JP2018146786A - キャリア、現像剤、補給用現像剤、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法 - Google Patents

キャリア、現像剤、補給用現像剤、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】キャリアの抵抗を長期にわたって所望の水準に維持することができ、キャリア付着を長期にわたって抑制することができるキャリアを提供する。【解決手段】磁性を有する芯材粒子と、その表面を被覆する被覆層と、を有するキャリアであって、前記被覆層は、樹脂及び導電性微粒子を含み、該導電性微粒子は、銅又は銅化合物を含み、前記被覆層の平均膜厚をh、前記導電性微粒子の体積平均粒径をdとしたときに、0.5≦d/h≦2.0を満たすとともに、前記被覆層に対する前記導電性微粒子の充填率が50%以上であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、キャリア、現像剤、補給用現像剤、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法に関する。
電子写真方式による画像形成では、静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像に対して、トナーを用いてトナー像を形成した後、トナー像を記録媒体に転写・定着させ、出力画像としている。近年、電子写真方式を用いた複写機やプリンターの技術は、モノクロからフルカラーへの展開が急速になりつつあり、フルカラーの市場は拡大する傾向にある。
フルカラー画像形成では、一般に、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー又はこれに黒色を加えた4色のカラートナーを積層させて全ての色の再現を行う。そのため、色再現性に優れ、鮮明なフルカラー画像を得るためには、定着されたトナー像の表面を平滑にして光散乱を減少させる必要がある。このような理由から、従来のフルカラー複写機等の潜像画像には、トナー像の平滑性達成のため静電潜像のトナー付着量を多くして高光沢を実現させるものが多かった。しかし、これに起因して長期印刷の際には劣化したトナーがキャリア表面に付着するトナースペントが問題になっている。
トナースペントによるキャリア劣化の中で特に問題になるのが、キャリア抵抗の上昇である。近年市場が拡大しているプロダクションプリンティングの分野では、これまで以上の高画質化が求められている。トナースペントによりキャリア抵抗が上昇してしまうことで、キャリアが静電潜像担持体上に転移する、いわゆるキャリア付着が発生し、画像端部や中央部に白抜けとして現れるという不具合が発生するが、この問題に対する要求は近年さらにシビアになりつつある。
これに対して、キャリア抵抗を初期の段階で特に高いレベルとなるように設計し、長期使用においても求められる水準を維持するような試みも考えられるが、その際にはキャリア表面の帯電が現像直後で適切にリークせず、例えばハーフトーンを印字する際に端部が薄くなるという不具合が生じる。
以上のことから、キャリアの抵抗としては初期が低く、その水準を維持させることが高品質の安定化には必要不可欠である。前記技術構想を達成すべく、さまざまな試みが行われている。例えばキャリア被覆樹脂に非相応の複数の樹脂を用いることで被覆層中の導電性微粒子を偏在させ、キャリア被覆樹脂の耐スペント性を生かし、かつ、導電性微粒子によるキャリアの低抵抗化を実現させる手段がある(特許文献1)
しかしながら、特許文献1においては、プリント速度の高速化に伴い、被覆樹脂によるトナースペントを抑制する効果だけでは足らず、印刷枚数とともに抵抗は上昇し、キャリア付着の問題が避けられない。
本発明は、キャリアの抵抗を長期にわたって所望の水準に維持することができ、キャリア付着を長期にわたって抑制することができるキャリアを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、磁性を有する芯材粒子と、その表面を被覆する被覆層と、を有するキャリアであって、前記被覆層は、樹脂及び導電性微粒子を含み、該導電性微粒子は、銅又は銅化合物を含み、前記被覆層の平均膜厚をh、前記導電性微粒子の体積平均粒径をdとしたときに、0.5≦d/h≦2.0を満たすとともに、前記被覆層に対する前記導電性微粒子の充填率が50%以上であることを特徴とする。
本発明によれば、キャリアの抵抗を長期にわたって所望の水準に維持することができ、キャリア付着を長期にわたって抑制することができるキャリアを提供することができる。
キャリアの体積固有抵抗を測定するキャリア抵抗測定装置の構成を示す概略図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略説明図である。
以下、本発明に係るキャリア、現像剤、補給用現像剤、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
(キャリア)
本発明は、磁性を有する芯材粒子と、その表面を被覆する被覆層と、を有するキャリアであって、前記被覆層は、樹脂及び導電性微粒子を含み、該導電性微粒子は、銅又は銅化合物を含み、前記被覆層の平均膜厚をh、前記導電性微粒子の体積平均粒径をdとしたときに、0.5≦d/h≦2.0を満たすとともに、前記被覆層に対する前記導電性微粒子の充填率が50%以上であることを特徴とする。
従来より、トナースペントによりキャリア抵抗が上昇してしまうことで、キャリアが静電潜像担持体上に転移する、いわゆるキャリア付着が問題となっている。
本発明では、導電性の高い微粒子が効果的に被覆層に配列され、トナースペントした際にも前記導電性微粒子が導通回路として機能し、初期の抵抗水準を維持し続けることができ、長期にわたってキャリア付着を抑制することができる。
また、被覆層に微粒子が含まれることによって被覆層に凹凸が形成されるが、凸部は現像器内で衝突を受け、削れやすくなる。これによりトナースペントは凹部に堆積する。本発明では被覆層の凸部が特に導電性の高いポイントとして機能し続けることができ、該ポイントから芯材粒子までを導通回路とすることができるため、スペントしてもキャリア抵抗を低く維持できることが可能である。このため、キャリアの抵抗を長期にわたって所望の水準に維持することができる。
本発明の重要なポイントとして、特に以下の3点が挙げられる。
まず1つ目に、被覆層中の導電性微粒子が銅又は銅化合物を含むということである。導電性微粒子には前述の通り導通経路として機能し続けることが求められ、そのためには高い導電性、高い耐衝撃性、樹脂との親和性を有することが好ましい。本発明者らが鋭意検討した結果、銅又は銅化合物を含む導電性微粒子が非常に優れた効果を示すことを見出した。
2つ目に、前記d/hが0.5≦d/h≦2.0を満たすということである。このことは技術構想を達成する上で、キャリア表面に最適な凹凸を導電性微粒子により生み出す条件ともいえる。d/hが0.5未満であると被覆層に適度な凹凸が生まれず、トナースペントにより導電性微粒子の導通経路としての機能が阻害され、キャリア抵抗の上昇を引き起こす。また、d/hが2.0を超えると被覆層が導電性微粒子を保持できず、劣化とともに導電性微粒子が脱離し、芯材粒子が露出され、著しい抵抗低下を引き起こす。
このように、d/hが所望の範囲から外れるとキャリア抵抗を所望の水準に維持することができず、キャリア付着などの不具合が生じる。d/hが0.5未満の場合、長期印刷時にエッジキャリア付着が生じ、d/hが2.0を超える場合、長期印刷時にベタキャリア付着が生じてしまう。
