JP2018137162A - 密閉型二次電池の監視センサ、監視センサの製造方法、密閉型二次電池 - Google Patents

密閉型二次電池の監視センサ、監視センサの製造方法、密閉型二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒステリシスを低減してセンサ精度を向上させた密閉型二次電池の監視センサを提供する。【解決手段】密閉型二次電池の監視センサは、磁性フィラーを含有する高分子マトリックス層30と、高分子発泡体層31との組み合わせが2つ以上繰り返し積層された積層体3と、磁場の変化を検出する検出部5と、を有する。検出部5に近い側から遠い側へ向けて、高分子発泡体層31、高分子マトリックス層30が順に繰り返し配置されるように、積層体3と検出部5とが配置されている。【選択図】図2

Description

本開示は、密閉型二次電池の監視センサ、監視センサの製造方法、密閉型二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池に代表される密閉型二次電池(以下、単に「二次電池」と呼ぶことがある)は、携帯電話やノートパソコンなどのモバイル機器だけでなく、電気自動車やハイブリッド車といった電動車両用の電源としても利用されている。二次電池を構成する単電池(セル)は、正極と負極をそれらの間にセパレータを介して捲回または積層してなる電極群と、その電極群を収容する外装体とを備える。一般には、外装体としてラミネートフィルムや金属缶が用いられ、その内部の密閉空間に電極群が電解液とともに収容される。
二次電池は、上述した電動車両用の電源のように高電圧が必要とされる用途において、複数の単電池を含む電池モジュールまたは電池パックの形態で用いられる。電池モジュールでは、直列に接続された複数の単電池が筐体内に収容され、例えば4つの単電池が2並列2直列に、或いは4直列に接続される。また、電池パックでは、直列に接続された複数の電池モジュールに加えて、コントローラなどの諸般の機器が筐体内に収容される。電動車両用の電源に用いられる二次電池では、電池パックの筐体が車載に適した形状に形成されている。
かかる二次電池には、過充電などに起因して電解液が分解されると、その分解ガスによる内圧の上昇に伴って単電池が膨らみ、二次電池が変形するという問題がある。その場合、充電電流または放電電流が停止されないと発火を起こし、最悪の結果として二次電池の破裂に至る。したがって、二次電池の破裂を未然に防止するうえでは、充電電流や放電電流を適時に停止できるように、単電池の膨れによる二次電池の変形を高感度に検出することが重要になる。
特許文献1には、磁性フィラーを含有する高分子マトリックス層と、高分子マトリックス層の変形に伴う外場の変化を検出する検出部と、を含んで構成された変形検出センサが開示されている。高分子マトリックス層は、互いに隣り合う単電池の隙間、又は、単電池と筐体の隙間に、圧縮状態で固定されている。
高分子マトリックス層の変形により検出部が磁場の変化を検出するが、高分子マトリックス層の変形が大きくなりすぎると、形状が回復しにくくなる。そうすると、ヒステリシスが大きくなり、センサ精度が損なわれてしまう。
特開2016−12428号公報
本開示は、このような事情に着目してなされたものであって、その目的は、ヒステリシスを低減してセンサ精度を向上させた密閉型二次電池の監視センサ、監視センサの製造方法、及び、密閉型二次電池を提供することである。
本開示は、上記目的を達成するために、次のような手段を講じている。
本開示の密閉型二次電池の監視センサは、磁性フィラーを含有する高分子マトリックス層と、高分子発泡体層との組み合わせが2つ以上繰り返し積層された積層体と、磁場の変化を検出する検出部と、を備え、前記検出部に近い側から遠い側へ向けて、前記高分子発泡体層、前記高分子マトリックス層が順に繰り返し配置されるように、前記積層体と前記検出部とが配置されている。
このように、検出部に近い側から遠い側へ向けて、高分子発泡体層、高分子マトリックス層が順に繰り返し配置されるので、高分子発泡体層の圧縮変形によって高分子発泡体層に隣接する高分子マトリックス層の位置が変わり、高分子マトリックス層と検出部との距離が変わることで、磁場の変化を検出できる。さらに、高分子マトリックス層と高分子発泡体層の組み合わせが2つ以上繰り返されているので、負荷がかかったときに、複数の高分子発泡体層に負荷が分散し、高分子発泡体層の一つあたりの変位量が小さくなるので、形状回復しやすく、ヒステリシスを低減することが可能となる。
本開示の密閉型二次電池の監視センサを模式的に示す断面図。 他の実施形態の密閉型二次電池の監視センサを模式的に示す断面図。 高分子マトリックス層、高分子発泡体層を有する積層体に関する断面図。 ヒステリシスに関する説明図。 他の実施形態の密閉型二次電池の監視センサを模式的に示す斜視図。 図4BのA−A部位断面図。
以下、本開示の実施形態について説明する。
