以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る病院情報システム1の機能構成の例を表すブロック図である。図1に示される病院情報システム1は、サーバ10、表示装置20−1,20−2、及び信号発生器30−1,30−2を具備する。サーバ10、表示装置20−1,20−2、及び信号発生器30−1,30−2は、LAN(Local Area Network)へ接続される。なお、LANへの接続は、有線接続、及び無線接続を問わない。また、VPN(Virtual Private Network)等によりセキュリティが確保されるのであれば、接続される回線はLANに限定されない。インターネット等、公衆の通信回線に接続するようにしても構わない。
サーバ10は、病院情報システム1を構成するサーバの一つである。サーバ10は、通信インタフェース回路11、記憶回路12、及び制御回路13を備える。通信インタフェース回路11、記憶回路12、及び制御回路13は、例えば、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
通信インタフェース回路11は、LANを介して表示装置20−1,20−2、及び信号発生器30−1,30−2との通信を伝送制御するネットワークインタフェースである。
記憶回路12は、種々の情報を記憶するHDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)、及び集積回路記憶装置等の記憶装置である。また、記憶回路12は、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、及びフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であっても良い。記憶回路12は、オペレーティングシステム等の制御プログラム、及び各種アプリケーションプログラム、並びに、これらのプログラムに付随する各種操作画面の表示データを記憶している。
また、記憶回路12は、電子カルテ情報DB(Data Base)121、及び紐付情報DB122として機能する。電子カルテ情報DB121には、電子カルテ情報が患者毎に格納されている。電子カルテ情報には、各診療日における主訴情報、所見情報、診断情報、及び治療計画情報、並びに、各診療日におけるオーダ情報が含まれる。また、電子カルテ情報には、診断された病名、検査結果、検査結果レポート、及び既往歴等が含まれる。
紐付情報DB122では、表示装置20−1,20−2を用いて実行される処理と、この処理が実行されるための所定の条件等とが関連付けられている。例えば、本実施形態では、紐付情報DB122には、所定の処理と、この処理に対応する条件とが関連付けられた動作紐付きテーブル1221が記憶されている。
表示装置20−1,20−2を用いて実行される処理には、電子カルテへ情報を入力する診療入力処理、及び電子カルテへオーダ情報を入力するオーダ入力処理等が含まれる。この処理が実行されるための条件には、例えば、信号発生器30−1から出力される検知信号に基づいて認識される医師の状態、又は信号発生器30−2から出力される検知信号に基づいて認識される患者の状態等が含まれる。
また、紐付情報DB122には、表示装置20−1,20−2を用いて実行される処理と、この処理に係る画像の表示に関する情報とが関連付けられている。例えば、本実施形態では、紐付情報DB122には、実行される処理と、表示に関する情報とが関連付けられた表示制御テーブル1222が記憶されている。
表示に関する情報には、画像の表示先、表示先での表示位置、及び処理についての表示先の権限等が含まれる。表示先が医師である場合の表示位置は、視界に捉えられる患者の位置を配慮して予め設定される。また、表示先が患者である場合の表示位置は、視界に捉えられる医師の位置を配慮して予め設定される。なお、表示に関する情報には、表示サイズ、及び透過度等、その他の情報が含まれていても構わない。
なお、本実施形態では、記憶回路12が、電子カルテ情報DB121、及び紐付情報DB122として機能する場合を例に説明するが、これに限定されない。電子カルテ情報DB121、及び紐付情報DB122は、サーバ10とは別体に設けられ、かつ、LANに接続する記憶装置により実現されてもよい。
制御回路13は、サーバ10の中枢として機能するプロセッサである。制御回路13は、記憶回路12に記憶されている制御プログラムを実行することで、当該プログラムに対応する機能を実現する。例えば、制御回路13は、処理制御機能131、画像生成機能132、及び表示制御機能133を有する。なお、本実施形態では、単一のプロセッサによって処理制御機能131、画像生成機能132、及び表示制御機能133が実現される場合を説明するが、これに限定されない。例えば、複数の独立したプロセッサを組み合わせて制御回路を構成し、各プロセッサが動作プログラムを実行することにより処理制御機能131、画像生成機能132、及び表示制御機能133を実現しても構わない。
処理制御機能131は、表示装置20−1,20−2に実行させる処理を決定する機能である。具体的には、例えば、制御回路13は、信号発生器30−1,30−2から出力される検知信号に基づく所定の情報を取得すると、処理制御機能131を実行する。処理制御機能131を実行すると、制御回路13は、取得した情報を、紐付情報DB122に記憶されている動作紐付きテーブル1221に照合させることで、表示装置20−1,20−2に実行させる処理を決定する。また、制御回路13は、決定した処理を、紐付情報DB122に記憶されている表示制御テーブル1222に照合させることで、表示に関する情報を取得する。
画像生成機能132は、所望の画像データを生成する機能である。具体的には、例えば、制御回路13は、表示に関する情報を取得すると、画像生成機能132を実行する。画像生成機能132を実行すると、制御回路13は、決定された処理に応じた情報を記憶回路12から読み出す。記憶回路12から読み出される情報には、例えば、所望の患者についての電子カルテ情報、及び電子カルテにオーダ情報を入力するオーダパレット等の画像情報等が含まれる。制御回路13は、読み出した情報に基づいて画像データを生成する。
表示制御機能133は、生成した画像データを表示するように表示装置20−1,20−2を制御する機能である。具体的には、例えば、制御回路13は、画像データが生成されると表示制御機能133を実行する。表示制御機能133を実行すると、制御回路13は、表示に関する情報に基づき、生成した画像データを表示するように表示装置20−1,20−2を制御する。
