JP2018146466A - 硬さ試験機及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】別途くぼみの直径の計測を行うことを要せず、連続して硬さ試験を行うことができる硬さ試験機及びプログラムを提供する。【解決手段】試料Sの表面に圧子61により所定の試験力を負荷してくぼみを形成させることにより試料Sの硬さを測定する硬さ試験機1において、形成されたくぼみの深さを検出する深さ検出手段(圧子軸変位検出部63)と、深さ検出手段によって検出されたくぼみの深さと、圧子61の先端部の寸法と、に基づいて、形成されたくぼみの直径を算出する直径算出手段(CPU101)と、直径算出手段によって算出されたくぼみの直径に基づいて、次にくぼみを形成させる試験位置を決定する位置決定手段(CPU101)と、位置決定手段によって決定された試験位置にくぼみが形成されるように、圧子61に対する試料Sの位置を調整する位置調整手段(試料台8)と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、硬さ試験機及びプログラムに関する。
従来、圧子を用いて試料(ワーク)の表面に所定の試験力を負荷してくぼみを形成させることによって、試料の硬さを測定する硬さ試験機が知られている。例えば、ロックウェル硬さ試験機は、試料の表面に円錐形ダイヤモンド圧子又は球圧子により所定の試験力を負荷してくぼみを形成させ、当該くぼみ形成時の圧子の押込みの深さを用いて、試料の硬さを測定する(例えば、特許文献1参照)。
JIS規格やISO規格で定められているロックウェル硬さ試験の試験方法では、「二つの隣接するくぼみの中心間の距離は、くぼみの直径の3倍以上でなければならない」という要求事項があるが(JIS Z 2245:2016等参照)、上記のようにロックウェル硬さ試験は、くぼみ形成時の圧子の押込みの深さを用いて試料の硬さを測定する試験方法であるため、通常のロックウェル硬さ試験機には、試料表面を画像測定する機能は搭載されていない。
また、ロックウェル硬さ試験においては、まず試料に初試験力F0を負荷し、続いてこれに追加試験力F1を加えた全試験力F(F0+F1)を負荷し、続いて再び初試験力F0のみが付加された状態とし、この際の前後2回の初試験力F0のみが負荷された状態における、圧子の押込みの深さの差から硬さ値を求める。したがって、ロックウェル硬さ試験の際には、必ずしも形成されたくぼみの試料表面からの深さを計測する必要はないため、通常のロックウェル硬さ試験機においては、試験時に形成されたくぼみの深さを計測することはできず、この場合、くぼみの深さからくぼみの直径を算出することもできない。
このため、単一の試料に複数回の硬さ試験を行う際には、形成されたくぼみの直径を別途測定器を用いて計測する必要があり、連続して硬さ試験を行うことは困難であった。
本発明は、別途くぼみの直径の計測を行うことを要せず、連続して硬さ試験を行うことができる硬さ試験機及びプログラムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
試料の表面に圧子により所定の試験力を負荷してくぼみを形成させることにより前記試料の硬さを測定する硬さ試験機において、
形成されたくぼみの深さを検出する深さ検出手段と、
前記深さ検出手段によって検出された前記くぼみの深さと、前記圧子の先端部の寸法と、に基づいて、形成されたくぼみの直径を算出する直径算出手段と、
前記直径算出手段によって算出された前記くぼみの直径に基づいて、次にくぼみを形成させる試験位置を決定する位置決定手段と、
前記位置決定手段によって決定された試験位置にくぼみが形成されるように、前記圧子に対する前記試料の位置を調整する位置調整手段と、
を備えることを特徴とする。
試料の表面に圧子により所定の試験力を負荷してくぼみを形成させることにより前記試料の硬さを測定する硬さ試験機において、
形成されたくぼみの深さを検出する深さ検出手段と、
前記深さ検出手段によって検出された前記くぼみの深さと、前記圧子の先端部の寸法と、に基づいて、形成されたくぼみの直径を算出する直径算出手段と、
前記直径算出手段によって算出された前記くぼみの直径に基づいて、次にくぼみを形成させる試験位置を決定する位置決定手段と、
前記位置決定手段によって決定された試験位置にくぼみが形成されるように、前記圧子に対する前記試料の位置を調整する位置調整手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の硬さ試験機において、
前記硬さ試験機はロックウェル硬さ試験機であり、
前記位置決定手段は、くぼみの中心間距離がくぼみの直径の3倍以上となるように前記試験位置を決定することを特徴とする。
