JP2005533238A - 誘電人工微粒子の形成と改変 - Google Patents

誘電人工微粒子の形成と改変 Download PDF

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Abstract

人工微粒子、微粒子ライブラリ、およびそれに関連する方法を提供する。微粒子は、印加電場に対する誘電反応の差に基づいて識別することができる。異なる態様において、誘電体の差は、誘電分散材料、表面電荷、および/または蛍光によって操作してもよいがこれらに限定されない。凝集を制御するために微粒子にガングリオシドを組み入れてもよい。赤血球影を含む小胞を微粒子の基礎として用いてもよい。微粒子は、表面の機能化のためにビオチン-ストレプトアビジン系を利用してもよい。

Description

発明の背景
政府は、国防高度研究プロジェクト局発注番号E934の下でSPAWARの契約書番号N66001-97-C-8608に拠って、本発明の局面に権利を保有しうる。政府はまた、陸軍研究事務所からの助成金番号DAAD19-00-1-0515および国立癌研究所の助成金番号1R21 CA88364-01および1R33 CA88364-01に拠って、本発明の局面において権利を保有しうる。
本開示の方法論は、参照として本明細書に特に組み入れられる、米国特許第6,294,063号に記載の装置および方法と共に用いてもよい。
本開示と共に用いてもよい他の特許および出願には、そのそれぞれが参照として本明細書に特に組み入れられる、1996年10月18日に提出され、1999年1月12日に公布された「Method and apparatus for manipulation using spiral electrodes」と題する米国特許第5,858,192号;1996年2月23に提出され、1999年3月30日に公布された「Method and apparatus for fractionation using generalized dielectrophoresis and field flow fractionation」と題する米国特許第5,888,370号;1996年1月31日に提出され、1999年11月30日に公布された「Method and apparatus for fractionation using conventional dielectrophoresis and field flow fractionation」と題する米国特許第5,993,630号;1999年2月1日に提出され、1999年11月30日に公布された「Method and apparatus for fractionation using generalized dielectrophoresis and field flow fractionation」と題する米国特許第5,993,632号;1999年9月14日に提出された「Method and apparatus for fractionation using generalized dielectrophoresis and field flow fractionation」と題する米国特許出願第09/395,890号;2001年6月14日に提出された「Apparatus and method for fluid injection」と題する米国特許出願第09/883,109号;2001年6月14日に提出された「Method and apparatus for combined magnetophoretic and dielectrophoretic manipulation of analyte mixtures」と題する米国特許出願第09/882,805号;2001年6月14日に提出された「Dielectrically-engineered microparticles」と題する米国特許出願第09/883,112号;および2001年6月14日に提出された「Systems and methods for cell subpopulation analysis」と題する米国特許出願第09/883,110号が含まれる。
本発明の教示と共に用いてもよいさらにもう一つの出願には、参照として本明細書に組み入れられる、「Micromachined impedance spectroscopy flow cytometer of cell analysis and particle sizing」、Lab on a Chip, vol.1, pp.76-82(2001)に記述されるものが含まれる。
1.発明の分野
本発明は、一般的に化学および生命科学の分野に関する。より詳しく述べると、誘電人工微粒子(本明細書においてDEMPと呼ばれる)を用いた標的分析物の操作、分離、精製、および指標化のための技術に関する。
2.関連技術の説明
化学物質、細胞および生体分子を分離および同定する改善された方法は、化学および生命科学における多くの進歩にとって基本となる。発見プロセスの多くは、特定の化学物質、細胞、生体分子、または他の分析物に関する定性的かつ定量的な情報を決定することに基づいている。濾過、遠心、分光法および光学顕微鏡のような分析法は、典型的に、分析物の分離および/または検出を行うために分析物の固有の物理的特性の差を利用する。
これらの基本的な方法における改善は、一般的に二つの分類に分けられる:(i)方法の分解能または感度が、分析物間の微妙な物理的な差をより良好に識別するように改善されている、または(ii)分析物を検出可能にする、または間接的により容易に分離するために、容易に識別可能な特定の特性を有する物質もしくは標識を分析物に結合させる。勾配遠心および高速液体クロマトグラフィーは、既存の方法の感度を増加させることに基づく方法の例である;蛍光抗体による細胞染色および生体分子の放射標識は、分析物の分離を促進するために分析物に標識を結合させることに基づく改善された方法の例である。これらの改善は、その分野においてある程度の成功を収めたが、問題は残っている。特に、これらの方法はなおも、それによって分析物を指標化する、検出する、および操作する方法を行うことができず、異なる多くのタイプの分析物に同時に異なる操作を行うこともできない。
標識を利用する一つのタイプの従来の分析は、「1ポット」反応と呼ばれる。1ポット反応は、一つの試験管またはビーカーにおいて少量の試料に試薬を単に加えるだけの反応である。試料中に存在する標的分析物の如何なる分子も、加えた指標物質に反応して、発色、蛍光、または化学発光産物もしくは複合体を形成する。次に、この反応産物または複合体を検出して、通常、定量する。そのような方法の明確な特徴は、標的分析物が試料中に実際に存在する場合に限って検出可能な種が存在する点である。
1ポット分析にとって有用な標識の一例は、分子ビーコンである。分子ビーコンは、フルオロフォアと消光体とが組み入れられた分子を利用する。フルオロフォアと消光体は、分子が標的に結合する時間まで近位に維持される。結合すると、フルオロフォアが蛍光を発することができるように、それらは十分に遠くに引き離される。消光体がもはや消光しなくなると、標的を蛍光によって観察することができる。
1ポットアッセイ法の他の例には、比色pH検出またはエチジウムブロマイドのようなインターカレート色素を用いる核酸の非特異的標識が含まれる。核酸のためのサザンおよびノザンブロッティング、ならびにタンパク質のためのELISAおよびウェスタンブロッティングのような技術は、特異的生化学分析物に結合してその検出を促進する標識プローブを用いる。これらの抗体または核酸プローブは、それらがその標的分析物に結合するか否かによらず、放射活性、蛍光、または酵素的に活性である。
しかし、上記の方法が有用な結果を得るためには、未結合の分析物、遊離のプローブ、および分析物-プローブ複合体を識別する必要がある。これは、分析物-プローブ複合体を固相支持体に固定した後、遊離の未結合の分子を洗浄して除去し、固相支持体に結合した標識分析物-プローブ複合体のみを残すことによって得られる。残念なことに、このプロセスは幾分複雑で時間がかかる可能性がある。
分析物の従来の同定および分離における固有の問題の少なくともいくつかを解決するために、特定の微粒子が用いられている。1970年代後半、大きさがミクロン以下から100ミクロンまでの範囲の均一な大きさの微粒子を比較的簡単に産生できる技術が開発された。後に、磁気特性を有する微粒子を作製する技術も開発された。これらの技術を用いて産生された微粒子を、特異的標的分析物または分析物クラスと相互作用または結合する様々なプローブに連結させて、微粒子-分析物複合体が形成されている。このようにして、微粒子は、標的分析物に対して特異的な標識として作用するように作製することができる。
既存の微粒子標識は大きく二つの分類、すなわち分析物の検出用と分析物の操作用に分けられると考えられる。両者の分類において、特異的標的分析物に対して感作された標識を試料に加えて、標的分析物が試料中に存在する場合に標的分析物と微粒子標識との結合を促進する条件でインキュベートすると、微粒子-分析物複合体が形成される。
既存の分析物検出プロトコールにおいて、蛍光、光もしくは他の放射線に対する不透明度、または放射線の放射のような微粒子の特定の物理的特性は、微粒子-分析物複合体の有無を推論するためのレポーターとして利用されている。例えば、抗体プローブによって細胞中の標的タンパク質と複合体を形成する金属の微粒子またはナノ粒子を、電子顕微鏡によって観察して定量し、これを用いて、標的タンパク質分析物が細胞中の特定の位置に存在することを推論することができるが、これは検出プロトコールにおいて用いられる標識の一例である。
検出プロトコールにおいて、直接検出されるのは分析物ではない。その代わりに、分析物の存在を、微粒子レポーターとの会合、すなわちプローブと分析物との相互作用によって媒介される会合によって推論する。検出プロトコールにはまた、二次標識を用いて微粒子-分析物複合体の存在を明らかにする二段階標識法が含まれうる。この場合、分析物を微粒子上の第一のプローブに結合させて、次に二次特異的標識によって標識すると、これは分析物の存在を推論することができるレポーターとして用いられる。分析物は、微粒子と第二のレポーター標識とのあいだに効率よく挟まれた状態となるため、そのような二重標識プロトコールは、当技術分野において親しみを込めて「サンドイッチアッセイ法」と呼ばれている。
操作プロトコールにおいて、微粒子に基づく標識は、分析物の物理的操作を補助するための「取っ手」として用いられる。そのようなプロトコールでは、密度、電荷、または大きさのような微粒子の特定の物理的特性を利用して、微粒子-分析物複合体を単離、分離、またはそうでなければ操作する。そのような方法において、分析物は直接操作されない。代わりに微粒子(すなわち、「取っ手」)が操作されて、微粒子に結合した如何なる分析物も、微粒子とのその会合に基づいて間接的に操作される。残念なことに、微粒子標識に基づく操作プロトコールは、標的分析物を同定するためにさらなる分析段階を必要とする。
上記の微粒子に基づく系は、当技術分野において、少なくともある程度の有用性を示したが、標的を同定するさらなる段階が必要であること(標的の操作とは別に)は、化学者または工学者にとって余分の時間と費用がかかる。さらに、微粒子を用いても、時に、微粒子そのものの検出が必ずしも標的分析物の存在を推論しない場合がある。なおさらに、従来の微粒子は、多くの異なるタイプの分析物に同時に異なる操作を行うことができない。単純に言えば、従来の微粒子は異なる分析物の指標化の後に、同時に操作、検出および/または同定することができない。言い換えれば、従来の技法は、それぞれが異なる標的に結合する可能性がある異なるプローブのライブラリを作製することができず、異なる種の同時の操作、同定および検出を行うことができない。
上記の特定の問題、弱点、または短所は、それらが全てであるという意味ではない;当技術分野には他の問題も存在することが知られている。しかし、上記の考察は、分析物の操作、分離、精製、および指標化に関連した改善された方法論の必要性が存在することを示している。
発明の概要
本開示に従って作製されて用いられる人工微粒子標識は、分析物の指標化が得られる可能性があるために、上記の限界を克服するように設計することができる。特に、本開示は、異なる識別可能な誘電特性を有するDEMPのライブラリを用いることによって、多様な異なる標的分析物の同時同定、操作、および検出を可能にする。または、本開示は、分析物の結合を検出することができることから、当技術分野における限界を克服する。特に、分析物結合に対して感受性がある誘電特性を有する微粒子標識を用いて、結合後の標識のAC動電挙動における変化を感知することによって、分析物の結合を確認することができる。
本明細書に開示の態様に従う人工微粒子の用途は広く、これには血液分析;疾患の検出および特徴付け;純粋な細胞集団の臨床調製物;食品加工、公共用水供給系、農業および環境における病原体の検出および同定;細胞下区画の分離、骨髄移植のための幹細胞の精製、ならびに診断および研究目的の双方のために疾患を有する細胞の浄化または回収が含まれるがこれらに限定されない。さらに、人工微粒子は、タンパク質および核酸のような様々な材料の単離、分離、精製、および同定を含む分子分析に適用してもよい。さらに、本明細書に開示の技術は、フローセルサイトメトリーのような現行の細胞分離法と共に用いてもよい。
説明的な態様の説明
本開示は、そのAC動電(従来の誘電泳動(cDEP)、進行波誘電泳動(twDEP)、進行波誘電泳動(gDEP)または電気回転(ROT)を含む)および磁気泳動(MAP)挙動が少なくとも部分的に計算可能または制御可能であるように、特定の既定の、または人工的な誘電および/または磁気特性を有する微粒子を設計および産生する新しい技術について記述する。
これらの人工微粒子は、当技術分野で既知の方法によって抗体、核酸、または化学リガンドのような様々なプローブによって感作してもよく、相応じて細胞、細胞下成分、および生体分子を含むがこれらに限定されない異なる多様な分析物タイプを標識するために用いてもよい。次に、そのような人工微粒子によって標識した分析物を、既存のAC動電または磁気泳動法(またはその組み合わせ)を用いて操作してもよい。
異なるAC動電および/または磁気泳動反応を有する異なるクラスの人工微粒子を設計してもよいが、混合物中のいくつかの異なる分析物を、一つまたは複数のプローブによって同時に標識して、次に個々に(または異なるプローブのそれぞれのタイプによって定義される群として)位置を特定して、操作および/または同定することができる。この能力を指標化と呼んでもよく、既存の技術に対して有意な進歩を表す。さらに、新規AC動電および磁気泳動分析法が開発されると、本明細書において考察した人工微粒子標識は、分析物の位置を特定し、操作、および同定するためにそれらの方法と共に用いられる可能性がある。
さらに、誘電泳動フィールドフローフラクショネーション(DEP-FFF)、進行波DEP(twDEP)、および螺旋電極法のようなこれまでに開示されたAC動電分析法は、本明細書において考察した人工微粒子標識を用いることによって増強される可能性がある。これらの既に開示された方法は典型的に、分析物の操作および同定を得るために分析物の固有の誘電特性の差を利用する。一方、プローブによって感作された人工微粒子は、未知または区別できない誘電特性を有する分析物を分離する、および分析物結合後の人工微粒子の挙動の変化を感知することによって分析物を同定する技術を提供する。したがって、人工誘電および磁気微粒子標識は、多様な多くの分野において分析物を分離および同定するための強力な新しい方法を提供する可能性がある可能化技術である。
いくつかのタイプの人工微粒子を用いて、多数の標的分析物に関して試料を同時に標識して調べてもよい。それぞれの微粒子タイプは、特異的な識別可能な誘電および/または磁気反応を有するように作製してもよいため、混合物中の異なる標的分析物を、独立して連続的または平行に操作してもよい。
さらに、本開示に従う人工微粒子は、当技術分野で既知の方法論によって感知して、したがって同定してもよい。
さらに、人工微粒子は、AC動電および/または磁気泳動法によって識別、ソーティング、および処理してもよい。いくつかのAC動電法に基づく方法の識別は、既存の単離法より何十倍も良好で、電子的手段によって制御可能であり、既存の方法とは異なり、化学および生物学的分析のために統合された自動マイクロシステムに適用可能であることから、本開示の人工微粒子は、本技術分野における既存の技術に関連する上記の短所の全てではないがその多くを解決する可能性がある。
それぞれが独自の固有の誘電特性を有するように設計された異なるタイプの人工微粒子は、その誘電特性に基づいて指標化してもよく、異なる分析物を同時に操作するための周波数依存的誘電取っ手として用いてもよい。次に、異なる誘電特性を有する人工微粒子のライブラリを作製してもよい。そのようなライブラリを用いて指標化を行ってもよい。同様に、ライブラリを用いて、マイクロフルームス(microflumes)のようないくつかの異なるタイプの応用のために、ビーズに基づく生化学アッセイ法を開発してもよい。
一つの態様において、分析物はサンドイッチプロトコールを用いて検出してもよい。そのようなシステムにおいて、ビーズの蛍光の変化は、特定の分析物の存在によって媒介される異なる二つの結合事象の結果である。人工微粒子をまず、特定の分析物に対して高い結合親和性を有する捕獲プローブによって感作(または結合)してもよい。これらの感作された人工微粒子を試料の液滴と共にインキュベートすると、人工微粒子-分析物複合体が形成される。分析物上の二次エピトープまたは核酸配列に対して高い親和性を有する標識プローブを含む液滴を反応混合物に加えて、人工微粒子-分析物-フルオロフォア複合体を形成してもよい。つり下げられた液滴を引き離しながら、これらの複合体を正の誘電泳動を用いて反応表面に引っ張り、その場で維持してもよい。異なる試薬の液滴を、人工微粒子複合体の上に移動させて、DEP力を外してもよい。人工微粒子を新しい試薬に自然に放出させ、熱動力学的に混合して、緩衝液の交換または洗浄操作を得てもよい。装置の表面に永続的に結合するプローブを用いることなく、微小流体装置において分析物を可逆的に固定できることは、マイクロフルームに基づく化学分析において大きい進歩である。
当技術分野で既知の較正、試料のキャリーオーバー、および交叉汚染問題は、人工微粒子に結合する分子認識および感知要素を用いることによって対処してもよく、それによって感作された人工微粒子の新しい少量をそれぞれのアッセイ法およびアッセイ法毎に用いることができる。その後微粒子を配置することによって、それぞれの試料のあいだに「ブランク」を置くことによって、そして洗浄サイクルを行うことによって、較正問題を対処してもよく、キャリーオーバーおよび交叉汚染の有無を確認することができる。生物学的に活性な成分を人工微粒子の上に置くことはまた、異なる人工微粒子/プローブの組み合わせを用いることによって、広範囲の試料調製および分子分析の問題に適用される流体装置が一つでよいことを意味する。最後に、固定された表面に生物学的成分を結合させる必要がないため、生体分子の接着およびキャリーオーバーの問題を減少させるために、それらの表面を、例えばPTFEコーティングしてもよい。それによって、本開示の人工微粒子を用いるという決定は、単一の装置に多数の応用を持たせることによって技術の潜在的応用可能性を増強する可能性があるということになる。
