(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう。)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。これらは、7セグメントのLED(light emitting diode)などからなり、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどであればよい。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を更新表示などにより変動させる(変動可能に表示する)ことである(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。可変表示の最後には、表示結果(可変表示結果)として所定の特別図柄が停止表示(導出表示などともいう)される(後述の他の可変表示についても同じ)。なお、図柄(特に、後述の飾り図柄)の変動として、スクロール表示、変形、拡大/縮小などが行われてもよい。
なお、以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。
画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。一例として、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)が行われる。
画像表示装置5の画面上には、表示エリア5Hも配置されている。表示エリア5Hには、実行が保留されている第1特図ゲーム(飾り図柄の可変表示)に対応する第1保留表示画像(ここでは、丸の画像)が右詰めで表示され、実行が保留されている第2特図ゲーム(飾り図柄の可変表示)に対応する第2保留表示画像(ここでは、丸の画像)が左詰めで表示される。
なお、特図ゲームの保留数は、特図保留記憶数ともいう。特に、第1特図ゲームの保留数を、第1特図保留記憶数という。第2特図ゲームの保留数を、第2特図保留記憶数という。第1保留表示画像の数により、第1特図保留記憶数が示され、第2保留表示画像の数により、第2特図保留記憶数が示される。第1保留表示画像及び第2保留表示画像を総称して、総称して保留表示画像ということがある。
また、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとはそれぞれ、複数のLEDを含んで構成され、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。
普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、第1始動口スイッチ22A(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。)。
普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81(図2参照)によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、例えば、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が普通入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、第2始動口スイッチ22B(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。)。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される。このときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)の可変表示を行う。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)ともいう。
普図ゲームは、遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づいて実行される。遊技球が通過ゲート41を通過したときには、図2のゲートスイッチ21がオンになり、これにより当該遊技球の通過が検出される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
画像表示装置5の下方には、演出装置200が配置されている。演出装置200は、識別情報の可変表示等の各種演出画像に合わせてあるいは独立して動作することで、演出を実行できる。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行(特図ゲームや普図ゲームの実行、各種始動入賞や各種保留記憶の管理、大当り抽選や普図当り抽選の実行、大当り遊技状態の制御、演出制御基板12への演出制御コマンドの送信など)を制御する機能、演出制御基板12に向けて演出制御コマンドを送信する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
一例として、CPU103がROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、主基板11の機能(遊技の進行の制御)を実現する。このとき、ROM101が記憶する各種データ(変動パターン、演出制御コマンド、各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号が入力される入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
CPU103は、I/O105を介して、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号を出力し、これらを制御する。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技媒体が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)から演出制御基板12に向けて伝送される演出制御コマンドは、中継基板15によって中継される。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて各種の演出(飾り図柄の可変表示、演出装置を含む。)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御用CPU120がROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、演出制御基板12の機能(演出の実行)を実現する。このとき、ROM121が記憶する各種データ(演出制御パターンに用いるデータや各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置5において表示する演出画像の映像信号を出力し、画像表示装置5に演出画像を表示する。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。
乱数回路124は、演出動作を制御するときに使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
音声制御基板13は、演出制御基板12からの効果音信号に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させる機能を有する。
ランプ制御基板14は、演出制御基板12からの電飾信号に基づき、遊技効果ランプ9の点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行う機能を有する。
画像表示装置5は、液晶パネル、ELパネルなどからなる表示パネルと、当該表示パネルを駆動するドライバ回路などを備える。表示制御部123からI/O125を介して画像表示装置5に供給された映像信号は、前記ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、当該映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。これによって、画像表示装置5には、各種の演出画像などが表示されることになる。
演出装置200は、駆動機構210と、可動体250を備え、これらは、演出制御基板12との信号(後述の制御信号や検出信号など)のやりとりにより、演出制御基板12(演出制御CPU120)により制御される。
(遊技の進行や演出の進行など)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドルへの遊技者による回転操作により、遊技媒体(遊技球)が遊技領域に向けて発射される。
(主基板11で制御される遊技の進行)
遊技領域を流下した遊技球が通過ゲート41を通過したときには、普図ゲーム(普通図柄の可変表示)が開始される。なお、すでに他の普図ゲームが実行されている、下記の開放制御中など、普図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、4つなどを上限として普図ゲームの実行は保留される。保留された普図ゲームは、当該普図ゲームを開始できる開始条件の成立(他の普図ゲームが実行されておらず、開放制御中でもないなど)により実行される。普図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が通過ゲート41を通過したときには、当該普図保留記憶数は増えないで、当該通過は無効化される。
普図ゲームで停止表示される可変表示結果には、普図当り図柄(例えば、「7」などの普図)と、普図ハズレ図柄(例えば、「−」などの普図)と、がある。普図当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「普図当り」のときである。普図ハズレ図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「普図ハズレ」のときである。
「普図当り」のときには、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片を所定期間傾動位置とする開放制御(第2始動入賞口が開放状態になる。)が行われる。「普図ハズレ」のときには、前記開放制御は行われない。
遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入したときには、第1特図ゲームが開始される。また、遊技球が、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入したときには、第2特図ゲームが開始される。なお、すでに他の特図ゲームが実行中である、後述の大当り遊技状態に制御されているときなど、特図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、それぞれ4つなどを上限として特図ゲームの実行は保留される。保留された特図ゲームは、特図ゲームを開始できる開始条件の成立(他の特図ゲームが実行されておらず、大当り遊技状態中でもないなど)により実行される。
第1特図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が第1始動入賞口を進入したときには、当該第1特図保留記憶数は増えないで、当該進入は無効化される(賞球はあってもよい)。第2特図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が第2始動入賞口を進入したときには、当該第2特図保留記憶数は増えないで、当該進入は無効化される(賞球はあってもよい)。
第1特図保留記憶数を増やす遊技球の第1始動入賞口への進入(入賞)を第1始動入賞ともいう。第2特図保留記憶数を増やす遊技球の第2始動入賞口への進入(入賞)を第2始動入賞ともいう。これら入賞を総称して単に始動入賞ともいう。
特図ゲームで停止表示される可変表示結果には、大当り図柄(例えば、「3」、「7」などの特図)と、ハズレ図柄(例えば、「−」などの特図)と、がある。大当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「大当り」のときである。ハズレ図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「ハズレ」のときである。
第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)のときには、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御される。可変表示結果が「ハズレ」のときには、大当り遊技状態には制御されない。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。このような開放状態をラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)という。大当り遊技状態では、当該ラウンド遊技が、所定の上限回数(例えば「15回」)に達するまで繰返し実行される(ラウンド遊技以外の期間では、大入賞口が閉鎖する。)。
