JP2018017586A - 環境計測システムおよび環境計測方法 - Google Patents

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Kenji Nakamura
健二 中村
石川 裕
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裕 石川
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Abstract

【課題】所定の区域内の各種環境要素を高密度で容易に把握することのできる低コストの環境計測システムおよび環境計測方法を提供する。
【解決手段】環境要素の計測以外の目的で道路Rを移動する複数の車両Bと、車両Bに設けられ、環境要素を計測する計測手段と、位置データおよび時刻データを取得する位置時刻取得手段と、データ送信手段と、電源供給手段と、車両Bとは離れた場所に設けられ、計測データと位置データと時刻データとを関連付けて記録するサーバー手段12とを有し、車両Bが環境要素の計測以外の目的で道路Rに沿って移動している間に、計測手段が環境要素を計測し、サーバー手段12が計測データと位置データと時刻データとを関連付けて記録することにより区域内の環境要素を収集するようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、屋外の各種環境要素(例えば温湿度や日射量など)を計測するための環境計測技術に関し、特に、複数の移動体を活用することで高密度環境計測による気象予測等が可能な環境計測システムおよび環境計測方法に関するものである。
近年、地球温暖化やヒートアイランド現象など都市の温熱環境は年々悪化している。特に、夏季の気温は35℃を超えることも多く、熱中症患者が増加するなど社会問題となっている。この問題を解決するためには、屋外の温熱環境を計測して把握するとともに、その計測結果や気象予測等を情報発信することで、利用者により良い移動経路や手段を選択させたり、外出を控えさせるなどのソフト面でリスクを回避する方法と、計測結果に基づく最適な酷暑対策を立案して、移動経路の環境を改善するなどのハード面での方法が考えられる。
ある程度の広さをもった区域の環境を把握するためには、各種環境計測機器(温湿度計や日射計など)を複数個所に多数設置して定点観測(例えば、特許文献1を参照)を行うか、車や自転車等に各種環境計測機器を設置して移動計測(例えば、特許文献2を参照)を行う必要がある。
しかしながら、定点観測は、多数の計測機器を準備して設置する必要があり、コストがかかるとともに、機器管理や安全確保、電源確保などの問題がある。一方、移動計測は、車の運行などに経費がかかるため、その利用は短期の計測に留まっている。また、移動に伴い計測するデータの場所や時間に差が発生するという問題がある。
特開2010−145254号公報 特開2009−222657号公報
このため、ある程度の広さを持った区域内の各種環境要素(例えば温湿度や日射量など)を、高密度で容易に把握することのできる低コストの環境計測技術の開発が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、所定の区域内の各種環境要素を高密度で容易に把握することのできる低コストの環境計測システムおよび環境計測方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る環境計測システムは、所定の区域内の所定の環境要素を計測する環境計測システムであって、前記環境要素の計測以外の目的で道路を移動する複数の車両と、前記車両に設けられ、前記環境要素を計測する計測手段と、計測位置に関する位置データおよび計測時刻に関する時刻データを取得する位置時刻取得手段と、前記計測手段による計測データ、前記位置データおよび前記時刻データを外部のサーバー手段に送信するデータ送信手段と、前記各手段に電源を供給する電源供給手段と、前記車両とは離れた場所に設けられ、前記計測データと前記位置データと前記時刻データとを関連付けて記録する前記サーバー手段とを有し、前記車両が前記環境要素の計測以外の目的で前記道路に沿って移動している間に、前記計測手段が前記環境要素を計測し、前記サーバー手段が前記計測データと前記位置データと前記時刻データとを関連付けて記録することにより前記区域内の前記環境要素を収集することを特徴とする。
また、本発明に係る他の環境計測システムは、上述した発明において、前記計測データをもとに、前記区域内の特定の場所および時間の少なくとも一方の前記環境要素を推定する推定手段をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の環境計測システムは、上述した発明において、前記車両は、所定の移動経路を定期的に運行する路線バス、配達車両、宅配車両、タクシー車両の少なくとも一つであることを特徴とする。