図1A及び図1Bに示す電池モジュール1は、その筐体11の内部に複数の単電池2を有する。本実施形態では、4つの単電池2が直列に(例えば2並列2直列に、または4直列に)接続されている。詳しく図示しないが、単電池2は、正極と負極をそれらの間にセパレータを介して巻回または積層してなる電極群と、その電極群を収容する外装体とを備える。外装体の内部の密閉空間には、電極群が電解液とともに収容されている。単電池2の外装体には、アルミラミネート箔などのラミネートフィルムが用いられるが、これに代えて円筒型または角型の金属缶を使用してもよい。
本実施形態の二次電池(電池モジュール1)は、電動車両用の電源として使用され得るリチウムイオン二次電池であり、車両には電池パックの形態で搭載される。電池パックでは、直列に接続された複数の二次電池1が、コントローラなどの諸般の機器と共に筐体内に収容される。電池パックの筐体は、車載に適した形状に、例えば車両の床下形状に合わせた形状に形成される。なお、本発明において、密閉型二次電池は、リチウムイオン電池などの非水系電解液二次電池に限られず、ニッケル水素電池などの水系電解液二次電池であっても構わない。X,Y及びZ方向は、それぞれ単電池2の長さ方向,幅方向及び厚み方向に相当する。X方向及びY方向は、その厚み方向と直交する方向でもある。
図1A及び図1Bに示すように、二次電池1には監視センサ6が取り付けられる。監視センサ6は、高分子マトリックス層30と高分子発泡体層31とが積層された積層体3と、磁場の変化を検出する検出部5と、を有する。積層体3は、高分子マトリックス層30と高分子発泡体層31との一体成形でもよく、別々に製作した後に積層してもよい。高分子マトリックス層30は、磁性フィラーを含有する。検出部5が、高分子マトリックス層30との距離に応じた磁場の変化を検出する。高分子マトリックス層30は、エラストマー成分からなるマトリックスに磁性フィラーが分散してなる磁性エラストマー層であることが好ましい。
検出部5は、単電池2の表面(外装体の外面)に貼り付けられ、その貼付には必要に応じて接着剤や接着テープが用いられる。積層体3は、例えば平板状に形成されていて、二次電池における間隙内、例えば図1Aのような互いに隣り合う単電池2の間隙内や、図1Bのような単電池2とそれを収容する筐体11、あるいは単電池2の筐体内側(電極群上)に配置される。高分子マトリックス層30を折り曲げるようにして、単電池2や筐体11の角部に貼り付けることも可能である。
高分子発泡体層31は、気泡を含有するため、圧縮されやすくなる。本実施形態では、高分子マトリックス層30が無発泡体であるため、積層体3に外部から圧力が加わったときに、高分子マトリックス層30よりも高分子発泡体層31が優先して圧縮される。高分子発泡体層31を優先して圧縮させるために、高分子マトリックス層30が無発泡体であることが好ましい。しかし、高分子発泡体層31が優先して圧縮されるのであれば、高分子マトリックス層30に多少の気泡が含まれていてもよい。
図2に示すように、高分子発泡体層31は、高分子マトリックス層30と検出部5との間に配置されているので、高分子発泡体層31が伸縮した場合に、高分子マトリックス層30と検出部5との間の距離が変わり、検出部5で検出される磁場が変化する。
積層体3は、図2に示すように、磁性フィラーを含有する高分子マトリックス層30と、高分子発泡体層31との組み合わせが2つ以上繰り返し積層されている。図2の例では、2組であるが、これに限定されない。好ましくは、2組以上5組以下、更に好ましくは、2組又は3組が好ましい。組数が多すぎると、各高分子発泡体層31の変形にバラツキが生じるからである。検出部5に近い側から遠い側へ向けて、高分子マトリックス層30、高分子発泡体層31が順に繰り返し配置されるように、積層体3と検出部5とが配置されている。すなわち、或る高分子マトリックス層30の検出部側に、対応する高分子発泡体層31が配置されている必要がある。高分子発泡体層31が変形することで、高分子マトリックス層30と検出部5との間の距離が変わり、磁場変化を検出するためである。
図2の上部に示すように、高分子マトリックス層30と高分子発泡体層31の組を2以上にすることで、圧縮時に高分子発泡体層31の一つあたりの変形量ΔS1を、一組の場合の変形量ΔS2(図2の下部で示す)よりも小さくすることができる。図3に模式的に示すように、圧縮時と除荷時に、応力に対する磁束密度変化が異なるというヒステリシスを有する場合、同図に示すように、或る応力P1のときに検出される磁束密度変化が異なり、このズレが検出値のバラツキとなり、精度に影響する。ヒステリシスの大きさは、図中の斜線で示す面積で表現される。図3の上部は、2組の場合であり、図3の下部は、1組の場合である。よって、複数組にすることで、高分子発泡体層31一つあたりの変形量を低減できるので、ヒステリシスを低減することができる。
本実施形態の高分子マトリックス層30は、柔軟な変形が可能なエラストマー素材によりシート状に形成されている。高分子マトリックス層30の非圧縮状態での厚みd2は、0.5〜20mmが好ましい。高分子マトリックス層30の非圧縮状態での長辺は、0.5〜100mmが好ましい。形状は円形、四角形のいずれでも構わない。高分子発泡体層31と同様の形状であることが好ましい。
