JP2018152323A - 導電性ペースト組成物、それを用いた導電性膜の製造方法および積層コンデンサ - Google Patents
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Abstract
Description
上記有機化合物膜は、脂肪酸、脂肪族アミン、脂肪族アルコール、脂肪族エステルおよび樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが望ましい。
本発明に係る導電性ペースト組成物は、第1導電性粉末と第2導電性粉末とを含む。第1導電性粉末は、銀粒子である。第2導電性粉末は、薄片状アルミニウム粒子である。この薄片状アルミニウム粒子は、体積平均粒子径D50が1μm以上20μm以下であり、平均アスペクト比が4以上100以下であり、かつ単位表面積に対する含有酸素量の比率が15mg/m2以下である。
本発明における第1導電性粉末は、銀粒子(純度:98〜99.999質量%)である。銀粒子の形状は特に限定されるべきではない。たとえば銀粒子は、球状または略球状の粒子状で導電性ペースト組成物中に分散している。銀粒子は、上記球状または略球状が何らかの原因により押し潰され、扁平な円盤型形状、略円柱状などとして分散している場合もある。よって、「銀粒子」という場合、その形状は限定されるべきではない。さらに、銀粒子の粒子径は、体積平均粒子径D50として表され、0.1〜5μmであることが好ましい。これにより、本発明に係る導電性ペースト組成物を用いて導電性膜を形成したとき、その導電性膜は良好な導電性を備えることができる。銀粒子のより好ましい体積平均粒子径D50は、0.15〜5μmである。
本発明における第2導電性粉末は、薄片状アルミニウム粒子である。この薄片状アルミニウム粒子は、体積平均粒子径D50が1μm以上20μm以下であり、平均アスペクト比が4以上100以下であり、かつ単位表面積に対する含有酸素量の比率が15mg/m2以下である。
平均厚み(μm)=104/{2.5(g/cm3)×WCA} ・・・(2)。
ここで、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が85〜99.5質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が0.5〜15質量%であることが好ましい。さらに、導電性ペースト組成物は、銀粒子100質量部あたり0.5〜14質量部の薄片状アルミニウム粒子を含むことがより好ましい。さらに好ましくは、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が90〜99質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が1〜10質量%である。また、銀粒子100質量部あたり5〜12質量部の薄片状アルミニウム粒子を含むことがさらに好ましい。薄片状アルミニウム粒子の含有量が上記の範囲であれば、銀粒子単独で導電性ペースト組成物を構成する場合に比べ、導電性を良好に維持しつつ、耐エレクトロマイグレーション性を飛躍的に向上させることができる。なお、薄片状アルミニウム粒子の質量は、薄片状アルミニウム粒子が有機化合物膜で被覆されている場合、被覆された有機化合物膜を含めた質量をいう。
本発明に係る導電性ペースト組成物は、有機ビヒクルおよびガラスフリットをさらに含むことが好ましい。これにより基板への塗布性および印刷性に優れ、かつ焼成によって得られる導電性膜と基板との密着性が向上する導電性ペースト組成物を達成することができる。
有機ビヒクルは、バインダーとして従来公知の樹脂を従来公知の有機溶剤で溶解することにより構成することができる。有機ビヒクルに含まれるバインダー樹脂の成分は、特に限定されるべきではない。バインダー樹脂としては、たとえばエチルセルロース系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂などを用いることができる。特に、本発明に係る導電性ペースト組成物は、基板に塗布された後に焼成されるため、その焼成温度により完全に燃焼または分解するバインダー樹脂であることが好ましい。さらに有機溶剤としては、たとえばブチルカルビトール、イソプロピルアルコール、トルエン、グリコールエーテル系溶剤、ターピネオール系溶剤などを使用することができる。
本発明に係る導電性ペースト組成物は、ガラスフリットを含むことができる。このガラスフリットは従来公知のものを用いることができる。たとえばガラスフリットは、SiO2、B2O3、ZnO、BaO、CaO、LiO2、MgO、Bi2O3およびAl2O3からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含む金属酸化物ガラスであることが好ましい。さらにガラスフリットは、本発明に係る導電性ペースト組成物が、基板に塗布された後に焼成されるため、その軟化点が焼成温度以下であることがより好ましい。そのようなガラスフリットとして、たとえばB2O3−SiO2−ZnO系、B2O3−SiO2−Bi2O3系、B2O3−SiO2−MgO系などを例示することができる。ただし、本発明に係る導電性ペースト組成物に含まれるガラスフリットは、その組成および各成分の含有量が特に限定されるべきではない。
