JP2018152323A - 導電性ペースト組成物、それを用いた導電性膜の製造方法および積層コンデンサ - Google Patents

導電性ペースト組成物、それを用いた導電性膜の製造方法および積層コンデンサ Download PDF

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【課題】導電性および耐エレクトロマイグレーション性が良好な導電性膜の製造に用いられる導電性ペースト組成物を提供する。【解決手段】導電性ペースト組成物は、第1導電性粉末と第2導電性粉末を含む導電性ペースト組成物であって、前記第1導電性粉末は、銀粒子であり、前記第2導電性粉末は、薄片状アルミニウム粒子であり、前記薄片状アルミニウム粒子は、体積平均粒子径D50が1μm以上20μm以下であり、平均アスペクト比が4以上100以下であり、かつ単位表面積に対する含有酸素量の比率が15mg/m2以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性ペースト組成物、それを用いた導電性膜の製造方法および積層コンデンサに関する。
積層コンデンサは、誘電体層と内部電極を担う電極層とを交互に積層した構造を有し、該電極層と電気的に接続した外部電極(端子電極)を通じて外部と接続される電子部品である。該誘電体層は、たとえばセラミック、マイカ(雲母)、二酸化タンタル、酸化アルミニウムなどを含むことが知られている。
電極層には従来、銀が使用されてきた。たとえば銀が単独で導電性金属として含まれる導電性銀ペーストを誘電体層間に配置し、これを焼成することにより内部電極を担う電極層を構成していた。しかし、銀は非常に高価な金属であると同時に、銀のエレクトロマイグレーションによる内部電極間の短絡が発生しやすいため、エレクトロマイグレーションの起こりにくい新たな電極材料の開発が求められている。
エレクトロマイグレーション対策として、たとえば銀と比較してエレクトロマイグレーションの起こりにくいパラジウム、金、白金などの貴金属を単独で、または該貴金属の複数を混合して導電性銀ペーストに添加することが知られる。しかしながら、これらの貴金属は高価であるため、電子部品の製造コストが上昇する問題がある。
特開2011−151089号公報(特許文献1)では、上記製造コストを考慮し、エレクトロマイグレーションが生じにくいとされている金属材料のうち特に卑金属を導電性銀ペーストに添加した導電性ペースト組成物を用いた積層セラミック電子部品に係る技術が開示されている。
特開2011−151089号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている積層セラミック電子部品は、卑金属であるアルミニウム粒子が含まれる内部電極を用いた例において、内部電極中のアルミニウム量が多いために、その焼成が不十分となることによって目的の導電性を得ることが困難となる可能性がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされ、その目的とするところは、導電性および耐エレクトロマイグレーション性が良好な電極、配線などの導電性膜を得ることが可能な導電性ペースト組成物、それを用いた導電性膜の製造方法および積層コンデンサを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者らは、薄片状アルミニウム粒子の物性、たとえばその粒子径、アスペクト比および酸素含有量に着目し、鋭意研究を重ねた。その結果、特定の物性を有する薄片状アルミニウム粒子を含有した導電性ペースト組成物を使用し、導電性膜を形成することにより、上記目的を達成することができることを見出した。この知見に基づいて、本発明に係る導電性ペースト組成物、それを用いた導電性膜の製造方法および積層コンデンサは、次のような構成を備えている。
すなわち本発明は、第1導電性粉末と第2導電性粉末とを含む導電性ペースト組成物であって、前記第1導電性粉末は、銀粒子であり、前記第2導電性粉末は、薄片状アルミニウム粒子であり、前記薄片状アルミニウム粒子は、体積平均粒子径D50が1μm以上20μm以下であり、平均アスペクト比が4以上100以下であり、かつ単位表面積に対する含有酸素量の比率が15mg/m2以下である。
上記銀粒子と上記薄片状アルミニウム粒子との質量比は、上記銀粒子が85〜99.5質量%であり、上記薄片状アルミニウム粒子が0.5〜15質量%であることが望ましい。
上記薄片状アルミニウム粒子は、有機化合物膜で被覆されていることが望ましい。
上記有機化合物膜は、脂肪酸、脂肪族アミン、脂肪族アルコール、脂肪族エステルおよび樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが望ましい。
上記導電性ペースト組成物は、有機ビヒクルおよびガラスフリットをさらに含むことが望ましい。
上記導電性ペースト組成物は、上記銀粒子100質量部あたり0.5〜14質量部の上記薄片状アルミニウム粒子と、42〜50質量部の上記有機ビヒクルと、0.7〜0.9質量部の上記ガラスフリットとを含むことが望ましい。
上記ガラスフリットは、SiO2、B23、ZnO、BaO、CaO、LiO2、MgO、Bi23およびAl23からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含む金属酸化物ガラスであることが望ましい。
本発明は、上記導電性ペースト組成物を用いた導電性膜の製造方法であって、上記導電性ペースト組成物をドライフィルムレジスト法、コーター法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、ドクターブレード法、スプレー塗装法、インクジェット法およびフォトリソグラフィ法のいずれかを用いて所定形状にパターニングする第1工程と、上記第1工程の後、パターニングされた上記導電性ペースト組成物を500〜900℃の温度で焼成する第2工程とを含む。
本発明は、第1導電性粉末と第2導電性粉末とを含む積層コンデンサであって、上記第1導電性粉末は、銀粒子であり、上記第2導電性粉末は、薄片状アルミニウム粒子であり、上記薄片状アルミニウム粒子は、体積平均粒子径D50が1μm以上20μm以下であり、平均アスペクト比が4以上100以下であり、かつ単位表面積に対する含有酸素量の比率が15mg/m2以下である。
本発明によれば、導電性および耐エレクトロマイグレーション性が良好な導電性膜を得ることが可能な導電性ペースト組成物、それを用いた導電性膜の製造方法および積層コンデンサを提供することができる。
以下、本発明に係る導電性ペースト組成物、それを用いた導電性膜の製造方法および積層コンデンサについて詳細に説明する。
ここで、本明細書において「X〜Y」という形式の表記は、範囲の上限下限(すなわちX以上Y以下)を意味しており、Xにおいて単位の記載がなく、Yにおいてのみ単位が記載されている場合、Xの単位とYの単位とは同じである。
[導電性ペースト組成物]
