JP2018155334A - 駆動伝達装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、自動車の分野では、例えば特許文献1,2に記載のように、減速比を変更して伝達する駆動伝達装置としてトロイダル型無段変速機が利用されている。
本発明は、省スペースで減速比を変更可能な新たな駆動伝達装置を提供することを、その目的とする。
図1に示す画像形成装置としてのカラー複写機100は、電子写真方式で画像形成するものである。カラー複写機100は、装置本体101、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックに対応する4つのプロセスカートリッジユニット102を備えている。プロセスカートリッジユニット102は、それぞれ像担持体としてのドラム状の感光体103を備えている。感光体103は、それぞれプロセスカートリッジユニット102に回転可能に支持されていて、後述する駆動伝達装置1を介して減速して伝達される駆動モータ104からの駆動力によって回転駆動される駆動対象回転体である。
プロセスカートリッジユニット102は、感光体103の周りに、感光体表面を除電して初期化する徐電機能部、感光体表面を帯電する帯電機構部、感光体表面にプリント画像を得るために形成された静電潜像を現像剤たるトナーで現像する現像機能部、転写後の感光体表面に残る残留物を取り除くクリーニング機能部を備えた周知のものである。カラー複写機100は、感光体103の一部がプロセスカートリッジユニット102の一部から外部に露呈している。
プロセスカートリッジユニット102の下方には、感光体103に形成された各色のトナー像が転写される中間転写体となる中間転写ベルト105を備えた中間転写ユニット106が配置されている。中間転写ユニット106は、中間転写ベルト105が複数の回転体に巻き掛けられていて、感光体103と対向する部位で、感光体103と同一の移動方向となるように回転走行可能とされている。カラー複写機100では、感光体103と中間転写ベルト105と対向する部位に一次転写部107がそれぞれ形成されている。一次転写部107では、それぞれの色のトナー像が中間転写ベルト105に転写される。
カラー複写機100は、二次転写部113に向かって記録材Pを供給搬送する供給部114と、トナー像が転写された記録材Pに当該トナー像を定着させる定着装置115が設けられている。カラー複写機100は、定着後の記録材Pを装置本体外へ排出する排出部117が設けられている。
ダイレクトドライブモータ方式はコストが高くて重量が大きくなる以外にも、使用回転数が一定になることからエネルギー効率が良くないという課題がある。減速方式はモータの回転数を高くすることが出来るのでエネルギー効率の問題は解消できるが、トラクション機構はコストや重量が高いという問題や、遊星機構はギヤの噛合い周期振動による回転むらや騒音という問題がある。更に両方に言えることだが、減速機の減速機構がトラクション内の回転体諸元や遊星ギヤのギヤ諸言によって減速比が一つに決まってしまう。その場合、減速機を共通部品化して他機種にも展開しようとした際に減速比が決まってしまうので、必要とする減速比が画像形成装置の機種毎で異なる場合、そのまま共有化を図ることが難しい。このため、機種毎にすべての部品を設計し直して新規部品を起こす必要があるので、部品を共通化してのコスト低減や減速機を共有することによる設計負担の低減が難しい。
特許文献1,2には、駆動伝達装置として、車両のトロイダル型無段変速機の構成が開示されているが、これら文献の構成を画像形成装置に適用することを考えると改善の余地がある。特許文献1,2の構成の場合、減速比を変更できる機構、すなわち駆動伝達部材の角度を作動中に変更する機構が設けられているが、画像形成装置では車両と異なり、装置の作動中に減速比を変更する必要は無い。また、搭載できるスペースについても車両に比べて少ないことからコンパクト化が要求される。さらに、特許文献1,2に記載の構成では、そのほとんどが金属部品で製作すること前提の構成であるために重量とコストが高くなる。
