JP2018150260A - インフルエンザウイルスの増殖を阻害するモノクローナル抗体 - Google Patents

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Abstract

【課題】インフルエンザウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼに対するモノクローナル抗体であって、インフルエンザウイルスの増殖を阻害する新規なモノクローナル抗体を提供すること。【解決手段】モノクローナル抗体は、H鎖の可変領域中のCDR1のアミノ酸配列がGFNIKDTY、CDR2のアミノ酸配列がIDPANGNT、CDR3のアミノ酸配列がAYRYDYYFDYであり、L鎖の可変領域中のCDR1のアミノ酸配列がESVDNYGISF、CDR2のアミノ酸配列がAAS、CDR3のアミノ酸配列がQQSKEVPWTである。【選択図】図4

Description

本発明は、インフルエンザウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼ(以下、「iRdRP」と呼ぶことがある)のPAサブユニットに対するモノクローナル抗体であって、該インフルエンザウイルスの増殖を阻害するモノクローナル抗体に関する。
新型インフルエンザを始め、鳥インフルエンザH5N1、H7N9 は世界的な大流行が懸念され、日本を含め、世界的な規模による具体的な対策が必要とされている。我が国も新型インフルエンザウイルスの対策を昨年度から本格的に打ち出しており、 新型インフルエンザに変異する可能性が高い鳥インフルエンザ(H5N1、H7N9)をもとにすでに製剤化されているプレ・パンデミックワクチンや、抗ウイルス剤であるタミフルやリレンザなどの備蓄をしている。厚労省の報告によると日本でパンデミックが起きた場合、感染者3200万人、死者最大64万人と予想されている。このような観点から、変異をほとんど起こさないiRdRPが全世界の製薬会社をはじめ各研究機関から重要な創薬ターゲットとして注目されてきた。
しかしながら、iRdRPに対するモノクローナル抗体で現在市販されているものは非常に少ない。もし、インフルエンザウイルスの増殖を高度に阻害することが可能なモノクローナル抗体が提供できれば、インフルエンザの治療が可能になる。
Fujimoto Y et al., Vet J. 2013 Nov;198(2):487-93. doi: 10.1016/j.tvjl.2013.09.019. Epub 2013 Sep 21 MacDonald LA et al., Virology. 2012 Apr 25;426(1):51-9. doi: 10.1016/ j.virol. 2012.01.015. Epub 2012 Feb 8. Hatta M et al., Arch Virol. 2000;145(9):1947-61. Ochoa M et al., Virus Res. 1995 Aug;37(3):305-15. Barcena J et al., J Virol. 1994 Nov;68(11):6900-9.
したがって、本発明の目的は、iRdRPに対するモノクローナル抗体であって、インフルエンザウイルスの増殖を阻害する新規なモノクローナル抗体を提供することである。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、iRdRPのPAサブユニットに対するモノクローナル抗体であって、インフルエンザウイルスの増殖を阻害する新規なモノクローナル抗体を作出することに成功し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、インフルエンザウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼのPAサブユニットと抗原抗体反応して該インフルエンザウイルスの増殖を阻害するモノクローナル抗体であって、H鎖の可変領域中のCDR1のアミノ酸配列がGFNIKDTY、CDR2のアミノ酸配列がIDPANGNT、CDR3のアミノ酸配列がAYRYDYYFDYであり、L鎖の可変領域中のCDR1のアミノ酸配列がESVDNYGISF、CDR2のアミノ酸配列がAAS、CDR3のアミノ酸配列がQQSKEVPWTである(ただし、上記H鎖の可変領域中のCDR1、CDR2及びCDR3、並びに上記L鎖の可変領域中のCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列は、それぞれ独立して保存的アミノ酸置換を含んでいてもよい)モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を提供する。