また、本発明に係る他の環境計測システムは、上述した発明において、前記車両は、所定の移動経路を定期的に運行する路線バスであり、バス停に設けられ、前記環境要素に関する情報を表示するための表示手段をさらに備え、前記表示手段は、前記計測データに基づく前記環境要素に関する情報を表示することを特徴とする。
また、本発明に係る他の環境計測システムは、上述した発明において、前記計測データに基づく前記環境要素に関する情報を携帯端末に提示する情報提示手段をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明に係る環境計測方法は、上述した環境計測システムを用いて、所定の区域内の所定の環境要素を計測する環境計測方法であって、前記車両が前記環境要素の計測以外の目的で前記道路に沿って移動する移動ステップと、前記移動ステップの間に、前記計測手段が前記環境要素を計測し、前記サーバー手段が前記計測データと前記位置データと前記時刻データとを関連付けて記録することにより前記区域内の前記環境要素を収集する収集ステップとを備えることを特徴とする。
本発明に係る環境計測システムによれば、所定の区域内の所定の環境要素を計測する環境計測システムであって、前記環境要素の計測以外の目的で道路を移動する複数の車両と、前記車両に設けられ、前記環境要素を計測する計測手段と、計測位置に関する位置データおよび計測時刻に関する時刻データを取得する位置時刻取得手段と、前記計測手段による計測データ、前記位置データおよび前記時刻データを外部のサーバー手段に送信するデータ送信手段と、前記各手段に電源を供給する電源供給手段と、前記車両とは離れた場所に設けられ、前記計測データと前記位置データと前記時刻データとを関連付けて記録する前記サーバー手段とを有し、前記車両が前記環境要素の計測以外の目的で前記道路に沿って移動している間に、前記計測手段が前記環境要素を計測し、前記サーバー手段が前記計測データと前記位置データと前記時刻データとを関連付けて記録することにより前記区域内の前記環境要素を収集するので、所定の区域内の各種環境要素を、環境要素の計測以外の目的で道路を移動する複数の車両を利用して、高密度で容易に把握することができる。また、計測のために新たに車両を走行させる必要がないので、計測コストを抑制することができる。したがって、所定の区域内の各種環境要素を高密度で容易に把握することのできる低コストの環境計測システムを提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の環境計測システムによれば、前記計測データをもとに、前記区域内の特定の場所および時間の少なくとも一方の前記環境要素を推定する推定手段をさらに備えるので、区域内の特定の場所および時間の少なくとも一方の環境要素を精度よく推定することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の環境計測システムによれば、前記車両は、所定の移動経路を定期的に運行する路線バス、配達車両、宅配車両、タクシー車両の少なくとも一つであるので、住民の生活圏に密着した区域の各種環境要素を容易に把握することができるという効果を奏する。また、環境要素の計測を長期間にわたって継続的に行うことが可能となり、環境要素の変動を把握することができる。
また、本発明に係る他の環境計測システムによれば、前記車両は、所定の移動経路を定期的に運行する路線バスであり、バス停に設けられ、前記環境要素に関する情報を表示するための表示手段をさらに備え、前記表示手段は、前記計測データに基づく前記環境要素に関する情報を表示するので、路線バス利用者などに局所的でリアルタイムな温熱環境などの情報を提示することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の環境計測システムによれば、前記計測データに基づく前記環境要素に関する情報を携帯端末に提示する情報提示手段をさらに備えるので、不特定多数の者に区域内の環境に関する有用な情報を提示することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る環境計測方法によれば、上述した環境計測システムを用いて、所定の区域内の所定の環境要素を計測する環境計測方法であって、前記車両が前記環境要素の計測以外の目的で前記道路に沿って移動する移動ステップと、前記移動ステップの間に、前記計測手段が前記環境要素を計測し、前記サーバー手段が前記計測データと前記位置データと前記時刻データとを関連付けて記録することにより前記区域内の前記環境要素を収集する収集ステップとを備えるので、所定の区域内の各種環境要素を高密度で容易に把握することのできる低コストの環境計測方法を提供することができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る環境計測システムおよび環境計測方法の実施の形態を示す概略ブロック図である。 図2は、本発明に係る環境計測システムおよび環境計測方法で利用される路線バスの概略構成図である。
