JP2018151076A - ヒートポンプシステム、及び冷熱生成方法 - Google Patents

ヒートポンプシステム、及び冷熱生成方法 Download PDF

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Yasuki Hirota
靖樹 廣田
勉 品川
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勉 品川
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Takashi Yamauchi
崇史 山内
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学芙 渡橋
伸介 竹内
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伸介 竹内
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Hisao Nagashima
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Abstract

【課題】効率的な冷熱生成を行う。【解決手段】ヒートポンプシステム10は、蒸発器22、圧縮器24、凝縮器26、及び膨張弁28を接続して第1熱媒を流通させる第1熱媒路R1を有する圧縮式ヒートポンプ20と、第2熱媒を吸着、脱離する吸着剤が収納された吸着部34、及び吸着部34と連通された貯留部32を有する、吸着器30と、第1熱媒路R1と連通され、吸着部34及び貯留部32へ第1熱媒を流通させて熱交換を行う伝熱流路と、を備えている。【選択図】図1−1

Description

本発明は、ヒートポンプシステム、及び、冷熱生成方法に関する。
特許文献1には、冷媒ラインを介して相互連結され、凝縮された冷媒を膨張させる膨張バルブと、膨張した冷媒を空気との熱交換を通じて蒸発させる蒸発器と、蒸発された気体状態の冷媒を圧縮させる圧縮器とを含んで構成された車両用エアコンシステムが記載されている。
このように圧縮器を用いて冷熱を生成するヒートポンプシステムでは、膨張バルブで圧力を開放された冷媒が蒸発器で蒸発することにより冷熱が生成され、この冷熱を冷却対象に作用させて冷却対象を冷却する。
一方、このような圧縮機を用いたヒートポンプに対して、吸着式のヒートポンプはエネルギー消費効率が高く、二酸化炭素削減効果も大きい。しかしながら、吸着式のヒートポンプは、再生に熱を要し、再生のための熱の温度が低いと冷熱生成の効率が低下してしまう。
特開2014−76792号公報
そこで、吸着式ヒートポンプに圧縮式ヒートポンプを併設することで、再生のための熱の温度が低い場合の冷熱生成を補うことが考えられる。この場合、ヒートポンプシステム全体の構成要素が増加してしまう。
本発明は上記事実を考慮して成されたものであり、簡易な構成で、安定して冷熱生成を行うことを課題とする。
本発明の第1の態様のヒートポンプシステムは、第1熱媒を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器からの前記第1熱媒を圧縮する圧縮器と、前記圧縮器からの前記第1熱媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器からの前記第1熱媒の圧力を前記蒸発器へ向かって開放する膨張弁と、前記蒸発器、前記圧縮器、前記凝縮器、及び前記膨張弁を接続して前記第1熱媒を流通させる第1熱媒路を有する圧縮式ヒートポンプと、第2熱媒を吸着すると共に再生温度で前記第2熱媒を脱離して再生される吸着剤が収納された吸着部、及び前記吸着部と連通され前記第2熱媒が貯留される貯留部を有する、吸着器と、前記第1熱媒路と連通され、前記吸着部及び前記貯留部の少なくとも一方へ前記第1熱媒を流通させて熱交換を行う伝熱流路と、を備えている。
第1の態様のヒートポンプシステムは、圧縮式ヒートポンプを備えている。圧縮式ヒートポンプは、蒸発器、圧縮器、凝縮器、及び膨張弁が第1熱媒路により接続され、圧力を開放されて送出された第1熱媒の蒸発により、冷熱を生成する。
また、第1の態様のヒートポンプシステムは、吸着器を備えている。吸着器は、吸着部及び貯留部を備え、貯留部に貯留された第2熱媒が蒸発して冷熱を生成し、吸着部で吸着される。
第1の態様のヒートポンプシステムでは、圧縮式ヒートポンプと共に吸着器が備えられており、蒸発器における第1冷媒の蒸発だけでなく、吸着器における第2熱媒の蒸発によっても冷熱生成を行う。したがって、再生のための熱の温度が低い場合には、圧縮式ヒートポンプで冷熱を生成し、再生のための熱の温度が高くなった場合には、吸着器で冷熱生成を行うことが可能である。これにより、安定して冷熱生成を行うことができる。
また、吸着部及び貯留部へ、第1熱媒を流通させて熱交換を行う伝熱流路が設けられているので、圧縮式ヒートポンプの構成要素を吸着器で共用することができ、システムの構成を簡易にすることができる。
本発明の第2の態様のヒートポンプシステムは、前記伝熱流路は、前記再生温度より高温に加熱された前記第1熱媒を前記吸着部へ送出して前記吸着部を加熱する高温供給流路、を含んで構成されている。
第2の態様のヒートポンプシステムでは、高温供給流路を介して吸着部へ送出される第1熱媒により吸着部を加熱して、吸着剤を再生することができる。
