JP2018141200A - プラズマ装置 - Google Patents

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Tetsuji Baba
哲治 馬場
貴康 佐藤
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貴康 佐藤
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Masafumi Koizumi
雅史 小泉
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Abstract

【課題】ワークの反りを抑制する。【解決手段】プラズマ装置は、ワークと、ワークの一方の面側に配置され、非処理対象部分を覆う第1マスキング部材と、ワークの他方の面側に配置される第2マスキング部材と、往復動可能であるとともに、第1マスキング部材を第2マスキング部材に向けて押圧可能な第1の型と、第2の型と、を備える。第1または第2マスキング部材は、ワークの開口に対応する箇所に、ワークが載置される面に斜め方向、かつワークの外側方向に深さ方向が向けられた孔部を有している。孔部には、深さ方向に移動可能な可動部材が備えられる。ワークの開口の外端が、孔部の表面開口の外端よりも、ワークの内側方向に位置する。第1マスキング部材が第2マスキング部材に向けて押圧されている状態のときに、可動部材は、ワークの開口の外端を押圧している。【選択図】図8

Description

本発明は、プラズマ処理を行うプラズマ装置に関する。
プラズマCVD法により、基板に成膜を行う装置が知られている。特許文献1には、成膜室の上部と下部とで基板を挟み込み、成膜室に成膜ガスを充填し、成膜室の内部の基板の下側に配置された高周波電極から基板の上側に配置された接地電極に向かうプラズマを発生させることにより、成膜を行なう装置が記載されている。
特開2009−62579号公報
基板の成膜対象部分の外周の非成膜対象部分が成膜されないようにする場合、その非成膜対象部分を覆うようにマスキング部材を配置する方法が採用されることが多い。しかしながら、成膜時の入熱量が、成膜対象部分と非成膜対象部分とで異なることから、基板に反り不良が発生することがあった。入熱による成膜対象部分の伸びに対し、入熱による非成膜対象部分の延びが追従できないことによって、熱膨張のバランスが崩れるためである。そのため、プラズマ装置において、ワークの処理対象部分と非処理対象部分との温度差により発生するワークの反りを抑制可能な技術が望まれていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、プラズマ処理を行うプラズマ装置が提供される。プラズマ装置は、非処理対象部分と処理対象部分とを有するとともに、開口部を有するワークと、前記ワークの一方の面側に配置され、前記非処理対象部分を覆う第1マスキング部材と、前記ワークの他方の面側に配置される第2マスキング部材と、前記ワークを密封する容器の一部を構成する型であって、前記第1マスキング部材を前記第2マスキング部材に向けて押圧可能な第1型と、前記容器の一部を構成する第2型と、を備える。前記第1マスキング部材または前記第2マスキング部材は、前記ワークの前記開口部に対応する箇所に、前記ワークが載置される面に斜め方向、かつ前記ワークの外側方向に深さ方向が向けられた孔部を有する。前記孔部には、前記第1マスキング部材または前記第2マスキング部材に押されて前記深さ方向に移動可能な可動部材が備えられる。前記ワークの前記開口部の外端は、前記孔部の表面開口の外端に対して、前記ワークの内側方向または同一の位置に位置する。前記第1型と前記第2型とが閉じて前記第1マスキング部材が前記第2マスキング部材に向けて押圧されている状態のときに、前記可動部材が、前記ワークの前記開口部の外端を押圧するように構成されている。
この形態のプラズマ装置によれば、プラズマ処理中において、可動部材がワークの開口部の外端を押圧している状態とすることができるので、ワークを外側に向けて延ばすことができる。このため、プラズマ装置において、ワークにおける処理対象部分と非処理対象部分との温度差によって発生する反りを抑制することができる。
本発明は、上述したプラズマ装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、ワークの一部に成膜又はエッチングを行う方法等の形態で実現することができる。例えば、プラズマ処理を行う方法や、プラズマ装置の制御方法及び制御装置、それらの装置又は方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