前記硬さ試験機はロックウェル硬さ試験機であり、
前記位置決定手段は、くぼみの中心間距離がくぼみの直径の3倍以上となるように前記試験位置を決定することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の硬さ試験機において、
作業者が設定条件を入力する入力手段を備え、
前記位置決定手段は、前記くぼみの直径と、前記入力手段によって設定された設定条件と、に基づいて、前記試験位置を決定することを特徴とする。
作業者が設定条件を入力する入力手段を備え、
前記位置決定手段は、前記くぼみの直径と、前記入力手段によって設定された設定条件と、に基づいて、前記試験位置を決定することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、
試料の表面に圧子により所定の試験力を負荷してくぼみを形成させることにより前記試料の硬さを測定する硬さ試験機のコンピュータを、
深さ検出手段によって検出されたくぼみの深さと、前記圧子の先端部の寸法と、に基づいて、形成されたくぼみの直径を算出する直径算出手段、
前記直径算出手段によって算出されたくぼみの直径に基づいて、次にくぼみを形成させる試験位置を決定する位置決定手段、
として機能させるプログラムである。
試料の表面に圧子により所定の試験力を負荷してくぼみを形成させることにより前記試料の硬さを測定する硬さ試験機のコンピュータを、
深さ検出手段によって検出されたくぼみの深さと、前記圧子の先端部の寸法と、に基づいて、形成されたくぼみの直径を算出する直径算出手段、
前記直径算出手段によって算出されたくぼみの直径に基づいて、次にくぼみを形成させる試験位置を決定する位置決定手段、
として機能させるプログラムである。
本発明によれば、別途くぼみの直径の計測を行うことを要せず、連続して硬さ試験を行うことができる硬さ試験機及びプログラムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明においては、図1におけるX方向を前後方向とし、Y方向を左右方向とし、Z方向を上下方向とする。なお、X方向においては、図1における手前側を前、奥側を後とする。
[1.構成の説明]
本実施形態に係る硬さ試験機1は、ロックウェル硬さ試験機であり、図1及び図2に示すように、荷重アーム2と、荷重アーム2に作用力を付与して荷重アーム2を作動(上下動)させるアーム作動部3と、荷重アーム2の下面側に備えられた試験力発生ばね4と、試験力発生ばね4と連結され、先端部に圧子61を備える圧子軸6と、圧子軸6の変位量(圧子61の侵入量)を検出する際の基準面を有する基準部7と、圧子軸6(圧子61)と対向配置され、試料Sが載置される試料台8と、制御部100と、操作部110と、表示部120と、を備えて構成されている。なお、硬さ試験機1では、図2に示す制御部100により、各部の動作制御が行われる。
本実施形態に係る硬さ試験機1は、ロックウェル硬さ試験機であり、図1及び図2に示すように、荷重アーム2と、荷重アーム2に作用力を付与して荷重アーム2を作動(上下動)させるアーム作動部3と、荷重アーム2の下面側に備えられた試験力発生ばね4と、試験力発生ばね4と連結され、先端部に圧子61を備える圧子軸6と、圧子軸6の変位量(圧子61の侵入量)を検出する際の基準面を有する基準部7と、圧子軸6(圧子61)と対向配置され、試料Sが載置される試料台8と、制御部100と、操作部110と、表示部120と、を備えて構成されている。なお、硬さ試験機1では、図2に示す制御部100により、各部の動作制御が行われる。
荷重アーム2は、基部21と、基部21の側面から突出するアーム部22と、基部21の下面側で基部21よりも幅広に形成された底部23と、底部23の下面側一端部に備えられ、荷重アーム2と基準部7とを連結する略L字型のリンク部材24と、を備えて構成されている。
アーム部22は、固定治具34によりアーム作動部3のコラム軸33に上下動可能に固定されている。アーム部22(荷重アーム2)は、コラム軸33の回転駆動により、固定治具34と連動して上下に移動する。即ち、荷重アーム2(アーム部22)は、アーム作動部3の動作に伴い、上下動を行う。
また、アーム部22の先端部には、アーム部22(荷重アーム2)が作動(上下動)した際の変位量を検出するアーム変位検出部221が備えられている。
アーム変位検出部221は、例えば、アーム部22の先端部と対向する位置に備えられたスケール222の目盛を光学的に読み取るリニアエンコーダである。アーム変位検出部221は、圧子61を試料Sに押し込む際のアーム部22の変位量を検出し、検出した変位量に基づくアーム部変位信号を制御部100に出力する。
