JP2018138685A - 軸受部品の製造方法 - Google Patents
軸受部品の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018138685A JP2018138685A JP2017033670A JP2017033670A JP2018138685A JP 2018138685 A JP2018138685 A JP 2018138685A JP 2017033670 A JP2017033670 A JP 2017033670A JP 2017033670 A JP2017033670 A JP 2017033670A JP 2018138685 A JP2018138685 A JP 2018138685A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tempering
- target material
- manufacturing
- quenching
- bearing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Abstract
【課題】焼戻処理を長時間行う従来の軸受部品の製造方法と比べて、焼戻処理に要する時間を短くすることができ、さらに上記従来の軸受部品の製造方法により得られる軸受部品と同等以上の材料特性を有する軸受部品を製造する方法を提供する。【解決手段】高炭素クロム軸受鋼からなり、かつ軸受部品となるべき対象材を準備する工程と、対象材に対して焼入処理を行う工程と、焼入処理を行う工程の後に、対象材を加熱することにより対象材に対して焼戻処理を行う工程とを備える。焼入処理を行う工程では、対象材の硬度が64HRC以上66HRC以下となるように焼入処理が行われる。焼戻処理を行う工程では、焼戻温度T(単位:K)と保持時間t(単位:秒)とが所定の式を満たす。【選択図】図1
Description
本発明は、軸受部品の製造方法に関する。
特開2013−119930号公報には、成形部材を焼入硬化処理する工程と、焼入硬化処理された成形部材を焼戻処理する工程とを備える軸受部品の製造方法が開示されている。
焼戻処理は、軸受部品に対し、靱性を付与する、硬度を調整する、残留応力を除去する、および寸法安定性を向上させる等の観点から、重要な熱処理である。
しかしながら、焼戻処理における焼戻温度の保持時間は、例えば2時間程度と比較的長く、生産性に課題がある。
そこで、軸受部品の製造方法における焼戻処理に高温短時間処理を用いることで、生産性の向上を見込める。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の主たる目的は、長時間の焼戻処理を行う従来の軸受部品の製造方法と比べて処理時間を短くすることができ、さらに上記従来の軸受部品の製造方法により得られる軸受部品と同等以上の材料特性を有する軸受部品を製造する方法を提供することにある。
本発明に係る軸受部品の製造方法は、高炭素クロム軸受鋼からなり、かつ軸受部品となるべき対象材を準備する工程と、対象材に対して焼入処理を行う工程と、焼入処理を行う工程の後に、対象材に対して焼戻処理を行う工程とを備える。焼入処理を行う工程では、対象材の硬度が64HRC以上66HRC以下となるように焼入処理が行われる。焼戻処理を行う工程における焼戻温度T(単位:K)および保持時間t(単位:秒)が以下の数1の式を満たす。
本発明によれば、長時間の焼戻処理を行う従来の軸受部品の製造方法と比べて、焼戻処理に要する時間を短くすることができる。さらに本発明によれば、上記従来の軸受部品の製造方法により得られる軸受部品と同等以上の材料特性を有する軸受部品を製造する方法を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
図1を参照して、転がり軸受の軌道輪である内輪の製造方法を例に、本実施の形態に係る軸受部品の製造方法において説明する。本実施の形態に係る軸受部品の製造方法は、上記内輪(軸受部品)となるべき成形体(対象材)を準備する工程(S10)と、対象材に対して焼入硬化処理を行う工程(S20)と、焼入硬化処理を行う工程(S20)の後に、対象材に対して焼戻処理を行う工程(S30)とを備える。
工程(S10)では、まず、たとえば棒鋼や鋼線などの鋼材が準備される。鋼材は、例えばSUJ2からなる。次に、当該鋼材に対して切断、鍛造、旋削などの加工が施される。これにより、転がり軸受用の軌道輪などの軸受部品の概略形状に成形加工された鋼材(対象材)が作製される。
