JP2018138780A - 圧縮機用ピストン、圧縮機及びヒートポンプユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも一実施形態に係る圧縮機用ピストンは、シリンダとともに気体を圧縮する圧縮室を形成する頂面を有するピストン本体部と、前記ピストン本体部の軸方向に沿って前記頂面から突出するように設けられる突部と、を備え、前記突部は、前記軸方向と直交する方向の寸法が前記突部の先端に向かうにつれて小さくなるように形成され、前記軸方向と直交する方向に沿った断面形状が円形であり、前記突部のうち前記頂面への接続部は、前記頂面から前記突部の先端に向かって徐々に縮径して前記軸方向に沿った断面が凹状の曲面となる。
【選択図】図5
Description
例えば特許文献1に記載されている圧縮機は往復動圧縮機であり、ピストンと、シリンダと、吸入室と、吐出室と、吸入弁と、吐出弁とを備えている。往復動圧縮機の運転中、クランク軸に外部から動力が供給されてピストンが往復運動すると、圧縮対象の気体は、吸入室から吸入弁を通じてシリンダ内に吸入されてから圧縮され、そして、吐出弁を通じて吐出室に吐出される。
そこで、特許文献2に記載された圧縮機のように、ピストンの頂面に突部を設け、ピストンが上死点に近づくと突部が連通孔に挿入されるようにすることで、死容積を低減させて、成績係数を向上させることが考えられる。
しかし、突部を適切な形状にしないと圧縮抵抗が増加し、圧縮機の駆動動力が増加してしまう。
圧縮機の断熱効率は、体積効率に比例し、駆動動力に反比例するため、吸入ガス量が増加しても圧縮機の駆動動力が増加してしまうと断熱効率が低下するおそれがある。
シリンダとともに気体を圧縮する圧縮室を形成する頂面を有するピストン本体部と、
前記ピストン本体部の軸方向に沿って前記頂面から突出するように設けられる突部と、
を備え、
前記突部は、
前記軸方向と直交する方向の寸法が前記突部の先端に向かうにつれて小さくなるように形成され、
前記軸方向と直交する方向に沿った断面形状が円形であり、
前記突部のうち前記頂面への接続部は、前記頂面から前記突部の先端に向かって徐々に縮径して前記軸方向に沿った断面が凹状の曲面となる。
上記(1)の構成の圧縮機用ピストンを、このような往復動圧縮機に用いた場合、圧縮機のシリンダ内で圧縮機用ピストンが上死点側に移動したとき、連通孔に突部が侵入することで、死容積を低減して再膨張ガス分を減少できる。また、以下で説明するように、圧縮抵抗を抑制して圧縮機の駆動動力を低減できるので、断熱効率の低下を抑制できる。
さらに、突部の軸方向と直交する方向の寸法が突部の先端に向かうにつれて小さくなっているが、圧縮機用ピストンを鋳造で製造する場合に設定される抜き勾配を兼ねて突部の形状を設定すれば、鋳造後の突部の機械加工を省略でき、製造コストを低減できる。
上述した往復動圧縮機では、一般的には、連通孔は、シリンダの軸方向、すなわちピストン本体部の軸方向と直交する方向に沿った断面形状が円形である。したがって、上記(1)の構成によれば、突部の軸方向と直交する方向に沿った断面形状が連通孔の断面形状と同様の形状となるので、死容積を効率よく低減できる。これにより、再膨張ガス分を減少できる。
これにより、シリンダから排出される気体の流路抵抗を低減できるので、圧縮抵抗を抑制して圧縮機の駆動動力を低減でき、断熱効率の低下を抑制できる。また、圧縮機の騒音や振動を抑制できる。
上死点と下死点との間を移動して気体を圧縮するように構成された上記(1)の構成のピストンと、
前記ピストンの前記頂面とともに前記圧縮室を形成するシリンダと、
前記ピストンにより圧縮された気体を排出するための排気室と前記圧縮室との連通状態を切り替えるための排気弁と、
前記圧縮室と前記排気室とを連通させる連通孔が形成されるとともに、前記排気弁の閉弁時に前記排気弁が当接可能な弁座を含む弁座形成部材と、を備え、
前記ピストンは、前記上死点において、該ピストンの前記突部の少なくとも先端が前記弁座形成部材の前記連通孔に侵入するように構成された。
前記ピストンが上死点に位置するときにおける、前記弁座形成部材の前記圧縮室側の表面における前記連通孔の開口縁と、前記突部の側面との隙間が最小間隙であり、
前記突部の前記側面と前記連通孔の内壁面との間の隙間の大きさは、前記突部の前記先端に近づくにつれて前記最小間隙から単調増加する。
しかし、上記(5)の構成によれば、突部と連通孔の内壁面との間の隙間を介して圧縮室から排気室に向かう気体の流れに及ぼす影響を抑制しつつ、死容積を効果的に低減できるので、断熱効率の低下を抑制できる。