本発明の第3の態様のヒートポンプシステムは、前記高温供給流路には、前記第1熱媒を加熱蒸発させる高温蒸発器が設けられている。
第3の態様のヒートポンプシステムでは、高温蒸発器で第1熱媒を加熱蒸発させて吸着部へ送出するので、第1熱媒を吸着部へ容易に送出することができる。
本発明の第4の態様のヒートポンプシステムは、前記高温供給流路には、前記圧縮器により圧縮された前記第1熱媒が送出される。
第4の態様のヒートポンプシステムでは、圧縮器により圧縮された第1熱媒が高温供給流路を介して吸着部へ送出されるので、高温高圧の第1熱媒を吸着部へ容易に送出することができる。
本発明の第5の態様のヒートポンプシステムは、前記伝熱流路は、前記凝縮器と前記貯留部との間で前記第1熱媒を循環させる第1伝熱流路を含んで構成されている。
第5の態様のヒートポンプシステムによれば、第2熱媒の凝縮により貯留部で加熱された第1熱媒を凝縮部で冷却して貯留部へ戻し、貯留部を冷却することができる。
本発明の第6の態様のヒートポンプシステムは、前記伝熱流路は、前記蒸発器と前記貯留部との間で前記第1熱媒を循環させる第2伝熱流路を含んで構成されている。
第6の態様のヒートポンプシステムによれば、貯留部で第2熱媒が蒸発することにより生成された冷熱を、第1熱媒で蒸発器へ送出することができる。
本発明の第7の態様のヒートポンプシステムは、前記伝熱流路は、前記凝縮器と前記吸着部との間で前記第1熱媒を循環させる第3伝熱流路を含んで構成されている。
第7の態様のヒートポンプシステムによれば、吸着部における第2熱媒の吸着の際の吸着熱により吸着部で加熱された第1熱媒を凝縮部で冷却して吸着部へ戻し、吸着部を冷却することができる。
本発明の第8の態様のヒートポンプシステムは、前記吸着器を複数備え、前記吸着剤による前記第2熱媒の吸着と脱離との切り換えを複数の前記吸着器毎に異なるタイミングで行う。
第8の態様のヒートポンプシステムによれば、複数の吸着器における第2熱媒の吸着と脱離との切り換えを異なるタイミングで行うことにより、一部の吸着器により冷熱生成が行われている時に、他の吸着器の再生処理を行うことができる。したがって、吸着器による冷熱生成を連続して行うことができる。
本発明の第9の態様の冷熱生成方法は、第1熱媒を圧縮器で圧縮した後に凝縮器で凝縮させ、前記凝縮器からの前記第1熱媒を膨張弁で圧力を開放しつつ蒸発器へ送出して前記第1熱媒を蒸発させて冷熱を生成する、圧縮冷熱生成と、前記凝縮器と吸着部との間で循環する前記第1熱媒により冷却される吸着部の吸着剤で、貯留部に貯留された第2熱媒を吸着しつつ蒸発させて冷熱を生成する吸着冷熱生成と、を行う。
第9の態様の冷熱生成方法は、圧縮器を用いた圧縮冷熱生成を行う。また、吸着剤を用いた吸着冷熱生成を行う。吸着冷熱生成は、圧縮冷熱生成に用いる凝縮器との間で循環する第1熱媒で吸着部を冷却して、貯留部に貯留された第2熱媒を吸着しつつ蒸発させで行う。
このように、圧縮冷熱生成と吸着冷熱生成とを組み合わせることにより、効率的に冷熱を生成することができる。
本発明の第10の態様の冷熱生成方法は、前記貯留部で生成された冷熱を前記第1熱媒により前記蒸発器へ送出する。
第10の態様の冷熱生成方法によれば、貯留部で第2熱媒が蒸発することにより生成された冷熱を、第1熱媒で蒸発器へ送出することができる。
本発明の第11の態様の冷熱生成方法は、前記吸着剤の再生温度より高温の前記第1熱媒で前記吸着部を加熱して前記吸着剤から前記第2熱媒を脱離させて前記吸着部を再生する再生処理、を行う。
第11の態様の冷熱生成方法によれば、高温の第1熱媒により吸着部を加熱して、吸着剤を再生することができる。
本発明の第12の態様の冷熱生成方法は、前記凝縮器と前記貯留部との間で循環する前記第1熱媒により冷却される前記貯留部で、前記吸着剤から脱離された前記第2熱媒を凝縮させる。
第12の態様の冷熱生成方法によれば、貯留部で加熱された第1熱媒を凝縮部で冷却して貯留部へ戻し、貯留部を冷却することにより、吸着剤から脱離された第2熱媒を凝縮させることができる。
本発明の第13の態様の冷熱生成方法は、前記吸着部を複数備え、一部の前記吸着部において前記吸着剤に前記第2熱媒を吸着させながら、他の前記吸着部において前記吸着剤から前記第2熱媒を脱離させる。
第13の態様の冷熱生成方法では、一部の吸着器により冷熱生成が行われている時に、他の吸着器の再生処理を行うことができる。したがって、吸着器による冷熱生成を連続して行うことができる。
本発明は上記構成としたので、効率的な冷熱生成を行うことが可能である。
第1実施形態のヒートポンプシステムの構成を示す概略図である。 第1実施形態の変形例に係るヒートポンプシステムの構成を示す概略図である。 第1実施形態のヒートポンプシステムの圧縮冷熱生成モードの動作を示す概略図である。 第1実施形態のヒートポンプシステムの吸着冷熱生成モードの動作を示す概略図である。 第1実施形態のヒートポンプシステムの再生処理モードの動作を示す概略図である。 第2実施形態のヒートポンプシステムの構成を示す概略図である。 第2実施形態のヒートポンプシステムの圧縮冷熱生成モードの動作を示す概略図である。 第2実施形態のヒートポンプシステムの一方の吸着器での吸着冷熱生成モード、他方の吸着器での再生処理モードの動作を示す概略図である。 第2実施形態のヒートポンプシステムの一方の吸着器での再生処理モード、他方の吸着器での吸着冷熱生成モードの動作を示す概略図である。 