JP2018140524A - 印字位置調整方法、印字位置調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成装置の出荷前における印字位置の調整を容易に行う。【解決手段】カメラ20は、特徴点を認識することによってプリンター10に関わる様々な情報を認識する各種の工程(情報認識工程)と、用紙内における印字位置を認識するために用紙を撮像する工程(用紙撮像工程)に用いられる。情報認識工程で得られる情報としては、プリンター10の機種、用いられた給紙カセット、用いられた排紙トレイ及びその中の用紙の有無、がある。また、調整用PC30は、印字位置調整のためにカメラ20を操作すると共に、この調整のために作業者Hに対して動作の指示を行う。また、用紙撮像工程で得られた画像データから、用紙上における印字位置を認識し(印字位置認識工程)、印字位置の修正を作業者Hに対して指示する(修正指示工程)。【選択図】図1
Description
本発明は、プリンターや、印字機能を有する複合機等、画像形成装置の出荷前において、印字位置の調整を行う印字位置調整方法、印字位置調整装置に関する。
プリンターや、プリンターの機能を有する複合機等(以下、画像形成装置)においては、用紙における印字位置は正確に定まっている必要がある。例えば特許文献1に記載されるように、印字位置は使用者によって微調整が可能とされる場合もあるが、少なくとも画像形成装置の出荷時においては、この印字位置は、規格として予め定められた位置(設定位置)から充分小さな誤差範囲内に収まるように設定されている。一方、こうした画像形成装置は様々な部品が組み合わされて製造され、実際には個々の部品のばらつき等によって、組立直後の状態においては、同一機種であっても製品毎のばらつきが発生し、印字位置にも製品毎のばらつきが発生する。このため、印字位置を設定位置に対して充分小さな誤差範囲内に収めるためには、各製品毎に印字位置を微調整する作業が必要になる。
従来は、この印字位置の微調整は、実際に印字された文字の用紙上における位置を作業者が計測し、この位置が規定の位置となるように画像形成装置を調整することによって行われた。この際、画像形成装置において調整すべき箇所は一箇所ではない。例えば、用紙を多数収容する給紙カセットに関わる部分や、用紙の出力(片面印刷/両面印刷や白黒/カラー印刷)に関わる部分の調整が必要となった。この際、複数の給紙カセットが用いられ、この作業は給紙カセット毎に行う必要があった。このため、この調整作業は実際には非常に煩雑となった。複合機等の大型の画像形成装置においては、調整すべき箇所が多くなるため、この作業は特に繁雑となった。このため、画像形成装置の出荷前における印字位置の調整を容易に行うことが望まれた。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決できる技術を提供することを目的とする。
本発明の印字位置調整方法は、用紙に対して印字を行う画像形成装置に対して、前記用紙内における印字位置を予め定められた設定位置に合わせ込む調整を行う印字位置調整方法であって、撮像装置を用いて前記画像形成装置を撮像することによって、前記画像形成装置に関わる情報を認識する情報認識工程と、前記用紙に対して印字を行わせる印字工程と、作業者によって提示された前記印字工程後の前記用紙を前記撮像装置を用いて撮像した画像を得る用紙撮像工程と、前記画像中における前記用紙及び前記用紙内における前記印字位置を認識する印字位置認識工程と、前記印字位置と前記設定位置とのずれを前記作業者に提示する修正指示工程と、を具備することを特徴とする。
本発明の印字位置調整方法は、前記情報認識工程において、前記画像形成装置の機種を認識することを特徴とする。
本発明の印字位置調整方法は、前記画像形成装置において、前記用紙を収容する給紙カセットが複数用いられ、前記印字位置の調整は前記給紙カセット毎に行われ、前記情報認識工程において、複数の前記給紙カセットのうち、印字を行わせる前記用紙を収容する前記給紙カセットを認識することを特徴とする。
本発明の印字位置調整方法は、前記画像形成装置において、印字後の前記用紙を収容する排紙トレイが複数用いられ、前記情報認識工程において、複数の前記排紙トレイのうち、印字が行われた前記用紙が収容された前記排紙トレイを認識することを特徴とする。
