JP2018145111A - 生体分子検出用蛍光物質 - Google Patents

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祥夫 鈴木
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Abstract

【課題】 本発明の課題は、オキシトシン濃度を高感度で分析することができる試薬およびその試薬を用いた簡易的かつ高選択的にオキシトシン濃度を測定する方法を提供することにある。
【解決手段】 一般式(I)であらわされる化合物またはその塩:
【化1】
Figure 2018145111

(式(I)中、Aは蛍光を発光する多環芳香族化合物または複素環化合物を示し、Bはオキシトシン認識配列を示し、Sは存在しても存在していなくてもよく、存在する場合には1〜10残基のアミノ酸からなるペプチドを示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、生体分子検出用蛍光物質に関する。特に、本発明は、蛍光の発光により媒体中のオキシトシンを検出・定量を可能とする新規化合物に関するものである。
脳は無数の神経細胞が互いの信号を伝達しあうことによって、複雑な情報処理を実現している。その伝達過程は、細胞体における電気的発火、軸索の電気的伝達、シナプスからの神経伝達物質の分泌過程から構成されており、電気信号を化学物質の信号に変えることによって、次の神経細胞に情報を伝達している。中でもオキシトシンは、中枢神経および末梢組織に存在するペプチドであり、ストレスの軽減、良好な対人関係の構築等に関与する効果がある他、現在根本的な治療法が確立していない認知症による徘徊の低減、高血圧患者に対する血圧の低下の効果などに対してもオキシトシンが関与していることが知られている。また、自閉スペクトラム症におけるオキシトシンの分泌異常が指摘されており、自閉スペクトラム症の治療薬開発における標的物質として注目を浴びており、ELISA法を用いて解析した体内中のオキシトシン濃度と自閉症との関係性について報告されている。このため、オキシトシンを選択的かつ簡便に補足する分子プローブを開発することは、オキシトシンの動的かつ局所的な挙動をリアルタイムで計測することによって脳神経に関する理解が深まると同時に、神経変性疾患の早期治療・早期診断に繋がる可能性を秘めるなど極めて重要な技術である。
in vitroおよびin vivo系における試料中のオキシトシンを計測する方法として、HPLC法、吸光光度法、ELISA法が挙げられる。HPLC法は、オキシトシンを含む試料を高速液体クロマトグラフィーで分離後、UV検出器によってオキシトシンを検出する方法である。この方法の欠点として、操作が煩雑である事、in vitro測定のみに限定されることが挙げられる。吸光光度法は、ペプチド中のチロシンやトリプトファンに起因する280 nm付近の吸収帯を利用してタンパク質濃度を算出する方法である。タンパク質の種類によってチロシンやトリプトファンの含量が異なるので280 nmにおける吸光度は変動するが、通常1 mg/mlの濃度の時A280nmは1.0として計算できる。操作が簡便であり、測定後サンプルの回収が可能である。一方、タンパク質の種類により吸光度が変動する、280 nmに吸収を持たないタンパク質(コラーゲン、ゼラチンなど)は測定できないといった欠点がある。さらに紫外部に吸収を持つ物質の混入は定量を妨害するという欠点を有する。ELISA法は、特定の物質とだけ結合する抗体を利用した免疫学的な手法である。高選択的かつ高感度分析が可能である反面、対象となるタンパク質(抗原)と抗体の結合反応を繰り返す必要があるため、測定に一晩以上かかるなど、迅速に結果を求めることができない。
一方、蛍光光度法は、種々の化学物質を分析する慣習的な方法であり、高感度である、試料が少量ですむ、大掛かりな装置や熟練した技術を必要としないといった利点がある。
これまでにも蛍光光度法を利用したオキシトシン分析の報告はある。例えば、N‐(1‐ピレニル)ヨードアセトアミドが、オキシトシンおよびその類縁体を含む物質の測定に利用されている。N‐(1‐ピレニル)ヨードアセトアミドは、緩和な条件でオキシトシン類と反応する。この反応をプレカラム蛍光誘導体化HPLCに利用して一斉分析が可能となる。しかし、オキシトシンのみに対する選択性はなく、HPLC等による試料の分離精製過程が必須であることが欠点である。
