JP2018139345A - フィルタ生成装置、フィルタ生成方法、及びプログラム - Google Patents

フィルタ生成装置、フィルタ生成方法、及びプログラム Download PDF

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【課題】適切にフィルタを生成することができるフィルタ生成装置、フィルタ生成方法、及びプログラムを提供する。【解決手段】本実施の形態にかかるフィルタ生成装置の処理装置210は、収音信号の境界サンプルよりも前のサンプルから第1のサンプル数の第1の信号を抽出する抽出部214と、第1の信号に基づいて、音源からの直接音を含む第2の信号を前記第1のサンプル数よりも多い第2のサンプル数で生成する信号生成部215と、第2の信号を周波数領域に変換して、スペクトルを生成する変換部216と、補正帯域におけるスペクトルの値を増加させて、補正スペクトルを生成する補正部217と、補正スペクトルを時間領域に逆変換して、補正信号を生成する逆変換部218と、記音信号と補正信号とに基づいてフィルタを生成する生成部219と、を備えたものである。【選択図】図3

Description

本発明は、フィルタ生成装置、フィルタ生成方法、及びプログラムに関する。
音像定位技術として、ヘッドホンを用いて受聴者の頭部の外側に音像を定位させる頭外定位技術がある。頭外定位技術では、ヘッドホンから耳までの特性をキャンセルし、ステレオスピーカから耳までの4本の特性を与えることにより、音像を頭外に定位させている。
頭外定位再生においては、2チャンネル(以下、chと記載)のスピーカから発した測定信号(インパルス音等)を聴取者本人の耳に設置したマイクロフォン(以下、マイクとする)で録音する。そして、インパルス応答で得られた収音信号に基づいて、処理装置がフィルタを作成する。作成したフィルタを2chのオーディオ信号に畳み込むことにより、頭外定位再生を実現することができる。
特許文献1には、個人化された室内インパルス応答のセットを取得する方法が開示されている。特許文献1では、聴取者の各耳の近くにマイクを設置している。そして、スピーカを駆動した時のインパルス音を、左右のマイクが録音する。
特表2008−512015号公報
頭外定位処理して再生される音場の音質については、中域低域が不足している、センター定位の音が薄い、ボーカルが遠くへ奥まっている、など、いわゆる中抜けしている、と言われることがあった。
この中抜けはスピーカの置き方と聴取者との位置関係によって起こる。Lchのスピーカから左耳までの距離と、Rchのスピーカから左耳までの距離の差が、半波長である周波数は逆相で合成されることになる。したがって、距離の差が半波長となる周波数では、音が小さく聴こえる。特にセンター定位の信号はLch、Rchに同相信号が含まれているので両耳の位置でそれぞれ打ち消しあう。また、このような打ち消しは、室内の反射の影響でも起こる。
通常、スピーカ再生を聴取している時、聴取者はじっとしているつもりでも絶えず頭部が動いており、この現象に気づきにくい。しかしながら、頭外定位処理の場合はある固定した位置での空間伝達関数が使用されるため、スピーカとの距離で決まる周波数は逆相で合成された音が提示されてしまう。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、適切なフィルタを生成することができるフィルタ生成装置、フィルタ生成方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明にかかるフィルタ生成装置は、音源から出力された測定信号を収音して、収音信号を取得するマイクと、前記収音信号に基づいて、前記音源から前記マイクまでの伝達特性に応じたフィルタを生成する処理部と、を備え、前記処理部は、前記収音信号の境界サンプルよりも前のサンプルから第1のサンプル数の第1の信号を抽出する抽出部と、前記第1の信号に基づいて、前記音源からの直接音を含む第2の信号を前記第1のサンプル数よりも多い第2のサンプル数で生成する信号生成部と、前記第2の信号を周波数領域に変換して、スペクトルを生成する変換部と、所定の周波数以下の帯域における前記スペクトルの値を増加させて、補正スペクトルを生成する補正部と、前記補正スペクトルを時間領域に逆変換して、補正信号を生成する逆変換部と、前記収音信号と前記補正信号とを用いてフィルタを生成する生成部であって、前記境界サンプルよりも前のフィルタ値については、前記補正信号の値により生成し、前記境界サンプル以降かつ第2のサンプル数未満のフィルタ値については前記収音信号に前記補正信号を加算した加算値により生成する生成部と、を備えたものである。
