JP2018153152A - 有機化合物生産システム、並びに、有機化合物の生産方法 - Google Patents

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加奈 福西
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昌弘 古谷
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Kazufumi Kawabata
一史 川端
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Abstract

【課題】微生物発酵による有機化合物の生産において、培養中に生成する酢酸を再利用し、酢酸含有排液を低減するとともに有機化合物を効率よく生産する技術を提供する。【解決手段】有機化合物生産システム1は第一の有機化合物と第二の有機化合物を生産するものであり、第一発酵部15を有する第一有機化合物生産部3と、第二発酵部16を有する第二有機化合物生産部5とを備える。第一発酵部15は、一酸化炭素又は二酸化炭素から第一の有機化合物を生成させる偏性嫌気性酢酸生成微生物を含む。第二発酵部16は、酢酸から第二の有機化合物を生成させる酢酸資化性微生物を含む。第一有機化合物生産部3から排出された酢酸含有排液又は当該酢酸含有排液の処理物が、第二発酵部16に供給され、第二発酵部16内の酢酸資化性微生物の炭素源として利用される。【選択図】図1

Description

本発明は有機化合物生産システム、並びに、有機化合物の生産方法に関する。本発明は、微生物発酵による有機化合物生産において、培養中に排出された酢酸を再利用するものである。
合成ガス(Synthesis gas, Syngas)は、廃棄物、天然ガス、及び石炭から高温・高圧下で金属触媒の作用によって効率よく得られる、一酸化炭素、二酸化炭素、及び水素を主成分とする混合ガスである。一酸化炭素、二酸化炭素、及び水素を含む合成ガスは、廃棄物由来の合成ガスや工場排ガス、天然ガス、または石炭由来の合成ガスとして、ほぼ永久的に生産されており、かつ利用可能である。このことから、合成ガス資化能を有する微生物を利用した、恒久的な物質生産法の確立が期待されている。
例えば特許文献1には、合成ガスからイソプレンを生産可能な組換え細胞、並びに、合成ガスを用いて当該組換え細胞を培養してイソプレンを生産する方法が開示されている。当該組換え細胞としては、Clostridium属細菌等の偏性嫌気性微生物が例示されている。
一般に、微生物を利用した物質生産においては、培養系から排出される廃棄物を低減したいという要望がある。この際、当該廃棄物を再利用して低減することが特に好ましい。特許文献2には、微生物発酵によって合成ガスからエタノール等の有機物質(有機化合物)を連続的に生産するにあたり、発酵器から排出される二酸化炭素を回収して再利用できる有機物質の製造装置が開示されている。この技術によれば、排出ガスに含まれる二酸化炭素を再利用することで、有機物質を生産する際に排出される二酸化炭素量を低減することができる。ただし、この技術は培養排液中の炭素源を再利用するものではない。
特許文献3には、培養排液中の有機物を除去し、培養液として再利用する方法が記載されている。しかしこの技術では、有機物分解槽において、新たに硝酸アニオンを添加し続けなければならず、煩雑でコストがかかってしまう。さらに、排液中の非目的有機物は分解、排出されるため、未利用炭素源が多く発生してしまう。すなわち、この技術は炭素源を再利用するものではない。
国際公開第2014/065271号 国際公開第2016/017572号 米国特許出願公開第2016/0010122号明細書
微生物発酵により合成ガスからエタノールなどの有機化合物生産を連続的に行う際には、微生物が、目的の有機化合物の他に不純物として様々な非目的有機物を生産し、培養液中に蓄積される。そして、これらの不純物の中には、一定濃度以上蓄積されると、微生物の合成ガス代謝経路の抑制効果を持つものが存在することが広く知られている。特に、酢酸等の酸性物質の過剰な蓄積は、培養液中のpHの低下を引き起こし、微生物を死滅させてしまう。これを回避するために、合成ガスを用いた微生物発酵の際には、例えば、新たな培養液やpH調製用のアルカリ溶液等を絶えず供給するとともに、余剰の培養液を排出する必要がある。ここで、排出される培養液や目的有機物精製後の排液には、多くの栄養源や非目的有機物が残されているが、これらは未利用のまま廃棄されるため、余剰な排液処理負担が発生している。
上記現状に鑑み、本発明は、微生物発酵による有機化合物の生産において、培養中に生成する酢酸を再利用し、酢酸含有排液を低減するとともに有機化合物を効率よく生産する技術を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するための本発明の1つの様相は、第一の有機化合物と第二の有機化合物を生産するための有機化合物生産システムであって、微生物に前記第一の有機化合物を生成させる第一発酵部を有する第一有機化合物生産部と、微生物に前記第二の有機化合物を生成させる第二発酵部を有する第二有機化合物生産部とを備え、前記第一発酵部は、一酸化炭素又は二酸化炭素から前記第一の有機化合物を生成させる偏性嫌気性酢酸生成微生物を含み、前記第二発酵部は、酢酸から前記第二の有機化合物を生成させる酢酸資化性微生物を含み、前記第一有機化合物生産部から排出された酢酸含有排液又は当該酢酸含有排液の処理物を、前記第二発酵部に供給可能であることを特徴とする有機化合物生産システムである。
本様相は第一の有機化合物と第二の有機化合物を生産するための有機化合物生産システムに係るものである。本様相のシステムは、第一有機化合物生産部と第二有機化合物生産部とを備えている。ここで、第一有機化合物生産部は、第一の有機化合物を生成させる第一発酵部を有しており、かつ当該第一発酵部が、第一の有機化合物を生成させる偏性嫌気性酢酸生成微生物を含んでいる。また第二有機化合物生産部は、第二の有機化合物を生成させる第二発酵部を有しており、かつ当該第二発酵部が、酢酸から前記第二の有機化合物を生成させる酢酸資化性微生物を含んでいる。そして、本様相のシステムでは、第一有機化合物生産部から排出された酢酸含有排液又は当該酢酸含有排液の処理物を、第二発酵部に供給可能である。