そこで本発明では、上記問題点を解決し、オキシトシン濃度を高感度で分析することができる試薬を合成し、簡易的かつ高選択的にオキシトシン濃度を測定することにより、分析化学、生化学など様々な分野に貢献することを目的としている。
(1)技術的手段
オキシトシンと複合体を形成する部位として、15〜25のアミノ酸残基からなるペプチドを選択した。さらに複合体の形成に伴い蛍光発光を示す部位としてシアノピラニル基などの有機蛍光試薬をペプチドのN末端に共有結合によって連結した。
(2)作用
本発明の化合物とオキシトシンが反応すると、当該化合物とオキシトシンが複合体を形成し、オキシトシンの濃度の増加に伴い、蛍光強度の増加が観察される。当該化合物とオキシトシンの結合定数が高いため、極微量のオキシトシンを検出することが出来る。
すなわち、本発明は以下の態様を含むものである:
本発明は、一態様において、
〔1〕下記一般式[I]であらわされる化合物またはその塩に関する:
Figure 2018145111
(式[I]中、Aは下記式(A−1)〜(A−8)のいずれかを示し:
Figure 2018145111
ここで、式(A−1)〜(A−8)中、Rは、互いに独立して、水素原子;炭素数1から15の直鎖型若しくは分枝型のアルキル基;炭素数1から10の直鎖型若しくは分枝型のエーテル;フェニル基;フェニル基の一部をアミノ基、ハロゲン、ニトロ基に置換したフェニル基;アミノ基;シアノ基;ニトロ基;カルボン酸若しくはその塩若しくはそのエステル若しくはそのアミド;スルホン酸若しくはその塩若しくはそのエステル若しくはそのアミド;チオール基;水酸基若しくはその塩;ケトン;ハロゲン;糖を示す。nは1〜8の整数であって、nが2以上の場合、各Rは、互い同一であっても異なっていてもよい。※は、SまたはBとの結合手を示す。
また、式(I)中、Bはオキシトシン認識配列を示し、Sは存在しても存在していなくてもよく、存在する場合には1〜10残基のアミノ酸からなるペプチドを示す。)
また、本発明の化合物またはその塩は、一実施の形態において、
〔2〕上記〔1〕に記載の化合物またはその塩であって、
一般式[I]中のBで示される前記オキシトシン認識配列が、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチドであることを特徴とする。
また、本発明の化合物またはその塩は、一実施の形態において、
〔3〕上記〔1〕または〔2〕に記載の化合物またはその塩であって、
一般式(I)中、Sで示されるスペーサーが存在し、かつ、前記スペーサーがGP、GPG、GPGSG、GPGSGPG、GPGSGPGSG、AAAAA、GGGGGからなる群より選択されるいずれか一つのアミノ酸配列からなるペプチドであることを特徴とする。
また、本発明の化合物またはその塩は、一実施の形態において、
〔4〕上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の化合物またはその塩であって、
前記式[I]中、Aが下記式(a−1)〜(a−6)のいずれかで示されることを特徴とする:
Figure 2018145111
また、本発明は、別の態様において、
〔4〕上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の化合物またはその塩を含む、オキシトシン検出用の蛍光試薬に関する。
また、本発明は、別の態様において、
〔5〕上記〔4〕に記載の蛍光試薬を用いてオキシトシンを検出または測定する方法であって、オキシトシンと前記蛍光試薬とを反応させて、前記蛍光試薬の蛍光強度を検出または測定する工程を含む、方法に関する。
また、本発明は、別の態様において、
〔6〕生体試料中のオキシトシンを検出または測定する方法であって、上記〔4〕に記載の蛍光試薬を対象となる生体試料と反応させて、前記蛍光試薬の蛍光強度を検出または測定する工程を含む、方法に関する。
従来のHPLC法、吸光光度法、ELISA法によるオキシトシンの測定方法では、先に述べたような欠点がある。一方、本発明に係る化合物とオキシトシンが反応すると、蛍光の発光が生じることから、高感度かつ高選択的な測定が可能となり、迅速にかつ簡便にターゲットとなるオキシトシンの分析を行うことが出来る。しかも従来のような高価な装置と熟練した技術は必要としない。また使用する分析試薬は、容易に合成できることから、試薬にかかるコストは低減させられる。
