JP2018144904A - 搬送装置とそれを含む記録装置、及び寸法検知方法とそれを含む搬送方法と記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】斜行時でもシートの寸法を正しく検知することができる搬送装置とそれを含む記録装置、及び寸法検知方法とそれを含む搬送方法と記録方法を提供する。
【解決手段】
搬送装置は、シートを搬送するためのローラと、ローラに対向する対向ローラと、ローラを駆動する駆動モータ14と、ローラと対向ローラとの間の挟持部にシートの端部が進入する位置から所定搬送量だけシートが搬送される間の駆動モータ14の仕事量を求め、該仕事量に基づいてシートの寸法を求めるシート寸法検知部306と、を含む。
【選択図】図3
【解決手段】
搬送装置は、シートを搬送するためのローラと、ローラに対向する対向ローラと、ローラを駆動する駆動モータ14と、ローラと対向ローラとの間の挟持部にシートの端部が進入する位置から所定搬送量だけシートが搬送される間の駆動モータ14の仕事量を求め、該仕事量に基づいてシートの寸法を求めるシート寸法検知部306と、を含む。
【選択図】図3
Description
本発明は、シートを搬送する搬送装置とそれを含む記録装置、及び寸法検知方法とそれを含む搬送方法と記録方法に関する。
複写機やインクジェットプリンタ等の一般的な記録装置は、被記録媒体であるシートを挟持して搬送しつつインクを吐出する記録ヘッド等の記録部で画像を形成するために、搬送用のローラ等を含む搬送装置を備えている。使用するシートの厚さに合わせて記録条件やシート搬送条件が設定されるが、仮に、搬送装置によって搬送されるシートの実際の厚さが、予め設定された値と異なっていると、記録条件及びシート搬送条件が不適切になり、画像不良を引き起こすおそれがある。また、搬送されるシートの実際の幅が、予め設定された値と異なっていると、例えばインクジェットプリンタの場合には、シートの外部にインクを吐出してしまい、後続のシートを汚すおそれがある。その結果、汚れて使用不能になったシートが生じ、資源の無駄になるおそれがある。
そこで、特許文献1は、搬送用のローラとそれに対向する対向ローラとにシートが挟み込まれた際の回転量またはモータ駆動電流値の変動量(Peak-to-Peak値)を用いてシートの厚さを検知する技術を開示している。また、特許文献2は、搬送用のローラとそれに対向する対向ローラとにシートが挟み込まれた際のモータ駆動電圧または駆動電流値の変動量(Peak-to-Peak値)を用いてシートの幅を検知する技術を開示している。
しかしながら、厚さや幅が一定のシートであっても、ローラと対向ローラとの間に斜行した状態でシートが挟み込まれた場合には、回転量等の変動量が変わる可能性がある。そのため、特許文献1や特許文献2に記載された技術では、斜行したシートの厚さや幅を正しく検知することは困難である。
そこで本発明は、斜行時でもシートの寸法を正しく検知することができる搬送装置とそれを含む記録装置、及び寸法検知方法とそれを含む搬送方法と記録方法を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するために、本発明の搬送装置は、シートを搬送するためのローラと、ローラに対向する対向ローラと、ローラを駆動する駆動モータと、ローラと対向ローラとの間の挟持部にシートの端部が進入する位置から所定搬送量だけシートが搬送される間の駆動モータの仕事量を求め、該仕事量に基づいてシートの寸法を求めるシート寸法検知部と、を含むことを特徴とする。
本発明によると、搬送されるシートがローラとそれに対向する対向ローラとに挟持されて搬送される際の駆動モータの仕事量からシートの寸法を求めるため、仮にシートが斜行していても精度良く寸法を求めることができる。
本発明を実施するための形態について、図面を参照して以下に説明する。
[記録装置の全体構成]
まず、本発明の搬送装置を含む記録装置の主要な機構について説明する。図1は記録装置の斜視図であり、図2はその記録部、給送部、及び搬送部の断面図である。この記録装置の基本構造は、後述する各実施形態において共通であり、主に、シートを被記録媒体として記録を行う記録部と、シートを記録部に供給する給送部と、記録中のシートを搬送する搬送部と、これらの各部の動作をコントロールする制御部とを含む。各部の詳細な構成について以下に説明する。
[記録装置の全体構成]
まず、本発明の搬送装置を含む記録装置の主要な機構について説明する。図1は記録装置の斜視図であり、図2はその記録部、給送部、及び搬送部の断面図である。この記録装置の基本構造は、後述する各実施形態において共通であり、主に、シートを被記録媒体として記録を行う記録部と、シートを記録部に供給する給送部と、記録中のシートを搬送する搬送部と、これらの各部の動作をコントロールする制御部とを含む。各部の詳細な構成について以下に説明する。
(A)記録部
記録部は、キャリッジ1と、キャリッジ1に搭載された記録ヘッド2とを含み、シートに記録(画像形成)を行うものである。具体的には、プラテン5に下方から支持されつつ後述する搬送部により搬送されるシートに対して、プラテン5の上方に位置する記録ヘッド2から例えば液体(インク)を吐出して付着させることにより、記録画像情報に基づく画像形成を行う。キャリッジ1は、図1に示すシートの搬送方向Xと交差するキャリッジの移動方向Yへ移動可能であり、キャリッジ1が移動方向Yに移動しながら記録ヘッド2がシート幅方向の画像記録を行う。
記録部は、キャリッジ1と、キャリッジ1に搭載された記録ヘッド2とを含み、シートに記録(画像形成)を行うものである。具体的には、プラテン5に下方から支持されつつ後述する搬送部により搬送されるシートに対して、プラテン5の上方に位置する記録ヘッド2から例えば液体(インク)を吐出して付着させることにより、記録画像情報に基づく画像形成を行う。キャリッジ1は、図1に示すシートの搬送方向Xと交差するキャリッジの移動方向Yへ移動可能であり、キャリッジ1が移動方向Yに移動しながら記録ヘッド2がシート幅方向の画像記録を行う。
(B)給送部
給送部は記録部のシートの搬送方向における上流側に設けられ、積載されたシートの束から1枚ずつシートを分離して搬送部に供給するものである。給送部は、シートを分離する公知の分離給送機構部(不図示)と、分離給送機構部の下流側に配置され、分離されたシートを搬送部に搬送するPF搬送部とを含む。詳しくは後述するが、PF搬送部は、搬送部へのシートの搬送に加え、記録動作前に搬送部と協働して、傾いたシートを矯正するレジストレーション動作を行う。PF搬送部は、金属軸にゴムローラが挿通されたPFローラ(給送ローラ)30と、PFローラ30の回転に応じて従動回転可能にばね付勢されたPF従動ローラ37とを含む。PFローラ30にはPFモータ46(図3)から駆動力が与えられる。PFローラ30の同軸上には、150〜360lpiのピッチでスリットが形成されたコードホイール(不図示)が配設されている。コードホイールの回転時にスリットがPFエンコーダセンサ(図3)に対向する位置を通過する回数とタイミングがPFエンコーダセンサ47によって読み取られ、PFローラ30の回転速度と回転量が検出される。PF搬送部から搬送部に至るまでの経路には、シートをガイドするピンチローラホルダ4と搬送ガイド31が対向して設けられている。また、経路内には、シートの先端及び後端の通過を検知するための回動式レバー6とレバーの回動を検知するPEセンサ7とが設けられている。
給送部は記録部のシートの搬送方向における上流側に設けられ、積載されたシートの束から1枚ずつシートを分離して搬送部に供給するものである。給送部は、シートを分離する公知の分離給送機構部(不図示)と、分離給送機構部の下流側に配置され、分離されたシートを搬送部に搬送するPF搬送部とを含む。詳しくは後述するが、PF搬送部は、搬送部へのシートの搬送に加え、記録動作前に搬送部と協働して、傾いたシートを矯正するレジストレーション動作を行う。PF搬送部は、金属軸にゴムローラが挿通されたPFローラ(給送ローラ)30と、PFローラ30の回転に応じて従動回転可能にばね付勢されたPF従動ローラ37とを含む。PFローラ30にはPFモータ46(図3)から駆動力が与えられる。PFローラ30の同軸上には、150〜360lpiのピッチでスリットが形成されたコードホイール(不図示)が配設されている。コードホイールの回転時にスリットがPFエンコーダセンサ(図3)に対向する位置を通過する回数とタイミングがPFエンコーダセンサ47によって読み取られ、PFローラ30の回転速度と回転量が検出される。PF搬送部から搬送部に至るまでの経路には、シートをガイドするピンチローラホルダ4と搬送ガイド31が対向して設けられている。また、経路内には、シートの先端及び後端の通過を検知するための回動式レバー6とレバーの回動を検知するPEセンサ7とが設けられている。
