以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施形態例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
図1は、遊技盤1の正面図である。図1に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域が、ほぼ中央部に配置されたセンターケース5を境に第1遊技領域3aと第2遊技領域3bとに分けられており、センターケース5の左側が第1遊技領域3a、右側が第2遊技領域3bとなり、図に示したA部まで到達した遊技球は、第2遊技領域誘導路101を転動し、第2遊技領域3b(センターケース5の右側)に至り、Aに到達しない遊技球が第1遊技領域3a(センターケース5の左側)を流下することになる。また、この第1遊技領域3a,第2遊技領域3bには多数の遊技釘が植設されている。
センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の左側を流下した遊技球が転動可能なセンターケース5の中央直下には、第1の第1始動口11(本発明の第1始動口に相当)が配置され、第1始動口11の左方には、3個の入球率が変化しない普通入賞口31が設けられている。
センターケース5の右の第2遊技領域3bには、上から第2の第1始動口111が配置され、その下には普通図柄作動ゲート17(本発明の作動口に相当)が配置され、その左下には、センターケース5右側面と一体化し片羽根が開閉動作を行う第1大入賞口14が設置されている。第2の第1始動口111は、第1の第1始動口11に比べ入球率が低く、遊技者が通常時に入賞を狙うには不利な始動口となっている。
第1大入賞口14の下には、普通電動役物16(本発明の可変入賞装置に相当)が配置され、この普通電動役物16が作動すると第2始動口12(本発明の第2始動口に相当)への遊技球の入球が可能となる。
第2始動口12の左下(第1始動口11の右)には、特定領域94(本発明の特定領域に相当)を備えた振分装置92を設けた第2大入賞口91(本発明の入球した遊技球が通過可能な特定領域を備えた大入賞口に相当)が配置されている。この振分装置92の構造については図2を用いて後述する。なお、第1大入賞口14は大当り遊技時(役物大当り生起後の大当り遊技も含む)に作動し、第2大入賞口91は小当り遊技時に作動する。
第1始動口11は、植設された遊技釘及びセンターケース5の成型形状により、第2遊技領域3bを流下した遊技球が入球困難な構成となっている。これにより、第1始動口11は、ほぼ第1遊技領域3aを流下した遊技球のみが入球可能となる。また、第2の第1始動口111、普通図柄作動ゲート17、第1大入賞口14、第2始動口12、第2大入賞口91については、同様の理由により第2遊技領域3bを流下した遊技球のみが入球可能となっている。
第2遊技領域3bの下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7、普通図柄保留数表示装置8と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10と、複数個のLEDからなる第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19とが配置されている。この位置に配置した各種表示装置の表示内容を遊技者が確実に認識することは困難となり、遊技中の遊技者は遊技盤中央に配置された演出図柄表示装置6の表示内容に注目して遊技を行うことになる。
上記のように遊技盤1を構成することによって、第1遊技領域3a、又は第2遊技領域3bに遊技球を流下させることにより、第1の第1始動口11、又は第2の第1始動口111に遊技球が入球すると(第1の第1始動口スイッチ11a、第2の第1始動口スイッチ111a(図3参照)が遊技球を検出)、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄(本発明の第1特別図柄に相当)が変動を開始し、所定時間後に停止する。
第2遊技領域3bに遊技球を流下させることにより、普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球すると(普通図柄作動スイッチ17a(図3参照)が遊技球を検出)、普通図柄表示装置7で普図が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド12b(図3参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド12bが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物16の扉部が開放して、第2始動口12への入球(第2始動口スイッチ12a(図3参照)の検出)が可能となるように構成されている。第2始動口12に遊技球が入球すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄(本発明の第2特別図柄に相当)が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄(以降、第1特図ともいう)及び第2特別図柄(以降、第2特図ともいう)の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄(以降、特図ともいう)の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、同時に変動することはなく、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動(当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し、且つ、第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。なお、後述する時短状態(開放延長状態)中においては、演出図柄表示装置6には普通図柄の変動及び確定表示に対応した擬似図柄の演出態様を表示する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の確定表示した態様に応じて、後述する第1大入賞口ソレノイド14b(図3参照)、又は第2大入賞口ソレノイド91bが駆動する。第1大入賞口ソレノイド14bが駆動(大当り遊技時)すると、ほぼ同期して第1大入賞口14の扉部材が開放し、第1大入賞口14への遊技球の入球(第1カウントスイッチ14a(図3参照)が遊技球を検出)が可能となり、第2大入賞口ソレノイド91bが駆動(小当り遊技時)すると、ほぼ同期して第2大入賞口91の扉部材が開放し、第2大入賞口91への遊技球の入球(第2カウントスイッチ91a(図3参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
