JP3830900B2 - 炭素ベースの冶金を実行するための方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素材料を利用した金属酸化物からの金属精製に関するものであり、1999年2月1日に提出され、Art Unit 1742に指定された係属中の特許文献1に含まれる開示内容を向上させたものである。特に、この発明には、原材料の供給、その加熱、及びそれら原材料を互いに反応させることに関する前記の特許文献1に開示されている材料の更なる改良点が取入れられている。更に、本明細書には、溶融作業及びスラッギング作業に関して付加的な改良点が開示されており、それにより、環境に優しく、且つ金属製造に関して価格競争力を有する、それらの作業を実行するための効果的な統合されたプロセス及び装置が提供される。
金属原材料を鉄製品若しくは非鉄製品に処理するための現存の方法が、非効率的であり、汚染行為であり、且つ資金調達、作業、及び調整に非常に費用がかかることは公知である。更に、非常に高い温度に曝されることや、有害な粉塵及び汚染ガスの吸入が原因で、これらの業界の作業者に健康面で被害を与えてしてしまう等の問題が存在している。
本明細書で開示されている方法及び装置は、粉塵、廃棄物、及びリバート(revert)を含んでいる鉄、アルミニウム、銅等の種々の金属鉱石の処理に対する適用性を有している。鉄鉱石は、冶金の分野で支配的な材料であり、一例として、本出願の開示では、溶融鉄を生成するべくオキシダントを用いて「酸素融解(oxymelting)」と呼ばれる融解処理がなされる鉄/炭素製品を製造するための、石炭等の炭質材料を用いた「炭素処理(carbotreat)」と呼ばれる鉄鉱石の処理に焦点が当てられている。
特許出願第09/241,619号
本開示の主な目的は、エネルギー効率がよくて温暖化ガスを減少させる金属原材料の処理方法及び装置を提供することである。
本発明の別の目的は、環境汚染を防止するべく閉じた系のなかで行われ、環境保護局及び一般市民を含む種々の団体によって許容されること、及び受入れられることが容易な金属原材料の熱的な処理方法及び装置を提供することである。
本発明の更に別の目的は、低コストの製品の製造を可能にする機能的に効率のよい金属原材料の熱的な処理方法及び装置を提供することである。
本発明の更に別の目的は、設備への融資が容易化され、且つ雇用が創出されるように、必要となる設備投資が安価である金属原材料の熱的な処理方法及び装置を提供することである。
本発明の更に別の目的は、作業条件の危険性と、健康に関わる長期間の有害な影響との両方の観点において、雇用者に有害でない金属原材料の熱的な処理方法及び装置を提供することである。
本発明の他の目的は、以下の説明及び添付の請求項から明らかになるであろう。金属ユニットを製造するこの方法を実行するための所定の装置の構造と、それらの装置が、鉄が、直接還元鉄、ホット・ブリケット・アイアン、鉄/炭素製品、及び溶融鉄の形態にされるのにどのように関係しているかと図示ている添付の図面も参照されたい。この溶融鉄はその後に、直接的に鋼鉄に変換されてもよいし、冷却されて、加工設備に固形物として輸送される銑鉄に鋳造若しくはキャストされてもよい。ここで開示される方法及び装置は、鉄を有する材料の加工にのみ制限されるものではないことを理解されたい。
本発明の詳細を説明する前に、本発明が、添付の図面に図示されている配置若しくは詳細な記述に制限されるものではなく、別の実施例を用いて実施することも可能であることを理解されたい。同様に、本明細書に含まれる専門用語は、説明を目的としたものであり、制限を目的としたものでないことも理解されたい。
図1を参照すると、鉄/炭素製品を製造するために、石炭を用いて鉄鉱石の処理(この処理は、以下で「炭素処理(carbontreating)」と呼ぶ)が行われる反応器10が示されている。溶融金属及びスラグを作るように、オキシダントを用いて鉄/炭素製品の融解(以下で「酸素融解(oxymelting)」と呼ぶ)が行われる溶融室/ホモジナイザが、符号11によって示されている。直立管12が、溶融室/ホモジナイザ11に接続されている。溶融金属及びスラグを受取るように金属貯槽13が設けられている。図4を参照すると、原材料を収容するための貯蔵システム14が示されており、該システム14は、例えば、鉱石、石炭、及び溶剤等の供給材料を各々貯蔵するためのホッパ58、59、及び60を有している。材料ミキサ61は、上側弁84及び下側供給調整部62を備えているロック・ホッパ36に前記の原材料が搬送される際に、それらを混合するように機能する。