図2は、トロイダル型無段変速機方式を用いた駆動伝達装置1を1つの感光体103の駆動に適用した際のレイアウトを示している。駆動伝達装置1は各感光体に1つずつ用いられる。感光体103は、駆動モータ104と駆動伝達装置1によって、高精度の回転むらで回転駆動されるように構成されている。駆動モータ104と駆動伝達装置1の構成は、同一構成であるので、ここでは1つの駆動モータ104と駆動伝達装置1の構成について説明する。
プロセスカートリッジユニット102は、前面板101aと後面板101bで装置本体101に保持されている。プロセスカートリッジユニット102に内包されている感光体103は、ドラム軸120によって位置決めされて、プロセスカートリッジユニット102のケースに回転可能に支持されている。ドラム軸120の駆動力は、感光体ジョイント121を介して感光体103を駆動する。ドラム軸120は軸ジョイント122を介して駆動伝達装置1の従動側出力軸4Bと連結されていて、駆動モータ104で発生する回転駆動力が減速されて伝達される。駆動モータ104は、装置本体101の後面板101bに高精度に位置決めされた駆動ブラケット123に固定されている。
駆動伝達装置1は、筒状のハウジング2と、ハウジング2内に設けられていて駆動側出力軸4Aと連結された駆動ディスク部材3と、従動側出力軸4Bと連結された従動ディスク部材5と、駆動ディスク部材3と従動ディスク部材5の中間に配置された中間ディスク部材6を有している。中間ディスク部材6は、駆動側出力軸4Aと従動側出力軸4Bに軸受を介して接続された中間軸4Cに支持されて回転可能とされている。駆動側出力軸4A、従動側出力軸4B、中間軸4Cは、同一軸線O上に配置されている。同様に、駆動ディスク部材3、従動ディスク部材5、中間ディスク部材6も同一軸線O上に配置されている。
つまり、駆動伝達ローラ7は、これら加圧部材10,11のバネ力によって、駆動ディスク部材3と中間ディスク部材6及び中間ディスク部材6と従動ディスク部材5とにそれぞれ圧接し、駆動ディスク部材3からの回転駆動力を減速して従動ディスク部材5に伝達するものである。
駆動伝達装置1は、装置本体101に対して筒状のハウジング2を介して着脱可能とされている。駆動伝達装置1は、装置本体101へ装着した際に、駆動側出力軸4Aと駆動モータ104の出力軸104aとがカップリング16を介して一体化される。
本実施形態において、駆動ディスク部材3と従動ディスク部材5と中間ディスク部材6は樹脂部材で構成されている。
一般に、CVTの減速比は、(式1)で表される
減速比=出力側接触半径/入力側接触半径・・・(式1)
本実施形態では、要求される設計仕様(機種毎)に応じて突起形状部12の角度を変更して駆動伝達ローラ7の配置角度を変更するようにしている。
つまり、本実施形態の構成とすると、突起形状部12の角度を変更するという設計変更と、設計変更した部分に関する部品を変更するだけで、自由に減速比を設定することができ、省スペースで減速比が変更可能でありカラー複写機100(画像形成装置)に適用可能な新たな駆動伝達装置1を提供することができる。
図6に示す駆動伝達装置1Aは、回転駆動力が入力される駆動側出力軸4Aと連結された駆動ディスク部材3と、駆動対象回転体と一体回転可能な従動側出力軸4Bと連結された従動ディスク部材5と、駆動ディスク部材3と従動ディスク部材5の間に配置されて、駆動ディスク部材3と従動ディスク部材5とに加圧部材10,11の作用によってそれぞれ圧接し、駆動ディスク部材3からの回転駆動力を減速して従動ディスク部材5に伝達する駆動伝達ローラ7と、駆動伝達ローラ7を任意の角度に保持する保持部材8Aとを備えている。
このような構成としても、駆動伝達ローラ7の角度が異なる保持部材8Aを予め設計して製造しておき、搭載する機器に応じて、該当する保持部材に交換することで、機器に対応した減速比に容易に変更することができる。このため、従来のように減速比を作動中に変更する機構が不要となることから、その分の占有スペースを削減できるため、駆動伝達装置自体のコンパクト化を図られるとともにカラー複写機100(画像形成装置)のコンパクト化も図ることができる。