上記(2)乃至(5)何れかの構成の圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された気体と熱交換を行うための熱交換器を有する熱交換ユニットと、
ヒートポンプサイクル構成機器と、
を備える。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状、円柱形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状、円柱形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとし、同じ効果が得られる範囲で、例えば円筒形状や円柱形状等の側面が錐状となる形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、一実施形態に係る圧縮機を備えるヒートポンプユニットの内部構造を模式的に示す斜視図である。一実施形態に係るヒートポンプユニット50は、略直方体形状を呈する箱型ケーシング100と、熱交換ユニット30と、ヒートポンプサイクル構成機器52とを備える。
一実施形態に係る熱交換ユニット30は、箱型ケーシング100内に設けられたファン34とパネル状熱交換器36とを備える。具体的には、一実施形態では、箱型ケーシング100の内部に上下方向に沿って設けられた一対のパネル状熱交換器36が互いに向かい合わせて配置されている。そして、一対のパネル状熱交換器36に空気を通過させるファン34が一対のパネル状熱交換器36の上方に配置されている。一対のパネル状熱交換器36は2つの空気取込口111に対面して設けられると共に、一対のパネル状熱交換器36の間隔は下方に向かうにつれて小さくなるようにV字形に配置される。
ファン34が稼働することで、箱型ケーシング100の内部には正面100a及び背面100bに設けられた空気取込口111から流入し、一対のパネル状熱交換器36を通り抜け、空気流出口112に至る空気流aが形成される。
圧縮機200で圧縮された冷媒(例えばCO2)は冷媒循環路54を介してガスクーラ58へ供給され、ガスクーラ58で冷却水路60を流れる冷却水によって冷却される。冷却水路60には冷却水をガスクーラ58に送るポンプ62が設けられる。ガスクーラ58で冷却された冷媒は内部熱交換器64でパネル状熱交換器36から送られる冷媒と熱交換して冷却された後、膨張弁66を経て減圧される、その後、冷媒はパネル状熱交換器36で空気を熱源として気化する。すなわち、パネル状熱交換器36は、蒸発器としてヒートポンプサイクル構成機器52に組み込まれている。
気化した冷媒は、内部熱交換器64でガスクーラ58から送られる冷媒と熱交換して加熱された後、再び圧縮機200に送られて圧縮される。
一実施形態のヒートポンプユニット50では、ガスクーラ58で加熱された温水を熱源として需要先に供給できる。
一実施形態の圧縮機200は往復動圧縮機であり、ケーシング210と、シリンダ220と、ピストン230と、クランク軸241と、連接棒242と、バルブプレート250と、ヘッドカバー260とを備えている。図3に示した圧縮機200では、シリンダ220及びピストン230が1組描かれているが、圧縮機200は単気筒型の往復動圧縮機であってもよく、多気筒型の往復動圧縮機であってもよい。なお、説明の便宜上、図3を参照した以下の説明において、シリンダ220の延在方向が紙面の上下方向に沿っているものと仮定し、紙面上下方向を参照して各部の上下関係を説明する。
一実施形態では、ケーシング210の内部にはクランク室211と、吸気室212とが設けられている。クランク室211にはクランク軸241が回転可能に軸支されている。吸気室212には冷媒循環路54が接続されており、冷媒循環路54から冷媒が流入する。
クランク室211の上方には、シリンダ220が上下方向に沿って延在するように配置されている。シリンダ220内には、ピストン230が摺動可能に挿入されている。ピストン230は連接棒242によってクランク軸241と連結されている。なお、図3では、ピストン230に装着されるピストンリング等の記載を省略している。ピストン230の頂面232とシリンダ220の内周面とによって冷媒を圧縮する圧縮室221が形成される。
一実施形態のバルブプレート250には、吸気通路251と、連通孔252と、排気弁座253とが形成されている。吸気通路251は、バルブプレート250の内部に設けられた冷媒の流路であり、吸気室212と圧縮室221とを接続する。すなわち、吸気通路251は、上流側の開口が吸気室212に接続され、下流側の開口251aが吸気弁254を介して圧縮室221と接続されている。
