JP2018148824A - 試料観察装置及び操作部材 - Google Patents

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Nobumasa Tanaka
信将 田中
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義一 兼田
義浩 横前
Yoshihiro Yokomae
義浩 横前
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Hiroki Amino
宏樹 網野
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Yuji Kobayashi
有二 小林
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Takanori Takahashi
孝徳 高橋
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Abstract

【課題】試料観察装置の外装部材に設けた操作部材と外装部材との間の隙間から装置内部への培養液等や高湿な外気の浸入を抑止できる試料観察装置を提供する。
【解決手段】一面に開口11aを有する収納筐体11と、上面側に平面部を有し収納筐体の開口を覆うように取り付けられて収納筐体を密閉された箱体とする天板ユニット16と、天板ユニットの一部に取り付けられる操作部材18aとを備え、操作部材は天板ユニットの平面部の孔17aに嵌合配置され、孔との間に生ずる隙間120を埋めると共に、操作部材の配設部位近傍から収納筐体の内部への液体流路に複数箇所の液体せき止め部を設けた。
【選択図】図10

Description

この発明は、培養容器内の細胞等の試料を観察する試料観察装置及び操作部材に関するものである。
従来、撮像光学系及び撮像素子等を含む観察用撮像ユニットを、互いに直交するX軸及びY軸の二方向のそれぞれに直線的に移動させることで、上記観察用撮像ユニットをXY平面に平行な面内で自在に移動させる駆動機構等を備え、上記XY平面に平行な面上に載置した培養容器内の細胞等の試料の全体像を自動的に走査することができると共に、培養容器内の細胞等の試料の所望の部位を任意に観察することができるように構成された試料観察装置が、例えば特開2005−295818号公報(特許第4490154号公報)等によって、種々の形態のものが提案されている。
上記特開2005−295818号公報等によって開示されている試料観察装置は、平面に直交する方向に光軸を有し、その視野範囲が培養容器の表面より狭いカメラと、このカメラにより撮像された画像を表示する表示手段を備えて構成されている。
特開2005−295818号公報(特許第4490154号公報)
一般に、この種の試料観察装置は、培養容器と共にインキュベータ(incubator;恒温器)内で使用されるのが一般である。この場合において、例えば当該試料観察装置を恒温器内に設置する際には、前もって当該試料観察装置の初期設定等の操作が行われる。ここで、当該試料観察装置の初期設定としては、例えば観察ユニット等のXY平面での移動範囲内における位置調整等である。
また、当該試料観察装置を恒温器内に設置した後においても、定期的に若しくは任意のタイミングで、培養液の補充若しくは交換作業や株分け作業等を行うことがある。そのような場合には、試料観察装置の動作を一時的に停止させるといった操作が要求される。そこで、これらの手作業を行う場合には、当該試料観察装置を、外部装置による操作とは別に、直接的に操作する操作部材が装置に設けられていれば至便である。
しかしながら、当該試料観察装置の外表面、例えば上面や側面等に操作部材を設ける場合、試料観察装置の外装部材(固定部)と当該操作部材(可動部)との間には必ず隙間が生じる構成となる。すると、上記のような手作業を行う際に、例えば、上記隙間から装置内部に向けて培養液等や高湿な外気が浸入してしまう等といった事態も考えられる。
上記特開2005−295818号公報(特許第4490154号公報)等によって開示されている従来の試料観察装置では、各種の操作は、基本的に外部装置からの遠隔操作によるものとなっており、上述のような手作業を行う際の考慮はなされていない。そればかりか、装置内部への培養液等や高湿な外気の浸入の可能性についても言及されていない。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、試料観察装置の外装部材に操作部材を設けた構成において、外装部材と操作部材との間に生じる隙間から装置内部への培養液等や高湿な外気の浸入を抑止することのできる操作部材周りの水密構造及び防湿構造を備えた試料観察装置及び操作部材を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様の試料観察装置は、一面に開口を有する収納筐体と、上面側に平面部を有し上記収納筐体の上記開口を覆うように取り付けられて上記収納筐体を密閉された箱体とする蓋体である天板ユニットと、上記天板ユニットの一部に取り付けられる操作部材とを具備し、上記操作部材は、上記天板ユニットの上記平面部における孔に嵌合配置され、上記孔との間に生ずる隙間を埋めると共に、上記操作部材の配設部位近傍から上記収納筐体の内部への液体流路に複数箇所の液体せき止め部を設けた。
本発明の一態様の操作部材は、平板状部材に取り付けられる操作部材において、上記平板状部材における上記操作部材の配設部位近傍に生じる隙間を埋めると共に、上記操作部材の配設部位近傍から培養液や高湿な外気の内部への浸入を阻止する円環状部材と、上記円環状部材の略中央部分の孔に嵌入され、一部が外部に露呈するようにして配設された作用部材とを有し、上記作用部材は、一部位が上記円環状部材の一部に密着し、他の一部位は上記天板ユニットの一部に密着することで水密構造及び防湿構造を構成する。
本発明によれば、試料観察装置の外装部材に操作部材を設けた構成において、外装部材と操作部材との間に生じる隙間から装置内部への培養液等や高湿な外気の浸入を抑止することのできる試料観察装置及び操作部材を提供することができる。
本発明の一実施形態の試料観察装置を含む試料観察システムの全体構成の概略を示すシステム構成図 図1の試料観察システムの電気的な構成の概略を示すブロック構成図 図1の試料観察システムにおける試料観察装置の外観を示す外観斜視図 図3の試料観察装置において、培養容器と容器ホルダを分離した状態を示す外観斜視図 図3の試料観察装置における装置本体のうち上半部の構成要素(天板ユニット)の分解斜視図 図3の試料観察装置における装置本体のうち下半部の構成要素(観察用撮像ユニットを含む駆動ユニット,11)の分解斜視図 図3の試料観察装置における観察用撮像ユニットを含む駆動ユニットを分解して示す要部分解斜視図 図3の試料観察装置における観察用撮像ユニットの縦断面図(図7の矢印[8]−[8]で示す二点鎖線による仮想面に沿う切断面) 図3の[9]−[9]線に沿う縦断面図 図9の操作部ユニットにおける操作ボタンの詳細を示す要部拡大縦断面図(図9の符号[10]で示す部位の部分断面図) 本発明の一実施形態の試料観察装置における操作ボタンの変形例の詳細を示す要部拡大断面図
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。以下の説明に用いる各図面は模式的に示すものであり、各構成要素を図面上で認識できる程度の大きさで示すために、各部材の寸法関係や縮尺等を各構成要素毎に異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、各図面に記載された各構成要素の数量や各構成要素の形状や各構成要素の大きさの比率や各構成要素の相対的な位置関係等に関して、図示の形態のみに限定されるものではない。
[一実施形態]
図1は、本発明の一実施形態の試料観察装置を含む試料観察システムの全体構成の概略を示すシステム構成図である。図2は、図1の試料観察システムの電気的な構成の概略を示すブロック構成図である。
図3は、本実施形態の試料観察装置の外観を示す外観斜視図である。図4は、図3に示す試料観察装置において培養容器と容器ホルダを分離した状態を示す外観斜視図である。図5,図6は、本実施形態の試料観察装置における装置本体の分解斜視図である。このうち、図5は、本実施形態の試料観察装置における装置本体のうち上半部の構成要素(天板ユニット)を示している。図6は、本実施形態の試料観察装置における装置本体のうち下半部の構成要素(観察用撮像ユニットを含む駆動ユニット,収納筐体)を示している。
なお、図5,図6において、符号[6A],[6B]で示す一点鎖線は、各構成ユニットの関連を示している。即ち、図5の上半部の構成要素(天板ユニット)と、図6の下半部の構成要素の一部(駆動ユニット)との間は、符号[6A]同士で接続され、符号[6B]同士で接続されることを示している。
図7は、本実施形態の試料観察装置における観察用撮像ユニットを含む駆動ユニットを分解して示す要部分解斜視図である。図8は、本実施形態の試料観察装置における観察用撮像ユニットの縦断面図である。この図8は、図7の矢印[8]−[8]で示す二点鎖線による仮想面に沿う切断面である。
