JP2018139789A - ステントデリバリーシステム - Google Patents

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和幸 倉田
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Abstract

【課題】自己拡張型ステントが拡張するときに先端側に移動することを抑えることで、自己拡張型ステントを目的部位に正確に留置することができるステントデリバリーシステムを提供すること。
【解決手段】ステントデリバリーシステム2は、径方向に貫通した孔31を有する外筒3と、外筒に対して相対的に軸21を中心として回転可能に設けられ、孔31を通して外筒の外側に突出した突出部42を有する内筒4と、拡張機能を有し拘束から解放されると拡張して収縮前の形状に復元する自己拡張型のステント6であって、表面611の一部が突出部42に覆われて拘束されることにより収縮状態で外筒の外部に装着されたステント6と、を備える。外筒および内筒のいずれか一方が外筒および内筒のいずれか他方に対して軸を中心として回転すると、突出部がステントの表面から外れ、ステントが突出部による拘束から解放され拡張する。
【選択図】図2

Description

本発明は、血管、胆管、気管、食道、尿道等の生体管腔内に生じた狭窄部もしくは閉塞部にステントを留置するためのステントデリバリーシステムに関する。
血管、胆管、食道、気管、尿道、消化管その他の臓器などの生体管腔内に生じた狭窄部あるいは閉塞部にステントを留置して、生体管腔内の空間を確保するステントデリバリーシステムが提案されている。ステントデリバリーシステムに使用されるステントとしては、機能および留置方法によって、バルーン拡張型ステントと自己拡張型ステントとがある。
バルーン拡張型ステントは、ステント自身では拡張機能を有していない。バルーン拡張型ステントを目的部位に留置するためには、例えばステント内にバルーンを位置させて目的部位まで挿入した後、バルーンを拡張させ、バルーンの拡張力によりステントを拡張(塑性変形)させる。これにより、ステントは、目的部位の内面に密着し固定(留置)される。バルーン拡張型ステントでは、前述したようなステントの拡張作業が必要である一方で、収縮したバルーンにステントを直接取り付けて留置することができる。そのため、バルーン拡張型ステントの留置に関する問題は、自己拡張型ステントの留置に関する問題よりも少ない。
これに対して、自己拡張型ステントは、ステント自身で拡張機能を有している。特許文献1には、このような自己拡張型ステントが装着された自己拡張ステント配送カテーテルアセンブリが開示されている。自己拡張型ステントを目的部位に留置するためには、ステントを収縮させた状態で目的部位に挿入した後、収縮状態の維持のために負荷した応力を除去する。例えば、目的部位の内径よりも小さい外径のシース内にステントを収縮させて収納し、シースの先端を目的部位に到達させた後、ステントをシースの外部へ押し出す。これにより、ステントに負荷された応力が解除される。そのため、押し出されたステントは、シースから解放されることにより拡張し、収縮前の形状に復元する。これにより、ステントは、目的部位の内面に密着し固定(留置)される。
特許第4642307号公報
しかしながら、バルーン拡張型ステントと比較すると、自己拡張型ステントは、拡張するときに先端側に移動しやすい。その理由は、バルーン拡張型ステントのデリバリーシステムの場合には、ステントを目的の狭窄部に配置した後に、バルーンの中に液体を注入してバルーンを拡張するため、ステントの拡張時にステントが先端側に動くことはほとんどない。一方、自己拡張型ステントのデリバリーシステムの場合には、内管と外管との間にステントを収納して拘束し、内管上のステントの基端側にステントの動きを規制する係止部を設け、外管を基端側に引いてステントに対して基端側に向かう力を加えることで、ステントが受けていた拘束を解放してステントを自己拡張させる。ステントが自己拡張する際、ステントに生ずる摩擦やステント自身の弾性力により、ステントに対して先端側に向かう力が加わる。そのため、自己拡張型ステントは先端側に移動しやすい。そのため、自己拡張型ステントを目的部位に正確に留置するという点においては、改善の余地がある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、自己拡張型ステントが拡張するときに先端側に移動することを抑えることで、自己拡張型ステントを目的部位に正確に留置することができるステントデリバリーシステムを提供することを目的とする。
前記課題は、本発明によれば、径方向に貫通した孔を有する外筒と、前記外筒の内部において前記外筒に対して相対的に軸を中心として回転可能に設けられ、外面から前記孔を通して前記外筒の外側に突出した突出部を有する内筒と、自身が拡張機能を有し拘束から解放されると拡張して収縮前の形状に復元する自己拡張型のステントであって、表面の一部が前記突出部に覆われて拘束されることにより収縮状態で前記外筒の外部に装着されたステントと、を備え、前記外筒および前記内筒のいずれか一方が前記外筒および前記内筒のいずれか他方に対して前記軸を中心として回転すると、前記突出部が前記ステントの前記表面から外れ、前記ステントが前記突出部による前記拘束から解放され拡張することを特徴とするステントデリバリーシステムにより解決される。
前記構成によれば、自己拡張型のステントは、ステントの表面の一部が内筒の突出部に覆われて拘束されることにより収縮状態で外筒の外部に装着されている。すなわち、ステントは、例えばシースの内部に収縮され収納されているわけではない。そして、外筒および内筒のいずれか一方が外筒および内筒のいずれか他方に対して軸を中心として回転すると、内筒の突出部がステントの表面から外れ、ステントが内筒の突出部による拘束から解放され拡張する。すなわち、ステントは、例えばシースの内部からシースの外部へ押し出されて拡張するわけではない。そのため、先端側および基端側に向かう力がステントに加わることを抑えることができる。これにより、自己拡張型ステントが拡張するときに先端側に移動することを抑えることができる。そのため、自己拡張型ステントを目的部位に正確に留置することができる。
また、ステントが例えばシースの内部に収納されているわけではないため、ステントが拘束から解放されて拡張するときに、シースとステントとの間には摩擦は生じない。そのため、薬剤含有体がステントの表面に塗布されている場合であっても、薬剤含有体が塗布されたステントの表面と例えばシースとの間には摩擦は生じない。これにより、薬剤含有体がステントの表面から剥がれることを抑え、薬剤含有体がステントの表面に塗布された状態で、ステントを目的部位に送達し留置することができる。
また、ステントが例えばシースの内部に収納されているわけではないため、ステントデリバリーシステムの細径化を図ることができる。これにより、外筒が狭窄部あるいは閉塞部に引っ掛かることを抑え、目的部位にステントをより容易に送達することができる。
好ましくは、前記突出部は、可撓性を有する材料により形成されたことを特徴とする。
前記構成によれば、突出部が可撓性を有する材料により形成されているため、外筒および内筒のいずれか一方が外筒および内筒のいずれか他方に対して軸を中心として比較的容易に回転することができる。また、外筒および内筒のいずれか一方が外筒および内筒のいずれか他方に対して軸を中心として回転すると、突出部は、外筒の孔の内壁に押されて撓むことができる。これにより、ステントの表面から突起部を比較的容易に外すことができ、突出部による拘束からステントを比較的容易に解放し拡張させることができる。
好ましくは、前記突出部は、前記ステントの前記表面を覆う部分から前記内筒に向かって延びた引っ掛け部を有することを特徴とする。
前記構成によれば、突出部は、ステントの表面を覆う部分から内筒に向かって延びた引っ掛け部を有するため、ステントを収縮状態でより確実に拘束し、ステントが目的部位まで送達されるときに外筒から外れることを抑えることができる。すなわち、突出部は、ステントを外筒の外部により確実に装着した状態で目的部位まで送達することができる。また、突出部がステントの表面から外れる方向とは反対の方向に向かって外筒および内筒のいずれか一方を回転させることで、突出部は、ステントを収縮状態でさらに確実に拘束することができる。
好ましくは、前記外筒は、前記軸方向および周方向に沿って配置された複数の前記孔を有し、前記内筒は、前記軸方向および前記周方向に沿って配置された複数の前記突出部を有し、前記軸方向に沿って配置された前記複数の孔のうちの少なくともいずれかの前記周方向に沿った長さは、前記軸方向に沿って配置された前記複数の孔のうちの他のいずれかの前記周方向に沿った長さとは異なることを特徴とする。
前記構成によれば、軸方向に沿ってみたときに、外筒の複数の孔のうちの少なくともいずれかの外筒の周方向に沿った長さは、外筒の複数の孔のうちの他のいずれかの外筒の周方向に沿った長さとは異なる。そのため、外筒および内筒のいずれか一方が外筒および内筒のいずれか他方に対して軸を中心として回転するときに、複数の突出部のうちの少なくともいずれかがステントの表面から外れるタイミングを、複数の突出部のうちの他のいずれかがステントの表面から外れるタイミングとは異ならせることができる。そのため、軸方向に沿ってみたときに、ステントの一部が拡張するタイミングをステントの他の一部が拡張するタイミングとは異ならせることができる。これにより、ステントの一部は、ステントの他の一部よりも先行して拡張し、目的部位の内面に密着し固定される。そのため、術者は、目的部位におけるステントの位置決めを容易に行うことができ、ステントが拡張するときに先端側に移動することを抑えつつ、目的部位にステントを正確に留置することができる。
