JP2018141211A - 摺動部材用銅合金及び摺動部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】摺動部材用銅合金において被削性と耐摩耗性とを両立する。【解決手段】一実施形態に係る摺動部材用銅合金は、25重量%以上50重量%以下のZnと、1重量%以上7重量%以下のMnと、0.5重量%以上3重量%以下のSiと、10重量%以下のBiとを含有し、残部がCu及び不可避不純物からなり、β相及びγ相を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、摺動部材用銅合金及び摺動部材に関する。
Cu及びZnを含むマトリクスにMn−Si化合物の粒子を分散させた摺動部材用銅合金が知られている。例えば特許文献1には、耐摩耗性を向上させるため、Mn−Si初晶、並びにMn−Si及びCu−Znの共晶を含む銅合金が記載されている。
特開2015−206099号公報
特許文献1に記載の技術において、Mn−Si化合物は硬さが1000Hv程度であるため被削性に改善の余地があった。
これに対し本発明は、Cu−Zn−Mn−Si系の摺動部材用銅合金において被削性と耐摩耗性とを両立する技術を提供する。
本発明は、25重量%以上50重量%以下のZnと、1重量%以上7重量%以下のMnと、0.5重量%以上3重量%以下のSiと、10重量%以下のBiとを含有し、残部がCu及び不可避不純物からなり、β相及びγ相を含む摺動部材用銅合金を提供する。
断面における前記γ相の面積率が、2%以上70%以下であってもよい。
この摺動部材用銅合金は、Cu−Zn及びMn−Siの共晶をさらに含んでもよい。
断面における前記共晶の面積率が、60%以下であってもよい。
この摺動部材用銅合金は、Mn−Si初晶をさらに含んでもよい。
また、本発明は、上記いずれかの摺動部材用銅合金を用いた摺動部材を提供する。
本発明によれば、摺動部材用銅合金において被削性と耐摩耗性とを両立することができる。
一実施形態に係る摺動部材1を例示する斜視図。 摺動部材用銅合金の断面組織を例示する模式図。 摺動部材用銅合金の断面写真の一例。 摺動部材用銅合金の断面写真の一例。 摺動部材1の製造方法を例示するフローチャート。
1.構成
図1は、一実施形態に係る摺動部材1を例示する斜視図である。この例において、摺動部材1は、円筒形状を有するいわゆるブシュである。摺動部材1は、例えば内燃機関用のターボ式過給機において用いられるフローティングブシュである。摺動部材1は、シャフト2を回転可能な状態で支持するすべり軸受である。シャフト2においては、タービン翼及びコンプレッサ翼(いずれも図示略)が軸方向の両端に固定される。摺動部材1は、シャフト2に作用する径方向の荷重を支持する。摺動部材1において軸方向に直交する断面は円環形状を有している。摺動部材1において、内周面がシャフト2と摺動する。内周面すなわち摺動面には潤滑油が供給される。
摺動部材1は、銅合金で形成される。この銅合金は、本発明に係る摺動部材用銅合金の一例である。この銅合金は、いわゆるCu−Zn−Mn−Si系の銅合金であり、以下の組成を有する。
(A)25重量%以上50重量%以下のZn。
(総Zn当量が45%以上60%以下に相当)。
(B)1重量%以上7重量%以下のMn。
(C)0.5重量%以上3重量%以下のSi。
(D)10重量%以下のBi。
なお、残部はCu及び不可逆不純物からなる。不可避不純物は、例えば、Al、Fe、Sn、Mg、Ni、Ti、B、Pb、及びCrの少なくとも1種を含む。不可逆不純物は、例えば、精錬又はスクラップにおいて混入する。不可避不純物の含有量は、一例として、総量で1.0重量%以下である。
図2は、一実施形態に係る銅合金の断面組織を例示する模式図である。図3及び図4は、一実施形態に係る銅合金の断面写真の一例である。図3及び図4の断面写真は、電子顕微鏡(日本電子製JXA8100)を用いて1000倍の倍率において撮影した組成像である。なお、図3は後述する実施例における実験例1の断面写真であり、図4は実験例2の断面写真である。