本様相によれば、第一発酵部で偏性嫌気性酢酸生成微生物を培養した際に生じる酢酸含有排液又はその処理物を第二発酵部に供給できるので、第二発酵部の酢酸資化性微生物が当該酢酸を炭素源として利用することができる。そのため、培養系から排出される酢酸含有排液を低減できるとともに、廃棄物である酢酸を有効利用でき、かつ2種の有機化合物を並行して生産することができる。
好ましくは、前記酢酸含有排液に所定の処理を行い、当該処理物を前記第二発酵部に供給する第一処理部をさらに備えている。
好ましくは、前記第二有機化合物生産部から排出される排水又は当該排水の処理物を、前記第一発酵部に供給可能である。
かかる構成により、酢酸含有排液に加えて、第二有機化合物生産部から排出される排水も低減することができる。
好ましくは、前記第二有機化合物生産部から排出される排水に所定の処理を行い、当該処理物を前記第一発酵部に供給する第二処理部をさらに備えている。
好ましくは、前記第一発酵部から排出される排ガス又は当該排ガスの処理物を、前記第二発酵部に供給可能である。
かかる構成により、酢酸含有排液に加えて、第一発酵部から排出される排ガスも再利用かつ低減することができる。
好ましくは、前記偏性嫌気性酢酸生成微生物が利用可能な成分を含有する第一の培地を前記第一発酵部に供給する第一供給部をさらに備えている。
好ましくは、前記酢酸資化性微生物が利用可能な成分を含有する第二の培地を前記第二発酵部に供給する第二供給部をさらに備えている。
好ましくは、前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、組換え体である。
好ましくは、前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、一酸化炭素脱水素酵素を有するものである。
好ましくは、前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有するものである。
好ましくは、前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、細菌である。
好ましくは、前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、Clostridium属細菌又はMoorella属細菌である。
好ましくは、前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、Clostridium ljungdahliiである。
好ましくは、前記酢酸資化性微生物は、酵母、糸状菌、細菌、アーキア、又は藻類である。
好ましくは、前記第一の有機化合物は、アルコール、イソプレン、又はテルペンである。
好ましくは、前記第二の有機化合物は、アミノ酸、有機酸、ビタミン、オリゴ糖、多糖、テルペン、ビフェノール、若しくはポリフェノール、又はこれらの誘導体である。
本発明の他の様相は、第一の有機化合物と第二の有機化合物を生産する有機化合物の生産方法であって、偏性嫌気性酢酸生成微生物に、一酸化炭素又は二酸化炭素から前記第一の有機化合物を生成させる第一工程と、酢酸資化性微生物に、酢酸から前記第二の有機化合物を生成させる第二工程と、第一工程で生じた酢酸含有排液又は当該酢酸含有排液の処理物を、第二工程における前記酢酸資化性微生物に供する第三工程と、を包含することを特徴とする有機化合物の生産方法である。
本様相は、第一の有機化合物と第二の有機化合物を生産する有機化合物の生産方法に係るものである。本様相の方法は、第一工程、第二工程、第三工程の少なくとも3つの工程を包含する。第一工程では、偏性嫌気性酢酸生成微生物に、一酸化炭素又は二酸化炭素から第一の有機化合物を生成させる。第二工程では、酢酸資化性微生物に、酢酸から第二の有機化合物を生成させる。第三工程では、第一工程で生じた酢酸含有排液又は当該酢酸含有排液の処理物を、第二工程における酢酸資化性微生物に供する。
本様相によれば、第一工程で生じた酢酸含有排液又は当該酢酸含有排液の処理物を第二工程に供するので、第二工程において酢酸資化性微生物が当該酢酸を炭素源として利用することができる。そのため、培養系から排出される酢酸含有排液を低減できるとともに、廃棄物である酢酸を有効利用でき、かつ2種の有機化合物を同時に生産することができる。
本様相において、第一工程、第二工程、第三工程の実施順序は任意である。複数の工程を並行して行ってもよい。
好ましくは、上記の有機化合物生産システムを用いるものであり、第一工程を前記第一発酵部で行い、第二工程を前記第二発酵部で行う。
好ましくは、第二工程で生じた排水又は当該排水の処理物を、第一工程における前記偏性嫌気性酢酸生成微生物に供する第四工程をさらに包含する。
かかる構成により、酢酸含有排液に加えて、第二工程で生じた排水を低減することができる。
好ましくは、第一工程で生じた排ガス又は当該排ガスの処理物を、第二工程における前記酢酸資化性微生物に供する第五工程をさらに包含する。
かかる構成により、酢酸含有排液に加えて、第一工程で生じた排ガスも再利用かつ低減することができる。
本発明の他の様相は、第一の有機化合物と第二の有機化合物を生産する有機化合物の生産方法であって、偏性嫌気性酢酸生成微生物と酢酸資化性微生物とを共存させ、前記偏性嫌気性酢酸生成微生物に、一酸化炭素又は二酸化炭素から前記第一の有機化合物を生成させ、前記酢酸資化性微生物に、酢酸から前記第二の有機化合物を生成させ、前記偏性嫌気性酢酸生成微生物が排出した酢酸を前記酢酸資化性微生物に資化させることを特徴とする有機化合物の生産方法である。
