JP2018153554A - 弾球遊技機 - Google Patents

Abstract

【課題】ＳＴタイプ（回数切り確変）として大当り遊技終了後に所定回数の変動を実施したことによって高確率状態が終了したとしても、その後に継続する遊技状態においても大当りが期待できることで従来にない遊技性を発揮することが可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】確変リミッタを作動させるために高確率状態の連続を計数する計数手段の計数値は、高確率状態を抜けるとクリアされるため、より多く大当りを連続させるためには、高確率状態での大当りを連続させることなく、高確率状態が終了してから開放延長状態において大当りを獲得可能とする。
【選択図】図１９

Description

本発明は弾球遊技機、特に始動口への入賞に起因して大当りを生起させるか否かの抽選を、通常確率遊技状態又は該通常確率状態よりも遊技者に有利な高確率遊技状態のいずれかで実施する弾球遊技機に関する。

従来、弾球遊技機たるパチンコ機には、遊技球が始動口へ入球すると、これに起因して複数種類の乱数が抽出され、該乱数値に基づいて大当りとなるか否かの当否判定を行ない、判定結果が大当りであれば大入賞口を開放して賞球の獲得に有利な大当り遊技状態に移行するものがある。

この種のパチンコ機の遊技状態には、通常の遊技状態、大当り遊技状態の他、当否判定の当選確率を高確率とする高確率状態、及び役物作動時に入球が可能又は入球が容易となる始動口の役物作動時間を延長する開放延長状態とがあり、高確率状態と開放延長状態とは重複して実施可能としたものが多い。

また、高確率状態を備えるパチンコ遊技機として、大当り遊技終了後に高確率状態に移行しながら、該高確率状態を所定回数の当否判定を実施するまでしか継続しない通称ＳＴタイプ（回数切り確変、確変回数切り）と呼ばれるものがある。このようなＳＴタイプでは、高確率状態で当選することなく通常の確率に戻る場合もあるので、大当り当選時に高確率状態を付与する割合を高く設定することが可能となる。

また、このようなＳＴタイプには、大当り遊技終了後から所定回数の当否判定を実施することで高確率状態は終了するが、開放延長状態は引き続き継続するものがある＜特許文献１＞。

特開２００９−１６５７４４号公報

特許文献のようなＳＴタイプのパチンコ遊技機では、高確率遊技中に当選しなければ引き続き実施する開放延長状態で当選する確率が低いため、遊技者は、たとえ遊技者にとって通常状態よりも有利な開放延長状態であっても、高確率状態の終了をもって遊技を終了する判断契機としてしまう場合がある。また、高確率遊技中に大当りを引けなかったことによる落胆が大きく、開放延長状態中の遊技を楽しむことができない。

そこで本発明は、ＳＴタイプとして大当り遊技終了後に所定回数の変動を実施したことによって高確率状態が終了したとしても、その後に継続する遊技状態においても大当りが期待できることで従来にない遊技性を発揮することが可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。

請求項１記載の弾球式遊技機は、
可変入賞装置からなる始動口を設け、
該始動口への遊技球の入球に起因して当否判定を行い、
該当否判定の結果を報知する特別図柄を導出表示し、
前記当否判定の結果が大当り判定なら大当り遊技を生起し、
大当り遊技終了後に、通常遊技と比較して有利な特典遊技を付与し、
該特典遊技は、前記当否判定の確率状態が通常遊技の低確率状態よりも高い高確率状態、及び／又は前記可変入賞装置の開放状態が通常遊技状態に比べて長い開放延長状態とする弾球遊技機であって、
大当り遊技終了後に前記高確率状態と前記開放延長状態とが付与される場合、
前記高確率状態は、大当り遊技終了後から前記当否判定を第１の所定回数行うまで付与され、
前記開放延長状態は、大当り遊技終了後から前記導出表示を前記第１の所定回数行った後も第２の所定回数行うまで付与され、
前記高確率状態が大当りを介して一定の回数連続して付与されることを規制するための規制手段と、
該規制手段を作動させるための計数を行う計数手段と、
該計数手段が計数した値を前記高確率状態が終了すると初期化する初期化手段と、を備え、
前記規制手段の作動により前記高確率状態の付与を規制された大当り遊技終了後は、前記開放延長状態を付与しない、又は前記開放延長状態を大当り遊技終了後から前記導出表示が前記第２の所定回数よりも少ない回数行われるまで付与する
ことを特徴とする弾球遊技機である。

入球率が常時変化しない始動口を設けてもよく、入球率が変化しない始動口を第１始動口、可変入賞装置からなる始動口を第２始動口としてもよい。この場合、いずれの始動口への遊技球の入球に起因しても当否判定を行う構成が好適である。

当否判定は、始動口への入球に起因して抽出した乱数に基づいて行ってもよく、始動口への入球に起因して抽出する乱数は、大当りを生起させるか否かを抽選するための当否（大当り）判定用乱数の他に、該大当り判定用乱数の抽選結果に応じた特別図柄の種類と、当該特別図柄を導出表示するための図柄変動内容（変動時間）を決定するために用いる乱数であればよく、例えば大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数としてもよい。なお、その他の乱数を抽出しても何ら差支えなく、乱数の抽出時期は、始動口への遊技球の入球時に限らず、抽選結果を報知する特別図柄の変動開始直前に行われる当否判定実施時としてもよい。

大当り遊技終了後に高確率状態を付与するか否かは、大当り図柄の種類に応じて決定してもよいし、大当り遊技時に開放する大入賞口内に特定領域を備え、大当り遊技中に該特定領域を遊技球が通過することを条件に付与してもよいし、大当り図柄の種類と特定領域の通過とを組み合わせた条件設定によって付与してもよい。

大当り遊技が終了し特典遊技が付与されると、当否判定の確率状態が高確率状態になるとともに、可変入賞装置（例えば、所謂、普通電動役物）の開放時間が通常の開放時間よりも長くなり、大当り終了後から第１の所定回数の当否判定が終了（全てはずれ）し高確率状態が終了した後も、開放延長状態のみ特別図柄が第２の所定回数導出表示を行うまで実施される構成となる。この場合、開放延長状態として可変入賞装置の開放時間が通常遊技状態よりも長くなるという構成は、開放する契機（例えば、普通図柄当り）が増加してもよいし、１回あたりの開放時間が増加してもよいし、その両方でもよい。

規制手段は、大当り終了後の高確率状態での当否判定を第１の所定回数実施する間に大当りが生起するということが連続するのを一定の回数までに制限する手段であり、計数手段が、高確率状態が大当りを介して連続する回数を所定回数まで計数することで規制手段を作動させてもよい。

「該計数手段が計数した値を前記高確率状態が終了すると初期化する初期化手段」とは、計数手段が計数した値は規制手段が作動しなくても初期化手段によって初期化される場合があることを示し、「前記高確率状態が終了すると」とは、大当り遊技終了後の高確率状態での当否判定を、第１の所定回数全てハズレ判定で実施することにより、当否判定確率が高確率から低確率に移行することで高確率状態が終了するとしている。

請求項２記載の弾球式遊技機は、
請求項１記載の弾球遊技機において、
前記当否判定を前記高確率状態で前記第１の所定回数行った場合の当選確率と、低確率状態で前記第２の所定回数行った場合の当選確率とを略同一とする
ことを特徴とする弾球遊技機である。

高確率中当選割合は、高確率状態の当否判定を第１の所定回数実施した場合に当選する割合であり、開放延長中当選割合は低確率状態の当否判定を第２の所定回数実施した場合に当選する割合となる。第２の所定回数実施する開放延長状態は、低確率状態ではあるが持ち球の減少しない（又は、減少速度が遅い）遊技者に遊技な遊技状態である。

請求項３記載の弾球式遊技機は、
請求項１又は請求項２記載の弾球遊技機において、
前記特典遊技が大当りを介して連続する回数を計数し、該計数した値が前記一定の回数よりも多い所定回数以上で前記規制手段の作動が決定すると、特別演出を行う
ことを特徴とする弾球遊技機である。

特別演出は、大当り遊技終了後に特典遊技を介して大当りが所定回数以上連続した状態で規制手段が行われた場合に実施される演出であり、特別演出は規制手段が作動する大当り遊技が生起する特別図柄の導出表示中に実施してもよいし、規制手段が作動する（した）大当り遊技中に実施してもよい。

請求項１に記載の弾球遊技機によれば、高確率状態中の大当り生起が一定回数連続すると、規制手段が作動して大当り遊技終了後に高確率状態の付与が禁止され、特別図柄の導出表示が第２の所定回数よりも少ない回数しか開放延長状態が付与されないので、規制手段の作動はそれ以上の大当りの連続が期待できず、遊技者にとって不利なものとなるが、規制手段を作動させることなく大当りをさらに連続させるためには、大当り遊技終了後の高確率状態では大当りに当選させることなく第１の所定回数の当否判定を終了させ、その後の第２の所定回数行われる開放延長状態での大当り獲得を目指すことになり、従来は遊技者に有利であった第１の所定回数の当否判定を行う高確率状態を抜けることにより、更なる大当りの連続が期待できるという、従来とは異なる遊技性を発揮することが可能となる。