本発明の印字位置調整方法は、前記用紙撮像工程の後で、前記画像より、前記用紙の種類を認識することを特徴とする。
本発明の印字位置調整装置は、用紙に対して印字を行う画像形成装置に対して、前記用紙内における印字位置を予め定められた設定位置に合わせ込む調整を行うために用いられる印字位置調整装置であって、前記画像形成装置を撮像する撮像部と、前記撮像部に前記画像形成装置を撮像させることによって前記画像形成装置に関わる情報を認識すると共に、印字された前記用紙を前記撮像部を用いて撮像した画像から前記用紙及び前記用紙内における前記印字位置を認識し、前記印字位置と前記設定位置とのずれを表示させる制御部と、を具備することを特徴とする。
本発明の印字位置調整方法は、前記情報認識工程において、前記画像形成装置の機種を認識することを特徴とする。
本発明の印字位置調整方法は、前記画像形成装置において、前記用紙を収容する給紙カセットが複数用いられ、前記印字位置の調整は前記給紙カセット毎に行われ、前記情報認識工程において、複数の前記給紙カセットのうち、印字を行わせる前記用紙を収容する前記給紙カセットを認識することを特徴とする。
本発明の印字位置調整方法は、前記画像形成装置において、印字後の前記用紙を収容する排紙トレイが複数用いられ、前記情報認識工程において、複数の前記排紙トレイのうち、印字が行われた前記用紙が収容された前記排紙トレイを認識することを特徴とする。
本発明の印字位置調整方法は、前記用紙撮像工程の後で、前記画像より、前記用紙の種類を認識することを特徴とする。
本発明の印字位置調整装置は、用紙に対して印字を行う画像形成装置に対して、前記用紙内における印字位置を予め定められた設定位置に合わせ込む調整を行うために用いられる印字位置調整装置であって、前記画像形成装置を撮像する撮像部と、前記撮像部に前記画像形成装置を撮像させることによって前記画像形成装置に関わる情報を認識すると共に、印字された前記用紙を前記撮像部を用いて撮像した画像から前記用紙及び前記用紙内における前記印字位置を認識し、前記印字位置と前記設定位置とのずれを表示させる制御部と、を具備することを特徴とする。
上記の構成により、画像形成装置の出荷前における印字位置の調整を容易に行うことができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る印字位置調整装置1の構成を示す図である。ここで調整の対象となるのは、プリンター(画像形成装置)10であり、印字位置調整装置1は、カメラ(撮像部)20と調整用パーソナルコンピュータ(調整用PC:制御部)30とで構成される。ここでは、プリンター10として印字以外の各種機能も有する複合機を用いることもできるが、以下では複合機等も含め、用紙に文字を印刷する印字機能を有するものをプリンター(画像形成装置)10として用いることができる。
ここで、図示されるプリンター10においては、3種類の給紙カセット11A〜11Cが用いられ、各々に用紙(例えばA3、A4用紙)を多数収容することができる。また、プリンター10の前面には、このプリンター10の機種に対応した識別マーク12が設けられている。使用者は、このプリンター10と接続されたパーソナルコンピュータ30から、これらのうちいずれかを選択して、その中に収容された用紙に印字をさせて出力させることができる。図1においては、一般的な使用者がこのプリンター10を用いて印刷をする場合ではなく、プリンター10の出荷前の調整(印字位置調整)を行う際の形態が示されている。このため、作業者Hがこのプリンター10に隣接して位置する。
カメラ20は、このプリンター10の全体とこれに隣接した作業者Hを撮像できるように設けられる。調整用PC30は、前記の使用者が操作するパーソナルコンピュータとは異なり、この印字位置調整装置1全体の制御を行い、作業者Hによる操作を受け付ける。また、カメラ20による撮像データは調整用PC30に入力し、調整用PC30は、この撮像データに対してAR(Augumented Reality)技術を適用して、様々な判定や、付属のディスプレイ(図示せず)を介して作業者Hに対する指示を行う。