この銅合金の組織は、初晶11、共晶12、マトリクス13、γ相14、及びBi相15を含む。初晶11は、Mn−Si系の初晶に相当する相である。図3及び図4の写真においては黒色の領域として写っている。共晶12は、Cu−Zn及びMn−Siの共晶である。図3及び図4の写真においては黒斑を含む灰色の領域として写っている。共晶12は、Mn−Si相121及びCu−Zn相122を含む。共晶12は、Cu−Zn相122(灰色の領域)にMn−Si相121(黒斑に相当する領域)が分散された組織を有する。マトリクス13は、Cu−Znマトリクスに相当する相である。図3及び図4の写真においては灰色の領域として写っている。マトリクス13は、β相131を含む。β相131は、Cu−Zn2元系におけるβ相に相当する相である。ただし、β相131は、純粋なCu−Zn2元系におけるβ相ではなく、微量のMn及びSiを含む。γ相14は、Cu−Zn2元系におけるγ相に相当する相である。ただし、γ相14は、純粋なCu−Zn2元系におけるγ相ではなく、微量のMn及びSiを含む。γ相14は、共晶12及びマトリクス13の双方に存在する。図3の写真においては、Cu−Zn相122よりも淡い灰色の領域として写っている。Bi相15は、主としてBiにより構成される相である。
断面組織における各相の面積率は、例えば以下のとおりである。
初晶11: 0%以上10%以下
共晶12: 20%以上60%以下
γ相14: 2%以上70%以下
Bi相15: 0%以上10%以下
β相131: 残部
ここで、各相の硬さは概ね以下のとおりである。
初晶11: 1000HV
共晶12: 200HV
γ相14: 400HV
β相131: 150HV
初晶11は約1000Hvの硬さを有するので、例えば円相当径20μm程度の大きさで晶出させることにより、合金の耐摩耗性を向上させることができる。しかし、この硬さゆえ合金の被削性は低下する。なお被削性とは切削加工のしやすさをいう。初晶11を小さく、かつその面積率を少なくすれば被削性は改善するが、一方で耐摩耗性は低下してしまう。そこで本実施形態においては、初晶11よりは柔らかいものの共晶12より硬いγ相14を晶出させることにより、耐摩耗性と被削性とを両立させることができる。
2.製造方法
図5は、摺動部材1の製造方法を例示するフローチャートである。ステップS1において、銅合金の原料が溶融される。銅合金の原料としては、例えば、Cu、Zn、Cu−Mn、Cu−Si、及びBiのインゴットが用いられる。これらの原料は所望の組成となるように計量され、混合される。なおγ相14の面積率は、総Zn当量により制御される。混合された原料は高周波誘導炉等で高温(例えば1200℃)に加熱される。こうして原料は溶融する。このとき、Arガス等の気泡を分散噴出し、水素ガス及び介在物を除去してもよい。
ステップS2において、連続鋳造が行われる。詳細には例えば以下のとおりである。まず溶融した原料が鋳型に注入される。銅合金は、鋳型の開口から鋳造方向に連続的に引き抜かれる。引き抜かれた原料は室温まで冷却される。こうして、すべり軸受用銅合金の連続鋳造棒が得られる。溶融状態から連続鋳造における凝固過程において合金組織の各相が形成される。
ステップS3において、連続鋳造棒が切断される。連続鋳造棒は、摺動部材1のサイズに応じた大きさ又は形状に切断される。
ステップS4において、切断された部材が機械加工される。機械加工は、例えば、プレス加工及び切削加工を含む。こうして、摺動部材1が得られる。
3.実施例
本願の発明者らは、種々の条件で摺動部材の試験片(サンプル)を作製し、これらの試験片について各種の特性を評価した。まず、作製した試験片に用いた合金の組成及び断面組織における各相の面積率は表1のとおりである。この例において、実験例1及び2が本発明の実施例に相当し、実験例3〜6が比較例に相当する。
表1における組成は、原料として投入された割合を示す。断面組織における各相の面積率は、以下の方法により計測した。まず、摺動部材1の断面を金属顕微鏡(オリンパス社製GX51)によって200倍の光学倍率で撮影し、観察画像の画像データを得た。そして、この画像データを画像解析装置(ニレコ社製LUZEX_AP)に入力し、観察画像に存在する相の面積を計測した。図3の例に示すように、銅合金の断面組織において、各相の像における色の濃さは、濃い方から
