JP2018150656A - 不織布 - Google Patents
不織布 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018150656A JP2018150656A JP2017049164A JP2017049164A JP2018150656A JP 2018150656 A JP2018150656 A JP 2018150656A JP 2017049164 A JP2017049164 A JP 2017049164A JP 2017049164 A JP2017049164 A JP 2017049164A JP 2018150656 A JP2018150656 A JP 2018150656A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- nonwoven fabric
- diameter portion
- constituent
- fibers
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Nonwoven Fabrics (AREA)
Abstract
Description
例えば、特許文献1には、構成繊維同士の交点を熱融着して形成された融着部を複数備えた不織布が開示されている。この構成繊維は、高伸度繊維を含み、1本の構成繊維に着目して、該構成繊維は、隣り合う融着部どうしの間に、繊維径の小さい2個の小径部に挟まれた繊維径の大きい大径部を有している。かつ融着部に隣接する小径部から大径部への変化点が、融着部から隣り合う融着部どうしの間隔の1/3の範囲内に配されているものである。この変化点は、小径部から大径部へ、連続的に漸次変化するのではなく、極端に繊維径の変化する部位とされている。このような不織布は風合いがよいことが知られている。
また特許文献2には、芯部にポリウレタン系弾性繊維、鞘部にポリエステル系長繊維を配した芯鞘構造を有し、実質的に無ヨリである無ヨリ被覆構造を有した被覆弾性糸が開示されている。このポリエステル系長繊維は、糸長手方向に仮ヨリ捲縮を有する細部と未延伸部からなる太部とを有している。
また特許文献2の被覆弾性糸は、カスリ調の優美なムラ感を発現し、かつ、ストレッチ性に優れた布帛を供給することが可能な被覆弾性糸を得ることができるとされる。しかし、風合いに優れていることと、強度が得られることとの両立はされていない。
距離Aは下記の(1)式によって規定される。
A=0.1C (1)
Cは構成繊維31の繊維径が減少を始める直前の繊維径である。
繊維径Cに対する距離Bの比率であるB/Cを変化部34の変化率と呼ぶ。上記不織布10は、この変化部34の変化率が50%以上である。ただし、変化部34の変化率が100%の場合は、変化していない状態を示しているため、変化部34の変化率は100%未満である。なお、(1)式のCの係数の0.1は、小径部32から大径部33にかけての繊維表面がなだらかに変化しているという観点から選択した数値である。
上記開始点PAは、大径部33の接線LTから、構成繊維31の外縁部が離れた場所を「開始点」とする。
開始点PA、距離A、距離Bの測定方法を以下に説明する。
まず、電子顕微鏡を用いて、構成繊維31を撮像し、撮像して得た2次元画像上から上記の定義に基づき開始点PAを定める。撮像倍率は、画像上にて大径部33の接線LTから構成繊維31の外縁部が離れたかを目視で判断できる倍率であればよく、大径部33の径Cが、例えば5cm以上になる倍率であれば良い。
次に、上記の定義に基づき、2次元画像から距離A、距離B、大径部33の径Cを測定して求める。上記の測定を任意の5か所の開始点(変化部34)に対して行い、変化の大きい2つの測定値を除いた残りの3つの測定値の平均値を用いて、上記の変化部34の変化率を計算する。
高伸度繊維の繊度は、柔軟で肌触りのよい不織布とする観点から、上記いずれの繊維形態であっても原料段階で、1dtex以上が好ましく、2dtex以上がより好ましい。そして高伸度繊維の繊度は原料段階で、10dtex以下が好ましく、8dtex以下がより好ましい。
小径部32の繊維径は、肌触り向上と不織布強度の低下を抑える観点から、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは6.5μm以上、特に好ましくは7.5μm以上である。そして、好ましくは28μm以下、さらに好ましくは20μm以下、特に好ましくは16μm以下である。
大径部33の繊維径は、肌触り向上の観点から、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは13μm以上、特に好ましくは15μm以上である。そして、好ましくは35μm以下、さらに好ましくは25μm以下、特に好ましくは20μm以下である。
前記の繊維径は、次に説明する測定方法によって測定される。
繊維径は、走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製JCM−5100)を用いて、繊維の断面を200倍〜800倍に拡大して、繊維の直径(μm)を測定する。繊維の断面は、フェザー剃刀(品番FAS‐10、フェザー安全剃刀株式会社製)を用い、繊維を切断して得る。抽出した繊維1本について断面を円形に近似したときの繊維径を5箇所測定し、それぞれ測定した値5点の平均値を繊維の直径とする。
この製造方法は、高伸度繊維の原綿に延伸加工を施した後、カード加工を行ってから、エアースルー熱処理を行うことによって製造される。この工程により、不織布10の構成繊維31同士の交点が熱融着される前に、原料である原綿の繊維を延伸することができる。
原綿は、トウを所定長さに切った構成繊維31の集合体であり、繊維同士の絡み合いは生じていない。手を使って繊維集合体を持ち上げてほぐせば、ぱらぱらとほぐれる状態にある。このような繊維集合体に対して凹凸ロールを用いた延伸加工を行う。切った繊維の長さは、用途に応じて決められる。
また熱処理を延伸加工後行うことによって、繊維の高強度化が図れる。すなわち、延伸加工による繊維同士の融着部の破壊が起こりえないため、構成繊維の融着部の強度が保たれるからである。
おむつにおいては、不織布10を表面シートとして適用したことにより、肌当接面上での肌触りの良さ、強度の向上の両立を図ることができる。
実施例1の不織布として、図1〜5に示すものを作製した。
まず、不織布10を次の方法により作製した。
