JP2018147390A - 異常波形検知システム、異常波形検知方法、及び波形分析装置 - Google Patents

異常波形検知システム、異常波形検知方法、及び波形分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】装置の異常を迅速に検知するために波形を正確に抽出する異常波形検知システムを提供する。【解決手段】波形分析装置は、基準波形のうち、所定の条件が満たされている部分であるイベント点を取得すると共に、イベント点が属する周期内に存在し、その値が所定の変化を示す特異点を抽出する基準部分取得部215と、対象波形の一部にイベント点に対応している部分がある場合に、当該部分を対応イベント点として取得すると共に、対応イベント点が属する対象波形の周期内に存在する、基準波形の特異点に対応する対応特異点を検出する対象波形解析部219と、これら4点及び基準波形に基づいて生成した補正波形と新たに取得した対象波形との間の相違度を算出する相違度算出部2101と、相違度に基づき、新たに取得した対象波形に異常があるか否かを判定する異常判定部2102と、異常の判定に関する情報を出力するアラート出力部2111とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、異常波形検知システム、異常波形検知方法、及び波形分析装置に関する。
製造業においては、工場などの設備に対する予防保全の要求の高まりによりIoT化(IoT: Internet of Things)が進み、装置などに設けられたセンサから様々なデータが収集、蓄積されている。製造業においては、同じ動作を繰り返し行う装置が多いので、このような装置に設けられたセンサから時系列に得られる測定値は、装置の動作に同期して、同じ変動を繰り返す。したがって、このような装置の動作の周期に合わせて測定値の時系列データを抽出すると、各周期で同様の波形が得られる。すなわち、センサから取得された時系列データには、装置の動作と同期して同じ波形が繰り返し出現する。このように繰り返し出現する波形を分析することにより、装置の異常を検知する技術が進んでいる。したがって、装置の異常を検知するためには、予め学習された繰り返し出現する波形を基準の波形として蓄積しておき、この蓄積された基準の波形と測定値とを比較し、繰り返し出現する測定値の波形を正確に抽出する必要がある。
しかし、装置によっては、季節、天気、装置にかかる電圧の変化、又は装置を稼動させてからの経過時間などにより、同じ動作を行ってもその動作に要する時間が異なるため、センサの測定値の振れ幅などが変化し、その結果、得られる波形も、例えば時間軸方向や測定値軸方向に伸縮することになる。したがって、このように伸縮した波形は、たとえ装置が正常に動作している場合でも基準の波形とは異なってしまうので、装置の状態を正確に判断することもできなくなってしまう。
そこで、上記のように伸縮した波形の異常を正しく判断するために、特許文献1では、過去に蓄積された分析対象の時系列データを、時間軸方向及び測定値軸方向に伸縮させると共に、抽出するべき波形を示す参照波形との比較を、時系列データのどの時点を始点として行うかを変化させて、参照波形と時系列データとの間の類似度を算出し、類似度が最も高い伸縮比と始点の組を求めることで、時系列データから繰り返し出現する波形を正確に抽出する方法が提案されている(第5−第6頁、図3−図6参照)。
特開2014−41453号公報
しかし、特許文献1では、波形を抽出するために必要な類似度、波形の伸縮比、及び始点の算出には、全ての波形データを取得しておく必要があり、少なくとも波形の周期に相当する時間が必要になる。このため、類似度などの算出には多くの時間を要することになり、波形の異常の検知にも時間を要することになる。
本発明はこのような背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、波形の異常を迅速に検知することが可能な、異常波形検知システム、異常波形検知方法、及び波形分析装置を提供することにある。
上記問題を解決するための本発明の一つは、所定の周期で値が変化する、基準となる波
形である基準波形に基づき、対象となる波形である対象波形の異常を検知する、プロセッサ及びメモリを備える異常波形検知システムであって、前記基準波形のうち、所定の条件が満たされている前記基準波形の部分であるイベント点を取得すると共に、前記取得したイベント点が属する周期内に存在し、その値が所定の変化を示す前記基準波形の部分である特異点を抽出する基準部分取得部と、前記対象波形を取得する対象波形取得部と、前記取得した対象波形の一部に前記イベント点に対応している部分があるか否かを判断し、前記イベント点に対応している部分があると判断した場合に、当該部分を対応イベント点として取得すると共に、前記対応イベント点が属する前記対象波形の周期内に存在する、前記基準波形の特異点に対応する前記対象波形の部分を対応特異点として検出する対象波形解析部と、前記取得した基準波形のイベント点、前記抽出した基準波形の特異点、前記取得した対象波形の対応イベント点、及び、前記検出した対象波形の対応特異点に基づき、前記基準波形を補正した波形である補正波形を生成し、生成した前記補正波形と、新たに取得した前記対象波形との間の相違度を算出する相違度算出部と、前記算出した相違度に基づき、前記新たに取得した対象波形に異常があるか否かを判定する異常判定部と、前記異常の判定に関する情報を出力するアラート出力部と、を備える。
本発明によれば、波形の異常を迅速に検知することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
図1は、実施例1に係る異常波形検知システム1の構成の一例を説明する図である。 図2は、監視対象装置105及びセンサ104の関係の一例を説明する図である。 図3は、波形分析装置101が備えるハードウェア及び機能の一例を説明する図である。 図4はデータ格納装置102が備えるハードウェア及び機能の一例を説明する図である。 図5は、基準波形データテーブル306の一例を示す図である。 図6は、基準波形特徴量登録テーブル307の一例を示す図である。 図7は、本実施例における基準波形の一例を示した図である。 図8は、測定ログテーブル308の一例を示す図である。 図9は、現波形測定ログテーブル309の一例を示す図である。 図10は、現波形特徴量テーブル310の一例を示す図である。 図11は、波形ログテーブル311の一例を示す図である。 図12は、基準波形登録画面1001の一例を示す図である。 図13は、異常波形検知処理の一例を説明するシーケンス図である。 図14は、対象波形分析処理の一例を説明するフローチャートである。 図15は、対象波形分析処理の一例を説明するフローチャートである。 図16は、対象波形分析処理を説明するための、基準波形及び対象波形の一例を示す図である。 図17は、対象波形分析処理において、時系列的に変化する各波形を表示する画面の一例を示す図である。 図18は、実施例2に係る基準波形データテーブル306の一例を示す図である。 図19は、実施例2に係る基準波形特徴量登録テーブル307の一例である。 図20は、センサ登録画面の一例を示す図である。 図21は、監視センサ104A及び基準波形を対応づけて記憶したセンサ基準波形対応テーブル1801の一例を示す図である。 図22は、イベント点が対象波形の始点と異なる場合における、基準波形1901と対象波形1902の関係の一例を示す図である。 図23は、実施例3に係る対象波形分析処理の一例を説明する図である。 図24は、実施例4に係る対象波形分析処理の一例を示すフローチャートである。 図25は、実施例4に係る対象波形分析処理の一例を示すフローチャートである。 図26は、対象波形分析処理において出力される画面の一例を示す図である。 図27は、実施例5が前提とする、イベント点と特異点との関係を説明する図である。 図28は、本実施例における基準波形特徴量登録テーブル307の一例を示す図である。 図29は、本実施例の対象波形分析処理のうち、実施例1のs1301〜s1306に代わって行われる処理を説明するフローチャートである。 図30は、実施例6に係る高周波成分除去部221の原理を説明する図である。 図31は、実施例7に係る波形の処理方法の原理を説明する図である。 図32は、本実施例における基準波形データテーブル306の一例を示す図である。 図33は、本実施例における基準波形特徴量登録テーブル307の一例を示す図である。 図34は、上波形及び下波形の情報を記憶する上下値登録テーブル3001の一例を示す図である。 図35は、実施例8に係る波形の処理方法の原理を説明する図である。 図36は、波形分析装置101が監視対象装置105にフィードバックを行う処理の一例を示すシーケンス図である。
以下、本発明の各実施例を図面を用いて説明する。なお、以下の実施例において、要素の数など(例えば、個数、数値、量、又は範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
また、以下の実施例において、その構成要素(例えば、各機能、テーブル、又は要素ステップなどを含む)は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合などを除き、必ずしも必須のものではない。
また、以下に示した実施例は単独で適用してもよいし、複数もしくはすべての実施例を組み合わせて適用してもよい。
−−実施例1−−
<システム構成>
図1は、実施例1に係る異常波形検知システム1の構成の一例を説明する図である。異常波形検知システム1は、例えば、工場に設置されている各装置の状態監視システムとして設けられる。
異常波形検知システム1は、監視対象装置105と、監視センサ104A(以下、セン
サ1という場合もある)と、イベントセンサ104B(以下、センサ2という場合もある)と、波形分析装置101と、データ格納装置102と、入出力装置103とを含んで構成されている。波形分析装置101、データ格納装置102、入出力装置103、監視センサ104A、及びイベントセンサ104Bの間は、ネットワーク106によって通信可能に接続されている。なお、ネットワーク106は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、イントラネット、専用線、携帯電話網、光ファイバなどの、有線又は無線の通信線又は通信網を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。例えば、前記の各装置又はセンサの間の一部又は全部は、無線又は有線により直接接続してもよい。
監視対象装置105は、例えば、製品の製造に使用されている各種の装置であり、周期的な動作を繰り返す装置である。監視対象装置105は、具体的には、プレス機、NC工作機械、真空ポンプ、ロボットアームなどからなる、少なくとも1台以上の装置(群)である。なお、この監視対象装置105は、ネットワーク106に接続されていても、されていなくてもよい。また、ネットワーク106以外のネットワークに接続されていてもよい。
監視センサ104Aは、例えば、電流計、振動計、又は騒音計などであり、対応する監視対象装置105の周期的な動作を監視している。監視センサ104Aは監視対象装置105に接続され、又は監視対象装置105の近傍に設置される。監視センサ104Aは、例えば、監視対象装置105の内部に流れている電流、監視対象装置105の振動、又は監視対象装置105が発する音(例えば、騒音)など、周期的に変化する物理量等(例えば、電流値、振動値、又は騒音値など)を随時測定し、これらの測定値の時系列データを取得する。
なお、監視センサ104Aが取得するこのような時系列のデータを、以下では、対象波形という。
本実施例の異常波形検知システム1は、この対象波形の異常を検知する。そして、この対象波形の異常を検知するための基準となる波形として、後述する基準波形が用いられる。
基準波形は、予め所定のセンサにより測定された電流値、振動値、又は騒音値等の時系列データによる波形である。この波形は、例えば、監視対象装置105が正常に動作している際に予め取得された、基準となる、監視センサ104Aの波形である。
この基準波形は、対象波形と同様、周期的に変化する波形である。しかし、対象波形の周期は、季節、天気、装置にかかる電圧の変化、又は装置を稼動させてからの経過時間など、監視対象装置105の状態やその環境によって、基準波形の周期と異なることがある。
本実施例の異常波形検知システム1は、このように、所定の周期で値が変化する、基準となる波形である基準波形に基づき、対象となる波形である対象波形の異常を検知する。
次に、イベントセンサ104Bは、位置センサ、角度センサ、又は通過センサなどであり、これらの測定値に基づき、所定の条件が満たされたか否かを検出する。そして、イベントセンサ104Bは、この所定の条件が満たされたことをイベントとして検出し、その旨を示す情報(以下、イベント通知という)を波形分析装置101に送信する。
なお、前記のイベントにおける所定の条件とは、例えば、監視対象装置105の動作に
