JP2018141583A - ボイラー装置 - Google Patents

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誠也 長谷川
Masaya Hasegawa
誠也 長谷川
誠 森田
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誠 森田
川村 祐一
Yuichi Kawamura
祐一 川村
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Abstract

【課題】外枠内における制御基板付近の温度上昇を抑制するボイラー装置を提供する。【解決手段】ボイラー装置100は、屋外に設置する外枠1と、外枠1内に配置されており燃油を燃焼させるバーナ部2と、バーナ部2の燃焼によって内方の熱媒体が加熱される缶体3と、外枠1内に配設された制御基板4と、を有する。外枠1は、前面に配設された前扉141と、前扉141の内側に配設された板状の断熱材91と、を有する。制御基板4は、前扉141に対面するように外枠1内に収容されている。断熱材91は、制御基板4に対面する対面領域を含む領域の厚みが減少され、または当該対面領域を含む領域が開口された断熱抑制領域92を備えている。【選択図】図4

Description

本発明は、ボイラー装置に関し、特に、外枠内にバーナ部の燃焼によって内方の熱媒体が加熱される缶体が配置されたボイラー装置に関する。
外枠内にバーナ部の燃焼によって内方の熱媒体が加熱される缶体が配置されたボイラー装置として、例えば1台で給湯、温水暖房、および風呂の追焚きが可能なボイラー装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−235167号公報
特許文献1に記載のボイラー装置は、全体構成が大型化することから、屋外に設置されるものである。したがって、冬期に外枠内の配管等の部品が凍結することを防止するために、外枠の内側に断熱材が設けられている。一方、このボイラー装置は、外枠内にお湯を貯溜する缶体を備えているため、特に夏期において、外枠内の温度が高くなり過ぎると制御基板等の機能部品に悪影響を及ぼすおそれがある。このため、このボイラー装置は、換気扇を作動させて外枠内を換気することで、外枠内の温度を下げていた。
しかしながら、特許文献1に記載のボイラー装置は、外枠を構成するパネルの接合部の隙間から換気用の空気が外枠内に吸入される構成となっているため、換気扇が作動した場合でも外枠内への空気の吸入が十分とは言えなかった。このため、例えば夏期の炎天下において、特に耐熱温度が低い制御基板付近の温度が十分に低下せず、制御基板の耐久性に悪影響を及ぼすおそれがある。
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、外枠内における制御基板付近の温度上昇を抑制することができるボイラー装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係るボイラー装置は、屋外に設置する外枠と、前記外枠内に配置されており、燃油を燃焼させるバーナ部と、前記外枠内に配置されており、前記バーナ部の燃焼によって内方の熱媒体が加熱される缶体と、前記外枠内に配設された制御基板と、を有するボイラー装置であって、前記外枠は、前面に配設された前扉と、この前扉の内側に配設された板状の断熱材と、を有し、前記制御基板は前記前扉に対面するように前記外枠内に収容され、前記断熱材は、前記制御基板に対面する対面領域を含む領域の厚みが減少され、または当該領域が開口された断熱抑制領域を備えたこと、を特徴とする。
このような構成では、前記前扉の内側に配設された板状の断熱材は、前記制御基板に対面する対面領域を含む領域において断熱抑制領域を備えたことで、前扉は、断熱抑制領域を介して制御基板に対面する。断熱抑制領域では、断熱効果が抑制されるため、前扉への伝熱作用が向上する。これにより、制御基板の前面に滞留する加温状態の空気(加温空気)の熱が前扉に伝搬され易くなる。前扉に伝搬された熱は自然放熱によって外気へ発散される。
このようにして、本発明は、制御基板付近の環境温度(外枠内の機内温度)を低下、ないし温度上昇を抑制する。
