JP2018149741A - 液吸収装置、記録装置、記録方法および製造方法 - Google Patents

液吸収装置、記録装置、記録方法および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液吸収部材による液体成分の吸収のばらつきを低減する技術を提供すること。
【解決手段】循環的に移動される非転写部および転写部のうち、前記転写部上に形成されるインク像を記録媒体へ転写する前に、前記インク像から液体成分を吸収する液吸収装置であって、前記液体成分を吸収する液吸収部材と、前記転写部上の前記インク像から液体成分を吸収する液吸収位置を通過するように、前記液吸収部材を循環的に移動させる駆動手段と、前記非転写部が前記液吸収位置を通過している間に、前記液吸収部材の所定の部位が前記液吸収位置を通過するように前記駆動手段を制御する制御手段と、を備える。
【選択図】図12

Description

本発明は、転写式の記録技術に関する。
転写体にインク像を形成し、紙等の記録媒体に転写する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、中間部材にインク像を形成し当該インク像をシートに転写するための像形成装置が開示されている。この装置は、中間部材に一次像を形成するインクジェットデバイスを備える。また、この装置は、一次像において凝集体を形成するゾーン、凝集体から液体の一部を除去するゾーン、シートに像を転写するゾーンおよび新たな一次像を形成するに先立って中間部材の表面を再生するゾーンを備えている。また、特許文献2には、ベルト搬送機構における無端ベルトの連結部位(継目)が搬送精度に与える影響が指摘されている。
特開2003−182064号公報 特開2011−73143号公報
インク像の液体成分を吸収する液吸収部材として、無端ベルトの連結部位のように他の部分と特性の異なる部分を有する部材を用いた場合、液体成分の吸収が液吸収部材の部位によってばらつく場合がある。インク像の液体成分の除去が不十分であったり、インク像の一部に液体成分の除去が不十分な部位が存在すると、形成される画像の品質に影響する。
本発明は、液吸収部材による液体成分の吸収のばらつきを低減する技術を提供するものである。
本発明によれば、循環的に移動される非転写部および転写部のうち、前記転写部上に形成されるインク像を記録媒体へ転写する前に、前記インク像から液体成分を吸収する液吸収装置であって、前記液体成分を吸収する液吸収部材と、前記転写部上の前記インク像から液体成分を吸収する液吸収位置を通過するように、前記液吸収部材を循環的に移動させる駆動手段と、前記非転写部が前記液吸収位置を通過している間に、前記液吸収部材の所定の部位が前記液吸収位置を通過するように前記駆動手段を制御する制御手段と、を備える、ことを特徴とする液吸収装置が提供される。
本発明によれば、液吸収部材による液体成分の吸収のばらつきを低減する技術を提供することができる。
記録システムの概要図。 記録ユニットの斜視図。 図2の記録ユニットの変位態様の説明図。 図1の記録システムの制御系のブロック図。 図1の記録システムの制御系のブロック図。 図1の記録システムの動作例の説明図。 図1の記録システムの動作例の説明図。 吸収ユニットの概要図。 (A)および(B)はマーカの例を示す図、(C)は周長の説明図。 (A)および(B)は転写胴および転写体の構成例を示す図。 吸収ユニットの制御例を示すフローチャート。 吸収ユニットの制御例を示す図。 液吸収位置における連結部位と非転写部の位置関係の例を示す図。 液吸収部材の速度制御例の説明図。 液吸収部材の速度制御例の説明図。 吸収ユニットの別の制御例を示すフローチャート。 液吸収部材の別の速度制御例の説明図。 液吸収部材の別の速度制御例の説明図。 吸収ユニットの他の例を示す概要図。
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。各図において、矢印XおよびYは水平方向を示し、互いに直交する。矢印Zは上下方向を示す。
<記録システム>
図1は本発明の一実施形態に係る記録システム(記録装置)1を概略的に示した正面図である。記録システム1は、転写体2を介して記録媒体Pにインク像を転写することで記録物P’を製造する、枚葉式のインクジェットプリンタである。記録システム1は、記録装置1Aと、搬送装置1Bとを含む。本実施形態では、X方向、Y方向、Z方向が、それぞれ、記録システム1の幅方向(全長方向)、奥行き方向、高さ方向を示している。記録媒体PはX方向に搬送される。
なお、「記録」には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も含まれ、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。また、本実施形態では「記録媒体」としてシート状の紙を想定するが、布、プラスチック・フィルム等であってもよい。
インクの成分については、特に限定はないが、本実施形態では、色材である顔料、水、樹脂を含む水性顔料インクを用いる場合を想定する。
<記録装置>
記録装置1Aは、記録ユニット3、転写ユニット4および周辺ユニット5A〜5D、および、供給ユニット6を含む。
<記録ユニット>
記録ユニット3は、複数の記録ヘッド30と、キャリッジ31とを含む。図1と図2を参照する。図2は記録ユニット3の斜視図である。記録ヘッド30は、転写体2に液体インクを吐出し、転写体2上に記録画像のインク像を形成する。
本実施形態の場合、各記録ヘッド30は、Y方向に延設されたフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズの記録媒体の画像記録領域の幅分をカバーする範囲にノズルが配列されている。記録ヘッド30は、その下面に、ノズルが開口したインク吐出面を有しており、インク吐出面は、微小隙間(例えば数mm)を介して転写体2の表面と対向している。本実施形態の場合、転写体2は円軌道上を循環的に移動する構成であるため、複数の記録ヘッド30は、放射状に配置されている。
各ノズルには吐出素子が設けられている。吐出素子は、例えば、ノズル内に圧力を発生させてノズル内のインクを吐出させる素子であり、公知のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの技術が適用可能である。吐出素子としては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する素子、電気−機械変換体によってインクを吐出する素子、静電気を利用してインクを吐出する素子等が挙げられる。高速で高密度の記録の観点からは電気−熱変換体を利用した吐出素子を用いることができる。
本実施形態の場合、記録ヘッド30は、9つ設けられている。各記録ヘッド30は、互いに異なる種類のインクを吐出する。異なる種類のインクとは、例えば、色材が異なるインクであり、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク等のインクである。1つの記録ヘッド30は1種類のインクを吐出するが、1つの記録ヘッド30が複数種類のインクを吐出する構成であってもよい。このように複数の記録ヘッド30を設けた場合、そのうちの一部が色材を含まないインク(例えばクリアインク)を吐出してもよい。
キャリッジ31は、複数の記録ヘッド30を支持する。各記録ヘッド30は、インク吐出面側の端部がキャリッジ31に固定されている。これにより、インク吐出面と転写体2との表面の隙間をより精密に維持することができる。キャリッジ31は、案内部材RLの案内によって、記録ヘッド30を搭載しつつ変位可能に構成されている。本実施形態の場合、案内部材RLは、Y方向に延設されたレール部材であり、X方向に離間して一対設けられている。キャリッジ31のX方向の各側部にはスライド部32が設けられている。スライド部32は案内部材RLと係合し、案内部材RLに沿ってY方向にスライドする。
