JP2018146571A - 粒子の保持方法および前記粒子を保持/検出する手段の校正方法 - Google Patents

粒子の保持方法および前記粒子を保持/検出する手段の校正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 試料中に含まれる粒子の保持方法および粒子を保持/検出する手段の校正方法を提供する。【解決手段】 粒子を保持可能な保持部を有した粒子保持手段に生体物質以外の物質からなる多孔性粒子を含む試料を導入する工程と誘電泳動力を利用して前記粒子を前記保持部に保持させる工程とを含む粒子保持方法、検出部による粒子検出結果に基づき前記保持工程および検出工程が正常に行なわれているかを判断する工程を含む前記粒子保持手段および検出部の校正方法により、前記課題を解決する。【選択図】 図3

Description

本発明は、試料中に含まれる粒子の保持方法および前記粒子を保持/検出する手段の校正方法に関する。
近年、粒子を基板上に個別に規則正しく配列させることで、各粒子の性質や構造を個々に解析したり観察したりする技術が提案され、創薬、治療、検査、分析など様々な分野での応用が期待されている。
例えば、血液などの体液や、臓器などの組織を溶液に懸濁もしくは分散して得られる組織標本試料や細胞培養液などから細胞を選択的に分離回収し、当該分離回収した細胞を基礎研究や臨床診断、治療へ応用する研究が進められている。また、バイオセンサなどにおいて試料中のウイルスや抗原や微生物などの生化学的物質を特異的に結合する物質を固定化した粒子を用いて、前記生化学的物質を定量測定する際に、試料中の粒子数や結合状態を定量測定する技術が開発されている。さらに特許文献1では、細胞を含む懸濁液を導入し、上部電極と、当該細胞を保持可能な保持部(貫通孔)を多数形成した絶縁体層を有する下部電極との間に交流電圧を印加することで、両電極間内の空間に誘電泳動力を発生させ、細胞を前記保持部へと高効率(具体的には導入した細胞の80%以上)に短時間で保持する方法が開示されている。
しかしながら、生体物質以外の物質からなる粒子を特許文献1で開示の条件で保持部に保持させようとしても、高効率に保持させることは困難であった。
特開2016−174596号公報
本発明の課題は、試料中に含まれる粒子の保持方法、および前記粒子を保持/検出する手段の校正方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、粒子を多孔性粒子とすることで本発明に到達した。
すなわち本発明の第一の態様は、
保持部を有した粒子保持手段に粒子を含んでなる懸濁液を導入する工程と、
誘電泳動力を利用して前記粒子を前記保持部に保持させる工程と、
を含んでなる粒子の保持方法であって、
前記粒子が生体物質以外の物質からなる多孔性粒子であり、
誘電泳動の際に印加する交流電圧の周波数が、前記粒子を懸濁させる液体の誘電率より前記粒子の誘電率が大きくなる周波数であることを特徴とする前記保持方法である。
また、前記多孔性粒子の平均細孔径は1nm以上1000nm以下である多孔性粒子であることが好ましい。さらに、前記多孔性粒子は標識物質により標識された多孔性粒子であることが好ましい。そして、前記保持部は凹部または貫通孔であることが好ましい。
本発明の第二の態様は、
上述の方法で前記保持部に前記粒子を保持し、保持された前記粒子を検出部で検出し、前記検出部による検出結果に基づき、前記粒子の保持及び/又は検出が正常に行なわれているかを判断する方法である。
前記粒子の検出方法は、前記保持部に保持された前記粒子の数及び/又は前記粒子由来の光の輝度分布に基づく検出により行なうことが好ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において粒子とは溶液中に単独または凝集状態で分散する不溶性粒子のことをいう。また、本発明において生体物質とは、外界との境界をタンパク質や脂質などで構成された膜により区画化された粒子のことをいい、具体的には細胞、ウイルス、オルガネラ、小胞、核、ミトコンドリア、リポソームなどがあげられる。本発明における生体物質以外の物質からなる粒子の一例として、セラミックス系、ガラス系、チタン系などの無機化合物や、多糖類、有機合成高分子などの有機化合物からなる、ビーズ、粉砕用ボール、液晶用スペーサ、クロマトグラフィー用分離剤、吸着剤があげられる。
本発明において多孔性粒子とは、粒子の外表面および/または内部に多数の細孔を有する粒子のことをいう。多孔性粒子の形状は特に限定はなく、球状、多面体状、繊維状、中空糸状、膜状、平板状など、公知の形状を用いることができる。中でも物理的な損傷が生じにくい点、均一な粒子径の粒子を得やすい点などから球状または多面体状が好ましい。多孔性粒子の平均粒子径は、2μm〜30μmであることが好ましいが、保持部へ容易に保持できる大きさであれば問題ない。具体的には保持部が凹部を有した態様の場合、多孔性粒子を当該凹部の径の大きさより小さくし、当該粒子が当該凹部へ保持できる大きさとすればよい。なお、本発明における粒子は、多孔性粒子を複数種類含んでいてもよく、不可避的な微量の無孔性粒子を含んでいてもよい。無孔性粒子とは、細孔が一切存在しない、または後述する懸濁させる液体が細孔内に入り込めない大きさの細孔のみが存在する粒子のことをいう。
