JP2018143602A - 心腔内除細動カテーテル - Google Patents

心腔内除細動カテーテル Download PDF

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Abstract

【課題】下大静脈からのアプローチによる手技に使用されても、その先端によって右心房の内壁を傷つけることはなく、手技中にチップ部材が脱落することもない除細動カテーテルを提供すること。【解決手段】チューブ部材10と、その先端部に装着されたチップ部材80と、電極群31G,32Gと、リード線群41G,42Gとを備え、チューブ部材10には、中央ルーメン10Lおよびサブルーメン11L〜18Lが形成され、チューブ部材10の先端部101において、中央ルーメン10Lを区画形成する円筒状の縮径部1012が先端方向に突出しており、チップ部材80は、樹脂から構成され、軸方向に沿って貫通孔が形成され、チューブ部材10と同一の外径を有し、縮径部1012の外周を覆うようにチューブ部材10の先端部に装着され、チップ部材80の先端と縮径部1012の先端とが一致している。【選択図】 図4

Description

本発明は、心腔内に挿入されて、心房細動を除去する心腔内除細動カテーテルに関する。
心臓カテーテル術中に心房細動が起った場合には電気的除細動を行う必要がある。本出願人は、そのような除細動を心腔内において行うためのカテーテルとして、マルチルーメン構造を有する絶縁性のチューブ部材と、前記チューブ部材の基端に接続されたハンドルと、前記チューブ部材の先端領域に装着された複数のリング状電極からなる第1DC電極群と、前記第1DC電極群から基端側に離間して前記チューブ部材に装着された複数のリング状電極からなる第2DC電極群と、前記第1DC電極群を構成する電極の各々に接続されたリード線からなる第1リード線群と、前記第2DC電極群を構成する電極の各々に接続されたリード線からなる第2リード線群とを備えてなり、前記第1リード線群と前記第2リード線群とが、前記チューブ部材の異なるルーメンに延在しており、除細動を行うときには、前記第1DC電極群と、前記第2DC電極群とに、互いに異なる極性の電圧が印加される心腔内除細動カテーテルを提案している(特許文献1参照)。
このような構成の心腔内除細動カテーテルを、上大静脈から右心房内に挿入し、更に、右心房の後下壁にある冠状静脈洞の開口(冠状静脈洞口)に挿入することにより、第1DC電極群が冠状静脈洞内に位置し、第2DC電極群が右心房内に位置するように配置した後、第1DC電極群と第2DC電極群とに、互いに異なる極性の電圧を印加する。これにより、心房細動を起こしている心臓に対して、除細動に必要かつ十分な電気エネルギーを与えることができる。
特開2010−63708号公報
最近、心腔内除細動カテーテルを下大静脈から右心房内に挿入して冠状静脈洞口に挿入する手技が行われている。
このような手技(下大静脈からのアプローチ)は、心腔内除細動カテーテルを上大静脈から右心房内に挿入して冠状静脈洞口に挿入する従来の手技(上大静脈からのアプローチ)と比較して侵襲性が低く、また、術後の美容の観点からも好ましい。
然るに、下大静脈からのアプローチにおいては、心腔内除細動カテーテルを冠状静脈洞口に挿入する操作が難しく、また、冠状静脈洞口に挿入してからもトルクをかけてチューブ部材の捩れを戻すなど操作が必要である。
このため、下大静脈からのアプローチを行うときに、先行して冠状静脈洞口に挿入したガイドワイヤに沿って心腔内除細動カテーテルを挿入することが考えられる。
ここに、ガイドワイヤに沿って心腔内除細動カテーテルを目的部位に挿入させるためには、当該心腔内除細動カテーテルのチューブ部材に、ガイドワイヤを挿通可能なルーメン(ガイドワイヤルーメン)を形成する必要がある。
しかしながら、下大静脈からのアプローチにおいては、冠状静脈洞口に挿入するまでに、右心房内を1周するように心腔内除細動カテーテル(チューブ部材)を移動させるため、その先端に装着されるチップ部材が金属のような硬い材料からなる場合には、その先端(チップ部材)によって右心房の内壁を傷つけてしまうおそれがある。
このような問題を避けるために、除細動カテーテルの先端に樹脂製のチップ部材を装着することも考えられる。
具体的には、貫通孔(ルーメン)を有する樹脂製のチップ部材を成型によって作製し、このチップ部材の貫通孔と、ガイドワイヤルーメンとなるチューブ部材の中央ルーメンとが連通するように、チップ部材の基端部とチューブ部材の先端部とを融着などにより固着することが考えられる。
しかしながら、樹脂製のチップ部材はチューブ部材に対する固着強度が低いため、チップ部材が心臓等の内壁と接触して、チップ部材の先端部(チューブ部材と融着していない部分)に対して、例えば、チップ部材の半径方向の力が掛かると、チューブ部材の先端部からチップ部材が脱落するおそれがある。
また、チューブ部材の中央ルーメンを区画形成するルーメンチューブは、通常、滑性および耐薬品性の良好な材料(フッ素系樹脂またはポリオレフィン系樹脂)で構成されているが、チップ部材の貫通孔においては、そのような滑性および耐薬品性を発揮することができない。
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、下大静脈から右心房内に挿入して冠状静脈洞口に挿入する手技(下大静脈からのアプローチ)に使用されても、その先端によって右心房の内壁を傷つけるようなことはなく、手技中において、チップ部材が脱落するようなことのない心腔内除細動カテーテルを提供することにある。
本発明の他の目的は、チューブ部材の基端から除細動カテーテルの先端に至るガイドワイヤの挿通路において、良好な滑性および耐薬品性を発揮することができる心腔内除細動カテーテルを提供することにある。
(1)本発明の心腔内除細動カテーテルは、心腔内に挿入されて除細動を行うためのカテーテルであって、
