JP2018155195A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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太郎 池田
松栄 上田
Matsue Ueda
松栄 上田
冬頭 孝之
Takayuki Fuyugashira
孝之 冬頭
真 永岡
Makoto Nagaoka
真 永岡
瀧 昌弘
Masahiro Taki
昌弘 瀧
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Kazuhisa Inagaki
和久 稲垣
竜大 森安
Tatsuhiro Moriyasu
竜大 森安
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Akio Matsunaga
彰生 松永
俊洋 中村
Toshihiro Nakamura
俊洋 中村
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Abstract

【課題】人間の聴感での燃焼騒音の連続性を確保するように内燃機関を制御する。【解決手段】内燃機関の燃焼室内の圧力及び内燃機関の回転数を取得し、圧力の二階時間微分値又は二階クランク角微分値の二乗和に回転数を乗算して算出した、燃焼騒音のオーバーオールレベルとの相関が高い第1指標値と、燃焼室の圧力の一階クランク角微分値のピーク高さ比率およびピーク間隔を指標に加えて、それぞれの差分が急激に変化しないように内燃機関を制御することで、人間の聴感において感じられる燃焼騒音をより低減する。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の騒音を制御するための内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関においては、経時劣化や運転状態に応じて燃焼騒音が生じることがある。内燃機関の燃焼騒音は、内燃機関が搭載される車両等の商品価値を高めるために重要な要素となる。特に、加減速時における燃焼騒音の変化は、運転者の操作に対して内燃機関が適切に反応しているかを示す指標となり、意図に反する不連続な燃焼騒音の変化が生じた場合には、運転者をはじめ乗員の不快感の原因となる。故に、不連続な燃焼騒音の変化を防止する技術が必要とされている。
燃焼騒音を低減させるために、メイン噴射に先立ってパイロット噴射が可能な燃料噴射装置を備え、燃焼圧力の二階時間微分値と目標値とが一致しないときに二階時間微分値が小さくなるようにパイロット噴射の噴射量を調整する構成を備えた内燃機関が開示されている(特許文献1)。また、筒内圧の最大値、燃焼による圧力上昇値の最大値、その一階時間微分値及び二階時間微分値の最大値、エンジン回転数から燃焼騒音を求め、燃焼騒音との相関が高い値を優先的に低減させるように制御を行う構成が開示されている(特許文献2)。
特開平11−247703号公報 特開2007−278098号公報
ところで、従来の内燃機関における燃焼騒音の低減方法では、燃焼騒音全体のレベルに応じた制御が行われるだけであった。すなわち、燃焼騒音における周波数に応じた騒音の低減がなされていなかった。したがって、人間が感じる聴感において効果的に燃焼騒音が低減されている保証がなかった。
例えば、特許文献1の技術では、筒内圧力から算出したdP/dtそのものを使用するために燃焼騒音の予測精度が悪く、相関が低いために制御を中止せざるを得ない場合がある。したがって、内燃機関の運転領域全域を制御対象とすることができない。また、dP/dtにより予測するのは燃焼騒音のオーバーオールレベルのみであり、燃焼騒音の周波数特性は制御対象としないので、聴感における連続性は保証されない。
また、特許文献2の技術では、燃焼圧力とモータリング圧力との差分を算出し、それ自体及び導関数の最大値を用いて指標を求めて制御を行う。しかしながら、予測するのは燃焼騒音のオーバーオールレベルのみであり、燃焼騒音の周波数特性は制御対象としないので、聴感における連続性は保証されない。さらに、噴射回数に応じて複数の指標を使用することから制御ロジックが複雑になり、噴射回数と筒内圧力変化率ピーク個数が一致しない条件では、適切に燃焼騒音を評価することが困難になる。特に、燃料噴射装置の高性能化により複数回の燃料噴射が行われる将来のエンジンでは、噴射回数と筒内圧力変化率ビーク個数の不一致による予測精度の悪化や制御の煩雑化が顕著となるおそれがある。
本発明の一つの態様は、内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射手段を備える内燃機関を制御する制御装置であって、前記燃焼室内の圧力及び前記内燃機関の回転数を取得し、前記圧力の二階時間微分値又は二階クランク角微分値の二乗和に前記回転数を乗算した第1指標値を算出し、前記第1指標値に応じて前記内燃機関を制御することを特徴とする内燃機関の制御装置である。なお、前記第1指標値は、図17に示すように、燃焼騒音のオーバーオールレベルとの相関が高い。したがって、前記第1指標値に応じて前記内燃機関を制御することで、燃焼騒音のオーバーオールレベルを制御することができる。
ここで、現在のサイクルの前記燃焼室内の圧力の予測値を算出し、前記圧力の予測値の二階時間微分値又は二階クランク角微分値の二乗和に前記回転数を乗算した現在のサイクルにおける第1指標値を算出し、前のサイクルの前記燃焼室内の圧力の二階時間微分値又は二階クランク角微分値の二乗和に前記回転数を乗算した前のサイクルにおける第1指標値を算出し、現在のサイクルにおける第1指標値と前のサイクルにおける第1指標値の差分の絶対値が所定の第1基準値未満となるように前記内燃機関を制御することが好適である。
