JP2018154084A - キャビティ減圧型射出成形用金型および射出成形方法 - Google Patents

キャビティ減圧型射出成形用金型および射出成形方法 Download PDF

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Toshitsugu Yajima
敏嗣 矢嶋
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賢宏 前田
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Abstract

【課題】簡単、安価かつ省スペースにて良好な射出成形品を製造する。【解決手段】本発明は、第一金型部材10および射出成形時に第一金型部材10と型締めされる第二金型部材20を含む金型2と、第一金型部材10と第二金型部材20との間に配置されるシリンダ3とを備え、金型2は、第一金型部材10と第二金型部材20との型締めによって形成される成形体形成用の領域を含むキャビティ13内の気体を抜くための通気口26を備え、シリンダ3は、第一金型部材10と第二金型部材20とを近づける金型閉動作に伴い、シリンダ3内の圧力変動空間32bを減圧すると共に通気口26を通じてキャビティ13内の気体を吸引可能であるキャビティ減圧型射出成形用金型1、およびそれを用いた射出成形方法に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、キャビティ減圧型射出成形用金型および当該金型を用いた射出成形方法に関する。
射出成形において、金型を構成する複数の金型部材同士間に隙間があると、溶融樹脂等が隙間に入り、その結果、バリが発生しやすい。バリを抑制するためには、金型部材同士の隙間を可能な限り無くすることが必要である。一方、金型部材同士の隙間が無いと、金型内の成形空間(キャビティ)内の空気の逃げ場がないため、溶融樹脂をキャビティ内に射出した際に、キャビティ内の空気はキャビティ末端に追いやられて残留する。
図7は、金型部材同士の隙間が無い場合に、射出された溶融樹脂がキャビティ内に充填されていく状況を模式的に示す(7A,7B)。
図7(7A)は、第一金型部材101と第二金型部材102とを型締して、キャビティ103内に溶融樹脂104を射出していく状況を示す。(7A)に示すように、溶融樹脂104は、キャビティ103内に完全充填されず、その結果、キャビティ103の端部に圧縮空気103aが残留する。また、図7(7B)は、金型111内にインサート部材112が存在するキャビティ113において、溶融樹脂104がインサート部材112の周囲に沿ってキャビティ113を充填していく状況を示す。この場合においても、溶融樹脂104は、キャビティ113内に完全充填されず、その結果、キャビティ113の端部に圧縮空気113aが残留する。
図7に示す2つの例のように、溶融樹脂104がキャビティ103,113内を完全に充填しない場合には、溶融樹脂104の未充填部分が欠損した成形体が製造されてしまう。また、圧縮空気103a,113aにより、射出成形体が焼けてしまうという問題もある。
図8は、上記の問題を解決するために用いられている典型的な従来の射出成形機構を示す。
図8に示す金型115は、第一金型部材120と第二金型部材130との型締めして射出成形を可能とする金型である。第一金型部材120は、その一方の面に溶融樹脂の供給口121を備えると共に、その反対側の面125の略中央領域にキャビティ123を備える。また、第一金型部材120は、供給口121とキャビティ123とを繋ぐゲート空間122を備える。第二金型部材130は、第一金型部材120と対向する側に、キャビティ123に挿入して成形体の領域を形成可能なコア133を備える。また、第二金型部材130は、コア133の径方向外側の面135に、内方に窪む環状溝131を備えるとともに、その環状溝131に嵌め込まれるOリング132を備える。さらに、第二金型部材130は、面135から、面135と異なる部分まで連通する通気口136を備える。加えて、通気口136は、バルブ145付きの配管144、さらにその先には真空ポンプ150に接続されている。このような成形方法は、例えば、特許文献1にも開示されている。