アーム変位検出部221は、例えば、アーム部22の先端部と対向する位置に備えられたスケール222の目盛を光学的に読み取るリニアエンコーダである。アーム変位検出部221は、圧子61を試料Sに押し込む際のアーム部22の変位量を検出し、検出した変位量に基づくアーム部変位信号を制御部100に出力する。
アーム作動部3は、モータ31と、コラム軸33と、モータ31のモータ軸(図示省略)とコラム軸33とに掛け渡されるタイミングベルト32と、を備えて構成されている。なお、アーム作動部3は、コラム軸33が固定治具34によりアーム部22に固定されることにより荷重アーム2に接続されている。
モータ31は、制御部100から入力された駆動制御信号に基づいて駆動する。モータ31のモータ軸は、モータ31の駆動により回転する。モータ軸の駆動力は、タイミングベルト32を介してコラム軸33に伝達され、コラム軸33を回転させる。固定治具34は、コラム軸33の回転駆動により上下に移動する。
このように、アーム作動部3は、モータ31の駆動に基づいて固定治具34を上下動させ、固定治具34と接続している荷重アーム2のアーム部22にその駆動(駆動力)を伝達させて、荷重アーム2を上下動させる。
このように、アーム作動部3は、モータ31の駆動に基づいて固定治具34を上下動させ、固定治具34と接続している荷重アーム2のアーム部22にその駆動(駆動力)を伝達させて、荷重アーム2を上下動させる。
また、荷重アーム2の底部23の下面側中央部には、試験力を発生させる試験力発生ばね4が備えられている。試験力発生ばね4の側面には、所定の間隔の目盛が刻まれたスケール41が備えられている。
試験力発生ばね4は、荷重アーム2の下方への移動に伴い、圧子軸6を下方へと押圧し移動させる。そして、試験力発生ばね4は、荷重アーム2の駆動、動作を圧子軸6に伝達する。
また、荷重アーム2の底部23の下面側他端部には、荷重アーム2が作動(上下動)した際の試験力発生ばね4の変形量を検出するばね変位検出部42が備えられている。
ばね変位検出部42は、例えば、試験力発生ばね4の側面に備えられたスケール41の目盛を光学的に読み取るリニアエンコーダである。ばね変位検出部42は、圧子軸6等を介して圧子61を試料Sに押し込む際の試験力発生ばね4の変形量(変位量)を検出し、検出した変形量に基づくばね変位信号を制御部100に出力する。なお、この変形量は、圧子61が試料Sを押し込む押圧力(試験力)又は試料Sに加わる荷重に対応するようになっている。
ばね変位検出部42は、例えば、試験力発生ばね4の側面に備えられたスケール41の目盛を光学的に読み取るリニアエンコーダである。ばね変位検出部42は、圧子軸6等を介して圧子61を試料Sに押し込む際の試験力発生ばね4の変形量(変位量)を検出し、検出した変形量に基づくばね変位信号を制御部100に出力する。なお、この変形量は、圧子61が試料Sを押し込む押圧力(試験力)又は試料Sに加わる荷重に対応するようになっている。
圧子軸6は、アーム作動部3の動作により、下方に設けられた試料台8上に載置された試料Sに向けて移動し、先端部に備えた圧子61を試料Sの表面に所定の試験力で押し付ける。圧子61が試料Sを所定の試験力で押圧することにより、試料Sの表面にくぼみが形成される。また、圧子軸6の表面には、所定の間隔の目盛が刻まれたスケール62が一体形成されている。
圧子61は、例えば、ロックウェル硬さ試験用の先端角120°の円錐形ダイヤモンド圧子又は球圧子(例えば、直径が1/16インチ、1/8インチ、1/4インチ、1/2インチのもの)を使用する。
圧子61は、例えば、ロックウェル硬さ試験用の先端角120°の円錐形ダイヤモンド圧子又は球圧子(例えば、直径が1/16インチ、1/8インチ、1/4インチ、1/2インチのもの)を使用する。
また、試験力発生ばね4の下方には、荷重アーム2の底部23に備えられたリンク部材24と連結され、圧子軸変位検出部63が圧子軸6の変位量を検出する際の基準面を有する基準部7を保持する基準部保持部材71が備えられている。
基準部保持部材71の上端側には、リンク部材24に沿って上下動可能に構成されたスライド部材25が備えられている。このスライド部材25とリンク部材24とにより、リンク部材24上をスライド部材25がスライドすることで直線運動をガイドする、所謂LMガイド(登録商標)が構成される。なお、LMガイド(リンク部材24及びスライド部材25)の具体的な構造は、従来公知の技術(例えば、特開平8−313217等)を用いることができるため、詳細な説明は省略する。
また、リンク部材24の下端部には、スライド部材25の下方への移動を規制する規制部241が形成されている。