図1は、蛍光試薬と生体関連物質との相互作用による蛍光発光の模式図を示す。 図2は、化合物1の構造を示す。 図3は、化合物1の合成スキームを示す。 図4は、オキシトシン添加前後における蛍光プローブの蛍光スペクトルを示す。 図5は、オキシトシン濃度と蛍光強度との関係を示す。 図6は、オキシトシン濃度と蛍光強度との関係(低濃度領域)を示す。 図7は、オキシトシン添加前後における化合物1の水溶液の写真を示す。 図8は、オキシトシンまたは種々の妨害物質を添加した時の化合物1の蛍光強度を示す。 図9は、オキシトシンまたは種々の妨害物質を添加した時の化合物1の蛍光強度を示す。 図10は、開発した8種類のペプチドの構造を示す。 図11は、種々の蛍光ペプチドにオキシトシンを添加した時の蛍光強度比を示す。 図12は、参照化合物2と参照化合物3の構造を示す。 図13は、参照化合物2にオキシトシンを添加した時の蛍光強度を示す。 図14は、参照化合物3にオキシトシンを添加した時の蛍光強度を示す。 図15は、オキシトシンを添加した時の3種類の化合物の蛍光強度の変化量を示す。 図16は、参照化合物4と参照化合物5の構造を示す。 図17は、オキシトシン添加前後における参照化合物4の蛍光スペクトルを示す。 図18は、オキシトシン添加前後における参照化合物5の蛍光スペクトルを示す。 図19は、オキシトシンを添加した時の3種類の化合物の蛍光強度の変化量を示す。
1. 測定の概念
合成した蛍光分析試薬と神経伝達物質であるオキシトシンとを混合すると、分析試薬中の反応部位が特異的に標的物質と反応し、蛍光強度の増加が観察される。この蛍光強度の変化を、蛍光光度計等を用いて測定することにより、生体関連物質の定性分析および定量分析を行うことが出来る(図1参照)。
本発明における化合物は、下記式[I]で示される:
Figure 2018145111
式[I]中、Aは蛍光を発光する任意の有機化合物、Bはある特定の生体関連物質を認識する任意の有機化合物、SはAとBを連結するためのスペーサーであり、Bで認識した情報をAに伝達するための役割を有する。
上記式[I]中において、Aに相当する化合物としては、以下に限定されないが、例えば、ナフタレン、アントラセン、ピレン、ビフェニル、クマリン、ベンゾチアゾ−ル、フルオレセイン、ローダミン、ビピリジン、キノリン、フェナントロリン、シアノピラニルなどの多環芳香族化合物、複素環化合物を挙げることができる。
具体的には、例えば、下記(A−1)〜(A−8)を挙げることができる。なお、式中、※は、SまたはBとの結合手を示し、※は、SまたはBのアミノ酸配列のN末端と結合する。
Figure 2018145111
Aに相当する化合物の例
Aに相当する多環芳香族化合物、または、複素環化合物における官能基の例としては、上記に列挙する化合物の官能基を挙げることが出来るが、これらに限定されない。式(A−1)〜(A−8)において、Rは、互いに独立して、水素原子;炭素数1から15の直鎖型若しくは分枝型のアルキル基;炭素数1から10の直鎖型若しくは分枝型のエーテル;フェニル基;フェニル基の一部をアミノ基、ハロゲン、ニトロ基に置換したフェニル基;アミノ基;シアノ基;ニトロ基;カルボン酸若しくはその塩若しくはエステル若しくはアミド;スルホン酸若しくはその塩若しくはエステル若しくはアミド;チオール基;水酸基若しくはその塩;ケトン;ハロゲン;糖(グルコース、マンノース、メリビオース、ガラクトース、フルクトースなど)などを挙げることが出来るが、これらに限定されるものではない。nは1〜8の整数であって、nが2以上の場合、各Rは、互い同一であっても異なっていてもよい。※は、SまたはBとの結合手を示し、※は、SまたはBのアミノ酸配列のN末端と結合する。
また、(A−1)〜(A−8)において、好ましい実施の形態は、下記(a−1)〜(a−8)の化学式で示される構造である。
Figure 2018145111
(ここで、式(a−1)〜(a−8)において、※はSとの結合手を示す。)
なお、式(a−1)〜(a−8)の構造は、可視光において励起され、蛍光を発光することが可能である。従って、生体の試料を用いてオキシトシンの検出または測定を行う際に、紫外線のような有害な励起光を使用することなく、オキシトシンの検出または測定を行うことを可能とする。
なお、より好ましい実施の形態において、Aは、(A−6)である。
Figure 2018145111
式[I]中において、Bに相当する化合物としては、15〜25残基のアミノ酸を持つペプチド(オキシトシン認識配列)が相当する。特に、オキシトシンを検出するために用いるアミノ酸配列は、オキシトシンと特異的に結合し、かつ、オキシトシンと結合した際に、Aの構造における蛍光を促すアミノ酸配列であれば特に制限されない。好適な配列としては、例えば、