本発明に係る導電性ペースト組成物は、第1導電性粉末と第2導電性粉末とを含む。第1導電性粉末は、銀粒子である。第2導電性粉末は、薄片状アルミニウム粒子である。この薄片状アルミニウム粒子は、体積平均粒子径D50が1μm以上20μm以下であり、平均アスペクト比が4以上100以下であり、かつ単位表面積に対する含有酸素量の比率が15mg/m2以下である。
本発明に係る導電性ペースト組成物は、上記第1導電性粉末と上記第2導電性粉末とを含むことにより、導電性および耐エレクトロマイグレーション性が良好な導電性膜を得ることが可能となる。特に、第2導電性粉末として上述した構成の薄片状アルミニウム粒子を含むことにより、後述するようにアルミニウムの酸化皮膜の厚みを薄くすることができるため、焼成によって得られる導電性膜中の金属粒子を緻密化することができ、かつ該導電性膜の導電性が向上する効果を得ることができる。
<第1導電性粉末>
本発明における第1導電性粉末は、銀粒子(純度:98〜99.999質量%)である。銀粒子の形状は特に限定されるべきではない。たとえば銀粒子は、球状または略球状の粒子状で導電性ペースト組成物中に分散している。銀粒子は、上記球状または略球状が何らかの原因により押し潰され、扁平な円盤型形状、略円柱状などとして分散している場合もある。よって、「銀粒子」という場合、その形状は限定されるべきではない。さらに、銀粒子の粒子径は、体積平均粒子径D50として表され、0.1〜5μmであることが好ましい。これにより、本発明に係る導電性ペースト組成物を用いて導電性膜を形成したとき、その導電性膜は良好な導電性を備えることができる。銀粒子のより好ましい体積平均粒子径D50は、0.15〜5μmである。
第1導電性粉末の平均粒子径、すなわち銀粒子の体積平均粒子径D50は、たとえば、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒子径分布測定装置(たとえば商品名:「マイクロトラックMT3300II」、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。レーザー回折散乱法は、直径1μmの球と同じ回折散乱光のパターンを示す測定対象物の粒径を、その形状に関わらず1μmとみなす測定法である。ここでD50とは、D50で表される粒子径以下の粒子の占める体積が全体の体積の50%であることを意味する。測定は、サンプルローディング時にサンプルを循環器中に投入し、その濃度が適正濃度となって[Ready]と表示された時点のものを対象とした。
銀粒子の製造方法は、従来公知の方法を用いることができる。たとえば、銀塩含有水溶液にアルカリまたは錯化剤を加え、酸化銀含有スラリーまたは銀錯塩含有水溶液を生成した後、還元剤を加えることにより、銀粒子を還元析出させる方法などを挙げることができる。
<第2導電性粉末>
本発明における第2導電性粉末は、薄片状アルミニウム粒子である。この薄片状アルミニウム粒子は、体積平均粒子径D50が1μm以上20μm以下であり、平均アスペクト比が4以上100以下であり、かつ単位表面積に対する含有酸素量の比率が15mg/m2以下である。
本明細書において薄片状アルミニウム粒子の「薄片状」とは、平均アスペクト比として4以上100以下で規定される粒子の形状に由来する。平均アスペクト比は、薄片状アルミニウム粒子の体積平均粒子径D50と、平均厚みとの比(体積平均粒子径D50[μm]/平均厚み[μm])により算出される。薄片状アルミニウム粒子の体積平均粒子径D50は、上述した銀粒子と同じ測定方法であるレーザー回折散乱法を測定原理とする粒子径分布測定装置(たとえば商品名:「マイクロトラックMT3300II」、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。測定は、サンプルローディング時にサンプルを循環器中に投入し、その濃度が適正濃度となって[Ready]と表示された時点のものを対象とした。
さらに、薄片状アルミニウム粒子の平均厚みは、たとえばJIS K 5906などに記載されている方法で測定した薄片状アルミニウム粒子の水面拡散面積の値を、特定の数式に代入するという算出方法により得ることができる。より具体的な算出方法は、以下のとおりである。
すなわち、まずガラス棒を使用し、薄片状アルミニウム粒子をアセトン中に十分に分散させて放置する。その後ろ過し、乾燥させてその質量(g)を計量する。さらに、その質量を測定した薄片状アルミニウム粒子を、ステアリン酸ミネラルスピリット溶液に加えるとともにガラス棒を用いて分散させ、ステアリン酸ミネラルスピリット溶液をさらに加えて加熱し、その後ろ過する。次に、薄片状アルミニウム粒子を時計皿に載せ、水を張ったトラフの液面に時計皿ごと沈め、アルミニウム膜をバリヤーを用いて皺が出ないように該液面に形成する。この該液面に均一に浮かべたアルミニウム膜の被覆面積A(cm2)を、バリヤー間の距離をミリメートルの範囲まで測定することにより算出する。そして、これらを下記式(1)に代入することにより、WCA(水面拡散面積)を算出する。次いで、該WCAの値を下記式(2)に代入することにより、薄片状アルミニウム粒子の平均厚みを算出することができる。
WCA(cm2/g)=A(cm2)/w(g) ・・・(1)
平均厚み(μm)=104/{2.5(g/cm3)×WCA} ・・・(2)。
ここで薄片状アルミニウム粒子は、後述するようにその表面が有機化合物膜で被覆されている場合がある。その場合であっても、有機化合物膜の有無が薄片状アルミニウム粒子の体積平均粒子径D50に影響することはない。なお、薄片状アルミニウム粒子の平均厚みは、有機化合物膜がアセトンで除去されるため、必ず有機化合物膜が被覆されていない状態で算出されることとなる。
薄片状アルミニウム粒子の体積平均粒子径D50は、1μm以上20μm以下であり、好ましくは1.5μm以上15μm以下である。薄片状アルミニウム粒子の体積平均粒子径D50が1μm未満である場合、粒子の比表面積が大きくなる結果、導電性ペースト組成物中でアルミニウムの酸化皮膜の割合(すなわち含有酸素量)が多くなるため、接触抵抗が大きくなって良好な導電性を得ることができなくなる。薄片状アルミニウム粒子の体積平均粒子径D50が20μmを超える場合、導電性ペースト組成物中で銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との配列が悪くなり、粒子間の良好な接触状態を保つことができなくなって良好な導電性を得ることができなくなる。
薄片状アルミニウム粒子の平均アスペクト比は、4以上100以下であり、好ましくは8.5以上60以下である。平均アスペクト比が4未満である場合、粒子の薄片状化が不十分であるといえ、粒子間の接触が不十分となって、所定の緻密化および導電性が向上する効果を得ることが困難となる。さらに、アルミニウムの酸化皮膜の厚みが厚くなって焼成時に十分に溶解することが困難となることにより、焼成によって得られる導電性膜の導電性が低下してしまう。一方、平均アスペクト比が100を超える場合、粒子の薄片状化が過度であるといえ、ペースト化する際の充填性が悪くなり、目的の導電性が得られなくなる。平均アスペクト比の算出方法は、上述のとおりである。