初晶11>β相131>γ相14>Bi相15
の順である。また、共晶12は、黒斑が分散された領域である。以上の事情を考慮し、観察画像における像の色及び形状等から、初晶11、共晶12、γ相14、及びβ相131を特定した。観察画像において各粒子の外縁にはエッジ(明度や彩度や色相角が所定値以上異なる境界)が存在する。そこで、画像解析装置によって、エッジによって閉じられた領域を各相の像として観察画像から抽出した。ただし、円相当径(計測パラメータ:HEYWOOD)が1μm以上となる像のみを計測対象とした。こうして抽出された初晶11、γ相14、及びβ相131のそれぞれの面積率を算出した。
実験例1〜6のそれぞれの試験片に対し、硬さ試験及び摩耗試験を行った。硬さ試験は、硬さ試験機(明石製作所社製MVK−EII)を用い、JIS Z 2244に従って行った。摩耗試験においては以下の条件に従って試験片と軸とを摺動させた。試験後の試験片の表面の粗さプロファイルを、表面粗さ計(小坂研究所社製SE−3400)を用いて計測した。得られたプロファイルから、平坦部と最深部との差を摩耗深さとした。硬さ試験及び摩耗試験の結果を表2に示す。
・試験機:円筒平板型摩擦摩耗試験機
・潤滑油:流動パラフィン
・軸材質:SCM415
・軸半径:20mm
・相対移動速度:200mm/sec
・サンプル幅:10mm
・荷重:139N
・試験温度:室温
・試験時間:3600sec
初晶11の面積率に関して、実験例1及び2は、実験例3〜6と同等以下である。実験例1〜6はいずれも、初晶11の面積率が5%を超える例と比較すると初晶11の面積率は低減されており、被削性が改善されることは明らかである。例えば、実験例1と実験例6と比較すると、初晶11の面積率は同じである。しかし、実験例1はγ相14を有しているためより硬く、耐摩耗性では実験例6よりも優れている。このように、本実施形態によれば、初晶11の面積率を抑制しつつ、耐摩耗性を向上させることができる。すなわち、被削性と耐摩耗性とを両立することができる。
4.変形例
本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。摺動部材1はターボ式過給機において用いられるフローティングブシュに限定されるものではなく、種々の用途又は形状を有してもよい。例えば、摺動部材1は、内燃機関の主軸受として用いられる半割軸受、スラストワッシャ、斜板式コンプレッサにおける斜板、又はロータリーコンプレッサにおけるローター等、他の用途に用いられてもよい。
なお実施例として例示した銅合金の組成及び製造方法はあくまで一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、実施例の銅合金はBiを含んでいたが、Biは含まれていなくてもよい。
1…摺動部材
11…初晶
12…共晶
121…Mn−Si相
122…Cu−Zn相
13…マトリクス
131…β相
14…γ相
15…Bi相
2…シャフト

Claims (6)

  1. 25重量%以上50重量%以下のZnと、
    1重量%以上7重量%以下のMnと、
    0.5重量%以上3重量%以下のSiと、
    10重量%以下のBiと
    を含有し、
    残部がCu及び不可避不純物からなり、
    β相及び
    γ相
    を含む
    摺動部材用銅合金。
  2. 断面における前記γ相の面積率が、2%以上70%以下である
    請求項1に記載の摺動部材用銅合金。
  3. Cu−Zn及びMn−Siの共晶をさらに含む
    請求項1又は2に記載の摺動部材用銅合金。
  4. 断面における前記共晶の面積率が、60%以下である
    請求項3に記載の摺動部材用銅合金。
  5. Mn−Si初晶をさらに含む
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の摺動部材用銅合金。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の摺動部材用銅合金を用いた摺動部材。
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