1)MTFIIVLAFIVCWTPFFFV(非特許文献:Nature, 356, 526-529 (1992))(配列番号1)
などを挙げることができる。
上記式[I]中において、Sに相当する化合物としては、1〜10残基のアミノ酸からなるペプチドが相当する。なお、好ましくは、1〜9残基であり、より好ましくは3〜7残基であり、最も好ましくは6,7残基である。また、Sは存在しても、存在しなくてもよく、存在しない場合には、AとBとが直接結合する。また、スペーサーの配列は、グリシン、プロリン、セリン、に富む配列であることが好ましい。
なお、以下に限定されないが、具体的な配列としては下記を示すことができる。
1)GPGSG、2)GPG、3)GPGSGPG、4)GP、5)GPGSGPGSG、6)AAAAA、7)GGGGGなどを好適に用いることができる。より好ましくは、1)GPGSG、2)GPG、3)GPGSGPGのアミノ酸配列である。
本発明の化合物は、上記に列挙した「A」、「B」、「S」の全ての組み合わせの形態を含む。好ましい組み合わせの例としては、以下に限定されないが、例えば、表1〜表3に記載の組み合わせを挙げることができる。
Figure 2018145111
Figure 2018145111
Figure 2018145111
また、本発明の化合物は塩の形態とすることができる。塩の形態は、特に限定されず、臭化物塩、塩化物塩、ヨウ化物塩を挙げることができる。
また、本発明は、上記の化合物を含むオキシトシン検出用の蛍光試薬を提供する。また、本発明は当該蛍光試薬を用いてオキシトシンを検出または測定する方法を提供する。当該方法は、オキシトシンと前記蛍光試薬とを反応させて、前記蛍光試薬の蛍光強度を検出または測定する工程を含む。
本発明の化合物により検出または測定の対象となるオキシトシンは、特に限定されず、in vitroおよびin vivoの両方におけるオキシトシンの検出に使用することができる。例えば、測定対象の試料として、生体内にある動物の脳やその他の身体の一部に存在する神経細胞を用いることもできるし、脳もしくはその一部(組織、細胞)または他の身体の組織を生体より取り出したもの、または、それらを培養したものに含まれる神経細胞等に対して行うこともできる。また、脳や身体の一部から採取した血中のオキシトシンを対象とすることもできる。また、幹細胞等から培養により分化した神経細胞や幹細胞等の培養により形成した組織(例えば、脳(様)組織)に含まれる神経細胞に対して行うこともできる。
すなわち、本発明の蛍光試薬を用いてオキシトシンを検出または測定する方法は、一実施の形態において、上記記載の蛍光試薬を対象となる生体試料と反応させて、前記蛍光試薬の蛍光強度を検出または測定する工程を含む、方法に関する。
本発明の化合物から生じる蛍光の検出および/または測定は、市販の通常用いられる機器を用いて行うことができる。例えば、マイクロプレートリーダー、蛍光分光光度計、蛍光顕微鏡、蛍光スキャナー、感光性フィルムなどを挙げることができる。また、生体の試料(例えば、脳)におけるオキシトシンを検出する際には、オプティカルレコーディング法に使用される公知の装置を用いることが好ましい。
また、本発明は、in vivoにおいてオキシトシンを検出または測定する方法として、以下の態様を含む:
生体において神経細胞から放出されたオキシトシンを検出または測定する方法であって、オキシトシンを測定したい部位に本発明の蛍光試薬を投与する工程と、当該蛍光試薬の蛍光を測定する工程とを含む方法。
また、本発明は、より具体的に、in vivoにおいてオキシトシンをイメージングする方法として、以下の態様を含む:
神経細胞から神経細胞外空間に放出されたオキシトシンのイメージング方法であって、
測定対象とする神経細胞外空間に蛍光試薬を投与する工程であって、前記神経細胞外空間に放出されたオキシトシンと前記蛍光試薬とを反応させる工程と、
前記蛍光試薬の蛍光を測定する工程であって、前記オキシトシンと反応した蛍光試薬が励起する励起光を前記測定対象の神経細胞外空間に照射し、これにより生じた蛍光を測定する工程とを含み、
ここで、前記蛍光を測定する工程が、神経細胞外空間に放出されるオキシトシンを経時的、かつ、空間的にイメージングするものである、方法。