また、前記第1指標値の差分の絶対値が前記第1基準値以上となると予想されるとき、前記第1指標値の差分の絶対値が前記第1基準値未満となるように前記燃料噴射手段による燃料噴射パターンを制御することが好適である。
また、前記燃焼室内の圧力変化率の時間変化に複数のピークが存在する場合、ピークの時間間隔又はクランク角間隔を第2指標値として、第1指標値及び第2指標値に応じて前記内燃機関を制御することが好適である。
また、現在のサイクルの前記燃焼室内の圧力の予測値を算出し、前記圧力の予測値の変化率の時間変化におけるピークの時間間隔又はクランク角間隔を現在のサイクルにおける第2指標値とし、前のサイクルの前記燃焼室内の圧力変化率の時間変化におけるピークの時間間隔又はクランク角間隔を前のサイクルにおける第2指標値とし、現在のサイクルにおける第2指標値と前のサイクルにおける第2指標値の差分の絶対値が所定の第2基準値未満となるように前記内燃機関を制御することが好適である。
また、前記第2指標値の差分の絶対値が前記第2基準値以上となると予想されるとき、前記第2指標値の差分の絶対値が前記第2基準値未満となるように前記燃料噴射手段による燃料噴射パターンを制御することが好適である。
また、前記燃焼室内の圧力変化率の時間変化におけるピークの高さの比率を第3指標値として、第3指標値が所定の第3基準範囲内の場合に第2指標値に応じて前記内燃機関を制御することが好適である。
また、前記燃焼室内の圧力変化率の時間変化におけるピークの高さの基準としてモータリング時の燃焼室内の圧力変化率を用いることが好適である。
また、前記燃焼室内の圧力変化率の時間変化におけるピークの高さの基準として当該ピークの直近の谷部の値を用いることが好適である。
また、前のサイクルの前記燃焼室内の圧力は、前のサイクルにおいて算出された前記燃焼室内の圧力の予測値とすることが好適である。
また、前のサイクルの前記燃焼室内の圧力は、前記燃焼室内の圧力を測定する圧力センサによって前のサイクルにおいて測定された前記燃焼室内の圧力の測定値とすることが好適である。
また、前記内燃機関における吸気絞り弁、排気再循環量制御弁、過給器の可変ベーンノズル及び過給器バイパス弁の少なくとも1つを制御することが好適である。
本発明によれば、人間の聴感での燃焼騒音の連続性を確保するように内燃機関を制御することができる。
本発明の実施の形態における内燃機関の制御システムの構成を示す図である。 第1の実施形態における内燃機関の制御方法のフローチャートを示す図である。 クランク角の時間変化に対する燃焼室内の圧力変化率(dP/dθ)の関係を示す図である。 圧力変化に伴う騒音の干渉を説明するための図である。 内燃機関の燃焼騒音の周波数スペクトルにおける干渉発生周波数の例を示す図である。 ピーク間隔と干渉発生周波数との関係の例を示す図である。 クランク角の時間変化に対するdP/dθの関係を示す図である。 内燃機関の燃焼騒音の周波数スペクトルにおける干渉発生周波数での谷の深さの例を示す図である。 ピークの高さの比率と干渉発生周波数での谷の深さとの関係の例を示す図である。 第2の実施の形態における内燃機関の制御システムの構成を示す図である。 第2の実施形態における内燃機関の制御方法のフローチャートを示す図である。 第3の実施形態における内燃機関の制御方法のフローチャートを示す図である。 第4の実施形態における内燃機関の制御方法のフローチャートを示す図である。 本発明の実施の形態における各指標値の時間変化例を示す図である。 本発明の実施の形態における内燃機関の制御方法を適用した際の燃焼騒音のオーバーオールレベルの時間変化を示す図である。 本発明の実施の形態における内燃機関の制御方法を適用した際の燃焼騒音の周波数スペクトルの時間変化を示す図である。 第1指標値と燃焼騒音のオーバーオールレベルとの相関関係を示す図である。
[内燃機関の制御システムの基本構成]
本発明の実施の形態における内燃機関の制御システム100は、図1に示すように、内燃機関10、燃料噴射手段12、燃料供給手段14及び制御装置16を含んで構成される。内燃機関の制御システム100は、制御装置16に接続されたアクセルセンサ20、ブレーキセンサ22及び回転数センサ24からの信号に基づいて要求値を実現し得るように内燃機関10への燃料供給条件を変更することにより内燃機関10を制御する。
内燃機関10は、燃料噴射手段12からの燃料(軽油やガソリン等)の供給を受けて、吸気口から供給される空気との混合気を燃焼室内で燃焼させてピストンを動かすことによって動力を発生させる。混合気の燃焼によって生ずる排気ガスは排気口から排出される。
燃料噴射手段12は、噴射弁、レギュレータ等を含んで構成される。燃料噴射手段12は、制御装置16からの制御信号を受けて、制御信号で特定される噴射量、噴射時期(タイミング)及び噴射圧力で燃料を内燃機関10の燃焼室内に噴射させる。燃料供給手段14は、燃料タンクや燃料ポンプ等を含んで構成される。燃料供給手段14は、燃料噴射手段12に対して燃料を供給する。
制御装置16は、内燃機関の制御システム100を制御するための装置である。制御装置16は、マイクロコンピュータを含んで構成することができる。
