JP4053544B2 - 降霜予測システム - Google Patents

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Description

本発明は、降霜予測システムに関する。
寒冷地では霜による農作物への被害が甚大であり、深刻な問題となっている。従って、農業分野において降霜予測を行うことは霜による被害を防止する上で非常に重要である。従来の降霜予測方法は、降霜予測対象地域の気象予報データの内、気温、推定地表温度(気温−3.5°C)、露点温度、平均風速及び相対湿度に関する降霜判定条件を用いて降霜予測をしていた。例えば、岩手県松尾村を試験地域として求められた降霜判定条件によると、気温<3.5°C、気温−3.5°C<露点温度、平均風速<1.5m/s及び相対湿度>95%という4つの条件を全て満たした場合に霜が降ると予測されていた。
しかしながら、上記のような4つの降霜判定条件によって降霜予測をした場合、予測の的中精度が低いという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、降霜予測の的中精度の向上を目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明では、降霜予測装置に係わる第1の解決手段として、降霜予測対象地域の気象予報データの内、気温、露点温度、平均風速及び相対湿度に関する各降霜判定条件に加えて、気温降下度及び放射収支に関する降霜判定条件を全て満足した場合に、前記降霜予測対象地域における降霜を予測する、という手段を採用する。
この発明によれば、従来の気温、露点温度、平均風速及び相対湿度に関する各降霜判定条件に、気温降下度及び放射収支に関する降霜判定条件を追加して降霜予測を行うので、予測的中精度を向上することができる。
また、降霜予測装置に係わる第2の解決手段として、降霜予測対象地域の気象予報データである気温Ta、相対湿度H、平均風速W、地表温度Tg及び放射収支Ra、並びに当該各気象予報データに関する重み付け係数K1〜K5及び定数Cから降霜判定値Yを求める下記降霜判定式(1)について、降霜予測対象地域における複数の現地気象データを判別分析法に基づいて演算処理することにより前記重み付け係数K1〜K5及び定数Cを特定して降霜予測対象地域における降霜を予測する、という手段を採用する。
この発明によれば、過去の複数の現地気象データを判別分析して得た降霜判定式によって降霜予測を行うので、統計学的に精度の高い予測を行うことができる。さらに、現地気象データを継続的に取り続けて判別分析を行うことで降霜判定式を更新することが可能であり、降霜予測対象地域の気象条件に適した降霜判定式により降霜予測を行うことができる。
Y=K1・Ta+K2・H+K3・W+K4・Tg+K5・Ra+C (1)
また、降霜予測装置に係わる第3の解決手段として、上記第1の解決手段における降霜予測処理と上記第2の解決手段における降霜予測処理とを実際の降霜の有無に対する降霜予測の的中率に基づいて切り替える、という手段を採用する。
この発明によれば、降霜判定条件を用いて降霜予測した場合と、判別分析による降霜判定式を用いて降霜予測した場合とで予測的中率の高い方の降霜予測処理を選択することにより、その降霜予測対象地域に適した降霜予測を行うことができ、予測的中精度を高めることができる。
また、降霜予測装置に係わる第4の解決手段として、上記第1〜3いずれかの解決手段において、所定の観測対象物への霜の付着状態を画像データとして取得し、前記画像データを2値化処理することによって実際の降霜の有無を判定する、という手段を採用する。
従来では人の目により実際の降霜の有無を判定していたが、この発明によれば降霜の有無の判定を自動化することができ、人件費削減に効果がある。
また、降霜予測装置に係わる第5の解決手段として、上記第4の解決手段において、前記観測対象物に乾燥剤を添加する、という手段を採用する。
観測対象物の表面状態について、霜の付着か結露かどうかの判断が困難な場合がある。この発明によれば観測対象物に乾燥材を添加することで結露を防止し、霜か結露かの誤判断を防ぐことができる
また、降霜予測装置に係わる第6の解決手段として、上記第4または第5の解決手段において、前記観測対象物の画像データに含まれるハレーションを除去した後に2値化処理を行う、という手段を採用する。
