JP2018148449A - 撮像装置及び撮像装置の制御方法 - Google Patents

撮像装置及び撮像装置の制御方法 Download PDF

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【課題】信号処理回路が受信する制御信号と信号の時間方向の変動を補償することができる撮像装置を提供することを課題とする。【解決手段】撮像装置は、撮像基板(201)と、回路基板(200)とを有し、前記撮像基板は、各々が光電変換により画素信号を生成する複数の画素(202)と、第1の信号処理回路(206)とを有し、前記回路基板は、タイミング回路(205)と、第2の信号処理回路(208)とを有し、前記タイミング回路は、第1の制御信号を前記撮像基板に送信し、第2の制御信号を前記撮像基板を介して前記第2の信号処理回路に送信し、前記第1の信号処理回路は、前記タイミング回路から受信した第1の制御信号を基に、前記画素の画素信号を基に処理し、第1の信号を前記回路基板に送信し、前記第2の信号処理回路は、前記撮像基板から受信した第2の制御信号を基に、前記第1の信号処理回路から受信した第1の信号を基に処理する。【選択図】図2

Description

本発明は、撮像装置及び撮像装置の制御方法に関する。
近年、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等、撮像素子を用いて撮像し、撮像画像をデジタルデータとして保存することができる撮像装置が広く普及している。このような撮像装置に用いる撮像素子としては、XYアドレス方式で各画素信号を読み出すCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ(以下CMOSセンサという)がある。CMOSセンサは、画素信号のランダムアクセスが可能である点や、読み出しが高速で、高感度、低消費電力といった特徴がある。また、画素において光電変換した信号電荷を、列回路において信号処理を実施してから出力するため、同一基板上に画素と列回路を配置した撮像素子が一般的である。そして、列回路にAD(Analog Digital)変換回路を備えた場合においても、光電変換を実施し、アナログ信号を扱う画素とAD変換回路以後のデジタル信号を扱うロジック回路が、同一基板上に配置されることになる。このため、撮像素子の基板面積が増加し、それが実装面積の増大につながるという課題が発生する。さらに、特性を向上させる場合においても、画素とロジック回路では、製造する設計ルールや製造プロセスが異なるため、同一基板上に配置した場合、最適な設計ルールや製造プロセスを適用しにくいという課題もある。
これに対して、画素とロジック回路を異なる半導体基板に配置して積層構造により接続する方法をとっているCMOSセンサが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、ロジック回路を含む半導体基板からの制御信号を用いて、画素を含む半導体基板において撮像を制御し、画素の出力信号をロジック回路を含む半導体基板に戻す構成となっている。そのため、基板間をまたぐ制御信号や画素の出力信号に電気的な変動が発生しやすいという課題がある。こうした電気的な変動を低減する方法としては、基板間をまたぐ信号の出力側に安定化のためのバッファを設けるという方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−159958号公報 特開2013−090305号公報
このように、画素とロジック回路を異なる半導体基板に配置したCMOSセンサにおいては、基板間をまたぐ信号に電気的な変動が発生しやすいという課題がある。しかしながら、特許文献2の方法では、振幅方向のノイズには有効であるが、基板間をまたぐ制御信号や、画素の信号をAD変換回路を構成する比較器の反転信号を用いて基板間を接続する場合の時間方向の変動に対しては効果がない。
本発明の目的は、信号処理回路が受信する制御信号と信号の時間方向の変動を補償することができる撮像装置及び撮像装置の制御方法を提供することである。
本発明の撮像装置は、第1の半導体基板と、第2の半導体基板とを有し、前記第1の半導体基板は、各々が光電変換により画素信号を生成する複数の画素と、第1の信号処理回路とを有し、前記第2の半導体基板は、タイミング回路と、第2の信号処理回路とを有し、前記タイミング回路は、第1の制御信号を前記第1の半導体基板に送信し、第2の制御信号を前記第1の半導体基板を介して前記第2の信号処理回路に送信し、前記第1の信号処理回路は、前記タイミング回路から受信した第1の制御信号を基に、前記画素の画素信号を基に処理し、第1の信号を前記第2の半導体基板に送信し、前記第2の信号処理回路は、前記第1の半導体基板から受信した第2の制御信号を基に、前記第1の信号処理回路から受信した第1の信号を基に処理する。
本発明によれば、第2の信号処理回路が受信する第2の制御信号と第1の信号の時間方向の変動を補償することができる。
第1の実施形態に係る撮像装置の構成例を示す図である。 第1の実施形態に係る撮像素子の構成例を示す図である。 第1の実施形態に係る撮像素子の構成例を示す図である。 第1の実施形態に係る撮像素子の動作を示す図である。 第2の実施形態に係る撮像素子の動作を示す図である。 第2の実施形態の変形例に係る撮像素子の動作を示す図である。 第3の実施形態に係る参照信号発生回路の構成例を示す図である。 第3の実施形態に係る撮像素子の動作を示す図である。 第3の実施形態の変形例に係る参照信号発生回路の構成例を示す図である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の構成例を示す図である。撮像装置は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラの他、スマートフォン、タブレット、工業用カメラ、医療用カメラ等に適用可能である。撮像装置は、光学系(光学鏡筒)11、撮像素子12、信号処理部13、圧縮伸張部14、同期制御部15、操作部16、画像表示部17及び画像記録部18を有する。
光学系11は、被写体を結像させるためのレンズ、ズームや合焦を行うためのレンズ駆動機構、メカニカルシャッタ機構、及び絞り機構等を有する。光学系11の可動部は、同期制御部15からの制御信号に基づいて駆動される。撮像素子12は、XYアドレス方式のCMOSセンサであり、同期制御部15からの制御信号に応じて、露光、信号読み出し、リセット等の撮像動作を実施する。そして、撮像素子12は、アナログデジタル変換回路によるアナログデジタル変換を経て、デジタル化された画像信号を出力する。信号処理部13は、同期制御部15の制御の下で、撮像素子12から入力されるデジタル化された画像信号に対して、各種信号処理を施す。圧縮伸張部14は、同期制御部15の制御の下で動作し、信号処理部13で信号処理された画像信号に対して圧縮符号化処理を実施したり、同期制御部15から供給された静止画像の符号化データを伸張復号化処理する。また、圧縮伸張部14は、動画像の圧縮符号化/伸張復号化処理を実行してもよい。
同期制御部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を有するマイクロコントローラである。同期制御部15は、ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより、この撮像装置の各部を統括的に制御する。操作部16は、例えばシャッタレリーズボタン等の各種操作キーやレバー、ダイヤル等を有し、ユーザによる入力操作に応じた制御信号を同期制御部15に出力する。画像表示部17は、液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)等の表示デバイスと、これに対するインタフェース回路等を有する。画像表示部17は、同期制御部15から供給された画像信号から表示させるための画像信号を生成し、この信号を表示デバイスに供給して画像を表示させる。画像記録部18は、例えば、可搬型の半導体メモリ等からなる記録媒体が接続され、圧縮伸張部14により圧縮符号化された画像データファイルを同期制御部15から入力して記録媒体に記憶する。また、画像記録部18は、同期制御部15からの制御信号を基に指定されたデータを読み出し、同期制御部15に出力する。