また、初期化手段により一度高確率状態が終了すれば、それまでの計数値がクリアされることで、最初から高確率状態の連続を計数する遊技者の気持ちが楽な状況に戻るので、規制手段が作動しそうになると高確率遊技中にハズレろと願うようになり、従来とは異なる遊技性を発揮することが可能となる。

また、規制手段により高確率状態からの連荘数を抑えられることで、通常確率、高確率ともに大当り確率を甘く設定することができ、初当りの獲得や該獲得後の連荘が少なからず期待できる。

請求項２に記載の弾球遊技機によれば、請求項１記載の弾球遊技機と同様の効果を奏しながら、高確率状態中に大当りに当選する確率と通常確率の開放延長状態中に大当りに当選する確率とを略同一としたので、高確率中と開放延長中とで有利度に差がでず、高確率を抜けた場合のがっかり感をさらに減らすことができる。

請求項３に記載の弾球遊技機によれば、請求項１又は請求項２記載の弾球遊技機と同様の効果を奏しながら、開放延長状態で大当りを引き戻すことで、高確率連続の制限を受けながらも、規制手段が作動する一定の回数よりも多い所定回数の大当りを連続させることができたという達成感を与えることが可能となる。

遊技盤１の正面図。 第２大入賞口１５の説明図。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図。 作動内容を示す図表。 主制御装置８０が実行するメインルーチンを示すフローチャート。 主制御装置８０が実行する始動入賞処理を示すフローチャート。 主制御装置８０が実行する当否判定処理を示すフローチャート１。 主制御装置８０が実行する当否判定処理を示すフローチャート２。 主制御装置８０が実行する当否判定処理を示すフローチャート３。 主制御装置８０が実行する当否判定処理を示すフローチャート４。 主制御装置８０が実行するリミッタ設定処理を示すフローチャート。 主制御装置８０が実行する特別遊技処理を示すフローチャート１。 主制御装置８０が実行する特別遊技処理を示すフローチャート２。 主制御装置８０が実行する特別遊技処理を示すフローチャート３。 主制御装置８０が実行する特別遊技処理を示すフローチャート４。 主制御装置８０が実行する特別遊技処理を示すフローチャート５。 第１特図の確変図柄、又は第２特図が大当りした場合の大当り遊技終了後の遊技状態（特典遊技の基本）の変化を示すタイミングチャート。 確変リミッタが作動する場合の大当り生起タイミングを示すタイミングチャート。 特典遊技を介した大当りが１０回連続した時点で確変リミッタが作動した場合の例を示すタイミングチャート サブ統合制御装置８３が実行する変動指示コマンド受信処理を示すフローチャート。 演出図柄表示装置６の表示例１。 演出図柄表示装置６の表示例２。 演出図柄表示装置６の表示例３。 演出図柄表示装置６の表示例４。 演出図柄表示装置６の表示例５。 演出図柄表示装置６の表示例６。

以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。

図１は、本実施例のパチンコ機の遊技盤１の正面図である。図１に示すように遊技盤１には、公知のガイドレール２ａ、２ｂによって囲まれた略円形の遊技領域が、第１遊技領域３ａと第２遊技領域３ｂとに分けられており、所定の発射強度以上で発射された遊技球が到達するのが第２遊技領域３ｂ（後述するセンターケース５の右側）となり、第２遊技領域３ｂへは到達しない発射強度で発射された遊技球が流下するのが第１遊技領域３ａ（後述するセンターケース５の左側）となる。従って、図に示したＡ部まで到達した遊技球は、第２遊技領域誘導路１０１を転動し、第２遊技領域３ｂに至り、Ａに到達しない遊技球が第１遊技領域３ａ（センターケース５の左側）を流下することになる。また、この第１遊技領域３ａ，第２遊技領域３ｂには多数の遊技釘が植設されている。

センターケース５は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置６（液晶表示装置であり演出図柄を表示する）の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース５の下には、入球率が一定な第１始動口１１が配置され、第１始動口１１の下には第１大入賞口１４が配置されている。また、第１始動口１１の左方には、４個の一般入賞口３１，３２，３３，３４が設けられている。なお、この一般入賞口３１から３４は、入球率が変化しない普通入賞口である。

センターケース５の右の第２遊技領域３ｂには、普通図柄始動ゲート１７が配置され、普通図柄始動ゲート１７の下には普通電動役物（本発明の可変入賞装置に相当）からなる第２始動口１２（本発明の始動口に相当）が配置され、第２始動口１２の下方には、内部に特定領域１６を備えたアタッカー式の第２大入賞口１５が配置されており、第２遊技領域誘導路１０１は、第２遊技領域３ｂを流下する全ての遊技球が通過し、第２遊技領域３ｂには普通図柄始動ゲート１７、第２始動口１２、特定領域１６を備えた第２大入賞口１５が配置された構成となっている。第２大入賞口１５の内部構造については、図２を用いて後述する。第２始動口１２は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物からなり、この翼片が開放しないと遊技球は第２始動口１２に入球できない構成となっている。

なお、第１始動口１１は、植設された遊技釘により、第２遊技領域３ｂを流下した遊技球が入球困難な構成となり、ほぼ第１遊技領域３ａを流下した遊技球のみが入球可能となるが、第１大入賞口１４は最下部に配置されているため、どちらの遊技領域を流下した遊技球も容易に入賞可能となっている。

第２遊技領域３ｂの下部には、複数個のＬＥＤからなる普通図柄表示装置７、普通図柄保留数表示装置８と、７セグメント表示装置からなる第１特別図柄表示装置９、第２特別図柄表示装置１０と、複数個のＬＥＤからなる第１特別図柄保留数表示装置１８、第２特別図柄保留数表示装置１９とが配置されている。この位置に配置した各種表示装置の表示内容を遊技者が確実に認識することは困難となり、遊技中の遊技者は演出図柄表示装置６の表示内容に注目して遊技を行う。

上記のように遊技盤１を構成することによって、第１遊技領域３ａに遊技球を流下させた場合に限り第１始動口１１に遊技球が入球（第１始動口スイッチ１１ａ（図３参照）が遊技球を検出）し、第１特別図柄表示装置９において第１特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。

第２遊技領域３ｂに遊技流を流下させると、普通図柄始動ゲート１７に遊技球が入球（普通図柄作動スイッチ１７ａ（図３参照）が遊技球を検出）し、普通図柄表示装置７で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド１２ｂ（図３参照）を駆動させる。普通電役ソレノイド１２ｂが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物の翼片が開放して、第２始動口１２への入球（第２始動口スイッチ１２ａ（図３参照）の検出）が可能となるように構成されている。第２始動口１２である普通電動役物に遊技球が入球（第２特図始動スイッチ１２ａ（図３参照）が遊技球を検出）すると、第２特別図柄表示装置１０において第２特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。

また、本実施例では、第２始動口１２は普通電動役物の翼片が駆動しなければ遊技球が入球不可能な構成となっているが、入球が困難なだけで入球可能な構成としてもよい。

第１特別図柄（以降、第１特図ともいう）及び第２特別図柄（以降、第２特図ともいう）の変動中は、演出図柄表示装置６において各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第１特別図柄と第２特別図柄は、同時に変動することはなく、第１始動口と第２始動口への入球順に関係なく、第２特別図柄の変動（当否判定）を優先して実施する。具体的には、第１特別図柄の保留記憶がある場合、第２特別図柄の変動が停止し、且つ、第２特別図柄保留記憶が無い状態であることを条件に第１特別図柄の保留記憶分の変動を開始する。

第１大入賞口１４と第２大入賞口１５とは、第１特別図柄又は第２特別図柄の確定表示した態様に応じて開放する（後述する第１大入賞口ソレノイド１４ｂ（図３参照）と第２大入賞口ソレノイド１５ｂ（図３参照）とが駆動する）。第１大入賞口ソレノイド１４ｂが駆動すると、ほぼ同期して第１大入賞口１４の扉部材が開放し、第１大入賞口１４への遊技球の入球（第１カウントスイッチ１４ａ（図３参照）が遊技球を検出）が可能となり、第２大入賞口ソレノイド１５ｂが駆動すると、ほぼ同期して第２大入賞口１５の扉部材が開放し、第２大入賞口１５への遊技球の入球（第２カウントスイッチ１５ａ（図３参照）が遊技球を検出）が可能となるように構成されている。

普通図柄始動ゲート１７、普通電動役物からなる第２始動口１２、及び第２大入賞口１５は第２遊技領域３ｂ（センターケース５の右側）に配置されているため、遊技状態が開放延長状態（普通電動役物の作動時間が通常状態よりも延長される状態）に移行した場合と第２大入賞口１５が開放動作を行う場合は、発射した遊技球の全てが第２遊技領域３ｂに到達するように発射ハンドルを調整することになる。