絶縁性のチューブ部材と、
前記チューブ部材の先端部に装着されたチップ部材と、
前記チューブ部材の基端部に装着されたハンドルと、
前記チューブ部材の先端領域に装着された複数のリング状電極からなる第1電極群(第1DC電極群)と、
前記第1DC電極群から基端側に離間して前記チューブ部材の先端領域に装着された複数のリング状電極からなる第2電極群(第2DC電極群)と、
前記第1DC電極群を構成する複数の前記電極に、各々の先端が接続された複数のリード線からなる第1リード線群と、
前記第2DC電極群を構成する複数の前記電極に、各々の先端が接続された複数のリード線からなる第2リード線群とを備えてなり、
心腔内において、前記第1DC電極群と、前記第2DC電極群とに、互いに異なる極性の電圧が印加されることにより除細動が行われ、
前記チューブ部材は、ガイドワイヤを挿通可能な中央ルーメンと、前記中央ルーメンの周囲に配列された複数のサブルーメンとが形成されたマルチルーメン構造を有し、
前記第1リード線群を構成する前記リード線と、前記第2リード線群を構成する前記リード線とは、前記チューブ部材の互いに異なるサブルーメンに延在し、
前記チューブ部材の先端部において、前記中央ルーメンを区画形成する円筒状の縮径部が先端方向に突出しており、
前記チップ部材は、前記チューブ部材を構成する材料の硬度を超えない硬度の樹脂から構成され、軸方向に沿って貫通孔が形成され、前記チューブ部材の外径と実質的に同一の外径を有し、前記縮径部の外周を覆うように前記チューブ部材の先端部に装着されていることを特徴とする。
このような構成の心腔内除細動カテーテルによれば、その先端に位置するチップ部材が、チューブ部材の構成材料の硬度を超えない硬度の樹脂から構成されているので、下大静脈からのアプローチによる手技に使用されても、当該チップ部材によって右心房の内壁を傷つけるようなことはない。
また、チップ部材が、中央ルーメンを区画形成する円筒状の縮径部の外周を覆うようにして、チューブ部材の先端部に装着されていることにより、チップ部材は、その基端部だけでなく、その先端部においても、チューブ部材の先端部(縮径部)に固着されているので、例えば、チップ部材の先端部に対して、その半径方向の力が掛けられたとしても、チューブ部材の先端部からチップ部材が脱落するようなことはない。
(2)本発明の心腔内除細動カテーテルにおいて、前記チップ部材の先端と前記縮径部の先端とが実質的に一致していることが好ましい。
このような構成の心腔内除細動カテーテルによれば、チップ部材の先端と、縮径部の先端とが実質的に一致し、チップ部材の貫通孔の全長にわたって縮径部が挿入されているので、チューブ部材の基端から除細動カテーテルの先端に至るガイドワイヤの挿通路に段差が形成されることはない。
また、チューブ部材の基端から除細動カテーテルの先端に至るガイドワイヤの挿通路において、チューブ部材の中央ルーメンの内壁材料による良好な滑性および耐薬品性を発揮することができる。
(3)本発明の心腔内除細動カテーテルにおいて、前記チューブ部材の先端部にその先端が固定され、その基端が引張操作可能な少なくとも1本の操作用ワイヤを備えてなり、
前記操作用ワイヤは、前記第1リード線群または前記第2リード線群を構成する前記リード線が延在しているサブルーメンとは異なるサブルーメンに延在しており、
前記チューブ部材の先端部は、前記中央ルーメンおよび前記操作用ワイヤが延在するサブルーメンが形成されている(当該サブルーメンが残存するように前記チューブ部材の外周を切削してなる)第1縮径部と、前記第1縮径部の先端側において、(中央ルーメンが残存するように前記チューブ部材の外周を更に切削してなる)前記中央ルーメンを区画形成する円筒状の第2縮径部とを有し、
前記第1縮径部の先端側には、前記第1縮径部の外径と実質的に同一の外径および前記第2縮径部の外径と実質的に同一の内径を有し、前記第2縮径部の軸方向長さよりも短い円筒状の部材であって、前記チューブ部材の先端部に前記操作用ワイヤの先端を固定するためのアンカー部材が装着されており、
前記チップ部材の軸方向長さは、前記第1縮径部と前記第2縮径部とを合わせた長さと実質的に同一であり、
前記チップ部材は、前記第1縮径部の外径と実質的に同一の内径を有する基端部と、前記第2縮径部の外径と実質的に同一の内径を有する先端部とを有してなり、前記チップ部材の基端部において前記第1縮径部および前記アンカー部材の外周を覆い、前記チップ部材の先端部において、前記アンカー部材の先端から突出している前記第2縮径部の外周を覆うようにして、前記チューブ部材の先端部に装着され、
前記チップ部材の先端と前記第2縮径部の先端とが実質的に一致していることが好ましい。
このような構成の心腔内除細動カテーテルによれば、アンカー部材が、チューブ部材の第1縮径部の先端面、第2縮径部の外周面、チップ部材の先端部の基端面および基端部の内周面により取り囲まれた状態で、当該アンカー部材をチューブ部材の先端部に装着することができる。
(4)本発明の心腔内除細動カテーテルにおいて、前記中央ルーメンは、硬度50D以上のフッ素系樹脂またはポリオレフィン系樹脂からなるルーメンチューブにより形成され、前記チップ部材は、硬度35D〜40Dの熱可塑性樹脂からなることが好ましい。
本発明の心腔内除細動カテーテルによれば、下大静脈からのアプローチによる手技に使用されても、これを構成するチップ部材によって右心房の内壁を傷つけるようなことはなく、手技中において当該チップ部材が脱落するようなこともない。
また、チューブ部材の基端から除細動カテーテルの先端に至るガイドワイヤの挿通路に段差が形成されることはないので、ガイドワイヤの挿通性に優れている。
また、チューブ部材の基端から除細動カテーテルの先端に至るガイドワイヤの挿通路において、チューブ部材の中央ルーメンの内壁材料による良好な滑性および耐薬品性を発揮することができる。