本発明に係る導電性ペースト組成物は、本発明の効果を妨げない限り、種々の添加剤を含有することができる。たとえば、従来公知の粘度調整剤、表面調整剤、沈降防止剤、消泡剤などを含有することができる。これらは他の成分とともに攪拌または混練により混合することにより、導電性ペースト組成物に含まれる添加剤として調製することができる。これらの添加剤は、その総和として導電性ペースト組成物中に0〜10質量%含ませることができる。
本発明に係る導電性ペースト組成物は、たとえば公知の攪拌機を用いて各成分を攪拌混合する方法、ロールミルなどの混練機により各成分を混練する方法などにより製造することができる。ただし、導電性ペースト組成物の製造方法は上記の方法に限定されるべきではない。
本発明に係る上記導電性ペースト組成物を用いた導電性膜の製造方法は、上記導電性ペースト組成物をドライフィルムレジスト法、コーター法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、ドクターブレード法、スプレー塗装法、インクジェット法およびフォトリソグラフィ法のいずれかを用いて所定形状にパターニングする第1工程と、この第1工程の後、パターニングされた導電性ペースト組成物を500〜900℃の温度で焼成する第2工程とを含む。
第1工程は、上記導電性ペースト組成物をドライフィルムレジスト法、コーター法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、ドクターブレード法、スプレー塗装法、インクジェット法およびフォトリソグラフィ法のいずれかを用いて所定形状にパターニングする工程である。すなわち、本発明に係る導電性ペースト組成物を上述したいずれかの方法を用いて基板上に塗布または印刷することにより、該基板上に所定形状にパターンを形成する工程である。
第2工程は、上記第1工程の後、パターニングされた導電性ペースト組成物を500〜900℃の温度で焼成する工程である。これにより導電性膜を形成することができる。焼成温度は、500℃〜900℃であることが好ましく、550℃〜650℃であることがより好ましい。このような焼成温度とすることにより、低温による焼成不良および高温による酸化膜形成に基づく焼成不良を防ぐことができる。焼成温度が500℃未満となる場合、焼成後に得られた導電性膜に剥がれが生じる恐れもある。焼成温度が900℃を超えると、成膜自体が不可能となる恐れがある。
本発明に係る積層コンデンサは、上記の第1導電性粉末と第2導電性粉末とを含む。すなわち第1導電性粉末は、銀粒子であり、第2導電性粉末は、薄片状アルミニウム粒子である。薄片状アルミニウム粒子は、体積平均粒子径D50が1μm以上20μm以下であり、平均アスペクト比が4以上100以下であり、かつ単位表面積に対する含有酸素量の比率が15mg/m2以下である。積層コンデンサは、上述した本発明に係る導電性ペースト組成物を用い、上述した導電性膜の製造方法により作製された導電性膜を含んで構成されることが好ましい。
まず本実施例において、導電性ペースト組成物に含まれる第2導電性粉末としての薄片状アルミニウム粒子は、下記の方法により作製して得たものまたは東洋アルミニウム株式会社製の市販品を使用した。
薄片状アルミニウム粒子の平均厚みは、上述したとおりの方法を用いて算出した。すなわち、薄片状アルミニウム粒子の質量w(g)と、薄片状アルミニウム粒子の被覆面積A(cm2)とを測定し、上記式(1)に代入することにより、WCA(水面拡散面積)を算出し、該WCA値を上記式(2)に代入することにより、薄片状アルミニウム粒子の平均厚みを算出した。
銀粒子および薄片状アルミニウム粒子の体積平均粒子径D50は、いずれも上述のとおりレーザー回折散乱法を測定原理とする粒子径分布測定装置(商品名:「マイクロトラックMT3300II」、日機装株式会社製)を用いて測定した。
薄片状アルミニウム粒子の単位表面積に対する含有酸素量の比率[mg/m2]は、以下の方法により測定した。まず、不活性ガス融解赤外線吸収法により酸素・窒素分析装置(商品名:「EMGA−920」、株式会社堀場製作所製)を用いて薄片状アルミニウム粒子中の酸素含有量を測定した。さらに、窒素吸着BET法により比表面積・細孔分布測定装置(商品名:「QUADRASORB SI」、カンタクローム・インスツルメンツ・ジャパン合同会社製)を用いて薄片状アルミニウム粒子の比表面積を測定した。これらの測定値から薄片状アルミニウム粒子の単位表面積に対する含有酸素量の比率(酸素含有量[mg/g]/比表面積[m2/g])を算出した。
薄片状アルミニウム粒子の平均アスペクト比は、上記のようにして測定された体積平均粒子径D50と平均厚みとの比(体積平均粒子径D50[μm]/平均厚み[μm])により算出した。
各実施例および比較例の導電性ペースト組成物の粘度は、E型デジタル粘度計(商品名:「HBDV−I+CP」、BROOKFIELD ENGINEERING LABORATORIES製)を用い、2rpmおよび25℃の条件下でJIS Z 8803:2011(液体の粘度測定方法)に準拠して測定した。
各実施例および比較例の導電性ペースト組成物から得られた導電性膜の比抵抗値は、4探針式表面抵抗測定器(商品名:「ロレスタGP」、株式会社三菱化学アナリテック製)を用いて測定することにより確認した。それぞれの導電性膜上の任意の5点を測定し、その平均値を比抵抗値とした。具体的には、導電性膜の寸法、導電性膜の平均厚み、測定点の座標を上記4探針式表面抵抗測定器にデータ入力し、自動的に計算されることによって得られる値を導電性膜の比抵抗値とした。比抵抗値は、その値が小さいほど導電性に優れていることを示す。導電性膜の寸法とは、導電性膜が有する所定形状のパターンにおける最大長さと最大幅とからなる寸法をいう。