本発明の実施形態におけるプラズマ装置の構成を示す概略断面図である。 プラズマ装置の分解斜視図である。 プラズマ装置の部分拡大図である。 プラズマ装置による成膜方法について示す工程図である。 ステップS10の処理において、ワークの上に上側マスキング部材が積載される前の状態を示す説明図である。 ワークのマニホールド孔を上から見た説明図である。 図5の状態から遷移した状態を示す説明図である。 図7の状態から遷移した状態を示す説明図である。 図8の状態にあるワークのマニホールド孔を上から見た説明図である。
A.プラズマ装置の構成:
図1は、本発明の実施形態におけるプラズマ装置200の構成を示す概略断面図である。図2は、プラズマ装置200の分解斜視図である。図1及び図2には、XYZ軸が図示されている。Y軸方向は鉛直方向を示し、X軸方向は水平方向を示し、Z軸方向はY軸及びX軸に垂直な方向を示す。このことは、以降の図においても同様である。
プラズマ装置200は、プラズマ処理を行う装置である。本実施形態では、プラズマ装置200は、ワーク10の処理対象部分10Aに成膜を行う。プラズマ処理としては、いわゆるプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法を採用する。ワーク10は、燃料電池のセパレータの基材として用いられる板状の金属板である。ワーク10は、平面視で矩形状の外形を有している。ワーク10は、短辺に沿って、アノードガスとカソードガスと冷却剤のためのマニホールド孔11〜13,16〜18が短辺に沿ってそれぞれ形成されている。プラズマ装置200は、ワーク10に導電性の炭素系の薄膜を形成する。
プラズマ装置200は、真空容器(チャンバー)100と、マスキング部材20(21,22)と、を備える。プラズマ装置200は、さらに、絶縁部材30と、開閉装置50と、搬送装置55と、電力印加部70と、ガス供給装置80と、排気装置90と、制御部95と、パレット130と、シール部材60と、を備える。なお、図2では、開閉装置50と、搬送装置55と、電力印加部70及びその電力導入部71と、ガス供給装置80及びその供給口81と、排気装置90及び排気口91と、制御部95と、は図示を省略している。
真空容器100は、分割可能な金属製の容器である。真空容器100は、第1窪み部114を備える第1の型110と、第1の型110に対向して配置された第2の型120と、を備える。
第1の型110は、ワーク10の少なくとも処理対象部分10Aが配置される第1窪み部114を備える。また、第1の型110は、第1窪み部114の周囲に配置された第1平面部111を備える。第1窪み部114はワーク10から離間する方向に窪んでおり、本実施形態ではワーク10の上面側の処理対象部分10Aから見て上方(+Y方向)に窪んでいる。また、第1窪み部114は、側部112と底部113とを備える。本実施形態では、第1窪み部114と第1平面部111との接続箇所は、処理対象部分10Aの端部と、同一のYZ平面状に位置している。
第2の型120は、ワーク10の下面側の処理対象部分10Aから見て下方(−Y方向)に窪んだ第2窪み部124を備える。また、第2の型120は、第2窪み部124の周囲に配置された第2平面部121を備える。第2窪み部124には、ワーク10の処理対象部分10Aの下面側が配置される。第2窪み部124は、側部122と底部123とを備える。第2平面部121は、第1の型110の第1平面部111に対応する部分に配置されている。本実施形態では、第2窪み部124と第2平面部121との接続箇所は、処理対象部分10Aの端部と、同一のYZ平面状に位置している。本実施形態において、第1平面部111及び第2平面部121は、XZ平面と平行である。
第1の型110及び第2の型120は、真空容器100内にガス供給装置80からガスを供給するための供給口81と、真空容器100内を排気装置90によって排気するための排気口91と、を備える。供給口81及び排気口91には、開閉可能な弁(図示せず)が設けられている。また、第2の型120は、マスキング部材20を介してワーク10に電圧を印加するための電力導入部71を備える。第2の型120と電力導入部71との間は、絶縁部材35によって電気的に絶縁されている。本実施形態において、真空容器100は、アース電位を有している。