本発明にかかるフィルタ生成方法は、音源から出力された測定信号をマイクで収音することで伝達特性に応じたフィルタを生成するフィルタ生成方法であって、前記マイクで収音信号を取得するステップと、前記収音信号の境界サンプルよりも前のサンプルから第1のサンプル数の第1の信号を抽出するステップと、前記第1の信号に基づいて、前記音源からの直接音を含む第2の信号を前記第1のサンプル数よりも多い第2のサンプル数で生成するステップと、前記第2の信号を周波数領域に変換して、スペクトルを生成するステップと、所定の周波数以下の帯域における前記スペクトルの値を増加させて、補正スペクトルを生成するステップと、前記補正スペクトルを時間領域に逆変換して、補正信号を生成するステップと、前記収音信号と前記補正信号とを用いてフィルタを生成するステップであって、前記境界サンプルよりも前のフィルタ値については、前記補正信号の値により生成し、前記境界サンプル以降かつ第2のサンプル数未満のフィルタ値については、前記収音信号に前記補正信号を加算した加算値により生成するステップと、を備えたものである。
本発明にかかるプログラムは、音源から出力された測定信号をマイクで収音することで伝達特性に応じたフィルタを生成するフィルタ生成方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記フィルタ生成方法は、前記マイクで収音信号を取得するステップと、前記収音信号の境界サンプルよりも前のサンプルから第1のサンプル数の第1の信号を抽出するステップと、前記第1の信号に基づいて、前記音源からの直接音を含む第2の信号を前記第1のサンプル数よりも多い第2のサンプル数で生成するステップと、前記第2の信号を周波数領域に変換して、スペクトルを生成するステップと、所定の周波数以下の帯域における前記スペクトルの値を増加させて、補正スペクトルを生成するステップと、前記補正スペクトルを時間領域に逆変換して、補正信号を生成するステップと、前記収音信号と前記補正信号とを用いてフィルタを生成するステップであって、前記境界サンプルよりも前のフィルタ値については、前記補正信号の値により生成し、前記境界サンプル以降かつ第2のサンプル数未満のフィルタ値については、前記収音信号に前記補正信号を加算した加算値により生成するステップと、を備えたものである。
本発明によれば、適切なフィルタを生成することができるフィルタ生成装置、フィルタ生成方法、及びプログラムを提供することができる。
本実施の形態に係る頭外定位処理装置を示すブロック図である。 フィルタを生成するフィルタ生成装置の構成を示す図である。 フィルタ生成装置の構成を示す制御ブロック図である。 フィルタ生成方法を示すフローチャートである。 マイクで取得した収音信号を示す波形図である。 境界サンプルdを示すための、収音信号の拡大図である。 収音信号から抽出されたサンプルに基づいて生成された直接音信号を示す波形図である。 直接音信号の振幅スペクトルと補正後の振幅スペクトルとを示す図である。 直接音信号と補正信号とを拡大して示す波形図である。 本実施の形態の処理により得られたフィルタを示す波形図である。 補正されたフィルタと補正されていないフィルタの周波数特性を示す図である。
本実施の形態では、フィルタ生成装置がスピーカからマイクまでの伝達特性を測定している。そして、測定された伝達特性に基づいて、フィルタ生成装置がフィルタを生成している。
本実施の形態にかかるフィルタ生成装置で生成したフィルタを用いた音像定位処理の概要について説明する。ここでは、音像定位処理装置の一例である頭外定位処理について説明する。本実施形態にかかる頭外定位処理は、個人の空間音響伝達特性(空間音響伝達関数ともいう)と外耳道伝達特性(外耳道伝達関数ともいう)を用いて頭外定位処理を行うものである。外耳道伝達特性は、外耳道入口から鼓膜までの伝達特性である。本実施形態では、スピーカから聴取者の耳までの空間音響伝達特性、及びヘッドホンを装着した状態での外耳道伝達特性の逆特性を用いて頭外定位処理を実現している。
本実施の形態にかかる頭外定位処理装置は、パーソナルコンピュータ、スマートホン、タブレットPCなどの情報処理装置であり、プロセッサ等の処理手段、メモリやハードディスクなどの記憶手段、液晶モニタ等の表示手段、タッチパネル、ボタン、キーボード、マウスなどの入力手段、ヘッドホン又はイヤホンを有する出力手段を備えている。
実施の形態1.