本開示に従う人工微粒子を作製することによって、異なる人工微粒子/プローブの組み合わせのカクテルを用いて、分子分析を同時に行う機会が得られる。人工ビーズを用いるアッセイ法に必要な試料は、最小量である。例えば、直径5 μmの人工微粒子は、約78 μm2という比較的大きい表面積を有するが、占有容積は65 fLに過ぎず、典型的な腫瘍細胞の約1/15である。腫瘍細胞100個、および異なる人工微粒子タイプ10個からなる人工微粒子250個を、DEPによる集束を用いて直径50 μmの球形領域に充填してもよい。これは、細胞ほぼ109個/mlが、分子プローブを有する人工微粒子2×109個/mlに接触した状態であることと同等である。磁気微粒子表面上のcDNAプローブへの標的mRNAのハイブリダイゼーション時間は、濃縮細胞溶解物において数分であることが示されている。したがって、そのような高い細胞濃度および人工微粒子濃度を用いる、本明細書に記述した人工微粒子に基づくアプローチによって、統合システムにおいて分子マーカーに関する迅速なアッセイ法を行うことができる可能性がある。
本開示の人工微粒子に基づく指標化技術の開発にあたって、疑われる疾患状態の特定のサブセットに関してスクリーニングする目的で、利用可能なマーカーのライブラリから重要な分子マーカー10個程度の少ないパネルを選択してもよい。試料の調製と分子分析とを単一の自動化プロセスに組み合わせることによって、このシステムは、遺伝子チップ由来分子疫学的データの利用を可能にして、それを広い集団に利用できるようにする。
人工微粒子
本開示の一つの態様に従う人工微粒子の構造を図1に示す。薄い伝導性の不良な誘電性の外皮に取り囲まれた伝導性のコアを示す。伝導性のコアは、多様な材料で構成してもよい。さらに、伝導性のコアは固体または中空であってもよい。なおさらに、伝導性コアは、伝導性の外部領域によって全体または一部が取り囲まれた絶縁性の内部領域から形成してもよい。
内部コアの形状は幾分変化してもよいが、形状は一つの態様において球状であってもよい。しかし、一つの態様において、形状は楕円形または他の任意の適した形状であってもよい。
誘電性の外皮は、所望の誘電特性、特に所定の周波数で誘電泳動反応を提供する特性を得るために適した多くの材料で形成してもよい。当技術分野で既知の任意の方法を用いて、誘電性の外皮を内部伝導性コアに結合させてもよい。
外部誘電体外皮の形状も同様に変化してもよいが、一つの態様において、これは一般的に球状であってもよく、または一般的に内部伝導性コアの形状と一致してもよい。
伝導性コアおよび/または誘電体外皮の大きさ、組成、厚さ、および形状は全て、所望の誘電および/または磁気特性を得るために調節および最適にしてもよい。特に、大きさ、厚み、および組成は、特定の範囲の誘電泳動力によって操作される適切な誘電特性を有するように調節してもよい。
一つの態様において、ポリスチレンコーティングした銀微粒子を人工微粒子として用いてもよい。これらの人工微粒子は、非伝導状態から伝導状態への周波数依存的変化を受ける。これは、適当な周波数のAC場が非伝導性のポリスチレン外皮を貫通する誘電分散の結果である。
もう一つの態様において、金または銀コーティングした中空のガラス(またはポリスチレンもしくは他の微粒子)上にアルカンチオレートの自己構築単層(SAM)を用いる作製プロセスを用いて、改善されたバイオミメティック粒子を作製してもよい。これらの人工微粒子の誘電泳動挙動は、当技術分野において既知の確立された誘電泳動および多外皮モデルを用いて推測してもよく、粒子の直径ならびに絶縁層の厚みおよび組成のような人工微粒子の特性を変化させた影響を、当技術分野で既知の方法によって決定してもよい。
図1の人工微粒子は、哺乳類細胞を模倣するように設計してもよい。特に、そのAC動電挙動が哺乳類細胞の挙動を模倣するように作製してもよい。この挙動は、細胞に関して十分に特徴が調べられており、当技術分野で既知の十分に定義された比較的鋭い周波数依存性によって識別される。これらの微粒子の試料は、様々な厚みのポリスチレンの非伝導性外皮によって銀の伝導性コア粒子を封入することによって作製されている。これらの粒子のcDEP応答は研究されており、確立されたAC動電理論の予測に従って変化することが示されている。
図1に示したクラスとは異なるクラスの人工微粒子は、当技術分野で既知の製造原理に従って設計および作製してもよい。この場合も、それぞれの構造クラスの微粒子において、個々の微粒子を含む層の組成、厚み、および/または他の特性を変化させることによって、広く異なる誘電反応が得られる可能性がある。このように、十分に定義されたがなお明確に識別することができる誘電および/または磁気特性を有する人工微粒子のライブラリを作製してもよい。異なる誘電および/または磁気特性を有する異なる微粒子タイプを設計および作製することによって、それが多数のタイプの人工微粒子の混合物の一部である場合でも、それぞれのタイプの人工微粒子を独立して、位置づけ、操作、および特徴を調べられる可能性がある。
連結要素
一つの態様に従って、上記の人工微粒子は、人工微粒子の標識のように作用するために、一つもしくはそれ以上の連結要素またはプローブに結合させてもよい。異なる連結要素の一般的な用途は当技術分野で既知である。しかし、下記の章は、上記の人工微粒子と共に用いてもよい異なる連結要素に関連したいくつかの特異的態様を説明する。本開示の恩典を有する当業者は、他の連結要素も用いてもよいことを認識すると考えられる。
本明細書において用いられる「連結要素」または「プローブ」という用語は、本明細書において「標的分析物」と呼ばれるもう一つの成分に対して親和性を有する如何なる成分も指す。標的分析物に連結要素が結合すると、二つの成分のあいだに親和性対を形成する。
例えば、そのような親和性対には、例えばビオチンとアビジン/ストレプトアビジン、抗原またはハプテンと抗体、重金属誘導体とチオ基、ポリdGとポリdC、ポリdAとポリdT、およびポリdAとポリUのようなホモポリヌクレオチドのような様々なポリヌクレオチドが含まれる。互いに対して強い親和性を有する如何なる成分対も、親和性対として用いることができる。適した親和性対はまた、免疫学的方法において用いられるリガンドと結合体においても認められる。
連結要素の選択は、明らかに微粒子および標的分析物の性質に依存すると考えられる。例えば、微粒子上の核酸種(標的分析物)を捕獲したい場合、連結基は通常、標的分析物またはその一部のそれと相補的な配列を有する核酸または核酸類似体オリゴマーであるように選択されると考えられる。
連結基はまた、最初に微粒子に結合して、次に標的分析物に対して親和性を有する種に結合してもよい。好ましくは、標的分析物に対する親和性は、微粒子と標的分析物との複合体形成が選択的で、標的分析物の少なくともある程度の同定が得られるような、選択的な親和性である。好ましくは、親和性は非常に特異的であり、したがって標的分析物に対して選択的な親和性を提供する粒子に結合した連結要素は、抗体または抗体活性を有する抗体断片、抗原、相補的核酸配列に対して選択的親和性を有する核酸プローブまたは核酸類似体プローブ、またはアビジンもしくはストレプトアビジンのようなアビジン様分子であってもよい。
連結要素としての核酸
核酸に基づく連結要素は合成オリゴヌクレオチド、一本鎖DNA、相補的DNA(cDNA)、およびRNAであってもよい。より短いオリゴヌクレオチドは作製が容易であるが、ハイブリダイゼーションの特異性の決定にあたって関与する他の要因は多数となる。その相補的標的に対するオリゴヌクレオチドの結合親和性および配列特異性はいずれも、長さと共に増加する。例として8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100塩基対またはそれ以上のオリゴヌクレオチドが用いられることが企図されるが、他も企図される。250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1150、1200、1250、1300、1500、1922、2000、3000、4000塩基およびそれより長い塩基をコードするより長いポリヌクレオチドも同様に企図される。
連結要素としての抗体
抗体に基づく連結要素は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体、一本鎖抗体、または組み換え型抗体を意味する。本明細書において用いられるように、「抗体」という用語は、IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEのような免疫学的結合物質を広く意味すると解釈される。「抗体」という用語は、抗原結合領域を有する任意の抗体様分子を指すために用いられ、これにはFab'、Fab、F(ab')2、単ドメイン抗体(DAB)、Fv、scFv(一本鎖Fv)等のような抗体断片が含まれる。一般的に、IgGおよび/またはIgMは、生理的状況において最も一般的な抗体であること、そしてそれらは研究の現場において最も容易に作成できることから、それらがが好ましい。抗体を調製してその特徴を調べる手段は当技術分野で周知である(例えば、参照として本明細書に組み入れられる、「Antibodies:A Laboratory Manual」、コールドスプリングハーバー研究所、1988年を参照されたい)。
ポリクローナル抗体を作製する方法は当技術分野で周知である。簡単に説明すると、ポリクローナル抗体は、動物を抗原性組成物によって免疫して、免疫した動物から抗血清を回収することによって調製される。抗血清を産生するために、広範囲の動物種を用いることができる。典型的に、抗血清を産生するために用いられる動物はウサギ、マウス、ハムスター、モルモット、またはヤギである。ウサギの血液は比較的大量であることから、ポリクローナル抗体を産生するためには、ウサギが好ましい選択である。
当技術分野で周知であるように、所定の組成物はその免疫原性が変化してもよい。したがって、ペプチドまたはポリペプチド免疫原を担体に結合させることによって得られるように、宿主免疫系を追加免疫することがしばしば必要である。例としておよび好ましい担体は、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、およびウシ血清アルブミン(BSA)である。卵アルブミン、マウス血清アルブミンまたはウサギ血清アルブミンのような他のアルブミンも同様に、担体として用いることができる。ポリペプチドを担体タンパク質に結合させる手段は当技術分野で周知であり、これには、グルタルアルデヒド、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシニミドエステル、カルボジイミド、およびビスビアゾ化ベンジジンが含まれる。
同様に当技術分野で周知であるように、特定の免疫原組成物の免疫原性は、アジュバントとして知られる免疫応答の非特異的刺激剤を用いることによって増強することができる。例としておよび好ましいアジュバントには、フロイントの完全アジュバント(死菌結核菌を含む免疫応答の非特異的刺激剤)、フロイントの不完全アジュバント、および水酸化アルミニウムアジュバントが含まれる。
ポリクローナル抗体の産生において用いられる免疫原組成物の量は、免疫源の特性と共に免疫のために用いる動物に応じて変化する。多様な経路を用いて免疫原を投与することができる(皮下、筋肉内、皮内、静脈内、および腹腔内)。ポリクローナル抗体の産生は、免疫後の様々な時点で免疫した動物の血液を採取することによってモニターしてもよい。二回目の追加免疫注射も同様に行ってもよい。適した力価が得られるまで、追加免疫および力価測定プロセスを繰り返す。所望のレベルの免疫原性が得られると、免疫した動物から採血して、血清を単離して保存し、および/または場合によっては、動物を用いてモノクローナル抗体(MAb)を産生することができる。ウサギポリクローナル抗体を産生する場合、動物は、耳静脈または心臓穿刺によって採血することができる。採取した血液を凝固させてから、遠心して、全血球および凝血から血清を分離する。血清は様々な応用のためにそのまま用いてもよく、または所望の抗体分画を、固相マトリクスに結合させたもう一つの抗体またはペプチドを用いるアフィニティクロマトグラフィーのような周知の方法によって精製してもよい。
モノクローナル抗体(MAb)は、参照として本明細書に組み入れられる、米国特許第4,196,265号に例示されるような周知の技術を用いて容易に調製してもよい。典型的に、この技術は、適した動物を選択した免疫原組成物、例えば精製または部分精製発現タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドによって免疫することを含む。免疫する組成物は、抗体産生細胞を有効に刺激するように投与される。
モノクローナル抗体(MAb)を作製する方法は一般的に、ポリクローナル抗体を調製する方法と同じ方法に沿って開始する。マウスおよびラットのような齧歯類は好ましい動物であるが、ウサギ、ヒツジ、またはカエルの細胞も同様に可能である。ラットを用いることは、特定の長所を有する可能性があるが(Goding、1986、60〜61頁)、マウスが好ましく、BALB/cマウスは、最も一般的に用いられ、一般的に安定な融合体をより高い割合で生じることから、最も好ましい。
上記のように動物に抗原を注射する。抗原は、必要であれば、キーホールリンペットヘモシアニンのような担体分子に結合させてもよい。抗体は典型的に、フロイントの完全または不完全アジュバントのようなアジュバントと混合されると考えられる。同じ抗原による追加免疫注射は、約2週間の間隔で行われると考えられる。
免疫後、抗体産生能を有する体細胞、特にBリンパ球(B細胞)をMAb作製プロトコールにおいて用いるために選択する。これらの細胞は、生検した脾臓、扁桃、もしくはリンパ節から得てもよく、または末梢血試料から得てもよい。脾細胞と末梢血細胞が好ましく、前者は、それらが分裂するプラズマ細胞芽球段階にある抗体産生細胞の豊富な起源であること、そして後者は末梢血が採取しやすいことから好ましい。しばしば、動物のパネルを免疫して、最高抗体力価を有する動物の脾臓を摘出して、脾臓をシリンジによってホモジナイズすることによって脾臓リンパ球を得る。典型的に、免疫したマウスの脾臓は、リンパ球約5×107〜2×108個を含む。
次に、免疫した動物からの抗体産生Bリンパ球を、一般的に免疫した動物と同じ種の細胞である不死化骨髄腫細胞の細胞と融合させる。ハイブリドーマ産生融合技法において用いるために適した骨髄腫細胞株は、好ましくは、高い融合効率を有する非抗体産生細胞であり、所望の融合細胞(ハイブリドーマ)のみの増殖を支持する特定の選択培地においてそれらを増殖することができないようにする酵素の欠損を有する。
当業者に既知であるように、多くの骨髄腫細胞の如何なる一つも用いてもよい(Goding、1986)。例えば、免疫した動物がマウスの場合、P3-X63/Ag8、X63-Ag8.653、NS1/1.Ag 4 1、Sp210-Ag14、FO、NSO/U、MPC-11、MPC11-X45-GTG 1.7およびS194/5XXX0 Bulを用いてもよく、ラットの場合、R210.RCY3、Y3-Ag 1.2.3、IR983Fおよび4B210を用いてもよく、ならびにU-266、GM1500-GRG2、LICR-LON-HMy2、およびUC729-6は全て、ヒト細胞融合に関連して有用である。
一つの好ましいマウス骨髄腫細胞は、NS-1骨髄腫細胞株(P3-NS-1-Ag4-1とも呼ばれる)であり、これは細胞株保管番号GM3573を要請することによってNIGMSヒト遺伝的変異体細胞保管所から容易に入手することができる。用いてもよいもう一つのマウス骨髄腫細胞株は、8-アザグアニン耐性マウス骨髄腫SP2/0非産生細胞株である。
抗体産生脾臓またはリンパ節細胞と骨髄腫細胞とのハイブリッドを作製する方法は通常、体細胞と骨髄腫細胞とを2:1の比率で混合することを含むが、比率は、細胞膜の融合を促進する物質または複数の物質(化学または電気的)の存在下でそれぞれ、約20:1〜約1:1まで変化してもよい。センダイウイルスを用いる融合法は、Kohler および Milstein(1975;1976)によって記述されており、37%(v/v)PEGのようなポリエチレングリコール(PEG)を用いる融合法は、Gefterら(1977)によって記述されている。電気的に誘導された融合法を用いることも適当である。
融合技法は通常、低い頻度、約1×10-6〜1×10-8個で生存ハイブリッドを生成する。しかし、生存した融合ハイブリッドは選択的培地において培養することによって、親の非融合細胞(特に、通常、無限に分裂し続けると考えられる非融合骨髄腫細胞)と識別されることから、この低い発生率は問題とならない。選択培地は一般的に、組織培養培地においてヌクレオチドのデノボ合成を遮断する物質を含む培地である。例となる好ましい物質はアミノプテリン、メソトレキセート、およびアザセリンである。アミノプテリンおよびメソトレキセートは、プリンとピリミジンの双方のデノボ合成を遮断するのに対し、アザセリンはプリン合成のみを遮断する。アミノプテリンまたはメソトレキセートを用いる場合には、培地には、ヌクレオチド源としてヒポキサンチンとチミジンとを添加する(HAT培地)。アザセリンを用いる場合には、培地にヒポキサンチンを添加する。
好ましい選択培地はHATである。ヌクレオチドサルベージ経路を操作することができる細胞のみがHAT培地において生存することができる。骨髄腫細胞は、サルベージ経路の重要な酵素、例えばヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)を欠損し、このようにそれらは生存することができない。B細胞はこの経路を操作することができるが、それらは培養での寿命が限られており、一般的に約2週間で死滅する。したがって、選択培地において生存できる唯一の細胞は、骨髄腫とB細胞とで形成されたそれらのハイブリッドである。
これを培養すると、特定のハイブリドーマが選択されるハイブリドーマ集団が提供される。典型的に、ハイブリドーマの選択は、マイクロタイタープレートにおいて単クローン希釈によって細胞を培養した後、個々のクローン上清を所望の反応性に関して試験すること(2〜3週間後)によって行われる。アッセイ法は、ラジオイムノアッセイ法、酵素イムノアッセイ法、細胞障害アッセイ法、プラークアッセイ法、ドット免疫結合アッセイ法等のように、感度がよく、単純かつ迅速でなければならない。
選択されたハイブリドーマは、連続希釈して、個々の抗体産生細胞株にクローニングされ、次に、無限に増殖させてMAbを提供することができる。細胞株は、二つの基本的な方法でMAb産生のために利用してもよい。当初の融合に関して体細胞と骨髄腫細胞とを提供するために用いられるタイプの組織適合性の動物に(しばしば腹腔内に)、ハイブリドーマの試料を注射することができる。注射された動物は、融合細胞ハイブリッドによって産生された特異的モノクローナル抗体を分泌する腫瘍を形成する。次に、血清または腹水のような動物の体液を採取して、高濃度のMAbを提供することができる。個々の細胞株はまたインビトロでも培養することができ、この場合、MAbは培養培地に自然に分泌されて、ここからMabsを高濃度で容易に得ることができる。いずれかの手段によって産生されたMAbは、望ましければ濾過、遠心、およびHPLCまたはアフィニティクロマトグラフィーのような様々なクロマトグラフィー法を用いてさらに精製してもよい。