高分子発泡体層31の非圧縮状態での厚みd1は、0.5〜20mmが好ましい。高分子発泡体層31の非圧縮状態での長辺は、0.5〜100mmが好ましい。形状は円形、四角形のいずれでも構わない。高分子マトリックス層30と同様の形状であることが好ましい。
図2に示すように、高分子発泡体層31の厚みd1は、当該高分子発泡体層31の反検出部側に隣接する高分子マトリックス層30の厚みd2の0.3以上3.0倍以下であることが好ましい。式で表すと、d2×0.3≦d1≦d2×3.0 となる。d2×0.3<d1であれば、圧縮変形時に高分子発泡体層31が座屈変形して変形が戻りにくくなるおそれがある。d1>d2×3.0であれば、積層体3全体の変形が不均一になるおそれがある。好ましくは、d2×1.0<d1≦d2×1.5である。高分子マトリックス層30と高分子発泡体層31の組は複数あるが、前記厚みの関係は、同じ組内で成立していればよい。上記厚みの関係は、積層体3を構成する全ての組で同じであることが好ましいが、製造誤差を含め多少バラツキがあってもよい。
高分子発泡体層31のアスカーC硬度は、0〜50が好ましい。より好ましくは1〜50、より好ましくは4〜45である。C硬度が1以上であることにより、高分子発泡体層31のハンドリング性が高められるとともに、安定性の悪化を抑えやすくなる。また、C硬度が50以下であることにより、高分子発泡体層31が柔軟で変形しやすくなり、センサ感度を良好に高められる。C硬度は、JIS K−7312に準拠して測定される。
高分子発泡体層31の独立発泡率は、40〜90%であることが好ましい。これにより、高分子発泡体層31の圧縮されやすさを確保しつつ、優れた安定性を発揮できる。
図1A及び図1Bの例に限らず、図4A及び図4Bに示すように、積層体3を、二次電池2を構成する電極群22及び電解液が収容される外装体21の内部に配置してもよい。図4A,Bの例では、同図に示すように、二次電池2は、密閉された外装体21の内部に電極群22が収容されたセル(単電池)として構成されている。電極群22は、正極23と負極24がそれらの間にセパレータ25を介して積層または捲回された構造を有し、セパレータ25には電解液が保持されている。本実施形態の二次電池2は、外装体21としてアルミラミネート箔などのラミネートフィルムを用いたラミネート電池であり、具体的には容量1.44Ahのラミネート型リチウムイオン二次電池である。二次電池2は全体として薄型の直方体形状に形成され、X,Y及びZ方向は、それぞれ二次電池2の長さ方向,幅方向及び厚み方向に相当する。また、Z方向は、正極23と負極24の厚み方向でもある。外装体21の内部の密閉空間には、電極群22が電解液とともに収容されている。単電池2の外装体21には、アルミラミネート箔などのラミネートフィルムが用いられるが、これに代えて円筒型または角型の金属缶を使用してもよい。
積層体3をそのまま外装体21の内部に配置してもよいが、図4A及び図4Bに示すように、積層体3を封止材4で密閉することが好ましい。封止材4が、電解液による高分子マトリックス層30及び高分子発泡体層31の浸食を封止材4が防止するからである。
図4A,Bの例では、電解液が収容される外装体21の内面に、積層体3を収容する封止材4を貼り付けている。そのため、電解液から発生するガスによる内圧が封止材4を介して積層体3を圧縮するため、内圧変化を検出させることができる。すなわち、封止材4のうち、高分子マトリックス層30と共に高分子発泡体層31を挟む部位4aが、検出部5との位置が不変となる部材(外装体21の内面)に固定されている。この構成によれば、高分子発泡体層31の縮み具合が、検出部5と高分子マトリックス層30の距離となるので、センサの感度を向上させることができる。
図1A、図1B、図4Bのいずれの例でも、積層体3(特に高分子発泡体層31)が圧縮状態で配置されていてもよいし、非圧縮状態で配置されていてもよい。
検出部5から出力された検出信号は不図示の制御装置に送られ、設定値以上の外場の変化が検出部5により検出された場合には、その制御装置に接続された不図示のスイッチング回路が通電を遮断し、充電電流または放電電流を停止する。このようにして、単電池2の膨れによる二次電池の変形が高感度に検出され、破裂などのトラブルを未然に防ぐことができる。
磁性フィラーとしては、希土類系、鉄系、コバルト系、ニッケル系、酸化物系などが挙げられるが、より高い磁力が得られる希土類系が好ましい。磁性フィラーの形状は、特に限定されるものではなく、球状、扁平状、針状、柱状および不定形のいずれであってよい。磁性フィラーの平均粒径は、好ましくは0.02〜500μm、より好ましくは0.1〜400μm、更に好ましくは0.5〜300μmである。平均粒径が0.02μmより小さいと、磁性フィラーの磁気特性が低下する傾向にあり、平均粒径が500μmを超えると、磁性エラストマー層の機械的特性が低下して脆くなる傾向にある。