ここで、調整用PC30には、カメラ20による撮像データによって得られた画像パターンの中から、AR技術によって、プリンター10における特徴点の認識を行う。特徴点としては、プリンター10の機種に対応するマーク(図1における識別マーク12)や、給紙カセット(図1においては給紙カセット11A〜11C)、排紙トレイ等がある。また、後述するように、作業者Hは用紙に対して印字調整用のための印字を行わせ、この印字後の用紙をカメラ20に撮像させる。調整用PC30は、これによって得られた画像データ中において、用紙及び用紙中の文字の認識を行い、用紙内における文字の位置(印字位置)の認識を行う。
この印字位置調整装置1の動作(印字位置調整方法)においては、カメラ20は、上記の特徴点を認識することによってプリンター10に関わる様々な情報を認識する各種の工程(情報認識工程)と、用紙内における印字位置を認識するために用紙を撮像する工程(用紙撮像工程)に用いられる。情報認識工程で得られる情報としては、プリンター10の機種、用いられた給紙カセット、用いられた排紙トレイ及びその中の用紙の有無、がある。このため、情報認識工程は、各情報を得るために、対象となる情報を変えて複数回行われる。
また、調整用PC30は、印字位置調整のためにカメラ20を操作すると共に、この調整のために作業者Hに対して動作の指示を行う。また、用紙撮像工程で得られた画像データから、用紙上における印字位置を認識し(印字位置認識工程)、印字位置の修正を作業者Hに対して指示する(修正指示工程)。
図2は、この印字位置調整方法を具体的に示すフローチャートである。ここでは、印字位置調整は給紙カセット11A〜11C毎に行われる。まず、調整用PC30は、カメラ20によってプリンター10全体を撮像し(S1)、この画像全体、あるいは上記の各特徴点を初期状態として記憶する(S2)。また、特徴点の一つである識別マーク12を認識し、これを識別することによって、このプリンター10の機種を認識する(S3:情報認識工程)。カメラ20とプリンター10の位置関係が定まっていれば、このように画像中から識別マーク12を認識することによって、機種の識別を容易に行うことができ、調整用PC30は、この機種を記憶する。
その後は、給紙カセット毎に印字位置調整が行われる。このため、まず、対象とする給紙カセットを作業者Hが選択するような指示を、調整用PC30が表示する(S4)。ここで、後述するように、既に印字位置調整済みの給紙カセットを表示する、あるいは印字位置が未調整の給紙カセットを表示してもよい。その後、作業者Hは、例えば対象とする給紙カセットを手で示し、この状態をカメラ20が撮像する(S5:情報認識工程)。この撮像条件(視野範囲等)は、前記の初期状態記憶のための撮像(S1)と同様とすることができる。この場合、この画像中の特徴点となった給紙カセット11A〜11Cのうち作業者Hの手が重複したものが選択された給紙カセットであると認識される(S6:情報認識工程)。この認識を確実に行うために、作業者Hは、予め定められた色(例えば白色)の作業用手袋を装着することが好ましい。また、使用する給紙カセットのみをプリンター10に装着し、他の給紙カセットは装着しないようにしても、同様の認識をすることができる。この際、例えば初期状態(S1)においては全ての給紙カセットを取り外した状態とし、初期状態の画像(S2)との違いがあった箇所の給紙カセットが、使用された給紙カセットであると認識することもできる。後述するように、どの給紙カセットが印字位置調整済みであるかは、調整用PC30が認識しているため、選択された給紙カセットが印字位置調整済みである場合(S7:Yes)には、この旨を表示し、他の給紙カセットを用いるように指示する(S4)。
指定された給紙カセットが印字位置調整済みでなかった場合(S7:No)には、調整用PC30は、調整用の印字作業を行う旨の表示をし(S8:印字工程)、これによって、作業者Hは印字作業を行う。ここで用いられるのは前記の通りに指定された給紙カセット(S6)内の用紙である。その後、カメラ20がプリンター10を再び撮像する(S9:情報認識工程)。調整用PC30は、その画像中の特徴点を排紙トレイとして、この特徴点における初期状態の画像(S2)との違いを認識することにより、この排紙トレイにおいて用紙が新たに排出されたものを認識する(S10:情報認識工程)。この際、排紙トレイが複数ある場合において、その中でこの用紙が排出されたものを認識することもできる。このため、調整用PC30は、この用紙が排出された排紙トレイを表示し、この用紙の取り出しを作業者Hに指示する(S11)。