(C)搬送部
搬送部は、給送部のシートの搬送方向における下流側に設けられ、給送部から給送されたシートを高精度に搬送し、前述した記録部と協働して画像を形成するものである。搬送部の主な機構は、主側板8と右側板9と左側板10に取り付けられている。搬送部は、主に主搬送ローラ(LFローラ、搬送ローラ)11と排出ローラ12とによってシートを搬送する。LFローラ11は金属軸の表面にセラミックの微小粒をコーティングした構成であり、その両端部は右側板9と左側板10に支持されている。前述したピンチローラホルダ4には、複数のピンチローラ3が支持されている。ピンチローラホルダ4はピンチローラばね13によってモーメントを受け、LFローラ11に対してピンチローラ3を従動可能に圧接させている。
搬送部は、給送部のシートの搬送方向における下流側に設けられ、給送部から給送されたシートを高精度に搬送し、前述した記録部と協働して画像を形成するものである。搬送部の主な機構は、主側板8と右側板9と左側板10に取り付けられている。搬送部は、主に主搬送ローラ(LFローラ、搬送ローラ)11と排出ローラ12とによってシートを搬送する。LFローラ11は金属軸の表面にセラミックの微小粒をコーティングした構成であり、その両端部は右側板9と左側板10に支持されている。前述したピンチローラホルダ4には、複数のピンチローラ3が支持されている。ピンチローラホルダ4はピンチローラばね13によってモーメントを受け、LFローラ11に対してピンチローラ3を従動可能に圧接させている。
LFローラ11の回転力は、DCモータからなる搬送モータ(駆動モータ)14の駆動力が搬送モータプーリ15とタイミングベルト16を介してLFローラ11の軸上に設けられたプーリギア17に伝達されることによって得られている。LFローラ11の同軸上には、150〜360lpiのピッチでスリット(不図示)が形成されたコードホイール18が配設されている。コードホイール18の回転時に、左側板10に設けられたエンコーダセンサ19に対向する位置をスリットが通過する回数とタイミングがエンコーダセンサ19によって読み取られ、LFローラ11の回転速度と回転量が検出される。コードホイール18上には、LFローラ11の原点位相を検出するためのZ相スリットが形成されており、前述したスリットと同様に搬送ローラエンコーダセンサ19によって検出され、LFローラ11の原点位相位置が検出できるように構成されている。
プーリギア17は、プーリ部とギア部からなり、このギア部からの駆動がアイドラギア20を介して排出ローラギア21に伝達されることによって、排出ローラ12が駆動される。排出ローラ12は金属軸と金属軸に挿通されたゴムローラにより構成されている。排出ローラ12と対向する位置に設けられた拍車ホルダ(不図示)には複数の拍車22が取り付けられており、これらの拍車22は、棒状のコイルバネである拍車バネ23によって排出ローラ12へ押圧されている。
排出ローラギア21から定着ローラギア24に駆動力が伝達されることによって、定着ローラ26が駆動される。定着ローラ26は、全長にわたって発熱フィラメントを有するヒータを内蔵している。定着ローラ26と対向する位置には、加圧ローラ25が設けられ、定着ローラ26と加圧ローラ25の間のニップ部をシートが通過することで、シートに形成された画像を定着させる。なお定着部は必ずしも必要ではなく、インクやシートの種類に応じて選択的に用いられる。シート上の画像が定着された後に、シートは排出ローラ12によって機外に排出される。
(D)制御系
図3は、本実施形態の記録装置の制御系の構成を説明するためのブロック図である。制御系は記録装置の各機構部分の動作をコントロールするが、ここでは特徴的な部分についてのみ述べる。メモリ301には、後述するモータ仕事量とシート厚さの相関データ302およびシート幅情報307が格納されている。コントローラ303は、モータドライバ304を介して、各エンコーダセンサからの情報に基づくPWM(Pulse Width Modulation)制御によって、各モータの回転速度や位置制御を行いつつローラの回転駆動を行う。LFローラ11はLFエンコーダセンサ19の情報を元に、PFローラ30はPFエンコーダセンサ47の情報を元にPFモータ46が制御されることによって、所定の回転速度にコントロールされる。LFローラ11の回転駆動のタイミングは、コントローラ303がPEセンサ7からの情報を元にシートの状態を判断して制御する。また、コントローラ303には、シート厚さ検知部306とレジストレーション制御部305が設けられている。シート厚さ検知部306は、LFモータ11の仕事量とシート厚さの相関データ302を元にシート厚さを求めるものである。レジストレーション制御部305は、求められたシート厚さに基づいてレジストレーション動作を制御するものであり、モータドライバ304を介してLFモータ14およびPFモータ46を制御することでレジストレーション動作を実施する。
図3は、本実施形態の記録装置の制御系の構成を説明するためのブロック図である。制御系は記録装置の各機構部分の動作をコントロールするが、ここでは特徴的な部分についてのみ述べる。メモリ301には、後述するモータ仕事量とシート厚さの相関データ302およびシート幅情報307が格納されている。コントローラ303は、モータドライバ304を介して、各エンコーダセンサからの情報に基づくPWM(Pulse Width Modulation)制御によって、各モータの回転速度や位置制御を行いつつローラの回転駆動を行う。LFローラ11はLFエンコーダセンサ19の情報を元に、PFローラ30はPFエンコーダセンサ47の情報を元にPFモータ46が制御されることによって、所定の回転速度にコントロールされる。LFローラ11の回転駆動のタイミングは、コントローラ303がPEセンサ7からの情報を元にシートの状態を判断して制御する。また、コントローラ303には、シート厚さ検知部306とレジストレーション制御部305が設けられている。シート厚さ検知部306は、LFモータ11の仕事量とシート厚さの相関データ302を元にシート厚さを求めるものである。レジストレーション制御部305は、求められたシート厚さに基づいてレジストレーション動作を制御するものであり、モータドライバ304を介してLFモータ14およびPFモータ46を制御することでレジストレーション動作を実施する。
[実施形態1]
前述した全体構成を有する記録装置において、シートの厚さを求める方法について説明する。具体的には、本発明の実施形態1では、図4〜9に示すように、シートの一端が、ローラとそれに対向する対向ローラとの間のニップ部(挟持部)を通過する際のモータの仕事量から、シート厚さを求める。その後に、求めたシート厚さに基づいて、搬送経路に対して傾いたシートを矯正するレジストレーション動作の動作パラメータを変更する。図4は、シートの先端をニップ部に噛み込む(挟み込ませる)際に必要な噛込搬送力を示す概念図である。図5は、シート厚さの違いによって必要な噛込搬送力が変わることを示すグラフである。図6は、噛込搬送力の変化によってローラの回転速度およびモータの駆動電流が変化することを示すグラフである。図7は、シートの斜行量(傾き量)の違いによって噛込搬送力およびモータ駆動電流が変化することを示すグラフである。図8は、モータ駆動電流データからモータ仕事量Δwを算出する方法を説明するためのグラフである。図9は、モータ駆動電流データからモータ仕事量Δwを算出する動作の流れを示すフローチャートである。
前述した全体構成を有する記録装置において、シートの厚さを求める方法について説明する。具体的には、本発明の実施形態1では、図4〜9に示すように、シートの一端が、ローラとそれに対向する対向ローラとの間のニップ部(挟持部)を通過する際のモータの仕事量から、シート厚さを求める。その後に、求めたシート厚さに基づいて、搬送経路に対して傾いたシートを矯正するレジストレーション動作の動作パラメータを変更する。図4は、シートの先端をニップ部に噛み込む(挟み込ませる)際に必要な噛込搬送力を示す概念図である。図5は、シート厚さの違いによって必要な噛込搬送力が変わることを示すグラフである。図6は、噛込搬送力の変化によってローラの回転速度およびモータの駆動電流が変化することを示すグラフである。図7は、シートの斜行量(傾き量)の違いによって噛込搬送力およびモータ駆動電流が変化することを示すグラフである。図8は、モータ駆動電流データからモータ仕事量Δwを算出する方法を説明するためのグラフである。図9は、モータ駆動電流データからモータ仕事量Δwを算出する動作の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、シートの先端がLFローラ11とピンチローラ3との間のニップ部に進入して挟み込まれる(噛み込まれる)際には、ピンチローラバネ13(図1,2)によってピンチローラ圧力401が発生する。このピンチローラ圧力401は、ピンチローラ3を介してシートに圧接力(用紙圧接力)402として作用する。シートがニップ部に噛み込まれるためには、シートのもう一方の面(図4の下面)に接するLFローラ11が、前述した圧接力402と釣り合うような反力(圧接反力)403および噛込搬送力404を発生させる必要がある。噛込搬送力404は、LFローラ11の接線方向にかかる力であり、LFローラ11を回転させるトルクに加算される力である。