本発明の一実施形態に係る除細動カテーテルを示す平面図である。 図1に示した除細動カテーテルを構成するチューブ部材の横断面図(図1のII−II断面図)である。 図1に示した除細動カテーテルの先端部を示す斜視図である。 図1に示した除細動カテーテルの先端部を示す縦断面図である。 図1に示した除細動カテーテルの先端部を示す横断面図(図4のVA−VA断面図)である。 図1に示した除細動カテーテルの先端部を示す横断面図(図4のVB−VB断面図)である。 図1に示した除細動カテーテルの先端部を示す横断面図(図4のVC−VC断面図)である。 図1に示した除細動カテーテルを構成するアンカー部材および操作用ワイヤを示す斜視図である。 図1に示した除細動カテーテルを構成するチップ部材を示す斜視図である。 図1に示した除細動カテーテルを構成するハンドルの内部を示す平面図である。 図8に示したハンドルの内部を示す部分拡大図(図8のIX部詳細図)である。 図8に示したハンドルの内部を示す部分拡大図(斜視図)である。 図8に示したハンドルの内部を示す部分拡大図(図8のX部詳細図)である。 図1に示した除細動カテーテルを構成するチューブ部材の横断面図(図10のXI−XI断面図)である。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、本発明において、「基端部」とは、基端を含み、ある程度の長さを有する部分をいい、「先端部」とは、先端を含み、ある程度の長さを有する部分をいう。
図1〜図11に示す本実施形態の除細動カテーテル100は、ガイドワイヤルーメンとなる中央ルーメン10Lと、この中央ルーメン10Lの周囲に等角度間隔に配列された8個のサブルーメン11L〜18Lとが形成されたマルチルーメン構造の絶縁性のチューブ部材10と、このチューブ部材10の基端部102に装着されたハンドル20と、チューブ部材10の先端領域に装着された8個のリング状電極31からなる第1DC電極群31Gと、この第1DC電極群31Gから基端側に離間してチューブ部材10の先端領域に装着された8個のリング状電極32からなる第2DC電極群32Gと、第1DC電極群31Gと第2DC電極群32Gとの間におけるチューブ部材10の先端領域に装着された電位測定用の4個のリング状電極33と、第1DC電極群31Gを構成する電極31に各々の先端が接続された8本のリード線41からなる第1リード線群41Gと、第2DC電極群32Gを構成する電極32に各々の先端が接続された8本のリード線42からなる第2リード線群42Gと、電位測定用の電極33に各々の先端が接続された4本のリード線43からなる第3リード線群43Gと、ハンドル20の基端側に配置され、図示しない複数の端子を有する電極コネクタ50と、ハンドル20の基端側に配置され、基端にガイドワイヤポート61を有するガイドワイヤコネクタ60と、チューブ部材10の先端部に各々の先端が固定され、各々の基端が引張操作可能である操作用ワイヤ71,72と、チューブ部材10の先端部に装着されたチップ部材80とを備えてなり、チューブ部材10のサブルーメン11L,15Lには、それぞれ、操作用ワイヤ71,72が延在し、サブルーメン14Lには第1リード線群41Gが延在し、サブルーメン17Lには第2リード線群42Gが延在し、サブルーメン12Lには第3リード線群43Gが延在しており、第1DC電極群31Gと第2DC電極群32Gとの間に互いに異なる極性の電圧を印加することによって心腔内において除細動を行うカテーテルであって、
チューブ部材10の先端部101は、中央ルーメン10Lおよびサブルーメン11L〜18Lが形成されている(サブルーメン11L〜18Lが残存するようにチューブ部材10の外周を切削してなる)第1縮径部1011と、第1縮径部1011の先端側において、(中央ルーメン10Lが残存するようにチューブ部材10の外周を更に切削してなる)中央ルーメン10Lを区画形成する円筒状の第2縮径部1012とを有し、
第1縮径部1011の先端側には、第1縮径部1011の外径と略同一の外径および第2縮径部1012の外径と略同一の内径を有し、第2縮径部1012の軸方向長さよりも短い円筒状の部材であって、チューブ部材10の先端部101に操作用ワイヤ71,72の先端を固定するためのアンカー部材75が装着されており、
チップ部材80の外径は、チューブ部材10の外径と略同一であり、チップ部材80の長さは、第1縮径部1011と第2縮径部1012とを合わせた長さと同一であり、
チップ部材80は、チューブ部材10を構成する材料の硬度を超えない硬度の樹脂から構成され、第1縮径部1011の外径と略同一の内径を有する基端部81と、第2縮径部1012の外径と略同一の内径を有する先端部82とからなり、その基端部81において第1縮径部1011およびアンカー部材75の外周を覆い、その先端部82において、アンカー部材75の先端から突出している第2縮径部1012の外周を覆うようにして、チューブ部材10の先端部に装着され、チップ部材80の先端と第2縮径部1012の先端とが一致している除細動カテーテルである。
本実施形態の心腔内除細動カテーテル100は、チューブ部材10と、ハンドル20と、第1DC電極群31Gと、第2DC電極群32Gと、電位測定用の電極33と、第1リード線群41Gと、第2リード線群42Gと、第3リード線群43Gと、電極コネクタ50と、ガイドワイヤコネクタ60と、操作用ワイヤ71,72と、チップ部材80とを備えている。
図2に示すように、本実施形態の心腔内除細動カテーテル100を構成するチューブ部材10はマルチルーメンチューブであり、このチューブ部材10には、先端および基端において開口する中央ルーメン10Lと、その周囲に等角度間隔(45°間隔)に配列された8個のサブルーメン11L〜18Lとが形成されている。
図2において、191は、低硬度のナイロンエラストマーからなるインナー(コア)部、192は、高硬度のナイロンエラストマーからなるアウター(シェル)部である。