薄片状アルミニウム粒子の単位表面積に対する含有酸素量の比率は、15mg/m2以下であり、好ましくは10mg/m2以下である。下限値は、理想値としての0mg/m2である。薄片状アルミニウム粒子の単位表面積に対する含有酸素量の比率が15mg/m2を超えると、アルミニウムの酸化皮膜の厚みが厚くなって焼成時に十分に溶解することが困難となることにより、焼成によって得られる導電性膜の導電性が低下してしまう。なお含有酸素は、通常、酸化皮膜として薄片化アルミニウム粒子の表面に存在する。含有酸素量は、酸化皮膜の割合が多くなり、または酸化皮膜の厚みが厚くなるほど増えることとなる。
薄片状アルミニウム粒子の単位表面積に対する含有酸素量の比率の算出方法は、以下のとおりである。すなわち、まず不活性ガス融解赤外線吸収法により薄片状アルミニウム粒子中の酸素含有量を測定する。さらに、窒素吸着BET法により薄片状アルミニウム粒子の比表面積を測定し、これと酸素含有量との比(酸素含有量[mg/g]/比表面積[m2/g])として算出する。具体的には、酸素・窒素分析装置(商品名:「EMGA−920」、株式会社堀場製作所製)を用いて薄片状アルミニウム粒子中の酸素含有量を測定することができる。薄片状アルミニウム粒子の比表面積は、比表面積・細孔分布測定装置(商品名:「QUADRASORB SI」、カンタクローム・インスツルメンツ・ジャパン合同会社製)を用いて測定することができる。薄片状アルミニウム粒子の単位表面積に対する含有酸素量の比率も、導電性ペースト組成物に含まれる多数の薄片状アルミニウム粒子の平均値である。
薄片状アルミニウム粒子は、従来公知の方法で作製することができる。たとえば、プラスチックフィルムの表面に蒸着により形成されたアルミニウム薄膜をプラスチックフィルムの表面から剥離した後に破砕することにより作製することができる。さらに、たとえば、従来公知のアトマイズ法を用いて得られるアルミニウム粒子を、有機溶媒の存在下でボールミルを用いて粉砕することにより作製することができる。
一般に、上記の蒸着プロセスにより得られるアルミニウム薄膜の表面およびボールミルを用いて粉砕することにより得られる薄片状アルミニウム粒子の表面には、樹脂などの離型剤または高級脂肪酸などの粉砕助剤が付着している。本発明では、薄片状アルミニウム粒子の表面にこのような離型剤または粉砕助剤が付着したものを使用してもよく、薄片状アルミニウム粒子の表面から離型剤または粉砕助剤が除去されたものを使用してもよい。いずれの薄片状アルミニウム粒子を用いても、本発明が目的とする作用効果を達成することができる。
ボールミルを用いて粉砕して薄片状アルミニウム粒子を得る場合、粉砕助剤としてたとえば、オレイン酸、ステアリン酸などの脂肪酸、脂肪族アミン、脂肪族アミド、脂肪族アルコール、脂肪酸エステルなどが付着している場合がある。これらは、薄片状アルミニウム粒子の表面の不必要な酸化を抑制するとともに、本発明に係る導電性ペースト組成物を用いて形成する導電性膜の導電性などを改善する効果を有する。
すなわち、本発明に係る導電性ペースト組成物において、薄片状アルミニウム粒子は、有機化合物膜で被覆されていることが好ましい。この有機化合物膜には、上記離型剤または上記粉砕助剤が含まれる。薄片状アルミニウム粒子の表面を被覆する有機化合物膜は、導電性ペースト組成物を焼成して導電性膜を形成する工程においてアルミニウムの酸化を抑制することにより、より良好な導電性を実現することに寄与する。有機化合物膜は、薄片状アルミニウム粒子の全面を被覆していてもよいし、薄片状アルミニウム粒子の一部を被覆していてもよく、いずれも本発明の範囲を逸脱するものではない。有機化合物膜の含有量は、薄片状アルミニウム粒子100質量部あたり0.05〜2質量部であることが好ましい。
有機化合物膜は、脂肪酸、脂肪族アミン、脂肪族アルコール、脂肪族エステルおよび樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。具体的には、脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸、ラウリン酸など、脂肪族アミンとしては、ステアリルアミン、ラウリルアミンなど、脂肪族アルコールとしては、ステアリルアルコール、オレイルアルコールなど、脂肪族エステルとしては、ステアリン酸アミド、ステアリン酸ブチル、オレイルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェートなどを例示することができる。樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂などを例示することができる。
<銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比>
ここで、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が85〜99.5質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が0.5〜15質量%であることが好ましい。さらに、導電性ペースト組成物は、銀粒子100質量部あたり0.5〜14質量部の薄片状アルミニウム粒子を含むことがより好ましい。さらに好ましくは、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が90〜99質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が1〜10質量%である。また、銀粒子100質量部あたり5〜12質量部の薄片状アルミニウム粒子を含むことがさらに好ましい。薄片状アルミニウム粒子の含有量が上記の範囲であれば、銀粒子単独で導電性ペースト組成物を構成する場合に比べ、導電性を良好に維持しつつ、耐エレクトロマイグレーション性を飛躍的に向上させることができる。なお、薄片状アルミニウム粒子の質量は、薄片状アルミニウム粒子が有機化合物膜で被覆されている場合、被覆された有機化合物膜を含めた質量をいう。
導電性ペースト組成物中の銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、導電性ペースト組成物の作製時の計量によって決定することができる。
<有機ビヒクルおよびガラスフリット>
本発明に係る導電性ペースト組成物は、有機ビヒクルおよびガラスフリットをさらに含むことが好ましい。これにより基板への塗布性および印刷性に優れ、かつ焼成によって得られる導電性膜と基板との密着性が向上する導電性ペースト組成物を達成することができる。
(有機ビヒクル)
有機ビヒクルは、バインダーとして従来公知の樹脂を従来公知の有機溶剤で溶解することにより構成することができる。有機ビヒクルに含まれるバインダー樹脂の成分は、特に限定されるべきではない。バインダー樹脂としては、たとえばエチルセルロース系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂などを用いることができる。特に、本発明に係る導電性ペースト組成物は、基板に塗布された後に焼成されるため、その焼成温度により完全に燃焼または分解するバインダー樹脂であることが好ましい。さらに有機溶剤としては、たとえばブチルカルビトール、イソプロピルアルコール、トルエン、グリコールエーテル系溶剤、ターピネオール系溶剤などを使用することができる。