噛込搬送力404は、ピンチローラ圧力401と、図4に示したピンチローラ3とLFローラ11とシートの幾何的な位置関係とから理論的に算出することができる。図5は、斜行していないシートがピンチローラ圧力401に打ち勝ってニップ部に噛み込まれるまでに要する噛込搬送力(噛込負荷)の遷移を示したグラフである。図5(A)は厚いシートの場合の噛込搬送力の変化であり、図5(B)は薄いシートの場合の噛込搬送力の変化である。シートが薄くなるほど、噛込搬送力の変動量(Peak-to-Peak値)ΔFが小さくなることが分かる。
噛込搬送力は、シートをニップ部に噛み噛ませるために要する力であり、ローラ駆動系にとっては外乱となる。図6(A)に示すように、一般的に、本実施形態のようなモータの駆動電流を制御して回転速度制御や位置制御を行う駆動系においては、外乱によって一時的にLFローラの回転速度Δvが低下する。従って、LFローラ駆動用のモータ駆動電流Δiを増大させることにより、所望の位置に正確にシートを搬送できるように制御を行っている。薄いシートを噛み込む場合には、図6(B)に示すように噛込搬送力は小さく、LFローラ11の回転速度の低下量も小さいので、LFローラ11を駆動するモータ駆動電流の変動量(Peak-to-Peak値)Δiも小さい。
噛込搬送力は、シートをニップ部に噛み噛ませるために要する力であり、ローラ駆動系にとっては外乱となる。図6(A)に示すように、一般的に、本実施形態のようなモータの駆動電流を制御して回転速度制御や位置制御を行う駆動系においては、外乱によって一時的にLFローラの回転速度Δvが低下する。従って、LFローラ駆動用のモータ駆動電流Δiを増大させることにより、所望の位置に正確にシートを搬送できるように制御を行っている。薄いシートを噛み込む場合には、図6(B)に示すように噛込搬送力は小さく、LFローラ11の回転速度の低下量も小さいので、LFローラ11を駆動するモータ駆動電流の変動量(Peak-to-Peak値)Δiも小さい。
以上説明した通り、噛込搬送力やLFローラ11の回転速度およびモータの駆動電流の変動量(Peak-to-Peak値)ΔF,Δv,Δiとシート厚さとの間には相関関係がある。しかし、シートが斜行している場合には前述した相関関係が成立しないことがある。図7(B)に示すように、シート厚さが一定であっても、シートが斜行している場合、噛込搬送力のグラフは、図7(A)のように急激な増大と低下とを示すことはなく、ジグザグ状に徐々に増大した後になだらかに低下しており、その最大値は小さい。これは、シート幅方向に複数配置されたピンチローラ3が個々にピンチローラ圧力を発生させるため、斜行したシートの場合、各ピンチローラ3の位置での噛込搬送力がそれぞれ異なるタイミングで発生することによる。その結果、図7(B)に示すように、LFローラ11の回転速度制御や位置制御を行うためのモータ駆動電流の最大値も小さくなる。従って、ニップ部にシートが噛み込まれる際のモータ駆動電流の変動量(Peak-to-Peak値))Δiからシート厚さを検知することはできない。
しかしながら、シートがニップ部に噛み込まれてシートが所定量だけ搬送される間のモータの仕事量は、シート厚さによって一意に決まる。つまり、図7(A),7(B)において、ニップが噛み込まれた時から、所定量(図示されている例では距離L)だけシートが搬送されるまでのモータ駆動電流値を積分した値は、斜行の有無に関わらず等しい。駆動電流の積分値は、図7(A),7(B)においてハッチングで示されている部分の面積(Δw)である。
しかしながら、シートがニップ部に噛み込まれてシートが所定量だけ搬送される間のモータの仕事量は、シート厚さによって一意に決まる。つまり、図7(A),7(B)において、ニップが噛み込まれた時から、所定量(図示されている例では距離L)だけシートが搬送されるまでのモータ駆動電流値を積分した値は、斜行の有無に関わらず等しい。駆動電流の積分値は、図7(A),7(B)においてハッチングで示されている部分の面積(Δw)である。
このモータの仕事量の算出法について、図8〜10を参照して具体的に説明する。図8は、モータ駆動電流データから、シートのニップ部への噛み込みおよび搬送に伴うモータ仕事量Δwを算出する方法を説明するための概念図である。図9は、モータ駆動電流データから、シートのニップ部への噛み込みおよび搬送に伴うモータ仕事量Δwを算出するための動作の流れを示すフローチャートである。図10は、モータ仕事量Δwとシート厚さの関係を示すグラフである。
図3に示すシート厚さ検知部(シート寸法検知部)306は、図8に示すように、シートのニップ部への噛み込みに先立ってシートが所定位置d1に到達したタイミングで、モータ15の駆動電流値の測定を開始する。駆動電流値の測定は、所定位置d1からのシート搬送量が所定搬送量L1になるまで(位置d3に到達するまで)実施される(図9に示すステップS1001)。ここで所定位置d1と所定搬送量L1は、モータ駆動電流値が測定される期間内にシートのニップ部への噛み込みが確実に行われるように設定されるパラメータである。
モータ15の駆動電流値の測定が行われた後、シート厚さ検知部306は測定データに基づいて、図8に示す電流平均値iaveを算出する(ステップS1002)。電流平均値iaveは、ニップ部にシートが噛み込まれる前のモータ駆動電流の平均値である。
続いて、シート厚さ検知部306は、図8に示すニップ部への噛み込み時(位置d2)の駆動電流と電流平均値iaveとの差を算出する。(ステップS1003)。
次に、シート厚さ検知部306は、シート厚さを求めるために、ニップ部への噛み込みおよびその後の搬送(搬送量x)に伴うモータ仕事量Δwを以下の式1に従って算出する(ステップS1004)。モータ仕事量Δwは、ニップ部にシートが噛み込まれたタイミングからシートを所定搬送量L2だけ(噛み込み位置d2から測定終了位置d3まで)搬送する際にモータが行う仕事量である。
モータ仕事量Δwとシート厚さの相関関係を図10に示す。シート厚さが厚くなるにつれて、モータ仕事量Δwも増加することが分かる。
続いて、シート厚さ検知部306は、図8に示すニップ部への噛み込み時(位置d2)の駆動電流と電流平均値iaveとの差を算出する。(ステップS1003)。
次に、シート厚さ検知部306は、シート厚さを求めるために、ニップ部への噛み込みおよびその後の搬送(搬送量x)に伴うモータ仕事量Δwを以下の式1に従って算出する(ステップS1004)。モータ仕事量Δwは、ニップ部にシートが噛み込まれたタイミングからシートを所定搬送量L2だけ(噛み込み位置d2から測定終了位置d3まで)搬送する際にモータが行う仕事量である。
以下の表1は、複数の特定のシート厚さと、各厚さのシートのニップ部への噛み込み及び所定搬送量L2の搬送のために発生するモータ仕事量(モータ駆動電流積分値)Δwとの関係を示す相関テーブルである。このような相関テーブルがシートのサイズ毎に予め用意され、搬送装置に記憶されている。相関テーブルは、前述したように噛込搬送力を元に理論的に算出して作成してもよく、予め実験を行って求めたデータに基づいて作成してもよい。
シート厚さ検知部306は、使用したシートのサイズ(サイズA〜サイズD)に応じたテーブルを参照し、ニップ部へのシートの進入から所定搬送量L2だけシートが搬送されるまでの間のモータ駆動電流の積分値Δwと最も近い値をテーブル中から見つけ出す。そして、そのテーブル中で、前述した最も近い値に対応するシート厚さを、使用したシートの厚さとみなす(ステップS1005)。ここで言うシートのサイズとは、A4やB5等の統一された規格のサイズである。
以上説明したように、ニップ部へのシートの噛み込みから所定搬送量だけシートが搬送されるまでのモータ駆動電流値を積分すれば、斜行の有無に関わらず、シート厚さを検知することが可能である。なお、モータ仕事量は、前述したようにモータ駆動電流値の積分に基づいて算出してもよいが、モータ制御指令値であるPWM(Pulse Width Modulation)やモータの発生トルク等に基づいて算出してもよい。このようにモータ仕事量の算出は、モータ駆動電流を用いた算出方法に限定されない。