磁性フィラーは、着磁後にエラストマー中に導入しても構わないが、エラストマーに導入した後に着磁することが好ましい。エラストマーに導入した後に着磁することで磁石の極性の制御が容易となり、磁場の検出が容易になる。
エラストマー成分には、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマーまたはそれらの混合物を用いることができる。熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、ポリイソプレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。また、熱硬化性エラストマーとしては、例えばポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリクロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン−プロピレンゴム等のジエン系合成ゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ポリウレタンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム等の非ジエン系合成ゴム、および天然ゴム等を挙げることができる。このうち好ましいのは熱硬化性エラストマーであり、これは電池の発熱や過負荷に伴う磁性エラストマーのへたりを抑制できるためである。更に好ましくは、ポリウレタンゴム(ポリウレタンエラストマーともいう)またはシリコーンゴム(シリコーンエラストマーともいう)である。
ポリウレタンエラストマーは、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させることにより得られる。ポリウレタンエラストマーをエラストマー成分として用いる場合、活性水素含有化合物と磁性フィラーを混合し、ここにイソシアネート成分を混合させて混合液を得る。また、イソシアネート成分に磁性フィラーを混合し、活性水素含有化合物を混合させることで混合液を得ることも出来る。その混合液を離型処理したモールド内に注型し、その後硬化温度まで加熱して硬化することにより、磁性エラストマーを製造することができる。また、シリコーンエラストマーをエラストマー成分として用いる場合、シリコーンエラストマーの前駆体に磁性フィラーを入れて混合し、型内に入れ、その後加熱して硬化させることにより磁性エラストマーを製造することができる。なお、必要に応じて溶剤を添加してもよい。
ポリウレタンエラストマーに使用できるイソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を使用できる。例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートを挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。また、イソシアネート成分は、ウレタン変性、アロファネート変性、ビウレット変性、及びイソシアヌレート変性等の変性化したものであってもよい。好ましいイソシアネート成分は、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、より好ましくは2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネートである。
活性水素含有化合物としては、ポリウレタンの技術分野において、通常用いられるものを用いることができる。例えば、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドの共重合体等に代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート、3−メチル−1,5−ペンタンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトングリコールのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオール等の高分子量ポリオールを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
活性水素含有化合物として上述した高分子量ポリオール成分の他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオール成分、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミン成分を用いてもよい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、及びp−キシリレンジアミン等に例示されるポリアミン類を混合することもできる。好ましい活性水素含有化合物は、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドの共重合体、3−メチル−1,5−ペンタンアジペート、より好ましくはポリプロピレングリコール、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドの共重合体である。