連通孔252の排気室261側の端部には、排気室261と圧縮室221との連通状態を切り替えるための排気弁255が設けられている。排気弁255は、バルブプレート250に対して、連通孔252の中心軸に沿って移動可能に取り付けられており、不図示のバネによって圧縮室221側に向かって付勢されて、圧縮室221側の面が排気弁座253に当接している。
図4に示すように、一実施形態のバルブプレート250では、シリンダ220と同軸となるように連通孔252が配置されている。また、一実施形態のバルブプレート250では、吸気通路251の下流側の開口251aが連通孔252の開口縁252aの周囲に設けられている。一実施形態では、開口251aは、円形形状を呈する開口縁252aと同軸の円周方向に沿って延在する長孔形状を呈している。一実施形態では、開口縁252aの周囲に3つの開口251aが円周方向に沿って略等間隔で設けられているが、開口251aの数は3に限らない。
図5は、一実施形態のピストン230の斜視図である。一実施形態のピストン230は、有蓋円筒状に形成されたピストン本体部231と、ピストン本体部231の軸AX方向に沿ってピストン本体部231の頂面232から突出するように設けられる突部233とを有する。ピストン本体部231には、ピストンピン穴231aが設けられ、ピストンピン穴231aよりも頂面232側の外周にピストンリング溝231bが設けられる。ピストンピン穴231aには、連接棒242と連結するための不図示のピストンピンが挿入される。ピストンリング溝231bには、不図示のピストンリングが装着される。
一実施形態では、突部233は、軸AX方向に沿って延在する略円柱形状を呈する。すなわち、一実施形態では、突部233は、軸AX方向と直交する方向に沿った断面形状が円形である。一実地形態では、突部233は、軸AX方向と直交する方向の寸法、すなわち外径が突部233の先端233aに向かうにつれて小さくなるように形成されている。
一実施形態では、突部233の軸AX方向に沿った長さがバルブプレート250の連通孔252の延在長さと略等しい。これにより、死容積を効率的に低減できる。しかし、例えば、一実施形態の圧縮機200に組み込まれたピストン230が上死点において突部233の先端233aが排気弁255に当接しなければ、突部233の軸AX方向に沿った長さを適宜設定してもよい。
一実施形態の圧縮機200では、ピストン230がシリンダ220内を下死点に向かって移動すると、圧縮室221の圧力が低下するので、吸気室212内の冷媒がバルブプレート250の吸気通路251及び吸気弁254を介して圧縮室221に流入する。ピストン230が上死点に向かって移動すると、圧縮室221内の冷媒が圧縮されて圧縮室221の圧力が上昇する。これにより、排気弁255が不図示のバネの付勢力に抗して排気室261側へ移動して連通孔252の排気室261側の端部の開口が開放され、圧縮された冷媒が圧縮室221から連通孔252を通過して排気室261へ排出される。
突部233の先端233aが連通孔252に侵入し始めると、圧縮室221で圧縮された冷媒は、連通孔252の内周面と突部233の側面233bとの間の隙間を通過して排気室261へ流れる。具体的には、圧縮室221内の冷媒は、図6の矢印bで示すように、連通孔252の開口縁252aと突部233の側面233bとの間の隙間から連通孔252内に流入し、連通孔252の内周面と突部233の側面233bとの間の隙間を排気室261側に向かって流れる。突部233の先端233aよりも排気室261側では、矢印cで示すように、冷媒は連通孔252の内周面内側の全体を排気室261側に向かって流れる。
そのため、連通孔252の内周面と突部233の側面233bとの間の隙間における流路抵抗は、環状孔端部256で最も大きく、突部233の先端233aに向かうにつれて小さくなるので、環状孔端部256より下流側では流路抵抗が低下して、冷媒が排気室261側に向かって流れやすくなる。すなわち、圧縮室221から排気室261に向かう気体の流れが阻害されにくくなるので、圧縮抵抗を抑制できる。したがって、圧縮機200の駆動動力を低減でき、省エネ化が図れる他、圧縮機200の騒音や振動を抑制できる。
一実施形態では、ピストン230の頂面232から突出するように設けられた突部233が冷媒の圧縮、排気行程においてバルブプレート250の連通孔252に侵入して、死容積を低減するので、再膨張・再圧縮損失が改善する。