真空容器100内において、ワーク10及びワーク10上に配置されるマスキング部材20は、第1平面部111から離間され、かつ、ワーク10の処理対象部分10Aは真空容器100が閉じた状態において第1窪み部114内及び第2窪み部124内の空間に向けられている。また、本実施形態では、非処理対象部分10Bは、真空容器100内の第1平面部111側及び第2平面部121側に配置されている。
マスキング部材20は、ワーク10上に配置され、ワーク10の非処理対象部分10Bを覆い隠す部材である。図1及び図2に示すように、マスキング部材20は、上側マスキング部材21と下側マスキング部材22とを有する。上側マスキング部材21は、ワーク10上の第1の型110側に配置されている。下側マスキング部材22は、ワーク10上の第2の型120側に配置されている。本実施形態において、上側マスキング部材21は、絶縁部材25を介して第1の型110(図1)に固定されている。本実施形態において、下側マスキング部材22は、ワーク10を支持する。マスキング部材20の一部は、第1平面部111と第2平面部121との間に配置されている。マスキング部材20においてワーク10の非処理対象部分10Bを覆う部分は、第1平面部111と第2平面部121との間に配置されている。マスキング部材20は、導電性の部材で形成されている。ワーク10とマスキング部材20とは、接触することにより電気的に接続されている。マスキング部材20としては、例えば、チタン(Ti)やSUS等の導電性部材が用いられる。上側マスキング部材21は「第1マスキング部材」に相当する。下側マスキング部材22は「第2マスキング部材」に相当する。
絶縁部材30は、第1の型110の第1平面部111と第2の型120との間に配置されている。本実施形態では、絶縁部材30は第1平面部111と第2平面部121との間に配置されている。絶縁部材30は、マスキング部材20を介してワーク10の上面側の処理対象部分10Aを第1窪み部114内の空間に向けるとともに、マスキング部材20及びワーク10を第1平面部111から離間させた状態で、マスキング部材20に接触する。また、絶縁部材30は、マスキング部材20を介してワーク10の下面側の処理対象部分10Aを第2窪み部124内の空間に向けるとともに、マスキング部材20及びワーク10を第2平面部121から離間させた状態で、マスキング部材20に接触する。本実施形態では、絶縁部材30は、下側マスキング部材22に接触して下側マスキング部材22を支持する。絶縁部材30は、例えば、アルミナ(Al2O3)や二酸化ケイ素(SiO2)等のセラミックスで形成されている。
パレット130は、金属製の板状部材である。パレット130は、ワーク10及び下側マスキング部材22を真空容器100内に搬送する部材でもある。パレット130には、絶縁部材30、下側マスキング部材22、及びワーク10が、この順に+Y方向に積載される。本実施形態において、パレット130は、アース電位を有している。
シール部材60(61、62)は、第1の型110の第1平面部111と第2の型120との間に配置されている。シール部材60は、真空容器100内の気密を保つための部材である。シール部材60は、絶縁性の部材であり、本実施形態ではゴム製の環状部材である。本実施形態では、シール部材60は、オーリングを用いている。本実施形態では、シール部材61は第1の型110に設けられた溝部に嵌め込まれている。シール部材62は、第2の型120に設けられた溝部に嵌め込まれている。
開閉装置50は、真空容器100を開閉するための装置である。本実施形態では、開閉装置50は、第1の型110を+Y方向に移動させて真空容器100を開き、第1の型110を−Y方向に移動させて真空容器100を閉じる。
搬送装置55は、パレット130を真空容器100内へ搬送し、パレット130を真空容器100外へ搬送するための装置である。本実施形態では、搬送装置55は、パレット130の端部130tに接触して、真空容器100が開いた状態において、パレット130及びパレット130に積載された絶縁部材30、下側マスキング部材22、ワーク10を真空容器100内に搬送する。また、搬送装置55は、搬送したパレット130を下方に移動させることによってパレット130をシール部材62を介して第2の型120上に設置する。この状態で、開閉装置50によって、第1の型110を−Y方向に移動させる動作が行われると、第1の型110に絶縁部材25を介して固定された上側マスキング部材21が、パレット130に載せられたワーク20の上に積層される。また、搬送装置55は、上方に移動させたパレット130をXZ平面に沿って移動させて真空容器100外へ搬送することも可能である。