本方法を実行し得る構造をより詳しく説明するために、再度、図1を参照すると、反応器10は、該反応器10の装入端部にラム16を備え押込装置15を有している。この押込装置15は、ホッパ36から落下した混合供給材料をキャビティ17の中に押込むように機能する。押込装置15によって作動されたラム16は、供給材料を加圧して、長手方向に沿ってテーパされている処理チャンバ28の内部に該材料を進める。処理チャンバ28は、キャビティ17に接続されており、圧力シェル26、絶縁材27、及び壁加熱要素25から構成されている。バーナ19が、入口ポート29を介して加熱要素25と通じている。加熱要素25には、図2に示される通路53が設けられている。通路53は、入口29を通してバーナ19からの高温のガスを方向付ける導管として機能し、それにより、高温のガスは、処理チャンバ28の長手方向に沿って、該通路(送気管)53を通って流れて、出口30を介してそのチャンバから退出する。チャンバ28の排出端部20は、エルボ21に取付けられる。エルボ21は、絶縁材で支持される反射壁23を備え、且つ圧力ケーシングの内部に収容されるように設計されており、それにより、排出端部20で炭素処理がなされる材料に対して強い熱エネルギーを反射するように放射ゾーンを形成する。1ランス(若しくは複数のランス)22が、エルボ21の中に取付けられており、進んでくる材料に向かって前進若しくは後退できるように適合されている。制御部24は、空気/酸素及び冷却材によって作動するランス22制御するべく機能する。更に、ランス22には、始動の目的で燃料が含まれてもよい。
反応器10は、還元材料(鉄/炭素製品)をチャンバ28から、移行部分32によって溶融室/ホモジナイザ11と連通している。溶融室/ホモジナイザ11は、シェル85、ライニング86、上部87及び下部88を有する。第2ランス34は、空気若しくは酸素(若しくはその2つを配合したもの)の形態でオキシダントを提供するように機能し、それにより、鉄/炭素製品内の炭素をプロセス中で生成されたガスと反応させて、溶融鉄42と溶融鉄42の上部に浮遊する溶融スラグ43とが産出されるように、鉄/炭素製品中の還元鉄を融解するのに必要な熱を供給する。冷却状態に保持されるランス34は、そのレベルを溶融室/ホモジナイザ11の内部で作業する高さに調整するように、ホイスト39を用いて上昇及び下降れる。溶融室/ホモジナイザ11の下部に配置されているドレイン/ポート31は、直立管12と接続されている。ドレイン/ポート31を通って、ガス、溶融鉄、及び溶融スラグが流れる。ガス排出部47が直立管12に設けられており、それにより、制御目的で、ガスの副流が転換されて、収集用本管37を介してサイクロン46に方向付けられる。大量のガス流が鉄及びスラグと共に流れる際に、溶融鉄及び溶融スラグが共に、貯槽13の中に落とし込まれる。排出部47と連通しているサイクロン46によって、排ガスから粒子物質が除去される。サイクロン46の底部には、サージ・ホッパ40が備え付けられており、そこからロック・ホッパ41、制御弁44及び45、ロック&アンロック・ロック・ホッパ41の中に送込まれることにより、粒子物質が排出されて、大箱33中に収集されて、その物質を反応器10の中に装入することで再利用される。圧力制御装置50は、溶融室/ホモジナイザ11及び反応器10及び直立管12の背圧を制御するためにサイクロン46の下流に配置される。又、当技術分野で公知の更なるガス処理(図示せず)が容易化されるように、副流はダクト49を介してシステムから退出される。
溶融室/ホモジナイザ11の底部88は、円錐状に構成されており、ドレイン/ポート31が直立管12と接続されており、更に、直立管12は、その末端が液中にあるように金属貯槽13に接続されている。溶融金属及び溶融スラグが溶融室/ホモジナイザ11を出ても凝固しないことを保証するように、補助的な熱を提供するための誘導加熱コイル手段35が設けられている。そのような凝固が生じる場合、特に、溶融室/ホモジナイザの運転が停止した場合、誘導加熱手段35には、凝固した鉄及びスラグを融解するように電圧が印加される。直立管12のライニングは、誘導加熱手段35が結合され得る材料でできている。金属貯槽13は、ローラ・セクション・ベッド93に対して回転するようにされているライニングされたチャンバで構成されており、それにより、溶融鉄42がタップ・ホール55を介して取鍋51の中に注がれて、且つスラグ43が注ぎ口54を介してポット52の中に注がれる。
図3を参照すると、チャンバ28の長手軸方向に沿った加熱要素25が除去されている修正された構成が符号10で示されている。この構成では、熱の投入は、ベッド28の中に突き通されるように適合されたランス22を介して、点火後にオキシダントを用いて行われる。ランス22には、複数の方向にオキシダントを噴射するための多方向ノズルを有し得る噴射先端部が設けられている。装入された石炭から生じるガス、及び混合された石炭及びコークスを燃焼させるように、ランス22に補助オキシダント開口部92が設けられている。加熱チャンバ28は、一部金属117であり、且つ一部耐火材27である複合構造で作られていてよい。