好ましくは、前記複数の孔の前記周方向に沿った長さは、前記軸の一方の側から前記軸の他方の側に向かって順に長くなることを特徴とする。
前記構成によれば、外筒の複数の孔の周方向に沿った長さは、軸の一方の側から軸の他方の側に向かって順に長くなる。そのため、外筒および内筒のいずれか一方が外筒および内筒のいずれか他方に対して軸を中心として回転するときに、複数の突出部は、軸の一方の側から軸の他方の側に向かって順にステントの表面から外れる。これにより、ステントは、軸の一方の側から軸の他方の側に向かって順に拡張し、目的部位の内面に密着し固定される。そのため、術者は、目的部位におけるステントの位置決めを軸の一方の側から軸の他方の側に向かって順に行うことができ、ステントが拡張するときに先端側に移動することを抑えつつ、目的部位にステントを正確に留置することができる。
好ましくは、前記複数の孔の前記周方向に沿った長さは、前記複数の孔の前記軸方向に沿った配置における中央から両側に向かって順に長くなるまたは短くなることを特徴とする。
前記構成によれば、外筒の複数の孔の周方向に沿った長さは、外筒の複数の孔の軸方向に沿った配置における中央から両側に向かって順に長くなるまたは短くなる。そのため、外筒および内筒のいずれか一方が外筒および内筒のいずれか他方に対して軸を中心として回転するときに、複数の突出部は、外筒の複数の孔の軸方向に沿った配置における中央から両側に向かって、あるいは両側から中央に向かって順にステントの表面から外れる。これにより、ステントは、外筒の複数の孔の軸方向に沿った配置における中央から両側に向かって、あるいは両側から中央に向かって順に拡張し、目的部位の内面に密着し固定される。そのため、術者は、目的部位におけるステントの位置決めを外筒の複数の孔の軸方向に沿った配置における中央から両側に向かって、あるいは両側から中央に向かって順に行うことができ、ステントが拡張するときに先端側に移動することを抑えつつ、目的部位にステントを正確に留置することができる。
好ましくは、前記外筒は、前記軸方向および周方向に沿って配置された複数の前記孔を有し、前記内筒は、前記軸方向および前記周方向に沿って配置された複数の前記突出部を有し、前記突出部が前記ステントの前記表面を覆った部分において、前記軸方向に沿って配置された前記複数の突出部のうちの少なくともいずれかの前記周方向に沿った長さは、前記軸方向に沿って配置された前記複数の突出部のうちの他のいずれかの前記周方向に沿った長さとは異なることを特徴とする。
前記構成によれば、軸方向に沿ってみたときに、突出部がステントの表面を覆った部分において、複数の突出部のうちの少なくともいずれかの内筒の周方向に沿った長さは、複数の突出部のうちの他のいずれかの内筒の周方向に沿った長さとは異なる。そのため、外筒および内筒のいずれか一方が外筒および内筒のいずれか他方に対して軸を中心として回転するときに、複数の突出部のうちの少なくともいずれかがステントの表面から外れるタイミングを、複数の突出部のうちの他のいずれかがステントの表面から外れるタイミングとは異ならせることができる。そのため、軸方向に沿ってみたときに、ステントの一部が拡張するタイミングをステントの他の一部が拡張するタイミングとは異ならせることができる。これにより、ステントの一部は、ステントの他の一部よりも先行して拡張し、目的部位の内面に密着し固定される。そのため、術者は、目的部位におけるステントの位置決めを容易に行うことができ、ステントが拡張するときに先端側に移動することを抑えつつ、目的部位にステントを正確に留置することができる。
好ましくは、前記複数の突出部の前記周方向に沿った長さは、前記軸の一方の側から前記軸の他方の側に向かって順に長くなることを特徴とする。
前記構成によれば、複数の突出部の周方向に沿った長さは、軸の一方の側から軸の他方の側に向かって順に長くなる。そのため、外筒および内筒のいずれか一方が外筒および内筒のいずれか他方に対して軸を中心として回転するときに、複数の突出部は、軸の一方の側から軸の他方の側に向かって順にステントの表面から外れる。これにより、ステントは、軸の一方の側から軸の他方の側に向かって順に拡張し、目的部位の内面に密着し固定される。そのため、術者は、目的部位におけるステントの位置決めを軸の一方の側から軸の他方の側に向かって順に行うことができ、ステントが拡張するときに先端側に移動することを抑えつつ、目的部位にステントを正確に留置することができる。
好ましくは、前記複数の突出部の前記周方向に沿った長さは、前記複数の突出部の前記軸方向に沿った配置における中央から両側に向かって順に長くなるまたは短くなることを特徴とする。
前記構成によれば、複数の突出部の周方向に沿った長さは、複数の突出部の軸方向に沿った配置における中央から両側に向かって順に長くなるまたは短くなる。そのため、外筒および内筒のいずれか一方が外筒および内筒のいずれか他方に対して軸を中心として回転するときに、複数の突出部は、外筒の複数の孔の軸方向に沿った配置における中央から両側に向かって、あるいは両側から中央に向かって順にステントの表面から外れる。これにより、ステントは、外筒の複数の孔の軸方向に沿った配置における中央から両側に向かって、あるいは両側から中央に向かって順に拡張し、目的部位の内面に密着し固定される。そのため、術者は、目的部位におけるステントの位置決めを外筒の複数の孔の軸方向に沿った配置における中央から両側に向かって、あるいは両側から中央に向かって順に行うことができ、ステントが拡張するときに先端側に移動することを抑えつつ、目的部位にステントを正確に留置することができる。
好ましくは、前記外筒の基端部に設けられるとともに前記外筒および前記内筒のいずれかに接続され、前記接続された前記外筒および前記内筒のいずれかを前記軸を中心として回転させるダイヤルを有する操作部をさらに備えたことを特徴とする。
前記構成によれば、術者は、外筒の基端部に設けられた操作部のダイヤルを操作することにより、ダイヤルに接続された外筒および内筒のいずれかを軸を中心として回転させることができる。これにより、術者は、外筒および内筒のいずれかを軸を中心として容易に回転させることができ、ステントが拡張するときに先端側に移動することを抑えつつ、ステントを目的部位に正確に留置することができる。また、術者は、操作部のダイヤルを片手で操作することにより、ステントを容易に拡張させることができる。
本発明によれば、自己拡張型ステントが拡張するときに先端側に移動することを抑えることで、自己拡張型ステントを目的部位に正確に留置することができるステントデリバリーシステムを提供することができる。
本発明の実施形態に係るステントデリバリーシステムを表す平面図である。 本実施形態のステントが装着された部分を表す斜視図である。 本実施形態のステントが装着された部分を表す斜視図である。 図1に表した切断面A−Aにおける断面図である。 外筒および内筒の他の動作を説明する断面図である。 突出部の第1変形例を説明する断面図である。 突出部の第2変形例を説明する断面図である。 外筒の孔と内筒の突出部との間の関係を例示する平面図である。 外筒の孔と内筒の突出部との間の関係の第1変形例を表す平面図である。 外筒の孔と内筒の突出部との間の関係の第2変形例を表す平面図である。 外筒の孔と内筒の突出部との間の関係の第3変形例を表す平面図である。 外筒の孔と内筒の突出部との間の関係の第4変形例を表す平面図である。 外筒の孔と内筒の突出部との間の関係の第5変形例を表す平面図である。 外筒の孔と内筒の突出部との間の関係の第6変形例を表す平面図である。 操作部の第1変形例を表す平面図である。 操作部の第2変形例を表す平面図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施形態に係るステントデリバリーシステムを表す平面図である。
図2および図3は、本実施形態のステントが装着された部分を表す斜視図である。
なお、図2(b)は、図2(a)に表した領域A1を拡大した拡大図である。図3(b)は、図3(a)に表した領域A2を拡大した拡大図である。
本発明の実施形態に係るステントデリバリーシステム2は、血管、胆管、食道、気管、尿道、消化管その他の臓器などの生体管腔内に生じた狭窄部あるいは閉塞部にステント6を留置して、生体管腔内の空間を確保する。ステントデリバリーシステム2は、外筒3と、内筒4と、操作部5と、ステント6と、を備える。なお、本願明細書において、管腔に挿入する側を「先端」若しくは「先端側」、操作する手元側を「基端」若しくは「基端側」と称する。
