JP2018133698A - 電力増幅器 - Google Patents

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宏一 長谷川
Koichi Hasegawa
宏一 長谷川
正樹 館森
Masaki Tatemori
正樹 館森
保彦 内藤
Yasuhiko Naito
保彦 内藤
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Abstract

【課題】損失を少なくすることで、高効率化を実現する電力増幅器を提供する。
【解決手段】入力信号を増幅して出力信号を出力する電力増幅器1は、入力信号を変換して基本波を出力し、送信周波数の2倍の周波数である2倍波を出力する信号処理回路31,32,33,34と、基本波に2倍波を注入するためのアクティブインジェクション回路41,42と、1/2波長の位相差を有する基本波及び2倍波をそれぞれ合成するアウトフェージング回路5とを備えている。基本波に2倍波が注入され、位相差を有する基本波及び2倍波がそれぞれ合成されると、電圧Vの波形と電流Iの波形とが重なる箇所である損失が小さくなるので、高効率化を実現することが可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力信号を増幅する電力増幅器において、損失を少なくすることで使用電力の高効率化を実現する電力増幅器に関する。
無線通信サービスの分野では、高度情報化に伴い、無線通信に使用される周波数帯の枯渇化が問題となっている。そのため、あらゆる周波数帯において、マルチキャリア方式が検討されている。このマルチキャリア方式は、複数の搬送波に情報信号を載せて無線通信を行うため、高速かつ大容量の通信に適しているが、無線通信にて使用される通信機器の最大出力と平均電力との差が大きいという問題がある。通常、このような通信機器にて使用される電力増幅器は、最大出力の時に最も電力効率が良くなるので、最大出力と平均電力との差が大きい場合、電力効率が悪くなる。これにより、電力増幅器の装置を大型化しなければならないことになる。
このような電力の損失は、デバイスが稼働しているときに発生する電圧と電流との積で計算される。例えば、図10(a)に示すような電力増幅器において、FET100に制御信号が入力されると電流Iが流れ、FET100のドレイン−ソース間に電圧Vが発生する。この電圧V及び電流Iの電圧電流波形を図10(b)に示す。この図10(b)に示すグラフにおいて、電圧Vの波形を示すL11と電流Iの波形を示すL12とが重なる箇所(図10(b)のハッチング箇所)が損失となる。損失を減らすためには、電流が流れている時間に電圧をゼロに近付ける必要があり、これを実現するためにスイッチング方式が検討されているが、高次の高調波成分まで扱う必要があり、電力増幅器としては不利である。
このような損失を低減させるため、図11(a)に示すようなアクティブインジェクション回路を利用した電力増幅器がある。このアクティブインジェクション回路は、FET100に制御信号が入力されると電流波である基本波fが流れるとともに、FET100のドレイン側に接続されている補助アンプ101から、基本波fの2倍の周波数である2倍波2fが流れるように構成した回路である。このアクティブインジェクション回路の電圧V及び電流Iの電圧電流波形を図11(b)に示す。このアクティブインジェクション回路では、基本波fと2倍波2fとが合成されることにより、電流Iが流れているときの電圧Vの上昇を抑制するので、図11(b)の電圧Vの波形を示すL13と電流Iの波形を示すL14とが重なる箇所である損失を少なくすることが可能である。なお、ここでは補助アンプから流れる電流波を基本波fの2倍の周波数である2倍波2fとしたが、周波数が2倍の電流波に限られず、整数倍の電流波(n倍波)であれば良い。
このアクティブインジェクション回路におけるドレイン電流波は、以下の数式1のように表される。
Figure 2018133698
この数式1において、波かっこ内の1項目は直流成分を表し、2項目は基本波fの成分を表し、3項目はn倍波の成分を表している。ここで、n倍波を2倍波とすると、ドレイン電流波は、以下の数式2のように表される。
Figure 2018133698
また、このアクティブインジェクション回路における電圧一般式は、以下の数式3のように表される。
Figure 2018133698
ここで、以下の数式4の条件において、数式5の条件を満たす定数v1,v2は、数式6に示すときに効率が最大になる。
Figure 2018133698
Figure 2018133698
Figure 2018133698
このときの電圧式は、以下の数式7のように表され、このときの電圧電流波形が図11(b)に示すように損失が最小になる。
Figure 2018133698
しかしながら、このアクティブインジェクション回路において、出力を小さくすると、図12に示すように、電流が流れているときの電圧(オン電圧)が大きくなり、損失が大きくなるという課題があった。
出力を小さくする時も電圧波形を一定に保ち低損失を維持するために、位相制御を行う増幅装置が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。この増幅装置は、入力信号の振幅に依存した所定の位相差を有する2つの信号に分離することで、高効率で広帯域の増幅装置を実現するものである。
H.Chireix,"High Power Outphasing Modulation",Proceedings of the Institute of Radio Engineers(IRE)23(11):1370−1392,Nov.1935.