多孔性粒子の平均粒子径は、ふるい分け法によって測定した試験用ふるい目開きであってもよく、沈降法によるストークス相当径であってもよく、レーザー光回折・散乱法による測定値であってもよく、コールターカウンター法(電気的抵抗試験法)による測定値であってもよく、フロー式粒子像分析方法による測定値であってもよく、カタログ値であってもよい。固体粒子の平均粒子径は、例えば分級、又は分級品の混合、によって調整することができる。
多孔性粒子の平均細孔径は、当該平均粒子径より小さく、かつ液体が入り込める大きさであれば特に制限はないが1nm以上1000nm以下であることが好ましい。なお、多孔性粒子の平均細孔径は、X線小角散乱法やガス吸着法、水銀圧入法等の公知の方法を用いて測定すればよく、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡等を用いて粒子表面の細孔を直接観察することにより測定してもよく、カタログ値であってもよい。
本発明において、多孔性粒子は表面に官能基を有していてもよい。前記官能基の一例として、水酸基、チオール基、アミノ基、アンモニウム基、カルボキシ基、カルボキシメチル基、ホルミル基、スルホン酸基、スルホプロピル基、アルキル基、ジオール基、シアノプロピル基、フェニル基、フェニルエチル基、ニトロフェニルエチル基、ピレニルエチル基、ピレニルプロピル基、アミノプロピル基、ジエチルアミノエチル基、ハロゲン原子、ビニル基、エポキシ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基があげられる。ここで多孔性粒子の表面とは、多孔性粒子の外表面に限らず、当該粒子が有する細孔内表面も含まれる。
本発明における多孔性粒子は、公知の方法を用いて製造してもよいし、市販の多孔性粒子をそのまま、または修飾して用いてもよい。前記市販の多孔性粒子の一例として、クロマトグラフィーの分野で通常用いられる公知の担体があげられる。前記担体は粒子径や細孔径の種類が豊富である点、粒子径や細孔径の大きさが均一である点、表面への標識物質の修飾が可能である点、容易に入手できる点、から好ましい多孔性粒子の一態様といえる。
本発明において粒子を懸濁させる液体としては、水、生理食塩水、緩衝液、エタノールやメタノールといった有機溶媒、血液、血清、尿といった生体試料、細胞の培養液などの液体があげられる。
また、本発明において、誘電泳動の際に印加する交流電圧の周波数は、前記粒子を懸濁させる液体の誘電率より前記粒子の誘電率が大きくなる周波数であることを特徴とする。生体物質以外の物質の多くは誘電率が低く、メタクリル樹脂の誘電率は2.2〜3.2、シリカの誘電率は3.7〜3.9、ポリスチレンの誘電率は2.4〜2.6であり、懸濁させる液体(水であれば誘電率は80程度)よりも誘電率が低い。しかしながら、粒子が多孔性の場合、細孔の内部にも液体が入り込み、細孔内でのイオン雲の形成が生じるため見かけの誘電率が大きく上昇する。そのため、多孔性粒子の持つ細孔の大きさが大きくなると、粒子内部の表面積が大きくなり、保持可能な液体の量が多くなるため、粒子の見かけの誘電率が大きく上昇する。一方、懸濁させる液体の電気伝導度が高いと、粒子の見かけの誘電率がイオン雲の形成により上昇しても、懸濁させる液体の誘電率を超えられない可能性がある。一例として、メタクリル樹脂の多孔性粒子を用いる場合、懸濁させる液体の電気伝導度は60μS/cm以下が好ましく、30μS/cm以下がさらに好ましく、21μS/cm以下が特に好ましい。また、シリカの多孔性粒子を用いる場合、懸濁させる液体の電気伝導度は500μS/cm以下が好ましく、170μS/cm以下がさらに好ましく、80μS/cm以下が特に好ましい。
本発明における粒子保持手段は、導入した懸濁液中の粒子を保持可能な保持部を有した構造体のことをいう。保持部の例としては、粒子を保持可能な凹部または貫通孔や、粒子を固定可能な材料で被覆した平面または凸部があげられるが、細胞保持の確実性の点から凹部または貫通孔が好ましい。凹部を保持部とした場合、一端が粒子の全て、またはその一部を保持可能な大きさの開口部を有しており他端が底部を形成している態様とし、貫通孔を保持部とした場合、一端が粒子の全て、またはその一部を保持可能な大きさの開口部を有し他端が当該開口部よりも狭い開口部とするか、両端が粒子の一部を保持可能な大きさの開口部である態様とする。なお、保持部の大きさ(径)を溶液中に含まれる粒子を一つだけ保持可能な大きさとすると、粒子の解析等が容易に行なえる点で好ましい。