中央ルーメン10Lおよびサブルーメン11L〜18Lは、それぞれ、フッ素樹脂などからなるルーメンチューブによって区画形成されている。そのようなルーメンチューブを構成するフッ素樹脂としては、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを挙げることができる。
チューブ部材10のアウター部17を構成するナイロンエラストマーは、軸方向によって異なる硬度のものが用いられている。これにより、チューブ部材10は、先端側から基端側に向けて段階的に硬度が高くなるよう構成されている。
また、チューブ部材10の基端側において、インナー部191とアウター部192との間に編組が形成されていてもよい。
チューブ部材10の外径は、例えば1.2〜3.3mmとされる。
本実施形態の心腔内除細動カテーテル100を構成するハンドル20は、チューブ部材10の基端部102に装着されており、このハンドル20は、ハンドル本体21と、ワイヤ留め具231,232を備えた回転操作部23と、ストレインリリーフ24とを有している。回転操作部23を回転操作(操作用ワイヤ71または操作用ワイヤ72を引張操作)することにより、チューブ部材10の先端を(一方向または他方向に)偏向させることができる。
チューブ部材10の先端領域には、第1DC電極群31Gと、第2DC電極群32Gとが装着されている。また、第1DC電極群31Gと第2DC電極群32Gとの間におけるチューブ部材10の先端領域には電位測定用の電極33が装着されている。
ここに、「電極群」とは、同一の極を構成し(同一の極性を有し)、または、同一の目的を持って、狭い間隔(例えば5mm以下)で装着された複数の電極の集合体をいう。
第1DC電極群は、チューブ部材の先端領域において、同一の極(−極または+極)を構成する複数の電極が狭い間隔で装着されてなる。ここに、第1DC電極群を構成する電極の個数は、電極の幅や配置間隔によっても異なるが、例えば4〜13個とされ、好ましくは8〜10個とされる。
本実施形態において、第1DC電極群31Gは、チューブ部材10の先端領域に装着された8個の電極31から構成されている。
第1DC電極群31Gを構成する電極31は、リード線(第1リード線群41Gを構成するリード線41)および後述する電極コネクタ50を介して、直流電源装置における同一の極の端子に接続されている。
ここに、電極31の幅(軸方向の長さ)は、2〜5mmであることが好ましい。
電極31の幅が狭過ぎると、電圧印加時の発熱量が過大となって、周辺組織に損傷を与える虞がある。一方、電極31の幅が広過ぎると、チューブ部材10における第1DC電極群31Gが設けられている部分の可撓性・柔軟性が損なわれることがある。電極31の装着間隔(隣り合う電極の離間距離)は、1〜5mmであることが好ましい。
心腔内除細動カテーテル100の使用時(心腔内に配置されるとき)において、第1DC電極群31Gは、例えば冠状静脈(CS)内に位置する。
第2DC電極群は、チューブ部材の第1DC電極群の装着位置から基端側に離間して、第1DC電極群とは逆の極(+極または−極)を構成する複数の電極が狭い間隔で装着されてなる。ここに、第2DC電極群を構成する電極の個数は、電極の幅や配置間隔によっても異なるが、例えば4〜13個とされ、好ましくは8〜10個とされる。
本実施形態において、第2DC電極群32Gは、第1DC電極群31Gの装着位置から基端側に離間してチューブ部材10に装着された8個の電極32から構成されている。
第2DC電極群32Gを構成する電極32は、リード線(第2リード線群42Gを構成するリード線42)および後述するコネクタを介して、直流電源装置における同一の極の端子(第1DC電極群31Gが接続されているものとは逆の極の端子)に接続される。
これにより、第1DC電極群31G(電極31)と、第2DC電極群32G(電極32)とに、互いに異なる極性の電圧が印加され、第1DC電極群31Gと、第2DC電極群32Gとは、互いに極性の異なる電極群(一方の電極群が−極のときに、他方の電極群は+極)となる。
ここに、電極32の幅(軸方向の長さ)は、2〜5mmであることが好ましい。
電極32の幅が狭過ぎると、電圧印加時の発熱量が過大となって、周辺組織に損傷を与える虞がある。一方、電極32の幅が広過ぎると、チューブ部材10における第2DC電極群32Gが設けられている部分の可撓性・柔軟性が損なわれることがある。電極32の装着間隔(隣り合う電極の離間距離)は、1〜5mmであることが好ましい。
心腔内除細動カテーテル100の使用時(心腔内に配置されるとき)において、第2DC電極群32Gは、例えば右心房(RA)に位置する。
本実施形態において、電位測定用の電極33は、第1DC電極群31Gと第2DC電極群32Gとの間におけるチューブ部材10の先端領域に装着されている。
電極33は、リード線(第3リード線群43Gを構成するリード線43)および後述する電極コネクタ50を介して心電計に接続される。
ここに、電極33の幅(軸方向の長さ)は0.5〜2.0mmであることが好ましい。 電極33の幅が広過ぎると、心電位の測定精度が低下したり、異常電位の発生部位の特定が困難となったりする。電極33の装着間隔(隣り合う電極の離間距離)は、1.0〜10.0mmであることが好ましい。
第1DC電極群31G(基端側の電極31)と、第2DC電極群32G(先端側の電極32)との離間距離は40〜100mmであることが好ましい。
第1DC電極群31Gおよび第2DC電極群32Gを構成する電極31,32、および電位測定用の電極33としては、X線に対する造影性を良好なものとするために、白金または白金系の合金からなることが好ましい。
図2に示される第1リード線群41Gは、第1DC電極群31Gを構成する8個の電極31の各々に接続された8本のリード線41の集合体である。
第1リード線群41G(リード線41)により、第1DC電極群31Gを構成する8個の電極31の各々を直流電源装置に電気的に接続することができる。