大量のモノクローナル抗体はまた、インビボでハイブリドーマ細胞を増殖させることによって得てもよい。細胞のクローンを、親細胞と組織適合性の哺乳類、例えば同系マウスに注射して、抗体産生腫瘍を増殖させる。選択的に、注射前に動物を炭化水素、特にプリスタン(テトラメチルペンタデカン)のような油によってプライミングする。
本開示に従って、ペプシンまたはパパインのような酵素による消化および/または化学的還元によるジスルフィド結合の切断を含む方法によって、上記のように産生されたモノクローナル抗体からモノクローナル抗体の断片を得てもよい。または、本発明によって含まれるモノクローナル抗体断片は、自動ペプチドシンセサイザーを用いて、大腸菌における完全長の遺伝子の発現または遺伝子断片の発現によって合成することができる。
他の連結要素
他の連結要素には、ペプチド、抗腫瘍物質、抗生物質、および他の治療化合物が含まれる。この場合も、これらの連結要素に必要な条件は、標的分析物に対するある程度の特異性での結合能である。ペプチド、抗腫瘍物質、抗生物質および他の治療化合物を用いることによって、受容体、共因子、酵素、または連結要素に結合することができる他の任意の標的のような標的分析物を、同定または精製することができると考えられる。
ペプチド連結要素の例には、LH-RHアンタゴニスト(米国特許第4,086,219号、第4,124,577号、第4,253,997号、および第4,317,815号を参照されたい)、インスリン、ソマトスタチン、ソマトスタチン誘導体(米国特許第4,087,390号、第4,093,574号、第4,100,117号、および第4,253,998号を参照されたい)、成長ホルモン、プロラクチン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)、サイロトロピン放出ホルモン(TRH)、その塩および誘導体(JP-A 50-121273号および第52-116465号を参照されたい)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、バソプレッシン、バソプレッシン誘導体、オキシトシン、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、グルカゴン、ガストリン、セクレチン、パンクレオチミン、コレシストキニン、アンジオテンシン、ヒト胎盤ラクトゲン、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(HCG)、エンケファリン、エンケファリン誘導体(米国特許第4,277,394号およびEP-A 31,567号を参照されたい)およびエンドルフィン、キョートルフィンのようなポリペプチド、インターフェロン(α型、β型、γ型)、インターロイキン(I〜XI)、タフトシン、サイモポエチン、チモシン、サイモシムリン、胸腺ホルモン因子(THF)、血清胸腺因子(FTS)およびその誘導体(米国特許第4,299,438号を参照されたい)、腫瘍壊死因子(TNF)、コロニー刺激因子(CSF)、モチリン、デイノルフィン、ボンベシン、ニューロテンシン、セルレイン、ブラジキニン、ウロキナーゼ、アスパラギナーゼ、カリクレイン、サブスタンスP、神経生長因子、血液凝固第VIII因子および第IX因子、塩化リゾチーム、ポリミキシンB、コリスチン、グラミシジン、バシトラシン、タンパク質合成刺激ペプチド(英国特許第8,232,082号を参照されたい)、胃阻害ペプチド(GIP)、血管作用性腸ポリペプチド(VIP)、血小板由来増殖因子(PDGF)、成長ホルモン放出因子(GRF、ソマトクリニン)、骨形態形成タンパク質(BMP)、上皮細胞増殖ホルモン(EGF)等が含まれる。
抗腫瘍物質の例には、塩酸ブレオマイシン、メソトレキセート、アクチノマイシンD、マイトマイシンC、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、塩酸ダウノルビシン、アドリアマイシン、ナオカルチノスタチン、シトシンアラビノシド、フルオロウラシル、テトラヒドロフリル-5-フルオロウラシル、ピシバニール、レンチナン、レバミソール、ベスタチン、アジメクソン、グリシルリチン、ポリA:U、ポリICLC等が含まれる。
抗生物質の例には、ゲンタマイシン、ジベカシン、カネンドマイシン、リビドマイシン、トブロマイシン、アミカシン、フラジオマイシン、シソマイシン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ロリテラサイクリン、ドキシサイクリン、アンピシリン、ピペラシリン、チカルシリン、セファロチン、セファロリジン、セフォチアム、セフスロジン、セフメノキシム、セフメタゾール、セファゾリン、セファタキシム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、モノラクタム、チエナマイシン、スルファゼシン、アズスレオナム、その塩等が含まれる。
治療薬の例には、サリチル酸、スルピリン、フルフェナム酸、ジクロフェナク、インドメタシン、モルヒネ、ペシジン、酒石酸レボルファノール、オキシモルホン等のような解熱、鎮痛、および抗炎症薬;エフェドリン、メチルエフェドリン、ノスカピン、コデイン、ジヒドロコデイン、アロクラミド、クロルフェジアノール、ピコペリダミン、クロペラスチン、プロトキロール、イソプロテレノール、サルブタモール、テレブタリン、その塩等のような鎮咳去痰薬;クロルプロマジン、プロクロペラジン、トリフルオペラジン、アトロピン、スコポラミン、その塩等のような鎮静剤;プリジノール、ツボクラリン、パンクロニウム等のような筋弛緩剤;フェニトイン、エトスキシミド、アセタゾールアミド、クロルジアゼポキシド等のような抗てんかん剤;メトクロプラミド、ヒスチジン等のような抗潰瘍剤;イミプラミン、クロミプラミン、オンキシプチリン、フェネルジン等のような抗うつ剤;塩酸ジフェンヒドラミン、リンゴ酸クロルフェニラミン、塩酸トリペレナミン、塩酸メトジラジン、塩酸クレミゾール、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸メトキシフェネミン等のような抗アレルギー剤;トランスピエオキソカンフル、テレフィロール、アミノフィリン、エチリフリン等のような強心薬;プロプラノロール、アルプレノロール、ブフェトロロキシプレノロール等のような抗不整脈剤;オキシフェドリン、ジルチアゼム、トラゾリン、ヘキソベンジン、バメタン等のような血管拡張剤;臭化ヘキサメトニウム、ペントリニウム、メカミルアミン、エカラジン、クロニジン等のような降圧利尿薬;グリミジン、グリピジド、フェンホルミン、ブフォルミン、メトホルミン等のような抗糖尿病薬;ヘパリン、クエン酸等のような抗凝固薬;トロンボプラスチン、トロンビン、メナジオン、アセトメナフトン、ε-アミノカプロン酸、トラネキサム酸、スルホン酸カルバゾクロム、アドレノクロムモノアミノグアニジン等のような恒常性調節薬;イソニアジド、エタンブトール、パラアミノ酸サリチル酸等のような抗結核薬;プレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、ヘキソエストロール、メチマゾール等のようなホルモン剤;レバロルファン、ナロルフィン、ナロキソン、その塩等のような麻薬拮抗剤が含まれる。
人工微粒子への連結要素の結合
連結要素と複合体を形成することによって、当初の人工微粒子を認識要素に変換するために用いる方法の性質は、連結要素の性質に応じて大きく変化しうる。
場合によっては、複合体は、人工微粒子と連結要素とを接続するクロスリンク剤を含んでもよい。複合体はさらに、選択的に第二の連結要素を通して連結要素または微粒子に結合した標識を含んでもよい。複合体は、粒子に結合した多数の連結要素を含んでもよい。
抗体および抗体特性を有する抗体断片を結合のために用いてもよい。当技術分野で周知である微粒子の表面上に抗体をコーティングするために適した技術がある。抗体をコーティングした粒子は、微生物細胞または他のいくつかの標的分析物上に存在する可能性がある対応する抗原を認識して結合することができる。
オリゴ核酸プローブを、本明細書に記載の人工微粒子のような微粒子に結合させる方法は既知である。適した技術は、例として国際公開公報第93/04199号に記載される。連結要素が核酸プローブまたは核酸類似体プローブである場合、得られた微粒子は、当然、相補的核酸配列を認識して結合するために適していると考えられる。
連結要素を微粒子に結合させる他の方法は、機能化クロスリンク剤を用いることを含む。そのようなクロスリンク試薬は当業者に周知である。一般的に利用可能であるクロスリンク剤の範囲ならびにその用途および限界を説明する有用な参照文献は、ピアスケミカル(Pierce Chemical)社(ロックフォード、イリノイ州)のカタログにおいて認められると考えられる。
標識
人工微粒子の検出可能性をさらに増加させるためにさらなる標識を用いることと共にその磁気および動電特徴を変化させることを利用してもよい。例えば、フルオロフォアまたは色素を有する抗体を人工微粒子に結合させてもよく、それによってそのように形成された複合体は、磁気および/または動電手段のみならず蛍光または色素による検出によって、最初の人工微粒子からさらに識別することができる。
そのような標識は、標的分析物と人工微粒子とのあいだの複合体の形成前、形成と同時、または形成後に微粒子または連結要素に結合させてもよい。標識には、標識が有する第二の連結要素が含まれてもよい。この場合も、第二の連結要素が有する標的分析物に対する親和性は、選択的であることが好ましく、好ましくは非常に特異的な第二の連結要素もまた、抗体、抗体活性を有する抗体断片、抗原、核酸プローブ、核酸類似体プローブ、アビジンまたはアビジン様分子であってもよい。このような性質の標識を用いることは、複合体の容易な検出を補助するため、および/または微粒子と標的分析物との複合体がそれ自身、明確な磁気および動電特性を有しない場合に望ましく、このように磁気および動電性は、標識の複合体に含めることによってさらに変化してもよい。この目的のため、標識はフルオロフォアもしくは色素、または微生物、金属粒子、ポリマービーズ、または磁性粒子であってもよい。適した材料は、抗体(第二の種)に容易に結合して標識を形成するコロイド状の金である。コロイド状の金に結合した抗体は市販されており、コロイド状の金に抗体を結合させる方法は、例えば、Geoheganら(1978)に記述されている。しかし、他の金属粒子、例えば銀粒子および鉄粒子を用いてもよい。
上記の種類の標識を用いることは、リガンドと粒子との複合体が十分に明確な磁気および動電特性を有して、そのような複合体の形成を認めることができる場合であっても、適しているかも知れない。特定の場合では、そのような複合体に標識を使用することによって、より高レベルの特異性が得られる可能性がある。このように、例えば、抗原Aを発現する微生物を、抗原AおよびBを発現する微生物と区別したいと考えてもよい。これは、連結要素としてAに対する抗体を有する人工微粒子と、その連結要素としてBに対する抗体を有する標識とを用いることによって得られる可能性がある。標識された複合体の特徴(人工微粒子、微生物、および標識)と、非標識複合体(人工微粒子と微生物)との特徴の差を認めることができ、抗原Aのみを発現する微生物を、AおよびBを発現する微生物と区別するために用いることができる。
細胞およびより小さい粒子の双方の標識には、例えば検出可能なシグナルを生じうるFITCもしくはローダミンのような蛍光マーカー、色素、発光マーカーまたは酵素分子が含まれうる。後者の例には、ルシフェラーゼおよびアルカリホスファターゼが含まれる。これらのマーカーは、当業者に周知の分光技術を用いて検出してもよい。
例としての微粒子に基づく標識とその使用
以下の人工微粒子に基づく標識は、本開示の用途をさらに明らかにするために含まれる。以下の特許出願および刊行物が、連結要素、連結要素を微粒子、標的分析物に結合または結合させるクロスリンク剤または方法、および本発明において用いてもよい他の方法論を記述する限り、それらは参照として本明細書に組み入れられる。
磁気的に反応性の、透過性、固体、水不溶性の微粒子を用いる、生体液中の物質(例えば、薬物、ホルモン、ビタミン、および酵素)濃度を決定する方法は、米国特許第4,115,534号に開示される。
米国特許第4,285,819号は、キレートの形成によって廃水流から溶存イオンを除去するために用いてもよい微粒子を記述している。米国特許第3,933,997号は、抗ジゴキシン抗体を磁気反応粒子に結合させた、ジゴキシンに対する固相ラジオイムノアッセイ法を記述する。
抗体層によってコーティングした小さい磁性粒子は、生物および細胞をその集団からソーティングおよび分離するために大きく広い分布表面積を提供するために、米国特許第3,970,518号において用いられている。米国特許第4,018,886号は、選択されたタンパク質をその溶液から分離して検出できるようにするための大きく広い分布表面積を提供するために用いられる小さい磁性粒子を開示する。粒子は選択タンパク質と特異的に相互作用するタンパク質によってコーティングされる。
米国特許第4,070,246号は、得られた産物がタンパク質の生物学的性質と、基質の機械的性質、例えば金属支持体の磁気特性を有するように、それに対して生物学的に活性なタンパク質を共有結合させることができる基質上に安定な水に不溶性のコーティングを含む組成物を記述する。
通常の分離可能なタンパク質コーティング粒子の混合物を用いる診断法は、米国特許第4,115,535号に記述されている。アクロレインホモポリマーとメタクリル酸および/またはヒドロキシエチルメタクリレートのような疎水性コモノマーとのコポリマーの微粒子は、米国特許第4,413,070号において考察されている。米国特許第4,452,774号は、抗体、酵素、および他の生体分子に共有結合させることができ、磁場によって細胞、ならびに他の生体粒子および分子を標識および分離するために用いることができる磁性鉄-デキストラン微粒子を開示する。コーティングした磁化可能な微粒子、その可逆的浮遊液、およびそれに関連したプロセスは、米国特許第4,454,234号に開示されている。イオン性ビーズのそれぞれに複雑に組み入れられた強磁性材料を用いる混合樹脂床において陽イオンビーズを陰イオンビーズから分離する方法は、米国特許第4,523,996号に記述されている。磁性粒子のコロイドを利用する磁気分離法は、米国特許第4,526,681号において考察されている。英国特許出願第2,152,664A号は、磁気アッセイ試薬を開示する。
鉄-デキストラン粒子の抗体分子との共有結合によって作製された電子密度の高い抗体結合体は、Duttonら(1979)によって報告されている。Ithakissiosら(1977)は、ラジオアッセイ法において磁気微粒子を含むタンパク質を用いることを記述している。高い勾配の磁気クロマトグラフィーを用いる免疫特異的鉄デキストラン微粒子によって標識した細胞の分離は、Mildayら(1984)によって開示されている。Moldayら(1982)は、細胞の標識および磁気分離のための免疫特異的強磁性イオン-デキストラン試薬を記述している。細胞の標識および分離に磁性微粒子を適用することも同様に、Moldayら(1977)によって開示されている。ヒトアルブミンと生体液の固相蛍光イムノアッセイ法は、Margessiら(1978)によって考察されている。Nyeら(1976)は、固相磁性粒子ラジオイムノアッセイ法を開示している。磁性流体は、Rosenweig(1983)によって記述されている。磁気プロテインA微粒子およびそれを細胞分離の方法に用いることは、Widderら(1979)によって開示されている。
米国特許第5,279,936号は、対象となる成分を磁性粒子に結合させることによって、混合物の他の成分から対象となる成分を分離することに向けられる方法である。他の成分を含む混合物から細胞を分離するための方法である発明の態様において、方法は、第一の液体培地とは異なる密度および/または異なる粘度である第二の培地に、細胞および他の成分を含む第一の液体培地を重層することを含む。細胞を常磁性粒子に結合させる。層状の第一の液体培地および第二の液体培地に磁場勾配を与え、第二の培地に細胞粒子を移動させる。第二の液体培地において細胞を単離する目的は、さらなる態様によって、第二の液体培地から細胞を単離することである。
米国特許第4,935,147号は、有機および無機生化学分析物、特に体液の分析における対象となる分析物のアッセイ法において、磁気分離の応用を特異的に標的とする方法である。本発明の方法は、そのような粒子の磁性粒子に対する化学的に制御された非特異的可逆的結合によって、培地から非磁性粒子を分離する方法を提供する。磁性粒子の大きさが小さいために、同様に、分離すべき基質の非常に迅速な結合も提供する。次に、粒子を凝集させることによって、これまでの方法によって得られたよりもさらにより迅速で完全な磁気分離が提供される。
細胞分離の分野における他の現行の実践方法は、例えば、中空の繊維、平坦なシート状の膜、または選択的細胞分離のために、化学物質もしくは抗体を物理的に吸着もしくは共有結合させた充填床ビーズまたは粒子材料のようなマトリクス材料を利用する。これらの装置は、連続的に全血または血液成分を流入させて回収するように設計される。これらの装置は、所望の細胞濃度が他の細胞タイプと比較して非常に低くなりうる条件での通常の血液の流速で作動するため、分離プロセスはしばしば、効率的ではない。その上、これらのシステムでは、選択された細胞を生存状態で回収することは難しい。
常磁性ビーズの開発により、標的細胞を磁気によって分離する見通しが得られた。磁性および常磁性粒子を作製する様々な方法が以下の米国特許に開示されている:米国特許第4,672,040号;米国特許第5,091,206号;米国特許第4,177,253号;米国特許第4,454,234号;米国特許第4,582,622号;米国特許第4,452,773号;米国特許第5,076,950号;米国特許第4,554,088号;および米国特許第4,695,392号。
磁性粒子をアッセイ法に用いるために様々な方法が考案された。例えば、米国特許第4,272,510号;米国特許第4,777,145号;米国特許第5,158,871号;米国特許第4,628,037号;米国特許第4,751,053号;米国特許第4,988,618号;米国特許第5,183,638号;米国特許第4,018,886号;および米国特許第4,141,687号を参照されたい。
細胞を含む生物学的成分を分離するために磁性粒子を用いる試みがなされた。以下は、出願人に公知であって、磁気による分離および方法に向けられると考えられる米国特許の一覧である:米国特許第4,855,045号;米国特許第4,664,796号;米国特許第4,190,524号;米国特許第4,738,773号;米国特許第4,941,969号;米国特許第5,053,344号;米国特許第5,200,084号;米国特許第4,375,407号;米国特許第5,076,914号;米国特許第4,595,494号;米国特許第4,290,528号;米国特許第4,921,597号;米国特許第5,108,933号;米国特許第4,219,411号;米国特許第3,970,518号;および米国特許第4,230,685号。