次に、本実施形態における撮像装置の制御方法について説明する。撮像素子12は、画像信号を信号処理部13にフレーム毎に順次出力する。信号処理部13は、撮像素子12からの画像信号に対して信号処理を施す。同期制御部15は、信号処理部13により信号処理された画像信号をカメラスルー画像の信号として、画像表示部17に供給する。これにより、画像表示部17は、カメラスルー画像を表示し、ユーザは表示画像を見て画角合わせを行うことが可能となる。この状態で、操作部16のシャッタレリーズボタンが押下されると、撮像素子12は、同期制御部15の制御により、1フレーム分の画像信号を信号処理部13に出力する。信号処理部13は、入力した1フレーム分の画像信号に対して信号処理を施す。同期制御部15は、信号処理部13の処理後の画像信号を圧縮伸張部14に供給する。圧縮伸張部14は、入力された画像信号を圧縮符号化する。同期制御部15は、圧縮伸張部14により生成された符号化データを画像記録部18に供給する。これにより、画像記録部18は、撮像された静止画像のデータファイルを記録する。
一方、画像記録部18に記録された静止画像のデータファイルを再生する場合には、同期制御部15は、操作部16からの操作入力に応じて、選択されたデータファイルを画像記録部18から読み出し、圧縮伸張部14に供給する。圧縮伸張部14は、そのデータファイルに対して伸張復号化処理を実行する。同期制御部15は、その復号化された画像信号を画像表示部17に供給する。これにより、画像表示部17は、静止画像を再生表示する。
また、動画像を記録する場合には、撮像素子12は、フレーム単位の動画像を信号処理部13に出力する。信号処理部13は、動画像を処理する。同期制御部15は、その処理された動画像を圧縮伸張部14に供給する。圧縮伸張部14は、その動画に対して圧縮符号化処理を施す。同期制御部15は、圧縮伸張部14により生成された動画像の符号化データを順次画像記録部18に転送する。画像記録部18は、動画像の符号化データをデータファイルとして記録する。また、同期制御部15は、画像記録部18から動画像のデータファイルを読み出して圧縮伸張部14に供給する。圧縮伸張部14は、動画像のデータファイルに対して伸張復号化処理を行う。同期制御部15は、その伸張復号化処理された動画像を画像表示部17に供給する。画像表示部17は、その動画像を表示する。
図2は、本実施形態に係る撮像素子12の構成例を示す図である。撮像素子(CMOSセンサ)12は、撮像基板(第1の半導体基板)201と回路基板(第2の半導体基板)200を有する。ここで、撮像基板(第1の半導体基板)201と回路基板(第2の半導体基板)200は、互いに積層される積層構造により構成されてもかまわない。回路基板200は、デコーダ204、タイミング回路205、カウンタ208、水平走査回路209、及び出力回路210を有する。撮像基板201は、画素部202、垂直駆動回路203、比較器206、及び参照信号発生回路207を有する。画素部202は、2次元行列状に配列された複数の画素を有し、光電変換により画像信号を生成する。ここで、回路基板200のロジック回路を動作させる電圧をロジック電圧とし、撮像基板201の画素部202を動作させる電圧を画素電圧とすると、画素電圧の方がロジック電圧よりも高い電圧を必要とする。
タイミング回路205は、同期制御部15からの制御信号に基づいて、撮像素子12の各部の動作に必要な各種のクロック信号や制御信号等を出力する。そして、タイミング回路205は、画素部202を制御する同期信号、電子シャッタタイミング信号、信号読み出しタイミング信号等の画素制御信号をデコーダ204に送信する。デコーダ204は、タイミング回路205から受信する画素制御信号を基に、水平画素行を選択して、露光や信号読み出し、リセット等の画素の動作に必要なタイミングを生成し、画素制御信号として垂直駆動回路203に送信する。ここで、垂直駆動回路203に送信する画素制御信号は、回路基板200から撮像基板201に送信されるため、ロジック電圧のままか、あるいは、ロジック電圧と画素電圧の間となる遷移電圧となる。
垂直駆動回路203は、デコーダ204から送信された画素制御信号を、画素を駆動可能な画素電圧に変換する。この時、垂直駆動回路203は、画素制御信号をロジック電圧から画素電圧に昇圧するとともに、選択した水平画素行を同時に動作させるために電流駆動能力も増幅させる。画素部202は、画素電圧に変換された画素制御信号により、水平画素行毎に画素信号を読み出し、比較器206に出力する。
タイミング回路205は、画素制御信号とは別に、信号処理制御信号を撮像基板201の参照信号発生回路207に送信する。参照信号発生回路207は、信号処理制御信号を基に比較器206に出力するランプ波状の参照信号を発生する。この参照信号は、比較器206の制御信号といってよい。この時に発生させるランプ波状の参照信号は、画素信号の振幅より大きい必要があるため、ロジック電圧で実現できない場合は、画素電圧を用いて生成する。
比較器206は、信号処理回路であり、画素部202の画素信号と参照信号発生回路207の参照信号の比較結果をカウンタ208に出力する。例えば、入力される画素信号と参照信号の大小関係が逆転した時に、比較器206は、ハイレベルからローレベルに出力信号を変化させることで、比較結果を出力する。ここで、比較器206がカウンタ208に出力する比較結果信号は、撮像基板201から回路基板200に出力されるため、画素電圧のままでもよいが、画素電圧からロジック電圧に降圧するか、あるいは、ロジック電圧と画素電圧の間となる遷移電圧となる。
この時、参照信号発生回路207は、タイミング回路205から受信した信号処理制御信号を回路基板200のカウンタ208に信号処理制御信号221として戻して制御する。カウンタ208は、信号処理回路であり、回路基板200に戻された信号処理制御信号221を基にカウントを開始し、比較器206からの比較結果信号がハイレベルからローレベルに変化すると、カウントを停止させ、その時のカウント値を保持する。この時のカウント値が、デジタル化した画素信号となっている。
水平走査回路209は、タイミング回路205に制御され、カウンタ208に保持されているデジタル化された画素信号を所定の順番で出力回路210に転送するように、カウンタ208を制御する。出力回路210は、デジタル化された行単位の画素信号を信号処理部13へ出力する。このように、図2においては、比較器206及びカウンタ208から構成されるアナログデジタル変換回路は、ランプ波の参照信号を用いて、画素部202の画素信号をアナログからデジタルに変換していることになる。
図3は、本実施形態に係る撮像素子12の構成例を示す図である。なお、図3においては、図2と同じ符号を用いて撮像素子12の構成を説明する。アナログデジタル変換回路は、各列の比較器206とカウンタ208を有する。画素部202は、2次元行列状に配列された複数の画素P(1,1)、P(1,2)、・・・、P(2,1)、P(2,2)、・・・(以下、画素Pという)を有する。複数の画素Pは、各々が光電変換により画素信号を生成し、行単位で、各列の列信号線214に画素信号を出力する。画素列は、例えば画素P(1,1)、P(2,1)の列であり、共通に接続される列信号線214により、列毎に対応する比較器206の比較器の1つに接続される。例えば、1行1列目の画素P(1,1)から列信号線214に読み出された画素信号と参照信号発生回路207が発生させたランプ波の参照信号は、1列目の比較器206に入力される。各列の比較器206は、それぞれ、各列のカウンタ208に比較結果を出力する。各列のカウンタ208は、参照信号発生回路207から受信する信号処理制御信号221によりカウントを開始し、それぞれ、各列の比較器206の出力信号がハイレベルからローレベルに変化すると、その時のカウント値を保持する。
画素P(1,1)を含む1行目の画素信号のアナログデジタル変換が終了した後、水平走査回路209は、列毎のカウンタ208に保持されているデジタル化された画素信号を、所定の順番で出力回路210に転送する。以上の動作を行毎に繰り返すことで、画素部202に配列されている複数の画素Pを所定の順番で読み出すことができる。
ここで、撮像基板201には、画素部202、比較器206、及び参照信号発生回路207が配置されている。回路基板200には、カウンタ208、水平走査回路209、及び出力回路210が配置されている。回路基板200のカウンタ208は、撮像基板201の参照信号発生回路207から送信される信号処理制御信号221により制御されている。各列のアナログデジタル変換回路は、各列の垂直信号線214に接続される各列の比較器206とカウンタ208の組み合わせであり、各列の列信号処理回路でもあり、画素Pの画素信号をアナログからデジタルに変換する。
図4(a)〜(c)は、本実施形態に係る撮像素子12の動作を示す図である。なお、図4(a)〜(c)においては、撮像素子12の動作、特に比較器206とカウンタ208の組み合わせで実施されるアナログデジタル変換の動作について説明する。図4(a)は、1つの比較器206の動作を示す。図4(b)は、図4(a)の比較器206に接続されるカウンタ208を用いた参考例の動作を示す。図4(c)は、図4(a)の比較器206に接続されるカウンタ208を用いた本実施形態の動作を示す。
