JP2018142067A - 判定プログラム、判定方法、および判定装置 - Google Patents

判定プログラム、判定方法、および判定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】適切な休憩所の位置を特定できるようにする。【解決手段】判定装置10は、複数の作業者1a,1b,1c,1dそれぞれを、観測対象作業者とし、観測対象作業者の運動強度の時系列変化に基づいて、観測対象作業者の非作業状態期間を特定する。次に判定装置10は、観測対象作業者の所在位置の時系列変化に基づいて、観測対象作業者の非作業状態期間内の滞在位置を特定する。次に判定装置10は、観測対象作業者の周辺温度の時系列変化に基づいて、観測対象作業者の領域への滞在前と比べたときの滞在中の温度低下傾向の有無を判定する。次に判定装置10は、温度低下傾向があると判定された領域の位置を、観測対象作業者に応じた休憩所候補として特定する。そして判定装置10は、複数の作業者それぞれに応じた休憩所候補を特定した結果、所定回数以上休憩所候補と特定された位置を、適切な休憩所の位置と判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、判定プログラム、判定方法、および判定装置に関する。
夏場に工事現場などの屋外での作業が行われる場合、作業者が熱中症にならないように、各作業者に適切な休憩をとらせることが重要である。適切な休憩とは、直射日光を避けることができ、作業現場よりも気温が低い休憩場所で、十分な時間の休憩をとることである。
どの程度の時間休憩するのが適切なのかについては、作業者の作業強度によって変わる。作業強度に応じた適切な作業時間率については、各種機関より指針が示されている。例えば米国産業衛生専門家会議(ACGIH:American Conference of Governmental Industrial Hygienists)は、熱ストレスに関する作業環境許容量の指針を示している。
夏場の休憩に適切な休憩場所としては、例えば雨水を活用した休憩施設が考えられている。熱中症を予防するために、熱中症の危険があるとき報知する熱中症予防システムも考えられている。また防護服着用の有無に関わらず、また作業環境の如何を問わず、誰でも使用できる耳栓型個人熱中症警報装置も考えられている。さらに警告データを画像や音を使ってユーザへ報知することで熱中症などのスポーツ事故を確実に防止するスポーツ事故防止システムもある。
特開2010−144438号公報 特開2012−210233号公報 特開2010−131209号公報 特開2005−334021号公報
Ken PARSONS,"Heat Stress Standard ISO 7243 and its Global Application", Industrial Health, 2006 Jul, Vol.44 No.3, pp.368-379 Brenda Jacklitsch, W. Jon Williams, Kristin Musolin, Aitor Coca, Jung-Hyun Kim, Nina Turner, "Criteria for a Recommended Standard: Occupational Exposure to Heat and Hot Environments Revised Criteria 2016" DHHS(NIOSH) Publication Number 2016-106, February 2016
大勢の作業者がいる場合、すべての作業者が適切な休憩をとっているのかを、人が管理するのは困難である。そこで、位置を計測可能な機器を作業者に持たせ、コンピュータを用いて作業者の位置をリアルタイムに監視し、休憩所での作業者の滞在時間を計測することが考えられる。このようなシステムの場合、休憩所の位置が正確に分かっていることが前提となる。
しかし、工事現場などでは、休憩所の位置が固定されていないことが多い。例えば工事の進捗状況に応じて、休憩用のテントが、工事の邪魔にならない位値に随時移動される場合がある。また工事現場の近くに十分大きな木々が植わっている場合、その木々の木陰を休憩所とすることができるが、午前と午後では樹木の陰の方向が変わる。すなわち、適切な休憩場所が移動する。
従来、このように休憩所の位置が固定ではないとき、休憩所の位置を自動で特定することができない。その結果、作業者が適切な休憩所で休憩したかどうかを、正確に判断することが困難となっている。
1つの側面では、本件は、適切な休憩所の位置を特定できるようにすることを目的とする。
1つの案では、コンピュータに、以下の処理を実行させる判定プログラムが提供される。
コンピュータは、複数の作業者の運動強度と所在位置と周辺温度を定期的に計測した結果を示す計測履歴を取得する。次にコンピュータは、複数の作業者それぞれを、互いに異なる観測対象作業者としてそれぞれ選択する。次にコンピュータは、観測対象作業者の運動強度の時系列変化に基づいて、観測対象作業者が非作業状態である非作業状態期間を特定する。次にコンピュータは、観測対象作業者の所在位置の時系列変化に基づいて、観測対象作業者が非作業状態期間内に所定時間以上継続して滞在した領域の位置を示す滞在位置を特定する。次にコンピュータは、観測対象作業者の周辺温度の時系列変化に基づいて、観測対象作業者の領域への滞在前に比べて滞在中の周辺温度が所定温度以上低下する温度低下傾向の有無を判定する。次にコンピュータは、温度低下傾向があると判定された領域の位置を、観測対象作業者に応じた休憩所候補として特定する。次にコンピュータは、複数の作業者のそれぞれが観測対象者として選択され、複数の作業者のそれぞれに応じた休憩所候補を特定した結果、所定回数以上休憩所候補と特定された位置を、適切な休憩所の位置と判定する。
1態様によれば、適切な休憩所の位置を特定することができる。
第1の実施の形態に係る判定システムの構成の一例を示す図である。 第2の実施の形態のシステムの一例を示す図である。 管理装置のハードウェアの一構成例を示す図である。 管理装置の機能の一例を示すブロック図である。 作業者プロファイルDBの一例を示す図である。 計測値履歴DBの一例を示す図である。 WBGT履歴DBの一例を示す図である。 作業者状態履歴DBの一例を示す図である。 CD休憩所候補DBの一例を示す図である。 CD休憩所DBの一例を示す図である。 CD休憩所判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。 一人の作業者の計測器から収集した測定値の変化を示す図である。 作業状態/非作業状態の推定例を示す図である。 非作業状態期間の長さと周辺温度の低下傾向とに関する条件の判定例を示す図である。 同じ位置に滞在しているかどうかの判定例を示す図である。 CD休憩所候補の判定例を示す図である。 CD休憩状態評価処理の手順の一例を示すフローチャートである。 作業時間率の時系列変化の一例を示す図である。 作業強度レベルの算出例を示す図である。 作業強度レベルと作業時間率とWBGT値との関係を示す図である。 作業時間率の基準値の算出例を示す図である。 作業時間率の基準値と作業者の作業時間率の実測値との比較例を示す図である。 CD休憩所の判定とCD休憩状態の評価の例を示す第1の図である。 CD休憩所の判定とCD休憩状態の評価の例を示す第2の図である。 CD休憩所の判定とCD休憩状態の評価の例を示す第3の図である。 CD休憩所の判定とCD休憩状態の評価の例を示す第4の図である。 CD休憩所の判定とCD休憩状態の評価の例を示す第5の図である。
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る判定システムの構成の一例を示す図である。複数の作業者1a,1b,1c,1dは、それぞれ計測器2a,2b,2c,2dを身に着けている。計測器2a,2b,2c,2dは、作業者1a,1b,1c,1dの運動強度と所在位置と周辺温度を定期的に計測する。運動強度は、作業者1a,1b,1c,1dの単位時間あたりの代謝(カロリー消費)量である。計測器2a,2b,2c,2dは、計測結果を、例えば無線通信によって判定装置10に送信する。
判定装置10は、記憶部11と処理部12とを有する。記憶部11は、例えば判定装置10が有するメモリまたはストレージ装置である。処理部12は、例えば判定装置10が有するプロセッサである。
記憶部11は、複数の作業者1a,1b,1c,1dの運動強度と所在位置と周辺温度を定期的に計測した結果を示す計測履歴を記憶する。
処理部12は、記憶部11に格納されている計測履歴に基づいて、複数の作業者1a,1b,1c,1dが休憩するのに適切な休憩所の位置を特定する。例えば処理部12は、まず、複数の作業者1a,1b,1c,1dの運動強度と所在位置と周辺温度を定期的に計測した結果を示す計測履歴を、記憶部11から取得する。次に処理部12は、複数の作業者1a,1b,1c,1dそれぞれを、観測対象作業者として選択し、観測対象作業者について、以下の処理を行う。
処理部12は、観測対象作業者の運動強度の時系列変化に基づいて、観測対象作業者が非作業状態である非作業状態期間を特定する。次に処理部12は、観測対象作業者の所在位置の時系列変化に基づいて、観測対象作業者が非作業状態期間内に所定時間以上継続して滞在した領域の位置を示す滞在位置を特定する。次に処理部12は、観測対象作業者の周辺温度の時系列変化に基づいて、観測対象作業者の領域への滞在前に比べて滞在中の周辺温度が所定温度以上低下する温度低下傾向の有無を判定する。そして処理部12は、温度低下傾向があると判定された領域の位置を、観測対象作業者に応じた休憩所候補として特定する。