本様相も、第一の有機化合物と第二の有機化合物を生産する有機化合物の生産方法に係るものである。本様相では、偏性嫌気性酢酸生成微生物と酢酸資化性微生物とを共存させ、偏性嫌気性酢酸生成微生物に一酸化炭素又は二酸化炭素から第一の有機化合物を生成させ、酢酸資化性微生物に酢酸から第二の有機化合物を生成させる。そして本様相では、偏性嫌気性酢酸生成微生物が排出した酢酸を酢酸資化性微生物に資化させる。
本様相によっても、培養系から排出される酢酸含有排液を低減できるとともに、廃棄物である酢酸を有効利用でき、かつ2種の有機化合物を同時に生産することができる。さらに、本様相では偏性嫌気性酢酸生成微生物と酢酸資化性微生物とを共存させるので、1つの培養槽で2種の有機化合物の生産を実施することができる。
好ましくは、前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、組換え体である。
好ましくは、前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、一酸化炭素脱水素酵素を有するものである。
好ましくは、前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有するものである。
好ましくは、前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、細菌である。
好ましくは、前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、Clostridium属細菌又はMoorella属細菌である。
好ましくは、前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、Clostridium ljungdahliiである。
好ましくは、前記酢酸資化性微生物は、酵母、糸状菌、細菌、アーキア、又は藻類である。
好ましくは、前記第一の有機化合物は、アルコール、イソプレン、又はテルペンである。
好ましくは、前記第二の有機化合物は、アミノ酸、有機酸、ビタミン、オリゴ糖、多糖、テルペン、ビフェノール、若しくはポリフェノール、又はこれらの誘導体である。
本発明によれば、合成ガスを利用した微生物発酵による有機化合物生産において、培養系から排出される酢酸含有排液を再利用かつ低減することができる。
本発明の第一実施形態に係る有機化合物生産システムの構成を表す説明図である。 本発明の第二実施形態に係る有機化合物生産システムの構成を表す説明図である。 本発明の有機化合物の生産方法を実施可能な有機化合物生産システムの構成を表す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について具体的に説明する。
図1に示す本発明の第一実施形態に係る有機化合物生産システム1は、第一の有機化合物と第二の有機化合物を生産可能なものである。有機化合物生産システム1は、合成ガス生成部2、第一生産部(第一有機化合物生産部)3、第二生産部(第二有機化合物生産部)5、第一処理部6、第二処理部7、第一供給部10、及び第二供給部11を備えている。第一生産部3は、第一発酵部15と第一回収部16を有している。第二生産部5は、第二発酵部17と第二回収部18を有している。
合成ガス生成部2は、有機物を含む廃棄物から合成ガスを生成させるものである。合成ガス生成部2は、例えば焼却炉を含む装置で構成することができる。例えば、プラスチックや樹脂等を含む廃棄物を焼却炉で部分酸化し、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む合成ガスを生成することができる。
合成ガス生成部2は、合成ガス供給ライン28を介して、第一生産部3の第一発酵部15に接続されている。そのため、合成ガス生成部2で生成した合成ガスを、第一発酵部15に供給可能である。
第一生産部(第一有機化合物生産部)3は、第一の有機化合物を生産するものである。第一生産部3は、第一発酵部15と第一回収部16を有する。
第一発酵部15は偏性嫌気性酢酸生成微生物を含んでおり、第一発酵部15内で当該微生物を培養可能である。第一発酵部15は、例えば培養タンクで構成することができる。
第一回収部16は、第一発酵部15で偏性嫌気性酢酸生成微生物が生産した第一の有機化合物を分離、精製、及び回収するものである。第一回収部16は第一発酵部15に接続されており、第一発酵部15内にある第一の有機化合物を含む培養液等を第一回収部16に移送可能である。第一回収部16で回収された第一の有機化合物は、第一生産物回収ライン27から取り出される。
第一発酵部15に含まれる偏性嫌気性酢酸生成微生物は、一酸化炭素又は二酸化炭素を資化し、第一の有機化合物を生産するものである。偏性嫌気性酢酸生成微生物と第一の有機化合物の詳細については後述する。
第二生産部(第二有機化合物生産部)5は、第二の有機化合物を生産するものである。第二生産部5は、第二発酵部17と第二回収部18を有する。
第二発酵部17は酢酸資化性微生物を含んでおり、第二発酵部17内で当該微生物を培養可能である。第二発酵部17は、例えば培養タンクで構成することができる。
第二回収部18は、第二発酵部17で酢酸資化性微生物が生産した第二の有機化合物を分離、精製、及び回収するものである。第二回収部18は第二発酵部17に接続されており、第二発酵部17内にある第二の有機化合物を含む培養液等を第二回収部18に移送可能である。第二回収部18で回収された第二の有機化合物は、第二生産物回収ライン29から取り出される。
第二発酵部17に含まれる酢酸資化性微生物は、酢酸を資化し、第二の有機化合物を生産するものである。酢酸資化性微生物と第二の有機化合物の詳細については後述する。
第一処理部6は、第一生産部3に接続されている。詳細には、第一処理部6は、酢酸含有排液移送ライン20aを介して第一発酵部15と接続されている。また第一処理部6は、酢酸含有排液移送ライン20bを介して第一回収部16に接続されている。そのため、第一発酵部15で生じた酢酸含有排液、及び第一回収部16で生じた酢酸含有排液を、第一処理部6に移送可能である。
また第一処理部6は、第一処理液移送ライン21を介して第二発酵部17に接続されている。そのため、第一処理部6で処理された酢酸含有排液(酢酸含有排液の処理物)を第二発酵部17に移送可能である。