保持部を有する粒子保持手段の一態様として、図1から3に示す粒子保持装置があげられる。図1から3に示す粒子保持装置100は、
貫通孔111を有した平板状の絶縁膜110と、
貫通孔121を有した平板状の遮光膜120と、
導入口131、排出口132および貫通部133を有した平板状のスペーサ130と、
遮光部材120の下面およびスペーサ130の上面と密着するよう設けた電極141・142と、
電極141・142同士を接続する導線150と、
電極141・142に信号を印加する交流電源160と、
を備えている。
絶縁膜110が有する貫通口111と遮光膜120が有する貫通孔121とは互いに同一の寸法および形状であり、かつそれぞれの貫通孔の位置が一致するよう絶縁膜110および遮光膜120を備えている。貫通孔111、貫通孔121および遮光部材120の下部に密着して設けた電極141により、粒子保持装置100内に多孔性粒子を保持可能な保持部170が構成され、導入口131から多孔性粒子200を含む試料を導入すると貫通部133を通じて保持部170へ多孔性粒子200が導入される。
遮光膜120は、絶縁膜110自体の自家蛍光に起因するバックグラウンドノイズや隣接する保持部170からの漏れ光に起因するクロストークノイズなどの光ノイズを低減させる効果があり、検出部300による保持部170に保持された多孔性粒子200の検出を当該粒子由来の光を用いて行なう際、各保持部170に保持された多孔性粒子200由来の光のみを高感度かつ高精度に検出できる。電極142はスペーサ130上面に密着して備えており、導入口131から導入した、多孔性粒子を含む試料の飛散や蒸発を防止している。
なお、保持部170に保持した多孔性粒子の回収を容易にするため、電極142はスペーサ130から取り外し可能な構造となっている。なお、電極141・142をITO(酸化インジウムスズ)などの透明電極にすると、保持部170に保持された多孔性粒子200を、検出部300(顕微鏡や光学検出器など)を用いて容易に検出できるため、好ましい。
前述した粒子保持装置100のうち、電極については、図1に示すように絶縁膜110、遮光膜120およびスペーサ130を上下方向に挟むよう備えてもよいし、図2に示すように遮光膜120の下面のみに+極141aおよび−極141bを設けた櫛形電極の態様で電極141を備えてもよい。
多孔性粒子200は誘電泳動力を利用することで、高効率で保持部170に保持させることができる。本明細書において「高効率で保持部に保持させる」とは、保持部170に保持された粒子数および貫通部133内に導入されているものの保持部170に保持されていない粒子数を計測し、保持部170に保持された粒子数を貫通部133内全体の粒子数で除した値である保持率が80%以上であることを指す。誘電泳動力400を多孔性粒子200に作用させるには、保持部170を含めた粒子保持装置100内の空間を試料で満たした状態で、保持部170の部分に電気力線が集中するよう、交流電源160を用いて電極141・142へ所定の波形を有する交流電圧を印加すればよい(図3)。なお、保持部170を複数設ける場合は、アレイ状に均等に設けると、電極間に印加した電圧によって生じる電界が各保持部170にほぼ均等に生じ、各保持部170に対して同じように多孔性粒子200を誘導し保持できるため好ましい。
交流電源160を用いて電極141・142へ印加する交流電圧の大きさは、保持部170に多孔性粒子200を移動/保持可能な誘電泳動力400を発生させるのに十分な電圧であればよい。具体的には、ピーク電圧が1Vから20V程度で、周波数100Hzから10MHz程度の正弦波、矩形波、三角波、台形波などの波形の交流電圧が例示できるが、当該周波数は粒子を懸濁させる液体の誘電率より前記粒子の誘電率が大きくなる周波数である必要がある。特に矩形波は、正弦波、三角波、台形波などの他の波形と比較し、瞬時に設定したピーク電圧に到達するため、多孔性粒子を保持部へ速やかに移動させることできることから好ましい。
なお、図1から3に示す粒子保持装置100に備える交流電源160は、直流成分を有しない交流電圧を発生する電源が好ましい。直流成分を有する交流電圧とは、例えば周波数デューティ比が50%でない電圧、オフセットを有する電圧、周期が極端に長い(例えば1秒以上)電圧をいう。直流成分を有する交流電圧を電極へ印加すると、直流成分により発生した静電気力(電気泳動力)により粒子が特定の方向に偏った力を受けて移動し、誘電泳動力による粒子保持が困難になるからである。
本明細書において誘電泳動力とは、不均一な電場中におかれた試料中の粒子に働く力のことである。試料中に存在する粒子に外部から電場を与えた際、試料中の粒子と当該粒子を懸濁させる液体の界面の双極子モーメントが誘起される。不均一な電場中に粒子が存在するとき、電場強度の勾配に比例して粒子に力が作用する。誘電泳動力は、粒子半径、交流電圧、粒子の誘電率、当該粒子を懸濁させる液体の誘電率により決まり、一般に以下の(式1)で表わせる。