図9は、図3の[9]−[9]線に沿う縦断面図である。なお、図9は、本実施形態の試料観察装置のうち、特に操作部ユニットとバルブリリーフの詳細構成を示すための図である。したがって、本実施形態の試料観察装置の内部に配設される各種構成ユニットのうちその他の構成ユニットについては、図面の煩雑化を避けるために図示を省略している。また、図10は、図9の操作部ユニットにおける操作ボタンの詳細を示す要部拡大縦断面図である。なお、図10は、図9の符号[10]で示す部位の部分断面図である。
まず、本発明の一実施形態の試料観察装置の詳細構成を説明する前に、本実施形態の試料観察装置を含む試料観察システムの全体構成の概略について、主に図1,図2を用いて以下に説明する。
本実施形態の試料観察装置1を含む試料観察システム100は、本実施形態の試料観察装置1と、恒温器(インキュベータ)101と、外部制御装置102と、入力装置103と、表示装置104等によって主に構成されている。
試料観察装置1は、恒温器101の内部に格納載置された状態で使用される。具体的には、例えば、恒温器101の内部には、水平に設置された平面板状の棚板101a(図1参照)が複数設けられている。試料観察装置1は、この棚板101a上に載置される。
上記恒温器101は、温度を一定に保つ機能を有する装置であり、いわゆるインキュベーター(incubator)と呼ばれるものである。恒温器101としては、様々な形態のものが存在するが、従来一般に実用化され広く利用されているものを適用するものとする。そのため、恒温器101自体の詳細な構成の説明については省略する。
外部制御装置102は、本実施形態の試料観察装置1を統括的に制御すると共に、当該試料観察装置1によって取得した画像データ等を保存し、また各種の画像処理等を行うための構成ユニットである。
そのために、当該外部制御装置102は、試料観察装置1の制御ユニット32(詳細後述;図2,図6,図7等参照)に含まれる通信部75(詳細後述;図2参照)との間で各種データ等の送受信を行うための通信部105(図1では不図示;図2参照)を有している。
上記通信部105は、例えば、接続ケーブル等の有線接続手段(USB(Universal Serial Bus;ユニバーサルシリアルバス)接続等)を用いる形態のほか、各種の無線接続手段等を用いる形態のものが適用される。なお、図1においては、上記有線接続手段としての接続ケーブルを符号105aで示している。また、図2においては、上記有線接続手段及び上記無線接続手段を符号105aによって示している。
これにより、外部制御装置102は、試料観察装置1の動作を制御し、当該試料観察装置1によって取得される画像データ等を受信し、受信した画像データ等を記憶媒体に記憶し、また受信した画像データ等についての解析や分析等、各種の信号処理等を実行する。このほか、外部制御装置102は、図示は省略しているが、上記試料観察装置1への給電を行う電源部(商用電源からの給電手段若しくは蓄電池等)を有している。
なお、外部制御装置102から試料観察装置1への給電については、外部制御装置102を介した給電手段に限らず、不図示の電源ケーブル等を用いて上記恒温器101の外部に設けられる商用電源(不図示)から給電を行うようにしてもよい。また、恒温器101内若しくは外部に設置した蓄電池等(不図示)から試料観察装置1への給電を行うようにしてもよい。
外部制御装置102としては、具体的には、例えば、広く一般に普及している各種の形態(例えば、デスクトップ型,ノートブック型,タブレット型等)の小型パーソナルコンピュータ等を適用することができる。そのためには、それらに適合した各種の制御プログラムを適宜用意することにより運用が可能である。
外部制御装置102には、その周辺機器としての入力装置103及び表示装置104等が電気的に接続されている。入力装置103は、使用者(ユーザ)からの指示を外部制御装置102に対して入力するためのデバイスである。入力装置103の形態としては、例えばキーボードのほか、マウスやトラックボール、ジョイスティック等のポインティングデバイス等がある。また、入力装置103としては、表示装置104の表示面上に設けたタッチパネル等を用いてもよい。使用者(ユーザ)は、これらの入力装置103を用いて、外部制御装置102への制御指示入力や各種の信号処理のための指示入力を行うことができる。なお、図1においては、入力装置103の形態としてキーボードとマウスを用いた形態のものを例示している。
表示装置104は、外部制御装置102によって動作する制御プログラムに基く各種の表示や、上記試料観察装置1によって取得され、外部制御装置102によって受信された画像データ等に基く画像や各種の情報等を視覚的に表示するための装置である。表示装置104としては、広く一般に普及している液晶表示モニタ等を適用し得る。
次に、本実施形態の試料観察装置の構成を、図2〜図6を用いて以下に説明する。
本実施形態の試料観察装置1は、観察用撮像ユニット21(以下、単に観察ユニットと略記する)をXY平面に平行な面内で互いに直交するX軸及びY軸の二方向のそれぞれに直線的に移動させることにより、上記観察ユニット21をXY平面内で自在に移動させることができるように構成された駆動ユニット20(図3,図5では不図示;詳細は後述)を備え、天板ユニット16(図6では不図示;詳細後述)の上面に載置した培養容器2(図2〜図4参照)内の試料を観察するための装置である。
なお、以下の説明においては、図2,図3等のように、試料観察装置1における装置本体10(詳細後述)の短辺に沿う方向をX軸というものとし、このX軸に沿う方向を第1の方向というものとする。また、装置本体10の長辺に沿う方向であって、上記X軸に直交する方向をY軸というものとし、このY軸に沿う方向を第2の方向というものとする。そして、X軸及びY軸を含む平面をXY平面というものとする。さらに、このXY平面に直交する方向をZ軸というものとする。
試料観察装置1は、図3,図4等に示すように、密閉された直方体形状の箱体からなる装置本体10と、装置本体10の上面に載置される培養容器2と、装置本体10の上面に載置され上記培養容器2の位置決めを行うための容器ホルダ3とによって主に構成されている。
まず、培養容器2は、培地を作り細菌等の微生物、細胞等の試料を収容し、培養するための容器である。この培養容器2は、上記試料観察装置1の使用時には、天板ユニット16上の所定の位置(後述する光透過窓15aに対応する位置)に載置される。
このように培養容器2が上記天板ユニット16の上面の上記光透過窓15aに対向する位置に載置されたとき、培養容器2は、上記光透過窓15aに対向する側の面、即ち培養容器2の底面が平皿状に形成されており、かつその平皿状底面は透明薄板状に形成されている。
上記培養容器2の底面以外のその他の面は、表面が平面をなし、光を反射し得るような複数の反射面が内部に向けて形成されている。これらの反射面は、当該試料観察装置1の収納筐体11の内部に設けられる観察ユニット21に含まれる照明光源(後述する図8参照)から出射され、上記光透過窓15aを通過して上記培養容器2内に入射する照明光を反射するものである。
これにより、上記培養容器2の上記平皿状底面の細胞等の試料は、上記反射面からの照明光によって照明されるので、当該試料観察装置1においては、培養容器2内の細胞等の試料を透過光によって観察することができるように構成されている。
なお、培養容器2の形状としては、例えば、図示のような箱型形状等のほか各種様々な形状のものがある。当該試料観察装置1においては、各種様々な形状の培養容器2に対応し得る。
そのために、試料観察装置1は容器ホルダ3を具備する。この容器ホルダ3は、試料観察装置1の天板ユニット16の上面側に載置される培養容器2を規定の位置に位置決めするための治具である。この容器ホルダ3は、使用される培養容器2の形状に合わせて形成されている。したがって、培養容器2の形状種類に対応する複数種類のものが用意されている。
容器ホルダ3は、図に示す例のものでは、例えば金属若しくは樹脂成形された板状部材を用いてL字形状に形成している。この容器ホルダ3を天板ユニット16の上面の所定の位置に載置した状態で固定する。この状態で、例えば容器ホルダ3のL字形状の内縁部の直交する長短縁部に対して、培養容器2の側壁面のうち直交する2つの側壁面を当接させて、当該培養容器2の底面を天板ユニット16上に載置する。これにより、培養容器2の天板ユニット16上における位置が、常に同一となるように位置決めできる。
次に、装置本体10は、収納筐体11と、天板ユニット16と、上記駆動ユニット20(図6等参照)等によって主に構成されている。
収納筐体11は、一面に開口11a(図6参照)を有し、全体として扁平で略直方体形状からなり、内部に駆動ユニット20(図6参照)等を収納するケース部材である。収納筐体11は、比較的大型の構成部材となるので低コスト化のために、例えば樹脂製の素材を用いて形成されている。
収納筐体11の一側面の外壁面には接続コネクタ12(図3,図4,図6参照)が配設されている。この接続コネクタ12は、例えば当該試料観察装置1に対する電力供給を行うための電源ケーブルや、当該試料観察装置1への制御信号若しくは当該試料観察装置1から出力されるデータ信号を含む各種の信号等の伝達を行うための信号伝達ケーブル(例えばUSBケーブル等)等(図1,図2の符号105a参照)に対応した接続部である。