本実施例のパチンコ遊技機は、第１特別図柄と第２特別図柄の何れの特別図柄が大当りとなった場合も、大当り遊技の第１ラウンドから第９ラウンドまでは第１大入賞口１４が開放動作を行い、最終ラウンドとなる第１０ラウンドのみ内部に特定領域１６を備えた第２大入賞口１５が開放動作を行う構成となっている。上記したように、第１大入賞口１４は、第２遊技領域３ｂを流下した遊技球も容易に入球可能となっているため、第１大入賞口１４が開放動作を開始する第１ラウンドを開始する時点から第２遊技領域３ｂに遊技球が流下するように発射ハンドルを調整すればよく、第２大入賞口１５が開放動作を行う最終１０ラウンドのみ第２遊技領域３ｂに向けて遊技球を発射するといった大当り遊技中の煩雑な発射操作を行う必要はない。

更に、大当り遊技終了後は開放延長状態となるため、第２遊技領域３ｂに向けて発射していた発射強度をそのままに遊技を進行することができる。但し、大当り遊技終了後は、大当り図柄の種類や後述する確変リミッタが作動するか否かによって、当否判定を行う大当り確率や開放延長状態を継続する特別図柄の変動回数が異なる。

次に、図２を用いて、大当り遊技の最終ラウンドのみ開放する第２大入賞口１５を説明する。図２（ａ）（ｂ）は第２大入賞口１５の作動の説明図である。第２大入賞口１５は、開閉扉２５０の開放時に入球した遊技球を装置内へ取り入れる取入口２５１を備え、これより内部へ取り込まれる。取入口２５１の直下位置には開閉可能な左右一対のシャッター２５３が設置してある。図２（ａ）に示すように、シャッター２５３が閉じた状態では、取入口２５１より送り出された遊技球はシャッター２５３の左右両側位置の入賞口２５２へ誘導される。

一方、図２（ｂ）に示すように、シャッター２５３が開くことにより、取入口２５１から送り出された遊技球を下方の特定領域（Ｖゾーン）１６へ入球させることが可能となる。このようにシャッター２５３は、閉位置と開位置とに変位することにより遊技球を入賞口２５２又は特定領域（Ｖゾーン）１６へ振分ける。

本実施形態におけるシャッター２５３の動作は、大当り遊技時に連続した開閉動作を行うが、大当り図柄の種類、又は大当りした特別図柄の種類によってシャッター２５３と、第２大入賞口１５との開放パターンの組合せが変化し、特定領域１６への入球の有無を異ならせている。なお、第１特図が大当りした場合は、大当り図柄の種類（確変図柄、通常図柄）に応じて特定領域１６に入球し、第２特図が大当りした場合は全ての大当り遊技で特定領域１６への入球が可能となる。なお、シャッター２５３、第２大入賞口１５の開放タイミングの制御については従来技術と何ら変わらないので割愛する。

次に、図３に本実施例におけるパチンコ遊技機の電気配線を示すブロック図を示し、詳細に説明する。尚、このブロック図には、煩雑になる電源回路に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には電源装置から直接的または間接的に供給される構成となっている。このブロック図では、遊技の制御を司る主制御装置８０を中心に、サブ制御装置として払出制御装置８１、サブ統合制御装置８３および演出図柄制御装置８２を具備する構成である。主制御装置８０、払出制御装置８１、サブ統合制御装置８３および演出図柄制御装置８２においては、何れもＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもＣＰＵにより、２ｍｓ周期又は４ｍｓ周期の割り込み信号に起因してＲＯＭに搭載しているメインルーチンおよびサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。発射制御装置８４にはＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等が設けられていない。しかしこれに限るわけではなく、発射制御装置４４にＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等を設けてもよい。

主制御装置８０は、裏配線中継端子板７５および外部接続端子板７８を介して遊技施設のホールコンピュータ８７と電気的に接続され、裏配線中継端子板７５を介して、前枠（ガラス枠）および内枠が閉鎖しているか否か検出するガラス枠開放スイッチ３５、内枠開放スイッチ３６の検出信号が入力される。

また、遊技盤中継端子板７４を介して、第１始動口１１への入球を検出する第１始動口スイッチ１１ａ、第２始動口１２への入球を検出する第２始動口スイッチ１２ａ、普通図柄始動ゲート１７への入球を検出する普通図柄作動スイッチ１７ａ、第１大入賞口１４への入球を検出する第１カウントスイッチ１４ａ、第２大入賞口１５の入賞口２５２への入球を検出する第２カウントスイッチ１５ａ、特定領域（Ｖゾーン）１６への入球を検出する特定領域スイッチ１６ａ、および一般入賞口３１から３４への入球を検出する一般入賞口スイッチ３１ａ等の検出信号が入力される。

また、主制御装置８０は、搭載しているプログラムに従って動作し、上述した検出信号に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置８１や、演出中継端子板６５を介してサブ統合制御装置８３、演出図柄制御装置８２へ向けてコマンドを出力し、図柄表示装置中継端子板９０を介して第１特図表示装置９、第２特図表示装置１０、第１特図保留数表示装置１８、第２特図保留数表示装置１９、普図表示装置７および普図保留数表示装置８等の表示制御を行う。

また、主制御装置８０には、遊技盤中継端子板７４を介して、第１大入賞口ソレノイド１４ｂ、第２大入賞口ソレノイド１５ｂ、シャッターソレノイド２５３ｂおよび普電役物ソレノイド１７ｂが接続され、第１大入賞口１４、第２大入賞口１５、シャッター２５３、第２始動口１２となる普通電動役物の開閉制御を行う。主制御装置８０からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板７８を経てホールコンピュータ８７に送られる。

主制御装置８０と双方向通信が行われる払出制御装置８１は、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯スイッチ２２の検出信号が、裏配線中継端子板７５を介して球タンクが空状態になったことを検出する球切れスイッチ２３からの検出信号が、裏配線中継端子板７５と払出中継端子板７６とを介して、遊技球が払い出されたことを検出する払出スイッチ２１の検出信号が入力される。また主制御装置８０から送られてくるコマンドに応じて払出モータ２０を稼働させて遊技球を払出す。更に、ＣＲユニット端子板２４を介してＣＲユニット５６と電気的に接続され、精算表示装置２５を介して球貸スイッチ５７および精算スイッチ５８による貸出要求、精算要求の操作信号を受け付け、ＣＲユニット５６とデータを送受し、貸出要求信号に応じて払出モータ２０を稼働させて貸球を払出し、ＣＲユニット５６に挿入されているプリペイドカードの残高表示を制御する。

発射制御装置８４には、発射ハンドルの回転操作を検出する発射ハンドルスイッチ６４、発射停止スイッチ２９、発射ハンドルに遊技者が接触（操作）していることを検出するタッチスイッチ２８等の検出信号が入力される。また、払出制御装置８１を介して主制御装置８０から送られてくるコマンド（タッチスイッチ２８の信号や遊技状況を反映している）、発射ハンドル６４の回動信号および発射停止スイッチ２９の信号に基づいて発射モータ３０による遊技球の発射及び発射停止を制御する。

サブ統合制御装置８３は、主制御装置８０から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置８２に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位（音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部）に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音ＬＳＩを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種ＬＥＤ、ランプ２６を制御する。

また、サブ統合制御装置８３には、図示しない演出ボタン６７の操作を検出する演出ボタンスイッチ６７ａが接続されており、遊技者が演出ボタン６７を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置８３に入力される。

演出図柄制御装置８２は、サブ統合制御装置８３から受信したデータ及びコマンド（共に主制御装置８０から送信されてきたものとサブ統合制御装置８３が主制御装置８０からの入力及び演出ボタンスイッチ６７ａの入力に基づいて生成したものとがある）に基づく制御を行い、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置６の画面６ａに表示させる。尚、サブ統合制御装置８３と主制御装置８０とは間に演出中継端子板６５を介した主制御装置８０からサブ統合制御装置８３への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置８３と演出図柄制御装置８２とはサブ統合制御装置８３から演出図柄制御装置８２への一方向通信回路として構成されている。

次に、図４に示した図表を用いて、実施例のパチンコ遊技機における大当り確率等の各種設定内容を説明する。本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成され、第１始動口１１、及び第２始動口１２への遊技球入球に基づく当否判定は、通常の低確率状態（本発明の低確率状態に相当）と、該低確率状態に比べて大当りとなる確率が高い高確率状態（本発明の特典遊技及び高確率状態に相当）とのいずれかの確率状態で実施される。本実施例では通常の低確率状態の当否判定確率が１／１００、高確率状態が１／１０に設定されている。なお、小当り確率は低確率状態と高確率状態とに関係なく１／５０に設定されている。

第１特別図柄と第２特別図柄とで大当りした場合に高確率状態に移行する確率が異なり、第２特別図柄が大当りした場合（開放延長状態時を想定した大当り）は、全ての大当り遊技時に高確率状態に移行（第２大入賞口１５内の特定領域１６に遊技球が入球）することが可能となり、第１特別図柄が大当りした場合（第１遊技領域３ａに遊技球を流下させる通常状態）では、１／２の確率で確変図柄が選択されると大当り遊技時に高確率状態に移行（第２大入賞口１５内の特定領域１６に遊技球が入球）することが可能となる。