誘電泳動力∝(粒子半径)×(粒子の誘電率−当該粒子を懸濁させる液体の誘電率)×(保持部で集中した交流電圧の大きさ)・・・(式1)
例えば、電極141・142に電圧を印加することで電場を与えた場合、粒子の誘電率と当該粒子を懸濁させる液体の誘電率の大小関係および電圧の周波数によって、電極141・142に対して引力または斥力がはたらく。粒子200の誘電率が当該粒子を懸濁させる液体の誘電率より大きい場合は引力が働き、電場強度が強い保持部170へと粒子200が引き寄せられる。一方、粒子200の誘電率が当該粒子を懸濁させる液体の誘電率より小さい場合は斥力が働き、保持部170から粒子が離れる方向に粒子200が移動する。上記の引力を正の誘電泳動力といい、斥力を負の誘電泳動力という。理論的には、計算により粒子の誘電率が当該粒子を懸濁させる液体の誘電率より大きくなる周波数を求めれば、粒子を保持部へと保持可能な周波数が求められる。当該周波数は試料中に存在する粒子の種類や当該粒子を懸濁させる液体の種類によって異なるが、一般に粒子の誘電率や前記液体の誘電率を周波数ごとに測定することは難しいため、実験的に決定することが多い。
図1から3に示す粒子保持装置100では、粒子の比重が当該粒子を懸濁させる液体の比重より大きく、粒子が下方向に沈降する場合を想定し、保持部を形成する絶縁膜110および遮光膜120を下面に備えていた態様となっているが、本発明における粒子保持手段は前記態様に限定されるものではなく、粒子の比重が当該粒子を懸濁させる液体の比重より小さく、粒子が上方向に浮上する場合は、保持部を形成する絶縁膜110および遮光膜120を上面に備えた態様としてもよい。
本発明の保持方法で保持部へと保持した多孔性粒子の検出は、前記粒子が有する特徴に基づき行なえばよい。一例として、明視野像、蛍光画像、化学発光画像といった多孔性粒子の光学的特徴に基づき検出する場合は光学検出器や光学顕微鏡などの光学測定器を用いて検出すればよく、多孔性粒子の弾性や粘性といった特徴に基づき検出する場合は超音波顕微鏡などの超音波測定器を用いて検出すればよく、多孔性粒子の放射化学的特徴に基づき検出する場合はシンチレーション検出器などの放射線検出器を用いて検出すればよく、多孔性粒子の熱応答性や熱物性に基づき検出する場合は前記熱応答性や熱物性を検出可能な装置を用いて検出すればよい。
本発明における多孔性粒子の検出において、当該粒子が検出部にて検出可能な物質で標識されていると、検出部による検出がより容易となるため好ましい。多孔性粒子に標識させる物質は1種類のみとしてもよく、1個の多孔性粒子に2種類以上の物質を標識してもよい。また、異なる種類の物質を標識した多孔性粒子を組み合わせて検出を行なってもよい。
本発明において多孔性粒子に標識させる検出部で検出可能な物質の例として、放射線同位体、特定の基質と反応して発色する酵素、および蛍光体があげられるが、検出の際にシグナルとして蛍光強度と輝点数とを測定できる点から蛍光体が好ましく、蛍光色素がより好ましい。
粒子保持手段および検出部として図3に示す粒子保持装置100および検出部300を、粒子として蛍光色素を標識した多孔性粒子を、それぞれ用いた場合における、本発明の検出方法の一例を以下に説明する。
蛍光色素を標識した多孔性粒子200を粒子保持装置100に導入し、誘電泳動力400を利用し多孔性粒子200を保持部170に保持させる。保持部170に保持された、蛍光色素を標識した多孔性粒子200は、検出部300(例えば蛍光顕微鏡)を用いて光学的に検出を行なう。前記光学的検出は、蛍光色素に対応した励起光を保持部170に保持された多孔性粒子200に照射し、当該照射により得られる多孔性粒子に標識された蛍光色素に由来する蛍光500の強度に基づき行なえばよい。
本発明の検出方法で得られた粒子検出結果に基づき、粒子保持手段および検出部の校正ならびに誤差補正が行なえる。本発明において校正とは、本発明で用いる、粒子保持手段を構成する交流電源や電極、光源、検出部といった機器類の再現性、性能および動作などの状態を確認することをいい、誤差とは、粒子保持手段および検出部を構成する機器類の経年劣化や汚れの蓄積、または装置設置環境の違いなどにより、測定結果に生じる誤差のことをいう。
粒子保持手段および検出部として図3に示す粒子保持装置100および検出部300を、粒子として蛍光色素を標識した多孔性粒子を、それぞれ用いた場合における、本発明の校正方法の一例を以下に示す。