第3実施形態のヒートポンプシステムの構成を示す概略図である。 第3実施形態のヒートポンプシステムの圧縮冷熱生成モードの動作を示す概略図である。 第3実施形態のヒートポンプシステムの吸着冷熱生成モードの動作を示す概略図である。 第3実施形態のヒートポンプシステムの圧縮冷熱生成/再生処理モードの動作を示す概略図である。 第3実施形態の変形例に係るヒートポンプシステムの構成を示す概略図である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態のヒートポンプシステム10は、圧縮式ヒートポンプ20及び吸着器30を備えている。図1に示すように、圧縮式ヒートポンプ20は、蒸発器22、圧縮器24、凝縮器26及び膨張弁28を有している。また、吸着器30は、貯留部32、吸着部34、及び連通部33を有している。
蒸発器22、圧縮器24、凝縮器26及び膨張弁28は、第1熱媒路R1で接続されている。蒸発器22、圧縮器24、凝縮器26及び膨張弁28には、第1熱媒路R1を介して第1熱媒L1がこの順序で循環する。第1熱媒L1としては、フロン、代替フロン等を用いることができる。第1熱媒路R1には、圧縮器24よりも上流側で蒸発器22よりも下流側(後述する第1熱媒路R1−1)に、第1バルブV1が設けられている。また、膨張弁28よりも上流側で凝縮器26よりも下流側(後述する第1熱媒路R1−3)に第2バルブV2が設けられている。第1バルブV1及び第2バルブV2は、開閉バルブで構成されている。なお、第1熱媒路R1について、蒸発器22と圧縮器24を接続する部分をR1−1、圧縮器24と凝縮器26を接続する部分をR1−2、凝縮器26と膨張弁28を接続する部分をR1−3、膨張弁28から蒸発器22を接続する部分をR1−4とする。
圧縮式ヒートポンプ20の圧縮器24は、蒸発器22からの第1熱媒L1を圧縮して凝縮器26へ送出する。凝縮器26は、室外熱交換器として機能しており、凝縮器26では、外気との熱交換により、圧縮器24から送出された高温高圧の第1熱媒L1が冷却され、凝縮する。凝縮器26で液化した第1熱媒L1は、膨張弁28へ送られる。膨張弁28は、蒸発器22へ向かって第1熱媒L1の圧力を開放する。膨張弁28から吐出された第1熱媒L1は、蒸発器22で蒸発することにより、冷熱が生成される。蒸発器22で生成された冷熱は、熱交換により、室内に供給される。蒸発器22は、室内熱交換器として機能する。
吸着器30の貯留部32には、第2熱媒L2が貯留されている。吸着部34には、第2熱媒L2を吸着すると共に再生温度で第2熱媒L2を脱離する吸着剤が収納されている。貯留部32と吸着部34は、第2熱媒L2が移動可能なように連通部33で連通されている。吸着器30及び貯留部32内は、減圧状態とされている。
凝縮器26よりも下流側で第2バルブB2よりも上流側の第1熱媒路R1には、高温供給流路36の一端が接続されている。高温供給流路36の他端は、吸着部34へ接続されている。高温供給流路36には、高温蒸発器38が設けられている。高温蒸発器38高温蒸発器38では、熱源Hからの熱により第1熱媒L1が加熱される。第1熱媒L1は蒸発して吸着部34へ送出される。吸着部34には、吸着剤及び第2熱媒L2と区画されると共に高温供給流路36と連通され、第1熱媒L1が流入される高温熱交換部35が設けられている。高温熱交換部35に流入した第1熱媒L1は、吸着部34を、吸着剤の再生温度以上の温度で加熱する。
なお、高温熱交換部35は、図1−1に示すように、高温供給流路36のみと接続されていてもよいし、図1−2に示すように、高温供給流路36に加えて、後述する第3伝熱流路D3とも接続させてもよい。
なお、熱源Hとしては、当該ヒートポンプシステム10を車両に設置するのであれば、エンジンからの廃熱等を利用することができる。熱源Hと高温蒸発器38との間は、熱源流体路39により伝熱流体が循環している。
高温供給流路36には、高温蒸発器38よりも上流側に、第1熱媒L1を高温蒸発器38へ送出するポンプP1が設けられている。また、高温供給流路36には、高温蒸発器38よりも下流側に、第3バルブV3が設けられている。第3バルブV3は、開閉バルブで構成されている。
吸着器30の貯留部32と圧縮式ヒートポンプ20の凝縮器26との間には、貯留部32と凝縮器26との間で第1熱媒L1を循環させる第1伝熱流路D1が設けられている。第1伝熱流路D1は、破線で図示されている。第1伝熱流路D1の上流端は第1熱媒路R1−3に接続され、下流端は第1熱媒路R1−2に接続されている。凝縮器26で熱交換された第1熱媒L1は、貯留部32へ送出され、貯留部32内で熱交換される。熱交換された後の第1熱媒L1は、凝縮器26の上流側へ戻される。第1伝熱流路D1には、貯留部32の上流側に第4バルブV4が設けられ、貯留部32の下流側に第5バルブV5が設けられている。第4バルブV4及び第5バルブV5は、開閉バルブで構成されている。
吸着器30の貯留部32と圧縮式ヒートポンプ20の蒸発器22との間には、貯留部32と蒸発器22との間で第1熱媒L1を循環させる第2伝熱流路D2が設けられている。第2伝熱流路D2は、破線で図示されている。第2伝熱流路D2の上流端は第1熱媒路R1−1に接続され、下流端は第1熱媒路R1−4に接続されている。蒸発器22で熱交換された第1熱媒L1は、貯留部32へ送出され、貯留部32内で熱交換される。熱交換された後の第1熱媒L1は、蒸発器22の上流側へ戻される。第2伝熱流路D2には、貯留部32の上流側に第6バルブV6が設けられ、貯留部32の下流側に第7バルブV7が設けられている。第6バルブV6及び第7バルブV7は、開閉バルブで構成されている。