3つ目に、被覆層に対する導電性微粒子の充填率が50%以上ということである。幾度も実験を重ねた結果、50%未満になるとキャリア抵抗を維持するための充分な凸部を得られず、キャリア抵抗が上昇傾向にあることがわかった。また、充填率は70%以上であることが好ましく、この場合、トナースペントが劣悪になりやすい高湿環境においても抵抗上昇を抑制することができる。
上記のように、本発明の構成とすることにより、キャリアの抵抗を長期にわたって所望の水準に維持することができ、キャリア付着を長期にわたって抑制することができる。
また、本発明によれば、プロダクションプリンティングの分野において求められる画質に対して十分な抵抗の維持が長期印刷にわたって可能であり、かつ現像領域に安定した現像剤量を供給することができる。さらに、低温定着トナーを使用した高速機においても高画像面積率の印字密度での連続通紙を行うことができる。加えて、信頼性の高い画像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジを提供することができるという極めて優れた効果を奏するものである。
<被覆層の平均膜厚h、導電性微粒子の体積平均粒径d、充填率の測定>
被覆層の平均膜厚h、導電性微粒子の体積平均粒径d、充填率の測定は、公知の方法で行うことができるが、本発明においては以下の方法で測定する。すなわち、FIB(集束イオンビーム)でキャリアを切断し、その断面をSEM(走査型電子顕微鏡)等で観察することによって行うことができる。
測定方法について、一例を挙げて説明する。まず、カーボンテープ上に試料を付着させ、表面保護及び導電処理のため、オスミウムを約20nmコーティングする。
次に、例えば以下の条件でFIB処理を行う。
[条件例]
Carl Zeiss(SII)社製NVision40
加速電圧:2.0kV
アパーチャ:30μm
High Current:ON
検出器:SE2,InLens
導電処理:なし
W.D:5.0mm
試料傾斜:54°
次に、キャリアの断面について例えば以下の条件でSEM観察を行う。
[条件例]
Thermo Fisher Scientific社製電子冷却型SDD検出器UltraDry(Φ30mm
解析ソフト:Thermo Fisher Scientific社製NORAN System6(NSS)
加速電圧:3.0kV
アパーチャ:120μm
High Current:ON
導電処理:0s
ドリフト補正:あり
W.D:10.0mm
測定法:Area Scan
積算時間:10sec
積算回数:100回
試料傾斜:54°
倍率:10000倍
SEM観察により得られた結果をTIFF画像に取り込み、Media Cybernetics社製のImage−Pro Plusを用いて、粒子だけの画像にした後、二値化処理を行い、被覆層部分において白色の部分(導電性微粒子部分)と黒色の部分(樹脂部分)に分解する。
白色の部分の粒径についてはキャリア1粒子につき10粒子を無作為に選び、100粒子のキャリアについて測定を行い、平均値を求める。
また、黒色の膜厚の部分についてはキャリア1粒子につき中心から無作為に十字に4方向の補助線を引き、補助線上の黒色部分(樹脂部分)の厚みを求め、膜厚の平均値を求める。なお、補助線上に粒子がある場合、樹脂部分の厚みのみを求め、平均値を求める。キャリア100粒子について同様の膜厚測定を行い、平均値を求める。
また、キャリア100粒子に対して白色と黒色の面積から被覆層に対する導電性微粒子の充填率を求める。
<被覆層の構成成分>
本発明のキャリアの被覆層は、樹脂及び導電性微粒子を含み、必要に応じてその他の成分を含む。
<<導電性微粒子>>
本発明のキャリアの被覆層に含まれる導電性微粒子は、銅又は銅化合物を含む。
前記銅としては、例えば銅粉末等が挙げられる。
前記銅化合物としては、銅を含む化合物であればよく、最表層が銅であるものが好ましい。銅化合物としては、例えば酸化銅、硫化銅、硫酸銅、塩化銅、炭酸銅、鍍銅二流化モリブデン、鍍銅黒鉛、鍍銅鉄粉等が挙げられ、中でも酸化銅が好ましい。
前記導電性微粒子の体積平均粒径は1.0μm〜2.0μmであることが好ましい。1.0μm以上であればキャリアの膜厚によらず、導電性微粒子がキャリア凸部の機能を果たす上で優れた効果を発揮する。また、2.0μm以下であれば現像器のハザードに対して離脱が少ない点で特に有利である。このことについては芯材粒子の運動エネルギーと固有振動が関わっているものと考えられるが、明確な理由については明らかになっていない。
前記導電性微粒子は、銅又は銅化合物以外にも、例えば酸化スズ、アルミナ、酸化チタン、硫酸バリウム等を含んでいてもよい。この場合、銅又は銅化合物の含有量は、前記導電性微粒子中、20質量%以上であることが好ましい。
なお、被覆層には銅又は銅化合物を含む導電性微粒子の他にも、その他の導電性微粒子や非導電性微粒子もあわせて用いることができる(後述)。
<<樹脂>>
被覆層に含まれる樹脂としては、下記一般式(A)で表されるA成分、及び、下記一般式(B)で表されるB成分を有する共重合体の加熱処理物を含むことが好ましい。この場合、長期印刷に対しても導電性微粒子を被覆層中に保持させる効果がより向上する。
Figure 2018146786
Figure 2018146786
(前記一般式(A)及び前記一般式(B)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、mは1〜8の整数を表し、Xは10〜90mol%を表し、Yは10〜90mol%を表す。)
前記A成分及び前記B成分を含む共重合体(1)を以下に示す。
Figure 2018146786
前記共重合体(1)は、前記一般式(A)で表されるモノマー成分と、前記一般式(B)で表されるモノマー成分をラジカル共重合して得られる。この共重合体(1)の加熱処理物は、共重合体(1)を加水分解し、シラノール基を生成し、触媒を用いて縮合することにより架橋、被覆した後、加熱処理して得ることができる。
A成分において、Xは10〜90mol%であり、より好ましくは30〜70mol%である。
A成分は、側鎖にメチル基が多数存在する原子団・トリス(トリメチルシロキシ)シランを有しており、樹脂全体に対してA成分の比率が高くなると表面エネルギーが小さくなり、トナーの樹脂成分、ワックス成分などの付着が少なくなる。
A成分が10mol%未満の場合、上記の効果が十分に得られず、トナー成分の付着が増えることがある。また、90mol%より多くなると、B成分や後述のC成分が減り、架橋が進まず、強靭性が不足することがある。さらに、芯材粒子と被覆層の接着性が低下し、キャリア被膜の耐久性が悪くなることがある。
A成分としては、例えば以下のトリス(トリアルキルシロキシ)シラン化合物等が挙げられる。下記式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基である。
CH=CMe−COO−C−Si(OSiMe
CH=CH−COO−C−Si(OSiMe
CH=CMe−COO−C−Si(OSiMe
CH=CMe−COO−C−Si(OSiEt
CH=CH−COO−C−Si(OSiEt
CH=CMe−COO−C−Si(OSiEt
CH=CMe−COO−C−Si(OSiPr
CH=CH−COO−C−Si(OSiPr
CH=CMe−COO−C−Si(OSiPr