なお、本実施例では、第１特別図柄が大当りした場合は大当り図柄の種類に基づいて、大当り遊技終了後に高確率状態への移行が可能となる構成としたが、大当り図柄の種類に拘わらずシャッター２５３の開閉動作のみで第大入賞口１５に入賞した遊技球の特定領域１６への入球率を設定してもよいし、大入賞口は第１大入賞口１４のみとし、大当り図柄の種類のみで高確率状態の付与を決定してもよい。さらに、第１特別図柄においても大当り時は１００％の確率で高確率状態に移行可能としてもよい。

本実施例のパチンコ遊技機は、所謂「ＳＴタイプ」と呼称される確率変動機であり、高確率状態となる確変期間は、大当り遊技終了後から特別図柄の当否判定が９回行われるまでとなる。

また、大当り遊技終了後は、特別図柄（以後、特図とも記載）と普通図柄（以後、普図とも記載）の変動時間が通常状態から短縮される時短状態に移行するとともに、第２始動口１２となる普通電動役物（本発明の可変入賞口に相当）の作動時間が延長される開放延長状態（本発明の特典遊技及び開放延長状態に相当）に移行する。

時短、開放延長状態（電サポ状態、電サポ中とも記載）への移行は、高確率状態が付与される場合は大当り遊技終了後から特図が１００回の変動を行うまで、高確率状態が付与されない場合、若しくは後述する確変リミッタが作動した場合は、大当り遊技終了後から特図が１０回（本発明の第２所定回数よりも少ない回数に相当）の変動を行うまでの期間となる。

従って、高確率状態が付与される場合は、大当り遊技終了後から９回（本発明の第１の所定回数に相当）の特図の当否判定を行うまでは高確率状態、且つ開放延長状態となり、該高確率状態が終了すると該終了から特図が９１回（本発明の第２の所定回数に相当）変動するまで開放延長状態のみが継続する（開放延長状態は、大当り遊技終了後特図が１００回の変動を行うまでとなり、その内最初の９回の当否判定は高確率状態で行われる）。

時短、開放延長状態では、普通図柄の当選確率も変化し、通常時の１／６に対して時短、開放延長状態では５／６となる。また、普図当選時の普通電動役物の開放時間は、通常時は０．２秒の開放を１回行うのに対して、時短、開放延長時は１．０秒の開放を３回行う。

大当り遊技の内容は、第１特別図柄と第２特別図柄とでどちらが大当りした場合でも第１大入賞口１４が１ラウンドから９ラウンドまでの９回の開放動作を行った後、最終１０ラウンド目の大当り遊技として第２大入賞口１５が開放動作を行い大当り遊技を終了する。いずれのラウンド遊技も、９カウント、若しくは２９．０秒間の開放動作を行うと終了する。

また、本実施例のパチンコ遊技機は確変リミッタ（本発明の規制手段手段に相当）を備えており、高確率状態（開放延長状態でもあるため第２特図が変動し、大当りすれば必ず高確率状態が付与される状態）での大当り当選が２回連続すると、大当り遊技終了後は高確率状態には移行せず特図が１０回変動するまでの開放延長状態が設定される。確変リミッタが作動する状況は、高確率状態を挟んだ大当り遊技が３回連続した状況となる。

本実施例では、高確率状態で連続した大当りの回数を計数する計数手段を備え、計数値が所定回数（本実施例では２回）になると確変リミッタを作動させるが、大当り遊技が終了して高確率状態に移行しても、ハズレの当否判定を９回うことで高確率状態が終了すると、計数手段が計数したそれまでの値をクリアする構成となっている（計数値クリア手段）。

従って、確変リミッタが作動する直前の値まで計数手段が高確率状態での大当りを計数しても、次の高確率状態で９回の当否判定が全てはずれなら、それまでの計数値はクリアされる。さらに９回のハズレで高確率状態が終了した後の開放延長状態で大当りを獲得すれば、確変リミッタが作動することなく大当り遊技終了後に高確率状態が付与され、確率状態は異なるが特典遊技状態中（持ち球が減少しない、又は減少スピードが遅いため遊技者に有利な開放延長状態）に大当りが発生したことで、遊技者にとっては連荘が継続したことに変わりのない遊技状況となる。

以下、作動の詳細を主制御装置８０及びサブ統合制御装置８３で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。図５は主制御装置８０で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示す。「メインルーチン」はマイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される（Ｓ１０）。この判断処理は、メモリとしてのＲＡＭの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはＲＡＭの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。

Ｓ１０が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると（Ｓ１０：ｎｏ）、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等）が為され（Ｓ１５）、残余処理（初期乱数更新処理（Ｓ８０））に移行する。

正常割り込みとの肯定判断がなされると（Ｓ１０：ｙｅｓ）、初期値乱数更新処理（Ｓ２０）、大当り決定用乱数更新処理（Ｓ２５）、大当り図柄決定用乱数１更新処理（Ｓ３０）、大当り図柄決定用乱数２更新処理（Ｓ３５）、小当り図柄判定用乱数更新処理（Ｓ４０）、当り決定用乱数更新処理（Ｓ４５）、リーチ判定用乱数更新処理（Ｓ５０）、変動パターン決定用乱数更新処理（Ｓ５５）、続く入賞確認処理（Ｓ６０）、当否判定処理（Ｓ６５）、画像出力処理等の各出力処理（Ｓ７０）、不正監視処理（Ｓ７５）を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理（Ｓ８０）をループ処理する。

次に図６に示したフローチャートを用いて、主制御装置８０が実行する始動入賞処理を説明する。始動入賞処理は、第１始動口１１、第２始動口１２に遊技球が入球したとき、又は普通図柄始動ゲート１７を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置８０に格納（記憶）する処理となる（第１保留記憶手段、第２保留記憶手段）。また本処理では、記憶した乱数が予め設定された値か否かを後述する当否判定処理を実施する以前に判定する先読判定処理う（事前判定手段）。また、始動入賞処理では、第１始動口１１及び第２始動口１２への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置８３に送信する処理を行う。以後、第１始動口１１に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第１保留記憶、第２始動口１２に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第２保留記憶、普通図柄始動ゲート１７を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。

本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置８、第１特図保留数表示装置１８、第２特図保留数表示装置１９による各々の点灯数の最大個数は４個（最大保留記憶数が４個）となっているが、これに限るわけではなく、例えばそれぞれの最大記憶個数が８個であってもよい。また、それぞれの保留記憶数が０であっても、第１始動口１１、第２始動口１２に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート１７を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置８０に格納される。

始動入賞処理を開始すると、第１始動口スイッチ１１ａが遊技球を検出したか否か判定する(Ｓ１００)。否定判定なら（Ｓ１００：ｎｏ）Ｓ１３０に進み、肯定判定なら(Ｓ１００：ｙｅｓ）、主制御装置８０に格納されている第１保留記憶の数が上限値(＝４個)未満か否か判定する(Ｓ１０５)。否定判定なら（Ｓ１０５：ｎｏ）Ｓ１３０に進み、肯定判定であれば(Ｓ１０５：ｙｅｓ）、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数１、大当り図柄決定用乱数２、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第１保留記憶として記憶し第１保留記憶の数を示す第１保留記憶カウンタに１を加算する（Ｓ１１０）。

Ｓ１１０に続いては、記憶した第１保留記憶の先読判定を行う（Ｓ１１５）。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起させる値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、ハズレならリーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、記憶した乱数値が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値か否か（はずれでも大当りを期待させる演出が可能な否か）を判定する。

続いて、Ｓ１１５の判定結果に基づいて第１先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ１２０）、Ｓ１１０で加算した第１保留記憶カウンタの値を示す第１保留数指示コマンドをサブ統合制御装置８３に送信する（Ｓ１２５）。

Ｓ１２５の処理、又はＳ１００、Ｓ１０５の否定判定（Ｓ１００：ｎｏ、Ｓ１０５：ｎｏ）に続いては、第２始動口スイッチ１２ａが遊技球を検出したか否か判定する(Ｓ１３０)。否定判定なら（Ｓ１３０：ｎｏ）Ｓ１６０に進み、肯定判定なら(Ｓ１３０：ｙｅｓ）、主制御装置８０に格納されている第２保留記憶の数が上限値(＝４個)未満か否か判定する(Ｓ１３５)。否定判定なら（Ｓ１３５：ｎｏ）Ｓ１６０に進み、肯定判定であれば(Ｓ１３５：ｙｅｓ）、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数１、大当り図柄決定用乱数２、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第２保留記憶として記憶し、第２保留記憶数を示す第２保留記憶カウンタに１を加算し（Ｓ１４０）、Ｓ１１０と同様に記憶した第２保留記憶の先読判定を行うが、第２保留記憶の高確率中の先読判定処理では、通常確率において大当りとなる乱数値か否かを判定する（Ｓ１４５）。

続いて、Ｓ１４５の判定結果に基づいて第２先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ１５０）、Ｓ１４０で加算した第２保留記憶カウンタの値を示す第２保留数指示コマンドをサブ統合制御装置８３に送信して（Ｓ１５５）、Ｓ１６０に進む。

Ｓ１６０では、普通図柄作動スイッチ１７ａが遊技球を検出したか否か判定する(Ｓ１６０)。否定判定なら（Ｓ１６０：ｎｏ）リターンに抜け、肯定判定なら(Ｓ１６０：ｙｅｓ）、主制御装置８０に格納されている普図保留記憶数が上限値(＝４個)未満か否か判定する(Ｓ１６５)。否定判定なら（Ｓ１６５：ｎｏ）リターンに抜け、肯定判定であれば(Ｓ１６５：ｙｅｓ）、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに１を加算し（Ｓ１７０）、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ１７５）、リターンする。