第1DC電極群31Gを構成する8個の電極31は、それぞれ、異なるリード線41に接続される。リード線41の各々は、その先端部分において電極31の内周面に溶接されるとともに、チューブ部材10の先端領域の管壁に形成された側孔からサブルーメン14Lに進入する。サブルーメン14Lに進入した8本のリード線41は、第1リード線群41Gとして、サブルーメン14Lに延在する。
図2に示される第2リード線群42Gは、第2DC電極群32Gを構成する8個の電極32の各々に接続された8本のリード線42の集合体である。
第2リード線群42G(リード線42)により、第2DC電極群32Gを構成する8個の電極32の各々を直流電源装置に電気的に接続することができる。
第2DC電極群32Gを構成する8個の電極32は、それぞれ、異なるリード線42に接続される。リード線42の各々は、その先端部分において電極32の内周面に溶接されるとともに、チューブ部材10の先端領域の管壁に形成された側孔からサブルーメン17Lに進入する。サブルーメン17Lに進入した8本のリード線42は、第2リード線群42Gとして、サブルーメン17Lに延在する。
上記のように、第1リード線群41Gがサブルーメン14Lに延在し、第2リード線群42Gがサブルーメン17Lに延在していることにより、両者は、チューブ部材10の内部において完全に絶縁隔離されている。このため、除細動に必要な電圧が印加されたときに、チューブ部材10の内部において、第1リード線群41G(第1DC電極群31G)と、第2リード線群42G(第2DC電極群32G)との間の短絡を確実に防止することができる。
図2に示される第3リード線群43Gは、電位測定用の電極33の各々に接続された4本のリード線43の集合体である。
第3リード線群43G(リード線43)により、電極33の各々を心電計に接続することができる。
4個の電極33は、それぞれ、異なるリード線43に接続されている。リード線43の各々は、その先端部分において電極33の内周面に溶接されるとともに、チューブ部材10の管壁に形成された側孔からサブルーメン12Lに進入する。サブルーメン12Lに進入した4本のリード線43は、第3リード線群43Gとして、サブルーメン12Lに延在する。
リード線41、リード線42およびリード線43は、何れも、ポリイミドなどの樹脂によって金属導線の外周面が被覆された樹脂被覆線からなる。ここに、被覆樹脂の膜厚としては2〜30μm程度とされる。
図1において、50は電極コネクタであり、ハンドルの基端側(外部)に配置されている。この電極コネクタ50の内部には、図示しない複数の端子が設けられている。
同図において、51,52は、それぞれ、ハンドル20の内部から延出するリード線群を電極コネクタ50に案内する外部コードである。
図1において、60はガイドワイヤコネクタであり、ハンドルの基端側(外部)に配置されている。このガイドワイヤコネクタ60の基端は、ガイドワイヤポート61となっている。
図2、図4〜図6、図8、図9(図9A,図9B)において71,72は操作用ワイヤである。
図2、図4、図5(図5C)に示すように、操作用ワイヤ71はチューブ部材10のサブルーメン11Lに延在し、操作用ワイヤ72はサブルーメン15Lに延在している。
操作用ワイヤ71,72の先端は、後述するアンカー部材75を介して、チューブ部材10の先端部101における互いに対向する位置(チューブ部材10の円周方向位置)に固定されている。
操作用ワイヤ71,72は、ステンレスやNi−Ti系超弾性合金製で構成してあるが、必ずしも金属で構成する必要はない。操作用ワイヤ71は、たとえば高強度の非導電性ワイヤなどで構成してもよい。
操作用ワイヤ71,72が延在しているサブルーメン11L,15Lには何れのリード線(群)も延在していない。
これにより、チューブ部材10の先端を偏向する際に、当該操作によって軸方向に移動する操作用ワイヤ71,72により、チューブ部材10の内部に延在しているリード線41、リード線42およびリード線43が損傷(例えば、擦過傷)を受けることはない。
図1、図3〜図5において、80はチップ部材である。
心腔内除細動カテーテル100を構成するチップ部材80は、チューブ部材10の構成材料の硬度(チューブ部材10の硬度が段階的に変化している場合には最も低い硬度)を超えない硬度の樹脂から構成されている。
チップ部材80を構成する樹脂としては、PEBAX(登録商標)などの熱可塑性樹脂を挙げることができる。
チップ部材80を構成する樹脂の硬度としては、25D〜63Dであることが好ましく、更に好ましくは35D〜40Dである。
図3〜図5(図5A,図5B,図5C)に示すように、チューブ部材10の先端部101は、第1縮径部1011と第2縮径部1012とを有し、2段階に縮径されている。
チューブ部材10の第1縮径部1011は、中央ルーメン10Lおよびサブルーメン11L〜18Lが内部に形成されている円柱状のチューブ構成部分からなる。
第1縮径部1011は、サブルーメン11L〜18Lが残存できる切込量で、チューブ部材10を切削することにより形成することができる。
チューブ部材10の第2縮径部1012は、第1縮径部1011の先端側において、中央ルーメン10Lを区画形成する円筒状のチューブ構成部分からなる。
第2縮径部1012は、中央ルーメン10Lが残存できる切込量でチューブ部材10を切削することにより形成することができる。
図3〜図5(図5B)に示すように、第1縮径部1011の先端側には、第2縮径部1012の外周を覆うようにして、円筒状のアンカー部材75が装着されている。
アンカー部材75の内径は、第2縮径部1012の外径と略同一であり、これにより、第2縮径部1012の外周を覆うように(第2縮径部1012がアンカー部材75の内部に挿入されるように)アンカー部材75を装着することができる。
アンカー部材75の外径は、第1縮径部1011の外径と略同一である。