まず、図4(a)において、マスタクロックMckは、タイミング回路205が生成し、撮像素子12全体の同期をとるためのクロックである。ランプ波クロック(参照信号クロック)pReCLは、タイミング回路205が生成し、参照信号発生回路207を制御する信号処理制御信号の1つであるクロックである。タイミング回路205は、ランプ波クロック(参照信号クロック)pReCLを撮像基板201の参照信号発生回路207に送信する。例えば、ランプ波クロックpReCLは、時刻t01からt06までの16クロックとなっている。また、参照信号発生回路207は、マスタクロックMckに同期するランプ波クロックによって動作し、ランプ波状の参照信号pRefを生成する。ランプ波クロックpReCAは、タイミング回路205が生成したランプ波クロックpReCLを、回路基板200のタイミング回路205から撮像基板201の参照信号発生回路207に送信されたランプ波クロックである。時刻t01からt02までが、ランプ波クロックpReCLを回路基板200から撮像基板201へ送信した時に発生した遅延量であり、ランプ波クロックpReCAは、その遅延を受けて、時刻t02からt07までの16クロックとなっている。ここで、回路基板200及び撮像基板201間の遅延量は、本来アナログ量であるため、クロックに同期するわけではないが、本実施形態では、説明の簡略化のためクロックに同期した状態、あるいは、一番近いクロックのタイミング位置に丸めた状態で示す。
参照信号pRefは、参照信号発生回路207が生成したランプ波の参照信号である。参照信号発生回路207内のデジタルアナログ変換回路は、タイミング回路205から受信したランプ波クロックpReCAのクロック毎に、順次増加する電圧を発生させて、ランプ波の参照信号pRefを生成する。このため、参照信号発生回路207は、撮像基板201へ送信されたランプ波クロックpReCAのクロック期間である時刻t02からt07までの間にランプ波形状の参照信号pRefを生成している。なお、参照信号pRefは、ランプ波に限定されず、階段状にレベルが変化する波形等でもよく、時間に対してレベルが変化する参照信号であればよい。参照信号発生回路207は、ランプ波クロック(参照信号クロック)pReCAを基に参照信号pRefのレベルを変化させる。
画素信号Asigは、列信号線214に読み出された画素信号の電圧であり、ランプ波の参照信号pRefに重ねて表示している。比較結果信号pComAは、撮像基板201にある比較器206の比較結果信号である。撮像基板201の比較器206は、画素信号Asigと参照信号pRefを比較し、比較結果信号pComAを回路基板200のカウンタ208に送信する。比較結果信号pComAは、画素信号Asigと参照信号pRefの交点となる時刻t04において、ハイレベルからローレベルに変化する。この時、参照信号pRefのランプ波形状の開始である時刻t02から、画素信号Asigと参照信号pRefの交点となる時刻t04までの6クロックが、この画素信号Asigのデジタル信号値となる。
比較結果信号pComLは、比較器206が生成した比較結果信号pComAを、撮像基板201の比較器206から回路基板200のカウンタ208に送信した比較結果信号である。時刻t04からt05までが、比較結果信号pComAを撮像基板201から回路基板200へ送信した時に発生した遅延量であり、比較結果信号pComLは、その遅延を受けて、出力タイミングが時刻t05となっている。
図4(b)において、カウンタクロックpCnCLは、タイミング回路205が生成し、カウンタ208を制御する信号処理制御信号の1つである。また、カウンタ208は、マスタクロックMckに同期するカウンタクロックによって動作し、カウンタクロックpCnCLの入力に応じてカウント値をカウントアップする。図4(b)では、カウンタクロックpCnCLは、時刻t01からt06までの16クロックとなっているので、16階調の範囲を表現可能である。カウンタ208は、16階調を表現するカウント値として0〜15を用いることにする。また、カウンタクロックpCnCLは、タイミング回路205からカウンタ208まで回路基板200内だけの経路222(図2)を通って送信されているので、遅延は発生していないものとする。
カウンタクロックpCnCLの入力により、カウンタ208は、時刻t01からカウントを開始する。この時、図4(a)において、時刻t05は、カウンタ208に送信された比較器206の比較結果信号pComLの比較結果の反転タイミングであるので、カウンタ208は、時刻t05でカウントを停止するとともに、その時のカウント値CnDatを保持する。これにより、時刻t01からt05までの10クロックが、この時のカウント値CnDatとなり、10階調目を示すデジタル画素信号の値となる。しかしながら、図4(a)の比較器206の比較結果において、画素信号Asigの信号値は6クロックであるので、回路基板200及び撮像基板201間の信号伝達の遅延を考慮しない場合は、4クロックの誤差が生じてしまうことになる。
次に、図4(c)において、カウンタクロックpCnCL1は、図4(b)のカウンタクロックpCnCLと同様に、タイミング回路205が生成し、カウンタ208を制御する信号処理制御信号の1つである。タイミング回路205は、カウンタクロックpCnCL1を撮像基板201の参照信号発生回路207に送信する。カウンタ208は、図4(b)と同じく、マスタクロックMckに同期するカウンタクロックによって動作する。カウンタクロックpCnCL1は、時刻t01からt06までの16クロックとなっているので、16階調の範囲を表現可能である。
カウンタクロックpCnCAは、タイミング回路205が生成したカウンタクロックpCnCL1を、回路基板200のタイミング回路205から撮像基板201の参照信号発生回路207に送信したカウンタクロックである。時刻t01からt02までが、カウンタクロックpCnCL1を回路基板200から撮像基板201へ送信した時に発生した遅延量であり、カウンタクロックpCnCAは、その遅延を受けて、時刻t02からt07までの16クロックとなっている。この時の遅延により、回路基板200から撮像基板201へ送信した時のランプ波クロックpReCAの遅延を相殺することになる。
カウンタクロックpCnCL2は、参照信号発生回路207が受信したカウンタクロックpCnCAを、撮像基板201の参照信号発生回路207から回路基板200のカウンタ208に経路221を介して送信したカウンタクロックである。参照信号発生回路207は、タイミング回路205から受信したカウンタクロックpCnCAを回路基板200のカウンタ208に送信する。カウンタ208は、参照信号発生回路207からカウンタクロックpCnCL2を受信する。すなわち、タイミング回路205は、カウンタクロックpCnCL1を撮像基板201を介してカウンタ208に送信する。カウンタ208は、撮像基板201を介してタイミング回路205からカウンタクロックpCnCL2を受信する。時刻t02からt03までが、カウンタクロックpCnCAを撮像基板201から回路基板200へ送信した時に発生した遅延量であり、カウンタクロックpCnCL2は、その遅延を受けて、時刻t03からt08までの16クロックとなっている。この時の遅延により、撮像基板201から回路基板200へ送信した時の比較結果信号pComLの遅延を相殺することになる。
カウンタ208は、カウンタクロックpCnCL2に同期して、時刻t03からカウントを行う。この時、図4(a)における比較器206の比較結果信号pComLの反転結果の出力タイミングが時刻t05となっているので、カウンタ208は、時刻t05でカウントを停止するとともに、その時のカウント値CnDatを保持する。すなわち、カウンタ208は、比較器206の出力信号pComLが反転するまでのカウント値を保持する。これにより、時刻t03からt05までの6クロックが、画素信号Asigのカウント値CnDatとなり、6階調目を示すデジタル画素信号の値となる。
画素信号Asigの信号値は、図4(a)の比較器206の比較結果信号から6クロック(すなわち、6階調目)となっているので、回路基板200及び撮像基板201間の信号伝達の遅延を考慮したことにより、誤差の発生を抑えていることがわかる。また、図4(a)〜(c)においては、ランプ波クロックpReCLとカウンタクロックpCnCL1は、別々の信号として説明したが、相互に同じ波形の信号となっている。そこで、タイミング回路205がランプ波クロックpReCLのみを両者の共通の信号として生成し、撮像基板201に送信してランプ波を発生するランプ波クロックpReCAとして参照信号発生回路207に出力する。同時に、タイミング回路205は、ランプ波クロックpReCLを撮像基板201を介して回路基板200に送信し、カウンタ208を制御するカウンタクロックpCnCL2としてカウンタ208に送信する。これにより、回路基板200から撮像基板201に送信する信号の本数を減らすことができる。