検出部300にて検出された、蛍光色素を標識した多孔性粒子の蛍光強度(輝度)に基づき、検出粒子数と導入粒子数の差異や、検出した粒子の輝度分布にズレがあるかどうか確認することにより、粒子保持装置100の校正を行なう。本発明において輝度とは、検出部300において対象物を光学的に検出し、CMOSカメラやCCDカメラなどの撮像手段で撮影し取得した画像の明るさのことをいい、撮像手段として8ビットカメラを用いる場合は、0から255の256階調で表わされる(最も暗いときの輝度は0、最も明るいときの輝度は255となる)。前記輝度分布のズレを確認する方法の一例として、特定輝度範囲における輝点数の割合や輝度代表値のズレを確認する方法があげられる。本発明において代表値とは、導入した粒子の輝度を代表する値であればよく、例えば、輝度の平均値、中央値、最頻値があげられる。校正方法の詳細を以下に示す。
輝度分布のズレの確認を、特定輝度範囲における輝点数の割合で行なう場合、蛍光色素を固定化(標識)した多孔性粒子を特定の個数だけ粒子保持装置100に導入し、交流電源160から電極141・142へ交流電圧を印加することにより誘電泳動力400を発生させ、保持部170へ保持させる。次に、保持部170に保持された多孔性粒子200に対応した励起光を照射しながら、当該色素由来の蛍光500を検出部300により検出し、蛍光画像を撮影する。撮影した画像を解析し、蛍光の輝点数および前記各輝点の輝度を計測する。設定した閾値以上の輝度の輝点数(値N)および(式2)により算出した値D1[%]を算出し、検出が正常に行なわれているか、判断する。なお、値Nを取得する際の閾値や、値D1[%]を算出する際の特定輝度範囲と最低輝度値および最高輝度値は、多孔性粒子が有する蛍光色素量などにより適宜設定すればよい。
値D1[%]=(特定輝度範囲における輝点数)÷(最低輝度値以上、最高輝度値以下の輝点数)×100・・・(式2)
輝度分布のズレの確認を、輝度代表値のズレで行なう場合、前述した方法で蛍光の輝点数および前記各輝点の輝度を計測した後、設定した閾値以上の輝度の輝点数(値N)および輝度代表値(値D2)を算出し、検出が正常に行なわれているか、判断する。なお、値Nを取得する際の閾値は、多孔性粒子が有する蛍光色素量などにより適宜設定すればよい。
例えば、交流電源160の故障などが生じた場合、交流電圧が印加されず多孔性粒子が保持部170へ保持されないため、値Nは減少する。また、検出部を含む光学系のどこかに異常がある場合、取得画像における多孔性粒子の輝度が低下するため、値D1[%]の値が変化または値D2が減少する。なお、使用する多孔性粒子は蛍光色素を多く固定化した高輝度の粒子と、蛍光色素を少なく固定化した低輝度の粒子の二種類を使用し、輝度が高く検出しやすい高輝度の粒子で値Nを算出し、光学系の劣化が判断しやすい低輝度の粒子で値D1[%]または値D2を算出してもよい。値Nおよび値D1[%]または値D2に対しそれぞれ任意で閾値を設定することで、粒子保持手段および検出部が正常に機能しているか判断できる。値Nおよび値D1[%]または値D2が共に前記設定した閾値内となった場合は、粒子保持手段および検出部が正常であることを示している。少なくともいずれか1つが前記設定した閾値外(不合格)となった場合は、測定時において粒子保持手段および/または検出部に異常があることを示しており、粒子保持手段の交流電源や光学系の設定値(例えばカメラのシャッター速度やゲインなどの数値)の変更、機器類の清掃や整備および消耗品(光源の照明など)交換、(コードの断線など)故障または劣化した機器類の修理などのメンテナンスにより、機器類の状態を正常に戻す必要がある。そしてこれらメンテナンスにより、前記粒子保持手段および検出部による粒子検出が適正に行なえるよう、機器類の状態が維持される。
粒子保持手段および検出部として図3に示す粒子保持装置100および検出部300を、粒子として蛍光色素を標識した多孔性粒子を、それぞれ用いた場合における、本発明の装置の誤差補正方法の一例を以下に示す。
あらかじめ繰り返し測定により輝度代表値を規定した多孔性粒子(規定した輝度代表値を値Sとする)を検出部300にて検出し、値D2を算出する。値D2と値Sから求めたパラメーター(値S/値D2)をもとに光学系の設定値(例えばカメラのシャッター速度やゲインなどの数値)を変更することにより、粒子保持装置100の誤差補正を行なう。
例えば、検出部300において励起光を発生させるための光源が劣化した場合、励起光光量低下により取得した蛍光検出画像の輝度が低下し、測定結果に誤差が生じると同時に、値D2が減少する。ここで、パラメーター(値S/値D2)をカメラのゲイン値にかけ合わせ、補正したゲイン値を用いて再度測定を行なうことにより、正常時と同等の蛍光検出画像を取得でき、誤差補正が可能となる。
以上まとめると、本発明の粒子保持方法を用いることで、粒子保持手段および検出部の校正や誤差補正を実施でき、その結果、当該粒子保持手段および検出部を用いた粒子検出結果の妥当性を保証できる。
本発明は、生体物質以外の物質からなる粒子を保持部へ高効率に保持できる。また、当該粒子の個数および当該粒子由来の光の輝度などの情報に基づき、保持部および検出部を構成する機器類の再現性、性能ならびに動作などの状態確認が可能となる。