なお、アクセルセンサ20は、内燃機関10が搭載された車両等を加速する程度をユーザが入力するためのアクセルの操作量を検出して制御装置16へ出力するセンサである。ブレーキセンサ22は、内燃機関10が搭載された車両等を減速する程度をユーザが入力するためのブレーキの操作量を検出して制御装置16へ出力するセンサである。回転数センサ24は、内燃機関10のピストンに接続された回転軸の回転数(クランク角の変化)を検出して制御装置16へ出力するセンサである。また、トルクセンサ(図示しない)をさらに備え、現在のトルクを検出して制御装置16へ出力するようにしてもよい。
[第1の実施の形態における制御方法]
以下、第1の実施の形態における内燃機関の制御方法について説明する。第1の実施の形態における内燃機関の制御方法は、図2に示すフローチャートに沿って制御装置16によって実行される。
なお、制御は、内燃機関10の1サイクル毎又は所定の複数サイクル毎に行うことが好適である。以下の説明では、1サイクル毎に制御を行う例について説明するが、複数サイクル毎に制御を行う場合も同様に処理することができる。
ステップS1では、現在の内燃機関10の回転数及びトルクが読み込まれる。制御装置16は、回転数センサ24から現在の内燃機関10の回転数を取得する。また、制御装置16は、燃料噴射量に基づいて現在の内燃機関10のトルクを取得する。
ステップS2では、現在のアクセル及びブレーキの操作量が読み込まれる。制御装置16は、アクセルセンサ20からアクセルの現在の操作量及びブレーキセンサ22からブレーキの現在の操作量を取得する。
ステップS3では、ステップS2において取得したアクセル及びブレーキの現在の操作量から内燃機関10の目標回転数及び目標トルクを設定する。例えば、制御装置16は、内蔵する記憶部に予め記憶された制御用マップに基づいてアクセル及びブレーキの現在の操作量から内燃機関10の目標回転数及び目標トルクを設定する。制御用マップは、アクセルの操作量とブレーキの操作量との組み合わせ毎に内燃機関10の目標回転数及び目標トルクを関連付けたデータベースである。また、制御装置16は、制御用マップを用いる代わりに、アクセル及びブレーキの現在の操作量を引数とする目標回転数を算出するための関数及び目標トルクを算出する関数から内燃機関10の目標回転数及び目標トルクを設定してもよい。目標回転数を算出するための関数及び目標トルクを算出する関数は、制御装置16の記憶部に予め記憶させておけばよい。
ステップS4では、前サイクルにおける指標値が読み込まれる。制御装置16は、記憶部に記憶されている前回のサイクルでの処理における指標値を読み出す。本実施の形態では、指標値は、内燃機関10の燃焼室の圧力Pに関する値とする。
具体的には、第1指標値Qは、数式(1)で表され、内燃機関10の燃焼室の圧力Pの二階時間微分の二乗和に内燃機関10の回転数Neを乗算した値とする。二乗和は、1サイクルに相当する時間に亘る和を求めたものである。1サイクルの二乗和に代えて、吸気バルブが開状態になり圧縮が開始されたタイミングから排気バルブが開状態にされて排気が開始されるタイミングまでの二乗和としてもよい。また、燃料を噴射するタイミングから燃焼終了までのタイミングまでの二乗和としてもよい。
また、第2指標値Rは、dP/dθで表される内燃機関10の燃焼室の圧力Pの一階クランク角微分値のピーク間隔(時間間隔又はクランク角間隔)とする。ここで、θは、内燃機関10のクランク角である。また、第3指標値Sは、dP/dθで表される内燃機関10の燃焼室の圧力Pの一階クランク角微分値のピーク高さ比率とする。
図3は、dP/dθと内燃機関10のクランク角θ(時間t)との関係を示す例である。図3に示すように、クランク角θ(時間t)の変化に対してdP/dθが複数のピークを有する場合、図4に示すように、当該複数のピークがピークの間隔Δtに対応して0.5次、1.5次・・・の干渉を起こす。その結果、図5に示すように、燃焼騒音の周波数スペクトル(CNLスペクトル)において、干渉発生周波数(0.5次)、干渉発生周波数(1.5次)・・・に騒音レベルの谷が発生する。図6は、dP/dθのピークの間隔Δtに対して0.5次及び1.5次の干渉が発生する周波数をプロットした図である。図6に示すように、dP/dθのピークの間隔Δtによって干渉発生周波数は変化する。したがって、燃焼騒音において干渉発生周波数を時間的に連続変化させる、すなわち干渉発生周波数を急激に変化させないためには、dP/dθのピークの間隔Δtを急激に変化させないように内燃機関10を制御すればよい。
図7は、dP/dθと内燃機関10のクランク角θ(時間t)との関係を示す例である。図7において、実線は内燃機関10において燃焼が生じたときの圧力について1サイクルのdP/dθの時間変化を示し、破線は内燃機関10において燃焼が生じないとき圧力(モータリング圧力)について1サイクルのdP/dθの時間変化を示す。dP/dθに複数のピークを有する場合、ピーク位置におけるモータリング時の燃焼室内の圧力変化率を基準としたピークの高さの比率を求めることができる。なお、ピークの高さの基準は、ピークに一番近い谷部(dP/dθの微分値が0となる極小点)の値としてもよい。図8に示すように、dP/dθのピークの高さの比率は燃焼騒音の周波数スペクトル(CNLスペクトル)における干渉発生周波数(0.5次)、干渉発生周波数(1.5次)・・・での騒音レベルの谷の深さ(レベル)に相関がある。図9は、dP/dθのピークの高さの比率に対する燃焼騒音の周波数スペクトル(CNLスペクトル)の干渉発生周波数(0.5次)、干渉発生周波数(1.5次)における谷の深さの関係を示す。図9に示すように、dP/dθのピークの高さの比率は燃焼騒音の周波数スペクトル(CNLスペクトル)における谷の深さと相関関係を示す。したがって、干渉発生周波数における音を時間的に連続させて変化させる、すなわち干渉発生周波数の音を急激に変化させないためには、周波数スペクトル(CNLスペクトル)における谷が深さに対してdP/dθのピークの高さの比率の影響が大きい範囲(図9中、例えば基準範囲s)において干渉発生周波数の音が急激に変わらないように内燃機関10を制御すればよい。