表示装置20−1,20−2は、サーバ10からの制御に従って画像データを表示する。表示装置20−1は、医師が画像データを視認するための装置であり、表示装置20−2は、患者が画像データを視認するための装置である。
図2は、本実施形態に係る表示装置20−1,20−2の外観の例を表す模式図である。なお、表示装置20−1の構造と、表示装置20−2の構造とは同様であるため、図2では、表示装置20と称して説明する。
図2に示される表示装置20は、医師、又は患者等の使用者の頭部に装着可能なヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display:HMD)である。表示装置20は、例えば、眼鏡型の形状を有する。表示装置20は、第1及び第2表示部21,22、及び第1及び第2表示駆動部23,24を備える。
第1表示部21は、使用者が表示装置20を装着した際に使用者の右眼前に位置するように配置されている。第2表示部22は、使用者が表示装置20を装着した際に使用者の左眼前に位置するように配置されている。
第1表示駆動部23は、使用者が表示装置20を装着した際に、右側頭部と対向する位置に配置される。第1表示駆動部23は、第1表示部21に画像光を投光し、第1表示部21に画像を表示させる。第2表示駆動部24は、使用者が表示装置20を装着した際に、左側頭部と対向する位置に配置される。第2表示駆動部24は、第2表示部22に画像光を投光し、第2表示部22に画像を表示させる。
第1及び第2表示駆動部23,24は、例えば、通信部、画像光生成部、及び投光部等を含む。通信部は、サーバ10からLANを介して供給される画像データ、及び制御情報を受信する。画像光生成部は、受信された画像データに基づいて画像光を生成する。投光部は、制御情報に基づき、画像光生成部で生成された画像光を、第1又は第2表示部21,22へ投光する。このように、表示装置20−1,20−2は、サーバ10から出力される画像データを虚像として表示する。使用者は、虚像を視認すると同時に、対向して座する医師、又は患者も、第1及び第2表示部21,22を透過して直接視認することが可能となる。
また、表示装置20−1,20−2は、図2に示されるHMDに限定されない。表示装置20−1,20−2は、例えば、図3に示されるように、医師、及び患者の間の、医師、及び患者が互いを視認することを遮らない位置に設けられる装置であってもよい。表示装置20−1,20−2は、例えば、図3(a)(b)に示されるように所望の情報を表示する。
表示装置20−1,20−2は、図3(a)に示される表示を実現するため、例えば、サーバ10から供給される画像データに基づいてホログラム画像を生成する生成機構25と、生成したホログラム画像を表示する表示機構26とを有する。また、表示装置20−1,20−2は、図3(b)に示される表示を実現するため、例えば、サーバ10から供給される画像データに基づいて画像光を生成する生成機構27と、生成した画像光が投光されるスクリーン28とを有する。
信号発生器30−1は、医師の動作を検知可能な位置に設置され、医師の状態、例えば、医師の動作等を検知する。信号発生器30−1は、検知した状態に基づく検知信号をサーバ10へLANを介して出力する。
信号発生器30−1は、例えば、診察室内に設置される撮像装置であり、医師の動作を撮影する。なお、撮像装置は、表示装置20−1,20−2に取り付けられていてもよい。信号発生器30−1は、撮影により取得した画像データを検知信号として予め設定された周期でサーバ10へ出力する。
また、信号発生器30−1は、医師の状態を検知する種々のセンサであってもよい。センサには、例えば、所定の領域への侵入を検知する赤外線センサ、及び加速度を検知する加速度センサ等が挙げられる。
信号発生器30−1が赤外線センサである場合、信号発生器30−1は、診察室内に設置される。なお、赤外線センサは、表示装置20−1,20−2に取り付けられていてもよい。信号発生器30−1は、医師の少なくとも一部が当該領域へ侵入したことを検知し、検知したことを表す検知信号をサーバ10へ出力する。
また、信号発生器30−1が加速度センサである場合、信号発生器30−1は、表示装置20−1に設けられる。信号発生器30−1は、医師の着席、及び起立等の動作を検知し、検知した動作を表す検知信号をサーバ10へ出力する。また、信号発生器30−1は、Indoor Messaging Systemを用いて実現されても構わない。
信号発生器30−2は、患者の動作を検知可能な位置に設置され、患者の状態、例えば、患者の動作等を検知する。信号発生器30−2は、検知した状態に基づく検知信号をサーバ10へLANを介して出力する。
信号発生器30−2は、例えば、診察室内に設置される撮像装置であり、患者の動作を撮影する。なお、撮像装置は、表示装置20−1,20−2に取り付けられていてもよい。信号発生器30−2は、撮影により取得した画像データを検知信号として予め設定された周期でサーバ10へ出力する。
また、信号発生器30−2は、患者の状態を検知する種々のセンサであってもよい。センサには、例えば、所定の領域への侵入を検知する赤外線センサ、及び加速度を検知する加速度センサが挙げられる。
信号発生器30−2が赤外線センサである場合、信号発生器30−2は、診察室内に設置される。なお、赤外線センサは、表示装置20−1,20−2に取り付けられていてもよい。信号発生器30−2は、患者の少なくとも一部が当該領域へ侵入したことを検知し、検知したことを表す検知信号をサーバ10へ出力する。
また、信号発生器30−2が加速度センサである場合、信号発生器30−2は、表示装置20−2に設けられる。信号発生器30−2は、患者の着席、及び起立等の動作を検知し、検知した動作を表す検知信号をサーバ10へ出力する。また、信号発生器30−2は、Indoor Messaging Systemを用いて実現されても構わない。
次に、以上のように構成された病院情報システム1を用いた診察動作の例を詳細に説明する。なお、以下の例では、表示装置20−1,20−2は、HMDである。また、信号発生器30−1,30−2は、撮像装置であり、撮影により得られた画像データを検知信号としてサーバ10へ送信する。また、紐付情報DB122に、図4に示される動作紐付けテーブル1221と、図5に示される表示制御テーブル1222とが記憶されている。図4に示される動作紐付けテーブル1221では、動作の監視対象、画像の表示先、実行される処理、条件1、条件2、条件3、及び条件設定がレコードとして登録されている。図5に示される表示制御テーブル1222では、実行される処理、表示位置、表示先、及び処理についての表示先の権限がレコードとして登録されている。