電力印加部70は、ワーク10に電力を印加するための装置である。電力印加部70は、ワーク10に電力を印加する。本実施形態では、電力印加部70は、真空容器100内に供給された原料ガスをプラズマ化するための電場を生成する。本実施形態では、電力導入部71とワーク10及びマスキング部材20は陰極であり、第1の型110、第2の型120及びパレット130は陽極である。本実施形態では、電力印加部70は、マスキング部材20を通じてワーク10にバイアス電圧を印加する。電力印加部70は、例えば、電力導入部71に−3000Vの電圧を印加することができる。なお、本実施形態では、真空容器100及びパレット130はアース(0V)に接続されている。
ガス供給装置80は、供給口81を介して、真空容器100内にキャリアガス及び原料ガスを供給する。本実施形態では、ガス供給装置80は、キャリアガスとして例えば窒素(N2)ガスやアルゴン(Ar)ガスを供給し、原料ガスとして例えばピリジン(C5H5N)ガスを供給する。ガス供給装置80は、異なる種類のガスを貯留するタンクと接続されている。ガス供給装置80は、各タンクと供給口81との間に設けられた切替弁が操作されることにより、供給口81に供給されるガスの種類を切り替えることが可能である。また、ガス供給装置80は、真空容器100内の圧力を、開閉装置50が真空容器100を開くことが可能な程度の圧力に戻すために、プラズマ装置200による成膜後やエッチング後に真空容器100内に例えば窒素ガスを供給する。
排気装置90は、排気口91を介して、真空容器100内を排気する。排気装置90は、例えば、ロータリポンプや拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ等により構成される。
制御部95は、プラズマ装置200全体の動作を制御する。制御部95は、CPUとメモリーとを含む。CPUは、メモリーに格納されたプログラムを実行することによって、プラズマ装置200の制御を行う。このプログラムは、各種記録媒体に記録されていてもよい。例えば、制御部95は、開閉装置50を制御して真空容器100を開閉し、搬送装置55を制御してパレット130を搬送する。また、制御部95は、排気装置90を制御して真空容器100内を排気し、ガス供給装置80を制御して真空容器100内にガスを供給し、電力印加部70を制御してマスキング部材20を介してワーク10に電力を印加する。
図3は、プラズマ装置200の部分拡大図である。図3には、図1に破線で示したX部分が示されている。図3には、マスキング部材20と絶縁部材30との接触点P1と、マスキング部材20と絶縁部材30との接触点P2と、が示されている。接触点P1は、マスキング部材20と絶縁部材30とが接触する箇所のうち、第1平面部111に対向する箇所である。接触点P1は、プラズマ装置200の断面において、マスキング部材20と絶縁部材30とが接触する箇所のうち、第1平面部111に最も近い接触箇所である。接触点P2は、マスキング部材20と絶縁部材30とが接触する箇所のうち、第2平面部121に対向する箇所である。接触点P2は、プラズマ装置200の断面において、マスキング部材20と絶縁部材30とが接触する箇所のうち、第2平面部121に最も近い接触箇所である。
図3にはさらに、接触点P1と第1平面部111との距離A1と、ワーク10と第1窪み部114の底部113との距離B1と、が示されている。距離A1は、マスキング部材20と絶縁部材30との接触箇所と、第1平面部111との最短距離である。距離B1は、第1窪み部114と対向するワーク10と、第1窪み部114の底部113との距離であり、第1窪み部114の底部113とワーク10との最短距離である。また、図3には、接触点P2と第2平面部121との距離A2と、ワーク10と第2窪み部124の底部123との距離B2と、が示されている。距離A2は、マスキング部材20と絶縁部材30との接触箇所と、第2平面部121との最短距離である。距離B2は、第2窪み部124と対向するワーク10と、第2窪み部124の底部123との距離であり、第2窪み部124の底部123とワーク10との最短距離である。プラズマ装置200において、距離A1は距離B1よりも小さい。言い換えると、マスキング部材20と第1平面部111とで形成される空間は、ワーク10と第1窪み部114とで形成される空間よりも小さい。また、本実施形態では、距離A2は、距離B2よりも小さい。言い換えると、マスキング部材20と第2平面部121とで形成される空間は、ワーク10と第2窪み部124とで形成される空間よりも小さい。