サブ統合制御装置８３は第１及び第２保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置６上で表示する各保留記憶数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置８２に送信する。また、本実施例では、演出図柄表示装置６上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物（第２始動口１２）の開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。

次に、図７から図１０に示したフローチャートを用いて主制御装置８０が実行する当否判定処理を説明する。本処理は、第１保留記憶と第２保留記憶の当否判定及び該当否判定の結果に応じた第１特別図柄又は第２特別図柄の変動表示時間選択、確定表示図柄選択、大当り遊技の内容設定、大当り遊技終了後の遊技状態設定を行う処理となり、本発明の規制手段、計数手段、初期化手段を含む処理となる。

本処理を開始すると、条件装置が作動中、即ち大当り遊技中か否かを判定し（Ｓ５００）、肯定判定なら（Ｓ５００：ｙｅｓ）、リターンし、大当り遊技中でなければ（Ｓ５００：ｎｏ）、第１又は第２特図が変動中か否かを判定し（Ｓ５０５）、変動中でなければ（５０５：ｎｏ）、第１又は第２特図の確定図柄表示中であるか否か判定し（Ｓ５１０）、確定表示中でなければ（Ｓ５１０：no）、第２保留記憶が有るか否か判定し（Ｓ５１５）、否定判定なら（Ｓ５１５：ｎｏ）、第１保留記憶が有るか否か判定し（Ｓ５２０）、否定判定なら（Ｓ３２０：ｎｏ）リターンし、Ｓ５１５、又はＳ５２０が肯定判定なら（Ｓ５１５：ｙｅｓ，Ｓ５２０：ｙｅｓ）、Ｓ５２５に進む。このＳ５１５とＳ５２０の判定順序により、第２保留記憶が優先的に当否判定を実施する。

Ｓ５２５では、時短フラグが０か否か判定する（Ｓ５２５）。時短フラグは、主制御装置８０が記憶する値であり、値が１なら特別図柄と普通図柄の変動時間が短縮され、尚且つ第２始動口１２となる普通電動役物の開放延長機能が作動する開放延長状態であることを、値が０なら通常開放状態（非時短状態、非開放延長状態）であることを判断する。Ｓ５２５が否定判定、即ち、時短、開放延長状態なら（Ｓ５２５：ｎｏ）、時短状態中の処理を行うが、時短状態では、当否判定結果に応じて選択する変動パターンの選択テーブルが異なるだけとなり従来技術と何ら変わらないため、説明は割愛する。

Ｓ５２５が肯定判定、即ち、通常開放状態なら（Ｓ５２５：ｙｅｓ）、保留記憶のシフト処理を行う（Ｓ５３０）。これにより最も古い（保留記憶されてから最も時間が経過している）第１又は第２保留記憶を当否判定の対象とするとともに、該当する保留記憶を示す保留記憶カウンタから１を減算する。

続く、大当り判定用乱数比較処理では、特図当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、大当り判定用乱数の値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する（Ｓ５３５）。当否判定テーブルは通常確率（低確率１／１００）用と高確率用（１／１０）の２種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常確率状態（低確率、確変フラグ＝０）であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率状態（確変フラグ＝１）であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。

続くＳ５４０では、Ｓ５３５の結果が大当り（判定値と同一）であるか否か判定する。肯定判定なら（Ｓ５４０：ｙｅｓ）、図柄モード設定処理を行う（Ｓ５４５）。図柄モード設定処理では、判定対象となる保留記憶の種類（第１か第２か）と大当り図柄決定用乱数１とに基づいて、大当り遊技の内容を決定する図柄モードを設定する。

続いて、設定した図柄モードの種類と大当り図柄決定用乱数２に基づいて大当り図柄選択処理を行う（Ｓ５５０）。これは、図柄モードの設定によって決定した大当り遊技の種類を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から確定表示する大当り図柄を決定する処理となる。

次に、上述した確変リミッタの作動を判断するリミッタ設定処理を行う（Ｓ５６０）。図１１を用いて、リミッタ設定処理（本発明の規制手段に相当）を説明する。本処理を開始すると確変フラグが１か否か判定する（Ｓ８５０）。否定判定なら（Ｓ８５０：ｎｏ）、開放パターン設定処理に進み、肯定判定なら（Ｓ８５０：ｙｅｓ）、確変リミッタカウンタにインクリメントし（Ｓ８５５）、確変リミッタカウンタの値が所定値（本実施例では２）か否か判定し（Ｓ８６０）、否定判定なら（Ｓ８６０：ｎｏ）開放パターン設定処理に進み、肯定判定なら（Ｓ８６０：ｙｅｓ）、確変リミッタフラグに１をセットし（Ｓ８６５）、確変リミッタカウンタをクリアして（Ｓ８７０）開放パターン設定処理に進む。確変リミッタカウンタは、主制御装置８０が記憶する値であり、高確率状態での連続した大当り回数を計数する装置となる（本発明の計数手段に相当）。

確変リミッタフラグは主制御装置８０が記憶する値であり、値が０であれば、大当り遊技終了後の確率状態として高確率状態への移行が可能であることを、値が１であれば高確率状態への移行が不可であることを主制御装置８０が判断する。

図７に戻り、リミッタ処理Ｓ５６０に続いては、Ｓ５４５で設定した図柄モード、及び確変リミッタフラグの値に基づいて第１大入賞口１４、第２大入賞口１５、及びシャッター２５３の開放パターン設定処理を行い（Ｓ５６５）、当否判定の対象とした第１又は第２保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第１特別図柄表示装置９又は第２特別図柄表示装置１０、及び演出図柄表示装置６に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを選択する変動パターン選択処理を行う（Ｓ５７０）。

続いて、選択した大当り図柄、変動パターン、及び確変リミッタフラグの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置８３へ送信する（Ｓ５７５）。このコマンドを受信したサブ統合制御装置８３からの指示に基づいて、演出図柄制御装置８２は演出図柄表示装置６を制御し、第１又は第２特別図柄の大当り図柄及び変動パターンの情報に基づいた擬似図柄の演出変動表示を開始する。サブ統合制御装置８３への送信とほぼ同時に、主制御装置８０は、第１特別図柄表示装置９又は第２特別図柄表示装置１０を直接制御して特別図柄の変動を開始する。

Ｓ５４０が否定判定、即ちハズレなら（Ｓ５４０：ｎｏ）、Ｓ５３５の比較処理の結果が小当りであるか否か判定し（Ｓ５８０）、肯定判定なら（Ｓ５８０：ｙｅｓ）、特図の種類、遊技状態、及び小当り図柄決定用乱数に基づいて小当り図柄を選択し（Ｓ５８５）、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い（Ｓ５６５）、小当り図柄に対応する前述した変動パターン選択処理を行い（Ｓ５７０）、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置８３へ送信する（Ｓ５７５）。この情報を受信したサブ統合制御装置８３からの指示に基づき演出図柄制御装置８２は演出図柄表示装置６を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に基づいた第１又は第２特図に対応した演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置８３への送信とほぼ同時に、主制御装置８０は、第１特別図柄表示装置９又は、第２特別図柄表示装置１０を直接制御して特別図柄の変動を開始する。

Ｓ５８０が否定判定なら（Ｓ５８０：ｎｏ）、ハズレ図柄を選択し（Ｓ５９０）、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い（Ｓ５７０）、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置８３へ送信する（Ｓ５７５）。この情報を受信したサブ統合制御装置８３からの指示に基づき演出図柄制御装置８２は演出図柄表示装置６を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置８３への送信とほぼ同時に主制御装置８０は、第１特別図柄表示装置９又は第２特別図柄表示装置１０を直接制御して特別図柄の変動を開始する。

次に、Ｓ５０５が肯定判定、即ち、特別図柄の変動中であれば（Ｓ５０５：ｙｅｓ）、図８のフローチャートに進み、特別図柄の変動時間（Ｓ５７０で選択された変動パターンに基づく）が経過したか否か判定する（Ｓ６００）。否定判定なら（Ｓ６００：ｎｏ）リターンし、肯定判断なら（Ｓ６００：ｙｅｓ）、確定コマンドをサブ統合制御装置８３に送信し、第１特別図柄表示装置９又は第２特別図柄表示装置１０を制御してＳ５５０，Ｓ５８５又はＳ５９０で選択した確定図柄を確定表示させる（Ｓ６０５）。確定コマンドを受信したサブ統合制御装置８３は演出図柄制御装置８２に予め選択されていた擬似図柄を確定表示させる指示信号を送信し、演出図柄制御装置８２は、その信号に応じて演出図柄表示装置６を制御して擬似図柄を確定表示させる。これにより、第１又は第２特別図柄と擬似図柄の変動の開始と終了とが同じタイミングになる（同期する）。