図3は記録ユニット3の変位態様を示しており、記録システム1の右側面を模式的に示した図である。記録システム1の後部には回復ユニット12が設けられている。回復ユニット12は記録ヘッド30の吐出性能を回復する機構を有する。そのような機構としては、例えば、記録ヘッド30のインク吐出面をキャッピングするキャップ機構、インク吐出面をワイピングするワイパ機構、インク吐出面から記録ヘッド30内のインクを負圧吸引する吸引機構を挙げることができる。
案内部材RLは、転写体2の側方から回復ユニット12に渡って延設されている。記録ユニット3は、案内部材RLの案内により、実線で記録ユニット3を示した吐出位置POS1と、破線で記録ユニット3を示した回復位置POS3との間で変位可能であり、不図示の駆動機構により移動される。
吐出位置POS1は、記録ユニット3が転写体2にインクを吐出する位置であり、記録ヘッド30のインク吐出面が転写体2の表面に対向する位置である。回復位置POS3は、吐出位置POS1から退避した位置であり、記録ユニット3が回復ユニット12上に位置する位置である。回復ユニット12は記録ユニット3が回復位置POS3に位置した場合に、記録ヘッド30に対する回復処理を実行可能である。本実施形態の場合、記録ユニット3が回復位置POS3に到達する前の移動途中においても回復処理を実行可能である。吐出位置POS1と回復位置POS3の間には予備回復位置POS2がある。回復ユニット12は記録ヘッド30が吐出位置POS1から回復位置POS3へ移動している間に、予備回復位置POS2において記録ヘッド30に対する予備的な回復処理を実行可能である。
<転写ユニット>
図1を参照して転写ユニット4について説明する。転写ユニット4は、転写胴41と圧胴42とを含む。これらの胴は、Y方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。図1において、転写胴41および圧胴42の各図形内に示した矢印は、これらの回転方向を示しており、転写胴41は時計回りに、圧胴42は反時計回りに回転する。
転写胴41は、その外周面に転写体2を支持する支持体である。転写体2は、転写胴41の外周面上に、周方向に連続的にあるいは間欠的に設けられる。連続的に設けられる場合、転写体2は無端の帯状に形成される。間欠的に設けられる場合、転写体2は、有端の帯状に複数のセグメントに分けて形成され、各セグメントは転写胴41の外周面に等ピッチで円弧状に配置することができる。
転写胴41の回転により、転写体2は円軌道上を循環的に移動する。転写胴41の回転位相により、転写体2の位置は、吐出前処理領域R1、吐出領域R2、吐出後処理領域R3およびR4、転写領域R5、転写後処理領域R6に区別することができる。転写体2はこれらの領域を循環的に通過する。
吐出前処理領域R1は、記録ユニット3によるインクの吐出前に転写体2に対する前処理を行う領域であり、周辺ユニット5Aによる処理が行われる領域である。本実施形態の場合、反応液が付与される。吐出領域R2は記録ユニット3が転写体2にインクを吐出してインク像を形成する形成領域である。吐出後処理領域R3およびR4はインクの吐出後にインク像に対する処理を行う処理領域であり、吐出後処理領域R3は周辺ユニット5Bによる処理が行われる領域であり、吐出後処理領域R4は周辺ユニット5Cによる処理が行われる領域である。転写領域R5は転写ユニット4により転写体2上のインク像が記録媒体Pに転写される領域である。転写後処理領域R6は、転写後に転写体2に対する後処理を行う領域であり、周辺ユニット5Dによる処理が行われる領域である。
本実施形態の場合、吐出領域R2は、一定の区間を有する領域である。他の領域R1、R3〜R6は、吐出領域R2に比べるとその区間は狭い。時計の文字盤に喩えると、本実施形態の場合、吐出前処理領域R1は概ね10時の位置であり、吐出領域R2は概ね11時から1時の範囲であり、吐出後処理領域R3は概ね2時の位置であり、吐出後処理領域R4は概ね4時の位置である。転写領域R5は概ね6時の位置であり、転写後処理領域R6は概ね8時の領域である。
転写体2は、単層から構成してもよいが、複数層の積層体としてもよい。複数層で構成する場合、例えば、表面層、弾性層、圧縮層の三層を含んでもよい。表面層はインク像が形成される画像形成面を有する最外層である。圧縮層を設けることで、圧縮層が変形を吸収し、局所的な圧力変動に対してその変動を分散し、高速記録時においても転写性を維持することができる。弾性層は表面層と圧縮層との間の層である。
表面層の材料としては、樹脂、セラミック等各種材料を適宜用いることができるが、耐久性等の点で圧縮弾性率の高い材料を用いることができる。具体的には、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物を縮合して得られる縮合物等が挙げられる。表面層には、反応液の濡れ性、画像の転写性等を向上させるために、表面処理を施して用いてもよい。表面処理としては、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギー線照射処理、オゾン処理、界面活性剤処理、シランカップリング処理などが挙げられる。これらを複数組み合わせてもよい。また、表面層に任意の表面形状を設けることもできる。
圧縮層の材料としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。このようなゴム材料の成形時には、所定量の加硫剤、加硫促進剤等を配合し、さらに発泡剤、中空微粒子或いは食塩等の充填剤を必要に応じて配合し、多孔質のゴム材料としてもよい。これにより、様々な圧力変動に対して気泡部分が体積変化を伴って圧縮されるため、圧縮方向以外への変形が小さく、より安定した転写性、耐久性を得ることができる。多孔質のゴム材料としては、各気孔が互いに連続した連続気孔構造のものと、各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のものがあるが、いずれの構造であってもよく、これらの構造を併用してもよい。
弾性層の部材としては、樹脂、セラミック等、各種材料を適宜用いることができる。加工特性等の点で、各種エラストマー材料、ゴム材料を用いることができる。具体的には、例えばフルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム等が挙げられる。また、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンのコポリマー、ニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。特に、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴムは、圧縮永久ひずみが小さいため、寸法安定性、耐久性の面で有利である。また、温度による弾性率の変化が小さく、転写性の点でも有利である。
表面層と弾性層の間、弾性層と圧縮層の間には、これらを固定するために各種接着剤や両面テープを用いることもできる。また、転写体2は、転写胴41に装着する際の横伸びの抑制や、コシを保つために圧縮弾性率が高い補強層を含んでもよい。また、織布を補強層としてもよい。転写体2は前記材質による各層を任意に組み合わせて作製することができる。
圧胴42は、その外周面が転写体2に圧接される。圧胴42の外周面には、記録媒体Pの先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。グリップ機構は圧胴42の周方向に離間して複数設けてもよい。記録媒体Pは圧胴42の外周面に密接して搬送されつつ、圧胴42と転写体2とのニップ部を通過するときに、転写体2上のインク像が転写される。
転写胴41と圧胴42とを駆動するモータ等の駆動源は、これらに共通とし、歯車機構等の伝達機構により、駆動力を分配することができる。
<周辺ユニット>
周辺ユニット5A〜5Dは転写胴412の周囲に配置されている。本実施形態の場合、周辺ユニット5A〜5Dは、順に、付与ユニット、吸収ユニット、加熱ユニット、清掃ユニットである。
付与ユニット5Aは、記録ユニット3によるインクの吐出前に、転写体2上に反応液を付与する機構である。反応液は、インクを高粘度化する成分を含有する液体である。ここで、インクの高粘度化とは、インクを構成している色材や樹脂等がインクを高粘度化する成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインクの粘度の上昇が認められることである。このインクの高粘度化には、インク全体の粘度上昇が認められる場合のみならず、色材や樹脂等のインクを構成する成分の一部が凝集することにより局所的に粘度の上昇が生じる場合も含まれる。