A成分の製造方法としては、特に限定されないが、トリス(トリアルキルシロキシ)シランを白金触媒の存在下にアリルアクリレート又はアリルメタクリレートと反応させる方法や、特開平11−217389に記載されている、カルボン酸と酸触媒の存在下で、メタクリロキシアルキルトリアルコキシシランとヘキサアルキルジシロキサンとを反応させる方法などが挙げられる。
B成分は、ラジカル重合性の2官能又は3官能性のシラン化合物であり、Yは10〜90mol%であり、より好ましくは30〜70mol%である。
10mol%未満の場合、強靭さが十分得られない場合がある。一方、90mol%よりも多い場合、被膜は固くて脆くなり、膜削れが発生することがある。また、環境特性が悪化する場合がある。これは、加水分解した架橋成分がシラノール基として多数残り、環境特性(湿度依存性)を悪化させていることも考えられる。
このようなB成分としては、例えば3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリトキシプロピルトリ(イソプロペキシ)シラン、3−アクリロキシプロピルトリ(イソプロペキシ)シラン等が挙げられる。
また、前記A成分やB成分の他に下記一般式(C)で表されるC成分(アクリル系化合物)を有していてもよい。
Figure 2018146786
(前記一般式(C)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、Zは30〜80mol%を表す。)
このようなC成分を加えたものとしては、下記の共重合体(2)のように表される。
Figure 2018146786
共重合体(2)において、Xは10〜40mol%であることが好ましく、Yは10〜40mol%であることが好ましく、Zは30〜80mol%であることが好ましい。また、60mol%<Y+Z<90mol%であることが好ましい。
C成分は、被膜に可撓性を付与し、かつ、芯材と被膜との接着性を良好にすることができるが、C成分が30mol%未満だと十分な接着性が得られないことがあり、80mol%よりも大きくなると、A成分及びB成分のいずれかが10mol%以下となるため、キャリア被膜の撥水性、硬さと可撓性(膜削れ)を両立させることが難しくなる。
C成分のアクリル系化合物(モノマー)としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが好ましく、具体的には、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート等が挙げられる。これらの中ではアルキルメタクリレートが好ましく、メチルメタクリレートがより好ましい。また、これらの化合物の1種類を単独で使用してもよく、2種類以上の混合物を使用してもよい。
また、C成分として、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、3−(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレートを用いても構わない。また、これらの化合物の1種類を単独で使用してもよく、2種類以上の混合物を使用してもよい。
被覆層中の樹脂は、共重合体(2)の加熱処理物を含むことが好ましい。この共重合体(2)の加熱処理物は、共重合体(1)と同様に、共重合体(2)を加水分解し、シラノール基を生成し、触媒を用いて縮合することにより架橋、被覆した後、加熱処理して得ることができる。
被膜の架橋による高耐久化技術としては、例えば特許第3691115号がある。特許第3691115号は、磁性粒子表面を、少なくとも末端にビニル基を有するオルガノポリシロキサンとヒドロキシル基、アミノ基、アミド基及びイミド基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有するラジカル共重合性単量体との共重合体をイソシアネート系化合物により架橋させた熱硬化性樹脂で被覆したことを特徴とする静電荷像現像用キャリアであるが、被膜の剥がれ・削れにおいて十分な耐久性が得られていないのが現状である。
その理由は十分明らかになっているとはいえないが、前述の共重合体をイソシアネート系化合物により架橋させた熱硬化性樹脂の場合、構造式からもわかるように、共重合体樹脂中のイソシアネート化合物と反応(架橋)する単位重量あたりの官能基が少なく、架橋点において、二次元、あるいは三次元的な緻密な架橋構造を形成することができない。そのために長時間使用すると、被膜剥がれ・削れなどが生じ(被膜の耐磨耗性が小さく)やすく、十分な耐久性が得られていないと推察される。
被膜の剥がれ・削れが生じると、キャリア抵抗低下による画像品質の変化、キャリア付着が起こる。また、被膜の剥がれ・削れは、現像剤の流動性を低下させ、汲み上げ量低下を引き起こし、画像濃度低下、TCアップに伴う地汚れ、トナー飛散の原因となっている。
上述の樹脂は、樹脂単位重量当たりでみても、2官能、あるいは3官能の架橋可能な官能基(点)を多数(単位重量当り、2倍〜3倍多い)有した共重合樹脂であり、これを更に、縮重合により架橋させたものであるため、被膜が極めて強靭で削れ難く、高耐久化がはかれていると考えられる。
また、イソシアネート化合物による架橋より、シロキサン結合による架橋の方が結合エネルギーが大きく熱ストレスに対しても安定しているため、被膜の経時安定性が保たれていると推察される。
キャリアの被覆層が含む樹脂としては、上述したものの他に、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、またはこれらを併用して使用することもできる。
中でもシリコーン樹脂とアクリル樹脂を併用することが好ましい。アクリル樹脂は接着性が強く脆性が低いので耐磨耗性に非常に優れた性質を持つが、その反面、表面エネルギーが高いため、スペントしやすいトナーとの組み合わせでは、トナー成分スペントが蓄積することによる帯電量低下など不具合が生じる場合がある。その場合、表面エネルギーが低いためトナー成分のスペントが生じにくく、膜削れが生じるためのスペント成分の蓄積が進みにくい効果が得られるシリコーン樹脂を併用することで、この問題を解消することができる。
一方、シリコーン樹脂は接着性が弱く脆性が高いので、耐磨耗性が悪いという弱点も有するため、この2種の樹脂の性質をバランス良く得ることが好ましく、この場合スペントしにくく、耐摩耗性も有する被覆膜を得ることができる。
上述したシリコーン樹脂とは、一般的に知られているシリコーン樹脂全てを含み、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコン樹脂や、アルキド、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ウレタンなどで変性したシリコーン樹脂などが挙げられるが、これに限るものではない。例えば、市販品としてストレートシリコン樹脂としては、信越化学製のKR271、KR255、KR152、東レ・ダウコーニング・シリコン社製のSR2400、SR2406、SR2410等が挙げられる。この場合、シリコーン樹脂単体で用いることも可能であるが、架橋反応する他成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
さらに、変性シリコーン樹脂としては、例えば信越化学製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レ・ダウコーニング・シリコン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)などが挙げられる。
<<その他の成分>>