本実施の形態にかかる音場再生装置の一例である頭外定位処理装置100を図1に示す。図1は、頭外定位処理装置のブロック図である。頭外定位処理装置100は、ヘッドホン43を装着するユーザUに対して音場を再生する。そのため、頭外定位処理装置100は、LchとRchのステレオ入力信号XL、XRについて、音像定位処理を行う。LchとRchのステレオ入力信号XL、XRは、CD(Compact Disc)プレイヤーなどから出力されるアナログのオーディオ再生信号、又は、mp3(MPEG Audio Layer-3)等のデジタルオーディオデータである。なお、頭外定位処理装置100は、物理的に単一な装置に限られるものではなく、一部の処理が異なる装置で行われてもよい。例えば、一部の処理がパソコンなどにより行われ、残りの処理がヘッドホン43に内蔵されたDSP(Digital Signal Processor)などにより行われてもよい。
頭外定位処理装置100は、頭外定位処理部10と、フィルタ部41、フィルタ部42、及びヘッドホン43を備えている。
頭外定位処理部10は、畳み込み演算部11〜12、21〜22、及び加算器24、25を備えている。畳み込み演算部11〜12、21〜22は、空間音響伝達特性を用いた畳み込み処理を行う。頭外定位処理部10には、CDプレイヤーなどからのステレオ入力信号XL、XRが入力される。頭外定位処理部10には、空間音響伝達特性が設定されている。頭外定位処理部10は、各chのステレオ入力信号XL、XRに対し、空間音響伝達特性を畳み込む。空間音響伝達特性はユーザU本人の頭部や耳介で測定した頭部伝達関数HRTFでもよいし、ダミーヘッドまたは第三者の頭部伝達関数であってもよい。これらの伝達特性は、その場で測定してもよいし、予め用意してもよい。
空間音響伝達特性は、4つの伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsに応じたフィルタを有している。4つの伝達特性に応じたフィルタは、後述するフィルタ生成装置を用いて求めることができる。
そして、畳み込み演算部11は、Lchのステレオ入力信号XLに対して伝達特性Hlsに応じたフィルタを畳み込む。畳み込み演算部11は、畳み込み演算データを加算器24に出力する。畳み込み演算部21は、Rchのステレオ入力信号XRに対して伝達特性Hroに応じたフィルタを畳み込む。畳み込み演算部21は、畳み込み演算データを加算器24に出力する。加算器24は2つの畳み込み演算データを加算して、フィルタ部41に出力する。
畳み込み演算部12は、Lchのステレオ入力信号XLに対して伝達特性Hloに応じたフィルタを畳み込む。畳み込み演算部12は、畳み込み演算データを、加算器25に出力する。畳み込み演算部22は、Rchのステレオ入力信号XRに対して伝達特性Hrsに応じたフィルタを畳み込む。畳み込み演算部22は、畳み込み演算データを、加算器25に出力する。加算器25は2つの畳み込み演算データを加算して、フィルタ部42に出力する。
フィルタ部41、42にはヘッドホン特性(ヘッドホンの再生ユニットとマイク間の特性)をキャンセルする逆フィルタが設定されている。そして、頭外定位処理部10での処理が施された再生信号に逆フィルタを畳み込む。フィルタ部41で加算器24からのLch信号に対して、逆フィルタを畳み込む。同様に、フィルタ部42は加算器25からのRch信号に対して逆フィルタを畳み込む。逆フィルタは、ヘッドホン43を装着した場合に、ヘッドホンユニットからマイクまでの特性をキャンセルする。マイクは、外耳道入口から鼓膜までの間ならばどこに配置してもよい。逆フィルタは、ユーザU本人の特性をその場で測定した結果から算出してもよいし、ダミーヘッド等の任意の外耳を用いて測定したヘッドホン特性から算出した逆フィルタを予め用意してもよい。
フィルタ部41は、補正されたLch信号をヘッドホン43の左ユニット43Lに出力する。フィルタ部42は、補正されたRch信号をヘッドホン43の右ユニット43Rに出力する。ユーザUは、ヘッドホン43を装着している。ヘッドホン43は、Lch信号とRch信号をユーザUに向けて出力する。これにより、ユーザUの頭外に定位された音像を再生することができる。
(フィルタ生成装置)
図2を用いて、空間音響伝達特性(以下、伝達特性とする)を測定して、フィルタを生成するフィルタ生成装置について説明する。図2は、フィルタ生成装置200の測定構成を模式的に示す図である。なお、フィルタ生成装置200は、図1に示す頭外定位処理装置100と共通の装置であってもよい。あるいは、フィルタ生成装置200の一部又は全部が頭外定位処理装置100と異なる装置となっていてもよい。
図2に示すように、フィルタ生成装置200は、ステレオスピーカ5とステレオマイク2を有している。ステレオスピーカ5が測定環境に設置されている。測定環境は、ユーザUの自宅の部屋やオーディオシステムの販売店舗やショールーム等でもよい。測定環境では、床面や壁面によって音の反射が生じる。