関する条件である。例えば、イベントセンサ104Bは、監視対象装置105の周期的な動作(例えば、プレス機の上下運動、歯車の回転運動、又はロボットアームの動作といった周期的な動作)を監視し、これらの装置の所定の部位が所定の位置を通過した時にこれをイベントとして検知する。
監視対象装置105は前述のように周期的な動作を行うので、イベントセンサ104Bが測定する測定値の時系列データも周期的な波形となる。したがって、イベントセンサ104Bがイベントを検知するタイミングも周期的なタイミングとなる。
なお、監視センサ104A及びイベントセンサ104B(以下、両者をあわせてセンサ104という)は、例えば、監視対象装置105の振動、電流、騒音、角度、又は位置などを随時測定する機能と、それらの測定値をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換機能と、変換したデータを時系列のデータとし、ネットワーク106を介して波形分析装置101に送信する通信機能とを有する。
なお、監視センサ104A及びイベントセンサ104Bのそれぞれは、1台であってもよいし、複数台であってもよい。
次に、波形分析装置101は、波形を分析する情報処理装置であり、監視センサ104Aが送信した時系列データをネットワーク106を介して受信し、受信した時系列データと、データ格納装置102から読み出したデータとを用いて、監視対象装置105の異常を検出する。
また、波形分析装置101は、イベントセンサ104Bから送信されてきたイベント通知を受信することにより、イベントを検出する。
なお、波形分析装置101による、データ格納装置102に格納されたデータの読み出し及び書き込みは、通常の手順に従った処理であるので、詳細な説明は省略する。また、データの読み出し及び書き込みの際に発生する、波形分析装置101とデータ格納装置102の間の通信処理の詳細な説明も省略する。本実施例では、波形分析装置101が主体となって、データの読み出し及び書き込みを行うものとして記述する。
入出力装置103は、ユーザによる情報の入力を受け付け、又は所定の画面を表示してユーザに提示する情報処理装置であり、波形分析装置101、及びデータ格納装置102と通信可能に接続している。
データ格納装置102は、データの書き込み及び読み出しを行うための情報処理装置(例えば、外部記憶装置)であり、波形分析装置101、及び入出力装置103に接続されている。データ格納装置102は、各センサ104から受信したデータなどを記録する、後述のデータテーブルを備える。
なお、図1に示した構成は一例であり、波形分析装置101とデータ格納装置102は別々の装置として構成されてもよいし、同一装置であってもよい。また、これらの装置は、クラウド(例えば、異常波形検知システム1と通信可能に接続されている他のネットワーク上のサーバ)などに設けられてもよい。また、データ格納装置102が記憶する情報の一部又は全ては、波形分析装置101に記憶してもよい。また、波形分析装置101及びデータ格納装置102はそれぞれ一台でもよいし、複数台あってもよい。また、波形分析装置101及びデータ格納装置102は複数の装置で構成されていてもよい。
<監視対象装置及びセンサの関係>
次に、異常波形検知システム1における監視対象装置105及びセンサ104の関係を具体的に説明する。
図2は、監視対象装置105及びセンサ104の関係の一例を説明する図である。同図に示すように、監視対象装置105の一例であるロボットアーム1051は、ロボットアーム1051に隣接して設置された台110から部品109を取り出し、ベルトコンベア107上の部品108に装着する。
監視センサ104Aは、ロボットアーム1051に設置された振動センサであり、ネットワーク106に設けられたゲートウェイ装置111と通信可能に接続されている。監視センサ104Aは、ロボットアーム1051の振動を測定し、その測定値、測定日時、及び監視センサ104Aの識別情報を、ゲートウェイ装置111及びネットワーク106を介して、波形分析装置101に送信する。監視センサ104Aの測定値は、前記のように時系列データである。
イベントセンサ104Bは通過センサであり、ゲートウェイ装置111に通信可能に接続されている。イベントセンサ104Bは、ロボットアーム1051が特定の位置を通過した時に、これをイベントとして検出し、ゲートウェイ装置111及びネットワーク106を介して、波形分析装置101にイベント通知を送信する。
次に、波形分析装置101が備えるハードウェア及び機能について説明する。
<波形分析装置101のハードウェア及び機能>
図3は、波形分析装置101が備えるハードウェア及び機能の一例を説明する図である。波形分析装置101は、ハードウェアとして、CPU(Central Processing Unit)等
のプロセッサ201、入力装置(例えば、キーボード、マウス、又はタッチパネル)や出力装置(例えば、モニタ(すなわちディスプレイ))と接続されている入出力インタフェース202(図3ではI/Oと表記)、他の装置と通信を行うためのネットワークインタフェース205(図3ではネットワークI/Fと表記)、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶領域を備えるメモリ203、及び、SSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)などの記憶領域を備える二次記憶デバイス204を含んで構成されている。プロセッサ201、入出力インタフェース202、メモリ203、二次記憶デバイス204、及びネットワークインタフェース205は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。なお、メモリ203に格納されたデータは、例えば、永続的にデータを記憶するために二次記憶デバイス204にも格納される。
次に、波形分析装置101は、基準波形登録部206、基準部分取得部215、測定値受信部208、対象波形取得部217、対象波形解析部219、高周波成分除去部221、補助波形生成部223、波形分析部210、及び画面表示部211の各機能を備える。
基準波形登録部206は、基準波形を登録する。
基準部分取得部215は、前記基準波形のうち、所定の条件が満たされている前記基準波形の部分であるイベント点を取得すると共に、前記抽出したイベント点が属する周期内に存在し、その値が所定の変化(例えば、極大値、極小値、符号の変化、又は特定の値との一致など)を示す前記基準波形の部分である特異点を抽出する。
なお、前記基準波形のイベント点は、所定の装置が所定の動作を行った際の前記基準波形の部分である。
また、前記特異点は、前記基準波形のうち、その値が例えば極大値、極小値、符号の変
化点、又は予め設定された値などである部分である。
基準部分取得部215は、基準波形から抽出した上記部分の一つ以上を特異点として選択することにより、基準波形内にイベント点及び特異点が含まれるようにする。
測定値受信部208は、監視センサ104Aが送信した測定値の時系列データ(すなわち、対象波形)を受信し、受信した時系列データを、後述する現測定ログテーブル309に記録する。
対象波形取得部217は、前記対象波形を取得する。
具体的には、前記対象波形取得部217は、前記所定の装置が周期的に行った動作に関する測定値を前記対象波形の値として取得する。
なお、前記基準波形及び前記対象波形はそれぞれ、所定の周期で値が時間変化する旨が表現されている波形である。
対象波形解析部219は、前記取得した対象波形の一部に前記イベント点に対応している部分があるか否かを判断し、前記イベント点に対応している部分があると判断した場合に、当該部分を対応イベント点として取得すると共に、前記対応イベント点が属する前記対象波形の周期内に存在する、前記基準波形の特異点に対応する前記対象波形の部分を対応特異点として検出する。
なお、対応イベント点及び対応特異点は、それぞれイベント点及び特異点に対応して、対象波形が正常であれば、対象波形の同一周期内に必ず存在する。
なお、前記対象波形解析部219は、前記対応特異点が取得されなかった場合に、その旨を示す情報を出力する。
具体的には、対象波形解析部219は、イベント検出部207及び特異点算出部209を備える。
イベント検出部207は、対応イベント点を取得することによってイベントを検出し、所定のタイマの設定及びインターラプト処理(詳細は後述)を行う。特異点算出部209は、対象波形の対応特異点の算出、及びイベント検出部207が設定したタイマの解除を行う。
高周波成分除去部221は、任意に設けられる機能である。高周波成分除去部221は、後述の実施例において説明する。
補助波形生成部223は、任意に設けられる機能である。補助波形生成部223は、後述の実施例において説明する。
波形分析部210は、基準波形、及び対象波形に基づき、対象波形の異常を検出する。具体的には、波形分析部210は、相違度算出部2101、異常判定部2102、及びフィードバック部2103を備える。
相違度算出部2101は、前記取得した基準波形のイベント点、前記抽出した基準波形の特異点、前記取得した対象波形の対応イベント点、及び、前記検出した対象波形の対応特異点に基づき、前記基準波形を補正した波形である補正波形を生成し、生成した前記補
正波形と、新たに取得した前記対象波形との間の相違度(以下、異常度ともいう)を算出する。
具体的には、例えば、前記相違度算出部2101は、前記対応イベント点と前記対応特異点との間の時間差と、前記特異点と前記イベント点との間の時間差との比(以下、時間軸方向伸縮比という)に基づく前記補正波形を生成し、生成した前記補正波形に基づき前記相違度を算出する。
また、例えば、前記相違度算出部2101は、前記対応特異点の値と、前記特異点の値との比(以下、測定値軸方向伸縮比という)に基づく前記補正波形を生成し、生成した前記補正波形に基づき前記相違度を算出する。また、測定値軸方向伸縮比は、前記対応イベント点の値と前記イベント点の値の比を用いてもよい。
異常判定部2102は、前記算出した相違度に基づき、前記新たに取得した対象波形に異常があるか否かを判定する。
例えば、前記異常判定部2102は、前記イベント点及び前記特異点に基づき前記対象波形の許容範囲を算出し、前記新たに取得した前記対象波形が前記算出した許容範囲内にない場合に、前記新たに取得した前記対象波形に異常があると判定する。
フィードバック部2103は、任意に設けられる機能である。フィードバック部2103は、後述の実施例において説明する。
以上に説明した波形分析部210による各波形の分析は、例えば、後述するユークリッド距離に基づく解析、又は相関分析などにより行われる。
画面表示部211は、入出力装置103に出力(すなわち、表示)する画面に関する処理を行う。具体的には、画面表示部211は、アラート出力部2111、及び入力画面出力部2112を備える。
アラート出力部2111は、前記異常の判定に関する情報を出力する。
例えば、前記アラート出力部2111は、前記基準波形及び前記相違度に基づき算出された波形と、前記取得した対象波形とを共に出力し、又は、前記対象波形及び前記相違度に基づき算出された波形と、前記基準波形とを共に出力する。
入力画面出力部2112は、前記基準波形の入力を受け付けるための画面を出力する。
なお、画面表示部211は、例えば、入出力装置103に設けられていてもよい。
次に、データ格納装置102が備えるハードウェア及び機能について説明する。
<データ格納装置102が備えるハードウェア及び機能>
図4はデータ格納装置102が備えるハードウェア及び機能の一例を説明する図である。データ格納装置102は、ハードウェアとして、CPU(Central Processing Unit)
等のプロセッサ301、入力装置(例えば、キーボード、マウス、又はタッチパネル)や出力装置(例えば、モニタ(すなわちディスプレイ))と接続されている入出力インタフェース302(図4ではI/Oと表記)、他の装置と通信を行うためのネットワークインタフェース305(図4ではネットワークI/Fと表記)、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶領域を備えるメモリ303、及び、SSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶領域を備える二次記憶デバイス304を含んで構成されている。プロセッサ301、入出力インタフェース302、メモリ303、二次記憶デバイス304、及びネットワークインタフェース305は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
次に、データ格納装置102は、基準波形データテーブル306、基準波形特徴量登録テーブル307、測定ログテーブル308、現波形測定ログテーブル309、現波形特徴量テーブル310、及び波形ログテーブル311を記憶している。
ここで、各テーブルの詳細を説明する。
<基準波形データテーブル>
図5は、基準波形データテーブル306の一例を示す図である。基準波形データテーブル306は、各基準波形を識別するための情報(以下、基準波形IDという)が格納される基準波形識別情報401、基準波形識別情報401が示す基準波形の始点(すなわち、基準波形の周期の始点。なお、以下では、断りの無い限り、始点とは波形の周期の始点を指すものとする。)からの経過日時、又は経過時間(以下、日時という)が格納される時刻402、及び、時刻402が示す日時における基準波形の測定値が格納される測定値403の各項目を有する、少なくとも1つ以上のエントリ(すなわち、レコード)で構成される。なお、同図では基準波形が一つ(本実施例においては、「基準波形A」)の場合を示しているが、複数の基準波形が存在する場合もある。