被覆層中のその他の成分としては、例えば銅又は銅化合物を含む導電性微粒子以外のその他の導電性微粒子や非導電性微粒子、縮重合触媒、シランカップリング剤等が挙げられる。
その他の導電性微粒子としては、例えば酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化珪素、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム等を基体として二酸化スズや酸化インジウム等を層として形成したフィラー、カーボンブラック、ITO、PTO、WTO、酸化錫、ポリアニリンなどを使用できる。
非導電性微粒子としては、例えば酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化珪素、硫酸バリウム、酸化ジルコニウムなどの基体が使用できる。
縮重合触媒としては、チタン系触媒、スズ系触媒、ジルコニウム系触媒、アルミニウム系触媒等が挙げられる。中でも優れた結果をもたらすチタン系触媒が好ましく、チタン系触媒の中でも、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)がより好ましい。これは、シラノール基の縮合反応を促進する効果が大きく、かつ触媒が失活しにくいためであると考えられる。
本発明において、被覆層用組成物は、シランカップリング剤を含有することが好ましい。これにより、被膜層中の導電性微粒子を安定に分散させることができる。
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、r−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−r−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、r−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、r−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、r−クロルプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、r−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、r−クロルプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシラザン、メタクリルオキシエチルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
シランカップリング剤の市販品としては、AY43−059、SR6020、SZ6023、SH6026、SZ6032、SZ6050、AY43−310M、SZ6030、SH6040、AY43−026、AY43−031、sh6062、Z−6911、sz6300、sz6075、sz6079、sz6083、sz6070、sz6072、Z−6721、AY43−004、Z−6187、AY43−021、AY43−043、AY43−040、AY43−047、Z−6265、AY43−204M、AY43−048、Z−6403、AY43−206M、AY43−206E、Z6341、AY43−210MC、AY43−083、AY43−101、AY43−013、AY43−158E、Z−6920、Z−6940(東レ・シリコーン社製)等が挙げられる。
シランカップリング剤の添加量は、被覆層中の樹脂に対して、0.1〜10質量%であることが好ましい。シランカップリング剤の添加量が0.1質量%未満であると、芯材粒子や導電性微粒子と被覆層中の樹脂の接着性が低下して、長期間の使用中に被覆層が脱落することがあり、10質量%を超えると、長期間の使用中にトナーのフィルミングが発生することがある。
<芯材粒子>
本発明において、芯材粒子としては、磁性を有するものであれば、特に限定されないが、例えば鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金や化合物;これらの磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子等が挙げられる。中でも、環境面への配慮から、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Srフェライトが好ましい。
<キャリアのその他の物性>
本発明のキャリアは、体積平均粒径が28μm以上40μm以下であることが好ましい。キャリア粒子の体積平均粒径が28μm未満であると、キャリア付着が発生することがあり、40μmを超えると、画像細部の再現性が低下し、精細な画像を形成できなくなることがある。
なお、体積平均粒径は、例えば、マイクロトラック粒度分布計モデルHRA9320−X100(日機装社製)を用いて測定することができる。
本発明のキャリアは、体積固有抵抗が8〜16[LogΩ・cm]であることが好ましい。体積固有抵抗が8[LogΩ・cm]未満であると、非画像部でキャリア付着が発生することがあり、16[LogΩ・cm]を超えると、エッジ効果が許容できないレベルになることがある。
なお、体積固有抵抗は、図1に示すセルを用いて測定することができる。具体例としては、まず、表面積2.5cm×4cmの電極12a及び電極12bを、0.2cmの距離を隔てて収容したフッ素樹脂製容器11からなるセルに、キャリア13を充填し、落下高さ1cm、タッピングスピード30回/分で、10回のタッピングを行う。次に、電極12a及び12bの間に1000Vの直流電圧を印加して30秒後の抵抗値r[Ω]を、ハイレジスタンスメーター4329A(横河ヒューレットパッカード社製)を用いて測定し、下記式(1)から、体積固有抵抗[Ω・cm]を算出することができる。
Figure 2018146786
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明のキャリア及びトナーを有する。
トナーは、例えば結着樹脂と着色剤を含有し、モノクロトナー及びカラートナーのいずれであってもよい。また、定着ローラにトナー固着防止用オイルを塗布しないオイルレスシステムに適用するために、トナー粒子は、離型剤を含有してもよい。このようなトナーは、一般に、フィルミングが発生しやすいが、本発明のキャリアは、フィルミングを抑制することができるため、本発明の現像剤は、長期にわたり、良好な品質を維持することができる。さらに、カラートナー、特に、イエロートナーは、一般に、キャリアの被覆層の削れによる色汚れが発生するという問題があるが、本発明の現像剤は、色汚れの発生を抑制することができる。
トナーは、粉砕法、重合法等の公知の方法を用いて製造することができる。例えば、粉砕法を用いてトナーを製造する場合、まず、トナー材料を混練することにより得られる溶融混練物を冷却した後、粉砕し、分級して、母体粒子を作製する。次に、転写性、耐久性をさらに向上させるために、母体粒子に外添剤を添加し、トナーを作製する。
このとき、トナー材料を混練する装置としては、特に限定されないが、バッチ式の2本ロール;バンバリーミキサー;KTK型2軸押出し機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出し機(東芝機械社製)、2軸押出し機(KCK社製)、PCM型2軸押出し機(池貝鉄工社製)、KEX型2軸押出し機(栗本鉄工所社製)等の連続式の2軸押出し機;コ・ニーダ(ブッス社製)等の連続式の1軸混練機等が挙げられる。