本発明に係る導電性ペースト組成物中の有機ビヒクルの含有量は、銀粒子100質量部あたり42〜50質量部であることが好ましい。有機ビヒクルの含有量が上記の範囲内であることにより、各種の基板への塗布性および印刷性に優れるものとなる。有機ビヒクルの含有量が銀粒子100質量部あたり42質量部未満である場合、ペーストの粘度が高くなりすぎ、パターニングの際に配線を描くことができず、電流が流れなくなる恐れがある。有機ビヒクルの含有量が銀粒子100質量部あたり50質量部を超えると、ペーストの粘度が低くなりすぎ、パターニングの際に隣接する配線が接してしまい、異常電流が生じる恐れがある。より好ましい有機ビヒクルの含有量は、銀粒子100質量部あたり45〜48質量部である。
有機ビヒクル中のバインダー樹脂の含有量は、適切な粘度のペーストを得る観点から0.5質量%以上40質量%以下であることが好ましいが、特に限定されるべきではない。
(ガラスフリット)
本発明に係る導電性ペースト組成物は、ガラスフリットを含むことができる。このガラスフリットは従来公知のものを用いることができる。たとえばガラスフリットは、SiO2、B23、ZnO、BaO、CaO、LiO2、MgO、Bi23およびAl23からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含む金属酸化物ガラスであることが好ましい。さらにガラスフリットは、本発明に係る導電性ペースト組成物が、基板に塗布された後に焼成されるため、その軟化点が焼成温度以下であることがより好ましい。そのようなガラスフリットとして、たとえばB23−SiO2−ZnO系、B23−SiO2−Bi23系、B23−SiO2−MgO系などを例示することができる。ただし、本発明に係る導電性ペースト組成物に含まれるガラスフリットは、その組成および各成分の含有量が特に限定されるべきではない。
本発明に係る導電性ペースト組成物中のガラスフリットの含有量は、銀粒子100質量部あたり0.7〜0.9質量部であることが好ましい。ガラスフリットは、導電性ペースト組成物から焼成によって得られる導電性膜と基板との密着性を向上させる効果を有する。ガラスフリットの含有量が銀粒子100質量部あたり0.7質量部未満である場合、導電性膜と基板との密着性を向上させる効果が不十分となる恐れがある。ガラスフリットの含有量が銀粒子100質量部あたり0.9質量部を超えると、ガラスの偏析が生じ、ガラスの偏析が生じると導電性膜の導電性を低下させる恐れがある。より好ましいガラスフリットの含有量は、銀粒子100質量部あたり0.75〜0.8質量部である。
ガラスフリットの体積平均粒子径D50は、1〜4μm程度であることが好ましい。ただし、本発明の効果に悪影響を与えない限り特に限定されるべきではない。ガラスフリットの体積平均粒子径D50は、銀粒子および薄片状アルミニウム粒子と同じ測定方法により算出することができる。測定は、サンプルローディング時にサンプルを循環器中に投入し、その濃度が適正濃度となって[Ready]と表示された時点のものを対象とした。
以上から、導電性ペースト組成物中に有機ビヒクルおよびガラスフリットの両方を含む場合、本発明に係る導電性ペースト組成物は、銀粒子100質量部あたり0.5〜14質量部の薄片状アルミニウム粒子と、42〜50質量部の有機ビヒクルと、0.7〜0.9質量部のガラスフリットとを含むことが好ましい。このような構成により、導電性および耐エレクトロマイグレーション性が良好であって、かつ基板との密着性にも優れる導電性膜を得ることが可能な導電性ペースト組成物を提供することができる。
導電性ペースト組成物における銀粒子100質量部あたりの薄片状アルミニウム粒子、有機ビヒクルおよびガラスフリットの質量(質量部)は、導電性ペースト組成物の作製時の計量によって決定することができる。
<その他の添加剤>
本発明に係る導電性ペースト組成物は、本発明の効果を妨げない限り、種々の添加剤を含有することができる。たとえば、従来公知の粘度調整剤、表面調整剤、沈降防止剤、消泡剤などを含有することができる。これらは他の成分とともに攪拌または混練により混合することにより、導電性ペースト組成物に含まれる添加剤として調製することができる。これらの添加剤は、その総和として導電性ペースト組成物中に0〜10質量%含ませることができる。
<導電性ペースト組成物の製造方法>
本発明に係る導電性ペースト組成物は、たとえば公知の攪拌機を用いて各成分を攪拌混合する方法、ロールミルなどの混練機により各成分を混練する方法などにより製造することができる。ただし、導電性ペースト組成物の製造方法は上記の方法に限定されるべきではない。
[導電性膜の製造方法]
本発明に係る上記導電性ペースト組成物を用いた導電性膜の製造方法は、上記導電性ペースト組成物をドライフィルムレジスト法、コーター法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、ドクターブレード法、スプレー塗装法、インクジェット法およびフォトリソグラフィ法のいずれかを用いて所定形状にパターニングする第1工程と、この第1工程の後、パターニングされた導電性ペースト組成物を500〜900℃の温度で焼成する第2工程とを含む。
<第1工程>
第1工程は、上記導電性ペースト組成物をドライフィルムレジスト法、コーター法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、ドクターブレード法、スプレー塗装法、インクジェット法およびフォトリソグラフィ法のいずれかを用いて所定形状にパターニングする工程である。すなわち、本発明に係る導電性ペースト組成物を上述したいずれかの方法を用いて基板上に塗布または印刷することにより、該基板上に所定形状にパターンを形成する工程である。
導電性ペースト組成物が塗布または印刷される基板は、その材質、形状などにおいて特に制限されるべきではない。ただし、基板の材質は後述する第2工程における焼成温度に耐えられるものが好ましい。さらに、基板の形状は平滑な平面形状でもよく、段差または凹凸のある非平面形状でもよい。基板の材質の具体例としては、セラミックス、ガラス、鉱物などを挙げることができる。セラミックスとしては、アルミナ、ジルコニア、チタニアなどの金属酸化物を例示することができ、ガラスとしては石英ガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダガラスを例示することができ、鉱物としてはマイカなどのケイ酸塩鉱物を例示することができる。
