、より高い精度で汚損の程度を監視できる。
演算処理部410は、記録装置420に順次記録された一連の差分値(トレンドデータ全体)の平均値ΔHAV、及び一連の差分値(トレンドデータ全体)の標準偏差ΔHσをさらに算出し、これらを利用して上記式(2)により汚損量を算出する。これにより、第1のセンサ100と第2のセンサ200との特性バラツキに起因する誤差、及び、差分値の時間的なバラツキに起因する誤差を低減できるので、汚損量が少ない場合も含めて、汚損量を精度よく測定できる。その結果、汚損の程度を連続的かつ精度よく監視できる。
汚損監視装置50はさらに、種々の条件に応じて、X%RHを40%RH〜70%RHの範囲で設定し、n番目のnの値を1〜10の範囲で設定し、m番目のmの値を、n<mでかつ5≦m−n≦40を満たすという条件のもとで10〜50の範囲で設定し、定数A1を2〜6の範囲で設定し、定数B1を3〜6の範囲で設定し、定数Cを0.005〜0.010の範囲で設定する。これにより、条件に応じた定数を設定できるので、汚損量の測定精度をより向上させることができる。なお、本発明はこのような実施の形態には限定されない。例えば上記した各値は予め選択された固定した値でもよいし、一部のみを変更可能としてもよい。
続いて、汚損監視装置50の効果を確認するために行なった実験について説明する。
第1のセンサ100及び第2のセンサ200として、市販の高分子抵抗式湿度センサ(神栄テクノロジー株式会社製:CL−M53R)を用いた。図7を参照して、高分子抵抗式湿度センサは相対湿度の上昇にしたがい抵抗値が低下する。ここで、塩分が付着しやすい状態で設置される、第1のセンサ100に対応するセンサを「湿度センサ1」とし、塩分が付着しにくい状態で設置される、第2のセンサ200に対応するセンサを「湿度センサ2」とする。湿度センサ1に塩分が付着した場合、付着した塩分により電極の抵抗値が低下するため、相対湿度が上昇したように見える。
図8に、塩分付着による湿度センサ1及び湿度センサ2の挙動を示す。図8の横軸には湿度センサ2による相対湿度の測定値が示されており、縦軸には湿度センサ1による相対湿度の測定値が示されている。図8を参照して、湿度センサ1に塩分付着がない場合は、理想的には、直線L1で示すように、湿度センサ1の測定値と湿度センサ2の測定値とは同一となる。一方、湿度センサ1に0.05mg/cm程度の塩分付着があった場合は、湿度センサ1の相対湿度が10%RH程度上振れし、湿度センサ1に0.10mg/cm程度の塩分付着があった場合は、湿度センサ1の相対湿度が15〜20%RH程度上振れすることがわかる。この上振れ量(ドリフト量)は相対湿度に依存し、相対湿度(湿度センサ2の相対湿度)が70%RH以上で顕著となる。
一方、塩分付着があった場合でも、相対湿度が低い範囲では、湿度センサ1の測定値と湿度センサ2の測定値との間で顕著な差分が発生していない。このことから、湿度センサ1の測定値と湿度センサ2の測定値との差分値は、湿度変動の影響を受けており、塩分付着があり、かつ湿度が上昇したときに増加することがわかる。
次に、湿度センサ1及び湿度センサ2を含む装置を複数作成し、塩害環境を含む複数の環境にこれらを設置して塩分付着の検知試験を行なった。この検知試験では、各環境において、湿度センサ1及び湿度センサ2で測定した各相対湿度の差分値をトレンドデータとして記録した。記録した差分値は相対湿度が50%RH以上のときのものである。記録間隔(ロギング間隔)はいずれも1時間である。塩分付着量は、各装置(湿度センサ)の近傍に同期間設置したサンプルから求めた。具体的には、試験終了後にサンプルに付着した塩分を水溶液に溶解し、その水溶液の塩分濃度をイオンクロマト法にて測定することで求めた。各環境におけるトレンドデータ及びサンプルによる塩分付着量の実測値を図9及び図10に示す。図9には、場所A〜場所Cの3箇所での測定結果が示されており、これらはいずれも塩分付着があった事例である。図10には、場所D〜場所Gの4箇所での測定結果が示されており、これらはいずれも塩分付着がなかった事例である。図9及び図10において、各トレンドデータ(トレンドグラフ)の横軸は測定日数(日)であり、縦軸はドリフト量(%RH)(湿度センサ1の測定値及び湿度センサ2の測定値との差分値)である。
図9を参照して、場所A〜場所Cのいずれにおいても、塩分付着量の増加に伴い差分値の最大値が増加することがわかる。このことから、最大値付近の差分値の平均を用いることによって現時点の汚損量を算出できることがわかる。一方、塩分付着がない場合は、図10に示すように、湿度センサ1と湿度センサ2との特性バラツキにより、その差分値はプラス方向又はマイナス方向に発生する場合がある。また、時間による差分値のバラツキも確認できる。したがって、湿度センサの差分値のみで塩分付着量を評価しようとすると、こうしたバラツキに起因する誤差が生じることがわかる。