再度、図4を参照するとバッテリ104を形成するように、反応器10等の複数の反応器が並行して取付けられている構成になっており、この反応器10によって、共通の溶融室/ホモジナイザ11の中に鉄/炭素製品が排出される。地面に配置されている反応器10は予備として機能する。クレーン63が、サービス・バッテリ104に付加されてもよい。
図5では、本発明は、別の場所で融解され得る鉄/炭素製品若しくは直接還元鉄(DRI)を製造するように構成されている。反応器10は、下流サージ・ホッパ64を備えており、更に冷却器65が続いている。冷却器65は、冷却スクリュー式供給機を含む複数の公知の手法のうちの1つを取り得る。この冷却器によって、冷却されたDRI若しくは鉄/炭素製品がサージ・ホッパ66の中に供給される。サージ・ホッパ66の下にあるのが、ロック・ホッパ67であり、弁68及び69を用いて、製品のDRI若しくは鉄/炭素製品を密封された方法で大気中コンベヤ70上に排出することを可能にする。図6に図示されており、且つ以下で説明されるサイクロン95と類似のサイクロンが、同伴の粒子物質の分離に用いられてもよい。
図6を参照すると、符号10が反応器であり、符号21がエルボーである。エルボー21の下に移行部分94が設けられており、その移行部分を通して、炭素処理をされた材料が、ホット・ブリケッタ71の上に降下管73経由で排出される。ホット・ブリケッタ71は、炭素処理された材料からブリケットを形成するように適合されている。スクリュー式供給機72は、ブリケッタの中への供給を制御するようにブリケッタ71の上流に配置されている。ブリケッタ71の下に、ロック・ホッパ75が後に続くサージ・ホッパ74が設けられており、それにより、形成されたブリケットが大気中コンベヤ70上に排出される。弁76及び77は、ロック・ホッパ75をロック及びアンロックするように機能する。
行部分94に隣接して、パイプ78を用いてサイクロン95が取付けられており、高温ガスがサイクロン95を通過して、ガスから粒子物質が除去される。カスケーディング・バッフル89等の衝面を備えている移行部分94によって、高温の炭素処理された材料は離散されて、過剰な粒子材料が放出される。排ガス中に同伴して残存するそのような物質は、サイクロン95内で分離される。サイクロン95は圧力制御手段98を備えており、サージ・ホッパ96はロック・ホッパ97が後に続いている。ガスから除去された再利用される(図示せず)粒子物質を受取るように、収集用大箱79が、ロック・ホッパ97の下に配置される。
図7において、鉄/炭素製品を収容す118が、ロック・ホッパ75の下に提供されてもよく、又、更なる処理のためにリフト・トラック等の公知の手段のうちの任意の1つを用いて輸送されてもよい。高温の製品を受取って、熱エネルギーの保持、及び製品の再酸化の防止が可能であるように、箱118は断熱がなされる方法で設計されている。
次に、金属鉱石で囲まれている芯材として炭素材料を供給するための構成を説明するために、図8を参照されたい。炭素材料(燃料)を収容するためのホッパ81と、鉱石を収容するためのホッパ82とを有する、材料貯蔵配置80が提供されている。供給機101及び102によって、ホッパ81及び82からの各々、燃料及び鉱石の流れが制御される。弁103及び105は、ロック・ホッパ81のために機能し、弁104及び106は、ロック・ホッパ82のために機能する。装入管83は、材料貯蔵室80の底部に設けられており、一方の側には、装入装置90が配置されており、他方の側には、反応器10が配置されている。装入装置90は、押込ラム99及び押込プランジャ100で構成されており、ラム99は、シリンダ107等のアクチュエータ手段によって前進及び後退されて、押込プランジャ100は、シリンダ108等のアクチュエータ手段によって前進及び後退されて、それにより、ラム99若しくはプランジャ100のいずれに対しても独立的な運動が提供されており、プランジャ100は、環状構成であるラム99の内部に収納されており、更に、ラム99は、装入管83の内部に収納されている。ラム99は、装入孔109を横切っており、それにより、プランジャ100が後退位置になっている場合に、キャビティの中に燃料が落下する。以下の、芯材を形成するための動作の説明の際に、図8−1乃至図8−6を用いて更なる説明される。
(動作の説明
本明細書で開示されている方法及び動作の説明において、その内容は、以下の通りである
(i)鉱石及び石炭を供給するモード、及び鉱石を炭素処理して金属/炭素製品を生産するためにそのような材料を加熱するモード