図4〜図6に示すように、アンカー部材75の管壁には操作用ワイヤ71,72の各々の先端部が固定されており、アンカー部材75の管壁に先端部が固定された操作用ワイヤ71,72の各々は、第1縮径部1011の先端において開口するサブルーメン11L,15Lに挿入されている。
図7に示すように、チップ部材80は、相対的に大きな内径を有する基端部81と、相対的に小さな内径を有する先端部82とにより構成されている。
チップ部材80の外径は全長にわたり同一である。
図4および図5に示すように、チップ部材80の基端部81の内径は、第1縮径部1011の外径(アンカー部材75の外径)と略同一であり、チップ部材80の先端部82の内径は、第2縮径部1012の外径と略同一である。
チップ部材80の長さは、第1縮径部1011と第2縮径部1012とを合わせた長さ(第1縮径部1011の基端から第2縮径部1012の先端までの長さ)と同一であり、チップ部材80の基端部81の長さは、第1縮径部1011とアンカー部材75とを合わせた長さ(第1縮径部1011の基端からアンカー部材75の先端までの長さ)と同一である。
これにより、チップ部材80は、その基端部81において第1縮径部1011およびアンカー部材75の外周を覆い、その先端部82において第2縮径部1012の外周を覆うようにして、すなわち、第1縮径部1011およびアンカー部材75が基端部81の内部に収容され、アンカー部材75の先端から突出している第2縮径部1012の先端部分が先端部82の内部に収容された状態で、チューブ部材10の先端部に装着され、チップ部材80の先端と第2縮径部1012の先端とが一致している。
図8に示すように、チューブ部材10の基端部102は、ハンドル20の先端から当該ハンドル20の内部に挿入され、ハンドル20の内部を基端方向に延在して回転操作部23が配置されている軸方向位置を通過し、ハンドル20の基端部202から当該ハンドル20の外部に延出されている。
同図において、25は、回転操作部23の回転中心においてハンドル本体21に固定された調整ピンであり、この調整ピンには、チューブ部材10を挿通可能な貫通孔が形成されている。
図1に示すように、ハンドル20の外部に延出したチューブ部材10(基端部102)の基端にはガイドワイヤコネクタ60が接続され、これにより、チューブ部材10の中央ルーメン10Lと、ガイドワイヤコネクタ60のガイドワイヤポート61とが連通している。
このような構成によって、ガイドワイヤコネクタ60のガイドワイヤポート61からチューブ部材10の中央ルーメン10L(ガイドワイヤルーメン)の先端開口に至るガイドワイヤの挿通路が確保されている。
図8および図9(図9Aおよび図9B)に示すように、ハンドル20の内部に延在しているチューブ部材10の基端部102の管壁には、回転操作部23のワイヤ留め具231より先端側におけるサブルーメン11Lに対応するチューブ部材10の円周方向位置に、サブルーメン11Lからチューブ部材10の外周面に至る第1側孔111が形成されているとともに、回転操作部23のワイヤ留め具232より先端側におけるサブルーメン15Lに対応するチューブ部材10の円周方向位置に、サブルーメン15Lからチューブ部材10の外周面に至る第1側孔115が形成されている。
チューブ部材10のサブルーメン11Lに延在している操作用ワイヤ71の基端部は、第1側孔111を通ってチューブ部材10の外部(ハンドル20の内部)に延出しており、操作用ワイヤ71の基端は、ハンドル20の回転操作部23のワイヤ留め具231に固定されている。
また、チューブ部材10のサブルーメン15Lに延在している操作用ワイヤ72の基端部は、第1側孔115を通ってチューブ部材10の外部(ハンドル20の内部)に延出しており、操作用ワイヤ72の基端は、ハンドル20の回転操作部23のワイヤ留め具232に固定されている。
回転操作部23を操作することによって、操作用ワイヤ71または操作用ワイヤ72が引っ張られ、これにより、チューブ部材10の先端が一方向または他方向に偏向する。
図8、図10および図11に示すように、ハンドル20の内部に延在しているチューブ部材10の基端部102の管壁には、回転操作部23よりも基端側におけるサブルーメン12L,13L,14L,16L,17L,18Lの各々に対応するチューブ部材10の円周方向位置に、これらのサブルーメンの各々からチューブ部材10の外周面に至る第2側孔122,123,124,126,127,128が形成されている。
チューブ部材10のサブルーメン14Lに延在している第1リード線群41Gの基端部は、第1絶縁性チューブ46に内包された状態で、第2側孔124を通ってチューブ部材10の外部(ハンドル20の内部)に延出している。
また、チューブ部材10のサブルーメン17Lに延在している第2リード線群42Gの基端部は、第2絶縁性チューブ47に内包された状態で、第2側孔127を通ってチューブ部材10の外部(ハンドル20の内部)に延出している。
また、チューブ部材10のサブルーメン12Lに延在している第3リード線群43Gの基端部は、第3絶縁性チューブ48に内包された状態で、第2側孔122を通ってチューブ部材10の外部(ハンドル20の内部)に延出している。
ここに、絶縁性チューブ46,47,48の先端部(先端から10mm程度)は、それぞれ、第2側孔124,127,122からサブルーメン14L,17L,12Lに挿入されており、これにより、絶縁性チューブ46,47,48は、それぞれ、サブルーメン14L,17L,12Lに連結されている。
絶縁性チューブ46,47,48の各々の基端は、電極コネクタ50の近傍で開口している。
チューブ部材10の外部(ハンドル20の内部)に延出した第1リード線群41Gの基端部は、第1絶縁性チューブ46に内包された状態のままハンドル20の外部に延出し、外部コード52の内部に延在することによって電極コネクタ50の近傍に案内され、電極コネクタ50の近傍において第1絶縁性チューブ46の基端開口から延出し、これを構成する8本のリード線41にばらされ、これらのリード線41の各々の基端は電極コネクタ50の所定の端子に接続される。