以下に、本発明に係る環境計測システムおよび環境計測方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1に示すように、本発明に係る環境計測システム10は、都市部で運行している既存の複数の路線バスB(車両)と、環境計測用の管理室に設けられたサーバー12(サーバー手段)とを備える。
路線バスBは、区域S内の規定の経路R(道路)を定期的に走行して不特定旅客を運送するバスである。この路線バスBは、図2に示すように、各種環境要素(例えば日射量、長波放射量、温湿度、路面温度など)を計測する計測手段14と、位置時刻取得手段16と、データロガー18と、通信手段20(データ送信手段)と、バッテリー22(電源供給手段)とを備えている。
計測手段14は、例えば日射計や長波放射計、温湿度計や路面温度計等の計測機器で構成することができる。計測機器を変えれば様々な環境要素を計測可能である。位置時刻取得手段16は、路線バスBの走行位置などの計測位置に関する位置データ(例えば経緯度情報)、計測時刻に関する時刻データを取得するものであり、例えばGPS受信機などで構成することができる。
データロガー18は、計測手段14による計測データ、位置データ、時刻データを記録するものである。通信手段20は、計測データ、位置データ、時刻データを関連付けてリアルタイムにサーバー12に送信するものである。一般に都市部の路線バスBは、毎日、高密度に運行される。そこで、これらの路線バスBから得られる計測データ等を管理室のサーバー12に逐次保存して、過去データとして蓄積する。
ところで近年の路線バスには、GPS受信機能や無線通信機能(例えば、Wi−Fi(登録商標)等の通信方式)を備えたバスも多い。そこで、上記の位置時刻取得手段16や通信手段20としては、路線バスBに元々備わる既存のGPS受信機能や無線通信機能を利用してもよい。なお、既存の路線バスにこれらの機能が備わっていない場合は、新たに付加すればよい。
バッテリー22は、各手段14〜20に電源を供給するためのものである。通常の路線バスにはバッテリー等の車載電源が備わっているため、この既存の車載電源をバッテリー22として利用することができる。また、路線バスB内には運転手がいるので計測手段14等の機器の管理の問題はなく、計測のための新たな運行経費も不要である。また、一般に路線バスBの運行ルートは人の活動が多い場所と重なるため、気象情報などを必要としている人へ、必要な情報を効率的に提供することができる。
サーバー12は、図1に示すように、データ記録部26と、データ分析部28と、情報発信部30(情報提示手段)とを備えるコンピューターにより構成される。
データ記録部26は、路線バスBからリアルタイムに送信される計測データと位置データと時刻データとを関連付けてリアルタイムデータとして記録するものである。リアルタイムデータとして記録されたデータは、過去データとして蓄積される。
データ分析部28は、データ記録部26に記録されたリアルタイムデータや過去データを用いて各種演算処理を行う演算処理機能を有しており、基本データ分析部32(推定手段)と、環境・気象予測部34と、指標・ルート算出部36とを備えている。
基本データ分析部32は、計測データの空間補正機能と時間補正機能と特殊性補正機能とを有しており、各補正機能により補正を行ったデータを分析結果として出力するものである。空間補正機能は、データ記録部26に蓄積された1本のルートを走行する複数の路線バスBの過去データをもとに、計測データの空間的な補正を行うものである。時間補正機能は、ある定点の過去データの経時変化をもとに計測データの時間的な補正を行うものである。特殊性補正機能は、周囲とは異なる空間的な特殊性を無視できないポイント(排熱が溜まりやすく気温が高くなるなど)を抽出し、抽出したポイントの計測データについて特殊性を考慮した補正を行うものである。
また、この基本データ分析部32は、データ記録部26に記録されたリアルタイムデータや過去データに基づいて、区域S内の特定の場所および時間の少なくとも一方の計測データに係る環境要素を推定する推定機能(推定手段)を有している。これにより、区域S内の特定の場所および時間の少なくとも一方の環境要素を精度よく推定することができる。