<基準波形特徴量登録テーブル>
図6は、基準波形特徴量登録テーブル307の一例を示す図である。同図に示すように、基準波形特徴量登録テーブル307は、基準波形IDが格納される基準波形識別情報501、時間軸方向伸縮比として許容される最小値(以下、時間軸方向最小伸縮比という)が格納される最小値502、時間軸方向伸縮比として許容される最大値(以下、時間軸方向最大伸縮比という)が格納される最大値503、測定値軸方向伸縮比として許容される最小値(以下、測定値軸方向最小伸縮比という)が格納される最小値504、測定値軸方向伸縮比として許容される最大値(以下、測定値軸方向最大伸縮比という)が格納される最大値505、イベント点の日時(以下、イベント点日時という。本明細書では、基準波形の始点からの経過日時、又は経過時間。)が格納されるイベント位置506(同図の例では「0」、すなわち始点)、特異点の種類(例えば、極大値、極小値、測定値の符号変化点、又は測定値が特定の値になる点など)を示す情報が格納されるタイプ507、タイプ507が示す特異点の日時(以下、特異点日時という。本明細書では、基準波形の始点からの経過日時、又は経過時間)が格納される発生時刻508、及び、発生時刻508が示す日時における基準波形の値(すなわち、測定値)が格納される測定値509の各項目を有する、少なくとも1つ以上のエントリ(すなわち、レコード)で構成される。
なお、図7は、本実施例における基準波形の一例を示した図である。同図に示すように、この基準波形1201は、周期Tmの波形であり、イベント点1205及び特異点1204を有する。イベント点1205のイベント点日時は0、特異点1204の特異点日時はTi、特異点1204の値はAiである。
本実施例では、このように、イベント点日時と、始点の日時(すなわち、基準波形の始点の日時であり、本明細書においては0)とが一致しているものとする。
なお、以下では、前述の基準波形データテーブル306、及び基準波形特徴量登録テーブル307の内容をあわせて基準波形情報という。
<測定ログテーブル>
図8は、測定ログテーブル308の一例を示す図である。測定ログテーブル308は、
監視センサ104Aを識別する情報(以下、センサIDという)が格納されるセンサ識別情報601、日時(すなわち、日付及び時刻)の情報が格納される日時602、及び、日時602が示す日時に測定された、センサ識別情報601が示すセンサの測定値が格納される測定値603の各項目を有する、少なくとも1つ以上のエントリ(すなわち、レコード)で構成される。このように、測定ログテーブル308は、監視センサ104Aの測定データを時系列に記憶している。
<現波形測定ログテーブル>
図9は、現波形測定ログテーブル309の一例を示す図である。現波形測定ログテーブル309は、測定ログテーブル308の内容を蓄積したデータベースであり、センサIDが格納されるセンサ識別情報701、センサ識別情報701が示す監視センサ104Aの測定値により表される対象波形を識別する情報(以下、対象波形IDという)が格納される測定波形識別情報702、日時の情報が格納される日時703、及び、センサ識別情報701が示すセンサの測定値が格納される測定値704の各項目を有する、少なくとも1つ以上のエントリ(すなわち、レコード)で構成される。
<現波形特徴量テーブル>
図10は、現波形特徴量テーブル310の一例を示す図である。現波形特徴量テーブル310は、センサIDが格納されるセンサ識別情報801、対象波形IDが格納される測定波形識別情報802、対象波形の各始点の日時を示す情報が格納される始点日時803、測定波形識別情報802が示す対象波形の時間軸方向伸縮比を示す情報が格納される時間軸方向伸縮比804、及び、測定波形識別情報802が示す対象波形の異常度を示す情報が格納される異常度805の各項目を有する、少なくとも1つ以上のエントリ(すなわち、レコード)で構成される。
<波形ログテーブル>
図11は、波形ログテーブル311の一例を示す図である。波形ログテーブル311は、現波形特徴量テーブル310の内容を蓄積したデータベースであり、センサIDが格納されるセンサ識別情報901、対象波形IDが格納される測定波形識別情報902、対象波形の各始点の日時を示す情報が格納される始点日時903、対象波形の終点(すなわち、対象波形の周期の終点。なお、以下では、断りのない限り、終点とは波形の終点を表すものとする。)の日時を示す情報が格納される終点日時904、測定波形識別情報902が示す対象波形の時間軸方向伸縮比が格納される時間軸方向伸縮比905、及び、測定波形識別情報902が示す対象波形の異常度が格納される異常度906の各項目を有する、少なくとも1つ以上のエントリ(すなわち、レコード)で構成される。
なお、上述した各テーブルの構成は一例であり、必ずしもこの構成に従う必要はなく、必要に応じて項目の追加や削除を行ってもよい。
以上に説明した各情報処理装置の機能は、各情報処理装置のハードウェアによって、もしくは、各情報処理装置のプロセッサが、プロセッサやメモリに記憶されている各プログラムを読み出して実行することにより実現される。
また、これらのプログラムは、例えば、二次記憶デバイスや不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSDなどの記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVDなどの、計算機で読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納されていてもよい。
<処理>
次に、異常波形検知システム1において行われる処理について説明する。
まず、異常波形検知システム1は、管理者等による基準波形情報の登録を受け付ける処理を行い、続いて、受け付けた基準波形情報に基づき、対象波形の異常を検知する処理を行う。
まず、基準波形情報の登録について説明する。基準波形情報は、システム管理者等により予め、入出力装置103を介して設定される。ここで、基準波形情報の設定、登録を行うための画面(以下、基準波形登録画面という)について説明する。
<基準波形登録画面>
図12は、基準波形登録画面1001の一例を示す図である。基準波形登録画面1001は、基準波形識別情報の入力部1002、基準波形データの入力部1003、基準波形特徴量の入力部1004、登録ボタン1005、及びキャンセルボタン1006を含んで構成される。なお、基準波形登録画面1001は、例えば、波形分析装置101又は入出力装置103のディスプレイなどに出力される。
基準波形識別情報の入力部1002は、既に登録されている基準波形の選択、又は新たな基準波形の登録を受け付ける。
基準波形データの入力部1003は、各情報処理装置に記録されているファイルを指定することにより、そのファイルから、基準波形情報のうち基準波形データテーブル306に記録されている情報に相当する情報を取得する。また、基準波形データの入力部1003は、ユーザから、基準波形データテーブル306に記録されている情報に相当する情報の入力を受け付ける。
基準波形特徴量の入力部1004は、各装置に記録されているファイルを指定することにより、そのファイルから、基準波形情報のうち基準波形特徴量登録テーブル307に記録されている情報に相当する情報を取得する。また、基準波形特徴量の入力部1004は、ユーザから情報の入力を受け付ける。
登録ボタン1005は、基準波形情報の登録を実行する。すなわち、登録ボタン1005にユーザから入力がなされると、基準波形データの入力部1003に入力された情報が基準波形データテーブル306に登録され、基準波形特徴量の入力部1004に入力された情報が基準波形特徴量登録テーブル307に登録される。なお、これらの登録において、既に各テーブルに登録されている情報がある場合は、この既に登録されている情報を削除した上で登録がなされてもよいし、上書きする旨を確認した後で登録がなされてもよい。
キャンセルボタン1006は、基準波形情報の登録を中止する。すなわち、キャンセルボタン1006にユーザからの入力がなされると、基準波形登録画面1001で入力された情報は登録されずに処理は終了する。なお、情報を登録せずに終了することの可否が確認されてもよい。
なお、以上の基準波形登録画面1001に対しては、他の入力又は表示の要素が加わっていてもよい。また、基準波形登録画面1001は複数の画面に分割されていてもよい。また、以上の基準波形登録画面1001の出力に際しては、ユーザによるIDやパスワードの入力を要求するなどのセキュリティ管理がなされていてもよい。また、基準波形登録画面1001が出力される前に、基準波形登録機能を選択するための画面(不図示)が出力されてもよいし、複数の画面の遷移を経て基準波形登録画面1001が出力されるようにしてもよい。
次に、以上のようにして登録された基準波形情報に基づき行われる、対象波形の異常の検知に関する処理を説明する。
<<異常波形検知処理>>
図13は、異常波形検知システム1が行う、基準波形を利用して対象波形の異常を検知する処理(以下、異常波形検知処理という)の一例を説明するシーケンス図である。この処理は、例えば、センサ104及び波形分析装置101が起動したこと、又は入出力装置103に所定の入力がなされたことなどを契機に開始される。
同図に示すように、異常波形検知処理が開始されると、監視センサ104A(センサ1)は随時(例えば、予め設定されたタイミング、又は所定の時間間隔で)、監視対象装置105の動作に関する測定を行い(s1101)、この測定による測定値を、ネットワーク106を介して測定データとして波形分析装置101に送信する(s1102、s1103)。この測定データには、当該監視センサ104AのセンサID、及びその測定値の測定日時が付帯する。
波形分析装置101の測定値受信部208は、監視センサ104Aから測定データを受信すると(s1104)、受信した測定データの内容を測定ログテーブル308に記録する(s1105)。具体的には、測定値受信部208は、測定ログテーブル308に新たなレコードを生成し、生成したレコードのセンサ識別情報601に監視センサ104AのセンサIDを格納し、日時602に測定日時を格納し、測定値603に監視センサ104Aの測定値を格納する。この測定値の時系列データは、対象波形として表される。
また、イベントセンサ104B(すなわちセンサ2)も監視センサ104Aと同様に、随時(例えば、予め設定されたタイミング、又は所定の時間間隔で)、監視対象装置105に関するイベントの監視(すなわち測定)を行い(s1106)、イベントが発生したと判定した場合には(s1107)、イベント通知をネットワーク106を介して波形分析装置101に送信する(s1108、s1109)。なお、イベント通知には、当該イベントセンサ104BのセンサID、及びイベントの発生日時(以下、イベント点日時という)の情報が付帯する。
波形分析装置101のイベント検出部207は、イベントセンサ104Bから送信されてきたイベント通知を受信することによりイベントを検出し(s1110)、s1105で記録した対象波形を分析する処理(以下、対象波形分析処理という)を実行する(s1111)。この処理の詳細は後述する。
波形分析部210は、対象波形分析処理を実行した後、波形ログテーブル311を更新する(s1112)。具体的には、波形分析部210は、現波形特徴量テーブル310に記録されている各レコードの項目を波形ログテーブル311の各レコードの対応する項目に追加する。なお、波形分析部210は、対象波形が終点に到達したと判断した場合には、波形ログテーブル311の終点日時904に現在の日時を格納する。その後は、s1104の処理が繰り返される。
<<対象波形分析処理>>
ここで、前述の対象波形分析処理について説明する。
図14、15は、対象波形分析処理の一例を説明するフローチャートである(紙面の都合上、2図に分けている)。
図16は、対象波形分析処理を説明するための、基準波形及び対象波形の一例を示す図である。
以下、これらの図に基づき、対象波形分析処理について説明する。
まず、図14に示すように、イベント検出部207は、前記で説明したイベント通知を受信してイベントを検知すると(s1301)、このイベント通知が示す日時を対応イベント点における対応イベント点日時として記憶すると共に、対応特異点を検出するための、時間軸方向最大伸縮比に基づくタイマー設定を行う(s1302)。
例えば、図16に示すように、既に測定された対象波形1202(実線部)が存在する場合、イベント検出部207は、イベント点日時Xt0(1207)が記録されたイベント通知を受信することにより、前記イベント点日時を対応イベント点日時として記憶すると共に、基準波形特徴量登録テーブル307のうち、監視センサ104Aに対応する基準波形(以下、本基準波形という)のレコードから、時間軸方向最大伸縮比a2、及び特異点発生日時Ti(以下、特異点日時という)を取得する。これを利用してイベント検出部207は、対応イベント点日時Xt0から「a2×Ti+α」後にインターラプトを行うタイマーを設定する(但し、「+α」は、例えば、波形の極大値又は極小値等を検知するために必要な時間である。以下同様。)。