上記の構成により、基準部保持部材71(基準部7)は、リンク部材24に沿って上下動することができるようになっている。
基準部保持部材71の上端側には、リンク部材24に沿って上下動可能に構成されたスライド部材25が備えられている。このスライド部材25とリンク部材24とにより、リンク部材24上をスライド部材25がスライドすることで直線運動をガイドする、所謂LMガイド(登録商標)が構成される。なお、LMガイド(リンク部材24及びスライド部材25)の具体的な構造は、従来公知の技術(例えば、特開平8−313217等)を用いることができるため、詳細な説明は省略する。
また、リンク部材24の下端部には、スライド部材25の下方への移動を規制する規制部241が形成されている。
上記の構成により、基準部保持部材71(基準部7)は、リンク部材24に沿って上下動することができるようになっている。
基準部7は、基準部保持部材71の下面側に取り付けられており、圧子軸6の先端部に備えられた圧子61の先端部の上下方向の位置基準となる部材である。基準部7は、圧子軸6(圧子61)を挿通可能な中空形状に形成されている。基準部7の下面は、圧子軸6に垂直な面(水平面)となるように形成されている。
基準部7を、基準部保持部材71と共にリンク部材24に沿って上下動させることで、基準部7の下面を、試料Sの表面に当接した状態とすることができる。
また、基準部7の上面側には、圧子軸6の変位量を検出する圧子軸変位検出部63が備えられている。
圧子軸変位検出部63は、例えば、圧子軸6の表面に一体形成されたスケール62の目盛を光学的に読み取るリニアエンコーダである。圧子61が試料Sに押し込まれる際の圧子軸6の変位量(即ち、試料Sに押し込まれた圧子61の侵入量(押込み深さ))を検出し、検出した変位量に基づく圧子軸変位信号を制御部100に出力する。
圧子軸変位検出部63は、例えば、圧子軸6の表面に一体形成されたスケール62の目盛を光学的に読み取るリニアエンコーダである。圧子61が試料Sに押し込まれる際の圧子軸6の変位量(即ち、試料Sに押し込まれた圧子61の侵入量(押込み深さ))を検出し、検出した変位量に基づく圧子軸変位信号を制御部100に出力する。
基準部7の下面が試料Sの表面に当接した状態で押込み試験を行うことで、圧子軸変位検出部63は、基準部7の下面(すなわち試料Sの表面)を基準面として圧子軸6の変位量を検出することができる。
これによって、圧子軸変位検出部63により、圧子61の試料Sの表面からの侵入量を検出することができ、試験時に形成されたくぼみの深さの検出が可能となる。
これによって、圧子軸変位検出部63により、圧子61の試料Sの表面からの侵入量を検出することができ、試験時に形成されたくぼみの深さの検出が可能となる。
試料台8は、例えば、X方向に水平移動可能な一軸ステージであり、制御部100が出力する制御信号に応じて駆動する駆動機構部(図示省略)により駆動され、上面に載置された試料SをX方向に移動させる。
制御部100は、図2に示すように、CPU101と、RAM102と、記憶部103と、を備えて構成され、記憶部103に記憶された所定のプログラムが実行されることにより、所定の硬さ試験を行うための動作制御等を行う機能を有する。
CPU101は、記憶部103に格納された処理プログラム等を読み出して、RAM102に展開して実行することにより、硬さ試験機1全体の制御を行う。
RAM102は、CPU101により実行された処理プログラム等を、RAM102内のプログラム格納領域に展開するとともに、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等をデータ格納領域に格納する。
記憶部103は、例えば、プログラムやデータ等を記憶する記録媒体(図示省略)を有しており、この記録媒体は、半導体メモリ等で構成されている。また、記憶部103は、CPU101が硬さ試験機1全体を制御する機能を実現させるための各種データ、各種処理プログラム、これらプログラムの実行により処理されたデータ等を記憶する。
CPU101は、記憶部103に格納された処理プログラム等を読み出して、RAM102に展開して実行することにより、硬さ試験機1全体の制御を行う。
RAM102は、CPU101により実行された処理プログラム等を、RAM102内のプログラム格納領域に展開するとともに、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等をデータ格納領域に格納する。
記憶部103は、例えば、プログラムやデータ等を記憶する記録媒体(図示省略)を有しており、この記録媒体は、半導体メモリ等で構成されている。また、記憶部103は、CPU101が硬さ試験機1全体を制御する機能を実現させるための各種データ、各種処理プログラム、これらプログラムの実行により処理されたデータ等を記憶する。