ここで、蛍光試薬を、オキシトシンを測定したい部位または神経細胞外空間に投与するとは、露出している脳表面や脳組織、神経細胞等に直接蛍光試薬を添加して浸透させることもできるし、当該試薬を注入しても良い。なお、ヒト個体を対象とする場合には、好ましい形態として、オキシトシン検出用試薬の投与方法は組織等に物理的な損傷が生じない方法により行われる。また、神経細胞外の空間とは、神経細胞から神経伝達物質が放出される空間のことを意味し、シナプス間隙に限定されない。
また、本発明の化合物は、オキシトシンに対して一定の割合で反応するために、既知濃度のオキシトシンが含まれる標準試料を用いて得られた蛍光強度を利用して検量線を作成することにより、試料中に含まれるオキシトシンの量を簡便に定量することができるものである。すなわち、本発明は、以下の態様も含む:
試料中に存在するオキシトシンの濃度を測定する方法であって、蛍光試薬を当該試料に添加して、当該試料中のオキシトシンと当該蛍光試薬との反応により生じた蛍光を測定する工程と、当該蛍光の測定工程により得られた蛍光強度の値を、予め決定した蛍光強度およびオキシトシン濃度の検量線と比較して試料中のオキシトシンの濃度を決定する工程と、を含む方法。
なお、当業者であれば、予め本発明の蛍光試薬の蛍光強度とオキシトシン濃度との関係を検量線として作成することができ、これに基づき測定対象の試料中のオキシトシン濃度が測定可能となる。
なお、本発明の蛍光試薬は、以下に制限されないが、例えば、in vitro系におけるオキシトシンの検出または測定においては0.1〜50nMの範囲で使用することができ、好ましくは1.0〜10nMの範囲で用いることができる。一方、in vivo系の検出または測定においては、10〜500μMの範囲で用いることができ、好ましくは10〜100μMの範囲で用いることができる。
また、本発明の蛍光試薬に対して使用可能な溶媒としては、例えば、HEPES、PBS、生理食塩水等を挙げることができる。しかしながら、これらに限定されず、投与方法や対象等により適宜好ましい溶媒を用いることができる。
また、本発明の蛍光試薬を用いた検出または測定方法において温度条件は、例えば、in vivo系およびin vitro系共に25℃〜37℃の範囲とすることができる。また、本発明の蛍光試薬を用いた検出または測定方法においてオキシトシンと蛍光試薬との反応時間は、例えば、in vitro系では2分〜10分間とすることができ、in vivo系においては10〜30分間とすることができる。
以下に本発明の実施例を説明するが、ここで挙げる実施例は単なる具体的例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を何ら限定するものではない。
下記実施例にて、実際に合成を行った化合物1の構造を図2に示す。化合物1とオキシトシンとを混合した後、蛍光光度計で測定を行ったところ、オキシトシンの濃度の増加に伴い、試薬の蛍光強度の増加が観察された。以下にその詳細を示す。
(実施例1.化合物の合成)
化合物1の合成は、図3に従って行った。以下に、各合成反応について詳述する。
(1−1.Ethyl 2-((5-formyl-2-hydroxybenzyl)(methyl)amino)acetateの合成)
まず、下記に示す反応式Aを行った。
Figure 2018145111
具体的には、200mL三口フラスコに、サルコシンエチルエステル1.5g (10.0mmol)、パラホルムアルデヒド1.3g、イソプロピルアルコール30mL、水50mLを加え、窒素気流下80℃で45分間加熱した。4-ヒドロキシベンズアルデヒド1.0g (8.2mmol)をイソプロピルアルコール20mLに溶解し24時間還流した。イソプロピルアルコールを減圧留去後、フラスコを氷浴につけた。オレンジ色のオイル状化合物を分取後、クロロホルムに溶解し水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去しカラムクロマトグラフィー(Al2O3, クロロホルム : メタノール = 200:3v/v)で精製した。精製後に得られた化合物の収率は75%であった。また、以下に、得られた化合物のNMR測定結果を以下に示す。
1H-NMR (CDCl3, 400MHz, r.t., TMS, δ/ppm) 1.29 (3H, t), 2.41 (3H, s), 3.36 (2H, s), 3.87 (2H, s), 4.24 (2H, q), 6.96 (1H, d), 7.57 (1H, s), 7.72 (1H, d), 9.82 (1H, s) 10.56 (1H, bs).