本実施の形態では、フィルタ生成装置200の処理装置(図2では不図示)が、伝達特性に応じたフィルタを適切に生成するための演算処理を行っている。処理装置は、例えば、CDプレイヤー等の音楽プレイヤーなどを有している。処理装置は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、スマートホン等であってもよい。
ステレオスピーカ5は、左スピーカ5Lと右スピーカ5Rを備えている。例えば、受聴者1の前方に左スピーカ5Lと右スピーカ5Rが設置されている。左スピーカ5Lと右スピーカ5Rは、インパルス応答測定を行うためのインパルス音等を出力する。以下、本実施の形態では、音源となるスピーカの数を2(ステレオスピーカ)として説明するが、測定に用いる音源の数は2に限らず、1以上であればよい。すなわち、1chのモノラル、または、5.1ch、7.1ch等の、いわゆるマルチチャンネル環境においても同様に、本実施の形態を適用することができる。
ステレオマイク2は、左のマイク2Lと右のマイク2Rを有している。左のマイク2Lは、受聴者1の左耳9Lに設置され、右のマイク2Rは、受聴者1の右耳9Rに設置されている。具体的には、左耳9L、右耳9Rの外耳道入口から鼓膜までの位置にマイク2L、2Rを設置することが好ましい。マイク2L、2Rは、ステレオスピーカ5から出力された測定信号を収音して、収音信号を取得する。マイク2L、2Rは収音信号を後述するフィルタ生成装置200に出力する。受聴者1は、人でもよく、ダミーヘッドでもよい。すなわち、本実施形態において、受聴者1は人だけでなく、ダミーヘッドを含む概念である。
上記のように、左右のスピーカ5L、5Rで出力されたインパルス音をマイク2L、2Rで測定することでインパルス応答が測定される。フィルタ生成装置200は、インパルス応答測定に基づいて取得した収音信号をメモリなどに記憶する。これにより、左スピーカ5Lと左マイク2Lとの間の伝達特性Hls、左スピーカ5Lと右マイク2Rとの間の伝達特性Hlo、右スピーカ5Rと左マイク2Lとの間の伝達特性Hro、右スピーカ5Rと右マイク2Rとの間の伝達特性Hrsが測定される。すなわち、左スピーカ5Lから出力された測定信号を左マイク2Lが収音することで、伝達特性Hlsが取得される。左スピーカ5Lから出力された測定信号を右マイク2Rが収音することで、伝達特性Hloが取得される。右スピーカ5Rから出力された測定信号を左マイク2Lが収音することで、伝達特性Hroが取得される。右スピーカ5Rから出力された測定信号を右マイク2Rが収音することで、伝達特性Hrsが取得される。
そして、フィルタ生成装置200は、収音信号に基づいて、左右のスピーカ5L、5Rから左右のマイク2L、2Rまでの伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsに応じたフィルタを生成する。具体的には、フィルタ生成装置200は、伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsを補正する。そして、フィルタ生成装置200は、補正された伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsを所定のフィルタ長で切り出して、所定の演算処理を行う。このようにすることで、フィルタ生成装置200は、頭外定位処理装置100の畳み込み演算に用いられるフィルタとして生成する。図1で示したように、頭外定位処理装置100が、左右のスピーカ5L、5Rと左右のマイク2L、2Rとの間の伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsに応じたフィルタを用いて頭外定位処理を行う。すなわち、伝達特性に応じたフィルタをオーディオ再生信号に畳み込むことにより、頭外定位処理を行う。
さらに、測定環境において、スピーカ5L、5Rから測定信号を出力した場合、収音信号は直接音と反射音とを含む。直接音は、スピーカ5L、5Rから、マイク2L、2R(耳9L、9R)に直接到達する音である。すなわち、直接音は、スピーカ5L、5Rから、床面、又は壁面等で反射されずに、マイク2L、2Rに到達する音である。反射音は、スピーカ5L、5Rから出力された後、床面又は壁面等で反射されて、マイク2L、2Rに到達する音である。直接音は、反射音よりも早く耳に到達する。したがって、伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsのそれぞれに対応する収音信号は直接音と反射音を含んでいる。そして、反射音が直接音の後に現れる。
次に、フィルタ生成装置200の処理装置と、その処理について詳細に説明する。図3は、フィルタ生成装置200の処理装置210を示す制御ブロック図である。図4は、処理装置210での処理を示すフローチャートである。なお、フィルタ生成装置200は、伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsのそれぞれに対応する収音信号に対して同様の処理を実施している。すなわち、図4に示される処理が、伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsに対応する4つの収音信号に対して、それぞれ実施されている。これにより、伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsに対応するフィルタを生成することができる。
