JP2018149654A - 溝入れ工具用ホルダおよび溝入れ工具 - Google Patents

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Hiroyuki Norikoshi
博之 乗越
彰一郎 渡辺
Shoichiro Watanabe
彰一郎 渡辺
拓真 木曽
Takuma KISO
拓真 木曽
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Abstract

【課題】部品の共通化を図ることができる溝入れ工具用ホルダおよび溝入れ工具の提供を目的とする。
【解決手段】切削インサートを保持するインサート取付部を有する板状のホルダ本体と、ホルダ本体の一方の板面に取り付けられる閉塞部と、を備え、ホルダ本体には、板厚方向に貫通する貫通孔と、貫通孔に連通しインサート取付部の近傍まで延びるクーラント供給路と、板厚方向に貫通するネジ孔と、が設けられ、閉塞部は、軸部および頭部を有しネジ孔に挿入される固定ネジと、頭部と板面との間に挟まれて貫通孔の開口を覆うワッシャと、を有し、ワッシャは、第1および第2の主面を有し、ワッシャは、第1および第2の主面を表裏反転して使用可能であり、第1および第2の主面には、互いに深さが異なり底面を頭部の着座面として使用可能な凹部が設けられている、溝入れ工具用ホルダ。
【選択図】図3

Description

本発明は、溝入れ工具用ホルダおよび溝入れ工具に関する。
溝入れ加工および突っ切り加工などに用いられるブレード状の溝入れ工具(突っ切りブレード)が知られている。特許文献1には、切刃を冷却するために、溝入れ工具の内部を通過し切刃の近傍で開口して切刃にクーラントを供給する内部流路(ブレード流路)を有する溝入れ工具が記載されている。
溝入れ工具は、表裏反転させて使用される場合があるため、表裏何れの面からも内部流路にクーラントを導入できるように、内部流路と繋がる貫通孔が設けられている。貫通孔の一方の開口は、閉塞部(シーリング装置)で塞がれており、クーラントの漏れ出しが抑制される。このような閉塞部としては、ネジとワッシャで構成されたものが知られている。
特表2015−512794号公報
近年、加工形状の多様化に対応して、様々な板厚の溝入れ工具が開発されている。一方で、部品の共通化の観点から、様々な板厚の溝入れ工具に共通して使用できる閉塞部が求められている。閉塞部としてネジとワッシャを用いる場合、板厚に対応してネジの全長を長くする必要があり、部品の共通化を阻害していた。
本発明は、このような背景の下になされたもので、部品の共通化を図ることができる溝入れ工具用ホルダおよび溝入れ工具の提供を目的とする。
上記課題を解決するため本発明の一態様の溝入れ工具用ホルダは、切削インサートを保持するインサート取付部を有する板状のホルダ本体と、前記ホルダ本体の一方の板面に取り付けられる閉塞部と、を備え、前記ホルダ本体には、板厚方向に貫通する貫通孔と、前記貫通孔に連通し前記インサート取付部の近傍まで延びるクーラント供給路と、板厚方向に貫通するネジ孔と、が設けられ、前記閉塞部は、軸部および頭部を有し前記ネジ孔に挿入される固定ネジと、前記頭部と前記板面との間に挟まれて前記貫通孔の開口を覆うワッシャと、を有し、前記ワッシャは、第1および第2の主面を有し、前記ワッシャは、前記第1および第2の主面を表裏反転して使用可能であり、前記第1および第2の主面には、互いに深さが異なり底面を前記頭部の着座面として使用可能な凹部が設けられている。
この構成によれば、第1および第2の主面にそれぞれ凹部が設けられている。第1および第2の主面の凹部は、互いに深さが異なる。また、凹部の底面が頭部の着座面として使用される場合に、固定ネジの頭部の少なくとも一部が凹部に収容される。第1および第2の主面を表裏反転させることで、頭部が収容される凹部の深さが変わり、これに伴いホルダ本体の板面側に突出する軸部の長さも変わる。すなわち、ホルダ本体の厚さに応じて、第1および第2の主面を表裏反転させることで、軸部の突出長さを変えることができる。これにより、多様な厚さのホルダ本体に対して、軸部のネジ山の係りを適当に設定することが可能となる。また、厚さが比較的薄いホルダ本体に対しては、固定ネジの軸部が反対側の板面から突出することを抑制できる。結果として、様々な厚さのホルダ本体に対してワッシャを共通して用いることが可能となる。