次に、基本データ分析部32による環境要素の推定方法の一例について、区域S内のあるA地点の正午の気温を分析・予測する場合を例にとり説明する。
(1)空間補正による予測の場合、複数の路線バスBの正午のリアルタイムの計測データの中から、空間的にA地点に近い2点以上の路線バスBの計測データをもとに、空間近似して気温を予測する。
(2)時間補正による予測の場合、A地点を通過した路線バスBの計測データ、そのA地点を通過して正午までに経った時間、所定の定点観測点で観測した気温変化量などをもとに、時間補正してA地点の気温を予測する。
(3)特殊性補正による予測の場合、データ記録部26に蓄積されたA地点の過去データをもとに、そのA地点の気温が周囲と比べて、平均的に所定温度(例えば0.5℃)以上高い、または低いなどの情報を抽出し、この抽出結果に基づいて、特殊性による補正をしてA地点の気温を予測する。
基本的には、上記の(1)(2)の予測値を比較して判断する。(1)(2)の予測値が異なる場合、原則的には(1)の空間補正の重みづけを高くして予測値を決定するが、天候などにより気温が大きく変化(例えば10分で0.5℃変化等)している時は、(2)の時間補正の重みづけを高くして予測値を決定することが望ましい。またA地点が特殊性のあるポイントの場合は、(3)の補正も加味して予測値を決定することが望ましい。
なお、上記の判断基準は計測開始時点のものであり、人工知能(AI)の深層学習(Deep Learning)を通じて機械学習し、この機械学習に基づいて手法や判断基準に修正を加えてもよい。このようにすれば、対象となる環境要素の予測精度が高まり、より有用な情報を提供することが可能となる。
環境・気象予測部34は、データ記録部26に記録されたリアルタイムデータおよび過去データや、基本データ分析部32による分析結果などに基づいて、各種環境要素に関する予測情報や気象予測情報を出力するものである。
指標・ルート算出部36は、データ記録部26に記録されたリアルタイムデータおよび過去データや、基本データ分析部32による分析結果、環境・気象予測部34による気象予測情報などに基づいて、熱中症の危険度を表す指標(例えば暑さ指数(WBGT)など)を算出したり、比較的涼しい移動ルート等を選定するものである。
情報発信部30は、データ分析部28の分析結果である環境要素に関する情報を携帯端末38に発信、提示するためのものである。携帯端末38の表示画面等を通じて、不特定多数の者に区域S内の環境に関する有用な情報を提示することができる。携帯端末38としては、例えばスマートフォン(登録商標)などの多機能携帯電話やiPad(登録商標)などのタブレット型端末を挙げることができる。
なお、情報発信部30の発信先は携帯端末38に限るものではなく、例えばバス停などに設けられるデジタルサイネージ(表示手段)であってもよい。この場合、情報発信部30から受信した情報をデジタルサイネージが表示することで、路線バス利用者などに局所的でリアルタイムな環境情報(例えば温熱環境などの情報)を提示することができる。
上記のように構成した環境計測システム10では、各路線バスBが各経路Rを運行している間に、計測手段14が各種環境要素を計測し、サーバー12が計測データと位置データと時刻データとを関連付けて記録することにより区域S内の環境要素を収集する。つまり、複数の路線バスBが通常の運行をすれば、区域S内において高密度かつ定時の環境計測を実施することができ、定点観測よりも少ない計測機器で都市部の広域の環境要素に関するデータを取得することができる。こうすることで、区域S内の現状の各種環境要素を、複数の路線バスBを利用して高密度で容易に把握することができ、計測結果に基づく最適な対策を立案できる。また、計測のために新たに車両を走行させる必要がないので、計測コストを抑制することができる。また、計測機器設置場所の制約や電源の有無などに関わりなく、高密度な環境計測を実施できる。したがって、本実施の形態によれば、区域S内の各種環境要素を高密度で容易に把握することのできる低コストの環境計測システムを提供することができる。
また、本実施の形態によれば、複数の路線バスBから得られたリアルタイムデータと蓄積された過去データをもとに、現在の気温や湿度などの情報、1時間後の気象予測情報、熱中症の危険度を表す指標、比較的涼しいルート情報などを発信して、携帯端末38やデジタルサイネージなどに提示することができる。
また、例えば、ある地点の気温を従来の方法で計測する場合、定点観測では各観測点の計測結果をもとに空間的に補正した値を示すものであった。そのため時間的な誤差は少ないが、空間的な誤差、特に場所の空間的な特殊性(排熱が溜まりやすいなど)による誤差が大きいという問題があった。また、移動計測では1台の車の計測結果を、定点観測点の計測結果の経時変化をもとに時間的に補正した値を示すものであった。そのため空間的にも時間的にも誤差が生じやすいという問題があった。