処理装置210は、測定信号生成部211、収音信号取得部212、境界設定部213、抽出部214、直接音信号生成部215、変換部216、補正部217、逆変換部218、及び生成部219を備えている。
測定信号生成部211は、D/A変換器やアンプなどを備えており、測定信号を生成する。測定信号生成部211は、生成した測定信号をステレオスピーカ5にそれぞれ出力する。左スピーカ5Lと右スピーカ5Rがそれぞれ伝達特性を測定するための測定信号を出力する。左スピーカ5Lによるインパルス応答測定と、右スピーカ5Rによるインパルス応答測定がそれぞれ行われる。なお、測定信号は、インパルス信号やTSP(Time Streched Pule)信号等であってもよい。測定信号はインパルス音等の測定音を含んでいる。
ステレオマイク2の左マイク2L、右マイク2Rがそれぞれ測定信号を収音し、収音信号を処理装置210に出力する。収音信号取得部212は、左マイク2L、右マイク2Rからの収音信号を取得する(S11)。なお、収音信号取得部212は、A/D変換器、及びアンプなどを有しており、左マイク2L、右マイク2Rからの収音信号をA/D変換、増幅などしてもよい。また、収音信号取得部212は、複数回の測定により得られた信号を同期加算してもよい。
図5に収音信号の波形を示す。図5の横軸はサンプル番号に対応し、縦軸がマイクの振幅(例えば、出力電圧)となっている。サンプル番号は、時間に対応する整数であり、サンプル番号0のサンプルが最も早いタイミングでサンプリングされたデータ(サンプル)となっている。図5の収音信号は、サンプリング周波数FS=48kHzで取得されている。図5の収音信号のサンプル数は4096サンプルとなっている。収音信号はインパルス音の直接音、及び反射音を含んでいる。
境界設定部213は、収音信号の境界サンプルdを設定する(S12)。境界サンプルdは、スピーカ5L、5Rからの直接音と反射音との境界となるサンプルである。なお、境界サンプルdは直接音と反射音の境界に対応するサンプルの番号となり、dは0〜4096の整数を取る。上記の通り、直接音は、スピーカ5L、5Rから直接受聴者1の耳に到達する音であり、反射音はスピーカ5L、5Rから床面、又は壁面などで反射して受聴者1の耳2L、2Rに到達する音である。すなわち、境界サンプルdは、直接音と反射音との境界のサンプルに対応する。
図6に、取得された収音信号と、境界サンプルdを示す。図6は、図5の一部(四角枠A)を拡大した波形図である。例えば、図6において、境界サンプルd=140となっている。
境界サンプルdの設定は、受聴者1が行うことができる。例えば、パソコンのディスプレイに収音信号の波形を表示し、受聴者1が境界サンプルdの位置をディスプレイ上で指定する。なお、境界サンプルdの設定は受聴者1以外の人が行ってもよい。あるいは、処理装置210が自動で境界サンプルdを設定してもよい。境界サンプルdを自動で設定する場合、収音信号の波形から、境界サンプルdを算出することができる。具体的には、境界設定部213が、ヒルベルト変換によって収音信号の包絡線を求める。そして、境界設定部213は、包絡線において、直接音の次に大きい音の直前(ゼロクロス付近)を境界サンプルとして、設定する。境界サンプルdより前の収音信号は、音源からのマイク2に直接到達する直接音を含んでいる。境界サンプルd以降の前記収音信号は、音源から放出された後、反射してマイク2に到達する反射音を含んでいる。
抽出部214は、収音信号から0〜(d−1)のサンプルを抽出する(S13)。具体的には、抽出部214は収音信号の境界サンプルよりも前のサンプルを抽出する。例えば、収音信号の0〜(d−1)サンプルまでのd個のサンプルを抽出する。ここでは、境界サンプルのサンプル番号d=140となっているため、抽出部214は、0〜139までの140個のサンプルを抽出する。抽出部214は、サンプル番号0以外のサンプルからサンプルを抽出してもよい。すなわち、抽出する先頭サンプルのサンプル番号sは0に限らず、0より大きい整数としてもよい。抽出部214は、サンプル番号s〜dまでのサンプルを抽出してもよい。なお、サンプル番号sは、0以上、かつ、d未満の整数である。以下、抽出部214で抽出されたサンプル数を第1のサンプル数とする。また、抽出部214で抽出された第1のサンプル数の信号を第1の信号とする。
抽出部214で抽出された第1の信号に基づいて、直接音信号生成部215は直接音信号を生成する(S14)。直接音信号は、直接音を含んでおり、d個よりも多いサンプル数を有している。直接音信号のサンプル数を第2のサンプル数とし、具体的には、第2のサンプル数は、2048となっている。すなわち、第2のサンプル数は収音信号のサンプル数の半分となっている。ここで、0〜dまでのサンプルについては抽出したサンプルをそのまま用いる。そして、境界サンプルd以降のサンプルについては、固定値となっている。例えば、d〜2047のサンプルについては、全て0とする。したがって、第2のサンプル数は、第1のサンプル数よりも多くなっている。図7に直接音信号の波形を示す。図7では、境界サンプルd以降のサンプルの値は0で一定となっている。なお、直接音信号を第2の信号とも称する。