チューブ部材10の外部(ハンドル20の内部)に延出した第2リード線群42Gの基端部は、第2絶縁性チューブ47に内包された状態のままハンドル20の外部に延出し、外部コード51の内部に延在することによって電極コネクタ50の近傍に案内され、電極コネクタ50の近傍において第2絶縁性チューブ47の基端開口から延出し、これを構成する8本のリード線42にばらされ、これらのリード線42の各々の基端は電極コネクタ50の所定の端子に接続される。
チューブ部材10の外部(ハンドル20の内部)に延出した第3リード線群43Gの基端部は、第3絶縁性チューブ48に内包された状態のままハンドル20の外部に延出し、第2絶縁性チューブ47に内包された状態の第2リード線群42Gとともに、外部コード51の内部に延在することにより電極コネクタ50の近傍に案内され、電極コネクタ50の近傍において第3絶縁性チューブ48の基端開口から延出し、これを構成する4本のリード線43にばらされ、これらのリード線43の各々の基端は、電極コネクタ50の所定の端子に接続される。
本実施形態の心腔内除細動カテーテル100によれば、これを構成するチップ部材80が、チューブ部材10の構成材料の硬度を超えない硬度の樹脂から構成されているので、下大静脈からのアプローチによる手技に使用されても、当該チップ部材80によって右心房の内壁が傷つけられるようなことはない。
また、第1縮径部1011およびアンカー部材75が、基端部81の内部に収容され、アンカー部材75の先端から突出している第2縮径部1012の先端部分が先端部82の内部に収容された状態で、チューブ部材10の先端部101にチップ部材80が装着され、チップ部材80の先端と第2縮径部1012の先端とが一致していて、チップ部材80の先端まで、第2縮径部1012がチップ部材80の内部に挿入されていることにより、チップ部材80は、その基端部81だけでなく、その先端部82においても、チューブ部材10の先端部101(第2縮径部1012)に固着されているので、樹脂から構成されるものでありながら、チューブ部材10に対する固着強度が高く、例えば、チップ部材80の先端部82に対して半径方向の力が掛けられたとしても、チューブ部材10の先端部101から脱落するようなことはない。
また、チップ部材80の先端と第2縮径部1012の先端とが一致し、チップ部材80の内部には、その全長にわたって、第2縮径部1012(中央ルーメン10Lを区画形成するチューブ構成部分)が延在しているので、チューブ部材10の基端からチップ部材80の先端(除細動カテーテル100の先端)に至るガイドワイヤの挿通路に段差が形成されることはなく、ガイドワイヤの挿通性に優れている。
また、チューブ部材10の基端からチップ部材80の先端に至るガイドワイヤの挿通路において、中央ルーメン10Lの内壁を構成する材料による良好な滑性および耐薬品性を発揮することができる。
また、中央ルーメン10Lが形成されたチューブ部材10の基端部102が、ハンドル20の先端からその内部に挿入され、ハンドル20の内部を基端方向に延在し、ハンドル20の基端部202から当該ハンドル20の外部に延出されていて、チューブ部材10の基端にはガイドワイヤコネクタ60が接続されることにより、ガイドワイヤコネクタ60のガイドワイヤポート61からチップ部材80の先端(除細動カテーテル100の先端)に至るガイドワイヤの挿通路を確実に確保することができる。
また、マルチルーメン構造のチューブ部材10は強度が高いので、ハンドル20の内部において回転操作部23や操作用ワイヤ71,72などの干渉を受けても潰れたりキンクしたりすることはなく、従って、回転操作部23による先端偏向操作などによってガイドワイヤの挿通性が損なわれることはない。
また、操作用ワイヤ71,72の基端部を、チューブ部材10の基端部102に形成された第1側孔111,115からチューブ部材10の外部(ハンドル20の内部)に延出させることができるので、チューブ部材10の基端がハンドル20の外部に位置している構造でありながら、操作用ワイヤ71,72の基端を、それぞれ、回転操作部23のワイヤ留め具231,232に固定することができる。
また、第1絶縁性チューブ46に内包された状態の第1リード線群41Gの基端部を、第2側孔124を通して、チューブ部材10の外部(ハンドル20の内部)に延出させ、第2絶縁性チューブ47に内包された状態の第2リード線群42Gの基端部を、第2側孔127を通して、チューブ部材10の外部(ハンドル20の内部)に延出させ、第3絶縁性チューブ48に内包された状態の第3リード線群43Gの基端部を、第2側孔122を通して、チューブ部材10の外部(ハンドル20の内部)に延出させることができるので、第1リード線群41Gの構成電極41の基端、第2リード線群42Gの構成電極42の基端、第3リード線群43Gの構成電極43の基端を、電極コネクタ50の所定の端子に接続することができる。
また、第1リード線群41Gが延在するサブルーメン14Lと、第2リード線群42Gが延在するサブルーメン17Lとは、チューブ部材10の円周方向に隣り合わないので、各々に対応する円周方向位置に形成された第2側孔124,127から第1リード線群41Gおよび第2リード線群42Gをチューブ部材10の外部に延出させる際に、これらの間の短絡を確実に防止することができる。
また、第2側孔124,127,122が回転操作部23よりも基端側に形成されていることにより、第1リード線群41G、第2リード線群42Gまたは第3リード線群43Gを構成するリード線41,42,43は、チューブ部材10により保護されるので、回転操作部23や操作用ワイヤ71,72からの干渉を受けることはない。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態では、チューブ部材10の先端部101を2段階に縮径して、第1縮径部1011と第2縮径部1012とにより先端部101を構成し、内径の異なる基端部81と先端部82とによりチップ部材80を構成したが、チューブ部材の先端部を1つの縮径部(中央ルーメンを区画形成する円筒状のチューブ構成部分)により構成し、この縮径部を覆うように、円筒状のチップ部材を装着してもよい。