普通電動役物16からなる第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口91は、第2遊技領域3b(センターケース5の右側)に配置されているため、遊技状態が開放延長遊技状態に移行した場合、大当り遊技に移行した場合、小当り遊技に移行した場合は、発射した遊技球の全てが第2遊技領域3bに到達するように発射ハンドルを調整することになる。また、第2遊技領域3bには第2の第1始動口111が配置されているため、大当り遊技状態(開放延長遊技状態、、小当り遊技状態)においても第2の第1始動口111に遊技球が入球する構成(大当り遊技中に第1保留記憶が記憶される構成)となっている。
次に、図2を用いて、特定領域94を備えた振分装置92を説明する。振分装置92の内側上部にはワープ出口92aが設けられており、第2大入賞口91に入球した遊技球は全てワープ出口92aから振分装置92内に流れ込む。ワープ出口92aの下方には一対の振分羽根93が設けられており、第2大入賞口91の開閉動作時に作動する。
振分羽根93が閉鎖されているとき(図(a))にワープ出口92aから遊技球が流出すると、遊技球はハズレ口92bに導かれるため特定領域94には入球しない。開放されているとき(図(b))にワープ出口92aから遊技球が流出すると、Vで示された特定領域94に入球する。従って、図(a)の閉鎖状態と図(b)の開放状態とで各々の時間を設定し交互に組み合わせることで特定領域94への遊技球の入球率が設定できる。また、第2大入賞口91の開閉タイミングと組み合わせても同様に入球率の設定ができる。なお、振分装置92に誘導される遊技球は、第2カウントスイッチ91aで検出済の遊技球となる。
図3は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図となり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1の第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1の第1始動口スイッチ11a、第2の第1始動口111に入球した遊技球を検出する第2の第1始動口スイッチ111a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させる普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、第1大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第1カウントスイッチ14a、第2大入賞口91に入球した遊技球を計数するための第2カウントスイッチ91a、普通入賞口31に入球した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ31a、特定領域94に入球した遊技球を検出する特定領域スイッチ94a等の検出信号が入力され、裏配線中継端子板75を介して、前枠(ガラス枠)および内枠が閉鎖しているか否か検出するガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36の検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、第1大入賞口ソレノイド14bを制御することで第1大入賞口14の開閉を制御し、第2大入賞口ソレノイド91bを制御することで第2大入賞口91の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図3では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで普通電動役物16の開閉を制御し、振分羽根ソレノイド93bを制御することで振分装置92内の振分羽根93の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が行われ、払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を制御して賞球を払い出す。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83(本発明のサブ制御装置に相当)はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ67aの入力ならびに主制御装置80から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄制御装置82に出力する。
また、サブ統合制御装置83には、音量を調節する音量調節スイッチ83aが備えられ、音量調節スイッチ83aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ66へ送信する内容とを判断し、スピーカ66から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して擬似図柄等の演出画像を表示する。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とはサブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
次に、図4と図5に示した図表を用いて、実施例1のパチンコ機の作動内容について説明する。本実施例におけるパチンコ機の大当り確率は、第1特図と第2特図とで共通の1/320となり、特図当否判定(本発明の特図当否判定に相当)に係る確率変動機能は備えていない。小当りは第2特図のみが備え、その確率は1/1.003となり、そのため第2特図が変動(特図当否判定を実施)すると高確率で小当りに当選(ほぼ毎回小当りに当選)し、該当選に応じて第2大入賞口91が6.000秒の開放動作を1回行う小当り遊技を行う。
第2特図の小当り当選により小当り遊技を行った場合、第2大入賞口91の開放と同時に上述した振分装置92内の振分羽根93も開放状態に変位し、振分羽根93の開放状態は特定領域94に遊技球が1個入球するか第2大入賞口91に遊技球が9個入賞するまで継続する。従って、第2特図が小当りに当選すると、第2大入賞口91に入賞した1個目の遊技球が特定領域94に入球するため、第2特図が変動すればほぼ役物大当りが生起する。
無論、この遊技構成は一例であり、平均して1/5で役物大当りが生起するように設定して、役物大当りが生起するか否かで楽しませる遊技構成にしてもよいし、第2大入賞口91に特定領域94を備えず、小当りで単純に賞球を発生させて開放延長状態時は持玉が増加しやすくした遊技構成とすることも考えられる。