図8に例示する従来の射出成形機構によれば、第一金型部材120と第二金型部材130とを合わせて、キャビティ123とコア133とから形成された領域内に溶融樹脂を射出して成形するに先立ち、金型115を閉じた際の適切なタイミングにてバルブ145を開けて、真空ポンプ150によってキャビティ123内の空気を抜くことができる。この結果、第一金型部材120の面125と第二金型部材130の面135とを隙間なく密着させ、かつ成形時においてキャビティ123内に圧縮空気を残留させないようにすることができる。したがって、一部が欠損した、あるいは一部が焼けた不良品の発生を抑制できる。
国際公開WO2009/119490
しかし、上述した従来の射出成形機構には、次のような問題がある。金型115の外周囲に真空ポンプ150を設置すると、設置作業の労力と、設置場所の確保とが必要になる。金型115のキャビティ123内を減圧にするという効果を得るには、真空ポンプ150の設置は大掛かりすぎる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡単、安価かつ省スペースにて良好な射出成形品を製造することを目的とする。
上記目的を達成するための一実施形態に係るキャビティ減圧型射出成形用金型は、第一金型部材および射出成形時に第一金型部材と型締めされる第二金型部材を含む金型と、第一金型部材と第二金型部材との間に配置されるシリンダとを備え、金型には、第一金型部材と第二金型部材との型締めによって形成される成形体形成用のキャビティ内の気体を抜くための通気口を備え、シリンダは第一金型部材と第二金型部材とを近づける金型閉動作に伴いシリンダ内の圧力変動空間を減圧すると共に通気口を通じてキャビティ内の気体を吸引可能である。
別の実施形態に係るキャビティ減圧型射出成形用金型では、さらに、シリンダは、シリンダの筒状体の内部を往復移動可能なピストン部と、ピストン部の往復動作を弾性的に制御する弾性部材とを備え、弾性部材を、金型閉動作の際に圧力変動空間が拡大するときにピストン部の動作の抵抗となり、金型開動作の際にピストン部が圧力変動空間を縮小させるように付勢する部材としても良い。
別の実施形態に係るキャビティ減圧型射出成形用金型では、さらに、第二金型部材に、弾性部材を介してピストン部の一部が接続されており、ピストン部は縦断面視にてU字形状を有するものでも良い。
別の実施形態に係るキャビティ減圧型射出成形用金型は、また、通気口と圧力変動空間とを接続する配管の通路の開閉を可能とするバルブを備えても良い。
別の実施形態に係るキャビティ減圧型射出成形用金型では、さらに、バルブは、ピストン部が圧力変動空間を減圧した後に、金型閉動作の終盤に閉状態から開状態になり、キャビティ内の排気を可能としても良い。
また、上記目的を達成するための一実施形態に係る射出成形方法は、上述のいずれか1つのキャビティ減圧型射出成形用金型を用いた射出成形方法であって、キャビティ減圧型射出成形用金型は、第一金型部材および射出成形時に第一金型部材と型締めされる第二金型部材を含む金型と、第一金型部材と第二金型部材との間に配置されるシリンダとを備え、金型には、第一金型部材と第二金型部材との型締めによって形成される成形体形成用のキャビティ内の気体を抜くための通気口を備え、シリンダは第一金型部材と第二金型部材とを近づける金型閉動作に伴いシリンダ内の圧力変動空間を減圧すると共に通気口を通じてキャビティ内の気体を吸引可能であって、
金型閉動作によって、ピストン部が圧力変動空間を拡張して減圧するように移動する減圧ステップと、金型閉動作の終盤において、圧力変動空間と接続されるキャビティ内から気体を抜く排気ステップと、金型の型締めステップと、キャビティ内に成形用材料を射出して成形を行う成形ステップと、を含む。
別の実施形態に係る射出成形方法は、さらに、キャビティ減圧型射出成形用金型に、通気口と圧力変動空間とを接続する配管の通路の開閉を可能とするバルブを備え、減圧ステップと排気ステップとの間においてバルブを閉状態から開状態に切り替えるバルブ開動作ステップを含んでも良い。
本発明によれば、簡単、安価かつ省スペースにて良好な射出成形品を製造することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るキャビティ減圧型射出成形用金型の縦断面図を示す。 図2は、本発明の実施形態に係るキャビティ減圧型射出成形用金型を用いた射出成形方法の主な工程のフローを示す。 図3は、図2の各工程におけるキャビティ減圧型射出成形用金型の状態を縦断面視にて示す(a〜c)。 図4は、図3に続き、図2の各工程におけるキャビティ減圧型射出成形用金型の状態を縦断面視にて示す(d〜f)。 図5は、図4に続き、図2の各工程におけるキャビティ減圧型射出成形用金型の状態を縦断面視にて示す(g〜j)。 図6は、図1のキャビティ減圧型射出成形用金型の変形例の縦断面図を示す。 図7は、金型部材同士の隙間が無い場合に、射出された溶融樹脂がキャビティ内に充填されていく状況を模式的に示す(7A,7B) 図8は、上記の問題を解決するために用いられている典型的な従来の射出成形機構を示す。