なお、図5に示される「表示位置(縦、横、奥行き(cm))」は、表示させる画像の中心位置を意味する。縦、横、及び奥行きの各数値は、HMDである表示装置20−1,20−2の、第1表示部21及び第2表示部22の中心位置からの距離を表す。例えば、「表示位置:10,0,50」である場合、画像は、画像の中心が第1表示部21及び第2表示部22の中心位置から10cm上方、かつ、50cm前方に位置して視認されるように表示される。
病院情報システム1は、図示していない受付端末をさらに有する。受付端末は、来院した患者についての所定の受付情報の入力を受け付ける。受付端末は、入力された受付情報に基づき、受付番号、患者番号、患者氏名、年齢、性別、感染、検査結果、及び受付時間等を登録する。受付端末は、登録した順に患者をリスト化した患者リストを作成する。受付端末は、作成した患者リストを、LANを介してサーバ10へ送信する。
図6は、医師が患者を診察する際のサーバ10の動作の例を表すフローチャートである。サーバ10に設けられる制御回路13は、患者リストを受信すると画像生成機能132を実行する。画像生成機能132を実行すると、制御回路13は、受信した患者リストに基づいて画像データを生成する。制御回路13は、画像データが生成されると表示制御機能133を実行する。表示制御機能133を実行すると制御回路13は、生成された画像データが表示されるように、医師用に設けられる表示装置20−1を制御する(ステップS61)。これにより、表示装置20−1には、患者リストが表示される。図7は、表示装置20−1を利用した際の医師の視界の例を模式的に表す図である。医師は、図7に示されるように、患者リストについて表示された患者リスト領域AR1と、実在する構造物である椅子、及びドア等とを視認可能である。
サーバ10は、信号発生器30−1,30−2から送信される検知信号を受け付ける(ステップS62)。制御回路13は、検知信号を受信すると(ステップS62のYes)、受信した検知信号を復号し、画像データを生成する。画像データを生成すると、制御回路13は、処理制御機能131を実行し、生成した画像データを解析する(ステップS63)。制御回路13は、解析結果に基づき、信号発生器30−1の監視対象である医師の動作と、信号発生器30−2の監視対象である患者の動作とを認識する。
制御回路13は、認識した医師の動作、患者の動作、及び表示装置20−1,20−2の動作状況が、動作紐付きテーブル1221に含まれる条件を満たすか否かを判断する(ステップS64)。制御回路13は、医師の動作、患者の動作、及び表示装置20−1,20−2の動作状況が、動作紐付きテーブル1221に含まれる条件を満たす場合(ステップS64のYes)、満たした条件に対応する処理を動作紐付きテーブル1221から取得する(ステップS65)。動作紐付きテーブル1221に含まれる条件を満たさない場合(ステップS64のNo)、制御回路13は、ステップS62の処理へ移行する。
制御回路13は、処理を取得すると、取得した処理が「診療入力処理終了」であるか否かを判断する(ステップS66)。「診療入力処理終了」である場合(ステップS66のYes)、制御回路13は、診療入力処理を終了させる。取得した処理が「診療入力処理終了」でない場合(ステップS66のNo)、制御回路13は、ステップS65で取得した処理を、表示制御テーブル1222に照合させることで、表示に関する情報を取得する(ステップS67)。
続いて、制御回路13は、画像生成機能132を実行する。画像生成機能132を実行すると制御回路13は、ステップS65で取得した処理に応じた情報を記憶回路12から読み出す。制御回路13は、読み出した情報に基づいて画像データを生成する(ステップS68)。
制御回路13は、画像データを生成すると表示制御機能133を実行する。表示制御機能133を実行すると制御回路13は、ステップS68で生成した画像データをステップS67で取得した表示に関する情報に基づいて表示するように、表示装置20−1,20−2を制御する(ステップS69)。例えば、制御回路13は、生成した画像データと、取得した表示に関する情報に基づく制御信号とを表示装置20−1,20−2へ送信する。具体的には、制御回路13は、画像データに含まれる制御領域に、取得した表示に関する情報を書き込む。制御回路13は、制御情報を書き込んだ画像データを表示装置20−1,20−2へ送信する。また、制御回路13は、画像データの送信よりも先に、取得した表示に関する情報に基づく制御信号を表示装置20−1,20−2へ送信しても構わない。
続いて、サーバ10の動作を具体的な表示例と合わせて説明する。例えば、ステップS63において、信号発生器30−2により撮影された画像を解析した結果、制御回路13が、患者が座る動作を認識したとする。制御回路13は、「患者が座る動作」と、動作紐付きテーブル1221とを照合する。制御回路13は、レコード42に含まれる「監視対象:患者」、「条件1:座る」、及び「条件設定:条件1」が、認識している「患者が座る動作」と一致すると判断する(ステップS64のYes)。制御回路13は、レコード42に含まれる「表示先:患者」、及び「処理:診療入力処理」を取得する(ステップS65)。「診療入力処理」は、電子カルテに関する情報を、電子カルテへの編集可能に表示する処理である。
制御回路13は、ステップS65で取得した「表示先:患者」、及び「処理:診療入力処理」を、表示制御テーブル1222に照合させる。制御回路13は、レコード52に含まれる「表示先:患者」、及び「処理:診療入力処理」が、取得した「表示先:患者」、及び「処理:診療入力処理」と一致すると判断する。制御回路13は、レコード52に含まれる「表示位置:10,0,50」、及び「権限:参照」を取得する(ステップS67)。
制御回路13は、ステップS65で取得した「処理:診療入力処理」に応じた情報、すなわち、電子カルテに関する情報を記憶回路12の電子カルテ情報DB121から読み出す。このとき、制御回路13は、患者リストに基づき、電子カルテ情報DB121から電子カルテに関する情報を読み出す。制御回路13は、電子カルテに関する情報に基づいて画像データを生成する(ステップS68)。制御回路13は、ステップS67で取得した「表示位置:10,0,50」、及び「権限:参照」に基づいて画像データを表示するように、表示装置20−2を制御する(ステップS69)。
これにより、表示装置20−2には、電子カルテに関する情報が、「表示位置:10,0,50」に表示される。図8は、表示装置20−2を利用した患者の視界の例を模式的に表す図である。図8では、電子カルテに関する情報を表す領域AR2が背景を透過可能に表示されている。患者は、図8に示されるように、電子カルテに関する情報を表す領域AR2の虚像を、実在する医師と自身との間に視認可能となる。なお、「権限:参照」に基づき、患者には、領域AR2についての編集は認められていない。