本発明により、iRdRPに対するモノクローナル抗体であって、インフルエンザウイルスの増殖を阻害する新規なモノクローナル抗体が提供された。本発明のモノクローナル抗体は、抗体医薬として、インフルエンザの治療や予防に利用することができる。また、インフルエンザウイルスのiRdRPの発現を確認するための診断試薬としても用いることができる。
下記実施例で得られた本発明の実施例になるPA 11-9.4モノクローナル抗体の免疫沈降法による評価の結果を示す図である。 下記実施例で得られた本発明の実施例になるPA 11-9.4モノクローナル抗体のウエスタンブロット法による評価の結果を示す図である。 下記実施例で得られた本発明の実施例になるPA 11-9.4モノクローナル抗体についての結合実験の結果を示す図である。 下記実施例で得られた本発明の実施例になるPA 11-9.4モノクローナル抗体についてのインフルエンザウイルスの増殖阻害実験の結果を示す図である。 下記実施例で得られた本発明の比較例になるPA 3-1.2モノクローナル抗体についてのインフルエンザウイルスの増殖阻害実験の結果を示す図である。 下記実施例で得られた本発明の比較例になるPA 5-2.1モノクローナル抗体についてのインフルエンザウイルスの増殖阻害実験の結果を示す図である。 下記実施例及び比較例で得られた、本発明の実施例になるPA 11-9.4モノクローナル抗体並びに本発明の比較例になるPA 3-1.2モノクローナル抗体及びPA 5-2.1モノクローナル抗体についてのインフルエンザウイルスの増殖阻害活性の統計学的解析結果を示す図である。 下記実施例で得られた、本発明の実施例になるPA 11-9.4モノクローナル抗体の、H1N1、H3N2、H5N1、H7N9及びH9N2型の各インフルエンザウイルスのPAタンパク質に対する免疫沈降の結果を示す図である。
本発明のモノクローナル抗体は、下記実施例に詳述するように、遺伝子工学的にiRdRPのPAサブユニット(以下、単に「PA」)を作製し、これをマウスに免疫して常法によりハイブリドーマを作製し、得られたハイブリドーマのうち、PAに対して親和性を持つものをスクリーニングし、得られたハイブリドーマをマウス腹腔内で培養して腹水からモノクローナル抗体を回収することにより得られた。そして、下記実施例に具体的に示すように、このモノクローナル抗体(PA 11-9.4)をインフルエンザウイルス増殖阻害実験に供したところ、インフルエンザウイルスの増殖阻害活性を有することが確認された。
下記実施例に具体的に記載するとおり、下記実施例で得られたモノクローナル抗体(PA 11-9.4)のH鎖及びL鎖の可変領域をコードする遺伝子の塩基配列及びそれがコードするアミノ酸配列を決定した。配列番号1にH鎖の可変領域をコードする遺伝子の塩基配列、配列番号2にこの遺伝子がコードするアミノ酸配列、配列番号3にL鎖の可変領域をコードする遺伝子の塩基配列、配列番号4にこの遺伝子がコードするアミノ酸配列を示す。
配列番号2に示されるアミノ酸配列中、N末端から18番目(以下、「18aaのように記載」)のグリシンから25aaのチロシンまでの領域、すなわち、GFNIKDTYがH鎖の可変領域中のCDR1(相補性決定領域1(complementarity-determining region 1))配列、43aaのイソロイシンから50aaのスレオニンまでの領域、すなわち、IDPANGNTがH鎖の可変領域中のCDR2配列、89aaのアラニンから98aaのチロシンまでの領域、すなわち、AYRYDYYFDYがH鎖の可変領域中のCDR3配列である。
配列番号4に示されるアミノ酸配列中、19aaのグルタミン酸から28aaのフェニルアラニンまでの領域、すなわち、ESVDNYGISFがL鎖の可変領域中のCDR1配列、46aaのアラニンから48aaのセリンまでの領域、すなわち、AASがL鎖の可変領域中のCDR2配列、85aaのグルタミンから93aaのスレオニンまでの領域、すなわち、QQSKEVPWTがL鎖の可変領域中のCDR3配列である。