そして、特異点算出部209は、対応イベント点が属する対象波形の周期と同一の周期内において、タイマーによるインターラプトが発生するまで、s1104で随時受信された時系列データ(すなわち、対象波形)に基づき、対象波形の対応特異点の検出を続ける(s1303、1304)。
例えば、図16に示すように、特異点算出部209は、対象波形の対応イベント点日時1207を検出後、対象波形1202を随時受信しながら対応特異点1206を検出する。なお、この対応特異点1206は対象波形の極大値であり、特異点算出部209は、対象波形の測定値が増加から減少に転じる点を検出している。
特異点算出部209は、インターラプトが発生する前に対応特異点1206を検出すると(s1304:Yes)、タイマーの解除を行い(s1305)、その後はs1306の処理が実行される。一方、特異点算出部209が、インターラプト発生前に対応特異点1206を検出しなかった場合(s1303:Yes)、波形分析部210はアラートを発した後(例えば、所定の警告文を出力し、又は音などを発生する。以下同様。)(s1318)、対象波形分析処理は終了する(s1319)。
s1306において、特異点算出部209は、s1304で検出した対応特異点の発生日時Xtj(以下、対応特異点日時という)が時間軸最小伸縮比に基づく条件を満たしているか否かを確認する。例えば、特異点算出部209は、対応イベント点日時Xt0、時間軸最小伸縮比a1、特異点日時Ti(すなわち、基準波形の始点からの経過日時、又は経過時間)に基づき、(1)式が満たされているか否かを確認する。
対応特異点日時Xtjが時間軸最小伸縮比に基づく条件を満たしている場合、特異点算出部209は、対象波形の現在の伸縮比Rx(すなわち、時間軸伸縮比)を算出する(s1306:Yes、s1307)。一方、対応特異点日時Xtjが時間軸最小伸縮比に基づく条件を満たしていない場合(s1306:No)、特異点算出部209はアラートを発し(s1318)、対象波形分析処理は終了する(s1319)。
ここで、伸縮比Rxは、例えば(2)式により得られる。
以上の条件判断により、伸縮比Rxは、時間軸方向最小伸縮比a1及び時間軸方向最大伸縮比a2が示す範囲内となる。
次に、波形分析部210は、本基準波形を伸縮比Rxにより補正し、これにより補正波形を生成する(s1308)。生成された補正波形は、対象波形の予測値となる。具体的には、例えば、波形分析部210は、基準波形データテーブル306から本基準波形のレコードを全て読み出し、読み出した各レコードの時刻402の値に、s1307で算出した伸縮比Rxを乗じる。
図16の例では、補正波形1203(点線部)が、本基準波形及び時間軸方向伸縮比Rxに基づき算出されている。
ここで、波形分析部210は、現波形測定ログテーブル309を更新する(s1309)。すなわち、波形分析部210は、測定ログテーブル308のレコードのうち、始点(すなわち、本実施例においては対応イベント点日時Xt0。以下、始点日時Xt0という)以降の対象波形の測定値のレコードを全て取得し、取得したレコードのデータを、現波形測定ログテーブル309のレコードにそれぞれ記録する。なお、この際、波形分析部210は、対象波形に対して所定の対象波形IDを設定し(図9の例では、対象波形IDに「X」が付与されている)、付与した対象波形IDを現波形測定ログテーブル309の測定波形識別情報702に格納する。
図16の例では、波形分析部210は、始点日時Xt0以降に取得した対象波形1202の各レコードのデータを測定ログテーブル308から読み出して現波形測定ログテーブル309に記録する。
なお、この際、波形分析部210は、始点日時Xt0以降の全ての測定値を現波形測定ログテーブル309に記録するのではなく、必要な測定値(例えば、後述する本基準波形との比較のために必要な測定値)を選択して記録し、又は、必要に応じて測定値のレコードを新たに生成してもよい。
例えば、波形分析部210は、基準波形データテーブル306のレコードに記録されている日時(すなわち、基準波形の始点からの経過日時、又は経過時間)と対応する日時が日時703に格納されるレコードを現波形測定ログテーブル309に記録する。例えば波形分析部210は、本基準波形との比較に必要な日時(以下、必要日時という)の測定値が存在しない場合、必要日時の前後に測定された測定値を用いて一次関数に基づく対象波形の近似線を生成し、生成した近似線により必要日時における内挿値を算出し、必要日時及び算出した内挿値を現波形測定ログテーブル309に生成した新たなレコードに格納する。
例えば、図5、9に示したように、基準波形データテーブル306に登録されているデータの時刻402の「0」、「T1」、及び「T2」は、補正波形においてはそれぞれ「0」、「Rx*T1」、及び「Rx*T2」と変更され、また、現波形測定ログテーブル309の日時703にはそれぞれ「Xt0」、「Xt0+Rx*T1」、及び「Xt0*Rx*T2」と記録される。
さらに、波形分析部210は、前記の現波形測定ログテーブル309に加えて、現波形特徴量テーブル310も更新する(s1309)。具体的には、例えば、波形分析部210は、現波形特徴量テーブル310に新たなレコードを生成し、生成したレコードのセンサ識別情報801に監視センサ104BのセンサID(本実施例においては、「センサa」)を格納し、測定波形識別情報802に、前記で付与した対象波形ID「X」を格納し、始点日時803に始点日時(すなわち、本実施例においては対応イベント点日時)「Xt0」を格納し、時間軸方向伸縮比804に時間軸方向伸縮比「Rx」を格納する。
次に、図15に示すように、波形分析部210は、s1308で生成した補正波形に基づき、対象波形の始点から対応特異点までの取得済みの対象波形(具体的には、始点日時Xt0から対応特異点日時Xtjまでの対象波形の測定値)を分析することにより、当該対象波形の異常を判定(又は検出)する(s1310)。この分析方法は、例えば対象波形と補正波形との間のユークリッド距離や相関係数などを用いて異常度を算出し、算出した異常度と、予め定めた閾値との比較により対象波形の異常の有無を判定する。また、例えば、波形分析部210は、算出した異常度が所定の閾値以上となった場合に、対象波形が異常であると判定する。
なお、波形分析部210は、算出した異常度を、現波形特徴量テーブル310の異常度805に記録する。
例えば、図16の例において、上記の分析方法としてユークリッド距離を用いる場合、対象波形の始点日時Xt0から、対応特異点日時Xtj(すなわち、Xt0+Rx×Ti
)までの時間帯における異常度(Ti)は、(3)式により算出される。
ここで、x(l)はある日時Xtl(すなわち、Xt0+Rx×Tl)における対象波形の測定値、A(l)は日時Xtl(すなわち、Xt0+Rx×Tl)における補正波形の予測値(すなわち、日時Tlにおける基準波形の測定値)である。
s1311において、波形分析部210は、対象波形を異常と判定しなかった場合は(s1311:No)、現波形測定ログテーブル309の更新を行う(s1312)。一方、波形分析部210が対象波形を異常と判定した場合は(s1311:Yes)、波形分析部210はアラートを発し(s1321)、その後、s1312の処理を行う。なお、s1312における現波形測定ログ更新処理は、s1309における現波形測定ログテーブルの更新処理と同様であり、波形分析部210は、対応特異点日時Xtj以降に取得した対象波形の測定値に基づき、現波形測定ログテーブル309に新たなレコードを記録する。
s1313において、波形分析部210は、s1310と同様の処理により、s1308で補正した基準波形(すなわち、補正波形)に基づき、対応特異点日時Xtj以降に取得した対象波形の測定値を分析し、当該対象波形の異常を判定する。なお、算出された異常度は、現波形特徴量テーブル310の異常度805に記録される。
図16の例では、例えば波形分析部210は、対応特異点日時Xtj(すなわち、Xt0+Rx×Ti)以降の各日時における異常度を、(3)式により算出する。具体的には
、(3)式におけるiをi+1からmまでの各値に置き換えて、異常度(Ti+1)から
異常度(Tm)までを随時算出する。
波形分析部210は、s1313の処理により対象波形に異常が存在しないと判定した場合は(s1314:No)、対象波形判定処理を終了するか否かを確認する(s1315)。一方、s1313の処理により対象波形に異常が存在すると判定した場合は(s1314:Yes)、特異点算出部209はアラートを発し(s1317)、その後、s1315の処理を行う。
s1315において、波形分析部210は、対象波形判定処理を終了すると判断した場合は(s1315:Yes)、対象波形判定処理を終了し(s1319)、対象波形判定処理を終了すると判断しなかった場合は(s1315:No)、s1312の処理を再び行う。
なお、s1315における対象波形判定処理の終了の判定は、対象波形を一周期分取得したか否かを判定する処理であり、例えば、始点日時Xt0、伸縮比Rx、及び本基準波形の周期Tmに基づき、(4)式により行われる。
ここで、「日時」は現在の日時である。
なお、以上のs1312〜s1317の処理は、波形分析装置101が監視センサ104Aから対象波形の測定値を受信するごとに、随時繰り返して実行される。
なお、以上の対象波形分析処理において、特異点算出部209が対象波形を異常と判定してアラートを発した場合、その異常度の大きさに応じて、特異点算出部209は、分析処理を中断してもよい。また、対象波形分析処理の実行中に、イベント検出部207が新たにイベントを検知した場合、波形分析部210は、同処理を中断して当該新たなイベントに基づく対象波形分析処理を実行してもよいし、同処理を終了してから当該新たなイベントに基づく対象波形分析処理を実行してもよい。また、波形分析部210は、対象波形分析処理を複数並列して実行してもよい。
また、前記では、異常度の算出方法として、(3)式に示したユークリッド距離により異常度を算出する方法を示したが、この異常度(Ti)は、(3)式のように始点日時からの累積和を用いずに、以下の(5)式のように特異点日時の直前の数点のユークリッド距離の和を用いてもよいし、これらを組み合わせて用いてもよい。
この(5)式は、本基準波形の日時Ti(すなわち、特異点日時)における測定値と、その直前のn個の本基準波形の測定値、及び前記各日時に対応する対象波形の測定値を用いて異常度を算出することを示している。
なお、(5)式においても、(3)式と同様にiをi+1からmまでの任意の値に置き換えることにより、特異点日時以降(すなわち、対応特異点日時以降)においても、任意の日時における異常度の算出が可能である。
<<対象波形分析処理の表示例>>
ここで、対象波形分析処理において出力される画面の一例について説明する。
図17は、対象波形分析処理において、時系列的に変化する各波形を表示する画面の一例を示す図である。なお、この画面は、例えば、波形分析装置101又は入出力装置103に出力される。
同図に示すように、まず画面表示部211は、測定値受信部208が受信した測定値1408(すなわち、対象波形)を順次表示する(f1401)。
画面表示部211は、イベント検出部207が対応イベント点1409を検出すると、これに対応する対応イベント点1409の情報を追加表示する(f1402)。
次に、画面表示部211は、特異点算出部209が対象波形の対応特異点1410を算出すると、その対応特異点1410の日時1411を画面に追加表示する(f1403)。
次に、画面表示部211は、波形分析部210が生成した補正波形1412を追加表示すると共に(f1404)、新たに受信した対象波形の測定値1408aも随時表示する(f1405)。なお、同図では、補正波形1412は点線で示したが、対象波形と線の色や太さを変えて表示してもよい。
対象波形の異常度が大きくなり波形分析部210がアラートを発する際、画面表示部211は、警告1414を表示してもよいし、異常度が大きくなった対象波形の部分1413を強調表示してもよい(f1406)。
なお、画面表示部211は、対象波形の現在の異常度、対象波形の過去の最大の異常度、又は警告回数(すなわち、アラートを発した回数)などの情報1407を表示してもよい。また、画面表示部211は以上の画面を入出力装置103の画面全体に表示してもよいし、その一部に表示してもよい。また、画面表示部211は以上の画面を常時表示してもよいし、アラートの発生、又は管理者からの要求に応じて表示してもよい。また、画面表示部211は、必ずしも年月日を表示する必要はなく、時分の表示であってもよいし、秒までを含む表示であってもよい。また、画面表示部211は、対象波形を一周期取得した場合、一定時間が経過した場合、又は新たな対象波形を受信した場合に、現在表示している画面をクリアし、f1401に示した画面を再表示してもよい。
なお、画面表示部211は、前記の図で示したように、本基準波形を補正した補正波形と対象波形とを共に出力するのではなく、対象波形を伸縮比Rxの逆数で乗じた波形(すなわち、対象波形を補正した波形)と、本基準波形とを共に出力するようにしてもよい。