(ii)溶融金属を生産するため、酸素融解を介する金属/炭素製品融解
装入された金属酸化物(鉱石)の中に燃料芯材が形成される炭素処理に関して、図8、一連の図8−1乃至図8−6、及び図9を参照されたい。図8−1では、ラム99及びプランジャ100が共に前進位置にあり、燃料芯材が符号110で示されており、それを囲んでいる酸化物が符号111で示されている。プランジャ100が、シリンダ108によって図8R>8−2で示される位置に後退されるのに対して、ラム99は、前進位置に残されている。定量の燃料(石炭)112が装入孔109を介してキャビティ113の中に落とされる。次に、図8−3に示されているように、前回のサイクルの際に装入及び圧縮がなされた燃料芯材に向かってプランジャ100が途中まで前進される。次に、プランジャ100を前進位置の途中で一時停止させたまま、シリンダ107のフル・ストロークを用いてラム99が後退される。図8−4で示されているように、空洞がプランジャ100の周囲にできており、所定量の酸化物114が、この空洞115の中に落とされる。このステップに続いて、ラム99及びプランジャ100が同時に進められる。最初に、図8−5において符号116で示されるように、疎らな材料の圧縮が開始される。ラム99及びプランジャ100が前進するにつれて、酸化物の内部に芯材が形成されつつ、且つ酸化物が燃料芯材を全体的に囲みつつ、燃料及び酸化物が完全に圧縮されていく。図8に示されるように、圧縮後もラム99及びプランジャ100の両方のストロークは前進が続けられて、反応器10全内容物が移動されて、それにより、高温金属/炭素製品が反応器10の排出端から排出される。そのような製品の排出は、ラム99及びプランジャ100が前進位置に達するフル・ストロークになった時点で停止される。ラム99及びプランジャ100のストロークの終わりには、図8−6で示されるラムとプランジャとの関係は、図8−1に示されるものと同じになっている。この時点で、サイクルが完了する。燃料芯材110の形成が周期的に進行されて、それにより、図9に断面が示されている、酸化物111で囲まれた芯材110が提供される。従って、この繰返しサイクルによって、反応器10のチャンバ28の長手方向に沿って、酸化物で囲まれた燃料芯材が提供される。
図1、図3、及び図4に関連した炭素処理の動作は以下のとおりである。
この方法において、既に、定常状態且つ定圧になっており、材料排出システム14内に収容されている鉱石(好適には、微細で濃縮された形態になっている)、石炭、及び溶剤が、適切に混合されて、ホッパ36を介して処理チャンバ28内の空洞17の中に供給されているものと仮定する。次に、図1において反応器10の装入端に濃い色符号18)で示されているように、概ね不浸透性になる程度にまでその混合物を圧縮するように、ラム16が押込装置15によって作動される。混合物は、反応器10のチャンバ28内を進むにつれて、以下の加熱方法、即ち、放射、誘導、対流、若しくはこれらのシステムを任意に組合わせた方法のいずれかによって加熱されて、それにより、石炭からのガスの放出が生じ、且つこのガスが、混合物の不浸透性によってチャンバ28内を排出端20に向かって流れるように強制される。これらのガスの一部は、排出端で燃焼されて、高い放射ゾーンを提供する。このゾーンによって、混合物に強い熱エネルギーが反射されて、混合物は、鉱石中の酸素が石炭から遊離された非常に還元性の強いガス、及び/又は石炭からの残留炭素と反応を生じる温度に加熱されて、それにより、鉱石が溶融鉄に還元される。混合物への熱移動を向上させるように、ランス22等のランスが設けられている。このランスは、チャンバ28内の材料の混合物が前進する際に、空気、酸素、若しくはその両方を組合わせた形態のオキシダントをその混合物中に噴射するように適合されている。更に、冷却材を用いて冷却状態に保持されているこれらのランスは、最適な熱移動のために前進及び後退できるように適合されている。オキシダント・ランスの噴射の変形実施例は、燃焼後に混合物中への熱移動を更に向上させるように、オキシダントの補助的噴射を伴っており、図1及び図3に示されるように、混合物自体の中に侵入する形態をとっていてもよい。チャンバ28の壁を通して伝導熱が供給されない場合には、燃焼を開始するための酸素−燃料(石炭、ガス、若しくは油)バーナの形態であってよい。但し、この場合には、一度、石炭中の石炭ガス及び炭素の燃焼が安定状態になってしまえば、ランスからの燃料投入が停止されて、石炭及びそのガスによって反応を保持するための熱エネルギーが提供されて、それにより、溶融室/ホモジナイザ11の中に排出される鉄/炭素製品が製造されるということが、条件となる。代替的な配置として、鉱石上に微粉炭が噴射される等のランス22を通して燃料が供給される配置が用いられてもよいし、若しくは本明細書で説明されている配置、及び当技術分野で公知であるその他の配置を組合わせたものが用いられてもよい。