画像データにハレーションが含まれていた場合、その後の2値化処理によって霜有り部分のデータなのかハレーション部分のデータかどうかの判断が困難になる恐れがある。この発明によれば画像データに含まれるハレーションを除去した後に2値化処理を行うので、
霜有り部分の画像データのみを抽出でき、ハレーションとの誤判断を防止することができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の降霜予測装置を用いた降霜予測システムの概略図である。この図において、符号1は降霜予測装置、2はネットワーク、3は気象予報サーバ、4はクライアントコンピュータ、5は現地気象観測装置である。
降霜予測装置1は、降霜予測演算部1a、通信部1b及び記憶部1cから構成されている。降霜予測演算部1aは、通信部1bより降霜予測対象地域の気象予報データを取得して降霜判定条件または降霜判定式に基づいて降霜予測を行い、降霜予測結果を通信部1bへ送るものである。また、降霜予測演算部1aには現地気象観測装置5が接続されており、降霜予測演算部1aは現地気象観測装置5から現地気象データを取得し、記憶部1cに記憶する。降霜予測演算部1aの降霜予測の動作については後で詳細に説明する。
通信部1bはネットワーク2に接続され、ネットワーク2を介して気象予報サーバ3及びクライアントコンピュータ4に接続されている。通信部1bは、気象予報サーバ3からネットワーク2を介して降霜予測対象地域の気象予報データを取得し、降霜予測演算部1aによって得られた降霜予測結果をネットワーク2を介してクライアントコンピュータ4へ送るものである。
気象予報サーバ3は、例えば民間の気象予報業者に設置され、気象予報データを提供するものである。クライアントコンピュータ4は、農家や農業関連施設に設置され、降霜予測結果を農業関係者に知らせるものである。
現地気象観測装置5は、気温測定部5a、相対湿度測定部5b、平均風速測定部5c、地表温度測定部5d、放射収支測定部5e、露点温度測定部5f、降霜観測器5g及び現地気象データ送信部5hから構成されている。
現地気象観測装置5は、降霜予測対象地域に設置され、実際に霜が降ったかどうかに
関わらず継続的に現地の気象データを採取するものである。すなわち、気温測定部5a、相対湿度測定部5b、平均風速測定部5c、地表温度測定部5d、放射収支測定部5e及び露点温度測定部5fによって、温度、相対湿度、平均風速、地表温度、放射収支及び露点温度が測定され、また降霜観測器5gによって実際に霜が降ったかどうかが観測される。従来では、実際に霜が降ったかどうかは人の目で確認していたが、本実施形態では降霜観測器5gによって自動観測を可能にした。降霜観測器5gについては後で詳細に説明する。それらの測定結果及び観測結果は現地気象データとして現地気象データ送信部5hから降霜予測装置1の降霜予測演算部1aに送られる。
次に降霜予測装置1aの降霜予測動作について詳しく説明する。
図2は、降霜予測動作を示すフローチャートである。この図に示すように、降霜予測演算部1aは、まず初期設定として降霜判定条件または降霜判定式のどちらの降霜予測処理を用いて降霜予測を行うかを選択する。本実施形態では、初めに降霜判定条件を用いて降霜予測を行うとする(ステップS1)。
降霜予測処理が決定されると、降霜予測演算部1aは、通信部1bを介して気象予報サーバ3より降霜予測対象地域の気象予報データを取得し(ステップS2)、その気象予報データと降霜判定条件とに基づき降霜予測を行う(ステップS3)。ステップS3については以下に詳しく説明する。
ステップS3で用いる降霜判定条件は従来では、気温、露点温度、平均風速及び相対湿度に関する各降霜判定条件を全て満足した場合に霜が降ると予測されていた。これらの降霜判定条件は、具体的には、岩手県松尾村を試験地域として求められた気温<3.5°C、気温−3.5°C<露点温度、平均風速<1.5m/s及び相対湿度>95%というものであった。これらの降霜判定条件で降霜予測をした場合、予測的中率83.1%と結果が得られるが霜の被害を最大限に食い止めるためにさらに予測的中精度を高める必要があった。