例えば、CPU101は、ばね変位検出部42から入力されたばね変位信号と予め設定された設定ばね変位データとの比較を行う。そして、CPU101は、所定の試験力(荷重)で圧子61を試料Sに作用させるように荷重アーム2を移動させるべく、アーム作動部3(モータ31)の駆動を制御する駆動制御信号をモータ31に出力する。
操作部110は、キーボード、マウス等のポインティングデバイスなどを備え、硬さ試験を行う際の作業者(オペレータ)による入力操作を受け付ける。そして、操作部110は、作業者による所定の入力操作を受け付けると、その入力操作に応じた所定の操作信号を生成して、制御部100へと出力する。
表示部120は、例えば、LCDなどの表示装置により構成されている。表示部120は、操作部110において入力された硬さ試験の設定条件及び硬さ試験の結果等を表示する。
[2.動作の説明]
次に、本実施形態に係る硬さ試験機1の動作について、図3のフローチャートに基いて説明する。
まず、作業者は、試料台8上に試料Sを載置する(図1参照)。なお、図1に示す例では、試料Sとして、板状の試料を例示している。また、このとき作業者は、試料Sの最初の試験位置である試験位置P1(最初にくぼみを形成する地点)が圧子61の直下に来るように試料Sを載置する
なお、試料SのX方向の載置位置は、操作部110を操作して、試料台8を移動させることによって調整してもよい。
次に、本実施形態に係る硬さ試験機1の動作について、図3のフローチャートに基いて説明する。
まず、作業者は、試料台8上に試料Sを載置する(図1参照)。なお、図1に示す例では、試料Sとして、板状の試料を例示している。また、このとき作業者は、試料Sの最初の試験位置である試験位置P1(最初にくぼみを形成する地点)が圧子61の直下に来るように試料Sを載置する
なお、試料SのX方向の載置位置は、操作部110を操作して、試料台8を移動させることによって調整してもよい。
続いて、作業者は、操作部110を操作して、硬さ試験における基本的な各種設定条件(例えば、試料Sの材質、圧子61により試料Sに負荷される試験力等)に加え、試料Sに対して連続して行われる試験回数Nを設定する。
また、後述のように、硬さ試験機1において、圧子61を付け替えることで、複数種類の圧子61の使用が予定されている場合には、作業者は使用する圧子の種類を指定する。また、硬さ試験機において、試験位置の決定方法を作業者が設定することが予定されている場合には、作業者は、当該決定方法を設定する。
すなわち、操作部110は、本発明における入力手段として機能することとなる。
また、後述のように、硬さ試験機1において、圧子61を付け替えることで、複数種類の圧子61の使用が予定されている場合には、作業者は使用する圧子の種類を指定する。また、硬さ試験機において、試験位置の決定方法を作業者が設定することが予定されている場合には、作業者は、当該決定方法を設定する。
すなわち、操作部110は、本発明における入力手段として機能することとなる。
続いて、作業者は、操作部110を操作して、硬さ試験開始の指示操作(例えば、表示部120に表示された硬さ試験開始アイコンをマウス等でクリックする操作)を行う。
試験開始の指示操作を受けると、CPU101は、試験位置P1における硬さ試験を実施する。
具体的には、CPU101は、まず、圧子61により、試料Sの試験位置P1に所定の初試験力F0を負荷する。
続いて、CPU101は、圧子61により、試料Sの試験位置P1に初試験力F0に所定の追加試験力F1を加えた全試験力F(F0+F1)を負荷する。
続いて、CPU101は、圧子61により、試料Sの試験位置P1に再び初試験力F0のみを負荷する。
続いて、CPU101は、圧子61により、試料Sの試験位置P1に初試験力F0に所定の追加試験力F1を加えた全試験力F(F0+F1)を負荷する。
続いて、CPU101は、圧子61により、試料Sの試験位置P1に再び初試験力F0のみを負荷する。
CPU101は、圧子軸変位検出部63から出力された圧子軸変位信号により、上記の3つの試験段階における圧子軸6の変位量を取得する。そして、この際の前後2回の初試験力F0のみが掛けられた状態における、圧子の侵入量(押込み深さ)の差から、硬さ値を算出する。
また、本実施形態に係る硬さ試験機1には、基準部7が備えられており、硬さ試験は、基準部7の下面が試料Sの表面に当接した状態で行われる。そして、圧子軸変位検出部63は、基準部7の下面、すなわち試料Sの表面を基準面として圧子軸6の変位量を検出するため、上記3つの試験段階において、基準部7の下面からの圧子61の突出量、すなわち試料Sへの圧子61の侵入量が計測されることとなる。
