以下、添付図面を参照して、プリンタおよびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、プリンタおよびプログラムの一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。本実施形態のプリンタは、店舗に設置されたPOS(Point Of Sales)端末に接続されたプリンタへの適用例である。
図1は、本実施形態に係るプリンタシステム1の一例を示す模式図である。プリンタシステム1は、店舗サーバ2と、POS端末3と、プリンタ4とを備える。店舗サーバ2と、POS端末3とは、ネットワーク5を介して接続されている。例えば、ネットワーク5は、有線又は無線の店舗内LAN(Local Area Network)である。また、POS端末3と、プリンタ4とは、ケーブル6等を介して接続されている。なお、POS端末3と、プリンタ4とは、有線のケーブル6に限らず、Bluetooth(登録商標)等の無線通信により接続されていてもよい。また、図1に示すプリンタシステム1は、POS端末3と、プリンタ4とを複数台ずつ備えているが、一台ずつ備えていてもよい。
プリンタ4は、用紙がロール状に巻かれたロール紙に各種情報を印字する印字装置である。また、プリンタ4は、ロール紙の残量を検知する。ここで、図2は、ロール紙の残量に応じた状態を説明する説明図である。また、図2に示すロール紙は、広げられた状態を示している。残量に応じた状態には、注意状態と、警告状態とがある。注意状態は、ロール紙が閾値よりも少ないことを示す状態である。警告状態は、ロール紙が設定値よりも少ないことを示す状態である。そして、プリンタ4は、注意状態になった場合に、ロール紙の残量が閾値以下であることを報知する。さらに、プリンタ4は、注意状態でのロール紙の長さを推定する。
また、プリンタ4は、ロール紙の残量が設定値以下であるか否かを判定する。すなわち、プリンタ4は、推定したロール紙の残量が設定値以下であるか否かを判定する。プリンタ4は、推定したロール紙の残量が設定値以下である場合に、警告状態であると判定する。そして、プリンタ4は、警告状態になった場合に、ロール紙の残量が設定値以下であることを報知する。また、プリンタ4は、ロール紙が終端に達した場合に、注意状態であることを検知してからロール紙が無くなるまでに印字したロール紙の長さの実績値と、ロール紙が無くなった日時とを有する残量用紙情報を生成する。そして、プリンタ4は、POS端末3を介して、残量用紙情報を店舗サーバ2に送信する。なお、図1に示すプリンタ4は、POS端末3に外付けされているが、外付けに限らないものとする。例えば、プリンタ4は、POS端末3に内蔵される印字装置であってもよい。さらに、プリンタ4は、商品等に貼り付け可能なラベルを印字するラベルプリンタであってもよい。
図1に戻り、POS端末3は、販売対象の商品を登録する販売登録処理や、販売登録処理により登録した商品の会計を実行する会計処理等を実行する販売データ処理装置である。POS端末3は、プリンタ4から残量用紙情報を受信した場合に、受信した残量用紙情報を店舗サーバ2に送信する。なお、図1に示すPOS端末3は、一台のプリンタ4が接続されているが、複数台のプリンタ4が接続されていてもよい。さらに、POS端末3は、1台のプリンタ4を複数台のPOS端末3で共有して使用してもよい。
店舗サーバ2は、例えばパーソナルコンピュータ等のサーバ装置である。店舗サーバ2は、POS端末3を介して、各プリンタ4から収集した残量用紙情報を記憶する。なお、店舗サーバ2は、ハードウェアやソフトウェア等のコンピュータ資源を提供するクラウドサービス等により提供されるものであってもよい。さらに、店舗サーバ2は、複数台のサーバ装置等により構成されていてもよい。
次に、プリンタシステム1が備える各種装置のハードウェア構成について説明する。
図3は、店舗サーバ2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。店舗サーバ2は、制御部200と、記憶部204と、通信インタフェース205と、表示部206と、操作部207とを備える。制御部200と、記憶部204と、通信インタフェース205と、表示部206と、操作部207とは、データバスやアドレスバス等のシステムバス208を介して相互に接続している。
制御部200は、店舗サーバ2の全体の動作を制御し、店舗サーバ2が提供する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部200は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203とを備える。