役物大当り、又は図柄大当り当選に基づいて実行する大当り遊技の終了後は、特図と普図の変動時間が通常状態から変化するとともに、普通電動役物16の作動時間が変化する時短、開放延長状態に移行する。時短、開放延長状態への突入率(移行率)は、第1特図の場合は大当り図柄の種類に基づいて80%の確率となり、第2特図の大当り及び小当りからの役物大当りの場合は、大当り遊技終了後は100%の確率で時短、開放延長状態へ移行(突入)する。
なお、本実施例のパチンコ機は、上述したように第2特図が変動すると高確率で役物大当りが生起する構成と、時短、開放延長状態を実施する「一定の期間」と、大当り図柄(又は小当り図柄)の種類に応じて異なる時短時の普図の平均変動時間と、の組合せにより、一定の期間の間に普図で当選して第2特図での抽選の機会を与えることができるか否かに特徴がある遊技性となり、一定期間となる時短中に第2保留記憶をより多く記憶(ストック)するためには、普図の変動時間がより短い方が普図の当否判定回数が多くなり有利となる。
上記した「一定の期間」に相当する本実施例におけるパチンコ機の時短、開放延長期間は、大当り遊技終了後から変動を開始した第1特図(又は第2特図)が、当該開始した1回の変動を終了するまでの期間(特図が1回変動する期間)となり、時短状態への移行とともに第1特図が変動する場合(第2保留記憶が無い場合)は、時短、開放延長期間は100秒となり、第2特図が変動する場合(時短期間終了後、役物大当り終了後)は1秒となる(特図の種類に応じてその期間は一定に定められている)。
また、大当り図柄の種類と、大当り遊技終了後の時短時に用いる普図時短変動時間テーブル(本発明の普図時短変動時間テーブルに相当)の平均変動時間との関係は、図5の図表に示す内容となり、大当り図柄が第1特図7ラウンド時短有図柄1、又は第2特図7ラウンド時短有図柄なら、大当り遊技終了時に設定される普図時短変動時間テーブルの平均変動時間は約1.0秒となり、この秒数設定により時短中に普図が変動可能な回数、即ち、普図の当否判定が可能な回数は最大100回となる。
同様に大当り図柄が第1特図7ラウンド時短有図柄2、又は第2特図15ラウンド時短有図柄1なら、平均変動時間は約3.0秒で普図の当否判定可能回数は最大33回。大当り図柄が第1特図7ラウンド時短有図柄3、又は第2特図15ラウンド時短有図柄2なら、平均変動時間は約5.0秒で普図の当否判定可能回数は最大20回。大当り図柄が第1特図7ラウンド時短有図柄4、又は第2特図15ラウンド時短有図柄3なら、平均変動時間は約10.0秒で普図の当否判定可能回数は最大10回となる。
なお、第1特図が大当りした場合は、大当り図柄の種類に拘わらず全ての大当りで第1大入賞口14が7ラウンドの大当り遊技(1ラウンドあたり10カウント又は29.0秒の開放を1回行う)を行う。また、第2特図が図柄大当り、又は小当りから役物大当りした場合は、1/4の確率で(7ラウンド時短有図柄の場合)第1大入賞口14が7ラウンドの大当り遊技を行い、3/4の確率で(15ラウンド時短有図柄1、2、3の場合)第1大入賞口14が15ラウンドの大当り遊技を行う(大当り、小当り図柄の種類に応じてラウンド振分)。また普通電動役物16は開放延長状態では普図の当選に応じて5.5秒の開放を1回行うが、非開放延長状態では普図当選時の開放時間が0.1秒となるため入球率はほぼ0%となる。
上述した構成を組み合わせることによって成立する遊技性は、大当り遊技終了後に時短、開放延長状態に移行した場合は、時短、開放延長状態となる限られた時間内に(第1特図の1回の変動中に)より多くの大当りをストックし(普図に当選してより多くの第2保留記憶を記憶し)、限られた時間が終了した時点からストックを順次放出する(時短期間となる第1特図の変動終了後、時短中に記憶した第2保留記憶を優先変動により順次消化することで第2保留記憶分の役物大当りを生起させる)が、大当り図柄の種類に応じて大当りをストックする条件が変化する(限られた時間内で実施する普図の抽選回数が変化する)という従来にないものとなる。
遊技の一例を実際の遊技進行に沿って説明する。遊技を開始した通常状態では、第1遊技領域3aに遊技球を流下させることで第1の第1始動口11への入賞を主に遊技を進行する。この状態から大当りすると、第2遊技領域3bに遊技球を流下させる大当り遊技を行う。大当り遊技が終了した時点では、大当り遊技中の第2の第1始動口111への入賞により第1保留記憶(第1の第1始動口11、又は第2の第1始動口111入球に起因する保留記憶)は記憶されているが、第2保留記憶は記憶されていない。従って、第1特図の大当り図柄が第1特図7ラウンド時短有図柄1から4のいずれかであったなら、時短、開放延長状態に移行し、時短、開放延長状態の期間として第1特図が100秒の変動を開始する。
時短、開放延長状態を開始すると、遊技者は引き続き第2遊技領域3bへの遊技球の発射を継続することで、普通図柄作動ゲート17へ遊技球を入球させ普図当否判定を行う。普図当否判定の結果は、所定時間の普図の変動表示後確定表示し、当選であれば普通電動役物16が作動するが、この場合、開放延長状態であるため、普図の変動時間は大当り図柄に応じて設定された普図時短変動時間テーブルから選択され、当選時の普通電動役物16は5.5秒の開放を1回行う。但し、普通電動役物16の規定入賞数は1個であるため、開放した普通電動役物16に遊技球が1個入賞(第2始動口12に遊技球が1個入賞)すると開放動作を終了する。
これにより、時短、開放延長状態中に普図が当選すると、当選する毎に第2保留記憶が1個増加(大当りを1回ストック)する。また、時短、開放延長状態を実施する時間は第1特図が変動する100秒間の一定時間となるが、普図の変動時間は大当り図柄に応じて設定される変動時間テーブルの種類によってその平均変動時間が異なる。従って、大当り図柄によって、時短、開放延長状態中に第2保留を記憶しやすいか否か(より多くの普図当否判定が行えるか否か)が決定し、遊技者の優位度(1/21の確率で100秒間に何回の普図当否判定が行える可能性があるか)が決まる。
時短、開放延長状態が終了すると、優先変動によって時短、開放延長状態中に記憶した第2保留記憶の特図当否判定が順次行われ、該特図当否判定が行われる毎に小当りに当選し役物大当りが生起する。この役物大当りの生起が、時短、開放延長状態中に記憶した第2保留記憶の数分連続して行われる。なお、最後の第2保留記憶の小当りから役物大当りが生起した後は、第1特図が100秒の変動を行う時短、開放延長状態に再度移行するが、この場合の普図の変動パターンテーブルは、第2特図の小当り図柄に応じて設定される。
次に、図6を用いて、主制御装置80が実行するメインルーチンを説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S75までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS80の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