(1−2.(E)-ethyl2-((5-(2-(4-(dicyanomethylene)-6-methyl-4H-pyran-2-yl)vinyl)-2-hydroxybenzyl) (methyl)amino)acetateの合成)
次に、反応式Aにより得られた化合物を用いて、下記に示す反応式Bを行った。
Figure 2018145111
具体的には、50mL三口フラスコに、Ethyl 2-((5-formyl-2-hydroxybenzyl)(methyl)amino)acetate 0.5g(1.6mmol)、4-(Dicyanomethylene)-2,6-dimethyl-4H-pyran 0.3g(1.6mmol)、Piperidine 0.2g(1.7mmol)、EtOH 40mLを加え窒素気流下、還流した。溶媒を減圧留去後、残渣をCHCl3に溶解し水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去しカラムクロマトグラフィー(Al2O3, n-ヘキサン:酢酸エチル=1.5 : 1 v/v →クロロホルム)で精製した。精製後に得られた化合物の収率は、84%であった。また、得られた化合物のNMR測定結果を以下に示す。
1H-NMR (CDCl3, 400MHz, r.t., TMS, δ/ppm) 1.28 (3H, t), 2.40 (3H, s), 2.42 (3H, s), 3.36 (2H, s), 3.86 (2H, s), 4.22 (2H, q), 6.50-6.53 (2H, m), 6.65 (1H, s), 6.95 (1H, d), 7.17 (1H, s), 7.40-7.42 (2H, m), 9.95 (1H, bs).
(1−3.(E)-2-((5-(2-(4-(dicyanomethylene)-6-methyl-4H-pyran-2-yl)vinyl)-2-hydroxybenzyl) (methyl)amino)acetic acidの合成)
次に、反応式Bにより得られた化合物を用いて、下記に示す反応式Cを行った。
Figure 2018145111
具体的には、100mLなす形フラスコに、(E)-ethyl2-((5-(2-(4-(dicyanomethylene)-6-methyl-4H-pyran-2-yl)vinyl)-2-hydroxybenzyl)(methyl)amino)acetate 0.2g (0.3mmol)、1N KOH水溶液5.0mL、エタノール25mLを加え、室温で12時間撹拌した。エタノールを減圧留去後、1N HClを加えpH7に調製した。酢酸エチルで抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。精製後に得られた化合物の収率は、95%であった。また、得られた化合物のNMR測定結果を以下に示す。
1H-NMR (CDCl3, 400MHz, r.t., TMS, δ/ppm) 2.41 (3H, s), 2.45 (3H, s), 3.37 (2H, s), 3.86 (2H, s), 6.50-6.54 (2H, m), 6.66 (1H, s), 6.95 (1H, d), 7.18 (1H, s), 7.40-7.42 (2H, m), 9.96 (1H, bs).
(3−4.化合物1の合成)
次に、反応式Cにより得られた化合物を用いて、下記に示す反応式Dを行った。
Figure 2018145111
具体的には、5mLスクリュー管に、合成ペプチド5.0mg、(E)-2-((5-(2-(4-(dicyanomethylene)-6-methyl-4H-pyran-2-yl)vinyl)-2-hydroxybenzyl) (methyl)amino)acetic acid 1.7mg、EDC 0.9mg、DIEA 0.6mg、DMF 2.0mLを加え室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧留去後、HPLC (ODS, MeOH)で精製し目的化合物を得た。得られた目的化合物について、エレクトロスプレーイオン化による質量分析の結果を以下に示す。
ESI-MS(+): [M + H]+ = 2386.49
(4.合成した化合物の特性評価)
(4−1. オキシトシンとの相互作用について)
上記3.において合成した化合物1とオキシトシンとを混合し、混合直後における蛍光のスペクトルを測定することにより、化合物1とオキシトシンとの相互作用を評価した。
具体的な測定条件は以下のとおりである:
濃度: [化合物1] = 1.0 nM
[オキシトシン] = 0〜5.0 nM
溶媒: HEPES, 20.0 mM (pH 7.2)
測定温度:25℃
測定方法:蛍光スペクトル測定(励起波長:450nm)
その結果を図4に示す。図4は、化合物1単独および化合物1にオキシトシンを添加した時の蛍光スペクトルを記す。試薬単独での蛍光強度は極めて弱いが、5.0nMのオキシトシンを添加すると蛍光強度の増加が観察された。これは、オキシトシンを添加することにより、蛍光試薬周辺の環境が親水的な環境から疎水的な環境になったためであると考えられる。