この接続コネクタ12は、収納筐体11の内部に配設される電気基板(不図示)に接続されている。この電気基板(不図示)には、例えば電源回路や通信回路等が実装されている。そして、この電気基板は、上記駆動ユニット20の制御ユニット32(詳細後述;図2,図6,図7等参照)との間で電気的に接続されている。
また、図6に示すように、収納筐体11において、上記接続コネクタ12の配設されている一側面に対向する他側面近傍には、上記収納筐体11の開口11aに対向する底面寄りの部位に棚状部13が形成されている。この棚状部13は、例えばシリカゲル (silica gel) 等の乾燥剤等を収納するために設けられている。
さらに、収納筐体11の底面には、当該装置本体10の内部気圧の調整を行うための圧力調整弁であるリリーフバルブ61(図2,図9等参照;詳細後述)等が配設されている。このリリーフバルブ61は、収納筐体11において上記棚状部13の近傍の底面側に設けられている。
そして、上記装置本体10は、密閉構造(即ち水密気密構造)を有して構成されている。そのために、上記収納筐体11には、図6に示すように、開口11aの周縁部上面側にシール部材14が設けられている。このシール部材14は、収納筐体11の開口11aの外周縁部に沿うように当該開口11aの全周に亘って形成された周溝部11b(図6参照)に嵌合配置されている。
これにより、収納筐体11の開口11aを覆うように天板ユニット16を配置したときには、収納筐体11と天板ユニット16との間に、上記シール部材14が介在するように配置される。このとき、上記シール部材14は、天板ユニット16の下面側の当接面によって圧接され、収納筐体11の周溝部11b内で押し潰されるように変形して、かつ天板ユニット16に密着した状態となる。したがって、これにより、天板ユニット16と収納筐体11との間の水密気密性が確保され、当該装置本体10の内部空間を密閉状態としている。このような形態によって、上記装置本体10の密閉(水密気密)構造が構成されている。
次に、天板ユニット16は、上記収納筐体11の開口11a(図6参照)を密閉状態で塞ぐように配置されることで、当該開口11aを覆い、収納筐体11を密閉状態とする蓋体である。この天板ユニット16の上面には、上記培養容器2が載置されるように、透明な平面部が形成されている。
上記天板ユニット16は、図5等に示すように、板金部材15と、透明板部材17と、複数片のシート部材からなるスペーサシート19と、操作部ユニット18等によって構成されている。
板金部材15は、剛性を有する平板状部材によって形成され、略中央部分に略矩形状の光透過窓15aを有して形成されている。この光透過窓15aは、収納筐体11内の観察ユニット21に含まれる照明光源(不図示;図8の光源部材52)からの照明光を透過させると共に、上面側の透明板部材17上に載置される培養容器2の内部を観察するための観察窓である。
なお、板金部材15は、上記収納筐体11との間の密閉状態を確保するために、剛性の高い部材、例えばステンレス鋼(SUS)等の金属薄板部材を用いて形成したものが適用される。
透明板部材17は、光透過性を有する透明素材を用いて形成される平板状部材である。この透明板部材17としては、例えば透明ガラス素材若しくは透明樹脂製素材(アクリル板等)等によって形成されている。そして、透明板部材17は、上記板金部材15の平面に対して、後述するスペーサシート19を介して重畳した形態で一体化されている。
これにより、上記板金部材15の光透過窓15aは、当該透明板部材17によって覆われる形態となる。したがって、これにより、光透過窓15aに対応する部位の透明板部材17の上面に培養容器2を載置することができ、その状態で、当該培養容器2の内部を、下側の収納筐体11内に設けた観察ユニット21により観察することができるように構成されている。
さらに、透明板部材17には、図5に示すように、操作部ユニット18の複数の操作ボタン18aを外部に露呈し得るように、当該操作ボタン18aに対応するサイズの孔17aが設けられている。
複数片のスペーサシート19は、上記透明板部材17と上記板金部材15との間に挟持されることにより、両者間の平行度を確保するために設けられるシート状部材である。このスペーサシート19は、上記透明板部材17と上記板金部材15とを合わせたときに、上記収納筐体11の開口11aを覆い隠さないように、かつ上記透明板部材17と上記板金部材15との間を接着固定するための接着剤の塗布領域を避けて、例えば上記板金部材15の各辺の周縁部近傍に沿うように配設されている。
なお、上記透明板部材17と上記板金部材15との間の接着剤の塗布領域は、例えば光透過窓15aの外周縁部に沿う領域であって、上記スペーサシート19の配設位置を避けた位置となる。
さらに、スペーサシート19の一部には、図5に示すように、操作部ユニット18の複数の操作ボタン18aと複数の状態表示部18bとに対応する位置に、これらを覆い隠さないようにして、これらを外部に露呈させるための孔19a,19bが設けられている。
そして、上記天板ユニット16は、上述したように、板金部材15の上面側の周縁部に複数片のスペーサシート19を挟んだ状態で透明板部材17が接着剤等によって張り付けられることによって組み立てられる。
一方、上記天板ユニット16の下面側には、駆動ユニット20が、例えばビス等の締結部材を用いて取り付けられている。この場合において、駆動ユニット20の天板ユニット16に対する取付部位は、図5において符号[A]で示す二点鎖線の矩形状部分が相当する。なお、駆動ユニット20の詳細構成は後述する(図8参照)。
操作部ユニット18は、天板ユニット16の外周縁部近傍の所定の部位に設けられている。本実施形態において、操作部ユニット18は、天板ユニット16の長手方向の一方の周縁寄りの部位であって、当該天板ユニット16の下面側(装置内側)に配設されている。
操作部ユニット18は、複数の操作部材である複数の操作ボタン18aと、複数の状態表示部18b(インジケータ)と、これらの電気部材を実装する電気基板65(図5等では不図示;後述する図9,図10参照)等によって主に構成されている。
電気基板65には、上記複数の操作ボタン18aからの操作入力を受けるスイッチ部品や、このスイッチ部品からの出力信号を処理する信号処理回路と、上記複数の状態表示部18bに含まれる状態表示用部材(例えばLED(light emitting diode;発光ダイオード)等の発光体)や、この状態表示用部材をオンオフ駆動する駆動回路等が実装されている。
上記複数の操作ボタン18aは、例えば当該試料観察装置1を恒温器101内に設置する前に、観察ユニット21等のXY平面での移動範囲内における位置調整等を行うための操作部材、若しくは培養液の補充若しくは交換作業や株分け作業等を行う際に、当該試料観察装置1の動作を一時的に停止させるための操作部材等である。
なお、操作ボタン18aを操作することによって行うことのできる機能は、上述した例に限られることはない。その他の具体例については、説明を省略するが、上述した機能以外の各種の機能を割り当てることができる。
また、本実施形態において、複数の操作ボタン18aは、押圧式の操作部材を適用した例を示している。この操作ボタン18aを押圧操作することにより、その押圧力は、電気基板65上に実装されたスイッチ部品113(図9,図10参照)に作用して、当該スイッチ部品113のオンオフが行われるように構成している。
上記複数の状態表示部18bは、例えば上記複数の操作ボタン18aの一つを操作した時に点灯表示等がなされることによって、どの操作ボタンが操作されたかの状態を表示する等のために設けられている。そのために、上記複数の状態表示部18bは、上記複数の操作ボタン18aの近傍に設けられている。
上述したように、天板ユニット16に設けられる操作部ユニット18は、板金部材15の下面側(装置内側)に設けられている。そのために、天板ユニット16において上記操作部ユニット18が配設されている部分であって、上記複数の操作ボタン18aに対応する部位には、上記板金部材15と上記スペーサシート19と上記透明板部材17のそれぞれに、孔15b,19a,17a設けられている。そして、これらの孔15b,19a,17aを介して上記複数の操作ボタン18aが押圧操作を行ない得る状態で一部が外部に露呈されている。
このような構成により、上記複数の操作ボタン18aの周縁部と、天板ユニット16の孔15b,19a,17aとの間に隙間が生じることになる。この隙間は、上記複数の操作ボタン18aの押圧方向の作用を許容する上で必要なものである。
しかしながら、上述したように、上記天板ユニット16の上面には、培養容器2が載置され、当該培養容器2に対しては、培養液の補充若しくは交換作業や株分け作業等を行うことがある。そのような作業を行う際には、例えば培養容器2等や補充器(不図示)等からこぼれたりした培養液等や高湿な外気が上記天板ユニット16の透明板部材17の上面を伝って操作ボタン18aの近傍に到達し、上記隙間を介して装置内部へと浸入してしまう可能性が考えられる。
そこで、本実施形態の試料観察装置1における複数の操作ボタン18aは、各操作ボタン18aの周縁部と天板ユニット16の孔15b,19a,17aとの間の隙間から、培養液等や高湿な外気が装置内部へ浸入するのを抑止する水密構造及び防湿構造を構成している。