S10が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(初期乱数更新処理(S80))に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理(S20)、大当り決定用乱数更新処理(S25)、大当り図柄決定用乱数1更新処理(S30)、大当り図柄決定用乱数2更新処理(S35)、小当り図柄決定用乱数更新処理(S40)、当り決定用乱数更新処理(S45)、リーチ判定用乱数更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数更新処理(S55)が行われる。
続く入賞確認処理(S60)では、第1の第1始動口11、第2の第1始動口111、第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口91一般入賞口31への入賞及び普通図柄作動ゲート17、特定領域94への入球の確認、及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。各始動口及び作動口への入賞(入球)確認処理(始動入賞処理)については、図7を用いて後述する。
続いて、当否判定処理(S65)、画像出力処理等の各出力処理(S70)、不正監視処理(S75)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S80)をループ処理する。
次に、図7を用いて、主制御装置80が実行する始動入賞処理を説明する。本処理は、図6に示した入賞確認処理(S60)のサブルーチンの一つとなる(本発明の第1保留記憶手段、第2保留記憶手段、第1先読判定手段、第2先読判定手段を含む)。
第1の第1始動口11及び第2の第1始動口111に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口12に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。なお、本実施例では第1保留記憶、第2保留記憶、普図保留記憶の上限数を4個としている。
本処理を開始すると、第1の第1始動口スイッチ11a、又は第2の第1始動口スイッチ111aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。肯定判定であれば(S100:yes)、主制御装置80に既に格納されている第1保留記憶数が上限数(本実施例では4個)未満であるか否か判定する(S105)。肯定判定であれば(S105:yes)、当否乱数等の各種乱数値(大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数1,2、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等)を抽出し、第1保留記憶として主制御装置80の保留記憶数に応じた記憶領域に格納し、第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S110)。
S110に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S115)(第1先読判定手段)。具体的には、大当り決定用乱数の値が大当りを生起させる値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、期待度の高いリーチを行うか否か確認する。
続いて、S115の先読判定結果に基づいて第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S120)、S110で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S125)。本実施例では、第1先読判定コマンドと第1保留数指示コマンドとを個別のコマンドとしてサブ統合制御装置83に送信しているが、この二つのコマンド内容を一つのコマンドに生成してサブ統合制御装置83に送信する構成も考えられる。
S125の処理、又はS100、S105の否定判定(S100:no、S105:no)に続いては、第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定する(S130)。否定判定なら(S130:no)S160に進み、肯定判定なら(S130:yes)、主制御装置80に格納されている第2保留記憶の数が上限数(=4個)未満か否か判定する(S135)。否定判定なら(S135:no)S160に進み、肯定判定であれば(S135:yes)、当否乱数等の各種乱数値(大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数1,2、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等)を抽出し、第2保留記憶として主制御装置80の保留記憶数に応じた記憶領域に格納し、第2保留記憶の数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S140)、S115と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S145)(第2先読判定手段)。
続いて、S145の判定結果に基づいて第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置83に送信し(S150)、S140で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S155)S160に進む。
S160では、普通図柄作動スイッチ17aが遊技球を検出したか否か判定し(S160)、否定判定なら(S160:no)、リターンに抜ける。S160が肯定判定なら(S160:yes)、主制御装置80に格納されている普図保留記憶数が上限数(=4個)未満か否か判定する(S170)。否定判定なら(S170:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S170:yes)、抽出した当り判定用乱数、当り図柄決定用乱数、普図変動パターン決定用乱数を普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S175)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S180)、リターンする。
サブ統合制御装置83は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する各保留記憶数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。また、本実施例では、演出図柄表示装置6上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、時短状態時の普通電動役物16の開放や、普図の変動時間を示唆する(大当りストックの優位度を示唆する)普図先読予告演出の実施が可能となる。