第一処理部6は、例えば、ろ過、膜処理、濃縮、遠心分離、中和等の処理を行う装置で構成することができる。
第二処理部7は、第二生産部5に接続されている。詳細には、第二処理部7は、廃水移送ライン25を介して、第二生産部5の第二回収部18に接続されている。そのため、第二回収部18で生じた排水を、第二処理部7に移送可能である。
また第二処理部7は、第二処理液移送ライン26を介して第一発酵部15に接続されている。そのため、第二処理部7で処理された排水(排水の処理物)を第一発酵部15に移送可能である。
第二処理部7は、例えば、ろ過、膜処理、濃縮、遠心分離、中和等の処理を行う装置で構成することができる。
第一供給部10は、第一生産部3に接続されている。詳細には、第一供給部10は、第一培地供給ライン22を介して、第一生産部3の第一発酵部15に接続されている。そのため、第一供給部10内の新鮮培地等を、第一発酵部15に供給可能である。
第二供給部11は、第二生産部5に接続されている。詳細には、第二供給部11は、第二培地供給ライン23を介して、第二生産部5の第二発酵部17に接続されている。そのため、第二供給部11内の新鮮培地等を、第二発酵部17に供給可能である。
次に、有機化合物生産システム1を用いて第一の有機化合物と第二の有機化合物を生産する方法について説明する。
事前準備として、第一発酵部15に、第一の有機化合物を生成させる偏性嫌気性酢酸生成微生物と培地を導入し、当該偏性嫌気性酢酸生成微生物を培養可能な状態とする。同様に、第二発酵部17に、第二の有機化合物を生成させる酢酸資化性微生物と培地を導入し、当該酢酸資化性微生物を培養可能な状態とする。
さらに、第一供給部10に新鮮培地を仕込み、第一発酵部15に供給可能な状態とする。同様に、第二供給部11に新鮮培地を仕込み、第二発酵部17に供給可能な状態とする。
まず、合成ガス生成部2で、有機物を含む廃棄物から合成ガスを生成させる。そして、生成した合成ガスを第一発酵部15に供給する。
第一発酵部15にて、前記の供給された合成ガス(一酸化炭素と二酸化炭素を含んでいる)を炭素源として、偏性嫌気性酢酸生成微生物を培養する。これにより、第一発酵部15にて、目的物質である第一の有機化合物が生産される(第一工程)。第一工程では、第一の有機化合物が生産されるとともに、非目的物である酢酸が第一発酵部15に蓄積する。
一方、第二発酵部17にて酢酸資化性微生物を培養する。これにより、第二発酵部17にて、別の目的物質である第二の有機化合物が生産される(第二工程)。なお第二工程は、第一工程と同時に開始してもよいし、後述する第三工程を待って開始してもよい。
第一発酵部15で偏性嫌気性酢酸生成微生物の培養(第一工程)を継続しながら、その培養液の一部を第一回収部16に移送する。第一回収部16にて、目的物質である第一の有機化合物を分離、精製、及び回収する。
並行して、培養液の一部(酢酸含有排液)を第一処理部6に移送する。必要に応じて、第一回収部16から排出される酢酸含有排液も第一処理部6に移送する。第一処理部6にてろ過や膜分離等を行って酢酸含有排液を処理し、酢酸を含む処理液(第一処理液)を第二発酵部17に供給する(第三工程)。
さらに並行して、第一発酵部15から取り出された培養液を補うため、第一供給部10から同量の新鮮培地を第一発酵部15に供給する。
培養液の第一回収部16への移送、培養液の第一処理部6への移送、第一回収部16で生成した酢酸含有排液の第一処理部6への移送、酢酸を含む処理液(第一処理液)の第二発酵部17への供給、及び第一供給部10から第一発酵部15への新鮮培地の供給は、培養を行いながら同時に(連続的に)行うことができる(連続培養)。
一方、第二発酵部17では、供給された第一処理液に含まれる酢酸を利用して、酢酸資化性微生物の培養を継続する。すなわち第二工程を継続する。酢酸資化性微生物の培養を継続しながら、培養液の一部を第二回収部18に移送する。第二回収部18にて、目的物質である第二の有機化合物を分離、精製、及び回収する。
並行して、第二回収部18から排出される排水を第二処理部7に移送する。第二処理部7にてろ過や膜分離等を行って排水を処理し、処理液(第二処理液)を第一発酵部15に戻す(第四工程)。第二処理液には特別の成分(炭素源、栄養源等)が含まれているとは限らないが、培養系から排出される排水を再利用することで、系外に排出される廃棄物量を減らす効果がある。
さらに並行して、第二発酵部17から取り出された培養液を補うため、第二供給部11から同量の新鮮培地を第二発酵部17に供給する。
第二発酵部17への第一処理液の供給、培養液の第二回収部18への移送、第二回収部18で生成した排水の第二処理部7への移送、及び第二供給部11から第二発酵部17への新鮮培地の供給は、培養を行いながら同時に(連続的に)行うことができる(連続培養)。
以上のようにして、有機化合物生産システム1を用いて、第一の有機化合物と第二の有機化合物を連続的に生産することができる。
上記した第一実施形態では、第一発酵部15で生じた排ガス(例えば、資化されなかった合成ガス)については特に再利用していない。しかし、第一発酵部15で生じた排ガスを再利用する実施形態も可能である。
図2に示す第二実施形態に係る有機化合物生産システム31は、図1に示す有機化合物生産システム1と基本構成は共通しているが、排ガス移送ライン32をさらに備えている。詳細には、第一発酵部15と第二発酵部17とが排ガス移送ライン32を介して接続されている。そのため、第一発酵部15で生じた排ガスを、第二発酵部17に移送可能である。本実施形態によれば、第一発酵部15で生じた排ガスを第二発酵部17にて再利用できるとともに、系外に排出する排ガスの量を低減することができる。
本実施形態の有機化合物生産システム31を用いて第一の有機化合物と第二の有機化合物を生産する方法は、前述した第一実施形態に係る有機化合物生産システム1を用いる方法と基本的に同じである。ただし本実施形態では、第一発酵部15にて偏性嫌気性酢酸生成微生物の培養を継続しながら、さらに、排ガスを第二発酵部17に供給する(第五工程)。それにともない、第二発酵部17では、処理液(第一処理液)に含まれる酢酸に加えて、供給された排ガス(一酸化炭素と二酸化炭素を含んでいる)を炭素源として、酢酸資化性微生物を培養する。