ステント6は、ステント自身において拡張機能を有し、拘束から解放されると弾性力により拡張して収縮前の形状に復元する。すなわち、本実施形態のステント6は、自己拡張型のステントである。図2(a)〜図3(b)に表したように、ステント6は、細く線状に延びた素線としてのストラット61を有し、全体として筒状の骨格に形成されている。具体的には、ストラット61は、ステント6の軸回りを周回してリング状に形成され且つ軸方向に略ジグザグ状に形成された波状リングを構成している。波状リングは、ステント6の軸方向に複数並び、隣接し合う波状リング同士が連結部により連結されている。ステント6は、連結部が複数の波状リングを連ねることで、ステント6の軸方向に連なって側周面が網目状を呈する筒状となる。ストラット61の延在方向と直交する切断面におけるストラット61の断面形状は、矩形である。なお、ストラット61の断面形状は、矩形だけには限定されない。
ステント6の拡張時(非圧縮時、復元時)の外径は、ステント6が留置される目的部位により異なるが、一般的に、例えば約1.5mm以上30mm以下程度であり、好ましくは約2.0mm以上20mm以下程度である。ステント6の肉厚は、例えば約0.04mm以上1.0mm以下程度であり、好ましくは約0.06mm以上0.5mm以下程度である。ステント6の軸方向の長さは、例えば約5mm以上250mm以下程度であり、好ましくは約10mm以上200mm以下程度である。
ステント6の形成材料としては、合成樹脂または金属が使用される。合成樹脂としては、ある程度の硬度と弾性とを有する合成樹脂が挙げられ、生体適合性合成樹脂が好ましい。具体的には、合成樹脂は、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート),フッ素樹脂(例えば、PTFE、ETFE)、若しくは生体内吸収材料であるポリ乳酸、ポリグリコール酸、又はポリ乳酸とポリグリコール酸の共重合体などである。
また、金属としては、生体適合性を有する金属が好ましく、例えば、ステンレス、タンタル、ニッケルチタン合金などが挙げられる。好ましくは、金属は、超弾性金属である。超弾性金属としては、超弾性合金が好適に使用される。ここでいう超弾性合金は、一般に形状記憶合金などと呼ばれ、少なくとも生体温度(37℃付近)で超弾性を示す。好ましくは、49〜54原子%NiのTi−Ni合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(X=Be,Si,Sn,Al,Ga)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等の超弾性合金が使用される。特に好ましくは、上記のTi−Ni合金である。また、Ti−Ni合金の一部を0.01〜10.0%Xで置換したTi−Ni−X合金(X=Co,Fe,Mn,Cr,V,Al,Nb,W,B,Au,Pdなど)とすること、またはTi−Ni合金の一部を0.01〜30.0%原子で置換したTi−Ni−X合金(X=Cu,Pb,Zr)とすること、また、冷間加工率または/および最終熱処理の条件を選択することにより、機械的特性を適宜変えることができる。
使用される超弾性合金の座屈強度(負荷時の降伏応力)は、5〜200kgf/mm(22℃)、好ましくは、8〜150kgf/mmである。使用される超弾性合金の復元応力(除荷時の降伏応力)は、3〜180kgf/mm(22℃)、好ましくは、5〜130kgf/mmである。ここでいう超弾性とは、使用温度において通常の金属が塑性変形する領域まで変形(曲げ、引張り、圧縮)させても、荷重の解放後、加熱を必要とせずにほぼ圧縮前の形状に回復することを意味する。
ステント6は、全体において物性の急激な変更点が形成されることなく一体に形成されていることが好ましい。ステント6は、例えば、留置される生体管腔内の目的部位に適合した外径を有する金属パイプを準備し、金属パイプの側面を、切削加工(例えば、機械的切削、レーザ切削)、化学エッチングなどにより部分的に除去して、側面に複数の切欠部または複数の開口を形成することにより作製される。
なお、ステント6の形成に用いられる超弾性金属パイプは、不活性ガスまたは真空雰囲気において超弾性合金のインゴットを形成し、インゴットを機械的に研磨し、続いて、熱間プレスおよび押し出しにより太経パイプを形成し、その後順次ダイス引き抜き工程および熱処理工程を繰り返すことにより、所定の肉厚、外径のパイプに細径化し、最終的に表面を化学的または物理的に研磨することにより製造される。そして、超弾性合金パイプによるステント6の形成は、切削加工(例えば、機械研磨、レーザ切削加工)、放電加工、化学エッチングなどにより行われる。また、超弾性合金パイプによるステント6の形成は、これらの加工の併用により行われてもよい。
ステント6の表面全体もしくは表面の一部には、薬剤を含む薬剤含有体が塗布されていてもよい。この場合、薬剤含有体は、ステント6の表面全体に塗布されていることが好ましいが、ステント6の表面の一部に被覆されていてもよい。
薬剤含有体に含まれる薬剤としては、例えば、抗癌剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗リウマチ剤、抗血栓薬、HMG−CoA還元酵素阻害剤、インスリン抵抗性改善剤、ACE阻害剤、カルシウム拮抗薬、抗高脂血症薬、インテグリン阻害薬、抗アレルギー剤、抗酸化剤、GP IIb/IIIa拮抗薬、レチノイド、フラボノイド、カロチノイド、脂質改善薬、DNA合成阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗血小板薬、抗炎症薬、生体由来材料、インターフェロン、一酸化窒素産生促進物質が挙げられる。
抗癌剤は、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、イリノテカン、ピラルビシン、パクリタキセル、ドセタキセル、メトトレキサートである。免疫抑制剤は、例えば、シロリムス、エベロリムス、ピメクロリムス、ゾタロリムス、バイオリムス、AP23573、CCI−779等のシロリムス誘導体、タクロリムス、アザチオプリン、シクロスポリン、シクロフォスファミド、ミコフェノール酸モフェチル、グスペリムス、ミゾリビン、ドキソルビシンである。
抗生物質は、例えば、マイトマイシン、アクチノマイシン、ダウノルビシン、イダルビシン、ピラルビシン、アクラルビシン、エピルビシン、ペプロマイシン、ジノスタチンスチマラマー、バンコマイシンである。抗リウマチ剤は、例えば、メトトレキサート、チオリンゴ酸ナトリウム、ペニシラミン、ロベンザリットである。抗血栓薬は、例えば、ヘパリン、アスピリン、抗トロンピン製剤、チクロピジン、ヒルジンである。
HMG−CoA還元酵素阻害剤は、例えば、セリバスタチン、セリバスタチンナトリウム、アトルバスタチン、アトルバスタチンカルシウム、ロスバスタチン、ロスバスタチンカルシウム、ピタバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、フルバスタチン、フルバスタチンナトリウム、シンバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、プラバスタチンナトリウムである。
インスリン抵抗性改善剤は、例えば、トログリタゾン、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン等のチアゾリジン誘電体である。ACE阻害剤は、例えば、キナプリル、ペリンドプリルエルブミン、トランドラプリル、シラザプリル、テモカプリル、デラプリル、マレイン酸エナラプリル、リシノブリル、カプトプリルである。カルシウム拮抗剤は、例えば、ニフェジピン、ニルバジピン、ジルチアゼム、ベニジピン、ニソルジピンである。
抗高脂血症剤は、例えば、ベザフィブラート、フェノフィブラート、エゼチミブ、トルセトラピブ、パクチミブ、K−604、インプリタピド、プロブコールである。
インテグリン阻害薬は、例えば、AJM300である。抗アレルギー剤は、例えば、トラニラストである。抗酸化剤は、例えば、α−トコフェロール、カテキン、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールである。GP IIb/IIIa拮抗薬は、例えば、アブシキシマブである。レチノイドは、例えば、オールトランスレチノイン酸である。フラボノイドは、例えば、エピガロカテキン、アントシアニン、プロアントシアニジンである。カロチノイドは、例えば、β−カロチン、リコピンである。
脂質改善薬は、例えば、エイコサペンタエン酸である。DNA合成阻害剤は、例えば、5−FUである。チロシンキナーゼ阻害剤は、例えば、ゲニステイン、チルフォスチン、アーブスタチン、スタウロスポリンである。抗血小板薬は、例えば、チクロピジン、シロスタゾール、クロピドグレルである。抗炎症剤は、例えば、デキサメタゾン、プレドニゾロン等のステロイドである。
生体由来材料は、例えば、EGF(epidermal growth factor)、VEGF(vascular endothelial growth factor)、HGF(hepatocyte growth factor)、PDGF(platelet derived growth factor)、BFGF(basic fibroblast growth factor)である。インターフェロンは、例えば、インターフェロン−γ1aである。一酸化窒素産生促進物質は、例えば、L−アルギニンである。
なお、狭窄治療用として一般的に用いられ、かつ短時間に効率よく細胞内へ移行させることができるという観点から、パクリタキセル、ドセタキセル、シロリムス、エベロリムスが好ましく、特に、シロリムスおよびパクリタキセルが好ましい。