インクを高粘度化する成分は、金属イオン、高分子凝集剤など、特に制限はないが、インクのpH変化を引き起こして、インク中の色材を凝集させる物質を用いることができ、有機酸を用いることができる。反応液の付与機構としては、例えば、ローラ、記録ヘッド、ダイコーティング装置(ダイコータ)、ブレードコーティング装置(ブレードコータ)などが挙げられる。転写体2に対するインクの吐出前に反応液を転写体2に付与しておくと、転写体2に達したインクを直ちに定着させることができる。これにより、隣接するインク同士が混ざり合うブリーディングを抑制することができる。
吸収ユニット5Bは、転写前に、転写体2上のインク像から液体成分を吸収する機構である。インク像の液体成分を減少させることで、記録媒体Pに記録される画像のにじみ等を抑制することができる。液体成分の減少を異なる視点で説明すれば、転写体2上のインク像を構成するインクを濃縮すると表現することもできる。インクを濃縮するとは、インクに含まれる液体成分が減少することによって、インクに含まれる色材や樹脂といった固形分の液体成分に対する含有割合が増加することを意味する。
吸収ユニット5Bは、例えば、インク像に接触してインク像の液体成分の量を減少させる液吸収部材を含む。液吸収部材はローラの外周面に形成されてもよいし、液吸収部材が無端のシート状に形成され、循環的に走行されるものでもよい。インク像の保護の点で、液吸収部材の移動速度を転写体2の周速度と同じにして液吸収部材を転写体2と同期して移動させてもよい。
液吸収部材は、インク像に接触する多孔質体を含んでもよい。液吸収部材へのインク固形分付着を抑制するため、インク像に接触する面の多孔質体の孔径は、10μm以下であってもよい。ここで、孔径とは平均直径のことを示し、公知の手段、例えば水銀圧入法や、窒素吸着法、SEM画像観察等で測定可能である。なお、液体成分は、一定の形を有さず、流動性があり、ほぼ一定の体積を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、インクや反応液に含まれる水や有機溶媒等が液体成分として挙げられる 。
加熱ユニット5Cは、転写前に、転写体2上のインク像を加熱する機構である。インク像を加熱することで、インク像中の樹脂が溶融し、記録媒体Pへの転写性を向上する。加熱温度は、樹脂の最低造膜温度(MFT)以上とすることができる。MFTは一般的に知られている手法、例えばJIS K 6828−2:2003や、ISO2115:1996に準拠した各装置で測定することが可能である。転写性及び画像の堅牢性の観点から、MFTよりも10℃以上高い温度で加熱してもよく、更に、20℃以上高い温度で加熱してもよい。加熱ユニット5Cは、例えば、赤外線等の各種ランプ、温風ファン等、公知の加熱デバイスを用いることができる。加熱効率の点で、赤外線ヒータを用いることができる。
清掃ユニット5Dは、転写後に転写体2上を清掃する機構である。清掃ユニット5Dは、転写体2上に残留したインクや、転写体2上のごみ等を除去する。清掃ユニット5Dは、例えば、多孔質部材を転写体2に接触させる方式、ブラシで転写体2の表面を擦る方式、ブレードで転写体2の表面をかきとる方式等の公知の方式を適宜用いることができる。また、清掃に用いる清掃部材は、ローラ形状、ウェブ形状等、公知の形状を用いることができる。
以上の通り、本実施形態では、付与ユニット5A、吸収ユニット5B、加熱ユニット5C、清掃ユニット5Dを周辺ユニットとして備えるが、これらの一部のユニットに転写体2の冷却機能を付与するか、あるいは、冷却ユニットを追加してもよい。本実施形態では、加熱ユニット5Cの熱により転写体2の温度が上昇する場合がある。記録ユニット3により転写体2にインクを吐出した後、インク像がインクの主溶剤である水の沸点を超えると、吸収ユニット5Bによる液体成分の吸収性能が低下する場合がある。吐出されたインクが水の沸点未満に維持されるように転写体2を冷却することで、液体成分の吸収性能を維持することができる。
冷却ユニットは、転写体2に送風する送風機構や、転写体2に部材(例えばローラ)を接触させ、この部材を空冷または水冷で冷却する機構であってもよい。また、清掃ユニット5Dの清掃部材を冷却する機構であってもよい。冷却タイミングは、転写後、反応液の付与前までの期間であってもよい。
<供給ユニット>
供給ユニット6は、記録ユニット3の各記録ヘッド30にインクを供給する機構である。供給ユニット6は記録システム1の後部側に設けられていてもよい。供給ユニット6は、インクの種類毎に、インクを貯留する貯留部TKを備える。貯留部TKは、メインタンクとサブタンクとによって構成されてもよい。各貯留部TKと各記録ヘッド30とは流路6aで連通し、貯留部TKから記録ヘッド30へインクが供給される。流路6aは、貯留部TKと記録ヘッド30との間でインクを循環させる流路であってもよく、供給ユニット6はインクを循環させるポンプ等を備えてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インク中の気泡を脱気する脱気機構を設けてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インクの液圧と大気圧との調整を行うバルブを設けてもよい。貯留部TK内のインク液面が、記録ヘッド30のインク吐出面よりも低い位置となるように、貯留部TKと記録ヘッド30のZ方向の高さが設計されてもよい。
<搬送装置>
搬送装置1Bは、記録媒体Pを転写ユニット4へ給送し、インク像が転写された記録物P’を転写ユニット4から排出する装置である。搬送装置1Bは、給送ユニット7、複数の搬送胴8、8a、二つのスプロケット8b、チェーン8cおよび回収ユニット8dを含む。図1において、搬送装置1Bの各構成の図形の内側の矢印はその構成の回転方向を示し、外側の矢印は記録媒体Pまたは記録物P’の搬送経路を示している。記録媒体Pは給送ユニット7から転写ユニット4へ搬送され、記録物P’は転写ユニット4から回収ユニット8dへ搬送される。給送ユニット7側を搬送方向で上流側と呼び、回収ユニット8d側を下流側と呼ぶ場合がある。
給送ユニット7は、複数の記録媒体Pが積載される積載部を含むと共に、積載部から一枚ずつ記録媒体Pを、最上流の搬送胴8に給送する給送機構を含む。各搬送胴8、8aはY方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。各搬送胴8、8aの外周面には、記録媒体P(または記録物P’)の先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。各グリップ機構は、隣接する搬送胴間で記録媒体Pを受け渡されるように、その把持動作および解除動作が制御される。
二つの搬送胴8aは、記録媒体Pの反転用の搬送胴である。記録媒体Pを両面記録する場合、表面への転写後に、圧胴42から下流側に隣接する搬送胴8へ記録媒体Pを渡さずに、搬送胴8aに渡す。記録媒体Pは、二つの搬送胴8aを経由して表裏が反転され、圧胴42の上流側の搬送胴8を経由して再び圧胴42へ渡される。これにより、記録媒体Pの裏面が転写胴41に面することになり、裏面にインク像が転写される。
チェーン8cは、二つのスプロケット8b間に巻き回されている。二つのスプロケット8bの一方は駆動スプロケットであり他方は従動スプロケットである。駆動スプロケットの回転によりチェーン8cが循環的に走行する。チェーン8cには、その長手方向に離間して複数のグリップ機構が設けられている。グリップ機構は、記録物P’の端部を把持する。下流端に位置する搬送胴8からチェーン8cのグリップ機構に記録物P’が渡され、グリップ機構に把持された記録物P’はチェーン8cの走行により回収ユニット8dへ搬送され、把持が解除される。これにより記録物P’が回収ユニット8d内に積載される。
<後処理ユニット>