本実施形態では、距離A1及び距離A2は、マスキング部材20を介して、ワーク10と真空容器100との間に電力を印加した場合に、マスキング部材20と真空容器100(第1平面部111、第2平面部121)との間に形成されるシースの距離よりも短い。本実施形態では、距離A1及び距離A2は、2.0mm以下である。なお、真空容器100とマスキング部材20及びワーク10との絶縁性を十分に保つ観点から、距離A1及び距離A2は、0.5mm以上であることが好ましい。
図3には、さらに、第1窪み部114と第1平面部111との接続箇所Q1及び第2窪み部124と第2平面部121との接続箇所Q2から接触点P1、P2までのX軸に沿った最短距離Cが示されている。距離Cは、第1窪み部114の側部112及び第2窪み部124の側部122から、接触点P1、P2までのX軸に沿った最短距離でもある。本実施形態では、距離Cは、0(ゼロ)よりも大きい。本実施形態では、距離Cは、10mm以上である。
図3に示すように、マスキング部材20の一部を構成する下側マスキング部材22には、孔部22Hが形成されている。孔部22Hには、可動部材210が設けられている。可動部材210を含めた孔部22Hの周辺の構成については、後ほど詳しく説明する。
B.成膜方法:
図4は、プラズマ装置200による成膜方法について示す工程図である。プラズマ装置200による成膜では、まず、ワーク10が真空容器100内に搬送される(ステップS10)。本実施形態では、パレット130上に、絶縁部材30、下側マスキング部材22、ワーク10が積載される。その後、真空容器100の第1の型110が開閉装置50によって+Y軸方向に移動され、絶縁部材30、マスキング部材20及びワーク10が積載されたパレット130が、搬送装置55によって真空容器100内に搬送される。搬送されたパレット130は、シール部材62を介して第2の型120上に配置される。
次に、真空容器100が閉じられる(ステップS20)。本実施形態では、真空容器100内にパレット130が搬送された後、開閉装置50によって第1の型110が−Y軸方向に移動される。このとき、第1の型110に固定された上側マスキング部材21が、パレット130に載せられたワーク20の上に積層される。こうすることによって、ワーク10の非処理対象部分10Bがマスキング部材20によって覆われるとともに、ワーク10の処理対象部分10A上にマスキング部材20の処理領域20Aが配置される。真空容器100が閉じられると、ワーク10の処理対象部分10Aは真空容器100の第1窪み部114及び第2窪み部124内の空間に向けられた状態になる。ワーク10及びマスキング部材20は、第1平面部111及び第2平面部121から離間された状態になる。また、接触点P1と第1平面部111との距離A1は、ワーク10と第1窪み部114との距離B1よりも小さくなる。接触点P2と第2平面部121との距離A2は、ワーク10と第2窪み部124との距離B2よりも小さくなる。
次に、真空容器100内のガスが排気される(ステップS30)。本実施形態では、プラズマ装置200は、例えば、窒素ガス雰囲気に設置されている。ステップS30では、排気装置90によって排気口91を介して真空容器100内の窒素ガスが排気され、真空容器100内が真空化される。
真空容器100内のガスが排気されると、真空容器100内に原料ガスが供給される(ステップS40)。ステップS40では、ガス供給装置80によって供給口81を介してキャリアガス及び原料ガスが供給される。真空容器100内には、キャリアガスとして、例えば、水素ガス及びアルゴンガスが供給される。また、原料ガスとして、窒素ガス及びピリジンガスが供給される。ステップS40では、真空容器100内の圧力値は、例えば、11Paである。なお、原料ガスが供給される前に、真空容器100を昇温させてもよい。例えば、プラズマ装置200を、第1の型110及び第2の型120にヒータが埋め込まれた態様とし、ヒータにより真空容器100を昇温させてもよい。また、電力印加部70によりワーク10及びマスキング部材20と真空容器100との間に電力を印加して、ワーク10の温度を昇温させてもよい。
次に、ワーク10に電力が印加される(ステップS50)。電力印加部70によってマスキング部材20を介してワーク10と真空容器100との間に電力が印加されると、第1窪み部114内及び第2窪み部124内にプラズマが発生し、ワーク10の処理対象部分10Aに薄膜が形成される。以上のようにして、プラズマ装置200による成膜が行われる。ステップS50では、電力印加部70によって、マスキング部材20を介してワーク10に例えば−3000Vの電力が印加される。ステップS50が終了すると、原料ガスの供給と電力の印加とが停止されて成膜が終了する。