次に、図8,9,10を用いて、主制御装置80が実行する特図当否判定処理を説明する。本処理は、第1保留記憶と第2保留記憶の当否判定及び該当否判定の結果に応じた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示時間選択、確定図柄選択、大当り遊技の内容設定、大当り遊技終了後の遊技状態設定を行う処理となり、本発明の優先判定手段、大当り図柄決定手段を含む処理となる。
本処理を開始すると、条件装置が作動中、即ち大入賞口が作動中か否かを判定し(S500)、肯定判定なら(S500:yes)、リターンし、否定判定なら(S500:no)、第1又は第2特図が変動中か否かを判定し(S505)、変動中でなければ(505:no)、第1又は第2特図の確定図柄表示中であるか否か判定し(S510)、確定表示中でなければ(S510:no)、第2保留記憶が有るか否か判定し(S515)、否定判定なら(S515:no)、第1保留記憶が有るか否か判定し(S520)、否定判定なら(S520:no)リターンし、S515、又はS520が肯定判定なら(S515:yes,S520:yes)、S525に進む。このS515とS520の判定順序により、第2保留記憶の当否判定を優先して実施する。
S525では、時短フラグが0か否か判定し(S525)、否定判定、即ち、時短状態及び開放延長状態なら(S525:no)、時短状態中の処理を行うが、時短状態では、当否判定結果に応じて選択する変動パターンの選択テーブルが異なるだけとなり従来技術と何ら変わらないため、説明は割愛する。
S525が肯定判定、即ち、通常状態なら(S525:yes)、保留記憶のシフト処理を行う(S530)。これにより最も古い(保留記憶されてから最も時間が経過している)第1又は第2保留記憶を当否判定の対象とするとともに、該当する保留記憶を示す保留記憶カウンタから1を減算する。
続く、大当り判定用乱数比較処理では、特図当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、大当り判定用乱数の値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する(S535)。
続くS540では、S535の結果が大当り(大当り判定値と同一)であるか否か判定する。肯定判定なら(S540:yes)、図柄モード設定処理を行う(S545)。図柄モード設定処理では、判定対象となる第1又は第2保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態(通常状態、時短,開放延長状態)を決定する図柄モードを設定する。
続いて、設定した図柄モードの種類と大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S550)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当り遊技の種類を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から確定表示する大当り図柄を決定する処理となる(本発明の大当り図柄決定手段に相当)。
次にS545で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S555)。モードバッファは当否判定時に確定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ、時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容は記憶せず、具体的な遊技内容に対応した値を記憶する構成となっている。
次に、S545で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる第1大入賞口14の開放パターン設定処理を行い(S560)、当否判定の対象とした第1又は第2保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを選択する変動パターン選択処理を行う(S565)。
続いて、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信する(S570)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、第1又は第2特別図柄の大当り図柄及び変動パターンの情報に基づいた擬似図柄の演出変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S540が否定判定、即ちハズレなら(S540:no)、当否判定の対象が第2保留記憶か否か判定し(S580)、肯定判定なら(S580:yes)、S535の比較処理の結果が小当りか否か判定し(S585)、肯定判定なら(S585:yes)、小当り図柄決定用乱数に基づいて小当り図柄を選択し(S590)、続いて第2大入賞口91の開放パターン設定処理を行い(S560)、小当り図柄に対応する前述した変動パターン選択処理を行い(S565)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S570)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は、第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S580、又はS585が否定判定なら(S580:no、S585:no)、ハズレ図柄を選択し(S595)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S565)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S570)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
次に、S505が肯定判定、即ち、特別図柄の変動中であれば(S505:yes)、図9のフローチャートに進み、特別図柄の変動時間(S565で選択された変動パターンに基づく)が経過したか否か判定する(S600)。否定判定なら(S600:no)リターンし、肯定判断なら(S600:yes)、確定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御してS550,S590又はS595で選択した確定図柄を確定表示させる(S605)。確定コマンドを受信したサブ統合制御装置83は演出図柄制御装置82に予め選択されていた擬似図柄を確定表示させる指示信号を送信し、演出図柄制御装置82は、その信号に応じて演出図柄表示装置6を制御して擬似図柄を確定表示させる。これにより、第1又は第2特別図柄と擬似図柄の変動の開始と終了とが同じタイミングになる(同期する)。