CPU201は、店舗サーバ2の動作を統括的に制御する。ROM202は、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAM203は、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換え自在に記憶したりする記憶媒体である。CPU201は、RAM203をワークエリア(作業領域)として使い、ROM202又は記憶部204等に格納されたプログラムを実行する。
記憶部204は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。記憶部204は、制御プログラム209と、残量用紙情報テーブル210とを記憶する。制御プログラム209は、オペレーティングシステムや、店舗サーバ2が提供する機能を実現させるプログラムである。制御プログラム209には、本実施形態に係る機能を実現させるプログラムが含まれる。
図4は、残量用紙情報テーブル210のデータ構成の一例を示す説明図である。残量用紙情報テーブル210は、POS端末3を介して、一又は複数のプリンタ4から受信した残量用紙情報を記憶する情報テーブルである。残量用紙情報テーブル210は、残量用紙情報として、日時情報と、実績値情報とを関連付けて記憶する。日時情報は、ロール紙の残量が閾値以下となったことを検知した日時を示す情報である。すなわち、日時情報は、ロール紙の終端を検知した日時を示す情報である。実績値情報は、注意状態になってからロール紙が無くなるまでに印字したロール紙の長さの実績値を示す情報である。すなわち、実績値情報は、注意状態におけるロール紙の全長の実績値を示す情報である。なお、残量用紙情報テーブル210は、何れのプリンタ4からも残量用紙情報を受信していない初期状態においては、任意の日時が設定された日時情報と、初期値が設定された実績値情報とを関連付けて記憶する。初期値には、任意の値を設定することができる。
通信インタフェース205は、ネットワーク5に接続されたPOS端末3等と通信するためのインタフェースである。表示部206は、例えば、液晶表示装置である。操作部207は、キーボードや、マウス等の入力装置である。
図5は、POS端末3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。POS端末3は、制御部300と、記憶部304と、通信インタフェース305と、接続インタフェース306と、第1表示部307と、第2表示部308と、キーボード309と、カードリーダライタ310と、非接触カードリーダライタ311と、スキャナ312とを備える。制御部300と、記憶部304と、通信インタフェース305と、接続インタフェース306と、第1表示部307と、第2表示部308と、キーボード309と、カードリーダライタ310と、非接触カードリーダライタ311と、スキャナ312とは、データバスやアドレスバス等のシステムバス313を介して相互に接続している。
制御部300は、POS端末3の全体の動作を制御し、POS端末3が有する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部300は、CPU301と、ROM302と、RAM303とを備える。
CPU301は、POS端末3の動作を統括的に制御する。ROM302は、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAM303は、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換えたりする記憶媒体である。そして、CPU301は、RAM303をワークエリア(作業領域)としてROM302又は記憶部304等に格納されたプログラムを実行する。
記憶部304は、HDDやSSD等の記憶装置である。記憶部304は、制御プログラム314を記憶する。制御プログラム314は、オペレーティングシステムや、POS端末3が備えている機能を実現させるためのプログラムである。そして、制御プログラム314には、本実施形態に係る特徴的な機能を実現させるためのプログラムが含まれる。
通信インタフェース305は、ネットワーク5に接続された店舗サーバ2等と通信するためのインタフェースである。接続インタフェース306は、ケーブル6に接続されたプリンタ4と通信するためのインタフェースである。
第1表示部307は、表示面上にタッチパネルが積層された液晶表示装置等である。第1表示部307は、例えば、店舗の店員に向けて各種画面を表示する。第2表示部308は、表示面上にタッチパネルが積層された液晶表示装置等である。第2表示部308は、例えば、顧客に向けて各種画面を表示する。
キーボード309は、POS端末3を操作する各種キーを備える入力装置である。
カードリーダライタ310は、クレジットカード等の決済に用いるカードの記憶媒体が記憶する情報の読み取り及び書き込みを実行する装置である。非接触カードリーダライタ311は、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信により、非接触ICカードのICタグに対して、情報の書き込み及び読み込みを実行する。
スキャナ312は、顧客が持参した商品に付されたバーコード等のコードシンボルからコード情報を光学的に読み取る。
図6は、プリンタ4のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。プリンタ4は、制御部400と、記憶部404と、接続インタフェース405と、印字ヘッド406と、プラテンローラ407と、残量センサ408と、終端センサ409と、注意状態発光部410と、警告状態発光部411と、用紙切れ発光部412とを備える。制御部400と、記憶部404と、接続インタフェース405と、印字ヘッド406と、プラテンローラ407と、残量センサ408と、終端センサ409と、注意状態発光部410と、警告状態発光部411と、用紙切れ発光部412とは、データバスやアドレスバス等のシステムバス413を介して相互に接続している。
制御部400は、プリンタ4の全体の動作を制御し、プリンタ4が提供する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部400は、CPU401と、ROM402と、RAM403とを備える。
CPU401は、プリンタ4の動作を統括的に制御する。ROM402は、半導体等が用いたられた記憶媒体である。ROM402は、制御プログラム414を記憶する。制御プログラム414は、オペレーティングシステムや、プリンタ4が提供する機能を実現させるプログラムである。制御プログラム414には、本実施形態に係る機能を実現させるプログラムが含まれる。RAM403は、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換え自在に記憶したりする記憶媒体である。CPU401は、RAM403をワークエリア(作業領域)として使い、ROM402等に格納されたプログラムを実行する。
記憶部404は、HDDや、SSDや、フラッシュメモリや、電池によりデータを保持するRAM等の各種データを書き換え可能な不揮発性の記憶装置である。記憶部404は、残量用紙情報テーブル415と、警告設定値416とを記憶する。残量用紙情報テーブル415は、店舗サーバ2から配信された残量用紙情報テーブル210を記憶したものである。また、残量用紙情報テーブル415は、自装置ではない他のプリンタ4の残量用紙情報が含まれていてもよい。警告設定値416は、警告状態であることの検知に用いられる設定値である。例えば、警告設定値416には、1メートル等の終端からの残りのロール紙の長さが設定される。
接続インタフェース405は、ケーブル6に接続されたPOS端末3と通信するためのインタフェースである。
印字ヘッド406は、例えばサーマルヘッドである。プラテンローラ407は、回転することによりプリンタ4の内部に収納されたロール紙を引き出して搬送する。印字ヘッド406は、プラテンローラ407が搬送したロール紙に、各種情報を印字する。
残量センサ408は、ロール紙の残量が閾値以下であることを示す注意状態になったことを検知するセンサである。例えば、残量センサ408は、ロール紙の外径の長さを計測することにより、注意状態になったことを検知してもよい。なお、残量センサ408は、ロール紙の外径の長さの計測以外の方法により、注意状態になったことを検知してもよい。例えば、プリンタ4は、ロール紙の外径が所定値以上である場合に、プリンタ4の内部にある支持部によりロール紙を支持する。この場合、ロール紙は、ロール紙の外径が所定値以下になった場合に、支持部から落ちる。残量センサ408は、支持部からロール紙が落ちたことを検知することにより、注意状態になったことを検知する。または、残量センサ408は、ロール紙の重量を計測することにより、注意状態になったことを検知してもよい。
終端センサ409は、ロール紙が無くなったことを検知する。例えば、終端センサ409は、ロール紙の終端を赤外線等により検知することにより、ロール紙が無くなったことを検知する。
注意状態発光部410は、例えばLED(Light Emitting Diode)である。注意状態発光部410は、注意状態になった場合に発光する。警告状態発光部411は、例えばLEDである。警告状態発光部411は、警告状態になった場合に発光する。用紙切れ発光部412は、例えばLEDである。用紙切れ発光部412は、用紙切れになった場合に発光する。
次に、プリンタシステム1が備える各装置の特徴的な機能について説明する。ここで、図7は、プリンタシステム1が備える各装置が有する特徴的な機能構成の一例を示すブロック図である。
プリンタ4のCPU401は、記憶部404に記憶された制御プログラム414をRAM403に展開し、制御プログラム414に従って動作することで、各機能部をRAM403に生成する。具体的には、プリンタ4の制御部400は、機能部として、接続制御部4001と、印字制御部4002と、注意状態検知部4003と、終端検知部4004と、用紙計測部4005と、用紙記録部4006と、残量推定部4007と、警告状態判定部4008と、報知制御部4009と、転送制御部4010と、設定変更部4011とを備える。
接続制御部4001は、入力手段の一例である。接続制御部4001は、接続インタフェース405を制御して、ケーブル6を介して接続されたPOS端末3と通信する。さらに、接続制御部4001は、POS端末3を介して、店舗サーバ2と通信する。例えば、接続制御部4001は、残量用紙情報テーブル415を変更するテーブル変更情報を店舗サーバ2から受信する。また、接続制御部4001は、警告設定値416を変更する設定変更情報を店舗サーバ2から受信する。
印字制御部4002は、印字手段の一例である。印字制御部4002は、印字ヘッド406及びプラテンローラ407を制御して、ロール紙に各種情報を印字する。例えば、印字制御部4002は、接続制御部4001がPOS端末3から印字対象の印字情報を受信した場合に、ロール紙に形成する印字画像を生成する。そして、印字制御部4002は、生成した印字画像をロール紙に印字する。
注意状態検知部4003は、検知手段の一例である。注意状態検知部4003は、残量センサ408からの出力に基づいて、ロール紙の残量が閾値以下であることを検知する。すなわち、注意状態検知部4003は、注意状態になったことを検知する。例えば、注意状態検知部4003は、残量センサ408からの出力値が、ロール紙の外径が所定の値に達したことを示している場合に、注意状態になったことを検知する。
終端検知部4004は、終端センサ409からの出力に基づいて、印字制御部4002がロール紙の終端まで印字したことを検知する。
用紙計測部4005は、計測手段の一例である。用紙計測部4005は、注意状態において印字制御部4002が印字したロール紙の長さを計測する。例えば、用紙計測部4005は、プラテンローラ407の回転量からロール紙の長さを計測する。そして、用紙計測部4005は、終端検知部4004が終端センサ409からの出力に基づいてロール紙の終端を検知した場合に、検知した日時を示す日時情報と、注意状態におけるロール紙の長さの実績値を示す実績値情報とを含む残量用紙情報を生成する。なお、印字したロール紙の長さの計測方法は、プラテンローラ407の回転量に限らない。例えば、用紙計測部4005は、印字制御部4002が生成する印字画像の長さを加算することによりロール紙の長さを計測してもよい。
用紙記録部4006は、記憶制御手段の一例である。用紙記録部4006は、用紙計測部4005が生成した残量用紙情報を接続制御部4001に送信させる。すなわち、用紙記録部4006は、店舗サーバ2の残量用紙情報テーブル210に、用紙計測部4005が計測した残量用紙情報を記憶させる。そして、用紙記録部4006は、接続制御部4001が残量用紙情報テーブル210を受信した場合に、残量用紙情報テーブル415として記憶させる。
残量推定部4007は、推定手段の一例である。残量推定部4007は、注意状態検知部4003が注意状態になったことを検知した場合に、注意状態におけるロール紙の全長を推定した注意状態推定値を抽出する。ここで、注意状態検知部4003は、残量センサ408からの出力に基づいて、ロール紙の外径が所定の値に達したか否かにより注意状態になったことを検知している。しかし、ロール紙の厚さや、ロール紙の芯の太さ等が異なっていれば、注意状態におけるロール紙の全長もロール紙ごとに異なっている。そこで、残量推定部4007は、注意状態におけるロール紙の全長を推定した注意状態推定値を抽出する。
さらに詳しくは、残量推定部4007は、残量用紙情報テーブル415に含まれる一又は複数の残量用紙情報に基づいて、注意状態検知部4003が注意状態になったことを検知した時のロール紙の残りの全長を推定した注意状態推定値を抽出する。すなわち、注意状態推定値は、注意状態になってから、ロール紙が無くなるまでに印字可能なロール紙の長さの推定値を示す情報である。例えば、残量推定部4007は、残量用紙情報テーブル415に記憶された残量用紙情報の実績値情報うち、最も短い長さを示す実績値情報のロール紙の長さを注意状態推定値として抽出する。残量推定部4007は、最も短い長さを注意状態推定値として抽出することで、用紙切れにより作業を中断してしまう可能性を低減することができる。なお、注意状態推定値の推定方法は、残量用紙情報テーブル415に含まれる残量用紙情報の最も短い長さに限らない。例えば、注意状態推定値は、残量用紙情報の長さの平均値であってもよいし、中央値であってもよいし、他の統計的手法により算出した値であってもよい。
警告状態判定部4008は、警告状態になったか否かを判定する。すなわち、警告状態判定部4008は、残量推定部4007が抽出した注意状態推定値から、用紙計測部4005が計測したロール紙の長さを減算した値が予め設定した警告設定値416以下になった場合に、警告状態になったと判定する。
報知制御部4009は、報知手段の一例である。報知制御部4009は、ロール紙の残量に応じて報知する。例えば、報知制御部4009は、注意状態検知部4003が注意状態になったことを検知した場合に、注意状態発光部410を発光させてロール紙の残量が少ないことを報知する。また、報知制御部4009は、警告状態判定部4008が警告状態になったと判定した場合に、警告状態発光部411を発光させてロール紙の残量が少ないことを報知する。また、報知制御部4009は、終端検知部4004がロール紙の終端を検知した場合に、用紙切れ発光部412を発光させてロール紙が無いことを報知する。なお、報知制御部4009は、各発光部を発光させる方法に限らず、他の方法により報知してもよい。例えば、報知制御部4009は、POS端末3の第1表示部307や第2表示部308に各状態を報知させる情報を接続制御部4001に送信させることで報知してもよい。さらに詳しくは、報知制御部4009は、POS端末3の第1表示部307等に推定される残りのロール紙の長さ等を表示させる情報を接続制御部4001に送信させることで報知してもよい。
転送制御部4010は、印字制御部4002がロール紙に形成する印字画像を生成した場合に、残りのロール紙の長さで印字画像をロール紙に印字することが可能であるか否かを判定する。すなわち、転送制御部4010は、残量推定部4007が抽出した注意状態推定値から、用紙計測部4005が計測したロール紙の長さを減算した値が、印字画像の印字に用いられるロール紙より長いか否かを判定する。そして、転送制御部4010は、残りのロール紙では印字画像をロール紙に印字することができないことが推定される場合に、他のプリンタ4に印字対象の印字情報を接続制御部4001に送信させる。ここで、転送制御部4010は、店舗サーバ2等の他の装置を介して、プリンタ4に送信してもよい。また、転送制御部4010は、他のプリンタ4に印字情報を送信する操作が入力された場合に、接続制御部4001に印字情報を送信させてもよい。さらに、印字情報を送信する送信先のプリンタ4は、予め設定されていてもよいし、POS端末3の第1表示部307や第2表示部308に表示されたプリンタ4から選択させてもよい。
設定変更部4011は、変更手段の一例である。設定変更部4011は、接続制御部4001が残量用紙情報テーブル415を変更するテーブル変更情報を受信した場合に、残量用紙情報テーブル415を更新する。例えば、設定変更部4011は、残量用紙情報テーブル415に含まれる一又は複数の残量用紙情報のうち、残量用紙情報を指定して削除することをテーブル変更情報が要求している場合に、指定された残量用紙情報を削除する。例えば、注意状態のロール紙の長さは、ロール紙の購入先の変更に伴い変わる場合がある。例えば、残量用紙情報テーブル415において、11.0メートル、11.1メートル、10.9メートル、10.0メートル、10.1メートル、及び9.9メートルの実績値情報の残量用紙情報が日時順で記憶されているとする。この場合、11.0メートル、11.1メートル、及び10.9メートル、並びに10.0メートル、10.1メートル、及び9.9メートルでは購入先が異なっているものと考えられる。残量用紙情報テーブル415には残量用紙情報が日時順で記憶されているためプリンタ4が現在使用しているロール紙の注意状態は、約11.0メートルであることが推定される。しかし、残量推定部4007は、10.0メートル、10.1メートル、及び9.9メートルの残量用紙情報も注意状態推定値の抽出に用いてしまう。そのため、残量推定部4007は、誤差の大きい注意状態推定値を抽出してしまう。設定変更部4011は、10.0メートル、10.1メートル、及び9.9メートルの残量用紙情報等を指定して削除することにより、残量推定部4007が推定する注意状態推定値の誤差を低減させることができる。
また、設定変更部4011は、接続制御部4001が警告設定値416を変更する設定変更情報を受信した場合に、警告設定値416を設定変更情報で指定された値に変更する。これにより、設定変更部4011は、警告状態として報知するロール紙の長さを調整することができる。
POS端末3のCPU301は、記憶部304に記憶された制御プログラム314をRAM303に展開し、制御プログラム314に従って動作することで、各機能部をRAM303に生成する。具体的には、POS端末3の制御部300は、機能部として、接続制御部3001と、通信制御部3002と、販売登録部3003と、会計処理部3004とを備える。
接続制御部3001は、接続インタフェース306を制御して、ケーブル6を介して接続されたプリンタ4と通信する。例えば、接続制御部3001は、残量用紙情報をプリンタ4から受信する。また、接続制御部3001は、残量用紙情報テーブル415をプリンタ4に送信する。さらに、接続制御部3001は、プリンタ4に印字させる印字対象の印字情報をプリンタ4に送信する。例えば、印字情報は、一取引に係る商品の商品情報を含むレシートや、割引等に用いるクーポン等の情報である。
通信制御部3002は、通信インタフェース305を制御して、ネットワーク5を介して接続された店舗サーバ2と通信する。例えば、通信制御部3002は、残量用紙情報を店舗サーバ2に送信する。また、通信制御部3002は、残量用紙情報テーブル210を店舗サーバ2から受信する。
販売登録部3003は、顧客に販売する商品を登録する販売登録を制御する。例えば、販売登録部3003は、スキャナ312がコードシンボルから読み取った商品コードの商品を販売登録する。
会計処理部3004は、販売登録部3003が販売登録した商品の会計処理を制御する。例えば、会計処理部3004は、顧客から受領した金額から合計金額を減算してお釣りを算出する。
店舗サーバ2のCPU201は、記憶部204に記憶された制御プログラム209をRAM203に展開し、制御プログラム209に従って動作することで、各機能部をRAM203に生成する。具体的には、店舗サーバ2の制御部200は、機能部として、通信制御部2001と、記憶制御部2002と、表示制御部2003と、操作制御部2004とを備える。
通信制御部2001は、通信インタフェース305を制御して、ネットワーク5を介して接続されたPOS端末3と通信する。例えば、通信制御部2001は、POS端末3を介して、プリンタ4から残量用紙情報を受信する。また、通信制御部2001は、POS端末3を介して、プリンタ4に残量用紙情報テーブル210を送信する。
記憶制御部2002は、通信制御部2001が残量用紙情報を受信した場合に、受信した残量用紙情報を残量用紙情報テーブル210に付加して記憶させる。また、記憶制御部2002は、FIFO(First In First Out)方式により残量用紙情報を残量用紙情報テーブル210に記憶させる。すなわち、記憶制御部2002は、残量用紙情報テーブル210が記憶可能な個数を超える残量用紙情報を通信制御部2001が受信した場合に、古い残量用紙情報を残量用紙情報テーブル210から削除する。
表示制御部2003は、表示部206を制御して、各種画面を表示させる。操作制御部2004は、操作部207を制御して、各種操作を受け付ける。例えば、表示制御部2003は、操作制御部2004が残量用紙情報テーブル415を変更するプリンタ4を選択する操作を受け付けた場合に、選択されたプリンタ4の残量用紙情報テーブル415を表示させる。操作制御部2004は、表示された残量用紙情報テーブル415の残量用紙情報から、削除する残量用紙情報を選択する操作を受け付けた場合に、選択された残量用紙情報の削除を要求するテーブル変更情報を通信制御部2001に送信させる。
例えば、表示制御部2003は、操作制御部2004が警告設定値416を変更するプリンタ4を選択する操作を受け付けた場合に、選択されたプリンタ4の警告設定値416を表示させる。操作制御部2004は、表示された警告設定値416を変更する操作を受け付けた場合に、警告設定値416の変更を要求する設定変更情報を通信制御部2001に送信させる。
次に、プリンタ4が実行する印字処理について説明する。ここで、図8は、本実施形態のプリンタ4が実行する印字処理の一例を示すフローチャートである。
接続制御部4001は、印字する印字情報をPOS端末3から受信する(ステップS1)。印字制御部4002は、印字情報から印字画像を生成する(ステップS2)。印字制御部4002は、印字画像をロール紙に印字する(ステップS3)。
終端検知部4004は、ロール紙の終端を検知したか否かを判定する(ステップS4)。すなわち、終端検知部4004は、用紙切れにより印字を失敗したか否かを判定する。
ロール紙の終端を検知したことを条件に(ステップS4;Yes)、報知制御部4009は、用紙切れにより印字を失敗したことを報知する(ステップS5)。用紙記録部4006は、残量用紙情報を生成する(ステップS6)。接続制御部4001は、POS端末3を介して店舗サーバ2に残量用紙情報を送信する(ステップS7)。
