JP2018145445A - 保持炉での廃プラスチックの利用方法 - Google Patents

保持炉での廃プラスチックの利用方法 Download PDF

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Hidekazu Tsuruta
秀和 鶴田
玲司 三津山
Reiji Mitsuyama
玲司 三津山
神山 朋典
Tomonori Kamiyama
朋典 神山
石井 純
Jun Ishii
純 石井
堤 康一
Koichi Tsutsumi
康一 堤
村井 亮太
Ryota Murai
亮太 村井
鷲見 郁宏
Ikuhiro Sumi
郁宏 鷲見
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

【課題】高炉から出湯された銑鉄を転炉で脱炭処理するまでの間一時的に保持するためなどに使用される保持炉において、廃プラスチックを利用することによって、プロパンやメタンなどの高価な燃料を不使用または少量の使用で、炉内の溶銑及びスラグの温度を効率的に保持することができる、保持炉での廃プラスチックの利用方法を提供する。【解決手段】保持炉で廃プラスチックを利用する方法であって、保持炉内の温度を保持する際に、前記廃プラスチックの実際の投入速度を前記保持炉の溶銑貯蔵最大量で除して標準化した標準化投入速度が129〜429g/(h・t)となるように、廃プラスチックを前記保持炉に投入することを特徴とする保持炉での廃プラスチックの利用方法。【選択図】図1

Description

本発明は、転炉で精錬する前に溶銑を一旦貯蔵する保持炉での廃プラスチックの利用方法に関するものである。
保持炉(「貯銑炉」あるいは「混銑炉」ともいう)は、高炉から出湯された銑鉄を、転炉で脱炭処理するまでの間一時的に保持するために使用される。保持炉は、温度低下を抑制するため、通常、樽型の密閉構造を持ち、上部に開閉式の蓋付の受銑口、側壁に出湯口および出滓口を有する。また、溶銑の温度を一定に保持するために、電磁誘導ヒーターなどを付帯する設備もある。
保持炉においては、炉内に存在するスラグは適時に排滓することが重要であり、そのために、炉内に存在するスラグは、排滓に適した流動性を備えていることが求められている。保持炉におけるスラグの流動性を確保する方法として、従来、以下の方法が開示されている。
特許文献1には、保持炉の出湯口を指向するバーナーを取り付け、保持炉の機能を損なわず出湯口近傍を局部加熱することにより加熱部分からの熱放射を防止し、スラグ固化による出湯不能のトラブルを回避する技術が提案されている。
特許文献2には、保持炉内に残留するスラグにSiを含有する合金鉄を投入し、スラグに含まれる低級酸化物の濃度を低下して、保持炉からのスラグの排出性を高める技術が提案されている。この技術は、保持炉内スラグの組成を調整して低融点化するとともに流動性を確保し、スラグの排出性を高めるという技術である。
一方、鉄鋼プロセスで廃プラスチックを利用する方法として、従来、以下の方法が開示されている。
特許文献3には、溶銑や溶鋼等の溶湯を汚染することなく且つ効率的に熱付加若しくはスラグの還元を行うことができる製鋼用精錬剤並びに製鋼方法として、廃プラスチックなどからなる成型体を、精錬容器内に投入して、精錬容器内のスラグ若しくは溶湯成分の酸化物を還元する技術が開示されている。
実開昭62−175058号公報 特開2007−254865号公報 特開2004−3034号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の問題点がある。
特許文献1に記載された技術は、保持炉の出湯口近傍を局部加熱することにより出湯口近傍のスラグの排出性を高めることに特化する技術であるが、保持炉内のスラグの全体を加熱することは困難であり、保持炉内のスラグの全体を加熱するためのバーナーを別途、備える必要がある。また、バーナーにより、保持炉内のスラグ上部の空間を加熱し、雰囲気加熱によりスラグの全体を加熱するためには、プロパンやメタンなどの高価な燃料を多量に使用する必要がある。
特許文献2に記載された技術は、保持炉内に残留するスラグにSiを含有する合金鉄を投入し、スラグ中に含まれる低級酸化物の濃度を低下して、炉からのスラグの排出性を高めることを特徴とする保持炉内スラグの流動性調整方法であるが、この方法では溶銑の保持時間が長期化した場合及びスクラップの投入量が増加した場合などの溶銑及びスラグの温度が低下した場合に、それらの温度を維持あるいは回復する手段を提供するものではない。