なお、本実施の形態では、内燃機関10の燃焼室の圧力Pの二階時間微分の二乗和に内燃機関10の回転数Neを乗算した値を第1指標値Qとしたが、時間tの代わりに内燃機関10のクランク角θを用いてもよい。また、内燃機関10の燃焼室の圧力Pの一階クランク角微分値のピーク高さ比率及びピーク間隔を第2指標値R及び第3指標値Sとしたが、クランク角θの代わりに時間tを用いてもよい。すなわち、内燃機関10のクランク角θは時間tと共に変化するので、時間tとクランク角θは相互に入れ替えても本実施の形態における制御と同様の結果を得ることができる。
ステップS5では、制御装置16は、現在のサイクルにおける過給圧力、吸入ガス温度、排気再循環率を取得又は算出する。制御装置16は、ステップS2において取得したアクセル及びブレーキの現在の操作量、又は、ステップS3において求められた内燃機関10の目標回転数及び目標トルクに基づいて現在のサイクルにおける内燃機関10の過給圧力、吸入ガス温度、排気再循環率を決定する。例えば、制御装置16は、圧力センサ(図示しない)によって過給圧力を取得することができる。また、制御装置16は、内蔵する記憶部に予め記憶された制御用モデルに基づいて吸入ガス温度及び排気再循環率を算出すればよい。すなわち、現在の内燃機関10の状態を表す状態量をパラメータとする内燃機関10のモデルに基づいて、当該状態量をモデルに当て嵌めることによって吸入ガス温度及び排気再循環率を算出することができる。なお、内燃機関10の過給圧力、吸入ガス温度、排気再循環率の取得方法はこれに限定されるものではなく、既知の方法を適用して求めればよい。
ステップS6では、制御装置16は、現在のサイクルにおける燃料噴射パターン(燃料噴射量、噴射時期、噴射圧力、噴射回数)を設定する。制御装置16は、ステップS3において求められた目標回転数及び目標トルクに基づいて現在のサイクルにおける燃料噴射パターンを決定する。例えば、制御装置16は、内蔵する記憶部に予め記憶された制御用マップに基づいて燃料噴射パターンを設定すればよい。制御用マップは、目標回転数と目標トルクの組み合わせ毎に燃料噴射パターンを関連付けたデータベースである。また、目標回転数や目標トルクの代わりに、アクセルの操作量やブレーキの操作量を用いて燃料噴射パターンを設定するようにしてもよい。
ステップS7では、内燃機関10の燃焼室内の圧力の予測値を算出する。制御装置16は、ステップS5にて求められた現在のサイクルにおける過給圧力、吸入ガス温度、排気再循環率及びステップS6にて求められた燃料噴射パターンに基づいて内燃機関10の燃焼室内の圧力の予測値を算出する。制御装置16は、内燃機関10の燃焼特性モデルに共付いて、過給圧力、吸入ガス温度、排気再循環率及び燃料噴射パターンを含む内燃機関10の状態量をパラメータとして内燃機関10の燃焼室内の圧力を1サイクルの時間に亘って算出する。
なお、後述するステップS11からステップS7へ移行してきた場合、ステップS6にて設定された燃料噴射パターンの代わりに、ステップS11にて変更された燃料噴射パターンを用いて圧力の予測値を算出する。
ステップS8では、内燃機関10の燃焼室内の圧力の予測値に基づいて指標値を算出する。制御装置16は、ステップS7にて算出された圧力の予測値とステップS1で読み込んだ現在の回転数とから現在の内燃機関10の燃焼室内の圧力の予測値に対する第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sを算出する。第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sは、それぞれステップS4にて説明した前サイクルにおける第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sと同様に算出することができる。
ステップS9では、指標値に基づいて処理の分岐の判断が行われる。制御装置16は、ステップS4にて読み込まれた前サイクルにおける第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値SとステップS8にて算出された現在のサイクルにおける第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sの関係に応じて処理の分岐を判断する。
制御装置16は、後述する繰り返し回数Mが所定の基準回数m以上であればステップS10に処理を移行させ、基準回数m未満であればさらに以下の判定処理を行う。
制御装置16は、圧力Pの二階時間微分の二乗和に内燃機関10の回転数Neを乗算した値である第1指標値Qについて、現在のサイクルにおける第1指標値Qと前サイクルにおける第1指標値Qの差分の絶対値が所定の第1基準値q以上であればステップS11に処理を移行させ、第1基準値q未満であればステップS10に処理を移行させる。
また、dP/dθで表される内燃機関10の燃焼室の圧力Pの一階クランク角微分値のピーク間隔の値である第2指標値Rについて、現在のサイクルにおける第2指標値Rと前サイクルにおける第2指標値Rとの差分の絶対値が所定の第2基準値r以上であればステップS11に処理を移行させ、第2基準値r未満であればステップS10に処理を移行させる。