Ｓ６０５に続いては、第１特別図柄表示装置９又は第２特別図柄表示装置１０で確定表示させた第１又は第２特別図柄が大当り図柄か否か判定し（Ｓ６１０）、肯定判定なら（Ｓ６１０：ｙｅｓ）、確定図柄の表示設定処理（確定図柄で表示させておく時間の設定）を行い（Ｓ６１５）、確変フラグが１か否か（高確率状態か否か）判定し（Ｓ６２０）、肯定判定なら（Ｓ６２０：ｙｅｓ）、確変フラグに０をセットし（Ｓ６２５）、Ｓ６２５、又はＳ６２０の否定判定（Ｓ６２０：ｎｏ）に続いては、時短フラグが１か否か判定し（Ｓ６３０）、肯定判定なら（Ｓ６３０：ｙｅｓ）、時短フラグに０をセットし（Ｓ６３５）、Ｓ６３５、又はＳ６３０の否定判定（Ｓ６３０：ｎｏ）に続いては、条件装置作動開始処理（Ｓ６４０）と、役物連続作動装置作動開始処理（Ｓ６４５）とを行うことで大当りを開始し、大当り開始演出指示コマンドをサブ統合制御装置８３に送信する（Ｓ６５０）。

一方、Ｓ６１０が否定判定、即ち、確定図柄が大当りでなければ（Ｓ６１０：ｎｏ）、図９のフローチャートに進み、確定図柄の表示設定処理（確定図柄で表示させておく時間の設定）を行い（Ｓ７００）、確変フラグが１か否か判定し（Ｓ７０５）、肯定判定なら（Ｓ７０５：ｙｅｓ）、確変カウンタからデクリメントし（Ｓ７１５）、確変カウンタが０か否か判定し（Ｓ７２０）、肯定判定なら（Ｓ７２０：ｙｅｓ）、確変フラグに０をセットする（Ｓ７２５）。

確変フラグに０がセットされるこの状況は、大当り遊技終了時に付与された高確率状態が９回のハズレ判定が実施されたことによ終了した状況となり、従来の遊技機であれば、有利な遊技状態が終了したことにより遊技者ががっかりするポイントであった。

Ｓ７２５に続いては、確変リミッタカウンタが０よりも大きいか否か判定し（Ｓ７３０）、肯定判定判定なら、即ち、少なくとも前回の大当りは高確率状態で生起していたなら（Ｓ７３０：ｙｅｓ）、確変リミッタカウンタの値をクリアする（Ｓ７３５）（本発明の初期化手段に相当）。このクリアにより、確変リミッタを作動させるための高確率状態の連続した大当り回数が初期化される。

Ｓ７３５、又はＳ７０５、Ｓ７２０、Ｓ７３０の否定判定（Ｓ７０５：ｎｏ、Ｓ７２０：ｎｏ、Ｓ７３０：ｎｏ）に続いては、時短フラグが１か否か判定し（Ｓ７４０）、肯定判定なら（Ｓ７４０：ｙｅｓ）、時短カウンタからデクリメントし（Ｓ７４５）、時短カウンタが０か否か判定し（Ｓ７５０）、肯定判定なら（Ｓ７５０：ｙｅｓ）、時短フラグに０をセットする（Ｓ７５５）。Ｓ７０５からＳ７５５によって、特別図柄が当否判定に応じたハズレ確定表示を行うごとに、高確率状態を規制する確変カウンタと時短（開放延長）状態を規制する時短カウンタとで計数され、これらのカウンタが所定値に至ることで遊技状態が変化（高確率状態が低確率状態に、時短、開放延長状態が通常状態に移行）する。

続いて、Ｓ７５５、又はＳ７４０，Ｓ７５０が否定判定なら（Ｓ７４０：ｎｏ，Ｓ７５０：ｎｏ）、確定表示された特別図柄が小当り図柄か否かを判断し（Ｓ７６０）、肯定判定なら（Ｓ７６０：ｙｅｓ）、小当り遊技の作動開始を行う処理を行い（Ｓ７６５）、Ｓ６５０（図８），Ｓ７６５、又はＳ７６０の否定判定（Ｓ７６０：ｎｏ）に続いては、上記処理の結果に基づく遊技状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ６５５）（図８）リターンする。

図７に戻り、Ｓ５１０が肯定判定、即ち、確定図柄の表示中なら（Ｓ５１０：ｙｅｓ）、図１０のフローチャートに進み、確定図柄表示時間が経過したか否か判定し（Ｓ８００）、否定判定なら（Ｓ８００：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ８００：ｙｅｓ）、確定図柄表示終了処理（Ｓ８０５）を行い、第１特別図柄表示装置９又は第２特別図柄表示装置１０を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置８３に疑似図柄の確定表示を終了させる指示を行う。

次に、図１１から図１６を用いて、主制御装置８０が実行する特別遊技処理を説明する。本処理は、図７の当否判定処理時に設定された開放パターンに基づいて、第１大入賞口１４、第２大入賞口１５、及びシャッター２５３の開閉を制御すると共に、第２大入賞口１５内の特定領域１６への遊技球の入球の有無に基づいて、大当り遊技終了時に確変フラグ、確変カウンタ、時短フラグ及び時短カウンタをセットする処理となる。

本処理を開始すると、主制御装置８０は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する（Ｓ９００）。否定判定なら（Ｓ９００:ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ９００:ｙｅｓ）、第１大入賞口１４が開放中か否か（Ｓ９０５）、第２大入賞口１５が開放中か否か（Ｓ９１０）、インターバル中か否か（Ｓ９１５）、大当り終了演出中か否か（Ｓ９２０）を順に判定し、全てが否定判定なら（Ｓ９０５：ｎｏ、Ｓ９１０：ｎｏ、Ｓ９１５：ｎｏ、Ｓ９２０：ｎｏ）、大当り開始演出時間が終了したか否か判定し（Ｓ９２５）、否定判定なら（Ｓ９２５:ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ９２５:ｙｅｓ）、第１大入賞口１４の開放処理を行い（Ｓ９３０）リターンする。

Ｓ９０５が肯定判定、即ち、第１大入賞口１４が開放中なら（Ｓ９０５:ｙｅｓ）、図１３のＳ９５０に進み、第１カウントスイッチ１４ａが遊技球を検出したか否か判定する（Ｓ９５０）。肯定判定なら（Ｓ９５０:ｙｅｓ）、９個入賞したか否か判定する（Ｓ９５５）。Ｓ９５５、又はＳ９５０が否定判定なら（Ｓ９５５:ｎｏ、Ｓ９５０：ｎｏ）、第１大入賞口１４の開放時間が終了したか否か判定する（Ｓ９６０）。Ｓ９６０が否定判定なら（Ｓ９６０:ｎｏ）リターンし、Ｓ９６０又はＳ９５５が肯定判定（Ｓ９６０:ｙｅｓ、Ｓ９５５:ｙｅｓ）なら、第１大入賞口１４の閉鎖処理を行い（Ｓ９６５）、サブ統合制御装置８３に大当りインターバルの表示を指示するコマンドを送信して（Ｓ９７０）リターンする。

図１２に戻り、Ｓ９１０が肯定判定、即ち、第２大入賞口１５を開放する最終１０ラウンドの実施中なら（Ｓ９１０:ｙｅｓ）、図１４のＳ１０００に進み、特定領域スイッチ１６ａが遊技球を検出したか否か判定する（Ｓ１０００）。肯定判定なら（Ｓ１０００:ｙｅｓ）、確変リミッタフラグが０か否か判定し（Ｓ１００５）、肯定判定なら（Ｓ１００５:ｙｅｓ）、特定領域フラグに１をセットし（Ｓ１０１０）、サブ統合制御装置８３に特定領域への遊技球の入球を示す特定領域入球コマンドを送信する（Ｓ１０１５）。特定領域フラグは主制御装置８０が記憶する値であり、値が１であれば大当り遊技中に特定領域１６に遊技球が入球したことを、値が０なら特定領域１６に入球していないことを主制御装置８０が判断する。

Ｓ１０１５、又はＳ１０００，Ｓ１００５の否定判定（Ｓ１０００:ｎｏ、Ｓ１００５:ｎｏ）に続いては、第２カウントスイッチ１５ａが遊技球を検出したか否か判定し（Ｓ１０２０）、肯定判定なら（Ｓ１０２０:ｙｅｓ）、９個入賞したか否か判定する（Ｓ１０２５）。Ｓ１０２０、又はＳ１０２５が否定判定なら（Ｓ１０２０:ｎｏ、Ｓ１０２５：ｎｏ）、第２大入賞口１５の開放時間が終了したか否か判定する（Ｓ１０３０）。Ｓ１０３０が否定判定なら（Ｓ１０３０:ｎｏ）リターンし、Ｓ１０３０又はＳ１０２５が肯定判定（Ｓ１０３０:ｙｅｓ、Ｓ１０２５:ｙｅｓ）なら、第２大入賞口１５の閉鎖処理を行い（Ｓ１０３５）、確変リミッタフラグが１か否か判定する（Ｓ１０４０）。肯定判定、即ち、所定回数（本実施例では２回）連続して高確率状態で大当りが生起したなら（Ｓ１０４０:ｙｅｓ）、確変リミッタフラグに０を設定する（Ｓ１０４５）。Ｓ１０４５、又はＳ１０４０の否定判定（Ｓ１０４０:ｎｏ）に続いては、サブ統合制御装置８３に大当り終了演出を開始する表示コマンドを送信して（Ｓ１０５０）リターンする。