したがって、本発明によれば、制御基板の温度上昇を抑制して、耐久性の低下を防止することができる。また、例えば換気扇を停止した状態においても自然放熱による冷却効果によって制御基板の温度上昇を抑制することができる。このようにして、本発明に係るボイラー装置は、断熱が必要な部分は充分な断熱効果を確保して無駄な放熱を抑えながら、制御基板付近の機内温度を効果的に低下させることができる。
前記ボイラー装置において、前記制御基板の上方には、当該制御基板の前面に滞留する空気を上方へ流動させる流通領域が設けられていること、が好ましい。
断熱抑制領域を形成したことで、制御基板の前面に滞留する空気を上方へ流動させる流通領域を設けることができる。このような構成では、制御基板の前面に滞留する加温空気の流動性を促進させて、制御基板の温度上昇をより抑制して、耐久性の低下を防止することができる。
本発明によれば、外枠内における制御基板付近の温度上昇を抑制することができるボイラー装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るボイラー装置を示す概略構成図である。 バーナ部の概略構成図である。 図1のIII−III線に沿う概略断面図である。 前扉の内側に配設された断熱材および機能室に配設された制御基板を示す分解斜視図である。 図5(a)は、本実施形態に係る換気用給気口周辺の縦断面図、図5(b)は、変形例に係る換気用給気口周辺の縦断面図、図5(c)は、他の変形例に係る換気用給気口周辺の縦断面図である。 ボイラー装置の動作を説明するための図であり、機能室の内部を燃油の搬送経路を省略して示す右側面図である。 ボイラー装置の機能室の内部を燃油の搬送経路を含んで示す右側面図である。 図8(a)は、本実施形態に係るボイラー装置の正面図、図8(b)は、変形例に係るボイラー装置の正面図、図8(c)は、他の変形例に係るボイラー装置の正面図である。 図9(a)は、本実施形態に係る換気用排気口周辺の縦断面図、図9(b)は、比較例に係る換気用排気口周辺の縦断面図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を適宜省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るボイラー装置100を示す概略構成図である。図2は、バーナ部2の概略構成図である。図3は、図1のIII−III線に沿う概略断面図である。本実施形態に係るボイラー装置100は、1台で給湯、温水暖房、および風呂の追焚きが可能なボイラー装置である。
図1に示すように、ボイラー装置100は、屋外に設置する外枠1を備えている。外枠1内には、下仕切板12と上仕切板13とで仕切られて上下方向に3分割されることによって、中央に機能室14、下方に配管室15、上方に排気室16が形成されている。
外枠1は、図4に示すように、前面に配設された前扉である中央前パネル141と、機能室14の前面に横方向に配設された補強板142と、を備えている。中央前パネル141は、外枠1のうちの機能室14の前面を覆う部分である。
機能室14は、バーナ部2等の機能部品を収容している。配管室15は、屋内の機器と配管接続するために使用される。排気室16には、燃焼用空気を吸引して外枠1内に供給するとともに排気ガスを外枠1の外方へ排出する2重管構造の給排気筒17が設けられている。
外枠1の機能室14内には、気化した石油等の燃油を燃焼させるバーナ部2と、バーナ部2の燃焼によって内方に貯溜した水等の熱媒体が加熱される円筒缶状の缶体3とが配置されている。缶体3は、載置台121(図6参照)に設置されている。また、機能室14内には、制御基板4が収容されている。制御基板4は、電子部品が実装されたプリント基板であり、ボイラー装置100の各部の動作を制御する。
制御基板4は、図4に示すように、中央前パネル141に対面するように機能室14内に配設されている。制御基板4は、制御基板ケース41に収容されている。制御基板ケース41の上部は、補強板142に固定されている。制御基板ケース41の下部は、缶体3の載置台121に固定されている。
外枠1の内面には板状の断熱材9が貼り付けられており、これにより、内方の保温効果が高まる。断熱材9としては、例えばグラスウールやロックウールが使用され得る。
なお、断熱材9は、所定の厚さ(例えば、10〜25mm程度)を有しているが、図1では、説明の便宜上、断熱材9の厚さの図示を省略し、図4、図6、および図7では厚さを図示している。