さらに、オキシトシンの濃度を0〜5.0nMの間で変化させて化合物1に加えたところ、図4、図5および図6に記したようにオキシトシン濃度の増加に伴い蛍光強度の増加が観察された。
さらに、オキシトシン添加前後における化合物1の水溶液にUV光(366nm)を照射したところ、図7に記したようにオキシトシンとの複合体形成により化合物1から緑色の蛍光が発せられていることが観察された。
(4−2. 化合物1とオキシトシンとの複合体形成(妨害物質の影響))
上記3.において合成した化合物1とオキシトシンとを、各種物質の存在下で混合し、混合直後における蛍光のスペクトルを測定することにより、化合物1とオキシトシンとの相互作用に対する添加物質の影響を評価した。
具体的な測定条件は以下のとおりである:
濃度: [化合物1] = 1.0 nM
[オキシトシン] = 5.0 nM
[阻害物質の種類および濃度]:
Figure 2018145111
溶媒: HEPES, 20.0 mM (pH 7.2)
測定温度:25℃
励起波長:450nm
測定方法:オキシトシンまたは妨害物質の添加の前後において
化合物1の575nmにおける蛍光強度を測定した。
その結果、化合物1にオキシトシンまたは種々の阻害物質を添加した時の575nmにおける蛍光強度を観察したところ、オキシトシンを添加した時のみ蛍光強度の増加が観察された(図8)。用いた各種阻害物質は血液中に存在し得るものであるが、阻害物質に対して全く応答を示さなかったことから、化合物1はオキシトシンに対して高い選択性を有しており、血液中においても選択性を示すことが明らかとなった。
(4−3. 化合物1とオキシトシンとの複合体形成(コントロール血清中での評価)
上記3.において合成した化合物1とオキシトシンとを、コントロール血清の存在下で混合し、混合直後における蛍光のスペクトルを測定することにより、化合物1とオキシトシンとの相互作用に対するコントロール血清の影響を評価した。
具体的な測定条件は以下のとおりである:
濃度: [化合物1] = 2.0 nM
[オキシトシン] = 10 nM
[コントロール血清の成分および濃度]:
Figure 2018145111
溶媒: HEPES, 20.0 mM (pH 7.2)
測定温度:25℃
励起波長:450nm
測定方法:オキシトシンまたはコントロール血清の添加の前後において
化合物1の575nmにおける蛍光強度を測定した。
その結果、化合物1のみをコントロール血清に溶解したときの蛍光強度は、HEPES緩衝液に溶解させた時の蛍光強度と比較して、ほとんど変化していないことが観察された(図9)。一方、HEPES緩衝液中で化合物1とオキシトシンが相互作用した時の蛍光強度は、コントロール血清中で相互作用した時とほとんど同じであった。以上の結果から、化合物1とオキシトシンとの相互作用は、コントロール血清中の成分によっても影響を受けず、オキシトシンの高選択的な検出が示唆された。
(5. 化合物1の化学構造の妥当性の確認)
(5−1. スペーサーの影響)
化合物1中のスペーサーがオキシトシンの認識に与える影響について確認するため、スペーサーの長さおよび構造が異なる8種類のペプチド(スペーサーおよびオキシトシン認識部位)を開発し、オキシトシンとの相互作用について評価した。8種類のペプチドのアミノ酸配列を下記に示す(グレーの文字がスペーサー部分を示す)。
Figure 2018145111
上記8種のペプチドを有する蛍光ペプチドを上記3−4.に記載の方法にならい合成した(図10)。
具体的な測定条件は以下のとおりである:
濃度: [蛍光ペプチド] = 1.0 nM
[オキシトシン] = 1.0 nM
溶媒: HEPES, 20.0 mM (pH 7.2)
測定温度:25℃
励起波長:450nm
測定方法:オキシトシンの添加の前後において、蛍光ペプチドの575nmにおける蛍光強度を測定した。
その結果、開発したすべての蛍光ペプチドについて、オキシトシンを添加すると蛍光強度の増加が確認された。特に、化合物1についてはオキシトシン添加後の蛍光強度比(オキシトシン添加後の575nmにおける試薬の蛍光強度)÷(オキシトシン添加前の575nmにおける試薬の蛍光強度)が約140(すなわち、約140倍の蛍光の強度が増した)となり、他のペプチドと比較して最も高い値が観察された(図11)。以上の結果から、オキシトシンの認識において、化合物1中のスペーサーを構成するアミノ酸の数および構造の有用性が示唆された。
(5−2. 蛍光物質の影響)
化合物1中の蛍光物質がオキシトシンの認識に与える影響について確認するため、蛍光物質の構造が異なる2種類の参照化合物を開発し(図12)、オキシトシンとの相互作用について評価した。
具体的な測定条件は以下のとおりである:
濃度: [参照化合物2または3] = 1.0 nM
[オキシトシン] = 1.0 nM
溶媒: HEPES, 20.0 mM (pH 7.2)
測定温度:25℃
励起波長:450nm