成膜が終了すると、真空容器100内の圧力が調整される(ステップS55)。本実施形態では、真空容器100内の圧力を、開閉装置50によって真空容器100を開くことが可能な程度の圧力に戻すために、ガス供給装置80によって真空容器100内に窒素ガスが供給される。なお、真空容器100内の圧力が調整されると、第1の型110および上側マスキング部材21が開閉装置50によって+Y軸方向に移動され、搬送装置55によって絶縁部材30、下側マスキング部材22及びワーク10が積載されたパレット130が、真空容器100から搬出される。以上のようにしてプラズマ装置200による一連の処理が終了する。
C.孔部22Hの周辺の構成:
図5は、ステップS10の処理において、ワーク10の上に上側マスキング部材21が積載される前の状態を示す説明図である。図示するように、下側マスキング部材22の上にワーク10が積載されている。具体的には、ワーク10の非処理対象部分10Bが下側マスキング部材22と接するように積載されている。先に説明したように、ワーク10には、マニホールド孔11〜13,16〜18(図2)が形成されている。下側マスキング部材22における各マニホールド孔11〜13,16〜18に対応する箇所に、孔部22Hがそれぞれ形成されている。図5においては、マニホールド孔11に対応する箇所に形成された孔部22Hを代表して示した。
孔部22Hは、下側マスキング部材22におけるワーク10が積載される面に対して斜め方向、かつX方向においては外側に向けて開口されている。「外側」とは、ワーク10の主平面における内側から外側に向けた方向であり、マニホールド孔11に対応する箇所に形成された孔部22Hにおいては図示の+方向の側である。言い換えると、孔部22Hの深さ方向Vは、X−Z平面に対して斜め方向、かつX方向においては外側に向いた方向となっている。本明細書で「深さ方向」とは、孔部22Hの表面開口から底に向かう方向である。本実施形態では、X−Z平面と孔部22Hの深さ方向Vとのなす角度αは、例えば20度〜85度、より具体的には例えば40度〜50度となっている。孔部22Hの深さ方向に垂直な面の形状は、矩形である。
図6は、ワーク10のマニホールド孔11を上から見た説明図である。図6は、図5において、上側マスキング部材21を除いて、ワーク10の存在する範囲を上から見た図に相当する。下側マスキング部材22に形成された孔部22Hの表面開口形状は、矩形である。孔部22Hの表面開口付近の外側(+X方向側)端部(22HEの部分)は面取りがしてあり、この面取り部分は、Y−Z平面に沿った平面形状となっている。すなわち、孔部22Hは、その表面開口付近には、Y−Z平面に沿った平らな端面22HEを有する。
下側マスキング部材22の上にワーク10が積載された状態では、X方向において、ワーク10のマニホールド孔11の外側の端面(以下、「外端」と呼ぶ)11Eは、孔部22Hの外側の端面(以下、「外端」と呼ぶ)22HEよりも内側(図中の−X方向)に位置する。換言すれば、孔部22Hの外端22HEは、マニホールド孔11の外端11Eよりも外側(図中の+X方向)に位置する。マニホールド孔11の外端11Eと孔部22Hの外端22HEとの間の距離Sは、例えば3mm以下である。なお、距離Sは0mm、すなわち、マニホールド孔11の外端11Eと孔部22Hの外端22HEとが、X方向において同じ位置にある構成としてもよい。
図5、図6に示すように、孔部22Hには、可動部材210と、弾性部材としての圧縮コイルバネ220と、が配置されている。可動部材210は、例えば、SUSや、Ti製である。圧縮コイルバネ(以下、単に「バネ」と呼ぶ)220は、孔部22Hの底に配置されている。
可動部材210は、直方体形状の操作部212と、ほぼ直方体形状の差し込み部214と、を有する。操作部212と差し込み部214とは、くの字形状となるように連結されている。すなわち、操作部212の+X方向の側(外側)の面212bと、差し込み部214の所定面214aとがなす角度βは、90度より大きく、かつ180度より小さい角度となっている。具体的には、角度βは、X−Z平面と孔部22Hの深さ方向とのなす角αに対して、次式(1)の関係を有する。
β=α+90度 …(1)