イソシアネート成分と活性水素含有化合物の好ましい組み合わせとしては、イソシアネート成分として、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの1種または2種以上と、活性水素含有化合物として、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドの共重合体、および3−メチル−1,5−ペンタンアジペートの1種または2種以上との組み合わせである。より好ましくは、イソシアネート成分として、2,4−トルエンジイソシアネートおよび/または2,6−トルエンジイソシアネートと、活性水素含有化合物として、ポリプロピレングリコール、および/またはプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドの共重合体との組み合わせである。
発泡体としては、一般の樹脂フォームを用いることができるが、圧縮永久歪などの特性を考慮すると熱硬化性樹脂フォームを用いることが好ましい。熱硬化性樹脂フォームとしては、ポリウレタン樹脂フォーム、シリコーン樹脂フォームなどが挙げられる。
磁性エラストマー中の磁性フィラーの量は、エラストマー成分100重量部に対して、好ましくは1〜450重量部、より好ましくは2〜400重量部である。これが1重量部より少ないと、磁場の変化を検出することが難しくなる傾向にあり、450重量部を超えると、磁性エラストマー自体が脆くなる場合がある。
封止材4には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂またはそれらの混合物を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えばスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、ポリイソプレン系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、エチレン・アクリル酸エチルコポリマー、エチレン・酢酸ビニルコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリブタジエン等を挙げることができる。また、熱硬化性樹脂としては、例えばポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ポリクロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム等のジエン系合成ゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ポリウレタンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム等の非ジエン系ゴム、天然ゴム、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのフィルムは積層されていてもよく、また、アルミ箔などの金属箔や上記フィルム上に金属が蒸着された金属蒸着膜を含むフィルムであってもよい。
高分子マトリックス層30は、その厚み方向にフィラーが偏在しているものでも構わない。例えば、高分子マトリックス層30が、フィラーが相対的に多い一方側の領域と、フィラーが相対的に少ない他方側の領域との二層からなる構造でもよい。フィラーを多く含有する一方側の領域では、高分子マトリックス層30の小さな変形に対する外場の変化が大きくなるため、低い内圧に対するセンサ感度を高められる。また、フィラーが相対的に少ない他方側の領域は比較的柔軟で動きやすく、この領域を貼り付けることにより、高分子マトリックス層30(特に一方側の領域)が変形しやすくなる。
一方側の領域でのフィラー偏在率は、好ましくは0.5を超え、より好ましくは0.6以上であり、更に好ましくは0.7以上である。この場合、他方側の領域でのフィラー偏在率は0.5未満となる。一方側の領域でのフィラー偏在率は最大で1.0であり、他方側の領域でのフィラー偏在率は最小で0である。したがって、フィラーを含むエラストマー層と、フィラーを含まないエラストマー層との積層体構造でも構わない。フィラーの偏在には、エラストマー成分にフィラーを導入した後、室温あるいは所定の温度で静置し、そのフィラーの重さにより自然沈降させる方法を使用でき、静置する温度や時間を変化させることでフィラー偏在率を調整できる。遠心力や磁力のような物理的な力を用いて、フィラーを偏在させてもよい。或いは、フィラーの含有量が異なる複数の層からなる積層体により高分子マトリックス層を構成しても構わない。