なお、確変リミッタフラグが１の場合は、特定領域１６に遊技球が入球しても特定領域フラグを立てる処理を行わない構成としてもよい。

図１２に戻り、Ｓ９１５が肯定判定、即ち、大当りインターバル中なら（Ｓ９１５:ｙｅｓ）、図１５のＳ１１００に進み、大当りインターバル時間が終了したか否か判定する（Ｓ１１００）。否定判定なら（Ｓ１１００:ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ１１００:ｙｅｓ）、９ラウンドが終了したインターバルか否か判定し（Ｓ１１０５）、肯定判定なら（Ｓ１１０５:ｙｅｓ）、第２大入賞口１５の開放処理を行い（Ｓ１１１０）リターンし、否定判定なら（Ｓ１１０５:ｎｏ）第１大入賞口１４の開放処理を行って（Ｓ１１１５）リターンする。

図１２に戻り、Ｓ９２０が肯定判定、即ち、大当り終了演出の実施中なら（Ｓ９２０:ｙｅｓ）、図１６のＳ１１５０に進み、大当り終了演出の時間が経過したか否か判定する（Ｓ１１５０）。否定判定なら（S１１５０:no）リターンし、肯定判定なら（S１１５０:yes）、役物連続作動装置の作動を停止し（Ｓ１１５５）、条件装置の作動を停止し（Ｓ１１６０）、時短フラグに１をセットし（Ｓ１１６５）、特定領域フラグが１か否か、即ち、大当り遊技終了後から高確率状態に移行するか否か判定する（Ｓ１１７０）。

Ｓ１１７０が肯定判定、即ち、大当り遊技終了後に高確率状態に移行するなら（Ｓ１１７０:ｙｅｓ）、時短カウンタに１００をセットし（Ｓ１１７５）、確変フラグに１を設定し（Ｓ１１８０）、確変カウンタに９をセットし（Ｓ１１８５）、特定領域フラグに０をセットし（Ｓ１１９０）、高確率遊技状態への移行を示す第１終了コマンドをサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ１１９５）する。

Ｓ１１７０が否定判定、即ち、特定領域フラグの値が０なら（Ｓ１１７０:ｎｏ）、時短カウンタに１０をセットし（Ｓ１２００）、確変フラグに０をセットし（Ｓ１２０５）、確変カウンタに０をセットし（Ｓ１２１０）、サブ統合制御装置８３に低確率状態への移行を示す第２終了コマンドを送信する（Ｓ１２１５）。Ｓ１１９５、又はＳ１２１５に続いては、大当りフラグに０をセットして（Ｓ１２２０）リターンする。

なお、高確率状態中に第１特図が変動し通常図柄で大当りした場合や、第１特図の確変図柄、又は第２特図が大当りしても、大当り遊技中に特定領域１６に遊技球が入球しなかった場合（特定領域フラグが立たなかった場合）は、確変リミッタカウンタがクリアされる構成となっている。

次に、図１７に示したタイミングチャートを用いて、大当り遊技終了後に高確率状態に移行する場合の特典遊技の基本内容を説明する。このタイミングチャートは、第１特図が確変図柄で大当りした場合と、第２特図が大当りした場合（開放延長状態、高確率状態含む）とに付与されるＳＴ（回数切り確変）（本発明の特典遊技に相当）の基本内容となる。

高確率状態が付与される特典遊技の基本内容は、大当り遊技が終了した時点から開放延長状態且つ高確率状態となるが、大当り確率１／１０の高確率状態は、当否判定を９回実施すると終了する。また、開放延長状態も大当り遊技が終了した時点から開始されるため、大当り遊技終了後９回の当否判定が行われるまでは、高確率状態と開放延長状態とを同時に進行し、１０回目の変動から開放延長状態が終了する残り９１回の変動は１／１００の低確率状態となる。

従って、この構成において９回の当否判定を行う高確率状態中（１０分の１）に大当りとなる確率は、１-（１０分の９）の９乗となり、その値は約６０％。また、高確率状態終了後の低確率状態（１００分の１）で９１回の当否判定を行う開放延長状態中に大当りとなる確率は、１-（１００分の９９）の９１乗となり、その値も約６０％となる。従って、大当り遊技終了後に高確率状態が付与される特典遊技では、高確率状態中に大当りになる確率と、高確率遊技が終了してからの開放延長状態中に大当りになる確率とがほぼ同一の値となる。

なお、第１特図が通常図柄で大当りした場合と、確変リミッタが作動した場合とは、大当り遊技終了後に特図が１０回の変動を行うまで開放延長状態（低確率状態）となるが、開放延長状態を付与しなくてもよいし、通常図柄大当り時と確変リミッタ作動時とで異なる内容（開放延長回数）でもよい。

図１８は、確変リミッタが作動する場合の大当り生起タイミングの例を示すタイミングチャートとなる。具体的には、高確率状態を挟んで大当りが３回連続（高確率状態での大当りが２回連続）した場合を示すタイミングチャートとなり、この場合、ａ時点は高確率状態ではないため、通常状態（非高確率、非開放延長）中の第１特図の大当りか、低確率状態で開放延長状態中の第２特図の大当りとなる。

ａ時点で生起した大当り遊技の１０ラウンドで、特定領域１６に遊技球が入球すると、当該大当り遊技終了後は９回の当否判定を行うまでは高確率状態（且つ開放延長状態）となり。９回の当否判定を行う高確率遊技中に（図の期間ｄ）に大当りが生起すると、この時点（ｂ時点）で確変リミッタカウンタにインクリメントされる（図１１、Ｓ８５５）（確変リミッタカウンタ＝１）。

ｂ時点は、開放延長状態でもあるため第２特図が大当りとなり、大当り遊技が終了すると、９回の当否判定が行われるまで高確率状態（且つ開放延長状態）が付与される。この高確率状態中に大当りが生起すると、さらに確変リミッタカウンタに１がインクリメントされ（図１１、Ｓ８５５）る。この時点（ｃ時点）で高確率状態中の大当り生起が２回連続したため、確変リミッタカウンタの値が２となることにより確変カウンタに１がセットされ確変リミッタが作動する。

ｃ時点も開放延長状態中であるため第２特図の大当りとなるが、大当り遊技終了後は確変リミッタの作動により、特図が１０回変動するまで低確率状態の開放延長状態が付与される。

図１９は、確変リミッタが途中で作動することなく高確率状態及び開放延長状態を介して大当りが連続し、連続回数が１０回の時点で確変リミッタが作動した場合の例を示すタイミングチャートである。ｆの大当りからｏの大当りまでで、高確率状態（開放延長状態含む）、又は開放延長状態（低確率）を介して１０回まで大当りが連続し、高確率状態中の大当りは、ｇ、ｉ、ｎ、ｏで、ｈ、ｊ、ｋ、ｉ、ｍは低確率状態の開放延長状態での大当り生起となる。

ｎ、ｏの大当りは、大当り遊技を挟んで連続した高確率状態で発生しているため、ｏの大当り時に確変リミッタが作動し、大当り遊技終了後は高確率状態にはならず特図が１０回変動するまでの開放延長状態が付与されている。

なお、本実施例では、特典遊技を介して１０回以上の大当りが連続した状態で確変リミッタが作動すると、確変リミッタが作動する大当りの確定する図柄変動時に演出図柄表示装置６において特別演出を実施する。図柄変動時に特別演出を行うことで、連続した大当りがそこで終了することを示唆する大当り確定演出を行うことができる。なお、特別演出は図柄変動時ではなく大当り遊技時に表示してもよく、同様の効果を発揮する。

図２０は、サブ統合制御装置８３が実行する変動指示コマンド受信処理を示すフローチャートとなる。本処理を開始すると、変動指示コマンドを受信したか否か判定し（Ｓ１２５０）、否定判定なら（Ｓ１２５０：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ１２５０：ｙｅｓ）、振り分け乱数を抽出し（Ｓ１２５５）、受信した変動指示コマンドの内容とＳ１２５５で抽出した振分乱数の値に応じてサブ統合制御装置８３が記憶する複数種類の演出態様の中から演出図柄表示装置６に表示する演出表示態様の種類を選択し（Ｓ１２６０）、Ｓ１２６０で選択した演出表示態様を演出図柄表示装置６に表示する指示信号を演出図柄制御装置８２に送信して（Ｓ１２６５）リターンする。

また、サブ統合制御装置８３は、第１終了コマンド、第２終了コマンド、及び状態指定コマンドに基づいて、大当りが連続した回数を計数する連続特典遊技状態計数手段を備え、受信した変動指示コマンドが確変リミッタフラグの成立を示していれば、連続特典遊技状態計数手段の計数値に応じて、演出図柄の変動中に特別演出を行う。