加えて、この構成によれば、凹部が第1および第2の主面にそれぞれ設けられているため、何れの主面をホルダ本体の板面に対向させた場合であっても、貫通孔の開口の外側にクーラントの液だまりを形成できる。これにより、クーラントの圧力が変動しても貫通孔の内部の圧力の変動を抑制することができ、安定したクーラント供給が可能となる。
上記課題を解決するため本発明の一態様の溝入れ工具用ホルダは、切削インサートを保持するインサート取付部を有する板状のホルダ本体と、前記ホルダ本体の一方の板面に取り付けられる閉塞部と、を備え、前記ホルダ本体には、板厚方向に貫通する貫通孔と、前記貫通孔に連通し前記インサート取付部の近傍まで延びるクーラント供給路と、板厚方向に貫通するネジ孔と、が設けられ、前記閉塞部は、軸部および頭部を有し前記ネジ孔に挿入される固定ネジと、前記頭部と前記板面との間に挟まれて前記貫通孔の開口を覆うワッシャと、を有し、前記ワッシャは、第1および第2の主面を有し、前記ワッシャは、前記第1および第2の主面を表裏反転して使用可能であり、前記第1および第2の主面のうち何れか一方には、底面を前記頭部の着座面として使用可能な凹部が設けられている。
この構成によれば、第1および第2の主面のうち何れか一方には、凹部が設けられており、他方には凹部が設けられていない。凹部の底面を着座面とする場合には、頭部の少なくとも一部が凹部に収容されるため、一対の主面を表裏反転させることで、収容された凹部の高さだけ、ホルダ本体の板面側に突出する軸部の長さを変えることができる。これにより、多様な厚さのホルダ本体に対して軸部のネジ山の係りを適当な長さに設定することが可能となる。また、厚さが比較的薄いホルダ本体に対しては、固定ネジの軸部が反対側の板面から突出することを抑制できる。結果として、様々な厚さのホルダ本体に対してワッシャを共通して用いることが可能となる。
上述の溝入れ工具用ホルダにおいて、前記第1の主面を前記板面に対向させた場合の前記第1の主面に対する前記軸部の突出長さと、前記第2の主面を前記板面に対向させた場合の前記第2の主面に対する前記軸部の突出長さと、が互いに異なる構成としてもよい。
この構成によれば、第1および第2の主面を表裏反転させることで、多様な厚さのホルダ本体に対して、適当な軸部の突出量を設定することが可能となり、部品の共有化を図ることができる。
また、本発明の一実施態様の溝入れ工具は、上記の溝入れ工具用ホルダと、前記インサート取付部に取り付けられた前記切削インサートと、を備える。
この構成によれば、部品の共有化を図った溝入れ工具を提供できる。
本発明によれば、部品の共通化を図ることができる溝入れ工具用ホルダおよび溝入れ工具を提供できる。
一実施形態に係る溝入れ工具ユニットの斜視図 一実施形態に係る溝入れ工具の分解斜視図 一実施形態に係る溝入れ工具において閉塞部の第1の状態を示す断面図 一実施形態に係る溝入れ工具において閉塞部の第2の状態を示す断面図 変形例の閉塞部の第1の状態を示す断面図 変形例の閉塞部の第2の状態を示す断面図
以下、図面を参照して本発明を適用した実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴部分を強調する目的で、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、同様の目的で、特徴とならない部分を省略して図示している場合がある。