ウイルス、細菌および真菌のような作用物質を迅速かつ正確に検出するため、ならびに正常および異常な遺伝子を検出するという要求に応じるために、微粒子に基づく方法を用いる多くの技術が最近開発されている。そのような技術は、一般的に試験試料において微量の標的核酸(DNAまたはRNAのいずれか)の増幅および検出(ならびにその後の測定)を含み、これらには中でもポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(Saikiら、1985;1988;「PCR Technology」、Henry A. Erlich編、ストックトン出版、1989;Pattersonら、1993)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(Barany、1991)、鎖置換増幅(SDA)(Walkerら、1992)、Qβレプリカーゼ増幅(QβRA)(Wuら、1992;Lomeliら、1989)および自続式複製(3SR)(Guatelliら、1990)が含まれる。
そのような技術の他の応用には、個体および集団における単遺伝子障害の検出および特徴付けが含まれる(例えば、点突然変異を含む単遺伝子欠損を検出するライゲーション技術を開示するLandergrenら、1988を参照されたい)。そのような技術は、疾患(例えば、鎌状赤血球貧血)が起こりうる一ヌクレオチドの差(点突然変異)のみならず欠失または重複遺伝子配列(例えば、地中海貧血)を明らかに区別することができなければならない。
取っ手
特定の分析物に対して向けられる異なるプローブに異なるタイプの人工微粒子を結合させる場合、異なる標的分析物を同時に標識するが、なおも分析物混合物内で個別に操作してもよい。その標的分析物に結合すると、感作された人工微粒子標識(一つまたは複数の連結要素またはさらなる標識に結合した人工微粒子)は、例えば、細胞溶解物、血清、または他の生体試料から分析物を引っ張るために用いられる取っ手として作用する。多くの標識された分析物が、サンドイッチ可能で周波数依存的に、同時に操作される可能性がある。
取っ手として作用する他に、プローブ感作微粒子も同様に、分析物を検出するために、一つの態様において、分析物を同時またはほぼ同時に検出するために用いてもよい。本開示の恩典によって、人工微粒子は、誘電特性、このように誘電泳動挙動が分析物の結合に対して非常に感受性であるように設計してもよい。試料中の標的分析物の有無は、AC動電挙動のこの変化を観察することによって検出してもよい。
上記を考慮して、細胞および生体分子のAC動電操作のために用いてもよい本開示の人工微粒子は、遠心または免疫検出のような従来の方法は実行することが難しいかまたは不可能である統合自動マイクロシステムの改善された分離および検出法を開発するための可能な技術を提供する。これらの改善された方法を利用する装置は、先に考察したように、多様な診断および研究応用において有用となる可能性がある。
一つの態様において、混合細胞浮遊液から疑われる細胞の単離、同定等および誘電指標化人工微粒子の混合物の操作は、全て統合された装置において行ってもよい。これらの段階を得ることは最終的に、それを浮遊させる溶液に関して物体を移動させる方法、つまり誘電泳動が理想的に適している問題に依存する。誘電泳動の原理は当技術分野で既知であるが、下記の章は、それらの原理のいくつかを説明して、本明細書において考察した人工微粒子にそれらを応用する。
AC動電現象
AC動電現象は、交流電場が粒子上に力を誘導する一連の関連効果である。これらの力は、粒子およびその周辺の誘電特徴に依存する。最もよく知られた動電現象は、通常の誘電泳動(cDEP)である。「誘電泳動(DEP)」という用語は、均一でない電場において最小の誘電電位に向かう分極可能な粒子の運動を記述するためにPohlによって初めて用いられた(Pohl、1978;Sauer、1985;Kaler および Jones、1990;Holzelら、1991;Gascoyneら、1993)。この現象は、真珠の鎖の形成を通して細胞を密に接触させるために、細胞融合および電気穿孔装置において用いられる(Abidorら、1994;Wuら、1994)。より最近、電気回転(ROT、回転する電場によって粒子上に与えられたトルクに起因する粒子の回転)(Arnold および Zimmermann、1982および1988;Fuhrら、1990;Huら、1990;Gimsaら、1991;Holzel および Lamprecht、1992;Huangら、1992;Sukhorukovら、1993;Wangら、1994c)および進行波誘電泳動(twDEP、空間の中を掃引する電場によって引き起こされた粒子の側方運動)(Masudaら、1988;Hagedornら、1992;Huangら、1993;Gascoyneら、1994a)を含む他の動電現象が、細胞および生体分子の非侵襲性の特徴付けおよび操作において応用できるか否かが調べられている。
AC動電現象は、電場と電場によって粒子において誘導された分極との相互作用に起因する。この作用は、いくつかの研究グループによって詳細に研究されており、その理論はかなり十分に確立されている(Pething、1979;Jones、1995)。誘電泳動とより親しみやすい電気泳動はいずれも動電現象を記述するが、それらはいくつかの基本的な差によって区別されることに注目することは重要である。誘電泳動では、粒子の運動は、適用した場によって粒子に誘導される電荷の程度、極性、および相によって決定される。粒子は、誘電泳動を受けるために固有の真の電荷を有する必要はない。しかし、電気泳動は、粒子は固有の真の電荷を有する必要がある。この固有の電荷と電場とのあいだの相互作用が、粒子の運動を引き起こす。さらに、電気泳動は典型的に、均一な直流電場を利用する。誘電泳動は、直流または交流のいずれかとなりうる不均一な電場を用いる必要がある。AC動電現象、cDEP、twDEP、gDEP、およびROTは、それらがそのまさに性質上、一般的に用いられる電気泳動法よりはるかにより用途が広いという事実にもかかわらず、化学および生命科学において分離および分析のためにほとんど検討されていなかった。AC動電法の以下の長所を考察する:
(1)粒子に誘導される電荷の大きさおよび符号は、粒子の誘電特性に強く依存する。人工微粒子の場合、これには、粒子のコーティングおよびコア材料の性質が含まれる。コーティングの厚みおよび組成を変化させることのみならず、コア粒子の組成を変化させることによって、広範囲の誘電特性を有する粒子を作製することができる。
(2)粒子に誘導される荷電の大きさおよび符号は固定されず、印加電場の周波数および粒子を浮遊する培地の特性に強く依存する。この理由から、人工微粒子は周波数依存的に個々に位置づけされる可能性がある。
(3)AC動電現象は、単に一つのタイプの直線的な運動を表すのではなくて、二次元の多様な動的作用を表し、これは粒子を操作するためのみならず、その誘電特性の特徴を調べるために利用することができる。
(4)(1)および(2)において考察したように、粒子のAC動電反応は、粒子の誘電特性に対して非常に感受性が高い。人工微粒子は、その誘電特性が分析物の結合に対して非常に感度がよくなるように作製してもよい。そのような人工微粒子は、分析物-微粒子複合体から未結合の人工微粒子を識別する手段を提供する。このタイプの人工微粒子を、分析物の定性的、場合によっては定量的同定のために用いてもよい。
(5)二次元での細胞運動が電場の形状、電場の周波数、および浮遊培地の誘電特性に強く依存することは、多様な異なる応用でターゲティングされる粒子分離技術の用途が広いことを約束する。
これらの現象は全て、適当な印加電場の形状による粒子の誘電特性を十分に利用するために個々または同時に用いてもよい。
一般的誘電泳動理論
印加電場ベクトル
Figure 2005533238
によって粒子に作用する誘電泳動力は、電場が粒子において誘導する有効な双極子モーメントベクトル
Figure 2005533238
に関して、ごく一般的に以下のように記述することができる(Huangら、1992および1993;Gascoyneら、1994b;Wangら、1994a):
Figure 2005533238
周波数領域において、誘導される粒子の双極子モーメントは以下によって与えられる:
Figure 2005533238
この場合、ωは印加電場の角周波数であり、rは粒子の半径、およびfCMは、以下のように定義されるクラウジウス-モソッティ係数である:
Figure 2005533238
ここで、ε* pおよびε* mはそれぞれ、粒子およびその浮遊培地の複素誘電率である。最近まで、cDEPおよびtwDEPを含む異なる動電現象を記述する式(Huangら、1993)は、
Figure 2005533238
に関する適当な空間部分の式を差し引くことによって導かれ、それによって特定の場合の力の式が得られた。しかし、空間と時間に関する電場の混合偏導関数は、電場が連続的であるためには、シュワルツの関係(Gellertら、1977)に従わなければならないという事実を利用することによって、最近、時間平均誘電泳動力は、以下のように表されると導かれている(Wangら、1994aおよび1994b):
Figure 2005533238
ここで、E(rms)は、電場強度のrms値であり、Ei0およびφi(i=x;y;z)はそれぞれ、主軸の方向における電場の成分の大きさおよび位相である。これまでの分析とは異なり、この式は、任意の形の印加電場から生じた力を調べるために用いることができる。これは、gDEPの運動に二つの独立した力が関与することを初めて認める二つの項を含む:
(i)左側の項は、粒子における誘起双極子モーメントの真の(位相が一致した)成分(Re(fCM))および電場の大きさの空間的非均一性▽E(rms)2に関する。この力は、Re(fCM)が正であるか負であるかに依存して、強いまたは弱い電場領域に粒子を向ける(図2a)。これは、通常のDEP項である(Huangら、1992;Jones および Kallio、1979)。
(ii)右側の項は、誘起双極子モーメントの想像上の(位相外)成分および電場の位相の電場空間不均一性(▽φx、▽φy、および▽φz)に関する。Im(fCM)の極性に応じて、この力は、電場の成分の位相がより大きい(Im(fCM)>0)またはより小さい(Im(fCM)<0)領域に粒子を向ける(図2b)。進行波電場の制限条件では、等式4は、twDEP力の式に換算される(Huangら、1993)。
等式4は、AC電場において粒子が受ける力が、Pohl(1978)によって想像されるように電場の大きさの不均一性のみならず、電場の位相の不均一性によっても生じることを示す。本発明者らは、大きさと位相の双方の不均一性によって引き起こされる粒子の運動を、一般的誘電泳動と命名した。電場誘発細胞運動は全て、等式4に関して理解することができるため、位相および大きさがいずれも不均一である非常に複雑な電場の形状は、当技術分野で既知の方法論によって調べることができる。
ロットによる人工微粒子の特徴付け
人工微粒子を含む粒子の誘電特性は、電気回転によって確立してもよい。電気回転では、粒子は、回転する電場を受けて、本質的に安定な軸の周りを回転するように誘導される。この方法は、これが比較的単純であり、良好な再現性を与え、個々の粒子を特徴付けする手段を提供することから、他の特徴付け法より適している。粒子の誘電特性は、如何なる動電現象によっても非侵襲的にプロービングすることができるが、ROTはほとんどの目的に関して、空間において静止していると見なすことができる軸の周囲の粒子回転を誘導するという有意な長所を提供する。このように、粒子は、一定の電場強度の位置に留まる。ROTトルク、
Figure 2005533238
は、電場の不均一性には依存せず(Arnold および Zimmermann、1982および1988;Fuhr、1985)、クロス積に依存し、
Figure 2005533238
周波数領域において、このトルクの大きさ(Arnold および Zimmermann、1982および1988;Fuhr、1985)は、以下のように示すことができる:
Figure 2005533238
異なる三つの粒子タイプ、またはこの場合では細胞に由来する典型的なROTスペクトルを図3に示す。等式6は、それぞれの特定のタイプに関してそれぞれのスペクトルの形状がIm(fCM)を反映することを示している。適当な誘電モデルを適用することによって、そのROTスペクトルから人工微粒子の誘電特性を直接誘導することが可能である。粒子の特性の明確な誘電モデリングは、誘電外皮モデル(Huangら、1992;Fuhr、1985;Irimajriら、1979)を用いて行われることが最も多く、本発明者ら(Huangら、1992;Wangら、1994c;Gascoyneら、1994b)および他の研究者(Holzel および Lamprecht、1992)は、粒子の誘電データをROTから誘導することができる理論に貢献した。
本発明者らはまた、誘電パラメータをROT分析から誘導することができる精度も分析した(Gascoyneら、1994b)。これによって、微粒子の基本的な誘電および構造局面を理解することができるのみならず、等式4と共に、全ての電場の構造に関して全ての浮遊条件での微粒子の動電挙動を予測することができる。類似の磁気回転実験も同様に、微粒子の磁気特性の特徴を調べるために行ってもよい。
人工微粒子の誘電モデリング
図1に示し、添付の本文に説明する微粒子のような人工微粒子の構造は、誘電特性に関して、薄い伝導性の不良な外皮に取り囲まれた球状の伝導性内部(伝導性の外皮によって取り囲まれた誘電性のコアが、内部に含まれる場合であっても)によって近似してもよい。そのような粒子の複素誘電率ε* pは、以下の式によって表される(Irimajariら、1979;Huangら、1992):
Figure 2005533238
ここで、ε* 内部およびε* 外皮は、粒子内部および絶縁性の外皮の複素誘電率伝導率と誘電率であり、rは粒子の半径、およびdは絶縁層の厚みである。人工微粒子のcDEPおよびtwDEP AC動電反応は、等式4および7を用いて当技術分野で既知の方法論に従って形成してもよい。
図4は、外皮の厚みが約1〜10 nmの人工微粒子のcDEPおよびtwDEPの応答を示す。異なる組成の人工微粒子が様々な周波数のAC電場に対して実質的に異なる反応を示すことは、図4から明らかである。単一の微粒子タイプの周波数応答は、誘電体指紋と呼ばれ、異なる構造を有する微粒子を区別することができる。
より複雑な誘電体指紋を有する人工微粒子は、コア材料上に制御された厚みの材料の多数の層を適用することによって、または分散性であるコア材料を用いることによって作製してもよい。これらのより複雑な人工微粒子のAC動電反応は、Jones(1995)によって記述され、参照として本明細書に組み入れられるモデルのような当技術分野で既知の多外皮誘電モデルを用いることによって予想してもよい。さらに、球状の外皮同等物によって他の非同心円構造を作製および形成してもよい。
異なる誘電体指紋を有する人工微粒子のライブラリは、異なる物理的組成および構造を有する人工微粒子を作製することによって容易に構築してもよい。独自の誘電体指紋を有する微粒子は個々に位置づけ可能である可能性があり、試料混合物におけるいくつかの異なる分析物を操作するために周波数依存的な取っ手として用いてもよい。
磁気泳動
不均一な磁場に置いた容積νおよび透磁率μ* pの粒子は、以下の磁気泳動力を受けると考えられる:
FMAP=2πμsR3kcm(μ* s、μ* p、ωH)▽H(x,y,z)2 (8)
式中、μsは、浮遊培地の透磁率であり、Rは粒子の半径、kcm(μ* s、μ* p、ωH)は、その浮遊培地に関する粒子の磁気分極性を説明する磁気クラウジウス-モソッティ係数であり、▽H(x,y,z)2は、磁場の強度の二乗の勾配である。ここで、ωHは、印加磁場の周波数であり、静磁場ではゼロの値を有すると考えられる。誘電体等式と同様に(等式2)、μ* sおよびμ* pはそれぞれ、浮遊培地および粒子のの複素透過率である。静磁場の場合、これらはそれぞれ、実際の静磁場透磁率パラメータμsおよびμpに減少する。
等式8は、等式2の磁気類似体である。または、粒子が永久容積磁化mを有する場合、磁気泳動力は以下のようになると考えられる:
FMAP=μsR3m▽・H(x,y,z)2 (9)
粒子が永久的または誘導型の磁気分極成分の双方を有することは可能である。その場合、等式8および9を組み合わせたものが当てはまる可能性がある。例えば、粒子は高い透磁率を有する可能性があり、同時に磁気残留(remnance)を示す。磁気泳動に関する公式の考察に関しては、読者はJones(1995)を参照されたい。
磁気を帯びやすい微粒子を回収するために磁気泳動を用いることは、当技術分野で周知である。免疫磁気分離(IMS)および磁気活性化細胞ソーティング(MACS)のような、磁気泳動に基づく分離技術に関して、Dynal社(レークサクセス、ニューヨーク州)およびMiltenyi Biotec社(、オーバーン、カリフォルニア州)のような販売元からの産物が日常的に用いられている。
磁気微粒子は、多くの起源から容易に入手可能であるが、分離を増強するために磁気および誘電微粒子特性を同時に利用することは新規アプローチである。人工微粒子を識別、操作、および/または単離するために用いられる装置は、AC動電および磁気泳動要素の双方を含む。例えば、人工微粒子のAC動電操作には、ACシグナルが切り替えられる電極アレイを用いるcDEP、twDEP、gDEP、およびROTが含まれてもよい。人工微粒子の磁気泳動操作は、電極アレイの近傍で局所磁場不均一性を提供する手段に適合させた強い磁石を用いて行ってもよい。そのような装置において、人工微粒子は、AC動電および磁気泳動操作力の双方を受ける;微粒子の誘電および磁気特性を同時に利用することによって、増強された識別および操作能が同時に得られる可能性がある。
粒子の誘電特性の変化に対するDEP-FFFの感度
本発明者らは、平行な電極幾何学に関して流動性の培地に浮遊した誘電粒子の誘電泳動浮揚力が電極より高い高さで指数的に低下することを理論と実験の双方によって示した(Wangら、1998)。粒子が、電極平面に向かって沈降する傾向があるような密度を有する場合、安定な誘電泳動浮揚は、以下の式によって示される平衡の高さで起こると考えられる:
Figure 2005533238
ここで、Uは、電極アレイに適用される電位であり、Aは幾何学項、pは、電極の分極によって選別されていない印加電場の割合、εmは、浮遊培地の誘電率、(ρc−ρm)gは、沈降項、および粒子-培地界面で起こる誘電分極は、いわゆるクラウジウス-モソッティ係数Re(fCM)の実数部分によって記述される。
DEP-FFFにおいて、浮揚は、流体力学流プロフィールに従って薄い小室内を流れる流体内で起こる。このように、粒子の速度は、流れにおけるその浮揚高度heqに依存し、その結果、異なる値のheqを有する粒子は、浮揚が起こる小室の長さに沿ってそれらが異なる速度で流れると、開始混合物から分離される可能性がある。