周知の通り、抗体の対応エピトープや親和性は、相補性決定領域(CDR)により決定される。したがって、本発明のモノクローナル抗体と同様な性質を持つモノクローナル抗体、すなわち、PAと抗原抗体反応し、インフルエンザウイルスの増殖を阻害するモノクローナル抗体は、このような性質を持たないモノクローナル抗体の遺伝子のH鎖及びL鎖の可変領域をコードする領域中の各CDR1〜CDR3領域を、上記した各CDR1〜CDR3領域に変換することにより作出することが可能である。なお、各CDR1〜CDR3領域のみを個別に上記した各CDR1〜CDR3領域に変換してもよいが、これらの各領域を含む領域を変換してもよく、例えば、H鎖の可変領域全体を配列番号2で示す塩基配列を持つ遺伝子に変換し、L鎖の可変領域全体を配列番号4で示す塩基配列を持つ遺伝子に変換してもよく、この場合には組み換え操作がより簡便になる。このような組み換え遺伝子を持つハイブリドーマを常法により培養し、培養上清や腹水等から本発明のモノクローナル抗体を常法により回収することにより本発明のモノクローナル抗体を生産することができる。通常、IgH(重鎖)のCDR1〜CDR3領域を含む可変領域(CH1)をたとえば、ヒトのIgG1発現ベクターであるpFUSE-CHIg-hG1(商品名、InvivoGen社)に乗せ換え、また、IgL(軽鎖)のCDR1〜CDR3領域を含む可変領域をたとえば、ヒトのIgL-kL発現ベクターであるpFUSE2-CLIg-hk(商品名、InvivoGen社)に乗せ換える。この2つの遺伝子をCHO細胞などで発現させ、抗体を回収することができる。これはキメラ化と呼ばれる常法である。なお、可変領域は、配列番号1及び配列番号3に示すように塩基配列が明らかになっているので、遺伝子工学的手法等の常法により容易に調製することができる。
なお、一般に、抗体のような生物活性を有するタンパク質のアミノ酸配列において、1個又は複数のアミノ酸が保存的置換により置換されていてもその生物活性が維持される場合があることは当業者において広く知られている。よって、iRdRPと抗原抗体反応してインフルエンザウイルスの増殖を阻害することができるモノクローナル抗体であれば、上記H鎖の可変領域中のCDR1、CDR2及びCDR3、並びに上記L鎖の可変領域中のCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列が、それぞれ独立して保存的アミノ酸置換を含んでいてもよく、このようなモノクローナル抗体も本発明の範囲に含まれる。ここで、「保存的アミノ酸置換」とは、類似の性質を持つアミノ酸間での置換である。具体的には、天然のタンパク質を構成する20種類のアミノ酸は、低極性側鎖を有する中性アミノ酸(Gly, Ile, Val, Leu, Ala, Met, Pro)、親水性側鎖を有する中性アミノ酸(Asn, Gln, Thr, Ser, Tyr Cys)、酸性アミノ酸(Asp, Glu)、塩基性アミノ酸(Arg, Lys, His)、芳香族アミノ酸(Phe, Tyr, Trp)のように類似の性質を有するものにグループ分けでき、これらの各グループ内での置換であれば抗体の性質が変化しないことが多い。
なお、上記保存的アミノ酸置換は、各CDR配列において、1個又は複数個存在してもよいが、少ないほど好ましく、3個以下が好ましく、さらに好ましくは2個以下であり、さらに好ましくは1個以下であり、最も好ましくは0個である。
本発明は、上記したモノクローナル抗体のみならず、その抗原結合性断片をも提供する。抗原結合性断片は、例えば、Fab断片やF(ab')2断片等の、この抗体の結合性を維持した断片であり、モノクローナル抗体から周知の方法により得ることができる。一本鎖抗体も抗原結合性断片に包含されるものと解釈する。また、本発明のモノクローナル抗体の定常領域のみを他の定常領域に変換した、例えば、ヒト化抗体等も本発明のモノクローナル抗体の抗原結合性断片を含むので、本発明の範囲内に含まれる。
本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、インフルエンザウイルスの増殖を阻害するので、インフルエンザの治療薬又は予防薬として用いることができる。このような抗体医薬として用いる場合、周知の方法により、生体内でのタンパク分解酵素による分解を抑制するために、ポリエチレングリコール鎖を付加するなどの化学修飾を行ってもよく、このような化学修飾を施したモノクローナル抗体も本発明の範囲に含まれる。抗体医薬として用いる場合、投与経路は、静脈注射、筋肉注射等の非経口経路が好ましい。また、投与量は、症状や患者の状態、年齢、体重等により適宜選択できるが、通常、成人1日当り2〜3mg/kg程度である。