特許文献3に記載された技術は、プラスチックを熱源とした転炉精錬方法である。転炉精錬では主原料を溶銑とスクラップとし、溶銑の有する顕熱と溶銑中に含まれる炭素などの酸化による発熱を熱源として、溶鋼温度を確保している。そのため、主原料のスクラップの比率が高くなると溶鋼温度が低下するため、プラスチックを追加装入し熱源の不足を補っている。特許文献3に示されている実施例では、1チャージあたり250tの溶銑を処理する上底吹き型転炉であり、1t/min(転炉の容量1tあたりに換算すると4kg/(min・t))の投入速度でプラスチックを投入して熱源としている。
しかし、このような大量のプラスチックを酸化して熱源とするためには大量の酸素が必要であり、実施例にも示されている通り、送酸能力が最大で70000Nm/hの酸素吹錬能力を備えた転炉でこそ実現可能な技術である。一般的に保持炉にはこのような送酸設備は設置されていないため、保持炉に適したプラスチックの使用量は特許文献3に示された実施例とは異なり、別途検討する必要がある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、高炉から出湯された銑鉄を転炉で脱炭処理するまでの間一時的に保持するためなどに使用される保持炉において、廃プラスチックを利用することによって、プロパンやメタンなどの高価な燃料を不使用または少量の使用で、炉内の溶銑及びスラグの温度を効率的に保持することができる、保持炉での廃プラスチックの利用方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有している。
[1]保持炉で廃プラスチックを利用する方法であって、
保持炉内の温度を保持する際に、廃プラスチックの実際の投入速度を前記保持炉の溶銑貯蔵最大量で除して標準化した標準化投入速度が129〜429g/(h・t)となるように、廃プラスチックを前記保持炉に投入することを特徴とする保持炉での廃プラスチックの利用方法。
[2]標準化投入速度が257〜429g/(h・t)となるように、廃プラスチックを前記保持炉に投入することを特徴とする前記[1]に記載の保持炉での廃プラスチックの利用方法。
[3]廃プラスチックを破砕して破砕物とし、該破砕物を成型加工して廃プラスチックの成型体を得ておき、該廃プラスチックの成型体を前記保持炉に投入することを特徴とする前記[1]または[2]に記載の保持炉での廃プラスチックの利用方法。
[4]体積球相当径が20mm以上200mm以下となるように成型加工して廃プラスチックの成型体を得ることを特徴とする前記[3]に記載の保持炉での廃プラスチックの利用方法。
[5]前記保持炉に、廃プラスチック専用の投入口を設けておくことを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の保持炉での廃プラスチックの利用方法。
本発明によれば、保持炉において、廃プラスチックを利用することによって、プロパンやメタンなどの高価な燃料を不使用または少量の使用で、炉内の溶銑及びスラグの温度を効率的に保持することができる。
保持炉の概略斜視図である。 保持炉の内部を示す縦断面図である。 廃プラスチック成型体の標準化投入速度(投入速度/最大貯銑量)と炉内上部空間温度の関係を示す図である。 廃プラスチック成型体の標準化投入速度(投入速度/最大貯銑量)と排出スラグ量の関係を示す図である。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態における保持炉の概略斜視図であり、保持炉の一部をカットした断面で示している。また、図2は、その保持炉の内部を示す縦断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態における保持炉1は、傾転可能な円筒状の炉本体7を有し、誘導加熱装置5などの溶銑6の加熱手段を備えたものである。この保持炉1は、高炉から供給された溶銑6を炉本体7に投入するための溶銑投入口3と、傾転によって貯蔵した溶銑6を出湯するための出湯口2とを備えている。また、保持炉1内の点検、試料採取、或いは副原料(造滓剤、合金鉄或いは鉄スクラップなど)を炉本体7の内部に投入するための開閉可能な開口部4が1個または複数個設けられており、その内の少なくとも1個を廃プラスチック用の投入口4pとしている。廃プラスチック用の投入口4pは兼用でも専用でもかまわないが、運用の自由度等を考えて専用であることが望ましい。なお、貯蔵する溶銑6は、普通銑、含Cr溶銑などであり、また、炉本体7の外殻は鉄皮で構成されている。