「大当り」には、「非確変」、「確変」という大当り種別が設定されている。大当り種別が「非確変」のときには、「3」の大当り図柄が停止表示される。大当り種別が「確変」のときには、「7」の大当り図柄が停止表示される。
なお、大当り種別が「確変」のときの「大当り」を「確変大当り」、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」を「非確変大当り」ということがある。また、「確変大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」ということがある。また、「非確変大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」ということがある。
確変大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御される。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されるまで継続する。
確変大当り遊技状態又は非確変大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間(可変表示の期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御される。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の終了条件が先に成立するまで、継続する。
なお、時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを開放状態と閉鎖状態とに変化させてもよい。例えば、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の可変表示の期間であり、普図変動時間ともいう。)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御などにより、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で開放状態と閉鎖状態とに変化させればよい。このような制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、遊技状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な状態となる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の有利状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態は、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース」「非時短状態」などともいわれる。確変状態は、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確」、「非確変」などともいわれる。
(演出制御基板12で制御される遊技の進行)
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(これも演出の一種である。)が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて可変表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果(可変表示結果)となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出表示)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様などのことである。
また、この実施の形態では、可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチBが用意されている。この実施の形態では、大当り期待度は、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチの順で高い。
大当り期待度は、例えば、特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となる割合であり、ここでは、飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる割合でもある。
特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、確変大当りのときに「7」、非確変大当りのときに「6」など)が揃って停止表示される。
可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されることがある。また、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示されることもある。
上記スーパーリーチの実行時に演出装置200を用いた演出が実行される(詳しくは後述する)。
(演出装置200)
次に、演出装置200の詳細を図3〜図15を参照して説明する。なお、以下の説明においては、遊技者が位置する方向をパチンコ遊技機1の前方とし、その反対の方向を後方とする(図4等を参照)。また、パチンコ遊技機1の前方に位置する遊技者からみて上下左右の方向を、そのまま演出装置200の上下左右の方向と定義して説明する(図3、図4等を参照)。また、演出装置200を構成する各部材は、特に言及がない限り、合成樹脂又は金属により形成されている。また、各部材に関する取り付けは、特に言及がない限り、ネジ、ビス等を用いた取り付けや、嵌合等の取り付け等、適宜の方法で行えばよい。
図3等に示すように、演出装置200は、駆動機構210と、可動体250と、を備える。駆動機構210は、可動体250を上下方向に移動させる。可動体250には、パチンコ遊技機1特有の装飾が施されており、このような装飾によって演出効果を高めることができる。可動体250は、駆動機構210により、初期位置(図3(A))から上方へと移動し、進出位置(図3(B))に進出することができる(進出位置から初期位置に戻ることもできる)。可動体250の初期位置では、当該可動体250の大部分が、図示しない透明の樹脂カバー(遊技盤2などに取り付けられている。)の背後に位置し、当該可動体250は、当該樹脂カバーを介して視認される。一方、可動体250は、進出位置に移動することにより画像表示装置5の前方にまで進出し、樹脂カバーを介さずに視認される。なお、遊技盤2を透明とし、可動体250は、少なくとも初期位置において遊技盤2の後方に位置し当該遊技盤2を介して視認させてもよい。
(駆動機構210の構造等)
まず、図3〜5を参照して駆動機構210を説明する。駆動機構210は、ベース体211、駆動モータ取付部材213、駆動モータ215、第1ギヤ〜第6ギヤ217〜222、検出センサ223、回転アーム225、スライド部材227、弾性体229などを備える(特に、図5を参照)。
ベース体211は、駆動機構210のベースとなるもので、種々の部品を支持する。ベース体211は、パチンコ遊技機1の遊技盤2等に固定される。なお、ベース体211には、駆動モータ215などを前から覆って遊技者から隠すカバー体CV(図3でのみ図示)が、取り付けられる。ベース体211は、支持体211A〜211F、凹レール211J、ガイド孔211K、引掛部211Lを備える。
支持体211A〜211Fは、前方に突出した円柱状(円筒状でもよい。以下、円柱状について適宜同じ。)のボスなどからなる。支持体211A〜211Eそれぞれには、第2〜第7ギヤ218〜222それぞれを回転可能に支持する。各ギヤは、その中央に貫通孔を有し、当該貫通孔に支持体が挿入されることで回転可能に支持される。各ギヤは、各支持体の中心軸を回転軸線として回転できる。支持体211Fは、回転アーム225(詳しくは後述する)を回転可能に支持する。
凹レール211Jは、断面コの字状(縦線が底面)のレールであり、上下方向に延びている。当該凹レール211Jには、可動体250が備えるラック251が、上下にスライド可能に嵌められる。凹レール211Jは、ラック251の移動(つまり、可動体250の移動)の方向を上下方向に案内する。
ガイド孔211Kは、上下方向に沿って延びる貫通孔であり、スライド部材227が取る付けられる部分に設けられている。スライド部材227には、後方に延びる突起部(図示せず)が設けられており、当該突起部がガイド孔211Kに挿入される。また、突起部の後端には、ガイド孔211Kの幅(左右方向の長さ)よりも大きい抜け留め部材(図示せず)が取り付けられる。これによって、スライド部材227は、前方向に移動しない(ベース体211から抜けない)ように、かつ、上下方向に移動可能(ガイド孔211Kにより案内される)に、ベース体211に取り付けられる。
引掛部211Lは、切り欠きを有する突起部であり、この切り欠きに弾性体229の一端が引っ掛けられる。
駆動モータ215は、駆動モータ取付部材213を介してベース体211に取り付けられる。駆動モータ215は、回転軸215Aを有する。駆動モータ215は、ここではステッピングモータであり、演出制御基板12(図2)により動作が制御される。駆動モータ215は、演出制御基板12からの制御信号(ここでは、駆動パルス)に同期して、回転軸215A(図5)を所定の角度だけ回転させる。回転軸215Aには、第1ギヤ217が嵌合されている。従って、第1ギヤ217は、回転軸215Aとともに回転する。第1ギヤ217は、第2ギヤ218と噛み合っている。
第3ギヤ219は、内部の一部がくり抜かれた円柱状の円柱部219Aと、円柱部219Aの後方に配置された外歯車219Bと、を有する。外歯車219Bは、第2ギヤ218と噛み合っている。また、第3ギヤ221は、円柱部219Aの外周面から突出した、円弧状の外縁を有する検出片219Cと、円柱部219Aの外周面から外側に突出し、さらに後方に突出した円柱状の突起体219Dとを有する。
検出片219Cは、第3ギヤ219とともに回転し、ベース体211に取り付けられた検出センサ223により検出される。検出センサ223は、例えば、フォトセンサ(受光部と発光部との間が検出対象により遮蔽されたことを検出するセンサなど)であり、検出片219Cを検出したときに、検出したことを示す検出信号を出力する。後述するように、この実施の形態では、第3ギヤ219の回転に連動して、可動体250が進出位置まで移動する。検出片219Cは、回転ギヤ219Cが、可動体250を進出位置に位置させるまで回転したときに検出センサ223により検出される位置に配置されている。
第4ギヤ220は、小径の第1歯車(図示せず)と大径の第2歯車とを回転軸線を共通にして二枚重ねた形状である。第1歯車は、第2歯車よりも後方に位置し、第5ギヤ221と噛み合っている。第2歯車は、可動体250が備えるラック251の歯と噛み合っている。第5ギヤ221及び第6ギヤ222は、スライド部材227が備える直線状の歯227Aと噛み合っている。
回転アーム225は、扇形状をなしている。回転アーム225は、可動体250が備える円柱状の突起体252Aが挿入された長孔225Aと、突起体219Dが挿入された長孔225Bと、支持体211Fが挿入された貫通孔225Cと、を備える。貫通孔225Cは、回転アーム225の形状である扇を形成する円の中心に位置している。回転アーム225は、支持体211Cの中心軸を回転軸線として回転可能にベース体211に取り付けられている。長孔225Aは、前記扇の第1の斜辺(前記円の半径により構成される辺)上に配置され、当該第1の斜辺が延びる方向に長尺である。長孔225Bは、前記扇の第2の斜辺上に配置され、当該第2の斜辺が延びる方向に長尺である。長孔225Aの幅(短尺方向の長さ)は、円柱状の突起体252Aの直径と略同じ(当該直径の方が若干短い)である。長孔225Bの幅は、円柱状の突起体219Dの直径と略同じ(当該直径の方が若干短い)である。
スライド部材227は、第5ギヤ221及び第6ギヤ222と噛み合う直線状の歯227A(上下方向に延びている)を備え、第5ギヤ221及び第6ギヤ222をピニオンとするラックとして機能する。また、スライド部材227は、下部(スライド部材227の引掛部227Bの下方)に、切り欠きを有する引掛部227Bを備え、弾性体229の他端が引っ掛けられる。上述のように、スライド部材227は、ベース体211に対して上下方向に移動(スライド)可能である。上記のように、第5ギヤ221は、第4ギヤ220とスライド部材227の歯227Aとに噛み合っており、さらに、第4ギヤ220(ピニオン)は、可動体250が備えるラック251の歯に噛み合っている。従って、スライド部材227は、可動体250と連動している。具体的には、スライド部材227が上方に移動すると、可動体250も上方に移動する(図3などを参照)。なお、第6ギヤ222は、スライド部材227が傾かないように当該スライド部材227をガイドしている。