以下の説明において、溝入れ工具ユニット50を旋盤の固定台(図示略)の上面に取り付けた状態を基にして、溝入れ工具ユニット50の姿勢を説明する。しかしながら、溝入れ工具ユニット50の姿勢は、この方向に限定されない。また、以下の説明において、矩形板状の溝入れ工具1の長手方向を左右方向と呼び、溝入れ工具1の短手方向を上下方向と呼ぶ場合がある。
<溝入れ工具ユニット>
図1は、一実施形態に係る溝入れ工具ユニット50の斜視図である。
図1に示すように、溝入れ工具ユニット50は、板状の溝入れ工具1と、溝入れ工具1を支持するとともに溝入れ工具1にクーラントを供給するツールブロック51と、を備える。溝入れ工具ユニット50は、旋盤を用いた溝入れ加工および突っ切り加工などに用いられる。
<ツールブロック>
ツールブロック51は、溝入れ工具1を支持するとともに、溝入れ工具1にクーラントを供給するためのブロックである。ツールブロック51は、ブロック本体52と、一対の環状パッキン60と、支持部70と、を有する。ブロック本体52は、溝入れ工具1の板面(第2の板面10b)が対向する対向面55を有する。
対向面55は、矩形状である。対向面55には、複数(本実施形態では2つ)の環状の凹溝54が設けられている。2つの凹溝54には、それぞれ環状パッキン60が嵌め込まれている。これにより、環状パッキン60は、対向面55に保持されている。対向面55には、2つの環状パッキン60により囲まれた2つの密閉領域Aが形成される。2つの密閉領域Aは、対向面55の長手方向に沿って延びる矩形状である。また、2つの密閉領域Aは、対向面55の長手方向に沿って並んで配置されている。
対向面55は、密閉領域Aにおいて他の領域と比較して、若干凹んで形成されている。ツールブロック51に溝入れ工具1が取り付けられることで、環状パッキン60が圧縮される。また、対向面55の密閉領域A以外の領域と第2の板面10bとが互いに接触するとともに、密閉領域Aと第2の板面10bとの間に空間が形成される。
対向面55の一対の密閉領域Aには、それぞれクーラント流出口83が設けられている。クーラント流出口83は、ツールブロックの内部を通過するクーラント流路(図示略)の開口である。クーラントは、クーラント流路を通過して一対のクーラント流出口83のうち何れか一方から放出される。
溝入れ工具1の第2の板面10bにおいて、密閉領域Aと対向する領域には、貫通孔7が設けられている。環状パッキン60の内側であって密閉領域Aと第2の板面10bに挟まれた空間には、クーラント流出口83から流れ込んだクーラントが貯まり、貫通孔7から溝入れ工具1の内部流路17に流入する。
支持部70は、上側支持体71と、下側支持体72と、複数の締結用ボルト73と、を有する。支持部70は、溝入れ工具1を上下方向から保持する。
下側支持体72は、ブロック本体52に連結されている。すなわち、下側支持体72とブロック本体52は、単一の部材である。下側支持体72は、対向面55の下側に位置し、対向面55に対して突出している。
下側支持体72は、上側を向く第2の把持面72dを有する。第2の把持面72dは、対向面55の下側においてヌスミを介して対向面55と隣接する。また、第2の把持面72dは、対向面55の長手方向に沿って延びている。第2の把持面72dは、対向面55の法線方向に沿って対向面55から離れるに従って上側に向かう方向に傾斜している。
上側支持体71は、ブロック本体52の上側に位置する。上側支持体71は、ブロック本体52と別部材である。上側支持体71の上面には、上下方向に貫通する複数の貫通孔71aが設けられている。貫通孔71aは、ザグリ穴である。
上側支持体71は、下側を向く第1の把持面71dを有する。第1の把持面71dは、対向面55の上側に位置する。また、第1の把持面71dは、対向面55の長手方向に沿って延びている。第1の把持面71dは、対向面55の法線方向に沿って対向面55から離れるに従って下側に向かう方向に傾斜する。
上側支持体71は、対向面55の後方に位置する傾斜面71cを有する。傾斜面71cは、ブロック本体52の上面に設けられた対向傾斜面52cと上下方向に対向する。傾斜面71cおよび対向傾斜面52cは、下側に向かうに従い対向面55の後方側に傾斜する。