そこで本実施形態で用いる降霜判定条件は、従来の降霜判定条件に加え、気温降下度(降霜予測対象時間の温度−1時間前の温度)と放射収支との両方に関する降霜判定条件を全て満足した場合に霜が降ると予測するものである。具体的には、気温と相対湿度とに関する降霜判定条件についても修正を加えて、気温<2°C、気温−3.5°C<露点温度、平均風速<1.5m/s及び相対湿度>85%を全て満足し、加えて気温降下度<−0.2°Cと放射収支<−0.2MJとの両方を満足した時に霜が降ると予測する。このような降霜判定条件によると、予測的中率92.2%という予測的中精度を得ることができる。
以上のようにステップS3では、気象予報データの内、気温、露点温度、平均風速、相対湿度、気温降下度(すなわち1時間前の気温)及び放射収支とを上記の6つの降霜判定条件にあてはめる動作を行う。降霜予測演算部1aは、気象予報データが降霜判定条件を全て満足すれば霜が降ると判定し、全て満足しなければ霜は降らないと判定する(ステップS4)。そして、霜が降ると判定すれば、警報を通信部1bを介してクライアントコンピュータ4へ送り、農業関係者に霜が降るという予測結果を知らせる(ステップS5)。
次に降霜予測演算部1aは、予測結果に関わらず、降霜予測の対象となった日時に現地気象観測装置5から現地気象データを取得する(ステップS6)。そして、その現地気象データの内、気温(1時間前の気温も含む)、露点温度、平均風速、相対湿度、放射収支を降霜判定条件にあてはめ降霜判定を行い、実際に霜が降ったか否かの降霜観測結果と比較することでその日の予測的中結果として記憶部1cに記憶する(ステップS7)。
次に降霜予測演算部1aは、予測的中率算出時期か否かを判断し(ステップS7a)、まだその時期でなければステップS2へ戻る。このようにS2〜S7aまでの動作は一定期間(予測的中率算出時期までの間)繰り返され、記憶部1cにはその期間内の現地気象データと予測的中結果とが日時毎に順次記憶される。そして、予測的中率算出時期になると、降霜予測演算部1aは記憶部1cに記憶されている予測的中結果に基づき、その期間における降霜判定条件を用いて降霜予測した場合の予測的中率Aを算出する(ステップS8)。
この時、降霜予測演算部1aは予測的中率Aを算出し、もう1つの降霜予測処理である降霜判定式を用いた場合の予測的中率Bも算出する。その手順について以下説明する。
ステップS1の初期設定として降霜判定条件を選択した場合、ステップS10〜S14までの動作は実際には行われず、予測的中率BはステップS9とステップS15〜S18の動作で算出される。しかし、降霜判定式を用いてどのように降霜予測を行うかを説明するためにステップS9から順に説明する。
降霜判定式とは、下記の式(1)のように気温Ta、相対湿度H、平均風速W、地表温度Tg及び放射収支Raを変数として降霜判定値Yを求めるもので、降霜判定値Y<0であれば霜が降ると判定する。各変数の重み付け係数K1〜K5及び定数Cは、降霜予測対象地域における過去の複数の現地気象データを判別分析法に基づいて演算処理することにより特定される(ステップS9)。さらに、このステップS9では、後に説明するステップS17によって、記憶部1cに記憶される現地気象データを一定期間毎に判別分析法に基づいて演算処理することにより降霜判定式を随時更新するので、最新の現地気象データに基づいた降霜予測を行うことができ、予測的中精度を高めることができる。
Y=K1・Ta+K2・H+K3・W+K4・Tg+K5・Ra+C (1)
本実施形態では、過去の現地気象データを判別分析法に基づいた演算処理を行い、重み付け係数K1〜K5及び定数Cを算出し式(2)を得た。この式(2)によると、従来の降霜判定条件で降霜予測をした場合の予測的中率83.1%に対して予測的中率85.1%と高くすることができる。
Y=1.5462Ta−0.0341H−0.0291W−0.7467Tg+4.2318Ra+7.3716 (2)
そして、降霜予測演算部1aは、上記のように降霜判定式を決定すると通信部1bを介して気象予報サーバ3から降霜予測対象地域の気象予報データを取得する(ステップS10)。その気象予報データの内、気温が8°Cより高いと霜は降らないと断定できるので、ステップ11では気温が8°C以下かどうかを判定する。気温が8°C以下であれば次のステップS12の動作を行い、8°Cより大きければ降霜予測を行う必要がないのでステップS15へ飛ぶ。ここでは、気温は8°C以下として説明を続けると、次に降霜予測演算部1aは気象予報データ、すなわち気温、相対湿度、平均風速、地表温度及び放射収支を式(2)に代入して降霜判定値Yを求める(ステップS12)。この降霜判定値Yが零より小さい場合に霜が降ると判定し(ステップS13)、警報を通信部1bを介してクライアントコンピュータ4に送り、農業関係者に霜が降るという予測結果を知らせる(ステップS14)。