例えば処理部12は、観測対象作業者の運動強度が所定値以下の状態が所定時間(例えば5分)以上継続している期間を、非作業状態期間と判定する。そして処理部12は、観測対象作業者が非作業状態期間内に所定時間以上、所定の広さの領域内に継続して滞在していた場合、その領域の中心位置を、滞在位置として特定する。図1の例では、作業者1aを観測対象作業者としたとき、非作業状態の期間内に、位置Aに5分以上2回滞在している。作業者1aが位置Aに滞在した期間は、2回とも、滞在前と比べて周辺温度が所定値(例えば摂氏2度)以上低下している。なお作業者1aは、非作業状態の期間内に位置Bにも滞在しているが、滞在期間が5分に満たない。しかも作業者1aが位置Bに滞在した期間は、滞在前と比べて周辺温度が所定値以上低下していない。そのため作業者1aの計測履歴から、位置Aは休憩所候補として2回特定されているが、位置Bは休憩所候補として特定されていない。
複数の作業者1a,1b,1c,1dそれぞれを観測対象作業者としたときの処理が完了すると、処理部12は、複数の作業者それぞれに応じた休憩所候補を特定した結果、所定回数以上休憩所候補と特定された位置を、適切な休憩所の位置と判定する。例えば、処理部12は、作業者数に所定の定数を乗算した値以上の回数以上休憩所候補と特定された位置を、適切な休憩所の位置と判定する。
図1の例では作業者1aの計測履歴に基づいて、位置「A」が2回、休憩所候補として特定されている。作業者1bの計測履歴に基づいて、位置「A」が2回、位置「B」が1回、それぞれ休憩所候補として特定されている。作業者1cの計測履歴に基づいて、位置「A」が2回、休憩所候補として特定されている。作業者1dの計測履歴に基づいて、位置「A」が1回、位置「B」が1回、それぞれ休憩所候補として特定されている。
例えば作業者数の1.5倍の回数休憩所候補となった位置を、休憩所と判定するものとする。図1の例では、作業者が4人であるため、6回以上休憩所候補として特定された位置が、休憩所となる。位置「A」は、7回休憩所候補として特定されているため、休憩所であると判定される。それに対して、位置「B」は、2回しか休憩所候補として特定されていないため、休憩所であるとは判定されない。
このようにして、複数の作業者の運動強度、所在位置、および周辺温度に基づいて、適切な休憩所の位置を自動で判定することができる。
なお処理部12は、所定時間間隔の複数の時刻それぞれを評価基準時刻とし、評価基準時刻ごとに、休憩所の位置を判定してもよい。この場合、処理部12は、評価基準時刻までの所定期間内に測定された計測値に基づいて特定された休憩所候補の中から、評価基準時刻までの所定期間内の休憩所の位置を判定する。このように、異なる評価基準時刻について、休憩所の位置を判定することで、例えば午前中の休憩所の位置と、午後の休憩所の位置とが判定される。その結果、休憩所が移動した場合にも、移動前後の位置と、その位置に休憩所が設置されていた時間帯を判定できる。
さらに処理部12は、判定した休憩所の位置に基づいて、複数の作業者1a,1b,1c,1dそれぞれが休憩所で十分な休憩をとっているのかを評価してもよい。例えば処理部12は、複数の作業者の中から評価対象とする評価対象作業者を選択する。次に処理部12は、評価対象作業者の所在位置の時系列変化に基づいて、評価対象作業者が休憩所の位置に滞在していない期間を作業時間としたときの、単位時間あたりの、評価対象作業者の作業時間の割合を示す作業時間率を算出する。そして処理部12は、作業時間率が、単位時間あたりの、評価対象作業者に許容される作業時間の割合を示す作業時間率基準値を超えている場合、アラート情報を出力する。このように複数の作業者1a,1b,1c,1dそれぞれの休憩状況を評価することで、休憩が不足している作業者がいた場合に、その作業者を迅速に特定し、休憩を促すことができる。
また処理部12は、評価対象作業者の作業時間率基準値を、評価対象作業者の運動強度の時系列変化に基づいて算出してもよい。例えば処理部12は、評価対象作業者の運動強度の時系列変化に基づいて、評価対象作業者の作業の強さを示す作業強度レベルの時系列変化を算出する。次に処理部12は、作業強度レベルの時系列変化に基づいて、作業時間率基準値の時系列変化を算出する。さらに処理部12は、作業時間率の算出では、評価対象作業者の所在位置の時系列変化に基づいて、作業時間率の時系列変化を算出する。そして処理部12は、アラート情報の出力では、作業時間率の時系列変化と作業時間率基準値の時系列変化とを比較し、作業時間率が作業時間率基準値を超えている期間があるとき、アラート情報を出力する。これにより、作業者の作業強度レベルが変動する場合であっても、その作業者に求められる単位時間あたりの休憩時間を正しく求めることができる。その結果、休憩時間が不足している作業者の検出精度が向上する。
〔第2の実施の形態〕
次に第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、工事現場などの暑熱環境で、様々な作業パターンで様々な強度の作業を行っている作業者たちに対して、熱中症対策として、熱ストレスを下げるのに適した場所で休憩がとれているかどうかをモニタするシステムである。暑熱環境とは、身体に影響を与える夏の暑さに相当する環境である。以下、熱ストレスを下げるのに適した場所を、クールダウン(CD)休憩所と呼ぶ。CD休憩所は、例えば直射日光を避けられ、作業現場よりも温度が低めの場所である。また、作業者がCD休憩所で休憩しているときのその作業者の状態を、CD休憩状態と呼ぶこととする。
図2は、第2の実施の形態のシステムの一例を示す図である。工事現場では、複数の作業者31〜34が作業をしている。そして工事現場には、テント41や樹木42などのCD休憩所がある。ただし、テント41は、工事の進捗状況に応じ、工事の邪魔にならない場所に随時移動される。樹木42は、陰の範囲がCD休憩所となるが、太陽の方向に応じて陰の位置が変わる。このように、工事現場内のCD休憩所の位置は、一定ではない。
作業者31〜34は、それぞれ計測器31a,32a,33a,34aと携帯端末機31b,32b,33b,34bとを携帯している。計測器31a,32a,33a,34aは、作業者31〜34の位置、周囲の温度、およびMETs値を計測する。以下、計測器31a,32a,33a,34aによって計測される位置、周囲の温度、およびMETs値を纏めて、計測値と呼ぶ。
METs値とは、作業者の運動強度を示す値である。METs値は、作業者31〜34の単位時間あたりの代謝量を、安静状態の何倍になるのかによって表したものである。例えば計測器31a,32a,33a,34aは、モーションセンサによって作業者31〜34の動きを計測し、その計測結果からMETs値を算出する。また計測器31a,32a,33a,34aは、例えば無線通信用のアクセスポイント43〜45からの電波強度や、GPS(Global Positioning System)に代表される衛星測位システムからの信号、無線通信の信号、モーションセンサの測定値を組み合わせた情報解析によって、作業者31〜34の位置を数10cm程度の精度で計測する。計測器31a,32a,33a,34aは、計測した値を、無線通信によって管理装置100に送信する。
なお計測器31a,32a,33a,34aが有する温度計は、簡易温度計でよい。すなわち計測器31a,32a,33a,34aで計測する温度は、周辺温度の上昇・下降の傾向が把握できればよく、絶対値としての温度の精度は要求されない。
計測器31a,32a,33a,34aは、作業者が作業中に身につけているものであるため、作業者の体温や作業者の作業状況など、様々な外的な影響を受けやすく、そもそも絶対値としての温度を高精度に計測するのは困難である。そこで管理装置100は、絶対値としての温度の測定精度が低くてもよいように、作業者の周囲の温度が上昇・下降の傾向に関する情報によって作業者がCD休憩状態かどうかを判断する。
携帯端末機31b,32b,33b,34bは、例えば移動体通信システムを介して無線によってデータ通信を行うことができる端末装置である。作業者31〜34は、携帯端末機31b,32b,33b,34bによって、熱中症の危険性がある場合に、その危険を知らせるメッセージを受信する。
作業者31〜34がCD休憩所で十分な休憩をとっているかどうかは、管理装置100が管理する。管理装置100には、ネットワーク20を介して複数のアクセスポイント43〜45とWBGT(湿球黒球温度:Wet Bulb Globe Temperature)計46が接続されている。
WBGT計46は、暑さ指数とも呼ばれるWBGT値を計測する装置である。WBGT値は、人体の熱収支に与える影響の大きい、湿度、 輻射熱、気温の3つを取り入れた指標である。WBGT計46は、乾球温度、湿球温度、黒球温度の値を使って、WBGT値を計算する。
管理装置100は、アクセスポイント43〜45を介して、作業者31〜34が携帯している計測器31a,32a,33a,34aから、作業者の状態を示す情報を収集する。また管理装置100は、WBGT計46から、工事現場のWBGT値を収集する。そして管理装置100は、収集した情報を解析して、時間帯ごとのCD休憩所の位置を特定し、各作業者31〜34がCD休憩所で十分な休憩をとっているかどうかを判断する。
例えばシステムの管理者は、管理装置100に、工事現場のWBGT値および作業者31〜34の作業強度に基づいて、各作業者31〜34に対して熱作業ストレスの点で許容される作業時間率の閾値を設定しておく。作業時間率は、単位時間あたりの、休まずに作業している時間の割合である。そして管理装置100は、作業者31〜34の作業時間率をモニタし、その閾値と比較することによって作業時間の合間に十分に休憩時間がとれているか評価する。
作業時間率を正しく計算するには、作業者31〜34が作業状態なのか、休憩状態なのかを正確に判別することが重要となる。管理装置100は、作業者31〜34がCD休憩所に滞在し、運動強度を下げて身体を休めている状態を休憩状態であるとする。すなわち管理装置100は、各作業者31〜34について、単位時間あたりのCD休憩状態の時間が十分にとれているかをモニタする。