導電性膜の平均厚みは、デジマチック標準外側マイクロメータ装置(商品名:「IP65 COOLANT PROOF Micrometer」、株式会社ミツトヨ製)で測定することによって確認した。導電性膜上の3箇所の厚みを上記装置で測定し、その平均値を導電性膜の平均厚みとした。
各実施例および比較例の導電性ペースト組成物から得られた導電性膜の耐マイグレーション性は、次のようにして評価した。すなわち各実施例および比較例の導電性ペースト組成物を用いて後述する基板上に所定形状のパターン(具体的には、櫛歯パターン(電極幅:300μm、電極間距離:300μm)を形成した。その後、絶縁劣化評価試験機(商品名:「HiP−1000」、IMV株式会社製)を用いて100V、85℃、湿度85%の条件で最大時間1000時間まで、絶縁(ショート)に至るまでの時間である「ショート時間(Hr)」を測定することにより評価した。
実施例1では、エチルセルロース樹脂(商品名:「エトセル(登録商標)スタンダード型100、工業品エチルセルロース」、ダウ・ケミカル・ジャパン製)を有機溶剤であるブチルカルビトールに溶解した有機ビヒクルに銀粒子(体積平均粒子径D50:0.2μm、比表面積:1.2m2/g)、薄片状アルミニウム粒子(体積平均粒子径D50:5.5μm、平均アスペクト比:27.5、商品名:「6390NS」、東洋アルミニウム株式会社製)およびB2O3−SiO2−ZnO系ガラスフリット(体積平均粒子径D50:2.5μm)を加え、高速分散機(商品名:「ホモディスパー2.5型」、プライミクス株式会社製)を用いて1500rpmで10分間混合した。さらに、上記有機溶剤を加えて以下の表1に示す組成および粘度に調製し、導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が99質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が1質量%であった。得られた導電性ペースト組成物をスクリーン印刷機(商品名:「HP−320」、ニューロング精密工業株式会社製)を用いてアルミナ基板上へ、平均厚みが2〜5μmとなるように制御して塗布し、所定形状にパターニングした導電性ペースト組成物膜を形成した。
実施例2では、有機溶剤をターピネオールに変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が98質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が2質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
実施例3では、有機溶剤をターピネオールに変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が96質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が4質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
実施例4では、実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
実施例5では、有機溶剤をブチルカルビトールアセテートに変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、基板をマイカ基板に変更した以外は実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
実施例6では、有機溶剤をターピネオールに変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、基板をガラス基板に変更した以外は実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
実施例7では、有機溶剤をターピネオールに変更し、薄片状アルミニウム粒子に関して従来公知の方法であるアトマイズ法により得たアルミニウム粒子を、有機溶媒および粉砕助剤としてのオレイン酸存在下でボールミルを用い、体積平均粒子径D50が1.7μm、平均アスペクト比が8.5となるように粉砕して作製したものに変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
実施例8では、有機溶剤をイソプロピルアルコールおよびトルエンに変更し、薄片状アルミニウム粒子を体積平均粒子径D50が12μmであり、平均アスペクト比が60である東洋アルミニウム株式会社製の薄片状アルミニウム粒子(商品名:「TCR2150」)に変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
実施例9では、有機溶剤をターピネオールに変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が93質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が7質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