次に、図11〜12を参照して、前述したシート厚さの検知と、その検知結果に基づくレジストレーション動作のパラメータの変更を含む記録動作の、給送開始から排出終了までの流れを説明する。図11は、給送からレジストレーション動作が完了するまでのシートの状態と各部位の動作を示す模式図である。図12は給送からシートが排出されるまでの制御動作の流れを示すフローチャートである。
まず、記録装置が画像記録動作の信号を受信すると、分離給送機構部(不図示)によって、複数束に積載されたシートを1枚ずつ分離して、PFローラ30に向けて搬送する(図12のステップS1101)。
PFローラ30は、分離給送機構部から給送搬送経路34を介してシートを受け取ってそのシートを搬送する。図11(a)に示すようにシートが搬送経路内の回動式レバー6に到達すると、シートによって回動式レバー6が押されて回動し、その回動がPEセンサ7によって検出されることにより、シートの先端の到達が検知される(ステップS1102)。
PEセンサ7によってシート先端が検知されると、LFローラ11は搬送方向に回転(正回転)を開始する(ステップS1103)。図11(b)に示すように、PEセンサ7によるシート先端の検出の後も引き続きPFローラ30はシートを搬送方向下流へLFローラ11に向けて搬送する。
図11(c)に示すように、PFローラ30とLFローラ11によって、シート先端がLFローラ11とピンチローラ3の間のニップ部(挟持部)へ搬送される。このニップ部においてシートを噛み込んで所定搬送量だけ搬送する間に、前述したようにシート厚さ検知部がシート厚さを検知する(ステップS1104)。
PFローラ30は、分離給送機構部から給送搬送経路34を介してシートを受け取ってそのシートを搬送する。図11(a)に示すようにシートが搬送経路内の回動式レバー6に到達すると、シートによって回動式レバー6が押されて回動し、その回動がPEセンサ7によって検出されることにより、シートの先端の到達が検知される(ステップS1102)。
PEセンサ7によってシート先端が検知されると、LFローラ11は搬送方向に回転(正回転)を開始する(ステップS1103)。図11(b)に示すように、PEセンサ7によるシート先端の検出の後も引き続きPFローラ30はシートを搬送方向下流へLFローラ11に向けて搬送する。
図11(c)に示すように、PFローラ30とLFローラ11によって、シート先端がLFローラ11とピンチローラ3の間のニップ部(挟持部)へ搬送される。このニップ部においてシートを噛み込んで所定搬送量だけ搬送する間に、前述したようにシート厚さ検知部がシート厚さを検知する(ステップS1104)。
シート厚さの検知の後は、図11(d)に示すように、PFローラ30とLFローラ11を逆回転させ、シート先端をLFローラ11とピンチローラ3の間のニップ部から退避させる(ステップ1105)。
続いて、図11(e)に示すように、PFローラ30を正回転させLFローラ11を逆回転させることでシートにループ(撓み)を形成し、LFローラ11にシートの端部を突き当てて斜行を矯正するレジストレーション動作を行う(ステップS1106)。斜行矯正条件の1つであるループ量は、ステップS1104で検知したシート厚さに応じて変更する。シートが厚い場合は図11(e)に点線で示すような小さいループを形成し、シートが薄い場合は実線に示すような大きいループを形成する。シートが薄いほどループ量が大きいのは、シートの曲げ剛性が小さくループ反力が小さいため、LFローラ11のニップにシート先端が突き当たりにくいからである。ループ量の調整は、PFローラ30の回転量を調整してPFローラ40による搬送量を変更することによって行う。以下の表2に示すように、レジストレーション動作時の給送部のPFローラ30によるシートの搬送量を、所定のサイズのシートごとにシートの厚さと対応させて示しているテーブルを用意して、搬送装置に記憶しておく。それによって、前述したループ形成のためのPFローラ40による搬送量が決められる。
レジストレーション動作の後には、図11(f)に示すように、LFローラ40を正回転させて記録部にシートを搬送し(ステップS1107)、記録動作を行う(ステップS1108)。最後に、シートを記録装置の外部に排出する排出動作を行い(ステップS1109)、記録動作を終了する。
続いて、図11(e)に示すように、PFローラ30を正回転させLFローラ11を逆回転させることでシートにループ(撓み)を形成し、LFローラ11にシートの端部を突き当てて斜行を矯正するレジストレーション動作を行う(ステップS1106)。斜行矯正条件の1つであるループ量は、ステップS1104で検知したシート厚さに応じて変更する。シートが厚い場合は図11(e)に点線で示すような小さいループを形成し、シートが薄い場合は実線に示すような大きいループを形成する。シートが薄いほどループ量が大きいのは、シートの曲げ剛性が小さくループ反力が小さいため、LFローラ11のニップにシート先端が突き当たりにくいからである。ループ量の調整は、PFローラ30の回転量を調整してPFローラ40による搬送量を変更することによって行う。以下の表2に示すように、レジストレーション動作時の給送部のPFローラ30によるシートの搬送量を、所定のサイズのシートごとにシートの厚さと対応させて示しているテーブルを用意して、搬送装置に記憶しておく。それによって、前述したループ形成のためのPFローラ40による搬送量が決められる。
以上説明したように、本実施形態では、シート厚さの検知を行うローラ及びそれに対向する対向ローラとしてLFローラ11とピンチローラ3を用いており、LFローラ11とピンチローラ3の間のニップ部においてシート厚さの検知を行っている。ただし、本発明はこのような例に限定されない。例えば、PFローラ30とそれに対向するPF従動ローラ37をシート厚さの検知を行うローラ及び対向ローラとして用い、PFローラ30とPF従動ローラ37との間のニップ部において前述した各ステップと同様な動作を行ってシート厚さを検知してもよい。
また、本実施形態では、逆回転するLFローラ11にシートの先端を突き当てる逆転突き当て矯正(逆回転矯正モード)によってレジストレーション動作を行っているが、これに限定されるものではない。例えば、停止したLFローラ11にシートを突き当てる停止突き当て矯正(停止矯正モード)を実行することもできる。また、LFローラ11を正回転させてシート先端をニップ部に一旦進入させた後に、上流側のPFローラ30の停止時にLFローラ11を逆回転させてLFローラ11にシート先端を突き当てる噛み込み突き当て矯正(噛み込み矯正モード)も実行可能である。さらに、必要がなければ矯正モードを解除してもよい、すなわちレジストレーション動作を行わなくてもよい。斜行矯正条件であるこれらの複数の矯正モードのうちのどれを選択して実行するか、または矯正モードを解除するかは、検知したシート厚さに応じて決定してもよい。すなわち、薄く剛性の小さいシートと、厚く剛性の大きいシートでは、異なるレジストレーション動作(矯正モード)を行うことが好ましい場合がある。また、非常に薄いシートを用いる場合や斜行の可能性が低い場合には、矯正モードを解除してレジストレーション動作を行わない方が好ましい場合もある。
[実施形態2]
次に、本発明の実施形態2について説明する。実施形態1ではシート厚さの検知結果に応じてレジストレーション動作時のPFローラ30の搬送量を変更していたのに対し、本実施形態ではシート厚さの検知結果に応じて、両面記録時の搬送速度を変更するという点に特徴がある。ここではその相違点について図13〜15を参照して説明する。図13は、本実施形態において用いられる記録装置の断面図である。図14は、その記録装置の制御構成を説明するためのブロック図である。図15は、本実施形態の記録動作の流れを示すフローチャートである。
次に、本発明の実施形態2について説明する。実施形態1ではシート厚さの検知結果に応じてレジストレーション動作時のPFローラ30の搬送量を変更していたのに対し、本実施形態ではシート厚さの検知結果に応じて、両面記録時の搬送速度を変更するという点に特徴がある。ここではその相違点について図13〜15を参照して説明する。図13は、本実施形態において用いられる記録装置の断面図である。図14は、その記録装置の制御構成を説明するためのブロック図である。図15は、本実施形態の記録動作の流れを示すフローチャートである。
本実施形態において用いられる記録装置の、実施形態1の記録装置との相違点である逆送り部(シート反転機構)について、図13を用いて説明する。本実施形態では、被記録媒体であるシートの一方の面(第1面)の記録に続いて他方の面(第2面)にも記録するために、逆送り部38を用いている。逆送り部38は、第1の切り替えフラッパ32と、第2の切り替えフラッパ33と、両面ローラ29と、両面ローラ29に対向して押圧する両面ピンチローラ36と、両面給送搬送経路35と、を備えている。両面給送搬送経路35は、主に逆送り外側ガイド27と逆送り内側ガイド28とによって構成されている。