その後、カメラ20がプリンター10を再び撮像する(S12:情報認識工程)。調整用PC30は、この画像と取り出し前の画像(S9)における特徴点となった排紙トレイの違いにより、用紙が排紙トレイになければ用紙が取り出されたと認識する(S13:Yes)。用紙がまだ排紙トレイに存在していると認識した(S13:No)場合には、再び取り出しを作業者Hに指示する(S11)。
用紙が取り出されたと認識した場合(S13:Yes)には、調整用PC30は、この用紙における印字された表面全体をカメラ20に提示するように作業者Hに指示する(S14)。この際、用紙は正確な矩形形状であり、そのサイズも規格で定まり、例えばA3版とされる。この用紙サイズは、予め調整用PC30が認識することができる。この撮像の際には、用紙がカメラ20の視線と垂直であることが好ましく、この場合には、カメラ20で得られた画像中において用紙は矩形形状として認識される。このため、印字された文字をこの画像中で認識することができれば、文字の位置と矩形形状の4つの頂点と認識された部分との画像中における位置関係から、文字の位置(印字位置)を正確に認識することができる。
ただし、用紙をカメラ20の視線と正確に垂直にすることは、実際には、用紙を固定された台座の上に載置しない限り、困難である。しかしながら、用紙とカメラ20の視線とが垂直でない場合においても、カメラ20によって得られた画像より、印字位置を正確に認識することができる。図3は、この際に撮影された画像を模式的に示すデータである。用紙Pとカメラ20とが垂直でないために、用紙Pは画像V中で台形として認識される。しかしながら、この場合に、調整用PC30が予め用紙Pの縦横のサイズを認識していれば、この画像V中における用紙Pの4つの頂点の座標より、用紙Pを認識することができ、カメラ20と用紙Pとの間の位置関係(視線と用紙Pとの間の角度、距離等)を認識することができる。用紙Pの中において文字Lを認識することができれば、周知の射影変換等によって、用紙P中における文字Lの位置(印字位置)を上記と同様に正確に認識することができる。
このため、調整用PC30は、カメラ20に用紙Pを撮像させるように作業者Hに指示し(S15:用紙撮像工程)、得られた画像中で用紙P及び文字を上記のように認識することができた場合(S16:Yes)には、上記のように印字位置を認識する(S17:印字位置認識工程)。用紙Pが認識できなかった場合(S16:No)には、作業者Hに用紙Pの提示を再度指示する(S14)。印字位置が認識できた(S17)後には、調整用PC30は、その後に用いられる用紙との混同を防止するため、使用された用紙Pを適切に回収、あるいは廃棄するように、作業者Hへの指示を行う(S18)。
調整用PC30は、プリンター10の機種を認識しており(S3)、設定されるべき印字位置(設定位置)を予め記憶している。このため、測定された印字位置と、この設定位置とのずれが、予め小さく定められた許容誤差値よりも小さければ、印字位置は正しく設定されていると認識する(S19:Yes)。
測定された印字位置と設定位置とのずれが許容誤差値よりも大きければ(S19:No)、調整用PC30は、この差分を表示し、作業者Hに、印字位置を修正するように指示する(S20:修正指示工程)。この際、調整用PC30は、プリンター10の機種、使用された給紙カセットを認識しているため、機種毎、給紙カセット毎に、印字位置を微調整するためにどの箇所(例えば該当給紙カセット周りの機構、両面印刷機構等)を操作すべきかを、作業者Hに対して指示することもできる。この指示により、作業者Hは、プリンター10における印字位置を微調整する。その後、再び印字作業の指示(S8)を行い、移行の作業を前記と同様に行わせる。これらの作業は、測定された印字位置と設定位置との差が許容誤差値よりも小さくなる(S19:Yes)まで行われる。