吸着器30の吸着部34と圧縮式ヒートポンプ20の凝縮器26との間には、吸着部34と凝縮器26との間で第1熱媒L1を循環させる第3伝熱流路D3が設けられている。第3伝熱流路D3は、点線で図示されている。第3伝熱流路D3の上流端は第1熱媒路R1−3に接続され、下流端は第1熱媒路R1−2に接続されている。凝縮器26で熱交換されて冷却された第1熱媒L1は、吸着部34へ送出され、吸着部34内で熱交換される。熱交換された後の第1熱媒L1は、凝縮器26の上流側へ戻される。第3伝熱流路D3には、吸着部34の上流側に第8バルブV8が設けられ、吸着部34の下流側に第9バルブV9が設けられている。第8バルブV8及び第9バルブV9は、開閉バルブで構成されている。
次に、ヒートポンプシステム10の動作について説明する。なお、ヒートポンプシステム10の動作を示す図面(第1実施形態では図2、図3、及び図4)においては、開状態にあるバルブを白抜き、閉状態にあるバルブを黒塗りで示す。また、内部を第1熱媒L1が流れている状態の流路を、流れていない状態の流路よりも太くして示す。
ヒートポンプシステム10は、圧縮式ヒートポンプ20により冷熱を生成する圧縮冷熱生成モードM1、吸着器30により冷熱を生成する吸着冷熱生成モードM2、及び、吸着部34の再生処理を行う再生処理モードM3を有している。圧縮冷熱生成モードM1、吸着冷熱生成モードM2、及び、再生処理モードM3は、同時に行われず、別々のタイミングで行われる。例えば、ヒートポンプシステム10を車両に搭載した場合であれば、エンジンが温まる迄の起動時に、圧縮冷熱生成モードM1で冷熱を生成し、エンジンが温まって、エンジンからの廃熱が得られるタイミングで、吸着冷熱生成モードM2及び再生処理モードM3を実施することができる。また、起動時のクールダウンに吸着冷熱生成モードM2により冷熱を生成し、続いて圧縮冷熱生成モードM1で冷熱を生成し、熱源から熱を得られる状態になった時に、適宜再生処理モードM3を実行してもよい。
圧縮冷熱生成モードM1では、図2に示されるように、第1バルブV1及び第2バルブV2が開放され、その他のバルブ(第3バルブV3〜第9バルブV9)は閉鎖される。圧縮器24は、蒸発器22からの第1熱媒L1を圧縮して凝縮器26へ送出する。送出された第1熱媒L1は、高温高圧状態で凝縮器26へ流入される。凝縮器26では、外気との熱交換により、圧縮器24からの第1熱媒L1が冷却され、第1熱媒L1は凝縮される。凝縮器26で液化した第1熱媒L1は、膨張弁28へ送られる。膨張弁28は、圧力を開放しつつ第1熱媒L1を蒸発器22へ吐出する。膨張弁28から吐出された第1熱媒L1は、低温低圧状態で蒸発器22へ流入し、蒸発することにより、冷熱が生成される。蒸発器22で生成された冷熱は、熱交換により、室内に供給される。
吸着冷熱生成モードM2では、図3に示されるように、第6バルブV6、第7バルブV7、第8バルブV8、及び第9バルブV9が開放され、その他のバルブ(第1バルブV1〜第5バルブV5)は閉鎖される。貯留部32に貯留された第2熱媒L2は、蒸発して吸着部34の吸着剤に吸着される。第2熱媒L2の蒸発により生成された冷熱は、貯留部32において第1熱媒L1を熱交換により冷却し、冷却された第1熱媒L1は、第2伝熱流路D2により蒸発器22へ送出される。蒸発器22へ流入した冷熱は、熱交換により、室内に供給される。熱交換により温まった第1熱媒L1は、蒸発器22で蒸発して貯留部32へ送出され、前記のように貯留部32において冷却されて凝縮される。すなわち、第1熱媒L1を貯留部32と蒸発器22との間で蒸発・凝縮を伴って循環させ、貯留部32で生成される冷熱を蒸発器22へ送り、室内へ供給する。
一方、吸着冷熱生成モードM2において、吸着部34では、吸着熱により加熱されて蒸発した第1熱媒L1が、第3伝熱流路D3により凝縮器26へ送られる。凝縮器26では、第1熱媒L1が冷却されて凝縮され、凝縮された第1熱媒L1が吸着部34へ送出されて吸着部34を冷却する。すなわち、第1熱媒L1を吸着部34と凝縮器26との間で蒸発・凝縮を伴って循環させ、吸着部34で発生する吸着熱を凝縮器26で放出する。
再生処理モードM3では、図4に示されるように、第3バルブV3、第4バルブV4、及び第5バルブV5が開放され、その他のバルブ(第1バルブV1、第2バルブV2、第6バルブV6〜第9バルブV9)は閉鎖される。ポンプP1が作動し、高温供給流路36を経て高温蒸発器38へ第1熱媒L1が送出される。高温蒸発器38では熱源Hからの熱により第1熱媒L1が加熱され、第1熱媒L1が蒸発して吸着部34の高温熱交換部35へ送出される。これにより、吸着部34が加熱され、第2熱媒L2が吸着剤から脱離して貯留部32へ移動する。高温熱交換部35で吸着部32を加熱した第1熱媒L1は、凝縮して高温蒸発器38へ戻る。
貯留部32では、第2熱媒L2が凝縮し、凝縮熱により加熱された第1熱媒L1が蒸発し、第1伝熱流路D1により凝縮器26へ送られる。凝縮器26では、第1熱媒L1が冷却されて凝縮し、凝縮した第1熱媒L1が貯留部32へ送出されて貯留部32を冷却する。すなわち、第1熱媒L1を貯留部32と凝縮器26との間で蒸発・凝縮を伴って循環させ、貯留部32で発生する凝縮熱を凝縮器26で放出する。
