JP2018145132A - ヘアスプレー原液、エアゾール組成物及びエアゾール製品 - Google Patents
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近年、ヘアスプレーについては、毛束に自然な(ナチュラルな)まとまりを付与し、過度にスタイルを固めずに、ヘアスタイルを保持できることが要求される等、より高い品質が要求されている。
すなわち、優れたセット力(耐湿性のあるセット力)はもとより、風等でヘアスタイルに乱れを生じても、再度スプレーを要することなく、揉み込み、櫛又は手櫛で簡単に原形を取戻すことができる(粘着力を増大させて高めた再整髪性)、といった特性が要求されている。さらに、べたつきのない良好な手触りを備え、櫛通りが良い(良好な櫛通り性)といったことも望まれている。
しかし、前記したような特性に関しては、更なる改良が要求されている。
HO−(EO)a−(PO)b−(EO)c−H (I)
式(I)で、EOはエチレンオキシド(一般式:−C2H4O−)、POはプロピレンオキシド(一般式:−C3H6O−)をそれぞれ表し、25℃にて流動性のある液状で、エタノールに溶解し、EOの付加モル数が1≦a+c≦300、POの付加モル数が1≦b≦100の範囲である。
RO−(PO)n−H (II)
式(II)で、Rはアルキル基、POはプロピレンオキシド(一般式:−C3H6O−)をそれぞれ表し、25℃にて流動性のある液状で、エタノールに溶解し、RがC4〜C18のアルキル基であり、PO付加モル数が1≦n≦80の範囲である。
本発明に係るエアゾール組成物は、本発明に係るヘアスプレー原液と、液化ガス及び/又は圧縮ガスとからなる。
本発明に係るエアゾール製品は、本発明に係るエアゾール組成物をエアゾール容器に充填したものである。エアゾール製品は、一般的にはヘアスプレーである。
また、エアゾール組成物を噴霧された毛髪の特性として、耐湿性の他、セット力、粘着性、再整髪性、櫛通り性といったものを挙げることができる。本明細書中で、耐湿性の他、セット力、粘着性、再整髪性、櫛通り性といった語を用いる場合、特にことわりのない限り、エアゾール組成物を噴霧された毛髪に付与される特性を意味している。
また、本明細書及び特許請求の範囲の記載中、配合割合について「%」とあるのは、特にことわりのない限り「質量%」を意味している。また、物の量として「g」で表示しているものは、質量を表す。
アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド)コポリマーAMPとしては、具体的には、例えばプラスサイズL−9900(互応化学工業株式会社製)、プラスサイズL−9909B(互応化学工業株式会社製)を挙げることができる。
ノニオン性アクリルポリマーとしては、例として(ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマーを挙げることができる。
(ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマーとしては、具体的には、例えばプラスサイズL−2700(互応化学工業株式会社製)、プラスサイズL−2714(互応化学工業株式会社製)を挙げることができる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールは、下式(I)で表すことができる。
HO−(EO)a−(PO)b−(EO)c−H (I)
式(I)で、EOはエチレンオキシド(一般式:−C2H4O−)、POはプロピレンオキシド(一般式:−C3H6O−)をそれぞれ表す。
式(I)で表すことができるポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールのうち、25℃にて流動性のある液状で、エタノールに溶解し、EOの付加モル数が1≦a+c≦300、POの付加モル数が1≦b≦100の範囲ものを好適に用いることができる。最も好適には、ユニルーブ75DE−2620R(日油株式会社製)等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(240E.O.)(60P.O.)(以下、PEG/PPG−240/60コポリマーともいう)を用いることができる。
ポリオキシプロピレンアルキルエーテルは、下式(II)で表すことができる。
RO−(PO)n−H (II)
式(II)で、Rはアルキル基、POはプロピレンオキシド(一般式:−C3H6O−)をそれぞれ表す。
式(II)で表すことができるポリオキシプロピレンアルキルエーテルのうち、25℃にて流動性のある液状で、エタノールに溶解し、RがC4〜C18のアルキル基であり、PO付加モル数が1≦n≦80の範囲のものを好適に用いることができる。
ポリオキシプロピレンアルキルエーテルとしては、例としてポリオキシプロピレンブチルエーテル(52P.O.)(以下、PPG−52ブチルともいう)、ポリオキシプロピレンブチルエーテル(12P.O.)(以下、PPG−12ブチルともいう)、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル(15P.O.)(以下、PPG−15ステアリルともいう)を挙げることができる。
具体的には、例えばポリオキシプロピレンブチルエーテル(52P.O.)としてユニルーブMB−700(日油株式会社製)、ポリオキシプロピレンブチルエーテル(12P.O.)としてユニルーブMB−7(日油株式会社製)、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル(15P.O.)としてユニルーブMS−70K(日油株式会社製)等を挙げることができる。