回転駆動伝達力=接触圧力×摩擦係数・・・(式2)
このため、本実施形態では、駆動伝達ローラ7の摩擦面が各ディクスとの間でスリップしないように、駆動側には加圧部材10を、従動側には加圧部材11をそれぞれ配置して、軸線方向の両側から狙いの接触圧力になるように構成している。
駆動伝達ローラ7は、図7(a)に示すように、駆動伝達ホルダ13と駆動伝達接触部を構成する駆動伝達接触部材14の2部品以上から構成されている。図7(a)は、駆動伝達ローラ7を軸線方向から見た図であり、図7(b)は図7(a)のA−A線断面図を示し、図7(c)は駆動伝達ローラ7の別な形態を説明する断面図である。駆動伝達ローラ7は、図7(b)に示すパターン1(形態1)と図7(b)に示すパターン2(形態2)の2種類を想定している。図7(b)に示す低コストタイプのパターン1の駆動伝達ローラ7は、中心部に駆動側出力軸4Aや従動側出力軸4Bが挿入される挿入孔13aが形成された円形の駆動伝達ホルダ13と、駆動伝達ホルダ13の外周面に形成しれた環状溝13b内に装着されて駆動伝達ホルダ13の外周面13cから外方に突出する駆動伝達接触部材14の2部品構成で構成されている。図7(c)に示す高精度タイプのパターン2の駆動伝達ローラ7Aは、円形の駆動伝達ホルダ13と、環状溝13b内に装着されて駆動伝達ホルダ13の外周面13cから外方に突出する駆動伝達接触部材14と、挿入孔13aに装着された玉軸受15とを備えている。
駆動伝達性に関する理由としては、摩擦係数を大きくすると(式2)から分かるように小さな接触圧力で大きな回転駆動伝達力を得られるので、必要トルクを満足する範囲で駆動側の加圧部材10と従動側の加圧部材11による圧力(バネ力)を小さくできるため、ハウジング2をはじめとした周囲部材に与える影響を小さくできるためである。
駆動制御性に関する理由については、図8,図9を用いてする。図8は駆動伝達装置1の制御の一形態を説明するブロック図であり、図9は周波数特性と回転むらの関係を説明する図である。図9において、縦軸を駆動モータ104の入力に対する速度変動検出器201の出力の比(Gain)を示し、横軸を周波数としている。
本実施形態において、駆動モータ104からの駆動力がトロイダル方式の減速部を介して伝達される従動側出力軸4Bの回転は、速度変動検出器201によって検出される。駆動モータ104と速度変動検出器201は、駆動制御部(コントローラ)200に信号線を介して接続されている。駆動制御部200は速度変動検出器201からの検出情報に応じて駆動モータ104の回転に対してフィートバック制御を掛けて、設定された回転数で感光体103が回転するように制御して、回転むらの発生を抑制している。その際、駆動モータ104の入力に対する速度変動検出器201の出力の比(Gain)に関する周波数特性が重要となるのだが、一般的に減速器(駆動伝達装置1)のような負荷がかかる場所は、図9に示すように、制御上の律速となる共振点を持っていることが多く、結果として減速機(駆動伝達装置1)の周波数特性によってどこまで回転むらを落とせるか(制御範囲)が決まる。故に減速機(駆動伝達装置1)の共振となる周波数を高くするか、共振した際のピークを下げることが重要となる。
本実施形態のように、駆動伝達装置1の駆動伝達接触部材14に粘性成分の大きい材料(減衰性能の大きい材料)を使うと、図9に示すように、後者の共振した際のピークを下げることが出来る(ダンピング効果が得られる)ので、制御帯域をより高帯域まで持っていくことができ、結果としてより高い周波数まで回転むらを抑えることができるようになる。
本実施形態では、駆動ディスク部材3と従動ディスク部材5と中間ディスク部材6を樹脂部材で構成したので、金属製に比べて軽量化することができるとともに、低コスト化が図れる。
本実施形態では、駆動側の保持部材8と従動側の保持部材9に設けた突起形状部12をそれぞれ3つ以上としているので、駆動伝達ローラ7からの駆動伝達箇所が3か所以上となり、回転駆動伝達を安定化させることができ、より高精度な回転むらを実現することができる。この結果、バンディングや色ムラなどの異常画像をより低減して高品質の画像を得ことができる。