搬送装置1Bには、後処理ユニット10A、10Bが設けられている。後処理ユニット10A、10Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’に対して後処理を行う機構である。後処理ユニット10Aは、記録物P’の表面に対する処理を行い、後処理ユニット10Bは、記録物P’の裏面に対する処理を行う。処理の内容としては、例えば、記録物P’の画像記録面に、画像の保護や艶出し等を目的としたコーティングを挙げることができる。コーティングの内容としては、例えば、液体の塗布、シートの溶着、ラミネート等を挙げることができる。
<検査ユニット>
搬送装置1Bには、検査ユニット9A、9Bが設けられている。検査ユニット9A、9Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’の検査を行う機構である。
本実施形態の場合、検査ユニット9Aは、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Aは、連続的に行われる記録動作中に、記録画像を撮影する。検査ユニット9Aが撮影した画像に基づいて、記録画像の色味などの経時変化を確認し、画像データあるいは記録データの補正の可否を判断することができる。本実施形態の場合、検査ユニット9Aは、圧胴42の外周面に撮像範囲が設定されており、転写直後の記録画像を部分的に撮影可能に配置されている。検査ユニット9Aにより全ての記録画像の検査を行ってもよいし、所定数毎に検査を行ってもよい。
本実施形態の場合、検査ユニット9Bも、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Bは、テスト記録動作において記録画像を撮影する。検査ユニット9Bは、記録画像の全体を撮影し、検査ユニット9Bが撮影した画像に基づいて、記録データに関する各種の補正の基本設定を行うことができる。本実施形態の場合、チェーン8cで搬送される記録物P’を撮影する位置に配置されている。検査ユニット9Bにより記録画像を撮影する場合、チェーン8cの走行を一時的に停止して、その全体を撮影する。検査ユニット9Bは、記録物P’上を走査するスキャナであってもよい。
<制御ユニット>
次に、記録システム1の制御ユニットについて説明する。図4および図5は記録システム1の制御ユニット13のブロック図である。制御ユニット13は、上位装置(DFE)HC2に通信可能に接続され、また、上位装置HC2はホスト装置HC1に通信可能に接続される。
ホスト装置HC1では、記録画像の元になる原稿データが生成、あるいは保存される。ここでの原稿データは、例えば、文書ファイルや画像ファイル等の電子ファイルの形式で生成される。この原稿データは、上位装置HC2へ送信され、上位装置HC2では、受信した原稿データを制御ユニット13で利用可能なデータ形式(例えば、RGBで画像を表現するRGBデータ)に変換する。変換後のデータは、画像データとして上位装置HC2から制御ユニット13へ送信され、制御ユニット13は受信した画像データに基づき、記録動作を開始する。
本実施形態の場合、制御ユニット13は、メインコントローラ13Aと、エンジンコントローラ13Bとに大別される。メインコントローラ13Aは、処理部131、記憶部132、操作部133、画像処理部134、通信I/F(インタフェース)135、バッファ136および通信I/F137を含む。
処理部131は、CPU等のプロセッサであり、記憶部132に記憶されたプログラムを実行し、メインコントローラ13A全体の制御を行う。記憶部132は、RAM、ROM、ハードディスク、SSD等の記憶デバイスであり、CPU131が実行するプログラムや、データを格納し、また、CPU131にワークエリアを提供する。操作部133は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力デバイスであり、ユーザの指示を受け付ける。
画像処理部134は例えば画像処理プロセッサを有する電子回路である。バッファ136は、例えば、RAM、ハードディスクやSSDである。通信I/F135は上位装置HC2との通信を行い、通信I/F137はエンジンコントローラ13Bとの通信を行う。図4において破線矢印は、画像データの処理の流れを例示している。上位装置HC2から通信IF135を介して受信された画像データは、バッファ136に蓄積される。画像処理部134はバッファ136から画像データを読み出し、読み出した画像データに所定の画像処理を施して、再びバッファ136に格納する。バッファ136に格納された画像処理後の画像データは、プリントエンジンが用いる記録データとして、通信I/F137からエンジンコントローラ13Bへ送信される。
図5に示すように、エンジンコントローラ13Bは、制御部14、15A〜15Eを含み、記録システム1が備えるセンサ群およびアクチュエータ群16の検知結果の取得および駆動制御を行う。これらの各制御部は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェースを含む。なお、制御部の区分けは一例であり、一部の制御を更に細分化した複数の制御部で実行してもよいし、逆に、複数の制御部を統合して、それらの制御内容を一つの制御部で行うように構成してもよい。
エンジン制御部14は、エンジンコントローラ13Bの全体の制御を行う。記録制御部15Aは、メインコントローラ13Aから受信した記録データをラスタデータ等、記録ヘッド30の駆動に適したデータ形式に変換する。記録制御部15Aは、各記録ヘッド30の吐出制御を行う。
転写制御部15Bは、付与ユニット5Aの制御、吸収ユニット5Bの制御、加熱ユニット5Cの制御、および清掃ユニット5Dの制御を行う。
信頼性制御部15Cは、供給ユニット6の制御、回復ユニット12の制御、および記録ユニット3を吐出位置POS1と回復位置POS3との間で移動させる駆動機構の制御を行う。
搬送制御部15Dは、転写ユニット4の駆動制御や、搬送装置1Bの制御を行う。検査制御部15Eは、検査ユニット9Bの制御、および検査ユニット9Aの制御を行う。
センサ群およびアクチュエータ群16のうち、センサ群には、可動部の位置や速度を検知するセンサ、温度を検知するセンサ、撮像素子等が含まれる。アクチュエータ群にはモータ、電磁ソレノイド、電磁バルブ等が含まれる。
<動作例>
図6は記録動作の例を模式的に示す図である。転写胴41および圧胴42が回転されつつ、以下の各工程が循環的に行われる。状態ST1に示すように、始めに転写体2上に付与ユニット5Aから反応液Lが付与される。転写体2上の反応液Lが付与された部位は転写胴41の回転に伴って移動していく。反応液Lが付与された部位が記録ヘッド30の下に到達すると、状態ST2に示すように記録ヘッド30から転写体2にインクが吐出される。これによりインク像IMが形成される。その際、吐出されるインクが転写体2上の反応液Lと混ざりあうことで、色材の凝集が促進される。吐出されるインクは、供給ユニット6の貯留部TKから記録ヘッド30に供給される。
転写体2上のインク像IMは転写体2の回転に伴って移動していく。インク像IMが吸収ユニット5Bに到達すると状態ST3に示すように吸収ユニット5Bによりインク像IMから液体成分が吸収される。インク像IMが加熱ユニット5Cに到達すると状態ST4に示すように加熱ユニット5Cによりインク像IMが加熱され、インク像IM中の樹脂が溶融し、インク像IMが造膜される。このようなインク像IMの形成に同期して、搬送装置1Bにより記録媒体Pが搬送される。
状態ST5に示すように、インク像IMと記録媒体Pとが転写体2と圧胴42とのニップ部に到達し、記録媒体Pにインク像IMが転写され、記録物P’が製造される。ニップ部を通過すると、記録物P’に記録された画像が検査ユニット9Aにより撮影され、記録画像が検査される。記録物P’は搬送装置1Bにより回収ユニット8dへ搬送される。
転写体2上のインク像IMが形成されていた部分は、清掃ユニット5Dに到達すると状態ST6に示すように清掃ユニット5Dにより清掃される。清掃後、転写体2は一回転したことになり、同様の手順で記録媒体Pへのインク像の転写が繰り返し行われる。上記の説明では理解を容易にするために、転写体2の一回転で一枚の記録媒体Pへのインク像IMの転写が一回行われるように説明したが、転写体2の一回転で複数枚の記録媒体Pへのインク像IMの転写が連続的に行うことができる。