そして、試料Sに全試験力F(F0+F1)を負荷した後に、再び初試験力F0のみを負荷した状態における圧子61の試料Sへの侵入量が、弾性回復後の最終的なくぼみの深さであり、形成されたくぼみの深さである。
すなわち、本実施形態に係る硬さ試験機1によれば、硬さ試験の過程で、自動的に形成されたくぼみの深さが明らかとなる(ステップS1:深さ検出工程)。そして、圧子軸変位検出部63は、本発明における深さ検出手段として機能することとなる。
次に、CPU101は、記憶部103内に格納された直径算出プログラムを実行することにより、形成されたくぼみの深さと、圧子61の先端部の寸法と、から、くぼみの直径を算出する(ステップS2:直径算出工程)。すなわち、CPU101は、本発明における直径算出手段として機能する。
なお、硬さ試験機1において、特定の寸法の圧子61の使用のみが予定されている場合には、当該圧子の寸法に関するデータを事前に記憶部103に格納しておき、CPU101は、当該寸法データと形成されたくぼみの深さとを用いて、くぼみの直径を算出することとなる。
また、硬さ試験機1において、圧子61を付け替えることで、複数種類の圧子61の使用が予定されている場合にも、圧子の先端形状は試験規格に従って定められる必要があることから、使用の可能性のある圧子の種類は一定数しか存在しない。したがって、例えば、使用の可能性のある圧子の寸法に関するデータを事前に全て記憶部103に格納しておき、作業者が試験開始前の各種設定条件の入力時に、使用する圧子の種類を指定するように構成することで、CPU101は、当該指定された圧子に関する寸法データと形成されたくぼみの深さとを用いて、くぼみの直径を算出することが可能となる。
また、硬さ試験機1において、圧子61を付け替えることで、複数種類の圧子61の使用が予定されている場合にも、圧子の先端形状は試験規格に従って定められる必要があることから、使用の可能性のある圧子の種類は一定数しか存在しない。したがって、例えば、使用の可能性のある圧子の寸法に関するデータを事前に全て記憶部103に格納しておき、作業者が試験開始前の各種設定条件の入力時に、使用する圧子の種類を指定するように構成することで、CPU101は、当該指定された圧子に関する寸法データと形成されたくぼみの深さとを用いて、くぼみの直径を算出することが可能となる。
例えば、規格に従い圧子の先端の曲率半径SR=0.2mm、先端角度θ=120°の円錐形ダイヤモンド圧子を用いる場合において、圧子先端の球状の部分に加えて上部の円錐状の部分によって深さh1のくぼみが形成された場合については、図4に示すようにくぼみの直径d1を求めることができる。
すなわち、まず、圧子先端の球状部分の中心座標をO、圧子の円錐状の部分の頂点座標をP、くぼみの最深部の座標をQとし、その他図4に示すように各点の座標を定めた場合、先端角度θ=120°から∠APC=∠BPC=θ/2=60°であり、直角三角形ODP及び直角三角形OEPを用いて、くぼみの最深部QからPまでの距離h´は、以下のように求められる。
また、CP=h1+h´、∠APC=∠BPC=θ/2、くぼみの直径d1=AC+BCから、くぼみの直径d1は以下のように求められる。
また、例えば、規格に従い圧子の先端の曲率半径SR=0.2mm、先端角度θ=120°の円錐形ダイヤモンド圧子を用いる場合において、圧子61の先端の球状の部分のみによって、深さh2のくぼみが形成された場合については、図5に示すように、くぼみの直径d2を求めることができる。
まず圧子先端の球状部分の中心座標をO、Oから垂直に下ろした直線と、試料Sの表面である水平面との交点の座標をP、くぼみの最深部の座標をQとし、その他図5に示すように各点の座標を定めた場合、OA=SR、OP=OQ−PQ=SR−h2、d2=AP+BPより、直角三角形AOP及び直角三角形BOPを用いて、くぼみの直径d2は以下のように求められる。
また、規格に従い、例えば、半径0.79375〜6.35mmの所定の球圧子を用いる場合についても、形成されるくぼみの形状は、図5に示した円錐形ダイヤモンド圧子を用いて圧子先端の球状の部分のみによってくぼみが形成された場合と同様であり、これと同様にして、形成されたくぼみの直径を求めることができる。
続いて、CPU101は、記憶部103内に格納された試験位置決定プログラムを実行することにより、ステップS2で算出されたくぼみの直径に基づいて、次にくぼみを形成させる試験位置P2を決定する(ステップS3:位置決定工程)。すなわち、CPU101は、本発明における位置決定手段として機能する。
なお、本実施形態に係る硬さ試験機1においては、試料台8は一軸ステージであり、X方向にしか移動しないことから、試験位置P2は、試験位置P1から前方又は後方に移動した位置に限られる。