ところで、このような増幅装置であっても、位相制御により増幅器から見た負荷インピーダンスが変化することで、低損失条件である増幅器の出力波形である数式2、及び数式7の波形からずれてしまい、効率が低減するという課題があった。
そこで本発明は、出力信号の出力の変化に伴うオン電圧の上昇を抑制して損失の発生を抑制し、位相制御による負荷インピーダンスの変化に対し低損失状態を維持するドレイン電圧電流波形に制御することで、高効率化を実現する電力増幅器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、入力信号を増幅して出力信号を出力する電力増幅器であって、前記入力信号が前記出力信号の送信周波数に変換された基本波に、前記入力信号が前記送信周波数の整数n倍の周波数に変換されたn倍波を注入することにより、電流が流れるときの電圧の上昇を抑制するアクティブインジェクション回路と、所定の位相差を有する2つの信号波にそれぞれ変換された前記基本波及び前記n倍波を合成することにより、前記出力信号の出力変化にともなうオン電圧の上昇を抑制するアウトフェージング回路と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電力増幅器において、入力信号を所定の電流波形に制御することにより、前記基本波と前記n倍波とのバランスを保持する信号処理回路を備え、前記信号処理回路により制御された入力信号は、前記基本波及び前記n倍波に変換される、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電力増幅器において、前記信号処理回路は、所定の位相差を有する第1の基本波及び第2の基本波と、所定の位相差を有する第1のn倍波及び第2のn倍波と、を出力し、前記第1の基本波に前記第1のn倍波を注入する第1のアクティブインジェクション回路と、前記第2の基本波に前記第2のn倍波を注入する第2のアクティブインジェクション回路と、を備え、前記アウトフェージング回路は、前記第1のn倍波が注入された前記第1の基本波と、前記第2のn倍波が注入された前記第2の基本波と、を合成する、ことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の電力増幅器において、負荷抵抗をR、回路特性インピーダンスをZ、電圧波の振幅をVとしたとき、前記第1の基本波は、数式8により示される信号波であり、
Figure 2018133698
前記第2の基本波は、以下の数式9により示される信号波であり、
Figure 2018133698
前記第1のn倍波は、以下の数式10により示される信号波であり、
Figure 2018133698
前記第2のn倍波は、以下の数式11により示される信号波である、
Figure 2018133698
ことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、基本波にn倍波を注入することにより電流が流れるときの電圧の上昇を抑制するアクティブインジェクション回路と、所定の位相差を有する2つの信号波を合成することにより出力信号の出力変化にともなうオン電圧の上昇を抑制するアウトフェージング回路と、を備えたため、アクティブインジェクション回路において、出力が変化すると電流が流れているときの電圧上昇をアウトフェージング回路により抑制するので、出力が小さい場合であっても損失を低減することが可能になり、電力効率の高い電力増幅器を実現することができる。これにより、マルチキャリア方式の通信機器に使用することができる。
請求項2に記載の発明によれば、入力信号を所定の電流波形に制御する信号処理回路を備えたため、基本波とn倍波とのバランスを保持するので、アウトフェージング回路にて出力を変更すると基本波とn倍波とのバランスが崩れて効率が低下するのを防止することが可能になる。
請求項3に記載の発明によれば、信号処理回路が第1の基本波及び第2の基本波と、第1のn倍波及び第2のn倍波と、を出力し、第1の基本波に第1のn倍波を注入する第1のアクティブインジェクション回路と、第2の基本波に第2のn倍波を注入する第2のアクティブインジェクション回路と、を備え、アウトフェージング回路が第1のn倍波が注入された第1の基本波と、第2のn倍波が注入された第2の基本波と、を合成するので、1つの回路で信号処理回路、アクティブインジェクション回路、及びアウトフェージング回路を備えた電力増幅器を実現することが可能になる。
請求項4に記載の発明によれば、第1の基本波、第2の基本波、第1のn倍波、及び第2のn倍波を数式8、数式9、数式10、及び数式11により示される信号波にて制御することにより、損失を低減し、電力効率の高い電力増幅器を実現することができる。