また、本実施形態では、チューブ部材10の基端部102をハンドル20の内部に延在させ、ハンドル20の基端部202から外部に延出させることで、ガイドワイヤコネクタ60のガイドワイヤポート61からのガイドワイヤの挿通路を確保しているが、ハンドルの内部に挿入させたチューブ部材の基端をハンドルの先端近傍に位置させ、当該チューブ部材に形成された中央ルーメンと、ハンドルの基端側に配置されるガイドワイヤコネクタのガイドワイヤポートとを連通させるルーメンチューブを、ハンドルの内部に延在させてガイドワイヤの挿通路を確保してもよい。
100 心腔内除細動カテーテル
10 チューブ部材
101 チューブ部材の先端部
1011 第1縮径部
1012 第2縮径部
102 チューブ部材の基端部
10L 中央ルーメン
11L〜18L
111,115 第1側孔
122〜124,126〜128 第2側孔
191 インナー(コア)部
192 アウター(シェル)部
20 ハンドル
202 ハンドルの基端部
21 ハンドル本体
23 回転操作部
231,232 ワイヤ留め具
24 ストレインリリーフ
25 調整ピン
31G 第1DC電極群
31 電極
32G 第2DC電極群
32 電極
33 電極
35 先端チップ
41G 第1リード線群
41 リード線
42G 第2リード線群
42 リード線
43G 第3リード線群
43 リード線
46 第1絶縁性チューブ
47 第2絶縁性チューブ
48 第3絶縁性チューブ
50 電極コネクタ
51,52 外部コード
60 ガイドワイヤコネクタ
61 ガイドワイヤポート
71,72 操作用ワイヤ
75 アンカー部材
80 チップ部材
81 チップ部材の基端部
82 チップ部材の先端部

Claims (4)

  1. 心腔内に挿入されて除細動を行うためのカテーテルであって、
    絶縁性のチューブ部材と、
    前記チューブ部材の先端部に装着されたチップ部材と、
    前記チューブ部材の基端部に装着されたハンドルと、
    前記チューブ部材の先端領域に装着された複数のリング状電極からなる第1電極群と、 前記第1電極群から基端側に離間して前記チューブ部材の先端領域に装着された複数のリング状電極からなる第2電極群と、
    前記第1電極群を構成する複数の前記電極に、各々の先端が接続された複数のリード線からなる第1リード線群と、
    前記第2電極群を構成する複数の前記電極に、各々の先端が接続された複数のリード線からなる第2リード線群とを備えてなり、
    心腔内において、前記第1電極群と、前記第2電極群とに、互いに異なる極性の電圧が印加されることにより除細動が行われ、
    前記チューブ部材は、ガイドワイヤを挿通可能な中央ルーメンと、前記中央ルーメンの周囲に配列された複数のサブルーメンとが形成されたマルチルーメン構造を有し、
    前記第1リード線群を構成する前記リード線と、前記第2リード線群を構成する前記リード線とは、前記チューブ部材の互いに異なるサブルーメンに延在し、
    前記チューブ部材の先端部において、前記中央ルーメンを区画形成する円筒状の縮径部が先端方向に突出しており、
    前記チップ部材は、前記チューブ部材を構成する材料の硬度を超えない硬度の樹脂から構成され、軸方向に沿って貫通孔が形成され、前記チューブ部材の外径と実質的に同一の外径を有し、前記縮径部の外周を覆うように前記チューブ部材の先端部に装着されていることを特徴とする心腔内除細動カテーテル。
  2. 前記チップ部材の先端と前記縮径部の先端とが実質的に一致していることを特徴とする請求項1に記載の心腔内除細動カテーテル。
  3. 前記チューブ部材の先端部にその先端が固定され、その基端が引張操作可能な少なくとも1本の操作用ワイヤを備えてなり、
    前記操作用ワイヤは、前記第1リード線群または前記第2リード線群を構成する前記リード線が延在しているサブルーメンとは異なるサブルーメンに延在しており、
    前記チューブ部材の先端部は、前記中央ルーメンおよび前記操作用ワイヤが延在するサブルーメンが形成されている第1縮径部と、前記第1縮径部の先端側において、前記中央ルーメンを区画形成する円筒状の第2縮径部とを有し、
    前記第1縮径部の先端側には、前記第1縮径部の外径と実質的に同一の外径および前記第2縮径部の外径と実質的に同一の内径を有し、前記第2縮径部の軸方向長さよりも短い円筒状の部材であって、前記チューブ部材の先端部に前記操作用ワイヤの先端を固定するためのアンカー部材が装着されており、
    前記チップ部材の軸方向長さは、前記第1縮径部と前記第2縮径部とを合わせた長さと実質的に同一であり、
    前記チップ部材は、前記第1縮径部の外径と実質的に同一の内径を有する基端部と、前記第2縮径部の外径と実質的に同一の内径を有する先端部とを有してなり、前記チップ部材の基端部において前記第1縮径部および前記アンカー部材の外周を覆い、前記チップ部材の先端部において、前記アンカー部材の先端から突出している前記第2縮径部の外周を覆うようにして、前記チューブ部材の先端部に装着され、
    前記チップ部材の先端と前記第2縮径部の先端とが実質的に一致していることを特徴とする請求項1に記載の心腔内除細動カテーテル。
  4. 前記中央ルーメンは、硬度50D以上のフッ素系樹脂またはポリオレフィン系樹脂からなるルーメンチューブにより形成され、
    前記チップ部材は、硬度35D〜40Dの熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の心腔内除細動カテーテル。
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