保持炉1内のスラグ9は、出湯の際に溶銑6とともに排出可能であることが必要である。そのためには、保持炉1内のスラグ9は適切な流動性を確保する必要があり、スラグを適切な温度に保持する必要がある。しかしながら、出湯口2からの排気、及び炉本体7からの放散熱を通じて炉内上部空間及びスラグ9上面からは常に熱が失われ、炉内上部空間及びスラグ9の温度が低下する。この対策として、炉内上部空間にLPGなどを燃料としたバーナー8により熱を補うことができるようにしている。
炉本体7の左右両端の上部に設置されたバーナー8は、保持炉1内部の溶銑6及びスラグ9の上部の空間を加熱し、雰囲気加熱によりスラグ9全体の温度を一定に保持する。
この実施形態では、廃プラスチック用の投入口4pから廃プラスチックの成型体を保持炉1に投入し、廃プラスチック成型体の燃焼熱により、スラグの温度を一定に保持することができるようにしている。したがって、バーナー8が設置されていても、高価なLPGなどの燃料を使用することなく、あるいは、少量の使用で、スラグの温度を一定に保持することができる。また、バーナー8が設置されていない保持炉にも適用することが可能である。
次に、廃プラスチックを塊状の成型体に成型する一方法について述べる。
廃プラスチックの成型には押出成型機などが使用される。プラスチックはバージン材を使用することも可能であるが、廃プラスチックを用いることが、環境面から廃プラスチックの有効利用に寄与すること、及びコスト面で有利である。
廃プラスチックは収集の過程で異物を含む場合が多いため、破砕した後に、風力選別、磁力選別などにより、廃プラスチックの破砕物から異物を除去することが望ましい。
廃プラスチックの破砕物をヒーターによって加熱して溶融しながら、押出成型機本体に内蔵されたスクリューで、廃プラスチックに含まれる複数種類のプラスチックを混練し、円柱形状に押出成型して成型体を得る。廃プラスチックの溶融物が棒状に押出成型された成型体をカッターなどで切断し、円筒状の成型体(廃プラスチック成型体)を製造する。
その際に、成型作用及び搬送作業の効率の向上のために、及び、保持炉1内に投入された廃プラスチック成型体が保持炉1内部のガスの流れにより出湯口2から排出されることなく保持炉1内のスラグ面まで落下到達しやすくするために、廃プラスチック成型体には一定以上の重量があった方が望ましいので、廃プラスチック成型体の体積球相当径が20mm以上であることが好ましい。なお、ここでいう体積球相当径とは廃プラスチック成型体の体積を、同体積の球に換算した場合の球の直径を意味する。
一方、体積球相当径が大きな廃プラスチック成型体では、廃プラスチックの熱分解、ガス化、燃焼に至るまでに時間を要し、時間当たりの発熱量が設計した値を下回る可能性がある。この点については、例えば廃プラスチック成型体を平均断面径が小さく、平均長さの大きな棒状に成型することで対処することが可能である。しかし、廃プラスチック成型体を平均断面径が小さく、平均長さの大きな棒状に成型することは、搬送作業中に詰りや棚つりが発生し易くなって、搬送作業が中断する可能性があるので、体積球相当径は200mm以下であることが好ましい。
そして、詳細は後述する[実施例]で述べるが、保持炉1内の温度を保持する際に、廃プラスチック成型体を、129〜429g/(h・t)の標準化投入速度で、保持炉1に投入する。より好ましくは、257〜429g/(h・t)の標準化投入速度で、保持炉1に投入する。
ここで、標準化投入速度は、廃プラスチック成型体の実際の投入速度を保持炉1の溶銑貯蔵最大量で除して標準化した投入速度である。逆に言えば、標準化投入速度に保持炉1の溶銑貯蔵最大量を掛ければ、廃プラスチック成型体の実際の投入速度となる。
なお、標準化投入速度129〜429g/(h・t)、257〜429g/(h・t)については、常に上記の標準化投入速度の範囲内に収まっていればよいわけであるが、場合によっては、上記の標準化投入速度の範囲を外れることがあったとしても、所定時間(例えば、1時間)毎の平均値が上記の標準化投入速度の範囲内に収まっていればよいとしてもよい。その際には、連続的な投入だけでなく、断続的な投入であってもよい。
そして、使用する廃プラスチックとしては、生産量が多く、廃プラスチックとして収集される可能性の高い、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性プラスチックおよび熱可塑性プラスチックの混合物が適している。
また、廃プラスチックに、カーボンニュートラルであるバイオマスや、ダスト、スラッジなどの鉄源を加えて廃プラスチック成型体を成型してもよい。