また、冷却した溶融混練物を粉砕する際には、ハンマーミル、ロートプレックス等を用いて粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機、機械式の微粉砕機等を用いて微粉砕することができる。なお、平均粒径が3〜15μmとなるように粉砕することが好ましい。
さらに、粉砕された溶融混練物を分級する際には、風力式分級機等を用いることができる。なお、母体粒子の平均粒径が5〜20μmとなるように分級することが好ましい。
また、母体粒子に外添剤を添加する際には、ミキサー類を用いて混合攪拌することにより、外添剤が解砕されながら母体粒子の表面に付着する。
結着樹脂としては、特に限定されないが、ポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単独重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
圧力定着用の結着樹脂としては、特に限定されないが、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等のポリオレフィン;エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等のオレフィン共重合体;エポキシ樹脂、ポリエステル、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノール変性テルペン樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
着色剤(顔料又は染料)としては、特に限定されないが、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄色顔料;モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK等の橙色顔料;ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等の赤色顔料;ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の紫色顔料;コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等の青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等の緑色顔料;カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物等の黒色顔料等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
離型剤としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、アミド系ワックス、多価アルコールワックス、シリコーンワニス、カルナウバワックス、エステルワックス等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
また、トナーは、帯電制御剤をさらに含有してもよい。帯電制御剤としては、特に限定されないが、ニグロシン;炭素数が2〜16のアルキル基を有するアジン系染料(特公昭42−1627号公報参照);C.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)等の塩基性染料;これらの塩基性染料のレーキ顔料;C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド等の4級アンモニウム塩;ジブチル、ジオクチル等のジアルキルスズ化合物;ジアルキルスズボレート化合物;グアニジン誘導体;アミノ基を有するビニル系ポリマー、アミノ基を有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂;特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩;特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸;ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体;スルホン化した銅フタロシアニン顔料;有機ホウ素塩類;含フッ素4級アンモニウム塩;カリックスアレン系化合物等が挙げられるが、二種以上併用してもよい。なお、ブラック以外のカラートナーにおいては、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好ましい。
外添剤としては、特に限定されないが、シリカ、酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機粒子;ソープフリー乳化重合法により得られる平均粒径が0.05〜1μmのポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等の樹脂粒子が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、表面が疎水化処理されているシリカ、酸化チタン等の金属酸化物粒子が好ましい。さらに、疎水化処理されているシリカ及び疎水化処理されている酸化チタンを併用し、疎水化処理されているシリカよりも疎水化処理されている酸化チタンの添加量を多くすることにより、湿度に対する帯電安定性に優れるトナーが得られる。
本発明のキャリアを、キャリアとトナーからなる補給用現像剤とし、現像装置内の余剰の現像剤を排出しながら画像形成を行う画像形成装置に適用することで、極めて長期にわたって安定した画像品質が得られる。つまり、現像装置内の劣化したキャリアと、補給用現像剤中の劣化していないキャリアを入れ替え、長期間にわたって帯電量を安定に保ち、安定した画像が得られる。本方式は、特に高画像面積印字時に有効である。
高画像面積印字時は、キャリアへのトナースペントによるキャリア帯電劣化が主なキャリア劣化であるが、本方式を用いることで、高画像面積時には、キャリア補給量も多くなるため、劣化したキャリアが入れ替わる頻度が上がる。これにより、極めて長期間にわたって安定した画像を得られる。
補給用現像剤の混合比率は、キャリア1質量部に対してトナーを2〜50質量部の配合割合とすることが好ましい。トナーが2質量部未満の場合には、補給キャリア量が多すぎ、キャリア供給過多となり現像装置中のキャリア濃度が高くなりすぎるため、現像剤の帯電量が増加しやすい。また、現像剤帯電量が上がることにより、現像能力が下がり画像濃度が低下してしまう。50質量部を超えると、補給用現像剤中のキャリア割合が少なくなるため、画像形成装置中のキャリアの入れ替わりが少なくなり、キャリア劣化に対する効果が期待できなくなる。
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有する。更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を有する。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像担持体と、静電潜像担持体を帯電させる帯電手段と、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を本発明の現像剤を用いて現像する現像手段と、静電潜像担持体をクリーニングするクリーニング手段とを有する。