本実施形態では、圧縮冷熱生成モードM1、吸着冷熱生成モードM2、及び再生処理モードM3を順次切換えて、冷熱生成を行うことができる。このように、吸着器30による冷熱生成に加えて圧縮式ヒートポンプ20での冷熱生成を行うことにより、安定して冷熱生成を行うことができる。
また、本実施形態では、吸着部34及び貯留部32へ、第1熱媒L1を流通させて熱交換を行う伝熱流路(第1伝熱流路D1、第2伝熱流路D2、第3伝熱流路D3、及び高温供給流路36)が設けられている。第1伝熱流路D1が設けられていることにより、再生処理モードM3の時に、貯留部32の凝縮熱で加熱された第1熱媒L1を、圧縮式ヒートポンプ20の凝縮器26を用いて冷却して貯留部32へ戻し、貯留部32を冷却することができる。
なお、本実施形態では、第1伝熱流路D1、第2伝熱流路D2、第3伝熱流路D3に、第1熱媒L1を輸送するための動力を設けていないが、必要に応じてポンプなどの輸送動力を設けてもよい。本実施形態では、第1伝熱流路D1、第2伝熱流路D2、第3伝熱流路D3において、蒸発・凝縮を伴って第1熱媒L1を循環させているので、第1熱媒L1の輸送動力を省略、または、小さくすることができる。
また、第2伝熱流路D2が設けられていることにより、吸着冷熱生成モードM2の時に、貯留部32で生成された冷熱を第1熱媒L1を伝熱媒体として、圧縮式ヒートポンプ20の蒸発器22へ送り、当該冷熱を室内へ供給することができる。さらに、第3伝熱流路D3が設けられていることにより、吸着冷熱生成モードM2時に、吸着部34の吸着熱で加熱された第1熱媒L1を、圧縮式ヒートポンプ20の凝縮器26を用いて冷却して吸着部34へ戻し、吸着部34を冷却することができる。さらに、高温供給流路36が設けられていることにより、再生処理モードM3の時に、第1熱媒L1を用いて吸着部34を加熱することができる。
なお、本実施形態では、伝熱流路として、第1伝熱流路D1、第2伝熱流路D2、第3伝熱流路D3及び高温供給流路36を設けたが、これらの一部のみを設けてもよい。この場合には、他の伝熱媒体流路を設けることとなる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態のヒートポンプシステム40は、図5に示されるように、圧縮式ヒートポンプ20、及び、2つの吸着器30A、30Bを備えている。吸着器30A、30Bは、各々第1実施形態の吸着器30と同様の貯留部32、吸着部34、及び連通部33を有している。本実施形態では、吸着器30Aを構成する要素の末尾、及び、吸着器30Aへの流体の流入及び吸着器30Aからの流体の流出に関する要素の末尾に符号Aを付し、吸着器30Bを構成する要素の末尾、及び、吸着器30Bへの流体の流入及び吸着器30Bからの流体の流出に関する要素の末尾に符号にBを付して区別する。
高温供給流路36は、高温蒸発器38の下流側で高温供給流路36Aと高温供給流路36Bに分岐されている。高温供給流路36Aは、後述する第3伝熱流路D3Aと合流して吸着部34Aへ導入され、高温供給流路36Bは、後述する第3伝熱流路D3Bと合流して吸着部34Bへ導入されている。高温供給流路36Aには、第3バルブV3Aが設けられ、高温供給流路36Bには、第3バルブV3Bが設けられている。
第1伝熱流路D1は、凝縮器26よりも下流側、且つ吸着器30A、30Bよりも上流側で、第3伝熱流路D3と一部流路を共通とし、貯留部32Aへ導入される第1伝熱流路D1Aと、貯留部32Bへ導入される第1伝熱流路D1Bに分岐されている。第1伝熱流路D1Aの貯留部32Aよりも上流側には、第4バルブV4Aが設けられ、貯留部32Aよりも下流側には、第5バルブV5Aが設けられている。第1伝熱流路D1Bの貯留部32Bよりも上流側には、第4バルブV4Bが設けられ、貯留部32Bよりも下流側には、第5バルブV5Bが設けられている。第1伝熱流路D1Aと第1伝熱流路D1Bは、貯留部32A、32Bの下流側で合流している。
第2伝熱流路D2は、蒸発器22よりも下流側、且つ吸着器30A、30Bよりも上流側で、貯留部32Aへ導入される第2伝熱流路D2Aと、貯留部32Bへ導入される第2伝熱流路D2Bに分岐されている。第2伝熱流路D2Aの貯留部32Aよりも上流側には、第6バルブV6Aが設けられ、貯留部32Aよりも下流側には、第7バルブV7Aが設けられている。第2伝熱流路D2Bの貯留部32Bよりも上流側には、第6バルブV6Bが設けられ、貯留部32Bよりも下流側には、第7バルブV7Bが設けられている。第2伝熱流路D2Aと第2伝熱流路D2Bは、貯留部32A、32Bの下流側で合流している。
第3伝熱流路D3は、凝縮器26よりも下流側、且つ吸着器30A、30Bよりも上流側で、吸着部34Aへ導入される第3伝熱流路D3Aと、吸着部34Bへ導入される第3伝熱流路D3Bに分岐されている。第3伝熱流路D3Aの吸着部34Aよりも上流側には、第8バルブV8Aが設けられ、吸着部34Aよりも下流側には、第9バルブV9Aが設けられている。第3伝熱流路D3Bの吸着部34Bよりも上流側には、第8バルブV8Bが設けられ、吸着部34Bよりも下流側には、第9バルブV9Bが設けられている。第3伝熱流路D3Aと第3伝熱流路D3Bは、吸着部34A、34Bの下流側で合流している。