なお、第2のサンプル数は2048となっているが、第2のサンプル数は2048に限られるものではない。サンプリング周波数FS=48kHzの場合、第2のサンプル数は256以上であることが好ましく、さらに低域周波数の精度を十分に取るため、第2のサンプル数は2048以上であることがより好ましい。また、直接音信号が5msec以上のデータ長となるように第2のサンプル数を設定することが好ましく、さらに20msec以上のデータ長となるように第2のサンプル数を設定することがより好ましい。
変換部216は、FFT(高速フーリエ変換)により直接音信号からスペクトルを生成する(S15)。これにより、直接音信号の振幅スペクトルと、位相スペクトルが生成される。なお、振幅スペクトルの代わりにパワースペクトルを生成してもよい。パワースペクトルを用いる場合、後述するステップでは補正部217がパワースペクトルを補正する。なお、変換部216は、離散フーリエ変換や離散コサイン変換により、直接音信号を周波数領域のデータに変換してもよい。
次に、補正部217は、振幅スペクトルを補正する(S16)。具体的には、補正部217は、補正帯域における振幅値を増加するように、振幅スペクトルを補正する。なお、補正された振幅スペクトルを補正スペクトルとも称する。本実施の形態では、位相スペクトルは補正せず、振幅スペクトルのみを補正している。すなわち、補正部217は、位相スペクトルについては、補正せずにそのままとする。
補正帯域は、所定の周波数(補正上限周波数)以下の帯域である。例えば、補正帯域は、最低周波数(1Hz)〜1000Hz以下の帯域である。もちろん、補正帯域は、この帯域に限定されるものではない。すなわち、補正上限周波数は適宜異なる値を設定することが可能である。
補正部217は、補正帯域におけるスペクトルの振幅値を補正レベルにする。ここでは、補正レベルが、800Hz〜1500Hzの振幅値の平均レベルとなっている。すなわち、補正部217は、800Hz〜1500Hzの振幅値の平均レベルを補正レベルとして算出する。そして、補正部217は、補正帯域における振幅スペクトルの振幅値を補正レベルに置き換える。したがって、補正振幅スペクトルにおいて、補正帯域における振幅値は一定値となっている。
図8に、補正前の振幅スペクトルBと、補正後の振幅スペクトルCを示す。図8では、横軸が周波数[Hz]で、縦軸が振幅[dB]であり、対数表示となっている。補正後の振幅スペクトルは、1000Hz以下の補正帯域の振幅[dB]が一定となっている。また、補正部217は、位相スペクトルを補正せずにそのままとする。
なお、補正レベルを算出するための帯域を算出用帯域とする。算出用帯域は、第1の周波数から、第1の周波数よりも低い第2の周波数で規定される帯域である。したがって、算出用帯域は、第2の周波数から第1の周波数までの帯域となる。上記の例では、算出用帯域の第2の周波数を1500Hz、第1の周波数を800Hzとしている。もちろん、算出用帯域は800Hz〜1500Hzの帯域に限定されるものではない。すなわち、算出用帯域を規定する第1の周波数、及び第2の周波数は、1500Hz、及び800Hzに限られず、任意の周波数とすることができる。
算出用帯域を規定する第1の周波数が、補正帯域を規定する上限周波数よりも高い周波数であることが好ましい。第1及び第2の周波数は伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsの周波数特性を予め調べておき、決定した値を用いることができる。もちろん、振幅の平均レベルではない値を用いてもよい。第1及び第2の周波数を求める際に、周波数特性を表示し、中低域のディップを補正すべく推奨の周波数を示しても良い。
補正部217は、算出用帯域の振幅値にもとづいて、補正レベルを算出する。また、補正帯域における補正レベルを算出用帯域における振幅値の平均値としたが、補正レベルは、振幅値の平均値に限られるものではない。例えば、補正レベルは、振幅値の重み付け平均であってもよい。また、補正帯域全体で一定になっていなくてもよい。すなわち、補正帯域における周波数に応じて、補正レベルが変わってもよい。
別の補正方法として、補正部217は、所定の周波数以上の周波数における平均振幅レベルと、所定の周波数より低い周波数における平均振幅レベルとが等しくなるように、所定の周波数より低い周波数の振幅レベルを一定レベルにしてもよく、また、周波数特性の概形を維持したまま振幅値方向に平行移動させてもよい。所定の周波数としては、補正上限周波数が挙げられる。
さらに別の補正方法として、補正部217は、あらかじめスピーカ5L及びスピーカ5Rの周波数特性データを記憶しておき、所定の周波数以下の振幅レベルをスピーカ5L及びスピーカ5Rの周波数特性データに置き換えてもよい。また、補正部217は、あらかじめ人の左右の耳の幅(例えば約18cm)の剛球でシミュレーションした頭部伝達関数の低域の周波数特性データを記憶しておき、同様にして置き換えても良い。所定の周波数としては、補正上限周波数が挙げられる。