磁性フィラーが偏在している場合には、磁性フィラーが相対的に多い側の面が、検出部5の反対側の面にしている。センサ感度を高められる。
フィラー偏在率は、以下の方法により測定される。即ち、走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析装置(SEM−EDS)(SEM:株式会社日立ハイテクノロジーズ社製S−3500N、EDS:堀場製作所製EMAXモデル7021−H)を用いて、加速電圧25kV、真空度50Pa、WD15mmの条件にて高分子マトリックス層の断面を60倍で観察する。その断面の厚み方向全体の領域と、その断面を厚み方向に二等分した2つの領域に対し、それぞれ元素分析によりフィラー固有の金属元素(本実施形態の磁性フィラーであれば例えばFe元素)の存在量を求める。この存在量について、厚み方向全体の領域に対する一方側の領域の比率を算出し、それを一方側の領域でのフィラー偏在率とする。他方側の領域でのフィラー偏在率も、これと同様である。
磁場の変化を検出する検出部5には、例えば、磁気抵抗素子、ホール素子、インダクタ、MI素子、フラックスゲートセンサなどを用いることができる。磁気抵抗素子としては、半導体化合物磁気抵抗素子、異方性磁気抵抗素子(AMR)、巨大磁気抵抗素子(GMR)、トンネル磁気抵抗素子(TMR)が挙げられる。このうち好ましいのはホール素子であり、これは広範囲にわたって高い感度を有し、検出部5として有用なためである。ホール素子には、例えば旭化成エレクトロニクス株式会社製EQ432Lが使用できる。
監視センサ6は、次の1)〜2)に例示するように、製造可能である。
1)着磁された磁性フィラーを含有する高分子マトリックス層と、高分子発泡体層との組み合わせが2つ以上繰り返し積層された積層体を作製する。積層体3の作製工程は種々変更可能である。例えば、まず、磁性フィラーを樹脂前駆体液に分散させる。次に、樹脂前駆体液を硬化させた後、着磁して高分子マトリックス層30を得る。高分子マトリックス層30に高分子発泡体層31を積層させ、更に高分子マトリックス層30、高分子発泡体層31の積層を繰り返して、積層体3を得る。一方、積層体3を得た後で、着磁を行ってもよい。
2)検出部5に近い側から遠い側へ向けて、高分子発泡体層31、高分子マトリックス層30が順に繰り返し配置されるように、積層体3及び検出部5を配置する。
すなわち、積層体3の製造は、一体成形しても、積層成形してもよい。積層して成形する場合には、着磁は積層の前後のいずれもよい。
本開示の監視センサの効果を具体的に示すために、下記実施例について下記の評価を行った。
(1)ヒステリシス
高分子マトリックス層30と高分子発泡体層31の積層体3を、20mmΦの面圧子を用いて60kPa印加して5分間静置した後、初期荷重を0kPaとした。その後、200kPaまで100kPa/minの速さで圧縮変形させ、直後に同じ速さで元に戻した。このときにホール素子(検出部5)から出力される出力電圧を磁束密度変化として計測し、応力−磁束密度変化曲線を記録した。この操作を同一サンプルについて3回繰り返した。ヒステリシスは、3回目の応力−磁束密度変化曲線から、次の式により算出した。
ヒステリシス(%)=|(圧縮時の積分値−除荷時の積分値)/圧縮時の積分値|×100
アスカーC硬度
JIS K−7312に準拠して行った。高分子発泡体層31を50mm×50mmの大きさに切り出したものを測定用サンプルとし、温度23±2℃、湿度50±5%の環境で16時間静置した。測定時には、サンプルを重ね合わせ、厚み10mm以上にした。高度計(高分子計器株式会社製、アスカーC硬度計、加圧面高さ:3mm)を用い、加圧面を接触させてから30秒後の硬度を測定した。
独立気泡率
高分子発泡体層31を20mm×20mmの大きさに切り出し、空気比較式比重計930型(ベックマン社製)を使用して測定した。独泡率は、測定で得たカウンター値とサンプル容積値とに基づき、次の式により算出した。独泡率(%)=(カウンター値/サンプル容積値)×100
実施例で用いた高分子マトリックス層30の材料は次の通りである。
SE1740:東レダウコーニング製シリコーンエラストマー
A液/B液=1:1
実施例で用いた高分子発泡体層31の材料は次の通りであり、シリコーン樹脂フォームを使用している。
Si100:サンポリマー 微細セルシリコーンスポンジ
Si200:サンポリマー 微細セルシリコーンスポンジ
SSR:クレハエラストマー シリコーンスポンジシート
実施例1
高分子マトリックス層30について、DOW CORNING(登録商標) SE1740A(東レ・ダウコーニング製、シリコーン)100重量部に、MQP−14−12(モリコープ・マグネクエンチ社製、ネオジム系フィラー、平均粒径50μm)466.7重量部を添加し、フィラー分散液を調製した。これにDOW CORNING(登録商標) SE1740B(東レ・ダウコーニング製、シリコーン)100重量部を加えて、自転・公転ミキサー(シンキー社製)にて混合、脱泡し、磁性フィラーを含有する反応液を調製した。