この発明の実施の形態に係る電力増幅器1の概略を示す回路構成図である。 この発明の実施の形態の変形例に係る電力増幅器1Aの概略を示す回路構成図である。 図1の電力増幅器1に使用されるアウトフェージング回路5の基本構成を示す図であり、アウトフェージング回路の基本構成を示す回路図(a)、及び図(a)の電圧ベクトルV,Vの合成を示す概略図(b)である。 図1の電力増幅器1に使用されるアウトフェージング回路5の基本動作を説明するための回路図である。 図1の電力増幅器1に使用されるアウトフェージング回路5の効率を説明するための回路図である。 図4の回路のドレイン効率を示すグラフである。 図1の電力増幅器1の電圧V及び電流Iの電圧電流波形を示すグラフである。 図1の電力増幅器1にて出力を変化させた場合の電圧V及び電流Iの電圧電流波形を示すグラフであり、2倍波を制御している場合を示すグラフ(a)、及び2倍波を制御していない場合を示すグラフ(b)である。 2倍波のアドミタンスY、2倍波電圧V、インジェクション電流Iinj、及び2倍波電流Iの関係を示すベクトル図である。 従来例の電力増幅器を示す図であり、電力増幅器を示す回路構成図(a)、及び図(a)の電圧V及び電流Iの電圧電流波形を示すグラフ(b)である。 従来例のアクティブインジェクション回路を示す図であり、アクティブインジェクション回路を示す回路構成図(a)、及び図(a)の電圧V及び電流Iの電圧電流波形を示すグラフ(b)である。 図11(a)の回路にて出力を小さくしたときの電圧V及び電流Iの電圧電流波形を示すグラフである。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
この発明の実施の形態に係る電力増幅器1は、入力信号を増幅して出力信号を出力する装置であり、図1に示すように、主として信号処理回路31,32,33,34と、アクティブインジェクション回路41,42と、アウトフェージング回路5とを備えている。
信号処理回路31,32,33,34は、入力信号に対して、出力信号の送信周波数に変換して基本波(第1の基本波、第2の基本波)を出力し、送信周波数の整数n倍(例えば、2倍)の周波数に変換されたn倍波(第1のn倍波、第2のn倍波)(例えば、2倍波)を出力する集積回路であり、製造後に回路構成を設定することが可能に構成されている。また、この信号処理回路31,32,33,34では、後述するように、必要に応じて入力信号に対して所定の電流波形になるように制御する機能も備えている。また、信号処理回路31は第1の2倍波を、信号処理回路32は第1の基本波を、信号処理回路33は第2の基本波を、信号処理回路34は第2の2倍波を、それぞれ出力するように構成されている。
アクティブインジェクション回路(第1のアクティブインジェクション回路)41は、後述するメインアンプ51内の増幅素子により出力された第1の基本波に、第1の2倍波を注入することによりメインアンプ51内の増幅素子出力端子に電流が流れるときの電圧の上昇を抑制するための回路である。このアクティブインジェクション回路41は、補助アンプ411と、フィルタ412とを備えている。
補助アンプ411は、第1の2倍波を増幅するための装置であり、信号処理回路31の出力側に接続され、第1の2倍波が入力されるように構成されている。フィルタ412は、第1の2倍波を通して第1の基本波の通過を阻止するための装置であり、補助アンプ411の出力側に接続され、第1の2倍波が入力されるように構成されている。
アクティブインジェクション回路(第2のアクティブインジェクション回路)42は、後述するメインアンプ52内の増幅素子により出力された第2の基本波に、第2の2倍波を注入することによりメインアンプ52内の増幅素子出力端子に電流が流れるときの電圧の上昇を抑制するための回路である。このアクティブインジェクション回路42は、補助アンプ421と、フィルタ422とを備えている。
補助アンプ421は、第2の2倍波を増幅するための装置であり、信号処理回路34の出力側に接続され、第2の2倍波が入力されるように構成されている。フィルタ422は、第2の2倍波を通して第2の基本波の通過を阻止するための装置であり、補助アンプ421の出力側に接続され、第2の2倍波が入力されるように構成されている。
アウトフェージング回路5は、第1の基本波と第2の基本波とを電力合成し、第1の基本波と第2の基本波との位相差を変化させることで出力電力値を制御することができる装置であり、所定の位相差(例えば、1/2波長)を有する基本波と2倍波とを合成することにより、出力信号の出力変化にともなう電圧の上昇を抑制するための回路である。このアウトフェージング回路5は、アクティブインジェクション回路41,42の出力側に接続され、メインアンプ51,52と、フィルタ53,54と、合成器55とを備えている。メインアンプ51,52は、基本波を増幅するための装置であり、メインアンプ51は第1の基本波を、メインアンプ52は第2の基本波を、それぞれ増幅するように構成されている。フィルタ53,54は、第1の基本波及び第2の基本波以外の信号の通過を阻止するための装置であり、フィルタ53はメインアンプ51の出力側に接続されて第1の基本波及び第1の2倍波が入力され、フィルタ54はメインアンプ52の出力側に接続されて第2の基本波及び第2の2倍波が入力されるように構成されている。合成器55は、入力された信号を合成するための装置であり、フィルタ53,54の出力側に接続されて、第1の基本波、第2の基本波、第1の2倍波、及び第2の2倍波を合成して出力信号Pを出力するように構成されている。