次に、逆変換部218が、IFFT(逆高速フーリエ変換)により、補正信号を生成する(S17)。すなわち、逆変換部218は、補正振幅スペクトルと位相スペクトルに離散フーリエ変換を施すことで、スペクトルデータが時間領域のデータとなる。逆変換部218は、逆離散フーリエ変換ではなく、逆離散コサイン変換等により、逆変換を行うことで、補正信号を生成してもよい。補正信号のサンプル数は、直接音信号と同じ2048となっている。図9に、直接音信号Dと補正信号Eとを拡大して示す波形図を示す。
そして、生成部219が、収音信号と補正信号とを用いて、フィルタを生成する(S18)。具体的には、生成部219は、境界サンプルdまでのサンプルについては、補正信号に置き換える。境界サンプルd以降のサンプルについては、補正信号を収音信号に加算する。すなわち、生成部219は、境界サンプルdよりも前(0〜(d−1))のフィルタ値については、補正信号の値により生成する。境界サンプルd以降かつ第2のサンプル未満(d〜2047)のフィルタ値については、生成部219は収音信号に補正信号を加算した加算値により生成する。さらに、生成部219は、第2のサンプル数以上かつ収音信号のサンプル数未満のフィルタ値については、収音信号の値により生成する。
例えば、収音信号をM(n)とし、補正信号をE(n)とし、フィルタをF(n)とする。ここで、nはサンプル番号であり、0〜4095の整数となる。フィルタF(n)は以下の通りとなる
nが0以上、かつ、d未満の場合(0≦n<dの場合)
F(n)=E(n)
nがd以上、かつ、第2のサンプル数(ここでは2048)未満の場合(d≦n<第2のサンプル数の場合)
F(n)=M(n)+E(n)
nが第2のサンプル数以上、かつ、収音信号のサンプル数(ここでは4096)未満の場合(第2のサンプル数≦n<収音信号のサンプル数の場合)
F(n)=M(n)
なお、nが第2のサンプル以上の場合の補正信号E(n)の値を0と見なせば、nが第2のサンプル数以上、かつ、収音信号のサンプル数(ここでは4096)未満の場合についても、F(n)=M(n)+E(n)となる。つまり、nがd以上、かつ、収音信号のサンプル数(ここでは2048)未満の場合、F(n)=M(n)+E(n)ということもできる。図10にフィルタの波形図を示す。フィルタのサンプル数は4096となっている。
このようにして、生成部219が収音信号と補正信号とに基づいてフィルタ値を算出することで、フィルタを生成する。もちろん、収音信号と補正信号を単純に加算するのではなく、係数を乗じて加算してもよい。図11に、上記の処理で生成されたフィルタHと補正されていないフィルタGの周波数特性(振幅スペクトル)を示す。なお、補正されていないフィルタGは、図5に示した収音信号の周波数特性となる。
このように、伝達特性を補正することにより、センター音像がしっかり定位した音場、及び聴感上、中低域と高域のバランスが取れた周波数特性となる。すなわち、中低域である補正帯域の振幅を増強しているため、適切なフィルタを生成することができる。いわゆる中抜けが発生していない音場を再生することができる。また、受聴者1の頭部の、ある固定した位置での空間伝達関数が測定された場合であっても適切なフィルタを生成することができる。よって、音源から左右の耳までの距離の差が半波長となる周波数についても、適切なフィルタ値を得ることができる。よって、適切なフィルタを生成することができる。
具体的には、抽出部214が境界サンプルdよりも前のサンプルを抽出している。すなわち、抽出部214が収音信号の直接音のみを抽出している。したがって、抽出部214で抽出されたサンプルが直接音のみを示すことになる。直接音信号生成部215が抽出されたサンプルに基づいて、直接音信号を生成している。境界サンプルdは、直接音と反射音の境界に対応するため、直接音信号から反射音を排除することができる。
さらに、直接音信号生成部215は、収音信号、及びフィルタの半分のサンプル数(2048サンプル)の直接音信号を生成している。直接音信号のサンプル数を多くすることで、低域でも精度良く補正することができる。また、直接音信号のサンプル数は、直接音信号が20msec以上となるサンプル数とすることが好ましい。なお、直接音信号のサンプル長は最大、収音信号(伝達関数Hls,Hlo、Hro、Hrs)と同じ長さとすることができる。
上記の処理が、伝達関数Hls,Hlo、Hro、Hrsに対応する4つの収音信号に対して実施される。なお、処理装置210は、物理的な単一な装置に限られるものではない。すなわち、処理装置210の一部の処理を他の装置で行うことも可能である。例えば、他の装置で測定した収音信号を用意しておき、処理装置210が、その収音信号を取得する。そして、処理装置210は、収音信号をメモリなどに格納するとともに、上記の処理を施す。