この検知試験で得られたトレンドデータをもとに、上記実施の形態で示した演算処理と同様の処理により塩分付着量を算出した。このときの各定数は、X=50、n=3、m=12、A1=3、B1=4.5、及びC=0.008である。表1に、塩分付着量の計算結果及び実測値を示す。図11に、塩分付着量の計算結果と実測値との比較結果を示す。図11の横軸は等価塩分付着量の計算結果(mg/cm)であり、縦軸は等価塩分付着量の実測値(mg/cm)である。図11には、塩分付着量の計算結果と実測値とが同一となる場合が破線L2で示されている。
Figure 2018155558
図11を参照して、いずれのプロットも破線L2からのズレが非常に小さいことが確認できる。したがって、表1及び図11より、塩分付着量の計算値は各塩分付着量における実測値とよく一致することがわかる。これらの実験より、汚損量が少ない場合も含めて、汚損量を精度よく測定できることが確認できた。以上より、本実施の形態に係る汚損監視装置50によれば、汚損の程度を連続的かつ精度よく監視できることが確認できた。なお、設定される各定数は、少なくとも上記実施の形態で示した範囲であれば、検知試験で得られた結果と同様の結果が得られる。
(第1の実施の形態の変形例)
上記実施の形態では、差分値の平均値ΔHAV、及び差分値の標準偏差ΔHσを算出し、これらを利用して汚損量を算出する例について示した。しかし、差分値の平均値ΔHAV及び標準偏差ΔHσを考慮せずに、値が大きい一部の差分値の平均値(上位n番目〜m番目の平均値ΔH)から、以下の式(3)により仮汚損量Sを算出するようにしてもよい。
Figure 2018155558
この場合、差分値の平均値ΔHAV及び標準偏差ΔHσを考慮した場合に比べて、若干、塩分付着量の測定精度は低下する。特に、塩分付着量の小さい範囲で塩分付着量の測定精度がより低下する。ただし、測定精度の低下の程度はそれほど大きくなく、高精度を求めずにある程度の誤差を許容できる場合は、こうした手法は十分に有効である。
実施例2では、実施例1で示したトレンドデータをもとに、上記式(3)を用いて塩分付着量を算出した。定数Cは0.006である。表2に、塩分付着量の計算結果(mg/cm)及び実測値(mg/cm)を示す。図12に、塩分付着量の計算結果と実測値との比較結果を示す。
Figure 2018155558
図12を参照して、いずれのプロットも破線L2からのズレが十分に小さいことが確認できる。表2及び図12より、塩分付着量の計算値は、式(3)を用いて算出した場合でも、各塩分付着量における実測値とよく一致することがわかる。以上より、本変形例においても、汚損の程度を連続的に監視できることが確認できた。
(第2の実施の形態)
図13を参照して、本実施の形態に係る汚損監視装置500は、相対湿度を測定する測定装置510と、塩分付着量を算出する処理装置520とを含む。処理装置520は、測定装置510とは別体で構成されている。すなわち、本実施の形態に係る汚損監視装置500は、測定装置510と処理装置520とに分かれている点において、第1の実施の形態とは異なる。その他の点では、各汚損監視装置は同一の構成である。
測定装置510は、第1の実施の形態で示した制御部400(図1参照)に代えて制御部512を含む。制御部512は、演算処理部410(図1参照)に代えて演算処理部514を含む。演算処理部514は、第1の湿度換算部310及び第2の湿度換算部320から入力された各相対湿度に対してその差分値ΔHを算出し記録装置420に記録する処理を実行する。制御部512は、有線又は無線により外部の処理装置520と通信する。
処理装置520は、記録装置420に記録された差分値ΔHのデータ(トレンドデータ)を測定装置510から取得し、汚損量(塩分付着量)の算出処理を実行する。処理装置520は、制御部522及び記録装置524を含む。制御部522は、第1の実施の形態で示した処理と同様の演算処理を実行することにより、取得したトレンドデータを用いて塩分付着量を算出する。制御部522は、算出した塩分付着量を記録装置524に記録する。
このように、測定装置510はトレンドデータを取得する処理を実行し、塩分付着量の算出処理は外部の処理装置520で実行する。これにより、個々の装置において複雑な演算が不要となるため、安価なCPUにて汚損監視装置を構成できる。その結果、汚損監視装置を安価で提供できる。
(第3の実施の形態)
図14を参照して、本実施の形態に係る汚損監視装置600は、第1のセンサ100及び第2のセンサ200が交換可能であり、センサの交換時期を通知するよう構成されている点において、第1の実施の形態とは異なる。その他の点では、各汚損監視装置は同一の構成である。
汚損監視装置600は、第1のセンサ100を電源300と第1の湿度換算部310、に着脱自在に電気的に接続する接続部74、第2のセンサ200を電源300及び第2の湿度換算部320に着脱自在に電気的に接続する接続部76さらに含む。
[ソフトウェア構成]
本実施の形態に係る汚損監視装置600では、図5及び図6に示されるプログラムに加えて、図15に示されるプログラムがさらに実行される。このプログラムは、ユーザの操作に応じて、図5及び図6に示されるプログラムとともに開始する。