中央前パネル141の内側には、断熱材9である前面断熱材91が配設されている。前面断熱材91は、制御基板4に対面する対面領域を含む領域が開口された断熱抑制領域92を備えている。断熱抑制領域92は、正面視で長方形に切り取った切り欠き部分の領域である。
断熱抑制領域92では、長方形の上辺が制御基板4よりも高い位置で横方向に延びている。長方形の左辺は制御基板4の左辺に適合させている。長方形の右辺は、中央前パネル141の右辺まで延びている。長方形の下辺は、中央前パネル141の下辺まで延びている。なお、断熱抑制領域92の形状や大きさは、ボイラー装置100の用途や使用条件等を考慮して、適宜設定される。
かかる構成により、ボイラー装置100は、図6に示すように、断熱抑制領域92を備えたことで、中央前パネル141は、制御基板4に対面する。断熱抑制領域92では、断熱材9がないので、中央前パネル141への伝熱作用が向上する。これにより、制御基板4の前面に滞留する加温空気の熱が中央前パネル141に直接伝搬される。中央前パネル141に伝搬された熱は、外気へ自然放熱される(符号H参照)。
制御基板4に対面する対面領域を含む領域とは、対面領域と同じ領域、対面領域の一部と同じ領域、および対面領域の全部よりも大きい領域を意味するが、缶体3と後述する湯水の搬送経路に対面する領域を除くことが好ましい。
つまり、缶体3および湯水の搬送経路(缶体3の下方、および缶体3の図1における左側)に対面する領域は、前面断熱材91が設置されている。これにより、本発明に係るボイラー装置100は、断熱が必要な部分は充分な断熱効果を確保して無駄な放熱を抑えながら、制御基板4付近の機内温度を効果的に低下させることができる。
断熱抑制領域92は、制御基板4の上方まで形成されていることで、制御基板4の上方には、制御基板4の前面に滞留する空気を上方へ流動させ易くする流通領域42が設けられている。流通領域42を設けることで、制御基板4の前面に滞留する加温空気や換気用給気口82から供給された外気Fの流動性を促進させることができる。
より詳細に説明すると、前面断熱材91は、補強板142より高い位置でカットされ、断熱抑制領域92の上辺が補強板142より高い位置にあることで、制御基板4を収容した制御基板ケース41の上方まで断熱抑制領域92が形成され、補強板142の上端と断熱抑制領域92の上辺との間に流通領域42が形成されるので、制御基板4前面に滞留する加温空気が補強板142の前面側を通過して上方へ抜けやすくなり、制御基板4前面に滞留する加温空気、および換気用給気口82から供給された外気Fの流動性を促進させることができる。
図2に示すように、バーナ部2は、気化部21と燃焼部22とを備えている。気化部21は、燃油を気化させるアルミダイキャスト製の気化器211と、気化器211の下方に設けられた混合室212とを有している。混合室212において、気化器211で気化した燃油(気化ガス)と一次空気とが予混合される。気化器211には、燃油を気化可能な温度まで加熱する加熱用ヒータとしての気化器ヒータ213が備えられている。燃焼部22は、混合室212の上方で気化器211の背面側に備えられており、混合室212で予混合された予混合ガスを燃焼させる。燃焼部22の上方には、先端部で火花放電させることによって点火を行う点火プラグ221と、バーナ部2で発生した火炎に流れる電流を検知することによって燃焼状態を検知するフレームロッド222とが配置されている。点火プラグ221には、イグナイタ223から放電用の電力が供給される。
気化器211の正面側には、気化器211に燃油を噴霧するノズル23が設けられている。レベラータンク231に貯溜されている燃油は、電磁ポンプ232によって、送油管233を介してノズル23に圧送される。レベラータンク231には、汲み上げポンプ234によって、外部に設置された燃油タンクから燃油が汲み上げられる。
バーナ部2とカバー枠25との間には、空気室26が形成されている。燃焼ファン73の作動によってバーナ部2へ供給される燃焼用空気は、気化部21には予混合用の一次空気として供給され、空気室26には混合室212の下方を通って燃焼部22で燃焼する二次空気として供給される。
図1に示すように、缶体3内には、給水管51から供給される水を缶体3内の加熱された熱媒体によって加熱する給湯用熱交換器5が配置されている。給湯用熱交換器5には、該給湯用熱交換器5から出るお湯を供給する給湯管52が接続されている。給水サーミスタ53および給水フローセンサ54を備えた給水管51を介して給湯用熱交換器5に流入する水(水道水)は、缶体3内の熱媒体と熱交換させられる。そして、給湯用熱交換器5から出るお湯は、膨張吸収器55、ミキシング弁56、水比例弁57および給湯サーミスタ58を備えた給湯管52を介して、各所に給湯される。給水管51および給湯管52は給湯回路50を構成している。なお、給湯されるお湯は、ミキシング弁56において水道水と混合されて適温に調整される。