本実施形態の有機化合物生産システム31では、排ガス移送ライン32に排ガス処理部(図示せず)をさらに設けてもよい。例えば、ろ過装置、膜分離装置等からなる排ガス処理部を設け、第一発酵部15から排出された排ガスを処理し、その処理物を第二発酵部17に供給してもよい。
有機化合物生産システム31(図2)の他の構成については、有機化合物生産システム1(図1)の構成と共通するので、詳しい説明を省略する。
上記した実施形態では、第一生産部3が第一発酵部15と第一回収部16を有しているが、第一の有機化合物を分離、精製、及び回収する機能を第一発酵部15に付加し、第一回収部16を省略してもよい。同様に、上記した実施形態では、第二生産部5が第二発酵部17と第二回収部18を有しているが、第二の有機化合物を分離、精製、及び回収する機能を第二発酵部17に付加し、第二回収部18を省略してもよい。
上記した実施形態では、第一処理部6と第二処理部7を有しているが、いずれか一方又は両方を省略してもよい。例えば、第一発酵部15又は第一回収部16から排出される酢酸含有排液を、第二発酵部に直接供給する構成としてもよい。同様に、第二回収部18から排出される排水を、第一発酵部に直接供給する構成としてもよい。
上記した有機化合物生産システム1,31は、第一生産部(第一有機化合物生産部)3と第二生産部(第二有機化合物生産部)5とを別々に有しているが、第一の有機化合物と第二の有機化合物の生産を1つの生産部で行うこともできる。
図3に示す有機化合物生産システム51は、合成ガス生成部52、有機化合物生産部53、処理部55、及び供給部56を備えている。有機化合物生産部53は、発酵部57と回収部58を有している。
合成ガス生成部52は、図1、2に示す合成ガス生成部2と同じ構成を有する。
合成ガス生成部52は、合成ガス供給ライン60を介して、有機化合物生産部53の発酵部57に接続されている。そのため、合成ガス生成部52で生成した合成ガスを、発酵部57に供給可能である。
有機化合物生産部53は、第一の有機化合物(偏性嫌気性酢酸生成微生物が生産する)と第二の有機化合物(酢酸資化性微生物が生産する)の両方を生産するものである。
有機化合物生産部53は、発酵部57と回収部58を有する。
発酵部57は、偏性嫌気性酢酸生成微生物と酢酸資化性微生物の両方を含んでいる。すなわち、発酵部57内でこれらの微生物が共存しており、共培養が可能である。発酵部57は、例えば培養タンクで構成することができる。
回収部58は、発酵部57で生産した第一の有機化合物及び第二の有機化合物を、分離、精製、及び回収するものである。回収部58は発酵部57に接続されており、発酵部57内にある第一の有機化合物と第二の有機化合物を含む培養液等を回収部58に移送可能である。
処理部55は、有機化合物生産部53に接続されている。詳細には、処理部55は、排水移送ライン61aを介して発酵部57に接続されている。また処理部55は、排水移送ライン61bを介して回収部58に接続されている。そのため、発酵部57で生じた排水を処理部55に移送可能である。
また処理部55は、処理液移送ライン62を介して発酵部57に接続されている。そのため、処理部55で処理された排水を発酵部57に移送可能である。
処理部55は、例えば、ろ過、膜処理、濃縮、遠心分離、中和等の処理を行う装置で構成することができる。
供給部56は、有機化合物生産部53に接続されている。詳細には、供給部56は、培地供給ライン63を介して、有機化合物生産部53の発酵部57に接続されている。そのため、供給部56内の新鮮培地等を、発酵部57に供給可能である。
有機化合物生産システム51を用いて第一の有機化合物と第二の有機化合物を生産する方法について説明する。
事前準備として、発酵部57に、共培養可能な偏性嫌気性酢酸生成微生物及び酢酸資化性微生物、並びに培地を導入し、これらの微生物を培養可能な状態とする。さらに、供給部56に新鮮培地を仕込み、発酵部57に供給可能な状態とする。
まず、合成ガス生成部52で、有機物を含む廃棄物から合成ガスを生成させる。そして、生成した合成ガスを発酵部57に供給する。
発酵部57にて、供給された前記合成ガス(一酸化炭素と二酸化炭素を含んでいる)を炭素源として、偏性嫌気性酢酸生成微生物を培養する。これにより、発酵部57にて、目的物質である第一の有機化合物が生産されるとともに、非目的物である酢酸が生成する。並行して、偏性嫌気性酢酸生成微生物が生成した酢酸を炭素源として資化させ、酢酸資化性微生物を培養する。すなわち、発酵部57にて偏性嫌気性酢酸生成微生物と酢酸資化性微生物を共培養する。これにより、発酵部57にて、別の目的物質である第二の有機化合物も生産される。すなわち、発酵部57にて第一の有機化合物と第二の有機化合物が同時又は連続して生産される。
偏性嫌気性酢酸生成微生物と酢酸資化性微生物の共培養を継続しながら、培養液の一部を回収部58に移送する。回収部58にて、目的物質である第一の有機化合物と第二の有機化合物を分離、精製、及び回収する。並行して、発酵部57及び回収部58から排出される排水を処理部55に移送する。処理部55にてろ過や膜分離等を行って排水を処理し、処理液を発酵部57に戻す。処理液には特別の成分(炭素源、栄養源等)が含まれているとは限らないが、培養系から排出される排水を再利用することで、系外に排出される廃棄物量を減らす効果がある。さらに並行して、発酵部57から取り出された培養液を補うため、供給部56から同量の新鮮培地を発酵部57に供給する。
培養液の回収部58への移送、発酵部57及び回収部58で生成した排水の処理部55への移送、及び供給部56から発酵部57への新鮮培地の供給は、培養を行いながら同時に(連続的に)行うことができる(連続培養)。
回収部58で回収された第一の有機化合物と第二の有機化合物は、生産物回収ライン65から取り出される。
以上のようにして、有機化合物生産システム51を用いて第一の有機化合物と第二の有機化合物を同時又は連続して生産することができる。