また、試験位置P2を試験位置P1の前方と定めた場合には、試験位置P3以降についても、全て前の試験位置の前方と決定され、また、試験位置P2を試験位置P1の後方と定めた場合には、試験位置P3以降についても全て前の試験位置の後方と決定されることとなる。
なお、本実施形態に係る硬さ試験機1においては、試料台8は一軸ステージであり、X方向にしか移動しないことから、試験位置P2は、試験位置P1から前方又は後方に移動した位置に限られる。
また、試験位置P2を試験位置P1の前方と定めた場合には、試験位置P3以降についても、全て前の試験位置の前方と決定され、また、試験位置P2を試験位置P1の後方と定めた場合には、試験位置P3以降についても全て前の試験位置の後方と決定されることとなる。
具体的には、CPU101は、例えば、ステップS2で算出されたくぼみの直径のM(自然数)倍の距離、試料S上において試験位置P1から後方に移動した位置という形で、試験位置P2を決定する。なお、この際には、上記のように、JIS規格やISO規格におけるロックウェル硬さの試験方法においては、「二つの隣接するくぼみの中心間の距離は、くぼみの直径の3倍以上でなければならない」とされていることから、M≧3である必要がある。
また、この際のMの値は、試験位置決定プログラムによって予め定められていてもよいし、試験前の設定条件の入力時に、作業者が操作部110を用いて任意の数値を設定できるようにしてもよい。作業者が任意の数値を設定できるようにした場合、試験の目的等に応じて、任意の間隔を空けて硬さ試験を実施することが可能となる。
また、この際のMの値は、試験位置決定プログラムによって予め定められていてもよいし、試験前の設定条件の入力時に、作業者が操作部110を用いて任意の数値を設定できるようにしてもよい。作業者が任意の数値を設定できるようにした場合、試験の目的等に応じて、任意の間隔を空けて硬さ試験を実施することが可能となる。
なお、試験位置P2は、試験位置P1に形成されたくぼみから、中心間距離がくぼみの直径の3倍以上離れた位置となるように決定されればよく、試験位置P2の決定方法は上記のものには限られない。
試験位置P2が決定されると、続いてCPU101は、試料台8に対して、所定の制御信号を送信する。
制御信号を受けた試料台8は、当該制御信号に応じて、試験位置P2が圧子61の直下に来るように試料Sを移動させる(ステップS4:位置調整工程)。すなわち試料台8は、本発明における位置調整手段として機能する。
制御信号を受けた試料台8は、当該制御信号に応じて、試験位置P2が圧子61の直下に来るように試料Sを移動させる(ステップS4:位置調整工程)。すなわち試料台8は、本発明における位置調整手段として機能する。
具体的には、例えば、上記のように、試験位置P2が、試験位置P1から、くぼみの直径のM倍の距離後方に移動した位置とステップS3で決定された場合においては、試料台8は、前方にくぼみの直径のM倍の距離移動し、これに伴って、試料台8上に載置された試料Sを、くぼみの直径のM倍の距離前方に移動させる。これによって、圧子61によってくぼみが形成される位置は、試料S上において、くぼみの直径のM倍の距離後方に移動した位置となる。
ステップS4が終了すると、ステップS1に戻り、試験位置P2にくぼみが形成され、硬さ試験が行われる。
上記の過程を繰り返し、試験位置P1、P2、……、PNにおいて硬さ試験が行われると、CPU101は、硬さ試験機1の動作を停止し、試験を終了する。
これによって、試料Sの表面には、試験位置P1、P2、……、PNに、X方向の直線状に所定の間隔を空けて、N個のくぼみが形成され、それぞれの試験位置において硬さ試験が行われたこととなる。
これによって、試料Sの表面には、試験位置P1、P2、……、PNに、X方向の直線状に所定の間隔を空けて、N個のくぼみが形成され、それぞれの試験位置において硬さ試験が行われたこととなる。
[3.効果の説明]
以上のように、本実施形態に係る硬さ試験機1によれば、形成されたくぼみの直径を別途計測の上で、必要とされるくぼみの中心間距離を算出する必要がなくなる。これによって、形成されたくぼみの直径から算出された所定の間隔を空けて、連続して試験を行うことが可能となり、単一の試料Sに対して連続して試験を行う際の効率を向上することができる。
以上のように、本実施形態に係る硬さ試験機1によれば、形成されたくぼみの直径を別途計測の上で、必要とされるくぼみの中心間距離を算出する必要がなくなる。これによって、形成されたくぼみの直径から算出された所定の間隔を空けて、連続して試験を行うことが可能となり、単一の試料Sに対して連続して試験を行う際の効率を向上することができる。