外筒3は、血管等の生体管腔内に挿入可能な可撓性を有する材料により形成されており、先端および基端が開口した管状体である。図2(a)〜図3(b)に表したように、外筒3は、内筒4を内部に収納し、径方向に貫通した孔31を有する。図2(a)〜図3(b)に表した例では、外筒3は、軸21方向に沿って配置されるとともに周方向に沿って配置された複数の孔31を有する。
外筒3の形成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等のポリオレフィンや、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が挙げられる。
外筒3の先端には、先端部39が設けられている。先端部39は、外筒3の先端より突出し、先端に向かって徐々に縮径するテーパ状に形成されている。これにより、狭窄部に対するステントデリバリーシステム2の挿入が容易となる。先端部39の形成材料としては、外筒3の形成材料に関して前述した材料が挙げられる。あるいは、先端部39の形成材料としては、例えば、オレフィン系エラストマー(例えば、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー)、ポリアミドエラストマー、スチレン系エラストマー(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレンブチレン−スチレンコポリマー)、ポリウレタン、ウレタン系エラストマー、フッ素樹脂系エラストマーなどの合成樹脂エラストマー、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ラテックスゴムなどの天然ゴムなどのゴム類が挙げられる。
内筒4は、外筒3の内部に設けられている。内筒4は、外筒3の内部において外筒3に対して相対的に軸21を中心として回転可能に設けられている。軸21は、ステントデリバリーシステム2、外筒3および内筒4の少なくともいずれかの延在方向に沿った軸である。内筒4は、血管等の生体管腔内に挿入可能な可撓性を有する材料により形成されており、先端および基端が開口した管状体である。内筒4の内部には、ガイドワイヤが挿通されるガイドワイヤ用ルーメン41が先端から基端まで延びて形成されている。なお、ガイドワイヤ用ルーメン41は、内筒4の先端から内筒4の途中で側方に延びていてもよい。また、ガイドワイヤ用ルーメンは、必ずしも内筒4の内部に形成されていなくともよく、外筒3および内筒4以外の他の管状体の内部に形成されていてもよい。
内筒4の形成材料としては、外筒3の形成材料に関して前述した材料が挙げられる。あるいは、内筒4の形成材料としては、金属材料が挙げられる。金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、Ni−Ti合金などが挙げられる。
図2(a)〜図3(b)に表したように、内筒4は、突出部42を有する。図2(a)〜図3(b)に表した例では、内筒4は、軸21方向に沿って配置されるとともに周方向に沿って配置された複数の突出部42を有する。突出部42は、内筒4の外面43(例えば図4(a)参照)に設けられ、内筒4の外面43から外筒3の孔31を通して外筒3の外側に突出している。突出部42は、内筒4の外面43に接着剤または熱融着等により固着されている。あるいは、突出部42は、内筒4の管状部分と一体的に形成されていてもよい。突出部42の形成材料としては、内筒4の形成材料に関して前述した材料が挙げられる。
図2(b)に表したように、突出部42は、収縮状態で外筒3の外部(具体的には外面32)に装着されたステント6の表面611の一部を覆い、ステント6を拘束している。言い換えれば、ステント6は、表面611の一部が突出部42に覆われて拘束されることにより、収縮状態で外筒3の外部(具体的には外面32)に装着されている。
外筒3の基端には、操作部5が設けられている。操作部5は、外筒3の基端に接続され軸21に沿って延在しており、側方に設けられたダイヤル51を有する。ダイヤル51は、外筒3および内筒4のいずれかに接続され、ダイヤル51に接続された外筒3および内筒4のいずれかを軸21を中心として回転させることができる。すなわち、ダイヤル51は、外筒3および内筒4のいずれか一方を外筒3および内筒4のいずれか他方に対して軸21を中心として回転させることができる。
図3(b)に表した矢印A3ように、外筒3および内筒4のいずれか一方が外筒3および内筒4のいずれか他方に対して軸21を中心として回転すると、突出部42が外筒3に対して相対的に周方向に移動し、ステント6の表面611から外れる。これにより、ステント6は、突出部42による拘束から解放され拡張する。この動作を、図面を参照してさらに説明する。
図4は、図1に表した切断面A−Aにおける断面図である。
なお、図4(a)は、内筒4が外筒3に対して軸21を中心として回転する前の状態を表す。図4(b)は、内筒4が外筒3に対して軸21を中心として回転した後の状態を表す。
図2(a)〜図3(b)に関して前述したように、突出部42は、内筒4の外面43に設けられ、内筒4の外面43から外筒3の孔31を通して外筒3の外側に突出している。具体的には、突出部42は、基部421と、押さえ部422と、を有する。基部421は、内筒4の外面43に接続され、内筒4の外面43から外筒3の孔31を通して外筒3の外側に延びている。押さえ部422は、基部421に接続され、外筒3および内筒4の略周方向に延びている。そして、図4(a)に表したように、押さえ部422は、収縮状態で外筒3の外部に装着されたステント6の表面611の一部を覆っている。これにより、ステント6は、表面611の一部が突出部42の押さえ部422に覆われて拘束されることにより、収縮状態で外筒3の外部に装着される。
続いて、図4(a)に表した矢印A11のように、内筒4が外筒3に対して軸21を中心として回転すると、突出部42の基部421が外筒3の孔31の内部において周方向に移動し、軸21を中心として回転する。そうすると、図4(b)に表した矢印A12、A13、A14、A15のように、突出部42の押さえ部422が軸21を中心として回転し、ステント6の表面611から外れる。これにより、図4(b)に表した矢印A16、A17、A18、A19に表したように、ステント6は、突出部42による拘束から解放され拡張する。
本実施形態に係るステントデリバリーシステム2によれば、外筒3および内筒4のいずれか一方が外筒3および内筒4のいずれか他方に対して軸21を中心として回転すると、内筒4の突出部42がステント6の表面611から外れ、ステント6が内筒4の突出部42による拘束から解放され拡張する。すなわち、ステント6は、例えばシースの内部からシースの外部へ押し出されて拡張するわけではない。そのため、先端側および基端側に向かう力がステント6に加わることを抑えることができる。これにより、自己拡張型のステント6が拡張するときに先端側に移動することを抑えることができる。そのため、自己拡張型のステント6を目的部位に正確に留置することができる。
また、ステント6が例えばシースの内部に収納されているわけではないため、ステント6が拘束から解放されて拡張するときに、シースとステントとの間には摩擦は生じない。そのため、薬剤含有体がステント6に塗布されている場合であっても、薬剤含有体が塗布された部分と例えばシースとの間には摩擦は生じない。これにより、薬剤含有体がステント6から剥がれることを抑え、薬剤含有体がステント6に塗布された状態で、ステント6を目的部位に送達し留置することができる。また、ステント6が例えばシースの内部に収納されているわけではないため、ステントデリバリーシステム2の細径化を図ることができる。これにより、先端部39や外筒3が狭窄部あるいは閉塞部に引っ掛かることを抑え、目的部位にステント6をより容易に送達することができる。
さらに、操作部5のダイヤル51を操作することにより、ダイヤル51に接続された外筒3および内筒4のいずれかを軸21を中心として回転させることができる。これにより、術者は、外筒3および内筒4のいずれかを軸21を中心として容易に回転させることができ、ステント6が拡張するときに先端側に移動することを抑えつつ、ステント6を目的部位に正確に留置することができる。また、術者は、操作部5のダイヤル51を片手で操作することにより、ステント6を容易に拡張させることができる。
図5は、外筒および内筒の他の動作を説明する断面図である。
なお、図5は、図1に表した切断面A−Aにおける断面図に相当する。図5(a)は、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転する前の状態を表す。図5(b)は、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転した後の状態を表す。
図5(a)に表した状態は、図4(a)に関して前述した状態と同じである。続いて、図5(a)に表した矢印A21、A22、A23、A24のように、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転すると、外筒3の孔31の内壁が突出部42の基部421に接触する。そして、図5(b)に表したように、外筒3が内筒4に対して軸21を中心としてさらに回転すると、突出部42の基部421は、可撓性を有するため、外筒3の孔31の内壁に押されて撓む。そのため、突出部42の押さえ部422がステント6の表面611から外れる。これにより、図5(b)に表した矢印A16、A17、A18、A19に表したように、ステント6は、突出部42による拘束から解放され拡張する。