もしCD休憩所の場所が固定であれば、その場所を管理装置100に登録しておくことで、管理装置100は、作業者31〜34の位置情報に基づいて、作業者31〜34がCD休憩所で休憩しているかどうかを判断できる。しかし、図2に示したように、CD休憩所が日時・状況に応じて位置が移動する場合、CD休憩所の位置の移動に応じて、その都度CD休憩所の位置を手動で登録するのは煩雑である。また、CD休憩所を移動してから管理装置100への手動での位置の登録までに長い時間が空くと、その間、作業者31〜34の休憩状態を正しく把握することができない。
そこで第2の実施の形態では、計測器31a,32a,33a,34aにより各作業者31〜34の所在位置、周辺温度、およびMETs値を計測する。そして管理装置100は、計測値に基づいて、CD休憩所の位置を判定する。例えば管理装置100は、いずれかの作業者が所定時間以上継続して滞在し、そこに滞在している間は作業者が非作業状態であり、滞在前の期間と比べて作業者の運動強度と周辺温度が下がるパターンが頻繁に発生する場所を、CD休憩所候補とする。そして管理装置100は、多数の作業者の計測値からCD休憩所候補とされた位置を、CD休憩所であると判定する。なおCD休憩所は、計測値の計測時間帯ごとに判定される。
管理装置100は、CD休憩所が特定できたら、各作業者がCD休憩所で休憩した期間を、CD休憩所の位置情報を用いて判定する。管理装置100は、作業者が非作業状態でCD休憩所に滞在している状態をCD休憩状態とし、CD休憩状態の時間が不足している作業者を検出する。なお各作業者の適切なCD休憩状態の時間は、作業者の作業強度や工事現場のWBGT値に基づいて、作業者ごとに決定される。そして管理装置100は、CD休憩状態が不足している作業者が所持する携帯端末機に対して、熱中症の警告を示すメッセージ(アラート)を送信する。
これにより、CD休憩所が日時・状況に応じてときどき位置が移動する場合でも、期間ごとにCD休憩所の位置を自動で特定することができ、CD休憩所の位置を登録する煩雑さや登録間違いを回避することができる。またCD休憩所が正確に特定できることにより、運動強度の変化があまり大きくない作業者や、運動強度や周辺温度の計測精度が悪い作業者についても、その作業者がいつCD休憩所に移動し、滞在しているか特定できる。その結果、適切な休憩がとれていない作業者を見落としたり、逆に、適切な休憩をとっているのに休憩が不足していると誤判定したりすることを抑止できる。
なお、図2に示した管理装置100は、図1に示した判定装置10の一例である。以下、管理装置100による、CD休憩所の判定処理、および作業者のCD休憩状態が十分かどうかの評価処理について、具体的に説明する。
図3は、管理装置のハードウェアの一構成例を示す図である。管理装置100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス109を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現してもよい。
メモリ102は、管理装置100の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に必要な各種データが格納される。メモリ102としては、例えばRAM(Random Access Memory)などの揮発性の半導体記憶装置が使用される。
バス109に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、機器接続インタフェース107およびネットワークインタフェース108がある。
ストレージ装置103は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置103は、コンピュータの補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を使用することができる。
グラフィック処理装置104には、モニタ21が接続されている。グラフィック処理装置104は、プロセッサ101からの命令に従って、画像をモニタ21の画面に表示させる。モニタ21としては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
入力インタフェース105には、キーボード22とマウス23とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード22やマウス23から送られてくる信号をプロセッサ101に送信する。なお、マウス23は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
光学ドライブ装置106は、レーザ光などを利用して、光ディスク24に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク24は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク24には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。
機器接続インタフェース107は、管理装置100に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース107には、メモリ装置25やメモリリーダライタ26を接続することができる。メモリ装置25は、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ26は、メモリカード27へのデータの書き込み、またはメモリカード27からのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード27は、カード型の記録媒体である。
ネットワークインタフェース108は、ネットワーク20に接続されている。ネットワークインタフェース108は、ネットワーク20を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施の形態に示した判定装置10も、図3に示した管理装置100と同様のハードウェアにより実現することができる。
管理装置100は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。管理装置100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、管理装置100に実行させるプログラムをストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ102にロードし、プログラムを実行する。また管理装置100に実行させるプログラムを、光ディスク24、メモリ装置25、メモリカード27などの可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
図4は、管理装置の機能の一例を示すブロック図である。管理装置100は、作業者プロファイルDB110、計測値履歴DB120、WBGT履歴DB130、作業者状態履歴DB140、CD休憩所候補DB150、CD休憩所DB160、計測値収集部171、WBGT値収集部172、CD休憩所判定部173、CD休憩状態評価部174、およびアラート通知部175を有する。
作業者プロファイルDB110は、作業者31〜34それぞれに関する情報(プロファイル)を記憶する。計測値履歴DB120は、作業者31〜34の計測値の履歴を記憶する。WBGT履歴DB130は、WBGT値の履歴を記憶する。作業者状態履歴DB140は、各作業者の作業状態や作業強度レベルの履歴を記憶する。CD休憩所候補DB150は、CD休憩所候補を記憶する。CD休憩所DB160は、CD休憩所を記憶する。
計測値収集部171は、作業者31〜34それぞれが携帯する計測器31a,32a,33a,34aから計測値を定期的に収集する。計測値収集部171は、収集した計測値を計測値履歴DB120に格納する。
WBGT値収集部172は、WBGT計46からWBGT値を定期的に収集する。WBGT値収集部172は、収集したWBGT値をWBGT履歴DB130に格納する。
CD休憩所判定部173は、計測値履歴DB120に格納された計測値に基づいて、CD休憩所の位置を判定する。CD休憩所判定部173は、例えば作業者31〜34それぞれの計測値から、まずCD休憩所候補の位置を決定する。CD休憩所判定部173は、決定したCD休憩所候補の位置を、CD休憩所候補DB150に格納する。次にCD休憩所判定部173は、CD休憩所候補の中で多くの作業者が休憩に利用しているCD休憩所候補を、CD休憩所と判定する。CD休憩所判定部173は、判定したCD休憩所候補の位置を、CD休憩所DB160に格納する。
CD休憩状態評価部174は、計測値とCD休憩所の位置とを照合し、作業者31〜34それぞれについて、CD休憩状態の時間が足りているか否かを評価する。例えばCD休憩状態評価部174は、評価対象期間のWBGT値と、作業者の作業強度とに基づいて、その作業者に求められるCD休憩時間を決定する。次にCD休憩状態評価部174は、評価対象期間における作業者の計測値と、CD休憩所の位置とを照合し、作業者がCD休憩所に非作業状態で滞在した時間を計算し、その作業者のCD休憩時間とする。そしてCD休憩状態評価部174は、作業者のCD休憩時間が、その作業者に求められるCD休憩時間に満たない場合、その作業者の休憩が不足していると判定する。CD休憩状態評価部174は、休憩が不足している作業者を検出した場合、その作業者の識別子(作業者ID)を、アラート通知対象としてアラート通知部175に送信する。
アラート通知部175は、アラート通知対象の作業者が所持する携帯端末機に対して、アラートのメッセージを送信する。
なお、図4に示した各要素間を接続する線は通信経路の一部を示すものであり、図示した通信経路以外の通信経路も設定可能である。また、図4に示した各要素の機能は、例えば、その要素に対応するプログラムモジュールをコンピュータに実行させることで実現することができる。
次に、図5〜図10を参照して、各DBに格納されている情報について詳細に説明する。