このような記録動作を継続していくと、各記録ヘッド30のメンテナンスが必要となる。図7は各記録ヘッド30のメンテナンスの際の動作例を示している。状態ST11は、吐出位置POS1に記録ユニット3が位置している状態を示す。状態ST12は、記録ユニット3が予備回復位置POS2を通過している状態を示し、通過中に回復ユニット12により記録ユニット3の各記録ヘッド30の吐出性能を回復する処理が実行される。その後、状態ST13に示すように、記録ユニット3が回復位置POS3に位置した状態で、回復ユニット12により各記録ヘッド30の吐出性能を回復する処理が実行される。
<吸収ユニット>
吸収ユニット5Bの具体例について図8を参照して説明する。図8は吸収ユニット5Bの例を示す概要図である。吸収ユニット5Bは転写体2上に形成されたインク像IMを記録媒体Pに転写する前にインク像IMから液体成分を吸収する液吸収装置である。本実施形態のように水性顔料インクを用いる場合、吸収ユニット5Bは主としてインク像の水分を吸収することを目的としている。これにより記録媒体Pにカールやコックリングが生じることを抑制することができる。
吸収ユニット5Bは、液吸収部材50と、液吸収部材50を循環的に移動させる駆動ユニット51と、検知ユニット52と、を含む。
液吸収部材50はインク像IMから液体成分を吸収する吸収体であり、図8の例ではシートで、無端ベルトの形態を有している。液吸収位置NPは、転写体2上のインク像IMから液吸収部材50が液体成分を吸収する位置であり、液吸収部材50が転写体2に最も近接する部位を示している。矢印d1は転写体2の移動方向を、矢印d2は液吸収部材50の移動方向をそれぞれ示している。
液吸収部材50は、液吸収部材50は単層で構成されてもよいが、複数層で構成されてもよい。ここでは表層と裏層との二層構造を例示する。表層はインク像IMに接する面50aを構成し、裏層は反対面50bを構成する。転写体2上のインク像IMは液吸収部材50により液体成分が吸収される。インク像IMの液体成分は表層から液吸収部材50に浸透し、更に、裏層へ浸透する。インク像IMは、液体成分が減少したインク像IM’とされて加熱ユニット5Cへ向かうことになる。
表層および裏層は、いずれも多孔質材料から構成することができ、色材の付着を抑制しつつ液体成分の吸収性能を高める点で表層の平均孔径を裏層の平均孔径よりも小さくすることができる。
表層の材料は、例えば、水に対する接触角が90°未満の親水性材料であってもよいし、水に対する接触角が90°以上の撥水性材料であってもよい。親水性材料の場合、水に対する接触角が40°以下の材料であってもよい。接触角は例えばJIS R3257の「6.静的法」に記載の技法に準拠して測定されたものであってもよい。
親水性材料の場合、毛管力により液体を吸い上げる効果がある。親水性材料としては、セルロール、ポリアクリルアミドや、これらの複合材料を挙げることができる。撥水性材料を用いた場合、その表面に親水化処理を施してもよい。親水化処理としてはスパッタエッチング法等の方法を挙げることができる。
撥水性材料としては、例えば、フッ素樹脂を挙げることができる。フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等を挙げることができる。表層に撥水性材料を用いた場合、液体の吸い上げ効果が発揮されるまでに時間を要する場合があるため、表層との接触角が90°未満である液体を表層にしみ込ませておいてもよい。
裏層の材料は、例えば、樹脂繊維の不織布や織布を挙げることができる。裏層から表層へ液体成分が逆流しない点で、裏層の材料は表層に対する水の接触角が同等かそれよりも大きいものであってもよい。例えば、ポリオレフィン、ポリウレタン、ナイロンなどのポリアミド、ポリエステル、ポリスルフォンや、これらの複合材料を挙げることができる。
表層と裏層との積層方法としては、例えば、接着剤ラミネートや熱ラミネート等を挙げることができる。
駆動ユニット51は、液吸収位置NPを通過するように液吸収部材50を循環的に走行可能に支持する機構であり、駆動回転体510と、複数の従動回転体511と、位置調整機構512とを含む。駆動回転体510および従動回転体511は、帯状の液吸収部材50が巻き回されるローラまたはプーリであり、Y方向の軸周りに回転自在に支持される。
駆動回転体510はモータMの駆動力により回転し、液吸収部材50を走行させる。従動回転体511は、自由回転自在に支持される。本実施形態の場合、7つの従動回転体511が設けられており、これら従動回転体511と駆動回転体510とにより液吸収部材50の移動経路(走行軌道)が画定される。液吸収部材50の移動経路は、走行方向(矢印d2)で見て上下に曲折したジグザグ状の経路とされている。これにより、より小さな空間で、より長い液吸収部材50を用いることができ、液吸収部材50の性能劣化に伴う交換頻度をより少なくすることができる。
複数の従動回転体511の中の一つには、張力調整機構513が設けられている。張力調整機構513は、液吸収部材50の張力を調整する機構であり、支持部材513aと、移動機構513bと、センサ513cを含む。支持部材513aは、従動回転体511をY方向の軸周りに回転自在に支持する。移動機構513bは支持部材513aを移動する機構であり、例えば、電動シリンダである。移動機構513bにより従動回転体511を変位することができ、これにより液吸収部材50の張力を調整する。センサ513cは、液吸収部材50の張力を検知するセンサである。本実施形態の場合、移動機構513bが受ける負荷を検知する。センサ513cの検知結果に基づいて移動機構513bを制御することで、液吸収部材50の張力を自動制御可能である。
位置調整機構512は、可動部材512aと押圧機構512bとを含む。可動部材512aは転写体2に対向して配置されており、液吸収部材50が摺動する周面を有している。押圧機構512bは可動部材512aを転写体2側へ進退させる機構であり、例えば、電動シリンダであるが、コイルスプリング等の弾性部材であってもよい。液吸収部材50は位置調整機構512により、転写体2に接触されるか、または、その表面から微小距離だけ離れた位置に維持され、転写体2上に形成されたインク像IMから、その転写前に液体成分を吸収する。
液吸収部材50の移動速度(走行速度)あるいは移動量(走行量)は、センサSR1で検知される。センサSR1は例えばロータリエンコーダである。本実施形態の場合、センサSR1の回転体RLが液吸収部材50に接触して液吸収部材50の走行に従動して回転し、その回転量を検知する。回転体RLは従動回転体511に対向して配置されている。従動回転体511や駆動回転体510の回転速度を検知することで、液吸収部材50の走行速度あるいは走行量を検知することも可能であるが、これらに対して、液吸収部材50が滑る場合がある。本実施形態のように、センサSR1が直接液吸収部材50の走行速度を検知することで、検知精度を向上できる。
検知ユニット52は、液吸収部材50の移動経路上の所定の位置において液吸収部材50の所定の部位の通過を検知するセンサである。検知ユニット52は、本実施形態の場合、液吸収位置NPに比較的近い位置に配置されている。検知ユニット52の位置は、液吸収位置NPを始点および終点とした液吸収部材50の移動経路一周の中で、中間地点よりも終点側の位置、若しくは、中間地点と終点との間の中間地点よりも終点側の位置とすることができる。
本実施形態の場合、検知ユニット52は、所定の部位として液吸収部材50の連結部位を検知する。図9(A)はその説明図である。液吸収部材50は本実施形態の場合、ベルト材料の両端部を連結して無端ベルトに形成されている。図9(A)はその連結部位50cを示している。本実施形態の場合、連結部位50cの位置を示すマーカ50dが液吸収部材50の裏面50bに設けられている。検知ユニット52は連結部位50cを識別するセンサであってもよいが、本実施形態では、マーカ50dを検知することにより連結部位50cを検知する。マーカ50dは例えば液吸収部材50の他の部位と色が異なるマーカ(例えば液吸収部材50が白でマーカ50dは黒)であり、検知ユニット50は例えば反射式の光センサである。マーカ50dの位置は裏面50bに限られず、例えば、表面50aでもよいが、裏面50bに設けることで、インク像IMとマーカ50dとの接触を回避できる。