図9は、表示装置20−2を利用した際の患者の視界のその他の例を模式的に表す図である。図9では、電子カルテに関する情報を複数の領域に分けて表示するようにしている。このとき、表示制御テーブル1222では、各領域についての表示位置が設定されている。図9によれば、患者は、電子カルテに関する情報を表す領域である、患者氏名領域AR3、病名領域AR4、カルテ領域AR5、及び検査結果領域AR6と、医師プロフィール領域AR7と、実在する医師とを視認可能である。カルテ領域AR5には、過去の診療日における情報も含まれている。
なお、「権限:参照」に基づき、患者には、患者氏名領域AR3、病名領域AR4、カルテ領域AR5、及び検査結果領域AR6についての編集は認められていない。ただし、患者は、表示装置20−2に表示されている情報をさらに参照することが可能である。例えば、患者が、虚像としてのカルテ領域AR5が位置すると想定される実際の空間へ手を移動させる。信号発生器30−2は、患者の手が想定の空間へ移動されたことを検知する。制御回路13は、この手の動きに応じ、例えば、異なる診療日のカルテに関する画像データを生成する。制御回路13は、新たに生成した画像データをカルテ領域AR5に表示するように、表示装置20−2を制御する。また、患者がオーダ情報として入力された処方薬に対応する空間へ手を移動させることで、制御回路13は、処方薬についての詳細な情報を表す画像データを生成するようにしてもよい。制御回路13は、処方箋に関して新たに生成した画像データを、所定の領域に表示するように、表示装置20−2を制御する。
表示装置20−2に電子カルテに関する画像が表示されるとき、医師側に設けられる表示装置20−1では、例えば、以下の処理が実行される。制御回路13が、ステップS63において、患者が座る動作を認識した際に、図7に示されるように、表示装置20−1に患者リスト領域AR1が表示されているとする。制御回路13は、「患者が座る動作」、及び「患者リストの表示処理」と、動作紐付きテーブル1221とを照合する。制御回路13は、レコード41に含まれる「監視対象:患者」、「条件1:患者リストの表示中」、「条件2:座る」、及び「条件設定:条件1 AND 条件2」が、「患者が座る動作」、及び「患者リストの表示処理」と一致すると判断する(ステップS64のYes)。制御回路13は、レコード41に含まれる「表示先:医師」、及び「処理:診療入力処理」を取得する(ステップS65)。
制御回路13は、ステップS65で取得した「表示先:医師」、及び「処理:診療入力処理」を、表示制御テーブル1222に照合させる。制御回路13は、レコード51に含まれる「表示先:医師」、及び「処理:診療入力処理」が、取得した「表示先:医師」、及び「処理:診療入力処理」と一致すると判断する。制御回路13は、レコード51に含まれる「表示位置:10,0,50」、及び「権限:編集」を取得する(ステップS67)。
制御回路13は、ステップS65で取得した「処理:診療入力処理」に応じた情報、すなわち、電子カルテに関する情報を記憶回路12の電子カルテ情報DB121から読み出す。制御回路13は、電子カルテに関する情報に基づいて画像データを生成する(ステップS68)。制御回路13は、ステップS67で取得した「表示位置:10,0,50」、及び「権限:編集」に基づいて画像データを表示するように、表示装置20−1を制御する(ステップS69)。
これにより、表示装置20−1には、電子カルテに関する情報が、「表示位置:10,0,50」に表示される。図10は、表示装置20−1を利用した医師の視界の例を模式的に表す図である。図10では、電子カルテに関する情報を表す領域AR2が背景を透過可能に表示されている。医師は、図10に示されるように、電子カルテに関する情報を表す領域AR2の虚像を、実在する患者と自身との間に視認可能となる。
図11は、表示装置20−1を利用した際の医師の視界のその他の例を模式的に表す図である。図11では、電子カルテに関する情報を複数の領域に分けて表示するようにしている。図11によれば、医師は、電子カルテに関する情報を表す領域である、患者氏名領域AR3、病名領域AR4、カルテ領域AR5、検査結果レポート領域AR8、及び注意領域AR9と、機能一覧領域AR10と、実在する患者とを視認可能である。
注意領域AR9は、患者の状態に基づいて認識される患者の症状、及び注意すべき情報が表示される。
機能一覧領域AR10は、利用可能な機能の一覧を表す。医師は、機能一覧領域AR10に含まれる機能と対応する処理を所定の機器に実行させることが可能である。
例えば、医師が、虚像としての機能一覧領域AR10が位置すると想定される実際の空間へ手を移動させる。信号発生器30−1は、医師の手が想定の空間へ移動されたことを検知する。制御回路13は、手の位置と対応する位置に割り当てられた機能についての処理を実行するように、所定の機器を制御する。例えば、制御回路13は、手の位置と対応する位置に割り当てられた機能に関する画像データを生成し、生成した画像データを所定の領域に表示するように、表示装置20−1を制御する。なお、機能一覧領域AR10に含まれる機能は、図11に示されるものに限定されない。機能一覧領域AR10には、院内状況、及び症状詳記等、他の機能が含まれていてもよい。
次に、電子カルテへオーダ情報の入力を受け付ける際のサーバ10の動作を具体的な表示例と合わせて説明する。例えば、医師が、カルテ領域AR5におけるオーダパレットボタン領域AR51が位置すると想定される実際の空間へ手を移動させる。図12は、図10,11に示されるカルテ領域AR5における診察日当日のカルテを拡大した図である。図12に示されるオーダパレットボタン領域AR51には、処方、注射、処置、検体、生体、画像、他、及び診察が含まれる。
以下では、医師が内服薬の処方をオーダする場合を例に説明する。例えば、ステップS63において、信号発生器30−1により撮影された画像を解析した結果、制御回路13が、医師がオーダパレットボタン領域AR51における「処方」に対応する位置へ手をかざしたと認識したとする。制御回路13は、「医師がオーダパレットボタン領域AR51における「処方」に対応する位置へ手をかざした動作」と、動作紐付きテーブル1221とを照合する。制御回路13は、レコード43に含まれる「監視対象:医師」、「条件1:カルテを起動」、「条件2:オーダパレットボタンに手をかざす」、及び「条件設定:条件1 AND 条件2」が、認識している「医師がオーダパレットボタン領域AR51における「処方」に対応する位置へ手をかざした動作」と一致すると判断する(ステップS64のYes)。