図5は、作業者プロファイルDBの一例を示す図である。作業者プロファイルDB110には、作業者31〜34ごとのプロファイル111,112,・・・が格納されている。プロファイル111,112,・・・には、例えば作業者ID、装置ID、基本の作業強度、携帯端末機アドレスなどが含まれる。作業者IDは、作業者の識別子である。装置IDは、作業者が所持する計測器の識別子である。基本の作業強度は、作業者に割り当てられた作業の強度である。携帯端末機アドレスは、作業者が所持している携帯端末機に対応する電子メールのアドレスである。
図6は、計測値履歴DBの一例を示す図である。計測値履歴DB120には、作業者ごとの位置情報121a,121b,・・・、作業者ごとのMETs情報122a,122b,・・・、および作業者ごとの周辺温度情報123a,123b,・・・が格納されている。
作業者ごとの位置情報121a,121b,・・・には、対応する作業者の計測器から収集した位置情報を示すレコードが登録されている。位置情報を示すレコードには、装置ID、日時、緯度、経度が含まれる。装置IDは、作業者の計測器の識別子である。日時は、位置情報を取得した日付と時刻である。緯度は、対応する日時に作業者がいた場所の緯度である。経度は、対応する日時に作業者がいた場所の経度である。
作業者ごとのMETs情報122a,122b,・・・には、対応する作業者の計測器から収集したMETs値を示すレコードが登録されている。METs値を示すレコードには、装置ID、日時、METs値が含まれる。装置IDは、作業者の計測器の識別子である。日時は、位置情報を取得した日付と時刻である。METs値は、対応する日時における作業者の運動強度を示すMETs値である。
作業者ごとの周辺温度情報123a,123b,・・・には、対応する作業者の計測器から収集した周辺温度を示すレコードが登録されている。周辺温度を示すレコードには、装置ID、日時、周辺温度が含まれる。装置IDは、作業者の計測器の識別子である。日時は、周辺温度を取得した日付と時刻である。周辺温度は、対応する日時における作業者の周辺の温度である。
図7は、WBGT履歴DBの一例を示す図である。WBGT履歴DB130には、工事現場のWBGT履歴131が格納されている。WBGT履歴131には、WBGT計46から収集したWBGT値を示すレコードが登録されている。WBGT値を示すレコードには、装置ID、日時、WBGT値が含まれる。装置IDは、WBGT計の識別子である。日時は、WBGT値を取得した日付と時刻である。WBGT値は、対応する日時における工事現場のWBGT値である。
図8は、作業者状態履歴DBの一例を示す図である。作業者状態履歴DB140には、作業者ごとの状態履歴141,142,・・・が格納されている。
作業者ごとの状態履歴141,142,・・・には、作業者の状態を示すレコードが登録されている。作業者の状態を示すレコードには、装置ID,日時、作業/非作業状態、および作業強度レベルが含まれる。装置IDは、作業者の計測器の識別子である。日時は、作業者の状態の判定対象とした時間帯の終了時を示す日時である。作業/非作業状態は、対応する日時で示される時間帯において、作業者が作業中(作業状態)か作業中でないか(非作業状態)を示す情報である。作業強度レベルは、対応する日時で示される時間帯における作業者の作業強度である。作業強度は、例えば「軽度:1」、「中度:2」、「重度:3」の3段階で表される。作業者が非作業状態の場合、作業強度は「軽度:1」である。
図9は、CD休憩所候補DBの一例を示す図である。CD休憩所候補DB150には、作業者ごとのCD休憩所候補リスト151,152,・・・が格納されている。CD休憩所候補リスト151,152,・・・には、対応する作業者の計測値に基づいて特定したCD休憩所候補を示すレコードが登録されている。CD休憩所候補を示すレコードには、CD休憩所ID、位置、滞在期間が含まれる。CD休憩所IDは、CD休憩所候補の識別子である。位置は、CD休憩所候補の位置を示す緯度と経度である。滞在期間は、作業者がCD休憩所に滞在していた期間である。
図10は、CD休憩所DBの一例を示す図である。CD休憩所DB160には、CD休憩所の評価の基準となる日時ごとのCD休憩所リスト161,162,・・・が格納されている。すなわち、CD休憩所リスト161,162,・・・には、評価の基準となる日時までの所定の期間(例えば2時間)にCD休憩所となっていた場所がリストアップされている。CD休憩所リスト161,162,・・・には、対応する日時を基準として判定されたCD休憩所を示すレコードが登録されている。CD休憩所を示すレコードには、CD休憩所ID、および位置が含まれる。CD休憩所IDは、CD休憩所の識別子である。位置は、CD休憩所の位置を示す緯度と経度である。
管理装置100は、以上のようなデータを利用して、CD休憩所の判定と各作業者が十分な休憩をとっているかの評価を行う。
まず、CD休憩所判定処理について詳細に説明する。
図11は、CD休憩所判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS101]CD休憩所判定部173は、評価基準時刻Tの初期値を設定する。例えばCD休憩所判定部173は、工事現場における当日の作業開始時刻から所定時間経過後(例えば2時間)の時刻を、評価基準時刻Tの初期値として設定する。
[ステップS102]CD休憩所判定部173は、作業者プロファイルDB110から、評価基準時刻Tについての評価を行っていない作業者のうちの一人を、評価対象の作業者として選択する。
[ステップS103]CD休憩所判定部173は、計測値履歴DB120から、評価対象の作業者の、評価基準時刻Tの直近の所定期間(例えば2時間)分の位置情報、METs値、周辺温度の履歴を取得する。
[ステップS104]CD休憩所判定部173は、評価対象の作業者の非作業状態期間を特定する。非作業状態期間は、評価対象の作業者の非作業状態が所定の時間以上続く期間である。なお非作業状態期間に、評価対象の作業者の非作業状態が所定時間以上続く期間の前後の所定期間を含めてもよい。例えば作業状態から非作業状態への移行期間と、非作業状態から作業状態への移行期間とを、非作業状態期間に含めてもよい。非作業状態かどうかは、METs値に基づいて判定される。例えばCD休憩所判定部173は、評価対象の作業者のMETs値が所定値以下であれば、そのMETs値を取得した時点において、その作業者は非作業状態であると判定する。
[ステップS105]CD休憩所判定部173は、非作業状態期間に評価対象の作業者が滞在していた地点と滞在期間とを特定する。滞在しているとは、評価対象の作業者が所定の時間以上、ある地点の周辺(所定の範囲内)に留まっていることである。
[ステップS106]CD休憩所判定部173は、非作業状態期間内に滞在していた場所における滞在期間の評価対象の作業者の周辺温度が、滞在期間前と比べて低下しているか否かを判定する。例えばCD休憩所判定部173は、滞在期間の直前の周辺温度に比べ、滞在期間中の周辺温度が所定値(例えば摂氏2度)以上低下している場合、温度低下があると判定する。
[ステップS107]CD休憩所判定部173は、ステップS106において周辺温度の低下が確認できた滞在期間における滞在地点を、CD休憩所候補として、CD休憩所候補DB150に登録する。すなわち評価対象の作業者について、非作業状態期間中にある地点への滞在があり、その滞在期間中に周辺温度の低下が見られた場合、その滞在地点がCD休憩所候補と判定される。
[ステップS108]CD休憩所判定部173は、評価基準時刻Tに関して、すべての作業者を評価対象として選択したか否かを判断する。CD休憩所判定部173は、未選択の作業者がいる場合、処理をステップS102に進める。またCD休憩所判定部173は、すべての作業者が選択済みであれば、処理をステップS109に進める。
[ステップS109]CD休憩所判定部173は、各作業者のCD休憩所候補に基づいて、CD休憩所を特定する。例えばCD休憩所判定部173は、CD休憩所候補の位置の分布が所定の頻度以上で集中している箇所を、CD休憩所として特定する。CD休憩所判定部173は、特定したCD休憩所を、CD休憩所DB160に登録する。
[ステップS110]CD休憩所判定部173は、CD休憩所判定処理の終了条件が満たされたか否かを判断する。例えばCD休憩所判定部173は、評価基準時刻Tが所定の時刻より後の場合、CD休憩所判定処理の終了条件が満たされたと判断する。CD休憩所判定部173は、終了条件が満たされた場合、CD休憩所判定処理を終了する。またCD休憩所判定部173は、終了条件が満たされていなければ、処理をステップS111に進める。
[ステップS111]CD休憩所判定部173は、評価基準時刻Tの値に所定値ΔT(例えば1時間)を加算し、処理をステップS102に進める。
このようにして、CD休憩所を判定することができる。以下、図12〜図15を参照して、CD休憩所の判定例について説明する。
図12は、一人の作業者の計測器から収集した測定値の変化を示す図である。図12に示すように、作業者の各時刻における位置に基づいて、作業者の移動軌跡が得られる。また作業者のMETs値の時系列変化や、周辺温度の時系列変化が得られる。
これらの計測値のうち、METs値の時系列変化は、作業者が作業状態か非作業状態かを判定するのに用いられる。この際、作業内容によって、作業時/非作業時のMETs値の変動の違いがはっきりしていて作業状態/非作業状態を識別しやすい場合と、そうでない場合がある。例えば、軽作業者はMETs値の変化が分かりにくく、作業状態/非作業状態を識別しにくい傾向がある。
例えば作業者が静かに座っている状態のときにMETs値は「1」となる。休憩中でも静かに立ち上がる程度の動作を行うことがあり、静かに立ち上がる動作のときMETs値が「1.2」程度になる。METs値「1.2」程度は、非作業状態とみなすことができる。それに対して、小さな部品の組み立て作業のような軽作業の場合、METs値は、例えば「1.5」程度にしかならない可能性がある。また計測器の測定精度や装着位置によっては、休憩中であってもMETs値が「1.5」を超える場合もあり得る。