この方法により製造された鉄/炭素製品は、鉄鉱石の容積密度と比較した場合に、特に、溶融金属と比較した場合に、非常に軽量であり、更に、反応器10から排出されるので、鉄/炭素製品の大きさが多種多様であり、不均一である。そのような製品が溶融金属及びスラグを含む溶融室の中に排出されると、鉄/炭素製品はスラグ及び溶融金属の上部に浮遊する傾向を有し、この鉄/炭素製品を容易に溶液にすることができないので、生産の遅延及びエネルギー損失が生じてしまう。このために、溶融鉄及び溶融スラグが形成された際にそれらを排出することが可能な溶融室/ホモジナイザ11の形態で、溶融金属及び溶融スラグの槽のないホモジナイザとしても機能する溶融室が提供される。
次に、図1を参照して、金属/炭素製品の酸素融解について説明する。溶融室/ホモジナイザ11の内部で、降下管32を介して反応器10から供給される高温の鉄/炭素製品を融解するように、ランス34によってオキシダントが提供される。このオキシダントが炭素処理ステップで生じた炭素及びガスと反応して、鉄/炭素製品の中の鉄、酸化鉄の一部の脈石、石炭の灰、及び添加剤として用いられる溶剤/脱硫材料を融解させる強いエネルギーを放出し、それにより溶融鉄及び溶融スラグが生じる。この組合わせが、生成された種々の高温加圧ガスと共に、ドレイン/ポート31を介して溶融室/ホモジナイザ11を連続的に出て行く。ドレイン/ポート31を通って流れるそのようなガスによって、先端部が貯槽13の内部の溶融金属の液中に沈められている直立管12を利用した、溶融室/ホモジナイザ11から貯槽13の中への溶融鉄及びスラグの流れが保持される。先端部が液中に沈められていることによって、システム内の圧力を保持する液体シールが提供されている。
制御弁50を用いて、反応器10、溶融室/ホモジナイザ11、及び直立管12内の背圧の平衡状態が保たれる一方で、反応器10内の炭素処理の際に生成されたガス、及び溶融室/ホモジナイザ11内で酸素融解されたガスが、溶融金属及び溶融スラグと共に貯槽13に案内されて、そのようなガスは浴槽で泡として放出され、ノズル119を通したオキシダントの噴射によって、付加的なエネルギーが放出されるように燃焼される。図示はされていないが、当技術分野で公知の処理を行うために、この排ガスはフード120内に収集される。そのようなガス中に同伴している金属粉塵、炭素、及び灰は、洗浄装置として機能する浴槽のおかげで浴槽内に残存し、それにより、溶融金属の収率が増大される。本管37を通って流れる前記ガスの副流は、弁50を用いた圧力制御に用いられて、処理を行うために排出部47を介してサイクロン46に方向付けられる。サイクロン46内で分離された粒子材料は、供給材料と、必要に応じて、誘導加熱部35によって直立管12内に保持されている補助熱とを用いて再利用される。反応器10の内部での作業及びの溶融室/ホモジナイザ11の内部での作業は、石炭から生じる硫黄を除去するために効率的な脱硫化条件を提供するのと同時に、鉄の再酸化の防止、及びNOx及びCO2の生成の最小化のために、意図的に還元性に保持されている。
非鉄材料に対して本発明を適用する場合、開示されている内容の変形が生じ得るが、しかしながら、本発明がこの開示内容の精神から外れるものではない。概して言えば、本明細書により提示されているのは、本発明によって、安価な原材料を利用可能で、エネルギー効率がよく、環境に優しく、且つ必要な設備投資が低く抑えられる、従来式の実行方法/冶金を上回る重要な改良が提供されるということである。
図1は、溶融金属を作るべく次に溶融がなされる金属/炭素製品の製造方法を実行するのに用いられる装置を図示したものである。 図2は、その内部で炭素処理が生じる、図1に図示されている反応器の2−2線での断面図である。 図3は、図1に図示されている反応器チャンバの変形実施例である。 図4は、図1の端面図であり、単一の溶融室/ホモジナイザの中への排出を行う複数の反応器が図示されている。 図5は、直接還元鉄ユニットを製造し、且つそのようなユニットを大気中への排出前に冷却するための配置である。 図6は、大気中への排出前にブリケッティングがなされる鉄ユニットを製造するための更に別の配置である。 図7は、エネルギー保存及び再酸化防止のために絶縁及びシールがされている容器中への熱還元された金属ユニットの排出が図示されている。 図8は、システムへの材料の供給を図示したものであり、図8−1乃至図8−6の一連のステップによって供給が行われる。 図8−1は、燃料の芯材が生成されており、且つ還元される鉱石によってそのような芯材が取り囲まれている、供給達成のための装置の配置が図示されたものである。 