図2に、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す。本実施形態のプロセスカートリッジは、感光体101(静電潜像担持体)、感光体101を帯電する帯電装置102、感光体101上に形成された静電潜像を本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像装置104及び感光体101上に形成されたトナー像を記録媒体105に転写した後、感光体101上に残留したトナーを除去するクリーニング装置107が一体に支持されている。本実施形態のプロセスカートリッジは、複写機、プリンター等の画像形成装置の本体に対して着脱可能である。
以下、本実施形態のプロセスカートリッジを搭載した画像形成装置を用いて画像を形成する方法について説明する。まず、感光体101が所定の周速度で回転駆動され、帯電装置102により、感光体101の周面が正又は負の所定電位に均一に帯電される。次に、スリット露光方式の露光装置、レーザービームで走査露光する露光装置等の露光装置から感光体101の周面に露光光103が照射され、静電潜像が順次形成される。
さらに、感光体101の周面に形成された静電潜像は、現像装置104により、本発明の現像剤を用いて現像され、トナー像が形成される。
次に、感光体101の周面に形成されたトナー像は、感光体101の回転と同期されて、給紙部から感光体101と転写装置の間に給紙された転写紙に、順次転写される。さらに、トナー像が転写された転写紙は、感光体101の周面から分離されて定着装置106に導入されて定着された後、複写物(コピー)として、画像形成装置の外部へプリントアウトされる。
一方、トナー像が転写された後の感光体101の表面は、クリーニング装置107により、残留したトナーが除去されて清浄化された後、除電装置により除電され、繰り返し画像形成に使用される。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像担持体を帯電させる帯電手段と、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段とを有する。更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有する。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下、「部」とあるのは「質量部」を示す。
(樹脂合成例)
撹拌機付きフラスコにトルエン300gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。次いで、これにCH=CMe−COO−C−Si(OSiMe(式中、Meはメチル基である。)で示される3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン84.4g(200mmol:サイラプレーン TM−0701T/チッソ社製)、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン39g(150mmol)、メタクリル酸メチル65.0g(650mmol)、及び、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.58g(3mmol)の混合物を1時間かけて滴下した。これにより共重合体R1を得た。
滴下終了後、さらに、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.06g(0.3mmol)をトルエン15gに溶解した溶液を加えて(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルの合計量0.64g=3.3mmol)、90〜100℃で3時間混合して[R1樹脂溶液](共重合体R1の加熱処理物)を得た。
(導電性微粒子の製造例)
酸化銅粒子(DOWAエレクトロニクス社製)数グレードを用い、気流分級させることで所望の粒径への調整を行い、[粒子1]〜[粒子8]を得た。
また、[粒子9]としてアルミナ(住友化学社製AA−1.5)を用い、[粒子10]として硫酸バリウム(竹原化学工業社製W−1)を用い、[粒子11]としてカーボンブラック(ライオンスペシャリティケミカルズ社製ECP600JD)を用いた。
また、[粒子12]として銅粒子(FUKUDA社製)、[粒子13]として硫酸銅(FPCコネクト社製)を用い、気流分級させることで所望の粒径に調整した。
得られた粒子の種類と体積平均粒径を表1に示す。
Figure 2018146786
(芯材製造例)
MnCO、Mg(OH)、Fe、及びSrCO粉を秤量し混合して混合粉を得た。この混合粉を、加熱炉により800℃、2時間、大気雰囲気下で仮焼し、得られた仮焼物を冷却後、粉砕して、粒径3μm以下の粉体とした。この粉体を1質量%の分散剤を水と共に加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1120℃、4時間焼成した。
得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μm、BET比表面積が0.18m/gの球形フェライト粒子を得た。
(トナー製造例)
<ポリエステル樹脂Aの合成>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物65部、ビスフェノールAのプロピオンオキシド3モル付加物86部、テレフタル酸274部及びジブチルスズオキシド2部を投入し、常圧下、230℃で15時間反応させた。次に、5〜10mmHgの減圧下、6時間反応させて、[ポリエステル樹脂A]を合成した。得られた[ポリエステル樹脂A]は、数平均分子量(Mn)が2,300、重量平均分子量(Mw)が8,000、ガラス転移温度(Tg)が58℃、酸価が25mgKOH/g、水酸基価が35mgKOH/gであった。
<スチレン−アクリル樹脂Aの合成>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル300部、スチレン185部、アクリルモノマー115部及びアゾビスイソブチルニトリル5部を投入して、窒素雰囲気下、65℃(常圧)で8時間反応させた。次に、メタノール200部を加え、1時間攪拌した後、上澄みを除去し、減圧乾燥させて、[スチレン−アクリル樹脂A]を合成した。得られた[スチレン−アクリル樹脂A]は、Mwが20,000、Tgが58℃であった。
<プレポリマー(活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)の合成>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。
得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が49であった。
次に、冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル411質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、[プレポリマー](活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。
得られた[プレポリマー]の遊離イソシアネート含有量は、1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