上記処理のうちの一部又は全部は、コンピュータプログラムによって実行されてもよい。上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non−transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
U ユーザ
1 受聴者
2L 左マイク
2R 右マイク
5L 左スピーカ
5R 右スピーカ
9L 左耳
9R 右耳
10 頭外定位処理部
11 畳み込み演算部
12 畳み込み演算部
21 畳み込み演算部
22 畳み込み演算部
24 加算器
25 加算器
41 フィルタ部
42 フィルタ部
43 ヘッドホン
100 頭外定位処理装置
200 フィルタ生成装置
210 処理装置
211 測定信号生成部
212 収音信号取得部
213 境界設定部
214 抽出部
215 直接音信号生成部
216 変換部
217 補正部
218 逆変換部
219 生成部

Claims (5)

  1. 音源から出力された測定信号を収音して、収音信号を取得するマイクと、
    前記収音信号に基づいて、前記音源から前記マイクまでの伝達特性に応じたフィルタを生成する処理部と、を備え、
    前記処理部は、
    前記収音信号の境界サンプルよりも前のサンプルから第1のサンプル数の第1の信号を抽出する抽出部と、
    前記第1の信号に基づいて、前記音源からの直接音を含む第2の信号を前記第1のサンプル数よりも多い第2のサンプル数で生成する信号生成部と、
    前記第2の信号を周波数領域に変換して、スペクトルを生成する変換部と、
    所定の周波数以下の帯域における前記スペクトルの値を増加させて、補正スペクトルを生成する補正部と、
    前記補正スペクトルを時間領域に逆変換して、補正信号を生成する逆変換部と、
    前記収音信号と前記補正信号とを用いてフィルタを生成する生成部であって、前記境界サンプルよりも前のフィルタ値については、前記補正信号の値により生成し、前記境界サンプル以降かつ第2のサンプル数未満のフィルタ値については前記収音信号に前記補正信号を加算した加算値により生成する生成部と、を備えたフィルタ生成装置。
  2. 前記境界サンプルより前の前記収音信号は、前記音源からの前記マイクに直接到達する直接音を含み、前記境界サンプル以降の前記収音信号は、前記音源から放出された後、反射して前記マイクに到達する反射音を含む請求項1に記載のフィルタ生成装置。
  3. 前記補正部が補正する周波数帯域は、前記所定の周波数よりも高い第1の周波数と、前記第1の周波数よりも低い第2の周波数で規定されている請求項1、又は2に記載のフィルタ生成装置。
  4. 音源から出力された測定信号をマイクで収音することで伝達特性に応じたフィルタを生成するフィルタ生成方法であって、
    前記マイクで収音信号を取得するステップと、
    前記収音信号の境界サンプルよりも前のサンプルから第1のサンプル数の第1の信号を抽出するステップと、
    前記第1の信号に基づいて、前記音源からの直接音を含む第2の信号を前記第1のサンプル数よりも多い第2のサンプル数で生成するステップと、
    前記第2の信号を周波数領域に変換して、スペクトルを生成するステップと、
    所定の周波数以下の帯域における前記スペクトルの値を増加させて、補正スペクトルを生成するステップと、
    前記補正スペクトルを時間領域に逆変換して、補正信号を生成するステップと、
    前記収音信号と前記補正信号とを用いてフィルタを生成するステップであって、前記境界サンプルよりも前のフィルタ値については、前記補正信号の値により生成し、前記境界サンプル以降かつ第2のサンプル数未満のフィルタ値については、前記収音信号に前記補正信号を加算した加算値により生成するステップと、を備えたフィルタ生成方法。
  5. 音源から出力された測定信号をマイクで収音することで伝達特性に応じたフィルタを生成するフィルタ生成方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記フィルタ生成方法は、
    前記マイクで収音信号を取得するステップと、
    前記収音信号の境界サンプルよりも前のサンプルから第1のサンプル数の第1の信号を抽出するステップと、
    前記第1の信号に基づいて、前記音源からの直接音を含む第2の信号を前記第1のサンプル数よりも多い第2のサンプル数で生成するステップと、
    前記第2の信号を周波数領域に変換して、スペクトルを生成するステップと、
    所定の周波数以下の帯域における前記スペクトルの値を増加させて、補正スペクトルを生成するステップと、
    前記補正スペクトルを時間領域に逆変換して、補正信号を生成するステップと、
    前記収音信号と前記補正信号とを用いてフィルタを生成するステップであって、前記境界サンプルよりも前のフィルタ値については、前記補正信号の値により生成し、前記境界サンプル以降かつ第2のサンプル数未満のフィルタ値については、前記収音信号に前記補正信号を加算した加算値により生成するステップと、を備えたプログラム。
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