本発明で利用可能な、粒子保持手段を構成する粒子を保持可能な基板の一例を示す図である。 本発明で利用可能な、粒子保持手段を構成する粒子を保持可能な基板の別の態様を示す図である。 図1に示す基板を備えた粒子保持手段および検出部の一態様を示す図である。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)多孔性メタクリレートポリマー粒子(TSKgel G5000PWXL、平均粒子径10μm、平均細孔径100nm、東ソー製)を、2×10個/mLの濃度となるよう、純水(電気伝導度1μS/cm)に懸濁することで、多孔性メタクリレートポリマー粒子懸濁液を調製し、これを本実施例で用いる粒子を含む試料とした。
(2)(1)で調製した粒子を含む試料を、図1および図3に示す粒子保持装置100に導入し、交流電源160から電極141・142へ交流電圧(電圧20Vpp、周波数100Hz、1kHz、10kHz、100kHz、1MHzの各値、矩形波)を3分間印加することで粒子保持装置100が有する保持部170に粒子を保持させた。なお、粒子保持装置100には、直径φ30μm、深さ40μmの保持部170を約30万個設けている。
(3)顕微鏡(検出部300)を用いて目視により保持部170に保持された粒子の数および貫通部133内に導入されているものの保持部170に保持されていない粒子数を計測し、保持部170に保持された粒子数を貫通部133内に存在する全ての粒子数で除することで保持部170への多孔性粒子の保持率を算出した。
(比較例1)
実施例1(2)において、交流電圧を印加しない他は、実施例1と同様な方法で保持部170への多孔性粒子の保持率を算出した。
(比較例2)
実施例1(1)において、無孔性メタクリレートポリマー粒子(TSKgel NPR、平均粒子径10μm、細孔無し、東ソー製)を粒子として用いた他は、実施例1と同様な方法で保持部170への無孔性粒子の保持率を算出した。なお、(2)での交流電圧の周波数は1kHzのみで実施した。
実施例1ならびに比較例1および2で算出した保持率の結果をまとめて表1に示す。
Figure 2018146571
(実施例2)
実施例1において、純水に懸濁させる粒子を平均粒子径10μm、平均細孔径12.5nmの多孔性シリカ粒子(TSKgel G2000SW、東ソー製)とした他は、実施例1と同様な方法で保持部170への多孔性粒子の保持率を算出した。
(比較例3)
実施例2において、交流電圧を印加しない他は、実施例1と同様な方法で保持部170への多孔性粒子の保持率を算出した。
実施例2および比較例3で算出した保持率の結果を表2に示す。
Figure 2018146571
(実施例3)
実施例1において、純水に懸濁させる粒子を平均粒子径10μm、細孔径25nmの多孔性シリカ粒子(TSKgel G3000SW、東ソー製)とし、交流電圧の周波数を100Hz、1kHz、10kHz、100kHz、1MHz、10MHzの各値に設定した他は、実施例1と同様な方法で保持部170への多孔性粒子の保持率を算出した。結果を表3に示す。
Figure 2018146571
表2および表3に示す結果から、粒子の材質および平均粒子径が同じであっても、平均細孔径の違いにより高保持率となる周波数範囲が異なることがわかった。すなわち、平均細孔径の違いにより粒子の誘電率が変化することが明らかとなった。
(実施例4)
実施例1(1)において、粒子として表面に蛍光色素アミン反応性蛍光色素ATTO−390−NHSエステル(Sigma−Aldrich製)またはATTO−565−NHSエステル(Sigma−Aldrich製)を標識した多孔性メタクリレートポリマー粒子を用いた他は、実施例1と同様な方法で保持部170への多孔性粒子の保持率を算出した。なお、(2)での交流電圧の周波数は1kHzのみで実施した。
いずれの蛍光色素を修飾した場合も、導入した粒子の全量が保持された。したがって、標識する蛍光色素の種類による保持率への影響はないことがわかった。
(実施例5)
図1および図3に示す粒子保持装置100の粒子保持部170および検出部300が正常に機能しているか、以下の方法で検証した。
(1)2種類の輝度範囲(高輝度および低輝度)を有した蛍光標識多孔性メタクリレートポリマー粒子(平均粒子径10μm、平均細孔径100nm)を用いて、交流電圧(電圧20Vpp、周波数1kHz、矩形波)を3分間印加して粒子保持装置100に1000個ずつ導入し、誘電泳動力により保持部170へ保持させた。なお、高輝度蛍光粒子はATTO−488−NHSエステルのDMSO溶液を32μmol/Lとなるよう添加して作製し、繰り返し測定により全粒子の輝度が200以上であることがわかっている。また、低輝度蛍光粒子はATTO−488−NHSエステルのDMSO溶液を0.48μmol/Lとなるよう添加して作製し、繰り返し測定により最低輝度値が30、最高輝度値が100であり、輝度が40から60の範囲の粒子が30%存在することがわかっている。また、粒子保持装置へ導入した粒子の個数は、粒子を含む試料をスライドガラス平面上に滴下して広げ、正立顕微鏡(Olympus製)による目視カウントで計測した。