次に、図２１から図２６を用いて、演出図柄表示装置６上の表示例を説明する。図２１の１．は、通常変動時（低確率状態、非開放延長状態）の画面構成を示す表示例となる。この場合、画面中央が擬似図柄表示領域となり、第１特図の変動に対応して、左右中の擬似図柄が上から下の縦方向にスクロール変動する。画面の左下は、第１保留図柄表示領域、右下は第２保留図柄表示領域となり、保留記憶の数に応じてそれぞれの領域に保留図柄を表示し、受信した先読判定コマンドの内容に応じて保留図柄の表示態様を変化させることで先読演出を行う。

図２２の２．は、大当り時（大当り図柄確定時）を示す表示例となり、（１）は第１特図が確変図柄で大当りした場合、若しくは第２特図が大当りした場合を示している。具体的には、画面中央の擬似図柄表示領域において確変図柄で揃った左右中の擬似図柄を表示し、その上に配置した遊技状態報知領域において、「大当り！」の文字列と、キャラクタ（熊の達吉）を表示する。この場合、大当り遊技終了後はほぼ高確率状態に移行する大当りであるが、高確率状態への移行の報知は、最終１０ラウンドで第２大入賞口１５内の特定領域１６に遊技球が入球した時点で行う。

図２２の２（２）は、第１特図が通常図柄で大当りした場合を示している。（１）と異なるのは、擬似図柄表示領域に表示された擬似図柄の種類（通常図柄）と、遊技状態報知領域に「終了後は電サポタイム」の文字列を追加した点となる。

図２３の３．は、大当り遊技時（１０ラウンド）、及び大当り遊技終了時の表示例１となり、大当り遊技終了後に高確率状態となる場合の表示例となる。（１）は、大当り遊技終了後に高確率状態となる（確変リミッタが作動していない）場合の最終ラウンド遊技時の表示例となり、画面上部のラウンド表示部には、最終ラウンドであることを示す「１０Ｒ」の文字列を表示し、画面中央の継続状況報知部には「Ｖに入れれば高確率！」の文字列と、キャラクタを表示する。

図２３の３（２）は、（１）の状態から引き続いて実施する、大当り遊技終了後に高確率状態が継続する（確変リミッタが作動していない）場合の大当り遊技終了時の表示例となり、ラウンド表示部が消え、継続状況報知部が画面上部まで広がり「大当り遊技終了」「Ｖ入賞！」「高確率決定！」の文字列と、キャラクタを表示する。

図２４の４．は、大当り遊技時、及び終了時の表示例２となり、大当り遊技終了後に高確率状態が継続しない場合（確変リミッタが作動した場合）の表示例となる。（１）は、最終ラウンド遊技時の表示例となり、画面上部のラウンド表示部には、最終ラウンドであることを示す「１０Ｒ」の文字列を表示し、画面中央の継続状況報知部には「高確率終了！」の文字列と、キャラクタを表示する。

図２４の４（２）は、（１）の状態から引き続いて実施する大当り遊技終了時の表示例となり、ラウンド表示部が消え、継続状況報知部が画面上部まで広がり「大当り遊技終了」「電サポ開始」の文字列と、キャラクタを表示する。

図２５の５．は、大当り遊技終了後の遊技状態毎の表示例となる。（１）は、高確率状態（確変）、且つ開放延長状態（電サポ）を示す表示例となり、擬似図柄表示領域上部の遊技状態報知領域に、「高確率電サポ中」と、確変リミッタが作動するまでの高確率大当りの回数（図例では「高確連続あと１回」）と、大当り遊技が終了してからの特図の変動回数（図例では「９５」）とを示す文字列とキャラクタを表示する。

図２５の５（２）は、大当り遊技終了後に特図が１０回変動するまで開放延長状態が付与された場合（高確率状態が付与され）を示す表示例となり、遊技状態報知領域に、「電サポ中」と、大当り遊技が終了してからの特図の変動回数（図例では「５」）とキャラクタを表示する。なお、変動回数の表示は、大当り遊技終了直後に１００（又は１０）を表示して変動ごとにカウントダウンを行う構成でもよい。

図２６の６．は、大当り遊技終了後の特典状態を介して大当りが１０回以上連続した状態で確変リミッタが作動した場合に実施する「特別演出」の表示例を示している。（１）は、確変リミッタが作動することとなる大当りが確定表示される図柄変動中に特別演出を実施する場合の表示例となり、この場合は、擬似図柄表示領域が縮小して画面の右上に移動し、画面のほぼ全体が特別演出表示領域となる。

図２６の６（２）は、特別演出を確変リミッタが作動した大当り遊技中に実施する場合の表示例となる。

以上が実施例の説明となる。本実施例の回数切り確変仕様（ＳＴ）を備えたパチンコ遊技機では、高確率状態中の連続した大当りが２回連続（高確率状態を挟んで大当りが３回連続）すると確変リミッタが作動し、大当り遊技終了後は強制的に低確率状態となると共に、開放延長状態も特図が１０回変動するまでしか付与されない。従って、確変リミッタが作動すると、大当り遊技終了後の遊技状態として開放延長状態中に大当りが発生する（大当りが連続する）確率が小さい遊技者に不利な状態となってしまう。

また、確変リミッタを作動させるために高確率状態の連続を計数する計数手段の計数値は、高確率状態を抜ける（大当り遊技終了後の高確率状態の当否判定で９回ハズレる）とクリアされる。よって、３回よりも多く大当りを連続させるためには、高確率状態での大当りを連続させることなく、高確率状態が終了してから開放延長状態（低確率ではあるが、持ち球を減らすことなく遊技を進行することが可能な通常状態に比較して遊技者に有利な状態）において大当りを獲得する必要がある。

このように本実施例の回数切り確変タイプのパチンコ遊技機は、高確率状態を抜けることで連続した高確率状態の計数をクリアするため、初回の高確率状態では９回の当否判定中に早く当たれと願い、次回の高確率状態では、高確率状態では当るなと願いながら遊技することになり、遊技状況によって高確率状態に対して異なる思惑を持ちながら遊技を進めるという従来にはない遊技性を備えている。

本実施例では、高確率状態への移行を大当り遊技中の特定領域１６への入球に基づいて確定したが、特定領域１６を備えず、大当り図柄の種類にのみ基づいて高確率遊技状態に移行するか否かを決定する構成としてもよい。

大当り遊技終了後は、高確率状態の開放延長状態と低確率状態の開放延長状態との表示態様を異ならせてもよく、例えば、高確率と低確率とそれぞれを報知する文字列を表示してもよいし、背景色を異ならせてもよい（例えば、高確率時の背景は赤で低確率時は青）。

以上のように、本発明の弾球遊技機によれば、大当り遊技終了後に高確率状態且つ開放延長状態に移行し、所定回数の当否判定の実施により高確率状態終了後も所定回数の特図の変動を行うまで開放延長状態を継続する回数切り確変の遊技仕様を備えている。従って、可変入賞装置からなる始動口と、当否判定確率として高確率状態と低確率状態とを備えた弾球遊技機に適用することができる。

１ 遊技盤
６ 演出図柄表示装置
１１ 第１始動口
１２ 第２始動口（普通電動役物）
１４ 第１大入賞口
１５ 第２大入賞口
１６ 特定領域
１７ 普通図柄始動ゲート
８０ 主制御装置
８２ 演出図柄制御装置
８３ サブ統合制御装置

Claims (3)

1. 可変入賞装置からなる始動口を設け、
   該始動口への遊技球の入球に起因して当否判定を行い、
   該当否判定の結果を報知する特別図柄を導出表示し、
   前記当否判定の結果が大当り判定なら大当り遊技を生起し、
   大当り遊技終了後に、通常遊技と比較して有利な特典遊技を付与し、
   該特典遊技は、前記当否判定の確率状態が通常遊技の低確率状態よりも高い高確率状態、及び／又は前記可変入賞装置の開放状態が通常遊技状態に比べて長い開放延長状態とする弾球遊技機であって、
   大当り遊技終了後に前記高確率状態と前記開放延長状態とが付与される場合、
   前記高確率状態は、大当り遊技終了後から前記当否判定を第１の所定回数行うまで付与され、
   前記開放延長状態は、大当り遊技終了後から前記導出表示を前記第１の所定回数行った後も第２の所定回数行うまで付与され、
   前記高確率状態が大当りを介して一定の回数連続して付与されることを規制するための規制手段と、
   該規制手段を作動させるための計数を行う計数手段と、
   該計数手段が計数した値を前記高確率状態が終了すると初期化する初期化手段と、を備え、
   前記規制手段の作動により前記高確率状態の付与を規制された大当り遊技終了後は、前記開放延長状態を付与しない、又は前記開放延長状態を大当り遊技終了後から前記導出表示が前記第２の所定回数よりも少ない回数行われるまで付与する
   ことを特徴とする弾球遊技機。
2. 請求項１記載の弾球遊技機において、
   前記当否判定を前記高確率状態で前記第１の所定回数行った場合の当選確率と、低確率状態で前記第２の所定回数行った場合の当選確率とを略同一とする
   ことを特徴とする弾球遊技機。
3. 請求項１又は請求項２記載の弾球遊技機において、
   前記特典遊技が大当りを介して連続する回数を計数し、該計数した値が前記一定の回数よりも多い所定回数以上で前記規制手段の作動が決定すると、特別演出を行う
   ことを特徴とする弾球遊技機。

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