次に降霜予測演算部1aは、予測結果に関わらず、降霜予測の対象となった日時に現地気象観測装置5から現地気象データを取得する(ステップS15)。そして、降霜判定式(2)と現地気象データとに基づいて降霜判定を行い、実際に霜が降ったか否かの降霜観測結果と比較することでその日の予測的中結果として記憶部1cに記憶する(ステップS16)。
次に降霜予測演算部1aは、降霜判定式の更新時期か否かを判定し(ステップS17)、更新時期であれば今までの期間に記憶部1cに記憶した現地気象データに基づき、判別分析法によって新たな降霜判定式を求め(ステップ9)、次回からはその更新された降霜判定式によって降霜予測を行う。
次に降霜予測演算部1aは、予測的中率算出時期か否かを判断し(ステップS17a)、まだその時期でなければステップS10へ戻る。ここで上述したように、ステップS1の初期設定として降霜判定条件を選択した場合、ステップS10〜ステップS14の動作は実際には行われず、ステップS9により降霜判定式が特定された後はステップS15とステップS17aの動作を一定期間繰り返し、記憶部1cにはその期間内の現地気象データと予測的中結果とが日時毎に順次保存される。
そして、一定期間が経過すると、降霜予測演算部1aは記憶部1cに記憶されている予測的中結果に基づき、その期間における降霜判定式を用いて降霜予測した場合の予測的中率Bを算出する(ステップS18)。
降霜予測演算部1aは、以上のようにして得られた予測的中率Aと予測的中率Bとを比較し、予測的中率が高い方の降霜予測処理に切り替えて次の降霜予測を行う(ステップS19)。ここで、予測的中率Aと予測的中率Bとが同じ値であれば降霜予測処理の切り替えは行われない。例えば、予測的中率Bが高ければ、次はステップS9から動作を行い、ステップS9〜ステップS17aの動作を一定期間繰り返すことになる。その場合は、ステップS2〜ステップS5の動作は行われず、ステップS6からS7aの動作が繰り返されることになる。そして、一定期間が経過すると再び予測的中率Aと予測的中率Bとが算出され、降霜予測処理の選択が行われる。
ステップS1の初期設定として降霜判定式を選択した場合は、ステップS9から動作を行い、ステップS9〜ステップS17aの動作を一定期間繰り返すことになる。その場合は、ステップS2〜ステップS5の動作は行われず、ステップS6からS7aの動作が繰り返される。そして、一定期間が経過すると予測的中率Aと予測的中率Bとが算出され降霜予測処理の選択が行われる。
このように本実施形態によると、一定期間毎に予測的中率の高い降霜予測処理を選択することで、降霜予測対象地域における地形及び気象条件に適した降霜予測を行うことができ、予測的中精度を上げることが可能である。
また、本実施形態では以上の降霜予測システムを完全に自動化するために、降霜観測器5gを使用している。従来では、霜が降ったか否かの確認は人の目で行っていた。しかし、霜の確認は気温の低い夜間から早朝にかけて行う必要があるので、作業者にとって大きな負担であった。このような観点からも降霜観測器5gを用いることは、システムの自動化のみならず人件費削減というメリットがある。以下降霜観測器5gについて説明する。
図3は、降霜観測器5gの構成を示す概略図である。符号20は赤外線カメラ、21は
霜を付着させるためのガラスシャーレ(観測対象物)であり、22はガラスシャーレ用台座である。赤外線カメラ20は、ガラスシャーレ21の表面状態を撮影できるように観測小屋23に設置されており、接続ケーブル24によって現地気象データ送信部5hに接続されている。赤外線カメラ20によって得られた画像データは現地気象データ送信部5hから降霜予測演算部1aに送られ、画像処理によって霜が降ったか否かを判定する。
なお、ガラスシャーレ21の表面状態について、霜の付着か結露かどうかの判断が困難な場合がある。そこで、本実施形態ではガラスシャーレ21に乾燥材としてシリカゲルを
入れておく。これによりガラスシャーレ21の結露を防止し、霜か結露かの誤判断を防ぐことができる。