導電性ペースト組成物を基板上に塗布または印刷する方法は、特に限定されるべきではない。たとえば、上述のようにドライフィルムレジスト法、コーター法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、ドクターブレード法、スプレー塗装法、インクジェット法、フォトリソグラフィ法などを採用することができる。塗布または印刷する回数は、1回でもよく、複数回でもよく、塗布の場合には重ね塗りすることもできる。基板上に塗布または印刷によって形成される導電性ペースト組成物膜(パターニングされた導電性ペースト組成物)の厚みは、塗布または印刷の方法、導電性ペースト組成物中の固形分濃度に依存して変動するが、焼成後の導電性膜の厚みが2〜30μmで得られるような厚みとする。
導電性ペースト組成物膜は、必要に応じて乾燥処理、脱脂処理を行なうことができる。このときの乾燥または脱脂の処理条件は特に限定されるべきではない。通常、乾燥温度は50℃〜150℃に設定され、脱脂温度は250℃〜450℃に設定される。乾燥処理、脱脂処理の雰囲気は一般に大気であるが、特に限定されるべきではない。
<第2工程>
第2工程は、上記第1工程の後、パターニングされた導電性ペースト組成物を500〜900℃の温度で焼成する工程である。これにより導電性膜を形成することができる。焼成温度は、500℃〜900℃であることが好ましく、550℃〜650℃であることがより好ましい。このような焼成温度とすることにより、低温による焼成不良および高温による酸化膜形成に基づく焼成不良を防ぐことができる。焼成温度が500℃未満となる場合、焼成後に得られた導電性膜に剥がれが生じる恐れもある。焼成温度が900℃を超えると、成膜自体が不可能となる恐れがある。
焼成する雰囲気は、空気、非酸化性雰囲気、還元性雰囲気または真空のいずれであってもよく、特に限定されるべきではない。いずれの焼成雰囲気において導電性ペースト組成物膜を焼成しても、良好な導電性および良好な基材との密着性を示す導電性膜を得ることができる。より好ましい焼成雰囲気は非酸化性雰囲気、還元性雰囲気または真空である。非酸化性雰囲気は、酸素を含まず、たとえばアルゴン、ヘリウム、窒素などのいずれかのガスを含む雰囲気あるいはこれらのガスを複数種含む混合ガス雰囲気であることにより第2導電性粉末(薄片状アルミニウム粒子)の酸化を抑制することができる。さらに、アルゴン、ヘリウム、窒素などのガスに還元性ガスである水素ガスなどを混合して還元性雰囲気としてもよい。
焼成によって得られる導電性膜の平均厚みは、2〜30μmであることが好ましく、3〜15μmであることがより好ましい。導電性膜の平均厚みは2μm未満であると薄すぎて導通不良となってしまい、30μmを超えると厚すぎて積層した際に中間層に用いるガラスペースト量が多くなり、コスト増につながる。導電性膜の平均厚みは、たとえばデジマチック標準外側マイクロメータ装置(商品名:「IP65 COOLANT PROOF Micrometer」、株式会社ミツトヨ製)で測定することによって確認することができる。導電性膜の平均厚みは、基材上の導電性膜において3箇所以上の厚みを測定し、その平均値として算出することが好ましい。
[積層コンデンサ]
本発明に係る積層コンデンサは、上記の第1導電性粉末と第2導電性粉末とを含む。すなわち第1導電性粉末は、銀粒子であり、第2導電性粉末は、薄片状アルミニウム粒子である。薄片状アルミニウム粒子は、体積平均粒子径D50が1μm以上20μm以下であり、平均アスペクト比が4以上100以下であり、かつ単位表面積に対する含有酸素量の比率が15mg/m2以下である。積層コンデンサは、上述した本発明に係る導電性ペースト組成物を用い、上述した導電性膜の製造方法により作製された導電性膜を含んで構成されることが好ましい。
本発明に係る積層コンデンサは、本発明に係る導電性ペースト組成物から構成される導電性膜を含むため、導電性および耐エレクトロマイグレーション性が良好であって、かつ基板との密着性にも優れる内部電極を電極層として含む積層コンデンサとして提供可能である。すなわち、本発明に係る積層コンデンサは、誘電体層と内部電極を担う電極層とを交互に積層した構造を有する電子部品であって、該電極層に、本発明に係る導電性ペースト組成物から構成される導電性膜を適用した構成とすることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[導電性ペースト組成物および導電性膜の作製ならびに評価]
まず本実施例において、導電性ペースト組成物に含まれる第2導電性粉末としての薄片状アルミニウム粒子は、下記の方法により作製して得たものまたは東洋アルミニウム株式会社製の市販品を使用した。
すなわち、従来公知の方法であるアトマイズ法によりアルミニウム粒子を得て、このアルミニウム粒子を、有機溶媒の存在下で粉砕助剤としてオレイン酸を使用し、ボールミルにより粉砕することにより所望の平均厚みおよび体積平均粒子径D50を有する薄片状アルミニウム粒子を得た。したがって、後述する実施例1〜11ならびに比較例1〜6の導電性ペースト組成物に含まれる薄片状アルミニウム粒子は、その表面に有機化合物膜としてのオレイン酸が被覆されている。
後述する比較例7および8については、従来公知の方法であるアトマイズ法によりアルミニウム粒子を得て、このアルミニウム粒子を有機溶媒の存在下で、オレイン酸などの粉砕助剤として使用せずにボールミルにより粉砕して薄片状アルミニウム粒子を得た。したがって、比較例7および8の導電性ペースト組成物に含まれる薄片状アルミニウム粒子は、その表面に有機化合物膜が存在しない。
さらに、導電性ペースト組成物に含まれる第1導電性粉末としての銀粒子についても、従来公知の方法により作製して得た銀粒子(純度:99.5質量%)を使用した。
本実施例において、銀粒子の体積平均粒子径D50、薄片状アルミニウム粒子の平均厚みおよび体積平均粒子径D50、薄片状アルミニウム粒子の単位表面積に対する含有酸素量の比率、薄片状アルミニウム粒子の平均アスペクト比、ならびに各実施例および比較例の導電性ペースト組成物における粘度は下記の測定方法により測定した。さらに、各実施例および比較例の導電性ペースト組成物から焼成によって得られた導電性膜の比抵抗値ならびに耐マイグレーション性は、下記の方法に基づき測定し、または評価した。
<平均厚み>
薄片状アルミニウム粒子の平均厚みは、上述したとおりの方法を用いて算出した。すなわち、薄片状アルミニウム粒子の質量w(g)と、薄片状アルミニウム粒子の被覆面積A(cm2)とを測定し、上記式(1)に代入することにより、WCA(水面拡散面積)を算出し、該WCA値を上記式(2)に代入することにより、薄片状アルミニウム粒子の平均厚みを算出した。
<体積平均粒子径D50>
銀粒子および薄片状アルミニウム粒子の体積平均粒子径D50は、いずれも上述のとおりレーザー回折散乱法を測定原理とする粒子径分布測定装置(商品名:「マイクロトラックMT3300II」、日機装株式会社製)を用いて測定した。
<単位表面積に対する含有酸素量>
薄片状アルミニウム粒子の単位表面積に対する含有酸素量の比率[mg/m2]は、以下の方法により測定した。まず、不活性ガス融解赤外線吸収法により酸素・窒素分析装置(商品名:「EMGA−920」、株式会社堀場製作所製)を用いて薄片状アルミニウム粒子中の酸素含有量を測定した。さらに、窒素吸着BET法により比表面積・細孔分布測定装置(商品名:「QUADRASORB SI」、カンタクローム・インスツルメンツ・ジャパン合同会社製)を用いて薄片状アルミニウム粒子の比表面積を測定した。これらの測定値から薄片状アルミニウム粒子の単位表面積に対する含有酸素量の比率(酸素含有量[mg/g]/比表面積[m2/g])を算出した。