測定方法:オキシトシンの添加の前後において、参照化合物2の580nmにおける蛍光強度および参照化合物3の540nmにおける蛍光強度を測定した。
その結果、開発した2種類の参照化合物に、オキシトシンを添加しても蛍光強度の増加は確認されなかった(図13および図14)。化合物1と参照化合物の蛍光強度比を比較したところ、同じ測定条件で、化合物1は大きな蛍光強度の増加を示したのに対し、2種類の参照化合物については応答が確認されなかった(図15)。以上の結果から、オキシトシンの認識において、化合物1中の蛍光物質の化学構造の有用性が示唆された。
(5−3. オキシトシン認識部位のアミノ酸配列の影響)
化合物1中のオキシトシン認識部位のアミノ酸配列がオキシトシンの認識に与える影響について確認するため、スペーサー部分が同じでオキシトシン認識部位のアミノ酸配列が異なる2種類のペプチド(配列番号9、10に示されるアミノ酸配列)を開発し、オキシトシンとの相互作用について評価した。
Figure 2018145111
上記2種のペプチドを有する参照化合物4、5を上記3−4.に記載の方法にならい合成した(図16)。
具体的な測定条件は以下のとおりである:
濃度: [参照化合物4または5] = 1.0 nM
[オキシトシン] = 1.0 nM
溶媒: HEPES, 20.0 mM (pH 7.2)
測定温度:25℃
励起波長:450nm
測定方法:オキシトシンの添加の前後において、参照化合物の575nmにおける蛍光強度を測定した。
その結果、開発した2種類の参照化合物に、オキシトシンを添加しても蛍光強度の増加は確認されなかった(図17および図18)。また、化合物1と参照化合物の蛍光強度比を比較したところ、同じ測定条件で、化合物1は大きな蛍光強度の増加を示したのに対し、参照化合物4、5については応答が確認されなかった(図19)。以上の結果から、オキシトシンの認識において、化合物1中のオキシトシン認識部位のアミノ酸の数、組成および配列の有用性が示唆された。
生化学、医療、分析化学における高感度、高選択的かつ簡便な分析法として利用が可能である。本発明のように溶液中の定性・定量分析だけに留まらず、生体組織中のオキシトシンの可視化イメージング色素、簡易分析キットに応用して、販売することもできる。

Claims (7)

  1. 下記一般式[I]であらわされる化合物またはその塩:
    Figure 2018145111
    (式[I]中、Aは下記式(A−1)〜(A−8)のいずれかを示し:
    Figure 2018145111
    ここで、式(A−1)〜(A−8)中、Rは、互いに独立して、水素原子;炭素数1から15の直鎖型若しくは分枝型のアルキル基;炭素数1から10の直鎖型若しくは分枝型のエーテル;フェニル基;フェニル基の一部をアミノ基、ハロゲン、または、ニトロ基に置換したフェニル基;アミノ基;シアノ基;ニトロ基;カルボン酸若しくはその塩若しくはそのエステル若しくはそのアミド;スルホン酸若しくはその塩若しくはそのエステル若しくはそのアミド;チオール基;水酸基若しくはその塩;ケトン;ハロゲン;糖を示す。nは1〜8の整数であって、nが2以上の場合、各Rは、互い同一であっても異なっていてもよい。※は、SまたはBとの結合手を示す。
    また、式[I]中、Bはオキシトシン認識配列を示し、Sは存在しても存在していなくてもよく、存在する場合には1〜10残基のアミノ酸からなるペプチドを示す。)
  2. 請求項1に記載の化合物またはその塩であって、
    一般式[I]中のBで示される前記オキシトシン認識配列が、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチドである、化合物またはその塩。
  3. 請求項1または2に記載の化合物またはその塩であって、
    一般式[I]中、Sで示されるスペーサーが存在し、かつ、前記スペーサーがGP、GPG、GPGSG、GPGSGPG、GPGSGPGSG、AAAAA、GGGGGからなる群より選択されるいずれか一つのアミノ酸配列からなるペプチドである、化合物またはその塩。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物またはその塩であって、
    前記式[I]中、Aが下記式(a−1)〜(a−6)のいずれかで示される化合物またはその塩:
    Figure 2018145111
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物またはその塩を含む、オキシトシン検出用の蛍光試薬。
  6. 請求項5に記載の蛍光試薬を用いてオキシトシンを検出または測定する方法であって、オキシトシンと前記蛍光試薬とを反応させて、前記蛍光試薬の蛍光強度を検出または測定する工程を含む、方法。
  7. 生体試料中のオキシトシンを検出または測定する方法であって、請求項5に記載の蛍光試薬を対象となる生体試料と反応させて、前記蛍光試薬の蛍光強度を検出または測定する工程を含む、方法。
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