即ち、本実施形態の試料観察装置1において、複数の操作ボタン18aは、図9,図10に示すように、操作部ユニット18に含まれる電気基板65上に実装されたスイッチ部品113に作用して、当該スイッチ部品113のオンオフを行うための操作部材である。この場合において、上記複数の操作ボタン18aは、スイッチ部品113に対し、図10に示す矢印Vに沿う方向において上面から下面に向けた押圧力を受けるように構成されている。
上記複数の操作ボタン18aのそれぞれは、当該透明板部材17の孔17aと操作ボタン18aとの間の隙間を埋めると同時に、操作ボタン18aの配設部位近傍から収納筐体11の内部への液体流路に複数箇所の液体せき止め部を設けることにより、培養液等や高湿な外気が上記収納筐体11の内部へと浸入するのを阻止することができるように構成されている。
そのために、上記各操作ボタン18aは、ボタンゴム111(ボタン作用部材)と、周縁リング112(円環状部材)とを有して構成されている。そして、上記液体せき止め部は、嵌合する二つの部材、即ち上記周縁リング112(円環状部材)と上記ボタンゴム111(ボタン作用部材)とのいずれかに設けた凸部である。
つまり、上記液体せき止め部は、上記周縁リング112(円環状部材)と上記ボタンゴム111(ボタン作用部材)とが嵌合する部位において、上記周縁リング112(円環状部材)と上記ボタンゴム111(ボタン作用部材)とのいずれか一方から他方に向けて突出するように形成された凸部(詳細後述)である。詳細は後述するが、上記凸部は、上記周縁リング112と上記ボタンゴム111とのいずれに形成してもよい。本実施形態では、ボタンゴム111の側に凸部を設けた例を示している(詳細後述;第1圧接部111d,第2圧接部111e参照)。
ボタンゴム111は、電気基板65上において、上記スイッチ部品113を覆うように配設され、例えば柔軟で伸縮自在なシリコン系ゴムまたはフッ素系ゴム等のゴム素材を用いて形成されている。ここで、上記シリコン系ゴムまたはフッ素系ゴム等は、防湿性能が高く、かつ伸縮の性能が高い素材であって、復元力や弾性に優れている素材である。
このボタンゴム111は、図10に示すように、内部にスイッチ部品113を収容する内部空間部111aを有し、その内部空間部111aの天井部分に上記スイッチ部品113のスイッチ113aに作用して、これを押圧する押圧凸部111bが形成されている。
なお、ここで、ボタンゴム111において、上記押圧凸部111b及び内部空間部111aが形成されている部位を、作用部111fというものとする。この作用部111fの上面側の一部は、上記透明板部材17の孔17a(実際には周縁リング112の孔)から外部に向けて露呈している。そして、上記作用部111fにおいて、上記孔17aから外部に露呈している部分の略中央部分は、使用者が当該操作ボタン18aを押圧操作する際の押圧点となっている。
また、当該ボタンゴム111の作用部111fの上記内部空間部111aの基端側の外周縁部には、全周に亘って脚部111cが形成されている。この脚部111cは、上記電気基板65上において、上記スイッチ部品113の外周縁を取り囲むように配置され、上記電気基板65に対して接着等の固定手段により固定されている。
また、ボタンゴム111の脚部111cの上面側には、上方外部(図10の矢印V方向のうちの上向き矢印)に向けて突出するように第2圧接部111eが形成されている。この第2圧接部111eは上記脚部111cの上面全周に亘って形成されている。
さらに、ボタンゴム111の作用部111fの外周面上には、側方外部(図10の矢印H方向)に向けて突出するように第1圧接部111dが形成されている。この第1圧接部111dは上記作用部111fの外周面の全周に亘って形成されている。
一方、周縁リング112は、透明板部材17の孔17aに嵌合配置される円環状部材である。この周縁リング112の略中央部分には孔112aが形成されている。この孔112aには、上記ボタンゴム111の作用部111fが、その一部を外部に露呈するようにして配設されている。
そのために、上記周縁リング112は、上記透明板部材17の孔17aの内周縁部を全周に亘って覆うように円環形状に形成されている。また、この周縁リング112は、透明板部材17の上表面から上側外部に向けて若干突出するように形成されている。この場合において、当該周縁リング112は、円環形状の外周縁部から内周縁部に向けて延びる面が上り勾配を有する傾斜面で形成されている。
ここで、上記傾斜面は、換言すると、天板ユニット16の上面側の平面部(周縁リング112の外周縁部)から操作ボタン18aの略中心軸が通る押圧点(周縁リング112の内周縁部)に向けて延びる面といえる。
つまり、周縁リング112の周縁は、天板ユニット16の上面側の平面部から外方に突出するように傾斜面で形成されている。このような形状とすることで、天板ユニット16の上面側の平面部にある液体は、当該平面部より上方に向けて突出する周縁リング112の傾斜面を伝って上方に移動することはない。なお、上記周縁リング112は、例えば樹脂素材等を用いて形成される成型部品である。
上記周縁リング112は、透明板部材17の孔17aの内周縁部に対して、例えば接着材等の固定手段を用いて接着固定されている。ここで、上記接着剤は、例えば透明板部材17と周縁リング112の外周面との間に形成される隙間空間120(図10参照)を充填するように塗布される。なお、ここで、透明板部材17の孔17aの上面側内縁部は、上記隙間空間120の容積を確保するために、面取り加工が施されている。
そして、天板ユニット16の板金部材15の下面側に操作部ユニット18の電気基板65が組み込まれたとき、ボタンゴム111の作用部111fは、上記透明板部材17の孔17aを介して一部が外部に露呈し、かつ透明板部材17の上表面から上側外部に向けて若干突出するように配置される。このとき、上記ボタンゴム111の作用部111fは、上記周縁リング112の内側空間に配設される。ここで、周縁リング112の外表面と、ボタンゴム111の作用部111fの外表面とは、段差の無い連続した表面となるように形成されている。なお、周縁リング112とボタンゴム111との接合部分には、当然ながら僅かな隙間は存在している。
そして、この状態とされたとき、第1圧接部111dは、周縁リング112の内周面に対して圧接されることによって潰された形態で密着する。
一方、同時に、上記第2圧接部111eは、上記天板ユニット16の板金部材15の下面側において孔15bの周縁部近傍の平面に対して圧接されることによって潰された形態で密着する。
なお、図10においては、第1圧接部111d,第2圧接部111eは、通常状態(無負荷状態)時の形状を示すのみであり、潰れた状態は図示していない。つまり、図10においては、第1圧接部111dは周縁リング112と、第2圧接部111eは板金部材15と、それぞれ重複するように図示されている。しかし、実際には、第1圧接部111d,第2圧接部111eは、組み立てた状態では、いずれもが潰れた状態になる。
このように、天板ユニット16において、操作部ユニット18を組み込んだ状態としたときには、透明板部材17と周縁リング112の外周面との隙間空間120に接着剤等が充填されることにより、透明板部材17の孔17aの内周縁と周縁リング112との間は接着剤等によって封止される。
また、ボタンゴム111の作用部111fの外周面と周縁リング112の内周面との間は、第1圧接部111dと周縁リング112の内周面とが密着した状態となることにより水密性が確保されている。
さらに、ボタンゴム111の脚部111cと板金部材15の孔15bの近傍との間は、第2圧接部111eと板金部材15の孔15bの周縁近傍の下面側平面とが密着した状態となることにより水密性が確保されている。
これらの構成に加えて、さらに、透明板部材17と板金部材15との間は、上述したように、スペーサシート19を介して接着剤等を用いて張り付けられているので、この部位においても外部に対して封止されている。
このように、天板ユニット16に対して操作ボタン18aは、外部からの操作を受け入れることができるように外部に露呈させて配設されてありながら、培養液等や高湿な外気が装置内部へ浸入するのを確実に抑止する水密構造及び防湿構造を構成している。この場合において、ボタンゴム111は、柔軟で伸縮自在なゴム等の素材を用いて形成されているので、例えば、第1圧接部111dと第2圧接部111eとが対応する固定部(周縁リング112,板金部材15)に対して密着固定された状態となっていても、作用部111fは、押圧操作を受けると、電気基板65上の対応する所定のスイッチ部品113に作用することができ、これをオンオフすることができるように構成されている。
このような構成によって、本実施形態の試料観察装置1においては、天板ユニット16の操作部ユニット18における複数の操作ボタン18aは、押圧操作を受け入れて支障なく所定のスイッチ部品113に作用し得る状態を維持しつつ、当該操作ボタン18aを取り付けることによって必然的に形成されてしまう複数の隙間部分を封止して、当該複数の隙間部分からの培養液等や高湿な外気の浸入を抑止することができる。
なお、本実施形態においては、上記操作部ユニット18における操作ボタン18aの形態を、複数の押圧式の操作部材を適用した例を示すものであるが、操作ボタン18aの形態は、これに限られることはない。