S605に続いては、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10で確定表示させた第1又は第2特別図柄が大当り図柄か否か判定し(S610)、肯定判定なら(S610:yes)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S615)、時短フラグが1か否か判定し(S620)、肯定判定なら(S620:yes)、時短フラグに0をセットし(S625)、S625、又はS620の否定判定(S620:no)に続いては、条件装置作動開始処理(S630)と、役物連続作動装置作動開始処理(S635)とを行うことで大当り遊技を開始し、大当り開始演出指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S640)、大当りフラグに1をセットし(S643)、上記処理の結果に基づく遊技状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S645)リターンする。
一方、S610が否定判定、即ち、確定図柄が大当りでなければ(S610:no)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S650)、時短フラグが1か否か判定し(S655)、肯定判定なら(S655:yes)、時短カウンタからデクリメントし(S660)、時短カウンタが0か否か判定し(S665)、肯定判定なら(S665:yes)、時短フラグに0をセットする(S670)。S655からS670によって、特別図柄が当否判定に応じたハズレ確定表示を行うごとに、時短(開放延長)状態を規制する時短カウンタが計数され、これらのカウンタが所定値に至ることで遊技状態が変化(時短(開放延長)状態が終了し通常状態(通常開放状態)に移行)する。
続いて、S670、又はS655,S665が否定判定なら(S655:no,S665:no)、判定対象が第2特図か否か判定し(S675)、肯定判定なら(S675:yes)、確定表示された特別図柄が小当り図柄か否かを判定し(S680)、肯定判定なら(S680:yes)、小当り遊技設定処理を行い(S685)、サブ統合制御装置83に小当り開始演出指示コマンドを送信し(S690)、小当りフラグに1をセットする(S695)。S695、又はS675、S680の否定判定(S675:no、S680:no)に続いては、上述したS645に進みリターンする。
図8に戻り、S510が肯定判定、即ち、確定図柄の表示中なら(S510:yes)、図10のフローチャートに進み、確定図柄表示時間が経過したか否か判定し(S700)、否定判定なら(S700:no)リターンし、肯定判定なら(S700:yes)、確定図柄表示終了処理(S705)を行い、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置83に疑似図柄の確定表示を終了させる指示を行う。
次に、図11から図17を用いて、主制御装置80が実行する特別遊技処理(第1大入賞口14と第2大入賞口91とを制御)を説明する。本処理を開始すると、大当りフラグの値が0か否か判定する(S800)。肯定判定なら(S800:yes)、小当りフラグの値が0か否か判定する(S805)。肯定判定なら(S805:yes)リターンし、否定判定、即ち小当り遊技中なら(S805:no)、図12のS850に進む。
S850では、小当り開始インターバル中であるか否か判定し(S850)、否定判定なら(S850:no)、第2大入賞口91が開放中か否か判定し(S855)、否定判定なら(S855:no)、特定領域94が有効か(遊技球を検出すると役物連続作動装置が作動する期間か)否か判定し(S860)、否定判定なら(S860:no)、小当り終了演出中か否か判定し(S865)、肯定判定なら(S865:yes)、小当り終了演出終了時間が経過したか否か判定し(S870)、否定判定なら(S870:no)リターンし、肯定判定なら(S870:yes)、条件装置の作動終了処理を行って小当りフラグに0をセットし(S875)リターンする。S865が否定判定なら(S865:no)、小当り開始インターバル開始処理を行ない(S895)、サブ統合制御装置83へ小当り開始コマンドを送信し、リターンする。
S850が肯定判定なら(S850:yes)、小当り開始インターバル時間が終了した否か判定する(S880)。肯定判定なら(S880:yes)、第2大入賞口91開放処理を行い(S885)、特定領域94の有効化処理を行う(S890)。S890の処理後又はS880が否定判定なら(S880:no)、リターンする。
S855が肯定判定、即ち第2大入賞口91が開放中なら(S855:yes)、図13のS900に進み、第2大入賞口91への入賞数が10個未満か否か判定し(S900)、肯定判定なら(S900:yes)、第2大入賞口91の開放時間が終了したか否か判定する(S905)。S905が肯定判定(S905:yes)、又はS900が否定判定なら(S900:no)、第2大入賞口91の閉鎖処理を行い(S910)、リターンする。
S905が否定判定、又は図12のS860が肯定判定なら(S905:no、S860:yes)、図14のS950に進み、特定領域スイッチ94aが遊技球を検出したか否か判定する(S950)。否定判定なら(S950:no)、特定領域有効化期間が終了したか否か判定し(S1015)、肯定判定なら(S1015:yes)、小当り終了演出処理を行う(S1020)。この小当り終了演出処理では、サブ統合制御装置83へ小当り終了コマンドを送信する。小当り終了コマンドを受信したサブ統合制御装置83側では演出図柄制御装置82の制御により演出図柄表示装置6に演出(役物大当りが生起せずに小当り遊技が終了したことを報知する内容)が表示される。
S950が肯定判定、即ち、遊技球が特定領域94に入球したなら(S950:yes)、役物連続作動装置の作動開始処理を行い(S955)、第2大入賞口91が開放中か否か判定し(S960)、肯定判定なら(S960:yes)、第2大入賞口91閉鎖処理を行う(S965)。
S965の後、又はS960が否定判定なら(S960:no)、小当り図柄を参照し(S970)、参照した図柄の種類に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定し(S975)、設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理(S555と共通内容)を行い(S980)、S975で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる第1大入賞口14の開放パターン設定処理を行い(S985)、特定領域無効化処理を行い(S990)、大当り開始演出指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S1000)、大当りフラグに1をセットし(S1005)、役物大当り(特別遊技)に移行する。S1005、S1020、又はS1015の否定判定(S1015:no)に続いては、小当りフラグに0をセットし(S1010)リターンする。ここまでが小当り遊技に係る処理構成となる。