第1面に記録されたシートは、その後端がLFローラ11とピンチローラ3の間のニップ部を通り抜けるまで搬送された後、LFローラ11の逆回転によって、両面ローラ29と両面ピンチローラ36との間のニップ部に送り込まれる。その際に、シートを両面ローラ29と両面ピンチローラ36との間のニップ部に送りこむために、第2の切り換えフラッパ33が移動してシートの進路が切り替えられる。
両面ローラ29と両面ピンチローラ36との間のニップ部に搬送されたシートは、両面モータ(不図示)に駆動されて両面ローラ29が逆回転することで、両面給送搬送経路35に送り込まれる。
両面ローラ29の同軸上には、150〜360lpiのピッチでスリットが形成されたコードホイール(不図示)が配設されている。回転するコードホイールのスリットがエンコーダセンサ49(図14)に対向する位置を通過する回数とタイミングが、エンコーダセンサ49によって検知され、それに基づいて両面ローラ29の回転速度と回転量が検出される。次いで、第1の切り換えフラッパ32を移動させてシートの進路を切り替え、シートをPFローラ30とPF従動ローラ37との間のニップ部に搬送する。そして、第2の切り換えフラッパ33を移動させてシートをLFローラ11とピンチローラ3の間のニップ部に送る。
両面ローラ29と両面ピンチローラ36との間のニップ部に搬送されたシートは、両面モータ(不図示)に駆動されて両面ローラ29が逆回転することで、両面給送搬送経路35に送り込まれる。
両面ローラ29の同軸上には、150〜360lpiのピッチでスリットが形成されたコードホイール(不図示)が配設されている。回転するコードホイールのスリットがエンコーダセンサ49(図14)に対向する位置を通過する回数とタイミングが、エンコーダセンサ49によって検知され、それに基づいて両面ローラ29の回転速度と回転量が検出される。次いで、第1の切り換えフラッパ32を移動させてシートの進路を切り替え、シートをPFローラ30とPF従動ローラ37との間のニップ部に搬送する。そして、第2の切り換えフラッパ33を移動させてシートをLFローラ11とピンチローラ3の間のニップ部に送る。
続いて、本実施形態の記録装置の制御系の構成について図14を参照して説明する。この制御系は記録装置の各機構部の動作をコントロールするが、ここでは実施形態1と異なる部分についてのみ述べる。コントローラ303には、シート厚さ検知部306と、検出されたシート厚さに基づいて両面搬送時のシート搬送速度を制御する両面搬送制御部308とが設けられている。両面搬送制御部308は、モータドライバ304を介して、LFモータ14、PFモータ46、および両面モータ48を制御することで両面シート搬送を実施する。
図15は、本実施形態における記録動作の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、シート厚さを検知するまでの動作フローは実施形態と同じであり、説明は省略する(ステップS1101〜S1104)。本実施形態では、厚さを求めたシートの片面(第1面)に対して、前述したステップS1108(図12)と同様の方法で記録を行う(ステップS2105)。
第1面の記録が終了した後は、第2の切り換えフラッパ33を移動させて、シートを両面ローラ29と両面ピンチローラ36との間のニップ部に送りこむために進路を切り替える(ステップS2106)。続いて、LFローラ11と両面ローラ29を逆回転させ、両面搬送経路35にシートを搬送する(ステップS2107)。それから、第1の切り換えフラッパ32を移動して(ステップS2108)、PFローラ30とLFローラ11を正回転(ステップS2109〜S2110)させてシートを記録部に搬送し、第2面への記録動作を行う(ステップS2111)。最後に排出動作を行って(ステップS2112)、両面への記録動作が終了する。
第1面の記録が終了した後は、第2の切り換えフラッパ33を移動させて、シートを両面ローラ29と両面ピンチローラ36との間のニップ部に送りこむために進路を切り替える(ステップS2106)。続いて、LFローラ11と両面ローラ29を逆回転させ、両面搬送経路35にシートを搬送する(ステップS2107)。それから、第1の切り換えフラッパ32を移動して(ステップS2108)、PFローラ30とLFローラ11を正回転(ステップS2109〜S2110)させてシートを記録部に搬送し、第2面への記録動作を行う(ステップS2111)。最後に排出動作を行って(ステップS2112)、両面への記録動作が終了する。
両面搬送経路35へシートを搬送する時(ステップS2107)のローラの回転速度は、ステップS1104で検知したシート厚さに応じて変更し、シート厚さが薄いほどローラの回転速度を小さくする。その理由は、シート厚さが薄いほど片面記録後のシートの弾性係数の低下が大きく、シートガイド等に当接した時の衝撃力によって容易にシートが座屈し、シート詰まり(ジャミング)が発生し易いからである。同様の理由から、第1の切り換えフラッパ32を移動した後のPFローラ30およびLFローラ11の正転(ステップS2109〜S2110)の回転速度も、シート厚さが薄いほど遅くなるように調整する。表3に示すように、各ローラによる搬送速度を、所定のサイズのシートごとにシートの厚さと対応させて示しているテーブルを用意して、搬送装置に記憶しておく。それによって、前述したシート搬送時のローラによる搬送速度およびそのための回転速度が決められる。
本実施形態では、片面(第1面)の記録後に、裏面(第2面)を記録する際のローラによる搬送速度を制御しているが、片面記録時のインクの打ちこみ量(吐出量)や搬送方向におけるインク打ちこみ量の分布に応じて、ローラによる搬送速度を変更してもよい。
[実施形態3]
本発明の実施形態3について説明する。実施形態1ではシート厚さの検知結果に応じてレジストレーション動作時のPFローラの搬送量を変更していたのに対し、本実施形態では、シート厚さの検知結果に応じてプラテン5とキャリッジ1との間の距離を変更するという点に特徴がある。ここではその相違点について、図16〜18を参照して説明する。図16は、本実施形態において用いられる記録装置の断面図である。図17は、その記録装置の制御構成を説明するためのブロック図である。図18は、本実施形態の記録動作の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施形態3について説明する。実施形態1ではシート厚さの検知結果に応じてレジストレーション動作時のPFローラの搬送量を変更していたのに対し、本実施形態では、シート厚さの検知結果に応じてプラテン5とキャリッジ1との間の距離を変更するという点に特徴がある。ここではその相違点について、図16〜18を参照して説明する。図16は、本実施形態において用いられる記録装置の断面図である。図17は、その記録装置の制御構成を説明するためのブロック図である。図18は、本実施形態の記録動作の流れを示すフローチャートである。
本実施形態において用いられる記録装置の記録部は、実施形態1の記録部と異なり、キャリッジ1とプラテン5との間の距離(紙間距離)を変更可能である。例えば、図16に示すように、カム39と、接触子40と、従節41と、従節ガイド42を備えており、従節41はプラテン5と結合されている。従って、カム39が紙間制御モータ(図17)に駆動されて回転すると、接触子40および従節41が図16の矢印方向(上下方向)に移動し、プラテン5も上下方向に移動して紙間距離が変更する。
次に、本実施形態の記録装置の制御系について実施形態1と異なる部分について述べる。図17に示すように、コントローラ303には、シート厚さ検知部306と、検出されたシート厚に基づいて紙間距離を変更する紙間制御部309とが設けられている。紙間制御部309は、モータドライバ304を介して紙間制御モータ51を制御して、紙間距離を変更する。
図18に示す本実施形態の記録動作において、シート厚さを検知するまでの動作(ステップS1101〜S1104)は実施形態1の各ステップと同じであり、説明を省略する。そして、LFローラ11とピンチローラ3の間のニップ部にシートが噛み込まれた状態でシート厚さを検知した後に、LFローラ11を停止させる(ステップS3105)。そして、シート厚さの検知結果に応じて紙間制御モータを回転させて、キャリッジ1とプラテン5との間の距離(紙間距離)を変更する(ステップS3106)。紙間距離の変更は、前述したようにプラテン5を図16の上下方向に移動させることによって行う。それから、LFローラ11を正回転させて、記録部のキャリッジ2の下にシートを搬送して(ステップS3107)、記録動作を行い(ステップS3108)、排出動作を行って(ステップS3109)、記録動作を終了する。