工程(S20)では、先の工程(S10)において準備された対象材に対し、焼入硬化処理が実施される。工程(S20)は、第1の加熱工程(S21)と、冷却工程(S22)とを含む。まず、工程(S21)において、対象材の全体がA1点以上の温度T1に加熱され、均熱のために保持時間t1だけ保持される。次に、工程(S22)において、対象材がMs点(マルテンサイト変態点)以下の温度T2にまで冷却される。この冷却処理は、例えば油や水などの冷却液中に対象材が浸漬されることにより実施される。これにより、当該対象材が焼入処理される。焼入処理は、焼入処理された対象材の硬度が後述する焼戻処理された対象材の硬度超えとなるような条件で実施される。焼入処理は、例えば焼入処理された対象材の硬度が64HRC(800HV)以上66HRC(865HV)以下となるような条件で実施される。上記温度T1は例えば900℃以上1000℃以下である。保持時間t1(均質時間)は例えば3秒以上10分以下である。温度T2は例えば80℃以上200℃以下である。
好ましくは、焼入処理は、焼入処理された対象材の炭化物面積率が8%以上12%以下となるような条件で実施される。例えば、温度T1が900℃の場合、焼入処理された対象材の炭化物面積率が12%以下となるように保持時間t1は11秒以上であるのが好ましく、当該炭化物面積率が8%以上となるように保持時間t1は58秒以下であるのが好ましい。温度T1が950℃の場合、焼入処理された対象材の炭化物面積率が12%以下となるように保持時間t1は3秒以上であるのが好ましく、当該炭化物面積率が8%以上となるように保持時間t1は15秒以下であるのが好ましい。すなわち、温度T1が950℃の場合、保持時間t1は3秒以上15秒以下であるのが好ましい。
対象材に対する急冷は、例えば対象材が油温70℃のコールド油に浸漬されることにより実施される。
工程(S30)では、先の工程(S20)において焼入硬化処理が実施された対象材に対し、焼戻処理が実施される。まず、対象材の全体がA1点未満の焼戻温度T3に加熱され、均熱のために保持時間t2だけ保持される。
次に、対象材が冷却される。これにより、当該対象材が焼戻処理される。焼戻処理は、焼戻処理された対象材の硬度が上記焼入処理された対象材の硬度未満となるような条件で実施される。焼戻処理は、例えば焼戻処理された対象材の硬度が60HRC(696HV)以上62HRC(746HV)以下となるような条件で実施される。この場合、焼戻処理の焼戻温度T3(単位:K)および保持時間t2(単位:秒)は以下の数1の式を満たす。
本発明者らは、所定の硬度を有する軸受部品を得るための焼戻処理条件について鋭意研究の結果、実験的に上記数1の式を導出した。さらに本発明者らは、当該数1の式を満たす条件で焼戻処理されて得られた軸受部品が、従来の焼戻処理により得られた軸受部品と同等以上の特性を有していることを確認した(詳細は後述する)。
本発明者らは上記数1の式を以下の数2から実験的に導出した。数2の式は、焼戻処理の焼戻温度T3(単位:K)、保持時間t2(単位:秒)および焼戻処理後の対象材の硬度(単位:HRC)との関係を示す式である。数2の式は、非特許文献1(井上毅、「新しい焼もどしパラメータとその連続昇温曲線に沿った焼もどし効果の積算法への応用」鉄と鋼,66,10(1980)1533.)において記載されている。
本発明者らは、数2の式における定数a,b,cを実験的に導出した。導出された定数aが−19.6、定数bが2.21×105、定数cが347である。図2は、数1の式を満たす焼戻温度T3および保持時間t2を説明するためのグラフである。図2の横軸は焼戻温度T3(単位:K)を示し、図2の縦軸は保持時間t2(単位:秒)を示す。図2中、線L1〜5は、硬度が異なる軸受部品から実験的に算出された定数a,b,cを含む数2の式における、焼戻温度T3と保持時間t2との関係を示す曲線である。線L1は59HRC、線L2は60HRC、線L3は61HRC、線L4は62HRC、線L5は63HRCであった軸受部品から実験的に算出された定数a,b,cを含む数2の式における、焼戻温度T3と保持時間t2との関係を示す線である。焼戻処理の焼戻温度T3および保持時間t2は、図2中の線L2および線L4上、ならびに線L2と線L4との間に位置する座標のうちから任意に選択され得る。
次に、工程(S40)として仕上工程が実施される。この工程(S40)では、たとえば転走面に対して研磨加工などの仕上げ加工が実施される。以上により、転がり軸受の内輪が完成し、本実施の形態における内輪の製造は完了する。
以上のように、本実施の形態に係る軸受部品の製造方法によれば、高温短時間の焼戻処理が実施される。そのため、本実施の形態に係る軸受部品の製造方法によれば、焼戻処理が数時間実施される従来の軸受部品の製造方法と比べて、焼戻処理における保持時間が従来の軸受部品の製造方法と比べて短い。その結果、本実施の形態に係る軸受部品の製造方法によれば、従来の軸受部品の製造方法と比べて、製造コストが低減されている。
上記軸受部品の製造方法において、焼入処理を行う工程(S20)では、対象材の炭化物面積率が8%以上12%以下となるように、焼入処理が実施されるのが好ましい。
このようにすれば、長時間焼入処理および焼戻処理が実施される従来の軸受部品の製造方法と比べて、高温下で長時間使用された場合にも寸法変化率の小さい軸受部品を得ることが出来る(詳細は後述する)。