DEP-FFF実験においてその誘電特性の小さい変化に及ぼす粒子速度の依存性を認識するために、最初に誘電体変化の前に平衡高度の関数としてこれを記述することは有用である。誘電特性に関して、本発明者らは以下の微分等式(1)を得る:
Figure 2005533238
分離小室における流体力学による流れのプロフィールが放物線である場合、粒子の速度は、以下の式に従ってその浮揚高度に依存すると考えられる:
Figure 2005533238
ここで、Hは小室の厚みであり、〈ν〉は平均流体速度である。
このように、本発明者らは、高さの変化の増加に対応する速度変化の増加を以下のように記すことができる:
Figure 2005533238
本発明者らはさらに、6〈ν〉に関して等式(3)から置換して以下を得ることができ、
Figure 2005533238
次に、粒子の誘電特性の変化の増加を、等式(2)を用いて以下のように粒子速度の対応する変化に相関させることができる:
Figure 2005533238
この場合も、
Figure 2005533238
である。
等式(6)を調べると、heqおよびRe(fCM)がいずれも小さい場合、高さの変化の増加に対する粒子速度の感受性は最大となることが明らかになる。DEP-FFF現象の極限の感受性は、これらの二つの条件が相互である傾向があるという事実に由来する。本発明者らは、例えば、等式(1)から、浮揚が起こる閾値条件が存在することに注目する:
Figure 2005533238
このことは、誘電泳動力が浮揚のための電極平面での沈降力を超えなければならないことを明らかに示している。明らかに、以下の如何なる一般的条件についても:
Figure 2005533238
であり、印加電圧Uは浮揚が実際に起こるが、それにもかかわらず確実に小さくなるように選択することができる。本発明者らはまた、大きさがより小さいRef(CM)も同様により小さい浮揚高度を保証することを認めている。当然、Uのとりうる大きさ、そしてしたがって実際の応用においてRef(CM)がどれほど小さい値をとりうるかに関しては実際に限界があると考えられる。
heqおよびRe(fCM)は、等式(6)の分母を支配するため、したがって、粒子の誘電特性のDEP-FFFの速度変化の増加の感度は、適当な条件を選択すれば非常に大きくなりうる。実際に、0.0001もの小さいRef(CM)を検出可能であり、これは本当に驚くべき感度である。
このことを説明するために、本発明者らは、電極の幅および間隔が20ミクロンである電極アレイ上でヒト白血病細胞HL-60について行った実験において、以下のパラメータを得た:
A=-2.77×1014 m-3、d=80×10-6 m、ρc=1089 kg.m-3
ρm=1033 kg.m-3、εm=78εm、およびH=200×10-6 m 。
等式(1)に関して浮揚高度は以下のように計算され:
heq=6.37×10-6 ln(-522Re(fCM))、
速度感受性パラメータは、以下の通りである:
Figure 2005533238
図7は、これらの実験によって確認したパラメータに関して、粒子速度の変化の割合(%)として表記される粒子速度の感度が開始値-0.01、-0.02、-0.04、-0.08、-0.16および-0.32に関してRe(fCM)の小さい変化に依存することを示している。本発明者らは、この図に示した最大値であるRe(fCM)の大きさの増加0.025がなおも極めて小さいと見なされることに注目する。
図7は、粒子/培地の組み合わせのRe(fCM)が小さい場合、誘電特性の変化に対するDEP-FFF速度の感受性は実際に非常に大きいことを示している。例えば、開始値Re(fCM)=-0.01の場合、Re(fCM)の-0.005の変化が粒子速度の120%増加を生じる(マゼンタ曲線)。本発明者らは、2%もの小さい粒子速度の変化を信頼できるように測定することができ、感度は、0.0001ものRe(fCM)の変化を検出するために十分である。一方、Re(fCM)の開始値が-0.32である場合、粒子速度の変化の検出は、Re(fCM)の約-0.03より大きい増加に限って信頼できると考えられる。DEP-FFF検出アッセイ法における最高レベルの感度に関して、誘電粒子および浮遊培地は、Re(fCM)がゼロに近づくように明らかに選択しなければならない。したがって、本発明者らは、これを得ることができる条件を検討する。
クラウジウス-モソッティ係数fCM
電場が適用される誘電培地の内部に置かれた粒子について考えてみる。誘電浮遊培地および粒子は、電場に反応して分極すると考えられる。しかし、粒子の誘電特性が、浮遊培地の誘電特性と異なる場合、粒子と培地とは、程度の異なる分極を示し、両者の界面は、界面を超える誘電変位Dが確実に連続するように局所分極を受けると考えられる。図8において、卵形の粒子は、低い誘電率を有し、認識できる程度に分極しない。一方、高い誘電率を有する支持培地は、分極して、誘電変位の連続性を維持するために、粒子/培地界面での界面分極を生じる。このことは、水性懸濁液における気泡の例をかなり正確に表している。同様に、DEP-FFF実験において水中に浮遊したポリマービーズの単純な図も表す(しかし、非常に重要な相違に関しては後を参照されたい)。誘電分極の全ての組み合わせは、印加電場が不均一である場合、粒子の誘電泳動反応を決定する。クラウジウス-モソッティ係数fCMは、浮遊培地における粒子の全体的な極性を表し、したがって、fCMには、粒子と培地の双方に関する分極項が含まれる。AC動電の中心的な問題は、所定の粒子および培地の組み合わせに関して、誘電泳動力を形成することができるようにfCMを決定することである。
球状の粒子に関して、クラウジウス-モソッティ係数fCMは、以下によって与えられる:
Figure 2005533238
ここで、εpは、粒子の有効誘電率であり、εmは、培地の有効誘電率である。図において、示した粒子は、εp<<εmであるために分極しない。この場合、fCMはほぼ-0.5であり、Re(fCM)も同様にほぼ-0.5である。誘電泳動実験において、これは、最大の負の誘電泳動の条件に対応する。この値を等式(1)および(6)におけるRe(fCM)に置換すると、これらの条件で粒子速度の実質的な変化を得るためには、粒子εpの誘電特性の膨大な変化が必要であることを示しており、DEP-FFFが粒子の誘電特性の変化を検出するために非常に感度がよいと考えられると結論している。一方、本発明者らは先に、Re(fCM)がゼロに近づくにつれてDEP-FFFの感度が増加することを発見した。このことは以下であることを意味する:
Figure 2005533238
したがって、標的物質に対する粒子の誘電特性の小さい反応を検出するためにDEP-FFFを最適にすることは、つまるところ、粒子およびその浮遊培地がほぼ同じ有効相対誘電率を有する条件を探索することとなる。
人工微粒子のクラウジウス-モソッティ係数
εpが有効な粒子誘電率であることに注目されたい。気泡の場合、εpは、自由空間の誘電率に等しい定数として形成されうると考えられる。しかし、疑問となる特定のタイプの構造および組成に応じて、εpおよびその対応する誘電モデルの式はむしろ複雑であるかも知れない。例えば、図3に示すような人工微粒子の単純なモデルでは、εpは、誘電率εsおよび伝導率σsを有する非常に薄い絶縁層によって取り囲まれた誘電率εcおよび伝導率σcを有する伝導性内部からなる同心円外皮系から発生する。
いわゆる外皮系の対応する有効誘電率は、非常に周波数依存的である。AC動電法によって、異なるタイプの微粒子の特徴を調べて、識別、およびソーティングするために非常に有効に利用されうるのは、この周波数依存性である。さらに、適当な浮遊培地の誘電率εm、伝導率σm、および印加周波数条件は、人工微粒子タイプの有効誘電率が、浮遊培地と非常に類似となるように容易に選択することができる。このようにして、微粒子はそれ自身、DEP-FFFによって高度に識別される。
哺乳類細胞に合わせて形成された人工微粒子の場合、外皮の伝導率σsは、極めて小さく、εsからの静電容量効果と比較するとその影響は無視できる。逆に、静電容量の効果が重要である10 kHzから<1 MHzまでの周波数範囲では、浮遊培地σmの伝導率の影響は、その誘電率εmの影響よりはるかに大きい。これらの条件において、哺乳類細胞に合わせて形成された人工微粒子のクラウジウス-モソッティ係数の実数部分は、以下のように近似することができる:
Figure 2005533238
ここで、Cは、F/m2で表した微粒子の特異的膜静電容量、rは微粒子の半径、およびfは印加電場の周波数である。この場合、Re(fCM)→0となるDEP交差条件は、以下の場合に起こる:
Figure 2005533238
DEP-FFFによって異なる二つのタイプの微粒子が識別可能であるために満足すべき基本的条件は、それらが異なる高度に浮遊することである。クラウジウス-モソッティ係数の実数部分に関する上記の近似が有効であれば、この状態は、等式(1)を用いて、以下のように表現することができる:
Figure 2005533238
ここで、下付文字1および2はそれぞれ、分離すべき二つの微粒子を指す。当然の結果として以下の式のようになり:
Figure 2005533238
これは三つの場合に満足することができ、すなわち
(1および2)二乗の括弧内に定義された二つのDEP交差周波数のいずれかがゼロに近づき、他方がゼロでない場合、
r1C1≠r2C2
であれば、常に満足することができる条件、または
(3)
(ρp1−ρm)≠(ρp2−ρm
である時、周波数がいずれかの交叉周波数よりかなり小さい場合。
この第三の場合では、微小粒子の大きさ、密度、および外皮の静電容量は全て、微粒子の分離性を決定するための要因として組み合わせる。
実施例
以下の実施例は、本開示の特定の態様を証明するために含まれる。以下の実施例に開示された技術は、本発明の実践にあたって十分に機能するように本発明者らによって開発された技術を表し、このように、その実践のために特定の様式を構成すると見なすことができることは、当業者によって認識されるべきである。しかし、当業者は、本開示に照らして、開示される特定の態様に多くの変更を行うことができること、そしてそれでもなお本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、同様または類似の結果を得ることを認識すると考えられる。
実施例1
人工微粒子デザインの検討
生命科学研究は典型的に、大きさが直径約100 nm〜10 μmの範囲である粒子の分析を必要とする。この大きさの範囲の粒子に作用する主な力は、沈降力およびブラウン運動による無作為な力である。半径1 μmで密度1.05 g/cm3の粒子を25℃で水性培地(ρ=1.00 g/cm3)に浮遊した場合、沈降力およびブラウン運動力の大きさはそれぞれ、約2×10-15 Nである。
操作力として通常の誘電泳動を有効に用いるために、cDEP力は、粒子に及ぼす他の力より大きくなければならず、一つの態様において、粒子に作用する他の力より約1次数大きい。等式4に従って、Re(fCM)=0.5であれば、▽E(rms)2は、約9×1012 V2/m3となるはずであり、沈降力またはブラウン運動力より10倍大きいcDEP力を生じる(Pething および Markx、1997)。
微小電極および当技術分野で既知の方法論を用いて、印加電圧約10 Vまたはそれ未満でこの大きさの電場を生成することが可能である。沈降および通常の誘電泳動力はいずれもr3に比例するが、ブラウン運動の無作為化力はr-1に比例する。1μmより大きい粒子の場合、沈降およびcDEP力は、粒子に作用する支配的な力であり、直径が約10 μmまたはそれ以上の粒子を操作する場合には通常の誘電泳動を用いてもよい。より小さい粒子の場合、ブラウン運動は、沈降力より支配的である。サブミクロン幾何学を有する電極を用いることによって、直径が約100 nmまたはそれ未満であるウイルスおよび他の粒子を操作することができるcDEP力を作製してもよい(Mullerら、1996)。
本開示の恩典によって、AC動電および磁気泳動操作を行うことができる特性を有する人工微粒子を設計してもよい。粒子のcDEP操作に関して先に考察したように、cDEP力の大きさは、システムにおいて粒子に作用する他の力の影響を圧倒するほど十分でなければならない。これは、如何なるAC動電または磁気泳動操作にも当てはまる。粒子に作用する力は、一般的に沈降力およびブラウン運動による無作為力である。これらの力の程度は、粒子の特性に依存するため、競合する力の影響を適当に概算することによってAC動電力の影響が最大限となるように人工微粒子を設計してもよい。
沈降力は、例えば、約1.0〜2.0 g/cm3の有効密度の人工微粒子を作製することによって概算してもよい。水性培地に浮遊させたこの密度の10 μm粒子には、小さい(<1.5×10-12 N)沈降力が作用すると考えられる。ほとんどの応用に関して、微小に作製されたAC動電装置は典型的に、装置のより低い表面上の微小電極と共に設計されることから、この特徴が好ましい。電場の強度、およびしたがってAC動電力は、電極平面の近くで最も大きい。
負の浮揚を用いて、電極平面に微粒子が確実に落下させてもよく、粒子はそこで正のcDEPによって維持することができる、または負のcDEPによって浮上させることができる。ブラウン運動による力は、直径約10〜20 μmである微粒子を設計することによって減少する可能性がある。この大きさの粒子に及ぼすブラウン運動の影響は、人工微粒子の操作のために典型的に用いられるDEP力の大きさと比較すると無視できるほどである。同様の議論は、磁気微粒子特性および磁場の設計にも応用可能である。
明記された範囲の最終的な有効密度を得るための一つのアプローチは以下の通りであってもよい:低密度(<1.3 g/cm3)の球状の基質上に伝導性、絶縁性、および/または磁気感受性材料の薄膜を沈着させることによって注文製の人工微粒子を作製してもよい。伝導性の球状の外皮は、外部印加電場に対する反応において固体の伝導性の球と識別できないことは、マックスウェルの電磁気の法則から既知である。伝導層は、厚みが約10〜100 nmの金、銀、プラチナ、または銅のような金属の薄膜であってもよい。
この層を、当技術分野で既知の原理に従って、物理的蒸着(PVD)または無電解めっき(Elshabini および Barlow、1998)によって基質上に適用して、伝導性のコアを形成してもよい。絶縁材料は、Al2O3のような金属酸化物、またはポリスチレンもしくはPTFEのようなポリマー材料の薄膜であってもよい。そのような材料は、例えばPVDまたは微小封入(Lim、1984)技術によって適用してもよい。
伝導層および絶縁層の密度は8.9〜21.4 g/cm3および1.1〜2.2 g/cm3であってもよいことから、対応する基質は、所望の密度範囲の最終的な微粒子を生成するために低密度を有しなければならない。直径が約10〜1000 μmのポリスチレンおよび中空のガラス微粒子は、Dynal社(レークサクセス、ニューヨーク州)、Miltenyi Biotec社(オーバーン、カリフォルニア州)、Cortex Biochem社(サンレアンドロ、カリフォルニア州)、およびBioSource International社(カマリロ、カリフォルニア州)を含む数社から密度が約1.0 g/cm3のものが市販されている。
類似の検討は、適当な微粒子密度が得られるように微粒子の磁気特性を設計する場合にも当てはまる。微粒子コアまたは層構築のための適した磁気材料には、フェライト、セラミクスおよびガラスを含む希土類と共に、鉄、コバルト、チタン、および原子または非代償性電子スピンを有する分子を含む他の材料が含まれる。
微粒子の誘電特性を決定する特徴には、その大きさ、表面電荷、密度、組成、および電気伝導性が含まれる。本開示および当技術分野で既知の技術の恩典によって、これらのパラメータは全て、所望の誘電体指紋を得るために改変してもよい。特に、人工微粒子は、そのそれぞれが誘電性、伝導性、磁気、または非磁気であってもよいコーティング、内部および表面層、および内部区画および/またはコアを用いることによって、既定の表面および内部誘電、磁気、および密度特性を組み入れるように作製してもよい。微粒子表面およびそれぞれのコーティング、層、区画、およびコアの誘電および電気特性は、異なってもよい。微粒子の全体的な誘電および磁気特性は、その成分部分のそれぞれの相乗的な誘電および電気的関与によって、ならびにそれらに磁気感受性材料が存在することによって決定されると考えられる。適当な誘電および電気特性を有する構造要素を組み合わせることによって、明確で識別可能な誘電特性を有する異なるタイプの微粒子を合成してもよい。
誘電体および磁性体の物理によって、本質的に類似の誘電性および/または磁気特性を有する微粒子を、一つより多い方法で製造することができる。本発明の目的に関して、対象となる既定の周波数範囲において類似の誘電および磁気特性を有する微粒子は全て、その基礎となる物理的組成が異なる場合であっても同一の微粒子であると見なされると考えられる。
微粒子の構造の例には、ラテックス;金属;ガラス;半導体;制御された表面特性またはコーティングを有するまたは有しないプラスチックまたは磁性材料;炭素複合体および当技術分野において伝導または抵抗成分を製造するために既知の他の材料;シリコン;ゲルマニウム;セレニウム;および/またはガリウム-ヒ素、またはその伝導性もしくは誘電特性を改変するために微量の物質によってドーピング処理されたか否かによらず、その半導体特性が当技術分野で既知の他の元素または化合物材料の単純な球が含まれる。
より複雑な構造には、以下の特徴の一つまたは複数を有する微粒子が含まれる:(i)電気的により伝導性の内部を有する電気的に非伝導性の膜様コーティング;(ii)対象となる周波数範囲内で誘電分散を有する誘電材料を含む層またはコア;(iii)非常に伝導性の表面層またはコア;(iv)誘電性の培地との相互作用を通して微粒子の特性に関与する真の電荷を有する表面;(v)磁気感受性を有する一つまたは複数の層またはコア。
本開示は、AC動電または複合AC動電磁気法による標的分析物の単離、同定、特徴付け、または他の操作のために微粒子が用いられるように、その全体的な誘電および磁気特性が特に選択される如何なるタイプの微粒子にも関する。
実施例2
実験研究
Potters Industries社(バレーフォージ、ペンシルバニア州から)から銀コーティングした中空のガラス球体を得て、これを、無界面活性剤微小封入プロトコールを用いて、Theis Technology社(セントルイス、ミズーリ州)によって様々な厚みのポリスチレンにおいて注文に合わせて封入した。得られた微粒子構造は、図1に示した構造と類似であった。ぎざぎざのある櫛型構造の電極アレイから不均一な電場を適用すると、電場の周波数および電圧を切り替えることによって、微粒子を操作することができた。誘電反応は、等式4および7の予測に従って変化した。結果は、本明細書に示した分析を確認し、ポリスチレンコーティングの誘電および伝導特性がいずれも、微粒子の挙動を予想通りに明らかにすることを示している。Dynal社(レークサクセス、ニューヨーク州)の誘電性のフェライト微粒子を用いる実験も同様に、微粒子を操作するために磁力およびDEP力を同時に用いてもよいことを確認した。