次に、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
1.キャビティ減圧型射出成形用金型の構造
図1は、本発明の実施形態に係るキャビティ減圧型射出成形用金型の縦断面図を示す。
この実施形態に係るキャビティ減圧型射出成形用金型1は、第一金型部材10および射出成形時に第一金型部材10と型締めされる第二金型部材20を含む金型2と、第一金型部材10と第二金型部材20との間に配置されるシリンダ3とを備える。金型2には、第一金型部材10と第二金型部材20との型締めによって形成される成形体形成用の領域を含むキャビティ13内の気体を抜くための通気口26を備える。シリンダ3は、第一金型部材10と第二金型部材20とを近づける金型閉動作に伴い、シリンダ3内の圧力変動空間32bを減圧すると共に通気口26を通じてキャビティ13内の気体を吸引可能である。気体を吸引する空間は、キャビティ13の全領域ではなく、後述するコア23との間で形成されるキャビティ13の一部である。成形体形成用の領域は、好ましくは、気体の吸引後、吸引金型2の型締めによって形成される成形体用の空間である。よって、気体を吸引するキャビティ13の一部は、好ましくは、成形体形成用の領域より若干広い空間である。以下、適宜、気体を吸引する対象であるキャビティ13の一部あるいは成形体形成用の領域を広義に「キャビティ13」と称しつつ、キャビティ減圧型射出成形用金型1の詳細な構造について説明する。
第一金型部材(「上金型部材」と称しても良い)10は、その外側の面に、射出成形用の液状物を供給する供給口11を備える。液状物としては、硬化性組成物であれば特に制約されず、例えば、硬化して樹脂を形成可能な硬化性樹脂組成物、硬化してゴム状弾性体を形成可能な硬化性ゴム組成物を例示できる。第一金型部材10は、供給口11から第一金型部材10の厚さ方向反対側に位置する面15に、キャビティ13を備える。キャビティ13は、面15から第一金型部材10の厚さ方向内方に窪む部位である。供給口11とキャビティ13とは、ゲート形成領域12によって連通する。また、第一金型部材10は、第二金型部材20と接触しない領域に延出する延出部14を備える。
第二金型部材(「下金型部材」と称しても良い)20は、第一金型部材10と対向する面25に、当該面25から第二金型部材20の厚さ方向内部に向かって窪む環状溝21を備える。環状溝21には、その溝に密着可能なOリング22が挿入されている。なお、成形に支障がなければ、Oリング22に代えて、如何なる形態のパッキンを用いても良い。第二金型部材20は、環状溝21の径方向内側の領域に、コア23を備える。コア23は、第一金型部材10の方向に突出する部位であり、キャビティ13に対して隙間をもって挿入可能な形態を有する。当該隙間は、成形体を形成するための領域となる。第二金型部材20は、キャビティ13内の気体(通常は、空気)を外部に向けて排気可能な通気口26を備える。通気口26の一方の開口部26aは、面25における環状溝21の径方向内側の領域であって、キャビティ13の近傍に設けられている。また、通気口26の他方の開口部26bは、第二金型部材20の面25以外の任意の位置に設けられている。この実施形態では、開口部26bは、一例として、第二金型部材20の側面に設けられている。また、第二金型部材20は、第一金型部材10と接触しない領域に延出する延出部24を備える。延出部24は、前述の延出部14と同じ形態であることを要しないが、平面視にて延出部14と重複する領域を少なくとも有する形態を持つ。
シリンダ3は、第一金型部材10と第二金型部材20との間の空間であって、両者10,20の閉動作時に面15,25によって挟まれない位置に配置されている。より詳細には、シリンダ3は、延出部14,24によって挟まれる空間に配置されている。延出部14,24の相対的距離が縮まる動作(金型2の閉動作)および当該相体的距離が拡がる動作(金型2の開動作)を利用して、シリンダ3を駆動するためである。