なお、この発明の実施の形態は、図2の変形例に示す電力増幅器1Aのように構成しても良い。この電力増幅器1Aは、図1に示す電力増幅器1の信号処理回路31,32,33,34に替えて、FPGA(Field−Programmable Gate Array)(信号処理回路)2と、D/Aコンバータ31A,32A,33A,34Aとを備えている点において、電力増幅器1と異なる。その他の構成は、電力増幅器1と同様の構成を備えている。
FPGA2は、A/D変換された入力信号に対して、出力信号の送信周波数に変換して基本波(第1の基本波、第2の基本波)を出力し、送信周波数の整数n倍(例えば、2倍)の周波数に変換されたn倍波(第1のn倍波、第2のn倍波)(例えば、2倍波)を出力する集積回路であり、製造後に回路構成を設定することが可能に構成されている。また、このFPGA2では、後述するように、必要に応じて入力信号に対して所定の電流波形になるように制御する機能も備えている。
このアウトフェージング回路の基本構成について、以下に説明する。
図3(a)に示すアウトフェージング回路は、電圧が一定のままで電流を増減するために、2つの電源P1,P2を用いて、図3(b)に示すように、同じ大きさの電圧ベクトルV1,V2の位相角θを制御して合成する回路である。このようなアウトフェージング回路の基本動作について、図4に示す回路図を用いて説明する。
無損失伝送経路の特性インピーダンスをZ、電気長をθとすると、図4に示す回路の伝送経路のマトリクスは以下の数式12のように表される。
Figure 2018133698
ここで、θ=λ/4のとき、数式13のように表される。
Figure 2018133698
図4に示す回路から、電圧波、電流波は以下の数式14のように表される。
Figure 2018133698
したがって、負荷アドミタンスは、以下の数式15のように表される。
Figure 2018133698
ここで、G‘、B‘は、以下の数式16のように表される。
Figure 2018133698
以上より、アクティブインジェクションPAを使用したアウトフェージング回路の出力電力P、総合入力電力Pdcを算出し、総合効率ηを求めると、以下の数式17のように表される。
Figure 2018133698
この総合効率ηは、図6に示す破線L1のような出力特性を有している。
次に、図4の場合に発生するサセプタンスB‘をキャンセルするサセプタンス素子Bcomp‘を追加した場合が、図5に示す回路図になる。この場合の負荷アドミタンスは、以下の数式18のように表される。
Figure 2018133698
ここで、Bcomp‘は、以下の数式19のように表される。
Figure 2018133698
以上より、総合効率η‘を求めると、以下の数式20のように表される。
Figure 2018133698
この総合効率η‘は、図6に示す実線L2のような出力特性を有している。このように、負荷補正しない破線L1の出力特性と比較すると、負荷補正を行った実線L2の出力特性は、効率が大幅に改善していることが分かる。
この電力増幅器1の作用等について、以下に説明する。
図1の電力増幅器1の電圧V及び電流Iの電圧電流波形を、図7に示す。図7の電圧Vの波形を示すL3と電流Iの波形を示すL4とが重なる箇所は、電圧値が略0となっている。そのため、出力値が可変であり、高効率であることが分かる。
次に、図1の電力増幅器1にて出力を変化させた場合の電圧V及び電流Iの電圧電流波形を、図8に示す。図8(a)は、2倍波を適切に制御している場合であり、この場合、電圧Vの波形を示すL5と電流Iの波形を示すL6とが重なる損失が少なくなっている。これに対して、図8(b)は、2倍波を固定値とした場合であり、この場合、電圧Vの波形を示すL5と電流Iの波形を示すL6とが重なる損失が多くなっている。そのため、図1に示す信号処理回路31,32,33,34において、基本波と2倍波を適切に制御し、基本波と2倍波とのバランスを保持することで損失を低減させている。このような基本波と2倍波の制御について、以下に説明する。
前述の数式2、数式7より、基本波電圧v、2倍波電圧v、基本波電流i、2倍波電流iを算出し、極座標表示に変換すると、以下の数式21のように表される。
Figure 2018133698
以上より、第1の基本波の電流波形は、以下の数式8のように表される。
Figure 2018133698
第2の基本波の電流波形は、以下の数式9により表される。
Figure 2018133698
また、数式8から位相と振幅を変換すると、以下の数式22により表される。
Figure 2018133698
同様に、数式9から位相と振幅を変換すると、以下の数式23により表される。
Figure 2018133698