このように、本実施形態に係るステントデリバリーシステム2では、内筒4が外筒3に対して軸21を中心として回転する場合だけではなく、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転する場合であっても、突出部42の押さえ部422がステント6の表面611から外れる。そして、ステント6は、突出部42による拘束から解放され拡張する。これにより、図4(a)および図4(b)に関して前述した効果と同様の効果が得られる。
なお、図5(a)および図5(b)に表した例では、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として矢印A21、A22、A23、A24の方向に回転する場合を例に挙げて説明したが、内筒4が外筒3に対して軸21を中心として矢印A21、A22、A23、A24とは反対方向に回転する場合であっても、突出部42の基部421が外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことで、同様の作用が生じ、同様の効果が得られる。
次に、突出部の変形例を、図面を参照して説明する。
なお、図6(a)〜図7(b)に関して後述する変形例の突出部42A、42Bの構成要素が、図1〜図5(b)に関して前述した突出部42の構成要素と同様である場合には、重複する説明は適宜省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図6は、突出部の第1変形例を説明する断面図である。
なお、図6は、図1に表した切断面A−Aにおける断面図に相当する。図6(a)は、内筒4が外筒3に対して軸21を中心として回転する前の状態を表す。図6(b)は、内筒4が外筒3に対して軸21を中心として回転した後の状態を表す。
本変形例の突出部42Aは、基部421と、押さえ部422と、引っ掛け部423と、を有する。基部421および押さえ部422は、図4(a)および図4(b)に関して前述した通りである。引っ掛け部423は、押さえ部422に接続され、ステント6の表面611を覆う部分から内筒4に向かって延びている。これにより、ステント6は、表面611の一部が押さえ部422および引っ掛け部423に覆われて拘束されることにより、収縮状態で外筒3の外部に装着される。
本変形例によれば、突出部42Aは、ステント6の表面611を覆う部分から内筒4に向かって延びた引っ掛け部423を有するため、ステント6を収縮状態でより確実に拘束し、ステント6が目的部位まで送達されるときに外筒3から外れることを抑えることができる。すなわち、突出部42Aは、ステント6を外筒3の外部により確実に装着した状態で目的部位まで送達することができる。また、突出部42Aがステント6の表面611から外れる方向(矢印A11の方向)とは反対の方向(矢印A11とは反対方向)に向かって外筒3が内筒4に対して回転することで、突出部42Aの基部421が外筒3の孔31の内壁により押されて撓み、押さえ部422および引っ掛け部423は、ステント6を収縮状態でさらに確実に拘束することができる。
なお、図6(a)および図6(b)に表した例では、内筒4が外筒3に対して軸21を中心として矢印A11の方向に回転する場合を例示しているが、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として矢印A11の方向に回転する場合であっても、突出部42の基部421が外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことで、図5(a)および図5(b)に関して前述した作用と同様の作用が生じ、図5(a)および図5(b)に関して前述した効果と同様の効果が得られる。これは、図7(a)および図7(b)に関して後述する第2変形例においても同様である。
図7は、突出部の第2変形例を説明する断面図である。
なお、図7は、図1に表した切断面A−Aにおける断面図に相当する。図7(a)は、内筒4が外筒3に対して軸21を中心として回転する前の状態を表す。図7(b)は、内筒4が外筒3に対して軸21を中心として回転した後の状態を表す。
本変形例の突出部42Bは、基部421と、湾曲部424と、を有する。基部421は、図4(a)および図4(b)に関して前述した通りである。湾曲部424は、基部421に接続され、外筒3および内筒4の略周方向に延びている。そして、図7(a)に表したように、湾曲部424は、収縮状態で外筒3の外部に装着されたステント6の表面611の一部を覆っている。また、湾曲部424は、湾曲しつつ、ステント6の表面611を覆う部分から内筒4に向かって延びている。これにより、ステント6は、表面611の一部が突出部42Bの湾曲部424に覆われて拘束されることにより、収縮状態で外筒3の外部に装着される。
本変形例によれば、突出部42Bは、ステント6の表面611を覆う部分から内筒4に向かって延びた湾曲部424を有するため、ステント6を収縮状態でより確実に拘束し、ステント6が目的部位まで送達されるときに外筒3から外れることを抑えることができる。すなわち、突出部42Bは、ステント6を外筒3の外部により確実に装着した状態で目的部位まで送達することができる。また、突出部42Bがステント6の表面611から外れる方向(矢印A11の方向)とは反対の方向(矢印A11とは反対方向)に向かって外筒3が内筒4に対して回転することで、突出部42Bの基部421が外筒3の孔31の内壁により押されて撓み、湾曲部424は、ステント6を収縮状態でさらに確実に拘束することができる。
次に、外筒の孔と内筒の突出部との間の関係を、図面を参照して説明する。
図8は、外筒の孔と内筒の突出部との間の関係を例示する平面図である。
なお、図8は、図1に表した矢印A4の方向から外筒3を眺めた平面図である。また、説明の便宜上、図8においては、ステント6を省略している。
図8に表したように、外筒3は、軸21方向に沿って配置された複数の孔31を有する。内筒4(例えば図2(a)参照)は、軸21方向に沿って配置された複数の突出部42を有する。複数の突出部42のそれぞれは、対応する複数の孔31のそれぞれを通して外筒3の外側に突出している。なお、外筒3は、周方向に沿って配置された複数の孔31(不図示)を有する。また、内筒4は、周方向に沿って配置された複数の突出部42(不図示)を有する。周方向に沿って配置された複数の突出部42のそれぞれは、周方向に沿って配置された対応する複数の孔31のそれぞれを通して外筒3の外側に突出している。
図8に表した例では、複数の孔31の外筒3の周方向に沿った長さD1、D2、D3、D4、D5は、互いに同じである。つまり、D1=D2=D3=D4=D5の関係式が成り立つ。また、複数の突出部42の内筒4の周方向に沿った長さD11、D12、D13、D14、D15は、互いに同じである。つまり、D11=D12=D13=D14=D15の関係式が成り立つ。
図8に表した矢印A25のように、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転すると、複数の孔31のそれぞれの内壁が内筒4の軸21方向および周方向に沿って配置された複数の突出部42(具体的には基部421)のそれぞれに接触する(図5(a)および図5(b)参照)。そして、複数の突出部42が、略同時に、外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことでステント6の表面611から外れる。
これによれば、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転するときに、内筒4の軸21方向および周方向に沿って配置された複数の突出部42がステント6の表面611から外れるタイミングは、互いに略同じである。そのため、軸21方向に沿ってみたときに、ステント6の各部分が拡張するタイミングは、略同じである。これにより、ステント6の各部分は、略同時に拡張し、目的部位の内面に密着し固定される。そのため、術者は、目的部位におけるステント6の位置決めをステント6の全体にわたって略同時に行うことができ、ステント6が拡張するときに先端側に移動することを抑えつつ、目的部位にステント6を正確に留置することができる。
次に、外筒の孔と内筒の突出部との間の関係の変形例を、図面を参照して説明する。
なお、図9〜図14に関して後述する変形例の構成要素が、図8に関して前述した構成要素と同様である場合には、重複する説明は適宜省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図9は、外筒の孔と内筒の突出部との間の関係の第1変形例を表す平面図である。