軸受部品の寸法変化率は、焼入処理により対象材の母地に固溶した炭素の濃度(炭素固溶量)の影響を受ける。ただし、炭素固溶量を直接測定することは困難である。一方、対象材中の炭化物の面積率は、対象材中の炭素の固溶状態を反映する。そのため、対象材中の炭化物の面積率は、対象材中の炭素の固溶状態を精度よく予測するために用いることができる。なお、対象材の炭化物面積率は、例えば熱処理が実施された対象材を切断し、断面における炭化物の面積率を電子顕微鏡で計測することにより、測定される。
上記軸受部品の製造方法において、焼入硬化工程の前に、焼ならし工程が実施されてもよい。焼きならし工程では、工程(S10)において作製された成形体がA1変態点以上の温度に加熱された後、A1変態点未満の温度に冷却されることにより焼ならし処理が実施される。このとき、焼ならし処理の冷却時における冷却速度は、成形体を構成する鋼がマルテンサイトに変態しない冷却速度、すなわち臨界冷却速度未満の冷却速度であればよい。そして、焼ならし処理後の成形体の硬度は、この冷却速度が大きくなると高く、冷却速度が小さくなると低くなる。そのため、当該冷却速度を調整することにより、所望の硬度を成形体に付与することができる。
また、本実施の形態において、軸家部品は転がり軸受の内輪に限られるものでは無い。転がり軸受の外輪、または転動体であってもよいし、深溝玉軸受やスラストニードルころ軸受の内輪、外輪、または転動体であってもよい。
次に、本実施の形態に係る実施例について説明する。本実施例では、上記数2の式から上記数1の式を実験的に導出した手法について説明する。
まず、JIS規格SUJ2からなる試験片を準備した。表1に、試験片の成分組成を示す。
上記試験片に対し、焼入処理を行った。焼入処理の温度T1は900℃以上950℃以下、保持時間t1は3秒以上60秒以下、温度T2は100℃とした。
次に、焼入処理が施された試験片に対し、焼戻処理を行った。焼戻処理は、表2に示される14通りの条件とした。これにより、試料1〜14を作製した。
試料1〜14に対し、ビッカース硬度計を用いてビッカース硬度を測定した。試料1〜14について測定されたビッカース硬度を、表2の実測硬度の欄に示す。上記数2の式において、試料1〜14についての焼戻処理の焼戻温度T3,保持時間T2、および上記実測硬度を代入し、定数a,b,cを算出した。算出された定数a,b,cの値の分布から、数2の式に定数a,b,cの値を代入して求めた硬度(推定硬度)と実測硬度との差の合計が最小となるような値として、定数aが−19.6、定数bが2.21×105、定数cが347であることが確認された。
本実施の形態に係る軸受部品の製造方法と同等の方法により得られた試料に対し、軸受部品に要求される特性について評価した。
まず、JIS規格SUJ2からなる試験片を準備した。試験片の成分組成は、上記表1に示した通りである。試験片の形状は環状とした。試験片の寸法は、外径が60mm、内径が54mm、軸方向における幅が15mmとした。
上記試験片に対し、焼入処理よび焼戻処理を行うことにより、実施例に係る試料15〜27を作成した。表3に、試料15〜27に対する焼入処理および焼戻処理の条件を示す。
(試料15〜26)
上記試験片に対し、焼入処理後の炭化物面積率が8%または12%となるように、焼入処理を施した。
上記試験片に対し、焼入処理後の炭化物面積率が8%または12%となるように、焼入処理を施した。
試料15〜17は、焼入処理後の上記試験片の炭化物面積率が8%となるように、温度T1が900℃かつ保持時間t1が58秒の条件で焼入処理されたものである。試料21〜23は、焼入処理後の上記試験片の炭化物面積率が8%となるように、温度T1が950℃かつ保持時間t1が15秒の条件で焼入処理されたものである。
試料18〜試料20は、焼入処理後の上記試験片の炭化物面積率が12%となるように、温度T1が900℃かつ保持時間t1が11秒の条件で焼入処理されたものである。試料24〜26は、焼入処理後の上記試験片の炭化物面積率が12%となるように、温度T1が950℃かつ保持時間t1が3秒の条件で焼入処理されたものである。
試料15〜26は、上記のように焼入処理された試験片が焼戻処理後の硬度が60HRCまたは62HRCとなるように焼戻処理されたものである。
試料15,18,21,24は、焼戻処理後の硬度が62HRCとなるように、焼戻温度T3が180℃、時間t2が7200秒の条件で焼戻処理されたものである。試料16,19,22,25は、焼戻処理後の硬度が62HRCとなるように、焼戻温度T3が240℃、時間t2が43秒の条件で焼戻処理されたものである。
試料17,20,23,26は、焼戻処理後の硬度が60HRCとなるように、焼戻温度T3が310℃、時間t2が37秒の条件で焼戻処理されたものである。
(試料27)
比較例としての試料27は、焼入処理後の上記試験片の炭化物面積率が8%となるように焼入処理された後、焼戻処理後の硬度が62HRCとなるように、焼戻し処理されたものである。焼入温度は850℃、保持時間は30分とした。焼戻温度は180℃、保持時間は7200秒とした。