制御回路13は、レコード43に含まれる「表示先:医師」、及び「処理:オーダ入力処理」を取得する(ステップS65)。「オーダ入力処理」は、オーダ情報を電子カルテへ入力可能に表示する処理である。また、同様に、制御回路13は、レコード44に含まれる「表示先:患者」、及び「処理:オーダ入力処理」を取得する(ステップS65)。
制御回路13は、ステップS65で取得した「表示先:医師」、及び「処理:オーダ入力処理」を、表示制御テーブル1222に照合させる。制御回路13は、レコード53に含まれる「表示先:医師」、及び「処理:オーダ入力処理」が、取得した「表示先:医師」、及び「処理:オーダ入力処理」と一致すると判断する。制御回路13は、レコード53に含まれる「表示位置:−10,30,50」、及び「権限:編集」を取得する(ステップS67)。また、同様に、制御回路13は、ステップS65で取得した「表示先:患者」、及び「処理:オーダ入力処理」から、レコード54に含まれる「表示位置:−10,30,50」、及び「権限:参照」を取得する(ステップS67)。
制御回路13は、ステップS65で取得した「処理:オーダ入力処理」に応じた情報、すなわち、オーダパレットについての表示データを記憶回路12から読み出す。制御回路13は、オーダパレットについての画像情報に基づいて画像データを生成する(ステップS68)。制御回路13は、ステップS67で取得した「表示位置:−10,30,50」、及び「権限:編集」に基づいて画像データを表示するように、表示装置20−1を制御する(ステップS69)。また、同様に、制御回路13は、ステップS67で取得した「表示位置:−10,30,50」、及び「権限:参照」に基づいて画像データを表示するように、表示装置20−2を制御する(ステップS69)。これにより、表示装置20−1,20−2には、オーダパレットが、「表示位置:−10,30,50」に表示される。
図13は、表示装置20−1に表示されるオーダパレット領域AR52の例を表す図である。医師は、表示装置20−1に表示されるオーダパレット領域AR52を介し、内服薬の処方を入力する。以下では、「ロキソニン(登録商標)60mg 1回1錠 1日3回 7日分」を入力する際の動作を説明する。
まず、医師は、図13に示される薬剤タグ領域AR521に対応する位置へ手をかざすことで、「薬剤」の入力を選択する。制御回路13は、「薬剤」の入力が選択されると、キーボード領域AR522を表示装置20−1に表示させる。医師は、キーボード領域AR522に手をかざすことで、処方を予定する薬剤の先頭の文字を見出しとして検索領域AR523へ入力する。制御回路13は、見出し文字が入力されると、見出し文字に応じた薬剤の一覧領域AR524を、表示装置20−1に表示させる。
図14は、一覧領域AR524が表示されるオーダパレット領域AR52の例を表す図である。医師は、一覧領域AR524に表示されている薬剤に対応する位置へ手をかざすことで、処方を予定する薬剤を選択する。制御回路13は、薬剤が選択されると、選択された薬剤の数量を入力するための数量入力領域AR525を表示装置20−1に表示させる。医師は、数量入力領域AR525に表示されている数字に対応する位置へ手をかざすことで、選択されている薬剤の一日分の数量を入力する。
数量の入力が完了すると、医師は、数量入力領域AR525に表示されている「OK」に対応する位置へ手をかざす。制御回路13は、「OK」に手がかざされると、入力された数量を確定し、数量入力領域AR525を閉じる。数量入力領域AR525が閉じると、医師は、オーダパレット領域AR52に表示されている「OK」に対応する位置へ手をかざし、「薬剤」の入力を終了させる。なお、同一の用法で処方する薬剤が複数ある場合には、例えば、薬剤の指定、及び数量の指定を必要回数繰り返した後、「用法」の選択へ移行する。
図14によれば、「ロキソ」が見出し語として入力され、入力された「ロキソ」に対応する薬剤を含む一覧領域AR524が表示されている。医師は、一覧領域AR524に表示される「ロキソニン錠60mg」を選択し、1日当たり3錠と入力する。数量の入力が完了すると、医師は、数量入力領域AR525に表示されている「OK」に対応する位置へ手をかざすことで、入力した数量を確定させる。そして、医師は、オーダパレット領域AR52に表示されている「OK」に対応する位置へ手をかざすことで、指定した薬剤、及び数量を確定させる。
続いて、医師は、図13に示される用法タグ領域AR526に対応する位置へ手をかざすことで、「用法」の入力を選択する。制御回路13は、「用法」の入力が選択されると、図15に示される用法選択領域AR527を表示装置20−1に表示させる。医師は、用法選択領域AR527における所定の位置へ手をかざすことで、用法を選択する。用法の選択が完了すると、医師は、用法選択領域AR527に表示されている「OK」に対応する位置へ手をかざす。制御回路13は、「OK」に手がかざされると、選択された用法を確定する。
図15によれば、「分3」が選択され、選択された「分3」に対応する用法を含む一覧領域AR528が表示されている。医師は、一覧領域AR528に表示される「1日3回 毎食後服用」に対応する位置へ手をかざし、「1日3回 毎食後服用」を選択する。医師は、処方日数「7日」に対応する位置へ手をかざし、「7日」を選択する。用法の選択が完了すると、医師は、用法選択領域AR527に表示されている「OK」に対応する位置へ手をかざすことで、選択した用法を確定させる。これにより、カルテ領域AR5に「内服 ロキソニン錠60mg 3錠 1日3回 毎食後服用 7日分」が、オーダ情報として入力されることになる。
医師は、電子カルテへの主訴情報、所見情報、診断情報、及び治療計画情報、並びに、オーダ情報等の入力が完了すると、カルテ領域AR5に表示されている「確定」に対応する位置へ手をかざす。制御回路13は、「確定」に手がかざされると、電子カルテに入力した情報を確定させ、図16に表されるカルテ登録領域AR53を、表示装置20−1に表示させる。医師は、カルテ登録領域AR53において所定の情報を入力するための領域に、必要に応じて手をかざす。医師は、必要な情報の入力が完了すると、カルテ登録領域AR53に表示されている「登録」に対応する位置へ手をかざす。制御回路13は、「登録」に手がかざされると、電子カルテに関する情報を電子カルテ情報DB121へ登録する。