以上のように、本実施例の異常波形検知システム1は、本基準波形の同一周期内のイベント点及び特異点に基づき、対象波形の対応イベント点と、対応イベント点が属する対象波形の周期内に存在する対応特異点とを検出し、これら4つの点に基づき本基準波形の補正波形と対象波形との間の相違度(すなわち、異常度)を算出することによって、新たに取得した対象波形に異常があるか否かを判定しその情報を出力する。このため、対象波形の対応イベント点及び対応特異点の特定後は、対象波形の測定値の受信に応じて、随時、対象波形の異常を判定することができる。
このように、本実施例の異常波形検知システム1によれば、波形の異常を迅速に検知することができ、例えば、リアルタイムでの対象波形の分析や異常の検知が可能になる。
また、本実施例の異常波形検知システム1は、イベント点と特異点の差異、及び、対応イベント点と対応特異点の差異に基づき、本基準波形を補正した波形である補正波形を生成し、生成した補正波形に基づき前記相違度を算出するので、波形の異常を客観的かつ正確に判定することができる。
具体的には、例えば、本実施例の異常波形検知システム1は、時間軸方向伸縮比に基づき相違度を算出するので、波形の周期の違いに基づく波形の異常の判定を正確に行うことができる。
なお、本実施例では、伸縮比の例として、時間軸方向伸縮比による対象波形の異常判定の処理を説明したが、測定値軸方向伸縮比も考慮して、対象波形の異常を判定するようにしてもよい。この場合、異常波形検知システム1は、対象波形の対応特異点の検出時に、対象波形の対応特異点における測定値と本基準波形の特異点における測定値との比に基づき測定値軸方向伸縮比を算出し、基準波形データテーブル306に記録された本基準波形の測定値に伸縮比を乗じることにより、本基準波形の補正を行う。この詳細は、後述する実施例でも説明する。
また、本実施例の異常波形検知システム1は、イベント点及び特異点に基づき対象波形の許容範囲を算出し(例えば、時間軸方向最大伸縮比や時間軸方向最小伸縮比を用い)、新たに取得した対象波形がその許容範囲内にない場合に、その対象波形に異常があると判定するので、波形の測定時に誤差等が生じた場合であっても、誤りなく対象波形の異常を検出することができる。
また、本実施例の異常波形検知システム1では、基準波形のイベント点は、所定の装置(すなわち、対象監視装置105)が所定の動作を行った際の基準波形の部分であり、異常波形検知システム1は、所定の装置が周期的に行った動作に関する測定値を対象波形の値として取得するので、例えば、装置の動作内容に基づくイベントを設定することにより、装置の動作に応じた波形の異常の検出が可能となる。これにより、例えば、監視対象装置105が故障によって決定的なダメージを受ける前に、ユーザは対象波形の異常(すなわち、故障の予兆)を認知し、当該監視対象装置105を停止させ、異常個所の点検や修理を行うことが可能となる。これにより、監視対象装置105の稼働率が向上する。
なお、本実施例では、イベントセンサ104Bは、各物理量の測定及びイベントの検出を行ったが、イベントセンサ104Bはイベントの検出を行わずに、波形分析装置101がイベントの検出を行ってもよい。この場合、イベントセンサ104Bは、各物理量の測定値を、センサID、及び測定日時と共に波形分析装置101へ順次送信する。イベント検出部207は、これらの測定値を含む情報を受信し、受信した測定値が予め設定した条件と一致した場合に、イベントが発生したことを検出する。
また、本実施例では、センサが測定値を取得する対象物として、工場における製造装置の例を示したが、この対象物は、工場の製造装置に限られない。同じ波形が時系列データに繰り返し出現する動作を行う様々な対象物に対して、本実施例は適用可能である。例えば、プロセスオートメーションにより自動制御されたプラント内に設置されたセンサ、又は橋梁やビルなどの構造物に設置されたセンサなどを対象物としてもよい。
−−実施例2−−
実施例1は、監視対象装置105及び監視センサ104Aがそれぞれ1台の組み合わせの場合を想定したが、監視センサ104A及び監視対象装置105の組み合わせが複数であってもよい。そこで本実施例では、このような場合について説明する。なお、本実施例
においては主に、実施例1と異なる点を説明する。
まず、本実施例においては、波形分析装置101が以下のような機能を備える。
まず、前記相違度算出部は、複数の前記基準波形のそれぞれの前記イベント点及び前記特異点と、前記対象波形の対応イベント点及び前記対象波形の対応特異点とに基づき、複数の前記基準波形のそれぞれと、新たに取得した前記対象波形との間の相違度を算出する。
そして、前記異常判定部は、前記対象波形に異常があるか否かを前記算出した相違度のそれぞれに基づき判定することにより、異常と判定された前記相違度に対応する前記基準波形を前記対象波形の正当な基準波形ではないと判定すると共に、前記算出した全ての相違度に基づき前記対象波形に異常があると判定した場合には前記対象波形に異常があることを示す情報を出力する。
次に、本実施例においては、基準波形データテーブル306及び基準波形特徴量登録テーブル307の内容が実施例1と異なる。
図18は、実施例2に係る基準波形データテーブル306の一例を示す図である。同図に示すように、基準波形データテーブル306には、複数の監視センサ104Aのそれぞれが取得した測定値により表される基準波形が登録されている(すなわち、「基準波形A」、又は「基準波形B」、など)。
図19は、実施例2に係る基準波形特徴量登録テーブル307の一例である。前記の基準波形データテーブル306と同様に、複数の基準波形の情報が登録されている(すなわち、「基準波形A」、又は「基準波形B」、など)。
次に、本実施例では、ユーザによる、複数存在する監視センサ104Aと各基準波形との関連付けが行われる。
図20は、監視センサ104Aと基準波形の関連付けを行うための入力画面(以下、センサ登録画面という)の一例を示す図である。このセンサ登録画面1701は、例えば、入出力装置103に対してユーザが所定の入力を行うことにより表示される。
センサ登録画面1701は、監視センサ104Aの登録及び基準波形の関連付けを行うセンサ登録部1702、監視センサ104Aの登録の抹消を行う削除ボタン1703、前記の関連づけの追加を行う追加ボタン1704、前記の関連づけの登録を行う登録ボタン1705、及び、前記の関連づけのキャンセルを行うキャンセルボタン1706などから構成される。なお、このセンサ登録画面1701は、基準波形登録画面1001の一部として表示されてもよい。
次に、本実施例では、センサ登録画面1701による登録の内容を記憶したテーブルが用いられる。
図21は、監視センサ104A及び基準波形を対応づけて記憶したセンサ基準波形対応テーブル1801の一例を示す図である。センサ基準波形対応テーブル1801は、センサIDが格納されるセンサ識別情報1802、及び、基準波形を識別する情報(以下、基準波形IDという)が格納される基準波形識別情報1803の各項目を有する、少なくとも1以上のレコード(すなわち、エントリ)を含む。
例えば、センサ登録画面1701における登録ボタン1705に入力がなされた場合に、そのセンサ登録画面1701に入力された監視センサ104A及び基準波形の内容が、センサ識別情報1802、及び基準波形識別情報1803に格納される。なお、このセンサ基準波形対応テーブル1801は、例えば、データ格納装置102が記憶する。
このようにして記憶されたセンサ基準波形対応テーブル1801の内容に基づき、波形分析部210は、対象波形の異常の判定を行う。例えば、波形分析部210は、センサ基準波形対応テーブル1801の各レコードから、監視センサ104A及び基準波形の組み合わせを取得し、取得した組み合わせについて、実施例1で説明した対象波形分析処理を行う。
−−実施例3−−
実施例1では、基準波形のイベント点が基準波形の始点と一致することを想定した。しかし、イベント点は必ずしも始点と一致するとは限らない。そこで本実施例では、イベント点が始点と一致しない場合の実施例を説明する。なお、本実施例における異常波形検知システム1のシステム構成及び機能は実施例1と同様であるので説明を省略する。本実施例においては主に、実施例1と異なる点を説明する。
まず、本実施例において、イベント点と対象波形の始点が異なる場合の一例を説明する。
図22は、イベント点が対象波形の始点と異なる場合における、基準波形1901と対象波形1902の関係の一例を示す図である。同図に示すように、基準波形1901のイベント点1905は基準波形1901の周期の途中にあり、このようなイベント点1905と、特異点1904とを用いて波形の分析が行われる。
同図の例では、イベント点1905のイベント点日時はTevであり、基準波形特徴量登録テーブル307のイベント位置506には「Tev」が記録される。なお、イベント位置506は必ずしも0以上である必要はなく、負の値であってもよい。
<<対象波形分析処理>>
次に、本実施例の対象波形分析処理について説明する。なお、本処理では、基準波形は「基準波形A」であるものとする。
図23は、実施例3に係る対象波形分析処理の一例を説明する図である。同図に示すように、まずイベント検出部207は、対応イベント点1907(なお、図22の例では、対応イベント点日時はXtevである)を検出すると(s2001)、基準波形特徴量登録テーブル307から基準波形Aのエントリを読み出し、基準波形Aにおいて、イベント点と始点が一致しているか否か(即ち、イベント点日時が0か否か)を判定する(s2002)。
イベント検出部207が、基準波形Aにおいてイベント点と始点が一致していると判定した場合(s2002:Yes)、実施例1のs1302以降の処理が行われる(s2008)。一方、イベント検出部207が、基準波形Aにおいてイベント点と始点が一致していないと判定した場合(s2002:No)、イベント検出部207は、基準波形特徴量登録テーブル307から、基準波形Aの特異点日時(Ti)及びイベント点日時(Tev)を取得し、これらを比較してどちらが先であるかを判定する(s2003)。特異点日時が先である場合は(s2003:Yes)、特異点算出部209は測定ログテーブル308に記録されている対象波形のデータを読み出し、以下の(6)式を満たす対応特異点が存在するか否かを確認する(s2004)。
ここで、Xtjは対応特異点の発生日時である。なお、図22の例では、特異点算出部209は、対応特異点1906の存在を確認する。
(6)式を満たす対応特異点が存在する場合(s2004:Yes)、特異点算出部209は現在の伸縮比Rxを、(7)式により算出する(s2005)。
そして、波形分析部210は、伸縮比Rxに基づき対象波形の始点の日時Xt0を以下の(8)式により算出する(s2006)。
その後は、実施例1のs1308以降の処理が行われる(s2007)。
なお、s2004において(6)式を満たす特異点が存在しなかった場合(s2004:No)、特異点算出部209はアラートを発し(s2009)、本処理は終了する(s2010)。
一方、s2003において、イベント点日時が特異点日時より先又は同時である場合(s2003:No)、特異点算出部209は、時間軸方向最大伸縮比に基づくタイマーを設定する。具体的には、イベント検出部207は、a2×(Tev−Ti)+α後にインターラプトを行うタイマーを設定する(s2011)。
そして、特異点算出部209は、タイマーによるインターラプトが発生するまで、対象波形の対応特異点の検出を続ける(s2012、s2013)。
特異点算出部209は、インターラプトが発生する前に対応特異点を検出すると(s2013:Yes)、s2011で設定したタイマーを解除する(s2014)。そして、特異点算出部209は、s2012で検出した対応特異点の日時が時間軸最小伸縮比による条件を満たしているか否かを確認する(s2015)。具体的には、特異点算出部209は、以下の(9)式により判定を行う。
対応特異点の日時が前記条件を満たしている場合(s2015:Yes)、s2005以降の処理が行われる。一方、対応特異点の日時が前記条件を満たしていない場合(s2015:No)、特異点算出部209は、アラートを発し(s2016)、対象波形分析処理は終了する(s2017)。
なお、特異点算出部209は、対応特異点を検出する前にインターラプトが発生すると(s2013:Yes)、アラートを発し(s2016)、対象波形分析処理は終了する(s2017)。
このように、本実施例の異常波形検知システム1は、基準波形のイベント点と始点が一致しない場合においても対象波形の異常を判定することができるので、当該イベントを、対象波形の始点のタイミングと合致しない事象にも設定することができる。これにより、様々な種類の事象の中から検出が容易な事象をイベントとして選択し、本イベントに基づき、対象波形の異常を検出することができる。
なお、前記ではイベント点の日時が特異点の日時よりも先である例を説明したが、両者の日時の先後関係は問わない。また、特異点が複数存在する場合、イベント点に近い日時にある各特異点を採用してもよいし、値の変化が大きい(すなわち、分かりやすい)各特異点を採用してもよい。
−−実施例4−−