印字位置が正しく設定されたと認識されたら(S19:Yes)、調整用PC30は、選択された給紙カセット(S6)については、印字位置調整が終了したと認識する(S21)。このため、印字位置調整がまだ終わっていない給紙カセットがどれであるかも認識することができる。印字位置調整が終わっていない給紙カセットがまだ存在する場合(S22:No)には、再び給紙カセットの選択を指示し(S4)、以降の作業を上記と同様に行わせる。全ての給紙カセットについて印字位置調整が終了したと認識したら(S22:Yes)、このプリンター10についての印字位置調整は終了する。このため、次のプリンターにおける印字位置の調整を上記と同様に行うことができる。この際、このプリンターの機種が上記のプリンター10と異なっていてもよい。
なお、上記の印字位置調整方法において、印字後の用紙Pが撮像され(S15)、上記においては、用紙P及び文字の認識がされた(S16)が、この際に、用紙Pの種類(紙質、あるいはOHPシート等の樹脂製フィルムであるか否か)も判定することができる。この場合、調整用PC30は、このプリンター10がどのような用紙を用いて調整されたかの認識、記憶もすることができる。また、用紙Pにおける印字位置から離間した箇所に予め識別のためのマーキングを施し、これによって用紙Pの種類の識別を行ってもよい。
上記の印字位置調整方法においては、特にカメラ20を用いて撮像を行うことにより、まず、プリンター(画像形成装置)10の機種の認識を適切に行うことができる(S3)。上記の印字位置調整は画像形成装置の出荷前に行われるが、この際、同じ作業場で様々な機種の画像形成装置について同様の作業が行われ、例えば、同一の機種に対して連続的に作業が行われるとは限らない。この際、所定の印字位置(設定位置)も機種毎、給紙カセット毎に異なる場合がある。こうした場合においても、上記のようにプリンター10の機種、給紙カセットを自動的に調整用PC30が認識することによって、機種毎、給紙カセット毎の印字位置調整作業を適正に行うことができる。
また、給紙カセットが多数ある場合には、現在どの給紙カセットについて印字位置調整を行っているかを、作業者が誤認するおそれがある。これに対して、上記の印字位置調整方法においては、どの給紙カセットについて作業を行っているかを調整用PC30が認識する(S6)ため、こうした誤認を生ずることがない。同様に、排紙トレイが複数あり、複数の排紙トレイに用紙が存在しているときに、どの用紙(排紙トレイ)を用いるべきかを作業者が誤認する場合があるが、印字作業後に用紙が出力された排紙トレイをカメラ20によって認識する(S10、S13)ため、こうした誤認を生ずることもない。
これらと同様の認識をするための信号をプリンターから出力させ、この信号を調整用PCで読み取ることによって上記の認識やこれに応じた作業者への指示を行わせることもできる。しかしながら、この場合には、こうした信号を出力させる機能や端子をプリンター側に設けることが必要となる。また、実際は上記のような印字位置調整は流れ作業で行われるが、この際、この信号のやりとりをするためのケーブルの脱着を行う作業が必要となる。上記の印字位置調整方法によれば、カメラ(撮像部)20を用いるために、こうした作業は不要となり、調整対象となるプリンターを順次移動させて円滑に印字位置の調整作業を進めることができる。
また、従来は、印字位置の測定(判定)や調整作業等は作業者の感性や技量に委ねられる場合が多く、その結果には作業者毎のばらつきが生じるおそれがあるため、作業者にはこの作業に対する高い習熟度が要求された。これに対し、上記の印字位置調整方法によれば、各種の判定の大部分は調整用PC30が行い、作業者H自身の技量に委ねられるのは、印字位置の修正指示(S20)後に行われる微調整作業のみである。更に、この結果についての判定を行う(S19)のは調整用PC30であるため、印字位置調整の結果に作業者毎のばらつきが発生することが抑制され、作業者に対する高い習熟度も要求されない。
このため、上記の印字位置調整装置1、印字位置調整方法によれば、プリンター10における出荷前の印字位置調整を容易、かつ確実に行うことができる。大型の複合機等、印字位置を最適化するために調整する箇所が多い画像形成装置においては、この印字位置調整装置、印字位置調整方法は、特に有効である。