次に、患者の診察を終了させる際のサーバ10の動作を説明する。例えば、制御回路13が、ステップS63において、患者が起立する動作を認識した際に、図8、又は図9に示されるように、表示装置20−2に電子カルテに関する情報を表す領域が表示されているとする。
制御回路13は、「患者が起立する動作」、及び「電子カルテに関する情報の表示処理」と、動作紐付きテーブル1221とを照合する。制御回路13は、レコード45に含まれる「監視対象:患者」、「条件1:カルテ情報の表示中」、「条件2:起立」、及び「条件設定:条件1 AND 条件2」が、認識している「患者が起立する動作」、及び「電子カルテに関する情報の表示処理」と一致すると判断する(ステップS64のYes)。制御回路13は、レコード45に含まれる「表示先:患者」、及び「処理:診療入力処理終了」を取得する(ステップS65)。「診療入力処理終了」は、診療入力処理を終了させる処理である。
制御回路13は、ステップS65で取得した処理が「処理:診療入力処理終了」である場合(ステップS66のYes)、制御回路13は、表示装置20−2における電子カルテに関する情報の表示を終了する。
以上のように、本実施形態では、サーバ10は、電子カルテに関する情報に基づき、画像データを発生する。サーバ10は、発生した画像データと、この画像データに係る画像を患者の位置を想定した位置へ表示させるための制御情報とを表示装置20−1へ送信する。信号発生器30−1,30−2は、医師、及び患者の状態を監視し、医師、及び患者の状態変化に応じた検知信号を発生する。そして、サーバ10は、信号発生器30−1,30−2で発生される検知信号に基づき、画像データ、及び/又は制御情報を変更するようにしている。これにより、病院情報システム1は、患者を捉える医師の視界内に、電子カルテに関する情報を表示させることが可能となる。
したがって、本実施形態に係る病院情報システム1によれば、医師は、患者への注意を維持したまま診察することができる。
また、本実施形態では、サーバ10は、発生した画像データと、この画像データに係る画像を医師の位置を想定した位置へ表示させるための制御情報とを表示装置20−2へ送信する。信号発生器30−1,30−2は、医師、及び患者の状態を監視し、医師、及び患者の状態変化に応じた検知信号を発生する。そして、サーバ10は、信号発生器30−1,30−2で発生される検知信号に基づき、画像データ、及び/又は制御情報を変更するようにしている。これにより、病院情報システム1は、医師を捉える患者の視界内に、電子カルテに関する情報を常に表示させることが可能となる。また、病院情報システム1は、診察の際に患者が所望の情報を閲覧可能となるため、医師による診察への不安を和らげることが可能となる。
また、本実施形態では、信号発生器30−1は、医師の動作を監視し、医師の動作に関する検知信号を発生する。そして、サーバ10は、信号発生器30−1で発生される検知信号に基づき、医師の動作を認識する。サーバ10は、認識した動作に基づき、画像データ、及び/又は制御情報を変更すると共に、電子カルテへの入力を受け付けるようにしている。これにより、病院情報システム1は、視界内に患者を捉えながら、電子カルテに関する情報を医師に入力させることが可能となる。
また、本実施形態では、サーバ10は、信号発生器30−1により検知される医師の状態、又は信号発生器30−2により検知される患者の状態に応じ、発生する画像データを切り換えるようにしている。すなわち、本実施形態に係るサーバ10は、患者、及び医師のジェスチャーに合わせ、表示装置20−1,20−2に表示させる内容を切り換えるようにしている。これにより、病院情報システム1は、画面起動時、及び画面切り替え時のクリック数を削減することが可能となる。したがって、本実施形態に係る病院情報システム1によれば、医師による診察時間を短縮させることができる。
また、本実施形態では、病院情報システム1は、電子カルテ情報DB121と、紐付情報DB122とを具備する。紐付情報DB122には、動作紐付きテーブル1221と、表示制御テーブル1222とが記憶されている。サーバ10は、信号発生器30−1,30−2から送信される検知信号により表される情報を、動作紐付きテーブル1221と照合させ、実施する処理を決定する。サーバ10は、決定した処理を実行するのに必要な情報を電子カルテ情報DB121から読み出し、読み出した情報から画像データを発生する。サーバ10は、決定した処理を、表示制御テーブル1222と照合させ、発生した画像データについての制御情報を取得する。そして、サーバ10は、発生した画像データに係る画像を、取得した制御情報に従って表示装置20−1,20−2に表示させるようにしている。これにより、病院情報システム1は、患者を捉える医師の視界内、及び医師を捉える患者の視界内に、電子カルテに関する情報を表示させることが可能となる。
また、本実施形態では、表示装置20−1,20−2は、医師、又は患者等の頭部に装着可能なHMDである。これにより、診察室にモニタを設置するための十分なスペースがない場合であっても、電子カルテに関する情報を確認することが可能となると共に、電子カルテへ必要情報を入力することが可能となる。
なお、上記実施形態では、医師は、表示装置20−1により、患者氏名領域AR3、病名領域AR4、カルテ領域AR5、検査結果レポート領域AR8、注意領域AR9、機能一覧領域AR10を視認可能な場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。表示装置20−1には、患者に対するメモが表示されてもよい。メモとして表示される情報は、例えば、電子カルテ情報、又は患者情報に記憶されている。このメモ情報は、患者側の装置である表示装置20−2に表示されてもよいし、表示されなくてもよい。表示装置20−2にも表示される場合、メモ情報には、アレルギー情報、感染症情報等、医師と患者とで共有すべき情報が含まれる。表示装置20−2に表示されない場合、メモ情報には、例えば、クレーム情報等、特定の患者を診察する際の注意点等に関する情報が含まれる。
患者についてのメモを表示させる場合、表示制御テーブル1222には、メモを表示装置20−1,20−2へ表示させるためのレコードが記憶される。図17は、患者についてのメモを表示させる場合の表示制御テーブル1222の例を表す図である。制御回路13は、図17に示される表示制御テーブル1222を参照し、表示装置20−1,20−2へメモ情報を表示するか否かを判断する。
また、上記実施形態では、紐付情報DB122に、動作紐付きテーブル1221と、表示制御テーブル1222とが記憶されている場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。動作紐付きテーブル1221と、表示制御テーブル1222とに記憶される情報が、単一のテーブルで記憶されても構わない。