また、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、PAと抗原抗体反応するので、周知の種々の免疫測定法に供してPAの検出を行うことができる。免疫測定法自体は周知であり、サンドイッチ法、凝集法、競合法、免疫沈降法、免疫染色法等種々の周知の方法に用いることができる。また、抗体の標識方法も周知であり、本発明のモノクローナル抗体も、常法により、蛍光標識、酵素標識、化学発光標識、ビオチン標識、放射標識等の標識を結合することが可能である。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1
1.ハイブリドーマ PA 11-9.4 の樹立
インフルエンザウイルス H1N1 由来の RNA 依存性 RNA ポリメラーゼ PA サブユニット(239aa-716aa)タンパク質およびPB1 サブユニット(1aa- 81aa)タンパク質を大腸菌で共発現作製させ精製した。その精製タンパク質を常法に従いマウスに免疫し、精製タンパク質を用いた ELISA 法によりハイブリドーマ PA 11-9.4 を選別樹立した。これらの操作は、より具体的には、次のようにして行った。
(1) PAタンパク質の発現系構築
RNA 依存性 RNAポリメラーゼのPAサブユニット(239-716aa)タンパク質を発現する遺伝子領域を、pET14bに組み込まれたcDNA (influenza/ Puerto Rico/ 8/ 1934, H1N1) を鋳型として、PCR法により増幅した。PCR産物を制限酵素BamHI及びNotIで処理し、pET28aベクターとライゲーションを行った。市販のpET28aベクターのXbaI及びBamHIサイトの間にSD(Shine Dargarno)配列、開始ATG、ヒスチジンタグとTEV(tobacco etch virus)プロテアーゼ切断サイトのDNA配列を付加し、発現されたPAサブユニット(239-716aa)タンパク質のN末端側にヒスチジンタグ及びTEVプロテアーゼ切断サイトが付加されるように、発現系プラスミドpET28a-PA(239-716)を構築した。
(2) PAタンパク質の発現
構築した発現系プラスミドpET28a-PA(239-716)を用いて、タンパク質発現用大腸菌BL21(DE3)codonplus RILPを形質転換し、抗生物質カナマイシン40 μg/mlとクロラムフェニコール35 μg/ml含有のLBプレート培地上にて、37℃で16時間培養した。培養した大腸菌のコロニーを、カナマイシン50 μg/mlとクロラムフェニコール35 μg/ml含有のLB液体培地1Lで振盪培養した。37℃で培養を開始し、OD600の値が0.6になった段階で氷上にて1時間冷却した。冷却後、終濃度0.5 mM IPTG(isopropyl β-D-1-thiogalactopyranoside)を添加し、15℃で16時間振盪培養しPAサブユニット(239-716aa)タンパク質を発現させた。培養液を5,000 rpm、15 minで遠心処理し、培養上清と菌体を分離させ、菌体のみを回収した。
(3) PAタンパク質の精製
回収した菌体を、菌体破砕用バッファー(20 mM Tris-HCl(pH8.0), 500mM NaCl, 500 mM Urea, 25 mM Imidazole, 10 mM 2-mercaptoethanol)で懸濁し、超音波破砕装置(Vibra cell)を用いて破砕した。破砕条件をAmplitude: 80、Pulse: 1 sec、Time: 10 minに設定し、これを2サイクル行った。破砕液を19,000 rpm、30 minの条件で遠心分離し、上清を回収した。
上清を0.45 μmフィルターで濾過した後、Ni-NTA Aバッファー(20 mM Tris-HCl(pH8.0), 500mM NaCl, 500 mM Urea, 25 mM Imidazole, 10 mM 2-mercaptoethanol)で平衡化したNi-NTA superflowレジン(QIAGEN社)と混合し、PAサブユニット(239-716aa)タンパク質をレジンに吸着させた。レジンとPAサブユニット(239-716aa)タンパク質の混合液を30 min、4℃で転倒混和させた後、レジンをNi-NTA Aバッファー400 mlで洗浄した。洗浄後、Ni-NTA Bバッファー(20 mM Tris-HCl(pH8.0), 500mM NaCl, 500 mM Urea, 500 mM Imidazole, 10 mM 2-mercaptoethanol)を60 ml加えレジンからPAサブユニット(239-716aa)タンパク質を溶出させた。PAサブユニット(239-716aa)タンパク質からヒスチジンタグを除去するために、Ni-NTAレジンからの溶出液60mlに対し、20 μMのTEVプロテアーゼ2mlを加え、20℃で12時間反応させた。