例えば、上記押圧式の操作ボタン18aに代えて、操作部ユニット18における操作部材としてタッチパネルを適用することもできる。この場合には、天板ユニット16の透明板部材17には、操作ボタン18aを操作可能とするために外部に露呈させるための孔17aが不要となる。したがって、これにより、上述したような、水密構造及び防湿構造も不要とすることができる。
次に、駆動ユニット20は、観察ユニット21をXY平面に平行な面内で互いに直交するX軸及びY軸の二方向に直線的に移動させる駆動手段と、その観察ユニット21の移動を案内(ガイド)する機構とによって主に構成されている。
即ち、駆動ユニット20は、図6〜図7等に示すように、被駆動ユニット30と、駆動部28,29と、メインフレーム31と、制御ユニット32等によって構成されている。
なお、以下の説明において、上記駆動ユニット20は、観察ユニット21を含めた形態として説明している。この観察ユニット21は、被駆動ユニット30に搭載されることによって、XY平面内でX軸方向及びY軸方向に移動する構成ユニットである。
まず、上記駆動ユニット20のうちメインフレーム31は、当該駆動ユニット20の主な構成部材(観察ユニット21,被駆動ユニット30等)を内部に収納すると共に、外面に他の構成部材(駆動部28,29,制御ユニット32)を装着した形態で一体として構成される組立体である。そして、この組立体は、上記天板ユニット16の下面側の所定の部位に一体に装着されることで、密閉された箱型を形成するフレーム部材である。このメインフレーム31は、例えば樹脂製の素材等を用いて形成されている。
なお、上記メインフレーム31の内壁面の所定の部位には、図7に示すように、湿度センサ39が設けられている。この湿度センサ39は、シート状部材からなり、湿度に応じて変色するように構成された湿度検出部材である。
制御ユニット32は、例えば観察ユニット21や駆動部28,29の駆動制御を行う制御回路等が実装された電気部品である(図2等参照)。この制御ユニット32は、観察ユニット21に対してフレキシブルプリント基板(以下、FPCと略記する)33(図2,図4,図6等参照)を介して電気的に接続されている。
また、制御ユニット32は、駆動部28,29との間においてフレキシブルプリント基板(28d,29d;図7参照)を介して電気的に接続されている。なお、制御ユニット32と駆動部28,29との間の接続状態は不図示。
上記制御ユニット32は、図2に示すように、制御部71と、光源制御部72と、駆動制御部73と、画像処理部74と、通信部75と、計時部76と、温湿度計測部77と、電源部78等を有して構成されている。
制御部71は、本実施形態の試料観察装置1の統括的な制御を行う制御回路である。光源制御部72は、観察ユニット21に含まれる照明光源である光源部材52(図8参照)の駆動制御を行う制御回路である。駆動制御部73は、駆動ユニット20の駆動部28,29の駆動制御を行う制御回路である。画像処理部74は、観察ユニット21の撮像素子45によって取得された画像データについての各種の画像処理を行う回路部である。通信部75は、上記外部制御装置102の通信部105との間で、各種データ等の送受信を行うための回路部である。計時部76は、リアルタイムクロック(Real-Time Clock;RTC)とよばれる演算回路の内部時計である。この計時部76は、例えば出力データに付随させる日時情報を出力したり、制御処理中における計時や時間制御等の際に利用される回路部である。温湿度計測部77は、温度や湿度を計測するセンサ等を含む回路部である。電源部78は、外部制御装置102から給電される電力を制御する回路部、又は蓄電池とその制御回路等からなる構成ユニットである。
被駆動ユニット30は、XY平面内でX軸方向及びY軸方向の二方向のそれぞれでの直線的な上記観察ユニット21の移動をガイドするためのガイド機構である。そのために、被駆動ユニット30は、図6,図7等に示すように、2本のX駆動軸22と、X駆動軸ガイド部材23a,23bと、Y軸方向ガイド軸24と、2本のY駆動軸25と、Y駆動軸ガイド部材26a,26bと、X軸方向ガイド軸27等を有して構成されている。
観察ユニット21は、上記被駆動ユニット30に搭載された状態で、Y軸方向駆動部29(ベルト駆動部)の駆動力を受けて2本のX駆動軸22がY軸に沿う方向に移動するのに伴って、同方向(Y軸方向)に移動するように構成されている。また、同様に、観察ユニット21は、X軸方向駆動部28(ベルト駆動部)の駆動力を受けて2本のY駆動軸25がX軸に沿う方向に移動するのに伴って、同方向(X軸方向)に移動するように構成されている。
上記X駆動軸ガイド部材23a,23bには、それぞれにY軸に沿う方向にY軸方向ガイド軸24が挿通配置されている。これにより、上記X駆動軸ガイド部材23a,23bは、2本のY軸方向ガイド軸24によってY軸に沿う方向への移動がガイドされている。そして、上記X駆動軸ガイド部材23aには、その外面側の所定の部位に磁石部34が配設されている。なお、上記2本のY軸方向ガイド軸24は、例えば磁性体によって形成されている。
同様に、上記Y駆動軸ガイド部材26a,26bには、それぞれにY軸に沿う方向にX軸方向ガイド軸27が挿通配置されている。これにより、上記Y駆動軸ガイド部材26a,26bは、2本のX軸方向ガイド軸27によってX軸に沿う方向への移動がガイドされている。そして、上記Y駆動軸ガイド部材26aには、その外面側の所定の部位に磁石部34が配設されている。なお、上記2本のX軸方向ガイド軸27は、例えば磁性体によって形成されている。
ここで、上述したように、上記2本のY軸方向ガイド軸24及び上記2本のX軸方向ガイド軸27のそれぞれを磁性体によって形成し、X駆動軸ガイド部材23a及びY駆動軸ガイド部材26aのそれぞれに磁石部34を設けている。
このような構成とすることにより、磁石部34は、X駆動軸ガイド部材23aと共にX駆動軸ガイド部材23aに挿通されているY軸方向ガイド軸24に向けて磁力によって引き寄せられる。同様に、磁石部34は、Y駆動軸ガイド部材26aと共にY駆動軸ガイド部材26aに挿通されているX軸方向ガイド軸27に向けて磁力によって引き寄せられる。
この作用によって、X駆動軸ガイド部材23aとY軸方向ガイド軸24との間に生じる嵌合ガタが吸収される。同様に、Y駆動軸ガイド部材26aとX軸方向ガイド軸27との間に生じる嵌合ガタが吸収される。
つまり、上記磁石部34は、X駆動軸ガイド部材23aとY軸方向ガイド軸24との間の嵌合ガタ、及びY駆動軸ガイド部材26aとX軸方向ガイド軸27との間の嵌合ガタをそれぞれ吸収するためのガタ吸収部として機能している。
なお、上記被駆動ユニット30についてのその他の構成は、本発明に直接関連しない部分であるので、その詳細な構成の説明は省略する。
次に、駆動部28,29は、上記被駆動ユニット30をX軸方向及びY軸方向のそれぞれに独立して駆動するために設けられる構成ユニットである。本実施形態の駆動ユニット20における駆動部は、上記観察ユニット21のX軸に沿う方向への移動に寄与するベルト駆動部であるX軸方向駆動部28と、上記観察ユニット21のY軸に沿う方向への移動に寄与するベルト駆動部であるY軸方向駆動部29とを有する。
上記X軸方向駆動部28は、上記Y駆動軸ガイド部材26a,26bの少なくとも一方(本実施形態ではY駆動軸ガイド部材26a)をX軸方向に駆動することにより、上記Y駆動軸25を同X軸方向へ駆動する。これにより、観察ユニット21を同X軸方向へ移動させる。
上記Y軸方向駆動部29は、上記X駆動軸ガイド部材23a,23bの少なくとも一方(本実施形態ではX駆動軸ガイド部材23a)をY軸方向に駆動することにより、上記X駆動軸22を同Y軸方向へ駆動する。これにより、観察ユニット21を同Y軸方向へ移動させる。
そのために、図7に示すように、上記X軸方向駆動部28は、ステージ駆動モータ28aと、駆動ベルト28bと、複数(2個)のプーリー28cとを有して構成されている。また、上記Y軸方向駆動部29は、ステージ駆動モータ29aと、駆動ベルト29bと、複数(2個)プーリー29cとを有して構成されている。なお、上記X軸方向駆動部28と、上記Y軸方向駆動部29とは、略同様の構成からなるものである。
そして、駆動部28,29において、ステージ駆動モータ28a,29aが駆動されて駆動軸が回転すると、当該駆動軸と同軸上に固設された一方の各プーリー28c,29cが回転する。この一方の各プーリー28c,29cが回転すると、駆動ベルト28b,29bが駆動される。すると、上記X駆動軸ガイド部材23aはY軸方向に、上記Y駆動軸ガイド部材26aはX軸方向に移動する。
上記X軸方向駆動部28,上記Y軸方向駆動部29の駆動は、上記制御ユニット32の制御部71の制御下において駆動制御部73によって制御される。その駆動制御によって、観察ユニット21は、XY平面内において自在に移動可能となっている。
そして、観察ユニット21と制御ユニット32との間は、上述したように、FPC33によって電気的に接続されている。この場合において、観察ユニット21は、X−Y平面内で移動する移動部材である。そして、上記FPC33は観察ユニット21から延出している。そのために、FPC33は、X−Y平面内での移動を吸収し得るように余裕を持たせて、その長さ寸法が設定されている。