また、缶体3内には、風呂戻り管61から流入する浴槽水を缶体3内の加熱された熱媒体によって加熱する風呂用熱交換器6が配置されている。風呂用熱交換器6は、給湯用熱交換器5よりも下方に配置されている。風呂用熱交換器6には、該風呂用熱交換器6から出る昇温された浴槽水を浴槽(図示せず)に戻す風呂往き管62が接続されている。圧力センサ63、風呂用ポンプ64および風呂フローセンサ65を備えた風呂戻り管61を介して風呂用熱交換器6に流入する浴槽水は、缶体3内の熱媒体と熱交換させられる。そして、風呂用熱交換器6から出る昇温された浴槽水は、風呂往き管62を介して浴槽に戻る。この循環が順次繰り返される。風呂戻り管61および風呂往き管62は、浴槽水の追焚きを行う風呂回路60を構成している。
缶体3は、循環回路31によって屋内に設置した放熱器(図示せず)と連結されている。循環回路31は、缶体3の上部に接続された暖房往き管32と、缶体3の下部に接続され途中に気水分離器34および暖房用ポンプ35を備えた暖房戻り管33とで構成されている。
缶体3の側面には、該缶体3の上部と下部とを連通する連通管36が接続されており、連通管36は、その途中に撹拌ポンプ37を備えている。これにより、缶体3内に貯溜する熱媒体の上下の温度差を少なくして、熱媒体の温度をより均一にすることができる。
外枠1の配管室15の内方には、保温用放熱器38が配置されている。保温用放熱器38は、循環回路31の温水の一部を利用して凍結防止用の放熱を行うものであり、放熱タンク39と連通している。
外枠1内には、外枠1の外方から燃焼用空気を吸引してバーナ部2へ供給する給気管71が設けられており、給気管71は、その途中に燃焼ファン73を備えている。給気管71は、排気室16から機能室14まで延在している。給気管71の外枠1外へ突出する開口端は、外枠1の外方からバーナ部2へ供給する燃焼用空気が通過する燃焼用給気口72を構成している。
外枠1の排気室16内には、缶体3の上方に設けられたサイレンサ部74と連通し、排気ガスを外枠1の外方へ排出する排気管75が設けられている。排気ガスは、缶体3の内部に鉛直方向に沿って形成された複数の煙管(図示せず)を介してバーナ部2からサイレンサ部74に流れる。排気管75の外枠1外へ突出する開口端は、外枠1の外方へ排出する排気ガスが通過する燃焼用排気口76を構成している。
図3に示すように、排気管75の終端側は、給気管71の内部に配置されており、給排気筒17を構成している。排気管75の終端部の外周面には円盤状のガイド部材77が設けられている。排気管75から排出される排気ガスは、排気管75の開口端である燃焼用排気口76から軸方向(図3の矢印A方向)に排出される。一方、給気管71に吸引される燃焼用空気は、ガイド部材77によって半径方向内方(図3の矢印B方向)に案内されて、燃焼用給気口72の周囲から給気管71内へ吸引される。
図1に示すように、給湯管52には、湯張り回路66が接続されている。湯張り回路66は、給湯管52から分岐し、三方弁67を介して風呂戻り管61に接続している。湯張り回路66は、その途中に湯張り電磁弁68および湯張りフローセンサ69を備えており、給湯回路50を介して風呂の湯張りも容易に行えるようにしたものである。
外枠1内には、該外枠1内を換気する換気扇8が配置されている。換気扇8は、機能室14と排気室16との間を仕切る上仕切板13に形成された取付け孔131に設置されている。外枠1の機能室14内には、外枠1内の温度を検出する温度センサ81が配置されている。
本実施形態では、換気扇8は、温度センサ81によって検出された外枠1内の温度が所定の上限値以上となったときに作動し、外枠1内の温度が所定の下限値よりも低くなったときに停止する。
外枠1のうちの機能室14の前面を覆う部分である中央前パネル141(図4参照)には、外枠1の外方から供給され換気扇8に吸引される空気が通過する換気用給気口82が設けられている。一方、外枠1のうちの排気室16の前面を覆う部分である上方前パネル161(図8参照)には、換気扇8から送出され外枠1の外方へ排出される空気が通過する換気用排気口85が設けられている。