実施例1は、1台の監視センサ104Aが1つの基準波形を取得する場合を想定した。これに対して、本実施例では、1台の監視センサ104Aが複数の基準波形を取得する場合について説明する。なお、本実施例においては主に、実施例1と異なる点を説明する。
まず、本実施例では複数の基準波形を用いるため、ユーザは、実施例2と同様に、基準波形データテーブル306、及び基準波形特徴量登録テーブル307に、複数の基準波形を登録する。また、ユーザは、一つの監視センサ104Aに対して複数の基準波形をセンサ基準波形対応テーブル1801に登録する。なお、本実施例では、波形ログテーブル311は、各基準波形の識別情報を追加してもよい。
次に、本実施例では、対象波形分析処理において、対象波形が、複数ある基準波形のうちどの基準波形に最も対応しているかを判断する必要がある。
ここで、対象波形に対応する基準波形の波形IDが既に登録されている場合は、その登録された波形IDに基づき決定することができる。
しかし、基準波形と対象波形の間の対応関係の登録がない場合には、以下に説明するように、対象波形と基準波形との対応関係を判断し、適切な基準波形を特定する。
なお、以下の説明では、実施例1と同様に、基準波形のイベント点がその始点と一致していることを前提とする。
<<対象波形分析処理>>
図24、25は、実施例4に係る対象波形分析処理の一例を示すフローチャートである(紙面の都合上、2図に分けている)。なお、実施例1に係る対象波形分析処理と同様の処理については詳細を省略する。
まず、イベント検出部207は、イベント通知を受信してイベントを検知すると(s2101)、基準波形特徴量登録テーブル307に登録されている全ての基準波形のレコードにおける時間軸方向伸縮比の最大値503と特異点発生時刻508との積のうち、最大の積の値(以下、Tmaxという)を算出し、現在の日時からTmax+α後にインターラプトを行うタイマーを設定する(s2102)。
すなわち、イベント検出部207は、複数ある基準波形のうち最も遅く特異点が出現する可能性がある基準波形に基づくタイマーを設定する。なお、Tmaxは予め算出しておいてもよい。
そして、特異点算出部209は、s1202で設定したタイマーによるインターラプトが発生するまで、対象波形の対応特異点の検出を続ける(s2103、s2104)。
特異点算出部209は、インターラプトが発生する前に対応特異点を検出すると(s2104:Yes)、タイマーの解除を行い(s2105)、その後はs2106の処理が実行される。一方、特異点検出部209が、インターラプトが発生する前に対応特異点を検出しなかった場合(s2103:No)、波形分析部210はアラートを発した後(s2124)、本処理を終了する(s2125)。
s2106において、特異点算出部209は、基準波形特徴量登録テーブル307に記録されている全ての基準波形から一つの基準波形Pを選択し、s2104で検出した対応特異点の日時Xtjがその基準波形Pの時間軸最小伸縮比、及び時間軸最大伸縮比による条件を満たしているか否かを確認する(s2107)。例えば、特異点算出部209は、対応イベント点日時Xt0、基準波形Pの時間軸最小伸縮比p1、時間軸最大伸縮比p2、及び基準波形Pの特異点発生日時Tpに基づき、(10)式が満たされているか否かを確認する。
対応特異点日時Xtjが前記条件を満たしている場合(s2107:Yes)、特異点算出部209は、基準波形Pを、対象波形に対する基準波形候補として選択する(s2108)。一方、対応特異点日時が前記条件を満たしていない場合(s2107:No)、後述するs2110の処理が行われる。
s2108の処理後、特異点算出部209は、基準波形Pに係る現在の伸縮比Rpを、基準波形Pの特異点日時Tpに基づき算出する(s2109)。具体的には、例えば、特異点算出部209は、以下の(11)式により伸縮比Rpを算出する。
特異点算出部209は、全ての基準波形についてs2107の処理を行ったか否かを確認し(s2110)、未処理の基準波形があれば(s2110:No)、その基準波形を基準波形Pとしてs2106以降の処理を繰り返す。一方、全ての基準波形に対して処理が終了している場合(s2110:Yes)、特異点算出部209は、s2108で基準波形候補として選択された基準波形があったか否かを確認する(s2111)。
基準波形候補があった場合(s2111:Yes)、波形分析部210は、全ての基準波形候補のそれぞれを伸縮比Rpにより補正し、それぞれの補正波形を生成する(s2112)。具体的には、例えば、波形分析部210は、基準波形データテーブル306から基準波形候補Pのレコードを全て読み出し、読み出した各レコードの時刻402の値に、s2109で算出した各伸縮比Rpを乗じる。なお、この際、波形分析部210は、実施例1と同様に、現波形測定ログテーブル309、及び現波形特徴量テーブル310を更新する(s2113)。なお、この場合、現波形測定ログテーブル309には、全ての基準波形候補Pとの比較に必要な日時の測定値等が登録される。その後はs2114の処理が行われる。
一方、基準波形候補がなかった場合(s2111:No)、波形分析部210は、アラートを発し(s2124)、対象波形分析処理は終了する(s2125)。
図25のs2114に示すように、波形分析部210は、実施例1と同様に、s2112で生成した補正波形のそれぞれに基づき、対象波形の始点以降のデータ(具体的には、日時Xt0から日時Xtjまでに取得した測定データ)を分析することにより、当該対象波形の異常を判定する。
波形分析部210が対象波形の異常を検出しなかった場合(s2115:No)、後述するs2118の処理が実行される。一方、波形分析部210が対象波形の異常を検出した場合(s2115:Yes)、波形分析部210は、対象波形の異常を検出した全ての基準波形候補を削除する(すなわち、正当な基準波形でないとして、基準波形候補から除外する)(s2116)。
そして、波形分析部210は基準波形候補が残っているか否かを確認し(s2117)、基準波形候補が残っていれば、実施例1と同様に、現波形測定ログテーブル309を更新する(s2118)。具体的には、波形分析部210は、s1312における現波形測定ログテーブルの更新処理と同様に、対応特異点日時以降に取得した対象波形の測定値に基づき、新たなレコードを記録する。前記レコードは、残っている各補正波形候補に対してそれぞれ記録される。また、この時、波形分析部210は、s2116において削除された基準波形候補に対応するレコードを、現波形測定ログテーブル309から削除してもよい。
そして、波形分析部210は、残っている各補正波形候補(すなわち、各基準波形候補)のそれぞれに基づき、対応特異点日時以降の対象波形を実施例1と同様に順次分析することにより、当該対象波形の異常をそれぞれ判定(又は検出)する(s2119)。
波形分析部210が対象波形の異常を検出した場合には(s2120:Yes)、波形分析部210は対象波形の異常を検出した全ての基準波形候補を基準波形候補から削除する(すなわち、正当な基準波形でないとして、基準波形候補から除外する)(s2121)。そして、波形分析部210は基準波形候補が残っているか否かを判定し(s2122)、基準波形候補が残っていれば(s2122:Yes)、現在までに対象波形を一周期分取得したか否かを判断し(s2123)、対象波形を一周期分取得したと判断した場合には(s2123:Yes)、対象波形分析処理は終了する。一方、波形分析部210が対象波形を未だ一周期分取得してないと判断した場合には(s2123:No)、s2118以降の処理が繰り返される。
なお、2120において、波形分析部210が対象波形の異常を検出しなかった場合には(s2120:No)、s2123以降の処理が行われる。
また、s2122において、基準波形候補が残っていない場合は(s2122:No)、波形分析部210は、アラートを発し(s2127)、対象波形分析処理は終了する(s2128)。
<<対象波形分析処理において出力される画面>>
ここで、本実施例の対象波形分析処理において出力される画面について説明する。
図26は、対象波形分析処理において出力される画面の一例を示す図である。この画面は、例えば、入出力装置103に出力される。同図に示すように、画面表示部211はま
ず、対象波形のデータ2204を順次表示し、対応イベント点が検出されると、その対応イベント点2205に関する情報を追加表示する(f2201)。
そして、画面表示部211は、全ての基準波形候補について補正波形が生成されると、その全ての補正波形2206(図26の例では、補正波形2206A、補正波形2206B、及び補正波形2206C)を追加表示する(f2202)。さらに、画面表示部211は、基準波形候補が削除される(すなわち、除外される)と、その削除された基準波形候補の波形を削除する(f2203)。なお、補正波形2206は、対象波形や他の補正波形2206とは色や太さを変えて表示してもよい。
以上のように、本実施例の異常波形検知システム1は、基準波形が複数存在する場合においても、新たに取得した対象波形に対して適切な基準波形を選択し、選択した基準波形に基づき、対象波形の異常の判定(又は検出)を行うことができる。
<<測定値軸方向伸縮比について>>
これまでの各実施例では、主に、時間軸方向伸縮比を用いた波形の分析について説明したが、基準波形や対象波形に、測定値軸方向にも伸縮が発生する場合(すなわち、基準波形や対象波形の値の増減が大きい場合)は、測定値軸方向伸縮比を用いて波形の分析を行ってもよい。
例えば、本実施例においては、基準波形Pに対する、時間軸最小伸縮比に関する判定(s2107)のために用いた式(10)に加え、以下の(12)式及び(13)式による判定を行う。基準波形Pに関してこれらの式の全てが満たされた場合に、特異点算出部209は、その基準波形Pを基準波形候補として選択する。
ここで、X1は対応特異点における対象波形の測定値、p3及びp4はそれぞれ、予め設定された基準波形Pの測定値軸方向伸縮比のうち許容される最小値(以下、測定値軸方向最小伸縮比という)及び最大値(以下、測定値軸方向最大伸縮比という)、Phは基準波形Pの特異点における測定値である。
さらに、特異点算出部209は、時間値軸方向における伸縮比Rpに加え(s2109)、測定値軸方向の伸縮比Qpを以下の(14)式により算出する。
このように、特異点算出部209は、基準波形に対する時間軸方向の補正に加え、測定値軸方向の補正も行う。
このように、本実施例の異常波形検知システム1は、測定値軸方向伸縮比に基づき相違度を算出するので、波形の振幅や変位の違いに基づく波形の異常の判定を正確に行うことができる。
−−実施例5−−
以上に説明した各実施例では、異常波形検知システム1は、イベントの発生を外部から
の通知(すなわち、イベント通知)により検出しているが、本実施例では、異常波形検知システム1は、特異点の一つをイベントとしてみなすことによりイベントの発生を検出する。なお、本実施例においては主に、実施例1と異なる点を説明する。
図27は、実施例5が前提とする、イベント点と特異点との関係を説明する図である。同図に示すように、本実施例では、基準波形2301と、基準波形2301に基づき補正された補正波形2303と、異常が判定される対象波形2302とが存在する。本実施例の異常波形検知システム1は、基準波形2301に存在する、始点に近い2つの極大値である特異点2304(以下、特異点S1という)及び特異点2305(以下、特異点S2という)のうち、より基準波形の始点に近い特異点2304(特異点S1)をイベント点として検出する処理を行う。なお、特異点S1の日時をTi、特異点S12の日時をTjとする。
なお、対象波形2302には、特異点S1に対応する対応特異点(以下、対応特異点S’1という)、及び、特異点S2に対応する対応特異点(以下、対応特異点S’2という)が存在するものとする。また、対応特異点S’1の日時をXtv、対応特異点S’2の日時をXtwとする。
以上を前提とした場合、本実施例における基準波形特徴量登録テーブル307は以下のようになる。
図28は、本実施例における基準波形特徴量登録テーブル307の一例を示す図である。同図に示すように、基準波形特徴量登録テーブル307は、実施例1と異なり、基準波形の特異点に関する項目を複数(同図では、特異点S1に関する項目(符号507−509)、及び特異点S2に関する項目(符号2401−2403))有する。
次に、本実施例の対象波形分析処理について説明する。
<<対象波形分析処理>>
図29は、本実施例の対象波形分析処理のうち、実施例1のs1301〜s1307に代わって行われる処理を説明するフローチャートである。なお、この処理は、例えば、波形分析装置101から受信した測定値(すなわち、対象波形のデータ)が、予め定められた閾値(Th1)を超えた場合を契機に開始される(s2501)。
同図に示すように、まずイベント検出部207は、対象波形の測定値が閾値(Th1)を超えた日時を記憶し(本実施例ではXtuとする)、現在日時から「a2×Ti+α」後にインターラプトを行うタイマー(以下、タイマー1という)を設定する(s2502)。
特異点算出部209は、インターラプトが発生するまで、対応特異点S’1の検出を行う(s2503、s2504:No)。
インターラプトが発生した場合は(s2503:Yes)、後述するs2515の処理が行われる。また、特異点算出部209は、対応特異点S’1を検出した場合(s2504:Yes)、現在日時を対応特異点S’1の日時Xtvとして記憶し、タイマー1を解除する(s2505)。