このように構成された本実施形態の駆動ユニット20において、観察ユニット21は、X駆動軸22によって駆動される際には、Y駆動軸25に沿ってY軸方向に移動する。また、観察ユニット21は、Y駆動軸25によって駆動される際には、X駆動軸22に沿ってX軸方向に移動する。
なお、駆動部28,29についても、本発明に直接関連しない部分であるので、これ以上の詳細な構成の説明は省略する。
次に、観察ユニット21の構成について、主に図8を用いて以下に簡単に説明する。
上述したように、観察ユニット21は、培養容器2内の細胞等の試料を観察するために、撮像観察光学系41や撮像素子45等を含んで構成される構成ユニットである。観察ユニット21は、駆動ユニット20の駆動部(28,29)によってX駆動軸22及びY駆動軸25(図6〜図8等参照)を介して駆動されることにより、XY平面内においてX軸方向またはY軸方向に駆動されて移動するように構成されている。
観察ユニット21は、本体固定枠40と、撮像観察光学系41と、レンズ鏡筒42と、撮像素子45と、移動枠46と、吊軸47と、回転規制軸48と、駆動機構(49〜51)と、拡散板43と、照明用レンズ44と、光源部材52(照明光源)と、電気基板53(図8では不図示;図2参照)と、付勢部材54等を有して構成されている。
本体固定枠40は、本観察ユニット21の主要構成部をなし、当該観察ユニット21を構成する上記各種の構成部材(41〜53)等を保持し収納する構成部材である。本体固定枠40は、箱型形状に形成され、内部に各種の構成部材を収納し得ると共に、外面側にも所定の構成部材を取り付け得るように形成されている。
撮像観察光学系41は、観察撮像対象とする対象物からの光を集光して撮像素子45の受光面上に光学像を結像させるための複数の光学レンズによって構成されている。
レンズ鏡筒42は、撮像観察光学系41の複数の光学レンズを所定の配列で(各光学レンズの各光軸が一致するように)保持するための略筒形状をなす保持部材である。このレンズ鏡筒42は、移動枠46と一体となるように構成されている。
上記レンズ鏡筒42は、上記本体固定枠40の略中心部に配置されている。この場合において、レンズ鏡筒42によって保持される撮像観察光学系41の光軸Oは、Z軸と平行となるように設定されている。そして、上記レンズ鏡筒42の撮像観察光学系41の光軸Oの延長線上には、撮像素子45が配設されている。
上記撮像素子45は、上記撮像観察光学系41によって光学的に結像される観察対象物の光学像を受けて光電変換処理を行うことによって、当該観察対象物の光学像の画像データを生成する電気部品である。撮像素子45は、その受光面が上記撮像観察光学系41の光軸Oに直交する面と平行となるように配設されている。このとき、撮像素子45は、その受光面の略中心部と上記光軸Oとが略一致する位置に配設されている。そして、撮像素子45も、移動枠46と一体となるように構成されている。
移動枠46は、吊軸47及び回転規制軸48とによって、本体固定枠40の内部において、光軸Oに沿う方向(Z軸方向)に移動可能となるように構成されている。これにより、移動枠46の光軸Oに沿う方向(Z軸方向)への移動に伴って、上記レンズ鏡筒42及び上記撮像素子45も、同方向(光軸Oに沿う方向;Z軸方向)に一体に移動するように構成されている。
即ち、移動枠46は、吊軸47によってZ軸方向への移動が可能となるように支持されている。ここで、上記吊軸47は、本体固定枠40内においてZ軸に沿う方向に固定配置されている。この吊軸47は、上記移動枠46の係合部46aに係合している。これにより、吊軸47は、上記移動枠46のZ軸方向(光軸Oに平行な方向)への移動をガイドするガイド軸として機能している。
また、移動枠46は、回転規制軸48によって上記吊軸47を回転中心として回転してしまうことが規制されている。この回転規制軸48も、本体固定枠40内においてZ軸に沿う方向に固定配置されている。
ここで、上記回転規制軸48は、上記吊軸47の本体固定枠40内における配設位置に対し、光軸Oに直交する方向に、光軸Oを挟んで対向する側に配置されている。この回転規制軸48は、上記移動枠46の係合部46bに係合している。これにより、回転規制軸48は、上記移動枠46が上記吊軸47を回転中心として回転するのを規制すると共に、上記移動枠46のZ軸方向(光軸Oに平行な方向)への移動の案内(ガイド)を補佐する補助ガイド軸としても機能している。
このような構成により、上記移動枠46は上記レンズ鏡筒42と共に、吊軸47及び回転規制軸48に沿って、光軸Oに沿う方向(Z軸方向)に移動自在に構成されている。
なお、上記移動枠46は、上記本体固定枠40の底面との間に介在する付勢部材54の付勢力によって、常に所定の方向、例えば本実施形態に示す例では、図8の矢印Z1で示す方向に向けて付勢されている。上記付勢ばね54の形態として、本実施形態においては、例えばコイルばねを適用した例を示している。
上記移動枠46の光軸Oに沿う方向(Z軸方向)への移動は、駆動機構(49〜51)によって行われる。本実施形態においては、上記駆動機構(49〜51)の基本的な構成は、従来のレンズ装置等において、送りねじ及び送りナットを用いて可動レンズ群(例えばフォーカスレンズ群)を光軸Oに沿う方向へと移動させるための機構と略同様の機構が適用される。したがって、駆動機構の構成の説明は、以下に示すように簡単な説明に留める。
上記移動枠46の駆動機構は、レンズ駆動モータ49と、リードスクリュー50と、ナット部材51等によって構成される。
レンズ駆動モータ49は、本駆動機構の駆動源である。即ち、レンズ駆動モータ49は、上記移動枠46を上記レンズ鏡筒42と共に光軸Oに沿うZ軸方向に移動させるための駆動源である。レンズ駆動モータ49は、例えば正逆回転を可能とする電動機(Electric motor)が適用される。上記レンズ駆動モータ49は、その駆動軸がZ軸方向と平行に配設されている。
リードスクリュー50は、上記レンズ駆動モータ49からの回転力を受けてナット部材51へと出力する回転軸である。上記レンズ駆動モータ49の駆動軸は、略同軸上に一体となるように設けられ、例えば軸形状の送りねじである。
ナット部材51は、上記レンズ駆動モータ49の回転出力を上記リードスクリュー50を介して受けることにより、Z軸方向に移動する被駆動部材である。このナット部材51は、上記リードスクリュー50に螺合した状態で、上記移動枠46の所定の一部位である係合部46cに係合している。
このような構成により、本駆動機構は、次のように作用する。即ち、まず、レンズ駆動モータ49が駆動されるとリードスクリュー50(送りねじ)が回転する。すると、リードスクリュー50に螺合しているナット部材51は、リードスクリュー50に沿ってZ軸方向に移動する。ここで、ナット部材51は、上記移動枠46に対し係合部46cにおいて一体的に係合している。したがって、ナット部材51がZ軸に沿う方向に移動すると、上記移動枠46も同方向に移動する。これに伴い、上記移動枠46と一体に構成されているレンズ鏡筒42(撮像観察光学系41)及び撮像素子45も同時に同じ方向に移動する。そして、この場合において、レンズ駆動モータ49の回転方向を制御することによって、ナット部材51のZ軸に沿う方向の移動方向を制御することができる。これにより、レンズ鏡筒42(撮像観察光学系41)及び撮像素子45を一体として構成される移動枠46のZ軸に沿う方向への移動を制御することができる。
なお、ナット部材51と移動枠46の係合部46cとの間には、上記付勢部材54の一方向(Z1方向)への付勢力が常に働いている。このことから、ナット部材51と移動枠46との両者間には、隙間ガタが生じないように構成されている。
このような構成により、上記駆動機構によって、撮像観察光学系41及び撮像素子45をZ軸方向(即ち光軸Oに沿う方向)に適宜進退移動させることで、撮像素子45の受光面に結像される観察対象物の光学像の焦点位置を調整することができる。
また、撮像観察光学系41をZ軸方向(光軸Oに沿う方)に移動させた際に、当該撮像観察光学系41の画角が一定となるように、本観察ユニット21における上記撮像観察光学系41は、全体としてテレセントリック光学系が採用されている。
一方、本観察ユニット21は、培養容器2内の観察対象物を照明するための照明手段を有している。この照明手段は、主に光源部材52と、拡散板43と、照明用レンズ44等によって構成される。
光源部材52は、本体固定枠40の内部において、底面寄りの部位であって、上記レンズ鏡筒42及び上記移動枠46の外周側領域に配置されている。この光源部材52は、天板ユニット16上の所定の部位(光透過窓15aに対応する位置)に載置した培養容器2内の試料の下方(底面側)から上方に向けて照明光を射出する光源部材である。光源部材52としては、例えばLED(light emitting diode;発光ダイオード)等の発光体等が適用されている。
上記光源部材52から出射される照明光は、上述したように、当該観察ユニット21の上方に向けて進む。そこで、当該観察ユニット21の上面部には、上記光源部材52からの照明光が通過する領域に照明用レンズ44と、拡散板43とが配設されている。ここで、照明用レンズ44は、光源部材52寄りの部位に配設され、拡散板43は、当該観察ユニット21の外面側に配設されている。
照明用レンズ44は、上記光源部材52から出射された照明光を集光し、所定の方向(上方の培養容器2の底面)に向けて出射する光学部材である。