弾性体229は、コイルバネ、ゴムなどを含んで構成される。弾性体229の一端は、ベース体211の引掛部211Lに引っ掛けられており、弾性体229の他端は、スライド部材227の引掛部227Bに引っ掛けられている。そして、弾性体229は、スライド部材227が最下位置に位置するとき(図3(A)や図5〜図4の状態のとき)に、延びた状態になる。つまり、スライド部材227は、弾性体229の弾性力により上方に付勢されている(上方への力を受けている)。上記のようにスライド部材227と可動体250とは連動しているので、可動体250も弾性体229の弾性力により上方に付勢されている。つまり、弾性体229は、可動体250の上方への移動を補助している。
(駆動機構210の作用等)
駆動モータ215が回転軸215Aを正回転(左回転)させると、第1ギヤ217も正回転する。第1ギヤ217には第2ギヤ218が噛み合っており、第2ギヤ218は第3ギヤ219に噛み合っているので、回転軸215Aが正回転することにより、第2ギヤ218が逆回転(右回転)し、第3ギヤ219が正回転する。第3ギヤ219の正回転により、突起体219Dも円弧を描きながら移動する。突起体219Dは、移動に伴って長孔225Bの内壁を押す。これにより、回転アーム225は、支持体211Fを中心に上方向(左回り)に回転する。回転アーム225の回転により、長孔225Aに挿入されている可動体250が備える突起体252Aを上方に移動させる。これにより、可動体250が上方(進出位置)に移動する。駆動モータ215が回転軸215Aを逆回転させたときには、可動体250は下方(初期位置)に移動する(各ギヤの回転方向を逆方向にして考えればよい)。このように、駆動機構210は、駆動モータ215の回転力を、可動体250を上下方向に移動させる駆動力に変換する。なお、上記のように、可動体250の上方への移動は、弾性体229により補助される。また、弾性体229は、可動体250が下方に移動することに対して抵抗となる。これにより、可動体250の重量による駆動モータ215への負荷を低減でき、可動体250の上下方向の移動をスムーズにできる。
なお、パチンコ遊技機1の電源がオフされるときには、可動体250を進出位置で停止させるようにしてもよい。これにより、弾性体229が伸びた状態の期間を短くでき、当該弾性体の弾性力が時間が経過するにつれて弱くなってしまうことを軽減できる。
なお、可動体250を上下方向に移動させるのは、演出制御基板12(演出制御用CPU120)の制御のもとで行われる。具体的には、演出制御基板12は、可動体250を初期位置から進出位置に移動させるときは、駆動モータ215を制御して回転軸215Aを回転させ、検出センサ223により検出片219Cを検出したとき(検出センサ223から検出信号を受信したとき又は検出信号を一定期間受信したとき)、つまり、可動体250が進出位置まで移動したときに、回転軸215Aの回転を停止させる。これにより、可動体250を進出位置で停止させることができる。可動体250を進出位置から初期位置に戻すときには、前記初期位置から進出位置に移動させたときの回転角と同じ分だけ(例えば、その情報をRAM122に保持しておく。)、駆動モータ215の回転軸215Aを逆回転させる。例えば、供給した駆動パルスの数をカウントしておき、逆回転時に同じ数の駆動パルスを供給することで回転軸215Aを逆回転させる。なお、可動体250が初期位置にあるときの検出片219Cの位置に対応して検出センサ(検出センサ223と同じセンサなど。例えば、フォトセンサ)を設けておき、当該検出センサにより検出片219Cを検出したときに、回転軸215Aの逆回転を停止してもよい。
(可動体250の構造等)
次に可動体250の構造詳細を、図6〜図15を用いて説明する。可動体250は、ハート形の装飾体269と、その前方に設けたLOVEの文字を表す部材と、を有し、装飾体269が変形したり、LOVEの各文字が動いたりすることで、演出効果の高い演出を実行する。
可動体250は、ラック251と、板状部材252と、基板253と、ベース体255と、LED基板256と、駆動モータ257と、検出センサ259と、第1〜第3ギヤ261〜263と、第1〜第2スライド部材265〜266と、第1〜第2取付部材267〜268と、装飾体269と、所定機構X(「LOVE」を形成する部材及び「LOVE」の各文字を動かす機構)と、を備える。
(可動体250における所定機構X以外の構成)
まず、図6〜図7などを参照して、所定機構X以外の構成について説明する。
ラック251は、第4ギヤ220(図5など)と噛み合う、上下方向に延びた歯を有する。ラック251は、上記から分かるように、弾性体229(図5など)により、第4ギヤ220などを介して上方向に付勢されている。
板状部材252は、ラック251と一体的に形成されている。板状部材252は、板状の本体から後方に突出した円柱状の突起体252Aを有する。
基板253は、所定の回路を有し、演出制御基板12と電気的に接続された回路基板である。基板253は、演出制御基板12から駆動モータ257、後述の駆動モータ273、後述のLED基板275等に供給される制御信号を中継するとともに、後述の検出センサ259、後述の検出センサSから演出制御基板12に供給される検出信号を中継する。基板253は、ベース体255の後面に取り付けられている。基板253は貫通孔や切り欠きを有し、板状部材252が当該貫通孔や切り欠きを介してネジ、ビス等によりベース体255の後面に取り付けられる。これにより、ラック251もベース体255に取り付けられたことになる。
ベース体255は、可動体250のベースとなり、前面及び後面に種々の部品を支持する。ベース体255は、前面に左右方向に延びるラック部255A、255Bを備える(これらは、所定機構Xで使用される)。また、ベース体255は、周囲(後面等)よりも後方に突出した円柱状のボスなどからなる突起体255C〜255Hを備える。ベース体255は、周囲(前面等)よりも前方に突出した円柱状のボスなどからなる突起体255I〜255Lを備える(これらは、所定機構Xで使用される)。ベース体255は、図示しない検出センサ(説明のため検出センサSとする。)が固定される固定部255Jも備える。当該検出センサSは、後述の第2スライド部材266の検出片266Dを検出するものであり、検出センサ223と同様にフォトセンサ等であればよい。また、ベース体255の上部には、LED基板256が差し込まれ、該LED基板256を固定するための複数の差込部255Mが形成されている。
LED基板256は、差込部255M及び差込部271C(図8参照)により、ベース体255の湾曲した上面に保持されている。LED基板256の基板本体256Bは、ベース体255の形状に合わせて湾曲した形状を有している。LED基板256は、基板253と電気的に接続されており、各種の回路や、光を出射するLED256A及びコネクタ256Cを、基板本体256Bに実装している。なお、光源としてLED256A以外の他の光源を採用してもよい。LED基板256は、基板253が中継した演出制御基板12からの制御信号に基づき、LED256Aを発光させる。LED256Aの発光により、装飾体269の上部が照明される。装飾体269は、光を透過可能なので、LED256Aからの光によって上部が発光して見える。なお、LED基板256の詳細については後述する。
駆動モータ257は、ベース体255の前面に取り付けられる。駆動モータ257の回転軸257Aは、ベース体255に設けられた貫通孔を通り、ベース体255の後方に延びている。駆動モータ257は、演出制御基板12からの制御信号(駆動パルスなど)により動作する。
検出センサ259は、ベース体255の前面に取り付けられている。検出センサ259の検出対象等については後述する(所定機構Xで使用される)。検出センサ259は、検出センサ223と同様にフォトセンサ等であればよい。
第1ギヤ261は、駆動モータ257の回転軸257Aに嵌合されており、回転軸257Aとともに回転する。第1ギヤ261には、当該第1ギヤ261の左右に配置された第2ギヤ262及び第3ギヤ263が噛み合っている。第2ギヤ262は、その中央に形成された貫通孔に突起体255Cが挿入されることで、ベース体255に回転可能に支持されている。第3ギヤ263は、その中央に形成された貫通孔に突起体255Dが挿入されることで、ベース体255に回転可能に支持されている。各ギヤは、各突起体の中心軸を回転軸線として回転できる。第2ギヤ262は、後方に突出した円柱状の突起体262Aを備える。第3ギヤ263は、後方に突出した円柱状の突起体263Aを備える。
第1スライド部材265は、右側端部に上下方向に長尺な長孔265Aと、中央に左右方向に長尺な長孔265Bとを備える。長孔265Aには、突起体262Aが挿入されている。長孔265Aの幅(左右方向の長さ)は、突起体262Aの直径と略同じ(当該直径の方が若干短い)である。突起体262Aは、長孔265A内を移動できる。長孔265Bには、左右方向に一例に並んだ突起体255E、255Fが挿入されている。長孔265Bの幅(上下方向の長さ)は、突起体255E、255Fの直径と略同じ(当該直径の方が若干短い)である。突起体255E、255Fは、長孔265B内を移動できる。突起体255E、255Fは、第1スライド部材265が左右方向以外に動いてしまうのを規制している。第1スライド部材265は、左側端部に2つの小孔265Cを有する。
第2スライド部材266は、左側端部に上下方向に長尺な長孔266Aと、中央に左右方向に長尺な長孔266Bとを備える。長孔266Aには、突起体263Aが挿入されている。長孔266Aの幅(左右方向の長さ)は、突起体263Aの直径と略同じ(当該直径の方が若干短い)である。突起体263Aは、長孔266A内を移動できる。長孔266Bには、左右方向に一例に並んだ突起体255G、255Hが挿入されている。長孔266Bの幅(上下方向の長さ)は、突起体255G、255Hの直径と略同じ(当該直径の方が若干短い)である。突起体255G、255Hは、長孔266B内を移動できる。突起体255G、255Hは、第2スライド部材266が左右方向以外に動いてしまうのを規制している。第2スライド部材266は、右側端部に2つの小孔266Cを有する。
また、第2スライド部材266は、検出センサSにより検出される検出片266Dを備える。検出片266Dは、第2スライド部材266が初期位置にあるとき(後述の装飾体が変形していないとき。図12(A)の状態)に検出センサSにより検出される位置に配置されている。検出センサSは、検出片266Dを検出すると、その旨を示す検出信号を演出制御基板12に供給する。
第1取付部材267は、装飾体269(詳細は後述する)の内側に配置される。第1取付部材267は、後方に突出した2つの小径棒267Aを有する。2つの小径棒267Aは、それぞれ、装飾体269の張り出し部269Eに設けられた2つの小孔269Fそれぞれを通り、第1スライド部材265の2つの小孔265Cそれぞれに嵌合される。従って、第1取付部材267は、装飾体269の張り出し部269Eを挟み込んで、第1スライド部材265の左側端部に取り付けられる。第1取付部材267は、左右方向に延びる貫通孔267Bを有する。第1取付部材267のうち、貫通孔267Bを形成する部分は、装飾体269の貫通孔269Aに入り込む形状である(図8等も参照。第1取付部材267は、一部、装飾体269の外側から視認できる)。従って、貫通孔269Aの内側に貫通孔267Bが配置される。
第2取付部材268は、装飾体269(詳細は後述する)の内側に配置される。第2取付部材268は、後方に突出した2つの小径棒268Aを有する。2つの小径棒268Aは、それぞれ、装飾体269の張り出し部269Eに設けられた2つの小孔269Gそれぞれを通り、第2スライド部材266の2つの小孔266Cそれぞれに嵌合される。従って、第2取付部材268は、装飾体269の張り出し部269Eを挟み込んで、第2スライド部材266の右側端部に取り付けられる。第2取付部材268は、左右方向に延びる貫通孔268Bを有する。第2取付部材268のうち、貫通孔268Bを形成する部分は、装飾体269の貫通孔269Dに入り込む形状である(図8等も参照。第2取付部材268は、一部、装飾体269の外側から視認できる)。従って、貫通孔269Dの内側に貫通孔268Bが配置される。
装飾体269は、前方向に膨らんだハート形状であり、光を透過可能な部材である。装飾体269は、所定の装飾が施されている。装飾体269は、例えば、天然ゴム製、又は、シリコーンゴムを含む各種の合成ゴム製であり、弾性変形可能となっている。装飾体269は、その側部に貫通孔269A、269Dが、前部に貫通孔269B、269Cが設けられている。貫通孔269A、269Dそれぞれには、第1取付部材267、第2取付部材268それぞれの端部が入り込む。装飾体269は、その側部の後端から内側に張り出した張り出し部269Eを有する。装飾体269の張り出し部269Eには、2つの小孔269Fと2つの小孔269Gとが設けられ、これらに、第1取付部材267の小径棒267A(第1スライド部材265の2つの小孔265Cに嵌合される。)及び第2取付部材268の小径棒268A(第2スライド部材266の2つの小孔266Cに嵌合される。)が通っている。このため、装飾体269は、小孔269Fが設けられた左側端部で第1取付部材267及び第1スライド部材265と連結し、小孔269Gが設けられた右側端部で第2取付部材268及び第2スライド部材266と連結している。また、装飾体269の貼り出し部269Eの上部には、略三角形状の切欠き269H及び切欠き269Iが形成されている。装飾体269に左右方向から圧縮するような力が作用すると、切欠き269H及び切欠き269Iは切り欠かれた部分を閉じる。これにより、装飾体269は左右方向からの圧縮力により容易に変形する。なお、装飾体269は、ベース体255等をその内部に収容している。従って、可動体250を動作させる構成のサイズをコンパクトにしている。