シリンダ3は、筒状体30と、筒状体30の空間32を往復移動可能なピストン部31と、ピストン部31の往復動作を弾性的に制御する弾性部材33と、を備える。弾性部材33は、ピストン部31の往復動作時に、ピストン部31を元の状態に戻す方向に力を及ぼす機能を発揮できれば、その配置場所に制約は無い。この実施形態では、弾性部材33は、延出部24とピストン部31の一部(後述の弾性部材接触部31aに相当)との間に配置されている。しかし、延出部14とピストン部31の一部との間等の他の位置に配置されていても良い。また、弾性部材33の種類は、ピストン部31の往復動作時に、ピストン部31を元の状態に戻す方向に力を及ぼす機能を発揮できれば特に制約は無く、スプリング、ゴムといった弾性に富む部材の他、高粘性オイルのような固体に近い弾性特性を持つような液状物でも良い。
ピストン部31は、筒状体30の空間32を、外部と通じて大気圧に保持された(あるいは外部と遮断された密閉状態にある)空間32aと、通気口26を介して外部と通気可能な圧力変動空間32bとに区分けする可動壁31dを備える。ピストン部31は、可動壁31dに固定されて空間32aを通って筒状体30から外部に貫通する軸31cを備える。また、ピストン部31は、軸31cに固定され、弾性部材33と接する弾性部材接触部31aを備える。さらに、ピストン部31は、弾性部材接触部31aに固定され、金型2の閉動作時に、延出部14から力を受ける軸31bを備える。軸31bの弾性部材接触部31aと反対側の端部31eは、金型2の閉動作時に、延出部14と接触する部位である。このように、ピストン部31は、可動壁31d、軸31c、弾性部材接触部31a、軸31bおよび端部31eから構成される略U字形状の部材である。
圧力変動空間32bと通気口26の開口部26bとは、配管34にて接続されている。配管34の途中には、配管34の通路の開閉を可能とするバルブ35が備えられている。バルブ35を閉じた状態にて、可動壁31dが空間32a側に移動すると、圧力変動空間32bの圧力は、可動壁31dの移動前における圧力に対して低くなる。その後、バルブ35を開けると、開口部26a側の気体が圧力変動空間32bに流れ込み、圧力変動空間32b内の圧力は高くなる。このような特性を利用すると、硬化性樹脂組成物に代表される液状物を金型2内に供給して成形を行う際に、キャビティ13内の気体を筒状体30に向けて排気でき、かつ第一金型部材10の面15と第二金型部材20の面25とを密着させることができる。バルブ35の開閉動作は、手動あるいは自動のいずれでも良い。この実施形態では、第一金型部材10の面15が第二金型部材20側のOリング22に接する位置にきたときに、バルブ35が閉から開になるようにしている。当該位置の検知は、位置検出センサ、接触感知センサ等を利用して、各種のセンサからの電気信号を、通信線Pを通じてバルブ35側に送ることで実現できる。なお、バルブ35は、電磁バルブ、エアーバルブ等の如何なる形態のバルブでも良い。
この実施形態において、成形前の状態では、ピストン部31の端部31eは、延出部14からL2だけ延出部24側に離れた位置にある。また、成形前の状態では、面15と面25との間は、L1だけ離れている。成形前の状態では、可動壁31dの延出部24の方向への可動距離はL3である。成形前の状態では、弾性部材33の長さ(伸縮方向の長さの意味)はL4である。金型2の開閉動作によって、シリンダ3が正常に動作するには、面15と面25が接触する前に、延出部14と端部31eとが接触する必要がある。また、面15と面25が接触するまでの間、可動壁31dが空間32aを残す位置に存在すると共に、弾性部材33の長さがゼロになってはいけない。かかる条件を満足するには、少なくとも、L2<L1、L1<(L2+L3)、L1<(L2+L4)であることを要する。ここで、第一金型部材10の延出部14は、成形前の状態において、端部31eに接していても良い。その場合には、L2=0となるため、0<L1、L1<L3、L1<L4であることが条件となる。なお、L3とL4との大小関係については、特に制約は無いが、弾性部材33の伸縮可能な厚さが存在するため、好ましくは、L3<L4である。
以上のように、この実施形態に係るキャビティ減圧型射出成形用金型1では、シリンダ3は、圧力変動空間32bを往復移動可能なピストン部31と、ピストン部31の往復動作を弾性的に制御する弾性部材33とを備え、弾性部材33を、金型閉動作の際に圧力変動空間32bが拡大するときにピストン部31の動作の抵抗となり、金型開動作の際にピストン部31が圧力変動空間32bを縮小させるように付勢する部材としている。このため、金型2の閉動作時には、当該閉動作を通じて弾性部材33に抗してピストン部31を駆動して圧力変動空間32b内を減圧し、金型2の開動作時には、弾性部材33の復元力を利用してピストン部31を元の位置まで駆動できる。