実施例10では、有機溶剤をターピネオールに変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が90質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が10質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
実施例11では、有機溶剤をターピネオールに変更し、薄片状アルミニウム粒子を体積平均粒子径D50が20μmであり、平均アスペクト比が6である薄片状アルミニウム粒子に変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
比較例1では、実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。ただし、この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が99.5質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が0.5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
比較例2では、有機溶剤をターピネオールに変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。ただし、この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が88質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が12質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
比較例3では、有機溶剤をターピネオールに変更し、薄片状アルミニウム粒子を不添加とした以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。したがって、この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が100質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が0質量%である。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
比較例4では、薄片状アルミニウム粒子に関し、従来公知の方法であるアトマイズ法により得たアルミニウム粒子を、有機溶媒および粉砕助剤としてのオレイン酸存在下でボールミルを用い、体積平均粒子径D50が0.8μm、平均アスペクト比が8となるように粉砕して作製したものに変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
比較例5では、有機溶剤をイソプロピルアルコールおよびトルエンに変更し、薄片状アルミニウム粒子を体積平均粒子径D50が1.7μmであり、平均アスペクト比が1である東洋アルミニウム株式会社製の球状アトマイズ粉(商品名:「TFH−A02P」)に変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
比較例6では、薄片状アルミニウム粒子を体積平均粒子径D50が12μmであり、平均アスペクト比が120である東洋アルミニウム株式会社製の薄片状アルミニウム粒子(商品名:「6340NS」)に変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
比較例7では、薄片状アルミニウム粒子に関して上述のとおりに作製したもの(体積平均粒子径D50:20μm、平均アスペクト比:50)に変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調製した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。
比較例8では、薄片状アルミニウム粒子に関して上述のとおりに作製したもの(体積平均粒子径D50:62μm、平均アスペクト比:80)に変更した以外は実施例1と同じ原料から、実施例1と同じ方法により以下の表1に示す組成および粘度に調整した導電性ペースト組成物を作製した。この導電性ペースト組成物において、銀粒子と薄片状アルミニウム粒子との質量比は、銀粒子が95質量%であり、薄片状アルミニウム粒子が5質量%であった。得られた導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を形成した。しかしながら、得られた導電性膜は、薄片状アルミニウム粒子の粒子径が大きいため、印刷時に目詰まりが発生し、均一な厚みの膜を形成することができなかった。
実施例1〜11および比較例1〜8の導電性ペースト組成物から得られた導電性膜について、それぞれ上記の方法により、比抵抗値および耐エレクトロマイグレーション性を測定し、評価した。その結果を下記の表2に示す。なお、表2中で単に「D50」と表記したものは、体積平均粒子径D50であることを意味する。
<実施例12>
実施例12では、以下のとおりに積層コンデンサを作製した。すなわち実施例10の導電性ペースト組成物を用いて実施例1と同じ方法により導電性膜を得た後、この導電性膜を含み、誘電体として(Ba、Nb)TiO3を用いた積層コンデンサ(3.2mm×2.5mm、積層数10)を作製した。