締結用ボルト73は、貫通孔71aに挿通されている。また、締結用ボルト73は、ブロック本体52のネジ孔(図示略)に挿入されている。締結用ボルト73の頭部は、貫通孔71aのザグリ部(図示略)に接触する。締結用ボルト73を回転させることで、上側支持体71は、下側に移動する。これに伴い、傾斜面71cが対向傾斜面52cを滑り、第1の把持面71dが、対向面55に近づく方向に移動する。
溝入れ工具1は、第1の把持面71dと第2の把持面72dとの間に上下方向から挟み込まれて把持される。締結用ボルト73を回転させると、第1の把持面71dが対向面55に近づくため、溝入れ工具1は、対向面55側に押し付けられる。これにより、溝入れ工具1は、対向面55に保持される環状パッキン60を圧縮する。
<溝入れ工具および溝入れ工具用ホルダ>
図2は、溝入れ工具1の分解斜視図である。
溝入れ工具1は、溝入れ工具用ホルダ2と、切削インサート11と、を備える。
溝入れ工具用ホルダ2は、切削インサート11を保持する。溝入れ工具用ホルダ2は、ツールブロック51に取り付けて使用される。溝入れ工具用ホルダ2は、ツールブロック51から供給されたクーラントを切削インサート11に供給する。溝入れ工具用ホルダ2は、矩形板状のホルダ本体10と、閉塞部20と、を有する。
(ホルダ本体)
ホルダ本体10は、矩形状の第1の板面10aおよび第2の板面10bと、第1の板面10aおよび第2の板面10bの間に位置する側面10cと、を有する。
第1の板面10aは、閉塞部20が取り付けられる面である。また、第2の板面10bは、ツールブロック51の対向面55と対向する面である。
ホルダ本体10は、鋼材等により矩形薄板状に形成されている。ホルダ本体10は、第1の板面10aおよび第2の板面10bの中心回りに180°回転対称形状とされている。ホルダ本体10は、第1の板面10aおよび第2の板面10bの対角に位置する一対のインサート取付部16を有する。切削インサート11は、一対のインサート取付部16のうち少なくとも一方に取り付けられる。
ホルダ本体10には、貫通孔7、ネジ孔9および内部流路17が2組設けられている。2組の貫通孔7、ネジ孔9および内部流路17は、第1および第2の板面10a、10bの中心回りに互いに180°回転対称に配置されている。同じ組の貫通孔7およびネジ孔9は、隣り合って配置される。また、内部流路17は、同じ組の貫通孔7と連通している。すなわち、内部流路17は、同じ組の貫通孔7の内周面に開口する。
ネジ孔9は、閉塞部20を取り付けるために設けられている。ネジ孔9は、板厚方向に貫通する。ネジ孔9の内周面には、メネジが形成されている。
貫通孔7は、ツールブロックから供給されたクーラントをホルダ本体10の内部に導入する為に設けられている。貫通孔7は、ホルダ本体10の板厚方向に貫通する。貫通孔7の開口のうち、ツールブロック51側を向く開口はクーラントが流入する流入口となり、その反対側の開口は閉塞部20により塞がれる。
内部流路17は、貫通孔7から板面に沿ってインサート取付部16まで延びている。内部流路17は、貫通孔7からインサート取付部16に向かう経路中の分岐部17aで2つに分岐しており、側面10cにおいてインサート取付部16を挟んだ両側で開口する。貫通孔7を介して内部流路17に、クーラントを流すことで、クーラントはインサート取付部16の上下から噴出し、切削インサート11を効率的に冷却する。
閉塞部20は、ホルダ本体10の第1の板面10a側に取り付けられる。閉塞部20は、固定ネジ21とワッシャ25とを有する。固定ネジ21は、軸部23および頭部22を有する。閉塞部20は、固定ネジ21を一対のネジ孔9のうち何れか一方に挿入することで一対の貫通孔7のうち何れか一方を覆う。
ワッシャ25は、平面視円形である。ワッシャ25の中央には、固定ネジ21が挿通される挿通孔24が設けられている。ワッシャ25は、固定ネジ21の頭部22と、第1の板面10aとの間に挟み込まれる。ワッシャ25は、ネジ孔9と隣り合って配置された貫通孔7の開口を覆う。