また、キャビティ減圧型射出成形用金型1では、第二金型部材20に、弾性部材33を介してピストン部31の一部(弾性部材接触部31a)が接続されている。ピストン部31は、金型2の閉動作時に第一金型部材10から押圧を受けて第二金型部材20側に移動する軸31bを備える。これによって、ピストン部31は、縦断面視にて略U字形状を有する。したがって、筒状体30の内部の空間32において、空間32a側のみをピストン部31が貫通する構造を構築するだけで、シリンダ3の機能を発揮できる。後述の図6の構成と比べると、圧力変動空間32b側に孔を形成してピストン部31を貫通させる必要が無いので、圧力変動空間32bの密閉性を高く維持できる。
また、キャビティ減圧型射出成形用金型1は、通気口26と圧力変動空間32bとを接続する配管34の通路の開閉を可能とするバルブ35を備えている。このため、バルブの開閉動作によって、圧力変動空間32bの減圧、キャビティ13からの気体の吸引(排気と称しても良い)、その後の金型2の開動作時に圧力変動空間32bを大気圧に戻すといった状況を容易に実現できる。
さらには、キャビティ減圧型射出成形用金型1では、バルブ35は、ピストン部31が圧力変動空間32bを減圧した後、金型2の閉動作の終盤に、閉状態から開状態になり、その結果として、キャビティ13内の減圧が実現される。したがって、圧力変動空間32bが最も低い圧力になった時点でキャビティ13内の排気を行うことができるので、キャビティ13内に硬化性樹脂組成物等の液状物を満たしやすく、かつ面15と面25との密着性をより高くできる。よって、成形体に、バリ、焼け、欠損が生じ難い。なお、「終盤」とは、第一金型部材10と第二金型部材20とを最接近させた状態の時期を称し、その後の高圧による型締めの時期まで含めなくとも良い。ただし、「終盤」に、高圧による型締めの時期まで含めるようにしても良い。
2.射出成形方法
図2は、本発明の実施形態に係るキャビティ減圧型射出成形用金型を用いた射出成形方法の主な工程のフローを示す。図3〜5は、図2の各工程におけるキャビティ減圧型射出成形用金型の状態を縦断面視にて示す。
この実施形態に係る射出成形方法は、前述のキャビティ減圧型射出成形用金型1を用いた射出成形方法である。当該射出成形方法は、好ましくは、金型閉動作によって、ピストン部31が圧力変動空間32bを拡張して減圧するように移動する減圧ステップと、金型閉動作の終盤において、圧力変動空間32bと接続されるキャビティ13内から気体を抜く排気ステップと、金型2の型締めステップと、キャビティ13内に成形用材料(例えば、硬化性樹脂組成物等の液状物)を射出して成形を行う成形ステップとを、少なくとも含む。以下、この実施形態に係る射出成形方法について、図2〜5を参照しながら説明する。
(1)バルブ閉動作ステップ(S100)
図3(a)に示すように、まず、バルブ35を閉じる。元々、バルブ35が閉じている場合には、このステップは不要である。
次に、図3(b)に示すように、第一金型部材10または/および第二金型部材20を駆動して、両者10,20の間隔を短くする。当該駆動の途中、第一金型部材10と第二金型部材20との間隔がL2だけ縮まったときに、ピストン部31の端部31eは、第一金型部材10の延出部14に接する。
(2)減圧ステップ(S200)
続いて、図3(c)に示すように、第一金型部材10または/および第二金型部材20をさらに駆動して、両者10,20の間隔を短くする。このとき、ピストン部31は、延出部14と延出部24との間の距離が短くなるに従い、可動壁31dが第二金型部材20の方向に移動する。この結果、圧力変動空間32bは、当初のそれに比べて拡大されて、ピストン部31の下動作開始前よりも減圧状態になる。さらに、第一金型部材10が第二金型部材20に近づくと、図4(d)に示す状態になる。この状態では、圧力変動空間32b内の減圧レベルは最も高くなる。
(3)バルブ開動作ステップ(S300)
次に、図4(e)に示すように、圧力変動空間32b内の圧力が最も低くなった時点で、バルブ35を開く。この時点では、面15と面25とは、Oリング22を挟んで密着状態にある。このように、減圧ステップ(S200)と後述の排気ステップ(S400)との間においてバルブ35を閉状態から開状態に切り替えるバルブ開動作ステップを含むことにより、配管34および通気口26を通じてキャビティ13内の気体を圧力変動空間32b側に容易に排気させやすい。