そして、特異点算出部209は以下の(15)式により、対応特異点S’1の検出日時Xtvが時間軸最小伸縮比による条件を満たしているか否かを判定する(s2506)。
特異点算出部209は、対応特異点S’1の日時Xtvが上記条件を満たしていると判断した場合には(s2506:Yes)、「a2×(Tj−Ti)+α」後にインターラプトを行うタイマー(以下、タイマー2という)を設定する(s2507)。
特異点算出部209は、インターラプトが発生するまで、対応特異点S’2の検出を行う(s2508、s2509:No)。
インターラプトが発生した場合は(s2508:Yes)、後述するs2515の処理が行われる。また、特異点算出部209は、対応特異点S’2を検出した場合(s2509:Yes)、現在日時を対応特異点S’2の日時Xtwとして記憶し、タイマー2を解除する(s2510)。
そして、特異点算出部209は、以下の(16)式により、対応特異点S’2の日時Xtwが時間軸最小伸縮比a1による条件を満たしているか否かを判定する(s2511)。
特異点算出部209は、対応特異点S’2の日時Xtwが前記条件を満たしていると判定した場合は(s2511:Yes)、現在の伸縮比Rxを、対応特異点S’1の日時Xtv及び対応特異点S’2の日時Xtwに基づき、以下の式(17)により算出する(s2512)。
次に、波形分析部210は対象波形2302の始点Xt0を、伸縮比Rxに基づき、以下の(18)式により算出し(s2513)、その後は実施例1のs1308以降の処理が行われる(s2514)。
なお、s2515では、特異点算出部209はアラートを発し、本処理は終了する(s2516)。
このように、本実施例の異常波形検知システム1によれば実施例1に示したイベント検出用のセンサを設置することなく、監視センサ104Aから得られる測定データに基づき、対象波形の異常を判定することができる。
−−実施例6−−
本実施例では、監視対象装置105が高周波の振動を発生する回転機械などの場合のよ
うに、基準波形や対象波形が高周波成分を有する場合に、ローパスフィルタをかけることによりその高周波成分を除去する方法の一例を説明する。なお、本実施例においては主に、実施例1と異なる点を説明する。
まず、本実施例における波形分析装置101は、実施例1で説明した機能に加えて、高周波成分除去部221を備える。
高周波成分除去部221は、前記基準波形又は前記対象波形のうち、所定の値以上の周期で変化している前記基準波形又は前記対象波形の部分を除去することにより、新たな前記基準波形又は新たな前記対象波形を生成する。
図30は、実施例6に係る高周波成分除去部221の原理を説明する図である。例えば、同図に示す波形2601のように、基準波形及び対象波形が、高周波成分及び低周波成分の影響が共に大きい波形である場合、この波形2601を用いて対象波形の異常を判定すると、波形2601の特異点(例えば、極大値、極小値)を正確に検出することができない可能性がある。
そこで、高周波成分除去部221は、各センサから送信されてきた測定値による時系列データ(すなわち波形)にローパスフィルタをかけることにより、高周波成分の影響を排除した新たな波形2602を生成する。
このローパスフィルタの例としては、移動平均が挙げられる。例えば、高周波成分除去部221は、最新の測定値も含めた直近の過去n回分の測定値を用いて移動平均を求める。この場合、新たな波形2602における日時tの値Ytは、以下の(19)式により得られる。
ここでXtは日時tにおける測定値である。
高周波成分除去部221は、このYtを用いることにより、高周波成分の影響を排除した新たな波形2602を生成することができる。なお、生成した新たな波形2602のデータの格納先は、実施例1のように測定ログテーブル308であってもよいし、新たに生成したテーブルであってもよい。また、基準波形及び対象波形に対して同一のローパスフィルタをかけてもよいし、異なるローパスフィルタをかけてもよい。
このように、本実施例の異常波形検知システム1は、基準波形及び対象波形に対してローパスフィルタをかけることにより、各波形の測定データが高周波成分の影響を強く受けている場合であっても、対象波形の異常の判定を行うことができる。
なお、高周波成分除去部221は、監視センサ104Aから受信した測定値に対して常にローパスフィルタの処理を行ってもよいし、対応イベント点を抽出した後にローパスフィルタの処理を行ってもよい。
−−実施例7−−
実施例6では、高周波成分及び低周波成分の影響が共に大きい波形に対してローパスフ
ィルタをかけることにより高周波成分の影響を除去する方法を説明した。本実施例では、高周波成分は大きいが低周波成分の影響が小さい場合の波形の処理方法について説明する。なお、本実施例においては主に、実施例1と異なる点を説明する。
本実施例における波形分析装置101は、図2に示したように、補助波形生成部223を備える。
補助波形生成部223は、前記基準波形又は前記対象波形における値のうち、所定の区間における最大値、最小値、平均値、中間値、又は最頻値を抽出することにより、新たな前記基準波形又は新たな前記対象波形を生成する。
図31は、実施例7に係る波形の処理方法の原理を説明する図である。例えば、同図に示す波形2701のように、基準波形及び対象波形が、高周波成分の影響が大きく、低周波成分の影響が小さい波形である場合、この波形2701に対してローパスフィルタをかけても、適切な波形を得ることはできない。
そこで、補助波形生成部223は、波形2701の各測定点のうち、値が大きい測定点を結ぶことにより第2の波形(以下、上波形という)を生成し、また、値が小さい測定点を結ぶことにより第3の波形(以下、下波形という)を生成する。
例えば、図31に示すように、補助波形生成部223は、波形2701を所定の時間以上の区間ごとに等間隔で区切り、各時間帯における最大値2702、及び最小値2703を取得する。そして、補助波形生成部223は、取得した各最大値2702による時系列データを上波形とし、取得した各最小値2703の時系列データを下波形とする。
ここで、図32は、本実施例における基準波形データテーブル306の一例を示す図である。同図に示すように、基準波形データテーブル306は、それぞれの日時のレコードに対して、上波形の測定値が格納される上波形2801、及び下波形の測定値が格納される下波形2802の各項目を有する。
なお、現波形測定ログテーブル309も、基準波形データテーブル306と同様に、それぞれの日時のレコードに、上波形の測定値及び下波形の測定値が記録される。
また、図33は、本実施例における基準波形特徴量登録テーブル307の一例を示す図である。同図に示すように、基準波形特徴量登録テーブル307は、実施例1の基準波形特徴量登録テーブル307に加えて、特異点選択波形2901の項目を有する。特異点選択波形2901には、特異点が、上波形及び下波形のうちいずれの波形に基づく特異点であるかを示す情報が格納される。
なお、本実施例では、データ格納装置102は、上波形及び下波形の情報を、例えば以下のようにして記憶する。
図34は、上波形及び下波形の情報を記憶する上下値登録テーブル3001の一例を示す図である。同図に示すように、上下値登録テーブル3001は、センサIDが格納されるセンサ識別情報3002、日時を特定する情報が格納される日時3003、センサ識別情報3002に格納されたセンサIDに対応する波形のうち上波形の値が格納される最大値3004、及び、同下波形の値が格納される最小値3005の各項目を有する、少なくとも1つ以上のレコード(すなわち、エントリ)を含む。
ここで、日時3003は、例えば各時間帯の開始日時、中間日時、終了日時などから選
択された日時が格納される。
また、最大値3004、及び最小値3005については、例えば、波形分析部210が、監視センサ104Aから送信されたデータに基づき順次算出する。これらの値は、対象波形分析処理に用いられる。
すなわち、波形分析部210は、最大値3004による上波形、及び最小値3005による下波形2802のそれぞれを基準波形として、対象波形分析処理を行う。なお、波形分析部210は、対象波形分析処理のうち伸縮比Rxの算出までの処理は、上波形又は下波形のいずれか一方に対して行い、その後の処理については上波形及び下波形の双方に対して処理を行ってもよい。
本実施例の異常波形検知システム1によれば、基準波形及び対象波形が、高周波成分の影響が大きく、低周波成分の影響が小さい波形であっても、対象波形の異常の判定を正確に行うことが可能になる。
−−実施例8−−
本実施例では、各波形の測定値の測定間隔が極めて短い場合における波形の処理方法の一例について説明する。なお、本実施例においては主に、実施例1と異なる点を説明する。
図35は、実施例8に係る波形の処理方法の原理を説明する図である。同図に示すように、基準波形又は対象波形に、極めて細かい時間間隔で測定された多くの測定値3102からなる時系列データ3101が存在する場合、この測定値3102の全てを波形の測定値とすると、計算量が多くなると同時に、測定値に微小な変化があるため特異点を見つけることが難しくなる。
そこで、本実施例の波形分析部210は、予め適切な区間(すなわち、単位時間)を定め、この区間により各測定値を区切ることにより、その区間ごとに当該単位時間の代表値3104を算出する。そして波形分析部210は、算出した各代表値を結ぶことにより、新たな波形3103を生成する。例えば、ミリ秒間隔で測定された測定値の場合は、単位時間を1秒とし、1秒間の測定データの平均値を代表値とする。なお、平均値の代わりに中央値や最頻値などを用いてもよい。
なお、本実施例では、データ格納装置102は、このような代表値に関する情報を格納するための代表値登録テーブル(不図示)を備えていてもよい。代表値登録テーブルのデータ構成は、例えば、実施例1の測定ログテーブル308と同様であり、測定値603に代表値が格納される。例えば、波形分析部210は、受信した測定値から算出された代表値を代表値登録テーブルに登録する。そして、波形分析部210は、代表値登録テーブルに記録されたデータに基づき、対象波形分析処理を行う。
このように、本実施例の異常波形検知システム1によれば、測定データの測定時間間隔が極めて小さい場合であっても、対象波形の異常を正確に判定することができる。
−−実施例9−−
本実施例では、異常波形検知システム1が対象波形の異常を検出した場合に、その対象波形の測定対象である監視対象装置105にフィードバックを行う例を説明する。なお、本実施例においては主に、実施例1と異なる点を説明する。
まず、本実施例の異常波形検知システム1においては、監視対象装置105がネットワ
ーク106を介して波形分析装置101と通信可能に接続されている(不図示)。
また、波形分析装置101は、対象波形の異常を検出した場合に、監視対象装置105に対してその旨を通知する機能を備える。すなわち、波形分析装置101は、図2に示したように、フィードバック部2103を備える。
フィードバック部2103は、前記新たに取得した前記対象波形に異常があると判定された場合に、前記装置に、前記装置の動作を制御する信号を送信する。
この場合、前記装置は、受信した前記信号に基づき動作する。例えば、監視対象装置105は、波形分析装置101からの通知を受信した場合に、当該監視対象装置105の運転を停止し、又は運転速度を調節する。
<<フィードバック処理>>
ここで、本実施例に係るフィードバックの処理について説明する。
図36は、波形分析装置101が監視対象装置105にフィードバックを行う処理の一例を示すシーケンス図である。なお、本処理は、例えば、対象波形分析処理が開始された際に行われる。
同図に示すように、フィードバック部2103は、対象波形の異常が検出されると(例えばアラートが発せられると)(s3201)、異常通知の要否を判定し、異常通知が必要であれば(s3202:Yes)、対象波形の異常を知らせる通知をネットワーク106を介して監視対象装置105に送信する(s3203、s3204)。異常通知が不要であれば(s3202:No)、フィードバック部2103は次のアラートの受信を待つ。
異常通知の要否の判定(s3202)において、波形分析装置101は、例えば、算出した異常度や直近の所定期間におけるアラート発生頻度などを予め設定した閾値と比較し、これらの値が前記閾値を超える場合に前記通知を送信するようにしてもよい。また、この比較の条件は、複数の監視センサ104Aが存在する場合は、監視センサ104Aごとに異なるようにしてもよい。
監視対象装置105は、波形分析装置101から前記通知を受信すると、当該監視対象装置105の動作を停止する(s3205)。
このように、本実施例の異常波形検知システム1は、対象波形の異常を検出した場合に、速やかに監視対象装置105を制御する(例えば停止する)ことができる。これにより、監視対象装置105の適切な運用が可能となる。
以上の実施例の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。