続いて、偏性嫌気性酢酸生成微生物、酢酸資化性微生物、第一の有機化合物、第二の有機化合物について説明する。
<偏性嫌気性酢酸生成微生物>
本発明で用いる偏性嫌気性酢酸生成微生物は、一酸化炭素又は二酸化炭素から第一の有機化合物を生成するものである。偏性嫌気性酢酸生成微生物は、第一の有機化合物の種類に応じて適宜選択することができる。偏性嫌気性とは、酸素存在下では実質的に生育できない性質を指し、絶対嫌気性と同義である。酢酸生成微生物(acetogen)とは、嫌気呼吸によって酢酸(acetate)を生成する微生物を指す。
本発明で用いる偏性嫌気性酢酸生成微生物は、一酸化炭素又は二酸化炭素を唯一の炭素源として増殖可能であることが好ましい。
また偏性嫌気性酢酸生成微生物は、一酸化炭素脱水素酵素を有するものであることが好ましい。詳細には、主に一酸化炭素代謝、すなわち一酸化炭素脱水素酵素の働きにより、一酸化炭素と水から二酸化炭素とプロトンを発生する機能によって生育する微生物が好ましい。
また偏性嫌気性酢酸生成微生物は、メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有することが好ましい。メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する経路は、例えば、還元型アセチルCoA経路(Wood-Ljungdahl pathway)とメタノール経路(Methanol pathway)に含まれている。
偏性嫌気性酢酸生成微生物は、アセチルCoA経路を保有し、かつ一酸化炭素耐性と合成ガス資化性を保有する微生物が好ましい。
本発明で用いる偏性嫌気性酢酸生成微生物は、細菌、例えばClostridium属細菌又はMoorella属細菌であることが好ましく、Clostridium ljungdahliiであることが特に好ましい。
本発明で用いる偏性嫌気性酢酸生成微生物の具体例としては、Clostridium ljungdahlii、Clostridium autoethanogenum、Clostridium carboxidivorans、Moorella thermoacetica(Clostridium thermoaceticumと同じ)(Pierce EG. Et al.,Environ. Microbiol.,2008,vol.10,p.2550−2573)、Acetobacterium woodii(Dilling S. et al.,Appl. Environ. Microbiol.,2007,vol.73(11),p.3630−3636)等のClostridium属細菌、Moorella属細菌、又はAcetobacterium属細菌が挙げられる。これらの4種の嫌気性微生物は、合成ガス資化性微生物の代表例として知られている。特に、Clostridium属細菌は、宿主−ベクター系や培養方法が確立しており、組換え体の宿主として用いる場合に好適である。
その他の例としては、Carboxydocella sporoducens sp. Nov.(Slepova TV. et al.,Inter. J. Sys. Evol. Microbiol.,2006,vol.56,p.797−800)、Rhodopseudomonas gelatinosa(Uffen RL, J. Bacteriol.,1983,vol.155(3),p.956−965)、Eubacterium limosum(Roh H. et al.,J. Bacteriol.,2011,vol.193(1),p.307−308)、Butyribacterium methylotrophicum(Lynd, LH. Et al.,J. Bacteriol.,1983,vol.153(3),p.1415−1423)等が挙げられる。
本発明で用いる偏性嫌気性酢酸生成微生物は組換え体であってもよい。例えば、前記特許文献1に記載されている合成ガスからイソプレンを生産可能な組換え体(組換え細胞)を、第一の有機化合物(この場合はイソプレン)を生産させる偏性嫌気性酢酸生成微生物として用いることができる。
偏性嫌気性酢酸生成微生物は、例えば、生育に必要な無機塩類等を含む培地を用い、炭素源となる一酸化炭素又は二酸化炭素(例えば合成ガス)を供給して培養することができる。好ましくは0.2〜0.3MPa(絶対圧)程度の加圧状態で培養することにより、ガス成分の資化性は高まる。さらには、初期増殖及び到達細胞密度を良好にするためには、ビタミン、酵母エキス、コーンスティープリカー、バクトトリプトン等の有機物を培地に少量加えてもよい。
<第一の有機化合物>
偏性嫌気性酢酸生成微生物に生産させる第一の有機化合物としては、炭化水素、アルコール、有機酸、脂肪酸、油脂、ケトン、バイオマス、糖、などが挙げられる。特に、エタノール、イソプレン、テルペンが好ましく採用される。
<酢酸資化性微生物>
本発明で用いる酢酸資化性微生物は、酢酸から第二の有機化合物を生成するものである。酢酸資化性微生物は、第二の有機化合物の種類に応じて適宜選択することができる。また本発明で用いる酢酸資化性微生物は、
(a)ピロホスファターゼ(PPase)及びAmpフォーミングアセチルCoA合成酵素(ACS)の触媒反応により、酢酸、ATP、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能、
(b)アセテートキナーゼ(ACKA)及びホスホトランスアセチラーゼ(PTA)の触媒反応により、酢酸、ATP及びCoAからアセチルCoAを合成する機能、
(c)未知の酵素の触媒反応により、酢酸からアセチルCoAを合成する機能、
のいずれか1つを有することが好ましい。
酢酸資化性微生物は、真核生物と原核生物のいずれであってもよく、例えば、酵母、糸状菌、細菌、アーキア、藻類、等から適宜選択できる。