<ケチミン(活性水素基含有化合物)の合成>
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン30質量部及びメチルエチルケトン70質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、[ケチミン化合物](活性水素基含有化合物)を合成した。得られた[ケチミン化合物](活性水素機含有化合物)のアミン価は423であった。
<マスターバッチの作製>
水1,000部、DBP吸油量が42mL/100g、pHが9.5のカーボンブラックPrintex35(デグサ社製)540部、及び[ポリエステル樹脂A]1,200部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。次に、2本ロールを用いて、得られた混合物を150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、[マスターバッチ]を作製した。
<水系媒体の調製>
イオン交換水306部、リン酸三カルシウムの10質量%懸濁液265部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0部を混合攪拌し、均一に溶解させて、[水系媒体]を調製した。
−臨界ミセル濃度の測定−
界面活性剤の臨界ミセル濃度は以下の方法で測定した。表面張力計Sigma(KSV Instruments社製)を用いて、Sigmaシステム中の解析プログラムを用いて解析を行った。界面活性剤を[水系媒体]に対して0.01質量%ずつ滴下し、攪拌、静置後の界面張力を測定した。得られた表面張力カーブから、界面活性剤の滴下によっても界面張力が低下しなくなる界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度として算出した。水系媒体に対するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの臨界ミセル濃度を表面張力計Sigmaで測定を行ったところ、水系媒体の重量に対して0.05質量%であった。
<トナー材料の溶解乃至分散液の調製>
ビーカー内に、[ポリエステル樹脂A]70部、[プレポリマー]10質量部及び酢酸エチル100部を入れ、攪拌して溶解させた。離型剤としてパラフィンワックス5部(日本精鑞社製HNP−9、融点75℃)、MEK−ST(日産化学工業社製)2部、及び[マスターバッチ]10部を加えて、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスクの周速度6m/秒で、粒径0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスした後、[ケチミン]2.7質量部を加えて溶解させ、トナー材料の[溶解乃至分散液]を調製した。
<乳化乃至分散液の調製>
[水系媒体]150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料の[溶解乃至分散液]100質量部を添加し、10分間混合して[乳化乃至分散液](乳化スラリー)を調製した。
<有機溶剤の除去>
攪拌機及び温度計をセットしたコルベンに、[乳化乃至分散液](乳化スラリー)100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間脱溶剤し、分散スラリーを得た。
<洗浄>
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて30分間)した後減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。更に得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
<界面活性剤量調整>
上記洗浄により得られた濾過ケーキに、イオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した際のトナー分散液の電気伝導度を測定し、事前に作成した界面活性剤濃度の検量線より、トナー分散液の界面活性剤濃度を算出した。その値から、界面活性剤濃度が狙いの界面活性剤濃度0.05質量%になるように、イオン交換水を追加し、トナー分散液を得た。
<表面処理工程>
前記所定の界面活性剤濃度に調整されたトナー分散液を、TK式ホモミキサーで5000rpmで混合しながら、ウォーターバスで加熱温度T1=55℃で10時間加熱を行った。その後トナー分散液を25℃まで冷却し、濾過を行った。更に得られた濾過ケーキに、イオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
<乾燥>
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体粒子1]を得た。
<外添処理>
さらに、[トナー母体粒子1]を100質量部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ3.0質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体を1.5質量部とをヘンシェルミキサーにて混合し、[トナー1]を得た。
(実施例1)
シリコーン樹脂溶液(固形分20質量%)646質量部、アミノシラン(固形分100質量%)12部、導電性微粒子として[粒子1]460質量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)31質量部を、トルエン750質量部で希釈して樹脂溶液を得た。
芯材粒子として上記芯材製造例で得られたフェライト粒子を用いて、流動床型コーティング装置に微粒化ノズルを使用して、流動槽内の温度を各65℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、250℃/1時間焼成し、[キャリア1]を得た。得られた[キャリア1]930質量部、及び[トナー1]70質量部を混合して、タービュラーミキサーを用いて81rpmで4分間攪拌し、評価用の現像剤を作製した。また、補給用現像剤は、トナー濃度が95質量%(キャリア1質量部に対してトナー19質量部)となるように、前記キャリア及び前記トナーを用いて作製した。
(実施例2〜16、比較例1〜8)
製造方法は実施例1と同様にし、用いた材料と部数を表2のように変更してキャリアを作製した。また、実施例1と同様に現像剤を作製した。
なお、実施例14では、導電性微粒子として[粒子1]300質量部及び[粒子9]238質量部とした。
Figure 2018146786
(測定及び評価)
得られたキャリア特性について以下のように測定及び評価を行った。結果を表3、表4に示す。
<被覆層の平均膜厚h、導電性微粒子の体積平均粒径d、充填率の測定>
得られたキャリアについて、以下のようにしてd/h、充填率を求めた。FIB(集束イオンビーム)でキャリアを切断し、その断面をSEMで観察する。まず、カーボンテープ上に試料を付着させ、表面保護及び導電処理のため、オスミウムを約20nmコーティングした。次に、以下の条件でFIB処理を行った。
[条件例]
Carl Zeiss(SII)社製NVision40
加速電圧:2.0kV
アパーチャ:30μm
High Current:ON
検出器:SE2,InLens
導電処理:なし
W.D:5.0mm
試料傾斜:54°
次に、キャリア断面について以下の条件でSEM観察を行った。