実施例3
人工微粒子技術の応用
標的細胞の同定、操作、および単離に関する微粒子に基づく技術の有用性は万能である。最近、分子生物学における微粒子の用途が広がり、細胞または分子ターゲティングまたは認識を必要とする生命科学研究において用いられる方法論を再定義することが期待される。現行のアプローチはなおも一次元的であり、柔軟性が少ない。例えば、多数の標的を同時にプロービングすることは不可能であり、標的は、負の選択(いくつかのソーティング応用において好ましい)が不可能ではないが難しくなるような回収部位に標的が誘引される可能性があり、ソーティングは本質的にデジタルである(標的は、結合効率に従って区別することができず、1個〜10000個の範囲の任意の数の微粒子にそれらが結合したか否かに従って区別することができる)。本明細書に記載の方法は、これらの制限を克服して、いくつかの標的を混合物から同時に分離する、正および負の選択の双方を用いて単離された分画の純度を大きく増強する、ならびに標的をその結合効率に従って識別することができる可能性を提供する(このように、細胞は、それらが任意の結合部位を有するか否かに単によるのではなくて、その表面上の抗体結合部位の数に従ってソーティングすることができる)。
人工微粒子技術の即時応用には以下が含まれる:
1)CD抗原、増殖因子受容体、および/または他の膜関連タンパク質もしくは部分を含む表面マーカーの濃度に従う細胞のソーティング;
2)高純度の血球亜集団の単離;
3)幹細胞回収物からの腫瘍細胞および/またはT細胞の除去;
4)血液、尿、および他の患者の試料からの病原体の単離および同定;
5)公共水道および食品調製加工施設における病原体の単離および同定;
6)小胞およびオルガネラのような細胞下区画の単離;
7)極めて小さい容積の試料を含む生体試料からの核酸、タンパク質、および他の生体分子の単離および同定。
実施例4
細胞表面上に認められる分化抗原、またはCD、抗原に基づいて分析物を分離および同定するための微粒子技術
それぞれが、図4においてa、b、およびcと表示される異なるcDEP挙動を有するように異なる三つのタイプの微粒子を作製する。CD3に対するプローブをaと表示されるcDEP挙動を有する人工微粒子に結合させ、CD4に対するプローブをbと表示されるcDEP挙動を有する微粒子に結合させ、CD18に対するプローブをcと表示されるcDEP挙動を有する微粒子に結合させることによって、異なる三つの人工微粒子標識を作製してもよい。次に、これら三つの異なる標識の混合物を用いて、異なる多くの細胞亜集団を含む血液試料を一標識段階で同時に標識してもよい。
DEP-FFFのようなAC動電に基づく分離法を用いて、異なるタイプの三つの微粒子、およびこのようにCD3+、CD4+、およびCD18+細胞を一段階DEP-FFF分離段階において分離してもよい(図5)。この方法を用いることによって、その大きさ、密度、または表面特異的静電容量の特徴のみでは他の亜集団から区別することができない細胞亜集団の分析を行うことができる。
DEP-FFF分離において、異なるタイプの微粒子は、そのそれぞれが単一の輪郭の明瞭な溶出ピークとして出現する明確なバンドに分画される(図5)。遊離の未結合の微粒子標識の場合、ピークの形状は比較的狭く鋭くなる。しかし、微粒子の誘電特性が分析物の結合の際に乱れるために、分析物標識複合体のピークの形状は、より広くなり、および/または溶出時間のシフトを示す(図6)。この乱れの程度は分析物の性質および分析物結合の程度に依存する可能性がある。そのような溶出ピークの変化は、分析物検出の定量的方法の基礎として用いてもよいことに注目すべきである。
実施例5
人工微粒子
微粒子は、銀または金の金属中空ガラスコア上にアルカンチオレートの自己構築単層(SAM)を用いて作製してもよい。アルカンチオールCH3(CH2)nSHは、金表面上に自然に化学吸収してアルカンチオレート:X(CH2)nSH+Au0ζX(CH2)nS-Au1+1/2H2を形成する。アルカンチオレートは、自己構築して、密に充填される強固な単層被膜を形成する。そのような被膜は、十分に特徴が調べられ、その絶縁特性は確立されている。アルカンチオールSAM被膜の厚みは、アルキル鎖におけるメチレン基の数nに依存する。アルカン鎖の長さが異なる人工微粒子の誘電特性を調べてもよい。脂質小胞を自己構築アルカンチオレート単層と融合させることによって形成されたハイブリッド二重層膜について、実験を行ってもよい。アルカンチオール頭部基Xを変化させた影響を調べてもよい。さらに、チオール化DNAのような他の分子を金属微粒子表面に吸着させてもよい。最後に、タンパク質とオリゴヌクレオチド捕獲プローブアルカンチオレート頭部基とを連結させるためのプロトコールを開発してもよい。
実施例6
化学生物兵器の検出
本明細書において考察した人工微粒子は、CBW物質の検出から医学、化学、農業、および環境的分析物の検出に至るまで、非常に広範囲のアッセイ法に応用可能であるかも知れない。コレラ毒素βサブユニット(CTB)および黄色ブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)のような特定のタンパク質刺激物質を検出するために、微粒子に基づくサンドイッチアッセイ法を開発してもよい。さらに、チャレンジした宿主免疫系の初期指標物質である腫瘍壊死因子(TNF)に関して、微粒子に基づくサンドイッチアッセイ法を開発してもよい。これらのタンパク質に対するモノクローナル抗体が利用可能であり、捕獲および標識プローブを構築するために用いてもよい。、枯草菌および大腸菌血清型O157:H7のような細菌刺激物質に由来する特定の核酸配列を検出するために、人工微粒子に基づくサンドイッチアッセイ法を開発してもよい。これらの生物において認められるmRNA配列と相補的であるオリゴヌクレオチドプローブは容易に得られる。誘電泳動を利用して、分析物-微粒子複合体を密に充填した球状の領域に集中させることによって、局所分析物濃度を数次数増加させて、核酸増幅の必要性をなくし、アッセイ法の感度を増加させてもよい。既存の1ポットアッセイ法を、PFPプラットフォームに適合させてもよい。適合によい候補には、Pierce社からのビシンコニン酸(BCA)タンパク質アッセイ法およびMolecular Probes社のLIVE/DEAD生存率/細胞障害性アッセイ法が含まれる。
実施例7
指標化
図9〜15は、異なる誘電特性を有する人工微粒子を示す。同様に、これらの粒子の反応対周波数関係も示す。
一つの態様において、これらの粒子を指標化ライブラリとして用いてもよい。特に、それぞれの異なる微粒子を異なる分析物に結合させて、図9B、10B、11B、12B、13B、14Bおよび15Bに示すようにライブラリの異なる反応特徴に従って同時に操作、同定、感知、および検出してもよい。
実施例8
サンドイッチアッセイ法
図16は、本開示に従う研究においてタンパク質とmRNAとを検出するために用いてもよいサンドイッチアッセイ法(二重標識)アッセイ法を示す略図である。示すように、図16の人工微粒子には、タンパク質および/またはmRNAと相互作用するように設計された連結要素が含まれてもよい。フルオロフォアまたは生物発光標識のような標識は、二次プローブとして作用してもよい。
本開示の恩典によって、当業者は、図16の人工微粒子を、それに結合させる標的分析物(および標識)と共に、誘電泳動力を用いて走査してもよいことを認識すると考えられる。特に、図16の複合体は、ソーティング、分離、捕獲、ソーティングしてもよく、一般的に誘電泳動を用いて処理してもよい。この処理は、既に参照として本明細書に組み入れられる、1999年2月12日に提出され、「Method And Apparatus for Programmable Fluidic Processing」と題する係属中の米国特許出願第09/249,955号に開示される表面のような反応表面で、および/または同様に参照として本明細書に組み入れられる、米国特許第5,993,630号に開示されるフィールドフローフラクショネーション装置で行ってもよい。反応表面上で行ってもよい処理の特定の例は、(a)溶液から図16に示される複合体のような複合体を引っ張るため、および(b)反応表面上でそれらの複合体を処理するために、誘電泳動を用いることである。
図16の複合体の形成は、複合体の形成前および後の誘電特性の差に注目することによって検出してもよい。この差は、誘電、電気、または物理的特性を測定するために、当技術分野で既知の一つもしくはインピーダンスセンサーを用いて、または当技術分野で既知の他の任意の方法論を用いて測定してもよい。プラズモン共鳴は、そのような一つの方法論の例である。
本開示の一つの態様に従って、それぞれの微粒子が異なる誘電特性を有するように、異なる人工微粒子を製造してもよい。例えば、その絶縁層の厚みおよび/または組成が異なるそれぞれの人工微粒子を作製してもよい。これらを合わせて、この群の微粒子はライブラリを形成してもよい。
ライブラリのそれぞれの異なる微粒子に対して、異なる連結要素を適用してもよい。次に、微粒子を、一つまたは複数の標的分析物を含む試料と混合して、一つまたは複数の複合体を形成してもよい。それぞれの微粒子の誘電特性は、適したインピーダンスセンサーを用いて対応する複合体の誘電特性から区別してもよい。誘電特性のこのような識別によって、複合体が形成されたか否かを検出することができる。さらに、それぞれの微粒子の誘電特性を互いに区別してもよい。この区別によって、検出される微粒子の同一性を決定することができる。
実施例9
一つまたは複数の自己構築単層を有する人工微粒子
図17〜21は、本開示の態様に従う多層人工微粒子を示す。
図17は、単層人工微粒子を示す。これには、伝導性の金外皮によってコーティングされたポリスチレンコアが含まれる。自己構築単層(アルカンチオール自己構築単層を示す)のような絶縁体によって、伝導性の金外皮をコーティングしてもよい。例えば、絶縁層および/または伝導層の大きさおよび/または組成を変化させることによって、人工微粒子の誘電特性を変化させてもよい。
図18では、二層人工微粒子を示す。これは以下の層を含む:ポリスチレンコア、金外皮、アルカンチオール自己構築単層、および燐脂質自己構築単層。
図19において、燐脂質自己構築単層はクロスリンクする。酸化すると、不飽和脂質はクロスリンクしてポリマー構造を形成する。これはクロスリンクしているため、親水性の「頭部」と疎水性の「尾部」とを有する燐脂質層は、有機溶媒においてより安定である。
図20および21は、連結要素を含む二層人工微粒子を示す。図20において、連結要素は核酸プローブである。図21において、これはタンパク質プローブである。これらの数値のそれぞれにおいて、連結要素は金伝導性コアに結合する。しかし、連結要素は外部または内部絶縁層に結合させてもよいと理解されると考えられる。
本開示の恩典によって、図17〜21の微粒子には、これより多いまたはより少ない層が含まれてもよいことは明らかである。例えば、示した金外皮層(固体である必要はない)およびSAM層の他に、一つまたは複数のさらなるSAMまたは他の層を加えてもよい。一つまたは複数の層はクロスリンクしてもよく、一つまたは複数の標識を連結要素に加えてもよい。
さらに、図17〜21の伝導性の金外皮は、伝導性ポリマー等を含む如何なる適した導体に置換してもよいと認識されると考えられる。さらに、ポリスチレンコアは、他の任意の適した材料によって置換してもよい。
実施例10
作製の検討
本明細書に開示のアルカンチオレートは、再現可能な厚みを有する堅固な密に充填した単層被膜に信頼できるように自己構築する。さらに、アルカンチオレート単層によって既にコーティングされた人工微粒子コアと燐脂質小胞を融合させることによって、バイオミメティックハイブリッド二重層膜(HBM's)を形成することができる。人工誘電微粒子のコア周囲の絶縁層の厚みは、アルカンチオールSAM被膜のアルキル鎖におけるメチレン基の数、およびハイブリッド二重層膜を形成するために用いられる燐脂質の脂質尾部におけるメチレン基の数の両者に依存する。
したがって、本明細書に示す人工微粒子のアルカンチオレートおよび燐脂質層における炭化水素鎖の長さを単に変化させることによって、異なる厚みおよび異なる誘電特性の絶縁層を有する粒子のライブラリを作製してもよい。
直径が9.6 μmで密度が2.2 g/cm3の均一な(変動係数<5%)金コーティングポリスチレン微粒子を、ダイナルバイオテックから得てもよい。本発明者らは、金コーティングポリスチレンコア粒子上にアルカンチオレートのと燐脂質の自己構築単層を形成することによって、異なる四つのタイプの人工誘電微粒子を構築した。比較的薄い絶縁層を有する人工微粒子は、以下のアルカンチオレート単層によってコア粒子をコーティングされている:
(i)C9絶縁層を生じるノニルメルカプタン[CH3(CH2)8-SH]、または
(ii)C18絶縁層を生じるオクタデシルメルカプタン[CH3(CH2)17-SH]。
DMPC[1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン]燐脂質の第二の絶縁単層を、以下のようにアルカンチオレート上に形成することによって、より厚みのある絶縁層を有する人工微粒子が作製されている:
(iii)C23絶縁層を生じるノニルメルカプタン+DMPC、または
(iv)C32絶縁層を生じるオクタデシルメルカプタン+DMPC。
人工誘電微粒子のそれぞれの試料は、微粒子の金表面を洗浄するためにガラス管において無水エタノール10 ml中で金コーティングコア微粒子10 mgをまず洗浄することによって作製した。数分混合した後、卓上型遠心機を用いて微粒子を遠心によって沈降させて、エタノールをデカントして捨てて、洗浄した微粒子を、無水エタノールにおいて、ノニルまたはオクタデシルメルカプタンの1 mM溶液10 mlと混合した。この浮遊液を少なくとも12時間軽く混合して、十分に構築された完全性の高い自己構築単層(SAM)を確実に形成させた。
中等度の濃度(1 mM)のアルカンチオールの吸着プロセスは、そのあいだにアルカンチオールの厚みが数分でその最大値の80〜90%まで増加する急速な第一の相を特徴とする。この第一の相の後に、数時間持続するより遅い期間が続き、そのあいだにアルカンチオレート層はその最終的な厚みに達する。金上のアルカンチオールの単層は、室温で空気中または液体の水もしくはエタノールに接触しても無限に安定であるように思われることが当技術分野において報告されている。アルカンチオレートコーティング微粒子を遠心によって回収して、無水エタノールにおいて2回洗浄し、3回蒸留した水において2回洗浄して、3回蒸留水1 ml中で4℃で保存した。
アルカンチオレートコーティング微粒子をDMPC小単層小胞の水性懸濁液と混合することによって、燐脂質層をアルカンチオール層の上に形成した。DMPC小胞は、20 mg/ml DMPCのクロロホルム脂質溶液1 mlを丸底フラスコに入れて、真空ロータリーエバポレーターを用いて数時間溶媒を蒸発させることによって作製した。乾燥した脂質をイソプロパノール50 μlに再浮遊させて、攪拌しながら3回蒸留水10 mlに注入して、大きい単層小胞の浮遊液を形成した。大きい小胞の溶液を超音波装置において数分間超音波処理して、大きい小胞を20〜100 nmの単層小胞に破壊した。この小胞浮遊液10 mlをアルカンチオレートコーティングビーズ10 mgと合わせて、室温で30分間軽く混合した。アルカンチオレート-燐脂質-コーティング微粒子を遠心によって回収して、3回蒸留水において2回洗浄して、3回蒸留水において保存した。
実施例11
人工微粒子の試験
単外皮誘電モデルの分析は、人工誘電微粒子の外部絶縁外皮の厚みと誘電泳動特性との明確な関係を予測する。伝導性の内部の上に適当な薄い絶縁外皮が存在する適当な組成物の人工微粒子は、周波数102〜104 Hzで強い負の誘電泳動を受けることが予測される。この周波数範囲では、電場は、外部絶縁外皮を浸透することができず、誘電的見通しから、微粒子は高いACインピーダンスを有し、比較的非分極性であるように思われると考えられる。107〜109 Hzの周波数では、人工微粒子は、強い正の誘電泳動を受けると予想される。この周波数範囲では、電場は、容量性結合によってこの外部絶縁外皮を浸透することができ、コアの特性が支配し、誘電的に見て、微粒子は低いACインピーダンスを有し、非常に分極性であるように思われると考えられる。
中間の105〜106 Hzの範囲では、周波数を増加させることは、負の減少から正の増加に至るまで、人工微粒子に作用する誘電泳動力の変化と相関すると予想される。遷移周波数fcでは、微粒子に作用する真の誘電泳動力はゼロである。fcより低い周波数では、粒子は負の誘電泳動を示し、fcより高い周波数では、微粒子は正の誘電泳動を示す。絶縁外部外皮の厚みの増加は、遷移周波数の増加と相関する。絶縁外皮の厚みと遷移周波数との関係は以下の式で表される:
Figure 2005533238
および
Figure 2005533238
ここで、Cは、特異的な膜の静電容量(すなわち、外皮領域に対して標準化した)、σsは浮遊培地の伝導率、Rは人工微粒子の半径、fcは遷移周波数、ε0は自由空間の誘電率、εは、絶縁層の誘電率、およびdは絶縁層の厚みである。これらの等式を組み合わせると、以下の関係が得られる:
Figure 2005533238
上記の等式に従って、fc対σsのプロットの勾配の逆数は、所定のタイプの人工微粒子に関するおおよその特異的膜静電容量を与える。さらに、そのようなプロットの勾配は、膜の厚みが増加すると増加するはずである。
四つのタイプの人工誘電微粒子(C9またはC18アルカンチオール、C9もしくはC18アルカンチオール+C14燐脂質の外皮自己構築絶縁単層)が、絶縁外皮の厚みと遷移周波数のあいだに予想される相関を示すか否かを決定するために、本発明者らは誘電泳動遷移周波数試験を行った。誘電泳動研究において、人工誘電微粒子を、8.5%(w/v)蔗糖、0.3%(w/v)デキストロースを含むDEP緩衝液に浮遊させた。緩衝液の電気伝導率は、300 mM EDTA(NaOHによってpH 7.0に調節)によって調節した。人工ビーズ浮遊液の少量を、ガラス上に金の構築を有する上記の平行な電極(50μmのトレース - 50μmのギャップ)の上の開口リザーバーの中に入れて、これに周波数1 kHz〜100 kHzで頂点間1〜10 Vの電圧を加えて、誘電泳動操作のための不均一な電場を作製した。誘電泳動の操作は、電場の周波数を切り替えて行い、誘電泳動遷移周波数を決定した。
図22に示すように、人工微粒子は、適当な炭素鎖のアルカンチオールおよび燐脂質を選択することによって媒介されるように絶縁外皮の厚みに対して明確な依存性を示す。さらに、y切片は非常にゼロに近く、このことは、絶縁層の伝導率が低く、自己構築単層が強固で均一な絶縁層を提供することを示している。
孔形成タンパク質メリチンのような親油性分子を絶縁層に組み入れてもよい。さらに、チオール化核酸およびタンパク質のようなプローブを人工微粒子コアの金表面に吸着させてもよく、オリゴヌクレオチドおよびタンパク質捕獲プローブをアルカンチオレートおよび燐脂質分子に結合させてもよい。
実施例12
誘電分散材料の利用