このとき、第2指標値Rの差分による判定を行う前判定として第3指標値Sを用いた判定を行ってもよい。すなわち、dP/dθで表される内燃機関10の燃焼室の圧力Pの一階クランク角微分値のピーク間隔の値である第3指標値Sについて、現在のサイクルにおける第3指標値Sと前サイクルにおける第3指標値Sとの差分の絶対値が上記の図9で説明した第3基準範囲s以内であれば上記第2指標値Rによる判定を行うものとし、第3基準範囲sの外であれば第2指標値Rによる判定を行わないようにしてもよい。
なお、第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sによる判定処理は上記に限定されるものではない。例えば、現在のサイクルにおける第1指標値Qと前サイクルにおける第1指標値Qの差分の絶対値に所定の重み付け係数X1を乗算し、現在のサイクルにおける第2指標値Rと前サイクルにおける第2指標値Rとの差分の絶対値に所定の重み付け係数X2を乗算し、これらの乗算値を足し合わせて1つの指標値として判定してもよい。この場合、当該指標値が所定の基準値以上であればステップS11に処理を移行させ、当該基準値未満であればステップS10に処理を移行させればよい。この場合、現在のサイクルにおける第3指標値Sと前サイクルにおける第3指標値Sとの差分の絶対値に応じて重み付け係数X2を調整するようにしてもよい。例えば、現在のサイクルにおける第3指標値Sと前サイクルにおける第3指標値Sとの差分の絶対値が所定の基準値以上のときの重み付け係数X2を当該基準値未満のときの重み付け係数X2よりも大きくするようにすればよい。また、重み付け係数X2を現在のサイクルにおける第3指標値Sと前サイクルにおける第3指標値Sとの差分の絶対値をパラメータとする関数で算出するようにしてもよい。
また、第1基準値q、第2基準値r及び第3基準範囲sは、所望する燃焼騒音レベルの時間的な連続性の程度に応じて設定すればよい。例えば、第1基準値q及び第2基準値rは前のサイクルにおける第1指標値Q及び第2指標値Rの絶対値に対して10%等の割合で設定すればよい。また、例えば、第3基準範囲sは、図9に示したような干渉発生周波数におけるCNLスペクトルの谷の深さがピーク値に対して50%の値以上となる範囲等に設定すればよい。
ステップS10では、現在設定されている燃料噴射パターンにて燃料を噴射する制御が行われる。制御装置16は、制御信号を送信することによって燃料噴射手段12を制御して、ステップS6又はS11にて設定された燃料噴射パターンにて内燃機関10の燃焼室内に燃料を噴射させる。また、制御装置16は、繰り返し回数Mを0にリセットして、ステップS12に処理を移行させる。
ステップS11では、燃料噴射パターンの変更が行われる。燃料噴射パターンは、現在設定されている燃料噴射パターンと第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sの値に基づいて変更される。例えば、制御装置16は、現在設定されている燃料噴射パターンが大きく変動しない制御範囲内において、現在のサイクルと前サイクルとにおける第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sの差分の絶対値が小さくなるように新たな燃料噴射パターンに変更する。
例えば、制御装置16は、燃料噴射パターンにおける燃料噴射量、噴射時期、噴射圧力及び噴射回数のそれぞれについて変更の上限と下限の幅(割合)を決めておき、その幅(割合)内において現在のサイクルにおける第1指標値Qと前のサイクルにおける第1指標値Qの差分の絶対値及び現在のサイクルにおける第2指標値Rと前のサイクルにおける第2指標値Rの差分の絶対値ができるだけ小さくなるような燃料噴射パターンを選択するようにすればよい。このとき、現在のサイクルにおける第1指標値Qと前のサイクルにおける第1指標値Qの差分の絶対値に所定の重み付け係数Y1を乗算した乗算値及び現在のサイクルにおける第2指標値Rと前のサイクルにおける第2指標値Rの差分の絶対値に所定の重み付け係数Y2を乗算した乗算値との和が最も小さくなるような燃料噴射パターンを選択するようにしてもよい。
例えば、現在のサイクルにおける第1指標値Qと前のサイクルにおける第1指標値Qの差分の絶対値を変化させるためには、燃料噴射パターンにおける燃料噴射時期や燃料噴射量を変更するとよい。また、例えば、現在のサイクルにおける第2指標値Rと前のサイクルにおける第2指標値Rの差分の絶対値を変化させるためには、燃料噴射パターンの燃料噴射タイミングを変更するとよい。
さらに、第3指標値Sの値に基づいて燃料噴射パターンを変更するようにしてもよい。上記第1指標値Qの差分値及び第2指標値Rの差分値に加えて、さらに現在のサイクルにおける第3指標値Sと前のサイクルにおける第3指標値Sの差分の絶対値がより小さくなるような燃料噴射パターンを選択するようにしてもよい。例えば、現在のサイクルにおける第1指標値Qと前のサイクルにおける第1指標値Qの差分の絶対値に所定の重み付け係数Y1を乗算した乗算値及び現在のサイクルにおける第2指標値Rと前のサイクルにおける第2指標値Rの差分の絶対値に所定の重み付け係数Y2を乗算した乗算値及び現在のサイクルにおける第3指標値Sと前のサイクルにおける第3指標値Sの差分の絶対値に所定の重み付け係数Y3を乗算した乗算値の和が最も小さくなるような燃料噴射パターンを選択するようにしてもよい。