操作部212の+Y方向の側(上側)の面(以下、「上側面」と呼ぶ)212aはX−Z平面に沿った方向であり、操作部212の+X方向の側(外側)の面(以下、「外側面」と呼ぶ)212bはY−Z平面に沿った方向である。これらのことから、式(1)は、差し込み部214の所定面214aとX−Z平面とがなす角度が上述した角度αと一致することを意味する。この形状の可動部材210は、操作部212の少なくとも一部が孔部22Hから突出した状態で、差し込み部214が孔部22H内に挿入した状態で、下側マスキング部材22に設けられている。差し込み部214の操作部212とは反対側の端面214bは、バネ220と接する。
操作部212の上側面212aに対して下向き(−Y方向)の力が加えられたとき、差し込み部214は孔部22Hの内壁面に沿って深さ方向Vに移動し、バネ220を圧縮する。上記の力が外されると、バネ220が復元し、その復元力を受けて、差し込み部214は深さ方向Vとは反対の方向に移動する。
図7は、図5の状態から遷移した状態を示す説明図である。図5の状態から、図3のステップS20において、開閉装置50によって、第1の型110が−Y方向に移動される動作に伴って、上側マスキング部材21が下側(−Y方向)に移動すると、上側マスキング部材21が操作部212の上側面212aに当たった状態となる。この状態が図7に示す状態であり、上側マスキング部材21と下側マスキング部材22との間には隙間が生じている。
図8は、図7の状態から遷移した状態を示す説明図である。第1の型110が−Y方向に移動される過程において、上側マスキング部材21は、第1の型110(図1、図2)から下向き(−Y方向)の力を受け、可動部材210の有する操作部212の上側面212aを下向き(―Y方向)に押す。これにより、上述したように、可動部材210は孔部22Hの深さ方向Vに移動し、バネ220は圧縮された状態となる。
図9は、図8の状態にあるワーク10のマニホールド孔11を上から見た説明図である。上側マスキング部材21が可動部材210から離れた状態にある図6と、図9とを比較すると、可動部材210の操作部212が外側(+X方向)に移動していることがわかる。先に説明したように、ワーク10のマニホールド孔11の外端11Eは、孔部22Hの外端22HEよりも内側(図中の−X方向)に位置していることから、図8及び図9に示すように、操作部212の外側面212bがマニホールド孔11の外端11Eに当たった状態となる。可動部材210は、第1の型110(図1、図2)から下向き(−Y方向)の力を受け続けることから、操作部212の外側面212bは、マニホールド孔11の外端11Eを押圧している状態となる。この状態で、ステップS50(図4)によるプラズマ処理が行われる。
なお、成膜の終了後、第1の型110が開閉装置50(図1)によって+Y軸方向に移動され、上側マスキング部材21がワーク10から外されると、可動部材210には下向き(−Y方向)の力が働かなくなる。これにより、孔部22Hに配置されたバネ220が復元し、復元力によって、可動部材210は、深さ方向Vとは逆の向きに移動し、図5の状態に戻る。
D.効果:
以上のように構成された本実施形態のプラズマ装置200によれば、プラズマ処理中において、可動部材210がワーク10の開口の外端22HEを押圧している状態とすることができるので、ワーク10、特にワーク10の非処理対象部分10Bを外側に向けて延ばすことができる。このため、プラズマ装置200において、ワーク10の処理対象部分10Aと非処理対象部分10Bとの温度差によって、ワーク10に発生する反りを抑制することができる。また、本実施形態のプラズマ装置200によれば、ワーク10に形成された全てのマニホールド孔11〜13,16〜18に対して、上述した孔部と、孔部に備えられる可動部材とバネとが備えられることから、マニホールド孔11〜13側ではワーク10を+X方向に延ばし、マニホールド孔16〜18側ではワーク10を−X方向に延ばすことができる。したがって、ワーク10を両側に引っ張ることができ、上記反りの抑制の効果はより高い。
E.変形例:
・変形例1:
上述の実施形態では、プラズマ装置200によりワーク10の一部に成膜を行っている。これに対し、プラズマ装置200により、ワーク10の一部にエッチングを行ってもよい。エッチングを行う場合には、上述のプラズマ処理のうち、ガスが供給される工程(図4、ステップS40)において、真空容器100内に例えば主にアルゴンを含むガスが供給されてもよい。
・変形例2:
上述の種々の実施形態では、ワーク10はセパレータであるが、ワーク10は、他の部材であってもよい。また、上述の実施形態では、プラズマ装置200〜200rは炭素系の薄膜を成膜しているが、成膜を行う場合には、金(Au)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、シリコン(Si)など他の導電性の元素の薄膜を形成するものとしてもよい。