最も好適には、ポリオキシプロピレンブチルエーテル(52P.O.)を用いることができる。
なお、本明細書中及び特許請求の範囲の記載で、固形分量とは、当業者に一般的に理解されているものであり、最も典型的には、ヘアスプレー原液中の揮発性溶媒を除いた不揮発性の樹脂成分のことをいう。
そして、アニオン性アクリルポリマー量/ノニオン性アクリルポリマー量=0.56〜0.79(固形分量比)の範囲が好適である。この範囲であれば、アニオン性アクリルポリマーの備える耐湿性のあるセット力を維持しつつ、再整髪性を良好とすることができる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールは、ヘアスプレー原液に0.1〜0.6%の範囲で含むことが好適である。この範囲であれば、噴射剤との相溶性に問題を生ぜずに、粘着性を増し、再整髪性を強化することができる。
ポリオキシプロピレンアルキルエーテルは、ヘアスプレー原液に0.05〜0.25%、より好ましくは、0.1〜0.2%の範囲で含むことが好適である。この範囲であれば、櫛通り性を良好とする効果を発揮することができる。
固形分量が5%となるように、アニオン性アクリルポリマーと、ノニオン性アクリルポリマーとをエタノールに溶解し、ヘアスプレー原液を準備した。
アニオン性アクリルポリマーとしては、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド)コポリマーAMP[プラスサイズL−9900:互応化学工業株式会社製]を用いた。
ノニオン性アクリルポリマーとしては、(ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマー[プラスサイズL−2700:互応化学工業株式会社製]を用いた。
測定方法:
1)約30cm・2gの毛束(以下、本実施例でトレス)を予め円筒に巻きつけ、エアゾール組成物2gを噴射し、50℃15分乾燥させ、トレスを円筒から取り外した状態の長さをL0とした。
2)次いで、30℃・湿度80%RH条件の恒温恒湿室に1時間入れ、1時間後のトレスの長さをLとした。
3)次式に従い、カールリテンション値を算出した。
カールリテンション値(%)=(トレス全長−L)/(トレス全長−L0)×100
なお、カールリテンション値について、(%)は、質量%を意味するものではない。
ノニオン性アクリルポリマーは、再整髪性を改善する意図で添加した。アニオン性アクリルポリマー量が1.4%以上の範囲であれば、アニオン性アクリルポリマーの持つ耐湿性のあるセット力を維持しつつ、ノニオン性アクリルポリマーを添加することができることが了解される。
カールさせたトレスに重りを乗せ、実施例1の試験例A−1〜A−16について、毛束の弾力性(カールの強さ)を計測した。
測定方法:
1)約30cm・2gの毛束(以下、本実施例でトレス)を予め円筒に巻きつけ、実施例1と同様に調製したエアゾール組成物2gを噴射し、50℃15分乾燥させ、トレスを円筒から取り外した状態にした。
2)カールを横向きにし、上から30g、35g、40g、45gの重りを乗せた。
3)カールがたわまずに重りが乗せられる場合を○、カールがたわむが重りが乗せられる場合を△、カールが重りに耐えられない場合を×とした。
試験結果を表2に示す。
パネラーによる官能評価で、試験例A−1〜A−16について、再整髪性を判断した。
方法:
1)約30cm・2gの毛束(以下、本実施例でトレス)を予め円筒に巻きつけ、エアゾール組成物2gを噴射し、50℃15分乾燥させ、トレスを円筒から取り外した状態にした。
2)トレスを触ったときの粘着性を再整髪性とし、1(再整髪性がほとんど無い)〜5点(再整髪性が強い)で判定した。
アニオン性アクリルポリマー(固形分量で2%)と、ノニオン性アクリルポリマー(固形分量で3%)と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(0.1%)をエタノールに溶解し、ヘアスプレー原液を準備した。
アニオン性アクリルポリマーとしては、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド)コポリマーAMP(プラスサイズL−9900:互応化学工業株式会社製)を用いた。
ノニオン性アクリルポリマーとしては、(ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマー(プラスサイズL−2700:互応化学工業株式会社製)を用いた。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(240E.O.)(60P.O.)[ユニルーブ75DE−2620R:日油株式会社製]を用いた。
方法:
1) 約30cm・2gの毛束(以下、本実施例でトレス)を予め円筒に巻きつけ、エアゾール組成物2gを噴射し、50℃15分乾燥させ、トレスを円筒から取り外した状態にした。
2)トレスを触ったときの粘着性を再整髪性とし、1(再整髪性がほとんど無い)〜5点(再整髪性が強い)で判定した。
エアゾール化するための噴射剤との相溶性について試験を行った。
アニオン性アクリルポリマー(固形分量で2%)と、ノニオン性アクリルポリマー(固形分量で3%)と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(0.1〜2%)をエタノールに溶解し、ヘアスプレー原液を準備した。