(装飾体269の変形のための動作)
駆動モータ257が回転軸257Aを正回転(右回転)させると、第1ギヤ261も正回転する。第1ギヤ261には第2ギヤ262及び第3ギヤ263が噛み合っており、回転軸257Aが正回転することにより、第2ギヤ262及び第3ギヤ263は逆回転(左回転)する。ここで、第2ギヤ262の突起体262Aは、第2ギヤ262の上側部分に設けられており、一方で、第2ギヤ263の突起体263Aは、第2ギヤ263の下側部分に設けられている。従って、第2ギヤ262及び第3ギヤ263が逆回転すると、突起体262Aが左側に移動し、突起体263Aが右側に移動する。つまり、突起体262A及び突起体263Aは、各ギヤの回転軸線を基準に対象の位置にあることで、互いに離れる方向に移動する。左方向に移動する突起体262Aは、第1スライド部材265の長孔265Aの内壁を押し、当該第1スライド部材265を左にスライドさせる(第1取付部材267も一緒に移動する)。右方向に移動する突起体263Aは、第2スライド部材266の長孔266Aの内壁を押し、当該第2スライド部材266を右にスライドさせる(第2取付部材268も一緒に移動する)。このように、第1スライド部材265(及び第1取付部材267)と、第2スライド部材266(及び第2取付部材268)とは左右方向に沿って互いに離れる方向に移動する。
駆動モータ257が回転軸257Aを逆回転させると、上記とは逆方向の動作が行われ、第1スライド部材265及び第1取付部材267と、第2スライド部材266及び第2取付部材268とは左右方向に沿って互いに近づく方向に移動する。
第1スライド部材265及び第1取付部材267は装飾体269の左側端部を挟み込んだ状態で連結されているので、これらの左右の移動に伴って当該左側端部も左右に移動する。第2スライド部材266及び第2取付部材268は装飾体269の右側端部を挟み込んだ状態で連結されているので、これらの左右の移動に伴って当該右側端部も左右に移動する。従って、駆動モータ257が回転軸257Aを正回転させると、装飾体269は、左右両方から引っ張られるように弾性変形し(図12(B)の特に左側の図参照)、回転軸257Aを逆回転させると、装飾体269は、左右両方から押されたように弾性変形する(図12(C)の特に左側の図参照)。なお、上述したように、装飾体269の貼り出し部269Eの上部には、略三角形状の切欠き269H及び切欠き269Iが形成されている。これにより、装飾体269が左右両方から押され圧縮されると、略三角形状に形成された切欠きが閉じ、装飾体269は容易に変形する。
上記のように、駆動モータ257は、演出制御基板12により制御される。演出制御基板12は、制御信号を駆動モータ257に供給することで、回転軸257Aを正回転させることと、逆回転させることとを繰り返す。そうすると、装飾体269は、左右に引っ張られるように弾性変形することと、左右から押されるように弾性変形することとを繰り返す。これにより、ハート形の装飾体269は、心臓のように鼓動して見える(図12、図16参照)。なお、演出制御基板12は、検出センサSにより、第2スライド部材266が初期位置にあること(つまり、装飾体269が初期状態にあること(図12(A)の状態))を検出する。演出制御基板12は、検出センサSからの検出信号を受信したとき(又は所定期間にわたって受信したとき)に、第2スライド部材266が初期位置にあることを検出する。なお、第2スライド部材266が図12(B)や(C)の位置にあるときの検出片266Dの位置に検出センサを設け、可動体250が図12(B)や(C)の状態にあることを検出し、この検出に基づいて駆動モータ257の回転軸257Aの回転方向を制御してもよい。
(所定機構Xの構造等)
次に、所定機構Xの詳細構造を、図8〜図11などを参照して説明する。所定機構Xは、カバー体271と、駆動モータ273と、LED基板275と、カバー体277と、第1〜第4文字部材281〜284と、駆動力伝達機構X1と、を有する(図8参照)。
カバー体271は、駆動力伝達機構X1などが取り付けられたベース体255に前方から取り付けられることで、ベース体255を前方からカバーする。カバー体271は、貫通孔271A〜271B(これらの用途等については後述する)を有する。また、カバー体271の上部には、LED基板256が差し込まれ、該LED基板256を固定するための複数の差込部271Cが形成されている。
駆動モータ273は、カバー体271の前面に取り付けられる。駆動モータ273の回転軸は、カバー体271に設けられた貫通孔を通り、カバー体271の後方に延びている。駆動モータ273は、演出制御基板12からの制御信号(駆動パルスなど)により動作する。
LED基板275は、基板253と電気的に接続される。LED基板275は、各種の回路や、前方(装飾体269)に光を出射するLED275Aを実装している。なお、LED275A以外の他の光源を用いてもよい。LED基板275は、基板253が中継した演出制御基板12からの制御信号に基づき、LED275Aを発光させる。LED275Aの発光(LED275Aからの光の照射)により、装飾体269が照明される。装飾体269は、光を透過可能なので、このような照明により発光して見える。なお、LED基板275は、上方から中央にまで達する大きな切り欠き275Bを有する。なお、装飾体269の弾性変形により、発光の仕方が変化して見える。この点については、後述する。
カバー体277は、貫通孔277A、277B(これらの用途等については後述する)を有している。カバー体277は、LED基板275、駆動モータ257(図6)、及び駆動モータ273の前方を覆い、これらと装飾体269との間に介在する。また、カバー体277は、LED基板256の上方を覆う。カバー体277は、透光性を有する合成樹脂から構成されているため、LED基板275に搭載されたLED275Aからの光は、カバー体277を通り装飾体269の前面を照明する。さらに、LED基板256に搭載されたLED256Aからの光は、カバー体277を通り装飾体269の上部を照明する。カバー体277は、装飾体269が、LED基板256、LED基板275、駆動モータ257(図6)、及び駆動モータ273に接触することを防止する。これにより、これらの電子部品から発生した熱が装飾体269に伝わり、装飾体269に損傷が生じることを抑制することができる。さらに、電子部品と装飾体269との接触が防止され、電子部品が破損することが防止される。なお、カバー体277は、LED基板275を介してカバー体271に取り付けられる。例えば、図8に示すように、カバー体277とLED基板275とに両者を重ねたときに連通する貫通孔を設け、当該貫通孔にネジ、ビス等を通してカバー体271に螺合させることで、カバー体277とLED基板275とはカバー体271に取り付けられる。なお、この取り付け時、駆動モータ257(図6)及び駆動モータ273は、LED基板275の切り欠き275B内を通る。
第1文字部材281は、「L」の文字を表現した部材であり、第2文字部材282は、「O」の文字を表現した部材であり、第3文字部材283は、「V」の文字を表現した部材であり、第4文字部材284は、「E」の文字を表現した部材である。これら部材は、それぞれ、後方に延びる嵌合棒281A〜284A(これらの用途等については後述する)を備える。
第3文字部材283は、嵌合棒283Aの他、LED基板283B、拡散板283C、カバー体283Dを有する(図8参照)。LED基板283Bは、LED基板275又は基板253と電気的に接続される。LED基板283Bは、各種の回路や、前方に光を出射するLED(他の光源であってもよい)を実装している。LED基板283Bは、基板253又はLED基板275が中継した演出制御基板12からの制御信号に基づき、LEDを発光させる。拡散板283Cは、LED基板283BのLEDからの光(LEDから照射された光)を拡散する。カバー体283Dは、透明又は半透明の部材であり、拡散板283Cが拡散した光を透過する。このような構成により、第3文字部材283は、演出効果を高めるため、発光が可能である。なお、第1文字部材281、第2文字部材282、第4文字部材284も同様の構成を取っている。このため、第1〜第4文字部材281〜284は、個別又は同時に発光可能である。
駆動力伝達機構X1は、ラック部255A、255Bを備える他、第1〜第3ピニオンギヤ291〜293、第1〜第4ラック部材295〜298を備える。
第1ピニオンギヤ291は、駆動モータ273の回転軸に嵌合しており、当該回転軸とともに回転する。第2ピニオンギヤ292は、第1ラック部材295に回転可能に支持される。第3ピニオンギヤ293は、第3ラック部材297に回転可能に支持される。第2ピニオンギヤ292及び第3ピニオンギヤ293は、小径の第1歯車(前方に位置する)と大径の第2歯車(後方に位置する)とを回転軸線を共通にして二枚重ねた形状である。第2ピニオンギヤ292の第1歯車は、左右方向に延びるラック部255Aの歯と噛み合う(図10、図11なども参照)。第3ピニオンギヤ293の第1歯車は、左右方向に延びるラック部255Bの歯と噛み合う(図10、図11なども参照)。各ギヤの第2歯車の噛み合い先などについては後述する。
第1ラック部材295は、左右方向に長尺な形状であり、第1ピニオンギヤ291の回転に伴って、左右方向に移動するラックとして機能する。第1ラック部材295は、突起体295A〜295Cと、取り付け部295Dと、検出片295Eと、歯295Fと、長孔295I、295Jと、を備える。
突起体295A〜295Cは、後方に突出した円柱状のボスなどからなる。突起体295Aは、第2ピニオンギヤ292を回転可能に支持する。具体的には、第2ピニオンギヤ292の中央の貫通孔に突起体295Aが挿入されることで、突起体295Aが支持される。第2ピニオンギヤ292は、突起体295Aの中心軸を回転軸線として回転できる。突起体295B〜295Cは、左右方向に並んでおり、第2ラック部材296の後述の長孔296Bに挿入される。
取り付け部295Dは、嵌合孔を有する円筒状のボスなどからなる。取り付け部295Dの嵌合孔には、第2文字部材282の嵌合棒282Aが嵌合される。嵌合棒282Aは、装飾体269の貫通孔269B、カバー体271の貫通孔271A、カバー体277の貫通孔277A、LED基板275の切り欠き275Bを通り、取り付け部295Dと嵌合している。後述のように、第2文字部材282は、第1ラック部材295の移動に伴って左右方向に移動する。従って、切り欠き275Bの形状は、当該第2文字部材282の移動を阻害しない形状となっており、また、貫通孔269B、貫通孔271A及び貫通孔277Aは、当該第2文字部材282の移動を許容するように左右方向に長尺となっている。
検出片295Eは、上方に張り出した部分であり、検出センサ259による検出対象である。検出センサ259は、例えば、検出センサ223と同様のものであればよい。検出片295Eは、第1ラック部材295が初期位置にあるとき(可動体250の初期状態)に(図10参照)、その存在(つまり初期位置)が検出される。つまり、検出センサ259は、第1ラック部材295の初期位置(可動体250の初期状態)を検出する。
歯295Fは、左右方向に延びており、第1ピニオンギヤ291と上側から噛み合う。
長孔295I、295Jは、左右方向に長尺であり、長孔295Iには突起体255Iが挿入され、長孔295Jには、突起体255Jが挿入される。長孔295I、295Jの幅(上下方向の長さ)は、円柱状の突起体255I、255Jの直径と略同じ(当該直径の方が若干短い)である。従って、第1ラック部材295は、左右方向にスライド可能であるが、それ以外の方向には動かない。
第2ラック部材296は、左右方向に長尺な形状であり、第1ラック部材295の前方に配置される。第2ラック部材296は、後述のように第2ピニオンギヤ292の回転に伴って、左右方向に移動するラックとして機能する。第2ラック部材296は、歯296Aと、長孔296Bと、取り付け部296Cと、を備える。
歯296Aは、左右方向に延び、第2ピニオンギヤ292の大径の第2歯車と下側から噛み合う。
長孔296Bには、左右方向の並んだ突起体295B、295Cが挿入されている。長孔296Bの幅(上下方向の長さ)は、円柱状の突起体295B、295Cの直径と略同じ(当該直径の方が若干短い)である。従って、第2ラック部材296は、左右方向にスライド可能であるが、それ以外の方向には動かない。
なお、突起体295B、295Cは、第1ラック部材295の左側に設けられ、長孔296Bは、第2ラック部材296の右側に設けられている。従って、第2ラック部材296の左端は、第1ラック部材295の左端よりも左側に位置する。そして、第2ラック部材296の左側の部分は、第1取付部材267の貫通孔267B(装飾体269の貫通孔269A)を通る(図10、図11参照)。