そのため、ピストン230が下死点に向かって移動し始めて圧縮室221内の圧力が低下し始めると、環状孔端部256を境に、連通孔252の内周面と突部233の側面233bとの間の隙間と、圧縮室221とで圧力差が生じる。すなわち、連通孔252の内周面と突部233の側面233bとの間の隙間の圧力よりも圧縮室221の圧力の方が低くなる。これにより吸気弁254が開くタイミングを早めることができるので、圧縮室221内に冷媒が効率的に流入するので、圧縮機200の流入抵抗が低減できる。
ピストン230を、上記の圧縮機200に用いた場合、圧縮機200のシリンダ220内でピストン230が上死点側に移動したとき、連通孔252に突部233が侵入することで、死容積を低減できる。よって、圧縮機200の再膨張ガス分を減少できる。
ピストン230を、上記の圧縮機200に用いた場合、ピストン230で圧縮された冷媒は連通孔252を流れる。突部233が連通孔252に侵入した後は、ピストン230で圧縮された冷媒は連通孔252と突部233との間を流れる。そのため、突部233が連通孔252に侵入した後は、連通孔252における冷媒の流路の断面積が突部233の断面積の分だけ減少する。
また、突部233の軸方向と直交する方向の寸法が突部233の先端233aに向かうにつれて小さくなっているが、ピストン230を鋳造で製造する場合に設定される抜き勾配を兼ねて突部233の形状を設定すれば、鋳造後の突部233の機械加工を省略でき、製造コストを低減できる。
連通孔252は、シリンダ220の軸方向、すなわちピストン本体部231の軸方向と直交する方向に沿った断面形状が円形である。したがって、突部233の軸方向と直交する方向に沿った断面形状が連通孔252の断面形状と同様の形状となるので、死容積を効率よく低減できる。これにより、圧縮機200の再膨張・再圧縮損失が改善できる。
ピストン230を、上記の圧縮機200に用いた場合、突部233が連通孔252に侵入した後は、ピストン230で圧縮された冷媒は連通孔252と突部233との間を流れる。シリンダ220内から連通孔252と突部233との間に向かって流れる冷媒のうち、連通孔252と突部233との間に向かってシリンダ220内を半径方向内側に流れる冷媒は、突部233のうち頂面232への接続部233cに沿って案内されることで流れの方向を半径方向から軸方向へとスムーズに変更できる。
これにより、シリンダ220から排出される冷媒の流路抵抗を低減できるので、圧縮抵抗を抑制できる。したがって、圧縮機200の駆動動力を低減でき、省エネ化が図れる他、圧縮機200の騒音や振動を抑制できる。
一実施形態の圧縮機200では、バルブプレート250の内部に吸気通路251が設けられているので、内部に冷媒の吸気通路が設けられていないバルブプレートと比較すると、バルブプレートの厚さが厚くなり、連通孔252の延在長さが長くなる傾向にある。また、一実施形態の圧縮機200では、図4に示すように、連通孔252の周囲に吸気通路251の下流側の開口251aが設けられているので、連通孔252の周囲に吸気通路の下流側の開口が設けられていないバルブプレートと比較すると、連通孔252の直径が小さくなる傾向にある。そのため、一実施形態では、連通孔252の延在長さが連通孔252の径よりも大きい。
しかし、ピストン本体部231の軸方向の寸法が軸方向と直交する方向の寸法よりも大きくなるように突部233が形成されているので、連通孔252における冷媒の流路を確保しつつ、死容積を効率的に低減できるので、圧縮抵抗を抑制して圧縮機の駆動動力を低減でき、断熱効率の低下を抑制できる。
これにより、シリンダ220内でピストン230が上死点側に移動したとき、連通孔252に突部233が侵入することで、死容積を低減でき、圧縮機200の再膨張・再圧縮損失が改善できる。
これにより、バルブプレート250の内部を吸気通路として有効利用できるので、圧縮機200の小型化を図れる。
これにより、ピストン230が上死点に位置するときにおける、バルブプレート250の圧縮室221側の表面における連通孔252の開口縁252aと、突部233の側面233bとの隙間が最小間隙となる。そのため、ピストン230が上死点から下死点に向かって移動を開始すると、該隙間を境に、該隙間よりも排気室261側にある連通孔252内の領域と圧縮室221とで圧力差が生じる。すなわち、ピストン230が上死点から下死点に向かって移動を開始すると、該隙間よりも排気室261側にある連通孔252内の領域よりも圧縮室221内の圧力が低くなるので、吸気弁254の開弁時期を早めることができ、圧縮室221内に冷媒が効率的に流入するので、圧縮機200の再膨張ガス分を減少できる。