また、赤外線カメラ20の赤外投光がガラスシャーレ21に反射してハレーションを起こし、ガラスシャーレ21に付着した霜の観測の妨げになる可能性がある。このハレーションの影響を低減するために本実施形態では赤外線カメラ20の設置場所を図3のように赤外線カメラ20の設置角度θ=45°、赤外線カメラ20とガラスシャーレ21との距離d=140cm、赤外線カメラ20の設置高さh1=120cm、ガラスシャーレ用台座22の高さh2=22cmとした。
以下、上記のような降霜予測演算部1aの画像処理動作について図4のフローチャートを用いて説明する。
降霜予測演算部1aは、赤外線カメラ20によって撮影されたガラスシャーレ21の表面状態の画像データを現地気象データ送信部5hから取得する(ステップS20)。ここで、赤外線カメラ20の赤外投光がガラスシャーレ21に反射してハレーションを起こすため、画像データにもハレーションが含まれてしまい、以下の画像処理を行う際に霜の付着と誤判断してしまう恐れがある。そこで、画像データからハレーション部分の切り出しを行う(ステップS20a)。次に、画像データに対して霜が有る部分と霜が無い部分とを区別するために2値化処理を行う(ステップS21)。2値化処理された画像データから霜有り部分と霜無し部分との面積比率を算出する(ステップS22)。次に上記面積比率とあらかじめ設定されている設定値との比較を行い(ステップS23)、面積比率>設定値であれば霜が降ったと判定し(ステップS24)、それ以外では、霜は降らなかったと判定する(ステップS25)。これらの判定結果は降霜観測結果として記憶部1cに記憶され(ステップS26)、予測的中率算出時に利用される。
上記のように、本実施形態では赤外線カメラ20の設置位置と画像処理によってハレーションの影響を防止したが、他の方法として赤外線カメラ20にIRフィルタを設けても良い。
以上のように、本実施形態によると、降霜予測的中精度の向上のみならず、降霜予測システムの自動化を実現できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)降霜判定条件として、気温<2°C、気温−3.5°C<露点温度、平均風速<1.5m/s及び相対湿度>85%を全て満足し、加えて気温降下度<−0.2°Cと放射収支<−0.2MJとの両方を満足した時に霜が降ると予測したが、上記の数値に限定されるものではなく、降霜予測対象地域の地形及び気象条件等の様々な特性を勘案して、その地域ごとに最も精度良く降霜予測を行える数値に変更しても良い。
(2)複数の現地気象データを判別分析して降霜判定式(1)を求める際に、各変数、気温Ta、相対湿度H、平均風速W、地表温度Tg及び放射収支Raに対応するF比をそれぞれ算出し、このF比が2.0以上の変数のみを降霜判定式(1)に用いるようにしても良い。ここでF比とは降霜判定値Yを求めるにあたって、その変数がどれだけの有意性を持っているかを表すものであり、F比が大きい程その変数は有意性をもっていることになる。従って、F比が小さい変数は使用しないことにより式(1)を簡略化することができる。
(3)図2のステップS19で、予測的中率Aと予測的中率Bとが同じ値であれば降霜予測処理の切り替えは行わないとしたが、その場合、さらに見逃し率(霜は降らないと予測したが実際には霜が降った率)を算出し、その見逃し率が低い方の降霜予測処理に切り替えるようにしても良い。この場合、見逃し率も同じ値であれば、降霜予測処理の切り替えは行わないようにする。
(4)上記実施形態では、降霜予測演算部1aは霜が降ると予測するとネットワーク2を介してクライアントコンピュータ4に単に警報を出力しただけであったが、これに限らず、例えば現地に凍結散水式または燃焼式等を用いた降霜対策装置を設け、その降霜対策装置を降霜予測演算部1aに接続して、降霜予測演算部1aが警報を出力すると同時に上記降霜対策装置の起動信号をも出力することで自動的に現地での降霜対策が行われるようにしても良い。このようにすることで降霜予測から現地での対策まで一貫して無人化及び自動化を実現できる。また、降霜対策装置はネットワーク2を介して降霜予測装置1と接続しても良い。
本発明の一実施形態に係わる降霜予測システムの構成図である。 本実施形態における降霜予測装置の降霜予測動作フローチャート図である。 本実施形態における降霜観測器の構成図である。 本実施形態における降霜予測装置の画像処理動作フローチャート図である。
符号の説明