反応後、Ni-NTA Aバッファー2LにPAサブユニット(239-716aa)タンパク質を12時間透析した。再度、Ni-NTA Aバッファーで平衡化したNi-NTAレジンと透析したサンプルを混合させ、レジンからの素通り画分を回収した。素通り画分をQカラム Aバッファー(20 mM Tris-HCl(pH8.0), 100 mM NaCl, 1 mM DTT)に12時間透析した。透析したPAサブユニット(239-716aa)タンパク質溶液を、QカラムAバッファーで平衡化したHi Trap Q-column(GEヘルスケア社)に吸着させた。精製にはAKTA prime plus(GEヘルスケア)を使用し、Qカラム Bバッファー(20 mM Tris-HCl(pH8.0), 1 M NaCl, 1 mM DTT)との塩濃度グラジエントによってカラムからPAサブユニット(239-716aa)タンパク質を溶出させた。精製したPAサブユニット(239-716aa)タンパク質溶液を、最終バッファー(20 mM Tris-HCl(pH8.0), 100 mM NaCl, 1 mM DTT) 2Lに対し12時間透析し、遠心濃縮チューブAmicon Ultra (MILLIPORE社)を用いて濃縮した。
(4) ハイブリドーマPA 11-9.4の樹立
上記で作製精製したインフルエンザウイルス H1N1 由来の RNA 依存性 RNA ポリメラーゼPA サブユニット(239aa-716aa)タンパク質およびPB1 サブユニット(1aa- 81aa)タンパク質をTiterMax Gold (CytRx社)でエマルジョン化し、BALB/c マウス(8週齢、メス)に皮下注射し、免疫を開始した。2週間間隔で合計4回の免疫をした後、採血し、取得した血清を用いてイムノブロット(myc3 タグ融合 PA サブユニット(239aa-716aa)および myc3 タグ融合 PB1 サブユニット(1aa-81aa)を293T 細胞に発現させた細胞溶解液をSDS-PAGEで泳動、コントロールには遺伝子を導入していない293T 細胞の細胞溶解液を泳動)により抗体価を確認した。
(5) モノクローナル抗体のサブタイプの決定
ハイブリドーマ PA 11-9.4が生産するPA 11-9.4モノクローナル抗体を、IsoStrip マウスモノクローナル抗体アイソタイピングキット(Roche)を用いて、アイソタイプを確認したところ、 IgG1 であった。
2. PA 11-9.4モノクローナル抗体の評価(免疫沈降法)
myc3 タグ融合 PA サブユニット(239aa-716aa)を 293T細胞に発現させた。免疫沈降法における有用性について、既存の Mycタグ抗体(9E10)と比較し評価した。既存の Flag タグ抗体(M2)はネガティブコントロール抗体として使用した。
結果を図1に示す。図1中、Mは分子量マーカーを示す。図1に示されるように、PA 11-9.4 抗体は、細胞内で発現した PA サブユニット(239aa-716aa)タンパク質を、既存の myc 抗体(9E10)以上に強く認識し免疫沈降可能であった。つまり、PA 11-9.4 抗体は PA サブユニット(239aa-716aa)を認識し効率よく免疫沈降できるモノクローナル抗体であることが明らかとなった。
3. PA 11-9.4モノクローナル抗体の評価(ウエスタンブロット法)
myc3 タグ融合 PA サブユニット(239aa-716aa)および myc3 タグ融合 PB1 サブユニット(1aa-81aa)を 293T 細胞に発現させた。そして、ウエスタンブロット法を用いて抗体を評価した。
結果を図2に示す。図2中、Mは分子量マーカーを示す。図2に示されるように、PA 11-9.4 抗体はウエスタンブロット法において、細胞内で発現した PA サブユニット(239aa-716aa)タンパク質および PB1 サブユニット(1aa-81aa)タンパク質を共に認識できなかった。つまり、PA 11-9.4 抗体はウエスタンブロット法には利用できないことが明らかとなった。
4.PA 11-9.4モノクローナル抗体の評価(結合実験)
PA 11-9.4モノクローナル抗体を腹水から、免疫グロブリン(IgG)として単離精製し、PA タンパク質あるいは PA/PB1 タンパク質を混合させ、合計分子量の測定を行った。測定機器は、分析用超遠心機(AUC)を使用した。
結果を図3に示す。図3に示されるように、AUC を用いて分子量を測定した結果、PA11-9.4モノクローナル抗体は PA タンパク質あるいは PA/PB1 タンパク質と結合して合計分子量が大きくなることが明らかになった。