取り付け部296Cは、嵌合孔を有する円筒状のボスなどからなる。当該嵌合孔には、第1文字部材281の嵌合棒281Aが嵌合される。取り付け部296Cは、第2ラック部材296の左端に設けられており、常時、装飾体269等から露出している(図10、図11参照)。従って、第1文字部材281は、第2文字部材282とは異なり、貫通孔等を通らずに取り付け部296Cに嵌合されて取り付けられる。
第3ラック部材297は、略L字形状であり、第1ピニオンギヤ291の回転に伴って、左右方向に移動するラックとして機能する。第3ラック部材297は、突起体297A〜297Cと、取り付け部297Dと、歯297Fと、長孔297K、297Lと、を備える。
突起体297A〜297Cは、後方に突出した円柱状のボスなどからなる。突起体297Aは、第3ピニオンギヤ293を回転可能に支持する。具体的には、第3ピニオンギヤ293の中央の貫通孔に突起体297Aが挿入されることで、突起体297Aが支持される。第3ピニオンギヤ293は、突起体297Aの中心軸を回転軸線として回転できる。突起体297B〜297Cは、左右方向に並んでおり、第4ラック部材298の後述の長孔298Bに挿入される。
取り付け部297Dは、嵌合孔を有する円筒状のボスなどからなる。取り付け部297Dの嵌合孔には、第3文字部材283の嵌合棒283Aが嵌合される。嵌合棒283Aは、装飾体269の貫通孔269C、カバー体271の貫通孔271B、カバー体277の貫通孔277B、LED基板275の切り欠き275Bを通り、取り付け部297Dと嵌合している。後述のように、第3文字部材283は、第3ラック部材297の移動に伴って左右方向に移動する。従って、切り欠き275Bの形状は、当該第3文字部材283の移動を阻害しない形状となっており、また、貫通孔269C、貫通孔271B及び貫通孔277Bは、当該第3文字部材283の移動を許容するように左右方向に長尺となっている。
歯297Fは、左右方向に延びており、第1ピニオンギヤ291と下側から噛み合う。
長孔297K、297Lは、左右方向に長尺であり、長孔297Kには突起体255Kが挿入され、長孔295Lには、突起体255Lが挿入される。長孔297K、297Lの幅(上下方向の長さ)は、円柱状の突起体255K、255Lの直径と略同じ(当該直径の方が若干短い)である。従って、第3ラック部材297は、左右方向にスライド可能であるが、それ以外の方向には動かない。
第4ラック部材298は、左右方向に長尺な形状であり、第3ラック部材297の前方に配置される。第4ラック部材298は、後述のように第3ピニオンギヤ293の回転に伴って、左右方向に移動するラックとして機能する。第4ラック部材298は、歯298Aと、長孔298Bと、取り付け部298Cと、を備える。
歯298Aは、左右方向に延び、第3ピニオンギヤ293の大径の第2歯車と下側から噛み合う。
長孔298Bには、左右方向の並んだ突起体297B、297Cが挿入されている。長孔298Bの幅(上下方向の長さ)は、円柱状の突起体297B、297Cの直径と略同じ(当該直径の方が若干短い)である。従って、第4ラック部材298は、左右方向にスライド可能であるが、それ以外の方向には動かない。
なお、突起体297B、297Cは、第3ラック部材297の右側に設けられ、長孔298Bは、第4ラック部材298の左側に設けられている。従って、第4ラック部材298の右端は、第3ラック部材297の右端よりも右側に位置する。そして、第4ラック部材298の左側の部分は、第2取付部材268の貫通孔268B(装飾体269の貫通孔269D)を通る(図10、図11参照)。
取り付け部298Cは、嵌合孔を有する円筒状のボスなどからなる。当該嵌合孔には、第4文字部材284の嵌合棒284Aが嵌合される。取り付け部298Cは、第4ラック部材298の右端に設けられており、常時、装飾体269等から露出している(図10、図11参照)。従って、第4文字部材284は、第3文字部材283とは異なり、貫通孔等を通らずに取り付け部298Cに嵌合されて取り付けられる。
(所定機構Xの動作等)
所定機構Xの動作等を図10、図11を中心に説明する。なお、図10の状態(第1ラック部材295及び第2ラック部材296が最も右の位置にあり、第3ラック部材297及び第4ラック部材298が最も左の位置にある状態)を初期状態とする。
駆動モータ273がその回転軸を図10の初期状態から正回転(左回転)させると、当該回転軸に嵌合された第1ピニオンギヤ291も正回転する。この正回転により、第1ピニオンギヤ291と上から噛み合う歯295Fを有する第1ラック部材295は左へスライドし、第1ピニオンギヤ291と下から噛み合う歯297Fを有する第3ラック部材297は右へスライドする。
第1ラック部材295が左に移動する際、当該第1ラック部材295の突起体295Aにより支持されている第2ピニオンギヤ292も左に移動する。第2ピニオンギヤ292が有する小径の第1歯車は、不動のラック部255Aと下から噛み合っているので、第2ピニオンギヤ292は、逆回転(右回転)しながら左に移動する。第2ピニオンギヤ292が有する大径の第2歯車は、第2ラック部材296の歯296Aと上から噛み合っているので、第2ピニオンギヤ292の移動及び逆回転により、第2ラック部材296も左に移動する。第2ピニオンギヤ292の使用により、第2ラック部材296の移動量は、第1ラック部材295よりも大きくなっている。
第3ラック部材297が右に移動する際、当該第3ラック部材297の突起体297Aにより支持されている第3ピニオンギヤ293も右に移動する。第3ピニオンギヤ293が有する小径の第1歯車は、不動のラック部255Bと下から噛み合っているので、第3ピニオンギヤ293は、正回転しながら右に移動する。第3ピニオンギヤ293が有する大径の第2歯車は、第4ラック部材298の歯298Aと上から噛み合っているので、第3ピニオンギヤ293の移動及び逆回転により、第4ラック部材298も右に移動する。第3ピニオンギヤ293の使用により、第4ラック部材298の移動量は、第3ラック部材297よりも大きくなっている。
最も左の第2ラック部材296(取り付け部296C)には、第1文字部材281が取り付けられ、左から2番目の第1ラック部材295(取り付け部295D)には、第2文字部材282が取り付けられ、左から3番目の第3ラック部材297(取り付け部297D)には、第3文字部材283が取り付けられ、最も右の第4ラック部材298(取り付け部298C)には、第4文字部材284が取り付けられているので、各ラック部材の移動により、各文字部材も移動する。
第1〜第4ラック部材295〜298や第1〜第4文字部材281〜284が移動したあとの状態を図11に示す。第2ラック部材296(第1文字部材281)の移動量は、第1ラック部材295(第2文字部材282)よりも大きい。第4ラック部材298(第4文字部材284)の移動量は、第3ラック部材297(第3文字部材283)よりも大きい。このような関係により、この実施の形態では、第1文字部材281〜第4文字部材284が移動する際の各部材間の距離は、同じ変化度で大きくなっていく(移動中のどのタイミングでも各部材は略等間隔で並ぶ)。
なお、装飾体269の貫通孔269B、貫通孔269Cなどにより、第2文字部材282や第3文字部材283は、装飾体269等に干渉せずに移動可能となっている。また、第1文字部材281が取り付けられた取り付け部296C、第4文字部材284が取り付けられた取り付け部298Cは常時装飾体269の外に出ているので、これらも装飾体269等に干渉せずに移動可能となっている。つまり、第1文字部材281〜第4文字部材284は、装飾体269の変形とは独立して移動可能となっている。
図11の状態において、駆動モータ273がその回転軸を逆回転させると、上記で説明した動作とは反対の動作が行われ、図10の初期状態に戻る。
駆動モータ273は、演出制御基板12により制御される。演出制御基板12は、制御信号を駆動モータ273に供給することで、予め定められた回転角だけ駆動モータ273の回転軸を正回転させ、図10の状態から図11の状態に「LOVE」の文字の間隔を変化させる(間隔を大きくする)。また、演出制御基板12は、制御信号を駆動モータ273に供給することで、駆動モータ273の回転軸を逆回転させ、図11の状態から図10の状態にLOVEの文字の間隔を変化させる(間隔を小さくする)。演出制御基板12は、検出センサ259により検出片295Eを検出したとき(検出センサ259から検出信号を受信したとき又は検出信号を一定期間受信したとき)、つまり、第1ラック部材295などの各ラック部材等が初期位置になったとき(図10の状態になったとき)に駆動モータ273の駆動を終了する。
なお、演出制御基板12は、駆動モータ273の回転軸を正回転させることと逆回転させることとを繰り返し行い、「LOVE」の文字の間隔(第1〜第4文字部材281〜284それぞれの間隔)を連続的に複数回変化させてもよい。
なお、図11の状態のときの検出片295Eの位置に検出センサを設け、演出制御基板12は、当該検出センサにより検出片295Eを検出することで、現在が図11の状態であることを検出してもよい。演出制御基板12は、当該検出に基づいて駆動モータ273を制御してもよい。
(可動体250の変形と発光の関係)
可動体250の変形と、可動体250の発光態様と、の関係を、図12を中心に参照して説明する。図12(A)は、可動体250の初期状態を示す。このときの可動体250(装飾体269)は、変形していない。演出制御基板12は、駆動モータ257(図6等)を制御し、可動体250を図12(A)→(B)→(C)→(A)→(B)→・・・の順に変化させる(これにより、装飾体がドキドキと鼓動して見える)(厳密には、図12の(B)と(C)の間にも(A)の状態が入る。(A)の状態は、(B)の状態と(C)の状態の間の状態であるためである。)。また、演出制御基板12は、可動体250を変形させるときに、基板253を介してLED基板275に制御信号を供給することで、LED275Aを発光させる(つまり、装飾体269を後方から照明させる)。なお、以下の説明では、LED275Aの輝度は一定であるものとして説明する。
なお、演出制御基板12は、LED275Aの発光に合わせて、又は、当該発光とは関係なく、LED基板283Bなどに制御信号を基板253及び/又はLED基板275を介して供給し、第1〜第4文字部材281〜284は、個別又は同時に発光させて演出効果を高めてもよい。
初期状態から駆動モータ257(図6等)の回転軸257Aを正回転(右回転)させると、上記のように、第1ギヤ261も正回転し、第2ギヤ262及び第3ギヤ263を介して第1スライド部材265及び第1取付部材267と、第2スライド部材266及び第2取付部材268とは離れる方向に移動する(図12(B)参照)。これにより、装飾体269は、左右方向に伸びる(左右両方向から引っ張られるような態様で弾性変形する)。そうすると、装飾体269の厚さは薄くなり、光の透過率が向上し、LED275Aの光をより多く透過するので、このときの可動体250(装飾体269)は、初期状態よりも明るく見える。
その後、駆動モータ257(図6等)の回転軸257Aを逆回転(左回転)させると、上記したように、第1ギヤ261も逆回転し、第2ギヤ262及び第3ギヤ263を介して第1スライド部材265及び第1取付部材267と、第2スライド部材266及び第2取付部材268とは近づく方向に移動する(図12(C)参照)。これにより、装飾体269は、左右方向に縮む(左右両方向から押されるような態様で弾性変形する)。そうすると、装飾体269の厚さは厚くなり、光の透過率が低下し、LED275Aの光を少なく透過するので、このときの可動体250(装飾体269)は、図12(B)の状態や初期状態よりも暗く見える。
このように、この実施の形態では、可動体250の装飾体269は、図12(A)〜(C)のように、左右方向に伸縮することで、光の透過率が変化し、装飾体269は、自身の鼓動するような動きに応じて明るさが変化するので、演出効果が増す。なお、装飾体269の変形具合によって、LED275Aの輝度を変化させてもよい。例えば、光の透過率が高くなっているとき(図12(B))に当該輝度を高くし、光の透過率が低いとき(図12(C))のときに当該輝度を低くしてもよい。これによって、装飾体269の明るさが、その鼓動に応じてより大きく変化し、演出効果を高めることができる。なお、LED基板256に搭載されたLED256Aからの光は、装飾体269の上部を照明する。そのため、装飾体269の前面の様子を示した図12においては、LED256Aにより照明されている様子は図示していない。一方、遊技者はLED256Aからの光により照明される装飾体269の上部を視認することが可能である。装飾体269の上部は、装飾体269が左右方向に伸縮することで、光りの透過率が変化する。そのため、LED256Aからの光も、装飾体269の鼓動するような動きに応じて明るさが変化する。
(LED基板256の構造等)