アニオン性アクリルポリマーとしては、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド)コポリマーAMP[プラスサイズL−9900:互応化学工業株式会社製]を用いた。
ノニオン性アクリルポリマーとしては、(ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマー[プラスサイズL−2700:互応化学工業株式会社製]を用いた。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(240E.O.)(60P.O.)[ユニルーブ75DE−2620R:日油株式会社製]を用いた。
ヘアスプレー原液/LPG=55/45とした場合の−5℃での挙動を確認した。
試験結果を表4に示す。
アニオン性アクリルポリマー(固形分量で2%)と、ノニオン性アクリルポリマー(固形分量で3%)と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(0.5%)と、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル(0.05〜0.3%)をエタノールに溶解し、ヘアスプレー原液を準備した。
アニオン性アクリルポリマーとしては、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド)コポリマーAMP[プラスサイズL−9900:互応化学工業株式会社製]を用いた。
ノニオン性アクリルポリマーとしては、(ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマー[プラスサイズL−2700:互応化学工業株式会社製]を用いた。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(240E.O.)(60P.O.)[ユニルーブ75DE−2620R:日油株式会社製]を用いた。
ポリオキシプロピレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシプロピレンブチルエーテル(52P.O.)[ユニルーブMB−700:日油株式会社製]を用いた。
このエアゾール組成物について、櫛通り性を試験した。
測定方法:
1) 約30cm・2gの毛束(以下、本実施例でトレス)を予め円筒に巻きつけ、エアゾール組成物2gを噴射し、50℃15分乾燥させ、トレスを円筒から取り外した状態にした。
2)その後、テンションゲージ[ダイヤルテンションゲージ DTN−500N:株式会社ミツトヨ製]を利用し、櫛通り性を測った。具体的には、まず前記テンションゲージの測定針にヘアブラシを取り付けた。その後、テンションゲージの本体部を把持した状態で当該ヘアブラシを用いてトレスを梳き、その際にテンションゲージが示した張力を記録した。
結果を表5に示す。なお、ポリオキシプロピレンアルキルエーテルを含有しないC−1,C−2で示された張力(5N)を100%とし、これに対するC−3〜C−8の張力の割合を同様に表5に示す。
Claims (8)
- アニオン性アクリルポリマー、ノニオン性アクリルポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール及びポリオキシプロピレンアルキルエーテルを含むことを特徴とするヘアスプレー原液。
- 前記アニオン性アクリルポリマーが、アクリル樹脂アルカノールアミンである請求項1に記載のヘアスプレー原液。
- 前記アニオン性アクリルポリマーが(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド)コポリマーAMPであり、前記ノニオン性アクリルポリマーが(ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマーである請求項1又は請求項2に記載のヘアスプレー原液。
- 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、下式(I)で表される請求項1〜3のいずれかに記載のヘアスプレー原液。
HO−(EO)a−(PO)b−(EO)c−H (I)
[式(I)で、EOはエチレンオキシド(一般式:−C2H4O−)、POはプロピレンオキシド(一般式:−C3H6O−)をそれぞれ表し、25℃にて流動性のある液状で、エタノールに溶解し、EOの付加モル数が1≦a+c≦300、POの付加モル数が1≦b≦100の範囲である。] - 前記ポリオキシプロピレンアルキルエーテルが、下式(II)で表される請求項1〜4のいずれかに記載のヘアスプレー原液。
RO−(PO)n−H (II)
[式(II)で、Rはアルキル基、POはプロピレンオキシド(一般式:−C3H6O−)をそれぞれ表し、25℃にて流動性のある液状で、エタノールに溶解し、RがC4〜C18のアルキル基であり、PO付加モル数が1≦n≦80の範囲である。] - 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(240E.O.)(60P.O.)であり、前記ポリオキシプロピレンアルキルエーテルが、ポリオキシプロピレンブチルエーテル(52P.O.)である請求項1〜5の何れかに記載のヘアスプレー原液。
- 請求項1〜6の何れかに記載のヘアスプレー原液と、液化ガス及び/又は圧縮ガスとからなるエアゾール組成物。
- 請求項7に記載のエアゾール組成物をエアゾール容器に内蔵するエアゾール製品。
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