また、上記実施形態では、医師が表示装置20−1を使用し、患者が表示装置20−2を使用する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。病院情報システム1は、図18に示されるように、看護師用に設けられる表示装置20−3をさらに具備してもよい。このような場合、動作紐付きテーブル1221には、例えば、図19に示される情報が記憶され、表示制御テーブル1222には、例えば、図20に示される情報が記憶される。制御回路13は、図19に示される動作紐付きテーブル1221と、図20に示される表示制御テーブル1222とを参照し、生成した画像データを表示装置20−3に表示させる。
また、上記実施形態では、図11において、注意領域AR9が表示される場合を例に説明した。注意領域AR9は、患者の動作に応じて表示装置20−1に表示されるようにしても構わない。このとき、患者の動作に応じた所定の処理が実施可能に、動作紐付きテーブル1221、及び表示制御テーブル1222にレコードが登録されている。例えば、動作紐付きテーブル1221に、「監視対象:患者」、「表示先:医師」、「処理:症状表示処理」、「条件1:診療入力処理実施中」、「条件2:患部への接触」、及び「条件設定:条件1 AND 条件2」を含むレコードが登録される。また、表示制御テーブル1222に、「処理:症状表示処理」、「表示位置:x,x,x」、「表示先:医師」、「権限:編集」を含むレコードが登録される。
そして、例えば、ステップS63において、信号発生器30−2により撮影された画像を解析した結果、制御回路13が、患者が腹部の痛みを訴える動作を認識したとする。制御回路13は、「診療入力処理」、及び「患者が腹部の痛みを訴える動作」と、動作紐付きテーブル1221とを照合する。制御回路13は、「監視対象:患者」、「条件1:診療入力処理実施中」、「条件2:患部への接触」、及び「条件設定:条件1 AND 条件2」が、「診療入力処理」、及び「患者が腹部の痛みを訴える動作」と一致すると判断する。制御回路13は、レコードに含まれる「表示先:医師」、及び「処理:症状表示処理」を取得する。
制御回路13は、「表示先:医師」、及び「処理:症状表示処理」を、表示制御テーブル1222に照合させる。制御回路13は、レコードに含まれる「表示位置:x,x,x」、及び「権限:編集」を取得する。制御回路13は、「処理:症状表示処理」に応じた情報を記憶回路12から読み出す。本例においては、制御回路13は、「腹痛有り」のメッセージ情報、及び既往歴に関する情報を記憶回路12から読み出す。制御回路13は、読み出した情報に基づいて注意領域AR9に関する画像データを生成する。制御回路13は、取得した「表示位置:x,x,x」、及び「権限:編集」に基づいて注意領域AR9を表示するように、表示装置20−1を制御する。
また、上記実施形態では、患者が椅子に座ると表示装置20−2へ電子カルテに関する情報を表示するばあいを例に説明した。しかしながら、これに限定されない。制御回路13は、患者リストに基づいて認識されている患者と、実際に入室してきた患者とが異なる人物である場合、電子カルテに関する情報を表示装置20−2に表示しないようにしてもよい。このとき、電子カルテ情報DB121には、患者を識別可能な情報、例えば、顔情報が登録されている。
そして、例えば、ステップS63において、信号発生器30−2により撮影された画像を解析した結果、制御回路13が、患者の顔を認識する。制御回路13は、患者リストに基づき、この診察において入室することが予定されている患者の顔情報を、電子カルテ情報DB121から読み出す。制御回路13は、認識した顔と、読み出した顔情報とを照合する。認識した顔と、読み出した顔情報とが異なる場合、制御回路13は、電子カルテに関する情報を表示することを禁止し、かつ、入室した患者が、診察を予定していた患者と異なる可能性を表示装置20−1に表示させる。このとき、表示装置20−2には、患者へ診察が異なる可能性を示唆する内容を表示してもよい。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、医師が患者を診察する際に病院情報システム1が利用される場合を例に説明した。しかしながら、病院情報システム1が利用される状況は、医師が患者を診察する場に限られない。例えば、病院情報システム1は、超音波診断装置による検査等で用いられてもよい。
例えば、サーバ10は、超音波診断装置によって撮影される超音波画像を表示装置20−1,20−2に表示させる。また、サーバ10は、医師による所定の動作、又は所定の発言に応じ、撮影されている超音波画像を所見情報として電子カルテ情報DB121へ記録する。なお、所定の発言とは、超音波画像を記録することを指示する発言を意味し、例えば、「撮影」との発言である。
具体的には、例えば、紐付情報DB122には、図21に示される動作紐付けテーブル1221と、図22に示される表示制御テーブル1222とが記憶されている。
そして、ステップS63において、信号発生器30−1,30−2により撮影された画像を解析した結果、制御回路13が、医師が超音波プローブに接触する動作、及び患者が寝台へ横たわっていることを認識したとする。制御回路13は、「医師が超音波プローブに接触する動作」、及び「患者が寝台へ横たわる動作」と、動作紐付きテーブル1221とを照合する。制御回路13は、「監視対象:医師、患者」、「条件1:超音波プローブへの接触」、「条件2:寝台への横たわり」、及び「条件設定:条件1 AND 条件2」が、「医師が超音波プローブに接触する動作」、及び「患者が寝台へ横たわる動作」と一致すると判断する。制御回路13は、レコードに含まれる「表示先:医師」、「表示先:患者」、及び「処理:画像表示処理」を取得する。
制御回路13は、「表示先:医師」、「表示先:患者」、及び「処理:画像表示処理」を、表示制御テーブル1222に照合させる。制御回路13は、レコードに含まれる「表示位置:10,0,50」、及び「権限:参照」を取得する。制御回路13は、「処理:画像表示処理」に応じ、超音波診断装置で撮影される超音波画像を取得する。制御回路13は、取得した超音波画像に基づいて画像データを生成する。制御回路13は、取得した「表示位置:10,0,50」、及び「権限:参照」に基づいて画像データを表示するように、表示装置20−1,20−2を制御する。