[条件例]
Thermo Fisher Scientific社製電子冷却型SDD検出器UltraDry(Φ30mm
解析ソフト:Thermo Fisher Scientific社製NORAN System6(NSS)
加速電圧:3.0kV
アパーチャ:120μm
High Current:ON
導電処理:0s
ドリフト補正:あり
W.D:10.0mm
測定法:Area Scan
積算時間:10sec
積算回数:100回
試料傾斜:54°
倍率:10000倍
SEM観察により得られた結果をTIFF画像に取り込み、Media Cybernetics社製のImage−Pro Plusを用いて、粒子だけの画像にした後、二値化処理を行い、樹脂被覆部分において白色の部分(微粒子部分)と黒色の部分(樹脂部分)に分解した。
白色の部分の粒径についてはキャリア1粒子につき10粒子を無作為に選び、100粒子のキャリアについて測定を行った。
また、黒色の膜厚の部分については、キャリア1粒子につき中心から無作為に十字に4方向の補助線を引き、補助線上の黒色部分(樹脂部分)の厚みを求め、膜厚の平均値を求めた。なお、補助線上に粒子がある場合、樹脂部分の厚みのみを求め、平均値を求めた。キャリア100粒子について同様の膜厚測定を行った。
また、キャリア100粒子に対して白色と黒色の面積から被覆層に対する導電性微粒子の充填率を求めた。
測定結果を表3に示す。
Figure 2018146786
<現像剤特性評価>
得られた現像剤を用いて、リコー社製RICOH Pro C7110S(リコー社製デジタルカラー複写機・プリンタ複合機)を用いて画像評価を実施した。具体的には、上記マシンを環境評価室(25℃55%の常温常湿環境)に入れて一日放置し、その後、実施例及び比較例の現像剤と、[トナー1]を用いて評価した。
<キャリア付着評価>
次に、キャリア付着評価を実施した。リコー社製 RICOH Pro C7110S(リコー社製デジタルカラー複写機・プリンタ複合機)に実施例及び比較例の現像剤と、[トナー1]を用いて、画像面積率2.5%で10万枚及び20万枚のランニングを行い、ランニング後、以下に示すベタキャリア付着及びエッジキャリア付着を評価した。
<<ベタキャリア付着>>
上記所定枚数ランニング後にベタ画像を所定の現像条件(帯電電位(Vd):−600V、画像部(ベタ原稿)にあたる部分の感光後の電位:−100V、現像バイアス:DC−500V)にて作像中に電源をOFFにする等の方法で作像を中断し、転写後の感光体上のキャリア付着の個数を数えて評価を実施した。なお、評価する領域は感光体上の10mm×100mmの領域とした。
評価基準を以下に示す。ランクA〜Dを合格とし、ランクE、Fを不合格とした。
[評価基準]
A:キャリア付着の個数が0個
B:キャリア付着の個数が1〜3個
C:キャリア付着の個数が4〜6個
D:キャリア付着の個数が7〜10個
E:キャリア付着の個数が11〜15個
F:キャリア付着の個数が16個以上
<<エッジキャリア付着>>
ベタキャリア付着評価のベタ画像を感光体上の副走査方向に2ドットライン(100lpi/inch)の画像に変更する以外は同様の条件で実施した。次に、感光体上に現像された2ドットラインを粘着テープ(面積100cm)で転写し、その個数をカウントしてキャリア付着の評価を行った。
評価基準を以下に示す。ランクA〜Dを合格とし、ランクE、Fを不合格とした。
[評価基準]
A:キャリア付着の個数が0個
B:キャリア付着の個数が1〜3個
C:キャリア付着の個数が4〜6個
D:キャリア付着の個数が7〜8個
E:キャリア付着の個数が9〜11個
F:キャリア付着の個数が12個以上
評価結果を表4に示す。
Figure 2018146786
11 フッ素樹脂製容器
12a 電極
12b 電極
13 キャリア
101 感光体
102 帯電装置
103 露光光
104 現像装置
105 記録媒体
106 定着装置
107 クリーニング装置
特許第2714590号公報

Claims (9)

  1. 磁性を有する芯材粒子と、その表面を被覆する被覆層と、を有するキャリアであって、
    前記被覆層は、樹脂及び導電性微粒子を含み、
    該導電性微粒子は、銅又は銅化合物を含み、
    前記被覆層の平均膜厚をh、前記導電性微粒子の体積平均粒径をdとしたときに、
    0.5≦d/h≦2.0
    を満たすとともに、前記被覆層に対する前記導電性微粒子の充填率が50%以上であることを特徴とするキャリア。
  2. 前記導電性微粒子の体積平均粒径が1.0〜2.0μmであることを特徴とする請求項1に記載のキャリア。
  3. 前記樹脂が、下記一般式(A)で表されるA成分、及び、下記一般式(B)で表されるB成分を有する共重合体の加熱処理物を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のキャリア。
    Figure 2018146786
    Figure 2018146786
    (前記一般式(A)及び前記一般式(B)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、mは1〜8の整数を表し、Xは10〜90mol%を表し、Yは10〜90mol%を表す。)
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のキャリア及びトナーを有することを特徴とする現像剤。
  5. 前記トナーはカラートナーであることを特徴とする請求項4に記載の現像剤。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載のキャリア及びトナーを有する補給用現像剤であって、
    前記キャリア1質量部に対して前記トナーを2〜50質量部含有することを特徴とする補給用現像剤。
  7. 静電潜像担持体と、
    前記静電潜像担持体を帯電させる帯電手段と、
    前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、
    前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項4又は5に記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  8. 静電潜像担持体と、
    前記静電潜像担持体を帯電させる帯電手段と、
    前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項4又は5に記載の現像剤を用いて現像する現像手段と、
    前記静電潜像担持体をクリーニングするクリーニング手段と、
    を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、
    前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を請求項4又は5に記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、
    前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、
    前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程と、
    を有することを特徴とする画像形成方法。
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