そこでCD休憩所判定部173は、例えば、METs値の時系列変化に基づいて、METs値を低から高の数段階に離散化する。次にCD休憩所判定部173は、各時点について、「所定値より高いMETs値がしばらく継続しているほど作業状態である可能性が高い」という考え方に基づいた「作業状態推定確度」(0〜1値)を、一定時間間隔で計算する。作業状態推定確度は、所定値より高いMETs値が継続している期間が長いほど高い値となる。METs値が高いかどうかの判定用の所定値は、例えば作業者の所定期間内のMETs値の平均または中央値などの代表値を用いる。これにより、軽作業を行っている作業者であっても、作業中は所定値より高いMETs値がしばらく継続するという状況となり、作業状態推定確度が高くなる。すなわち、作業中のMETs値が「1.5」程度であっても、その状態が継続していれば、作業状態推定確度は高くなり、作業状態と非作業状態の区別を付けることが可能となる。そしてCD休憩所判定部173は、例えば作業状態推定確度≧0.5の場合は「作業状態」、作業状態推定確度<0.5の場合は「非作業状態」と推定する。
図13は、作業状態/非作業状態の推定例を示す図である。図13では、METs値の時系列変化を実線で示し、作業状態推定確度の時系列変化を点線で示している。図13では、横軸が時間、縦軸がMETs値と作業状態推定確度である。METs値の値は左側の軸に示されており、作業状態推定確度の値は右側の軸に示されている。そして、作業状態推定確度が閾値(例えば0.5)以上の期間が作業状態の期間であり、作業状態推定確度が閾値未満の期間が非作業状態の期間である。
このようにして、作業者の作業状態と非作業状態とが推定される。METs値からの作業状態推定確度算出を経て、作業状態を推定していることで、作業状態か否かの判定精度が向上する。例えば、作業中であっても、作業記録のためのカメラ撮影を行っているときなど、短時間であれば、METs値が低いときがある。METs値が短時間だけ低くても、作業状態推定確度は低くならず、誤って非作業状態と推定されることを抑止できる。
なお、単に非作業状態であるというだけでは、CD休憩所で休憩しているかどうかは分からない。そこでCD休憩所判定部173は、CD休憩所候補の位置を、作業者のMETs値と周辺温度の変動の仕方と位置情報とを組み合わせて特定する。
例えばCD休憩所判定部173は、評価対象の作業者について、下記の条件すべてを満たすイベントの発生ごとにその位置をCD休憩所候補として記録する。
(条件1)5分間以上、作業者は非作業状態になっている。
(条件2)非作業状態の期間に入った直後、所定の短期間内に作業者の周辺温度が摂氏2度以上低下し、その周辺温度が低い状態が所定期間続く。
(条件3)作業者は、非作業状態の期間、ほぼ同じ位置に滞在している。例えばCD休憩所判定部173は、非作業状態期間中の位置の移動が所定の矩形領域内に収まっている場合、ほぼ同じ位置に滞在していると判定する。
図14は、非作業状態期間の長さと周辺温度の低下傾向とに関する条件の判定例を示す図である。図14の例では、作業者が位置Cに滞在していた期間は非作業状態であるが、滞在時間が5分未満である。また位置Cに滞在している期間の作業者の周辺温度は、それ以前の周辺温度より高くなっている。従って、位置Cは、上記条件1,2を満たしておらず、CD休憩所ではないと判定される。
作業者が位置Aに滞在していた期間は非作業状態であり、滞在期間が5分以上である。また位置Aに滞在している期間の作業者の周辺温度は、それ以前の周辺温度より2度以上低下している。従って、位置Cは、上記条件1,2を満たしており、さらに条件3を満たせば、CD休憩所と判定される。
図15は、同じ位置に滞在しているかどうかの判定例を示す図である。例えばCD休憩所判定部173は、各作業者の非作業状態期間について、位置(緯度・経度)を、時系列に沿って、開始時点を1分間隔でずらしながら長さ5分間の部分区間を作成する。CD休憩所判定部173は、部分区間内の位置を示す点群がどこからどこまで散らばっているか(最も長い距離)を東西方向と南北方向で計算する。そしてCD休憩所判定部173は、計算した距離が、所定サイズの矩形(例えば東西5m、南北5m)の範囲に収まっている場合は、その部分区間の開始時点を「滞在状態開始時」と判定する。
図15の例では、5分間の部分区間の作業者の位置を「1」〜「5」の番号で示している。図15の破線で示した矩形領域51が、部分区間内の位置を示す点群の東西方向と南北方向との範囲を示している。この矩形領域51は、5m×5mの領域の範囲に収まらない。そのため矩形領域51内を移動した部分区間については、同じ位置に滞在していないと判定される。
他方、実線の矩形領域52内には、作業者の位置を示す点が、連続して5個以上含まれている。この矩形領域52は、5m×5mの領域の範囲に収まる。従って、矩形領域52内を移動した部分区間については、同じ位置に滞在していると判定される。
同じ位置に滞在している部分区間を検出すると、CD休憩所判定部173は、その後の作業者の位置が、その所定サイズの矩形の範囲に収まっているうちは、部分区間の長さを(時間が進む方向に)延ばす。CD休憩所判定部173は、作業者の位置が、所定サイズの矩形の範囲から外れた場合、その直前の時刻を「滞在状態終了時」とする。そしてCD休憩所判定部173は、滞在開始時から滞在終了時までを、CD休憩所候補での滞在期間とする。さらにCD休憩所判定部173は、滞在期間における作業者の位置を示す点群の代表位置(例えば重心)を、CD休憩所候補の位置とする。
以上のように、CD休憩所判定部173は、上記の3つの条件が満たされた期間に滞在していた位置を、CD休憩所候補とする。なおCD休憩所候補を特定するための周辺温度の情報は、周辺温度の下降傾向の有無の判断に用いられている。すなわち、周辺温度の下降傾向の有無が正しく計測されていれば、絶対的な温度の数値の精度は低くて済む。真夏の炎天下での作業のような過酷な作業条件での作業中に、作業者が身につける計測器により高精度に周辺温度を測定するのは難しいが、周辺温度の低下傾向の有無を検出するだけであれば、簡易温度計でも測定できる。
CD休憩所候補は、作業者ごとに特定される。複数の作業者が同じCD休憩所で休憩をとった場合であっても、特定されたCD休憩所候補の位置は、多少のずれが生じる。そこでCD休憩所判定部173は、ある程度の範囲で位置が近いCD休憩所候補を同定し、1つのCD休憩所候補とする。
CD休憩所候補の位置を同定するために、例えばCD休憩所判定部173は、各作業者の計測値から特定されたCD休憩所候補の位置を示す点群に対して、密度ベースのクラスタリングを用いて分布が集中している箇所(クラスタ)を求める。そしてCD休憩所判定部173は、1つのクラスタの範囲内にある点群に対応するCD休憩所候補は、同一のCD休憩所候補と判断する。
各作業者の計測値からCD休憩所候補が求まると、CD休憩所判定部173は、CD休憩所候補の中から、作業者の滞在頻度が高いCD休憩所候補を、CD休憩所と判定する。
図16は、CD休憩所候補の判定例を示す図である。図16の例では、CD休憩所は午前と午後に異なる位置に移動したものとする。CD休憩所は、午前中は位置Aにあり、午後は位置Bに移動している。
図16には、4人の作業者についての周辺温度の時間変化(上の折れ線)と作業状態確度の時間変化(下の折れ線)とが、午前と午後に分けて示されている。そして各作業者の周辺温度と作業状態確度とから特定したCD休憩所候補の識別子が、そのCD休憩所候補への滞在期間の上に示されている。
位置Aは、午前中に複数の作業者が繰り返し休憩に利用していることから、午前中はCD休憩所が位置Aに存在していたと判定される。また位置Bは、午後中に複数の作業者が繰り返し休憩に利用していることから、午後になるとCD休憩所が位置Bに移動したと判定される。
なお作業者sについては、位置Cに滞在中に非作業状態かつ周辺温度の低下が見られるが、他の作業者にはその傾向が見られない。そのため、位置CはCD休憩所ではないと推定される。
このように、複数の作業者の計測値から特定したCD休憩所候補を照合することで、CD休憩所が判定される。これにより、CD休憩所を適確に判定することができる。すなわち、個々の作業者の計測値だけでは、CD休憩所で休憩した回数も少なく、統計的なサンプル数の不足により、CD休憩所かどうかを正確に判定するのが難しい。特にCD休憩所が固定でなく、移動する場合、統計的なサンプル数確保のために一人の作業者の長期間の計測値からCD休憩所を判定してしまうと、例えば1つのCD休憩所が移動しているのに、複数の場所にCD休憩所があると判定される可能性がある。それに対して、複数の作業者の計測値から得られたCD休憩所候補を用いることで、適当な期間の計測値から多数のCD休憩所候補を特定でき、その中から正しいCD休憩所を判定することができる。
次に、作業者ごとのCD休憩状態評価処理について詳細に説明する。
図17は、CD休憩状態評価処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図17に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS201]CD休憩状態評価部174は、評価基準時刻Tの初期値を設定する。例えばCD休憩状態評価部174は、工事現場における当日の作業開始時刻から所定時間経過後(例えば2時間)の時刻を、評価基準時刻Tの初期値として設定する。
[ステップS202]CD休憩状態評価部174は、作業者プロファイルDB110から、評価基準時刻Tについての評価を行っていない作業者のうちの一人を、評価対象の作業者として選択する。
[ステップS203]CD休憩状態評価部174は、計測値履歴DB120から、評価対象の作業者の、評価基準時刻Tの直近の所定期間(例えば2時間)分の位置情報、METs値の履歴を取得する。