本変形例では、軸21方向に沿って配置された複数の孔31のうちの少なくともいずれかの外筒3の周方向に沿った長さは、軸21方向に沿って配置された複数の孔31のうちの他のいずれかの外筒3の周方向に沿った長さとは異なる。具体的には、複数の孔31の周方向に沿った長さは、軸21の一方の側(図9では左側)から軸21の他方の側(図9では右側)に向かって順に長くなる。つまり、図9に表した複数の孔31の周方向に沿った長さD1、D2、D3、D4、D5は、この順に長くなる。言い換えれば、D1<D2<D3<D4<D5の関係式が成り立つ。一方で、複数の突出部42の内筒4の周方向に沿った長さD11、D12、D13、D14、D15は、互いに同じである。つまり、D11=D12=D13=D14=D15の関係式が成り立つ。なお、内筒4の周方向に沿って配置された複数の孔31(不図示)のそれぞれの内筒4の周方向に沿った長さは、互いに同じである。また、内筒4の周方向に沿って配置された複数の突出部42(不図示)の内筒4の周方向に沿った長さは、互いに同じである。これは、図10〜図14に関して後述する第2変形例〜第6変形例においても同様である。
図9に表した矢印A25のように、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転すると、まず、周方向の長さD1を有する孔31の内壁が突出部42(具体的には基部421)に接触する(図5(a)および図5(b)参照)。そして、周方向の長さD1を有する孔31を通して外筒3の外側に突出した突出部42が、外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことでステント6の表面611から外れる。
続いて、外筒3が内筒4に対して軸21を中心としてさらに回転すると、周方向の長さD2を有する孔31の内壁が突出部42に接触する。そして、周方向の長さD2を有する孔31を通して外筒3の外側に突出した突出部42が、外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことでステント6の表面611から外れる。続いて、外筒3が内筒4に対して軸21を中心としてさらに回転すると、周方向の長さD3を有する孔31の内壁が突出部42に接触する。そして、周方向の長さD3を有する孔31を通して外筒3の外側に突出した突出部42が、外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことでステント6の表面611から外れる。
続いて、外筒3が内筒4に対して軸21を中心としてさらに回転すると、周方向の長さD4を有する孔31の内壁が突出部42に接触する。そして、周方向の長さD4を有する孔31を通して外筒3の外側に突出した突出部42が、外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことでステント6の表面611から外れる。続いて、外筒3が内筒4に対して軸21を中心としてさらに回転すると、周方向の長さD5を有する孔31の内壁が突出部42に接触する。そして、周方向の長さD5を有する孔31を通して外筒3の外側に突出した突出部42が、外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことでステント6の表面611から外れる。
本変形例によれば、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転するときに、軸21方向に沿って配置された複数の突出部42のうちの少なくともいずれかがステント6の表面611から外れるタイミングを、軸21方向に沿って配置された複数の突出部42のうちの他のいずれかがステント6の表面611から外れるタイミングとは異ならせることができる。そのため、軸21方向に沿ってみたときに、ステント6の一部が拡張するタイミングをステント6の他の一部が拡張するタイミングとは異ならせることができる。これにより、ステント6の一部は、ステント6の他の一部よりも先行して拡張し、目的部位の内面に密着し固定される。そのため、術者は、目的部位におけるステント6の位置決めを容易に行うことができ、ステント6が拡張するときに先端側に移動することを抑えつつ、目的部位にステント6を正確に留置することができる。
また、本変形例によれば、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転するときに、複数の突出部42は、軸21の一方の側(図9では左側)から軸21の他方の側(図9では右側)に向かって順にステント6の表面611から外れる。これにより、ステント6は、軸21の一方の側から軸21の他方の側に向かって順に拡張し、目的部位の内面に密着し固定される。そのため、術者は、目的部位におけるステントの位置決めを軸21の一方の側から軸21の他方の側に向かって順に行うことができ、ステント6が拡張するときに先端側に移動することを抑えつつ、目的部位にステント6を正確に留置することができる。
なお、本変形例では、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として矢印A25の方向に回転する場合を例に挙げて説明したが、内筒4が外筒3に対して軸21を中心として矢印A25とは反対方向に回転する場合であっても、突出部42が外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことで、同様の作用が生じ、同様の効果が得られる。これは、図10〜図14に関して後述する第2変形例〜第6変形例においても同様である。
図10は、外筒の孔と内筒の突出部との間の関係の第2変形例を表す平面図である。
本変形例では、軸21方向に沿って配置された複数の孔31のうちの少なくともいずれかの外筒3の周方向に沿った長さは、軸21方向に沿って配置された複数の孔31のうちの他のいずれかの外筒3の周方向に沿った長さとは異なる。具体的には、複数の孔31の周方向に沿った長さは、複数の孔31の軸21方向に沿った配置における中央から両側(図10では左側および右側)に向かって順に長くなる。つまり、周方向に沿った長さD2、D4が、周方向に沿った長さD3よりも長い。また、周方向に沿った長さD1、D5が、周方向に沿った長さD2、4よりも長い。言い換えれば、D3<D2=D4<D1=D5の関係式が成り立つ。一方で、複数の突出部42の内筒4の周方向に沿った長さD11、D12、D13、D14、D15は、互いに同じである。つまり、D11=D12=D13=D14=D15の関係式が成り立つ。
図10に表した矢印A25のように、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転すると、まず、周方向の長さD3を有する孔31の内壁が突出部42(具体的には基部421)に接触する(図5(a)および図5(b)参照)。そして、周方向の長さD3を有する孔31を通して外筒3の外側に突出した突出部42が、外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことでステント6の表面611から外れる。
続いて、外筒3が内筒4に対して軸21を中心としてさらに回転すると、周方向の長さD2を有する孔31の内壁が突出部42に接触する。そして、周方向の長さD2を有する孔31を通して外筒3の外側に突出した突出部42が、外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことでステント6の表面611から外れる。また、これと略同時に、周方向の長さD4を有する孔31の内壁が突出部42に接触する。そして、周方向の長さD4を有する孔31を通して外筒3の外側に突出した突出部42が、外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことでステント6の表面611から外れる。
続いて、外筒3が内筒4に対して軸21を中心としてさらに回転すると、周方向の長さD1を有する孔31の内壁が突出部42に接触する。そして、周方向の長さD1を有する孔31を通して外筒3の外側に突出した突出部42が、外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことでステント6の表面611から外れる。また、これと略同時に、周方向の長さD5を有する孔31の内壁が突出部42に接触する。そして、周方向の長さD5を有する孔31を通して外筒3の外側に突出した突出部42が、外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことでステント6の表面611から外れる。
本変形例によれば、図9に関して前述した効果と同様に、軸21方向に沿ってみたときに、ステント6の一部が拡張するタイミングをステント6の他の一部が拡張するタイミングとは異ならせることができる。本変形例では、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転するときに、複数の突出部42は、外筒3の複数の孔31の軸21方向に沿った配置における中央から両側(図10では左側および右側)に向かって順にステント6の表面611から外れる。これにより、ステント6は、外筒3の複数の孔31の軸21方向に沿った配置における中央から両側に向かって順に拡張し、目的部位の内面に密着し固定される。そのため、術者は、目的部位におけるステント6の位置決めを外筒3の複数の孔31の軸21方向に沿った配置における中央から両側に向かって順に行うことができ、ステント6が拡張するときに先端側に移動することを抑えつつ、目的部位にステント6を正確に留置することができる。
図11は、外筒の孔と内筒の突出部との間の関係の第3変形例を表す平面図である。