図13は、LED基板を示す図であり、(A)は前方から見た斜視図、(B)は(A)中の矢視Bから見た平面図である。また、図14は、LED基板を示す図であり、(A)は図13(B)中の切断線XIVA−XIVAの断面図、(B)は図13(B)中の切断線XIVB−XIVBの断面図である。
LED基板256は、基板本体256Bと、基板本体256Bにはんだ付けされた複数のLED256A及びコネクタ256Cと、を有している。以下、複数のLED256A及びコネクタ256Cを電子部品256Dと総称することがあるものとする。
基板本体256Bは、自身が設置されるベース体255の湾曲した上面の形状に合わせた形状を有している。基板本体256Bは、湾曲した湾曲部285及び湾曲部287と、湾曲していない非湾曲部286とを有している。湾曲部285は、左右方向に平行な切断線XIVA−XIVAで切断した図14(A)に示す断面において、略弓型の湾曲した形状を有している。湾曲部287は、基板本体256Bの中央を基準にして湾曲部285と概ね線対称の形状を有しており、切断線XIVA−XIVAで切断した断面において略弓型の湾曲した形状を有している。非湾曲部286は、湾曲部285と湾曲部287との間で両者を接続する。非湾曲部286は、切断線XIVA−XIVAで切断した断面においては、湾曲しておらず平板状に図示される。
湾曲部285は、図14(B)に示すように、前後方向に平行な切断線XIVB−XIVB(切断線XIVA−XIVAに直交する切断線)で切断した断面においては、湾曲しておらず平板状に図示される。非湾曲部286、及び湾曲部287も同様に、前後方向に平行な切断線で切断した断面においては、湾曲していない。
本実施形態におけるLED基板256においては、湾曲部285には5つのLED256Aがはんだ付けされており、湾曲部287には5つのLED256Aと1つのコネクタ256Cとがはんだ付けされている。一方で、非湾曲部286には、いずれの電子部品256Dも設けられていない。
次に、基板本体256Bに設けられた電子部品256Dの取付態様について説明する。図15は、LED基板を示す図であり、(A)は図13(A)中の“XVA部”の拡大図、(B)は(A)中の矢視Bからみた断面図、(C)は(A)中の矢視Cからみた断面図である。
図15各図は、基板本体256Bに設けられた1つのLED256Aに着目している。図15(A)に示すようにLED256Aは、直方体状の形状を有し、基板本体256B上の取付位置Z0にはんだ付けされている。直方体状のLED256Aは、寸法が短い短手方向と、寸法が長い長手方向とを規定することができる。図15中では、取付位置Z0を原点とし、LED256Aの短手方向をX軸方向、長手方向をY軸方向とする直交座標を定義している。LED256Aは、短手方向であるX軸方向が左右方向と一致するように、長手方向であるY軸方向が前後方向と一致するように、基板本体256B上にはんだ付けされている。
図15(B)に示すように、左右方向に平行な断面線で切断した断面図においては、基板本体256Bは湾曲している。LED256Aは、短手方向であるX軸が、取付位置Z0を通る基板本体256B上の接線に一致するように基板本体256B上に実装されている。図15(B)には、2本の接線が記載されており、1本目は、点X0から−X軸方向に進んだ点X1に対応する基板本体256B上の点Z1を通る接線288である。2本目は、点X0から+X軸方向に進んだ点X2に対応する基板本体256B上の点Z2を通る接線289である。基板本体256B上の接線288、X軸、及び接線289を順にみていくと、徐々に直線の向きが変化していく。このことから、湾曲部285における基板本体256Bは、X軸方向(LED256Aの短手方向)に沿って曲率を有していることが分かる。なお、X軸方向における基板本体256Bの曲率の大小は、接線の向きの変化の程度により判断が可能である。接線の向きの変化が大きければ基板本体256Bの湾曲の程度が大きく、X軸方向における曲率が大きい。一方、接線の角度の変化が小さいものであれば、基板本体256Bの湾曲の程度が小さく、X軸方向における曲率は小さい。
一方、図15(C)に示すように、前後方向に平行な断面線で切断した断面図においては、基板本体256Bは湾曲してない。LED256Aは、長手方向であるY軸が、取付位置Z0を通る基板本体256B上の接線に一致するように基板本体256B上に設けられている。また、図15(C)において、点Y0から−Y軸方向に進んだ点Y1に対応する基板本体256B上の点Z3を通る接線、及び点Y0から+Y軸方向に進んだ点Y2に対応する基板本体256B上の点Z4を通る接線は、Y軸と一致する。このように、図15(C)における基板本体256B上の接線は、Y軸上の位置を異ならせてもその向きは変化しない。このことから、基板本体256Bは、Y軸方向(LED256Aの長手方向)における曲率は0である。
このように、LED256Aは、基板本体256B上の取付位置Z0において、短手方向(X軸方向)を曲率が大きい方向に、長手方向(Y軸方向)を曲率が小さい方向に向けてはんだ付けされている。特に本実施形態においては、LED256Aの短手方向(X軸方向)を、取付位置Z0において曲率が最大となる方向に、LED256Aの長手方向(Y軸方向)を、取付位置Z0において曲率が最小となる方向(曲率が0の方向)に一致させている。なお、図13(A)の“XVA部”で示したLED256A以外の電子部品256Dにおいても、基板本体256B上の取付位置において、短手方向を曲率が大きい方向に、長手方向を曲率が小さい方向に向くように(長手方向が前後方向に向くように)はんだ付けされている。
(演出装置200の全体的な動作)
演出装置200を用いた演出は、例えば、スーパーリーチ時に実行される。例えば、図16に示すように、演出制御基板12は、スーパーリーチの所定タイミングにて、可動体250を動作させる。具体的には、駆動モータ257を制御すると同時に駆動モータ273を制御することで、装飾体269を左右方向に伸縮させ(詳細な動作は上記参照)、また、第1文字部材281〜第4文字部材284の各部材間の距離を大きくさせたり小さくさせたりする(詳細な動作は上記参照)。これにより、図16(B)、(C)のような動作(可動体250の変形)が繰り返される。このとき、演出制御装置12は、可動体250の変形に応じて、可動体250が鼓動していることを強調するエフェクト画像EG1、EG2を画像表示装置5に表示する。
その後、演出制御基板12は、可動体250を変形前の初期状態とした上で、駆動機構210(駆動モータ215)を制御して、可動体250を進出位置に進出させる(詳細の動作は上記参照)。このとき、演出制御基板12は、画像表示装置5に駆動モータ273を目立たせるエフェクト画像EG3を表示する(図16(D))。なお、このとき、可動体250の態様を変化させてもよい(装飾体269の照明、装飾体269の変形、LOVEの文字の間隔の変化など)。
(本実施形態の効果等)
上記実施形態のように、装飾体269の左右両端を移動させることで、装飾体269を変形させている。従って、装飾体269を今までに無い形態で変化させることができ、演出効果が向上している。このように、装飾体に複数方向の力を複数の箇所に作用させることで、当該装飾体を変化させることで、装飾体を遊技者が興味を引く形態に(例えば、複雑に)変化させることができ、演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態では、装飾体269を変形させること(変形によって厚みを変化させること)で、装飾体269が有する光の透過率を変化させている。これにより、後から照明されている装飾体269の明るさを、その形状によって変化させることができる。特に、装飾体269の変形度に応じて透過率を変化させることができるので、装飾体269の形状を連続的に変化させることにより当該装飾体269の明るさを連続的に変化させることができる(複雑な制御が不要となる)。従って、演出効果を向上させることができる。
また、装飾体269の変形に応じてLED257Aの輝度を変化させることで、装飾体269の変形による演出と、光による演出とを同時に関連づけて実行できるので、演出効果を向上させることができる。演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態では、装飾体269の変化に応じたエフェクト画像EG1等を画像表示装置5に表示するので、画像表示装置5の表示画像を、装飾体269の変形と連動させることができ、演出効果を向上させることができる。
また、可動体250の上方への移動は、弾性体229により補助される。また、弾性体229は、可動体250が下方に移動することに対して抵抗となる。これにより、可動体250の重量による駆動モータ215への負荷を低減でき、可動体250の上下方向の移動をスムーズにできる。
また、湾曲した基板本体256B上の電子部品256Dは、取付位置において、短手方向をLED基板256の曲率が大きい方向に、長手方向をLED基板256の曲率が小さい方向に向けてはんだ付けされている。これにより、電子部品256Dを固定するはんだに、クラックが生ずることを抑制することができる。このような効果はLED基板の製造過程によらず、湾曲した基板本体に電子部品をはんだ付けして形成したLED基板においても、平板状の基板本体にLED等の電子部品をはんだ付けしその後に基板本体を湾曲させて形成したLED基板においても、同様の効果を生ずる。
LED等の電子部品は、湾曲した基板本体の形状に合わせて湾曲させることは費用面や製造面から困難である。そのため湾曲していない電子部品を基板本体にはんだ付けすることになるが、湾曲していない電子部品と、湾曲した基板本体との間には、不可避的な隙間が生じる。この不可避的な隙間によって、湾曲した基板本体に電子部品をはんだ付けすると、はんだによる固定が不十分となったり、はんだに予期しない熱応力や応力集中が生じたりする。これにより、電子部品を固定するはんだにクラックが生じやすい。そこで、本実施形態においては、電子部品の長手方向を基板本体の曲率の小さい方向に向けることで、電子部品と基板本体との間に生じる隙間を小さなものとしている。一方で、電子部品の短手方向を基板本体の曲率の大きい方向に向けることで、大きな隙間を生じさせる方向においてもできる限り小さな隙間となるような電子部品の配置としている。これにより、電子部品のはんだ付けを確実なものとすることができ、予期しない熱応力や応力集中を低減させることができ、はんだに生ずるクラックを抑制することができる。
次に、電子部品がはんだ付けされた平板状の基板本体を曲げ加工して、湾曲したLED基板を形成する場合について説明する。平板上の基板本体に電子部品をはんだ付けする際には、電子部品と基板本体との間に隙間は生じず、はんだ付けに不良は生じにくい。しかしながら、電子部品がはんだ付けされた基板本体を曲げ加工すると、基板本体には中立軸を境にして引張領域と圧縮領域が形成されることになる。この時、基板本体の引張領域側の表面は伸び、圧縮領域側の表面は縮むことになる。しかしながら、基板本体の表面の電子部品やはんだは、基板本体表面の伸び縮みに抵抗しようとする。そのため、基板本体を曲げ加工することにより、はんだにクラックが生じやすい。そこで、本実施形態においては、基板本体の曲げ加工によって表面が大きく伸び縮みする方向(引張力や圧縮力が作用する方向であり、曲率が大きい方向)に短手方向が一致するように電子部品を配置している。これにより、基板本体の表面が伸び縮みを拘束する範囲を小さくすることができ、はんだに作用する応力が低減され、はんだに生ずるクラックを抑制することができる。
また、装飾体269の貼り出し部269Eの上部には、略三角形状の切欠き269H及び切欠き269Iが形成されている。装飾体269に左右方向から圧縮するような力が作用すると、切欠き269H及び切欠き269Iは切り欠かれた部分を閉じる。これにより、装飾体269を左右方向からの圧縮力により容易に変形させることができ、装飾体269の動作を自然なものとすることができる。
また、第1スライド部材265及び第1取付部材267は、装飾体269の左側端部を挟み込んだ状態で連結され、第2スライド部材266及び第2取付部材268は、装飾体269の右側端部を挟み込んだ状態で連結されている。このように、装飾体269を挟み込んだ状態で連結することにより、装飾体269を変形させる際に、特定の場所に応力が集中して装飾体269が破れてしまうといった不具合を抑制することができる。
(変形例)
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、上記実施の形態などについて様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下に上記実施の形態の変形例を例示するが、各変形例の少なくとも一部は矛盾が生じない限り組み合わせることができる。
(変形例1)
上記では、第1文字部材281〜第4文字部材284の駆動と、装飾体269の変形とを独立した別々の機構により行っているが、両者を連動させてもよい。例えば、第2ラック部296及び第4ラック部材298を、装飾体269の貫通孔269A及び269Dに直接固定、又は、第1取付部材267及び第2取付部材268に固定することで、第2ラック部296及び第4ラック部材298のスライドと装飾体269の変形とを連動させてもよい。このような場合、駆動モータ257や駆動モータ257の駆動力を伝達する各種部材は不要になる。このような構成により、演出に使用される複数種類の部材を簡単に連動させることができるとともに、演出効果を高めることができる。