本実施形態の場合、マーカ50dは連結部位50c上に形成されているが、連結部位50cと一定の位置関係が既知であれば、例えば、図9(B)に示すように連結部位50cから離れた位置に形成してもよい。
連結部位50cは、液吸収部材50の他の部位と液吸収面(表面50a)の特性が異なる場合がある。連結部位50cがインク像IMと接触すると、液吸収性能が他の部位よりも劣る場合がある。また、連結部位50cと他の部位とが同時にインク像IMと接触すると、インク像IM中に液体成分の残留具合が異なる部位が生じる場合がある。そこで、本実施形態では、転写体2側に転写部と非転写部とを設け、連結部位50cが液吸収位置NPにおいて転写部に接触ないし対向しないようにする。図10(A)は転写胴41および転写体2の構成例を示す。
図10(A)の例の転写胴41は、円筒形状の外周面を有し、回転軸周りに等角度ピッチ(図の例では90度ピッチ)で凹部41aが形成されている。凹部41aは、転写体2の端部を掴むグリッパが配置される空間である。図10(A)の例では、4つの転写体2(換言すれば4つのセグメント)が転写胴41の外周面に周方向に間欠的に保持されている。この構成の場合、4つの転写体2の表面領域が転写部TR1〜TR4を形成する。各転写部上にはインク像IMが形成される。各転写部TR1〜TR4は一枚の記録媒体Pに対応する。換言すると、転写胴41の一回転で最大4枚の記録媒体Pに対するインク像IMの転写が可能な構成となっている。
隣接する転写部間には、非転写部NR1〜NR4が形成されている。非転写部NR1〜NR4は凹部41a上の領域であり、隣接する転写部間の隙間である。非転写部NR1〜NR4はインク像IMを形成しない領域である。転写胴41を回転することにより、液吸収位置NPには、転写部TR1→非転写部NR1→転写部TR2→非転写部NR2...と、転写部と非転写部とが循環的に移動されることになる。
センサSR2は転写胴41の回転量を検知するセンサであり、例えばロータリエンコーダである。センサSR2により転写胴41の位相を検知することができ、各転写部および非転写部の位置が認識される。これにより、液吸収位置NPを転写部または非転写部が通過するタイミングが認識される。
なお、図10(A)の例では、転写体2の設置個所以外の部位を非転写部としたが、転写体2の一部を非転写部として利用してもよい。図10(B)はその一例を示す。同図の例では、転写体2が転写胴41の外周面に周方向に連続的に全周に渡って設けられている。したがって、転写胴41の外周全体を転写部とすることが可能であるが、同図の例のように、転写部とは利用せずに非転写部NR1〜NR4として利用してもよい。
<連結部位の位置制御>
連結部位50cがインク像IMと接触することを回避するため、本実施形態では、非転写部NR1〜NR4が液吸収位置NPを通過している間に、連結部位50cも液吸収位置NPを通過するようにモータMの駆動を制御する。モータMはセンサSR1の検知結果に基づき、転写制御部15Bにより制御される。転写制御部15Bが、検知ユニット52およびセンサSR2の検知結果に基づいて、液吸収位置NPにおける連結部位50cの通過タイミングをいずれかの非転写部NR1〜NR4の通過タイミングに同期するように液吸収部材50の走行速度を増減する。これにより、連結部位50cがインク像IMと接触することを回避することができる。但し、転写体2の表面の周速度と液吸収部材50の走行速度との速度差が大きく異なると、液吸収部材50がインク像Mの色材を擦る可能性がある。
そこで、以下の手法により液吸収部材50がインク像Mの色材を擦ることを低減する。本実施形態では転写胴41を定速度で回転することを想定する。つまり、転写体2の表面の周速度は一定である。液吸収部材50の走行速度は、基本的に転写体2の表面の周速度と等速に制御する。この前提において、連結部位50cとインク像IMとの接触の回避は、構造的なアプローチと制御的なアプローチを併用する。構造的なアプローチから説明する。
液吸収部材50の周長は、転写体2の表面の周長の整数倍とする。図9(C)はその説明図である。周長PRLは転写胴41の回転中心から転写体2の表面までの半径r(図10(A)参照)を有する仮想円の周長である。周長TTLは液吸収部材50の表面50aの周長である。周長TTL=整数×周長PRLとすると、液吸収位置NPにおいて、連結部位50cと対向する転写体2側の部位は、毎度、同じである。つまり、初期設定時に、液吸収位置NPにおいて、非転写部NR1〜NR4のいずれか(ここでは例示的にNR1とする。)と連結部位50cとが対向するように液吸収部材50の走行方向の位置を設定する。これにより、連結部位50cが液吸収位置NPに到達すると、同時に、非転写部NR1も液吸収位置NPに到達している。よって、連結部位50cとインク像IMとの接触を回避することができる。
しかし、吸収ユニット5Bの運転が進むにつれて、液吸収部材50の走行方向の位置がずれたり、液吸収部材50が延びることにより、この位置関係がずれる場合がある。そこで、液吸収部材50の走行速度を一時的に変更する制御的なアプローチ(速度補正制御)でこの位置関係のズレを吸収する。
<速度補正例>
図11は転写制御部15Bが実行する処理例を示すフローチャートである。S1では検知ユニット52の検知結果を取得する。S2ではS1の検知結果において、マーカ50dが検知されたか否かを判定する。検知した場合はS3へ進み、検知しない場合は処理を終了する。
S3では非転写部NR1と連結部位50cとのずれ量を演算する。ずれ量について図12を参照して説明する。図12は検知ユニット52がマーカ50dを検知した段階を示している。検知ユニット52の検知位置から液吸収位置NPまでの液吸収部材50の長さL1は設計上、既知である。このため、液吸収部材50の走行速度から連結部位50cが液吸収位置NPに到達するタイミングが演算できる。非転写部NR1の位置(位相)はセンサSR2の検知結果から認識できる。転写胴41の回転速度から非転写部NR1が液吸収位置NPに到達するタイミングも演算できる。
図13は、非転写部NR1と連結部位50cとが、ずれ無しで液吸収位置NPに到達した状態を模式的に示している。非転写部NR1の周方向中央部が基準位置STPに到達したとき、連結部位50cの走行方向中央部が基準位置STPに対してどれかでずれているかがS3で演算される。矢印d11方向に連結部位50cがずれていると演算された場合、液吸収部材50の一時的な高速化が必要である。逆に、矢印d12方向に連結部位50cがずれていると演算された場合、液吸収部材50の一時的な低速化が必要である。
液吸収部材50の速度調整は、いずれかの非転写部NR1〜NR4が液吸収位置NPを通過している間に行う。ここでは例示的に非転写部NR1が液吸収位置NPを通過している間に行う。図11に戻り、S4ではセンサSR2の検知結果に基づいて非転写部NR1が液吸収位置NPに到達した否かを判定する。到達しない場合は到達するまで待ち、到達した場合はS5へ進み速度制御を行う。
図14および図15はS5の速度制御例を例示している。図14は一時的に高速化する例を示している。時間T1〜T2の間に非転写部NR1が液吸収位置NPを通過している。非転写部NR1の移動方向で先頭側の端部が液吸収位置NPに到達し、時間T2で非転写部NR1の移動方向で後ろ側の端部が液吸収位置NPを通過しようとしている。
液吸収部材50の走行速度Vは、定速度V0から時間T1で加速を開始して定速度V0よりも速い速度に変更する。その後、時間T2までに減速して定速度V0に戻す。走行速度Vが変化している間、液吸収部材50は転写部TR1〜TR4のいずれにも液吸収位置NPにおいて対向しないのでインク像IMと接触することはない。
図15は一時的に低速化する例を示している。図14の例と同様、時間T1〜T2の間に非転写部NR1が液吸収位置NPを通過している。液吸収部材50の走行速度Vは、定速度V0から時間T1で減速を開始して定速度V0よりも遅い速度に変更する。その後、時間T2までに加速して定速度V0に戻す。走行速度Vが変化している間、液吸収部材50は転写部TR1〜TR4のいずれにも液吸収位置NPにおいて対向しないのでインク像IMと接触することはない。図14および図15の各例において、速度調整量は図11のS3のずれ量の演算結果に基づいてその都度演算してもよいし、高速化用の固定値と低速化用の固定値とをそれぞれ事前設定し、固定値化してもよい。