次に、ヒートポンプシステム40の動作について説明する。ヒートポンプシステム40は、圧縮式ヒートポンプ20により冷熱を生成する圧縮冷熱生成モードM1、吸着器30により冷熱を生成する吸着冷熱生成モードM2、及び、吸着部34の再生処理を行う再生処理モードM3を有している。なお、吸着器30Aでの吸着冷熱生成モードM2を吸着冷熱生成モードM2A、再生処理モードM3を再生処理モードM3Aをとし、吸着器30Bでの吸着冷熱生成モードM2を吸着冷熱生成モードM2B、再生処理モードM3を再生処理モードM3Bをとして区別する。
圧縮冷熱生成モードM1では、図6に示されるように、第1バルブV1及び第2バルブV2が開放され、その他のバルブ(第3バルブV3〜第9バルブV9)は閉鎖され、第1実施形態と同様に、圧縮式ヒートポンプ20により冷熱が生成される。
吸着冷熱生成モードM2Aと再生処理モードM3Bとは、同時に実行される。吸着冷熱生成モードM2Aと再生処理モードM3Bが実行されている時には、図7に示されるように、第6バルブV6A、第7バルブV7A、第8バルブV8A、第9バルブV9A、第3バルブV3B、第4バルブV4B、及び第5バルブV5Bが開放され、その他のバルブは閉鎖される。貯留部32Aに貯留された第2熱媒L2は、蒸発して吸着部34Aの吸着剤に吸着される。第2熱媒L2の蒸発により生成された冷熱は、貯留部32Aにおいて第1熱媒L1を熱交換により冷却し、冷却された第1熱媒L1は、第2伝熱流路D2(D2A)により蒸発器22へ送出される。蒸発器22へ流入した冷熱は、熱交換により、室内に供給される。熱交換により温まった第1熱媒L1は、蒸発器22から貯留部32Aへ送出され、前記のように貯留部32Aにおいて冷却される。すなわち、第1熱媒L1を貯留部32Aと蒸発器22との間で循環させ、貯留部32Aで生成される冷熱を蒸発器22へ送り、室内へ供給する。
吸着冷熱生成モードM2Aおいて、吸着部34Aでは、吸着熱により加熱された第1熱媒L1が、第3伝熱流路D3(D3A)により凝縮器26へ送られる。凝縮器26では、第1熱媒L1が冷却され、冷却された第1熱媒L1が吸着部34Aへ送出されて吸着部34Aを冷却する。すなわち、第1熱媒L1を吸着部34Aと凝縮器26との間で循環させ、吸着部34Aで発生する吸着熱を凝縮器26で冷却する。
一方、再生処理モードM3Bでは、ポンプP1が作動し、高温供給流路36を経て高温蒸発器38へ第1熱媒L1が送出される。高温蒸発器38は熱源Hからの熱により加熱され、第1熱媒L1が蒸発して吸着部34Bへ送出される。これにより、吸着部34Bが加熱され、第2熱媒L2が吸着剤から脱離して貯留部32Bへ移動し、吸着部34Bが再生される。
貯留部32Bでは、第2熱媒L2が凝縮し、凝縮熱により加熱された第1熱媒L1が、第1伝熱流路D1(D1B)により凝縮器26へ送られる。凝縮器26では、第1熱媒L1が冷却され、冷却された第1熱媒L1が貯留部32Bへ送出されて貯留部32Bを冷却する。すなわち、第1熱媒L1を貯留部32Bと凝縮器26との間で循環させ、貯留部32Bで発生する凝縮熱を凝縮器26で冷却する。
また、吸着冷熱生成モードM2Bと再生処理モードM3Aとは、同時に実行される。吸着冷熱生成モードM2Bと再生処理モードM3Aが実行されている時には、図8に示されるように、第6バルブV6B、第7バルブV7B、第8バルブV8B、第9バルブV9B、第3バルブV3A、第4バルブV4A、及び第5バルブV5Aが開放され、その他のバルブは閉鎖される。貯留部32Bに貯留された第2熱媒L2は、蒸発して吸着部34Bの吸着剤に吸着される。第2熱媒L2の蒸発により生成された冷熱は、貯留部32Bにおいて第1熱媒L1を熱交換により冷却し、冷却された第1熱媒L1は、第2伝熱流路D2(D2B)により蒸発器22へ送出される。蒸発器22へ流入した冷熱は、熱交換により、室内に供給される。熱交換により温まった第1熱媒L1は、蒸発器22から貯留部32Bへ送出され、前記のように貯留部32Bにおいて冷却される。すなわち、第1熱媒L1を貯留部32Bと蒸発器22との間で循環させ、貯留部32Bで生成される冷熱を蒸発器22へ送り、室内へ供給する。
吸着冷熱生成モードM2Bおいて、吸着部34Bでは、吸着熱により加熱された第1熱媒L1が、第3伝熱流路D3(D3B)により凝縮器26へ送られる。凝縮器26では、第1熱媒L1が冷却され、冷却された第1熱媒L1が吸着部34Bへ送出されて吸着部34Bを冷却する。すなわち、第1熱媒L1を吸着部34Bと凝縮器26との間で循環させ、吸着部34Bで発生する吸着熱を凝縮器26で冷却する。
一方、再生処理モードM3Aでは、ポンプP1が作動し、高温供給流路36を経て高温蒸発器38へ第1熱媒L1が送出される。高温蒸発器38は熱源Hからの熱により加熱され、第1熱媒L1が蒸発して吸着部34Aへ送出される。これにより、吸着部34Aが加熱され、第2熱媒L2が吸着剤から脱離して貯留部32Aへ移動し、吸着部34Aが再生される。
貯留部32Aでは、第2熱媒L2が凝縮し、凝縮熱により加熱された第1熱媒L1が、第1伝熱流路D1(D1A)により凝縮器26へ送られる。凝縮器26では、第1熱媒L1が冷却され、冷却された第1熱媒L1が貯留部32Aへ送出されて貯留部32Aを冷却する。すなわち、第1熱媒L1を貯留部32Aと凝縮器26との間で循環させ、貯留部32Aで発生する凝縮熱を凝縮器26で冷却する。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、圧縮式ヒートポンプ20での冷熱生成に加えて、吸着器30A、30Bによる冷熱生成を行うことにより、効率的に冷熱生成を行うことができる。