<平均アスペクト比>
薄片状アルミニウム粒子の平均アスペクト比は、上記のようにして測定された体積平均粒子径D50と平均厚みとの比(体積平均粒子径D50[μm]/平均厚み[μm])により算出した。
<粘度>
各実施例および比較例の導電性ペースト組成物の粘度は、E型デジタル粘度計(商品名:「HBDV−I+CP」、BROOKFIELD ENGINEERING LABORATORIES製)を用い、2rpmおよび25℃の条件下でJIS Z 8803:2011(液体の粘度測定方法)に準拠して測定した。
<比抵抗値>
各実施例および比較例の導電性ペースト組成物から得られた導電性膜の比抵抗値は、4探針式表面抵抗測定器(商品名:「ロレスタGP」、株式会社三菱化学アナリテック製)を用いて測定することにより確認した。それぞれの導電性膜上の任意の5点を測定し、その平均値を比抵抗値とした。具体的には、導電性膜の寸法、導電性膜の平均厚み、測定点の座標を上記4探針式表面抵抗測定器にデータ入力し、自動的に計算されることによって得られる値を導電性膜の比抵抗値とした。比抵抗値は、その値が小さいほど導電性に優れていることを示す。導電性膜の寸法とは、導電性膜が有する所定形状のパターンにおける最大長さと最大幅とからなる寸法をいう。
<導電性膜の平均厚み>
導電性膜の平均厚みは、デジマチック標準外側マイクロメータ装置(商品名:「IP65 COOLANT PROOF Micrometer」、株式会社ミツトヨ製)で測定することによって確認した。導電性膜上の3箇所の厚みを上記装置で測定し、その平均値を導電性膜の平均厚みとした。
<耐マイグレーション性>
各実施例および比較例の導電性ペースト組成物から得られた導電性膜の耐マイグレーション性は、次のようにして評価した。すなわち各実施例および比較例の導電性ペースト組成物を用いて後述する基板上に所定形状のパターン(具体的には、櫛歯パターン(電極幅:300μm、電極間距離:300μm)を形成した。その後、絶縁劣化評価試験機(商品名:「HiP−1000」、IMV株式会社製)を用いて100V、85℃、湿度85%の条件で最大時間1000時間まで、絶縁(ショート)に至るまでの時間である「ショート時間(Hr)」を測定することにより評価した。
<実施例1>
実施例1では、エチルセルロース樹脂(商品名:「エトセル(登録商標)スタンダード型100、工業品エチルセルロース」、ダウ・ケミカル・ジャパン製)を有機溶剤であるブチルカルビトールに溶解した有機ビヒクルに銀粒子(体積平均粒子径D50:0.2μm、比表面積:1.2m2/g)、薄片状アルミニウム粒子(体積平均粒子径D50:5.5μm、平均アスペクト比:27.5、商品名:「6390NS」、東洋アルミニウム株式会社製)およびB23−SiO2−ZnO系ガラスフリット(体積平均粒子径D50:2.5μm)を加え、高速分散機(商品名:「ホモディスパー2.5型」、プライミクス株式会社製)を用いて1500rpmで10分間混合した。さらに、上記有機溶剤を加えて以下の表1に示す組成および粘度に調製し、導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が99質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が1質量%であった。得られた導電性ペースト組成物をスクリーン印刷機(商品名:「HP−320」、ニューロング精密工業株式会社製)を用いてアルミナ基板上へ、平均厚みが2〜5μmとなるように制御して塗布し、所定形状にパターニングした導電性ペースト組成物膜を形成した。
この導電性ペースト組成物膜を大気中において100℃で10分間乾燥した後、さらに熱風乾燥機(商品名:「MOV−112」、パナソニック株式会社製)により大気中において350℃で60分間脱脂処理を行なった。次に、焼成炉内で大気雰囲気下において600℃で1分間焼成することにより、導電性膜を形成した。
<実施例2>
実施例2では、有機溶剤をターピネオールに変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が98質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が2質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
<実施例3>
実施例3では、有機溶剤をターピネオールに変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が96質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が4質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
<実施例4>
実施例4では、実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
<実施例5>
実施例5では、有機溶剤をブチルカルビトールアセテートに変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、基板をマイカ基板に変更した以外は実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
<実施例6>
実施例6では、有機溶剤をターピネオールに変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、基板をガラス基板に変更した以外は実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
<実施例7>
実施例7では、有機溶剤をターピネオールに変更し、薄片状アルミニウム粒子に関して従来公知の方法であるアトマイズ法により得たアルミニウム粒子を、有機溶媒および粉砕助剤としてのオレイン酸存在下でボールミルを用い、体積平均粒子径D50が1.7μm、平均アスペクト比が8.5となるように粉砕して作製したものに変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
<実施例8>
実施例8では、有機溶剤をイソプロピルアルコールおよびトルエンに変更し、薄片状アルミニウム粒子を体積平均粒子径D50が12μmであり、平均アスペクト比が60である東洋アルミニウム株式会社製の薄片状アルミニウム粒子(商品名:「TCR2150」)に変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
<実施例9>
実施例9では、有機溶剤をターピネオールに変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が93質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が7質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