表4に示すように、適切な紙間距離を、所定のサイズのシートごとにシートの厚さと対応させて示しているテーブルを用意して、搬送装置に記憶しておく。それによって、検知したシート厚さに応じた紙間距離が決められる。キャリッジの速度が一定ではなく複数の速度が設定されており適宜に選択される場合は、キャリッジの速度毎に異なるテーブルを用意しておく。
本実施形態ではプラテン5を移動させることにより紙間距離を変更しているが、キャリッジ1を移動させることにより紙間距離を変更する構成であってもよい。
[実施形態4]
本発明の実施形態4について説明する。実施形態1ではシート厚さの検知結果に応じてレジストレーション動作時のPFローラの搬送量を変更していたのに対し、本実施形態ではシート厚さの検知結果に応じて、記録ヘッドからの液体吐出量(インク吐出量)を変更するという点に特徴がある。ここではその相違点についてのみ、図19〜20を参照して説明する。図19は、本実施形態において用いられる記録装置の制御構成を説明するためのブロック図である。図20は、本実施形態の記録動作の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施形態4について説明する。実施形態1ではシート厚さの検知結果に応じてレジストレーション動作時のPFローラの搬送量を変更していたのに対し、本実施形態ではシート厚さの検知結果に応じて、記録ヘッドからの液体吐出量(インク吐出量)を変更するという点に特徴がある。ここではその相違点についてのみ、図19〜20を参照して説明する。図19は、本実施形態において用いられる記録装置の制御構成を説明するためのブロック図である。図20は、本実施形態の記録動作の流れを示すフローチャートである。
本実施形態の記録装置の制御系について実施形態1と異なる部分について述べる。図19に示すように、コントローラ303には、シート厚さ検知部306と、検出されたシート厚さに基づいて記録ヘッドのインク吐出量を変更するインク打ち込み量制御部310が設けられている。
図20に示す本実施形態の記録動作において、シート厚さを検知するまでの動作(ステップS1101〜S1104)は実施形態1の各ステップと同じであり、説明を省略する。そして、LFローラ11とピンチローラ3の間のニップ部にシートが噛み込まれた状態でシート厚さを検知した後に、LFローラ11を停止させる(ステップS4105)。そして、シート厚さの検知結果に応じて記録ヘッドにインク打ちこみ量を指示する(S4106)。それから、LFローラ11を正回転させて記録部のキャリッジ2の下にシートを搬送して(ステップS4107)、記録動作を行い(ステップS4108)、排出動作を行って(ステップS4109)、記録動作を終了する。
表5に示すように、適切なインク打ち込み量を、所定のサイズのシートごとにシートの厚さと対応させて示しているテーブルを用意して、搬送装置に記憶しておく。それによって、検知したシート厚さに応じたインク打ち込み量が決められる。
表5に示すように、適切なインク打ち込み量を、所定のサイズのシートごとにシートの厚さと対応させて示しているテーブルを用意して、搬送装置に記憶しておく。それによって、検知したシート厚さに応じたインク打ち込み量が決められる。
[実施形態5]
本発明の実施形態5について説明する。実施形態1ではシート厚さの検知結果に応じてレジストレーション動作時のPFローラの搬送量を変更していたのに対し、本実施形態ではシート厚さの検知結果に応じて、シートに画像を定着させる定着温度を変更する点に特徴がある。ここではその相違点についてのみ、図21〜23を参照して説明する。図21は、本実施形態において用いられる記録装置の定着部の断面図である。図22は、その記録装置の制御構成を説明するためのブロック図である。図23は、本実施形態の記録動作の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施形態5について説明する。実施形態1ではシート厚さの検知結果に応じてレジストレーション動作時のPFローラの搬送量を変更していたのに対し、本実施形態ではシート厚さの検知結果に応じて、シートに画像を定着させる定着温度を変更する点に特徴がある。ここではその相違点についてのみ、図21〜23を参照して説明する。図21は、本実施形態において用いられる記録装置の定着部の断面図である。図22は、その記録装置の制御構成を説明するためのブロック図である。図23は、本実施形態の記録動作の流れを示すフローチャートである。
本実施形態の記録装置では、LFローラ11とピンチローラ3の間のニップ部にシートが噛み込まれてシート厚さが検知され、記録部において画像が形成された後に、シートは排出ローラ12を通過して定着部に到達する。定着部は、図21に示すように、全長にわたって発熱フィラメント44を有するヒータ43を内蔵する定着ローラ26と、定着ローラ26に対向する加圧ローラ25とを備え、未定着画像をシートに定着させる働きをする。定着ローラ26の外側表面には温度検知手段45を備え、定着ローラ26と加圧ローラ25の間のニップ部の温度が定着に適した温度に維持されるように、熱源である発熱フィラメント44への電力供給が制御される。
本実施形態の記録装置の制御系について実施形態1と異なる部分について述べる。図22に示すように、コントローラ303には、シート厚さ検知部306と、検出されたシート厚さに基づいて定着温度を制御する定着温度制御部311とが設けられている。定着温度制御部311は定着ローラ26に給電し、発熱フィラメント44による加熱温度を制御する。
図23に示す本実施形態の記録動作において、シート厚さを検知するまでの動作(ステップS1101〜S1104)は実施形態1の各ステップと同じであり、説明を省略する。そして、LFローラ11とピンチローラ3の間のニップ部にシートが噛み込まれた状態でシート厚さを検知した後に、記録部において記録動作を行い、定着部までシートを搬送する(ステップS5105)。それから定着温度制御部311による定着温度指令に従って定着部で定着動作を行い(ステップS5106)、排出動作を行って(ステップS5107)、記録動作を終了する。
表6に示すように、適切な定着温度を、所定のサイズのシートごとにシートの厚さと対応させて示しているテーブルを用意して、搬送装置に記憶しておく。それによって、検知したシート厚さに応じた定着温度が決められる。
表6に示すように、適切な定着温度を、所定のサイズのシートごとにシートの厚さと対応させて示しているテーブルを用意して、搬送装置に記憶しておく。それによって、検知したシート厚さに応じた定着温度が決められる。
[実施形態6]
本発明の実施形態6について説明する。実施形態1ではシート厚さの検知結果に応じてレジストレーション動作時のPFローラの搬送量を変更していたのに対し、本実施形態ではシート幅を検知する。そして、シート幅の検知結果が、ユーザがプリンタドライバに予め設定したシート幅の設定値と異なる場合、エラーと判定してユーザに通知する。ここでは本実施形態と実施形態1の相違点についてのみ、図24〜26を参照して説明する。図24は、本実施形態において用いられる記録装置の制御構成を説明するためのブロック図である。図25は、シート幅の変化に対応する負荷変動量とモータ駆動電流変動量を示すグラフである。図26は、本実施形態の記録動作の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施形態6について説明する。実施形態1ではシート厚さの検知結果に応じてレジストレーション動作時のPFローラの搬送量を変更していたのに対し、本実施形態ではシート幅を検知する。そして、シート幅の検知結果が、ユーザがプリンタドライバに予め設定したシート幅の設定値と異なる場合、エラーと判定してユーザに通知する。ここでは本実施形態と実施形態1の相違点についてのみ、図24〜26を参照して説明する。図24は、本実施形態において用いられる記録装置の制御構成を説明するためのブロック図である。図25は、シート幅の変化に対応する負荷変動量とモータ駆動電流変動量を示すグラフである。図26は、本実施形態の記録動作の流れを示すフローチャートである。
本実施形態の記録装置の制御系について実施形態1と異なる部分について述べる。図24に示すように、本実施形態の制御系のメモリ301には、後述するモータ仕事量とシート幅の相関データ312と、シート厚さ情報313が格納されている。コントローラ303には、LFモータ11の仕事量とシート幅との相関データ312を元にシート幅を求めるシート幅検知部(シート寸法検知部)314と、検出されたシート幅に基づいてエラー通知を行うエラー通知部315が設けられている。通知部315は、表示手段316を介してユーザにエラーを通知する。