本変形例では、軸21方向に沿って配置された複数の孔31のうちの少なくともいずれかの外筒3の周方向に沿った長さは、軸21方向に沿って配置された複数の孔31のうちの他のいずれかの外筒3の周方向に沿った長さとは異なる。具体的には、複数の孔31の周方向に沿った長さは、複数の孔31の軸21方向に沿った配置における中央から両側(図11では左側および右側)に向かって順に短くなる。つまり、周方向に沿った長さD2、D4が、周方向に沿った長さD3よりも短い。また、周方向に沿った長さD1、D5が、周方向に沿った長さD2、4よりも短い。言い換えれば、D3>D2=D4>D1=D5の関係式が成り立つ。一方で、複数の突出部42の内筒4の周方向に沿った長さD11、D12、D13、D14、D15は、互いに同じである。つまり、D11=D12=D13=D14=D15の関係式が成り立つ。
図11に表した矢印A25のように、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転すると、まず、周方向の長さD1を有する孔31の内壁が突出部42(具体的には基部421)に接触する(図5(a)および図5(b)参照)。そして、周方向の長さD1を有する孔31を通して外筒3の外側に突出した突出部42が、外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことでステント6の表面611から外れる。また、これと略同時に、周方向の長さD5を有する孔31の内壁が突出部42に接触する。そして、周方向の長さD5を有する孔31を通して外筒3の外側に突出した突出部42が、外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことでステント6の表面611から外れる。
続いて、外筒3が内筒4に対して軸21を中心としてさらに回転すると、周方向の長さD2を有する孔31の内壁が突出部42に接触する。そして、周方向の長さD2を有する孔31を通して外筒3の外側に突出した突出部42が、外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことでステント6の表面611から外れる。また、これと略同時に、周方向の長さD4を有する孔31の内壁が突出部42に接触する。そして、周方向の長さD4を有する孔31を通して外筒3の外側に突出した突出部42が、外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことでステント6の表面611から外れる。
続いて、周方向の長さD3を有する孔31の内壁が突出部42に接触する。そして、周方向の長さD3を有する孔31を通して外筒3の外側に突出した突出部42が、外筒3の孔31の内壁に押されて撓むことでステント6の表面611から外れる。
本変形例によれば、図9に関して前述した効果と同様に、軸21方向に沿ってみたときに、ステント6の一部が拡張するタイミングをステント6の他の一部が拡張するタイミングとは異ならせることができる。本変形例では、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転するときに、複数の突出部42は、外筒3の複数の孔31の軸21方向に沿った配置における両側(図11では左側および右側)から中央に向かって順にステント6の表面611から外れる。これにより、ステント6は、外筒3の複数の孔31の軸21方向に沿った配置における両側から中央に向かって順に拡張し、目的部位の内面に密着し固定される。そのため、術者は、目的部位におけるステント6の位置決めを外筒3の複数の孔31の配置における両側から中央に向かって順に行うことができ、ステント6が拡張するときに先端側に移動することを抑えつつ、目的部位にステント6を正確に留置することができる。
図12は、外筒の孔と内筒の突出部との間の関係の第4変形例を表す平面図である。
本変形例では、突出部42がステント6の表面611を覆った部分(押さえ部422)において、軸21方向に沿って配置された複数の突出部42(具体的には押さえ部422)のうちの少なくともいずれかの内筒4の周方向に沿った長さは、軸21方向に沿って配置された複数の突出部42(具体的には押さえ部422)のうちの他のいずれかの内筒4の周方向に沿った長さとは異なる。具体的には、複数の突出部42の周方向に沿った長さは、軸21の一方の側(図12では左側)から軸21の他方の側(図12では右側)に向かって順に長くなる。つまり、図12に表した複数の突出部42の周方向に沿った長さD11、D12、D13、D14、D15は、この順に長くなる。言い換えれば、D11<D12<D13<D14<D15の関係式が成り立つ。一方で、複数の孔31の外筒3の周方向に沿った長さD1、D2、D3、D4、D5は、互いに同じである。つまり、D1=D2=D3=D4=D5の関係式が成り立つ。
図12に表した矢印A25のように、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転すると、複数の孔31のそれぞれの内壁が複数の突出部42(具体的には基部421)のそれぞれに接触する(図5(a)および図5(b)参照)。そして、複数の突出部42が、外筒3の孔31の内壁に押されて撓む。
外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転すると、まず、周方向の長さD11を有する突出部42が、ステント6の表面611から外れる。続いて、外筒3が内筒4に対して軸21を中心としてさらに回転すると、周方向の長さD12を有する突出部42が、ステント6の表面611から外れる。続いて、外筒3が内筒4に対して軸21を中心としてさらに回転すると、周方向の長さD13を有する突出部42が、ステント6の表面611から外れる。続いて、外筒3が内筒4に対して軸21を中心としてさらに回転すると、周方向の長さD14を有する突出部42が、ステント6の表面611から外れる。続いて、外筒3が内筒4に対して軸21を中心としてさらに回転すると、周方向の長さD15を有する突出部42が、ステント6の表面611から外れる。
本変形例によれば、図9に関して前述した効果と同様の効果が得られる。なお、本変形例では、突出部42は必ずしも撓まなくともよく、突出部42の基部421が外筒3の孔31の内部において周方向に移動し軸21を中心として回転する場合であっても、同様の作用が生じ、同様の効果が得られる(図4(a)及び図4(b)参照)。これは、図13および図14に関して後述する第5変形例および第6変形例においても同様である。
図13は、外筒の孔と内筒の突出部との間の関係の第5変形例を表す平面図である。
本変形例では、突出部42がステント6の表面611を覆った部分(押さえ部422)において、軸21方向に沿って配置された複数の突出部42(具体的には押さえ部422)のうちの少なくともいずれかの内筒4の周方向に沿った長さは、軸21方向に沿って配置された複数の突出部42(具体的には押さえ部422)のうちの他のいずれかの内筒4の周方向に沿った長さとは異なる。具体的には、複数の突出部42の周方向に沿った長さは、複数の突出部42の軸21方向に沿った配置における中央から両側(図13では左側および右側)に向かって順に長くなる。つまり、周方向に沿った長さD12、D14が、周方向に沿った長さD13よりも長い。また、周方向に沿った長さD11、D15が、周方向に沿った長さD12、14よりも長い。言い換えれば、D13<D12=D14<D11=D15の関係式が成り立つ。一方で、複数の孔31の外筒3の周方向に沿った長さD1、D2、D3、D4、D5は、互いに同じである。つまり、D1=D2=D3=D4=D5の関係式が成り立つ。
図13に表した矢印A25のように、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転すると、複数の孔31のそれぞれの内壁が複数の突出部42(具体的には基部421)のそれぞれに接触する(図5(a)および図5(b)参照)。そして、複数の突出部42が、外筒3の孔31の内壁に押されて撓む。
外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転すると、まず、周方向の長さD13を有する突出部42が、ステント6の表面611から外れる。続いて、外筒3が内筒4に対して軸21を中心としてさらに回転すると、周方向の長さD12を有する突出部42が、ステント6の表面611から外れる。また、これと略同時に、周方向の長さD14を有する突出部42が、ステント6の表面611から外れる。続いて、外筒3が内筒4に対して軸21を中心としてさらに回転すると、周方向の長さD11を有する突出部42が、ステント6の表面611から外れる。また、これと略同時に、周方向の長さD15を有する突出部42が、ステント6の表面611から外れる。
本変形例によれば、図10に関して前述した効果と同様の効果が得られる。
図14は、外筒の孔と内筒の突出部との間の関係の第6変形例を表す平面図である。