・変形例3:
上述の種々の実施形態では、ワークの開口部が、マニホールドであった。これに対して、セパレータにマニホールドと別体の開口部を設け、下側マスキング部材におけるこの開口部に対応する箇所に、孔部と、孔部に備えられる可動部材とバネとを備える構成としてもよい。
・変形例4:
上述の実施形態では、ワーク10に備えられる全てのマニホールド孔11〜13,16〜18のそれぞれに対して、孔部と、孔部に備えられる可動部材とバネとを備える構成としていた。これに対して、全てのマニホールド孔11〜13,16〜18に設けるのではなく、一部(1つであってもよいし、複数であってもよい)に設ける構成としてもよい。一部の例としては、図2のX−Z平面において、同じZ方向の位置にある一対のマニホールド、例えば、マニホールド11とマニホールド18、マニホールド12とマニホールド17、または、マニホールド13とマニホールド16としてもよい。さらには、X方向において、片側に位置するマニホールドだけに孔部と可動部材とバネとを設ける構成としてもよく、この場合にもワーク10を延ばすことができる。
・変形例5:
上述の実施形態では、孔部22Hと、孔部22Hに備えられる可動部材210とバネ220とを下側マスキング部材に設ける構成とした。これに対して、上側マスキング部材21に設ける構成としてもよい。
・変形例6:
上述の実施形態では、孔部には可動部材とバネとが組になって設けられていた。これに対して、バネは省略した構成とすることができる。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態や変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組合せを行うことが可能である。また、前述した実施形態及び各変形例における構成要素の中の、独立請求項で記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。
10…ワーク
10A…処理対象部分
10B…非処理対象部分
11…マニホールド孔
11E…外端
20…マスキング部材
20A…処理領域
21…上側マスキング部材
22…下側マスキング部材
22H…孔部
22HE…外端
25…絶縁部材
30…絶縁部材
35…絶縁部材
50…開閉装置
55…搬送装置
60(61,62)…シール部材
70…電力印加部
71…電力導入部
80…ガス供給装置
81…供給口
90…排気装置
91…排気口
95…制御部
100…真空容器
110…第1の型
111…第1平面部
112…側部
113…底部
114…第1窪み部
120…第2の型
121…第2平面部
122…側部
123…底部
124…第2窪み部
130…パレット
130t…端部
200…プラズマ装置
210…可動部材
212…操作部
212a…上側面
212b…外側面
214…差し込み部
220…圧縮コイルバネ

Claims (1)

  1. プラズマ処理を行うプラズマ装置であって、
    非処理対象部分と処理対象部分とを有するとともに、開口部を有するワークと、
    前記ワークの一方の面側に配置され、前記非処理対象部分を覆う第1マスキング部材と、
    前記ワークの他方の面側に配置される第2マスキング部材と、
    前記ワークを密封する容器の一部を構成する型であって、前記第1マスキング部材を前記第2マスキング部材に向けて押圧可能な第1型と、
    前記容器の一部を構成する第2型と、
    を備え、
    前記第1マスキング部材または前記第2マスキング部材は、前記ワークの前記開口部に対応する箇所に、前記ワークが載置される面に斜め方向、かつ前記ワークの外側方向に深さ方向が向けられた孔部を有し、
    前記孔部には、前記第1マスキング部材または前記第2マスキング部材に押されて前記深さ方向に移動可能な可動部材が備えられ、
    前記ワークの前記開口部の外端は、前記孔部の表面開口の外端に対して、前記ワークの内側方向または同一の位置に位置し、
    前記第1型と前記第2型とが閉じて前記第1マスキング部材が前記第2マスキング部材に向けて押圧されている状態のときに、前記可動部材が、前記ワークの前記開口部の外端を押圧するように構成されている、
    プラズマ装置。
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