構成繊維として、高伸度繊維のみからなり、弾性(エラストマー)を有していない繊維を用いた。具体的には、前記高伸度繊維は、芯部がポリエチレンテレフタレートであり、鞘部がポリエチレンである同心タイプの芯鞘型複合繊維であった。高伸度繊維は、繊度が4.2dtexであり、伸度350%であった。
加工順序は、短繊維を図7に示した延伸装置300を用いて、上記説明した延伸加工を行った。具体的には、一対の凹凸ロール301、302が備える凸部の間隔(ピッチ)が2.0mmであり、押し込み深さt(図6参照)が2mmのものを用いた。
その後、カード加工を行った後、エアースルー熱処理を行って、不織布10を得た。
上記エアースルー熱処理は、熱風の温度を136℃、風速を1.0m/s、処理時間を5秒の条件に設定し、熱風を吹き付けて賦形、融着処理を行った。
また、同一繊維内に、小径部32および大径部33が混在し、小径部32から大径部33に至る部分の繊維径が変化する変化部34においては、なだらかに変化していた。これは、前述の走査電子顕微鏡を用いた測定方法により確認した。
実施例2は、エアースルー熱処理の風速を0.5m/sにした以外、実施例1と同様の製造方法により作成した。得られた不織布は、目付けが30g/m2、融着部には破壊痕が無いものとなった。
(実施例3)
実施例3は、高伸度繊維の繊度を3.3dtexとし、延伸加工における押し込み深さを1.5mmにした以外、実施例1と同様の製造方法により作成した。得られた不織布は、目付けが28g/m2、融着部には破壊痕が無いものとなった。
比較例1は、加工順序を短繊維のカード加工、エアースルー熱処理、延伸加工の順に行い、押し込み深さを2.5mmにした以外、実施例1と同様に作成した。得られた不織布は目付けが30g/m2であった。
(比較例2)
比較例2は、加工順序を短繊維のカード加工、エアースルー熱処理、延伸加工の順に行い、押し込み深さを2.5mmにし、風速を1.5m/sにした以外、実施例1と同様に作成した。得られた不織布は目付けが30g/m2であった。
融着部の破壊痕及び変化部34の変化率については上記した通りである。
引張強度は、株式会社オリエンテックRTC−1150Aテンシロン万能試験機を用い、300mm/minの引張速度にて、チャック間を150mmに設定して測定した。測定サンプルの幅は50mmとした。対象とする不織布から50mmの幅を持ったサンプルを採取できない幅は、測定可能な幅にサンプルを切り出し、最終的に50mm幅に換算して測定値を求めた。測定時の温度(室温)を25℃±5℃とした。
標準サンプルを準備した。前もって、任意に成人女性20人を選び、不織布を見えない状態にして掌によって撫ぜてもらい、感触を総合的に不織布の肌触りとして、以下の5段階の判定基準を用いて評価した。その平均値を、その不織布の風合いとし、風合いの平均値が3.4〜2.5となるものを選び、標準サンプルとした。
風合いの評価は、上述の成人女性20人とは異なる成人女性20人を任意に選びモニターとした。モニターに標準サンプルの不織布を見えない状態にして掌によって撫ぜてもらい、この柔らかさを基準の3とした。さらにモニターに測定対象の不織布を見えない状態にして掌によって撫ぜてもらい、感触を総合的に不織布の肌触りとして、以下の5段階の判定基準によって評価した。結果は、20人の平均値によって示した。
<評価基準>
5:非常に良い 4:良い 3:普通 2:悪い 1:非常に悪い
31 構成繊維
32 小径部
33 大径部
34 変化部
35、35A、35B、35C 融着部
40 原綿
300 延伸装置
301、302 凹凸ロール
303、304 凸部
303A、304A 頂部
A 開始点PAから距離
B 測定点MA1、MA2を結ぶ距離
C 繊維径
MA(MA1、MA2) 測定点
PA(PA1、PA2) 開始点
Claims (7)
- 構成繊維同士の交点が熱融着された融着部を複数備えた不織布であって、
一本の前記構成繊維に着目して、該構成繊維は、小径部と該小径部よりも繊維径の大きい大径部を有しており、該大径部と該小径部の境目である該繊維径の変化部では、繊維径が繊維の長さ方向になだらかに変化している不織布。 - 構成繊維に高伸度繊維を含む請求項1に記載の不織布。
- 全繊維に占める高伸度繊維の比率が50質量%を超える請求項2に記載の不織布。
- 前記融着部に破壊跡が無い請求項1〜3のいずれか1項に記載の不織布。
- 高伸度繊維に延伸加工を施した後、カード加工し、エアースルー熱処理する不織布の製造方法。
- 前記高伸度繊維の繊維長が20mm以上100mm以下である請求項5に記載の不織布の製造方法。
- 前記延伸加工は歯溝延伸加工であり、該歯溝延伸加工は機械流れ方向に沿う方向に延びている凸部を有する凹凸ロールを用いて行う請求項5又は6に記載の不織布の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017049164A JP6793578B2 (ja) | 2017-03-14 | 2017-03-14 | 不織布 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017049164A JP6793578B2 (ja) | 2017-03-14 | 2017-03-14 | 不織布 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018150656A true JP2018150656A (ja) | 2018-09-27 |
JP6793578B2 JP6793578B2 (ja) | 2020-12-02 |
Family
ID=63680115
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017049164A Active JP6793578B2 (ja) | 2017-03-14 | 2017-03-14 | 不織布 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6793578B2 (ja) |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02175919A (ja) * | 1988-12-27 | 1990-07-09 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 熱融着性複合繊維 |
JPH05311559A (ja) * | 1992-05-01 | 1993-11-22 | Teijin Ltd | 新規高性能クッション構造体およびその製造方法 |