以上の制御によって、図13で説明した基準位置STPに対して、連結部位50cの位置が適切に維持され、連結部位50cがインク像IMと接触することを回避することができる。図12の例において、図11の処理例を実行すると、連結部位50cと非転写部NR1の双方が液吸収位置NPを通過するタイミングで、S5の速度制御が実行されることになる。S5の速度制御のタイミングはこれに限られないが、連結部位50cとインク像IMとの接触回避と、基準位置STPに対する連結部位50cの相対位置調整とを同時に行えることになる。
なお、非転写部NR1〜NR4が液吸収位置NPを通過する4回のタイミングで、速度調整を行うなど、転写胴41の一回転中の複数の非転写部が液吸収位置NPを通過する各タイミングで速度調整を行ってもよい。
<他の速度補正例>
図11、図14〜図15の例では、一つの非転写部が液吸収位置NPを通過している間に、液吸収部材50の加減速を行い元の定速度V0に戻すことにした。構造上、非転写部が液吸収位置NPを通過している時間が短い場合、基準位置STPに対する連結部位50cの相対位置調整量は限られる。そこで、一つの非転写部が液吸収位置NPを通過している間に、液吸収部材50の加減速のうちの一方を実行し、その後に同じまたは別の非転写部が液吸収位置NPを通過している間に、液吸収部材50の加減速のうちの他方を実行してもよい。この場合、液吸収部材50とインク像IMとが接触中に、転写体2の表面の周速度と液吸収部材50の走行速度との速度差が生じるが、これを小さく抑えることで、液吸収部材50がインク像Mの色材を擦ることを低減することができる。
図16は転写制御部15Bが実行する処理例を示すフローチャートである。S1〜S4の処理は図11のS1〜S4の処理と同じである。S5’では速度制御を行う。
図17はS5’の速度制御例を例示しており、一時的に高速化する例を示している。時間T1〜T2の間に非転写部NR1が液吸収位置NPを通過している。液吸収部材50の走行速度Vは、定速度V0から時間T1で加速を開始して定速度V0よりも速い速度に変更する。その後、時間T2までに減速せず、定速度V0よりも速い定速度が維持される。つまり、今回の期間は加速だけ行い、定速度V0には戻さない。
図16に戻り、S6ではセンサSR2の検知結果に基づいて非転写部NR1の後の非転写部(ここでは例示的に非転写部NR2とする。)が液吸収位置NPに到達した否かを判定する。到達しない場合は到達するまで待ち、到達した場合はS7へ進み速度制御を行う。
図18はS7の速度制御例を例示している。時間T3〜T4の間に非転写部NR2が液吸収位置NPを通過している。液吸収部材50の走行速度Vは、時間T3で減速を開始して時間T4までに定速度V0に戻す。つまり、今回の期間は減速だけ行い、これにより走行速度Vは定速度V0に戻る。時間T2から時間T3までの間、転写体2の表面の周速度と液吸収部材50の走行速度との速度差が生じるが、これを小さく抑えることで、液吸収部材50がインク像Mの色材を擦ることを低減することができる。また、比較的擦りの影響が出やすい加速中、減速中は液吸収部材50がインク像Mに接することはない。どの程度の速度にするか否かは画像品質との兼ね合いで適宜設定することができる。図17および図18の例は一時的に高速化する例を示しているが一時的に低速化する場合も同様である。
<吸収ユニットの他の構成例>
上記実施形態では、液吸収部材50を無端の帯状に構成し、循環的に走行させる構成としたが、他の構成も採用可能である。図19はその一例を示す。同図の例では、駆動ユニット51’が、Y方向の軸周りに回転自在なローラ等の回転体を含んでおり、その周面に液吸収部材50’が配設されている。液吸収部材50’は回転体の回転により、循環的に移動する。液吸収部材50’の移動経路の途中には、検知ユニット52が配置されており、液吸収部材50’上のマーカ(不図示)を検知する。
また、上記実施形態では、インク像IMとの接触を回避すべき液吸収部材50の所定の部位として、連結部位50cを例示したがこれに限られない。例えば、液吸収部材50上の、製造誤差により生じた起伏部位、使用により生じた劣化部位、汚れ部位等であってもよい。マーカ50dを利用した実施形態では、対象部位にマーカ50dを設けることで、後発的に生じた部位もインク像IMとの接触を回避すべき部位として認識することができる。
また、上記実施形態では、検知ユニット52を一つ設けたが、液吸収部材50の移動経路上に複数設けてもよい。そして、各検知ユニット52の検知結果に基づいて、液吸収部材50の一循環中に複数回速度調整を行ってもよい。
<システムの他の実施形態>
上記実施形態では、記録ユニット3が複数の記録ヘッド30を有するが、一つの記録ヘッド30を有してもよい。記録ヘッド30はフルラインヘッドでなくてもよく、記録ヘッド30を着脱自在に搭載するキャリッジがY方向に移動している間に記録ヘッド30からインクを吐出してインク像を形成するシリアル方式であってもよい。
記録媒体Pの搬送機構は、ローラ対によって記録媒体Pを挟持して搬送する方式等、他の方式であってもよい。ローラ対によって記録媒体Pを搬送する方式等においては、記録媒体Pとしてロールシートを用いてもよく、転写後にロールシートをカットして記録物P’を製造してもよい。
上記実施形態では、転写体2を転写胴41の外周面に設けたが、転写体2を無端の帯状に形成し、循環的に走行させる方式等、他の方式であってもよい。
また、本発明は上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
2 転写体、5B 吸収ユニット、50 液吸収部材、51 駆動ユニット、52 検出ユニット、TR1〜TR4 転写部、NR1〜NR4 非転写部

Claims (26)

  1. 循環的に移動される非転写部および転写部のうち、前記転写部上に形成されるインク像を記録媒体へ転写する前に、前記インク像から液体成分を吸収する液吸収装置であって、
    前記液体成分を吸収する液吸収部材と、
    前記転写部上の前記インク像から液体成分を吸収する液吸収位置を通過するように、前記液吸収部材を循環的に移動させる駆動手段と、
    前記非転写部が前記液吸収位置を通過している間に、前記液吸収部材の所定の部位が前記液吸収位置を通過するように前記駆動手段を制御する制御手段と、を備える、
    ことを特徴とする液吸収装置。
  2. 請求項1に記載の液吸収装置であって、
    前記制御手段は、前記液吸収部材の移動速度を調整することにより、前記非転写部が前記液吸収位置を通過している間に前記所定の部位に前記液吸収位置を通過させる、
    ことを特徴とする液吸収装置。
  3. 請求項2に記載の液吸収装置であって、
    前記制御手段は、前記非転写部が前記液吸収位置を通過している間に前記液吸収部材の移動速度を調整する、
    ことを特徴とする液吸収装置。
  4. 請求項2に記載の液吸収装置であって、
    前記制御手段は、定速度で前記液吸収部材を移動させる一方、前記非転写部が前記液吸収位置を通過している間に一時的に前記液吸収部材の移動速度を調整する、
    ことを特徴とする液吸収装置。
  5. 請求項2に記載の液吸収装置であって、
    前記制御手段は、定速度で前記液吸収部材を移動させる一方、前記非転写部が前記液吸収位置を通過している間である第一の期間に前記液吸収部材の加速または減速の一方を実行し、前記第一の期間の後の、前記非転写部が前記液吸収位置を通過している間である第二の期間に第一の期間に前記液吸収部材の加速または減速の他方を実行する、
    ことを特徴とする液吸収装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液吸収装置であって、
    前記所定の部位は、前記液吸収部材の他の部位と液吸収面の特性が異なる部位である、
    ことを特徴とする液吸収装置。
  7. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液吸収装置であって、