多くの材料が、低周波数のAC電場で高い誘電率を示し、十分に高いAC周波数ではかなり低い誘電率を示す。中間のいわゆる分散周波数範囲では、誘電率は周波数の増加と共に低下する(図23を参照されたい)。図23では、実線は、進行波誘電泳動と電気回転を生じる誘電損失を示し、破線は、通常の誘電泳動を生じる誘電率(誘電定数)を示す。
理論に拘束されたくはないが、この周波数応答誘電率の基礎となる物理的メカニズムには、界面での双極アラインメントおよび空間電荷分極(いわゆる、マックスウェル-ワグナー分極)効果が含まれるかも知れない。誘電反応の周波数依存性は、電場の変化に反応して電荷が再配列する速度を支配する材料の物理的特性によって大きく左右される。
双極材料の場合、双極分子が電場に反応することができる速度を増加させるように作用する物質は、誘電率が低下し始める周波数を増加させる。逆に、反応を遅らせる物質はこの周波数を低下させる。
一つの態様において、誘電率の周波数応答の変化を生じるために、双極材料の化学改変を用いてもよく、したがって、本明細書および他所に記述される応用の宿主において用いることができる。例えば、双極性の長鎖分子が電場の変化に反応する速度は、分子の鎖長が改変されると変化する可能性がある。反応速度は、鎖長を減少させることによって増加する可能性があり、またはその逆となる可能性がある。例えば、鎖長9の双極性分子は、例えば鎖長10の分子より速やかに反応すると考えられる。したがって、そのような改変によって誘電特性を調整してもよい。調整された誘電特性は、本明細書に記述のように、材料の操作、指標化、単離、分離、精製および同定のような多様な応用のために利用してもよい。
一つの態様において、異なる「クラス」の微粒子を有する微粒子のライブラリを作製してもよい。それぞれのクラスの微粒子において、微粒子の特性の分子の鎖長は特定の長さであってもよい。しかし、異なるクラスでは、分子は異なる長さであってもよい。その結果、それぞれのクラスは、明確な誘電特性を有し、これは、本明細書において記述されるように材料の操作、指標化、単離、分離、精製、および同定のために利用してもよい。異なるクラスのライブラリは、それが多数のタイプの人工微粒子の混合物の一部であっても、個々に位置づけ、操作、および特徴付けを行ってもよい。状況に応じて、特定のクラスにおける個々の微粒子も同様に、応用によって指示されるように個々に位置づけ、操作、および特徴付けを行ってもよい。誘電特性に従ってクラスと個々の微粒子とを区別できることは、本開示の恩典を有する当業者によって認識されるように、多くのタイプの分析を行うための柔軟なツールを実施者に与える。
双極分子間の立体相互作用を改変する側鎖の付加も同様に、電場の変化に対する双極性材料の反応速度を変化させる;したがって、側鎖の付加(または除去もしくは改変)を、本明細書および他所に記載の応用において用いてもよい。例えば、双極性分子におけるメチル側鎖をエチル側鎖に置換すると、その誘電反応周波数は変化する。同様に、リジン側鎖をアミン側鎖に置換すると、双極性分子の周波数応答は変化する。本質的に非極性である誘電材料内の分子に同様の改変を行うことも同様に用いて、隣接する双極子の周波数応答を改変させてもよい。
一つの態様において、異なる側鎖の付加(または付加しないこと)に基づく異なるクラスの微粒子を有する微粒子のライブラリを作製してもよい。それぞれのクラスは、本明細書において記述されるように、材料の操作、単離、分離、精製、および同定のために利用してもよい別個の誘電特性を有すると考えられる。
材料の誘電反応も同様に、材料の化学組成および/または材料を製造もしくはその後処理するために用いられる物理的プロセスを変化させることによって、改変してもよい。例えば、PbTiO3、Pb(ZrxTil-x)O3、BaTiO3、SrTiO3、KTaO3、および他の多くの材料の誘電性、強誘電性、および抗強誘電特性は、Baのような、しかしこれに限定されない物質によって処理することによる、またはドメインおよびマトリクス構造を変化させるために調製後の熱処理による、化学組成の変化によって大きく影響を受ける可能性がある。したがって、そのようなパラメータを制御することによって、改変された異なる誘電特性を有する材料を得てもよい。一つの微粒子における特性をもう一つの微粒子とは異なるように変化させることによって、それぞれの粒子(またはクラスの粒子)が異なる別個の誘電プロフィールを有する微粒子の誘電ライブラリを構築してもよい。それらの誘電プロフィールの差は、例えば、微小流体または他の応用における分析物の分離または一般的分析のために利用してもよい。
当業者によって理解されるように、誘電反応に影響を及ぼす広範囲の他のドーピング物質および製造の改変を利用して、本明細書に記載して請求される一つまたは複数の装置、または方法を得てもよい。
空間-電荷分極の場合、電荷担体の運動性を増加させる物質は、誘電率が低下し始める周波数を増加させるが、運動性を減少させる物質は、反対の作用を有する。例えば、誘電微粒子を作製するために、イオン溶液に脂質小胞を充填してもよい。PEG、アガロース、および当技術分野で既知の他の粘性物質のような物質の付加による小胞内の培地の粘度の改変は、小胞内の電荷担体の運動性を減少させ、それによって誘電率が低下し始める周波数を低下させる。そのような技術を用いて、容易に定義可能な誘電反応特徴を有する材料を作製するためのもう一つの方法が提供される。次に、これらの材料を本明細書に記述の応用のような応用に利用することができる。
同様に、同じ培地において異なる運動性を有する電荷担体を用いて、同じまたは類似の作用を得てもよい。一例として、(NH4)2SO4の溶液は、電荷担体がより小さくより運動性が高いNaCl溶液よりかさが大きく、より運動性の低い電荷担体を含む。この溶液または類似の特性を有する他の溶液は、相応じて、異なる人工誘電反応を有する微粒子の基礎として用いてもよい。
上記の非制限的な説明から、一般的に誘電材料の組成または構成および/またはそれが調整され、その後処理される条件を変化させることによって、誘電体の周波数応答特徴は容易に影響を受ける可能性があるということになる。図23は、実質的に同じ組成および構造であるが、電場に反応して電荷の再構築速度を変化させる物質の異なる量を含む誘電粒子タイプのファミリーの予想される反応を示す。示されるように、組成における小さい変化によって、誘電特性および動電反応の望ましい差が得られ、これによって、それらは誘電標識、指標または担体として用いるために適用することができる。
本開示の恩典によって、当業者は、本実施例に記述したように組成または構成および/または製造条件を変化させることによって、一つまたは複数の異なる応用のために調整した望ましい反応特徴を有する誘電材料を作製してもよいことを認識すると考えられる。例えば、ビーズのライブラリを製造するための制御された秩序だった方法(例えば、一つもしくはそれ以上の化学物質を付加することによって、または原料を熱処理する方法を変更することによって)において、本実施例の技術の任意の一つを単独または組み合わせて用いてもよい。そのようなライブラリにおいて、それぞれのビーズは、わずかに異なるが明確に区別可能な誘電反応を有するように作製してもよい。次に、ビーズは、例えば無数の微小流体研究または応用を行うために、誘電泳動操作力を利用する反応表面に用いてもよい。
本実施例の態様は、材料の誘電反応を変化させる目的で用いてもよい改変の範囲の例に過ぎない。本明細書の教示を用いて、当業者は、例えば標識、指標、または担体として用いられる微粒子の誘電特性を調節するために類似の改変を行ってもよい。
本実施例に記述の材料は、人工微粒子全体を作製するために、人工微粒子の一つまたは複数のコアもしくは層を形成するために、または微小流体もしくは他の応用にとって有用な目的の任意の他の部分を形成するために用いてもよいことも同様に理解されると考えられる。
実施例13
表面電荷の利用
実施例12の技術の他に、その表面と浮遊培地との静電気的相互作用を改変することによって材料の動電反応を変化させてもよい。例えば、粒子の表面が電荷を有する場合、これは、対イオンの雲からなるいわゆる電荷二重層を浮遊培地において誘導すると考えられる。
表面荷電特性を除いて同一である微粒子のファミリーまたはクラスを作製してもよい。電場に置くと、電荷二重層は自身の極性および周波数応答特徴を有するさらなる誘電層として作用する。非制限的な実施例において、このさらなる誘電層は、それぞれの微粒子(または微粒子のクラス)が異なる誘電反応特徴を有する複数の微粒子が製造されるように、表面電荷特性に対する意図的な変化によって作製してもよい。次に、そのような微粒子を本明細書および他所に記述されるような応用において利用してもよい。例えば、それらは、一つまたは複数の微小流体プロセスを指示するために誘電泳動操作力を用いる反応表面上で用いてもよい。
粒子の動電特性は、電荷二重層の特徴に依存する;したがって、DEPコレクションおよびDEP-FFF特性を含むがこれらに限定されない動電特性は、表面電荷を化学的および/または物理的に改変することによって作製してもよい。電荷二重層の作用は、伝導率〜20 mS/mを有する水性培地において直径10ミクロンの粒子に関して1 kHz未満の周波数で顕著である。電荷二重層の誘電分散の周波数は、粒子の大きさが減少するにつれて、そして浮遊液の伝導率が増加するにつれて増加する。
表面電荷を変化させる方法には、以下が含まれるがこれらに限定されない:カルボキシ、アミノ、または他の荷電基の付加、およびノイラミニダーゼまたは当技術分野で既知の他の酵素的もしくは化学的処理による電荷の除去。これらの処理は、例えば、標識、指標、または担体、ビーズ等として用いられる全般的な微粒子を含む、微小流体応用および他の応用において有用な如何なる材料に適用してもよい。
本開示の恩典を有する当業者によって理解されるように、本実施例に記述した表面電荷の作製は、動電法と組み合わせた電気泳動の使用を促進する応用を含むがこれらに限定されない広範囲のさらなる応用において応用してもよい。
実施例14
蛍光標識の利用
多数の色素を用いることによって混合物中の多数の分析物を区別する目的で、蛍光に基づく方法を用いてもよいことは既知である。いくつかの励起放射線に反応して、それぞれの色素は、見分けがつくほど異なる蛍光反応を有し、これは異なる微粒子(および/または分析物)を識別するように作用する。本方法は、混合物における異なる微粒子の同定を促進するが、それらを操作するための手段を提供しない。さらに、通常の方法論によって区別することができる異なる粒子タイプの数は限られている。
しかし、これらの制限は、蛍光に基づく方法に従って標識される微粒子に誘電識別能および操作能を付加することによって克服される可能性がある。このように、微粒子は、本明細書に記述の動電法によって、捕獲、集中、分画、単離およびそうでなければ操作してもよい。さらに、微粒子のパラメータとして誘電的識別を導入することによって、独立したさらなる識別パラメータが得られる。これを付加することによって、実験において識別することができる微粒子のタイプの総数は大きく増加する。このさらなるパラメータによって、例えば、本明細書および他所で記載される多数の応用において用いることができるより大きくより正確なビーズまたは他の粒子のライブラリを製造してもよい。
当業者に理解されるように、本明細書に教示される方法の任意の一つ(または組み合わせて)を用いて、誘電性識別パラメータを蛍光標識微粒子に加えてもよい。
実施例15
異なる粒子タイプの組み合わせの利用
所望の誘電特性を生じるために異なる方法で作成されている微粒子の混合物を用いてもよい。例えば、図24は、二つのタイプの微粒子の周波数応答を説明する:自己構築伝導性コアの上に絶縁体を有するバイオミメティックアプローチによって作製された三つと、誘電分散コアアプローチによって作製された三つ。示されるように、バイオミメティック微粒子は、低い周波数で低い誘電率を示し、これは周波数の増加と共に増加する。逆に、分散-コア微粒子は低い周波数で高い誘電率を示し、これは周波数の増加と共に減少する。
このように、これらの二つの粒子ファミリーは明確に異なる周波数依存的誘電特性を有し、これらは動電法によって異なるようにそれらを操作するために、または参照として本明細書に組み入れられる、2001年12月3日に提出されたGascoyneらによる「Particle Impedance Sensor」と題する係属中の米国特許出願第___号に開示される方法のような、しかしこれに限定されないインピーダンス感知法によってそれらを同定するために用いてもよい。
本開示の恩典によって、本明細書において教示される異なる粒子タイプの如何なる組み合わせもまた利用して、分析物の(例えば)分離、操作、精製、および指標化のために用いることができる明確な電気特性を有する粒子を得てもよい。同様に、本明細書に教示される如何なる技術の組み合わせも、明確な人工誘電反応を有する単一の微粒子の作製において組み合わせてもよい。
実施例16
微粒子の凝集
表面電荷をほとんどまたは全く有しない微粒子は、水性浮遊培地において会合して、凝集体を形成する傾向があるかも知れない。適用のあいだ、凝集は望ましい場合とそうでない場合があり、凝集の程度もまた応用に依存する可能性がある。
凝集傾向は、微粒子の表面上での表面電荷を調節することによって増強または減少させてもよい。凝集が望ましくない場合、真の表面電荷を増加させるように微粒子の表面を改変してもよい。例えば、本発明者らは、化学的に結合したカルボキシルおよびアミノ基を用いると共に、物理的に結合した長鎖脂肪酸およびガングリオシドを用いて、微粒子の真の表面電荷を増加させた。その結果、それらの微粒子の凝集は大きく阻害された。
図25では、微粒子の真の表面電荷を改変して、したがってその凝集を制御するために、ガングリオシドを組み入れる人工微粒子の一つの態様の略図が示される。図25は、微粒子の図とその上の層を表す図の双方を示す。示されるように、例となる微粒子には、ポリスチレンコア、金外皮、アルカンチオールSAM、燐脂質SAM、およびガングリオシドが含まれる。それぞれの層を示す図を参照することによってわかるように、陰性荷電が得られるガングリオシドを、一般的に燐脂質SAM層に組み入れてもよい。当業者によって理解されるように、図25の微粒子の特定の描写は例に過ぎず、本明細書に教示される他のタイプの微粒子をこの図の描写に置換してもよい。
図26は、一つの態様において、ガングリオシドを微粒子に組み入れる方法を示すより化学的に詳細な略図である。ここに、図25の燐脂質SAM層に対応する可能性があるDMPC層を示す。DMPC層を組み入れた層は、図に示すシアル酸を含む、図に示すGM1ガングリオシドに存在する。一つの態様において、DMPC対ガングリオシドの比は、約20:1であるが、表面電荷に影響を及ぼすために適した他の如何なる比も同様に用いてもよい。また、微粒子のライブラリを作製するために異なるクラスの微粒子において如何なる比も改変してもよいと理解されると考えられる。言い換えれば、あるクラスの微粒子は20:1の比を示してもよく、異なるクラスの微粒子は約35:1の比を示してもよい。
図において認められるように、図26の態様は、上記のように凝集に影響を及ぼす真の陰性荷電を提供する;特にこの配置によって、微粒子間または微粒子における「固着」を減少または消失させることができる。いくつかの微粒子の表面電荷を他より多少改変することによって、特定の応用に応じて用いてもよい異なる凝集特性のスペクトルを作製してもよい。このスペクトルは、微粒子のライブラリを作製するための基礎として役立つ可能性がある。
他の態様において、二つのシアル酸残基/分子と共にGD1aガングリオシドを含むがこれらに限定されない異なるガングリオシドを用いてもよい。他の態様において、例えば、FITC結合コレラ毒素Bまたは他の適当な材料による標識によってガングリオシドの組み込みをモニターしてもよい。凝集を定量するために様々な任意の散乱実験を利用してもよく、その個々のまたは複合凝集特徴が確実に望ましくなるように、微粒子の特定のライブラリの作製を完全にするためのフィードバックメカニズムのような定量を用いてもよい。
本開示の恩典によって、当業者は、表面電荷を改変するために、多くの異なる表面改変技術を用いることができ、次に、これによって凝集特性が改変されることを理解すると考えられる。
実施例17
一般的な小胞
上記の技術の他に、特異的誘電特性を有する注文製の小胞を構築することによって誘電反応特徴を作製してもよい。微粒子ライブラリが形成されるように、異なる特性を有する異なる注文製の小胞を作製してもよい。
一つの態様において、脂質またはポリマー材料を極性培地と適当に混合することによって、単層または多層小胞を作製してもよい。得られた小胞は、それらが調製される培地を封入する。この手段によって、指標化、標識、または担体の応用において用いられる所望の誘電特性を有する微粒子を作製してもよい。
一つの態様において、異なる小胞の内容物の差により異なる誘電特性が生じる可能性がある。例えば、一つのクラスの微粒子では、それぞれの微粒子は、同じ培地を封入してもよい。もう一つのクラスにおいて、それぞれの小胞は類似のしかし十分に異なる培地を封入して、識別しうるように異なる誘電反応を生じてもよい。もう一つの態様において、異なる小胞の内容物が同一であっても、異なるタイプの小胞が異なる誘電反応を示すように、小胞自身を制御可能に改変してもよい。
図27では、小胞の特性の変化に対する誘電泳動スペクトルの反応に関して注釈と共にグラフを示す。このグラフは、小胞の大きさ、膜の静電容量、膜の伝導率、内容物の誘電率、内容物の伝導率、および内容物の粘度が全て、特定の誘電反応特徴を得るために改変することができるパラメータとしてどのように作用することができるかを示す。言い換えれば、所望の特徴の微粒子が得られるまで、これら(または類似の)パラメータの任意の一つまたは組み合わせを調節してもよい。微粒子のライブラリが作製されるように、異なるクラスの微粒子を異なるように調節してもよい。この点において、図27は、異なるパラメータに関連した一般的な傾向を示しているという点において有益であり、グラフに示されたこれらの傾向に従って、如何なる不当な実験も行うことなく小胞に基づく微粒子のライブラリを容易に作成してもよい。
実施例18
赤血球影
当技術分野で既知であるように、低張培地において赤血球のような細胞を浮遊させて、それらを破壊させてその内容物を失わせてもよい。この処理を受ける細胞は時に、「血球影」と呼ばれる。当技術分野で既知であるように、改変培地において血球影を適当に浮遊させることによって、それらを再度密封するように誘導してもよい。血球影はそれによってその浮遊培地を封入する。本実施例は、血球影を用いて人工誘電特徴を有する誘電微粒子を形成する方法を教示する。
一つの態様において、血球影は以下の指示を用いて作製することができる:(a)正常な赤血球をPBSにおいて3回洗浄する、(b)5 mMトリス+0.25 mM EDTA+0.12 mM PMSFにおいて赤血球を溶解する、(c)15,000 rpmで遠心沈降させる、(d)さらに2回洗浄および遠心する、および(e)封入される培地において血球影を37℃で30分間再密封する。いくつかの態様において、血球影をパーコール(密度に関して)および高分子量塩(イオンチャンネル透過率を有しない内部伝導率に関して)に接触させてもよい。当技術分野で既知の他の方法論も同様に血球影を作製するために用いてもよい。