JP2009114613A (ja) * | 2007-10-19 | 2009-05-28 | Es Fibervisions Co Ltd | ポリエステル系熱融着性複合繊維 |
JP2009127159A (ja) * | 2007-11-27 | 2009-06-11 | Kuraray Co Ltd | ポリプロピレン繊維製のシート状繊維構造体 |
JP2012087452A (ja) * | 2012-01-27 | 2012-05-10 | Kao Corp | 伸縮性不織布 |
JP2012214957A (ja) * | 2011-03-30 | 2012-11-08 | As R&D合同会社 | 吸音構造体 |
JP2016069748A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | 花王株式会社 | 不織布 |
JP2016079529A (ja) * | 2014-10-17 | 2016-05-16 | 花王株式会社 | 不織布 |
-
2017
- 2017-03-14 JP JP2017049164A patent/JP6793578B2/ja active Active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02175919A (ja) * | 1988-12-27 | 1990-07-09 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 熱融着性複合繊維 |
JPH05311559A (ja) * | 1992-05-01 | 1993-11-22 | Teijin Ltd | 新規高性能クッション構造体およびその製造方法 |
JP2009114613A (ja) * | 2007-10-19 | 2009-05-28 | Es Fibervisions Co Ltd | ポリエステル系熱融着性複合繊維 |
JP2009127159A (ja) * | 2007-11-27 | 2009-06-11 | Kuraray Co Ltd | ポリプロピレン繊維製のシート状繊維構造体 |
JP2012214957A (ja) * | 2011-03-30 | 2012-11-08 | As R&D合同会社 | 吸音構造体 |
JP2012087452A (ja) * | 2012-01-27 | 2012-05-10 | Kao Corp | 伸縮性不織布 |
JP2016069748A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | 花王株式会社 | 不織布 |
JP2016079529A (ja) * | 2014-10-17 | 2016-05-16 | 花王株式会社 | 不織布 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6793578B2 (ja) | 2020-12-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2015535698A (ja) | 柔らかい不織布層を有する物品 | |
JP2008101285A (ja) | 不織布の製造方法 | |
WO2010074207A1 (ja) | 不織布及びその製造方法 | |
JP2022508205A (ja) | 圧縮性及び復元性を高めた嵩高不織布 | |
JP2016079529A (ja) | 不織布 | |
JP5514536B2 (ja) | 使い捨ておむつ | |
JP4614876B2 (ja) | 潜在捲縮性繊維 | |
JP6080323B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP6704236B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP5572043B2 (ja) | 吸収性物品の表面シート | |
JP2008144321A (ja) | 不織布 | |
JP6793578B2 (ja) | 不織布 | |
JP6630085B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP5548041B2 (ja) | 不織布 | |
JP2016186134A (ja) | 複合繊維、不織布および吸収性物品用シート | |
JP3225429U (ja) | 吸収性物品用不織布 | |
JP4013346B2 (ja) | 不織布およびこれを用いた吸収性物品 | |
JP2023019810A (ja) | 吸収性物品用不織布及びこれを備える吸収性物品 | |
JP6611969B2 (ja) | 複合繊維、不織布および吸収性物品用シート | |
JP7057626B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP2021094302A (ja) | 吸収性物品用表面シート | |
JP2021195626A (ja) | 伸縮シート | |
JP6864502B2 (ja) | 伸縮性シートの製造方法 | |
JP4454553B2 (ja) | 不織布 | |
WO2021172475A1 (ja) | 吸収性物品用不織布及びこれを備える吸収性物品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191205 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20191205 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200806 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200818 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201016 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20201104 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20201110 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6793578 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |