JP2018144374A - インクジェットプリンタおよびインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法 - Google Patents

インクジェットプリンタおよびインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェットノズル内部における種類の異なるインクによる混合状態の発生を防止する。【解決手段】吸引ポンプによりインクジェットノズルからインクを吸引した後に、キャップ部材による開口部の封止を解除して、クリーニング処理を行うインクジェットプリンタにおいて、クリーニング処理において吸引ポンプによりインクを吸引した後に、送液ポンプにより予め設定されたインクジェットノズルに対してインクを送液させ、予め設定されたインクジェットノズル内の内圧を、予め設定されたインクジェットノズル以外のインクジェットノズルの内圧よりも高くするポンプ制御手段を有する。【選択図】 図7

Description

本発明は、インクジェットプリンタおよびインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法に関する。さらに詳細には、本発明は、メディアに向けてインクジェット方式によりインクを吐出するインクジェットノズルを備えたインクヘッドをクリーニングするインクジェットプリンタおよびインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法に関する。
なお、本明細書において「メディア」には、普通紙などの紙類よりなる各種の記録媒体は勿論のこと、PVC、ポリエステルなどの樹脂材料や織物、布、アルミ、鉄、木材などのような各種材料からなる種々の媒体が含まれる。
また、本明細書において「インクジェット方式」は、二値偏向方式あるいは連続偏向方式などの各種の連続方式や、サーマル方式あるいは圧電素子方式などの各種のオンデマンド方式を含む、従来より公知の各種の手法によるインクジェット技術による印刷方法を意味するものとする。
さらに、本明細書における圧力の表記については、大気圧基準(標準大気圧1atm=0kPa(G))を用いるものとする。従って、「標準大気圧1atm=0kPa(G)」より高い圧力は正圧となり、「標準大気圧1atm=0kPa(G)」より低い圧力は負圧となる。
従来より、マイクロコンピューターによって全体の動作を制御され、メディアたる記録紙と対向する面にインクジェット方式によりインクを吐出するインクジェットノズルを備えたインクヘッドを複数配設しており、各インクヘッドにそれぞれ異なる色彩のインクを供給するようにしたインクジェットプリンタが知られている。
こうしたインクジェットプリンタにおいては、それぞれ異なる色彩のインクを供給されたインクヘッドのインクジェットノズルから、それぞれ異なる色彩のインクを記録紙に対して吐出することにより、当該記録紙上にカラー印刷を行うことができる。
ところで、上記したようなインクジェットプリンタのインクヘッドにおいては、インクジェットノズル内に気泡が混入したり、あるいは、インクジェットノズル内でインクが凝集したりすると、インクジェットノズルに目詰まりなどが発生してインクの吐出不良が生じる。
インクヘッドのインクジェットノズルにおけるインクの吐出不良が生じた場合には、以下に説明するインクヘッドのインクジェットノズルをクリーニングするクリーニング処理が実行されていた。
このクリーニング処理とは、以下の処理を順次行うことを意味する。即ち、まず、複数のインクヘッドで共用するように設定されたキャップ装置の単一のキャップ部材により、複数のインクヘッドのインクジェットノズルが形成された面(本明細書においては、「インクヘッドのインクジェットノズルが形成された面」を「インクジェットノズル面」と適宜に称する。)を同時にキャッピング(封止)する。次に、この状態で吸引ポンプを作動して、キャッピングされたインクジェットノズル面を負圧にする。これにより、インクヘッド内のインクは、インクジェットノズルからキャップ部材側に強制的に吸引され、インクジェットノズル内の気泡やインクの凝集を解消する。その後に、キャップ部材によるインクヘッドのキャッピングを解除して、インクヘッドをキャップ装置からワイパー装置へと移動し、ワイパー装置のワイパーブレードによりインクジェットノズル面をワイピングする。
ところで、例えば、特許第5980390号公報に開示されたインクジェットプリンタなどは、インクを貯留するインクカートリッジと、インクを吐出するインクジェットノズルを備えたインクヘッドと、インクカートリッジからインクヘッドに向けてインクを送液する加圧ポンプ(送液ポンプ)と、インクカートリッジと加圧ポンプとを連通するインク経路に設けられてインクヘッドのインクジェットノズル内の圧力を負圧の状態に維持する圧力制御弁と、加圧ポンプの作動と停止を制御するマイクロコンピューターとを備えている。圧力制御弁は電気的に制御されておらず、マイクロコンピューターの制御により加圧ポンプが停止しているときにはインク経路を閉鎖する。
上記した構成を備えたインクジェットプリンタにおいては、圧力制御弁と加圧ポンプとの協働により、インクヘッドのインクジェットノズルからインクを吐出していないときは、インクヘッドのインクジェットノズルの内部の圧力が常に負圧状態となるように維持されている。
また、上記したようなインクジェットプリンタにおいては、クリーニング処理においてインクジェットノズル面に大きな負圧を付与してインクヘッドからインクを吸引した後に、キャップ部材によるインクヘッドのキャッピングを解除するまでの間で、キャップ部材に付着したインクがインクジェットノズル内部に流入する逆流現象が発生していた。
種々の色彩のインクや透明インクなどのような異なる種類のインクを吐出するインクジェットノズル間において上記した逆流現象が発生すると、インクジェットノズルが吐出する種類のインクとは異なる種類のインクが当該インクジェットノズル内部に流入してしまうということが発生していた。インクジェットノズルが吐出する種類とは異なる種類のインクが当該インクジェットノズル内部に流入すると、当該インクヘッドのインクジェットノズル内部で種類の異なるインクによる混合が生じてしまい、そのままの状態で印刷を行うと印刷品質が劣化する。
例えば、黄色のインクを吐出するインクジェットノズルに黒色のインクが流入して、黄色のインクを吐出するインクジェットノズル内において黄色のインクと黒色のインクとの混合が生じたような場合には、黄色のインクを吐出するインクジェットノズルから吐出されたインクの色が黄色から変質してしまい、著しい印刷品質の劣化を生じさせることが知られている。
このため、従来のインクジェットプリンタにおいては、上記したインクジェットノズル内部における種類の異なるインクの混合による印刷品質の劣化を防止するために、クリーニング処理後においては、印刷を開始する前にインクジェットノズルからインクを吐出するフラッシングをかなり多めにおこなって、インクジェットノズル内部での種類の異なるインクによる混合状態を解消するようにしていた。
このため、従来のインクジェットプリンタにおいては、印刷を開始する前にインクジェットノズルからインクを吐出するフラッシングによるインクの消費量が多くなるという問題点があった。
一方、従来のインクジェットプリンタにおいては、それぞれ種類の異なるインクを吐出するインクジェットノズルについて、実用上における印刷品質の維持の観点において、種類の異なるインクの流入によるインクの混合を許容することができないインクジェットノズル(本明細書においては、「種類の異なるインクの流入によるインクの混合を許容することができないインクジェットノズル」を「混合許容不可インクジェットノズル」と適宜に称する。)と、種類の異なるインクの流入によるインクの混合を許容することができるインクジェットノズル(本明細書においては、「種類の異なるインクの流入によるインクの混合を許容することができるインクジェットノズル」を「混合許容可能インクジェットノズル」と適宜に称する。)とがあること知られている。
例えば、インクジェットプリンタにおいて、黄色のインクを吐出するインクジェットノズルと黒色のインクを吐出するインクジェットノズルとが設けられているものとする。この場合には、黄色のインクを吐出するインクジェットノズルに黒色のインクが流入して、黄色のインクを吐出するインクジェットノズル内において黄色のインクと黒色のインクとの混合が生じたような場合には、黄色のインクを吐出するインクジェットノズルから吐出されたインクの色が黄色から変質してしまい、著しい印刷品質の劣化を生じさせることとなる。一方、黒色のインクを吐出するインクジェットノズルに黄色のインクが流入して、黒色のインクを吐出するインクジェットノズル内において黒色のインクと黄色のインクとの混合が生じたような場合には、黒色のインクを吐出するインクジェットノズルから吐出されたインクの色に視覚上の変化はほとんど見られず、実用上における印刷品質の維持の観点からは印刷品質の劣化を生じさせることはない。
従って、インクジェットプリンタに黄色のインクを吐出するインクジェットノズルと黒色のインクを吐出するインクジェットノズルとが設けられている場合には、黄色のインクを吐出するインクジェットノズルは混合許容不可インクジェットノズルとなり、一方、黒色のインクを吐出するインクジェットノズルは混合許容可能インクジェットノズルとなる。
特許第5980390号公報
本発明は、従来の技術における上記したような問題点や実用的な使用状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、混合許容不可インクジェットノズル内部における種類の異なるインクによる混合状態の発生を防止して、こうした混合状態を解消するために消費するインクの消費量を削減することを可能にしたインクジェットプリンタおよびインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明は、クリーニング処理において、インクヘッドのインクジェットノズルからインクを吸引するためにインクヘッドのインクジェットノズルが形成されたインクジェットノズル面を負圧にするが、インクヘッドのインクジェットノズル面を負圧にしてインクジェットノズルからのインクの吸引の終了後に、種類の異なるインクの流入を許容することができない混合許容不可インクジェットノズル内の圧力(内圧)を、種類の異なるインクの流入を許容することができる混合許容可能インクジェットノズル内の圧力(内圧)よりも高くなるように、インクジェットノズル間において内圧の圧力差を設けるようにしたものである。
このようにインクジェットノズル間において内圧の圧力差を設けることにより、キャップ部材に付着したインクは、混合許容不可インクジェットノズル内に流入するよりも混合許容可能インクジェットノズルの方へ流入しやすくなり、混合許容不可インクジェットノズルへの種類の異なるインクの流入を防止することができる。これにより、種類の異なるインクの流入を防止したい混合許容不可インクジェットノズル内部における異なる種類のインクによる混合状態の発生が防止される。
従って、本発明によれば、混合許容不可インクジェットノズル内部における異なる種類のインクによる混合状態の発生が防止されるので、クリーニング処理後において、印刷を開始する前にインクジェットノズルからインクを吐出するフラッシングにより混合許容不可インクジェットノズル内部における上記した混合状態を解消する必要がなく、上記した印刷開始前のフラッシングによるインクの消費量を削減することができる。
また、本発明によれば、仮に混合許容不可インクジェットノズルへの種類の異なるインクの流入が発生したとしても、その流入量は著しく低減されるので、実用上は問題とならない高品質の印刷品質を維持することができる。
さらに、混合許容可能インクジェットノズル内へ当該混合許容可能インクジェットノズルが吐出するインクとは異なる種類のインクが流入しても、実用上は問題とならない高品質の印刷品質を維持することができる。
即ち、本発明によるインクジェットプリンタは、種類の異なるインクをそれぞれ吐出する第1のインクジェットノズルと第2のインクジェットノズルを形成した単数または複数のインクヘッドと、上記インクジェットノズルへ上記インクを送液する送液ポンプと、上記インクジェットノズルの開口部を封止するキャップ部材と、上記インクジェットノズルから上記インクを吸引する吸引ポンプと、上記インクジェットノズルの上記開口部が位置する上記インクヘッドのインクジェットノズル面をワイパーブレードでクリーニング処理するワイパー装置とを有し、上記吸引ポンプにより上記インクジェットノズルから上記インクを吸引した後に、上記キャップ部材による上記開口部の上記封止を解除して、上記クリーニング処理を行うインクジェットプリンタにおいて、上記クリーニング処理において上記吸引ポンプにより上記インクを吸引した後に、上記送液ポンプにより上記第1のインクジェットノズルに対して上記インクを送液させ、上記第1のインクジェットノズルの内圧を、上記第2のインクジェットノズルの内圧よりも高くするポンプ制御手段とを有するようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタは、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおいて、上記第1のインクジェットノズルは、上記種類の異なる上記インクの流入による上記インクの混合を許容することができない混合許容不可インクジェットノズルであり、上記第2のインクジェットノズルは、上記種類の異なる上記インクの流入による上記インクの混合を許容することができる混合許容可能インクジェットノズルであるようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタは、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおいて、上記第1のインクジェットノズルに対して送液される上記インクの比重より、上記第2のインクジェットノズルに対して送液される上記インクの比重が大きいようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタは、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおいて、上記第1のインクジェットノズルに対して送液される上記インクは、透明インクであるようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタは、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおいて、上記第1のインクジェットノズルに対して送液される上記インクは、白色インクであるようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタは、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおいて、上記第1のインクジェットノズルに対して送液される上記インクは、上記複数の種類の中で最も明度が高いインク、または、上記複数の種類の中で最も黄色の成分が多い色のインク、または、上記複数の種類の中で彩度において最も淡い色のインクのいずれかであるようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタは、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおいて、上記第1のインクジェットノズルに対して送液される上記インクは、黄色インクであり、上記第2のインクジェットノズルに対して送液される上記インクは、黒色インクであるようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法は、種類の異なるインクをそれぞれ吐出する第1のインクジェットノズルと第2のインクジェットノズルを形成した単数または複数のインクヘッドと、上記インクジェットノズルへ上記インクを送液する送液ポンプと、上記インクジェットノズルの開口部を封止するキャップ部材と、上記インクジェットノズルから上記インクを吸引する吸引ポンプと、上記インクジェットノズルの上記開口部が位置する上記インクヘッドのインクジェットノズル面をワイパーブレードでクリーニング処理するワイパー装置とを有するインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法であって、上記吸引ポンプにより上記インクジェットノズルから上記インクを吸引した後に、上記キャップ部材による上記開口部の上記封止を解除して、上記クリーニング処理を行うインクジェットプリンタのクリーニング方法において、上記クリーニング処理において上記吸引ポンプにより上記インクを吸引した後に、上記送液ポンプにより上記第1のインクジェットノズルに対して上記インクを送液させ、上記第1のインクジェットノズルの内圧を、上記第2のインクジェットノズルの内圧よりも高くするようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法は、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法において、上記第1のインクジェットノズルは、上記種類の異なる上記インクの流入による上記インクの混合を許容することができない混合許容不可インクジェットノズルであり、上記第2のインクジェットノズルは、上記種類の異なる上記インクの流入による上記インクの混合を許容することができる混合許容可能インクジェットノズルであるようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法は、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法において、上記第1のインクジェットノズルに対して送液される上記インクの比重より、上記第2のインクジェットノズルに対して送液される上記インクの比重が大きいようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法は、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法において、上記第1のインクジェットノズルに対して送液される上記インクは、透明インクであるようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法は、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法において、上記第1のインクジェットノズルに対して送液される上記インクは、白色インクであるようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法は、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法において、上記第1のインクジェットノズルに対して送液される上記インクは、上記複数の種類の中で最も明度が高いインク、または、上記複数の種類の中で最も黄色の成分が多い色のインク、または、上記複数の種類の中で彩度において最も淡い色のインクのいずれかであるようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法は、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法において、上記第1のインクジェットノズルに対して送液される上記インクは、黄色インクであり、上記第2のインクジェットノズルに対して送液される上記インクは、黒色インクであるようにしたものである。
本発明は、以上説明したように構成されているので、混合許容不可インクジェットノズル内部における種類の異なるインクによる混合状態の発生を防止することができ、こうした混合状態を解消するために消費するインクの消費量を削減することが可能になるという優れた効果を奏するものである。
図1は、本発明によるインクジェットプリンタの実施の形態の一例を示す概略構成斜視説明図である。 図2は、図1に示すインクジェットプリンタにおける黄色インクカートリッジおよび黒色インクカートリッジから廃液タンクへ至るインク経路を模式的に示す構成説明図である。 図3は、図1に示すインクジェットプリンタにおける加圧ポンプ(送液ポンプ)の構成の一例を示す構成説明図である。 図4は、図1に示すインクジェットプリンタにおける吸引ポンプの構成の一例を示す説明図である。 図5は、黄色インクヘッドのインクジェットノズルが形成されたインクジェットノズル面および黒色インクヘッドのインクジェットノズルが形成されたインクジェットノズル面とキャップ部材との位置関係を模式的に示す説明図である。図5(a)はキャッピング位置を示し、図5(b)は待機位置を示し、図5(c)はキャップ内フラッシング位置を示す。 図6は、図1に示すインクジェットプリンタにおけるマイクロコンピューターの本発明の実施に関連する機能的構成をあらわすブロック構成説明図である。 図7は、インクジェットプリンタが実行するクリーニング処理ルーチンの実施の形態の一例を示すフローチャートである。 図8(a)(b)は、インクジェットプリンタにおける黄色インクヘッドのインクジェットノズルならびに黒色インクヘッドのインクジェットノズルへの黄色インクおよび黒色インクの流入の状況を模式的に示す説明図である。図8(a)は、本発明によるインクジェットプリンタについて示す説明図である。図8(b)は、従来のインクジェットプリンタについて示す説明図である。 図9は、インクジェットプリンタが実行するクリーニング処理ルーチンの実施の形態の他の例を示すフローチャートである。 図9は、インクジェットプリンタが実行するクリーニング処理ルーチンの実施の形態の他の例を示すフローチャートである。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるインクジェットプリンタおよびインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
なお、以下の説明においては、説明を簡素化して本発明の理解を容易にするために、インクヘッドとして、インクジェットノズルから黄色のインクを吐出するインクヘッド(本明細書においては、「インクジェットノズルから黄色のインクを吐出するインクヘッド」を「黄色インクヘッド」と適宜に称する。)と、インクジェットノズルから黒色のインクを吐出するインクヘッド(本明細書においては、「インクジェットノズルから黒色のインクを吐出するインクヘッド」を「黒色インクヘッド」と適宜に称する。)とを備えたインクジェットプリンタについて説明する。また、黄色インクヘッドのインクジェットノズルが混合許容不可インクジェットノズルであり、黒色インクヘッドのインクジェットノズルが混合許容可能インクジェットノズルである。
また、符号に関しては、黄色インクヘッドへ黄色インクを供給するインク経路内に存在する各構成部材については、符号の先頭に「Y」の文字を付して示すものとする。同様に、黒色インクヘッドへ黒色インクを供給するインク経路内に存在する各構成部材については、符号の先頭に「K」の文字を付して示すものとする。
図1には、本発明によるインクジェットプリンタの実施の形態の一例を示す概略構成斜視説明図が示されている。
このインクジェットプリンタ10は、基台部材12に支持され主走査方向に延長して配設された固定系のベース部材14を備えている。ベース部材14の左右両端には側方部材16L、16Rが配設され、側方部材16R側には側方ユニット18が配設されている。
インクジェットプリンタ10は、左右2つの側方部材16L、16Rを連結する中央壁20を備え、中央壁20の壁面には主走査方向に延長してガイドレール22が配設されている。
符号24は、中央壁20の壁面に平行して主走査方向に移動自在に配設されたワイヤーである。キャリッジ26は、ワイヤー24に固定的に配設されるとともにガイドレール22に摺動自在に装着されている。キャリッジ26には、ベース部材14上に位置するメディアたる記録紙28と対向するようにして黄色インクヘッドY30および黒色インクヘッドK30が隣接して搭載されてるとともに、黄色インクヘッドY30と接続されたダンパー装置Y32および黒色インクヘッドK30と接続されたダンパー装置K32が搭載されている。黄色インクヘッドY30には黄色のインクを吐出するインクジェットノズル(図示せず。)が形成されており、また、黒色インクヘッドK30には黒色のインクを吐出するインクジェットノズル(図示せず。)が形成されている。
なお、こうしたインクジェットプリンタ10の全体の動作は、マイクロコンピューター34によって制御されている。
また、インクジェットプリンタ10においては、上記したようにメディアとして記録紙28を用いるものとする。この記録紙28は、給紙装置(図示せず。)によってベース部材14上に供給され、幅方向たる主走査方向において所定の長さを有するとともに、主走査方向と直交する方向、即ち、記録紙28の長手方向に搬送される。なお、主走査方向と直交する方向、即ち、記録紙28の搬送方向かつ記録紙28の長手方向を「副走査方向」と称する。
そして、このインクジェットプリンタ10においては、マイクロコンピューター34の制御に従って記録紙28上に印刷が行われる。
即ち、マイクロコンピューター34の制御に従って、ワイヤー24の巻き取りによりワイヤー24が移動すると、このワイヤー24の移動に伴って、キャリッジ26が主走査方向における行き方向(往路)および帰り方向(復路)に往復移動する。これにより、キャリッジ26に搭載されたダンパー装置Y32および黄色インクヘッドY30ならびにダンパー装置K32および黒色インクヘッドK30が、給紙装置によってベース部材14上に供給された記録紙28上を主走査方向における行き方向(往路)および帰り方向(復路)に一体的に往復移動し、記録紙28上に印刷が行われる。
インクジェットプリンタ10においては、ベース部材14に廃液タンク42が配設されており、側方ユニット18に着脱可能に配設される黄色インクを貯留した黄色インクカートリッジY36ならびに黒色インクを貯留した黒色インクカートリッジK36から廃液タンク42へ至るインク経路100が形成されている(図2を参照する。)。
インクジェットプリンタ10には、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル面Y30aに設けられたインクジェットノズルの開口部および黒色インクヘッドK30のインクジェットノズル面K30aに設けられたインクジェットノズルの開口部に対してキャッピングするキャップ装置38が設けられている。また、インクジェットプリンタ10には、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル面Y30aおよび黒色インクヘッドK30のインクジェットノズル面K30aをワイパーブレード(図示せず。)でワイピングするワイパー装置39が設けられている。
なお、符号40は作業者がインクジェットプリンタ10の動作を制御するための操作子を備えた操作パネルである。操作パネル40には、インクジェットプリンタ10の動作状態を表示するための表示装置40aが設けられている。
ここで、図2には、図1に示すインクジェットプリンタ10における黄色インクカートリッジY36ならびに黒色インクカートリッジK36から廃液タンク42へ至るインク経路100を模式的に示す構成説明図が示されている。
この図2に示すインク経路100は、一方の端部Y102aが黄色インクカートリッジY36と連通するように接続されるとともに他方の端部Y102bがコネクタY104の一方の端部Y104aと連通するように接続された可撓性のインク供給チューブY102を備えている。インク供給チューブY102の端部Y102bとコネクタY104の端部Y104aとは、着脱自在に接続されている。
黄色インクカートリッジY36は黄色インクヘッドY30へ供給するための黄色インクを貯留しており、黄色インクカートリッジY36内に貯留された黄色インクの量を検知するセンサー(図示せず。)が設けられている。
コネクタY104は、屈曲可能な蛇腹状部位を備えた中空パイプ形状を備え、その他方の端部Y104bにはダンパー装置Y32が接続されている。
ダンパー装置Y32は黄色インクヘッドY30とともにキャリッジ26に搭載されており、コネクタY104を通過した黄色インクを一時的に貯留する貯留室(図示せず。)を備えている。このダンパー装置Y32により、キャリッジ26が記録紙28に対して往復動する際におけるインク経路100内の黄色インクの圧力変動を吸収している。また、ダンパー装置Y32は、ダンパー装置Y32内に貯留された黄色インクの量を検出するインク貯留量検出装置を備えている。
ダンパー装置Y32のインク貯留量検出装置は、例えば、ダンパー装置Y32の貯留室に貯留された黄色インクの量が所定量以下であるか否かを検出するものである。ここで、ダンパー装置Y32の貯留室に貯留可能な黄色インクの量を、例えば、6ccとすると、所定量は、例えば、3〜4ccである。ダンパー装置Y32のインク貯留量検出装置が、貯留室に貯留された黄色インクの量が所定量以下となったことを検出すると、マイクロコンピューター34の自動制御により加圧ポンプY101(後述する。)を作動して、加圧ポンプY101から予め設定された量の黄色インクをダンパー装置Y32の貯留室に加圧して送液する。
こうしたインク貯留量検出装置は、例えば、特許第5980390号公報などに開示された公知の技術であるため、その詳細な構成ならびに作用の説明は省略する。
ダンパー装置Y32には、ダンパー装置Y32の貯留室と連通するインクジェットノズルを備えた黄色インクヘッドY30が接続されており、黄色インクカートリッジY36に貯留された黄色インクは、ダンパー装置Y32を介して黄色インクヘッドY30へ供給される。黄色インクヘッドY30に供給されたインクは、インクジェットノズル面Y30aに開口部が形成されたインクヘッドノズルから吐出される。黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルは、後に詳述するように、圧力制御弁Y108(後述する。)と加圧ポンプY101との協働により、黄色インクを吐出していないときは内部の圧力が常に負圧状態となるように維持されている。
また、インク供給チューブY102においては、一方の端部Y102aと圧力制御弁Y108との間にバルブ弁Y106が設けられている。バルブ弁Y106は、例えば、ソレノイドバルブにより構成されている。バルブ弁Y106は、バルブ弁Y106を開放して黄色インクカートリッジY36から黄色インクヘッドY30への黄色インクの供給を許容したり、バルブ弁Y106を閉鎖して黄色インクカートリッジY36から黄色インクヘッドY30への黄色インクの供給を停止したりを選択的に制御することができる。
インク供給チューブY102においては、圧力制御弁Y108と加圧ポンプY101とが、バルブ弁Y106とダンパー装置Y32との間に配置されている。圧力制御弁Y108が上流側に配置され、加圧ポンプY101が下流側に配置される。
圧力制御弁Y108は、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内の黄色インクを負圧の状態に維持する。圧力制御弁Y108は、電気的に制御されておらず、マイクロコンピューター34の制御により加圧ポンプY101が停止しているときは、インク供給チューブY102を閉じて黄色インクに関するインク経路100を閉鎖する。
加圧ポンプY101は、マイクロコンピューター34の自動制御によって作動すると、黄色インクカートリッジY36からダンパー装置Y32へ向けて黄色インクを加圧して送液し、マイクロコンピューター34の自動制御によって作動を停止すると、黄色インクカートリッジY36からダンパー装置Y32へ向けてのインクの送液を停止する。
インク供給チューブY102に圧力制御弁Y108と供給ポンプY101とを設けることにより、加圧ポンプY101が停止しているときには、圧力制御弁Y108によってインク供給チューブY102を閉じて黄色インクに関するインク経路100が閉鎖されている。これにより、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルが黄色インクを吐出していないときは、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内部の圧力が常に負圧状態となるように維持される。従って、インクジェットプリンタ10の不使用時には、黄色インクヘッドY30からの黄色インク漏れを的確に防止することができる。また、黄色インクカートリッジY36を黄色インクヘッドY30よりも高い位置に配置することが可能となり、高さ方向の設計(レイアウト)の自由度を高めることができる。さらに、この構成では、インクジェットプリンタ10の不使用時に、インク供給チューブY102の一部を押しつぶし続ける必要が無く、インクジェットプリンタ10の使用時には安定して黄色インクを黄色インクヘッドY30に供給することができる。
また、インク経路100は、黒色インクに関する構成として、上記した黄色インクに関する各構成に相当する構成をそれぞれ備えている。
即ち、インク経路100には、黒色インクカートリッジK36と、一方の端部K102aと他方の端部K102bとを備えたインク供給チューブK102と、一方の端部K104aと他方の端部K104bとを備えたコネクタK104と、インクジェットノズル面K30aを備えた黒色インクヘッドK30と、ダンパー装置K32と、バルブ弁K106と、圧力制御弁K108と、加圧ポンプK101とが設けられている。
上記した圧力制御弁Y108(K108)と加圧ポンプY101(K101)とは、例えば、特許第5980390号公報などに開示されている従来より公知の技術であるので、その詳細な構成ならびに作用の説明は省略する。
なお、本実施の形態においては、加圧ポンプY101(K101)としては、コロを回転することによりチューブを潰してインクを加圧して送液する、従来より公知のチューブポンプを用いるものとする。図3には、加圧ポンプY101(K101)の構成の一例を示す構成説明図が示されている。加圧ポンプY101(K101)は、インク供給チューブY102(K102)におけるバルブ弁Y106(K106)とコネクタY104(K104)との間に設けられている。チューブポンプ自体は従来より公知の技術であるので、加圧ポンプY101(K101)についての詳細な説明は省略するが、加圧ポンプY101(K101)はその内部に、中心部C1を中心として矢印A方向に回転する円形台座101aと、円形台座101aの円周部にそれぞれ配設されたコロ101b、101cとを有している。コロ101b、101cとは、中心部C1を対称点として点対称位置に配置されている。加圧ポンプY101(K101)においては、円形台座101aの中心部C1を中心として矢印A方向に回転することにより、コロ101b、101cが円形台座101aの円周上を矢印A方向に回転移動することになり、これにより内部のチューブ101dの押圧状態を変化させ、バルブ弁Y106(K106)側からコネクタY104(K104)側へ黄色インク(黒色インク)を送液する。この加圧ポンプY101(K101)においては、円形台座101aが中心部C1を中心として回転角45度で回転するのを1単位の回転量(作動量)、即ち、単位回転量(単位作動量)として設定されている。
加圧ポンプY101(K101)は、中心部C1を中心として円形台座101aを回転することによるコロ101b、101cの回転の回転速度を切り替えることができるとともに、コロの回転角についても任意の角度に設定することができる。
また、インクジェットプリンタ10においては、上記において説明したように、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル面Y30aに形成されたインクジェットノズル周りと黒色インクヘッドK30のインクジェットノズル面K30aに形成されたインクジェットノズル周りとをキャッピングするキャップ装置38が設けられている。
キャップ装置38は、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル面Y30aに形成されたインクジェットノズルの開口部と黒色インクヘッドK30のインクジェットノズル面K30aに形成されたインクジェットノズルの開口部とを封止するキャップ部材112と、インク経路100内のインクを吸引可能な吸引ポンプ114とを有して構成されている。吸引ポンプ114は、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル面Y30aに形成されたインクジェットノズルの開口部と黒色インクヘッドK30のインクジェットノズル面K30aに形成されたインクジェットノズルの開口部とを封止したキャップ部材112に負圧を供給し、インク供給経路100内のインクを吸引する。
符号116は廃液チューブであり、一方の端部116aをキャップ部材112に接続するとともに他方の端部116bを廃液タンク42に接続している。吸引ポンプ114は、廃液チューブ116の一方の端部116aと他方の端部116bとの間に設けられている。
吸引ポンプ114としては、従来より公知の種々の構成のものを用いることが可能であり、例えば、チューブポンプやトロコイドポンプなどを用いることができ、インクの吸引速度を可変することができる。
ここで、チューブポンプやトロコイドポンプは、ポンプ内のコロを移動したり歯車を回転させたりして吸引力を発生させている状態と、所定の位置でポンプ内のコロの移動を停止したり歯車の回転を停止して吸引力が解除されて外気に開放された状態と、所定の位置でポンプ内のコロの移動を停止したり歯車の回転を停止して吸引力が解除されて外気に対して閉鎖された状態とを選択的に制御可能なポンプである。
具体的には、吸引ポンプ114としては、図4に示すように、例えば、特許第4857798号などに開示されたチューブポンプと同様な構成のチューブポンプを用いることができる。
この図4に示す吸引ポンプ114は、その内部に中心部C2を中心として矢印B方向に回転する円形台座114aと、円形台座114aの円周部にそれぞれ配設されたコロ114b、114cとを有している。コロ114b、114cとは、中心部C2を対称点として点対称位置に配置されている。吸引ポンプ114においては、円形台座114aの中心部C2を中心として矢印B方向に回転することにより、コロ114b、114cが円形台座114aの円周上を矢印B方向に回転移動することになり、これにより内部のチューブ114dの押圧状態を変化させ、キャップ部材112に負圧を供給して吸引力を発生させている状態と、所定の位置でコロ114b、114cの移動を停止して吸引力が解除されて外気に開放された状態と、所定の位置でコロ114b、114cの移動を停止して吸引力が解除されて外気に対して閉鎖された状態とを選択することができる。吸引ポンプ114においては、中心部C2を中心として円形台座114aを回転することによるコロ114b、114cの回転の回転速度を変化して、コロ114b、114cの移動速度を変化させることにより、インクの吸引速度を変化させることができる。
なお、吸引ポンプ114は、本実施の形態においては、吸引速度が低速ではインクを1秒当たり0.05cc吸引し、吸引速度が中速ではインクを1秒当たり0.075cc吸引し、吸引速度が高速ではインクを1秒当たり0.1cc吸引するものとする。このインクを1秒当たり0.1cc吸引する吸引速度が、吸引ポンプ114が適正に動作する吸引速度の最高速度となる。
図5(a)(b)(c)には、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルが形成されたインクジェットノズル面Y30aおよび黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルが形成されたインクジェットノズル面K30aとキャップ部材112との位置関係が模式的に示されている。
図5(a)は、黄色インクヘッドY30および黒色インクヘッドK30がキャップ装置38のキャップ部材112によりインクジェット面Y30a、K30aをキャッピングされているキャッピング位置を示す。図5(b)は、黄色インクヘッドY30および黒色インクヘッドK30とキャップ部材112とが所定の距離離隔した待機位置を示す。図5(c)は、黄色インクヘッドY30および黒色インクヘッドK30からキャップ部材112が若干の間隙G(例えば、0.5mm)をあけて離隔したキャップ内フラッシング位置(CAP内FL位置)を示す。
次に、図6には、インクジェットプリンタ10におけるマイクロコンピューター34の本発明の実施に関連する機能的構成をあらわすブロック構成説明図が示されている。
マイクロコンピューター34は、制御部202と、記憶部204と、加圧ポンプ制御部206とを有して構築される。
制御部202は、インクジェットプリンタ10により実行される印刷処理や後述するクリーニング処理(図7、図9および図10を参照する。)などの各種の処理の実行を含む全体の処理の制御を行う。
記憶部204は、印刷処理やクリーニング処理などの各種の処理において用いる各種の情報を記憶する。
加圧ポンプ制御部206は、クリーニング処理中における加圧ポンプY101ならびに加圧ポンプK101の自動制御の開始と停止とを制御する。即ち、加圧ポンプY101(K101)は、マイクロコンピューター34(制御部202)によって、ダンパー装置Y32(K32)のインク貯留量検出装置が貯留室に貯留された黄色インク(黒色インク)の量が所定量以下となったことを検出すると、予め設定された量の黄色インク(黒色インク)をダンパー装置Y32(K32)の貯留室に加圧して送液するように自動的に制御されている。加圧ポンプ制御部206は、クリーニング処理において、こうしたマイクロコンピューター34(制御部202)による加圧ポンプY101ならびに加圧K101の自動制御を停止させ、自動制御の停止中において予め設定されたタイミングで加圧ポンプY101ならびに加圧K101のマイクロコンピューター34(制御部202)による自動制御を再開する。また、加圧ポンプ制御部206は、予め設定された条件で加圧ポンプY101を作動させる処理も行う。
以上の構成において、マイクロコンピューター34の制御により、バルブ弁Y106およびバルブ弁K106を開いて、黄色インクカートリッジY36からインク供給チューブY102へインクを供給するとともに、黒色インクカートリッジK36からインク供給チューブK102へインクを供給しながら、黄色インクヘッドY30のインクヘッドジェットノズルならびに黒色インクヘッドK30のインクヘッドジェットノズルから記録紙28に対して黄色インクならびに黒色インクを吐出し、記憶紙28へ印刷する。
ここで、黄色インクヘッドY30のインジェットヘッドノズルから黄色インクが吐出されると、これに伴い黄色インクがダンパー装置Y32から黄色インクヘッドY30へ排出される。同様に、黒色インクヘッドK30のインジェットヘッドノズルから黒色インクが吐出されると、これに伴い黒色インクがダンパー装置K32から黒色インクヘッドK30へ排出される。ダンパー装置Y32のインク貯留量検出装置は、ダンパー装置Y32に貯留されているインクの量を検出する。同様に、 ダンパー装置K32のインク貯留量検出装置は、ダンパー装置K32に貯留されているインクの量を検出する。
マイクロコンピューター34の制御部202は、ダンパー装置Y32に貯留されている黄色インクの量が予め設定された量以下になったことをインク貯留量検出装置が検出すると、加圧ポンプY101を作動し予め設定された量の黄色インクをダンパー装置Y32の貯留室へ送液する。同様に、マイクロコンピューター34の制御部202は、ダンパー装置K32に貯留されている黒色インクの量が予め設定された量以下になったことをインク貯留量検出装置が検出すると、加圧ポンプK101を作動し予め設定された量の黒色インクをダンパー装置K32の貯留室へ送液する。
次に、図7に示すインクジェットプリンタ10が実行するクリーニング処理ルーチンのフローチャートを参照しながら、インクジェットプリンタ10の動作について説明する。この図7に示すクリーニング処理ルーチンは、ダンパー装置Y32の貯留室内に貯留されている黄色インクを一旦全て排出するとともに、ダンパー装置K32の貯留室内に貯留されている黒色インクを一旦全て排出するという、ダンパー装置の貯留室に貯留されているインクを一旦全て排出するクリーニング処理(本明細書においては、「ダンパー装置の貯留室に貯留されているインクを一旦全て排出するクリーニング処理」を「チョーククリーニング処理」と適宜に称する。)に関する処理ルーチンを示すものである。
黄色インクヘッドY30および黒色インクヘッドK30が、キャップ装置38のキャップ部材112によりインクジェット面Y30a、K30aをキャッピングされているキャッピング位置(図5(a)に示す位置)にあるとき、ユーザーによる操作パネル40の操作によりチョーククリーニング処理の実行が指示されると、図7に示すクリーニング処理ルーチンが起動する。
以下に説明するクリーニング処理ルーチンにおいては、黄色インクヘッドY30および黒色インクヘッドK30とキャップ部材112およびワイパー装置39との位置関係を変化させる動作を行う。この位置関係を変化させる動作については、単に黄色インクヘッドY30および黒色インクヘッドK30とキャップ部材112およびワイパー装置39との位置関係が相対的に変化すればよいものであり、黄色インクヘッドY30および黒色インクヘッドK30とキャップ部材112とのいずれか一方あるいは双方、または、黄色インクヘッドY30および黒色インクヘッドK30とワイパー装置39とのいずれか一方あるいは双方を移動させればよい。こうした、黄色インクヘッドY30および黒色インクヘッドK30とキャップ部材112およびワイパー装置39との位置関係を相対的に変化する技術については従来より公知の技術であるので、その詳細な構成ならびに作用の説明は省略する。
なお、下記の説明においては、説明を簡略化して本発明の理解を容易にするために、黄色インクヘッドY30および黒色インクヘッドK30を移動することにより、インクヘッド30とキャップ部材112およびワイパー装置39との位置関係を相対的に変化するものとして説明する。
図7に示すクリーニング処理ルーチンが起動すると、黄色インクヘッドY30および黒色インクヘッドK30を低速(例えば、1cm/sec)で移動して、キャップ部材112によるキャッピングを解除してキャップ部材112を開放し(ステップS702)、黄色インクヘッドY30および黒色インクヘッドK30とキャップ部材112とが所定の距離離隔した待機位置(図7(b)に示す位置)へ、黄色インクヘッドY30および黒色インクヘッドK30を移動する(ステップS704)。
ステップS704の処理を終了すると、ステップS706の処理へ進み、マイクロコンピューター34の制御部202の制御により、吸引ポンプ114を高速で0.914秒間正転(なお、「正転」とは、吸引ポンプ114においてインクを吸引する回転方向である。)させて、吸引ポンプ114のコロ114b、114cの位置を吸引開始位置へ移動する。
ステップS706の処理を終了すると、ステップS708の処理へ進み、黄色インクヘッドY30および黒色インクヘッドK30を低速でキャッピング位置へ移動して、キャップ部材112によりインクジェット面Y30a、K30aをキャッピングする。
ステップS708の処理を終了すると、ステップS710の処理へ進み、加圧ポンプ制御部206の制御により、制御部202による加圧ポンプY101および加圧ポンプK101の自動制御を停止させる。これにより加圧ポンプY101、K101の作動は停止し、圧力制御弁Y108、K108はインク供給チューブY102、K102を閉じてインク経路100を閉鎖する。
ステップS710の処理を終了すると、ステップS712の処理へ進み、マイクロコンピューター34の吸引ポンプ制御部208の制御により、吸引ポンプ114を中速で90.0秒間正転させて、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルから黄色インクを吸引するとともに、黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルから黒色インクを吸引する。ここで、吸引ポンプ114を中速で90.0秒間正転させてインクを吸引する吸引量は、ダンパー装置Y32の貯留室内に貯留されている黄色インクを全て排出可能であるとともに、ダンパー装置K32の貯留室内に貯留されている黒色インクを全て排出可能な吸引量である。なお、このステップS712の処理においては、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内の内圧ならびに黒色インクヘッドK30のインクジェットノズル内の内圧は、−50kPa(G)〜−60kPa(G)程度の負圧に大幅に低下する。
ステップS712の処理を終了すると、ステップS714の処理へ進み、加圧ポンプ制御部206の制御により、制御部202による黄色インクに関する加圧ポンプY101の自動制御を開始させる。なお、黒色インクに関する加圧ポンプK101については自動制御を開始させず、自動制御を停止させたままの状態に維持する。黄色インクに関する加圧ポンプY101の自動制御が開始されるので、ダンパー装置Y32の貯留室に黄色インクが充填されていき、ダンパー装置Y32の貯留室から黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルへ黄色インクが送液される。これにより、−50kPa(G)〜−60kPa(G)程度であった黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内の内圧が、徐々に上昇して負圧の圧力を徐々に小さくしていく。一方で、黒色インクに関する加圧ポンプK101については自動制御が停止されたままであるので、黒色インクヘッドK30のインクジェットノズル内の内圧は、−50kPa(G)〜−60kPa(G)に維持される。
このように、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルの内圧の方が黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルの内圧よりも高いという、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルと黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルとの間における内圧の圧力差が設けられるので、キャップ部材112に付着した黄色インクや黒インクは、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内に流入するよりも黒インクヘッドK30のインクジェットノズルの方へ流入しやすくなり、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルへの黒インクの流入が防止される。
ステップS714の処理を終了すると、ステップS716の処理へ進み、マイクロコンピューター34の吸引ポンプ制御部208の制御により、吸引ポンプ114を中速で2.0秒間正転させる。これにより、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内への黄色インクの送液を促進することができるとともに、黒インクヘッドK30のインクジェットノズル内をさらに負圧にすることができる。
ステップS716の処理を終了すると、ステップS718の処理へ進み、加圧ポンプ制御部206の制御により、制御部202による黒色インクに関する加圧ポンプK101の自動制御を開始させる。黒色インクに関する加圧ポンプK101の自動制御が開始されるので、ダンパー装置K32の貯留室に黒色インクが充填されていき、ダンパー装置K32の貯留室から黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルへ黒色インクが送液される。これにより、−50kPa(G)〜−60kPa(G)程度であった黒色インクヘッドK30のインクジェットノズル内の内圧が、徐々に上昇して負圧の圧力を徐々に小さくしていく。しかしながら、加圧ポンプY101の自動制御の開始が加圧ポンプK101の自動制御の開始に先立って行われているため、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルの内圧の方が黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルの内圧よりも高いという、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルと黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルとの間における内圧の圧力差は維持される。従って、キャップ部材112に付着した黄色インクや黒インクは、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内に流入するよりも黒インクヘッドK30のインクジェットノズルの方へ流入しやすくなり、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルへの黒インクの流入が防止される。
ステップS718の処理を終了すると、ステップS720の処理へ進み、マイクロコンピューター34の吸引ポンプ制御部208の制御により、吸引ポンプ114を中速で28.0秒間正転させる。これにより、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内への黄色インクの送液を促進することができるとともに、黒インクヘッドK30のインクジェットノズル内への黒色インクの送液を促進することができる。
ステップS720の処理を終了すると、ステップS724の処理へ進み、120.0秒間待機する。この待機時間は、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内の負圧と黒インクヘッドK30のインクジェットノズル内の負圧とが徐々に解消されて、それぞれ大気圧に近い負圧へと移行するのを待つ時間である。
この待機時間においても、加圧ポンプY101の自動制御の開始が加圧ポンプK101の自動制御の開始に先立って行われた影響により、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルの内圧の方が黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルの内圧よりも高いという、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルと黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルとの間における内圧の圧力差は維持される。
本願発明者の実験によれば、図8(a)に示すように、待機時間の終了間際のある時点においては、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルの内圧はほぼ大気圧に近い圧力(0〜−0.5kPa(G))となっているのに対し、黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルの内圧は大気圧よりも低い圧力(−0.5〜−1.7kPa(G))となる関係となり、その後、黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルの内圧も徐々に大気圧に近づいていくが、黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルの内圧の方が黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルの内圧よりも低圧である状況は継続する。
これにより、キャップ部材112に付着した黄色インクや黒インクは、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内に流入するよりも黒インクヘッドK30のインクジェットノズルの方へ流入しやすくなり、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルへの黒インクの流入が防止される。また、黄色インクが黒色インクヘッドK30のインクジェットノズル内に流入しても、実用上における印刷品質の劣化は生じない。
一方、上記したステップS714およびステップS718の処理とは異なり、加圧ポンプY101の自動制御と加圧ポンプK101の自動制御とを同時に開始する従来の技術によるインクジェットプリンタにおいては、本願発明者の実験によれば、図8(b)に示すように、待機時間の終了間際のある時点においては、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルの内圧も黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルの内圧も、いずれも−0.5〜−1.7kPa(G)程度の負圧となり、その後もその状況は継続する。
これにより、キャップ部材112に付着した黄色インクや黒インクは、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルにも流入し、黒インクヘッドK30のインクジェットノズルへも流入するようになる。このため、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルへの黒インクの流入を防止することができず、印刷品質が著しく劣化する。黄色インクについては、黒色インクヘッドK30のインクジェットノズル内に流入しても、実用上における印刷品質の劣化は生じない。
なお、上記した従来の技術によるインクジェットプリンタの処理ルーチンは、ステップS712の時点で加圧ポンプY101のと加圧ポンプK101との自動制御を同時に開始し、ステップS718の処理を行わない点でのみ本発明によるインクジェットプリンタ10の処理ルーチンと相違し、その他の処理ステップにおいてそれぞれ同一の処理を行う。
上記したステップS724の処理を終了すると、黄色インクヘッドY30および黒インクヘッドK30を低速で移動して、キャップ部材112によるキャッピングを解除してキャップ部材112を開放し(ステップS726)、黄色インクヘッドY30および黒インクヘッドK30からキャップ部材112が若干の間隙G(例えば、0.5mm)をあけて離隔したキャップ内フラッシング位置(CAP内FL位置)(図5(c)に示す位置)へ黄色インクヘッドY30および黒インクヘッドK30を移動する(ステップS728)。
ステップS726およびステップS728の処理は、キャップ部材112にインクが溜まっている状態で行われるため、キャップ部材112から外部へインクがこぼれ出さないようにゆっくりした動作で行われる。
ステップS728の処理を終了すると、ステップS730の処理へ進み、吸引ポンプ114を駆動してキャップ部材112に溜まっているインクを廃液タンク42へ吸引する空吸引を行う。
ステップS730の処理を終了すると、ステップS732の処理へ進み、黄色インクヘッドY30および黒インクヘッドK30を低速で移動して、キャップ部材112によりインクジェットノズル面Y30a、K30aをキャッピングする。これにより、黄色インクヘッドY30および黒インクヘッドK30とキャップ部材112とはキャッピング位置になる。
ステップS732の処理を終了すると、ステップS734の処理へ進み、ワイパー装置39のワイパーブレードによりインクジェットノズル面Y30a、K30aをワイピングするとともに、吸引ポンプ114を駆動してキャップ部材112に溜まっているインクを廃液タンク42へ吸引する空吸引を行う。なお、ステップS734の処理においては、ワイピングの際にキャップ部材112のキャッピングを解除したり、ワイパーブレードを駆動したりなどの各種の処理を順次行うことになるが、こうした処理技術については公知の技術であるので、その詳細な構成および作用の説明は省略する。
ステップS734の処理を終了すると、ステップS736の処理へ進み、黄色インクヘッドY30および黒インクヘッドK30を低速で移動して、キャップ部材112によりインクジェットノズル面Y30a、K30aをキャッピングする。これにより、黄色インクヘッドY30および黒インクヘッドK30とキャップ部材112とはキャッピング位置になる。ステップS736の処理を終了すると、このクリーニング処理ルーチンを終了する。
以上において説明したように、インクジェットプリンタ10によれば、クリーニング処理において、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルから黄色インクを吸引するとともに、黒インクヘッドK30のインクジェットノズルから黒色インクを吸引するために、インクジェットノズルが形成されたインクジェットノズル面Y30a、K30aを負圧にするが、インクジェットノズル面Y30a、K30aを負圧にしてインクジェットノズルからの黄色インクおよび黒色インクの吸引の終了後に、混合許容不可インクジェットノズルである黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内の内圧を、混合許容可能インクジェットノズルである黒色インクヘッドK30のインクジェットノズル内の内圧よりも高くなるように、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルと黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルとの間において内圧の圧力差を設けるようにした。
インクジェットノズル間において内圧の圧力差を設けることにより、キャップ部材112に付着した黄色インクおよび黒色インクは、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内に流入するよりも黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルの方へ流入しやすくなり、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内への黒色インクの流入を防止することができる。これにより、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内部における黒色インクの流入による混合状態の発生が防止される。
このように、インクジェットプリンタ10によれば、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内部における黒色のインクの流入による混合状態の発生が防止されるので、クリーニング処理後において、印刷を開始する前に黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルからインクを吐出するフラッシングにより上記した混合状態を解消する必要がなく、上記した印刷開始前のフラッシングによる黄色インクの消費量を削減することができる。
また、インクジェットプリンタ10によれば、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルへの黒色インクの流入が発生したとしても、その流入量は著しく低減されるので、実用上は問題とならない高品質の印刷品質を維持することができる。
さらに、黒色インクヘッドのインクジェットノズル内へ黄色インクが流入しても、実用上は問題とならない高品質の印刷品質を維持することができる。
なお、上記した実施の形態は例示に過ぎないものであり、本発明は他の種々の形態で実施することができる。即ち、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
例えば、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(8)に示すような実施の形態としてもよい。
(1)上記した実施の形態においては、本発明の理解を容易にするために具体的な数値(例えば、加圧ポンプY101、K101の回転速度や回転角、吸引ポンプ114の吸引速度や吸引時間、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内の内圧や黒色インクヘッドK30のインクジェットノズル内の内圧などである。)を示している。しかしながら、本明細書におけるこうした具体的な数値は、本発明の理解を容易にするための単なる例示に過ぎないものであり、本発明はこの数値に限定されるものではなく、設計条件などに応じて適宜に変更してよいものであることは勿論である。
(2)上記した実施の形態においては、複数のインクヘッド(黄色インクヘッドY30および黒色インクヘッドK30)を備え、各インクヘッドのインクジェットノズルがそれぞれ異なる色彩のインクを吐出するインクジェットプリンタに本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではないことは勿論である。例えば、インクヘッドは単数であり、当該インクヘッドがそれぞれ異なる複数の色彩のインクをそれぞれ吐出するインクジェットノズルを備えたインクジェットプリンタに本発明を適用してもよいことは勿論である。要するに、インクジェットノズルが異なる色彩のインクを吐出するものであるならば、物理的なインクヘッドの数は単数(1個)でも複数(2個以上)でも本発明を適用することができる。
(3)上記した実施の形態においては、黄色インクと黒色インクとの二色の異なる色彩のインクを用いるインクジェットプリンタについて本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではないことは勿論である。例えば、3色以上の異なる色彩のインクを用いるインクジェットプリンタについて本発明を適用してもよく、その場合には、混合許容不可インクジェットノズルが特定の1色あるいは特定の複数色を吐出するようにし、混合許容可能インクジェットノズルが当該特定の1色あるいは特定の複数色以外の色彩のインクを吐出するようにすればよい。
(4)上記した実施の形態において、インクジェットプリンタ10は、ステップS716の処理で吸引ポンプ114を中速で2.0秒間正転させることなく、単に2.0秒間待機するようにしてもよい。また、インクジェットプリンタ10は、ステップS720の処理で吸引ポンプ114を中速で28.0秒間正転させることなく、単に28.0秒間待機するようにしてもよい。このようにすると、黄色インクおよび黒色インクの消費量を一層低減することができる。
(5)上記した実施の形態において、インクジェットプリンタ10は、図7のフローチャートに示すクリーニング処理ルーチンに代えて、図9のフローチャートに示すクリーニング処理を実行するようにしてもよい。図9に示すフローチャートによるクリーニング処理ルーチンは、図7のフローチャートにおけるステップS714乃至ステップS724の処理に代えて、ステップS914乃至ステップS922の処理を行う点でのみ、図7のフローチャートに示すクリーニング処理ルーチンと異なり、その他の各ステップの処理は同一である。従って、以下においては、ステップS914乃至ステップS922の処理についてのみ説明する。
ステップS914の処理においては、加圧ポンプ制御部206の制御により、制御部202による加圧ポンプY101および加圧ポンプK101の自動制御を開始させる。黄色インクに関する加圧ポンプY101の自動制御が開始されるので、ダンパー装置Y32の貯留室に黄色インクが充填されていき、ダンパー装置Y32の貯留室から黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルへ黄色インクが送液される。これにより、−50kPa(G)〜−60kPa(G)程度であった黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内の内圧が、徐々に上昇して負圧の圧力を徐々に小さくしていく。また、黒色インクに関する加圧ポンプK101の自動制御が開始されるので、ダンパー装置K32の貯留室に黒色インクが充填されていき、ダンパー装置K32の貯留室から黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルへ黒色インクが送液される。これにより、−50kPa(G)〜−60kPa(G)程度であった黒色インクヘッドK30のインクジェットノズル内の内圧が、徐々に上昇して負圧の圧力を徐々に小さくしていく。
ステップS914の処理を終了すると、ステップS916の処理へ進み、マイクロコンピューター34の吸引ポンプ制御部208の制御により、吸引ポンプ114を中速で30.0秒間正転させる。これにより、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内への黄色インクの送液を促進することができるとともに、黒インクヘッドK30のインクジェットノズル内への黄色インクの送液を促進することができる。
ステップS916の処理を終了すると、ステップS918の処理へ進み、60.0秒間待機する。この待機時間は、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内の負圧と黒インクヘッドK30のインクジェットノズル内の負圧とが徐々に解消されて、それぞれ大気圧に近い負圧へと移行するのを待つ時間である。
ステップS918の処理を終了すると、ステップS920へ進み、加圧ポンプY101を中速で回転角90°で正転させる(なお、「正転」とは、加圧ポンプY101において黄色インクを黄色インクヘッドY30側へ加圧して送液する回転方向である。)。これにより、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内の圧力を高めて0〜−0.5kPa(G)程度にする。なお、加圧ポンプK101は作動されないので、黒色インクヘッドK30のインクジェットノズル内の圧力は−0.5〜−1.7kPa(G)程度である(図8(a)(b)を参照する。)。
このステップS920の処理により、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルの内圧の方が黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルの内圧よりも高いという、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルと黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルとの間における内圧の圧力差が設けられるので、キャップ部材112に付着した黄色インクや黒インクは、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内に流入するよりも黒インクヘッドK30のインクジェットノズルの方へ流入しやすくなり、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルへの黒インクの流入が防止される。
ステップS920の処理を終了すると、ステップS922の処理へ進み、60.0秒間待機する。この待機時間は、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内の負圧と黒インクヘッドK30のインクジェットノズル内の負圧とが徐々に解消されて、それぞれ大気圧に近い負圧へと移行するのを待つ時間である。
この待機時間においても、ステップS920の処理により黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内の圧力が高められた影響により、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルの内圧の方が黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルの内圧よりも高いという、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルと黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルとの間における内圧の圧力差は維持される。
従って、図9に示すフローチャートによるクリーニング処理ルーチンにおいても、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルから黄色インクを吸引するとともに、黒インクヘッドK30のインクジェットノズルから黒色インクを吸引するために、インクジェットノズルが形成されたインクジェットノズル面Y30a、K30aを負圧にするが、インクジェットノズル面Y30a、K30aを負圧にしてインクジェットノズルからの黄色インクおよび黒色インクの吸引の終了後に、混合許容不可インクジェットノズルである黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内の内圧を、混合許容可能インクジェットノズルである黒色インクヘッドK30のインクジェットノズル内の内圧よりも高くなるように、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルと黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルとの間において内圧の圧力差を設けることができる。
このため、キャップ部材112に付着した黄色インクおよび黒色インクは、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内に流入するよりも黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルの方へ流入しやすくなり、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内への黒色インクの流入を防止することができる。これにより、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内部における黒色インクの流入による混合状態の発生が防止される。
(6)上記した実施の形態において、インクジェットプリンタ10は、図7のフローチャートに示すクリーニング処理ルーチンに代えて、図10のフローチャートに示すクリーニング処理を実行するようにしてもよい。図10に示すフローチャートによるクリーニング処理ルーチンは、図7のフローチャートにおけるステップS710乃至ステップS724の処理に代えて、ステップS1010乃至ステップS1016の処理を行う点でのみ、図7のフローチャートに示すクリーニング処理ルーチンと異なり、その他の各ステップの処理は同一である。従って、以下においては、ステップS1010乃至ステップS1016の処理についてのみ説明する。なお、この図10のフローチャートに示すクリーニング処理は、チョーククリーニング処理とは異なり、ダンパー装置の貯留室に貯留されているインクを全て排出することのない通常のクリーニング処理である。
ステップS1010の処理においては、マイクロコンピューター34の吸引ポンプ制御部208の制御により、吸引ポンプ114を中速で13.7秒間正転させて、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルから黄色インクを吸引するとともに、黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルから黒色インクを吸引する。
ステップS1010の処理を終了すると、ステップS1012の処理へ進み、3.0秒間待機する。この待機時間は、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内の負圧と黒インクヘッドK30のインクジェットノズル内の負圧とが徐々に解消されて、それぞれ大気圧に近い負圧へと移行するのを待つ時間である。
ステップS1012の処理を終了すると、ステップS1014へ進み、加圧ポンプY101を中速で回転角90°で正転させる(なお、「正転」とは、加圧ポンプY101において黄色インクを黄色インクヘッドY30側へ加圧して送液する回転方向である。)。これにより、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内の圧力を高めて0〜−0.5kPa(G)程度にする。なお、加圧ポンプK101は作動されないので、黒色インクヘッドK30のインクジェットノズル内の圧力は−0.5〜−1.7kPa(G)程度である(図8(a)(b)を参照する。)。
このステップS1014の処理により、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルの内圧の方が黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルの内圧よりも高いという、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルと黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルとの間における内圧の圧力差が設けられるので、キャップ部材112に付着した黄色インクや黒インクは、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内に流入するよりも黒インクヘッドK30のインクジェットノズルの方へ流入しやすくなり、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルへの黒インクの流入が防止される。
ステップS1014の処理を終了すると、ステップS1016の処理へ進み、8.0秒間待機する。この待機時間は、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内の負圧と黒インクヘッドK30のインクジェットノズル内の負圧とが徐々に解消されて、それぞれ大気圧に近い負圧へと移行するのを待つ時間である。
この待機時間においても、ステップS1012の処理により黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内の圧力が高められた影響により、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルの内圧の方が黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルの内圧よりも高いという、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルと黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルとの間における内圧の圧力差は維持される。
従って、図10に示すフローチャートによるクリーニング処理ルーチンにおいても、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルから黄色インクを吸引するとともに、黒インクヘッドK30のインクジェットノズルから黒色インクを吸引するために、インクジェットノズルが形成されたインクジェットノズル面Y30a、K30aを負圧にするが、インクジェットノズル面Y30a、K30aを負圧にしてインクジェットノズルからの黄色インクおよび黒色インクの吸引の終了後に、混合許容不可インクジェットノズルである黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内の内圧を、混合許容可能インクジェットノズルである黒色インクヘッドK30のインクジェットノズル内の内圧よりも高くなるように、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズルと黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルとの間において内圧の圧力差を設けることができる。
このため、キャップ部材112に付着した黄色インクおよび黒色インクは、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内に流入するよりも黒色インクヘッドK30のインクジェットノズルの方へ流入しやすくなり、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内への黒色インクの流入を防止することができる。これにより、黄色インクヘッドY30のインクジェットノズル内部における黒色インクの流入による混合状態の発生が防止される。
(7)上記した実施の形態においては、種類の異なるインクとして色彩が異なる黄色インクと黒色インクとを用いる場合について説明したが、これに限られるものではないことは勿論である。種類の異なるインクとは、黄色や黒色以外の他の色彩を含む色彩が異なるインクは勿論のこと、透明インクやホワイトインクなどのようなものや、色彩は同じでも明度が異なるものや粘度が異なるものなどのように、種々の観点において種類が異なるインクを意味するものとする。
ここで、上記した実施の形態においては、混合許容不可インクジェットノズルが黄色インクを吐出し、一方、混合許容可能インクジェットノズルが黒色インクを吐出するようにしたが、例えば、以下に説明するような第1の基準あるいは第2の基準に従って、混合許容不可インクジェットノズルが吐出するインクと混合許容可能インクジェットノズルが吐出するインクとを設定するようにしてもよい。以下に、これら第1の基準ならびに第2の基準について説明する。なお、以下の説明する第1の基準ならびに第2の基準は、例示に過ぎないものであって、使用者がいずれの基準を任意に採用してもよいことは勿論であり、また、他の基準を採用してもよいことは勿論である。
第1の基準は、インクの比重に従って、混合許容不可インクジェットノズルが吐出するインクと混合許容可能インクジェットノズルが吐出するインクとを設定する。即ち、インクの比重に軽重がある場合には、比重の軽いインクは比重の重いインクに混入しやすいという性質がある。この性質を利用して、混合許容不可インクジェットノズルが吐出するインクとして比重の軽いインクを設定し、混合許容可能インクジェットノズルが吐出するインクとして比重の重いインクを設定する。
第2の基準は、インクの色合いに従って、混合許容不可インクジェットノズルが吐出するインクと混合許容可能インクジェットノズルが吐出するインクとを設定する。具体的には、次のa〜eに示すようにする。
a:インクジェットプリンタが使用する複数のインクの中で透明インクがある場合には、混合許容不可インクジェットノズルが吐出するインクとして透明インクを設定し、混合許容可能インクジェットノズルが吐出するインクとして透明インク以外のインクを設定する。
b:インクジェットプリンタが使用する複数のインクの中で白色インクがある場合には、混合許容不可インクジェットノズルが吐出するインクとして白色インクを設定し、混合許容可能インクジェットノズルが吐出するインクとして白色インク以外のインクを設定する。なお、インクジェットプリンタが使用する複数のインクの中に透明インクと白色インクとがある場合には、混合許容不可インクジェットノズルが吐出するインクとして透明インクを設定し、白色インクは混合許容可能インクジェットノズルが吐出するインクとして設定する。また、これとは逆に、混合許容不可インクジェットノズルが吐出するインクとして白色インクを設定し、透明インクは混合許容可能インクジェットノズルが吐出するインクとして設定してもよい。
c:インクジェットプリンタが使用する複数のインクの明度に差がある場合には、最も明度の高いインクを混合許容不可インクジェットノズルが吐出するインクとして設定し、他のインクは混合許容可能インクジェットノズルが吐出するインクとして設定する。
d:インクジェットプリンタが使用する複数のインクの色相に差がある場合には、12色の色相環に当て嵌め、黄色の成分が最も多いインクを混合許容不可インクジェットノズルが吐出するインクとして設定し、他のインクは混合許容可能インクジェットノズルが吐出するインクとして設定する。例えば、赤色と青色とを比較すると、赤色の方の黄色の成分を多く含み色相が黄色に近いため、赤色のインクを混合許容不可インクジェットノズルが吐出するインクとして設定し、青色のインクは混合許容可能インクジェットノズルが吐出するインクとして設定する。
e:インクジェットプリンタが使用する複数のインクの彩度に差がある場合には、最も淡い色のインクを混合許容不可インクジェットノズルが吐出するインクとして設定し、他のインクは混合許容可能インクジェットノズルが吐出するインクとして設定する。
なお、上記したc〜eの基準については、使用者がいずれかの基準を任意に採用すればよい。
(8)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(7)に示す実施の形態は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
本発明は、インクヘッドのインクジェットノズルからインクジェット方式によりインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタに用いて好適である。
10 インクジェットプリンタ、12 基台部材、14 ベース部材、16L 側方部材、16R 側方部材、18 側方ユニット、20 中央壁、22 ガイドレール、24 ワイヤー、26 キャリッジ、28 記録紙、Y30 黄色インクヘッド(第1のインクジェットノズルを形成したインクヘッド)、K30 黒色インクヘッド(第2のインクジェットノズルを形成したインクヘッド)、Y30a インクジェットノズル面、K30a インクジェットノズル面、Y32 ダンパー装置、K32 ダンパー装置、34 マイクロコンピューター、Y36 黄色インクカートリッジ、K36 黒色インクカートリッジ、38 キャップ装置、39 ワイパー装置、40 操作パネル、40a 表示装置、42 廃液タンク、100 インク経路、Y101 加圧ポンプ(送液ポンプ)、K101 加圧ポンプ(送液ポンプ)、C1 中心部、101a 円形台座部、101b コロ、101c コロ、101d チューブ、Y102 インク供給チューブ、K102 インク供給チューブ、Y102a 端部、K102a 端部、Y102b 端部、K102b 端部、Y104 コネクタ、K104 コネクタ、Y104a 端部、K104a 端部、Y104b 端部、K104b 端部、Y106 バルブ弁、K106 バルブ弁、Y108 圧力制御弁、K108 圧力制御弁、112 キャップ部材、114 吸引ポンプ、C2 中心部、114a 円形台座部、114b コロ、114c コロ、114d チューブ、116 廃液チューブ、116a 端部、116b 端部、202 制御部、204 記憶部、206 加圧ポンプ制御部(ポンプ制御手段)

Claims (14)

  1. 種類の異なるインクをそれぞれ吐出する第1のインクジェットノズルと第2のインクジェットノズルを形成した単数または複数のインクヘッドと、
    前記インクジェットノズルへ前記インクを送液する送液ポンプと、
    前記インクジェットノズルの開口部を封止するキャップ部材と、
    前記インクジェットノズルから前記インクを吸引する吸引ポンプと、
    前記インクジェットノズルの前記開口部が位置する前記インクヘッドのインクジェットノズル面をワイパーブレードでクリーニング処理するワイパー装置と
    を有し、前記吸引ポンプにより前記インクジェットノズルから前記インクを吸引した後に、前記キャップ部材による前記開口部の前記封止を解除して、前記クリーニング処理を行うインクジェットプリンタにおいて、
    前記クリーニング処理において前記吸引ポンプにより前記インクを吸引した後に、前記送液ポンプにより前記第1のインクジェットノズルに対して前記インクを送液させ、前記第1のインクジェットノズルの内圧を、前記第2のインクジェットノズルの内圧よりも高くするポンプ制御手段と
    を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記第1のインクジェットノズルは、前記種類の異なる前記インクの流入による前記インクの混合を許容することができない混合許容不可インクジェットノズルであり、
    前記第2のインクジェットノズルは、前記種類の異なる前記インクの流入による前記インクの混合を許容することができる混合許容可能インクジェットノズルである
    ことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  3. 請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記第1のインクジェットノズルに対して送液される前記インクの比重より、前記第2のインクジェットノズルに対して送液される前記インクの比重が大きい
    ことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  4. 請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記第1のインクジェットノズルに対して送液される前記インクは、透明インクである
    ことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  5. 請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記第1のインクジェットノズルに対して送液される前記インクは、白色インクである
    ことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  6. 請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記第1のインクジェットノズルに対して送液される前記インクは、前記複数の種類の中で最も明度が高いインク、または、前記複数の種類の中で最も黄色の成分が多い色のインク、または、前記複数の種類の中で彩度において最も淡い色のインクのいずれかである
    ことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  7. 請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記第1のインクジェットノズルに対して送液される前記インクは、黄色インクであり、
    前記第2のインクジェットノズルに対して送液される前記インクは、黒色インクである
    ことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  8. 種類の異なるインクをそれぞれ吐出する第1のインクジェットノズルと第2のインクジェットノズルを形成した単数または複数のインクヘッドと、
    前記インクジェットノズルへ前記インクを送液する送液ポンプと、
    前記インクジェットノズルの開口部を封止するキャップ部材と、
    前記インクジェットノズルから前記インクを吸引する吸引ポンプと、
    前記インクジェットノズルの前記開口部が位置する前記インクヘッドのインクジェットノズル面をワイパーブレードでクリーニング処理するワイパー装置と
    を有するインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法であって、
    前記吸引ポンプにより前記インクジェットノズルから前記インクを吸引した後に、前記キャップ部材による前記開口部の前記封止を解除して、前記クリーニング処理を行うインクジェットプリンタのクリーニング方法において、
    前記クリーニング処理において前記吸引ポンプにより前記インクを吸引した後に、前記送液ポンプにより前記第1のインクジェットノズルに対して前記インクを送液させ、前記第1のインクジェットノズルの内圧を、前記第2のインクジェットノズルの内圧よりも高くする
    ことを特徴とするインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法。
  9. 請求項8に記載のインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法において、
    前記第1のインクジェットノズルは、前記種類の異なる前記インクの流入による前記インクの混合を許容することができない混合許容不可インクジェットノズルであり、
    前記第2のインクジェットノズルは、前記種類の異なる前記インクの流入による前記インクの混合を許容することができる混合許容可能インクジェットノズルである
    ことを特徴とするインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法。
  10. 請求項8または請求項9のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法において、
    前記第1のインクジェットノズルに対して送液される前記インクの比重より、前記第2のインクジェットノズルに対して送液される前記インクの比重が大きい
    ことを特徴とするインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法。
  11. 請求項8または請求項9のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法において、
    前記第1のインクジェットノズルに対して送液される前記インクは、透明インクである
    ことを特徴とするインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法。
  12. 請求項8または請求項9のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法において、
    前記第1のインクジェットノズルに対して送液される前記インクは、白色インクである
    ことを特徴とするインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法。
  13. 請求項8または請求項9のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法において、
    前記第1のインクジェットノズルに対して送液される前記インクは、前記複数の種類の中で最も明度が高いインク、または、前記複数の種類の中で最も黄色の成分が多い色のインク、または、前記複数の種類の中で彩度において最も淡い色のインクのいずれかである
    ことを特徴とするインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法。
  14. 請求項8または請求項9のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法において、
    前記第1のインクジェットノズルに対して送液される前記インクは、黄色インクであり、
    前記第2のインクジェットノズルに対して送液される前記インクは、黒色インクである
    ことを特徴とするインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのクリーニング方法。
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