[4.変形例]
上記においては、試料台8としてX方向にのみ移動する一軸ステージを用いて、試料Sに対して直線状に連続して硬さ試験を行う場合について説明したが、これに限られず、例えば、試料台として、XY平面上を2次元に移動可能なXYステージを用いてもよい。
この場合、例えば、形成されたくぼみの直径から算出された所定の間隔を空けつつ、2列以上の多列状にくぼみを形成し、連続して硬さ試験を行うことが可能となる。これによって、試料Sの表面全体に対して、満遍なく、試験規格に対応した所定の間隔を空けて試験を行うことが可能となり、試料Sを無駄なく使用することができる。
上記においては、試料台8としてX方向にのみ移動する一軸ステージを用いて、試料Sに対して直線状に連続して硬さ試験を行う場合について説明したが、これに限られず、例えば、試料台として、XY平面上を2次元に移動可能なXYステージを用いてもよい。
この場合、例えば、形成されたくぼみの直径から算出された所定の間隔を空けつつ、2列以上の多列状にくぼみを形成し、連続して硬さ試験を行うことが可能となる。これによって、試料Sの表面全体に対して、満遍なく、試験規格に対応した所定の間隔を空けて試験を行うことが可能となり、試料Sを無駄なく使用することができる。
また、本発明に係る硬さ試験機は、ロックウェル硬さ試験機には限られず、例えば、ビッカース硬さ試験機であってもよい。
この場合、図6(b)に示したように、深さh3のくぼみが形成された場合、形成されたくぼみの深さh3の7倍が、図6(a)に示した形成された矩形のくぼみの対角線長、すなわち直径d3として算出されることとなる。
この場合、図6(b)に示したように、深さh3のくぼみが形成された場合、形成されたくぼみの深さh3の7倍が、図6(a)に示した形成された矩形のくぼみの対角線長、すなわち直径d3として算出されることとなる。
その他、硬さ試験機を構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
1 硬さ試験機
61 圧子
63 圧子軸変位検出部(深さ検出手段)
8 試料台(位置調整手段)
101 CPU(直径算出手段、位置決定手段)
110 操作部(入力手段)
P1、P2、……、PN 試験位置
h1、h2、h3 深さ
d1、d2、d3 直径
S 試料
61 圧子
63 圧子軸変位検出部(深さ検出手段)
8 試料台(位置調整手段)
101 CPU(直径算出手段、位置決定手段)
110 操作部(入力手段)
P1、P2、……、PN 試験位置
h1、h2、h3 深さ
d1、d2、d3 直径
S 試料
Claims (4)
- 試料の表面に圧子により所定の試験力を負荷してくぼみを形成させることにより前記試料の硬さを測定する硬さ試験機において、
形成されたくぼみの深さを検出する深さ検出手段と、
前記深さ検出手段によって検出された前記くぼみの深さと、前記圧子の先端部の寸法と、に基づいて、形成されたくぼみの直径を算出する直径算出手段と、
前記直径算出手段によって算出された前記くぼみの直径に基づいて、次にくぼみを形成させる試験位置を決定する位置決定手段と、
前記位置決定手段によって決定された試験位置にくぼみが形成されるように、前記圧子に対する前記試料の位置を調整する位置調整手段と、
を備えることを特徴とする硬さ試験機。 - 前記硬さ試験機はロックウェル硬さ試験機であり、
前記位置決定手段は、くぼみの中心間距離がくぼみの直径の3倍以上となるように前記試験位置を決定することを特徴とする請求項1に記載の硬さ試験機。 - 作業者が設定条件を入力する入力手段を備え、
前記位置決定手段は、前記くぼみの直径と、前記入力手段によって設定された設定条件と、に基づいて、前記試験位置を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の硬さ試験機。 - 試料の表面に圧子により所定の試験力を負荷してくぼみを形成させることにより前記試料の硬さを測定する硬さ試験機のコンピュータを、
深さ検出手段によって検出されたくぼみの深さと、前記圧子の先端部の寸法と、に基づいて、形成されたくぼみの直径を算出する直径算出手段、
前記直径算出手段によって算出されたくぼみの直径に基づいて、次にくぼみを形成させる試験位置を決定する位置決定手段、
として機能させるプログラム。
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- 2017-03-08 JP JP2017043515A patent/JP2018146466A/ja active Pending
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