拡散板43は、上記光源部材52から出射された後、上記照明用レンズ44を透過した照明光を拡散させると共に、上方の光透過窓15a側へと出射して、培養容器2内を照明するための照明光を生成する。この拡散板43は、例えば光透過性を有すると共に光拡散性を有する乳白色の樹脂製薄板等によって形成されている。なお、上記拡散板43に代えて、フレネルレンズを用いてもよい。
この構成により、光源部材52から出射された照明光は、上記照明用レンズ44,上記拡散板43を介して上方へ出射され、天板ユニット16の光透過窓15a及び培養容器2の透明な底面を透過して培養容器2内へと入射する。こうして培養容器2内に入射した照明光は、当該培養容器2内の反射面(不図示)によって反射した後、同培養容器2内の培地内に存在する試料を照明し透過した後、上記光透過窓15aを介して撮像観察光学系41へと入射するように構成されている。
電気基板53(図8には不図示;図2参照)は、例えば観察ユニット21の一側面に固定配置されている。この電気基板53は、複数の電気部材等を用いて形成され、図2に示すように、光源駆動部56,レンズ駆動部57,撮像素子駆動部58,位置判定部59,減衰補償部60等のほか、当該撮像素子45から出力される画像データの前処理回路等が実装されている。
光源駆動部56は上記光源部材52の駆動回路である。レンズ駆動部57は上記レンズ駆動モータ49の駆動回路である。撮像素子駆動部58は、上記撮像素子45の駆動回路である。位置判定部59は、観察ユニット21のXY平面内の所定の移動範囲内における位置を判定するためのセンサ及びその駆動回路である。減衰補償部60は、制御ユニット32からFPC33を介して電気基板53へと到達する間に生じる電圧降下や信号の減衰,電磁ノイズによる障害等を補償するためのインターフェース回路である。
また、上記撮像素子駆動部58には、図2に示すように、AF部82,画素切換部83等を有している。
上記AF部82は、例えば取得された画像データに基づいて合焦状態を検出し自動的に焦点調節動作を行ういわゆるオートフォーカス(AutoFoucus;AF)処理を行う処理回路である。上記画素切換部83は、撮像素子45の有する複数の画素のうちAF動作に寄与する画素と撮像動作に寄与する画素とを動作モードに応じて切り換える処理回路である。
これらに加えて、さらに、上記電気基板53は、上記以外の回路、例えば外部機器との通信を行うための通信回路や、取得した画像データ及び付随する各種情報データ等を記録する記録媒体を含むデータ記録回路等のほか、レンズ駆動モータ49を駆動するためのバッテリを含む電源回路等を含めて構成してもよい。
このように上記一実施形態によれば、剛性を有する板金部材15に対し透明板部材17を接着して一体化させることにより天板ユニット16を構成している。このような構成により、透明板部材17の温湿度変化等に起因する変形を抑止することができる。したがって、培養容器2を載置するための天板ユニット16の観察ユニット21が移動する所定のXY平面に対する平行度、即ち天板平行度を確保することができる。
さらに、上記天板ユニット16に対して、その下面側に観察ユニット21を含む駆動ユニット20を一体に装着するように構成している。このような構成とすることにより、上記天板ユニット16と駆動ユニット20とを分離した形態で構成する場合に比べて、温湿度変化等に起因する変形に基く積算誤差が大きくなることを抑止することができる。したがって、これにより、観察ユニット21の撮像観察光学系41の光軸Oの天板ユニット16の平面に対する傾きや、観察ユニット21の位置についての積算誤差を良くすることができるので、観察ユニット21の移動精度を高い精度で確保することができ、よって、精密機械としての試料観察装置1の性能をより高精度に確保することができる。
一方、駆動ユニット20の主要構成部材(観察ユニット21を含めた被駆動ユニット30)は、メインフレーム31によって外面側が覆われている。そして、このメインフレーム31は、上記収納筐体11の内部に収納された形態で構成されている。
したがって、収納筐体11は、比較的大型の構成部材となることから、低コスト化を考慮すると、樹脂等の柔軟な素材で形成するのが望ましい。ところが、収納筐体11は、天板ユニット16と一体となることで、内部を密閉した装置本体10(箱体)として構成されている。
この構成の場合、収納筐体11の内部と外部空間との間に温湿度差が生じて内外気圧差が生じると、収納筐体11が変形してしまう可能性がある。この場合、収納筐体11が樹脂等の柔軟な素材を用いて形成されていれば、変形が大きくなる可能性がある。
しかしながら、本実施形態の構成においては、剛性を有する天板ユニット16に対して、駆動ユニット20を装着した構成としていることから、収納筐体11に変形が生じたとしても、駆動ユニット20の組み立て精度に対する影響は少なくてすむ。
したがって、観察ユニットのXY平面内での移動精度が損なわれることはなく、また、天板ユニット16の上記XY平面に対する平行度を確保することができるので、常に確実に精密な観察を行うことのできる試料観察装置1とすることができる。
さらに駆動ユニット20においては、X駆動軸ガイド部材23aとY軸方向ガイド軸24との間の嵌合ガタ、及び、Y駆動軸ガイド部材26aとX軸方向ガイド軸27との間の嵌合ガタのそれぞれを吸収するためのガタ吸収部として磁石部34を設けて構成している。このような工夫を施すことによって、観察ユニット21の移動精度を、さらに高精度なものとすることができる。
以上説明したように上記一実施形態によれば、天板ユニット16の一部として取り付けられる操作部ユニット18における複数の操作部材18aは、天板ユニット16の平面部における孔(17a,19a,15b)に嵌合配置され、これらの孔(17a,19a,15b)との間に生ずる隙間を埋めると共に、各操作部材18aの配設部位近傍から培養液等や高湿な外気が収納筐体11の内部へと浸入するのを阻止する周縁リング112(円環状部材)と、周縁リング112(円環状部材)の略中央部分の孔に嵌入され、一部が外部に露呈するように配設される作用部111fとによって構成され、上記作用部111fは、第1圧接部111dと第2圧接部111eとを有して形成され、上記第1圧接部111dは、上記周縁リング112(円環状部材)の内周面に密着し、上記第2圧接部111eは、天板ユニット16の板金部材15の下面の一部に密着することで水密構造及び防湿構造を備えている。
また、天板ユニット16の透明板部材17の孔17aと、上記周縁リング112(円環状部材)との間を接着剤によって固定し、両者の間に生じる隙間に接着剤を充填することによって、当該隙間を接着封止している。
さらに、透明板部材17と板金部材15との間は、スペーサシート19を挟んで接着固定するようにしている。これにより、透明板部材17とスペーサシート19と板金部材15との間も接着封止されている。
このような構成により、天板ユニット16と操作ボタン18a(操作部材)との間に生じる隙間から装置内部への培養液等や高湿な外気の浸入を確実に抑止することができる。
さらにまた、周縁リング112(円環状部材)は、円環形状の外周縁部から内周縁部に向けて延びる面が上り勾配を有する傾斜面で形成され、この傾斜面と操作ボタン18aの作用部111fの上面とは、略連続した面で形成されている。つまり、周縁リング112の外表面と、ボタンゴム111の作用部111fの外表面とは、段差の無い連続した表面となるように形成されている。
このような構成とすることにより、周縁リング112とボタンゴム111との接合部分(僅かな隙間)を、天板ユニット16の平面部よりも高い位置に配置することができるので、例えば天板ユニット16の平面部にこぼれた培養液等や高湿な外気は、容易に上記隙間へと浸入することがない。また、たとえ、上記隙間から培養液等や高湿な外気が浸入したとしても、当該隙間には、上記第1圧接部111dが周縁リング112の内周面に密着していることによって、それ以上の培養液等や高湿な外気の浸入は阻止される。
したがって、さらに確実に、隙間から装置内部への培養液等や高湿な外気の浸入を抑止することができる。
また、操作ボタン18aの外表面、即ち天板ユニット16の平面部から突出する外部露呈部分を、略連続した面で形成し段差をなくしているので、上記天板ユニット16の平面部にこぼれた培養液等や高湿な外気を、例えばウエス等を用いて拭き取るような場合にも、操作ボタン18aの突出部位において引っ掛かるようなこともなく、スムースに拭き取り操作を行うことができる。
[変形例]
上述の一実施形態においては、操作ボタン18aは、ボタンゴム111(ボタン作用部材)と周縁リング112(円環状部材)とによって構成した例を示しているが、これとは異なる構成例について、以下に、変形例として簡単に説明する。
図11は、本発明の一実施形態の試料観察装置における操作ボタンの変形例の詳細を示す要部拡大断面図である。図11は、図10に相当する図である。
本変形例における操作部ユニット18Aの操作ボタン18Aaの構成は、上述の一実施形態の操作ボタン18aの構成と基本的には略同様である。したがって、以下の説明では、上述の一実施形態と異なる部分についてのみ異なる符号を付して説明し、同様の構成については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