以上のように、アナログデジタル変換回路は、撮像基板201の比較器206と回路基板200のカウンタ208を有する。回路基板200のタイミング回路205は、信号処理制御信号を生成し、その信号処理制御信号を撮像基板201の参照信号発生回路207に送信して比較器206を制御する。撮像基板201の参照信号発生回路207は、信号処理制御信号を回路基板200のカウンタ208に送信してカウンタ208を制御する。これにより、アナログデジタル変換回路は、回路基板200及び撮像基板201間の制御信号の遅延と撮像基板201から回路基板200に送信される比較器206の反転比較結果信号の遅延を相殺させることができる。本実施形態によれば、回路基板200及び撮像基板201間をまたぐ比較器206の比較結果信号の時間方向の変動を抑えることが可能となる。また、回路基板200から撮像基板201に送信された信号処理制御信号を、参照信号発生回路207の制御信号とカウンタ208の制御信号に共通に用いることで、回路基板200から撮像基板201に送信する信号処理制御信号の本数を減らすことができる。
(第2の実施形態)
次に、図1から図3に加えて、図5(a)〜(c)を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、撮像装置の基本的な構成と動作及び撮像素子12の基本的な構成と動作は、第1の実施形態と同様であるので、同じ図及び符号を用いて説明する。
図5(a)〜(c)は、本実施形態に係る撮像素子12の動作を示す図である。なお、図5(a)〜(c)においては、図4(a)〜(c)と同じ撮像素子12の動作、特に比較器206とカウンタ208の組み合わせで実施されるアナログデジタル変換回路の動作について説明する。本実施形態の参照信号発生回路207は、マスタクロックMckに同期するクロックによって動作し、ランプ波状の参照信号pRefを生成する。また、本実施形態のカウンタ208は、マスタクロックMckに同期するクロックによって動作し、クロックの入力に応じてカウント値をカウントアップする。この時、参照信号発生回路207及びカウンタ208は、クロックによる回路動作の動作・非動作を制御するイネーブル信号や、参照信号pRefの発生タイミングあるいはカウント開始タイミングを制御するスタート信号によっても制御することができる。
図5(a)は、1つの比較器206の動作を示す。ランプ波クロックREckは、タイミング回路205が生成し、参照信号発生回路207及び比較器206の同期をとるためのランプ波クロックであり、図4(a)のマスタクロックMckに相当する信号処理制御信号の1つである。ランプ波イネーブル信号pReELは、タイミング回路205が生成し、参照信号発生回路207を制御する信号処理制御信号の1つである。本実施形態においては、時刻t01からt06までの16クロックがランプ波イネーブル信号pReELの有効期間となるローレベルとなっている。ランプ波イネーブル信号pReEAは、タイミング回路205が生成したランプ波イネーブル信号pReELを、回路基板200のタイミング回路205から撮像基板201の参照信号発生回路207に送信したランプ波イネーブル信号である。時刻t01からt02までが、ランプ波イネーブル信号pReELを回路基板200から撮像基板201へ送信した時に発生した遅延量であり、ランプ波イネーブル信号pReEAは、その遅延を受けて、時刻t02からt07までの16クロックとなっている。ここで、回路基板200及び撮像基板201間の遅延量は、本来アナログ量であるため、クロックに同期するわけではないが、本実施形態では、説明の簡略化のためクロックに同期した状態、あるいは、一番近いクロックのタイミング位置に丸めた状態で示す。また、ランプ波クロックREckも回路基板200から撮像基板201へ送信した時に遅延が発生するが、周期的なクロックなので遅延しても同じく周期的なクロックに見えるため、ランプ波クロックREckをそのまま使って説明する。
参照信号pRefは、参照信号発生回路207が生成するランプ波の参照信号である。参照信号発生回路207内のデジタルアナログ変換回路が、入力されたランプ波イネーブル信号pReEAの有効期間の間だけ、ランプ波クロックREckのクロック毎に、順次増加する電圧を発生させて、ランプ波の参照信号pRefを生成する。このため、撮像基板201へ送信されたランプ波クロックREckのクロック期間である時刻t02からt07までの間にランプ波形状の参照信号pRefを生成している。参照信号発生回路207は、ランプ波イネーブル信号(参照信号イネーブル信号)pReEAを基に参照信号pRefのレベル変化を開始させる。
画素信号Asigは、列信号線214に読み出された画素信号の電圧であり、ランプ波信号pRefに重ねて表示している。比較結果信号pComAは、撮像基板201の比較器206の比較結果信号である。画素信号Asigと参照信号pRefの交点となる時刻t04において、比較結果信号pComAは、ハイレベルからローレベルに変化する。この時、参照信号pRefのランプ波形状の開始である時刻t02から、画素信号Asigとランプ波pRefの交点となる時刻t04までの6クロックが、この画素信号Asigのデジタル信号値となる。
比較結果信号pComLは、比較器206が生成した比較結果信号pComAを、撮像基板201の比較器206から回路基板200のカウンタ208に送信した比較結果信号である。時刻t04からt05までが、比較結果信号pComAを撮像基板201から回路基板200へ送信した時に発生した遅延量であり、比較結果信号pComLは、その遅延を受けて、反転結果の出力タイミングが時刻t05となっている。
図5(b)は、図5(a)の比較器206に接続されるカウンタ208を用いた参考例の動作を示す。カウンタクロックCNTckは、タイミング回路205が生成し、カウンタ208の同期をとるためのカウンタクロックであり、図4(a)のマスタクロックMckに相当する信号処理制御信号の1つである。カウンタイネーブル信号pCnELは、タイミング回路205が生成し、カウンタ208を制御する信号処理制御信号の1つである。図5(b)では、時刻t01からt06までの16クロックがカウンタイネーブル信号pCnELの有効期間となるローレベルとなっているので、16階調の範囲を表現可能である。カウンタ208は、16階調を表現するカウント値として0〜15を用いる。また、カウンタクロックCNTck及びカウンタイネーブル信号pCnELは、タイミング回路205からカウンタ208まで回路基板200内の経路222(図2)だけを通って送信されているので、遅延は発生していない。
カウンタイネーブル信号pCnELの入力により、カウンタ208は、カウンタクロックCNTckのクロック毎に、時刻t01からカウントを開始する。図5(a)において、カウンタ208に送信された比較器206の比較結果信号pComLの反転結果の出力タイミングが時刻t05となっているので、カウンタ208は、時刻t05でカウントを停止するとともに、その時のカウント値CnDatを保持する。これにより、時刻t01からt05までの10クロックが、この時のカウント値CnDatとなり、10階調目を示すデジタル画素信号の値となる。しかしながら、図5(a)の比較器206の比較結果信号において、画素信号Asigの信号値は6クロックであるので、回路基板200及び撮像基板201間の信号伝達の遅延を考慮しない場合は、4クロックの誤差が生じてしまうことになる。
図5(c)は、図5(a)の比較器206に接続されるカウンタ208を用いた本実施形態の動作を示す。カウンタクロックCNTckは、図5(b)と同様に、カウンタ208の同期をとるためのカウンタクロックである。カウンタイネーブル信号pCnEL1は、図5(b)のカウンタイネーブル信号pCnELと同様に、タイミング回路205が生成し、カウンタ208を制御する信号処理制御信号の1つである。時刻t01からt06までの16クロックがカウンタイネーブル信号pCnEL1の有効期間となるローレベルとなっているので、16階調の範囲を表現可能である。カウンタイネーブル信号pCnEAは、タイミング回路205が生成したカウンタイネーブル信号pCnEL1を、回路基板200のタイミング回路205から撮像基板201の参照信号発生回路207に送信したカウンタイネーブル信号である。時刻t01からt02までが、カウンタイネーブル信号pCnEL1を回路基板200から撮像基板201へ送信した時に発生した遅延量であり、カウンタイネーブル信号pCnEAは、その遅延を受けて、時刻t02からt07までの16クロックとなっている。この時の遅延により、回路基板200から撮像基板201へ送信した時のランプ波イネーブル信号pReEAの遅延を相殺することになる。