なお、第1指標値Qは燃焼騒音のオーバーオールレベルとの相関関係が強い。したがって、燃焼騒音のオーバーオールレベルの変化に時間的な連続性を持たせたい場合、現在のサイクルにおける第1指標値Qと前のサイクルにおける第1指標値Qの差分の絶対値を他の第2指標値R及び第3指標値Sよりも優先させて燃料噴射パターンを変更すればよい。また、第2指標値Rは燃焼騒音の周波数スペクトルにおける干渉発生周波数及びその谷の深さとの相関関係が強い。したがって、干渉発生周波数における音の変化に時間的な連続性を持たせたい場合、現在のサイクルにおける第2指標値Rと前のサイクルにおける第2指標値Rの差分の絶対値を第1指標値Qよりも優先させて燃料噴射パターンを変更すればよい。
燃料噴射パターンの変更処理が終わると、制御装置16は、繰り返し回数Mを1増加させて、ステップS7に処理を戻す。
ステップS12では、指標値が記録される。制御装置16は、次のサイクルにおける処理のために、内蔵の記憶部にステップS8において求めた現在のサイクルにおける第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sを記憶させる。
なお、上記制御を開始した初回動作時には、前サイクルにおける第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sが記憶されていないので、予め設定した燃料噴射パターンで燃料を噴射する制御を行うことが好適である。そして、その際に第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sを求めて記憶した後に上記制御を実行すればよい。
[第2の実施の形態における内燃機関の制御装置及び制御方法]
図10は、第2の実施の形態における内燃機関の制御システム200の構成を示す図である。制御システム200は、第1の実施の形態における内燃機関の制御システム100と比較して、内燃機関10の燃焼室内の圧力を測定して制御装置16へ出力する圧力センサ26を備える点で異なっている。
第2の実施の形態における内燃機関の制御方法は、図11のフローチャートに沿って実行される。本実施の形態では、圧力センサ26によって測定される内燃機関10の燃焼室内の圧力を用いて制御を行う。
図11では、図2に示した第1の実施の形態における内燃機関の制御方法と同じ処理を行うステップには同じ符号を付し、説明を省略し、処理の異なるステップを主に説明する。
ステップS1〜S3は、第1の実施の形態と同様に処理が行われる。ステップS21では、前サイクルにおける内燃機関10の燃焼室内の圧力が読み出される。制御装置16は、内蔵する記憶部に記憶されている前サイクルにおける内燃機関10の燃焼室内の圧力を読み出す。
ステップS22では、前サイクルにおける指標値が算出される。制御装置16は、ステップS21において読み出した前サイクルにおける内燃機関10の燃焼室内の圧力から前サイクルにおける第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sを算出する。第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sは、それぞれ第1の実施の形態におけるステップS4にて説明した第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sと同様に算出することができる。
その後、ステップS6〜S11までは、第1の実施の形態における制御方法と同様に処理が行われる。
ステップS23では、現在のサイクルにおける内燃機関10の燃焼室内の圧力を記録する。制御装置16は、圧力センサ26から現在のサイクルにおける内燃機関10の燃焼室内の圧力の測定値を取得し、次のサイクルにおける処理のために、内蔵の記憶部に取得した測定値を現在のサイクルにおける内燃機関10の燃焼室内の圧力として記憶させる。
なお、上記制御を開始した初回動作時には、前サイクルにおける内燃機関10の燃焼室内の圧力が記憶されていないので、予め設定した燃料噴射パターンで燃料を噴射する制御を行うことが好適である。そして、その際に内燃機関10の燃焼室内の圧力を記憶した後に上記制御を実行すればよい。
[第3の実施の形態における内燃機関の制御方法]
第3の実施の形態における内燃機関の制御方法は、第1の実施の形態における内燃機関の制御システム100を用いて実行される。第3の実施の形態における内燃機関の制御方法は、図12のフローチャートに沿って実行される。図12では、図2に示した第1の実施の形態における内燃機関の制御方法と同じ処理を行うステップには同じ符号を付し、説明を省略し、処理の異なるステップを主に説明する。
ステップS1〜S5では、第1の実施の形態と同様に処理が行われる。ステップS31では、現在のサイクルにおける第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sと前サイクルにおける第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sのそれぞれの差分の絶対値が第1基準値q、第2基準値r及び第3基準範囲sに収まるような現在のサイクルにおける第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sの範囲(許容範囲)を算出する。
ステップS32では、燃料噴射パターンが設定される。制御装置16は、燃費とエミッションの関係が所定の条件を満たし、目標トルクを満たし、かつ現在のサイクルにおける第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sの許容範囲内となる燃料噴射パターンを求める。なお、燃費とエミッションの関係は、エミッションが基準を満たす範囲内において燃費が最大となる条件に基づいて設定すればよい。