比較例としての試料27は、焼入処理後の上記試験片の炭化物面積率が8%となるように焼入処理された後、焼戻処理後の硬度が62HRCとなるように、焼戻し処理されたものである。焼入温度は850℃、保持時間は30分とした。焼戻温度は180℃、保持時間は7200秒とした。
<寸法変化率>
試料15〜27の寸法変化率を以下のように評価した。試料15〜27を230℃に加熱して2時間保持し、各試料について加熱前後での寸法変化率を算出した。表4に、同一の焼入処理条件で作製された試料15〜17、試料18〜20、試料21〜23、試料24〜26の寸法変化率の平均値を示す。
試料15〜27の寸法変化率を以下のように評価した。試料15〜27を230℃に加熱して2時間保持し、各試料について加熱前後での寸法変化率を算出した。表4に、同一の焼入処理条件で作製された試料15〜17、試料18〜20、試料21〜23、試料24〜26の寸法変化率の平均値を示す。
表4に示されるように、試料15〜26の寸法変化率は、50×10-5%未満であり、試料27の寸法変化率よりも小さいことが確認された。
<静的圧壊強度>
試料15〜27の静的圧壊強度を引張試験機((株)島津製作所製の「オートグラフ」)を用いて評価した。試料15〜27に対して荷重を負荷するクロスヘッドの速度は、1mm/分とした。試料が破断したときの荷重を応力に換算したものを、静的圧壊強度とした。各試料に対し本評価を3回行った。図3は、3回の評価により算出された静的圧壊強度の平均値を示す。なお図3におけるバーは、3回の評価により算出された静的圧壊強度の標準偏差を示している。
試料15〜27の静的圧壊強度を引張試験機((株)島津製作所製の「オートグラフ」)を用いて評価した。試料15〜27に対して荷重を負荷するクロスヘッドの速度は、1mm/分とした。試料が破断したときの荷重を応力に換算したものを、静的圧壊強度とした。各試料に対し本評価を3回行った。図3は、3回の評価により算出された静的圧壊強度の平均値を示す。なお図3におけるバーは、3回の評価により算出された静的圧壊強度の標準偏差を示している。
試料15〜26の静的圧壊強度と試料27の静的圧壊強度とについて、有意水準1%で有意差検定を行った。その結果、試料15〜26の静的圧壊強度は、試料27の静的圧壊強度と同等以上であることが確認された。
<せん断疲労強度>
試料15〜27のせん断疲労強度を超音波ねじり疲労試験機(自社製(非特許文献2(坂中則暁ほか、「転がり軸受用鋼の超長寿命域までのせん断疲労特性の迅速評価」NTN TECHNICAL REVIEW,79(2011)104.)において記載されている.))を用いて評価した。負荷周波数は20kHzとした。負荷と休止とを交互に繰り返す間欠負荷法を用いた。負荷回数は最大1010回とした。負荷回数が1010回に達しても破損しない場合、評価は打ち切りとした。このようにして試料15〜27について負荷回数と応力振幅との関係を求めた。得られた値を日本材料学会の金属材料疲労信頼性標準JSMS−SD−6−02の疲労限度型折れ線モデルにあてはめS−N線図を作成した。
試料15〜27のせん断疲労強度を超音波ねじり疲労試験機(自社製(非特許文献2(坂中則暁ほか、「転がり軸受用鋼の超長寿命域までのせん断疲労特性の迅速評価」NTN TECHNICAL REVIEW,79(2011)104.)において記載されている.))を用いて評価した。負荷周波数は20kHzとした。負荷と休止とを交互に繰り返す間欠負荷法を用いた。負荷回数は最大1010回とした。負荷回数が1010回に達しても破損しない場合、評価は打ち切りとした。このようにして試料15〜27について負荷回数と応力振幅との関係を求めた。得られた値を日本材料学会の金属材料疲労信頼性標準JSMS−SD−6−02の疲労限度型折れ線モデルにあてはめS−N線図を作成した。
図4は、上記関係から導かれた、負荷回数が3×109回であるときに試料15〜27が破損されるために必要とされる応力振幅を示す。なお図4におけるバーは、上記モデルから算出された応力振幅の標準偏差を示している。3×109回という負荷回数は、最大接触面圧Pmaxを2.5GPaとして寿命試験を行った場合に、疲労破壊が生じ得る負荷回数である。負荷回数が3×109回であるときに試料15〜27が破損されるために必要とされる応力振幅の上限値を試料15〜27のせん断疲労強度とする。せん断疲労強度の標準偏差が応力によらず一定であるとし、試料15〜26のせん断疲労強度と試料27のせん断疲労強度とについて、有意水準5%で有意差検定を行った。その結果、試料15〜26のせん断疲労強度は、試料27のせん断疲労強度と同等であることが確認された。
今回開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。
Claims (3)
- 前記焼入処理を行う工程では、前記対象材の炭化物面積率が8%以上12%以下となるように前記焼入処理が行われる、請求項1に記載の軸受部品の製造方法。