また、カウンタクロックCNTckも回路基板200から撮像基板201へ送信した時に遅延が発生するが、周期的なクロックなので遅延しても同じく周期的なクロックに見えるため、カウンタクロックCNTckをそのまま使って説明する。これは、カウンタクロックCNTckを撮像基板201から回路基板200へ送信した場合においても同様とする。
カウンタイネーブル信号pCnEL2は、参照信号発生回路207が受信したカウンタイネーブル信号pCnEAを、撮像基板201の参照信号発生回路207から回路基板200のカウンタ208に経路221を介して送信したカウンタイネーブル信号である。時刻t02からt03までが、カウンタイネーブル信号pCnEAを撮像基板201から回路基板200へ送信した時に発生した遅延量であり、カウンタイネーブル信号pCnEL2は、その遅延を受けて、時刻t03からt08までの16クロックとなっている。この時の遅延により、撮像基板201から回路基板200へ送信した時の比較結果信号pComLの遅延を相殺することになる。
カウンタイネーブル信号pCnEL2の入力により、カウンタ208は、カウンタクロックCNTckのクロック毎に、時刻t03からカウントを開始する。この時、図5(a)における比較器206の比較結果信号pComLの変転結果の出力タイミングが時刻t05となっているので、カウンタ208は、時刻t05でカウントを停止するとともに、その時のカウント値CnDatを保持する。これにより、時刻t03からt05までの6クロックが、画素信号Asigのカウント値CnDatとなり、6階調目を示すデジタル画素信号の値となる。
画素信号Asigの信号値は、図5(a)の比較器206の比較結果信号から6クロック(すなわち、6階調目)となっているので、回路基板200及び撮像基板201間の信号伝達の遅延を考慮したことにより、誤差の発生を抑えていることがわかる。また、図5(a)〜(c)においては、ランプ波クロックREckとカウンタクロックCNTck、及び、ランプ波イネーブル信号pReELとカウンタイネーブル信号pCnEL1は、それぞれ別々の信号として説明したが、相互に同じ波形の信号となっている。タイミング回路205は、ランプ波クロックREck及びランプ波イネーブル信号pReELのみを共通の信号として生成し、撮像基板201に送信してランプ波クロックREck及びランプ波イネーブル信号pReEAとして参照信号発生回路207に送信する。タイミング回路205は、ランプ波クロックREck及びランプ波イネーブル信号pReELを撮像基板201を介した経路221で回路基板200のカウンタ208に、カウンタクロックCNTck及びカウンタイネーブル信号pCnEL2として送信する。これにより、回路基板200から撮像基板201に送信する信号の本数を減らすことができる。
さらに、カウンタクロックCNTckは、回路基板200から撮像基板201へ送信された後、再び回路基板200に送信されることで、2回の基板間遅延の影響を受けるが、周期的なクロックなので遅延しても同じく周期的なクロックとなっている。そこで、タイミング回路205が生成したカウンタクロックCNTckを、タイミング回路205からカウンタ208まで回路基板200内の経路222(図2)だけを通って送信してもよい。あるいは、タイミング回路205が生成したランプ波クロックREckを分岐して、カウンタクロックCNTckとして、回路基板200内だけを通ってカウンタ208まで送信してもよい。これにより、回路基板200から撮像基板201への送信と、再び回路基板200に送信する信号の本数をさらに減らすことができるとともに、回路基板200及び撮像基板201間を伝達する時に発生する不要輻射の発生を回避することもできる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。図6(a)〜(c)は、本実施形態に係る撮像素子12の動作の変形例を示す図である。なお、図6(a)〜(c)においては、図5(a)〜(c)と同じ撮像素子12の動作、特に比較器206とカウンタ208の組み合わせで実施されるアナログデジタル変換回路の動作について説明する。また、ランプ波クロックREck、画素信号Asig、比較結果信号pComA、pComL、カウンタクロックCNTckは、図5(a)〜(c)と同じ信号を用いる。さらに、本変形例における参照信号発生回路207及びカウンタ208は、マスタクロックMckに同期するクロック、イネーブル信号、スタート信号によって動作が制御されるものとする。
図6(a)は、図5(a)と同様に、1つの比較器206の動作を示す。ランプ波スタート信号pReSLは、タイミング回路205が生成し、参照信号発生回路207を制御する信号処理制御信号の1つである。本変形例においては、時刻t01のクロックの立ち上がりがランプ波スタート信号の有効タイミングとなっている。ランプ波スタート信号pReSAは、タイミング回路205が生成したランプ波スタート信号pReSLを、回路基板200のタイミング回路205から撮像基板201の参照信号発生回路207に送信したランプ波スタート信号である。時刻t01からt02までが、ランプ波スタート信号pReSLを回路基板200から撮像基板201へ送信した時に発生した遅延量である。ランプ波スタート信号pReSAは、その遅延を受けて、時刻t02のクロックの立ち上がりがランプ波スタート信号pReSAの有効タイミングとなっている。
参照信号pRefは、参照信号発生回路207が生成したランプ波の参照信号である。参照信号発生回路207内のデジタルアナログ変換回路が、入力されたランプ波スタート信号pReSAを受けて、ランプ波クロックREckのクロック毎に、順次増加する電圧を発生させて、ランプ波の参照信号pRefを生成する。参照信号発生回路207は、ランプ波スタート信号(参照信号スタート信号)pReSAを基に参照信号pRefのレベル変化を開始させる。
比較器206の比較結果信号pComAは、画素信号Asigと参照信号pRefの交点となる時刻t04において、ハイレベルからローレベルに変化する。図5(a)では時刻t04以降においてもランプ波形状の参照信号pRefを発生させ続けていたが、図6(a)においては、比較結果信号の出力とともに、参照信号発生回路207に対して、ランプ波形状の参照信号pRefの発生を停止させるように制御する。このように、画素信号Asigよりランプ波pRefの発生範囲が広くなるように設計しておくことで、ランプ波スタート信号pReSAだけによる制御が可能となる。この時、参照信号pRefのランプ波形状の開始である時刻t02から、画素信号Asigとランプ波pRefの交点となる時刻t04までの6クロックが、この画素信号Asigのデジタル信号値となる。
比較結果信号pComLは、撮像基板201の比較器206から回路基板200のカウンタ208に送信された比較結果信号である。時刻t04からt05までが、比較結果信号pComAを撮像基板201から回路基板200へ送信した時に発生した遅延量であり、比較結果信号pComLは、その遅延を受けて、反転結果の出力タイミングが時刻t05となっている。
図6(b)は、図5(b)と同様に、図6(a)の比較器206に接続されるカウンタ208を用いた参考例の動作を示す。カウンタスタート信号pCnSLは、タイミング回路205が生成し、カウンタ208を制御する信号処理制御信号の1つである。図6(b)においては、時刻t01のクロックの立ち上がりがカウンタスタート信号pCnSLの有効タイミングとなっている。また、カウンタクロックCNTck及びカウンタスタート信号pCnSLは、タイミング回路205からカウンタ208まで回路基板200内の経路222(図2)だけを通って送信されているので、遅延は発生していない。
カウンタスタート信号pCnSLの入力により、カウンタ208は、カウンタクロックCNTckのクロック毎に、時刻t01からカウントを開始する。図6(a)において、カウンタ208に送信された比較器206の比較結果信号pComLの反転結果の出力タイミングが時刻t05となっているので、カウンタ208は、時刻t05でカウントを停止するとともに、その時のカウント値CnDatを保持する。これにより、時刻t01からt05までの10クロックが、この時のカウント値CnDatとなり、10階調目を示すデジタル画素信号の値となる。しかしながら、図6(a)の比較器206の比較結果信号において、画素信号Asigの信号値は6クロックであるので、回路基板200及び撮像基板201間の信号伝達の遅延を考慮しない場合は、4クロックの誤差が生じてしまうことになる。