1…降霜予測装置、2…ネットワーク、3…気象予報サーバ、4…クライアントコンピュータ、5…現地気象観測装置

Claims (6)

  1. ネットワークに接続され、当該ネットワークを介して気象予報データを提供する気象予報サーバと、
    降霜予測対象地域に設置され、当該降霜予測対象地域の気象を観測し、観測結果を現地気象データとして送信する現地気象観測装置と、
    前記ネットワークに接続され、前記気象予報サーバから提供された前記気象予報データと前記現地気象観測装置から受信した前記現地気象データとに基づいて、前記降霜予測対象地域の降霜予測を行い、当該降霜予測の結果を前記ネットワークを介して提供する降霜予測装置と、
    前記ネットワークに接続され、前記降霜予測装置から提供された降霜予測結果を報知するクライアントコンピュータと、を具備し、
    前記降霜予測装置は、
    前記降霜予測対象地域の気象予報データの内、気温、露点温度、平均風速、相対湿度、気温降下度及び放射収支に関する降霜判定条件を全て満足した場合に、前記降霜予測対象地域における降霜を予測する第1の降霜予測処理と、
    前記降霜予測対象地域の気象予報データである気温Ta、相対湿度H、平均風速W、地表温度Tg及び放射収支Ra、並びに当該各気象予報データに関する重み付け係数K1〜K5及び定数Cから降霜判定値Yを求める下記降霜判定式(1)について、前記降霜予測対象地域における複数の現地気象データを判別分析法に基づいて演算処理することにより前記重み付け係数K1〜K5及び定数Cを特定して前記降霜予測対象地域における降霜を予測する第2の降霜予測処理とのいずれか一方を択一的に用いる降霜予測演算部と、
    記憶部と、を有し、
    前記降霜予測演算部は、
    前記第1の降霜予測処理または第2の降霜予測処理のいずれか一方を用いて降霜予測を行う毎に、前記現地気象データと、前記現地気象データを前記降霜判定条件に当てはめて得られた降霜予測結果と前記現地気象観測装置から受信した実際の降霜観測結果とを比較して得られた前記第1の降霜予測処理の予測的中結果と、前記現地気象データを前記降霜判定式に当てはめて得られた降霜予測結果と前記降霜観測結果とを比較して得られた前記第2の降霜予測処理の予測的中結果とを前記記憶部に記憶し、
    前記降霜判定式の更新時期が到来した場合、前記記憶部に記憶されている前記現地気象データを判別分析法に基づいて演算処理して前記重み付け係数K1〜K5及び定数Cを新たに特定することにより前記降霜判定式を更新し、
    予測的中率算出時期が到来した場合、前記記憶部に記憶されている前記第1の降霜予測処理の予測的中結果と前記第2の降霜予測処理の予測的中結果とを基に、前記第1の降霜予測処理の予測的中率と前記第2の降霜予測処理の予測的中率とを算出し、予測的中率の高い方の降霜予測処理を次回からの降霜予測処理として選択する、
    ことを特徴とする降霜予測システム。
    Y=K1・Ta+K2・H+K3・W+K4・Tg+K5・Ra+C (1)
  2. 前記降霜判定条件として、気温<2°C、気温−3.5°C<露点温度、平均風速<1.5m/s、相対湿度>85%、気温降下度<−0.2°C、放射収支<−0.2MJを用いることを特徴とする請求項1記載の降霜予測システム。
  3. 前記降霜予測対象地域に設置されると共に、前記降霜予測演算部による制御の下、前記降霜予測対象地域への降霜が予測された場合に所定の降霜対策を実施する降霜対策装置を具備することを特徴とする請求項1または2に記載の降霜予測システム。
  4. 前記現地気象観測装置は、所定の観測対象物への霜の付着状態を撮影する降霜観測器を備え、
    前記降霜予測演算部は、前記現地気象観測装置から前記観測対象物への霜の付着状態を示す画像データを取得し、当該画像データを2値化処理することによって実際の降霜の有無を判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の降霜予測システム。
  5. 前記観測対象物に乾燥剤を添加することを特徴とする請求項4記載の降霜予測システム
  6. 前記降霜予測演算部は、前記観測対象物の画像データに含まれるハレーションを除去した後に2値化処理を行うことを特徴とする請求項4または5記載の降霜予測システム
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