<実施例10>
実施例10では、有機溶剤をターピネオールに変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が90質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が10質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
<実施例11>
実施例11では、有機溶剤をターピネオールに変更し、薄片状アルミニウム粒子を体積平均粒子径D50が20μmであり、平均アスペクト比が6である薄片状アルミニウム粒子に変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
<比較例1>
比較例1では、実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。ただし、この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が99.5質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が0.5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
<比較例2>
比較例2では、有機溶剤をターピネオールに変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。ただし、この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が88質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が12質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
<比較例3>
比較例3では、有機溶剤をターピネオールに変更し、薄片状アルミニウム粒子を不添加とした以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。したがって、この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が100質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が0質量%である。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
<比較例4>
比較例4では、薄片状アルミニウム粒子に関し、従来公知の方法であるアトマイズ法により得たアルミニウム粒子を、有機溶媒および粉砕助剤としてのオレイン酸存在下でボールミルを用い、体積平均粒子径D50が0.8μm、平均アスペクト比が8となるように粉砕して作製したものに変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
<比較例5>
比較例5では、有機溶剤をイソプロピルアルコールおよびトルエンに変更し、薄片状アルミニウム粒子を体積平均粒子径D50が1.7μmであり、平均アスペクト比が1である東洋アルミニウム株式会社製の球状アトマイズ粉(商品名:「TFH−A02P」)に変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
<比較例6>
比較例6では、薄片状アルミニウム粒子を体積平均粒子径D50が12μmであり、平均アスペクト比が120である東洋アルミニウム株式会社製の薄片状アルミニウム粒子(商品名:「6340NS」)に変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
<比較例7>
比較例7では、薄片状アルミニウム粒子に関して上述のとおりに作製したもの(体積平均粒子径D50:20μm、平均アスペクト比:50)に変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
<比較例8>
比較例8では、薄片状アルミニウム粒子に関して上述のとおりに作製したもの(体積平均粒子径D50:62μm、平均アスペクト比:80)に変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調整した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。しかしながら、得られた導電性膜は、薄片状アルミニウム粒子の粒子径が大きいため、印刷時に目詰まりが発生し、均一な厚みの膜を形成することができなかった。
Figure 2018152323
<考察>
実施例1〜11および比較例1〜8の導電性ペースト組成物から得られた導電性膜について、それぞれ上記の方法により、比抵抗値および耐エレクトロマイグレーション性を測定し、評価した。その結果を下記の表2に示す。なお、表2中で単に「D50」と表記したものは、体積平均粒子径D50であることを意味する。
Figure 2018152323
表2から理解されるように、実施例1〜11の導電性ペースト組成物から得られた導電性膜は、良好な導電性および耐エレクトロマイグレーション性を有していた。さらに、実施例1〜11の導電性ペースト組成物およびそれから得られた導電性膜は、焼成時および耐マイグレーション性の評価時において各基板から剥離することがなかったことから、その密着性にも優れることが分かった。
一方で、比較例1〜8の導電性ペースト組成物から得られた導電性膜は、第2導電性粉末(薄片状アルミニウム粒子)が不添加であったり、体積平均粒子径D50が1μm以上20μm以下であること、平均アスペクト比が4以上100以下であること、および単位表面積に対する含有酸素量の比率が15mg/m2以下であることの少なくともいずれかを満たさなかったり、銀粒子との質量比が1〜10質量%の範囲であることから逸脱したりしたため、良好な導電性および耐エレクトロマイグレーション性を得ることができなかった。
なお、比較例4〜7については、比抵抗値が大きく、良好な導電性を得られないことが判明したため、耐エレクトロマイグレーション性を評価する「ショート時間(Hr)」を測定することを中止した(表2において斜線で示した)。
比較例8については、均一な厚みの導電性膜を得ることができなかったため、比抵抗値および耐エレクトロマイグレーション性を評価する「ショート時間(Hr)」を測定することを中止した(表2において斜線で示した)。
[積層コンデンサの作製および評価]
<実施例12>
実施例12では、以下のとおりに積層コンデンサを作製した。すなわち実施例10の導電性ペースト組成物を用いて実施例1と同じ方法により導電性膜を得た後、この導電性膜を含み、誘電体として(Ba、Nb)TiO3を用いた積層コンデンサ(3.2mm×2.5mm、積層数10)を作製した。
<実施例13>