本実施形態において、シートの一端がローラ間のニップ部を通過する際のモータの仕事量からシートの幅を検知する方法について説明する。シートの幅が異なると、シートを押圧するピンチローラ3の個数が変化するため、必要な噛み込み搬送力も変わる。図25の(A)はシート幅が広い場合、(B)はシート幅が狭い場合の噛込搬送力を示しており、シート幅が広いほど、噛込搬送力(噛込負荷)ΔFが大きくなることが分かる。
噛込搬送力は、シートをニップ部に噛み噛ませるために要する力であり、ローラ駆動系にとっては外乱となる。一般的に、本実施形態のようなモータの駆動電流を制御して回転速度制御や位置制御を行う駆動系においては、外乱によって一時的にLFローラの回転速度Δvが低下する。シート幅が広いほど噛込搬送力ΔFが大きく、LFローラ11の回転速度の低下量Δvも大きいので、LFローラ11を所定量だけ搬送させるためのモータ仕事量Δwも大きくなる。このモータ仕事量Δwは、図25のハッチング部の面積であり、モータ駆動電流値Δiの積分値と実質的に同じである。よってモータ仕事量Δwに基づいてシート幅を検知できる。シート幅の検知のためにシートがニップ部に噛み込まれた時の駆動電流変動値Δiを使用しない理由は、ニップ部に噛み込まれる時にシートが斜行していると、同じシート幅であっても駆動電流変動値Δiの値が変わるためである。これに対し、モータ仕事量Δw、すなわちモータ駆動電流値Δiの積分値は、シートが斜行していたとしても、同じ幅のシートであれば一定である。
噛込搬送力は、シートをニップ部に噛み噛ませるために要する力であり、ローラ駆動系にとっては外乱となる。一般的に、本実施形態のようなモータの駆動電流を制御して回転速度制御や位置制御を行う駆動系においては、外乱によって一時的にLFローラの回転速度Δvが低下する。シート幅が広いほど噛込搬送力ΔFが大きく、LFローラ11の回転速度の低下量Δvも大きいので、LFローラ11を所定量だけ搬送させるためのモータ仕事量Δwも大きくなる。このモータ仕事量Δwは、図25のハッチング部の面積であり、モータ駆動電流値Δiの積分値と実質的に同じである。よってモータ仕事量Δwに基づいてシート幅を検知できる。シート幅の検知のためにシートがニップ部に噛み込まれた時の駆動電流変動値Δiを使用しない理由は、ニップ部に噛み込まれる時にシートが斜行していると、同じシート幅であっても駆動電流変動値Δiの値が変わるためである。これに対し、モータ仕事量Δw、すなわちモータ駆動電流値Δiの積分値は、シートが斜行していたとしても、同じ幅のシートであれば一定である。
図26を参照して、本実施形態においてシート幅検知部がシート幅を求める方法について、より詳細に説明する。表7には、複数の特定のシート幅と、それらの各幅のシートのニップ部への噛み込み及び所定搬送量L2の搬送のために発生するモータ仕事量(モータ駆動電流積分値)Δwとの関係を示す相関テーブル(表)が示されている。本実施形態では、このような相関テーブルがシートの厚さ毎に予め用意され、搬送装置に記憶されている。この相関テーブルは、前述したように噛込搬送力を元に理論的に算出して作成してもよく、予め実験を行って求めたデータに基づいて作成してもよい。
シート幅検知部314は、使用したシートの厚さに応じたテーブルを参照して、ニップ部へのシートの噛み込みから所定搬送量L2だけシートが搬送されるまでの間のモータ駆動電流値の積分値Δwと最も近い値をテーブル中から見出す。そして、そのテーブル中で、前述した最も近い値に対応するシート幅を、使用したシートの幅とみなす。
駆動電流値を積分する区間は、シートがニップ部を通過する位置を確実に含むように設定される。例えばLFローラ11の直径とPRローラの直径が10mmと5mmでシートの厚さが0.3mmの場合、モータ駆動電流の変動が発生する領域は1mm程度なので、設計上の理論的なニップ通過位置を挟んで±5mm程度の範囲で駆動電流値を求めればよい。
駆動電流値を積分する区間は、シートがニップ部を通過する位置を確実に含むように設定される。例えばLFローラ11の直径とPRローラの直径が10mmと5mmでシートの厚さが0.3mmの場合、モータ駆動電流の変動が発生する領域は1mm程度なので、設計上の理論的なニップ通過位置を挟んで±5mm程度の範囲で駆動電流値を求めればよい。
図26に示す本実施形態の記録動作において、シートをLFローラ11に搬送するまでの動作(ステップS1101〜S1103)は実施形態1の各ステップと同じであり、説明を省略する。そして、LFローラ11とピンチローラ3の間のニップ部にシートが噛み込ませてシート幅を検知し(ステップS6104)、その後にLFローラを停止させる(ステップS6105)。ユーザが予め設定したシート幅の設定値とシート幅の検知結果とが等しいかどうか判断する(ステップS6106)。これらが等しい場合には、搬送ローラを正回転させてシートを搬送し(ステップS6107)、記録動作を行い(ステップS6108)、排出動作を行って(ステップS6109)、記録動作を終了する。一方、シート幅のユーザ設定値と検知結果とが異なる場合には、記録装置の表示器にエラー表示を行い(ステップS6110)、搬送ローラを正回転させてシートを搬送し(ステップS6111)、排出動作を行って(ステップS6109)、記録動作を終了する。
本実施形態では、シート幅の検知結果がユーザ設定値と異なる場合にエラー通知する構成を例示したが、シート幅でなくシート厚さを求めてその検知結果がユーザ設定値と異なる場合にエラー通知を行う構成にしてもよい。また、本実施形態では、シート場の検知を行うローラ及びそれに対向する対向ローラとしてLFローラ11とピンチローラ3を用いている。しかし、他のローラ、例えば、PFローラ30とそれに対向するPF従動ローラ37をシート厚さの検知を行うローラ及び対向ローラとして用いて、前述した各ステップと同様な動作を行ってシート幅を検知してもよい。
なお、モータ仕事量は、前述したようにモータ駆動電流値の積分によって算出してもよいが、モータ制御指令値であるPWMやモータの発生トルク等に基づいて算出してもよく、モータ駆動電流を用いた算出方法に限定されない。
なお、モータ仕事量は、前述したようにモータ駆動電流値の積分によって算出してもよいが、モータ制御指令値であるPWMやモータの発生トルク等に基づいて算出してもよく、モータ駆動電流を用いた算出方法に限定されない。
以上説明した各実施形態では、シートの所定量の搬送と、記録ヘッドのシート幅方向への移動およびインク吐出とを交互に実施することによって、シートへの画像形成を行う記録装置の例について述べた。しかし、例えば、シートの幅方向にインク吐出口が並んだライン型記録ヘッドによってシートの搬送とインク吐出とを同時に行ってシートへの画像形成を行う記録装置に本発明を適用してもよい。
本発明によると、ローラ間のニップ部をシートが通過して搬送される時のモータ仕事量に基づいてシート厚さやシート幅を検知するため、シートが斜行していても精度良く検出することができる。シート厚さを正しく検知できると、画像形成条件やシート搬送条件を適宜に設定して画質向上が望める。一方、シート幅を正しく検知できると、意図しないシートの汚れおよびシートの無駄な廃棄を防止でき、ユーザビリティの向上につながる。
3 ピンチローラ(対向ローラ)
11 主搬送ローラ(ローラ)
14 搬送モータ(駆動モータ)
50 シート
306 シート厚さ検知部(シート寸法検知部)
314 シート厚さ検知部(シート寸法検知部)
11 主搬送ローラ(ローラ)
14 搬送モータ(駆動モータ)
50 シート
306 シート厚さ検知部(シート寸法検知部)
314 シート厚さ検知部(シート寸法検知部)
Claims (35)
- シートを搬送するためのローラと、前記ローラに対向する対向ローラと、前記ローラを駆動する駆動モータと、前記ローラと前記対向ローラとの間の挟持部に前記シートの端部が進入する位置から所定搬送量だけ前記シートが搬送される間の前記駆動モータの仕事量を求め、該仕事量に基づいて前記シートの寸法を求めるシート寸法検知部と、を含むことを特徴とする搬送装置。
- 前記シート寸法検知部によって求められる寸法は前記シートの厚さであることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
- 前記シート寸法検知部によって求められる寸法は前記シートの幅であることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
- 前記シート寸法検知部は、駆動モータの軸の回転に伴って回転する、スリットを有するコードホイールと、前記スリットの通過を検知するエンコーダセンサとを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の搬送装置。