この反応液を離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に滴下し、ドクターブレードにて厚み2.0mmに調整した。これを室温にて5分間静置(偏在処理時間)した後、90℃で15時間硬化を行った。これを脱型し、磁性フィラーが高分子マトリックス層の厚み方向に偏在した前駆体を得た。これをφ10mmの円形ポンチで打抜き、高分子マトリックス層を加工した。フィラー偏在率は0.84であった。
着磁は、着磁装置(株式会社玉川製作所製、TM−YS4E)を用いて2.0Tで実施した。
高分子発泡体層31について、φ10mmの円形ポンチで打抜き、φ10×3mmの高分子発泡体層31を作製した。
高分子マトリックス層30の磁性フィラーが相対的に少ない面を下面とし、その下面と高分子発泡体層31を両面テープ(寺岡製作所製 カプトン(登録商標)両面テープ 7602)で貼り合せた。上記の高分子マトリックス層30と高分子発泡体層31の積層体を繰り返し単位1として、2つ繰り返すように、両面テープで貼り合せて積層させた。
高分子マトリックス層30の厚みd2と、高分子発泡体層31の厚みd1の関係は、d1=d2×1.5としている。
実施例2
高分子マトリックス層30と高分子発泡体層31の繰り返しを5とした。それ以外は、実施例1と同じとした。
実施例3
実施例1よりも、アスカーC硬度及び独立気泡率が低い高分子発泡体層31を用いた。
実施例4
実施例1よりも、アスカーC硬度及び独立気泡率が高い高分子発泡体層31を用いた。
実施例5
高分子マトリックス層30の厚みd2と、高分子発泡体層31の厚みd1の関係は、d1=d2×2.5としている。それ以外は、実施例1と同じとした。
実施例6
高分子マトリックス層30の厚みd2と、高分子発泡体層31の厚みd1の関係は、d1=d2×0.5としている。それ以外は、実施例1と同じとした。
比較例1
高分子マトリックス層30と高分子発泡体層31の繰り返しを1回のみとした。それ以外は、実施例1と同じとした。
Figure 2018137162
比較例1は、高分子マトリックス層30を1層、高分子発泡体層31を1層とした構成である。変形時の高分子発泡体層31の変位量が大きくなるため、形状回復しにくくなり、ヒステリシスが悪化していると考えられる。
表1により、実施例1〜6がいずれも比較例1よりもヒステリシスの値が小さくなっている。変形が分散され、高分子発泡体層31の一つあたりの変位量が少なくなり、ヒステリシスが改善したと考えられる。特に繰り返し数が2つである実施例1が良好である。
実施例2は、繰り返し数5つであるため、高分子発泡体層31の一つあたりの変位量が小さいが、各層に変形のバラツキが生じ、実施例1よりもヒステリシスが悪化したと考えられる。
実施例3は、実施例1よりC硬度と独立気泡率が低い高分子発泡体を用いた場合の結果である。高分子発泡体層31の硬度が低くなることにより、圧縮変形時の変位が大きくなり、ヒステリシスが実施例1よりも悪化したと考えられる。
実施例4は、実施例1に比べて、C硬度および独立気泡率も高いため圧縮されにくいため、積層体3の変形が不均一になり、ヒステリシスが実施例1よりも悪化したと考えられる。
実施例5
高分子発泡体層31が高分子マトリックス層30に比べて分厚いので、変形が不均一になり、ヒステリシスが実施例1よりも悪化したと考えられる。
実施例6
高分子発泡体層31が高分子マトリックス層30に比べて薄いので、高分子発泡体層31の圧縮度合いが大きくなり、変形が不均一となり、ヒステリシスが実施例1よりも悪化したと考えられる。
以上、本実施形態の密閉型二次電池の監視センサは、
磁性フィラーを含有する高分子マトリックス層30と、高分子発泡体層31との組み合わせが2つ以上繰り返し積層された積層体3と、
磁場の変化を検出する検出部5と、を備え、
検出部5に近い側から遠い側へ向けて、高分子発泡体層31、高分子マトリックス層30が順に繰り返し配置されるように、積層体3と検出部5とが配置されている。
このように、検出部5に近い側から遠い側へ向けて、高分子発泡体層31、高分子マトリックス層30が順に繰り返し配置されるので、高分子発泡体層31の圧縮変形によって高分子発泡体層31に隣接する高分子マトリックス層30の位置が変わり、高分子マトリックス層30と検出部5との距離が変わることで、磁場の変化を検出できる。さらに、高分子マトリックス層30と高分子発泡体層31の組み合わせが2つ以上繰り返されているので、負荷がかかったときに、複数の高分子発泡体層31に負荷が分散し、高分子発泡体層31の一つあたりの変位量が小さくなるので、形状回復しやすく、ヒステリシスを低減することが可能となる。
本実施形態では、検出部5は、高分子発泡体層31の変形により変わる高分子マトリックス層30との間の距離に応じた磁場の変化を検出する。
この構成によれば、高分子マトリックス層30を変形させなくても、高分子発泡体層31を変形させることができれば、磁場の変化を検出できる。よって、形状の変形だけでなく、圧力の変化を検出可能となる。