条件を適当に選択することによって、指標化、標識、または担体応用に用いるために、所望の特性を有する微粒子を作製するように、再密封された血球影の誘電特性を調節してもよい。例えば、一つの態様において、それぞれが例えば、その内容物に由来するおよび/または(空の)血球影そのものに起因する固有の誘電特性に由来する異なる誘電特性を有する、異なる血球影を作製してもよい。
図28は、本開示の一つの態様に従う再密封された赤血球影のDEP結果を示す。
実施例19
特異的人工微粒子ライブラリ
図29A〜29Dでは、本明細書に記述される人工微粒子ライブラリの一部として含まれてもよい一連の特異的微粒子(その層を示す図)の一つの態様が示される。C9層、C18層、C23層(C9およびC14層で構成される)、およびC32層(C18とC14層で構成される)を有する微粒子を示す。図からわかるように、微粒子の有効直径は、一つまたは複数の層を構成する分子の鎖長に依存して大きく変化する可能性がある。これは、本明細書に記述される誘電反応特徴に影響を及ぼす。
図29A〜29Dの微粒子の代表的なデータを図30に示す。
実施例20
表面機能化のためのビオチン/ストレプトアビジン系
図31A〜31Cは、本明細書に記載の装置および方法によって用いられる表面機能化のためにビオチン/ストレプトアビジン系を用いてもよい本開示の態様に従う系を説明する。ビオチンは、「B」で表し、ストレプトアビジンは「SA」で表す。示されるように、ビオチン/ストレプトアビジン系は、例えば、生命科学応用を達成するために微粒子の表面に異なる機能的メカニズムを付加するように、微粒子の表面に関する全般的メカニズムとして用いてもよい。ビオチン/ストレプトアビジン系を用いてサンドイッチアッセイ法を作製した応用を図31A〜31Cに示す。
そのような系を用いる長所には以下が含まれるがこれらに限定されない:ビオチン-ストレプトアビジン結合は非常に堅固であり、ビオチン化抗体は容易に入手可能であり、タンパク質およびオリゴヌクレオチドはいずれも容易にビオチン化することができる。
図32は、複合分析物検出および操作のための位置づけ可能で指標化可能な微粒子に関するビオチン/ストレプトアビジン系を示す本開示の態様に従う略図である。特に、B/SA系は、微粒子のライブラリと共に用いてもよい。多数のタンパク質/mRNA試料に関して試料を同時にプロービングしてもよく、微粒子ビーズを、本明細書に教示するように同定および/または操作してもよい。一つの態様において、インピーダンス感知によって異なるビーズを同定してもよい。もう一つの態様において、ビーズは蛍光データによって同定してもよい。さらにもう一つの態様において、位置と蛍光データとの組み合わせを同定のために利用してもよい。
図33は、ビオチン化燐脂質による表面機能化のより詳細な化学的図示を示す本開示の態様に従うもう一つの略図である。この表面機能化は、人工微粒子の一つまたは複数の脂質層に結合させることによって本開示の装置と共に用いてもよい。これは、行うことができる応用に関して大きい柔軟性を提供する万能表面結合法を提供する可能性がある。
一つの態様において、ビオチン化脂質は、一つまたは複数のDMPC/ガングリオシド層に組み入れてもよいが、組み込みは当業者によって理解されるように異なる層に行ってもよい。もう一つの態様において、ディールス・アルダー反応を用いて機能化表面に関して分子種を共有結合してもよい。
本開示の他の態様において、異なる誘電特性および異なる表面機能化を有するDEMPの混合物を、混合物から一つまたは複数のクラスの物質の分離を促進するための取っ手として用いて、それによってこれらの異なるクラスに、それぞれの個々のクラスに調整されるさらなる分析を行ってもよい。
例えば、第一の組のDEMPは、一つまたは複数の種類のタンパク質分子を標的とするように機能化してもよい。もう一つの組は、核酸を標的とするように機能化してもよい。さらにもう一つの組は、脂質のクラスを標的とするように機能化してもよい。さらにもう一つの組は、ステロイドを標的とするように機能化してもよい。これらの異なるように機能化された組のDEMPの混合物を例えば哺乳類細胞の浮遊液と混合して、これを破裂させ、細胞の分子内容物を放出させた。それぞれの組のDEMPは、機能化されている分子タイプに結合する。
その後、誘電または複合誘電磁気法を用いて、異なる反応種に異なるDEMPの組をソーティングしてもよく、この場合、標的分子のそれぞれのクラスを分析するために、異なる分析プロトコールを適用してもよい。例えば、タンパク質はタンパク質化学によって、核酸は核酸プロトコール等によって分析してもよい。本開示の恩典を有する当業者は、この方法論が、混合物からの分析物の多くの異なるクラスの分析を提供するように拡大してもよいと認識すると考えられる。例えば、異なるタイプのオルガネラ、細胞、細菌、ウイルス、プリオン、花粉、胞子、または他のタイプの生物実体、および異なるタイプの微砂、堆積物、土壌、エアロゾル、煙、および他の不活性粒子を、このアプローチを用いてさらなる処理のために分離してもよい。
標的分子を採取するためのDEMP法の非制限的な長所は、試薬をそれらの上に流しながら、DEMPが正のDEPによって回収または捕獲される可能性がある点である。このようにして、標的分子を、その捕獲後に所望の試薬に曝露してもよく、細胞の破片のような望ましくない残留材料またはDEMPに対して弱い親和性を揺する望ましくない分子は、標的種を純粋な形で残すためにDEMPから洗浄して除去するか、そうでなければ枯渇させてもよい。
本明細書に開示および請求した組成物および/または方法は全て、本開示に照らして不当な実験を行うことなく作製および実行することができる。本発明の組成物および方法は、特定の態様に関して記述してきたが、本明細書に記述の組成物および/または方法、方法の段階または段階の順序に変更を加えてもよく、それらも本発明の概念、趣旨、および範囲に含まれることは当業者に明らかであると考えられる。例えば、本開示を参照して理解されるように、特に半導体粒子、外皮、またはコアの誘電または伝導特性は、熱および/または光によって影響を受ける可能性があるが、それでももう一つのレベル(上記のレベルの他に)の制御または識別を可能にすると理解されると考えられる。さらに、化学的および生理的に関連する特定の物質を、本明細書に記述の物質の代わりに用いてもよく、同じまたは類似の結果が得られうることも明らかであると考えられる。当業者に明らかなそのような類似の置換および改変は、添付の請求の範囲によって定義されるように、本発明の精神、範囲、および概念に含まれると思われる。
参考文献
以下の参考文献は、それらが本明細書に記載の内容を補足する例としての技法または詳細を提供する程度に、特に参照として本明細書に組み入れられる。
Figure 2005533238
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Figure 2005533238
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以下の図面は本明細書の一部であり、本発明の特定の局面をさらに証明するために含める。本発明は、本明細書に示した特定の態様の詳細な説明と共にこれらの図面の一つまたは複数を参照することによってよりよく理解される可能性がある。
(図1)本開示の一つの態様に従う誘電人工微粒子を示す。
(図2Aおよび図2B)誘電泳動力の図である。図は、電極に適用した1 Vrmsの相矩形電圧シグナルによって産生された回転場における半径5 μmの球状の粒子が受ける誘電泳動力のベクトルを示す。図2A。Re(fCM)=0.5およびIm(fCM)=0。図2Aにおいて、力は粒子を図の端部に沿って存在する電極に向ける。図2Bにおいて、Re(fCM)=0およびIm(fCM)=0.5である。図2Bにおける力は、電極の幾何学のほぼ中心で環状に並進するように粒子を向ける。
(図3)電気回転スペクトルのグラフを示す。特に、伝導率56 mS/mの等張な蔗糖における赤血球(△)、Tリンパ球、(○)およびMDA231乳癌細胞()に関する典型的なROTスペクトルを示す。曲線は、下記のように単外皮誘電モデルに最も良く適合することを示している。
(図4)異なる微粒子タイプのAC動電挙動のグラフを示す。異なる五つのタイプの微粒子のcDEP(従来の誘電伝動)およびtwDEP(進行波DEP)反応を示す。それぞれの微粒子タイプは、約1〜10 nmまで変化するその最も外側の外皮の厚みを除き同一である。それぞれの異なるタイプの微粒子を異なるプローブに結合させて、これを用いて試料混合物において異なる分析物を標識した後、操作または同定してもよい。
(図5)分析物の分離を示す略図である。図4に示すようなAC動電特性を有する本開示の一つの態様に従う異なる三つのタイプの人工微粒子(a、b、およびcで示す)を、CD3、CD4、およびCD18細胞表面抗原に対する抗体によって感作して、異なる細胞亜集団に関する標識を形成する。これらの標識は、シミュレーションDEP-FFFフラクトグラムにおいて示されるようにCD3+、CD4+、およびCD18+細胞のDEP-FFF(DEP/フィールドフローフラクショネーション)分離を促進する。
(図6)分析物結合の検出を示す略図である。人工微粒子の誘電特性は、分析物の結合によって乱される可能性がある。DEP-FFFのようなAC動電分析法を用いて、溶出ピークの幅を広げるまたは溶出ピークをシフトさせる形でこの変化を検出してもよい。
(図7)誘電特性に対する粒子の速度の依存性を示すグラフである。
(図8)粒子と培地の分極を示す図である。
(図9A〜図15B)本開示の一つの態様に従う誘電人工微粒子、その特性および挙動を示す。
(図16)本開示に従う試験においてタンパク質およびmRNAを検出するために用いてもよいサンドイッチ(二重標識)アッセイ法を示す図である。
(図17)ポリスチレンコア、金の外皮、およびアルカンチオール自己構築単層を含む、本開示の一つの態様に従う誘電人工微粒子を示す。
(図18)ポリスチレンコア、金の外皮、アルカンチオール自己構築単層、および燐脂質自己構築単層を含む、本開示の一つの態様に従う誘電人工微粒子を示す。
(図19)ポリスチレンコア、金の外皮、アルカンチオール自己構築単層、およびクロスリンクした燐脂質自己構築単層を含む、本開示の一つの態様に従う誘電人工微粒子を示す。
(図20)ポリスチレンコア、金の外皮、アルカンチオール自己構築単層、燐脂質自己構築単層、および核酸プローブを含む本開示の一つの態様に従う誘電人工微粒子を示す。
(図21)ポリスチレンコア、金の外皮、アルカンチオール自己構築単層、燐脂質自己構築単層、およびタンパク質プローブを含む、本開示の一つの態様に従う誘電人工微粒子を示す。
(図22)遷移周波数対伝導率を示すグラフである。
(図23)分散性の周波数範囲のデータを含むデータを示すグラフである。実線は進行波誘電泳動と電気回転を生じる誘電損失を示し、破線は通常の誘電泳動を生じる誘電率(誘電定数)を示す。
(図24)二つのタイプの微粒子の周波数応答を示すグラフである:自己構築された伝導性コア上に絶縁体を有するバイオミメティクスアプローチによって作製された三つおよび誘電分散コアアプローチによって作製された三つ。バイオミメティック微粒子は、周波数の増加と共に増加する低周波数で低い誘電率を示す。分散性コア微粒子は、周波数の増加と共に減少する低周波数で高い誘電率を示す。
(図25)本開示の態様に従う凝集に影響を及ぼすためにガングリオシドを組み入れた微粒子の略図である。
(図26)凝集を制御するためにガングリオシドを利用する本開示の態様の化学的詳細を示す略図である。
(図27)本開示の態様に従う小胞特性の変化に対する誘電泳動スペクトル反応を説明する有益な注釈を含むグラフである。
(図28)本開示の態様に従う再密封された赤血球影の誘電泳動データを示すグラフである。
(図29A〜図29C)本開示の態様に従う例としての微粒子ライブラリ内の構成成分である微粒子を示す略図である。
(図30)図29A〜図29Cの微粒子の誘電特性を示すグラフである。
(図31A〜図31C)本開示の態様に従う表面機能化のためのビオチン/ストレプトアビジン系を一般的に示す。
(図32)本開示の態様に従う多重分析物検出および操作のための位置付け可能で指標化可能な微粒子を示す略図である。
(図33)ビオチン化燐脂質を用いた表面機能化に関する特定の態様を示す化学的略図である。

Claims (60)

  1. 微粒子が誘電泳動によって操作できるように、誘電分散性となるように作製され、かつ印加電場に対して誘電反応を生じるように適合された人工微粒子。
  2. 誘電分散性のコアを含む、請求項1記載の微粒子。
  3. コアの周囲に絶縁層を含む、請求項2記載の微粒子。
  4. 絶縁層が自己構築単層を含む、請求項3記載の微粒子。
  5. ストレプトアビジンを含む、請求項1記載の微粒子。
  6. ストレプトアビジンに結合させた一つまたは複数のビオチン化プローブを含む、請求項5記載の微粒子。
  7. 双極材料を含む、請求項1記載の微粒子。
  8. ドーピング剤を含む、請求項1記載の微粒子。
  9. 蛍光標識を含む、請求項1記載の微粒子。
  10. ガングリオシドを含む、請求項1記載の微粒子。
  11. 小胞を含む、請求項1記載の微粒子。
  12. 小胞が赤血球影を含む、請求項11記載の微粒子。
  13. それぞれの微粒子が、印加電場に対するそれぞれの微粒子の誘電反応に識別可能な差を生じるために十分な程度に異なる誘電分散材料を含む、二つまたはそれ以上の人工微粒子のライブラリ。
  14. 誘電分散材料が、一つまたは複数の材料の一つまたは複数の層を含む、請求項13記載のライブラリ。
  15. 一つまたは複数の人工微粒子が誘電分散コアを含む、請求項13記載のライブラリ。
  16. 一つまたは複数の人工微粒子が自己構築単層を含む、請求項13記載のライブラリ。
  17. 一つまたは複数の人工微粒子がストレプトアビジンを含む、請求項13記載のライブラリ。
  18. 一つまたは複数の人工微粒子がストレプトアビジンに結合したビオチン化プローブを含む、請求項17記載のライブラリ。
  19. 一つまたは複数の人工微粒子が蛍光標識を含む、請求項13記載のライブラリ。
  20. 一つまたは複数の人工微粒子がガングリオシドを含む、請求項13記載のライブラリ。
  21. 一つまたは複数の人工微粒子が小胞を含む、請求項13記載のライブラリ。
  22. 小胞が赤血球影を含む、請求項21記載のライブラリ。
  23. 誘電分散材料が二つまたはそれ以上の小胞によって封入された材料に関して異なる、請求項21記載のライブラリ。
  24. 誘電分散材料が鎖長に関して異なる、請求項13記載のライブラリ。
  25. 誘電分散材料がドーピング剤に関して異なる、請求項13記載のライブラリ。
  26. 誘電分散材料が製造法に関して異なる、請求項13記載のライブラリ。
  27. 誘電分散材料が製造時の熱処理に関して異なる、請求項26記載のライブラリ。
  28. 誘電分散材料が組成物に関して異なる、請求項13記載のライブラリ。
  29. 誘電分散材料が表面電荷に関して異なる、請求項13記載のライブラリ。
  30. 誘電分散材料が側鎖に関して異なる、請求項13記載のライブラリ。
  31. 誘電分散材料が電荷担体の運動性に関して異なる、請求項13記載のライブラリ。
  32. 誘電分散材料が粘度に関して異なる、請求項13記載のライブラリ。
  33. 以下を含む、二つまたはそれ以上の人工微粒子のライブラリを作製する方法:
    第一の誘電特性を有する第一の誘電分散材料を得る段階;
    第一の誘電分散材料を改変して、第二の誘電特性を有する第二の誘電分散材料を形成する段階であって、第二の誘電特性が、印加電場に対する誘電反応の識別可能な差を生じさせるために十分な程度で第一の誘電特性と異なる段階;
    第一の誘電分散材料を用いて第一の人工微粒子を形成する段階;および
    第二の誘電分散材料を用いて第二の人工微粒子を形成する段階。
  34. 第一または第二の誘電分散材料が一つまたは複数の材料の一つまたは複数の層を含む、請求項33記載の方法。
  35. 第一または第二の人工微粒子が誘電分散コアを含む、請求項33記載の方法。
  36. 第一または第二の人工微粒子が自己構築単層を含む、請求項33記載の方法。
  37. 第一または第二の人工微粒子がストレプトアビジンを含む、請求項33記載の方法。
  38. 第一または第二の人工微粒子がストレプトアビジンに結合したビオチン化プローブを含む、請求項37記載の方法。
  39. 第一または第二の人工微粒子が蛍光標識を含む、請求項33記載の方法。
  40. 第一または第二の人工微粒子がガングリオシドを含む、請求項33記載の方法。
  41. 第一または第二の人工微粒子が小胞を含む、請求項33記載の方法。
  42. 小胞が赤血球影を含む、請求項41記載の方法。
  43. 第一の誘電分散材料を改変する段階が、封入材料を改変する段階を含む、請求項33記載の方法。
  44. 第一の誘電分散材料を改変する段階が、鎖長を改変する段階を含む、請求項33記載の方法。
  45. 第一の誘電分散材料を改変する段階が、ドーピング剤を改変する段階を含む、請求項33記載の方法。
  46. 第一の誘電分散材料を改変する段階が、製造法を改変する段階を含む、請求項33記載の方法。
  47. 第一の誘電分散材料を改変する段階が、製造時の熱処理を改変する段階を含む、請求項46記載の方法。
  48. 第一の誘電分散材料を改変する段階が、組成物を改変する段階を含む、請求項33記載の方法。
  49. 第一の誘電分散材料を改変する段階が、表面電荷を改変する段階を含む、請求項33記載の方法。
  50. 第一の誘電分散材料を改変する段階が、側鎖を改変する段階を含む、請求項33記載の方法。
  51. 第一の誘電分散材料を改変する段階が、電荷担体の運動性を改変する段階を含む、請求項33記載の方法。
  52. 第一の誘電分散材料を改変する段階が、粘度を改変する段階を含む、請求項33記載の方法。
  53. 微粒子の凝集に影響を及ぼすために一つまたは複数のガングリオシドを含む人工微粒子。
  54. 一つまたは複数のガングリオシドがGM1ガングリオシドを含む、請求項53記載の微粒子。
  55. 一つまたは複数のガングリオシドがGD1aガングリオシドを含む、請求項53記載の微粒子。
  56. 一つまたは複数の微粒子の表面電荷を調節する段階を含む、微粒子の凝集を制御する方法。
  57. 表面電荷を調節する段階が、一つまたは複数の微粒子に一つまたは複数のガングリオシドを付加する段階を含む、請求項56記載の方法。
  58. 一つまたは複数のガングリオシドがGM1ガングリオシドを含む、請求項57記載の方法。
  59. 一つまたは複数のガングリオシドがGD1aガングリオシドを含む、請求項57記載の方法。
  60. 以下を含む、試料中の一つまたは複数の複合体を同定する方法:
    それぞれの微粒子がストレプトアビジンを含み、かつ異なる誘電特性を有する複数の人工微粒子を、試料と混合する段階;
    複数の人工微粒子を、ビオチンを含む一つまたは複数の標的分析物と会合させて、一つまたは複数の複合体を形成する段階;および
    異なる誘電特性を識別する段階によって、一つまたは複数の複合体を同定する段階。
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