図6(c)は、図5(c)と同様に、図6(a)の比較器206に接続されるカウンタ208を用いた本変形例の動作を示す。カウンタスタート信号pCnSL1は、図6(b)のカウンタスタート信号pCnSLと同様に、タイミング回路205が生成し、カウンタ208を制御する信号処理制御信号の1つである。図6(c)においても、時刻t01のクロックの立ち上がりがカウンタスタート信号pCnSL1の有効タイミングとなっている。カウンタスタート信号pCnSAは、タイミング回路205が生成したカウンタスタート信号pCnSL1を、回路基板200のタイミング回路205から撮像基板201の参照信号発生回路207に送信したカウンタスタート信号である。時刻t01からt02までが、カウンタスタート信号pCnSL1を回路基板200から撮像基板201へ送信した時に発生した遅延量である。カウンタスタート信号pCnSAは、その遅延を受けて、時刻t02のクロックの立ち上がりがカウンタスタート信号pCnSAの有効タイミングとなっている。この時の遅延により、回路基板200から撮像基板201へ送信した時のランプ波スタート信号pReSAの遅延を相殺することになる。
また、カウンタクロックCNTckも回路基板200から撮像基板201へ送信した時に遅延が発生するが、周期的なクロックなので遅延しても同じく周期的なクロックに見えるため、カウンタクロックCNTckをそのまま使って説明する。これは、カウンタクロックCNTckを撮像基板201から回路基板200へ送信した場合においても同様とする。
カウンタスタート信号pCnSL2は、参照信号発生回路207が受信したカウンタスタート信号pCnSAを、撮像基板201のカウンタスタート信号pCnSAから回路基板200のカウンタ208に経路221を介して送信したカウンタスタート信号である。時刻t02からt03までが、カウンタスタート信号pCnSAを撮像基板201から回路基板200へ送信した時に発生した遅延量である。カウンタスタート信号pCnSL2は、その遅延を受けて、時刻t03のクロックの立ち上がりがカウンタスタート信号pCnSL2の有効タイミングとなっている。この時の遅延により、撮像基板201から回路基板200へ送信した時の比較結果信号pComLの遅延を相殺することになる。
カウンタスタート信号pCnSL2の入力により、カウンタ208は、カウンタクロックCNTckのクロック毎に、時刻t03からカウントを開始する。この時、図6(a)における比較器206の比較結果信号pComLの反転結果の出力タイミングが時刻t05となっているので、カウンタ208は、時刻t05でカウントを停止するとともに、その時のカウント値CnDatを保持する。これにより、時刻t03からt05までの6クロックが、画素信号Asigのカウント値CnDatとなり、6階調目を示すデジタル画素信号の値となる。画素信号Asigの信号値は、図6(a)の比較器206の比較結果信号から6クロック(すなわち、6階調目)となっているので、回路基板200及び撮像基板201間の信号伝達の遅延を考慮したことにより、誤差の発生を抑えていることがわかる。
この時、図6(a)において、画素信号Asigよりランプ波pRefの発生範囲が広くなるように設計しておくことで、比較器206の比較結果が確実に存在するため、本実施形態においては、カウンタスタート信号pCnSL2だけによる制御が可能となる。また、図6(a)〜(c)においては、ランプ波クロックREckとカウンタクロックCNTck、及び、ランプ波スタート信号pReSLとカウンタスタート信号pCnSL1は、それぞれ別々の信号として説明したが、相互に同じ波形の信号となっている。そこで、タイミング回路205がランプ波クロックREck及びランプ波スタート信号pReSLのみを共通の信号として生成し、撮像基板201に送信してランプ波クロックREck及びランプ波スタート信号pReSAとして参照信号発生回路207に送信する。同時に、タイミング回路205は、ランプ波クロックREck及びランプ波スタート信号pReSLを撮像基板201を介した経路221で回路基板200のカウンタ208に、カウンタクロックCNTck及びカウンタスタート信号pCnSL2として送信する。これにより、回路基板200から撮像基板201に送信する信号の本数を減らすことができる。
さらに、カウンタクロックCNTckは、回路基板200から撮像基板201へ送信された後、再び回路基板200に送信されることで、2回の基板間遅延の影響を受けるが、周期的なクロックなので遅延しても同じく周期的なクロックとなっている。そこで、タイミング回路205が生成したカウンタクロックCNTckを、タイミング回路205からカウンタ208まで回路基板200内の経路222だけを通って送信してもよい。あるいは、タイミング回路205が生成したランプ波クロックREckを分岐して、カウンタクロックCNTckとして、回路基板200内だけを通ってカウンタ208まで送信してもよい。これにより、回路基板200から撮像基板201への送信と、再び回路基板200に送信する信号の本数をさらに減らすことができるとともに、回路基板200及び撮像基板201間を伝達する時に発生する不要輻射の発生を回避することもできる。
以上では、ランプ波クロック及びカウンタクロックを用いる方法、ランプ波イネーブル信号及びカウンタイネーブル信号を用いる方法、ランプ波スタート信号及びカウンタスタート信号を用いる方法を説明した。しかしながら、クロック、イネーブル信号、スタート信号それぞれを用いる方法を、参照信号発生回路207あるいはカウンタ208の制御方法として、組み合わせて用いてもよい。
以上のように、アナログデジタル変換回路は、撮像基板201の比較器206と回路基板200のカウンタ208を有する。回路基板200のタイミング回路205は、信号処理制御信号を生成し、その生成した信号処理制御信号を、撮像基板201の参照信号発生回路207に送信して比較器206を制御する。撮像基板の参照信号発生回路207は、受信した信号処理制御信号を回路基板200のカウンタ208に送信してカウンタ208を制御する。これにおり、回路基板200及び撮像基板201間の制御信号の遅延と撮像基板201から回路基板200に送信される比較器206の反転比較結果信号の遅延を相殺させることができる。また、回路基板200及び撮像基板201間をまたぐ比較器206の反転比較結果信号の時間方向の変動を抑えることが可能となる。
また、回路基板200から撮像基板201に送信された信号処理制御信号を、参照信号発生回路207の制御信号とカウンタ208の制御信号に共通に用いることで、回路基板200から撮像基板201に送信する信号処理制御信号の本数を減らすことができる。さらに、カウンタ208の制御に用いるクロックを、撮像基板201を介さず回路基板200内だけでカウンタ208に送信することで、回路基板200及び撮像基板201間を伝達する時に発生する不要輻射の発生を回避することもできる。
そして、本変形例では、参照信号発生回路207あるいはカウンタ208の制御にスタート信号を用いることで、画素信号をアナログデジタル変換したデジタル信号値が確定した後の回路の動作を停止させることができるので、消費電力を低減させることができる。
(第3の実施形態)
次に、図1から図3に加えて、図7及び図8(a)〜(c)を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、撮像装置の基本的な構成と動作及び撮像素子12の基本的な構成と動作は、第1の実施形態と同様であるので、同じ図及び符号を用いて説明する。
図7は、本実施形態に係る遅延回路212を加えた参照信号発生回路207の構成例を示す図である。なお、図7においては、図2と同じ符号を用いて参照信号発生回路207の構成を説明する。本実施形態における参照信号発生回路207には、タイミング回路205が生成し、撮像基板201に送信された信号処理制御信号が入力される。そして、信号処理制御信号のうちのランプ波の参照信号を生成する制御信号により、デジタルアナログ変換回路(DA変換回路)211がランプ波の参照信号を生成し、比較器206に出力する。また、信号処理制御信号のうちのカウンタ208を制御する信号は、遅延回路212に入力されて、所定の遅延を付加された後、信号221として回路基板200のカウンタ208に出力される。
図8(a)〜(c)は、本実施形態に係る撮像素子12の動作を示す図である。なお、図8(a)〜(c)においては、図4(a)〜(c)と同じ撮像素子12の動作、特に比較器206とカウンタ208の組み合わせで実施されるアナログデジタル変換回路の動作について説明する。
図8(a)は、1つの比較器206の動作を示す。マスタクロックMck、ランプ波クロックpReCL、pReCA、画素信号Asigは、図4(a)と同一の信号である。図4(a)の参照信号pRefは、ランプ波クロックpReCAに合わせて、時刻t02から発生していたが、図8(a)の参照信号pRefは、時刻t12のランプ波クロックpReCAの開始タイミングではなく、時刻t14から発生している。本実施形態においては、ランプ波クロックpReCAが、参照信号発生回路207のDA変換回路211に入力されてから、生成された参照信号pRefが、比較器206に入力するまでの間に動作遅延が発生したと仮定する。そして、その遅延量が、時刻t12からt14までとなっている。ここで、撮像基板201内での信号遅延の原因としては、回路内の信号処理時間による遅延や信号伝達による遅延等様々あるが、本実施形態においては、参照信号発生回路207における参照信号pRef生成時間による遅延をその一例として説明する。