換気扇8が作動されると、外気が外枠1の外方から換気用給気口82を経て外枠1内に供給されるとともに、外枠1内の温度上昇した空気が換気用排気口85を経て外枠1の外方へ放出される。これにより、外枠1内の温度上昇が抑制される。
図4は、ボイラー装置100の機能室14を示す分解斜視図である。図5(a)は、図4のVa−Va線に沿う断面図であり、本実施形態に係る換気用給気口82周辺の縦断面図である。図5(b)は、変形例に係る換気用給気口82周辺の縦断面図である。図5(c)は、他の変形例に係る換気用給気口82a周辺の縦断面図である。
図1、図4に示すように、制御基板4の上方に換気扇8が配置されており、制御基板4の下方に換気用給気口82が配置されている。換気扇8および制御基板4は、外枠1内における正面側(中央前パネル141に近い側)に配置されている。
図1に示すように、換気扇8、制御基板4および換気用給気口82は、正面視して一の鉛直線L上に配置されていることが望ましい。この鉛直線Lは、本実施形態では、缶体に対して正面視して右側に存在する。一方、缶体3の内部と外枠1の外方との間を出入りする湯水の搬送経路である循環回路31、給湯回路50および風呂回路60は、缶体に対して正面視して鉛直線Lとは左右方向において反対側(ここでは左側)を通るように配置されている。
図5(a)に示すように、換気用給気口82は、外枠1の外方へ突出し先端を下方へ傾斜させた複数の折曲片83を有する鎧戸状の換気用給気口である。鎧戸状の換気用給気口82によれば、外枠1の外方から空気が図5(a)中の矢印方向に流れて供給される一方で、外部から雨等の水分が折曲片83によって遮られて外枠1内に侵入することを抑制できる。
なお、図5(b)に示すように、換気用給気口82の裏側(背面側)に、一定の間隔を置いて換気用給気口82を覆うカバー部材84が設けられていてもよい。この構成では、換気用給気口82から水分が万一入り込んだとしても、カバー部材84に衝突して遮られるため、外枠1内に広がることを防止できる。また、換気扇8作動時に外枠1の外方から換気用給気口82を経て外枠1内に供給される外気は、カバー部材84の内面に沿って図5(b)中の矢印方向に流れて制御基板4の方へ導かれる。これにより、外枠1内の制御基板4周辺の温度上昇がより抑制される。また、図5(c)に示すように、外枠1の内方へ突出し先端を上方へ傾斜させた複数の折曲片83aを有する鎧戸状の換気用給気口82aが採用されてもよい。
図6は、ボイラー装置100の機能室14の内部を燃油の搬送経路を省略して示す右側面図である。図6に示すように、換気用給気口82は、給水管51における換気用給気口82に最も近い部位P1よりも上に位置している。また、換気用給気口82は、給湯管52における換気用給気口82に最も近い部位P2よりも上に位置している。
図7は、ボイラー装置100の機能室14の内部を燃油の搬送経路を含んで示す右側面図である。図7に示すように、外枠1内における換気用給気口82の裏側には、レベラータンク231、電磁ポンプ232、送油管233、汲み上げポンプ234等の、バーナ部2に供給する燃油の搬送経路が配置されている。
図8(a)は、本実施形態に係るボイラー装置100の正面図である。図8(b)は、変形例に係るボイラー装置100aの正面図である。図8(c)は、他の変形例に係るボイラー装置100bの正面図である。図9(a)は、図8(a)のIXa−IXa線に沿う断面図であり、本実施形態に係る換気用排気口85周辺の縦断面図である。図9(b)は、比較例に係る換気用排気口85a周辺の縦断面図である。
図8に示すように、換気用排気口85は、燃焼用給気口72に隣設されている。換気用排気口85と燃焼用給気口72との間の離隔距離は、例えば燃焼用給気口72の直径以下に設定される。
図9(a)に示すように、換気用排気口85は、外枠1の外方へ突出し先端を下方へ傾斜させた複数の折曲片86を有する鎧戸状の換気用排気口である。鎧戸状の換気用排気口85によれば、外枠1の外方へ空気が図9(a)中の矢印方向に流れて排出される一方で、外部から雨等の水分が折曲片86によって遮られて外枠1内に侵入することを抑制できる。図9(a)に示す本実施形態では、外枠1内の温まった空気は、外枠1内においては折曲片86に遮られることなく換気用排気口85へ向かうとともに、換気用排気口85から外に出た空気は折曲片86によって下方へ案内されて流れるため分散しにくい。