また、本実施形態では、吸着部34及び貯留部32へ、第1熱媒L1を流通させて熱交換を行う伝熱流路(第1伝熱流路D1、第2伝熱流路D2、第3伝熱流路D3、及び高温供給流路36)が設けられている。したがって、第1実施形態と同様に、圧縮式ヒートポンプ20の凝縮器26を用いて貯留部32A、32Bや吸着部34A、34Bを冷却したり、貯留部32A、32Bで生成された冷熱を蒸発器26へ送り、当該冷熱を室内へ供給したりすることができる。さらに、高温供給流路36が設けられていることにより、再生処理モードM3A、M3Bの時に、第1熱媒L1を用いて吸着部34A、34Bを加熱することができる。
さらに、2個の吸着器30A、30Bを有しているので、吸着冷熱生成モードM2と再生処理モードM3を吸着器30A、30Bで異なるタイミングで実行できる。したがって、一方で冷熱生成を行っている時に他方で吸着部を再生することができ、連続して冷熱生成を行うことができる。
なお、本実施形態では、2個の吸着器30A、30Bを設けた例について説明したが、3個以上の吸着器30を設けてもよい。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、第1、2実施形態と同様の部分については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態のヒートポンプシステム50は、図9に示されるように、第1実施形態のヒートポンプシステム10において、高温供給流路36、高温蒸発器38、熱源Hを有しておらず、圧縮熱媒流路52を有している点が第1実施形態と異なっている。
圧縮熱媒流路52は、第1伝熱流路D1及び第3伝熱流路D3の下流端との接続部分よりも上流側で、第1熱媒路R1−2から分岐されており、吸着部34を経て、凝縮器26の下流側且つ第1伝熱流路D1の上流端との接続部分よりも上流側で第1熱媒路R1−3と合流されている。圧縮熱媒流路52の吸着部34よりも上流側には、第10バルブV10が設けられている。また、第1熱媒路R1−2の圧縮熱媒流路52との分岐よりも下流側且つ第1伝熱流路D1及び第3伝熱流路D3の下流端との接続部分よりも上流側には、第11バルブV11が設けられている。第10バルブV10及び第11バルブV11は開閉バルブで構成されている。圧縮熱媒流路52は、吸着部34内において、圧縮熱媒流路52を流通する第1熱媒L1と吸着部34の内部との間で熱交換可能となるように構成されている。
次に、ヒートポンプシステム50の動作について説明する。ヒートポンプシステム50は、圧縮式ヒートポンプ20により冷熱を生成する圧縮冷熱生成モードM1、吸着器30により冷熱を生成する吸着冷熱生成モードM2、及び、吸着部34の再生処理を行うと共に蒸発器22で冷熱が生成される圧縮冷熱生成/再生処理モードM4を有している。
圧縮冷熱生成モードM1では、図10に示されるように、第1バルブV1、第11バルブV11、及び第2バルブV2が開放され、その他のバルブ(第3バルブV3〜第10バルブV10)は閉鎖される。圧縮冷熱生成モードM1では、第1実施形態と同様に、蒸発器22で冷熱が生成され、生成された冷熱は熱交換により、室内に供給される。
吸着冷熱生成モードM2では、図11に示されるように、第6バルブV6、第7バルブV7、第8バルブV8、及び第9バルブV9が開放され、その他のバルブ(第1バルブV1〜第5バルブV5、第10バルブV10、及び第11バルブV11)は閉鎖される。吸着冷熱生成モードM2では、第1実施形態と同様に、貯留部32で冷熱が生成され、生成された冷熱が蒸発器22へ送られて、熱交換により、室内に供給される。
圧縮冷熱生成/再生処理モードM4では、図12に示されるように、第1バルブV1、第10バルブV10、第2バルブV2、第4バルブV4、第5バルブV5が開放され、その他のバルブ(第6バルブV6〜第9バルブV9、及び第11バルブV11)は閉鎖される。圧縮器24は、蒸発器22からの第1熱媒L1を圧縮して、圧縮熱媒流路52を介して吸着部34へ送出する。送出された第1熱媒L1は、吸着剤の再生温度以上の高温高圧状態で吸着部34へ流入され、吸着部34が加熱される。これにより、第2熱媒L2が吸着剤から脱離して貯留部32へ移動する。第1熱媒L1は、吸着部34で凝縮され、液化した第1熱媒L1が膨張弁28へ送られる。膨張弁28は、圧力を開放しつつ第1熱媒L1を蒸発器22へ吐出する。膨張弁28から吐出された第1熱媒L1は、低温低圧状態で蒸発器22へ流入し、蒸発することにより、冷熱が生成される。蒸発器22で生成された冷熱は、熱交換により、室内に供給される。
貯留部32では、第1実施形態と同様に、第2熱媒L2が凝縮し、凝縮熱により加熱された第1熱媒L1が、第1伝熱流路D1により凝縮器26へ送られる。凝縮器26では、第1熱媒L1が冷却され、冷却された第1熱媒L1が貯留部32へ送出されて貯留部32を冷却する。すなわち、第1熱媒L1を貯留部32と凝縮器26との間で循環させ、貯留部32で発生する凝縮熱を凝縮器26で冷却する。
本実施形態では、圧縮冷熱生成モードM1、吸着冷熱生成モードM2、及び圧縮冷熱生成/再生処理モードM4を順次切換えて、冷熱生成を行うことができる。このように、圧縮式ヒートポンプ20での冷熱生成に加えて、吸着器30による冷熱生成を行うことにより、効率的に冷熱生成を行うことができる。