図15を参照して、このプログラムは、塩分付着量の算出結果が予め設定された所定値以上であるか否かを判定し、所定値以上となるまで待機するステップS3000と、ステップS3000において、塩分付着量の算出結果が所定値以上であると判定された場合に実行され、塩分付着注意及びセンサ交換必要を知らせる目的の警報を外部機器に出力するステップS3100と、ステップS3100の後に実行され、警報の停止指示がされたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS3200とを含む。ステップS3200において、警報の停止指示がされていないと判定された場合は、制御はステップS3100に戻る。ステップS3200において、警報の停止指示がされたと判定された場合は、このプログラムは終了する。
[動作]
本実施の形態に係る汚損監視装置600は以下のように動作する。なお、警報を出力する動作を除いた動作は、上記第1の実施の形態と同様である。したがって、同様の動作についての詳細な説明は繰返さない。
監視対象物が絶縁異常と判定される程の劣化を引き起こす汚損度に対応する塩分付着量が所定の閾値として予め設定されている。演算処理部410は、記録されたトレンドデータをもとに塩分付着量を算出する。演算処理部410は、算出された塩分付着量が所定値(閾値)以上であるか否かを判定する。算出された塩分付着量が所定値(閾値)以上になると(ステップS3000においてYES)、演算処理部410は、外部機器に対して警報を出力し(ステップS3100)、監視対象物の汚損度が高いこと及びセンサの交換が必要であることをユーザに通知する。
汚損監視装置600はユーザから警報の停止指示があるまで警報を出力する。ユーザから警報の停止指示があると(ステップS3200においてYES)、警報出力を停止する。第1のセンサ100の表面には塩分が付着しているため、第1のセンサ100が新たなセンサに交換される。この際、第2のセンサ200も新たなセンサに交換してもよい。
(変形例)
上記実施の形態では、相対湿度がX%RH以上のときに、2つのセンサによって測定された相対湿度の差分値ΔHを記録する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。相対湿度に関わらず、2つのセンサによって測定された相対湿度の差分値ΔHを記録するようにしてもよい。ただし、一定湿度以上の高湿度条件のときに差分値ΔHを記録することによって測定精度が向上するため、相対湿度が一定湿度以上のときに差分値ΔHを記録するようにするのが好ましい。
上記実施の形態では、2つのセンサを用いて汚損の程度を監視する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。3つ以上のセンサを用いて汚損の程度を監視するようにしてもよい。例えば、第1のセンサを複数(例えば2つ)設置し、これらの平均値と第2のセンサの出力値との差分値をトレンドデータとするようにしてもよい。これにより、汚損量の測定精度がさらに向上する。
上記実施の形態では、第1のセンサをその表面が上方を向くように設置し、第2のセンサをその表面が下方を向くように設置する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。第1のセンサが監視対象物の設置場所と同じ湿度条件を持つ環境に設置され、第2のセンサが第1のセンサの設置環境と同じ湿度条件を持ち、かつ、汚損がないと見なされる環境に設置される構成であればよい。こうした構成として、例えば、特許第5488755号公報に開示の構成を適宜採用することができる。
上記実施の形態では、櫛形の電極を持つ湿度センサを第1及び第2のセンサに用いる例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。電極の形状は、櫛形以外の形状であってもよい。例えば、一対の電極は互いに所定の距離だけ離間した棒状の電極であってもよい。また、湿度センサを構成する感湿膜は、例えば絶縁基板と電極との間に形成されていてもよい。
上記実施の形態では、互いに同じ構成を持つ第1のセンサ及び第2のセンサを用いる例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。第1のセンサ及び第2のセンサは、感湿膜又は感湿材を含む抵抗型のセンサであればよく、それ以外については異なる構成又は形状であってもよい。
上記実施の形態では、第1のセンサと、第1のセンサとは別体の第2のセンサとを用いる例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。絶縁基板を共有することによって、第1のセンサと第2のセンサとを一体としてもよい。こうした構成として、例えば、絶縁基板の表面(一方の主面)に第1のセンサを構成する電極等を形成し、当該絶縁基板の裏面(他方の主面)に第2のセンサを構成する電極等を形成した構成が挙げられる。