一方、図9(b)に示す比較例に係る換気用排気口85aは、外枠1の内方へ突出し先端を上方へ傾斜させた複数の折曲片86aを有する鎧戸状の換気用排気口である。図9(b)に示す比較例では、外枠1内の温まった空気は、外枠1内においては折曲片86aに遮られるために図9(b)中の矢印方向に蛇行して流れて換気用排気口85aへ向かうとともに、換気用排気口85aから外に出た空気は流れの方向が定まらず分散しやすい。
本実施形態に係るボイラー装置100では、換気用排気口85は、図8(a)に示すように正面視して燃焼用給気口72の左側に隣設されている。ただし、換気用排気口85の設置位置は、特に限定されるものではない。例えば図8(b)に示すボイラー装置100aのように、正面視して燃焼用給気口72の上側に隣設されていてもよい。この構成では、折曲片86の延伸方向を燃焼用給気口72の方へ向けることができるが、ボイラー装置100aの全高さが高くなる。また、例えば図8(c)に示すボイラー装置100bのように、正面視して燃焼用給気口72の右側に隣設されていてもよい。
次に、本実施形態に係るボイラー装置100の動作について、換気扇8を作動させている状態と、換気扇8を作動させていない状態に分けて主として図6を参照しながら説明する。
〈換気扇8を作動させている状態〉
給湯、温水暖房、あるいは風呂の追焚きの要求があれば、バーナ部2が燃焼を開始して缶体3内の熱媒体が加熱される。給湯が要求される場合には、給湯用熱交換器5を流通する水が加熱され、給湯管52を介して給湯が行われる。風呂の追焚きが要求される場合には、風呂用熱交換器6に風呂用ポンプ64の駆動で浴槽水を循環させることによって風呂の追焚きが行われる。また、温水暖房が要求される場合には、循環回路31の暖房用ポンプ35を駆動させることによって、缶体3内の熱媒体がそのまま循環して、屋内に設置した放熱器を介して温水暖房が行われる。
前記したように本実施形態に係るボイラー装置100では、外枠1内にバーナ部2の燃焼によって内方の熱媒体が加熱される缶体3が配置されている。また、ボイラー装置100は、外枠1内に収容されている制御基板4と、外枠1内を換気する換気扇8と、外枠1の外方から供給され換気扇8に吸引される空気が通過する換気用給気口82とを備えている。そして、制御基板4の上方に換気扇8が配置され、制御基板4の下方に換気用給気口82が配置されている。
このような本実施形態では、換気扇8作動時に換気用給気口82を経て外気が外枠1内に供給され易くなり、外枠1内への換気用の空気の取込み量が増える。そして、換気用給気口82から供給された外気は、制御基板4に対面する対面領域より下方に位置する断熱抑制領域92または対面領域の右側方側の断熱抑制領域92から、換気扇8の方へ吸引されるため、上下方向において換気扇8と換気用給気口82との間に位置する制御基板4付近、言い換えると、制御基板4に対面する断熱抑制領域92を通過し易くなる。制御基板4付近を通過した外気Fは、流通領域42を通って換気扇8の方へ向かって上昇する。
したがって、本実施形態によれば、外枠1内における制御基板4付近の温度をより低下させることが可能となる。これにより、例えば夏期において、耐熱温度が比較的低い制御基板4が熱によって劣化等の悪影響を受けることを抑制できる。
また、本実施形態では、外枠1内に、外枠1の外方から缶体3の内部に入る水を供給する給水管51と、缶体3の内部から外枠1の外方へ出るお湯を供給する給湯管52とが配置されている。そして、換気用給気口82は、給水管51および給湯管52の各々における換気用給気口82に最も近い部位P1,P2よりも上に位置している。この構成では、冬期において、換気用給気口82から供給された冷たい外気が、給水管51および給湯管52の各々における換気用給気口82に最も近い部位P1,P2に当たることを抑制できる。したがって、冬期に外枠1内の給水管51および給湯管52が凍結することを抑制できる。
また、本実施形態では、外枠1内における換気用給気口82の裏側には、バーナ部2に供給する燃油の搬送経路が配置されている。この構成では、冬期において、換気用給気口82から供給された冷たい外気が、バーナ部2に供給する燃油の搬送経路に当たったとしても、燃油の凝固点は例えば−40℃以下とかなり低いため、凍結のおそれはない。したがって、冬期における凍結を考慮することなく、燃油の搬送経路を外枠1内における換気用給気口82の裏側に配置でき、レイアウトの自由度が向上する。