ワッシャ25は、第1の主面26および第2の主面27を有する。ワッシャ25は、第1および第2の主面26、27を表裏反転して使用可能である。すなわち、ワッシャ25は、第1および第2の主面26、27のうち、択一的に選択した何れか一方を第1の板面10aと対向するように取り付けられる。
図3および図4は、閉塞部20の断面図である。図3は、ワッシャ25の第1の主面26を第1の板面10aと対向させて閉塞部20をホルダ本体10に取り付けた状態(以下、第1の状態と呼ぶ)を示す。また、図4は、ワッシャ25の第2の主面27を第1の板面10aと対向させて閉塞部20をホルダ本体10に取り付けた状態(以下、第2の状態と呼ぶ)を示す。
第1の主面26には、深さD28の第1の凹部(凹部)28が設けられている。第1の凹部28は、平面視で挿通孔24を中心とする円形である。第1の凹部28は、開口方向を向く第1の底面(底面)28aを有する。第1の底面28aには、挿通孔24が開口する。第1の底面28aの直径は、固定ネジ21の頭部22の直径より大きい。
同様に、第2の主面27には、深さD29の第2の凹部(凹部)29が設けられている。第2の凹部29は、平面視で挿通孔24を中心とする円形である。第2の凹部29は、開口方向を向く第2の底面(底面)29aを有する。第2の底面29aには、挿通孔24が開口する。第2の底面29aの直径は、固定ネジ21の頭部22の直径より大きい。
図3に示すように、第1の主面26をホルダ本体の第1の板面10aに対向させた第1の状態において、第2の凹部29には頭部22の全体が収容される。また、第1の状態において、第2の底面29aは、頭部22の着座面として使用される。すなわち、第2の底面29aは、頭部22の着座面として使用可能である。
第1の状態において、第1の主面26は、第1の凹部28の外側の領域(接触領域P1)で、第1の板面10aと接触する。接触領域P1は、円環状に形成される。ホルダ本体10の貫通孔7は、平面視で接触領域P1に囲まれる。クーラントは、第2の板面10b側の開口から貫通孔7に流入し第1の板面10a側の開口から、第1の凹部28の内側に流入する。第1の凹部28内に流入したクーラントは、第1の主面26と第1の板面10aとの接触領域P1で封止される。また、クーラントの一部は、固定ネジ21の軸部23とワッシャ25の挿通孔24との間の隙間を通過して、頭部22と第2の底面29aとの間で封止される。
図4に示すように、第2の主面27をホルダ本体の第1の板面10aに対向させた第2の状態において、第1の凹部28には頭部22の一部が収容される。また、第2の状態において、第1の底面28aは、頭部22の着座面として使用される。すなわち、第1の底面28aは、頭部22の着座面として使用可能である。
第2の状態において、第2の主面27は、第2の凹部29の外側の領域(接触領域P2)で、第1の板面10aと接触する。接触領域P2は、円環状に形成される。ホルダ本体10の貫通孔7は、平面視で接触領域P2に囲まれる。クーラントは、第2の板面10b側の開口から貫通孔7に流入し第1の板面10a側の開口から、第2の凹部29の内側に流入する。第2の凹部29内に流入したクーラントは、第2の主面27と第1の板面10aとの接触領域P2で封止される。また、クーラントの一部は、固定ネジ21の軸部23とワッシャ25の挿通孔24との間の隙間を通過して、頭部22と第1の底面28aとの間で封止される。
第1の凹部28と第2の凹部29は、互いに深さが異なる。より具体的には、第1の凹部28の深さD28は、第2の凹部29の深さD29より小さい。図3および図4に示すように、第1および第2の主面26、27を表裏反転させてワッシャ25をホルダ本体10に取り付けることで、頭部22が収容される凹部(第1および第2の凹部28、29)の深さが変わる。これに伴い、ワッシャ25からホルダ本体10の第1の板面10a側に突出する軸部23の長さも変わる。より具体的には、第1の状態(図3参照)における、第1の主面26に対する軸部23の突出長さH1は、第2の状態(図4参照)における、第2の主面27に対する軸部23の突出長さH2より長い。