5.PA 11-9.4モノクローナル抗体の評価(インフルエンザウイルスの増殖阻害実験)
PA 11-9.4モノクローナル抗体を腹水から、免疫グロブリン(IgG)として単離精製しさらに、ImmunoPure Fab Preparation kit(Pierce 社)を用いて Fab 断片として精製した。そして、Alexa Fluor 488 Protein Labeling Kit(Molecular Probe社)を用いて、Fab 断片として精製したPA 3-1.2 および PA 5-2.1モノクローナル抗体をAlexa Fluor 488で標識した。アイソタイプが同じコントロール抗体G196についても同様に行った。
ビーズ法(McNeil, PL. Methods Cell Biol., 29:153-173,1989)を用いて、Madin Darby Canine Kidney(MDCK)細胞株(JCRB 細胞バンクより購入。JCRB9029)に Alexa Fluor 488 で標識した Fab 断片を導入した。30分後、インフルエンザウイルス A/Aichi/2/68(H3N2) を感染させた。30分後に余剰のウイルスを洗い流し、7時間後にインフルエンザウイルス A/Aichi/2/68(H3N2) を認識するポリクローナル抗体(自家製)を用いて、細胞表面に出芽してきたウイルスを検出した。
結果を図4に示す。図4に示されるように、アイソタイプが同じコントロール抗体 G196 は導入された宿主細胞においてインフルエンザウイルスの増殖を阻害しなかったが、PA 11-9.4 モノクローナル抗体はインフルエンザウイルスの増殖を効率よく阻害した。
6.ハイブリドーマ PA 11-9.4 の抗体遺伝子の解析
ハイブリドーマ PA 11-9.4よりRNAを抽出後、oligo-dTプライマーを用いて逆転写しcDNAを作成した。H鎖およびL鎖のプライマーを設計後、PCRにて増幅し、超可変領域の抗体遺伝子の解析を行った。
使用したH鎖プライマーは次のとおりであった。
VH1-1S: 5′-ggggatcc ag gts mar ctg cag sag tcw gg-3 (配列番号5)
s=g+c、m=a+c、r=a+g、w=a+t
IgG2-1AS: 5’-gggaattc ctt gac cag gca tcc tag agt ca-3’ (配列番号6)
H鎖可変領域をコードする遺伝子の決定された塩基配列は、配列番号1に示すとおりであり、これによりコードされるアミノ酸配列は配列番号2に示す通りであった。配列番号2中のCDR1、CDR2及びCDR3領域は、上記した通りである。
使用したL鎖プライマーは次のとおりであった。
VK-1S(BglII): 5′-ggagatct gay att gtg mts acm car wct mca -3′(配列番号7)
y=c+t、m=a+c、s=g+c、r=a+g、w=a+t
CK-2AS: 5’-gggaattc gaa gat gga tac agt tgg tgc-3’ (配列番号8)
H鎖可変領域をコードする遺伝子の決定された塩基配列は、配列番号3に示すとおりであり、これによりコードされるアミノ酸配列は配列番号4に示す通りであった。配列番号4中のCDR1、CDR2及びCDR3領域は、上記した通りである。
比較例1、2
実施例1と全く同様な方法により、PAサブユニットと特異的に結合するPA 3-1.2モノクローナル抗体(比較例1)及びPA 5-2.1モノクローナル抗体(比較例2)を得た。
PA 3-1.2モノクローナル抗体及びPA5-2.1モノクローナル抗体の各種特性を実施例1と同じ方法により評価した。
その結果、PA 3-1.2 モノクローナル抗体及びPA 5-2.1モノクローナル抗体は、PA11-9.4モノクローナル抗体と同様に PA サブユニット(239aa-716aa)を認識し効率よく免疫沈降できるモノクローナル抗体であることが明らかとなった。
さらに、PA 3-1.2 モノクローナル抗体及びPA 5-2.1モノクローナル抗体について、実施例1と同じ方法により増殖阻害実験を行った。
結果を図5(PA 3-1.2モノクローナル抗体)及び図6(PA 5-2.1モノクローナル抗体)に示す。図5及び図6に示されるように、PA 3-1.2 モノクローナル抗体及びPA 5-2.1モノクローナル抗体のいずれも、インフルエンザウイルスの増殖を阻害できなかった。
実施例2、比較例3、4
インフルエンザウイルスの増殖阻害実験におけるモノクローナル抗体の統計学的評価