本変形例では、突出部42がステント6の表面611を覆った部分(押さえ部422)において、軸21方向に沿って配置された複数の突出部42(具体的には押さえ部422)のうちの少なくともいずれかの内筒4の周方向に沿った長さは、軸21方向に沿って配置された複数の突出部42(具体的には押さえ部422)のうちの他のいずれかの内筒4の周方向に沿った長さとは異なる。具体的には、複数の突出部42の周方向に沿った長さは、複数の突出部42の軸21方向に沿った配置における中央から両側(図14では左側および右側)に向かって順に短くなる。つまり、周方向に沿った長さD12、D14が、周方向に沿った長さD13よりも短い。また、周方向に沿った長さD11、D15が、周方向に沿った長さD12、14よりも短い。言い換えれば、D13>D12=D14>D11=D15の関係式が成り立つ。一方で、複数の孔31の外筒3の周方向に沿った長さD1、D2、D3、D4、D5は、互いに同じである。つまり、D1=D2=D3=D4=D5の関係式が成り立つ。
図14に表した矢印A25のように、外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転すると、複数の孔31のそれぞれの内壁が複数の突出部42(具体的には基部421)のそれぞれに接触する(図5(a)および図5(b)参照)。そして、複数の突出部42が、外筒3の孔31の内壁に押されて撓む。
外筒3が内筒4に対して軸21を中心として回転すると、まず、周方向の長さD11を有する突出部42が、ステント6の表面611から外れる。また、これと略同時に、周方向の長さD15を有する突出部42が、ステント6の表面611から外れる。続いて、外筒3が内筒4に対して軸21を中心としてさらに回転すると、周方向の長さD12を有する突出部42が、ステント6の表面611から外れる。また、これと略同時に、周方向の長さD14を有する突出部42が、ステント6の表面611から外れる。続いて、外筒3が内筒4に対して軸21を中心としてさらに回転すると、周方向の長さD13を有する突出部42が、ステント6の表面611から外れる。
本変形例によれば、図11に関して前述した効果と同様の効果が得られる。
次に、操作部の変形例を、図面を参照して説明する。
なお、図15(a)〜図16に関して後述する変形例の操作部5A、5Bの構成要素が、図1〜図3(b)に関して前述した操作部5の構成要素と同様である場合には、重複する説明は適宜省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図15は、操作部の第1変形例を表す平面図である。
なお、図15(b)は、図15(a)に表した矢印A21の方向から操作部5Aを眺めた平面図である。
本変形例の操作部5Aは、外筒3の基端に接続され軸21に沿って延在しており、基端側の端面に設けられたダイヤル51Aを有する。ダイヤル51Aは、内筒4に接続され、内筒4を外筒3に対して軸21を中心として回転させることができる。なお、ダイヤル51Aは、外筒3に接続されていてもよい。この場合には、ダイヤル51Aは、外筒3を内筒4に対して軸21を中心として回転させることができる。本変形例では、ガイドワイヤ用ルーメン41は、内筒4の先端から内筒4の途中で側方に延びて開口している。
本変形例によれば、操作部5の基端側の端面に設けられたダイヤル51Aを片手で操作することにより、ステント6を容易に拡張させることができる。
図16は、操作部の第2変形例を表す平面図である。
本変形例の操作部5Bは、外筒3の基端に接続され軸21に沿って延在しており、ダイヤル51Bと、ウォーム54と、ウォームホイール55と、を有する。ダイヤル51Bは、側方に設けられている。なお、ダイヤル51Bの配置は、図16では操作部5Bの左部であるが、特には限定されず、例えば操作部5Bの右部であってもよく、操作部5Bの上部あるいは下部であってもよい。
ウォーム54は、ダイヤル51Bに連結され、ダイヤル51Bに伝達された回転力により回転する。ウォーム54は、ダイヤル51Bに直接的に接続されていてもよく、1つあるいは複数の歯車を介してダイヤル51Bに連結されていてもよい。ウォームホイール55は、ウォーム54と噛み合うとともに内筒4に接続され、内筒4を外筒3に対して軸21を中心として回転させることができる。なお、ウォームホイール55は、ウォーム54と噛み合うとともに外筒3に接続されていてもよい。この場合には、ウォームホイール55は、外筒3を内筒4に対して軸21を中心として回転させることができる。
本変形例によれば、操作部5Bは、ウォーム54とウォームホイール55との組み合わせ(ウォームギヤ)を有するため、図1〜図3(b)に関して前述した操作部5および第1変形例の操作部5Aと比較して、高い減速比を得ることができる。そのため、術者は、操作部5Bのダイヤル51Bを操作することにより、ウォーム54およびウォームホイール55を介してダイヤル51Bに連結された外筒3および内筒4のいずれかの回転角度を微調整することができる。そのため、例えば、術者は、図9〜図14に関して前述したステント6の各部分の拡張タイミングを微調整することができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。例えば、本発明の実施形態の突出部は、周方向および軸方向のそれぞれに沿って同一直線上に配置されているが、外筒にステントを縮径状態で装着できるように突出部がステントを拘束可能であれば、突出部の設置形態は特には限定されない。具体的には、突出部は内筒に螺旋状に配置されても良い。
2・・・ステントデリバリーシステム、 3・・・外筒、 4・・・内筒、 5、5A、5B・・・操作部、 6・・・ステント、 21・・・軸、 31・・・孔、 32・・・外面、 39・・・先端部、 41・・・ガイドワイヤ用ルーメン、 42、42A、42B・・・突出部、 43・・・外面、 51、51A、51B・・・ダイヤル、 54・・・ウォーム、 55・・・ウォームホイール、 61・・・ストラット、 421・・・基部、 422・・・押さえ部、 423・・・引っ掛け部、 424・・・湾曲部、 611・・・表面

Claims (10)

  1. 径方向に貫通した孔を有する外筒と、
    前記外筒の内部において前記外筒に対して相対的に軸を中心として回転可能に設けられ、外面から前記孔を通して前記外筒の外側に突出した突出部を有する内筒と、
    自身が拡張機能を有し拘束から解放されると拡張して収縮前の形状に復元する自己拡張型のステントであって、表面の一部が前記突出部に覆われて拘束されることにより収縮状態で前記外筒の外部に装着されたステントと、
    を備え、
    前記外筒および前記内筒のいずれか一方が前記外筒および前記内筒のいずれか他方に対して前記軸を中心として回転すると、前記突出部が前記ステントの前記表面から外れ、前記ステントが前記突出部による前記拘束から解放され拡張することを特徴とするステントデリバリーシステム。
  2. 前記突出部は、可撓性を有する材料により形成されたことを特徴とする請求項1に記載のステントデリバリーシステム。
  3. 前記突出部は、前記ステントの前記表面を覆う部分から前記内筒に向かって延びた引っ掛け部を有することを特徴とする請求項1または2に記載のステントデリバリーシステム。
  4. 前記外筒は、前記軸方向および周方向に沿って配置された複数の前記孔を有し、
    前記内筒は、前記軸方向および前記周方向に沿って配置された複数の前記突出部を有し、
    前記軸方向に沿って配置された前記複数の孔のうちの少なくともいずれかの前記周方向に沿った長さは、前記軸方向に沿って配置された前記複数の孔のうちの他のいずれかの前記周方向に沿った長さとは異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のステントデリバリーシステム。
  5. 前記複数の孔の前記周方向に沿った長さは、前記軸の一方の側から前記軸の他方の側に向かって順に長くなることを特徴とする請求項4に記載のステントデリバリーシステム。
  6. 前記複数の孔の前記周方向に沿った長さは、前記複数の孔の前記軸方向に沿った配置における中央から両側に向かって順に長くなるまたは短くなることを特徴とする請求項4に記載のステントデリバリーシステム。
  7. 前記外筒は、前記軸方向および周方向に沿って配置された複数の前記孔を有し、
    前記内筒は、前記軸方向および前記周方向に沿って配置された複数の前記突出部を有し、
    前記突出部が前記ステントの前記表面を覆った部分において、前記軸方向に沿って配置された前記複数の突出部のうちの少なくともいずれかの前記周方向に沿った長さは、前記軸方向に沿って配置された前記複数の突出部のうちの他のいずれかの前記周方向に沿った長さとは異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のステントデリバリーシステム。
  8. 前記複数の突出部の前記周方向に沿った長さは、前記軸の一方の側から前記軸の他方の側に向かって順に長くなることを特徴とする請求項7に記載のステントデリバリーシステム。
  9. 前記複数の突出部の前記周方向に沿った長さは、前記複数の突出部の前記軸方向に沿った配置における中央から両側に向かって順に長くなるまたは短くなることを特徴とする請求項7に記載のステントデリバリーシステム。
  10. 前記外筒の基端部に設けられるとともに前記外筒および前記内筒のいずれかに接続され、前記接続された前記外筒および前記内筒のいずれかを前記軸を中心として回転させるダイヤルを有する操作部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のステントデリバリーシステム。

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