真核生物(酵母、糸状菌等)では、Saccharomyces cerevisiae等のSaccharomyces属;Schizosaccharomyces pombe等のSchizosaccharomyces属;Endomyces属;Candida utilis、Candida mycoderma等のCandida属;Pichia polymorpha、Pichia membranaefaciens等のPichia属;Hansenula anomala等のHansenula属;Aspergillus oryzae等Aspergillus属、等に属する酢酸資化性微生物が代表例として挙げられる。
原核生物(細菌等)では、Escherichia coli等のEscherichia属;Bacillus subtilis等のBacillus属;Enterobacter aerogenes等のEnterobacter属;Pantoea ananatis等のPantoea属;Corynebacterium glutamicum等のCorynebacterium属;Methylobacterium extorquens等のMethylobacterium属、等に属する酢酸資化性微生物が代表例として挙げられる。
アーキアでは、Methanosarchina acetivorans、Methanosarchina barkeri、Methanosarchina mazei、Methanosarchina thermophila、Methanosarchina vacuolata等のMethanosarchina属;Methanosaeta concilii等のMethanosaeta属;Methanothrix thermophila等のMethanothrix属、等に属する酢酸資化性微生物が代表例として挙げられる。
藻類では、Chlorella pyrenoidosa等のChlorella属;Euglena ehrenberg等のEuglena属;Chlamydomonas reinhardtii等のChlamydomonas属、に属する酢酸資化性微生物が代表例として挙げられる。
酢酸資化性微生物は、例えば、生育に必要な無機塩類等を含む培地を用い、酢酸含有排液を供給し、必要に応じて通気・攪拌して培養することができる。培地には、酢酸以外の炭素源を含めてもよい。
<第二の有機化合物>
酢酸資化性微生物に生産させる第二の有機化合物としては、トリプトファン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン等のアミノ酸;コハク酸、リンゴ酸、クエン酸等の有機酸;コバラミン(ビタミンB12)、トコフェロール、ビタミンC等のビタミン;トレハロース、キチン、キトサン、コンドロイチン等のオリゴ糖又は多糖;ファルネセン、カロテノイド、スクアレン等のテルペン;ビフェノール;ポリフェノール、及びこれらの誘導体が挙げられる。その他、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリアミノ酸(ポリ(γ-グルタミン酸)ポリ(ε-リジン))、バクテリアセルロース等のバイオプラスチック材料;食品原料;飼料、などが挙げられる。
1 有機化合物生産システム
3 第一生産部(第一有機化合物生産部)
5 第二生産部(第二有機化合物生産部)
6 第一処理部
7 第二処理部
10 第一供給部
11 第二供給部
15 第一発酵部
16 第二発酵部
31 有機化合物生産システム
51 有機化合物生産システム

Claims (30)

  1. 第一の有機化合物と第二の有機化合物を生産するための有機化合物生産システムであって、
    微生物に前記第一の有機化合物を生成させる第一発酵部を有する第一有機化合物生産部と、微生物に前記第二の有機化合物を生成させる第二発酵部を有する第二有機化合物生産部とを備え、
    前記第一発酵部は、一酸化炭素又は二酸化炭素から前記第一の有機化合物を生成させる偏性嫌気性酢酸生成微生物を含み、
    前記第二発酵部は、酢酸から前記第二の有機化合物を生成させる酢酸資化性微生物を含み、
    前記第一有機化合物生産部から排出された酢酸含有排液又は当該酢酸含有排液の処理物を、前記第二発酵部に供給可能であることを特徴とする有機化合物生産システム。
  2. 前記酢酸含有排液に所定の処理を行い、当該処理物を前記第二発酵部に供給する第一処理部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の有機化合物生産システム。
  3. 前記第二有機化合物生産部から排出される排水又は当該排水の処理物を、前記第一発酵部に供給可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機化合物生産システム。
  4. 前記第二有機化合物生産部から排出される排水に所定の処理を行い、当該処理物を前記第一発酵部に供給する第二処理部をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の有機化合物生産システム。
  5. 前記第一発酵部から排出される排ガス又は当該排ガスの処理物を、前記第二発酵部に供給可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機化合物生産システム。
  6. 前記偏性嫌気性酢酸生成微生物が利用可能な成分を含有する第一の培地を前記第一発酵部に供給する第一供給部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機化合物生産システム。
  7. 前記酢酸資化性微生物が利用可能な成分を含有する第二の培地を前記第二発酵部に供給する第二供給部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の有機化合物生産システム。
  8. 前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、組換え体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の有機化合物生産システム。