実施例13では、以下のとおりに積層コンデンサを作製した。すなわち実施例10の導電性ペースト組成物を用いて実施例1と同じ方法により導電性膜を得た後、この導電性膜を含み、誘電体としてマイカを用いた積層コンデンサ(3.2mm×2.5mm、積層数10)を作製した。
<実施例14>
実施例14では、以下のとおりに積層コンデンサを作製した。すなわちガラスフリットをB23−SiO2−ZnO系ガラスフリットに変更したことを除き、実施例10と同じ原料から、実施例10と同じ方法により導電性ペースト組成物を作製するとともに、この導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を得た。その後、この導電性膜を含み、誘電体として(Ba、Nb)TiO3を用いた積層コンデンサ(3.2mm×2.5mm、積層数10)を作製した。
<実施例15>
実施例15では、以下のとおりに積層コンデンサを作製した。すなわち薄片状アルミニウム粒子を体積平均粒子径D50が5.5μmであり、平均アスペクト比が22である東洋アルミニウム株式会社製の薄片状アルミニウム粒子(商品名:「0803M」)に変更したことを除き、実施例10と同じ原料から、実施例10と同じ方法により導電性ペースト組成物を作製した。さらに、この導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を得た。その後、この導電性膜を含み、誘電体として(Ba、Nb)TiO3を用いた積層コンデンサ(3.2mm×2.5mm、積層数10)を作製した。
<比較例9>
比較例9では、以下のとおりに積層コンデンサを作製した。すなわち比較例2の導電性ペースト組成物を用いて実施例1と同じ方法により導電性膜を得た後、この導電性膜を含み、誘電体として(Ba、Nb)TiO3を用いた積層コンデンサ(3.2mm×2.5mm、積層数10)を作製した。
<比較例10>
比較例10では、以下のとおりに積層コンデンサを作製した。すなわち比較例3の導電性ペースト組成物を用いて実施例1と同じ方法により導電性膜を得た後、この導電性膜を含み、誘電体として(Ba、Nb)TiO3を用いた積層コンデンサ(3.2mm×2.5mm、積層数10)を作製した。
<比較例11>
比較例11では、以下のとおりに積層コンデンサを作製した。すなわち比較例3の導電性ペースト組成物を用いて実施例1と同じ方法により導電性膜を得た後、この導電性膜を含み、誘電体としてマイカを用いた積層コンデンサ(3.2mm×2.5mm、積層数10)を作製した。
上記実施例12〜15および比較例9〜11の積層コンデンサに対し、静電容量およびtanδを測定した。さらに耐マイグレーション性を評価するため、上述した方法により「ショート時間(Hr)」も測定した。その結果を表3に示す。静電容量およびtanδの測定には、LCRメータ(商品名:「4278A」、HEWLETT PACKARD社製)を用いた。tanδは、誘電体内での電気エネルギーの損失度合いを示す指標であり、その数値(%)が大きい程、誘電体内での電気エネルギーの損失が大きいことを意味する。
Figure 2018152323
表3から理解されるように、実施例12〜15の積層コンデンサは、静電容量およびtanδで良好な特性を有していた。耐マイグレーション性も良好であった。一方、比較例9の積層コンデンサは、tanδの数値が劣っていた。比較例10および11の積層コンデンサは、耐マイグレーション性で劣っていた。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (9)

  1. 第1導電性粉末と第2導電性粉末とを含む導電性ペースト組成物であって、
    前記第1導電性粉末は、銀粒子であり、
    前記第2導電性粉末は、薄片状アルミニウム粒子であり、
    前記薄片状アルミニウム粒子は、体積平均粒子径D50が1μm以上20μm以下であり、平均アスペクト比が4以上100以下であり、かつ単位表面積に対する含有酸素量の比率が15mg/m2以下である、導電性ペースト組成物。
  2. 前記銀粒子と前記薄片状アルミニウム粒子との質量比は、前記銀粒子が85〜99.5質量%であり、前記薄片状アルミニウム粒子が0.5〜15質量%である、請求項1に記載の導電性ペースト組成物。
  3. 前記薄片状アルミニウム粒子は、有機化合物膜で被覆されている、請求項1または2に記載の導電性ペースト組成物。
  4. 前記有機化合物膜は、脂肪酸、脂肪族アミン、脂肪族アルコール、脂肪族エステルおよび樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項3に記載の導電性ペースト組成物。
  5. 前記導電性ペースト組成物は、有機ビヒクルおよびガラスフリットをさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ペースト組成物。
  6. 前記導電性ペースト組成物は、前記銀粒子100質量部あたり0.5〜14質量部の前記薄片状アルミニウム粒子と、42〜50質量部の前記有機ビヒクルと、0.7〜0.9質量部の前記ガラスフリットとを含む、請求項5に記載の導電性ペースト組成物。
  7. 前記ガラスフリットは、SiO2、B23、ZnO、BaO、CaO、LiO2、MgO、Bi23およびAl23からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含む金属酸化物ガラスである、請求項5または6に記載の導電性ペースト組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の導電性ペースト組成物を用いた導電性膜の製造方法であって、
    前記導電性ペースト組成物をドライフィルムレジスト法、コーター法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、ドクターブレード法、スプレー塗装法、インクジェット法およびフォトリソグラフィ法のいずれかを用いて所定形状にパターニングする第1工程と、
    前記第1工程の後、パターニングされた前記導電性ペースト組成物を500〜900℃の温度で焼成する第2工程とを含む、導電性膜の製造方法。
  9. 第1導電性粉末と第2導電性粉末とを含む積層コンデンサであって、
    前記第1導電性粉末は、銀粒子であり、
    前記第2導電性粉末は、薄片状アルミニウム粒子であり、
    前記薄片状アルミニウム粒子は、体積平均粒子径D50が1μm以上20μm以下であり、平均アスペクト比が4以上100以下であり、かつ単位表面積に対する含有酸素量の比率が15mg/m2以下である、積層コンデンサ。
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WO2010100893A1 (ja) * 2009-03-06 2010-09-10 東洋アルミニウム株式会社 導電性ペースト組成物およびそれを用いて形成された導電性膜

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