また、本実施形態では、圧縮熱媒流路52が設けられていることにより、圧縮器24からの高温高圧の第1熱媒L1を用いて吸着部34を加熱して再生することができる。
なお、本実施形態の構成に、図13に示すように、第1実施形態と同様の高温供給流路36、高温蒸発器38、熱源Hを設け、再生処理モードM3を実施できるようにしてもよい。
さらに、上記第1〜第3実施形態では、吸着器として吸着剤によって吸着質を吸着及び脱着する構成を例に説明したが、吸着器には、吸着剤によって吸着質を吸着及び脱着する構成に限定されない。例えば、吸着質の飽和蒸気圧以下の圧力で吸着質と反応することで、系の圧力を飽和蒸気圧以下に下げることが可能な反応器を吸着器として用いることもできる。ここでいう反応には、物理吸着、化学吸着、吸収、化学反応等が含まれる。たとえば、冷媒にアンモニア、吸着器として化学蓄熱反応器(たとえば反応材としてCaCl)を用いてもよい。
10、40、50 ヒートポンプシステム
22 蒸発器
24 圧縮器
26 凝縮器
28 膨張弁
30、30A、30B 吸着器
32、32A、32B 貯留部
34、34A、34B 吸着部
36、36A、36B 高温供給流路
52 圧縮熱媒流路(高温供給流路)
2014 特開
D1、D1A、D1B 第1伝熱流路(伝熱流路)
D2、D2A、D2B 第2伝熱流路(伝熱流路)
D3、D3A、D3B 第3伝熱流路(伝熱流路)
L1 第1熱媒、 L2 第2熱媒、 R1 第1熱媒路

Claims (13)

  1. 第1熱媒を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器からの前記第1熱媒を圧縮する圧縮器と、前記圧縮器からの前記第1熱媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器からの前記第1熱媒の圧力を前記蒸発器へ向かって開放する膨張弁と、前記蒸発器、前記圧縮器、前記凝縮器、及び前記膨張弁を接続して前記第1熱媒を流通させる第1熱媒路を有する圧縮式ヒートポンプと、
    第2熱媒を吸着すると共に再生温度で前記第2熱媒を脱離して再生される吸着剤が収納された吸着部、及び前記吸着部と連通され前記第2熱媒が貯留される貯留部を有する、吸着器と、
    前記第1熱媒路と連通され、前記吸着部及び前記貯留部の少なくとも一方へ前記第1熱媒を流通させて熱交換を行う伝熱流路と、
    を備えたヒートポンプシステム。
  2. 前記伝熱流路は、前記再生温度より高温に加熱された前記第1熱媒を前記吸着部へ送出して前記吸着部を加熱する高温供給流路、を含んで構成されている、請求項1に記載のヒートポンプシステム。
  3. 前記高温供給流路には、前記第1熱媒を加熱蒸発させる高温蒸発器が設けられている、請求項2に記載のヒートポンプシステム。
  4. 前記高温供給流路には、前記圧縮器により圧縮された前記第1熱媒が送出される、請求項2に記載のヒートポンプシステム。
  5. 前記伝熱流路は、前記凝縮器と前記貯留部との間で前記第1熱媒を循環させる第1伝熱流路を含んで構成されている、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のヒートポンプシステム。
  6. 前記伝熱流路は、前記蒸発器と前記貯留部との間で前記第1熱媒を循環させる第2伝熱流路を含んで構成されている、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のヒートポンプシステム。
  7. 前記伝熱流路は、前記凝縮器と前記吸着部との間で前記第1熱媒を循環させる第3伝熱流路を含んで構成されている、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のヒートポンプシステム。
  8. 前記吸着器を複数備え、前記吸着剤による前記第2熱媒の吸着と脱離との切り換えを複数の前記吸着器毎に異なるタイミングで行う、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のヒートポンプシステム。
  9. 第1熱媒を圧縮器で圧縮した後に凝縮器で凝縮させ、前記凝縮器からの前記第1熱媒を膨張弁で圧力を開放しつつ蒸発器へ送出して前記第1熱媒を蒸発させて冷熱を生成する、圧縮冷熱生成と、
    前記凝縮器と吸着部との間で循環する前記第1熱媒により冷却される前記吸着部の吸着剤で、貯留部に貯留された第2熱媒を吸着しつつ蒸発させて冷熱を生成する吸着冷熱生成と、
    を行う、冷熱生成方法。
  10. 前記貯留部で生成された冷熱を前記第1熱媒により前記蒸発器へ送出する、請求項9に記載の冷熱生成方法。
  11. 前記吸着剤の再生温度より高温の前記第1熱媒で前記吸着部を加熱して前記吸着剤から前記第2熱媒を脱離させて前記吸着部を再生する再生処理、を行う請求項9または請求項10に記載の冷熱生成方法。
  12. 前記凝縮器と前記貯留部との間で循環する前記第1熱媒により冷却される前記貯留部で、前記吸着剤から脱離された前記第2熱媒を凝縮させる、請求項11に記載の冷熱生成方法。
  13. 前記吸着部を複数備え、
    一部の前記吸着部において前記吸着剤に前記第2熱媒を吸着させながら、他の前記吸着部において前記吸着剤から前記第2熱媒を脱離させる、請求項9〜請求項12のいずれか1項に記載の冷熱生成方法。
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