また、上記の例では、調整用PC30が画像において認識すべき特徴点として、識別マーク12、給紙カセット11A〜11C、排紙トレイが用いられた。しかしながら、画像形成装置の構成、仕様等に応じ、他の部分を特徴点とすることもできる。こうした特徴点は、例えば予め撮像部が画像形成装置を撮像した画像を制御部が得て、その中からAR技術を用いて作業者が設定させることができる。上記の識別マーク12のように、その特徴点から画像形成装置の機種や仕様に関する情報を得ることができる。あるいは、上記の給紙カセットや排紙トレイのように、特徴点の初期状態からの変化を画像から認識することによって、画像形成装置の状態を認識することができる。
また、上記の撮像部によって、印字位置調整作業において必要な様々な情報として、上記以外の情報、あるいは画像形成装置の状態を制御部が得ることができる。制御部は、撮像部によって得られた画像データにARデータを適用して、こうした情報を容易に得ることができる。この際、例えば、制御部と作業者との間で対話型のインターフェースを用いて、こうした情報をより正確に得ることもできる。
1 印字位置調整装置
10 プリンター(画像形成装置)
11A〜11C 給紙カセット
12 識別マーク
20 カメラ(撮像部)
30 調整用パーソナルコンピュータ(調整用PC:制御部)
H 作業者
L 文字
P 用紙
V 画像
10 プリンター(画像形成装置)
11A〜11C 給紙カセット
12 識別マーク
20 カメラ(撮像部)
30 調整用パーソナルコンピュータ(調整用PC:制御部)
H 作業者
L 文字
P 用紙
V 画像
Claims (6)
- 用紙に対して印字を行う画像形成装置に対して、前記用紙内における印字位置を予め定められた設定位置に合わせ込む調整を行う印字位置調整方法であって、
撮像装置を用いて前記画像形成装置を撮像することによって、前記画像形成装置に関わる情報を認識する情報認識工程と、
前記用紙に対して印字を行わせる印字工程と、
作業者によって提示された前記印字工程後の前記用紙を前記撮像装置を用いて撮像した画像を得る用紙撮像工程と、
前記画像中における前記用紙及び前記用紙内における前記印字位置を認識する印字位置認識工程と、
前記印字位置と前記設定位置とのずれを前記作業者に提示する修正指示工程と、を具備することを特徴とする印字位置調整方法。 - 前記情報認識工程において、前記画像形成装置の機種を認識することを特徴とする請求項1に記載の印字位置調整方法。
- 前記画像形成装置において、前記用紙を収容する給紙カセットが複数用いられ、前記印字位置の調整は前記給紙カセット毎に行われ、
前記情報認識工程において、複数の前記給紙カセットのうち、印字を行わせる前記用紙を収容する前記給紙カセットを認識することを特徴とする請求項1又は2に記載の印字位置調整方法。 - 前記画像形成装置において、印字後の前記用紙を収容する排紙トレイが複数用いられ、
前記情報認識工程において、複数の前記排紙トレイのうち、印字が行われた前記用紙が収容された前記排紙トレイを認識することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の印字位置調整方法。 - 前記用紙撮像工程の後で、前記画像より、前記用紙の種類を認識することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の印字位置調整方法。
- 用紙に対して印字を行う画像形成装置に対して、前記用紙内における印字位置を予め定められた設定位置に合わせ込む調整を行うために用いられる印字位置調整装置であって、
前記画像形成装置を撮像する撮像部と、
前記撮像部に前記画像形成装置を撮像させることによって前記画像形成装置に関わる情報を認識すると共に、印字された前記用紙を前記撮像部を用いて撮像した画像から前記用紙及び前記用紙内における前記印字位置を認識し、前記印字位置と前記設定位置とのずれを表示させる制御部と、
を具備することを特徴とする印字位置調整装置。
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