(変形例2)
パチンコ遊技機1は、電源投入時の初期設定時に所謂イニシャル動作を行うようにしてもよい。イニシャル動作は、(1)可動体250などが初期状態にあるか(例えば、パチンコ遊技機1が正常に電源オフされているときには、可動体250は初期状態にあると言える)を各種センサを用いて判定し、初期状態にない場合には可動体250などを初期状態に戻す処理を実行することと、(2)可動体250などが正常に動くかどうかを遊技場の店員や工場出荷時の作業員等に目視で確認させるために、当該可動体250などを実際に動作させて初期状態に戻す処理(例えば、遊技中に当該可動体250などを用いた演出を実行するときと同じ動作を当該可動体250などに行わせる処理)を実行することと、のうちの少なくともいずれかを含む。なお、初期状態とは、例えば、(1)装飾体269等に外力が働いていないときの状態、(2)異常ではない正常なとき(例えば、異常なく電源が通常通りオンしたときの状態など、演出等を実行していない状態)の、装飾体269等が動作する前の状態であればよい。そして、電源投入時のイニシャル動作(可動部材250の移動、装飾体269の変形、第1文字部材281〜第4文字部材284の移動など)を行うときには、演出制御基板12は、画像表示装置5に、上記エフェクト画像などの普段可動体250による演出を実行するときに表示する画像を表示しないようにする(例えば、画像表示装置5には画像を表示しない又は所定の初期画面のみを表示するようにしたり、停電復旧時には復旧画面を表示するようにしたりするとよい)。これによって、電源投入時の可動体250の動作の視認性を良くすることができる(特に、上記(2)
を含むイニシャル動作時)。
(変形例3)
装飾体269は、変形中に当該変形に必要な外力が作用しなくなる事態がおきても(例えば、停電等により電源オフがおきても)、その弾性力(復元力)により、当該変形中の状態よりも初期状態(初期形状)に近づいてもよい。例えば、ディテントトルクが弱いステッピングモータなどを駆動モータ257として採用し、装飾体269の弾性力を大きくするとよい(電源が投入されていない駆動モータ257の回転軸257Aを回転させるのに必要な復元力を装飾体269が持っているとよい)。なお、装飾体269や第1文字部材281〜第4文字部材284は、これらを駆動する機構に設けたバネ等の弾性体の力によって、電源オフのときに初期状態に近づくようにしてもよい。初期状態に近づくとは、装飾体269が初期状態に戻ること、初期状態に近い状態(形状)に戻ることの両者を含む。装飾体269がある程度初期状態に近づけば、変形した装飾体269がそのまま放置されることによる不都合(例えば、意図しないクセがついて装飾体269が初期状態に戻り難くなるなど)の発生を抑制できる。
(変形例4)
パチンコ遊技機1は、電源の電圧を監視する手段を備えてもよい。この場合、電源の電圧の値が所定値を下回ったときに、停電等の電源断がおきると判断して、可動体250や駆動機構210を制御して、演出装置200を初期状態に近づける処理を行ってもよい。なお、前記所定値は、可動体250や駆動機構210(各種の駆動モータ)を動作させるのに必要な電圧を確保した値とするとよい(端に電源断を判定するときの閾値よりも大きな値とするとよい)。例えば、演出制御基板12は、駆動モータ275を制御して、第1スライド部材265及び第1取付部材267や第2スライド部材266及び第2取付部材268を元の位置に近づける(初期位置に移動させることや、当該初期位置近傍に移動させることなどを含む)。これにより、装飾体269を初期状態に戻す方向の力を当該装飾体269に作用させることができ、装飾体269を初期状態に近づけることができる(このとき、第1文字部材281〜第4文字部材284も初期状態に近づけるようにするとよい)。「初期状態」や「初期状態に近づける」についての説明や、当該変形例4の効果は、変形例3に準じる。なお、バックアップ電源等を設けておき、電源断が実際におきて電力が外部から供給されなくなってから、当該バックアップ電源により、演出制御基板12は、駆動モータ275を制御して、第1スライド部材265及び第1取付部材267や第2スライド部材266及び第2取付部材268を元の位置に近付けるようにしてもよい。なお、装飾体269は弾性体でなくてもよく、この場合、演出装置200を初期状態に近づける上記処理を行うとよい。
(変形例5)
装飾体269は、上下方向や斜め方向に力が作用するものであってもよいし、3方向以上の力が作用するものであってもよい。装飾体269は、一方向に力が作用するものであってもよい。なお、装飾体269に複数方向の力を作用させる場合、当該複数方向の力を同時に作用させてもよいし、異なるタイミングで作用させてもよい。例えば、装飾体269の右端部に力を作用させてから、左端部に力を作用させてもよい。複数方向の力の大きさは、同じであってもよいし、少なくとも1つが他と異なってもよい。作用する力の方向やその数、作用タイミングなどは、装飾体269の形状に合わせたものであればよい(上記実施の形態では、装飾体269の形状がハート形なので、装飾体269が鼓動をしているように見せるため、左右同時に力を作用させている)。
装飾体269は、例えば、図12(A)を初期状態とし、図12(B)の状態にのみ移行してもよい。このように、装飾体269は、初期状態から伸縮するものではなく、初期状態から伸びる動作のみを行ってもよい(駆動モータ等の回転角等で規定すればよい)。さらに、装飾体269は、例えば、図12(A)を初期状態とし、図12(C)の状態にのみ移行してもよい。このように、装飾体269は、初期状態から縮む動作のみを行ってもよい(駆動モータ等の回転角等で規定すればよい)。
(変形例6)
例えば、装飾体269が伸びるなどして装飾体269の光の透過率が第1の透過率のときには、LED257A(後方からの照明)の輝度を第1の輝度とし、装飾体269が縮むなどして装飾体269の光の透過率が第1の透過率よりも低い第2の透過率のときには、LED257Aの輝度を第1の輝度よりも高い第2の輝度としてもよい。例えば、図12(B)のときは低輝度で、図12(C)のときは高輝度としてもよい。このようにすることで、例えば、装飾体269が変形しても、当該装飾体269の見た目上の明るさが変化しないようにしてもよい。これにより、演出効果を高めることができる。
また、装飾体269の動きの早さ(鼓動の早さなど)を変化させてもよく、LED257Aの輝度の変化を当該動きの速さに合わせるようにしてもよい。例えば、装飾体269の動き(鼓動)に応じて輝度(明暗)を変化させるときに、当該動きが速くなるにつれて、輝度の変化も早め(明暗の周期を早め)、当該動きが遅くなるにつれて、輝度の変化も遅くしてもよい(明暗の周期を遅くしてもよい)。例えば、装飾体269のある状態と、そのときの輝度との関係が常に同じであるようにすることで、装飾体269の変形周期とLED257Aの輝度の変化の周期とを合わせることができる。これにより、演出効果を高めることができる。なお、輝度の変化に変えて又は加えて、LED257Aの発光色を変化させてもよい(早くなるほど、色が濃くなるなど)。装飾体269の動きの早さに応じて、画像表示装置5に表示するエフェクト画像EG1、EG2などの各種態様(形状、色、点滅周期、大きさ、画像の数など)を変化させてもよい(装飾体269の動きの早さに応じてエフェクト画像を別の画像に変化させてもよい)。装飾体269の動きの態様(動きの方向(伸縮方向等)、動作量、動きの速さなど)に応じて、LED257Aの輝度や発光色(照明色)、エフェクト画像の態様などを変化させてもよい。
(変形例7)
演出装置200を用いた演出は、スーパーリーチの演出実行時の他、予告演出、先読み予告、大当り遊技状態時の演出等において実行されるものであってもよい。可動体250の形状等は適宜のものを採用できる。また、本発明は、スロットマシンや封入式の遊技機などの他の遊技機にも適用できる。
(変形例8)
上述のLED基板256は、左右方向に曲率を有するが左右方向に直交する前後方向には曲率を有していない。そして、基板本体上の電子部品は、長手方向を曲率がゼロである前後方向に向けて配置されている。本発明は、このような形状の基板のみに適用できるだけでなく、いずれの方向においても曲率を有する基板に電子部品をはんだ付けする場合においても適用可能である。図17は、LED基板の他の例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)中の切断線B−Bの断面図である。また、図18は、LED基板の他の例を示す図であり、(A)は図17(A)中の切断線XVIIIA−XVIIIAの断面図、(B)は(A)中の“B部”の拡大図である。
LED基板300は、基板本体301と、基板本体301にはんだ付けされた複数のLED302及びコネクタ303(以下、これらを単に電子部品304と記載することがあるものとする)と、を有している。
基板本体301は、平面視して矩形状であり、その表面はいずれの方向においても湾曲している点が、上述のLED基板256と異なっている。基板本体301は、左右方向に平行な切断線B−Bで切断した図17(B)に示す断面において、大きく湾曲した高湾曲区間311と、高湾曲区間311に比べて曲率の小さな低湾曲区間310及び低湾曲区間312とを有している。低湾曲区間310と低湾曲区間312とは、LED基板300の中央を基準にして線対称の関係にある。一方、基板本体301は、前後方向に平行な切断線XVIIIA−XVIIIAで切断した図18(A)に示す断面においても湾曲している。しかしながら、その湾曲の程度は、図17(B)に示す断面のいずれの区間の湾曲の程度よりも小さい。すなわち、LED基板300の基板本体301は、左右方向に平行な切断線で切断した断面の曲率が大きく、前後方向に平行な切断線で切断した断面の曲率が小さい曲面を有している。
図17(A)に示すように、LED302に、短手方向X1と長手方向X2とを定義する。LED302は、短手方向X1を基板本体301の曲率が大きい方向に一致するように(図17(B))、長手方向Y1を基板本体301の曲率が小さい方向に一致するように(図18(A))配置される。このようなLED302の配置とすることで、上記実施例と同様に、LED302を固定するはんだに生ずるクラックを抑制することができる。
また、図17(A)に示すように、コネクタ303に、短手方向X2と長手方向Y2とを定義する。コネクタ303は、短手方向における寸法と、長手方向における寸法が、ともにLED302の各寸法よりも大きい。コネクタ303は、短手方向X2を基板本体301の曲率が大きい方向に一致するように(図17(B))、長手方向Y2を基板本体301の曲率が小さい方向に一致するように(図17(A))配置される。これにより、コネクタ303を固定するはんだに生ずるクラックを抑制することができる。また、コネクタ303は、図17(B)の断面図に示すように、曲率が小さな低湾曲区間312にはんだ付けされており、高湾曲区間311にはんだ付けされていない。上述のように、コネクタ303の各種寸法はLED302の寸法よりも大きい。そのため、コネクタ303と基板本体301との隙間をより小さなものとするために、曲率の小さな箇所にはんだ付けされている。このことは、LED302が低湾曲区間312にはんだ付けされることを排除するものではない。すなわち、寸法が小さな電子部品ほど、曲率のより大きな箇所へのはんだ付けが許容される。一方、寸法が大きな電子部品ほど、はんだ付けされる箇所が、曲率のより小さな箇所に限定される。
なお、基板にはんだ付けする電子部品として、LEDやコネクタを例に説明したが、その他の電子部品として、例えば、トランジスタ、抵抗器、ダイオード、コンデンサ等をはんだ付けする場合においても本発明を適用することができる。
(変形例9)
また、上述のLED基板においては、複数の電子部品の取付箇所間で、曲率が大きい方向と曲率が小さい方向とが一致していることから、各電子部品も規則正しく長手方向を前後方向に一致させてはんだ付けされていた。しかしながら、基板本体がねじれて様々な方向に湾曲した基板においても、本発明を適用することができる。この場合にも、電子部品の取付位置において、曲率が大きい方向に長手方向を、曲率が小さい方向に短手方向を一致させて電子部品をはんだ付けすればよい。
(変形例10)
なお、図18(B)に示すように、湾曲したLED基板300においては、伸曲部301a側の表面の配線330と、縮曲部301b側の表面の配線340とでは、その態様を異ならせてもよい。ここで、伸曲部301aとは、基板本体301を曲げたときに、中立軸を境に引張力が作用する部分をいい、縮曲部301bとは、中立軸を境に圧縮力が作用する部分をいう。伸曲部301a側の表面にある配線330は、LED基板300を曲げる際に引張力を受けるとともに、電子部品をはんだ付けする際には熱応力を受ける。これらの外的な力を受けて配線330に破断等の不具合が生じることを抑制するため、伸曲部301a側に配された配線330のそれぞれの断面を、縮曲部301b側に配された配線340の断面よりも大きくしている。これにより、配線330が断線することによってはんだ320にクラックが生じることを抑制することができる。一方、縮曲部301b側の表面にある配線340には、主に圧縮力が作用することになるが、圧縮力によって配線340に破断等の不具合は生じにくい。そのため、縮曲部301b側に配された配線340のそれぞれの断面は、伸曲部301a側にある配線330の断面よりも小さくすることができる。