- 前記焼戻処理を行う工程では、前記対象材を加熱することにより前記対象材に対して前記焼戻処理が行われる、請求項1または2に記載の軸受部品の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017033670A JP2018138685A (ja) | 2017-02-24 | 2017-02-24 | 軸受部品の製造方法 |
PCT/JP2018/006574 WO2018155588A1 (ja) | 2017-02-24 | 2018-02-22 | 軸受部品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017033670A JP2018138685A (ja) | 2017-02-24 | 2017-02-24 | 軸受部品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018138685A true JP2018138685A (ja) | 2018-09-06 |
Family
ID=63451442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017033670A Pending JP2018138685A (ja) | 2017-02-24 | 2017-02-24 | 軸受部品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018138685A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021102266A (ja) * | 2018-07-24 | 2021-07-15 | エンシュウ株式会社 | 孔加工機および孔加工機を用いた楕円孔および内径変化孔の加工方法 |
-
2017
- 2017-02-24 JP JP2017033670A patent/JP2018138685A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021102266A (ja) * | 2018-07-24 | 2021-07-15 | エンシュウ株式会社 | 孔加工機および孔加工機を用いた楕円孔および内径変化孔の加工方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20120247619A1 (en) | Carburized steel and its process of manufacture | |
JP4632931B2 (ja) | 冷間加工性に優れる高周波焼入れ用鋼及びその製造方法 | |
JP2011256456A (ja) | 冷間鍛造用鋼の製造方法 | |
US20170335440A1 (en) | Fatigue-resistant bearing steel | |
JP2017008400A (ja) | 軸受部品の製造方法 | |
JP2014074212A (ja) | 転がり摺動部材及びその製造方法並びに転がり軸受 | |
JP5622138B2 (ja) | 鋼鉄製の加工材の熱処理方法 | |
JP5754077B2 (ja) | 転動疲労特性に優れた軸受鋼の製造方法および軸受鋼 | |
WO2018155588A1 (ja) | 軸受部品の製造方法 | |
JP2008285725A (ja) | 転動部材、転がり軸受および転動部材の製造方法 | |
US9834837B2 (en) | Method and steel component | |
JP2007113027A (ja) | 鋼の熱処理方法、転がり支持装置の製造方法、転がり支持装置 | |
JP2018138685A (ja) | 軸受部品の製造方法 | |
JP2021110032A (ja) | 転がり軸受の軌道輪の製造方法 | |
JP2013238274A (ja) | ラジアル転がり軸受用内輪およびその製造方法 | |
JP5668283B2 (ja) | 転がり摺動部材の製造方法 | |
JP5202040B2 (ja) | 耐摩耗性に優れた軸受用鋼材 | |
JP6282571B2 (ja) | 高強度中空ばね用鋼の製造方法 | |
KR100727196B1 (ko) | 차량용 씨. 브이. 조인트 케이지 및 그의 제조방법 | |
JP2015030899A (ja) | 軸受用鋼 | |
JP6155829B2 (ja) | 転がり部材及びその製造方法並びに転がり軸受 | |
Mossaab et al. | Effect of medium carbon steel microstructure on tensile strength and fatigue crack growth | |
US11781596B2 (en) | Bearing component and method for manufacturing the same | |
JPWO2015199103A1 (ja) | ピニオンシャフト及びその製造方法 | |
JP6665737B2 (ja) | スラスト型球軸受の軌道面作製方法 |