しかし、本実施の形態によれば、例えば1本のルートを走行する複数の路線バスBの計測データをもとに空間的な補正を行うとともに、ある定点の計測結果の経時変化をもとに時間的に補正した値を示すことが可能であるため、得られる計測データは空間的にも時間的にも高精度のものとなる。また、場所の空間的な特殊性を無視できないポイント(排熱が溜まりやすく気温が高くなるなど)についても、蓄積された過去データをもとに、周囲とは異なる特殊性を有するポイントを抽出し、補正することができるため、さらに精度が向上する。
このように、本実施の形態によれば、計測データの精度が高まるため、気象予測や熱中症危険度予測の精度も高まる。これらの予測情報や熱中症の危険度を表す指標(例えば暑さ指数(WBGT))、比較的涼しい移動ルート情報を、歩行者の携帯端末38の画面やバス停のデジタルサイネージなどへ表示することで、熱中症などの発生リスクを回避させることも可能である。また、路線バスBの移動経路の中で温熱的に問題がある箇所を抽出し、計測データをもとに、その場に適した対策(日射遮蔽、緑化、ドライ型ミストなど)を提示することもできる。
また、本発明に係る環境計測方法は、上述した環境計測システム10を用いて、区域S内の各種環境要素を計測する方法であって、路線バスBが経路Rに沿って走行移動する移動ステップと、この移動ステップの間に、路線バスBに備わる計測手段14が環境要素を計測して通信手段20がサーバー12にデータを送信し、サーバー12が計測データと位置データと時刻データとを関連付けて記録することにより区域S内の環境要素を収集する収集ステップとを備えるものである。この方法によれば、上述したように、区域S内の各種環境要素を高密度で容易に把握することのできる低コストの環境計測方法を提供することができる。
なお、上記の実施の形態では、計測以外の目的で道路を移動する既存の車両として路線バスを例にとり説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば配達車両、宅配車両、タクシー車両等、環境要素の計測とは異なる業務に従事して、ある程度決まったエリアを高密度に頻繁に移動するものであればいかなる車両でもよい。こうした車両であれば、住民の生活圏に密着した区域の各種環境要素を容易に把握することができる。また、環境要素の計測を長期間にわたって継続的に行うことが可能となり、環境要素の変動を把握することができる。
以上説明したように、本発明に係る環境計測システムによれば、所定の区域内の所定の環境要素を計測する環境計測システムであって、前記環境要素の計測以外の目的で道路を移動する複数の車両と、前記車両に設けられ、前記環境要素を計測する計測手段と、計測位置に関する位置データおよび計測時刻に関する時刻データを取得する位置時刻取得手段と、前記計測手段による計測データ、前記位置データおよび前記時刻データを外部のサーバー手段に送信するデータ送信手段と、前記各手段に電源を供給する電源供給手段と、前記車両とは離れた場所に設けられ、前記計測データと前記位置データと前記時刻データとを関連付けて記録する前記サーバー手段とを有し、前記車両が前記環境要素の計測以外の目的で前記道路に沿って移動している間に、前記計測手段が前記環境要素を計測し、前記サーバー手段が前記計測データと前記位置データと前記時刻データとを関連付けて記録することにより前記区域内の前記環境要素を収集するので、所定の区域内の各種環境要素を、環境要素の計測以外の目的で道路を移動する複数の車両を利用して、高密度で容易に把握することができる。また、計測のために新たに車両を走行させる必要がないので、計測コストを抑制することができる。したがって、所定の区域内の各種環境要素を高密度で容易に把握することのできる低コストの環境計測システムを提供することができる。
また、本発明に係る他の環境計測システムによれば、前記計測データをもとに、前記区域内の特定の場所および時間の少なくとも一方の前記環境要素を推定する推定手段をさらに備えるので、区域内の特定の場所および時間の少なくとも一方の環境要素を精度よく推定することができる。
また、本発明に係る他の環境計測システムによれば、前記車両は、所定の移動経路を定期的に運行する路線バス、配達車両、宅配車両、タクシー車両の少なくとも一つであるので、住民の生活圏に密着した区域の各種環境要素を容易に把握することができる。また、環境要素の計測を長期間にわたって継続的に行うことが可能となり、環境要素の変動を把握することができる。