(4)排気ステップ(S400)
先のステップにてバルブ35を開くと、キャビティ13内の気体は、配管34を通って圧力変動空間32b内に流れ込む。この結果、キャビティ13内が大気圧若しくは大気圧より低い圧力となる。
(5)型締めステップ(S500)
次に、図4(f)に示すように、第一金型部材10と第二金型部材20とを高圧にて型締めする。型締めによって、気体を吸引したキャビティ13がさらに縮小し、成形体形成用の領域ができる。この領域は、キャビティ13の一部と解釈できる。
(6)成形ステップ(S600)
次に、第一金型部材10の供給口11から射出成形用の硬化性樹脂組成物等の液状物をキャビティ13内(正確には、成形体形成用の領域)に流し込む。射出成形の際には、前述のステップまでに、キャビティ13内に空気等の気体が閉じ込められておらず、当該気体はシリンダ3側に排気されている。したがって、図5(g)に示すように、上記液状物は、キャビティ13内に隙間なく充填される。また、第一金型部材10の面15と第二金型部材20の面25とが密着する。
(7)型開きステップ(S700)
次に、図5(h)に示すように、金型2を開き、成形体(成形物ともいう)40を取り出すべく、第一金型部材10を第二金型部材20から離れる方向に移動する。なお、成形体40は、ゲート41を付着した状態の場合もある。ピストン部31は、弾性部材33の元の状態に復元する力を利用して、第一金型部材10の方向に移動する。この結果、圧力変動空間32bが成形時に比べて縮小する。バルブ35は開状態のままであるため、圧力変動空間32bは、通気口26を経て大気に通じているため、大気圧である。続いて、第一金型部材10を第二金型部材20から離れる方向に移動すると、図5(i)に示すように、第一金型部材10はピストン部31の端部31eに接する最上位置にまで至る。当該最上位置より上方に第一金型部材10が移動すると、延出部14と端部31eとが離れる。これ以降、弾性部材33の復元力はなく、ピストン部31は第一金型部材10の方向に移動しない。
(8)バルブ閉動作ステップ(S800)
図5(j)に示すように、第一金型部材10が完全に第二金型部材20から離れて成形前の位置まで上がった状態になると、バルブ35を閉じる。
3.変形例
図6は、図1のキャビティ減圧型射出成形用金型の変形例の縦断面図を示す。
図6のキャビティ減圧型射出成形用金型1aは、シリンダ3の構造だけが図1のキャビティ減圧型射出成形用金型1と異なる。キャビティ減圧型射出成形用金型1aにおけるその他の構成は、キャビティ減圧型射出成形用金型1と共通する。以下、共通する構成については、図1を参照した説明に代え、ここでは重複した説明を省略する。
キャビティ減圧型射出成形用金型1aでは、ピストン部31は、可動壁31d、軸31c、弾性部材接触部31a、可動壁31dから圧力変動空間32bを通って筒状体30の上部を貫通する軸31bおよび軸31bのさらに上部に位置する端部31eから構成される略I字形状の部材である。
このように、縦断面視にて略I字形状のピストン部31と筒状体30とを備えたシリンダ3を搭載しても、図1のキャビティ減圧型射出成形用金型1と同様の機能を発揮できる。ただし、キャビティ減圧型射出成形用金型1aでは、軸31bが圧力変動空間32bを通って筒状体30の壁面を貫通している。このため、軸31bと筒状体30との密着性が低くなると、圧力変動空間32bの内部から気体が外に移動し、あるいは外から当該内部に気体が移動する危険性がある。このようなリスクを考慮すると、圧力変動空間32bが可動壁31dと筒状体30の壁面との間で密閉状態にある図1のキャビティ減圧型射出成形用金型1の方が好ましい。
一方、キャビティ減圧型射出成形用金型1aのシリンダ3は、略I字形状のピストン部31を備えているので、キャビティ減圧型射出成形用金型1aは、略U字形状のピストン部31を備えるキャビティ減圧型射出成形用金型1と比べて、小型化に有利である。
4.その他実施形態
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明に係るキャビティ減圧型射出成形用金型およびそれを用いた射出成形方法は、上記実施形態に限定されず、種々変形を施した形態にて実施可能である。