  9. 前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、一酸化炭素脱水素酵素を有するものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の有機化合物生産システム。
  10. 前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有するものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の有機化合物生産システム。
  11. 前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、細菌であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の有機化合物生産システム。
  12. 前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、Clostridium属細菌又はMoorella属細菌であることを特徴とする請求項11に記載の有機化合物生産システム。
  13. 前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、Clostridium ljungdahliiであることを特徴とする請求項12に記載の有機化合物生産システム。
  14. 前記酢酸資化性微生物は、酵母、糸状菌、細菌、アーキア、又は藻類であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の有機化合物生産システム。
  15. 前記第一の有機化合物は、アルコール、イソプレン、又はテルペンであることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の有機化合物生産システム。
  16. 前記第二の有機化合物は、アミノ酸、有機酸、ビタミン、オリゴ糖、多糖、テルペン、ビフェノール、若しくはポリフェノール、又はこれらの誘導体であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の有機化合物生産システム。
  17. 第一の有機化合物と第二の有機化合物を生産する有機化合物の生産方法であって、
    偏性嫌気性酢酸生成微生物に、一酸化炭素又は二酸化炭素から前記第一の有機化合物を生成させる第一工程と、
    酢酸資化性微生物に、酢酸から前記第二の有機化合物を生成させる第二工程と、
    第一工程で生じた酢酸含有排液又は当該酢酸含有排液の処理物を、第二工程における前記酢酸資化性微生物に供する第三工程と、
    を包含することを特徴とする有機化合物の生産方法。
  18. 請求項1〜16のいずれかに記載の有機化合物生産システムを用いるものであり、
    第一工程を前記第一発酵部で行い、第二工程を前記第二発酵部で行うことを特徴とする請求項17に記載の有機化合物の生産方法。
  19. 第二工程で生じた排水又は当該排水の処理物を、第一工程における前記偏性嫌気性酢酸生成微生物に供する第四工程をさらに包含することを特徴とする請求項17又は18に記載の有機化合物の生産方法。
  20. 第一工程で生じた排ガス又は当該排ガスの処理物を、第二工程における前記酢酸資化性微生物に供する第五工程をさらに包含することを特徴とする請求項17〜19のいずれかに記載の有機化合物の生産方法。
  21. 第一の有機化合物と第二の有機化合物を生産する有機化合物の生産方法であって、
    偏性嫌気性酢酸生成微生物と酢酸資化性微生物とを共存させ、
    前記偏性嫌気性酢酸生成微生物に、一酸化炭素又は二酸化炭素から前記第一の有機化合物を生成させ、
    前記酢酸資化性微生物に、酢酸から前記第二の有機化合物を生成させ、
    前記偏性嫌気性酢酸生成微生物が排出した酢酸を前記酢酸資化性微生物に資化させることを特徴とする有機化合物の生産方法。
  22. 前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、組換え体であることを特徴とする請求項17〜21のいずれかに記載の有機化合物の生産方法。
  23. 前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、一酸化炭素脱水素酵素を有するものであることを特徴とする請求項17〜22のいずれかに記載の有機化合物の生産方法。
  24. 前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有するものであることを特徴とする請求項17〜23のいずれかに記載の有機化合物の生産方法。
  25. 前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、細菌であることを特徴とする請求項17〜24のいずれかに記載の有機化合物の生産方法。
  26. 前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、Clostridium属細菌又はMoorella属細菌であることを特徴とする請求項25に記載の有機化合物の生産方法。
  27. 前記偏性嫌気性酢酸生成微生物は、Clostridium ljungdahliiであることを特徴とする請求項26に記載の有機化合物の生産方法。
  28. 前記酢酸資化性微生物は、酵母、糸状菌、細菌、アーキア、又は藻類であることを特徴とする請求項17〜27のいずれかに記載の有機化合物の生産方法。
  29. 前記第一の有機化合物は、アルコール、イソプレン、又はテルペンであることを特徴とする請求項17〜28のいずれかに記載の有機化合物の生産方法。
  30. 前記第二の有機化合物は、アミノ酸、有機酸、ビタミン、オリゴ糖、多糖、テルペン、ビフェノール、若しくはポリフェノール、又はこれらの誘導体であることを特徴とする請求項17〜29のいずれかに記載の有機化合物の生産方法。
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