ランプ波pRefの遅延を受けて、比較器206の比較結果信号pComAは、画素信号Asigと参照信号pRefの交点となる時刻t16において、ハイレベルからローレベルに変化する。この時、参照信号pRefのランプ波形状の開始である時刻t14から、画素信号Asigと参照信号pRefの交点となる時刻t16までの6クロックが、この画素信号Asigのデジタル信号値となる。比較結果信号pComLは、撮像基板201の比較器206から回路基板200のカウンタ208に送信された比較結果信号であり、基板間遅延を受けて、反転結果の出力タイミングが時刻t17となっている。
図8(b)は、図8(a)の比較器206に接続されるカウンタ208を用いた参考例の動作を示す。カウンタクロックpCnCL1、pCnCA、pCnCL2は、図4(c)と同一の信号であり、回路基板200から撮像基板201へ送信した時の遅延と、撮像基板201から回路基板200へ送信した時の遅延は相殺されていることになる。そして、図8(b)においては、カウンタクロックpCnCL2の入力により、カウンタ208は、時刻t13からカウントを開始する。図8(a)において、カウンタ208に送信された比較器206の比較結果信号pComLの反転結果の出力タイミングが時刻t17となっているので、カウンタ208は、時刻t17でカウントを停止するとともに、その時のカウント値CnDatを保持する。これにより、時刻t13からt17までの10クロックが、この時のカウント値CnDatとなり、10階調目を示すデジタル画素信号の値となる。しかしながら、図8(a)の比較器206の比較結果信号において、画素信号Asigの信号値は6クロックであるので、信号処理時間による遅延を考慮しない場合は、4クロックの誤差が生じてしまうことになる。
図8(c)は、図8(a)の比較器206に接続されるカウンタ208を用いた本実施形態の動作を示す。カウンタクロックpCnCL1、pCnCAは、図4(c)と同一の信号である。カウンタクロックpCnCAの遅延により、回路基板200から撮像基板201へ送信した時のランプ波クロックの遅延を相殺することになる。
遅延回路212は、タイミング回路205からカウンタクロックpCnCAを受信し、その受信したカウンタクロックpCnCAを遅延させ、遅延させたカウンタクロックpCnCDを回路基板200のカウンタ208に送信する。カウンタクロックpCnCDは、カウンタクロックpCnCAに対して、遅延回路212を用いて遅延を付加したカウンタクロックである。この時付加した遅延により、DA変換回路211がランプ波の参照信号pRefを生成する時の動作遅延を相殺することになる。そして、その遅延量が、時刻t12からt14までとなっている。本実施形態においては、タイミング回路205が生成する信号処理制御信号を用いて、あらかじめ測定しておいたDA変換回路211の動作遅延量、あるいは、回路設計時の動作遅延量の見込み値を遅延回路212に対して設定しておく。
カウンタクロックpCnCL2は、遅延回路212が生成したカウンタクロックpCnCDを、撮像基板201の遅延回路212から回路基板200のカウンタ208に送信したカウンタクロック221である。カウンタクロックpCnCL2は、基板間遅延を受けて、開始タイミングが時刻t15となっている。この時の遅延により、撮像基板201から回路基板200へ送信した時の比較結果信号pComLの遅延を相殺することになる。
カウンタ208は、遅延回路212から受信したカウンタクロックpCnCL2の入力により、時刻t15からカウントを開始する。この時、図8(a)における比較器206の比較結果信号pComLの反転結果の出力タイミングが時刻t17となっているので、カウンタ208は、時刻t17でカウントを停止するとともに、その時のカウント値CnDatを保持する。これにより、時刻t15からt17までの6クロックが、画素信号Asigのカウント値CnDatとなり、6階調目を示すデジタル画素信号の値となる。画素信号Asigの信号値は、図8(a)の比較器206の比較結果信号から6クロック(すなわち、6階調目)となっているので、回路基板200及び撮像基板201間の信号伝達の遅延を考慮したことにより、誤差の発生を抑えていることがわかる。
また、図8(a)〜(c)においては、ランプ波クロックpReCLとカウンタクロックpCnCL1を別々の信号として説明したが、ランプ波クロックpReCLとカウンタクロックpCnCL1は相互に同じ波形の信号となっている。そこで、タイミング回路205がランプ波クロックpReCLのみを生成し、撮像基板201に送信してランプ波を発生するランプ波クロックpReCAとして参照信号発生回路207のDA変換回路211に出力する。同時に、タイミング回路205は、ランプ波クロックpReCLを、遅延回路212に入力して遅延を付加し、撮像基板201を介して回路基板200に送信して、カウンタクロックpCnCL2としてカウンタ208に出力する。これにより、回路基板200から撮像基板201に送信する信号の本数を減らすことができる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。図9は、本実施形態に係る遅延回路213を加えた参照信号発生回路207の構成の変形例を示す図である。なお、図9においては、図7と同じ符号を用いて参照信号発生回路207の構成を説明する。本変形例における参照信号発生回路207には、タイミング回路205が生成し、撮像基板201に送信された信号処理制御信号が入力される。この時、入力された信号処理制御信号は、遅延回路213に入力されて、所定の遅延を付加される。遅延回路213は、タイミング回路205からランプ波クロックpReCA及びカウンタクロックpCnCAを受信し、その受信したランプ波クロックpReCA及びカウンタクロックpCnCAを遅延させる。そして、所定の遅延を付加された信号処理制御信号のうちのランプ波の参照信号を生成する制御信号により、DA変換回路211がランプ波の参照信号を生成し、比較器206に出力する。すなわち、DA変換回路211は、遅延回路213により遅延されたランプ波クロックを基に参照信号を生成する。また、所定の遅延を付加された信号処理制御信号のうちのカウンタ208を制御する信号は、遅延回路212に入力されて、さらに追加の遅延を付加された後、信号221として回路基板200のカウンタ208に出力される。遅延回路212は、遅延回路213により遅延されたカウンタクロックを遅延させて回路基板200のカウンタ208に送信する。カウンタ208は、遅延回路212から受信したカウンタクロックを基に、比較器206から受信した比較結果信号を基にカウントを行う。
ここで、本変形例においては、画素信号Asigに遅延が発生した場合を例にして説明する。図8(a)で説明した画素信号Asigは、安定した信号として示していた。しかしながら、例えば、画素Pから列信号線214に読み出され、比較器206に入力される画素信号は、タイミング回路205が発生し、デコーダ204及び垂直駆動回路203を介した画素制御信号による制御を受けて読み出される。この時に、回路基板200内のデコーダ204や撮像基板201内の垂直駆動回路203における信号遅延の影響を受けることがある。そこで、画素信号Asigが遅延して、安定する前にランプ波の参照信号が発生してしまう可能性がある。
これに対して、図9の参照信号発生回路207の構成において、タイミング回路205が生成する信号処理制御信号を用いて、あらかじめ測定しておいた画素信号Asigの遅延量、あるいは、回路設計時の動作遅延量の見込み値を遅延回路213に対して設定する。これにより、画素信号Asigが安定した後にランプ波の参照信号を発生させること、すなわち、図8(a)の状態での動作が可能となるので、画素信号Asigの遅延を考慮した制御が可能であることがわかる。
以上のように、アナログデジタル変換回路は、撮像基板201の比較器206と回路基板200のカウンタ208を有する。回路基板200のタイミング回路205は、信号処理制御信号を生成し、その生成した信号処理制御信号を、撮像基板201の参照信号発生回路207に送信して比較器206を制御する。参照信号発生回路207は、受信した信号処理制御信号を回路基板200のカウンタ208に送信してカウンタ208を制御する。これにより、回路基板200及び撮像基板201間の制御信号の遅延と撮像基板201から回路基板200に送信される比較器206の反転比較結果信号の遅延を相殺させることができる。これにより、回路基板200及び撮像基板201間をまたぐ比較器206の反転比較結果信号の時間方向の変動を抑えることが可能となる。