例えば、第一金型部材10に、バルブ35の開動作を可能とする突起を備え、第一金型部材10が第二金型部材20に対して所定間隔まで近づいた際に、上記突起がバルブ35を閉状態から開状態に切り替え可能にしても良い。その場合、射出成形後に、第一金型部材10が第二金型部材20から離れていく際には、上記突起はバルブ35を開状態から閉状態に切り替えない。また、上記実施形態では、バルブ35は、配管34の途中に配置されているが、筒状体30と配管34との接合位置に配置されていても良い。
弾性部材33は、弾性部材接触部31aと延出部24との間ではなく、筒状体30と弾性部材接触部31aとの間、端部31eと筒状体30との間、延出部14と端部31eとの間などに配置されていても良い。
本発明に係るキャビティ減圧型射出成形用金型およびそれを用いた射出成形方法は、硬化性液状組成物を射出成形する産業にて利用可能である。
1,1a・・・キャビティ減圧型射出成形用金型、2・・・金型、シリンダ・・・3、10・・・第一金型部材、13・・・キャビティ、20・・・第二金型部材、26・・・通気口、30・・・筒状体、31・・・ピストン部、31a・・・弾性部材接触部(ピストン部の一部)、32b・・・圧力変動空間、33・・・弾性部材、34・・・配管、35・・・バルブ。

Claims (7)

  1. 第一金型部材および射出成形時に前記第一金型部材と型締めされる第二金型部材を含む金型と、
    前記第一金型部材と前記第二金型部材との間に配置されるシリンダと、
    を備え、
    前記金型は、前記第一金型部材と前記第二金型部材との型締めによって形成される成形体形成用の領域を含むキャビティ内の気体を抜くための通気口を備え、
    前記シリンダは、前記第一金型部材と前記第二金型部材とを近づける金型閉動作に伴い、前記シリンダ内の圧力変動空間を減圧すると共に前記通気口を通じて前記キャビティ内の気体を吸引可能であるキャビティ減圧型射出成形用金型。
  2. 前記シリンダは、前記シリンダの筒状体の内部を往復移動可能なピストン部と、前記ピストン部の往復動作を弾性的に制御する弾性部材と、を備え、
    前記弾性部材は、前記金型閉動作の際に前記圧力変動空間が拡大するときに前記ピストン部の動作の抵抗となり、金型開動作の際に前記ピストン部が前記圧力変動空間を縮小させるように付勢する部材である請求項1に記載のキャビティ減圧型射出成形用金型。
  3. 前記第二金型部材に、前記弾性部材を介して前記ピストン部の一部が接続されており、
    前記ピストン部は、縦断面視にてU字形状を有する請求項2に記載のキャビティ減圧型射出成形用金型。
  4. 前記通気口と前記圧力変動空間とを接続する配管の通路の開閉を可能とするバルブを、さらに備える請求項1から3のいずれか1項に記載のキャビティ減圧型射出成形用金型。
  5. 前記バルブは、前記ピストン部が前記圧力変動空間を減圧した後に、前記金型閉動作の終盤に閉状態から開状態になり、前記キャビティ内の排気を可能とする請求項4に記載のキャビティ減圧型射出成形用金型。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のキャビティ減圧型射出成形用金型を用いた射出成形方法であって、
    前記キャビティ減圧型射出成形用金型は、第一金型部材および射出成形時に前記第一金型部材と型締めされる第二金型部材を含む金型と、前記第一金型部材と前記第二金型部材との間に配置されるシリンダとを備え、
    前記金型は、前記第一金型部材と前記第二金型部材との型締めによって形成される成形体形成用の領域を含むキャビティ内の気体を抜くための通気口を備え、
    前記シリンダは、前記第一金型部材と前記第二金型部材とを近づける金型閉動作に伴い、前記シリンダ内の圧力変動空間を減圧すると共に前記通気口を通じて前記キャビティ内の気体を吸引可能であって、
    前記金型閉動作によって、前記ピストン部が前記圧力変動空間を拡張して減圧するように移動する減圧ステップと、
    前記金型閉動作の終盤において、前記圧力変動空間と接続される前記キャビティ内から気体を抜く排気ステップと、
    前記金型の型締めステップと、
    前記キャビティ内に成形用材料を射出して成形を行う成形ステップと、
    を含む射出成形方法。
  7. 前記キャビティ減圧型射出成形用金型は、前記通気口と前記圧力変動空間とを接続する配管の通路の開閉を可能とするバルブを、さらに備え、
    前記減圧ステップと前記排気ステップとの間において前記バルブを閉状態から開状態に切り替えるバルブ開動作ステップを含む請求項6に記載の射出成形方法。
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