(2)保持部170に保持された全ての蛍光標識多孔性粒子を観察するために、前記粒子が有する蛍光色素(ATTO−488)に対応した励起光を照射しながら、コンピューター制御式電動ステージおよび電子増倍型冷却CCDカメラ(FLOVEL製ADT−100)を備えた蛍光顕微鏡(IX71、Olympus製)(検出部300)を用いて粒
子保持装置100が有する全ての保持部170の蛍光画像を撮影した。
(3)(2)で取得した蛍光画像を解析ソフトウェアLabVIEW(National Instruments製)を用いて解析し、蛍光の輝点数および前記各輝点の輝度を計測した。(2)で取得した蛍光画像は0から255の256階調で表わされており、前記蛍光画像に対して解析ソフトウェアLabVIEW(National Instruments製)を用いて二値化処理を施すことにより、設定した閾値以上の画素数の点を輝点として抽出し、前記点の数を輝点数とした。また、前記各輝点の輝度は0から255で表わした。
(4)(3)において閾値を200と設定して取得した値N(すなわち輝度200以上の輝点数)と前記高輝度蛍光粒子の導入数(1000個)とを比較し、以下の基準で、誘電泳動力による保持部への粒子保持が正常に機能しているか判断した。
値Nが粒子保持装置100に導入した高輝度蛍光粒子の数の90%から110%までの範囲内:正常(粒子保持手段に備えた交流電源が正常に機能)
値Nが粒子保持装置100に導入した高輝度蛍光粒子の数の90%未満または110%より大きい:不合格(粒子保持手段に備えた交流電源に異常あり)
(5)(3)の計測結果から値D1[%](低輝度蛍光粒子の最低輝度値30以上、最高輝度値100以下の粒子数(1000個)に対する、輝度40から60における輝点数の割合[%]、(式2))を算出し、以下の基準で、検出部による検出が正常に機能しているか判断した。
値D1[%]が25%から35%までの範囲内:合格(検出部を含む光学系は正常に機能)
値D1[%]が25%未満または35%より大きい:不合格(検出部を含む光学系のどこかに異常あり)
結果、値N=998個、値D1[%]=30%となり、値N、値D1[%]ともに合格となった。従って、本明細書の実施例および比較例で用いた粒子保持手段(交流電源)および検出部(光学系)は問題なく機能していることがわかった。
(実施例6)
実施例5において、交流電圧を印加しない他は、実施例5と同様な方法で値Nと値D1[%]を算出し、実施例5(4)および(5)に記載の基準をもとに判断した。その結果、値N=659個、値D1[%]=28%となり、値Nすなわち誘電泳動力による保持部への粒子保持が不合格となった。確かに本実施例では、交流電圧を印加しておらず、実際の粒子検出においては誘電泳動力による保持部への粒子保持に問題がある状態となっている。このことから、多孔性粒子を用いた本発明の校正方法により、粒子検出に係る装置の異常を正しく見出せることがわかる。
(実施例7)
実施例1において、粒子を懸濁させる液体の電気伝導度が0μS/cm、21μS/cm、42μS/cm、77μS/cm、163μS/cmの各値となるよう、それぞれリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を純水で希釈した溶液とし、交流電圧の周波数を100Hz、1kHzの各値に設定した他は、実施例1と同様な方法で保持部170への多孔性粒子の保持率を算出した。
(比較例4)
実施例7において、交流電圧を印加しない他は、実施例7と同様な方法で保持部170への多孔性粒子の保持率を算出した。
実施例7および比較例4で算出した保持率の結果をまとめて表4に示す。
Figure 2018146571
(実施例8)
実施例2において、粒子を懸濁させる液体の電気伝導度が0μS/cm、21μS/cm、42μS/cm、77μS/cm、163μS/cmの各値となるよう、それぞれリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を純水で希釈した溶液とし、交流電圧の周波数を100Hz、1kHzの各値に設定した他は、実施例2と同様な方法で保持部170への多孔性粒子の保持率を算出した。
(比較例5)
実施例8において、交流電圧を印加しない他は、実施例8と同様な方法で保持部170への多孔性粒子の保持率を算出した。
実施例8および比較例5で算出した保持率の結果をまとめて表5に示す。
Figure 2018146571