これにより、第1時点から第2時点までの期間、側面233bと連通孔252の内壁面との間の隙間は、連通孔252の開口縁252aと突部233の側面233bとの間が最も狭く、排気室261側に向かうにつれて広くなる。したがって、第1時点から第2時点までの期間、側面233bと連通孔252の内壁面との間の隙間の冷媒が排気室261側に向かって流れやすくなる。これにより、圧縮された冷媒を効率的に排気できるので、圧縮機200の再膨張ガス分を減少できる。
図8(a)において、径比Φは、代表径dを開口縁252aにおける連通孔252の内径(連通孔径)Dで除した値である。図8(a)では、実験に用いた圧縮機の駆動動力Lのグラフと、実験に用いた圧縮機の断熱効率ηadのグラフとを併記している。断熱効率ηadについての菱形、四角形、及び三角形のそれぞれのプロットは、冷媒の吸入圧力及び排気圧力を変更した3つの異なる実験条件による実験結果のそれぞれに対応するものである。
そのため、図8(a)に示すように、断熱効率ηadは、所定の径比Φ(Φ=0.7の近傍)で最大となり、径比Φが所定の径比Φより大きくなっても、小さくなっても低下する。
これにより、圧縮機200の再膨張ガス分を減少させ再膨張・再圧縮損失が改善しつつ断熱効率の低下を抑制できるので、ヒートポンプユニット50の省エネ化を図れる。
34 ファン
36 パネル状熱交換器
50 ヒートポンプユニット
51 ベースプレート
52 ヒートポンプサイクル構成機器
54 冷媒循環路
58 ガスクーラ
60 冷却水路
62 ポンプ
64 内部熱交換器
66 膨張弁
68 バイパス路
70 冷媒タンク
100 箱型ケーシング
111 空気取込み口
112 空気流出口
200 圧縮機
210 ケーシング
211 クランク室
212 吸気室
220 シリンダ
220a 内周面
221 圧縮室
230 ピストン
231 ピストン本体部
232 頂面
233 突部
233a 先端
233b 側面
233c 接続部
241 クランク軸
250 バルブプレート
251 吸気通路
251a 開口
252 連通孔
252a 開口縁
253 排気弁座
254 吸気弁
255 排気弁
256 環状孔端部
260 ヘッドカバー
261 排気室
a 空気流
AX 軸
Claims (6)
- シリンダとともに気体を圧縮する圧縮室を形成する頂面を有するピストン本体部と、
前記ピストン本体部の軸方向に沿って前記頂面から突出するように設けられる突部と、
を備え、
前記突部は、
前記軸方向と直交する方向の寸法が前記突部の先端に向かうにつれて小さくなるように形成され、
前記軸方向と直交する方向に沿った断面形状が円形であり、
前記突部のうち前記頂面への接続部は、前記頂面から前記突部の先端に向かって徐々に縮径して前記軸方向に沿った断面が凹状の曲面となる
圧縮機用ピストン。 - 上死点と下死点との間を移動して気体を圧縮するように構成された請求項1に記載のピストンと、
前記ピストンの前記頂面とともに前記圧縮室を形成するシリンダと、
前記ピストンにより圧縮された気体を排出するための排気室と前記圧縮室との連通状態を切り替えるための排気弁と、
前記圧縮室と前記排気室とを連通させる連通孔が形成されるとともに、前記排気弁の閉弁時に前記排気弁が当接可能な弁座を含む弁座形成部材と、を備え、
前記ピストンは、前記上死点において、該ピストンの前記突部の少なくとも先端が前記弁座形成部材の前記連通孔に侵入するように構成された
圧縮機。 - 前記ピストンが上死点に位置するときにおける、前記弁座形成部材の前記圧縮室側の表面における前記連通孔の開口縁と、前記突部の側面との隙間が最小間隙であり、
前記突部の前記側面と前記連通孔の内壁面との間の隙間の大きさは、前記突部の前記先端に近づくにつれて前記最小間隙から単調増加する請求項2に記載の圧縮機。 - 前記突部の前記先端が前記弁座形成部材の前記圧縮室側の表面における前記連通孔の開口縁に到達した第1時点から、前記ピストンが前記上死点に到達する第2時点までの期間、前記連通孔の前記開口縁と前記突部の側面との間に前記側面と前記連通孔の内壁面との間の隙間が最も小さくなる環状孔端部が形成される請求項3に記載の圧縮機。
- 前記突部の前記軸方向の寸法の75%だけ前記先端から前記頂面側に向かった位置における前記突部の外径は、前記弁座形成部材の前記圧縮室側の表面における前記連通孔の内径の60%以上80%以下の範囲内である請求項2乃至4の何れか一項に記載の圧縮機。
- 請求項2乃至5の何れか一項に記載の圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された気体と熱交換を行うための熱交換器を有する熱交換ユニットと、
ヒートポンプサイクル構成機器と、
を備えるヒートポンプユニット。
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