また、本発明に係る他の環境計測システムによれば、前記車両は、所定の移動経路を定期的に運行する路線バスであり、バス停に設けられ、前記環境要素に関する情報を表示するための表示手段をさらに備え、前記表示手段は、前記計測データに基づく前記環境要素に関する情報を表示するので、路線バス利用者などに局所的でリアルタイムな温熱環境などの情報を提示することができる。
また、本発明に係る他の環境計測システムによれば、前記計測データに基づく前記環境要素に関する情報を携帯端末に提示する情報提示手段をさらに備えるので、不特定多数の者に区域内の環境に関する有用な情報を提示することができる。
また、本発明に係る環境計測方法によれば、上述した環境計測システムを用いて、所定の区域内の所定の環境要素を計測する環境計測方法であって、前記車両が前記環境要素の計測以外の目的で前記道路に沿って移動する移動ステップと、前記移動ステップの間に、前記計測手段が前記環境要素を計測し、前記サーバー手段が前記計測データと前記位置データと前記時刻データとを関連付けて記録することにより前記区域内の前記環境要素を収集する収集ステップとを備えるので、所定の区域内の各種環境要素を高密度で容易に把握することのできる低コストの環境計測方法を提供することができる。
以上のように、本発明に係る環境計測システムおよび環境計測方法は、屋外の各種環境要素を計測するのに有用であり、特に、所定の区域内の各種環境要素を高密度で容易に把握するのに適している。
10 環境計測システム
12 サーバー(サーバー手段)
14 計測手段
16 位置時刻取得手段
18 データロガー
20 通信手段(データ送信手段)
22 バッテリー(電源供給手段)
26 データ記録部
28 データ分析部
30 情報発信部
32 基本データ分析部(推定手段)
34 環境・気象予測部
36 指標・ルート算出部
38 携帯端末
A 地点(特定の場所)
B 路線バス(車両)
R 経路(道路)
S 区域

Claims (6)

  1. 所定の区域内の所定の環境要素を計測する環境計測システムであって、
    前記環境要素の計測以外の目的で道路を移動する複数の車両と、
    前記車両に設けられ、前記環境要素を計測する計測手段と、計測位置に関する位置データおよび計測時刻に関する時刻データを取得する位置時刻取得手段と、前記計測手段による計測データ、前記位置データおよび前記時刻データを外部のサーバー手段に送信するデータ送信手段と、前記各手段に電源を供給する電源供給手段と、
    前記車両とは離れた場所に設けられ、前記計測データと前記位置データと前記時刻データとを関連付けて記録する前記サーバー手段とを有し、
    前記車両が前記環境要素の計測以外の目的で前記道路に沿って移動している間に、前記計測手段が前記環境要素を計測し、前記サーバー手段が前記計測データと前記位置データと前記時刻データとを関連付けて記録することにより前記区域内の前記環境要素を収集することを特徴とする環境計測システム。
  2. 前記計測データをもとに、前記区域内の特定の場所および時間の少なくとも一方の前記環境要素を推定する推定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の環境計測システム。
  3. 前記車両は、所定の移動経路を定期的に運行する路線バス、配達車両、宅配車両、タクシー車両の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1または2に記載の環境計測システム。
  4. 前記車両は、所定の移動経路を定期的に運行する路線バスであり、
    バス停に設けられ、前記環境要素に関する情報を表示するための表示手段をさらに備え、
    前記表示手段は、前記計測データに基づく前記環境要素に関する情報を表示することを特徴とする請求項1または2に記載の環境計測システム。
  5. 前記計測データに基づく前記環境要素に関する情報を携帯端末に提示する情報提示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の環境計測システム。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の環境計測システムを用いて、所定の区域内の所定の環境要素を計測する環境計測方法であって、
    前記車両が前記環境要素の計測以外の目的で前記道路に沿って移動する移動ステップと、
    前記移動ステップの間に、前記計測手段が前記環境要素を計測し、前記サーバー手段が前記計測データと前記位置データと前記時刻データとを関連付けて記録することにより前記区域内の前記環境要素を収集する収集ステップとを備えることを特徴とする環境計測方法。
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