図11のフローチャートに戻り、S800が否定判定、即ち、大当りフラグが立っていれば(S800:no)、図15のフローチャートに進み、第1大入賞口14が開放中か否か判定し(S1050)、否定判定なら(S1050:no)、開放間インターバル中か否か判定する(S1055)。否定判定なら(S1055:no)、大当り終了演出中か否か判定し(S1060)、否定判定なら(S1060:no)、大当り開始演出中か否か判定し(S1065)、肯定判定なら(S1065:yes)、大当り開始演出時間が経過したか否か判定し(S1070)、否定判定なら(S1070:no)リターンし、肯定判定なら(S1070:yes)、第1大入賞口14の開放処理を行い(S1075)リターンする。
S1055が肯定判定、即ち開放間インターバル中なら(S1055:yes)、インターバル時間が終了したか否か判定し(S1085)、否定判定なら(S1085:no)リターンし、肯定判定なら(S1085:yes)、第1大入賞口14の開放処理を行い(S1090)リターンする。S1065が否定判定なら(S1065:no)、大当り開始演出処理を行ないサブ統合制御装置83へ大当り開始コマンドを送信し(S1080)リターンする。
S1050が肯定判定なら(S1050:yes)、図16のフローチャートに進み、第1大入賞口14への入賞が規定数である10個を満たしたか否か判定し(S1100)、否定判定なら(S1100:no)、第1大入賞口14の開放時間が終了したか否か判定する(S1105)。否定判定なら(S1105:no)リターンし、肯定判定なら(S1105:yes)又はS1100が肯定判定なら(S1100:no)、第1大入賞口14の閉鎖処理を行い(S1110)、大当り遊技の最終ラウンドが終了したか否か判定する(S1115)。肯定判定なら(S1115:yes)、大当り終了演出処理を行い(S1120)リターンし、否定判定なら(S1115:no)、開放間インターバル処理を行ない(S1125)、リターンする。
大当り終了演出処理(S1120)ではサブ統合制御装置83へ大当り終了コマンドを送信し、開放間インターバル処理(S1125)では、同様にインターバルコマンドをサブ統合制御装置83に送信する。大当り終了コマンド又はインターバルコマンドを受信したサブ統合制御装置83側では演出図柄制御装置82の制御により演出図柄表示装置6に演出が表示される。
図15に戻り、S1060が肯定判定なら、即ち大当り終了演出中であれば(S1060:yes)、図17のフローチャートに進み、大当り終了演出の終了時間か否か判定し(S1150)、否定判定なら(S1150:no)リターンし、肯定判定なら(S1150:yes)、役物連続作動装置停止処理(S1155)、条件装置作動停止処理(S1160)を行い、設定されているモードバッファを参照し(S1165)、参照したモードバッファの内容に基づいて時短フラグと時短カウンタを設定し(S1170、S1175)、モードバッファをクリアし(S1180)、終了コマンドと、大当り遊技終了後の遊技状態を指示する状態指定コマンドとをサブ統合制御装置83に送信し(S1185、S1190)、大当りフラグに0をセットして(S1195)リターンする。
次に、図18に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する保留数指示コマンド受信処理を説明する。本処理を開始すると、保留数指示コマンドを受信したか否か判定する(S1200)。否定判定なら(S1200:no)リターンし、肯定判定なら(S1200:yes)、サブ統合制御装置83が備える第1保留数カウンタ又は第2保留カウンタに受信した保留数指示コマンドの種類に応じて+1し(S1205)、演出図柄制御装置82に保留数表示信号を送信し(S1210)、リターンする。保留数カウンタの値は、後述する変動指示コマンド受信処理において変動指示コマンドを受信するごとにデクリメントされる。これにより、絶えず主制御装置80が記憶する保留記憶の数と同一数が管理される。
次に、図19に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する先読判定コマンド受信処理を説明する。本処理は、主制御装置80からS120の処理に基づく第1先読判定コマンドの受信、又はS150の処理に基づく第2先読判定コマンドの受信に応じて、演出図柄表示装置6に表示する演出態様(先読演出用の保留図柄)を選択し、演出図柄制御装置82に表示制御を指示する処理となる。演出表示態様については図を用いて後述する。
本処理を開始すると、先読判定コマンドを受信したか否か判定し(S1250)、否定判定なら(S1200:no)リターンし、肯定判定なら(S1250:yes)振分乱数を抽出し(S1255)、受信した先読判定コマンドの内容(大当り、大当り図柄、スーパーリーチ、リーチ、ハズレ)と抽出した振分乱数に基づいて、該内容と該値との組合せがサブ統合制御装置83が備える先読演出実行判定テーブルの実効値か否か比較して演出態様を選択する演出態様選択処理を行い(S1260)、S1260の比較結果より先読演出を実施するか否か判定し(S1265)、否定判定なら(S1265:no)リターンし、肯定判定なら(S1265:yes)、S1260で選択した先読演出態様を演出図柄表示装置6に表示する指示信号を演出図柄制御装置82に送信して(S1270)リターンする。同様に、普図先読判定を用いて普図先読演出を実施する構成としてもよい。
次に、図20に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する変動指示コマンド受信処理を説明する。本処理は、主制御装置80からS570の処理に基づく変動指示コマンドを受信したことに応じて、演出図柄表示装置6に表示する演出態様を選択し、演出図柄制御装置82に表示制御を指示する処理となる。
本処理を開始すると、変動指示コマンドを受信したか否か判定する(S1300)。否定判定なら(S1300:no)リターンし、肯定判定なら(S1300:yes)、振分乱数を抽出し(S1305)、サブ統合制御装置83が備える保留球数カウンタから−1すると共に、受信した変動指示コマンドとS1305で抽出した振分乱数の値に基づいて、サブ統合制御装置83が複数備える演出変動態様の中から、演出図柄表示装置6に表示する演出変動態様を選択し(S1310)、選択した演出変動態様の表示を開始する指示信号を演出図柄制御装置82に送信して(S1315)リターンする。