図3に示すように、ワッシャ25は、板厚が比較的厚いホルダ本体10Aに取り付けられる場合に、第1の主面26を第1の板面10aに対向させることが好ましい。これにより、軸部23の突出長さH1を十分に確保して、ホルダ本体10Aの板厚に対するネジの係り代の比率を大きく確保することが可能となり、ホルダ本体10Aに閉塞部20を強固に固定できる。
図4に示すように、ワッシャ25は、板厚が比較的薄いホルダ本体10Bに取り付けられる場合に、第2の主面27を第1の板面10aに対向させることが好ましい。これにより、軸部23の突出長さH2を短くし、ホルダ本体10の第2の板面10b側から軸部が飛び出すことを抑制できる。
また、本実施形態によれば、第1および第2の主面26、27にそれぞれ凹部(第1および第2の凹部28、29)が設けられている。したがって、第1のおよび第2の主面26、27のうち、どちらをホルダ本体10の第1の板面10aに対向させた場合であっても、貫通孔7の開口の外側に凹部(第1又は第2の凹部28、29)の内側の空間にクーラントの液だまりを形成できる。したがって、クーラントの圧力が変動しても貫通孔7の内部の圧力の変動を抑制することができ、安定したクーラント供給が可能となる。
(変形例)
次に上述の実施形態に採用可能な変形例の閉塞部120について説明する。本変形例の閉塞部120は、第2の主面127にのみ凹部129が設けられたワッシャ125を有する点が主に異なる。
なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図5および図6は、閉塞部120の断面図である。
閉塞部120は、固定ネジ21とワッシャ125とを有する。ワッシャ125は、第1の主面126および第2の主面127を有する。ワッシャ125は、第1および第2の主面126、127を表裏反転して使用可能である。
なお、図5は、第1の主面126を第1の板面10aと対向させた状態(第1の状態)を示し、図6は、第2の主面127を第1の板面10aと対向させた状態(第2の状態)を示す。
第1の主面126は、平坦な面である。第1の主面126には、固定ネジ21の軸部23が挿通する挿通孔24が開口する。
第2の主面127には、凹部129が設けられている。凹部129は、平面視で挿通孔24を中心とする円形である。凹部129は、開口方向を向く第2の底面(底面)129aを有する。第2の底面129aには、挿通孔24が開口する。第2の底面129aの直径は、固定ネジ21の頭部22の直径より大きい。
図5に示すように、第1の主面126をホルダ本体の第1の板面10aに対向させた第1の状態において、凹部129には頭部22の全体が収容される。また、第1の状態において、第2の底面129aは、着座面として使用される。
第1の状態において、第1の主面126は、第1の板面10aと接触する。ホルダ本体10の貫通孔7は、第1の主面126に覆われて塞がれる。これにより、貫通孔7の第1の板面10a側の開口からクーラントが流出することが抑制される。
図6に示すように、第2の主面127をホルダ本体の第1の板面10aに対向させた第2の状態において、第1の主面126は、着座面として使用される。
第2の状態において、第2の主面127は、貫通孔7の開口を覆うように、第1の板面10aに接触する。クーラントは、貫通孔7の第1の板面10a側の開口から凹部129の内側に流入する。凹部129内に流入したクーラントは、第2の主面127と第1の板面10aとの接触領域で封止される。また、クーラントの一部は、固定ネジ21の軸部23とワッシャ125の挿通孔24との間の隙間を通過して、頭部22と第1の主面126との間で封止される。