一方、ロール紙の終端を検知していないことを条件に(ステップS4;No)、注意状態検知部4003は、注意状態の閾値以下になったことを検知したか否かを判定する(ステップS8)。
ロール紙の残量が注意状態の閾値以下であることを条件に(ステップS8;Yes)、残量推定部4007は、注意状態推定値を抽出する(ステップS9)。警告状態判定部4008は、注意状態推定値から、印字したロール紙の長さを減算した値が警告設定値416より大きいか否かを判定する(ステップS10)。
警告設定値416より大きいことを条件に(ステップS10;Yes)、報知制御部4009は、注意状態であることを報知する(ステップS11)。用紙計測部4005は、印字したロール紙の長さを記録する(ステップS12)。
一方、警告設定値416以下であることを条件に(ステップS10;No)、報知制御部4009は、警告状態であることを報知する(ステップS13)。プリンタ4は、ステップS12に移行して、印字したロール紙の長さを記録する。
ステップS8においてロール紙の残量が閾値より長いことを条件に(ステップS8;No)、プリンタ4は、ステップS12に移行して、印字したロール紙の長さを記録する。
以上により、プリンタ4は印字処理を完了する。そして、店舗サーバ2は、ステップS7において送信された残量用紙情報を残量用紙情報テーブル210に記憶させる。また、店舗サーバ2は、残量用紙情報テーブル210を各プリンタ4に配信する。プリンタ4は、配信された残量用紙情報テーブル210を残量用紙情報テーブル415として記憶させる。
以上のように、本実施形態に係るプリンタシステム1によれば、プリンタ4は、注意状態におけるロール紙の長さの実績値を残量用紙情報テーブル415に記憶している。そして、プリンタ4は、注意状態であることを検知した場合に、残量用紙情報テーブル415に記憶されている今までの実績値と、注意状態で印字したロール紙の長さとを比較して、残量が警告設定値416以下であるか否かを判定する。そして、プリンタ4は、残量が警告設定値416以下である場合に、ロールの残量が少ないことを報知する。従って、本実施形態に係るプリンタ4は、ロール紙の残量を簡易な構成で報知することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
また、上記実施形態では、プリンタ4は、残量用紙情報を店舗サーバ2に送信している。そして、プリンタ4は、店舗サーバ2から送信された残量用紙情報テーブル210を残量用紙情報テーブル415として記憶している。すなわち、プリンタ4は、複数のプリンタ4において生成された残量用紙情報を、複数のプリンタ4で共有していると説明した。しかしながら、残量用紙情報テーブル415は、プリンタ4自身が生成してもよい。この場合には、プリンタ4は、生成した残量用紙情報を残量用紙情報テーブル415に記憶させればよい。
また、上記実施形態では、プリンタ4は、残量用紙情報テーブル415を変更するテーブル変更情報を店舗サーバ2から受信すると説明している。しかしながら、プリンタ4は、店舗サーバ2以外の装置からテーブル変更情報を受信してもよい。例えば、プリンタ4は、POS端末3からテーブル変更情報を受信してもよい。この場合には、POS端末3は、残量用紙情報テーブル415に含まれる残量用紙情報を第1表示部307等に表示する。POS端末3は、表示した残量用紙情報から削除する残量用紙情報を選択させる操作をキーボード309等が受け付けた場合に、テーブル変更情報をプリンタ4に送信する。また、プリンタ4が残量用紙情報テーブル415に含まれる残量用紙情報を表示する表示部及び削除する残量用紙情報を選択させる操作部等を備えている場合には、プリンタ4が残量用紙情報テーブル415を変更する操作を受け付けてもよい。
また、上記実施形態では、プリンタ4は、警告設定値416を変更する設定変更情報を店舗サーバ2から受信すると説明している。しかしながら、プリンタ4は、店舗サーバ2以外の装置から設定変更情報を受信してもよい。例えば、プリンタ4は、POS端末3から設定変更情報を受信してもよい。この場合には、POS端末3は、警告設定値416を第1表示部307等に表示する。POS端末3は、警告設定値416を変更させる操作をキーボード309等が受け付けた場合に、設定変更情報をプリンタ4に送信する。また、プリンタ4が設定変更情報を表示する表示部及び設定変更情報を変更させる操作部等を備えている場合には、プリンタ4が警告設定値416を変更する操作を受け付けてもよい。
上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らないものとする。例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。