次に、図21から24を用いて、演出図柄表示装置6に表示する表示例を説明する。図21(1)は、通常状態における特別図柄変動時の演出図柄表示装置6画面の基本構成となり、画面中央に擬似図柄表示領域が配置され、画面下部左に第1保留記憶数表示領域、画面上部右に期待度示唆キャラクタ(熊の達吉)が配置されている。通常時の擬似図柄表示領域には、第1特図に対応した擬似図柄が表示され、左中右の擬似図柄が第1特図の変動時間に応じて演出変動態様を表示する。第1保留記憶数表示領域には第1保留記憶を表す第1保留図柄が最高4個まで表示される。
図21(2)は、通常時に実施する第1保留図柄の表示態様を変化させる第1先読演出(本発明の第1先読演出に相当)の表示例となる。本実施例のパチンコ遊技機が通常状態で実施する第1先読演出では、サブ統合制御装置83が受信した第1先読判定コマンドの内容と振分乱数とに基づいて、表示例で示すように第1保留図柄の表示態様を第1先読図柄1から4に変化させる。第1先読図柄1は第1保留記憶の大当り期待度、第1先読図柄2は大当り及び時短(ストックタイム)付与確定を示唆、第1先読図柄3は時短(ストックタイム)中の普通図柄の変動秒数が1秒であることを示唆、第1先読図柄4は時短(ストックタイム)中の普通図柄の変動秒数が3秒であることを示唆する。これら先読み図柄をステップアップ(表示位置が移動する毎に期待度の高い図柄にステップアップさせる)で移行させて表示していく構成も考えられ、一度第1先読図柄が出現すると、次回の変動を開始する毎に遊技者の期待度を煽ることができる。
図22(3)は大当り時の表示例となり、図22(4)は、通常状態で初当りした場合の大当り遊技終了後から時短突入時を示す表示例となる。この場合の時短は、第1特図の1回の変動中に第2保留記憶(ほぼ役物大当りに繋がる)をより多く貯めることを目的とする遊技期間となるため、「ストックタイムスタート!」と表示することで遊技者に遊技内容を感覚的によりわかり易くして示している。
図22(5)は、時短中(ストックタイム中)の表示例となる。時短中は、擬似図柄表示領域に表示される擬似図柄が普通図柄に対応したものとなり、画面上に時短状態の残り時間(第1特図の変動が終了するまでの時間)を表示する。
図23(6)は、時短中(ストックタイム中)に普図が当選し、作動した普通電動役物16への1個の遊技球の入球により第2保留記憶が発生した場合の表示例となる。普図が当選し遊技球が普電に入賞して第2保留記憶が発生した時点でほぼ小当りが確定し(小当りでない場合は大当りとなる)、小当り遊技からは確実に役物大当りとなるため、第2保留図柄が「大当りストック図柄」となる。本実施例では、Vを丸で囲んだ「大当りストック図柄」を画面右端の第2保留図柄表示領域に表示することで大当りがストックされたことを報知する。また、ストックタイムの残り時間表示に加え、画面下部左が普図保留図柄表示領域となり、ストックタイム中のみ普図保留記憶の数に対応した普図保留図柄が表示される。
図23(7)は、時短中(ストックタイム中)に第2保留記憶が上限数に達した場合の表示例となる。第2保留記憶の記憶数の上限は4個であるため、ストックタイム中の最高ストック数は4となるが、大当り遊技終了後に第1特図が1回変動する時短状態では、該第1特図の1回の変動時間、及び普図の平均変動時間によって時短状態における平均ストック数の設定を設計することができる。なお、第2特図の保留記憶可能数がそのままストック可能数となるため、目指す遊技性に応じて第2特図の保留記憶可能数を変更すればよい。
図24(8)(9)は、時短中(ストックタイム中)に表示される第2保留図柄の表示態様を変化させる第2先読演出(本発明の第2先読演出に相当)の表示例となる。時短中(ストックタイム中)に発生する第2保留記憶は当該保留記憶が発生した時点でほぼ役物大当りの生起が確定するため、一番新しい第2保留記憶の情報のみが大当り遊技終了後の遊技状態に関係する。従って、当該最後の第2保留記憶のみが先読演出(第2先読演出)を実施する対象となる。
図24(8)の図は、ストックタイム中に2個の第2保留記憶が記憶されたことにより、最後の2個目の第2保留図柄の表示態様が第2先読図柄1に変化し第2先読演出を実施している状態となる。なお、2個目の第2保留記憶が記憶される前は、1個目の第2保留図柄が第2先読演出を実施していたが、2個目の第2保留記憶が記憶された時点で1個目の第2保留図柄は通常の第2保留図柄の態様に戻っている。これは、1個目の保留図柄がどの図柄であろうと大当り遊技後に第2特図が変動開始することが決定しており、1変動で大当り遊技(大当り図柄による図柄大当りと役物大当りを含む)が発生することが確定しているため、ストックタイムは行なわれず、普図の平均変動時間を示唆しても意味を成さないためである。
また、(8)の図例では2個目の第2保留図柄による第2先読演出が、役物大当り後のストックタイム中の普図の平均変動時間が10秒となることを示唆しており、このままストックタイムが終了してしまうと次のストックタイムが不利となってしまうので、3個目の第2保留記憶の獲得(普図の当選)を強く目指すことになる。
図24(9)の図は、ストックタイム中のストック数(第2保留記憶数)が上限(MAX)になった状態を示し、この場合、最後4個目の第2保留記憶以上に第2保留記憶は増加しないため4個目の第2保留図柄の位置に表示された第2先読図柄2が示唆する1秒が、次回のストックタイム中の普図の平均変動時間として確定する。(9)の図例では4個目が第2先読図柄2として1秒を示唆したが、1から3個目で最も有利なストックタイム中の普図の変動時間1秒を示唆した場合は、その時点でさらに第2保留記憶を記憶する余地があっても、遊技球の発射をストックタイムが終了するまで中断することで次回のストックタイム中の普図の変動秒数1秒を確保するという遊技性も備えることになる。
図24(10)の図は、ストックタイム中に普図保留図柄の表示態様を変化させることで実施する普図先読演出を行った場合の表示例となる。具体的には、ストックタイム中に表示する普図保留図柄の表示態様を変化させることで普図先読演出を実施し、図例で示すように普図先読図柄1は、当該普図保留記憶が10秒変動してからハズレることを示唆し、普図先読図柄2は、当該普図保留記憶が当りであることを示唆し、普図先読図柄3は、当該普図保留記憶が1秒変動してからハズレることを示唆し、普図先読図柄4は、当該普図保留記憶が5秒変動してか当ることを示唆する。
ストックタイム中(時短中)に普図保留記憶が発生した場合に、当該普図保留記憶の当否だけでなく残りのストックタイム時間に関わる変動時間も先読演出として示唆する構成となっている。この構成により、例えば、当りを示唆されてもストックタイム中に変動できない場合もあるため、無事にストックタイム中に消化できるかどうかを計算しながら遊技を進めることができる。