このようにして、この実施形態によれば、保持炉1において、廃プラスチックを利用することによって、プロパンやメタンなどの高価な燃料を不使用または少量の使用で、炉内の溶銑及びスラグの温度を効率的に保持することができる。
なお、この実施形態では、廃プラスチックを成型体にして、保持炉1に投入しているが、場合によっては、廃プラスチックを成型体にせずに、保持炉1に投入することも考えられる。
本発明の実施例として、図1、図2に示した保持炉1を用いて、高炉から出湯された銑鉄を、転炉で脱炭処理するまでの間一時的に貯蔵した。
保持炉1は、溶銑貯蔵最大量が1400トン、炉下部に加熱能力が2MWの溝型誘導加熱装置を4基備え、炉上部に炉内の上部空間及びスラグの加熱のためのバーナーを2基備えていた。
実施中の溶銑貯蔵量はおよそ800トン〜1350トン、貯蔵中の溶銑温度は1400℃を目標とし、若干の温度変動はあったものの概ね1398℃〜1406℃の間で操業した。
また、投入する廃プラスチック成型体は、平均断面径35mm、平均長さ80mmに成型加工したものを使用した。この廃プラスチック成型体の体積球相当径は53mmである。また、廃プラスチック成型体は、燃焼熱が7000kcal/kg以上であるものを使用した。
そして、廃プラスチックの成型体を廃プラスチック用投入口4pより連続的に保持炉1に投入した。このとき、バーナー8にはLPGの供給を停止し、廃プラスチック成型体の燃焼に必要な量の空気をバーナー8を経由して保持炉1内に供給した。
そして、実施した従来例(従来例1、2)、比較例(比較例1〜3)、本発明例(本発明例1〜10)について、その実施条件と実施結果を表1と図3、図4に示している。
その際に、廃プラスチック成型体の投入速度の指標としては、前述したように、廃プラスチック成型体の実際の投入速度を最大貯銑量(ここでは、1400t)で除した値である標準化投入速度を用いた。
また、保持炉1のスラグの温度を評価する方法については、消耗型の温度計であるサブランスプローブを使用して、溶銑の温度を測る際に同時に測る方法が考えられるが、保持炉1ではスラグ層の厚さが転炉に比べて薄いため測定が難しく、また継続的に測定することは困難であることから、炉内上部に設置された熱電対で測定した保持炉1内の上部空間の温度を指標とし、「炉内上部空間温度」と表記することとした。
ちなみに、表1に記載の炉内上部空間温度は、それぞれの例において、出湯前の時点で測定した炉内上部空間温度である。
なお、保持炉1のスラグの温度を評価するための別の方法として、スラグの表面の色を観察する方法が考えられる。スラグの表面の色は温度が低くなるにつれ白橙色、赤褐色、暗赤色に変化する。経験的にスラグ上面が暗赤色となるまでスラグの温度が低下すると、スラグの固化が懸念される。そこで、スラグの表面の色を指標とし、「スラグ表面観察」と表記することとし、評価としては、白橙色は◎、赤褐色は○、暗赤色は×で表記した。
さらに、保持炉1のスラグの温度を評価するための別の方法として、1回の出湯あたりに排出されたスラグの量で評価する方法が考えられる。1回の出湯あたりの出湯量をほぼ180tの一定量として、排出されるスラグの量を記録した。排出されたスラグの量を指標とし、「排出スラグ量」と表記することとし、評価としては、0.5t以上を◎、0.5t未満を○とした。
次に、加熱に必要なLPGあるいは廃プラスチック成型体のコストを評価するために、従来例2においてLPGにより2400Mcal/hの加熱を行った場合に必要なLPGの費用を1.00とした時に、使用した廃プラスチック成型体の価格を「燃料価格」と表記することとし、評価としては1.00未満を○、1.00以上を×とした。このとき、炉前までの運搬費込のLPGの価格は100円/Nm、LPGの熱量は24000kcal/Nm、廃プラスチック成型体の価格は15円/kg、廃プラスチック成型体の熱量は7000kcal/kgとして計算した。
最後に、総合評価として、スラグ表面観察評価、排出スラグ量評価、燃料価格評価のいずれかの評価が×であったものは総合評価を×とした。また、スラグ表面観察評価、排出スラグ量評価、燃料価格評価のうち評価の◎が2つ以上あったものは総合評価を◎とし、評価の◎が1つであったものは総合評価を○とした。
まず、従来例1、2は、従来通り、廃プラスチック成型体を投入しなかった場合である。従来例1は、保持炉1内部の上部空間に2基設置されたLPGバーナー8のうち1基を使用し、保持炉内部を加熱した場合を示し、従来例2は、保持炉内部の上部空間に2基設置されたLPGバーナー8の両方を使用し、保持炉内部を加熱した場合を示している。