本実施形態では、駆動伝達接触部材14をゴム部材として摩擦係数を高くしているので、結果として伝達粘性が大きくなり、モータ制御時の制御帯域を高くすることができる。
例えば、実施形態において、画像形成装置は電子写真方式を例に説明したが、この方式に限定するものではなく、インクを噴出して画像形成する方式の画像形成装置であってもよい。実施形態において、画像形成装置はカラー複写機を例に説明したが、この形態に限定するものではなく、画像形成機能単独のプリンタや、画像形成機能とこれ以外の機能を備えた装置、例えばファクシミリや複合機であってもよい。複写機の構成においては、カー画像に限定するものではなく、モノクロ画像を形成する画像形成装置であっても同様の効果を得ることできる。
本実施形態では、駆動対象回転体として感光体(像担持体)103を例示して説明したが、駆動伝達装置1、1Aで駆動力が減速されて伝達される対象は感光体103に限定されるものではない。例えば画像形成装置においては、周知の現像機能部が備える現像ローラ、像担持体となる中間転写ベルト105を回転駆動するための転写駆動ローラ、定着装置115等が挙げられる。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
3 駆動ディスク部材
3a 接触する面
4A 駆動側出力軸
4B 従動側出力軸
5 従動ディスク部材
5a 接触する面
6 中間ディスク部材
6a、6b 接触する面
7、7A 駆動力伝達部材
8 駆動側の保持部材
8A 保持部材
9 従動側の保持部材
10、11 加圧部材
12 突起形状部
13 駆動伝達ホルダ
14 駆動伝達接触部
100 画像形成装置
103 駆動対象回転体
104 駆動モータ
Claims (7)
- 回転駆動力が入力される駆動側出力軸と連結された駆動ディスク部材と、
駆動対象回転体と一体回転可能な従動側出力軸と連結された従動ディスク部材と、
前記駆動ディスク部材と前記従動ディスク部材の間に配置されて、前記駆動ディスク部材と前記従動ディスク部材とにそれぞれ圧接し、前記駆動ディスク部材からの前記回転駆動力を減速して前記従動ディスク部材に伝達する駆動力伝達部材と、
前記駆動力伝達部材を任意の角度に保持する保持部材と、を備えた駆動伝達装置。 - 前記駆動ディスク部材と前記従動ディスク部材の間に回転可能に配置された中間ディスク部材を備え、
前記駆動力伝達部材は、前記駆動ディスク部材と前記中間ディスク部材の間、又は、前記駆動ディスク部材と前記中間ディスク部材の間及び前記中間ディスク部材と前記従動ディスク部材の間に前記保持部材を配置することで位置する請求項1に記載の駆動伝達装置。 - 前記駆動力伝達部材は、少なくとも駆動伝達接触部を備え、
前記駆動伝達接触部は、ゴム部材で構成されている請求項1又は2に記載の駆動伝達装置。 - 少なくとも前記駆動ディスク部材と前記従動ディスク部材は、樹脂部材で構成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の駆動伝達装置。
- 前記保持部材は、前記駆動力伝達部材を支持する複数の突起形状部を有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の駆動伝達装置。
- 前記駆動ディスク部材と前記従動ディスク部材、あるいは前記駆動ディスク部材と前記従動ディスク部材と前記中間ディスク部材は、前記駆動伝達部材と接触する面がトロイダル形状に形成されている請求項1乃至5の何れか1項に記載の駆動伝達装置。
- 従動側出力軸と一体回転可能な駆動対象回転体と、
駆動モータの回転駆動力を前記駆動対象回転体に前記従動側出力軸を介して伝達する駆動伝達装置を備えた画像形成装置であって、
前記駆動伝達装置が請求項1乃至6の何れか1項に記載の駆動伝達装置である画像形成装置。
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