前述のインフルエンザウイルスの増殖阻害実験でコンフォーカル顕微鏡 FV-1000(オリンパス)を用いて各細胞の平均蛍光強度( ROI 直径 30 pixels の円)を arbitrary intensity unit (A.I.U.) として取得した。
統計学的検討は、Welch two sample t-test により解析した。
結果を図7に示す。図7に示されるように、宿主細胞内に導入された PA 11-9.4 モノクローナル抗体は導入された抗体の強度が 300 A.I.U.を超えると 300 A.I.U.が超えない場合と比較して有為差を持ってインフルエンザウイルスの増殖を阻害した。
PA 11-9.4 と同様に細胞内で発現した PAサブユニット(239aa-716aa)を免疫沈降できる他のモノクローナル抗体 PA 3-1.2及びPA 5-2.1はインフルエンザウイルスの増殖を阻害できなかった。また、PA 11-9.4 とアイソタイプが同じで、インフルエンザタンパク質とは関係のない抗原を認識する G196もインフルエンザウイルスの増殖を阻害できなかった。
実施例3
ハイブリドーマ PA 11-9.4 が産生するモノクローナル抗体の評価(免疫沈降法)
インフルエンザウイルス H1N1 由来の PA サブユニット(239 - 716aa)、H3N2 由来の PA サブユニット(254 - 716aa)、H5N1 由来の PA サブユニット(254 - 716aa)、H7N9 由来の PA サブユニット(247 - 709aa)、および H9N2 由来の PA サブユニット(254 - 716aa)をそれぞれ myc3 タグ融合タンパク質として 293T 細胞に発現させた。免疫沈降法における有用性について、既存の Myc タグ抗体(9E10)と比較し評価した。既存の Flag タグ抗体(M2)はネガティブコントロール抗体として使用した。ウエスタンブロット法による検出は、抗 myc ポリクローナル抗体を用いた。
結果を図8に示す。図8中、Mは分子量マーカーを示す。図8に示されるように、PA 11-9.4 抗体は、細胞内で発現したすべての PA サブユニットタンパク質を、免疫沈降可能であった。PA 11-9.4 抗体は H1N1 の PA サブユニットタンパク質以上に鳥インフルエンザウイルス H5N1、H7N9 および H9N2 由来の PA サブユニットタンパク質を認識し効率よく免疫沈降できるモノクローナル抗体であることが明らかとなった。

Claims (4)

  1. インフルエンザウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼのPAサブユニットと抗原抗体反応して該インフルエンザウイルスの増殖を阻害するモノクローナル抗体であって、H鎖の可変領域中のCDR1のアミノ酸配列がGFNIKDTY、CDR2のアミノ酸配列がIDPANGNT、CDR3のアミノ酸配列がAYRYDYYFDYであり、L鎖の可変領域中のCDR1のアミノ酸配列がESVDNYGISF、CDR2のアミノ酸配列がAAS、CDR3のアミノ酸配列がQQSKEVPWTである(ただし、上記H鎖の可変領域中のCDR1、CDR2及びCDR3、並びに上記L鎖の可変領域中のCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列は、それぞれ独立して保存的アミノ酸置換を含んでいてもよい)モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
  2. H鎖の可変領域中のCDR1のアミノ酸配列がGFNIKDTY、CDR2のアミノ酸配列がIDPANGNT、CDR3のアミノ酸配列がAYRYDYYFDYであり、L鎖の可変領域中のCDR1のアミノ酸配列がESVDNYGISF、CDR2のアミノ酸配列がAAS、CDR3のアミノ酸配列がQQSKEVPWTである請求項1記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
  3. H鎖の可変領域のアミノ酸配列が配列番号2で表される請求項2記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
  4. L鎖の可変領域のアミノ酸配列が配列番号4で表される請求項2又は3記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
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