実施例13では、以下のとおりに積層コンデンサを作製した。すなわち実施例10の導電性ペースト組成物を用いて実施例1と同じ方法により導電性膜を得た後、この導電性膜を含み、誘電体としてマイカを用いた積層コンデンサ(3.2mm×2.5mm、積層数10)を作製した。
実施例14では、以下のとおりに積層コンデンサを作製した。すなわちガラスフリットをB2O3−SiO2−ZnO系ガラスフリットに変更したことを除き、実施例10と同じ原料から、実施例10と同じ方法により導電性ペースト組成物を作製するとともに、この導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を得た。その後、この導電性膜を含み、誘電体として(Ba、Nb)TiO3を用いた積層コンデンサ(3.2mm×2.5mm、積層数10)を作製した。
実施例15では、以下のとおりに積層コンデンサを作製した。すなわち薄片状アルミニウム粒子を体積平均粒子径D50が5.5μmであり、平均アスペクト比が22である東洋アルミニウム株式会社製の薄片状アルミニウム粒子(商品名:「0803M」)に変更したことを除き、実施例10と同じ原料から、実施例10と同じ方法により導電性ペースト組成物を作製した。さらに、この導電性ペースト組成物に対し、実施例1と同じ方法を用いて導電性膜を得た。その後、この導電性膜を含み、誘電体として(Ba、Nb)TiO3を用いた積層コンデンサ(3.2mm×2.5mm、積層数10)を作製した。
比較例9では、以下のとおりに積層コンデンサを作製した。すなわち比較例2の導電性ペースト組成物を用いて実施例1と同じ方法により導電性膜を得た後、この導電性膜を含み、誘電体として(Ba、Nb)TiO3を用いた積層コンデンサ(3.2mm×2.5mm、積層数10)を作製した。
比較例10では、以下のとおりに積層コンデンサを作製した。すなわち比較例3の導電性ペースト組成物を用いて実施例1と同じ方法により導電性膜を得た後、この導電性膜を含み、誘電体として(Ba、Nb)TiO3を用いた積層コンデンサ(3.2mm×2.5mm、積層数10)を作製した。
比較例11では、以下のとおりに積層コンデンサを作製した。すなわち比較例3の導電性ペースト組成物を用いて実施例1と同じ方法により導電性膜を得た後、この導電性膜を含み、誘電体としてマイカを用いた積層コンデンサ(3.2mm×2.5mm、積層数10)を作製した。
Claims (9)
- 第1導電性粉末と第2導電性粉末とを含む導電性ペースト組成物であって、
前記第1導電性粉末は、銀粒子であり、
前記第2導電性粉末は、薄片状アルミニウム粒子であり、
前記薄片状アルミニウム粒子は、体積平均粒子径D50が1μm以上20μm以下であり、平均アスペクト比が4以上100以下であり、かつ単位表面積に対する含有酸素量の比率が15mg/m2以下である、導電性ペースト組成物。 - 前記銀粒子と前記薄片状アルミニウム粒子との質量比は、前記銀粒子が85〜99.5質量%であり、前記薄片状アルミニウム粒子が0.5〜15質量%である、請求項1に記載の導電性ペースト組成物。
- 前記薄片状アルミニウム粒子は、有機化合物膜で被覆されている、請求項1または2に記載の導電性ペースト組成物。
- 前記有機化合物膜は、脂肪酸、脂肪族アミン、脂肪族アルコール、脂肪族エステルおよび樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項3に記載の導電性ペースト組成物。
- 前記導電性ペースト組成物は、有機ビヒクルおよびガラスフリットをさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ペースト組成物。
- 前記導電性ペースト組成物は、前記銀粒子100質量部あたり0.5〜14質量部の前記薄片状アルミニウム粒子と、42〜50質量部の前記有機ビヒクルと、0.7〜0.9質量部の前記ガラスフリットとを含む、請求項5に記載の導電性ペースト組成物。
- 前記ガラスフリットは、SiO2、B2O3、ZnO、BaO、CaO、LiO2、MgO、Bi2O3およびAl2O3からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含む金属酸化物ガラスである、請求項5または6に記載の導電性ペースト組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の導電性ペースト組成物を用いた導電性膜の製造方法であって、
前記導電性ペースト組成物をドライフィルムレジスト法、コーター法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、ドクターブレード法、スプレー塗装法、インクジェット法およびフォトリソグラフィ法のいずれかを用いて所定形状にパターニングする第1工程と、
前記第1工程の後、パターニングされた前記導電性ペースト組成物を500〜900℃の温度で焼成する第2工程とを含む、導電性膜の製造方法。 - 第1導電性粉末と第2導電性粉末とを含む積層コンデンサであって、
前記第1導電性粉末は、銀粒子であり、
前記第2導電性粉末は、薄片状アルミニウム粒子であり、
前記薄片状アルミニウム粒子は、体積平均粒子径D50が1μm以上20μm以下であり、平均アスペクト比が4以上100以下であり、かつ単位表面積に対する含有酸素量の比率が15mg/m2以下である、積層コンデンサ。
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