また、本実施形態では、換気扇8、制御基板4および換気用給気口82は、正面視して一の鉛直線L上に配置されている。この構成では、換気扇8作動時に換気用給気口82から供給された外気は、換気扇8の方へ吸引される際に、正面視して一の鉛直線L上において換気用給気口82と換気扇8との間に位置する制御基板4付近をより通過し易くなる。したがって、外枠1内における制御基板4付近の温度をより一層低下させることが可能となる。
また、本実施形態では、缶体3の内部と外枠1の外方との間を出入りする前述の湯水の搬送経路が、缶体3に対して正面視して鉛直線Lとは左右方向において反対側を通るように配置されている。この構成では、冬期において、換気用給気口82から供給された冷たい外気が、缶体3の内部と外枠1の外方との間を出入りする湯水の搬送経路に当たることを抑制できる。したがって、冬期において湯水の搬送経路が凍結することを抑制でき、湯水の搬送経路の無駄な放熱を抑制できる。
〈換気扇8を作動させていない状態〉
換気扇8を作動させていない状態では、制御基板4の前面に滞留する加温空気の熱が断熱抑制領域92を通過して中央前パネル141に直接伝搬され、外気へ自然放熱される。
このようにして、ボイラー装置100は、制御基板4付近の機内温度を低下させる。このため、換気扇8の稼働時間を抑制して省エネ化を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、説明の便宜上、換気扇8を作動させている状態と換気扇8を作動させていない状態とを分けて説明したが、作用効果としては厳格に区分けされるものではなく、換気扇8を作動させている状態においても自然放熱による冷却効果は生じている。
以上、本発明について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、前記実施形態に記載した構成を適宜組み合わせ乃至選択することを含め、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。また、前記実施形態の構成の一部について、追加、削除、置換をすることができる。
例えば、前記した実施形態では、前面断熱材91において、制御基板4に対面する対面領域を含む領域が開口された断熱抑制領域92を設けたが、これに限定されるものではなく、ボイラー装置100の目的や仕様、制御基板4の耐熱性等に応じて、機内の温度上昇を抑制するものであるから、制御基板4に対面する対面領域を含む断熱抑制領域92の前面断熱材91の厚みを他の領域よりも減少させて断熱効果を適宜調整してもよい。
また、前記した実施形態では、缶体3内の熱媒体が温水暖房に使用されているが、給湯用に使用されてもよい。また、缶体3内に配置された熱交換器が給湯用に使用されているが、暖房用に使用されてもよい。
1 外枠
2 バーナ部
3 缶体
4 制御基板
5 給湯用熱交換器
6 風呂用熱交換器
8 換気扇
9 断熱材
21 気化部
22 燃焼部
31 循環回路
41 制御基板ケース
42 流通領域
50 給湯回路
51 給水管
52 給湯管
60 風呂回路
72 燃焼用給気口
76 燃焼用排気口
82,82a 換気用給気口
85 換気用排気口
86 折曲片
91 前面断熱材(断熱材)
92 断熱抑制領域
100,100a,100b ボイラー装置
141 中央前パネル(前扉)
231 レベラータンク
232 電磁ポンプ
233 送油管
234 汲み上げポンプ

Claims (2)

  1. 屋外に設置する外枠と、
    前記外枠内に配置されており、燃油を燃焼させるバーナ部と、
    前記外枠内に配置されており、前記バーナ部の燃焼によって内方の熱媒体が加熱される缶体と、
    前記外枠内に配設された制御基板と、を有するボイラー装置であって、
    前記外枠は、
    前面に配設された前扉と、
    この前扉の内側に配設された板状の断熱材と、を有し、
    前記制御基板は前記前扉に対面するように前記外枠内に収容され、
    前記断熱材は、前記制御基板に対面する対面領域を含む領域の厚みが減少され、または当該領域が開口された断熱抑制領域を備えたこと、
    を特徴とするボイラー装置。
  2. 前記制御基板の上方には、当該制御基板の前面に滞留する空気を上方へ流動させる流通領域が設けられていること、
    を特徴とする請求項1に記載のボイラー装置。
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