上記第2の実施の形態では、測定装置が差分値ΔHを算出して記録装置に記録し、処理装置が測定装置から差分値ΔHのデータを取得して汚損量を算出する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、測定装置は湿度換算値のみを記録し、処理装置側で差分値ΔHを計算して汚損量を算出するようにしてもよい。さらに、測定装置は測定したデータを記録せずに処理装置に送信するようにしてもよい。
上記第3の実施の形態では、2つのセンサのいずれも交換可能とする例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、塩分が付着する第1のセンサのみを交換可能とするようにしてもよい。
上記で開示された技術を適宜組合せて得られる実施の形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
50、500、600 汚損監視装置
60 第1の場所
62 第2の場所
74、76 接続部
100 第1のセンサ
110 絶縁基板
120 一対の電極
130 感湿膜
150、250 ケース
152、252 開口部
200 第2のセンサ
300 電源
310 第1の湿度換算部
320 第2の湿度換算部
400、512、522 制御部
410、514 演算処理部
420、524 記録装置
510 測定装置
520 処理装置

Claims (5)

  1. 監視対象物の汚損の程度を監視する汚損監視装置であって、
    各々、導電性高分子材料を用いた第1の湿度センサ及び第2の湿度センサを含み、
    前記第1の湿度センサは、前記監視対象物の設置場所と同じ湿度条件を持つ環境に設置されるものであり、
    前記第2の湿度センサは、前記第1の湿度センサの設置環境と同じ湿度条件を持ち、かつ、汚損がないと見なされる環境に設置されるものであり、
    前記汚損監視装置はさらに、
    前記第1の湿度センサ及び前記第2の湿度センサの各出力値をそれぞれ相対湿度に換算するための換算手段と、
    前記第1の湿度センサの出力値から換算された第1の相対湿度と、前記第2の湿度センサの出力値から換算された第2の相対湿度との差分値を算出するための差分算出手段と、
    前記第2の相対湿度が予め設定されたX%RH(Xは正の定数)以上であることに応答して、前記差分算出手段が算出した差分値の時系列を所定の記録装置に順次記録するための記録手段と、
    前記記録装置に記録された前記差分値の時系列の平均値、標準偏差、及び前記差分値の最大値近傍の値である所定個数の差分値を用いて汚損量を算出するための汚損量算出手段とを含む、汚損監視装置。
  2. 前記汚損量算出手段は、以下の式(a)によって汚損量を算出するための手段を含む、請求項1に記載の汚損量監視装置。
    Figure 2018155558
  3. 前記算出するための手段は、
    前記記録装置に記録された前記差分値の時系列の平均値ΔHAVを算出するための手段と、
    前記記録装置に記録された前記差分値の時系列の標準偏差ΔHσを算出するための手段と、
    前記記録装置に記録された前記差分値の時系列のうち、値が上位のn番目〜m番目(ただしm,nは0<n<mかつ5≦m−n≦40を満たす整数)の差分値の平均値ΔHを算出するための手段と、
    前記ΔHAVと予め設定された定数A1とを比較し、値の低い方又は同じ場合はいずれかを変数Aに代入するとともに、前記ΔHσを3倍した3ΔHσと予め設定された定数B1とを比較し、値の低い方又は同じ場合はいずれかを変数Bに代入する処理を実行するための手段と、
    前記ΔH、前記変数A、前記変数B、及び予め設定された定数Cの各値を用いて、以下の式により仮汚損量Sを求めるための手段と、
    Figure 2018155558
    前記仮汚損量Sと数値0とを比較し、値の大きい方を前記汚損量と推定するための手段とを含む、請求項1に記載の汚損監視装置。
  4. 前記Xの値は40〜70の範囲内であり、
    前記nは1〜10の範囲内のいずれかの整数であり、
    前記mは10〜50の範囲内のいずれかの整数であり、
    前記m―nは5〜40の範囲内のいずれかの整数であり、
    前記定数A1の値は2〜6の範囲内であり、
    前記定数B1の値は3〜6の範囲内であり、
    前記定数Cの値は0.005〜0.010の範囲内である、請求項3に記載の汚損監視装置。
  5. 前記汚損監視装置は、前記差分値の前記時系列を測定する測定装置と、前記測定装置から前記差分値の前記時系列を取得して、当該時系列を用いて前記汚損量を求めるための演算処理を実行する演算処理装置とに分けられ、
    前記測定装置は、前記第1の湿度センサ、前記第2の湿度センサ、前記換算手段、前記差分算出手段、及び前記記録手段を含み、
    前記演算処理装置は、前記汚損量算出手段を含む、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の汚損監視装置。
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