- 前記シート寸法検知部は、前記駆動モータの駆動電流と駆動電圧と発生トルクのうちの少なくとも1つまたは複数を測定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の搬送装置。
- 前記シート寸法検知部は、前記仕事量として前記駆動モータの駆動電流の積分値を求めることを特徴とする請求項5に記載の搬送装置。
- 前記シート寸法検知部は、前記駆動モータに加わる負荷の変動を検出し、検出された負荷の変動の積分値を求めることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の搬送装置。
- 前記シート寸法検知部は、予め作成されている前記駆動モータの前記仕事量と前記シートの寸法との相関データを参照して、前記仕事量に対応する前記シートの寸法を求めることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の搬送装置。
- 前記相関データは、異なるサイズの前記シートごとにそれぞれ作成されていることを特徴とする請求項8に記載の搬送装置。
- 前記ローラの上流側に設けられており、前記ローラの停止時に回転して前記シートに搬送力を加えることによって前記シートの端部を前記ローラに突き当てて前記シートの斜行を矯正する他のローラをさらに含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の搬送装置。
- 前記シート寸法検知部によって求められた前記シートの寸法が予め設定された設定値と異なる場合にエラー表示を行う通知部を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の搬送装置。
- 請求項1から11のいずれか1項に記載の搬送装置と、前記シートに画像を形成する記録部とを備え、前記シート寸法検知部によって検知された前記シートの寸法に応じて画像形成条件またはシート搬送条件を変更することを特徴とする記録装置。
- 前記シートの両面記録を行うために、前記シートの一方の面に記録した後に前記シートを反転させるシート反転機構を備えており、前記シート寸法検知部によって検知された前記シートの寸法に応じて前記シート反転機構による前記シートの搬送速度を制御することを特徴とする請求項12に記載の記録装置。
- 前記シート寸法検知部によって検知された前記シートの寸法に応じて、前記記録部と前記シートとの間の距離を制御することを特徴とする請求項12または13に記載の記録装置。
- 前記シート寸法検知部によって検知された前記シートの寸法に応じて、前記記録部から前記シートへの液体吐出量を制御することを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の記録装置。
- 前記シート上に形成された画像を定着させる定着部を備え、前記シート寸法検知部によって検知された前記シートの寸法に応じて、前記定着部による加熱温度を制御することを特徴とする請求項12から15のいずれか1項に記載の記録装置。
- シートを搬送するローラと、前記ローラに対向する対向ローラと、前記ローラを駆動する駆動モータと、を含む搬送装置における、シートの寸法検知方法であって、
前記ローラと前記対向ローラとの間の挟持部に前記シートの端部が進入する位置から所定搬送量だけ前記シートを搬送する間の前記駆動モータの仕事量を求め、該仕事量に基づいて前記シートの寸法を求めるステップを含む、
ことを特徴とする寸法検知方法。 - 前記駆動モータの前記仕事量に基づいて前記シートの厚さを検知することを特徴とする請求項17に記載の寸法検知方法。
- 前記駆動モータの前記仕事量に基づいて前記シートの幅を検知することを特徴とする請求項17に記載の寸法検知方法。
- 前記駆動モータの駆動電流の積分値を求めることにより前記仕事量を求めることを特徴とする請求項17から19のいずれか1項に記載の寸法検知方法。
- 前記シート寸法検知部は、予め作成されている前記駆動モータの前記仕事量と前記シートの寸法との相関データを参照して、前記仕事量に対応する前記シートの寸法を求めることを特徴とする請求項17から20のいずれか1項に記載の寸法検知方法。
- 前記駆動モータに加わる負荷の変動を求めることにより、前記ローラと前記対向ローラとの間の挟持部への前記シートの端部の進入を検知することを特徴とする請求項17から21のいずれか1項に記載の寸法検知方法。
- 前記駆動モータに加わる負荷の変動を求めることにより、前記シートの斜行を検知することを特徴とする請求項17から22のいずれか1項に記載の寸法検知方法。
- 請求項17から23のいずれか1項に記載の寸法検知方法に含まれるステップと、前記シート寸法検知部によって検知された前記シートの寸法が、予め設定された設定値と異なる場合にエラー表示を行うステップとを含むことを特徴とする搬送方法。
- 請求項17から23のいずれか1項に記載の寸法検知方法に含まれるステップと、前記ローラの上流側に設けられている他のローラによって前記シートに搬送力を加えることにより、前記シートの端部を前記ローラに突き当てて前記他のローラと前記ローラとの間で前記シートにループを形成して前記シートの斜行を矯正するステップとを含むことを特徴とする搬送方法。
- 前記シートの端部が前記ローラと前記対向ローラとの間の挟持部に進入した状態から、前記ローラを逆回転させて前記シートを前記挟持部から搬送方向における上流側に退避させるステップをさらに含み、
前記駆動モータの前記仕事量に基づいて前記シートの寸法を検知するステップの後に、前記シートを前記挟持部から搬送方向における上流側に退避させるステップを行い、さらにその後に、前記シートの斜行を矯正するステップを行い、
前記シートの斜行を矯正するステップでは、前記駆動モータの前記仕事量に基づいて検知された前記シートの寸法に応じて斜行矯正条件を制御する、
ことを特徴とする請求項25に記載の搬送方法。 - 前記駆動モータの前記仕事量に基づいて検知された前記シートの寸法に応じて制御される斜行矯正条件は、形成する前記ループの大きさであることを特徴とする請求項26に記載の搬送方法。
- 前記シートの斜行を矯正するステップでは、前記ローラを逆回転させながら前記シートを前記ローラに突き当てる逆回転矯正モードと、前記ローラを停止させた状態で前記シートを前記ローラに突き当てる停止矯正モードと、前記ローラを正回転させて前記シートを前記挟持部に一旦進入させた後に、前記他のローラを停止させつつ前記ローラを逆回転させて前記ローラに前記シートを突き当てる噛み込み矯正モードと、を含む複数の矯正モードを選択的に実行し、
前記駆動モータの前記仕事量に基づいて検知された前記シートの寸法に応じて行う斜行矯正条件の制御は、前記複数の矯正モードの切り替えを含む、
ことを特徴とする請求項26に記載の搬送方法。 - 前記駆動モータの前記仕事量に基づいて検知された前記シートの寸法に応じて行う斜行矯正条件の制御は、前記複数の矯正モードのうちのいずれかの選択的な実行と前記矯正モードの解除との切り替えを含むことを特徴とする請求項28に記載の搬送方法。
- 請求項17から23のいずれか1項に記載の寸法検知方法に含まれるステップと、記録部によって前記シートに画像を形成するステップとを含み、前記駆動モータの前記仕事量に基づいて検知された前記シートの寸法に応じてシート搬送条件または画像形成条件を変更することを特徴とする記録方法。
- 請求項24から30のいずれか1項に記載の搬送方法に含まれるステップと、記録部によって前記シートに画像を形成するステップとを含み、前記駆動モータの前記仕事量に基づいて検知された前記シートの寸法に応じてシート搬送条件または画像形成条件を変更することを特徴とする記録方法。
- 前記シートの両面記録を行うために、前記シートの一方の面に記録した後に前記シートを反転させるステップをさらに含み、前記駆動モータの前記仕事量に基づいて検知された前記シートの寸法に応じて、前記シートの反転のための搬送時の搬送速度を制御することを特徴とする請求項30または31に記載の記録方法。
- 前記駆動モータの前記仕事量に基づいて検知された前記シートの寸法に応じて、前記記録部と前記シートとの間の距離を制御することを特徴とする請求項30または31に記載の記録方法。
- 前記駆動モータの前記仕事量に基づいて検知された前記シートの寸法に応じて、前記記録部から前記シートへの液体吐出量を制御することを特徴とする請求項30から33のいずれか1項に記載の記録方法。
- 前記シート上の画像を定着させるステップをさらに含み、前記駆動モータの前記仕事量に基づいて検知された前記シートの寸法に応じて、前記定着させるステップにおける加熱温度を制御することを特徴とする請求項30から34のいずれか1項に記載の記録方法。
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