本変形例における操作部ユニット18Aの操作ボタン18Aaは、ボタン板111Aと、周縁リング112(円環状部材)とによって構成されている。即ち、本変形例においては、上述の一実施形態におけるボタン作用部材としてボタンゴム111に代えてボタン板111Aを用いて構成している点が異なる。ここで、周縁リング112は、上述の一実施形態と同様構成である。
上記ボタン板111Aは、例えば樹脂製素材(例えばポリエステル製等)の薄板状部材によって形成されており、その上面の作用部111Afは、上記天板ユニット16の透明板部材17の平面と略平行な平面に形成されている。そして、この作用部111Afの平面の周縁部は、上記周縁リング112の傾斜面と連続する面となるように形成されている。
また、ボタン板111Aの内面側、即ち内部空間部111Aaの天井部分には、押圧凸部111Abが形成されている。この押圧凸部111Abは、スイッチ部品113のスイッチ113aに作用して、これを押圧する部位である。
そして、上記ボタン板111Aの外周面は、周縁リング112の内周面に対して接着固定されている。これにより、上記ボタン板111Aの外周面と周縁リング112の内周面との接合部分に生じる隙間空間121が埋められて接着封止されている。
このように、本変形例においては、上述の一実施形態のボタンゴム111に代えてボタン板111Aを適用したので、上記ボタンゴム111における第1圧接部111d,第2圧接部111eを不要とし、隙間空間120,121の接着封止のみで水密構造及び防湿構造を実現している。
このような構成により、本変形例によれば、より簡単な構成で、上記一実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記変形例で示す構成とは別に、上記ボタン板111Aと周縁リング112とを一体に形成した一部品で構成してもよい。
そのような構成とすれば、両者間に隙間空間が生じることもないので、透明板部材17と周縁リング112の外周面との間の隙間空間120のみを接着封止することにより、確実かつ簡単な構成で水密構造及び防湿構造を実現できる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施することができることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。この発明は、添付のクレームによって限定される以外にはそれの特定の実施態様によって制約されない。
本発明は、試料観察装置に限られることはなく、対象物に対して所定の間隔を保持しながら観察用撮像ユニットを所定方向に移動させることによって所望の対象物の表面を走査する形態の装置、例えばフラットベッド型スキャナやフイルムスキャナ等のイメージスキャナのほか、立体物の表面を走査する3Dスキャナ等の走査装置に対しても、全く同様にかつ容易に適用することができる。
1……試料観察装置
2……培養容器
3……容器ホルダ
10……装置本体
11……収納筐体
11a……開口
11b……周溝部
12……接続コネクタ
13……棚状部
14……シール部材
15……板金部材
15a……光透過窓
15b……孔
16……天板ユニット
17……透明板部材
17a……孔
18.18A……操作部ユニット
18a,18Aa……操作ボタン
18b……状態表示部
19……スペーサシート
19a,19b……孔
20……駆動ユニット
21……観察用撮像ユニット(観察ユニット)
22……X駆動軸
23a,23b……X駆動軸ガイド部材
24……Y軸方向ガイド軸
25……Y駆動軸
26a……Y駆動軸ガイド部材
26a,26b……Y駆動軸ガイド部材
27……X軸方向ガイド軸
28,29……駆動部
28……X軸方向駆動部
28a,29a……ステージ駆動モータ
28b,29b……駆動ベルト
28c,29c……プーリー
29……Y軸方向駆動部
30……被駆動ユニット
31……メインフレーム
32……制御ユニット
34……磁石部
39……湿度センサ
40……本体固定枠
41……撮像観察光学系
42……レンズ鏡筒
43……拡散板
44……照明用レンズ
45……撮像素子
46……移動枠
46a,46b,46c……係合部
47……吊軸
48……回転規制軸
49……レンズ駆動モータ
50……リードスクリュー
51……ナット部材
52……光源部材
53……電気基板
54……付勢部材
56……光源駆動部
57……レンズ駆動部
58……撮像素子駆動部
59……位置判定部
60……減衰補償部
61……リリーフバルブ
65……電気基板
71……制御部
72……光源制御部
73……駆動制御部
74……画像処理部
75……通信部
76……計時部
77……温湿度計測部
78……電源部
82……AF部
83……画素切換部
100……試料観察システム
101……恒温器
101a……棚板
102……外部制御装置
103……入力装置
104……表示装置
105……通信部
105a……通信接続手段
111……ボタンゴム
111A……ボタン板
111a,111Aa……内部空間部
111b,111Ab……押圧凸部
111c……脚部
111d……第1圧接部
111e……第2圧接部
111f,111Af……作用部
112……周縁リング
112a……孔
113……スイッチ部品
113a……スイッチ
120,121……隙間空間

Claims (11)

  1. 一面に開口を有する収納筐体と、
    上面側に平面部を有し上記収納筐体の上記開口を覆うように取り付けられて上記収納筐体を密閉された箱体とする蓋体である天板ユニットと、
    上記天板ユニットの一部に取り付けられる操作部材と、
    を具備し、
    上記操作部材は、上記天板ユニットの上記平面部における孔に嵌合配置され、上記孔との間に生ずる隙間を埋めると共に、上記操作部材の配設部位近傍から上記収納筐体の内部への液体流路に複数箇所の液体せき止め部を設けたことを特徴とする試料観察装置。
  2. 上記操作部材は、上記天板ユニットの上記平面部における孔に嵌合配置される円環状部材と、上記円環状部材の略中央部分の孔に嵌入され一部が外部に露呈するように配設される作用部材とを有して構成されることを特徴とする請求項1に記載の試料観察装置。
  3. 上記液体せき止め部は、上記円環状部材と上記作用部材とが嵌合する部位において、上記円環状部材と上記作用部材とのいずれか一方から他方に向けて突出するように形成された凸部からなることを特徴とする請求項2に記載の試料観察装置。
  4. 上記作用部材は、一部位が上記円環状部材の一部に密着するように設けられ、他の一部位は上記天板ユニットの一部に密着するように配設されることで水密構造及び防湿構造を構成することを特徴とする請求項2に記載の試料観察装置。
  5. 上記円環状部材は、上記天板ユニットに形成された上記孔に嵌合配置され、樹脂素材によって成型される部品であり、
    上記作用部材は、電気基板上に実装されたスイッチ部品を覆うように同電気基板上に配設され、柔軟で伸縮自在なシリコン系ゴムまたはフッ素系ゴムを用いて形成されていることを特徴とする請求項2に記載の試料観察装置。
  6. 上記円環状部材は、円環形状の外周縁部から内周縁部に向けて延びる面が上り勾配を有する傾斜面で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の試料観察装置。
  7. 上記円環状部材は、天板ユニットの上面側の平面部から上記操作部材の押圧点に向けて延びる上り傾斜面を有して形成されていることを特徴とする請求項2に記載の試料観察装置。
  8. 上記作用部材は、
    スイッチ部品を収容する内部空間部と、
    上記内部空間部の天井部分に形成され、上記スイッチ部品のスイッチに作用してこれを押圧する押圧凸部と、
    上記内部空間部の外周面上に全周に亘って側方に向けて突設される第1圧接部と、
    上記内部空間部の基端側の外周縁部に全周に亘って形成される脚部と、
    上記脚部の上面に全周に亘って上方に向けて突設される第2圧接部と、
    を有し、
    上記第1圧接部は、上記円環状部材の内周面に圧接され密着し、
    上記第2圧接部は、上記天板ユニットの下面側の平面に圧接され密着することによって水密構造及び防湿構造を構成することを特徴とする請求項2に記載の試料観察装置。
  9. 上記円環状部材は、さらに、上記天板ユニットに対して接着固定されることを特徴とする請求項8に記載の試料観察装置。
  10. 上記円環状部材の傾斜面と上記作用部材の上面とは、略連続した面で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の試料観察装置。
  11. 平板状部材に取り付けられる操作部材において、
    上記平板状部材における上記操作部材の配設部位近傍に生じる隙間を埋めると共に、上記操作部材の配設部位近傍から培養液や高湿な外気の内部への浸入を阻止する円環状部材と、
    上記円環状部材の略中央部分の孔に嵌入され、一部が外部に露呈するようにして配設された作用部材とを有し、
    上記作用部材は、一部位が上記円環状部材の一部に密着し、他の一部位は上記天板ユニットの一部に密着することで水密構造及び防湿構造を構成することを特徴とする操作部材。
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