表4および表5に示す結果から、粒子懸濁液の電気伝導度の違いにより高保持率となる周波数範囲が異なり、また、多孔性粒子の材質の違いにより高保持率となる懸濁液の電気伝導度が異なることが明らかとなり、より懸濁液の電気伝導度が小さい方が高保持率となることがわかった。
(実施例9)
(1)蛍光標識多孔性メタクリレートポリマー粒子として、2種類の輝度代表値(高輝度および低輝度)を有した蛍光粒子を用いた他は、実施例5(1)から(3)の記載と同様な方法で、粒子保持装置100への粒子の導入および前記導入した粒子の検出を行なった。なお、高輝度蛍光粒子は、実施例5(1)で作製した高輝度蛍光粒子と同様な方法で作製した粒子であり、繰り返し測定により全粒子の輝度が200以上であることがわかっている。また、低輝度蛍光粒子は、実施例5(1)で作製した低輝度蛍光粒子と同様な方法で作製した粒子であり、繰り返し測定により全ての粒子の輝度が200未満であり、輝度代表値Sが60(ここでの輝度代表値は輝度平均値とする)であることがわかっている。
(2)実施例5(3)に記載の基準で閾値を200と設定して取得した値N(すなわち輝度200以上の輝点数)と前記高輝度蛍光粒子の導入数(1000個)とを比較し、実施例5(4)に記載の基準で、誘電泳動力による保持部への粒子保持が正常に機能しているか判断した。
(3)実施例5(3)に記載の方法で計測した結果から低輝度蛍光粒子の値D2(すなわち輝度200未満の粒子の輝度平均値)を算出し、以下の基準で、検出部による検出が正常に機能しているか判断した。
値D2が値Sの80%から120%までの範囲内:合格(検出部を含む光学系は正常に機能)
値D2が値Sの80%未満または120%より大きい:不合格(検出部を含む光学系のどこかに異常あり)
結果、値N=998個、値D2=55となり、値N、値D2ともに合格となった。従って、本明細書の実施例および比較例で用いた粒子保持手段(交流電源)および検出部(光学系)は問題なく機能していることがわかった。
(実施例10)
実施例9において、交流電圧を印加しない他は、実施例9と同様な方法で値Nを算出し、実施例9(2)に記載の基準をもとに判断を行なった。その結果、値N=659個となり、値Nすなわち誘電泳動力による保持部への粒子保持が不合格となった。確かに本実施例では、交流電圧を印加しておらず、実際の粒子検出においては誘電泳動力による保持部への粒子保持に問題がある状態となっている。このことから、多孔性粒子を用いた本発明の校正方法により、粒子検出に係る装置の異常を正しく見出せることがわかる。
(実施例11)
実施例9で用いた電子増倍型冷却CCDカメラ(FLOVEL製ADT−100)のゲイン値(=1)に対し、実施例9において値Sと値D2をもとに算出したパラメーター(値S/値D2=60/55=1.09)をかけ合わせることで補正ゲイン値を算出した(ゲイン値×パラメーター=1×1.09=1.09)。当該補正ゲイン値(=1.09)を用いて、再度、実施例9と同様な方法で値D2を算出した結果、値D2は60となり、値Sと一致した。従って、当該補正ゲイン値を用いることで粒子保持装置100において発生した光学系の誤差を補正できることがわかる。
100:粒子保持装置
110:絶縁膜
120:遮光膜
121:貫通孔
130:スペーサ
131:導入口
132:排出口
133:貫通部
141・142:電極
141a:+極
142b:−極
150:導線
160:交流電源
170:保持部
200:多孔性粒子
300:検出部
400:誘電泳動力
500:蛍光

Claims (6)

  1. 保持部を有した粒子保持手段に粒子を含んでなる懸濁液を導入する工程と、
    誘電泳動力を利用して前記粒子を前記保持部に保持させる工程と、
    を含んでなる粒子の保持方法であって、
    前記粒子が生体物質以外の物質からなる多孔性粒子であり、
    誘電泳動の際に印加する交流電圧の周波数が、前記粒子を懸濁させる液体の誘電率より前
    記粒子の誘電率が大きくなる周波数であることを特徴とする前記保持方法。
  2. 前記多孔性粒子の平均細孔径が1nm以上1000nm以下である多孔性粒子である請求項1に記載の方法。
  3. 前記多孔性粒子が標識物質により標識された多孔性粒子である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記保持部が凹部または貫通孔である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法で前記保持部に前記粒子を保持し、保持された前記粒子を検出部で検出し、前記検出部による検出結果に基づき、前記粒子の保持及び/又は検出が正常に行なわれているかを判断する方法。
  6. 前記粒子の検出方法が、前記保持部に保持された前記粒子の数及び/又は前記粒子由来の光の輝度分布に基づく検出により行なうことを特徴とする請求項5に記載の方法。
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