なお、配線330の断面と配線340の断面との違いは、図18(B)に示すように、基板が湾曲した状態において異なせる場合に限定されない。例えば、湾曲させる前の平な基板において配線の伸び縮みの分だけ断面を異ならせ、その後に基板を湾曲させた状態では伸曲部の配線と縮曲部の配線とがほぼ同じ断面となるような構成としてもよい。また、伸曲部と縮曲部との配線の違いとしては、配線一本の断面の大小だけでなく、配線の数や、配線の材質等を異ならせてもよい。例えば、それぞれの配線の断面を伸曲部と縮曲部とで同じ大きさにして、伸曲部の配線の数を縮曲部の配線の数よりも多くしてもよい。また、伸曲部の配線を縮曲部の配線よりも伸びやすい材質のものを用いて形成してもよい。また、伸曲部と縮曲部とのそれぞれに電子部品をはんだ付けする場合には、伸曲部に配された電子部品のはんだ量を、縮曲部に配された電子部品のはんだ量よりも多くしてもよい。これにより、はんだに発生するクラックを抑制することができる。
(変形例11)
また、本発明に係る遊技機に設けられるLED基板においては、実装する電子部品の機能や性能を考慮することで、はんだクラックを抑制可能な電子部品の適切な配置を実現することができる。図19は、LED基板の他の例を説明するための図であり、(A)は基板本体の湾曲を考慮せずに電子部品を配置した図、(B)は(A)の配置から電子部品の配置等を変更した図である。図19(A)及び図19(B)に示す基板本体401aは、図17に示す基板本体301と同様の形状を有している。すなわち、LED基板401aには、大きく湾曲した高湾曲区間411と、高湾曲区間411に比べて曲率の小さな低湾曲区間410及び低湾曲区間412とを有している。また、基板本体401aは、前後方向においても湾曲しているが、その湾曲の程度は、低湾曲区間410及び低湾曲区間412よりも小さい。
図19(A)に示すように、LED基板400aの基板本体401a上には、LED420a〜420gと、抵抗器430a〜430bと、LED421a〜421cとが実装されている。LED421a〜LED421cは、LED420a〜420gと比べて、出射する光の輝度が高く、各寸法も大きい。また、抵抗器430aと抵抗器430bとは、それぞれ同じ抵抗値を有し、同じ寸法を有している。ここで例えば、低湾曲区間410及び低湾曲区間412にある電子部品を固定するはんだには、基板本体401aの湾曲の程度が小さいためクラックが生じる可能性が低いと判断され、高湾曲区間411にあるLED420c〜420eを固定するはんだには、電子部品自体の寸法が小さいためクラックが生じる可能性が低いと判断されたとする。一方、高湾曲区間411にあるLED421bと、抵抗器430a、430bとを固定するはんだには、クラックが生じる可能性が高いと判断されたとする。この場合、図19(A)に示す電子部品の種類や配置等を変更し、はんだクラックを抑制するための対処が必要となる。
LED420a〜420gを固定するはんだにおいては、クラックが生じる可能性が低いため、電子部品の位置や種類を変更する必要はない。しかしながら、図19(B)に示すように、LED420a及びLED420bの代わりに、LED422aを中間位置に設けてもよい。このように代わりに配置するLED422aは、LED420aとLED420bとから発せられる光を合わせた輝度と同程度の輝度の光を発するものから選定される。なお、LED422aは、LED420a及びLED420bよりも寸法が大きいが、低湾曲区間410においてははんだにクラックが生じにくいと判断されるLEDである。同様に、図19(B)に示すように、LED420f及びLED420gの代わりに、LED422bを中間位置に設けてもよい。
図19(B)に示すように、固定するはんだにクラックが生じる可能性が高い、高湾曲区間411に設けられたLED421bの代わりに、4つのLED422aを設けることができる。これらのLED422aは、4つ光を合わせた輝度がLED421b単体から発せられる光の輝度と同程度となるLEDの中から選定される。4つのLED422aの寸法は、LED421bの寸法よりも小さく、固定するはんだにクラックが生じる可能性は低い。このように、寸法の大きなLED(電子部品)を、全体として光の輝度を低下させることなく(機能を低下させることなく)、寸法の小さな複数のLED(電子部品)で代用することにより、はんだに生じるクラックを抑制することができる。また、寸法の小さなLED422aは、代用されるLED421bの取付け位置を中心に実装されている。そのため、4つのLED422aから発せられる光の態様と、LED421b単体から発せられる光の態様とを同じようにすることができる。
また、高湾曲区間411に設けられる抵抗器430aを固定するはんだに、クラックが発生する可能性が高いと判断される場合、基板本体401aに形成される配線等を変更することにより、クラックの発生しにくい位置に抵抗器430aを移動することができる。すなわち、図19(B)に示すように、抵抗器430aを、高湾曲区間411から低湾曲区間410に取付位置を変更する。これにより、抵抗器430aを固定するはんだに生じるクラックを抑制することが可能となる。
また、抵抗器430aとは異なり取付位置の変更が困難な場合に、取付位置を変更することなく複数の小さな抵抗器で代用することができる。図19(B)に示すように、はんだにクラックが生じる可能性が高い高湾曲区間411に設けられた抵抗器430bの代わりに、2つの小さな抵抗器431aを設けることができる。代わりに設ける2つの抵抗器431aは、合わせた抵抗値が代用される抵抗器430bの抵抗値と同程度となるもの中から選定される。抵抗器431aの寸法は、抵抗器430bの寸法よりも小さく、はんだにクラックが生じる可能性は低い。このように、寸法の大きな抵抗器(電子部品)を、全体として抵抗値を変化させることなく(機能を変化させることなく)、寸法の小さな複数の抵抗器(電子部品)で代用することにより、はんだに生じるクラックを抑制することができる。
このように、寸法の大きな電子部品を寸法の小さな複数の電子部品に変更してクラックを抑制することは、特に、LED基板の設計段階で基板本体に湾曲部を新たに形成することとなったり、湾曲の度合を大きくする変更をすることとなったり、製造後に予期しないクラックが発生したりする場合等に、大きな設計変更をすることなくはんだクラックに対処することができる。このように、はんだクラックに対応可能な電子部品としては上記のLEDや抵抗器だけでなく、例えばコンデンサやコネクタ等においても対応することが可能である。
(上記実施形態等の少なくとも一部を一例とする構成など)
次に、上記実施形態や変形例等の少なくとも一部を一例とする構成やさらなる変形例などについて説明するが、下記の構成は、適宜一部省略してもよいし、一部のみを採用して遊技機を構成してもよい。また、各構成の少なくとも一部同士を組み合わせてもよい。
(1)遊技を行うことが可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)において、表面が湾曲した湾曲部(例えば、湾曲部285、湾曲部287)を有し、該湾曲部に電子部品(例えば、LED256A、コネクタ256C)の取付箇所(例えば、取付位置Z0)が設定されている基板(例えば、LED基板256、LED基板300)を備え、前記電子部品は、短手方向が前記取付箇所における曲率が大きい方向となるように該取付箇所に取り付けられる(例えば、図15(B)に示すように、LED256Aは、短手方向Xが基板本体256Bの曲率が大きい方向となるように取り付けられる)、ことを特徴とする遊技機。
(2)前記基板の表面(例えば、LED基板300の伸曲部301a側の表面)及び裏面(例えば、LED基板300の、縮曲部301b側の表面)には配線が設けられおり、前記湾曲部において、前記表面と前記裏面との配線パターンが異なる(例えば、図18(B)に示すように、配線330と配線340との断面の大きさが異なる)、ようにしてもよい。
(3)前記基板には、複数種類の前記電子部品の取付箇所が設定されており(例えば、図17に示すように、LED基板300には、LED302、コネクタ303といった電子部品が取り付けられている)、複数種類の前記電子部品のうちの短手方向が短い前記電子部品は、曲率の最大値がより大きな値を有する前記取付箇所に取り付けられている(例えば、短手方向が短いLED302は、曲率が大きい高湾曲区間311に取り付けられるが、短手方向が長いコネクタ303は、高湾曲区間311に取り付けられず低湾曲区間312に取り付けられる)、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
(4)力を受けて変形することにより演出動作を行う特定装飾体(例えば、装飾体269など)と
前記特定装飾体に対し第1方向(例えば、左方向など)に力を作用させる第1作用手段(例えば、第1スライド部材265及び第1取付部材267など)と、前記特定装飾体に対し前記第1方向とは異なる第2方向(例えば、右方向など)に力を作用させる第2作用手段(例えば、第2スライド部材266及び第2取付部材268など)と、を備え、
所定期間において前記特定装飾体に対し前記第1作用手段及び前記第2作用手段がともに力を作用させることが可能である(例えば、第1スライド部材265及び第1取付部材267と、第2スライド部材266及び第2取付部材268とが同時にスライドして装飾体269を変形させるなど)、
ことを特徴とする遊技機。
(5)力を受けて変形することにより演出動作を行う特定装飾体(例えば、装飾体269など)と、
前記特定装飾体に対し力を作用させる作用手段(例えば、第1スライド部材265及び第1取付部材267など)と、
前記特定装飾体にその裏側から光を照射する発光手段(例えば、第1スライド部材265及び第1取付部材267など)と、を備え、
前記作用手段の作用により、前記特定装飾体を透過する光量が変化する(例えば、装飾体269が左右に引っ張られるように弾性変形することで、その厚さが変化し、光の透過率が変化するなど)、
ことを特徴とする遊技機。
上記(4)及び(5)における各作用手段は、押圧するもの、引っ張るもの、その他、装飾体に作用するものであればよい。作用方向は、左右方向、前後方向、上下方向のいずれか、又は、これらの組合せ(斜め方向)であってもよい。
上記(5)の「透過する光量が変化する」は、作用手段の作用により特定装飾体が物理的に変形して、その厚み等が変わることで変化することを含む。
(6)前記特定装飾体の演出動作に応じた発光パターンにより、前記発光手段を発光させる(例えば、装飾体269を変化させることに応じてLED275Aの輝度を変化させるなど)、
ようにしてもよい。
(7)前記特定装飾体の表側に設けられた特別装飾体(例えば、第1文字部材281〜第4文字部材284など)を備え、
前記第1作用手段及び前記第2作用手段のうちの少なくとも一方は、前記特別装飾体を駆動して演出動作を実行させることにより、前記特定装飾体に対し力を作用させる、又は、
前記作用手段は、前記特別装飾体を駆動して演出動作を実行させることにより、前記特定装飾体に対し力を作用させる(例えば、変形例1など)、
ようにしてもよい。
特別装飾体は、文字等を表すものでなくてもよく、装飾体269のように文字等を含まないで変形することによって演出を行うものであってもよい。特別装飾体は、複数の部材からなってもよい。前記第1作用手段及び前記第2作用手段それぞれが特別装飾体を構成する複数の部材それぞれに力を作用してもよい。
(8)演出表示を行う表示装置(例えば、画像表示装置5など)を備え、
前記表示装置は、前記特定装飾体の演出動作に対応した対応表示を行う(例えば、図16参照)、
ようにしてもよい。
「特定装飾体の演出動作に対応した対応表示」は、特定装飾体の演出動作と、対応表示によって表示された画像等と、で1つの演出を構成するものなどであればよい。
(9)電源投入に伴い前記特定装飾体を動作させる際には、前記対応表示を実行しない(例えば、変形例2など)、
ようにしてもよい。
電源投入は、リセットなどによるものであってもよい。
(10)前記特定装飾体は、弾性を有し、変形した状態において外力が作用しなくなると、復元力により初期形状に近づく(例えば、変形例3など)、
ようにしてもよい。
(11)前記特定装飾体が変形した状態における電力供給の停止時に、前記第1作用手段及び前記第2作用手段は該特定装飾体を初期形状に復帰させる方向に力を作用させる(例えば、変形例4など)、又は、
前記特定装飾体が変形した状態における電力供給の停止時に、前記作用手段は該特定装飾体を初期形状に復帰させる方向に力を作用させる(例えば、変形例4など)、
ようにしてもよい。
電力供給の停止時は、電力供給停止前の電源電圧の低下を検出したとき、実際に電力供給が停止したときの両者を含む。