ここで、2倍波のアドミタンスY、2倍波電圧V、インジェクション電流Iinj、及び2倍波電流Iの関係を示すベクトル図を図9に示す。2倍波電圧Vは、アドミタンスYに2倍波電流I及び2倍波電流Iが流れることにより発生する電圧であり、図9に示す関係より、インジェクション電流Iinjは以下の数式24のように表される。
Figure 2018133698
また、図3より、基本波電圧Vと2倍波電圧Vとの関係、及び基本波電流Iと2倍波電流Iとの関係は、以下の数式25のように表される。
Figure 2018133698
ここで、数式22、数式23に示す電流波形は、図11に示すFET100による電流Iに相当する。そこで、インジェクション電流IinjをアドミタンスYに流すことで図9のような関係になるインジェクション電流を求めると、第1の2倍波の電流波形は、以下の数式10のように表される。
Figure 2018133698
同様に、第2の2倍波の電流波形は、以下の数式11のように表される。
Figure 2018133698
これにより、図8(a)に示すように、損失を少なくすることが可能になる。
以上のように、この電力増幅器1によれば、信号処理回路31,32,33,34と、アクティブインジェクション回路41,42と、アウトフェージング回路5とを備えたことにより、アクティブインジェクション回路41,42において、出力が変化すると電流が流れているときの電圧上昇をアウトフェージング回路5により抑制するので、出力が小さい場合や可変の場合であっても損失を低減することが可能になり、電力効率の高い電力増幅器を実現することができる。これにより、マルチキャリア方式の通信機器に使用することが可能になる。また、基本波と2倍波とのバランスが崩れて効率が低下するのを防止することができる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、n倍波を2倍波としたが、2倍に限られず、整数倍であれば良い。
また、FPGA2にて入力信号が所定の電流波形になるように制御したが、2倍波を制御しなくても損失が低い状態で安定する場合には、制御を行わなくても良い。
1 電力増幅器
2 FPGA(デジタル信号処理回路)
5 アウトフェージング回路
31,32,33,34 信号処理回路
31A,32A,33A,34A D/Aコンバータ
41 アクティブインジェクション回路
(第1のアクティブインジェクション回路)
42 アクティブインジェクション回路
(第2のアクティブインジェクション回路)
51,52 メインアンプ
53,54 フィルタ
55 合成器
411 補助アンプ
412 フィルタ
421 補助アンプ
422 フィルタ

Claims (4)

  1. 入力信号を増幅して出力信号を出力する電力増幅器であって、
    前記入力信号が前記出力信号の送信周波数に変換された基本波に、前記入力信号が前記送信周波数の整数n倍の周波数に変換されたn倍波を注入することにより、電流が流れるときの電圧の上昇を抑制するアクティブインジェクション回路と、
    所定の位相差を有する2つの信号波にそれぞれ変換された前記基本波及び前記n倍波を合成することにより、前記出力信号の出力変化にともなうオン電圧の上昇を抑制するアウトフェージング回路と、
    を備えたことを特徴とする電力増幅器。
  2. 入力信号を所定の電流波形に制御することにより、前記基本波と前記n倍波とのバランスを保持する信号処理回路を備え、
    前記信号処理回路により制御された入力信号は、前記基本波及び前記n倍波に変換される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力増幅器。
  3. 前記信号処理回路は、所定の位相差を有する第1の基本波及び第2の基本波と、所定の位相差を有する第1のn倍波及び第2のn倍波と、を出力し、
    前記第1の基本波に前記第1のn倍波を注入する第1のアクティブインジェクション回路と、前記第2の基本波に前記第2のn倍波を注入する第2のアクティブインジェクション回路と、を備え、
    前記アウトフェージング回路は、前記第1のn倍波が注入された前記第1の基本波と、前記第2のn倍波が注入された前記第2の基本波と、を合成する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の電力増幅器。
  4. 負荷抵抗をR、回路特性インピーダンスをZ、電圧波の振幅をVとしたとき、前記第1の基本波は、数式8により示される信号波であり、
    Figure 2018133698
    前記第2の基本波は、以下の数式9により示される信号波であり、
    Figure 2018133698
    前記第1のn倍波は、以下の数式10により示される信号波であり、
    Figure 2018133698
    前記第2のn倍波は、以下の数式11により示される信号波である、
    Figure 2018133698
    ことを特徴とする請求項3に記載の電力増幅器。
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