図8−2は、燃料の芯材が生成されており、且つ還元される鉱石によってそのような芯材が取り囲まれている、供給達成のための装置の配置が図示されたものである。 図8−3は、燃料の芯材が生成されており、且つ還元される鉱石によってそのような芯材が取り囲まれている、供給達成のための装置の配置が図示されたものである。 図8−4は、燃料の芯材が生成されており、且つ還元される鉱石によってそのような芯材が取り囲まれている、供給達成のための装置の配置が図示されたものである。 図8−5は、燃料の芯材が生成されており、且つ還元される鉱石によってそのような芯材が取り囲まれている、供給達成のための装置の配置が図示されたものである。 図8−6は、燃料の芯材が生成されており、且つ還元される鉱石によってそのような芯材が取り囲まれている、供給達成のための装置の配置が図示されたものである。 図9は、図8の9−9での断面図である。

Claims (49)

  1. 溶融金属及び溶融スラグを作るべく次に溶融室内で融解される高温の金属/炭素製品を製造するように、装入端部及び排出端部を各々が備えている1以上のチャンバ内で炭素材料を用いて金属酸化物を熱的に処理するための方法であって、
    前記金属酸化物を前記炭素材料と効果的に反応させるために、前記金属酸化物が前記炭素材料の芯材を囲むように前記の1以上のチャンバの前記装入端部に前記金属酸化物及び前記炭素材料を供給し、且つ前記金属酸化物及び前記炭素材料を前記の1以上のチャンバの前記排出端部に向かって強制的に移動させるステップと、
    前記炭素材料内に含まれるエネルギーの少なくとも一部が利用されるような方法でオキシダントを噴射して、熱エネルギーを放射させて還元性の加圧ガスを生成して、前記金属酸化物を還元させて高温の金属/炭素製品を形成するステップと、
    前記の高温の金属/炭素製品を前記の1以上のチャンバから前記溶融室の中に排出するステップと、
    前記溶融室内の前記金属/炭素製品を加熱して、加圧された高温の排ガス、溶融金属、及び溶融スラグを生成するステップと、
    前記排ガス、前記溶融スラグ、及び前記溶融金属を分離するステップとを有することを特徴とする方法。
  2. オキシダントを噴射する前記ステップは、前記の1以上のチャンバの前記排出端部の中に前記オキシダントを噴射するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶融室内で前記金属/炭素製品を加熱するステップは、前記溶融室内で前記炭素材料の少なくとも一部を消費するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 更に、前記1以上のチャンバ内の圧力を平衡に維持するように制御するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 更に、補助加熱として溶融室に誘導加熱を提供するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記オキシダントは、素であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記オキシダントは、空気を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記オキシダントは、酸素が豊富な空気であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 更に、処理される前記金属酸化物及び前記炭素材料に向かって熱エネルギーを反射して、放射によって効果的な熱移動を行い、前記金属酸化物の金属/炭素製品への転換が加速されるように、前記の1以上のチャンバの前記排出部の下流に放射加熱ゾーンを提供するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 更に、前記チャンバ内の前記材料を付加的に加熱するように、前記チャンバの壁の内部に設けられた送気管を通して高温のガスを通過させることにより前記チャンバを加熱するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. 前記金属酸化物の還元を更に加速させるように、その中でガスを燃焼させることによって、前記放射ゾーン内に付加的なエネルギーが導入されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  12. 前記チャンバの前記排出端部で処理される前記金属酸化物及び前記炭素材料の新しい面が繰返し提供されるような方法で、前記チャンバ内の前記金属酸化物及び前記炭素材料が進められて、且つ前記チャンバから排出されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. 