また、撮像基板201に送信された信号処理制御信号に対して遅延回路212により遅延を付加して回路基板200のカウンタ208に送信することで、回路基板200及び撮像基板201内で発生する信号遅延を補償した制御が可能となっている。さらに、回路基板200から撮像基板201に送信された信号処理制御信号を、参照信号発生回路207の制御信号とカウンタ208の制御信号に共通に用いることで、回路基板200から撮像基板201に送信する信号処理制御信号の本数を減らすことができる。
そして、本変形例では、撮像基板201に送信された信号処理制御信号に対して遅延回路213により遅延を付加して参照信号発生回路207の制御信号に用いることで、画素部202から読み出される画素信号に発生する遅延を補償した制御が可能となっている。
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
200 回路基板、201 撮像基板、202 画素部、205 タイミング回路、206 比較器、207 参照信号発生回路、208 カウンタ

Claims (15)

  1. 第1の半導体基板と、
    第2の半導体基板とを有し、
    前記第1の半導体基板は、
    各々が光電変換により画素信号を生成する複数の画素と、
    第1の信号処理回路とを有し、
    前記第2の半導体基板は、
    タイミング回路と、
    第2の信号処理回路とを有し、
    前記タイミング回路は、第1の制御信号を前記第1の半導体基板に送信し、第2の制御信号を前記第1の半導体基板を介して前記第2の信号処理回路に送信し、
    前記第1の信号処理回路は、前記タイミング回路から受信した第1の制御信号を基に、前記画素の画素信号を基に処理し、第1の信号を前記第2の半導体基板に送信し、
    前記第2の信号処理回路は、前記第1の半導体基板から受信した第2の制御信号を基に、前記第1の信号処理回路から受信した第1の信号を基に処理することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記第1の信号処理回路及び前記第2の信号処理回路は、前記画素の画素信号をアナログからデジタルに変換するアナログデジタル変換回路であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. さらに、前記第1の制御信号を基に、時間に対してレベルが変化する参照信号を生成する参照信号発生回路を有し、
    前記第1の信号処理回路は、前記画素信号と前記参照信号を比較する比較器であり、
    前記第2の信号処理回路は、前記比較器の出力信号が反転するまでのカウント値を保持するカウンタであることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 前記第2の制御信号は、カウンタクロックであり、
    前記カウンタは、前記カウンタクロックに同期してカウントを行うことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記第2の制御信号は、カウンタイネーブル信号であり、
    前記カウンタは、前記カウンタイネーブル信号を基にカウントを開始することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  6. 前記第2の制御信号は、カウンタスタート信号であり、
    前記カウンタは、前記カウンタスタート信号を基にカウントを開始することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  7. 前記第1の制御信号は、参照信号クロックであり、
    前記参照信号発生回路は、前記参照信号クロックを基に前記参照信号のレベルを変化させることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
  8. 前記第1の制御信号は、参照信号イネーブル信号であり、
    前記参照信号発生回路は、前記参照信号イネーブル信号を基に前記参照信号のレベル変化を開始させることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
  9. 前記第1の制御信号は、参照信号スタート信号であり、
    前記参照信号発生回路は、前記参照信号スタート信号を基に前記参照信号のレベル変化を開始させることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
  10. 前記第1の制御信号と前記第2の制御信号は、相互に同じ信号であり、
    前記タイミング回路は、前記第1の制御信号と前記第2の制御信号を共通の信号として前記第1の半導体基板に送信することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の撮像装置。
  11. 前記第1の半導体基板は、前記タイミング回路から前記第2の制御信号を受信し、前記受信した第2の制御信号を遅延させ、前記遅延させた第2の制御信号を前記第2の半導体基板に送信する第1の遅延回路を有し、
    前記第2の信号処理回路は、前記第1の遅延回路から受信した第2の制御信号を基に、前記第1の信号処理回路から受信した第1の信号を基に処理することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の撮像装置。
  12. 前記第1の半導体基板は、
    前記タイミング回路から前記第1の制御信号及び第2の制御信号を受信し、前記受信した第1の制御信号及び第2の制御信号を遅延させる第1の遅延回路と、
    前記第1の遅延回路により遅延された第2の制御信号を遅延させて前記第2の半導体基板に送信する第2の遅延回路とを有し、
    前記第1の信号処理回路は、前記第1の遅延回路により遅延された第1の制御信号を基に、前記画素の画素信号を基に処理し、第1の信号を前記第2の半導体基板に送信し、
    前記第2の信号処理回路は、前記第2の遅延回路から受信した第2の制御信号を基に、前記第1の信号処理回路から受信した第1の信号を基に処理することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の撮像装置。
  13. 前記第1の半導体基板は、
    前記タイミング回路から前記第1の制御信号及び第2の制御信号を受信し、前記受信した第1の制御信号及び第2の制御信号を遅延させる第1の遅延回路と、
    前記第1の遅延回路により遅延された第2の制御信号を遅延させて前記第2の半導体基板に送信する第2の遅延回路とを有し、
    前記参照信号発生回路は、前記第1の遅延回路により遅延された第1の制御信号を基に前記参照信号を生成し、
    前記カウンタは、前記第2の遅延回路から受信した第2の制御信号を基にカウントを行うことを特徴とする請求項3乃至9のいずれか1項に記載の撮像装置。
  14. 前記第1の半導体基板と前記第2の半導体基板は互いに積層されることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の撮像装置。
  15. 第1の半導体基板と、
    第2の半導体基板とを有し、
    前記第1の半導体基板は、
    各々が光電変換により画素信号を生成する複数の画素と、
    第1の信号処理回路とを有し、
    前記第2の半導体基板は、
    タイミング回路と、
    第2の信号処理回路とを有する撮像装置の制御方法であって、
    前記タイミング回路により、第1の制御信号を前記第1の半導体基板に送信し、第2の制御信号を前記第1の半導体基板を介して前記第2の信号処理回路に送信するステップと、
    前記第1の信号処理回路により、前記タイミング回路から受信した第1の制御信号を基に、前記画素の画素信号を基に処理し、第1の信号を前記第2の半導体基板に送信するステップと、
    前記第2の信号処理回路により、前記第1の半導体基板から受信した第2の制御信号を基に、前記第1の信号処理回路から受信した第1の信号を基に処理するステップと
    を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112449134A (zh) * 2019-09-02 2021-03-05 三星电子株式会社 图像传感器、地址解码器以及图像处理系统

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