[ステップS204]CD休憩状態評価部174は、評価対象の作業者のCD休憩所での滞在期間を特定する。例えばCD休憩状態評価部174は、CD休憩所DB160を参照し、評価基準時刻TにおけるCD休憩所リストを取得する。そしてCD休憩状態評価部174は、評価対象の作業者の位置情報と、CD休憩所リストに示されているCD休憩所の位置とを比較し、評価対象作業者がCD休憩所の位置の近傍(例えば5m以内)に滞在している期間を求める。
なお、CD休憩所を判定した際の、そのCD休憩所に対応するCD休憩所候補の位置を示す点群のクラスタに基づいて、CD休憩所の範囲を決定してもよい。例えばCD休憩状態評価部174は、CD休憩所に対応するCD休憩所候補の位置を示す点群のうち、CD休憩所の位置と最も離れた位置とCD休憩所の位置との距離を算出する。そしてCD休憩状態評価部174は、CD休憩所の位置を中心として、算出した距離を半径とする円形の領域内をCD休憩所とする。
[ステップS205]CD休憩状態評価部174は、評価対象の作業者のCD休憩所に滞在している期間の作業状態が、非作業状態か否かを判定する。例えばCD休憩状態評価部174は、作業者状態履歴DB140に設定されている、評価対象の作業者のCD休憩所での滞在期間の作業/非作業状態の情報を参照することで、非作業状態か否かを判定する。
[ステップS206]CD休憩状態評価部174は、作業時間率を計算する。作業者の作業時間率は、単位時間あたりの作業状態である時間の割合である。例えばCD休憩状態評価部174は、CD休憩所において非作業状態と判定された期間の長さの合計を、CD休憩所での滞在期間の特定対象とした全体の期間の長さで除算した結果を、CD休憩時間率とする。そしてCD休憩状態評価部174は、「1」からCD休憩時間率を減算した値を、作業時間率とする。
[ステップS207]CD休憩状態評価部174は、評価対象の作業者のCD休憩所での休憩時間が適正かどうかを評価する。例えばCD休憩状態評価部174は、作業現場のWBGT値および作業者の作業強度に基づいて、各作業者に対して、熱ストレスの蓄積を適正化するための作業時間率の基準値を設定しておく。そしてCD休憩状態評価部174は、作業時間率が基準値を超過したら、評価対象の作業者のCD休憩所での休憩が不足していると判断する。
CD休憩状態評価部174は、作業者のCD休憩所での休憩が不足している場合、その作業者の識別子を、アラート通知部175に送信する。アラート通知部175は、例えば作業者プロファイルDB110から該当する作業者の電子メールアドレスを取得し、その電子メールアドレス宛に、CD休憩所での休憩が不足しているメッセージを含むアラート情報を送信する。作業者は、携帯端末機によりアラート情報が示された電子メールを受信し、アラートの内容を認識する。
[ステップS208]CD休憩状態評価部174は、評価基準時刻Tに関して、すべての作業者を評価対象として選択したか否かを判断する。CD休憩状態評価部174は、未選択の作業者がいる場合、処理をステップS202に進める。またCD休憩状態評価部174は、すべての作業者が選択済みであれば、処理をステップS209に進める。
[ステップS209]CD休憩状態評価部174は、CD休憩状態評価処理の終了条件が満たされたか否かを判断する。例えばCD休憩状態評価部174は、評価基準時刻Tが所定の時刻より後の場合、CD休憩状態評価処理の終了条件が満たされたと判断する。CD休憩状態評価部174は、終了条件が満たされた場合、CD休憩状態評価処理を終了する。またCD休憩状態評価部174は、終了条件が満たされていなければ、処理をステップS210に進める。
[ステップS210]CD休憩状態評価部174は、評価基準時刻Tの値に所定値ΔT(例えば1時間)を加算し、処理をステップS202に進める。
このようにして、各作業者のCD休憩状態を評価することができる。
なお、図17のステップS207に示したように、CD休憩状態評価部174は、評価対象の作業者の作業時間率の基準値と、その作業者の作業時間率とを比較することで、CD休憩所での休憩時間が適正かどうかを判断している。なお作業者の作業時間率は、時間と共に変化する。
図18は、作業時間率の時系列変化の一例を示す図である。作業時間率は、単位時間あたりの作業状態である時間の割合で表されるため、CD休憩状態評価部174は、例えば単位時間を2時間とすると、評価基準時刻の直近2時間の間に、作業状態推定確度が閾値を超える時間(作業状態の時間)を合計する。そしてCD休憩状態評価部174は、作業状態の時間の合計を単位時間で除算することで、評価基準時刻の作業時間率が求まる。図18の実線の曲線で示しているように、作業時間率は、時間に伴って変化する。
作業時間率の基準値は、作業者の作業強度レベルや工事現場のWBGT値に基づいて算出される。すなわち作業時間率の基準値は、作業者に許容される単位時間あたりの作業時間を表しているが、重労働を行っている作業者は、その分、単位時間あたりの作業時間を短くすることが求められる。また真夏の炎天下での作業のように、過酷な環境での作業の場合にも、単位時間あたりの作業時間を短くすることが求められる。
図19は、作業強度レベルの算出例を示す図である。作業強度レベルは、運動強度を示すMETs値に基づいて算出できる。例えばMETs値が「3.0」未満であれば、作業強度レベルは「1(軽い)」とする。またMETs値が「3.0」以上、「6.5」未満であれば、作業強度レベルは「2(中程度)」とする。さらにMETs値が「6.5」以上であれば、作業強度レベルは「3(強い)」とする。作業者のMETs値の時系列変化から作業強度レベルを求めると、図19の下のグラフのようになる。
作業強度に応じた適切な作業時間率については、各種機関より指針が示されている。例えばACGIHの指針では、作業強度を軽度/中度/重度のレベルに分け、各レベルの代謝エネルギーの目安と作業内容例を与えている。CD休憩状態評価部174は、ACGIHによる熱ストレスに関する作業環境許容量の指針や作業現場での知見に基づき、作業者の作業強度と作業現場でのWBGT計測値に対して適切な作業時間率を算出する。
図20は、作業強度レベルと作業時間率とWBGT値との関係を示す図である。熱ストレスに関する作業環境許容量の指針では、作業・休憩パターンと、作業強度ごとに許容されるWBGT値が示されている。例えば休憩をとらずに連続作業を行う場合、軽度の作業であればWBGT値「30.0」まで許容できるが、中度の作業の場合WBGT値「26.7」までしか許容できず、重度の作業の場合WBGT値「25.0」までしか許容できない。それに対し、75%の時間作業をし、25%の時間休憩をする場合、軽度の作業であればWBGT値「30.6」まで許容でき、中度の作業の場合WBGT値「28.0」まで許容でき、重度の作業の場合WBGT値「25.9」まで許容できる。
作業環境狭量の指針に示されているように、作業強度が重くなるほど、許容できるWBGT値が低くなる。また休憩時間の割合が多くなるほど、許容できるWBGT値が高くなる。
作業環境許容量の指針に示されている作業・休憩パターンにおける許容されるWBGT値をスプライン補完で結ぶことで、指針に示されていない作業時間率についても、許容されるWBGT値を推定できる。推定結果が、図20の下のグラフに示されている。
図20に示すグラフは、作業強度レベルと作業時間率とに応じたWBGT値の閾値を表している。WBGT値の閾値は、対応する作業強度レベルおよび作業時間率で作業することが許容できる、工事現場のWBGT値の最大値である。
またCD休憩状態評価部174は、作業者ごとに、直近の作業強度レベルに基づいて、作業時間率の基準値を所定時間間隔で求める。
図21は、作業時間率の基準値の算出例を示す図である。CD休憩状態評価部174は、評価対象の作業者の作業強度レベルの時系列変化から、所定時間ごと(例えば1分ごと)の作業強度レベルを求める。またCD休憩状態評価部174は、計測されたWBGT値を、計測時の直近5分間の平均値に平滑化して、処置時間ごとのWBGT値を求める。そしてCD休憩状態評価部174は、各日時の作業強度レベルにおいて、その日時のWBGT値がWBGT値の閾値となる作業時間率を、図20に示したグラフに基づいて算出する。
例えばCD休憩状態評価部174は、作業強度レベルと作業時間率に対するWBGT閾値のグラフに対応する、作業強度レベルごとの、作業時間率に対応するWBGT閾値の表(WBGT閾値表61)を予め保持する。そしてCD休憩状態評価部174は、ある日時の作業者の作業強度レベルと、その日時のWBGT値とに対応する作業時間率を、作業時間率換算表から求める。CD休憩状態評価部174は、求めた作業時間率を、その日時の作業時間率の基準値とする。
ここで、日時「2016/6/8 13:47」の作業時間率の基準値を求める場合について説明する。日時「2016/6/8 13:47」の作業強度レベルは「1」、WBGT値は「31.33」である。この場合、WBGT閾値表61の作業強度レベル軽(1)の列が参照される。CD休憩状態評価部174は、計測されたWBGT値「31.33」より大きなWBGT閾値の最小値を求め、該当するWBGT閾値に対応する作業時間率を取得する。図21の例では、WBGT閾値「31.4000」に対応する作業時間率「0.5」が取得されることになるが、より詳細なWBGT閾値表を用いれば、より正確な作業時間率を求めることができる。例えば詳細なWBGT閾値表を用いて、作業時間率「0.53」が得られたものとする。CD休憩状態評価部174は、取得した作業時間率「0.53」を、対応する日時の作業時間率の基準値とする。
CD休憩状態評価部174は、各日時の作業時間率の基準値を求めた後、その基準値を、対応する日時の直近5分間の平均値に平滑化する。平滑化させることで、短期間の特異な値によって誤った評価となることが抑止される。
図22は、作業時間率の基準値と作業者の作業時間率の実測値との比較例を示す図である。各時点での作業強度レベルとWBGT値に対して、WBGT閾値表から求めた作業時間率の基準値とそれを平滑化することで、作業時間率の時間変化が滑らかになる。