更に、前記溶融金属及び前記溶融スラグを貯槽の中に案内するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  14. 更に、液体シールを提供するように、前記溶融金属及び前記溶融スラグを貯槽の中に、液中の状態で案内するステップを有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 汚染物の放出を防止するように、前記1以上のチャンバ及び前記溶融室が閉じた系をなすことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. 前記チャンバは、前記チャンバの前記排出部に向かって広がるテーパされた部分を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  17. 前記金属酸化物は、酸化鉄を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  18. 前記炭素材料は、石炭を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  19. 更に、熱エネルギー放出のために燃焼されるガスの流れと共に、前記溶融金属及び前記溶融スラグを貯槽の中に案内するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  20. 更に、前記溶融室内の溶融金属を均質化するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  21. 更に、前記溶融金属を鉄に均質化するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  22. 更に、前記溶融金属を鋼に均質化するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  23. ランスを用いて前記オキシダントを噴射するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  24. 複数のランスを用いて前記オキシダントを噴射するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  25. 更に、前記金属酸化物及び前記炭素材料への溶剤材料の付加を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  26. 更に、前記金属酸化物及び前記炭素材料への脱硫材料の付加を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  27. 更に、混合物を形成するように、前記金属酸化物の中に前記炭素材料の少なくとも一部を含めるステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  28. 更に、燃料芯材が形成されるような方法で、前記チャンバの中に前記炭素材料を装入するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  29. 更に、前記チャンバの前記排出端部から前記燃料芯材に向かってオキシダントを方向付けるステップを有することを特徴とする請求項28に記載の方法。
  30. 前記オキシダントが前記燃料芯材に浸透することを特徴とする請求項29に記載の方法。
  31. 溶融金属及び溶融スラグを作るべく次に溶融室内で融解される高温の金属/炭素製品を製造するように、装入端部及び排出端部を各々備えている1以上のチャンバ内で炭素材料を用いて金属酸化物を熱的に処理するための方法であって、
    前記金属酸化物が前記炭素材料の芯材を囲むように、前記金属酸化物及び前記炭素材料を前記の1以上のチャンバの前記装入端部に供給し、前記金属酸化物及び前記炭素材料を前記の1以上のチャンバの前記排出端部に向かって強制的に移動させるステップと、
    前記炭素材料内に含まれるエネルギーの少なくとも一部が利用されるような方法でオキシダントを噴射して、熱エネルギーを放射させて還元性の加圧ガスを生成して、前記金属酸化物を還元させて高温の金属/炭素製品を形成するステップと、
    前記の高温の金属/炭素製品を前記の1以上のチャンバから容器の中に排出するステップと、
    前記の金属/炭素製品を前記容器から溶融室の中に排出し、前記溶融室内の前記金属/炭素製品を加熱して、加圧された高温の排ガス、溶融金属、及び溶融スラグを生成するステップと、