例えば、制御装置16に内蔵される記憶部に、燃費、エミッション、目標トルク及び第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sの許容範囲に基づいた燃料噴射パターンのモデル(モデル式やマップ)を記憶させておき、これらの値をモデルに当て嵌めて燃料噴射パターンを設定すればよい。モデルは、内燃機関10に対して予め実験等で求めて記憶させておけばよい。
ステップS10、S7、S8及びS12では、第1の実施の形態と同様に処理が行われる。なお、上記制御を開始した初回動作時には、前サイクルにおける周波数帯域毎の燃焼騒音レベルCNLが記憶されていないので、予め設定した燃料噴射パターンで燃料を噴射する制御を行うことが好適である。そして、その際に周波数帯域毎の燃焼騒音レベルCNLを記憶した後に上記制御を実行すればよい。
[第4の実施の形態における内燃機関の制御方法]
第4の実施の形態における内燃機関の制御方法は、第2の実施の形態における内燃機関の制御システム200を用いて実行される。第4の実施の形態における内燃機関の制御方法は、図13のフローチャートに沿って実行される。図13では、図11に示した第2の実施の形態における内燃機関の制御方法及び図12に示した第3の実施の形態における内燃機関の制御方法と同じ処理を行うステップには同じ符号を付し、説明を省略し、処理の手順を主に説明する。
ステップS1〜S3、S21、S22及びS5では、第2の実施の形態における内燃機関の制御方法と同様に処理が行われる。次に、ステップS31及びS32では、第3の実施の形態における内燃機関の制御方法と同様に処理が行われる。そして、ステップS10及びS23では、第2の実施の形態における内燃機関の制御方法と同様に処理が行われる。
なお、上記制御を開始した初回動作時には、前サイクルにおける内燃機関10の燃焼室内の圧力が記憶されていないので、予め設定した燃料噴射パターンで燃料を噴射する制御を行うことが好適である。そして、その際に内燃機関10の燃焼室内の圧力を記憶した後に上記制御を実行すればよい。
[変形例]
上記第1〜第4の実施の形態では、燃料噴射手段12による燃料噴射パターンの制御を対象としたが、内燃機関の制御システムとして吸気絞り弁、排気再循環量制御弁、過給器の可変ベーンノズル、過給器バイパス弁の開度等を制御の対象として含めてもよい。
また、第1指標値Qとして内燃機関の燃焼室内の圧力の二階時間微分値の二乗和を用いたが、これに限定されるものではない。例えば、内燃機関の燃焼室内の圧力の和、内燃機関の燃焼室内の圧力の二乗和、内燃機関の燃焼室内の圧力の一階以上の時間微分値の和、内燃機関の燃焼室内の圧力の一階以上の時間微分値の二乗和、内燃機関の熱発生量の和、内燃機関の熱発生量の二乗和、内燃機関の熱発生量の一階以上の時間微分値の和、内燃機関の熱発生量の一階以上の時間微分値の二乗和のいずれか1つ以上を用いてもよい。また、これらの指標のいずれかに重み付けをして加算した値を指標値としてもよい。なお、時間微分は、クランク角微分に置き換えてもよい。
[作用・効果]
本発明によれば、前のサイクルと現在のサイクルにおける第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sのそれぞれの差分が急激に変化しないように内燃機関の制御を行う。具体的には、図14に示すように、前のサイクルと現在のサイクルにおける第1指標値Q、第2指標値R及び第3指標値Sのそれぞれの差分の絶対値がそれぞれに対する所定の第1基準値q、第2基準値r及び第3基準範囲sに収まるように内燃機関を制御する。
これによって、図15に示すように、燃焼騒音のオーバーオールレベル(燃焼騒音全体のレベル)の時間変化を連続的にすることができる。さらに、図16に示すように、燃焼騒音レベルCNLの周波数スペクトルの形状の時間変化も連続的にすることができる。なお、図16において、実線、破線、点線は、それぞれ図14に示す時刻t1,t2,t3に相当する燃焼騒音レベルCNLの周波数スペクトルの形状を示す。
以上のように、本発明によれば、人間の聴感での燃焼騒音の連続性を確保することができる。これにより、当該制御を適用した内燃機関を搭載した車両等の乗員の快適性を向上させることができる。
特に、従来技術に対して、燃焼騒音のオーバーオールレベルの予測精度が向上する。また、内燃機関の運転領域や燃料の噴射回数に依存せず、高い予測精度を得ることができる。したがって、内燃機関の運転領域全域において複数回の燃料噴射を行う場合でも制御を安定に行うことができる。
また,従来技術では制御対象としない燃焼室内の圧力の干渉が発生する周波数及びその強さを予測することができる。燃焼室内の圧力の変化において複数のピークが干渉することでピーク間隔に応じた周波数で騒音の減衰・増幅が発生し,ピーク高さの比率によって減衰・増幅量が変化することから燃焼騒音の聴感が変化するが、本発明によれば、これらの影響を考慮して内燃機関の燃焼騒音の連続性を確保することができる。
また、フーリエ変換等から燃焼騒音レベルの周波数スペクトルを求める方法に比べて計算負荷を低減することができ、内燃機関においてサイクルの周期に遅れることなく燃焼騒音に対する制御を適用することができる。
10 内燃機関、12 燃料噴射手段、14 燃料供給手段、16 制御装置、20 アクセルセンサ、22 ブレーキセンサ、24 回転数センサ、26 圧力センサ、100,200 制御システム。