本実施形態によれば、第2の主面127にのみ凹部129が設けられており、第1の主面126には設けられていない。これにより、第1および第2の主面126、127を表裏反転させた場合に、ホルダ本体10の第1の板面10a側に突出する軸部23の長さを変えることができる。より具体的には、第1の状態(図5参照)における、第1の主面126に対する軸部23の突出長さH3を、第2の状態(図6参照)における、第2の主面127に対する軸部23の突出長さH4より長くすることができる。したがって、ホルダ本体10の板厚に応じて、第1および第2の主面126、127を表裏反転させてワッシャ125を取り付けることで、ホルダ本体10の厚さに対する軸部23のネジ山の係りを適当な長さに設定することが可能となり、結果として部品の共有化を図ることができる。
以上に、本発明の様々な実施形態を説明したが、各実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
なお、上述の第1および第2の実施形態では、第1の状態において頭部22の全体が凹部に収容される場合を例示した。しかしながら、必ずしも一方の凹部において頭部の全体が収容されなくてもよい。
1…溝入れ工具
2…溝入れ工具用ホルダ
7…貫通孔
9…ネジ孔
10,10A,10B…ホルダ本体
10a…第1の板面(板面)
10b…第2の板面(板面)
11…切削インサート
16…インサート取付部
17…内部流路
20,120…閉塞部
21…固定ネジ
22…頭部
23…軸部
25,125…ワッシャ
26,126…第1の主面
27,127…第2の主面
28…第1の凹部(凹部)
28a…第1の底面(底面)
29…第2の凹部(凹部)
29a,129a…第2の底面(底面)
129…凹部
D28,D29…深さ
H1,H2,H3,H4…突出長さ

Claims (4)

  1. 切削インサートを保持するインサート取付部を有する板状のホルダ本体と、
    前記ホルダ本体の一方の板面に取り付けられる閉塞部と、を備え、
    前記ホルダ本体には、板厚方向に貫通する貫通孔と、前記貫通孔に連通する内部流路と、板厚方向に貫通するネジ孔と、が設けられ、
    前記閉塞部は、軸部および頭部を有し前記ネジ孔に挿入される固定ネジと、前記頭部と前記板面との間に挟まれて前記貫通孔の開口を覆うワッシャと、を有し、
    前記ワッシャは、第1および第2の主面を有し、
    前記ワッシャは、前記第1および第2の主面を表裏反転して使用可能であり、
    前記第1および第2の主面には、互いに深さが異なり底面を前記頭部の着座面として使用可能な凹部が設けられている、
    溝入れ工具用ホルダ。
  2. 切削インサートを保持するインサート取付部を有する板状のホルダ本体と、
    前記ホルダ本体の一方の板面に取り付けられる閉塞部と、を備え、
    前記ホルダ本体には、板厚方向に貫通する貫通孔と、前記貫通孔に連通する内部流路と、板厚方向に貫通するネジ孔と、が設けられ、
    前記閉塞部は、軸部および頭部を有し前記ネジ孔に挿入される固定ネジと、前記頭部と前記板面との間に挟まれて前記貫通孔の開口を覆うワッシャと、を有し、
    前記ワッシャは、第1および第2の主面を有し、
    前記ワッシャは、前記第1および第2の主面を表裏反転して使用可能であり、
    前記第1および第2の主面のうち何れか一方には、底面を前記頭部の着座面として使用可能な凹部が設けられている、
    溝入れ工具用ホルダ。
  3. 前記第1の主面を前記板面に対向させた場合の前記第1の主面に対する前記軸部の突出長さと、
    前記第2の主面を前記板面に対向させた場合の前記第2の主面に対する前記軸部の突出長さと、が互いに異なる、
    請求項1又は2に記載の溝入れ工具用ホルダ。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の溝入れ工具用ホルダと、
    前記インサート取付部に取り付けられた前記切削インサートと、を備えた、
    溝入れ工具。
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