平滑化後の作業時間率の基準値と作業者の作業時間率の実測値とを比較し、実測値が基準値を上回っている期間が、アラートの対象期間となる。
次に図23〜図27を参照し、簡単のために、各作業者の作業強度レベルが一日を通してほぼ一定の場合を想定し、CD休憩所の判定とCD休憩状態の評価とを行った場合の具体例を説明する。
図23は、CD休憩所の判定とCD休憩状態の評価の例を示す第1の図である。例えば4人の作業者が作業を行っているものとする。作業者p、作業者q、および作業者rの作業強度レベルは「重(3)」である。作業者sの作業強度レベルは「軽(1)」である。
まずCD休憩所判定部173は、午前中における各作業者の測定値を取得し、周辺温度の時系列変化と、作業状態推定確度の時系列変換とを得る。次にCD休憩所判定部173は、非作業状態期間における滞在地点と滞在期間とを特定する。
そしてCD休憩所判定部173は、各作業者が非作業状態期間に滞在した位置のうち、その位置に滞在する前に比べて周辺温度が十分低下している位置を、CD休憩所候補として特定する。図23の例では、位置を示す「A」、「B」、「C」の文字のうち、点線の円で囲んだ文字が、CD休憩所候補を表している。
図24は、CD休憩所の判定とCD休憩状態の評価の例を示す第2の図である。CD休憩所候補が特定できると、CD休憩所判定部173は、CD休憩所候補がCD休憩所かどうかを判定する。例えばCD休憩所判定部173は、評価基準時刻Tの直近2時間で、作業者数×1.5回以上、CD休憩所候補となっている位置を、CD休憩所と判定する。
図24の例では午前10時を評価基準時刻としている。この場合、CD休憩所判定部173は、8時から10時までにCD休憩所候補となった位置について、CD休憩所候補となった回数を計数する。すると位置Aは、CD休憩所候補として特定された回数は8回である。位置Bは、CD休憩所候補として特定された回数は0回である。位置Cは、CD休憩所候補として特定された回数は2回である。作業者が4人であるため、6回以上CD休憩所候補となった位置が、CD休憩所と判定される。図24の例では、位置AがCD休憩所と判定される。
CD休憩所の位置が判定されると、CD休憩状態評価部174が、各作業者のCD休憩状態を評価する。例えば、作業強度レベルが重の作業者に求められるCD休憩所での休憩時間は20分、作業強度レベルが軽の作業者に求められるCD休憩所での休憩時間は10分であるものとする。作業者pは、10時までの2時間の間にCD休憩所で25分休憩している。作業者qは、10時までの2時間の間にCD休憩所で30分休憩している。作業者rは、10時までの2時間の間にCD休憩所で30分休憩している。作業者sは、10時までの2時間の間にCD休憩所で12分休憩している。従って、作業者全員がCD休憩所で十分な休憩をとっていることが分かる。
同様の処理が、評価基準時刻Tをずらしながら繰り返し実行される。
図25は、CD休憩所の判定とCD休憩状態の評価の例を示す第3の図である。図25の例では、評価基準時刻Tを11時としている。11時までの直近2時間の測定値からのCD休憩所の判定により、位置AがCD休憩所と判定されている。そして作業者pは、11時までの2時間の間にCD休憩所で15分休憩している。作業者qは、11時までの2時間の間にCD休憩所で25分休憩している。作業者rは、11時までの2時間の間にCD休憩所で30分休憩している。作業者sは、11時までの2時間の間にCD休憩所で12分休憩している。
この場合、作業強度レベルが重である作業者pは、CD休憩所での休憩時間が、求められるCD休憩所での休憩時間(20分)に満たない。そこで、作業者pに対するアラートが通知される。
その後、午後の作業について、CD休憩所の判定とCD休憩状態の評価を行うものとする。
図26は、CD休憩所の判定とCD休憩状態の評価の例を示す第4の図である。CD休憩所判定部173は、午後における各作業者の測定値を取得し、周辺温度の時系列変化と、作業状態推定確度の時系列変換とを得る。次にCD休憩所判定部173は、非作業状態期間における滞在地点と滞在期間とを特定する。
そしてCD休憩所判定部173は、各作業者が非作業状態期間に滞在した位置のうち、その位置に滞在する前に比べて周辺温度が十分低下している位置を、CD休憩所候補として特定する。図23の例では、位置を示す文字(A,B,C)のうち、点線の円で囲んだ文字が、CD休憩所候補を表している。
図27は、CD休憩所の判定とCD休憩状態の評価の例を示す第5の図である。CD休憩所候補が特定できると、CD休憩所判定部173は、CD休憩所候補がCD休憩所かどうかを判定する。図27の例では15時(午後3時)を評価基準時刻としている。この場合、CD休憩所判定部173は、13時から15時までにCD休憩所候補となった位置について、CD休憩所候補となった回数を計数する。すると位置Aは、CD休憩所候補として特定された回数は1回である。位置Bは、CD休憩所候補として特定された回数は7回である。位置Cは、CD休憩所候補として特定された回数は3回である。作業者が4人であるため、6回以上CD休憩所候補となった位置が、CD休憩所と判定される。図27の例では、位置BがCD休憩所と判定される。
CD休憩所の位置が判定されると、CD休憩状態評価部174が、各作業者のCD休憩状態を評価する。作業者pは、15時までの2時間の間にCD休憩所で20分休憩している。作業者qは、15時までの2時間の間にCD休憩所で15分休憩している。作業者rは、15時までの2時間の間にCD休憩所で30分休憩している。作業者sは、15時までの2時間の間にCD休憩所でまったく休憩していない。
作業者sは、CD休憩所での休憩時間が、求められるCD休憩所での休憩時間(10分)に満たない。そこで、作業者sに対するアラートが通知される。
このように、午後は、午前と異なる場所にCD休憩所が移動しても、CD休憩所の位置を正しく判定することができる。その結果、各作業者がCD休憩所で適切な休憩をとっているのかについても正しく判定できる。
〔その他の実施の形態〕
第2の実施の形態では、作業者が所持する携帯端末機にアラート情報を送信しているが、測定器がアラート表示機能を有している場合、アラート情報を測定器に送信することもできる。
また第2の実施の形態では、各作業者の作業強度レベルをMETs値から判断しているが、作業者の作業強度レベルが予め分かっており、ほぼ同じ作業を行う場合、プロファイルに設定されている基本の作業強度を、その作業者の作業強度レベルとしてもよい。
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
以上の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1) コンピュータに、
複数の作業者の運動強度と所在位置と周辺温度を定期的に計測した結果を示す計測履歴を取得し、
前記複数の作業者それぞれを、互いに異なる観測対象作業者としてそれぞれ選択し、
前記観測対象作業者の前記運動強度の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者が非作業状態である非作業状態期間を特定し、
前記観測対象作業者の前記所在位置の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者が前記非作業状態期間内に所定時間以上継続して滞在した領域の位置を示す滞在位置を特定し、
前記観測対象作業者の前記周辺温度の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者の前記領域への滞在前に比べて滞在中の前記周辺温度が所定温度以上低下する温度低下傾向の有無を判定し、
前記温度低下傾向があると判定された前記領域の位置を、前記観測対象作業者に応じた休憩所候補として特定し、
前記複数の作業者のそれぞれが前記観測対象者として選択され、前記複数の作業者のそれぞれに応じた前記休憩所候補を特定した結果、所定回数以上前記休憩所候補と特定された位置を、適切な休憩所の位置と判定する、
処理を実行させる判定プログラム。
(付記2) 前記休憩所の位置の判定では、所定時間間隔の複数の時刻それぞれを評価基準時刻とし、前記評価基準時刻ごとに、前記評価基準時刻までの所定期間内に測定された前記運動強度と前記所在位置と前記周辺温度に基づいて特定された前記休憩所候補の中から、前記評価基準時刻までの所定期間内の前記休憩所の位置を判定する、
付記1記載の判定プログラム。
(付記3) 前記コンピュータに、さらに、
前記複数の作業者の中から評価対象とする評価対象作業者を選択し、
前記評価対象作業者の前記所在位置の時系列変化に基づいて、前記評価対象作業者が前記休憩所の位置に滞在していない期間を作業時間としたときの、単位時間あたりの、前記評価対象作業者の前記作業時間の割合を示す作業時間率を算出し、
前記作業時間率が、単位時間あたりの、前記評価対象作業者に許容される前記作業時間の割合を示す作業時間率基準値を超えている場合、アラート情報を出力する、
付記1または2に記載の判定プログラム。
(付記4) 前記コンピュータに、さらに、
前記評価対象作業者の前記運動強度の時系列変化に基づいて、前記評価対象作業者の作業の強さを示す作業強度レベルの時系列変化を算出し、
前記作業強度レベルの時系列変化に基づいて、前記作業時間率基準値の時系列変化を算出し、
前記作業時間率の算出では、前記評価対象作業者の前記所在位置の時系列変化に基づいて、前記作業時間率の時系列変化を算出し、
前記アラート情報の出力では、前記作業時間率の時系列変化と前記作業時間率基準値の時系列変化とを比較し、前記作業時間率が前記作業時間率基準値を超えている期間があるとき、前記アラート情報を出力する、
付記3記載の判定プログラム。
(付記5) コンピュータが、
複数の作業者の運動強度と所在位置と周辺温度を定期的に計測した結果を示す計測履歴を取得し、
前記複数の作業者それぞれを、互いに異なる観測対象作業者としてそれぞれ選択し、