Claims (12)

  1. 内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射手段を備える内燃機関を制御する制御装置であって、
    前記燃焼室内の圧力及び前記内燃機関の回転数を取得し、前記圧力の二階時間微分値又は二階クランク角微分値の二乗和に前記回転数を乗算した第1指標値を算出し、前記第1指標値に応じて前記内燃機関を制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置であって、
    現在のサイクルの前記燃焼室内の圧力の予測値を算出し、
    前記圧力の予測値の二階時間微分値又は二階クランク角微分値の二乗和に前記回転数を乗算した現在のサイクルにおける第1指標値を算出し、
    前のサイクルの前記燃焼室内の圧力の二階時間微分値又は二階クランク角微分値の二乗和に前記回転数を乗算した前のサイクルにおける第1指標値を算出し、
    現在のサイクルにおける第1指標値と前のサイクルにおける第1指標値の差分の絶対値が所定の第1基準値未満となるように前記内燃機関を制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の制御装置であって、
    前記第1指標値の差分の絶対値が前記第1基準値以上となると予想されるとき、前記第1指標値の差分の絶対値が前記第1基準値未満となるように前記燃料噴射手段による燃料噴射パターンを制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置であって、
    前記燃焼室内の圧力変化率の時間変化に複数のピークが存在する場合、ピークの時間間隔又はクランク角間隔を第2指標値として、第1指標値及び第2指標値に応じて前記内燃機関を制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 請求項4に記載の内燃機関の制御装置であって、
    現在のサイクルの前記燃焼室内の圧力の予測値を算出し、
    前記圧力の予測値の変化率の時間変化におけるピークの時間間隔又はクランク角間隔を現在のサイクルにおける第2指標値とし、
    前のサイクルの前記燃焼室内の圧力変化率の時間変化におけるピークの時間間隔又はクランク角間隔を前のサイクルにおける第2指標値を算出し、
    現在のサイクルにおける第2指標値と前のサイクルにおける第2指標値の差分の絶対値が所定の第2基準値未満となるように前記内燃機関を制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 請求項5に記載の内燃機関の制御装置であって、
    前記第2指標値の差分の絶対値が前記第2基準値以上となると予想されるとき、前記第2指標値の差分の絶対値が前記第2基準値未満となるように前記燃料噴射手段による燃料噴射パターンを制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  7. 請求項4〜6に記載の内燃機関の制御装置であって、
    前記燃焼室内の圧力変化率の時間変化におけるピークの高さの比率を第3指標値として、第3指標値が所定の第3基準範囲内の場合に第2指標値に応じて前記内燃機関を制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  8. 請求項7に記載の内燃機関の制御装置であって、
    前記燃焼室内の圧力変化率の時間変化におけるピークの高さの基準としてモータリング時の燃焼室内の圧力変化率を用いることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  9. 請求項7に記載の内燃機関の制御装置であって、
    前記燃焼室内の圧力変化率の時間変化におけるピークの高さの基準として当該ピークの直近の谷部の値を用いることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  10. 請求項2,3,5及び6のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置であって、
    前のサイクルの前記燃焼室内の圧力は、前のサイクルにおいて算出された前記燃焼室内の圧力の予測値とすることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  11. 請求項2,3,5及び6のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置であって、
    前のサイクルの前記燃焼室内の圧力は、前記燃焼室内の圧力を測定する圧力センサによって前のサイクルにおいて測定された前記燃焼室内の圧力の測定値とすることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関における吸気絞り弁、排気再循環量制御弁、過給器の可変ベーンノズル及び過給器バイパス弁の少なくとも1つを制御することを特徴とする制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114352418A (zh) * 2021-11-22 2022-04-15 江铃汽车股份有限公司 柴油发动机启动噪声优化方法、装置、存储介质及设备

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