例えば、各実施例において、異常波形検知システム1が使用する情報のデータ構造は任意に選択することができ、例えば、テーブル、リスト、データベース、又はキューなどから適切に選択したデータ構造を使用してもよい。従って、各実施例において説明したテーブルは、そのテーブル以外のデータ構造で表現されてもよい。また、複数のテーブルを組み合わせて1つのテーブルを構成してもよい。また、各実施例においてテーブルに格納したデータが数式などで表すことが可能な場合、テーブルの変わりに数式を用いてもよい。
例えば、各実施例の本実施例の異常波形検知システム1は、基準波形を伸縮比により補正した補正波形と、新たに取得した対象波形とに基づき、対象波形の異常度を算出しているが、逆に対象波形を伸縮比の逆数により補正した波形を生成し、この波形と基準波形とに基づき所定の指標(すなわち、異常度に対応する指標)を算出し、算出したこの指標に基づき対象波形の異常を判定してもよい。
1 異常波形検知システム、215 基準部分取得部、219 対象波形解析部、2101 相違度算出部、2102 異常判定部、2111 アラート出力部

Claims (19)

  1. 所定の周期で値が変化する、基準となる波形である基準波形に基づき、対象となる波形である対象波形の異常を検知する、プロセッサ及びメモリを備える異常波形検知システムであって、
    前記基準波形のうち、所定の条件が満たされている前記基準波形の部分であるイベント点を取得すると共に、前記取得したイベント点が属する周期内に存在し、その値が所定の変化を示す前記基準波形の部分である特異点を抽出する基準部分取得部と、
    前記対象波形を取得する対象波形取得部と、
    前記取得した対象波形の一部に前記イベント点に対応している部分があるか否かを判断し、前記イベント点に対応している部分があると判断した場合に、当該部分を対応イベント点として取得すると共に、前記対応イベント点が属する前記対象波形の周期内に存在する、前記基準波形の特異点に対応する前記対象波形の部分を対応特異点として検出する対象波形解析部と、
    前記取得した基準波形のイベント点、前記抽出した基準波形の特異点、前記取得した対象波形の対応イベント点、及び、前記検出した対象波形の対応特異点に基づき、前記基準波形を補正した波形である補正波形を生成し、生成した前記補正波形と、新たに取得した前記対象波形との間の相違度を算出する相違度算出部と、
    前記算出した相違度に基づき、前記新たに取得した対象波形に異常があるか否かを判定する異常判定部と、
    前記異常の判定に関する情報を出力するアラート出力部と、
    を備える、異常波形検知システム。
  2. 前記基準波形及び前記対象波形はそれぞれ、所定の周期で値が時間変化する旨が表現されている波形であり、
    前記相違度算出部は、前記対応イベント点と前記対応特異点との間の時間差と、前記特異点と前記イベント点との間の時間差との比に基づく前記補正波形を生成し、生成した前記補正波形に基づき前記相違度を算出する、
    請求項1に記載の異常波形検知システム。
  3. 前記基準波形及び前記対象波形はそれぞれ、所定の周期で値が時間変化する旨が表現されている波形であり、
    前記相違度算出部は、前記対応特異点の値と、前記特異点の値との比に基づく前記補正波形を生成し、生成した前記補正波形に基づき前記相違度を算出する、
    請求項1に記載の異常波形検知システム。
  4. 前記異常判定部は、前記イベント点及び前記特異点に基づき前記対象波形の許容範囲を算出し、前記新たに取得した前記対象波形が前記算出した許容範囲内にない場合に、前記新たに取得した前記対象波形に異常があると判定する、請求項1に記載の異常波形検知システム。
  5. 前記基準波形のイベント点は、所定の装置が所定の動作を行った際の前記基準波形の部分であり、
    前記対象波形取得部は、前記所定の装置が周期的に行った動作に関する測定値を前記対象波形の値として取得する、
    請求項1に記載の異常波形検知システム。
  6. 前記相違度算出部は、複数の前記基準波形のそれぞれの前記イベント点及び前記特異点と、前記対象波形の対応イベント点及び前記対象波形の対応特異点とに基づき、複数の前記基準波形のそれぞれと、新たに取得した前記対象波形との間の相違度を算出し、
    前記異常判定部は、
    前記対象波形に異常があるか否かを前記算出した相違度のそれぞれに基づき判定することにより、異常と判定された前記相違度に対応する前記基準波形を前記対象波形の正当な基準波形ではないと判定すると共に、前記算出した全ての相違度に基づき前記対象波形に異常があると判定した場合には前記対象波形に異常があることを示す情報を出力する、
    請求項1に記載の異常波形検知システム。
  7. 前記基準波形又は前記対象波形のうち、所定の値以上の周期で変化している部分を除去することにより、新たな前記基準波形又は新たな前記対象波形を生成する高周波成分除去部を備える、
    請求項1に記載の異常波形検知システム。
  8. 前記基準波形又は前記対象波形における値のうち、所定の区間における最大値、最小値、平均値、中間値、又は最頻値を抽出することにより、新たな前記基準波形又は新たな前記対象波形を生成する補助波形生成部を備える、
    請求項1に記載の異常波形検知システム。
  9. 前記新たに取得した前記対象波形に異常があると判定された場合に、前記装置に、前記装置の動作を制御する信号を送信するフィードバック部を備え、
    前記装置は、受信した前記信号に基づき動作する、
    請求項5に記載の異常波形検知システム。
  10. 前記アラート出力部は、前記基準波形と、前記時間差に関する比とに基づき算出された波形と、前記取得した対象波形とを共に出力し、又は、前記対象波形と前記時間差に関する比とに基づき算出された波形と、前記基準波形とを共に出力する、請求項2に記載の異常波形検知システム。
  11. 前記基準波形の入力を受け付けるための画面を出力する入力画面出力部を備える、請求項1に記載の異常波形検知システム。
  12. 前記対象波形解析部は、前記対応特異点が取得されなかった場合に、その旨を示す情報を出力する、請求項1に記載の異常波形検知システム。
  13. 前記基準波形の入力を受け付けるための画面を出力する入力画面出力部を備え、
    前記基準波形及び前記対象波形はそれぞれ、所定の周期で値が時間変化する旨が表現されている波形であり、
    前記基準波形のイベント点は、所定の装置が所定の動作を行った際の前記基準波形の部分であり、
    前記特異点は、前記基準波形のうち、その値が極大値、極小値、又は予め設定された値である部分であり、
    前記異常波形検知システムは、前記新たに取得した前記対象波形に異常があると判定された場合に、前記装置に、前記装置の動作を制御する信号を送信するフィードバック部を備え、
    前記装置は、受信した前記信号に基づき動作し、
    前記対象波形取得部は、
    前記所定の装置が周期的に行った動作に関する測定値を前記対象波形の値として取得し、
    前記対応特異点が取得されなかった場合に、その旨を示す情報を出力し、
    前記相違度算出部は、
    前記対応イベント点と前記対応特異点との間の時間差と、前記特異点と前記イベント
    点との間の時間差との比に基づき前記補正波形を生成し、生成した前記補正波形に基づき前記相違度を算出し、もしくは、前記対応特異点の値と前記特異点の値との比に基づき前記補正波形を生成し、生成した前記補正波形に基づき前記相違度を算出し、
    複数の前記基準波形のそれぞれの前記特異点及び前記イベント点と、前記対象波形の対応イベント点及び前記対象波形の対応特異点とに基づき、複数の前記基準波形のそれぞれと、新たに取得した前記対象波形との間の相違度を算出し、
    前記異常判定部は、前記対象波形に異常があるか否かを前記算出した相違度のそれぞれに基づき判定することにより、異常と判定された前記相違度に対応する前記基準波形を前記対象波形の正当な基準波形ではないと判定すると共に、前記算出した全ての相違度に基づき前記対象波形に異常があると判定した場合には前記対象波形に異常があることを示す情報を出力し、
    前記イベント点及び前記特異点に基づき前記対象波形の許容範囲を算出し、前記新たに取得した前記対象波形が前記算出した許容範囲内にない場合に、前記新たに取得した前記対象波形に異常があると判定し、
    前記アラート出力部は、前記基準波形と前記時間差に関する比とに基づき算出された波形と、前記取得した対象波形とを共に出力し、又は、前記対象波形と前記時間差に関する比とに基づき算出された波形と、前記基準波形とを共に出力する、
    請求項1に記載の異常波形検知システム。
  14. 所定の周期で値が変化する、基準となる波形である基準波形に基づき、対象となる波形である対象波形の異常を検知する異常波形検知方法であって、
    プロセッサ及びメモリを備える情報処理装置が、
    前記基準波形のうち、所定の条件が満たされている前記基準波形の部分であるイベント点を取得すると共に、前記抽出したイベント点が属する周期内に存在し、その値が所定の変化を示す前記基準波形の部分である特異点を抽出する基準部分取得処理と、
    前記対象波形を取得する対象波形取得処理と、
    前記取得した対象波形の一部に前記イベント点に対応している部分があるか否かを判断し、前記イベント点に対応している部分があると判断した場合に、当該部分を対応イベント点として取得すると共に、前記対応イベント点が属する前記対象波形の周期内に存在する、前記基準波形の特異点に対応する前記対象波形の部分を対応特異点として検出する対象波形解析処理と、
    前記取得した基準波形のイベント点、前記抽出した基準波形の特異点、前記取得した対象波形の対応イベント点、及び、前記検出した対象波形の対応特異点に基づき、前記基準波形を補正した波形である補正波形を生成し、生成した前記補正波形と、新たに取得した前記対象波形との間の相違度を算出する相違度算出処理と、
    前記算出した相違度に基づき、前記新たに取得した対象波形に異常があるか否かを判定する異常判定処理と、
    前記異常の判定に関する情報を出力するアラート出力処理と、
    を実行する、異常波形検知方法。
  15. 前記基準波形及び前記対象波形はそれぞれ、所定の周期で値が時間変化する旨が表現されている波形であり、
    前記相違度算出処理は、前記対応イベント点と前記対応特異点との時間差と、前記イベント点と前記特異点との時間差との比とに基づく前記補正波形を生成し、生成した前記補正波形に基づき前記相違度を算出する処理である、請求項14に記載の異常波形検知方法。
  16. 前記基準波形のイベント点は、所定の装置が所定の動作を行った際の前記基準波形の部分であり、
    前記対象波形取得処理は、前記所定の装置が周期的に行った動作に関する測定値を前記
    対象波形の値として取得する処理である、
    請求項14に記載の異常波形検知方法。
  17. 所定の周期で値が変化する、基準となる波形である基準波形に基づき、対象となる波形である対象波形の異常を検知する、プロセッサ及びメモリを備える波形分析装置であって、
    前記基準波形のうち、所定の条件が満たされている前記基準波形の部分であるイベント点を取得すると共に、前記取得したイベント点が属する周期内に存在し、その値が所定の変化を示す前記基準波形の部分である特異点を抽出する基準部分取得部と、
    前記対象波形を取得する対象波形取得部と、
    前記取得した対象波形の一部に前記イベント点に対応している部分があるか否かを判断し、前記イベント点に対応している部分があると判断した場合に、当該部分を対応イベント点として取得すると共に、前記対応イベント点が属する前記対象波形の周期内に存在する、前記基準波形の特異点に対応する前記対象波形の部分を対応特異点として検出する対象波形解析部と、
    前記取得した基準波形のイベント点、前記抽出した基準波形の特異点、前記取得した対象波形の対応イベント点、及び、前記検出した対象波形の対応特異点に基づき、前記基準波形を補正した波形である補正波形を生成し、生成した前記補正波形と、新たに取得した前記対象波形との間の相違度を算出する相違度算出部と、
    前記算出した相違度に基づき、前記新たに取得した対象波形に異常があるか否かを判定する異常判定部と、
    を備える波形分析装置。
  18. 前記基準波形及び前記対象波形はそれぞれ、所定の周期で値が時間変化する旨が表現されている波形であり、
    前記相違度算出部は、前記イベント点と前記特異点との時間差と、前記対応イベント点と前記対応特異点との時間差との比に基づく前記補正波形を生成し、生成した前記補正波形に基づき前記相違度を算出する、請求項17に記載の波形分析装置。
  19. 前記基準波形のイベント点は、所定の装置が所定の動作を行った際の前記基準波形の部分であり、
    前記対象波形取得部は、前記所定の装置が周期的に行った動作に関する測定値を前記対象波形の値として取得する、
    請求項17に記載の波形分析装置。
JP2017044161A 2017-03-08 2017-03-08 異常波形検知システム、異常波形検知方法、及び波形分析装置 Pending JP2018147390A (ja)

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