前記観測対象作業者の前記運動強度の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者が非作業状態である非作業状態期間を特定し、
前記観測対象作業者の前記所在位置の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者が前記非作業状態期間内に所定時間以上継続して滞在した領域の位置を示す滞在位置を特定し、
前記観測対象作業者の前記周辺温度の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者の前記領域への滞在前に比べて滞在中の前記周辺温度が所定温度以上低下する温度低下傾向の有無を判定し、
前記温度低下傾向があると判定された前記領域の位置を、前記観測対象作業者に応じた休憩所候補として特定し、
前記複数の作業者のそれぞれが前記観測対象者として選択され、前記複数の作業者のそれぞれに応じた前記休憩所候補を特定した結果、所定回数以上前記休憩所候補と特定された位置を、適切な休憩所の位置と判定する、
判定方法。
(付記6) 複数の作業者の運動強度と所在位置と周辺温度を定期的に計測した結果を示す計測履歴を記憶する記憶部と、
前記複数の作業者それぞれを、互いに異なる観測対象作業者としてそれぞれ選択し、前記観測対象作業者の前記運動強度の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者が非作業状態である非作業状態期間を特定し、前記観測対象作業者の前記所在位置の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者が前記非作業状態期間内に所定時間以上継続して滞在した領域の位置を示す滞在位置を特定し、前記観測対象作業者の前記周辺温度の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者の前記領域への滞在前に比べて滞在中の前記周辺温度が所定温度以上低下する温度低下傾向の有無を判定し、前記温度低下傾向があると判定された前記領域の位置を、前記観測対象作業者に応じた休憩所候補として特定し、前記複数の作業者のそれぞれが前記観測対象者として選択され、前記複数の作業者のそれぞれに応じた前記休憩所候補を特定した結果、所定回数以上前記休憩所候補と特定された位置を、適切な休憩所の位置と判定する処理部と、
を有する判定装置。
(付記7) 複数の作業者それぞれが1台ずつ装着しており、装着している作業者の運動強度と所在位置と周辺温度を定期的に計測する複数の計測器と、
前記複数の計測器それぞれから、前記運動強度と前記所在位置と前記周辺温度との計測結果を収集し、前記複数の作業者それぞれを、互いに異なる観測対象作業者としてそれぞれ選択し、前記観測対象作業者の前記運動強度の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者が非作業状態である非作業状態期間を特定し、前記観測対象作業者の前記所在位置の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者が前記非作業状態期間内に所定時間以上継続して滞在した領域の位置を示す滞在位置を特定し、前記観測対象作業者の前記周辺温度の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者の前記領域への滞在前に比べて滞在中の前記周辺温度が所定温度以上低下する温度低下傾向の有無を判定し、前記温度低下傾向があると判定された前記領域の位置を、前記観測対象作業者に応じた休憩所候補として特定し、前記複数の作業者のそれぞれが前記観測対象者として選択され、前記複数の作業者のそれぞれに応じた前記休憩所候補を特定した結果、所定回数以上前記休憩所候補と特定された位置を、適切な休憩所の位置と判定する判定装置と、
を有する判定システム。
1a,1b,1c,1d 作業者
2a,2b,2c,2d 計測器
10 判定装置
11 記憶部
12 処理部

Claims (6)

  1. コンピュータに、
    複数の作業者の運動強度と所在位置と周辺温度を定期的に計測した結果を示す計測履歴を取得し、
    前記複数の作業者それぞれを、互いに異なる観測対象作業者としてそれぞれ選択し、
    前記観測対象作業者の前記運動強度の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者が非作業状態である非作業状態期間を特定し、
    前記観測対象作業者の前記所在位置の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者が前記非作業状態期間内に所定時間以上継続して滞在した領域の位置を示す滞在位置を特定し、
    前記観測対象作業者の前記周辺温度の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者の前記領域への滞在前に比べて滞在中の前記周辺温度が所定温度以上低下する温度低下傾向の有無を判定し、
    前記温度低下傾向があると判定された前記領域の位置を、前記観測対象作業者に応じた休憩所候補として特定し、
    前記複数の作業者のそれぞれが前記観測対象者として選択され、前記複数の作業者のそれぞれに応じた前記休憩所候補を特定した結果、所定回数以上前記休憩所候補と特定された位置を、適切な休憩所の位置と判定する、
    処理を実行させる判定プログラム。
  2. 前記休憩所の位置の判定では、所定時間間隔の複数の時刻それぞれを評価基準時刻とし、前記評価基準時刻ごとに、前記評価基準時刻までの所定期間内に測定された前記運動強度と前記所在位置と前記周辺温度に基づいて特定された前記休憩所候補の中から、前記評価基準時刻までの前記所定期間内の前記休憩所の位置を判定する、
    請求項1記載の判定プログラム。
  3. 前記コンピュータに、さらに、
    前記複数の作業者の中から評価対象とする評価対象作業者を選択し、
    前記評価対象作業者の前記所在位置の時系列変化に基づいて、前記評価対象作業者が前記休憩所の位置に滞在していない期間を作業時間としたときの、単位時間あたりの、前記評価対象作業者の前記作業時間の割合を示す作業時間率を算出し、
    前記作業時間率が、単位時間あたりの、前記評価対象作業者に許容される前記作業時間の割合を示す作業時間率基準値を超えている場合、アラート情報を出力する、
    請求項1または2に記載の判定プログラム。
  4. 前記コンピュータに、さらに、
    前記評価対象作業者の前記運動強度の時系列変化に基づいて、前記評価対象作業者の作業の強さを示す作業強度レベルの時系列変化を算出し、
    前記作業強度レベルの時系列変化に基づいて、前記作業時間率基準値の時系列変化を算出し、
    前記作業時間率の算出では、前記評価対象作業者の前記所在位置の時系列変化に基づいて、前記作業時間率の時系列変化を算出し、
    前記アラート情報の出力では、前記作業時間率の時系列変化と前記作業時間率基準値の時系列変化とを比較し、前記作業時間率が前記作業時間率基準値を超えている期間があるとき、前記アラート情報を出力する、
    請求項3記載の判定プログラム。
  5. コンピュータが、
    複数の作業者の運動強度と所在位置と周辺温度を定期的に計測した結果を示す計測履歴を取得し、
    前記複数の作業者それぞれを、互いに異なる観測対象作業者としてそれぞれ選択し、
    前記観測対象作業者の前記運動強度の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者が非作業状態である非作業状態期間を特定し、
    前記観測対象作業者の前記所在位置の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者が前記非作業状態期間内に所定時間以上継続して滞在した領域の位置を示す滞在位置を特定し、
    前記観測対象作業者の前記周辺温度の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者の前記領域への滞在前に比べて滞在中の前記周辺温度が所定温度以上低下する温度低下傾向の有無を判定し、
    前記温度低下傾向があると判定された前記領域の位置を、前記観測対象作業者に応じた休憩所候補として特定し、
    前記複数の作業者のそれぞれが前記観測対象者として選択され、前記複数の作業者のそれぞれに応じた前記休憩所候補を特定した結果、所定回数以上前記休憩所候補と特定された位置を、適切な休憩所の位置と判定する、
    判定方法。
  6. 複数の作業者の運動強度と所在位置と周辺温度を定期的に計測した結果を示す計測履歴を記憶する記憶部と、
    前記複数の作業者それぞれを、互いに異なる観測対象作業者としてそれぞれ選択し、前記観測対象作業者の前記運動強度の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者が非作業状態である非作業状態期間を特定し、前記観測対象作業者の前記所在位置の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者が前記非作業状態期間内に所定時間以上継続して滞在した領域の位置を示す滞在位置を特定し、前記観測対象作業者の前記周辺温度の時系列変化に基づいて、前記観測対象作業者の前記領域への滞在前に比べて滞在中の前記周辺温度が所定温度以上低下する温度低下傾向の有無を判定し、前記温度低下傾向があると判定された前記領域の位置を、前記観測対象作業者に応じた休憩所候補として特定し、前記複数の作業者のそれぞれが前記観測対象者として選択され、前記複数の作業者のそれぞれに応じた前記休憩所候補を特定した結果、所定回数以上前記休憩所候補と特定された位置を、適切な休憩所の位置と判定する処理部と、
    を有する判定装置。
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