その結果、従来例1、2は、いずれも総合評価が×であった。
次に、比較例(比較例1〜3)と本発明例(本発明例1〜10)は、廃プラスチック成型体を投入した場合である。
それらのうち、比較例1は、廃プラスチックを86g/(h・t)の標準化投入速度で保持炉1内に投入した場合を示す。このとき、炉内上部空間温度は800℃まで低下し、スラグ上面は暗赤色となり、スラグの固化が懸念されたため、中断し出湯も中止した。
その結果、比較例1は、総合評価が×であった。
これに対して、本発明例1〜10は、廃プラスチック成型体を129〜429g/(h・t)の標準化投入速度で保持炉1に投入した場合である。このとき、炉内上部空間温度は出湯前の時点で855℃以上であり、スラグの排出は良好であった。特に、廃プラスチック成型体を257〜429g/(h・t)の標準化投入速度で保持炉に投入した場合には、炉内上部空間温度は出湯前の時点で970℃以上であり、スラグの排出は1回の出湯で0.5tを越え良好であった。
その結果、本発明例1〜4は、いずれも総合評価が○であり、本発明例5〜10は、いずれも総合評価が◎であった。
一方、比較例2、3は、廃プラスチック成型体を514g/(h・t)の標準化投入速度で保持炉内に投入した場合を示す。このとき、炉内上部空間温度は出湯前の時点で1042℃まで上昇したが、スラグの排出量は一回の出湯で0.8tであり、廃プラスチック成型体を343g/(h・t)の標準化投入速度で投入した本発明例8と変わらなかった。図3及び図4からも、429g/(h・t)を越える速度で廃プラスチック成型体を投入しても、出湯前の時点での炉内上部空間温度の上昇、及び、1回の出湯あたりの排出スラグ量の向上は期待できないことが推定できる。
これは、廃プラスチック成型体の投入量がある一定以上の量を越えた場合には、廃プラスチックの燃焼ガスの発生量が増加する一方で、炉内上部空間の容積には限りがあるため、発生した燃焼ガスが出湯口2などから炉外に排出される割合が増え、廃プラスチックの燃焼熱がスラグの温度上昇に有効に利用される割合が減少するためと推定される。すなわち、廃プラスチック成型体を514g/(h・t)より大きな標準化投入速度で保持炉1に投入した場合には、廃プラスチック成型体の原単位の増加を招くのみで、スラグ排出量向上の効果が得られないため、望ましくない。
その結果、比較例2、3は、いずれも総合評価が×であった。
本発明によれば、廃プラスチックを保持炉内に所定の投入速度で投入することで、安定して保持炉で廃プラスチックを利用することが可能となり、また、廃プラスチックの燃焼熱によりスラグを加熱し、スラグの上部の空間の温度を高め、スラグからの熱の移動を抑制することにより、プロパンやメタンなどの高価な燃料を不使用または少量の使用で、溶銑及びスラグの温度が低下した場合に必要に応じてそれらの温度を回復する手段を、一般的に保持炉に備えられている設備を利用して提供することができる。
1 保持炉
2 出湯口
3 溶銑投入口
4 開口部
4p 廃プラスチック用投入口
5 誘導加熱装置
6 溶銑
7 炉本体
8 バーナー
9 スラグ

Claims (5)

  1. 保持炉で廃プラスチックを利用する方法であって、
    保持炉内の温度を保持する際に、廃プラスチックの実際の投入速度を前記保持炉の溶銑貯蔵最大量で除して標準化した標準化投入速度が129〜429g/(h・t)となるように、廃プラスチックを前記保持炉に投入することを特徴とする保持炉での廃プラスチックの利用方法。
  2. 標準化投入速度が257〜429g/(h・t)となるように、廃プラスチックを前記保持炉に投入することを特徴とする請求項1に記載の保持炉での廃プラスチックの利用方法。
  3. 廃プラスチックを破砕して破砕物とし、該破砕物を成型加工して廃プラスチックの成型体を得ておき、該廃プラスチックの成型体を前記保持炉に投入することを特徴とする請求項1または2に記載の保持炉での廃プラスチックの利用方法。
  4. 体積球相当径が20mm以上200mm以下となるように成型加工して廃プラスチックの成型体を得ることを特徴とする請求項3に記載の保持炉での廃プラスチックの利用方法。
  5. 前記保持炉に、廃プラスチック専用の投入口を設けておくことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の保持炉での廃プラスチックの利用方法。
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