また、表示装置20−1,20−2に超音波画像が表示されている場合に、ステップS63において、制御回路13が、医師の手が現実空間における所定の位置へ移動されたことを認識したとする。制御回路13は、「超音波画像の表示処理」、及び「医師が手を所定の位置へ移動させる動作」と、動作紐付きテーブル1221とを照合する。制御回路13は、「監視対象:医師」、「条件1:超音波画像の表示中」、「条件2:位置xへの手の移動」、及び「条件設定:条件1 AND 条件2」が、「超音波画像の表示処理」、及び「医師が手を所定の位置へ移動させる動作」と一致すると判断する。制御回路13は、レコードに含まれる「処理:画像登録処理」を取得する。制御回路13は、「処理:画像登録処理」に応じ、超音波診断装置で撮影される超音波画像を取得する。制御回路13は、取得した超音波画像を所見情報として電子カルテ情報DB121へ記録する。
なお、サーバ10の処理は上記に限定されない。例えば、サーバ10は、医師による所定の動作、又は所定の発言に応じ、表示装置20−1,20−2に表示されている超音波画像の表示形式を切り替えるようにしてもよい。
これにより、病院情報システム1は、超音波プローブを操作する医師の視界内に、超音波画像を表示させることが可能となる。したがって、本実施形態に係る病院情報システム1によれば、医師は、患者への注意を維持したまま超音波診断装置による検査を実施することができる。また、病院情報システム1は、寝台に載置される患者の視界内に、超音波画像を表示させることが可能となるため、患者の検査への不安を和らげることが可能となる。
また、病院情報システム1は、耳鼻科における検査等で用いられてもよい。例えば、サーバ10は、内視鏡装置によって撮影される内視鏡画像を表示装置20−2に表示させる。また、サーバ10は、医師による所定の動作、又は所定の発言に応じ、撮影されている内視鏡画像を所見情報として電子カルテ情報DB121へ記録する。なお、所定の発言とは、内視鏡画像を記録することを指示する発言を意味し、例えば、「撮影」との発言である。
具体的には、例えば、紐付情報DB122には、図23に示される動作紐付けテーブル1221と、図24に示される表示制御テーブル1222とが記憶されている。
そして、ステップS63において、信号発生器30−1,30−2により撮影された画像を解析した結果、制御回路13が、医師が内視鏡装置の操作部に接触する動作、及び患者が寝台へ横たわっていることを認識したとする。制御回路13は、「医師が内視鏡装置の操作部に接触する動作」、及び「患者が寝台へ横たわる動作」と、動作紐付きテーブル1221とを照合する。制御回路13は、「監視対象:医師、患者」、「条件1:内視鏡装置の操作部への接触」、「条件2:寝台への横たわり」、及び「条件設定:条件1 AND 条件2」が、「医師が内視鏡装置の操作部に接触する動作」、及び「患者が寝台へ横たわる動作」と一致すると判断する。制御回路13は、レコードに含まれる「表示先:患者」、及び「処理:画像表示処理」を取得する。
制御回路13は、「表示先:患者」、及び「処理:画像表示処理」を、表示制御テーブル1222に照合させる。制御回路13は、レコードに含まれる「表示位置:10,0,50」、及び「権限:参照」を取得する。制御回路13は、「処理:画像表示処理」に応じ、内視鏡装置で撮影される内視鏡画像を取得する。制御回路13は、取得した内視鏡画像に基づいて画像データを生成する。制御回路13は、取得した「表示位置:10,0,50」、及び「権限:参照」に基づいて画像データを表示するように、表示装置20−2を制御する。
また、表示装置20−2に内視鏡画像が表示されている場合に、ステップS63において、制御回路13が、医師の手が現実空間における所定の位置へ移動されたことを認識したとする。制御回路13は、「内視鏡画像の表示処理」、及び「医師が手を所定の位置へ移動させる動作」と、動作紐付きテーブル1221とを照合する。制御回路13は、「監視対象:医師」、「条件1:内視鏡画像の表示中」、「条件2:位置xへの手の移動」、及び「条件設定:条件1 AND 条件2」が、「内視鏡画像の表示処理」、及び「医師が手を所定の位置へ移動させる動作」と一致すると判断する。制御回路13は、レコードに含まれる「処理:画像登録処理」を取得する。制御回路13は、「処理:画像登録処理」に応じ、内視鏡装置で撮影される内視鏡画像を取得する。制御回路13は、取得した内視鏡画像を所見情報として電子カルテ情報DB121へ記録する。
なお、サーバ10の処理は上記に限定されない。例えば、サーバ10は、医師による所定の動作、又は所定の発言に応じ、表示装置20−1,20−2に表示されている内視鏡画像の表示形式を切り替えるようにしてもよい。
これにより、病院情報システム1は、医師が電子カルテへの情報の入力に注意を払わずとも、情報の入力を可能としている。したがって、本実施形態に係る病院情報システム1によれば、医師は、患者への注意を維持したまま内視鏡装置による検査を実施することができる。また、病院情報システム1は、寝台に載置される患者の視界内に、内視鏡画像を表示させることが可能となるため、患者の検査への不安を和らげることが可能となる。
また、病院情報システム1は、皮膚科における検査等で用いられてもよい。例えば、サーバ10は、撮影装置によって撮影される診察部位の画像を、医師による所定の動作、又は所定の発言に応じ、所見情報として電子カルテ情報DB121へ記録する。なお、所定の発言とは、診察部位の画像を記録することを指示する発言を意味し、例えば、「撮影」との発言である。
具体的には、例えば、紐付情報DB122には、図25に示される動作紐付けテーブル1221が記憶されている。
そして、ステップS63において、信号発生器30−1により撮影された画像を解析した結果、制御回路13が、医師の手が現実空間における所定の位置へ移動されたことを認識したとする。制御回路13は、「医師が手を所定の位置へ移動させる動作」と、動作紐付きテーブル1221とを照合する。制御回路13は、「監視対象:医師」、「条件1:位置xへの手の移動」、及び「条件設定:条件1」が、「医師が手を所定の位置へ移動させる動作」と一致すると判断する。制御回路13は、レコードに含まれる「処理:画像登録処理」を取得する。制御回路13は、「処理:画像登録処理」に応じ、撮影装置で撮影される診察画像を取得する。制御回路13は、取得した診察画像を所見情報として電子カルテ情報DB121へ記録する。なお、サーバ10の処理は上記に限定されない。
これにより、病院情報システム1は、医師が電子カルテへの情報の入力に注意を払わずとも、情報の入力を可能としている。したがって、本実施形態に係る病院情報システム1によれば、医師は、患者への注意を維持したまま診察することができる。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。