本実施形態では、高分子発泡体層31及び高分子マトリックス層30の組み合わせの数は、2以上5以下である。
この構成によれば、繰り返し数の増大により生じる高分子発泡体層31の変形の不均一が、各層の変位量の低減によるヒステリシスの改善に与える影響が少ないので、効果的である。
本実施形態では、高分子マトリックス層30は、無発泡体である。
この構成によれば、高分子マトリックス層30に気泡が含まれる場合に比べて、高分子発泡体層31が高分子マトリックス層30よりもより優先して変形することになる。高分子マトリックス層30と検出部5との間の距離変化に応じた磁場変化を検出しやすい。よって、センサ感度を向上させることが可能となる。
本実施形態では、高分子発泡体層31の厚みd1は、当該高分子発泡体層31の反検出部側に隣接する高分子マトリックス層30の厚みの0.3以上3.0倍以下である。
この構成によれば、高分子発泡体層31の座屈変形又は積層体3全体の変形が不均一になることによるヒステリシスの悪化を抑制することが可能となる。
本実施形態では、高分子発泡体層31は、C硬度が0〜50である。
この構成によれば、高分子発泡体層31の柔軟性を確保して、センサ感度を向上させることが可能となる。
本実施形態では、高分子発泡体層31は、独立気泡率40〜90%である。
この構成によれば、高分子発泡体層31の圧縮されやすさを確保し、センサ感度を確保可能となる。
図4Bの例では、高分子マトリックス層30及び高分子発泡体層31を含む積層体3が封止材4で被覆され、封止材4のうち、高分子マトリックス層30と共に高分子発泡体層31を挟む部位4aが、検出部5との位置が不変となる部材(外装体21)に固定されている。
この構成によれば、高分子マトリックス層30と検出部5との距離が、高分子発泡体層31の厚み変化によって変わるので、センサ感度を向上させることが可能となる。
図4Bの例では、高分子マトリックス層30及び高分子発泡体層31を含む積層体3が封止材4で被覆され、封止材4は、二次電池2を構成する電極群22及び電解液が収容される外装体21の内部に、配置されている。
この構成によれば、電解液の分解により生じるガスの発生を、内圧による磁場変化を通して計測可能となる。
本実施形態の密閉型二次電池の監視センサの製造方法は、
着磁された磁性フィラーを含有する高分子マトリックス層30と、高分子発泡体層31との組み合わせが2つ以上繰り返し積層された積層体3を作製する工程と、
検出部5に近い側から遠い側へ向けて、高分子発泡体層31、高分子マトリックス層30が順に繰り返し配置されるように、積層体3及び検出部5を組み付ける工程と、
を含む。
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…電池モジュール
2…二次電池(単電池)
21…外装体
3…積層体
30…高分子マトリックス層
31…発泡体層
5…検出部
6…監視センサ

Claims (9)

  1. 磁性フィラーを含有する高分子マトリックス層と、高分子発泡体層との組み合わせが2つ以上繰り返し積層された積層体と、
    磁場の変化を検出する検出部と、を備え、
    前記検出部に近い側から遠い側へ向けて、前記高分子発泡体層、前記高分子マトリックス層が順に繰り返し配置されるように、前記積層体と前記検出部とが配置されている、密閉型二次電池の監視センサ。
  2. 前記検出部は、前記高分子発泡体層の変形により変わる前記高分子マトリックス層との間の距離に応じた磁場の変化を検出する、請求項1に記載の監視センサ。
  3. 前記高分子発泡体層及び前記高分子マトリックス層の組み合わせの数は、2以上5以下である、請求項1又は2に記載の監視センサ。
  4. 前記高分子マトリックス層は、無発泡体である、請求項1〜3のいずれかに記載の監視センサ。
  5. 前記高分子発泡体層の厚みは、当該高分子発泡体層の反検出部側に隣接する前記高分子マトリックス層の厚みの0.3以上3.0倍以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の監視センサ。
  6. 前記高分子発泡体層は、C硬度が0〜50である、請求項1〜5のいずれかに記載の監視センサ。
  7. 前記高分子発泡体層は、独立気泡率40〜90%である、請求項1〜6のいずれかに記載の監視センサ。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の監視センサが取り付けられた密閉型二次電池。
  9. 着磁された磁性フィラーを含有する高分子マトリックス層と、高分子発泡体層との組み合わせが2つ以上繰り返し積層された積層体を作製する工程と、
    前記検出部に近い側から遠い側へ向けて、前記高分子発泡体層、前記高分子マトリックス層が順に繰り返し配置されるように、前記積層体及び前記検出部を組み付ける工程と、
    を含む、密閉型二次電池の監視センサの製造方法。
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