    前記排ガス、前記溶融スラグ、及び前記溶融金属を分離するステップとを有することを特徴とする方法。
  32. 前記容器は、を保持して、且つ前記金属/炭素製品の再酸化を防止するのに役立つことを特徴とする請求項31に記載の方法。
  33. 1以上のチャンバ内で金属酸化物及び炭素材料を熱的に処理するための装置であって、
    装入端部及び排出端部を備えている加熱チャンバを含む反応器と、
    前記金属酸化物が前記炭素材料の芯を囲むように、(i)前記金属酸化物及び前記炭素材料を前記チャンバの前記装入端部の中に供給し、(ii)前記金属酸化物及び前記炭素材料を前記チャンバの前記排出端部に向かって強制的に移動させるべく構成された供給装置と、
    前記炭素材料の温度を上昇させて、前記金属酸化物と反応を生じさせて、前記金属/炭素製品が形成されるように、オキシダントを噴射できるように適合されたオキシダント噴射手段と、
    前記チャンバから前記金属/炭素製品を受取るように適合されている、前記チャンバの前記排出端部と連通している溶融室であって、加圧された高温の排ガス、溶融金属、及び溶融スラグを製造するように、前記金属/炭素製品を加熱できるように適合されている溶融室と、
    前記排ガス、前記溶融スラグ、及び前記溶融金属を分離するための手段とを有することを特徴とする装置。
  34. 前記分離するための手段が、前記溶融室から溶融金属及び溶融スラグを受取るための貯槽を有することを特徴とする請求項33に記載の装置。
  35. 前記分離するための手段が、前記溶融室から溶融金属及び溶融スラグを液中で受取るための貯槽を有することを特徴とする請求項34に記載の装置。
  36. 前記貯槽は、前記溶融スラグから前記溶融金属を分離して引出すように適合されていることを特徴とする請求項34に記載の装置。
  37. 前記チャンバは、前記チャンバの前記排出端部に向かって熱エネルギーを放射するように適合されている放射ゾーンを含むことを特徴とする請求項33に記載の装置。
  38. 更に、前記1以上のチャンバ内の圧力を平衡に維持するように適合されている圧力平衡手段を有することを特徴とする請求項33に記載の装置。
  39. 前記オキシダント噴射手段は、選択的に前進若しくは後退ができるように適合されていることを特徴とする請求項33に記載の装置。
  40. 更に、前記溶融室と機能的に接続されているオキシダント噴射手段を有することを特徴とする請求項33に記載の装置。
  41. 更に、溶融金属及び溶融スラグが前記溶融室を出ても凝固しないように補助的な熱を提供するための誘導加熱手段を有することを特徴とする請求項33に記載の装置。
  42. 更に、前記溶融室に補助加熱を供給するための手段を有することを特徴とする請求項33に記載の装置。
  43. 前記溶融室に補助加熱を供給するための前記手段は、オキシダント噴射手段を有することを特徴とする請求項42に記載の装置。
  44. 更に、燃料及びオキシダントを噴射するための配合オキシダント噴射手段を有することを特徴とする請求項33に記載の装置。
  45. 前記燃料は、ガスであることを特徴とする請求項44に記載の装置。
  46. 前記燃料は、微粉炭であることを特徴とする請求項44に記載の装置。
  47. 1以上のチャンバ内で金属酸化物及び炭素材料を熱的に処理するための装置であって、
    装入端部及び排出端部を備えている加熱チャンバを含む反応器と、
    前記金属酸化物及び前記炭素材料を、周囲に環状部を備えた芯材として前記チャンバの前記装入端部の中に供給して、且つ前記金属酸化物及び前記炭素材料を前記チャンバの前記排出端部に向かって強制するための供給装置と、
    前記炭素材料の温度を上昇させて、前記金属酸化物と反応を生じさせて、前記金属/炭素製品が形成されるように、オキシダントを噴射できるように適合されたオキシダント噴射手段と、
    前記チャンバから前記金属/炭素製品を受取るように適合されている、前記チャンバの前記排出端部と連通している溶融室であって、加圧された高温の排ガス、溶融金属、及び溶融スラグを製造するように、前記金属/炭素製品を加熱できるように適合されている溶融室と、
    前記排ガス、前記溶融スラグ、及び前記溶融金属を分離するための手段とを有することを特徴とする装置。
  48. 更に、周囲が前記金属酸化物である前記芯材を、前記炭素材料から形成するための手段を有することを特徴とする請求項47に記載の装置
  49. 更に、前記オキシダントを前記芯材に方向付けるように適合されているオキシダント噴射手段を有することを特徴とする請求項47に記載の装置
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