    前記液吸収部材は、無端ベルトであり、
    前記所定の部位は前記無端ベルトのベルト材料の連結部位である、
    ことを特徴とする液吸収装置。
  8. 請求項1に記載の液吸収装置であって、
    前記転写部は、定速度で回転される転写胴の周面に周方向に間欠的に支持された複数の転写体により形成され、
    前記非転写部は、隣接する前記転写体の間の隙間により形成される、
    ことを特徴とする液吸収装置。
  9. 請求項1に記載の液吸収装置であって、
    前記転写部は、転写胴の周面に支持された転写体の一部の領域に形成され、
    前記非転写部は、前記転写体の他の一部の領域に形成される、
    ことを特徴とする液吸収装置。
  10. 請求項8または9に記載の液吸収装置であって、
    前記液吸収部材には、前記所定の部位の位置を示すマーカが形成されており、
    前記液吸収装置は、前記液吸収部材の移動経路上の所定の位置において前記マーカを検知する検知手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記転写胴の回転位相と前記検知手段の検知結果とに基づいて、前記駆動手段を制御する、
    ことを特徴とする液吸収装置。
  11. 請求項8乃至10のいずれか一項に記載の液吸収装置であって、
    前記液吸収部材は無端ベルトであり、
    前記無端ベルトの周長は、前記転写胴の回転中心から前記転写体の表面までの半径を有する仮想円の周長の整数倍である、
    ことを特徴とする液吸収装置。
  12. 請求項11に記載の液吸収装置であって、
    前記制御手段は、前記無端ベルトの走行速度を前記転写体の表面の周速度と等速に制御する一方、一時的に前記無端ベルトの走行速度を調整することにより、前記非転写部が前記液吸収位置を通過している間に前記所定の部位に前記液吸収位置を通過させる、
    ことを特徴とする液吸収装置。
  13. インク像の形成領域および転写領域を通過するように循環的に移動される非転写部および転写部を含む転写ユニットと、
    前記形成領域において前記転写部にインクを吐出し、前記転写部上にインク像を形成する記録手段と、
    前記転写ユニットによる記録媒体に対する前記インク像の転写前に、前記転写部上の前記インク像から液体成分を吸収する液吸収手段と、を備え、
    前記液吸収手段は、
    前記液体成分を吸収する液吸収部材と、
    前記転写部上の前記インク像から液体成分を吸収する液吸収位置を通過するように、前記液吸収部材を循環的に移動させる駆動手段と、
    前記非転写部が前記液吸収位置を通過している間に、前記液吸収部材の所定の部位が前記液吸収位置を通過するように前記駆動手段を制御する制御手段と、を備える、
    ことを特徴とする記録装置。
  14. 請求項13に記載の記録装置であって、
    前記制御手段は、前記液吸収部材の移動速度を調整することにより、前記非転写部が前記液吸収位置を通過している間に前記所定の部位に前記液吸収位置を通過させる、
    ことを特徴とする記録装置。
  15. 請求項14に記載の記録装置であって、
    前記制御手段は、前記非転写部が前記液吸収位置を通過している間に前記液吸収部材の移動速度を調整する、
    ことを特徴とする記録装置。
  16. 請求項14に記載の記録装置であって、
    前記制御手段は、定速度で前記液吸収部材を移動させる一方、前記非転写部が前記液吸収位置を通過している間に一時的に前記液吸収部材の移動速度を調整する、
    ことを特徴とする記録装置。
  17. 請求項14に記載の記録装置であって、
    前記制御手段は、定速度で前記液吸収部材を移動させる一方、前記非転写部が前記液吸収位置を通過している間である第一の期間に前記液吸収部材の加速または減速の一方を実行し、前記第一の期間の後の、前記非転写部が前記液吸収位置を通過している間である第二の期間に第一の期間に前記液吸収部材の加速または減速の他方を実行する、
    ことを特徴とする記録装置。
  18. 請求項13乃至17のいずれか一項に記載の記録装置であって、
    前記所定の部位は、前記液吸収部材の他の部位と液吸収面の特性が異なる部位である、
    ことを特徴とする記録装置。
  19. 請求項13乃至17のいずれか一項に記載の記録装置であって、
    前記液吸収部材は、無端ベルトであり、
    前記所定の部位は前記無端ベルトのベルト材料の連結部位である、
    ことを特徴とする記録装置。
  20. 請求項13に記載の記録装置であって、
    前記転写部は、定速度で回転される転写胴の周面に周方向に間欠的に支持された複数の転写体により形成され、
    前記非転写部は、隣接する前記転写体の間の隙間により形成される、
    ことを特徴とする記録装置。
  21. 請求項13に記載の記録装置であって、
    前記転写部は、転写胴の周面に支持された転写体の一部の領域に形成され、
    前記非転写部は、前記転写体の他の一部の領域に形成される、
    ことを特徴とする記録装置。
  22. 請求項20または21に記載の記録装置であって、
    前記液吸収部材には、前記所定の部位の位置を示すマーカが形成されており、
    前記液吸収手段は、前記液吸収部材の移動経路上の所定の位置において前記マーカを検知する検知手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記転写胴の回転位相と前記検知手段の検知結果とに基づいて、前記駆動手段を制御する、
    ことを特徴とする記録装置。
  23. 請求項20乃至22のいずれか一項に記載の記録装置であって、
    前記液吸収部材は無端ベルトであり、
    前記無端ベルトの周長は、前記転写胴の回転中心から前記転写体の表面までの半径を有する仮想円の周長の整数倍である、
    ことを特徴とする記録装置。
  24. 請求項23に記載の記録装置であって、
    前記制御手段は、前記無端ベルトの走行速度を前記転写体の表面の周速度と等速に制御する一方、一時的に前記無端ベルトの走行速度を調整することにより、前記非転写部が前記液吸収位置を通過している間に前記所定の部位に前記液吸収位置を通過させる、
    ことを特徴とする記録装置。
  25. 循環的に移動される非転写部および転写部のうち、前記転写部を介して記録媒体にインク像を転写する記録方法であって、
    前記転写部にインクを吐出し、前記転写部上にインク像を形成する形成工程と、
    前記形成工程の後に、前記転写部上の前記インク像から液体成分を吸収する液吸収工程と、
    前記液吸収工程の後に、記録媒体に、前記転写部から前記インク像を転写する転写工程と、を備え、
    前記液吸収工程は、
    前記転写部上の前記インク像から液体成分を吸収する液吸収位置を通過するように、液吸収部材を循環的に移動させる工程と、
    前記非転写部が前記液吸収位置を通過している間に、前記液吸収部材の所定の部位が前記液吸収位置を通過するように前記液吸収部材の移動を制御する制御工程と、を含む、
    ことを特徴とする記録方法。
  26. 循環的に移動される非転写部および転写部のうち、前記転写部を介して記録媒体にインク像を転写することで、記録物を製造する製造方法であって、
    前記転写部にインクを吐出し、前記転写部上にインク像を形成する形成工程と、
    前記形成工程の後に、前記転写部上の前記インク像から液体成分を吸収する液吸収工程と、
    前記液吸収工程の後に、記録媒体に、前記転写部から前記インク像を転写する転写工程と、を備え、
    前記液吸収工程は、
    前記転写部上の前記インク像から液体成分を吸収する液吸収位置を通過するように、液吸収部材を循環的に移動させる工程と、
    前記非転写部が前記液吸収位置を通過している間に、前記液吸収部材の所定の部位が前記液吸収位置を通過するように前記液吸収部材の移動を制御する制御工程と、を含む、
    ことを特徴とする製造方法。
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